JP2004201615A - 被膜無洗米とその製造方法および製造装置 - Google Patents

被膜無洗米とその製造方法および製造装置 Download PDF

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Norihisa Takeda
法久 武田
Takuo Sho
拓郎 升
Tomonari Nomura
朝成 野村
Ryoichi Toya
亮一 遠矢
Sakiko Nakamura
紗岐子 中村
Osamu Niisato
修 新里
Kaname Yanagisawa
要 柳澤
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Abstract

【課題】無洗米を原料にすることで炊飯時の洗米操作を省くことができることを前提として、かかる無洗米のコーティングにより保存性を高めると共に、このコーティングを利用して各種有用成分を無洗米に付加することにより、消費者の健康に寄与する。
【解決手段】アラビアガムを主成分として成るコーティング剤を、予め加工した無洗米の表層全体に被覆する。さらに、コーティング剤に、鉄(Fe)、ビタミンE、およびギャバ(GABA)より成る群より選ばれた1種または2種以上を添加する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、精米の表層より残存糠層および澱粉層を除去した無洗米の表層全体を所定のコーティング剤により被覆して成る被膜無洗米と、その製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より欧米諸国では古くから精米のコーティングが行われてきた。アメリカの農務省研究所等の資料によると、欧米におけるコーティングには、ブドウ糖溶液を主体としたコーティング(glazingと呼び)、油脂を主体としたコーティング(oilingと呼ぶ)とがあるが、何れの場合もタルク(滑石)を併せて使用し、ブドウ糖溶液等を添加することにより生ずる精米同士の固結を防止すると共に、精米表面の光沢を良くするようにしている。
【0003】
このような方法によりコーティングされた精米は、劣化しにくくなり長期の貯蔵性を備えることは周知の事実であり、コーティングされた精米は害虫による被害が普通の精米よりは遙かに少なく、品質低下の面でも優れていることが確認されている。
【0004】
また、最近、アメリカの農務省研究所等では、タルクに代わる食用に適したコーティング材料を開発するため各種有機酸カルシウム等について、研究が進められており、これらの材料でコーティングした精米の光沢効果について研究成果も発表されている。
【0005】
かかる研究では、酢酸カルシウム、クエン酸カルシウム、マルトース、ガラクトース、蔗糖およびラクトース等が良好な結果が示されている。これらのカルシウム剤はコーンシロップと共に精米に対し0.5〜1%を使用するものである。これらの方法は、従来のタルクコーティングに代わる技術として注目されたが、タルクに比較して高価なため、現在では実用化されていないのが実情である。
【0006】
また、我国では、欧米式コーティングは食品衛生法で規制されるタルクが使用されている関係上、実施されることはなかった。また、新しいコーティング技術開発についても、当時米不足時代の食糧管理法の下では積極的に取り上げられることはなかった。
【0007】
ところが、近年我国では米の生産は過剰基調をたどり、過剰米対策が大きな問題となっている。このような情勢に対処するため、全糧連協同組合(全糧連、平成13年10月より全国米穀販売協同組合(全米販)に名称変更)では、精米の長期保管の観点からアメリカにおけるコーティング技術について調査を行っている。
【0008】
また、コーティングに関連する技術についても、各社より特許出願が幾つかなされている。具体的には例えば、この種のコーティングに関連する技術として、特許文献1、特許文献2、特許文献3、および特許文献4等に示すようなものが知られている。
【0009】
【特許文献1】
特公昭51−6737号公報
【特許文献2】
特公昭54−22491号公報
【特許文献3】
特公平1−23182号公報
【特許文献4】
特公平1−29546号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したコーティングの対象である精米は、精白する過程において大部分の糠は除去されるのだが、まだ精米の表層には僅かな糠層や澱粉層が残存しているのが普通である。かかる精米をそのまま炊飯すると、糠臭い米飯に炊き上がってしまうので、精米を研ぐ・洗うという洗米操作をしてから炊飯する必要があった。
【0011】
ここで、前記特許文献1に記載された技術は、精白米にコーティング処理して保存性を高めると共に、澱粉、糖類、栄養強化剤、調理料等の改良剤を精白米に添加被膜する精白米の処理方法であり、また、前記特許文献2に記載された技術は、精白米にアミノ酸リジンを添加被膜する精米の処理方法であったが、何れも洗わないで炊飯できる状態に達せず、需要がなく、商品化されなかった。
【0012】
また、前記特許文献3に記載された技術は、玄米をビタミン剤含有水溶液に3〜13時間も浸漬した後、乾燥させながらとう精する精米方法であり、さらに、前記特許文献4に記載された技術は、精米に重量比で0.3以下の割合で、ビタミン等の食品添加物の水溶液を霧状に直接添加する精白米加工法であったが、これらは精米の調質による方法でコーティングではなく、単に水溶液状に付着させるものであり、炊飯時に洗米すると容易に流失することが考えられる。
【0013】
ところで、平成3年頃から炊飯の際、米を研ぐ・洗うという洗米操作を省くことができる無洗化処理精米(以下、「無洗米」という)が販売されるようになった。消費者にとっては、利便性と米のとぎ汁がでないためあるいは少ないため生活排水の軽減になり、環境に優しいこともあって、最近この無洗米は急速に普及しつつある。
【0014】
