JP2004201011A - マルチモード受信機 - Google Patents

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Abstract

【課題】損失の増大を招くことなしに回路規模の縮小を図ることを可能とする。
【解決手段】利得可変LNAでは、PDC800システムの信号およびcdmaOne800システムの信号をそれぞれ異なる増幅回路6c,6gに入力する。増幅回路6c,6gは、バイアス回路6d,6hから供給されるバイアス電流により能動状態となる。増幅回路6c,6gの出力信号は、いずれも電流−電圧変換回路6iで電流−電圧変換する。電流−電圧変換回路6iの出力信号は、増幅回路6j,6pに入力する。増幅回路6j,6pは、バイアス回路6k,6qから供給されるバイアス電流により能動状態となる。ロジック回路6uは、PDC800モード時にバイアス回路6d,6kを能動状態とし、cdmaOne800モード時にバイアス回路6h,6qを能動状態とする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信システムで用いられる無線受信機に関し、特に複数の無線通信システムに対応したマルチモード受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、世界中で携帯電話利用者が増加し、また様々な無線通信システムが利用されている中で、1つの無線機で複数の無線通信システムに対応できる、いわゆるマルチモード無線機の需要が高まってきている。
【0003】
マルチモード無線機を実現する場合、複数の無線通信システムのそれぞれに専用の無線機をそれぞれ並列に用意したのでは、非常に回路規模が大きくなり、無線機の大型化、重量化を招いてしまう。
【0004】
そこで、無線機を構成する低雑音増幅器(以下、LNAと称する)や直交復調器といった構成要素を、複数の無線通信システムが使用する無線周波数帯に対応できるようなマルチバンド特性または広帯域特性を持つように設計することにより、複数の無線通信システムにおいて1つの構成要素を共用化することが考えられる(例えば特許文献1を参照)。
【0005】
しかし、誘電体フィルタ、SAWフィルタおよびデュプレクサといったパッシブ部品に関しては、LNAおよび直交復調器などのアクティブ部品とは異なり、上記のようなマルチバンド特性および広帯域特性を持つように設計し、使用する無線通信システムに応じて適応的に特性を変化させることが難しい。
【0006】
このため、LNAおよび直交復調器などの共用化を図ったとしても、その他の構成要素のために信号経路の切り替えが必要となる。例えばLNAと直交復調器との間に誘電体フィルタを必要とする無線通信システムAと、上記誘電体フィルタを必要としない無線通信システムBとの双方に対応する無線機を実現しようとした場合、LNAの出力信号を誘電体フィルタを介して直交復調器に入力する経路と、LNAの出力信号を誘電体フィルタを介さずに直接的に直交復調器に入力する経路との切り替えが必要となる。
【0007】
そしてこのような経路切り替えのためには、スイッチ等の信号経路切り替え手段を挿入することとなる。この場合、信号切り替え手段における損失が発生してしまうため、受信特性の劣化を生じる。このような受信特性の劣化が問題となる場合には、上記の特許文献1に示されるような技術は適用できず、LNAおよび直交復調器を別々に用意する必要がある。
【0008】
【特許文献1】
特開平10-93475号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来のマルチモード受信機では、無駄な損失を生じることなしに構成要素を共用化することが困難であった。このために、受信特性の向上を図ったマルチモード受信機においては、構成要素の増大による回路規模の増大を招き、大型化、重量化してしまう傾向があった。