この無洗米の製造方法には、現在では主に次の3種類の方法がある。すなわち、▲1▼加水精米仕上方式:精米に対し、15%程度の水で瞬間的に洗い、脱水乾燥する。▲2▼乾式研米仕上方式:乾式研米機でとう精された精米を仕上げる。▲3▼特殊加工仕上方式:精米に対し、5%程度の水を使い、低圧攪拌し、さらに加熱したタピオカでんぷんで残存糠層等を吸着仕上げする。
何れの方法も、とう精された精米を1〜2%程度、残存糠層と澱粉層を取り去り、洗わなくとも炊飯できる状態に仕上げたものである。
【0015】
本発明は、以上のような従来の問題点に着目してなされたものであって、その目的とするところは、現在販売されているうるち精米、もち精米、胚芽精米、5分づき精米、7分づき精米等を無洗米にして、炊飯時の洗米操作を省くことができることを前提として、かかる無洗米を主としてアラビアガムによりコーティングすることで極めて商品価値の高い被膜無洗米を提供することである。
【0016】
また、本発明の他の目的は、前記コーティングを利用して、食物繊維のほか、鉄(Fe)、ビタミンE、およびギャバ(GABA)を無洗米に付加することにより、消費者の健康に多大に貢献することができる被膜無洗米を提供することである。
【0017】
さらにまた、本発明の他の目的は、前述したような商品価値の高い被膜無洗米を、コストアップを招くことなく安価に、しかも短時間に効率良く製造することを可能ならしめる被膜無洗米の製造方法、および被膜無洗米の製造装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]精米の表層より残存糠層および澱粉層を除去した無洗米において、該無洗米の表層全体を所定のコーティング剤により被覆して成る被膜無洗米であって、前記コーティング剤は、アラビアガムを主成分として成ることを特徴とする被膜無洗米。
【0019】
[2]精米の表層より残存糠層および澱粉層を除去した無洗米において、該無洗米の表層全体を所定のコーティング剤により被覆して成る被膜無洗米であって、前記コーティング剤は、アラビアガムを主成分とし、これに鉄(Fe)、ビタミンE、およびギャバ(GABA)より成る群より選ばれた1種または2種以上を添加して成ることを特徴とする被膜無洗米。
【0020】
[3]精米の表層より残存糠層および澱粉層を除去した無洗米の表層全体を、所定のコーティング剤により被覆して成る被膜無洗米の製造方法であって、
前記コーティング剤は、アラビアガムを主成分として成り、該コーティング剤を調製した水溶液を前記無洗米に対して、主成分を重量比0.2〜1.0%の割合で添加することを特徴とする被膜無洗米の製造方法。
【0021】
[4]前記被膜無洗米の水分含有量を、被覆前の無洗米の水分含有量に対して水分上昇0.5%以下とし、かつ16%以内に収まる範囲に調製することを特徴とする[3]記載の被膜無洗米の製造方法。
【0022】
[5]前記コーティング剤を調製した水溶液に、被覆前の無洗米100gに対して鉄(Fe)を3〜10mg添加することを特徴とする[3]または[4]記載の被膜無洗米の製造方法。
【0023】
[6]前記コーティング剤を調製した水溶液に、被覆前の無洗米100gに対してビタミンEを5〜20mg添加することを特徴とする[3]または[4]記載の被膜無洗米の製造方法。
【0024】
[7]前記コーティング剤を調製した水溶液に、被覆前の無洗米100gに対してギャバ(GABA)を6〜18mg添加することを特徴とする[3]または[4]記載の被膜無洗米の製造方法。
【0025】
[8]精米の表層より残存糠層および澱粉層を除去した無洗米の表層全体を所定のコーティング剤により被覆して成る被膜無洗米の製造装置(10)であって、前記コーティング剤は、アラビアガムを主成分として成り、該コーティング剤を調製した水溶液を一時貯留する水溶液タンク(60)と、
原料となる前記無洗米が所定流量で連続的に供給され、該無洗米を搬送するコンベヤ(30)と、
前記コンベヤ(30)で搬送される途中の無洗米に、前記水溶液タンク(60)より供給された水溶液を所定の割合で噴霧する噴霧器(40)と、
前記コンベヤ(30)で搬送された前記水溶液の噴霧済みの無洗米を受け入れ、無洗米の表層全体に水溶液を満遍なく定着させると共に、余分な水分を除去する仕上器(50)とを、少なくとも有して成ることを特徴とする被膜無洗米の製造装置(10)。
【0026】
[9]原料となる前記無洗米を一時貯留する調整タンク(20)と、
前記調整タンク(20)内の無洗米を調整可能な所定の流量で前記コンベヤ(30)へ供給するバルブ(22)とを有し、
前記バルブ(22)で設定された流量に応じて、前記コンベヤ(30)における搬送速度を設定することを特徴とする[8]記載の被膜無洗米の製造装置(10)。
【0027】
[10]前記仕上器(50)は、前記コンベヤ(30)で搬送された前記水溶液の噴霧済みの無洗米を受け入れ、スクリーン状の円盤(51)上で該円盤(51)の円周方向に攪拌させつつ、該円盤(51)の下方より吸引して水分を除去した後、振動スクリーン板(55)上に移し、該振動スクリーン板(55)を振動させて仕上げることを特徴とする[8]または[9]記載の被膜無洗米の製造装置(10)。
【0028】
[11]前記仕上器(50)における前記円盤(51)上に、乾燥用のヒータ(53a)をさらに設けたことを特徴とする[10]記載の被膜無洗米の製造装置(10)。
【0029】
次に前述した解決手段に基づく作用を説明する。
本発明に係る被膜無洗米によれば、精米ではなく、精米の表層より残存糠層および澱粉層を除去した無洗米を用いるため、炊飯時の洗米操作を省くことができ、水を注ぐだけで炊くことができるから、消費者にとっては利便性が高いと共に米のとぎ汁等の生活排水の軽減につながる。かかる無洗米の表層全体を所定のコーティング剤により被覆することで、無洗米が空気と接触することがなく、酸化による品質劣化が防止され防虫効果もあり、長期の保存性を得ることができる。
【0030】
前記コーティング剤には、アラビアガムを主成分とするものを用いるので、かかるコーティング剤により光沢のある外観的品質の優れた被膜無洗米を得ることができる。また、コーティング剤は、各種の有用成分を無洗米に付加するための最適な母剤となり得るものである。
【0031】
アラビアガムは、アカシア属(Acasia senegal属等)の樹木から分泌される粘稠な樹液を樹脂状に乾燥させたものである。アラビンおよびアラビン酸が主成分であり、温水に溶解するとコロイド状になる。アラビアガムは油脂分散性に優れ、各種食品素材存在下でも安定な乳化物を得ることができる。
【0032】
米に関しては、従来アラビアガムは増量的なイメージが長い間強かったので使用されていなかったが、今日ではアラビアガムの優れた機能性のほか食物繊維としても見直され、本発明では無洗米に天然素材のアラビアガムを添加被膜して、洗わないで炊飯できる状態にして、機能性を付加するものである。
【0033】
また、アラビアガムを主成分とするコーティング剤に、鉄(Fe)、ビタミンE、およびギャバ(GABA)より成る群より選ばれた1種または2種以上を添加することにより、これらの各種有用成分も、無洗米の表層全体に被覆させることになり、保存性や外観品質のみならず、栄養や機能性の点でも優れた商品特性を付加することができる。しかも、無洗米であることから、前述したように炊飯時の洗米操作を省くことができるので、コーティング剤に添加した各種有用成分の流失も防止することができる。
【0034】
前述した被膜無洗米を製造するには、前記アラビアガムを主成分とするコーティング剤を調製した水溶液を無洗米に対して、主成分を重量比0.2〜1.0%の割合で添加すると最適である。かかる水溶液には必要に応じて、前述した鉄(Fe)、ビタミンE、およびギャバ(GABA)をそれぞれ任意の量だけ適宜添加すると良い。
【0035】
被膜無洗米の水分含有量を、加工前の無洗米の水分含有量に対して、水分上昇0.5%以下とし、かつ水分含有量が16%以内に収まる範囲に調製することにより、品質劣化や食味低下を防ぐことができる。無洗米の水分含量を16.0%以下に調整するのは、国の規格(食糧庁)による品位基準に準拠するためである。
【0036】
また、このような被膜無洗米の製造方法を実際に実施するための製造装置(10)としては、水溶液タンク(60)、コンベヤ(30)、噴霧器(40)、それに仕上器(50)を少なくとも有するように構成したものを用いると良い。水溶液タンク(60)には、コーティング剤を調製した水溶液が一時貯留され、コンベヤ(30)には、原料となる無洗米が所定流量で連続的に供給され、該コンベヤ(30)により無洗米は攪拌されながら搬送される。かかる搬送途中の無洗米に、噴霧器(40)により前記水溶液タンク(60)から供給された水溶液が所定の割合で噴霧される。
【0037】
続いて、前記水溶液の噴霧済みの無洗米は、仕上器(50)により、コーティング剤や各種有用成分で被覆された無洗米表面の余分な水分が除去される。具体的には例えば、スクリーン状の円盤(51)上に受け入れた無洗米を、円盤(51)上で円周方向に攪拌させつつ、該円盤(51)の下方より吸引して水分を除去した後、振動スクリーン板(55)上に移し、該振動スクリーン板(55)を振動させて仕上げる。
【0038】
このような製造装置(10)によれば、設備コストを抑えることができる。しかも、コーティング剤を無洗米の表面全体に十分に伸展させて均一な被膜を形成させつつ、余分な水分を蒸発させて、コーティング剤や各種有用成分を無洗米表面に確実に吸着させることができる。
【0039】
また、前記製造装置(10)において、原料となる無洗米を一時貯留する調整タンク(20)と、該調整タンク(20)内の無洗米を調整可能な所定の流量で前記コンベヤ(30)へ供給するバルブ(22)とを装備し、前記バルブ(22)で設定された流量に応じて、前記コンベヤ(30)における搬送速度を設定すると良い。
【0040】
さらに、前記仕上器(50)における円盤(51)上に乾燥用のヒータ(53a)を設ければ、環境湿度が高いときでも余分な水分を蒸発させることができ、水分上昇0.5%以下に抑えて水分含有量が16%以内に収まる範囲に容易に調製することが可能となる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明を代表する一の実施の形態を説明する。
先ず、本発明の一実施の形態に係る被膜無洗米について概説する。
本実施の形態に係る被膜無洗米は、精米の表層より残存糠層および澱粉層を除去した無洗米の表層全体を、アラビアガムを主成分として成るコーティング剤により被覆して成る。さらに、コーティング剤には、必要に応じて鉄(Fe)、ビタミンE、およびギャバ(GABA)より成る群より選ばれた1種または2種以上を添加する。
【0042】
コーティング剤の主成分であるアラビアガムは、前述したように、アカシア属(Acasia senegal属等)の樹木から分泌される粘稠な樹液を樹脂状に乾燥させたものである。アラビンおよびアラビン酸が主成分であり、温水に溶解するとコロイド状になる。アラビアガムは油脂分散性に優れ、各種食品素材存在下でも安定な乳化物を得ることができる。
【0043】
米に関しては、従来アラビアガムは増量的なイメージが長い間強かったので使用されていなかったが、今日ではアラビアガムの優れた機能性のほか食物繊維としても見直され、本実施の形態では無洗米に天然素材のアラビアガムを添加被膜して、洗わないで炊飯できる状態にして、機能性を付加するものである。
【0044】
アラビアガムは、その独特の機能性と高濃度で溶けしかも粘度が低い特性があるため、長い間食品工業で使われてきた。アラビアガムの機能性は、▲1▼低酸性での粘度の安定、乳化安定性、▲2▼フィルム形成能、▲3▼付着性、粘着性、口あたりが良い、等である。
【0045】
かかるアラビアガムに関しては、国内でも各社により食品添加剤として販売されており、例えば、スーダン産のアラビアガムを溶解して不純物を除去した後、スプレードライ製法により乾燥粉末化したインゲル「アラビアガムA」(商品名,伊那食品工業株式会社製)等が知られている。
【0046】
さらに、アラビアガムを精密濾過や遠心分離により不純物を除き、精製度を高めた上でスプレードライした粉末である「ファイバーガムP」(商品名,伊那食品工業株式会社製)も知られている。これもアラビアガムの一種であるが、味や匂いが一般のアラビアガムよりも抑えられており、より多くの食物繊維を多く含むのが特徴である。本実施の形態では、「アラビアガムA」または「ファイバーガムP」、あるいはこれら双方を適当な割合で混合したものを水溶液として、無洗米の表層全体に被覆すると良い。