【0010】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、損失の増大を招くことなしに回路規模の縮小を図り得るマルチモード受信機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために本発明は、第1の無線周波数帯域を用いる第1の無線通信システムに対応する第1の無線周波数信号および前記第1の無線周波数帯域とは異なる第2の無線周波数帯域を用いる第2の無線通信システムに対応する第2の無線周波数信号を受信するアンテナ部と、前記アンテナ部から入力された信号から前記第1の無線周波数信号を抽出する第1の抽出部と、前記アンテナ部から入力された信号から前記第2の無線周波数信号を抽出する第2の抽出部と、前記第1の抽出部により抽出された前記第1の無線周波数信号が入力され、第1の入力側バイアス電流が供給されたときに前記第1の無線周波数信号を増幅する第1の入力側増幅回路と、前記第2の抽出部により抽出された前記第2の無線周波数信号が入力され、第2の入力側バイアス電流が供給されたときに前記第2の無線周波数信号を増幅する第2の入力側増幅回路と、前記第1の入力側バイアス電流の供給を指示する第1の入力側制御信号が供給されたときに前記第1の入力側増幅回路に前記第1の入力側バイアス電流を供給する第1の入力側バイアス回路と、前記第2の入力側バイアス電流の供給を指示する第2の入力側制御信号が供給されたときに前記第2の入力側増幅回路に前記第2の入力側バイアス電流を供給する第2の入力側バイアス回路と、前記第1および前記第2の入力側増幅回路に対して共通に設けられ、前記第1および前記第2の入力側増幅回路の出力信号を電流−電圧変換し、この電流−電圧変換した信号を出力する第1の電流−電圧変換回路と、前記第1の電流−電圧変換回路の出力信号が入力され、第1の出力側バイアス電流が供給されたときにこの出力信号を増幅する第1の出力側増幅回路と、前記第1の電流−電圧変換回路の出力信号が入力され、第2の出力側バイアス電流が供給されたときにこの出力信号を増幅する第2の出力側増幅回路と、前記第1の出力側バイアス電流の供給を指示する第1の出力側制御信号が供給されたときに前記第1の出力側増幅回路に前記第1の出力側バイアス電流を供給する第1の出力側バイアス回路と、前記第2の出力側バイアス電流の供給を指示する第2の出力側制御信号が供給されたときに前記第2の出力側増幅回路に前記第2の出力側バイアス電流を供給する第2の出力側バイアス回路と、入力された前記第1および前記第2の無線通信システムのうちの1つを指定する指定信号に対応して、前記第1の入力側バイアス回路に前記第1の入力側制御信号、または前記第2の入力側バイアス回路に前記第2の入力側制御信号を供給する第1の入力側制御回路と、入力された前記指定信号に対応して、前記第1の出力側バイアス回路に前記第1の出力側制御信号、または前記第2の出力側バイアス回路に前記第2の出力側制御信号を供給する出力側制御回路とを備えた。
【0012】
このような手段を講じたことにより、抽出部で抽出された各無線周波数帯域の無線周波信号は、それぞれ第1および第2の入力側増幅回路に入力される。第1および第2の入力側増幅回路は、入力側制御回路により第1または第2の入力側制御信号が供給されたもののみが能動状態となる。そして能動状態である入力側増幅回路は、上記入力される信号を増幅する。第1または第2の入力側増幅回路の出力信号は、共通に設けられた電流−電圧変換回路で電流−電圧変換がなされる。電流−電圧変換回路の出力信号は、第1および第2の出力側増幅回路のそれぞれに入力される。第1および第2の出力側増幅回路は、出力側制御回路により第1または第2の出力側制御信号が供給されたもの鑿が能動状態となる。そして能動状態である出力側増幅回路は、上記入力される信号を増幅する。従って、第1および第2の入力側バイアス回路と、第1および第2の出力側バイアス回路の選択状況に応じて増幅がなされる信号の経路は複数が形成し得る。そしてこれら複数の経路のいずれにおいても電流−電圧変換回路は含まれる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態につき説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係るマルチモード無線機のブロック図である。