【0047】
コーティング剤に必要に応じて添加する鉄分は、赤血球中のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンに含まれ、身体中に酸素を運ぶ機能を有している。鉄分が不足すると、身体が酸欠になり、息切れや目眩等の貧血の症状が起こることが知られている。このような鉄分は、非常に吸収率が低く、そのため欠乏しやすいので十分な摂取が必要な栄養素である。
【0048】
鉄分の体内での働きは、詳しくは次のようなことが知られている。赤血球中のヘモグロビンの構成成分となる。タンパク質と結合し、酵素や機能タンパク質として酸化還元に働く。シトクローム、鉄・硫黄蛋白は電子伝達系でエネルギー生産に関与する。ミオグロビンは、筋肉中で酸素を供給し、エネルギー生産に関与する。正常な免疫能に必要で、病気やストレスに対し抵抗力を高める。
【0049】
鉄分に関しては、国内でも各社により食品添加剤や機能性食品として販売されており、例えば、不溶性鉄剤のピロリン酸第二鉄に乳化剤を加えて成る鉄補給製剤として、「サンアクティブFe」(商品名,太陽化学株式会社製)等が知られている。この鉄補給製剤は、水に安定に分散する、鉄独特の味が少ない、鉄の反応による褐変を生じない、鉄の吸収性が高い、等の特徴を備えており、コーティング剤に添加する上でも最適である。
【0050】
コーティング剤に必要に応じて添加するビタミンEは、老化の原因と考えられている過酸化脂質が生成されるのを抑制する作用により、老化の進行を遅らせる働きがある栄養素である。ビタミンEが不足すると、シミができたり、血行が悪くなって、冷え性、肩こり、頭痛、しもやけ等の症状が出ることが知られている。ビミタンEには、8つの同族体が存在しており、そのうちα-トコフェロールが最も活性が強く、生体内では約90%を占めている。
【0051】
ビタミンEの体内での働きは、詳しくは次のようなことが知られている。グルタチオン、カタラーゼ、SOD、ビタミンCと共に活性酸素の害を防ぐ。フリーラジカルの連鎖反応を断ち、細胞を保護する。赤血球、循環系、神経、消火器、排泄系、呼吸器、生殖器を健康に保つ。細胞の再生を助け老化を防ぐ。神経系を守り、神経障害を防ぐ、等である。
【0052】
ビタミンEに関しては、国内でも各社により食品添加剤や機能性食品として販売されており、例えば、植物油からとりだした抽出ビタミンEを水に溶けるように加工した栄養強化剤として、「理研ドライEミックス」(商品名,理研ビタミン株式会社製)等が知られている。この栄養強化剤は、水に素早く溶けるように粉末タイプに加工したものであり、それ自体の味が抑えられており、添加する食品の味を阻害することはない。
【0053】
コーティング剤に必要に応じて添加するギャバ(GABA)は、正式にはγ(ガンマ)−アミノ酪酸というアミノ酸の一種で、英語名がGamma-AminoButyric Acidなので頭文字を取ってGABAと称されている。人間等の哺乳動物の体内では脳に多く存在しており、抑制性の神経伝達物質として重要な役割を果している。ギャバは、グルタミン酸デカルボキシラーゼという酵素によって、 L-グルタミン酸から合成され、体内では脳や中枢神経系に多く存在する。
【0054】
ギャバの体内での働きは、血圧上昇を抑制する効果、精神安定および鎮静作用(自律神経障害・興奮緩和)、腎機能・肝機能の改善(塩分排出の促進、二日酔い悪酔いの軽減)、肥満防止作用(中性脂肪の減少)等、の各種の機能が知られている。
【0055】
ギャバに関しては、国内でも各社により食品添加剤や機能性食品として販売されており、例えば、天然の米胚芽から抽出し加工した栄養強化剤として、「米胚芽発酵エキス末」(商品名,たいまつ株式会社製)等が知られている。この栄養強化剤は、水に素早く溶けるように粉末タイプに加工したものであり、極めて高濃度のγ(ガンマ)−アミノ酪酸を含有するものである。
【0056】
次に各種被膜無洗米の製造方法について説明する。
[第1実施の形態]
予め用意した無洗米に、コーティング剤として、前述した伊那食品工業株式会社製の「アラビアガムA」または前記「ファイバーガムP」、あるいはこれら双方を適当な割合で混合したものを、10〜30%水溶液に調製して、無洗米に対し主成分を重量比で0.2〜1.0%の割合で無洗米の表層全体に被膜する。アラビアガムは非常に低粘性の多糖類であるため、高い濃度でも容易に調製ができ、この水溶液はコーティング剤として優れ、無洗米に均一に被膜することができる。
【0057】
無洗米の表層部に前記水溶液を均一に被膜し、水分上昇0.5%以下とし、水分含有量を16%以下に仕上げる。こうして製造された被膜無洗米は、光沢のある外観品質を備え、酸化による品質劣化が防止されると共に、貯穀害虫等の防除効果もあり、貯蔵性に優れる。また、食物繊維を多く含むものとなり、増粘剤を被膜しているので、米飯は冷えたときも粘りがあり、食味も向上する。
【0058】
さらに、原料として、精米ではなく精米表層より残存糠層および澱粉層を除去した無洗米を用いるため、炊飯時の洗米操作を省くことができ、水を注ぐだけで炊くことができるから、消費者にとっては利便性が高いと共に米のとぎ汁等の生活排水の軽減につながる。しかも、コーティング剤に後述する各種有用成分を添加することで、コーティング剤を母剤として各種有用成分も無洗米の表層全体に被覆させることが可能となり、消費者の健康にも多大に貢献する。
【0059】
特に、コーティング剤の主成分であるアラビアガムには、食物繊維が多く含まれているため、図1(a)に示すように、被膜無洗米の食物繊維は一般の無洗米の約3倍となり、図1(b)に示すように、胚芽精米や半つき米の含有量に相当する。なお、図1(a)に示す「無洗米」は、平成14年産福島県コシヒカリを無洗米加工したものであり、「被膜無洗米」は、「アラビアガムA」と「ファイバーガムP」を両者合わせて、前記「無洗米」に対して重量比1.0%の割合で被膜したものである。
【0060】
「アラビアガムA」と「ファイバーガムP」の添加割合としては具体的には例えば、無洗米10kgに対し20%水溶液350gのうち、「アラビアガムA」0.35%:35g、「ファイバーガムP」0.35%:35g、水280gの割合で調製すると良い。この場合のコストは、無洗米1kgに対し、10円前後の価格であり、経済的に実用化可能である。
【0061】
詳しくは、
「アラビアガムA」1,200円/kg(市販価格)×3.5g/無洗米kg
=4.2円/無洗米kg
「ファイバーガムP」1,400円/kg(市販価格)×3.5g/無洗米kg
=4.9円/無洗米kg、となり、
合計=9.1円/無洗米kg(精米の平均小売価格=約400円/kg)
となる。
【0062】
[第2実施の形態]
コーティング剤として、前記第1実施の形態と同様のものに鉄(Fe)を添加する。無洗米100gに対し、鉄(Fe)を3〜10mg表層部に被膜し、洗わないで炊飯できる無洗米で、鉄(Fe)による栄養機能を強化したものである。
【0063】
無洗米に対して鉄(Fe)分を3mg添加すると、1日当たりの米消費量から鉄(Fe)分を4.9mgを摂取することができる。米の1人当たりの年間消費量は約60kgであり、1日当たり164gの米を食していることになる。かかる主食より、安定的にFeの栄養強化を行い、国民の食生活に寄与するものである。
【0064】
具体的には例えば、前述した太陽化学株式会社製の「サンアクティブFeP−80(粉末)」を用いる場合、かかる製品中の鉄(Fe)分は80mg/gであり、これから鉄(Fe)分を3mg得るには、製品が0.0375gだけ必要となる。従って、被膜無洗米の製造時には、無洗米10kg(に対するコーティング剤)に対して、「サンアクティブFeP−80(粉末)」を3.75gを添加すると良い。
【0065】
この場合の無洗米100g当たり鉄(Fe)分を3mg添加するコストは、無洗米1kgに対して4.5円の価格となり、経済的にも実用化可能である。
詳しくは、
「サンアクティブFeP−80(粉末)」12,000円/kg(市販価格)
×0.375g/無洗米kg=4.5円/無洗米kg、となる。
【0066】
日本人の栄養摂取量は、豊かな食生活を背景にタンパク質、脂肪、炭水化物のいわゆる3大栄養素については、充分量以上に摂取されている。一方、カルシウム、鉄、食物繊維等については、依然として不足が指摘されている。平成8年の国民栄養調査によれば、昭和50年以降、鉄の摂取量は10〜11mgの範囲で増減を繰り返しており、その傾向は横ばいである。
【0067】
特に、15〜40歳の女性の鉄摂取量は、鉄の栄養所要量の87%程度にしか達していない。この鉄不足の原因のひとつは、成人女性では、月経に伴いさらに0.5〜1.0mgの鉄の損失が生じるためである。成長期の子供については、赤血球および筋肉内の鉄が成長に伴い増加し、また、運動により鉄の排出量は増えるためである。さらに現代ではインスタント食品の普及、偏食、ダイエット等による食事のアンバランスによって、自然に体外へ排出される鉄分を日常の食生活ではカバーしきれず鉄欠乏貧血に悩まされるケースが多くなってきたと考えられる。
【0068】
このため、さまざまな食品に鉄(Fe)を添加したものが市販されているが、米については実用化されていないので、本願発明は主食より安定的にFeの栄養強化を行うことを意図するものである。一般食品では、100g当たり必要鉄含量3mg以上の場合は強調表示されて、市販されている。図2に示すように、米にはもともと鉄(Fe)成分は非常に少なかった。
【0069】
[第3実施の形態]
コーティング剤として、前記第1実施の形態と同様のものにビタミンEを添加する。無洗米100gに対し、ビタミンEを5〜20mg表層部に被膜し、洗わないで炊飯できる無洗米で、ビタミンEによる栄養機能を強化したものである。
【0070】
具体的には例えば、前述した理研ビタミン株式会社製の「理研ドライEミックス」を用いると良い。かかる製品中の総トコフェロール含量は200〜240mg/gであり、無洗米10kg(に対するコーティング剤)に対して、「理研ドライEミックス」を3gを添加すると、無洗米100g当たり0.03g×200mg/g=6mgのビタミンEを得ることができる。
【0071】
この場合の無洗米100g当たりビタミンEを6mg添加するコストは、無洗米1kgに対して4円前後の価格となり、経済的にも実用化可能である。
詳しくは、
「理研ドライEミックス」14,000円/kg(市販価格)
×0.3g/無洗米kg=4.2円/無洗米kg、となる。
【0072】
一般に1人当たり164gの精米を消費するので、1日当たり約10mgのビタミンEの摂取が可能となる。ビタミン剤は工業原料由来のものが多く、高価格であり、薬品への用途が多い。天然素材としては、アセロラのビタミンCや大豆から抽出されたビタミンEである。本実施の形態では大豆から抽出された天然素材のビタミンEを添加するものである。ビタミンEは、活性酸素から細胞膜を守る、心疾患やがんの予防、更年期障害にも有効、老化を防ぐ等の機能がある必須ビタミンであって、1日当たりの必要量は10mgといわれている。
【0073】
[第4実施の形態]
コーティング剤として、前記第1実施の形態と同様のものにギャバ(GABA)を添加する。無洗米100gに対し、ギャバ(GABA)を6〜18mg表層部に被膜し、洗わないで炊飯できる無洗米で、ギャバ(GABA)による栄養機能を強化したものである。
【0074】
具体的には例えば、前述したたいまつ株式会社製の「米胚芽発酵エキス末」を用いると良い。かかる製品中のギャバ(GABA)含量は5.58g/100gであり、無洗米10kg(に対するコーティング剤)に対して、「米胚芽発酵エキス末」を20gを添加すると、無洗米100g当たり11.16mgのギャバ(GABA)を得ることができる。ギャバ(GABA)の1日当たりの必要量は、10〜30mgが適量といわれている。
【0075】
無洗米100g当たりギャバ(GABA)を、11.16mg添加するコストは、無洗米1kgに対して19円の価格となり、コストはやや高いが実用化は可能である。
詳しくは、
「米胚芽発酵エキス末」9,500円/kg(市販価格)
×2g/無洗米kg=19円/無洗米kg、となる。
【0076】
次に、無洗米の製造装置について説明する。