この第1の実施形態のマルチモード無線機は、日本で用いられるPDC800システム、cdmaOne800システム、PDC1500システム、cdma2000システムおよびUMTS-FDDシステムの5つの無線通信システムに対応したマルチモード無線機である。すなわち、第1の実施形態のマルチモード無線機は、日本で使用することを想定している。なお、PDC800システムとは、PDC(Personal Digital Cellular)方式を採用し、かつ使用無線周波数帯域が800MHz帯である無線通信システムを指す。cdmaOne800システムとは、cdmaOne方式を採用し、かつ使用無線周波数帯域が800MHz帯である無線通信システムを指す。PDC1500システムとは、PDC方式を採用し、かつ使用無線周波数帯域が1500MHzである無線通信システムを指す。cdma2000システムとは、cdma2000式を採用する無線通信システムを指す。UMTS-FDDシステムとは、UMTS-FDD(Universal Mobile Telecommunication System-Frequency Division Duplex)方式を採用する無線通信システムを指す。
【0014】
図1に示すように第1の実施形態のマルチモード無線機は、アンテナ1、アンテナスイッチ2、RFフィルタ3、デュプレクサ4,17、入力端子5,18、利得可変低雑音増幅器(以下、利得可変LNAと称する)6,11,19、RFフィルタ7,10,20、直交復調器8,12,21、シンセサイザ9、ベースバンドローパスフィルタ13,14,22、ベースバンド利得可変増幅器(以下、ベースバンドVGAと称する)15,23、アナログデジタル変換器(以下、ADCと称する)16,24、マルチキャリア信号分割用ミキサ部25、シンセサイザ26およびベースバンド部27を含む。
【0015】
アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ2に入力される。アンテナスイッチ2は、ベースバンド部27から入力される制御信号に基づいてRFフィルタ3、デュプレクサ4、RFフィルタ10およびデュプレクサ17のうちの1つを選択し、受信信号を与える。
【0016】
RFフィルタ3は、入力される受信信号からPDC800システムで不要な信号成分を減衰させる。すなわちRFフィルタ3は、PDC800システムの使用無線周波数である810.05〜827.95MHzおよび870.03〜884.95MHzの周波数成分を減衰させることなく通過させ、これ以外の周波数成分を減衰させるという特性を有する。かくしてRFフィルタ3は、PDC800システムに関する受信信号を抽出する。
【0017】
デュプレクサ4は、入力される受信信号からcdmaOne800システムで不要な信号成分を減衰させる。すなわちデュプレクサ4は、cdmaOne800システムの使用無線周波数である832.75〜869.25MHzの信号は減衰させることなく通過させ、これ以外の周波数成分は減衰させるという特性を有する。かくしてデュプレクサ4は、cdmaOne800システムに関する受信信号を抽出する。なおcdmaOne800システムは、FDD(Frequency Division Duplex)方式を利用する無線通信システムである。このためデュプレクサ4は、入力端子5から入力される送信信号から不要周波数成分を減衰させた上でアンテナスイッチ2へと与える機能も有する。ただし、本発明の特徴は受信に関するものであるので、送信信号の振る舞いに関する説明は省略する。
【0018】
利得可変LNA6は、第1および第2の2つの入力端子を有する。そして第1の入力端子にはRFフィルタ3の出力信号が入力され、第2の入力端子にはデュプレクサ4の出力信号が入力される。利得可変LNA6は、これらの2つの入力端子に入力される信号のいずれかをベースバンド部27から入力される制御信号に基づいて選択する。利得可変LNA6は、上記選択した信号を所望のレベルに増幅する。利得可変LNA6は、信号増幅の際の利得を上記制御信号に応じて可変設定する。さらに利得可変LNA6は、第1および第2の2つの出力端子を有する。利得可変LNA6は、これら2つの出力端子のいずれかを上記制御信号に基づいて選択し、この選択した出力端子から増幅後の信号を出力する。
【0019】
RFフィルタ7には、利得可変LNA6の第2の出力端子の出力信号が入力される。RFフィルタ7は、入力される信号からcdmaOne800システムで不要な周波数成分を減衰させる。すなわちRFフィルタ7は、cdmaOne800システムの使用無線周波数である832.75〜869.25MHzの信号は減衰させることなく通過させ、これ以外の周波数成分は減衰させるという特性を有する。
【0020】