図3および図4に示すように、本実施の形態に係る被膜無洗米の製造装置10は、張込昇降機11と、調整タンク20と、コンベヤ30と、噴霧器40と、仕上器50と、水溶液タンク60と、取出昇降機70と、製品タンク80等を有して成る。
【0077】
張込昇降機11は、原料となる無洗米を調整タンク20まで揚送して、調整タンク20へ適宜張り込むものであり、立設された円筒状の筒本体12内に、回転可能なバケットエレベータ(図示せず)を内装した構造である。筒本体12の下端には、無洗米の投入樋13が設けられ、筒本体12の上端には、無洗米の排出樋14が設けられている。排出樋14は、次述する調整タンク20の上部を臨む位置に配置されている。前記バケットエレベータが電動モータにより回転駆動されることで、無洗米は適宜揚送されて調整タンク20に張り込まれる。
【0078】
前述したが原料である無洗米は、現在販売されているうるち精米、もち精米、胚芽精米、5分づき精米、7分づき精米等から予め製造されたものであり、無洗米の製造方法は現在では主に次の3種類の方法がある。すなわち、▲1▼加水精米仕上方式:精米に対し、15%程度の水で瞬間的に洗い、脱水乾燥する。▲2▼乾式研米仕上方式:乾式研米機でとう精された精米を仕上げる。▲3▼特殊加工仕上方式:精米に対し、5%程度の水を使い、低圧攪拌し、さらに加熱したタピオカでんぷんで残存糠層等を吸着仕上げする。何れの方法もとう精された精米を1〜2%程度、残存糠層と澱粉層を取り去り、洗わなくとも炊飯できる状態に仕上げたものである。
【0079】
調整タンク20は、前記張込昇降機11により張り込まれる無洗米を一時貯留するものであり、その下端にある排出部には、運転開始のためのシャッター21と、無洗米の流量を設定・制御するロータリーバルブ22とがそれぞれ設けられている。ここでシャッター21は、手動で開閉するようにしても良く、あるいは自動で開閉駆動するように制御しても良い。
【0080】
ロータリーバルブ22は、マイクロコンピュータから成る制御部に信号線を介して接続されており、その回転数の自動調整によって次述するコンベヤ30に対する無洗米の流量を任意の値に設定・制御することができるようになっている。また、調整タンク20には、無洗米の貯留量を検知するためのセンサ23も設けられている。
【0081】
コンベヤ30は、前記調整タンク20よりロータリーバルブ22の作動に伴い原料となる無洗米が所定流量で連続的に供給されるものであり、無洗米を整列させながら搬送するものである。コンベヤ30の上流端には、ロータリーバルブ22より無洗米を受け入れるホッパー33とセンサ34とを備えた供給フィーダ32が配設されている。
【0082】
コンベヤ30の途中には噴霧部31が設けられており、この噴霧部31において、コンベヤ30により搬送中の無洗米に、所定のコーティング剤を調製した水溶液が噴霧されるように構成されている。なお、コンベヤ30自体の構成は、無端ベルトを用いても良く、あるいはバケットエレベータを用いても良い。
【0083】
コンベヤ30の駆動によって、その上流端に前記供給フィーダ32から供給された無洗米は、下流端まで攪拌されながら搬送された後、ホッパー35を介して後述する仕上器50内に導入される。ホッパー35の中間部位と満杯量を規定する上部には、それぞれセンサ36,37が設けられている。
【0084】
前記ロータリーバルブ22で設定された流量に応じて、コンベヤ30における搬送速度は適宜調整可能にインバータで制御されるように設定されている。コンベヤ30の電動モータ等の駆動手段も、マイクロコンピュータから成る制御部に信号線を介して接続されている。
【0085】
コンベヤ30の途中にある噴霧部31の上方には、噴霧器40が配設されている。噴霧器40は、コンベヤ30で搬送される途中の無洗米に、水溶液タンク60より供給された水溶液を噴霧するものであり、その噴霧量は無洗米の重量に対して所定の割合に適宜調整できるように構成されている。
【0086】
詳しくは図3に示すように、噴霧器40と水溶液タンク60との間には水溶液循環路41が形成されており、この水溶液循環路41の途中に、水溶液タンク60内の水溶液を噴霧器40側へ強制的に送るための加圧ポンプ42、圧力計44等がそれぞれ介装されている。
【0087】
水溶液循環路41途中における加圧ポンプ42と噴霧器40との間には、噴霧器40の詰まり等、異常圧力等の保護回路として水溶液タンク60へ戻すバイパス路41aが分岐して設けられており、このバイパス路41aの途中にも電磁バルブ45が介装されている。加圧ポンプ42、圧力計44、電磁バルブ45も、それぞれマイクロコンピュータから成る制御部に信号線を介して接続されている。
【0088】
水溶液タンク60は、所定のコーティング剤を調製した水溶液を一時貯留するものであり、その下部には前記水溶液循環路41の始端が連通接続され、上部にはバイパス路41aの終端が連通接続されている。また、水溶液タンク60の近傍には、前記コーティング剤の水溶液を調整するための溶液攪拌装置90が設置されている。
【0089】
溶液攪拌装置90は、コーティング剤の原料となるアラビアガムを水に溶解させて、必要に応じて鉄(Fe)、ビタミンE、およびギャバ(GABA)より成る群より選ばれた1種または2種以上を添加することにより、コーティング剤を調製するための装置である。かかる溶液攪拌装置90で調整された水溶液は、供給管91を介して加圧ポンプ92の駆動により前記水溶液タンク60に随時導入されるようになっている。
【0090】
図4に示すように、仕上器50は、前記コンベヤ30から搬送された水溶液噴霧済みの無洗米を受け入れ、スクリーン状の円盤51上で該円盤51の円周方向に攪拌させつつ、該円盤51の下方より吸引して水分を除去した後、振動スクリーン板55上に移し、該振動スクリーン板55を振動させ仕上げるように構成されている。円盤51上に設けられた仕切板52は、円盤51上で無洗米を均一に広げる役割を果たすものである。
【0091】
スクリーン状の円盤51は、円筒型のケーシング53内に収められており、電動モータ(図示せず)の駆動により回転可能に軸支されている。ケーシング53の一端部には、ホッパー35の排出口が連通接続しており、また、円盤51の一端部には、無洗米を落下させるための落下孔51aが設けられている。なお、落下孔51aには、ここより落下する無洗米を振動スクリーン板55上に導くシューター54が連通接続されている。
【0092】
円盤51の下方を臨むように、吸気ダクト56の一端側がケーシング53に連通接続されている。吸気ダクト56の他端側は、バグフィルター57に連通接続されており、このバグフィルター57には、ロータリーバルブ58と吸引ファン59が付設されている。これらは、円盤51の下方より吸引することで、無洗米の水分を除去するための構成を成している。
【0093】
振動スクリーン板55は、電動モータ55aの駆動により細かく振動するように設定されている。振動スクリーン板55の一端側には、コーティング処理が終了した被膜無洗米を外部へ排出するためのシューター55bが設けられている。また、図4に示すように、ケーシング53内部における円盤51上には、乾燥用のヒータ53a、ファン53bおよび熱交換器53cがさらに設けられている。
【0094】
取出昇降機70は、コーティング済の被膜無洗米を製品タンク80まで揚送するものであり、立設された円筒状の筒本体71内に、バケットエレベータ(図示せず)を内装した構造である。筒本体71の下端には、前記シューター55bに連通する被膜無洗米の投入樋72が設けられ、筒本体71の上端には、被膜無洗米の排出樋73が設けられている。排出樋73は、次述する製品タンク80の上部を臨む位置に配置されている。前記バケットエレベータが電動モータにより回転駆動されることで、無洗米は適宜揚送されて製品タンク80に取り込まれる。
【0095】
製品タンク80は、コーティング済の被膜無洗米を一時貯留するものであり、その下端にある排出部には、取出し用の開閉可能なシャッター81が設けられている。ここでシャッター81は、手動で開閉するようにしても良く、あるいは自動で開閉駆動するように制御しても良い。なお、製品タンク80の上部には、前記取出昇降機70の排出樋73が臨むように配設されている。
【0096】
以上の製造装置10は次のように作用する。
原料となる無洗米は、張込昇降機11により揚送されて調整タンク20へ送られる。無洗米は調整タンク20内に一時貯留し、ロータリーバルブ22で排出量を設定した上で定量排出する。なお、調整タンク20内への無洗米の供給量は、センサ23からの検知信号に基づいて適宜制御される。
【0097】
コーティング剤の原料となるアラビアガムや水は、水溶液10〜30%の範囲で予め溶液攪拌装置90に投入しておく。さらに、このコーティング剤水溶液には、必要に応じて鉄(Fe)、ビタミンE、およびギャバ(GABA)より成る群より選ばれた1種または2種以上の有用成分を予め決められた比率で投入する。溶液攪拌装置90で調製された水溶液は、供給管91を介して加圧ポンプ92の駆動により水溶液タンク60に随時導入される。
【0098】
コンベヤ30に定量供給される無洗米は、該コンベヤ30で整列されながら搬送される。かかる搬送途中の無洗米はセンサにより検知され、加圧ポンプ42によって水溶液タンク60より供給された水溶液が所定の割合で噴霧器40から噴霧される。
【0099】
ここで水溶液の成分詳細や噴霧する量的割合は、各種被膜無洗米の種類ごとに詳しくは前述した通りとする。なお、噴霧する量的割合に関しては、前記加圧ポンプ42等の制御によって任意の値に適宜調整することができる。また、コンベア30上の米がなくなったり、水溶液がなくなった場合には、それぞれセンサにより検知されてコンベヤ30の運転は停止され、米の供給や水溶液の供給も停止する。
【0100】
コンベヤ30より排出された、水溶液の噴霧済みの無洗米は、続いて仕上器50の円盤51上に受け入れられる。無洗米に噴霧されたのは水溶液10〜30%のコーティング剤であるため、水分は無洗米に対して当初は1〜4%の範囲にある。かかる無洗米をスクリーン状の円盤51上で、その回転駆動により充分に攪拌させる。このとき、吸引ファン59とバグフィルタ57の作用により、円盤51上ではその下部より吸気ダクト56を介して吸引されており、被膜した無洗米の水分を取り去る。環境湿度が高いときは仕上器50上にあるヒータ53aおよび熱交換器53cにより加温する。
【0101】
続いて、無洗米を振動スクリーン板55上に移して、該振動スクリーン板55により細かく振動させる。以上のような仕上器50による各工程により、コーティング剤や各種有用成分は無洗米表面に吸着され、また軟化して伸展性の良くなったコーティング剤は無洗米表面に伸展して均一な被膜を形成する。このようにして製造される被膜無洗米の水分上昇は0.5%以内にとどめ、精米水分16%以下の製品に仕上げられる。
【0102】
コーティング処理が終了した被膜無洗米は、振動スクリーン板55上から外部に取り出され、取出昇降機70を介して製品タンク80に送られ一時貯留された後、製品として出荷されることになる。このような製造装置10により、後述する優れた効果を奏する商品価値の高い各種の被膜無洗米を、コストアップを招くことなく安価に、しかも短時間に効率良く製造することができる。
【0103】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、前記第1〜第4実施の形態では、アラビアガムを主成分とするコーティング剤に、鉄(Fe)、ビタミンE、およびギャバ(GABA)のうち1種ずつ添加する例を示したが、前記コーティング剤に、鉄(Fe)およびビタミンE、鉄(Fe)およびギャバ(GABA)、ビタミンEおよびギャバ(GABA)の組み合わせで2種類ずつ有用成分を添加しても良く、さらに3種類の有用成分総てを添加するようにしても良い。
【0104】
【発明の効果】
本発明に係る被膜無洗米によれば、精米ではなく、精米の表層より残存糠層および澱粉層を除去した無洗米を用いるため、炊飯時の洗米操作を省くことができ、水を注ぐだけで炊くことができるから、消費者にとっては利便性が高いと共に米のとぎ汁等の生活排水の軽減につながる。かかる無洗米の表層全体を所定のコーティング剤により被覆することにより、無洗米が空気と接触することがなく、酸化による品質劣化が防止され防虫効果もあり、長期の保存性を得ることができる。
【0105】