直交復調器8は、第1および第2の2つの入力端子を有する。そして第1の入力端子には利得可変LNA6の第1の出力端子の出力信号が入力され、第2の入力端子にはRFフィルタ7の出力信号が入力される。直交復調器8は、これらの2つの入力端子に入力される信号のいずれかをベースバンド部27から入力される制御信号に基づいて選択する。直交復調器8は、シンセサイザ9が発生するローカル信号を使用して上記選択した信号を直交復調する。直交復調器8は、直交復調の結果として得られるI系列およびQ系列の2系列のベースバンド信号をそれぞれ出力する。
【0021】
シンセサイザ9は、直交復調器8,12,21で使用するためのローカル信号を発生する。シンセサイザ9は、上記ローカル信号の周波数をベースバンド部27から入力される制御信号で指示される周波数とする。
【0022】
RFフィルタ10は、入力される受信信号からPDC1500システムで不要な信号成分を減衰させる。すなわち、RFフィルタ10はPDC1500システムの使用無線周波数である1477.05〜1500.95MHzの信号は減衰させることなく通過させ、これ以外の周波数成分は減衰させるという特性を有する。かくしてRFフィルタ10は、PDC1500システムに関する受信信号を抽出する。
【0023】
利得可変LNA11へは、RFフィルタ10の出力信号が入力される。利得可変LNA11は、入力される信号を所望のレベルに増幅する。利得可変LNA11は、信号増幅の際の利得を上記制御信号に応じて可変設定する。利得可変LNA11は、周知の構成のものであって良い。
【0024】
直交復調器12へは、利得可変LNA11の出力信号が入力される。直交復調器12は、シンセサイザ9が発生するローカル信号を使用して上記入力される信号を直交復調する。直交復調器12は、直交復調の結果として得られるI系列およびQ系列の2系列のベースバンド信号をそれぞれ出力する。直交復調器12は、周知の構成のものであって良い。
【0025】
なお、直交復調器8および直交復調器12は、ベースバンド部27から入力される制御信号に基づいて排他的に動作する。すなわち直交復調器8および直交復調器12は、いずれか一方が信号を出力する際には、他方は信号を出力しない。
【0026】
ベースバンドローパスフィルタ13へは、直交復調器8および直交復調器12の出力信号が入力される。ベースバンドローパスフィルタ13は、PDC800システムおよびPDC1500システムにおけるベースバンドである0〜10.5kHzの成分は減衰させることなく通過させ、これ以外の不要な周波数成分を減衰させるという特性を有する。なお、ベースバンドローパスフィルタ13に必要とされる性能は、ベースバンド部27の性能に依存して異なってくるため、ここでは詳細な検討は省略する。
【0027】
ベースバンドローパスフィルタ14へは、直交復調器8および直交復調器12の出力信号が入力される。ベースバンドローパスフィルタ14は、cdmaOne800システムにおけるベースバンドである0〜614.4kHzの成分は減衰させることなく通過させ、これ以外の不要な周波数成分を減衰させるという特性を有する。なお、ベースバンドローパスフィルタ14に必要とされる性能は、ベースバンド部27の性能に依存して異なってくるため、ここでは詳細な検討は省略する。
【0028】
なおベースバンドローパスフィルタ13,14は、ベースバンド部27から入力される制御信号に基づいて排他的に能動状態となる。すなわちベースバンドローパスフィルタ13およびベースバンドローパスフィルタ14は、いずれか一方が信号を出力する際には、他方は信号を出力しない。
【0029】
ところで、当該明細書の全体を通して「能動状態」とは、各部が所期の機能を実現し、信号を出力するような動作状態を指すこととする。これに対して「非能動状態」とは、各部が信号出力を行わない状態を指すこととする。
【0030】
ベースバンドVGA15へは、ベースバンドローパスフィルタ13,14の出力信号が入力される。ベースバンドVGA15は、上記の入力信号を所望のレベルに増幅する。ベースバンドVGA15は、ベースバンド部27から入力される制御信号により、入力された信号が所望のレベルに増幅されるように利得を設定する。
【0031】
ADC16へは、ベースバンドVGA15の出力信号が入力される。ADC16は、入力信号をデジタル信号に変換する。ADC16は、ベースバンド部27から入力される制御信号に応じて、サンプリング速度とビット数とを可変設定する。なおADC16の所要性能は、ベースバンド部27の性能に依存して異なってくるため、ここでは詳細な検討は省略する。
【0032】