前記コーティング剤には、アラビアガムを主成分とするものを用いるので、かかるコーティング剤により光沢のある外観的品質の優れた被膜無洗米を得ることができる。また、コーティング剤は、各種の有用成分を無洗米に付加するための最適な母剤となり得る。特に、アラビアガムは油脂分散性に優れ、安定な乳化物を得ることができ、しかも、豊富な食物繊維を補うことができる。
【0106】
また、アラビアガムを主成分とするコーティング剤に、鉄(Fe)、ビタミンE、およびギャバ(GABA)より成る群より選ばれた1種または2種以上を添加することにより、これらの各種有用成分も、無洗米の表層全体に被覆させることになり、保存性や外観品質のみならず、栄養や機能性の点でも優れた商品特性を付加することができる。
【0107】
さらにまた、本発明に係る被膜無洗米の製造方法および製造装置によれば、前述したような優れた効果を奏することができ商品価値も高い被膜無洗米を、コストアップを招くことなく安価に、しかも、短時間に効率良く製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る被膜無洗米と一般の無洗米との食物繊維成分の含有量を比較する図表(a)と、一般の各種の米における食物繊維成分の含有量を示す図表(b)である。
【図2】一般の各種の米における鉄(Fe)の含有量を示す図表である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る無洗米の製造装置を概略的に示す正面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る無洗米の製造装置の仕上器を概略的に示す斜視図である。
【符号の説明】
10…製造装置
11…張込昇降機
12…筒本体
13…投入樋
14…排出樋
15…供給樋
20…調整タンク
21…シャッター
22…ロータリーバルブ
23…センサ
30…コンベヤ
31…噴霧部
32…供給フィーダ
33…ホッパー
34…センサ
35…ホッパー
36…センサ
37…センサ
40…噴霧器
41…水溶液循環路
41a…バイパス路
42…加圧ポンプ
44…圧力計
45…電磁バルブ
50…仕上器
51…円盤
52…仕切板
53…ケーシング
54…シューター
55…振動スクリーン板
56…吸気ダクト
57…バグフィルター
58…ロータリーバルブ
59…吸引ファン
60…水溶液タンク
70…取出昇降機
71…筒本体
72…投入樋
73…排出樋
80…製品タンク
81…シャッター
90…溶液攪拌装置
91…供給管
92…加圧ポンプ

Claims (11)

  1. 精米の表層より残存糠層および澱粉層を除去した無洗米において、該無洗米の表層全体を所定のコーティング剤により被覆して成る被膜無洗米であって、
    前記コーティング剤は、アラビアガムを主成分として成ることを特徴とする被膜無洗米。
  2. 精米の表層より残存糠層および澱粉層を除去した無洗米において、該無洗米の表層全体を所定のコーティング剤により被覆して成る被膜無洗米であって、
    前記コーティング剤は、アラビアガムを主成分とし、これに鉄(Fe)、ビタミンE、およびギャバ(GABA)より成る群より選ばれた1種または2種以上を添加して成ることを特徴とする被膜無洗米。
  3. 精米の表層より残存糠層および澱粉層を除去した無洗米の表層全体を、所定のコーティング剤により被覆して成る被膜無洗米の製造方法であって、
    前記コーティング剤は、アラビアガムを主成分として成り、該コーティング剤を調製した水溶液を前記無洗米に対して、主成分を重量比0.2〜1.0%の割合で添加することを特徴とする被膜無洗米の製造方法。
  4. 前記被膜無洗米の水分含有量を、被覆前の無洗米の水分含有量に対して水分上昇0.5%以下とし、かつ16%以内に収まる範囲に調製することを特徴とする請求項3記載の被膜無洗米の製造方法。
  5. 前記コーティング剤を調製した水溶液に、被覆前の無洗米100gに対して鉄(Fe)を3〜10mg添加することを特徴とする請求項3または4記載の被膜無洗米の製造方法。
  6. 前記コーティング剤を調製した水溶液に、被覆前の無洗米100gに対してビタミンEを5〜20mg添加することを特徴とする請求項3または4記載の被膜無洗米の製造方法。
  7. 前記コーティング剤を調製した水溶液に、被覆前の無洗米100gに対してギャバ(GABA)を6〜18mg添加することを特徴とする請求項3または4記載の被膜無洗米の製造方法。
  8. 精米の表層より残存糠層および澱粉層を除去した無洗米の表層全体を所定のコーティング剤により被覆して成る被膜無洗米の製造装置であって、
    前記コーティング剤は、アラビアガムを主成分として成り、該コーティング剤を調製した水溶液を一時貯留する水溶液タンクと、
    原料となる前記無洗米が所定流量で連続的に供給され、該無洗米を搬送するコンベヤと、
    前記コンベヤで搬送される途中の無洗米に、前記水溶液タンクより供給された水溶液を所定の割合で噴霧する噴霧器と、
    前記コンベヤで搬送された前記水溶液の噴霧済みの無洗米を受け入れ、無洗米の表層全体に水溶液を満遍なく定着させると共に、余分な水分を除去する仕上器とを、少なくとも有して成ることを特徴とする被膜無洗米の製造装置。
  9. 原料となる前記無洗米を一時貯留する調整タンクと、
    前記調整タンク内の無洗米を調整可能な所定の流量で前記コンベヤへ供給するバルブとを有し、
    前記バルブで設定された流量に応じて、前記コンベヤにおける搬送速度を設定することを特徴とする請求項8記載の被膜無洗米の製造装置。
  10. 前記仕上器は、前記コンベヤで搬送された前記水溶液の噴霧済みの無洗米を受け入れ、スクリーン状の円盤上で該円盤の円周方向に攪拌させつつ、該円盤の下方より吸引して水分を除去した後、振動スクリーン板上に移し、該振動スクリーン板を振動させて仕上げることを特徴とする請求項8または9記載の被膜無洗米の製造装置。
  11. 前記仕上器における前記円盤上に、乾燥用のヒータをさらに設けたことを特徴とする請求項10記載の被膜無洗米の製造装置。
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