デュプレクサ17は、アンテナスイッチ2を介して入力される受信信号からcdma2000システムおよびUMTS-FDDで不要な信号成分を減衰させる。すなわちデュプレクサ17は、cdma2000システムおよびUMTS-FDDの使用無線周波数である2110〜2170MHzの信号は減衰させることなく通過させ、これ以外の周波数成分は減衰させるという特性を有する。かくしてデュプレクサ17は、cdma2000システムおよびUMTS-FDDに関する受信信号を抽出する。なおcdma2000システムおよびUMTS-FDDは、FDD方式を利用する無線通信システムである。このため、デュプレクサ17は、入力端子18から入力される送信信号から不要周波数成分を減衰させた上でアンテナスイッチ2へと与える機能も有する。しかし、本発明の特徴は受信に関するものであるため、ここでは送信信号の振る舞いに関する説明は省略する。
【0033】
利得可変LNA19へは、デュプレクサ17の出力信号が入力される。利得可変LNA19は、入力される信号を所望のレベルに増幅する。利得可変LNA19は、信号増幅の際の利得をベースバンド部27から入力される制御信号に応じて可変設定する。利得可変LNA19は、周知の構成のものであって良い。
【0034】
RFフィルタ20へは、利得可変LNA19の出力信号が入力される。RFフィルタ20は、入力信号からcdma2000システムおよびUMTS-FDDシステムで不要な周波数成分を減衰させる。すなわち、RFフィルタ20はcdma2000システムおよびUMTS-FDDシステムの使用無線周波数である2110〜2170MHzの信号は減衰させることなく通過させ、これ以外の周波数成分は減衰させるという特性を有する。
【0035】
直交復調器21へは、RFフィルタ20の出力信号が入力される。直交復調器21は、シンセサイザ9が発生するローカル信号を使用して上記入力される信号を直交復調する。直交復調器21は、直交復調の結果として得られるI系列およびQ系列の2系列のベースバンド信号をそれぞれ出力する。直交復調器21は、周知の構成のものであって良い。
【0036】
なお、直交復調器21は、ベースバンド部27から入力される制御信号に基づいて、直交復調器8,12の動作状態とは無関係に能動状態となる。すなわち直交復調器21は、直交復調器8,12と同時に能動状態になり得る。
【0037】
ベースバンドローパスフィルタ22へは、直交復調器21の出力信号が入力される。ベースバンドローパスフィルタ22は、cdma2000シングルモード、cdma2000マルチモードおよびUMTSモードの3つの動作モードを有する。ベースバンドローパスフィルタ22は、ベースバンド部27から入力される制御信号に基づいて上記の3つの動作モードのうちの1つを選択する。cdma2000シングルモードにおいてベースバンドローパスフィルタ22は、cdma2000システムにおけるシングルキャリアのベースバンドである0〜614.4kHzの成分は減衰させることなく通過させ、それ以外の不要な周波数成分を減衰させるという特性を有する。cdma2000マルチモードにおいてベースバンドローパスフィルタ22は、cdma2000システムにおけるマルチキャリアのベースバンドである0〜1.8432MHzの成分は減衰させることなく通過させ、これ以外の不要な周波数成分を減衰させるという特性を有する。UMTS-FDDモードにおいてベースバンドローパスフィルタ22は、UMTS-FDDシステムのベースバンドである0〜1.92MHzの成分は減衰させることなく通過させ、これ以外の不要な周波数成分を減衰させるという特性を有する。なお、ベースバンドローパスフィルタ22に必要とされる性能は、ベースバンド部27の性能に依存して異なってくるため、ここでは詳細な検討は省略する。
【0038】
なおベースバンドローパスフィルタ22は、ベースバンド部27から入力される制御信号に基づいて、ベースバンドローパスフィルタ13,14の動作状態とは無関係に能動状態となる。すなわちベースバンドローパスフィルタ22は、ベースバンドローパスフィルタ13,14と同時に能動状態になり得る。
【0039】
ベースバンドVGA23へは、ベースバンドローパスフィルタ22の出力信号が入力される。ベースバンドVGA23は、上記の入力信号を所望のレベルに増幅する。ベースバンドVGA23は、ベースバンド部27から入力される制御信号により、入力された信号が所望のレベルに増幅されるように利得を設定する。
【0040】
なおベースバンドVGA15およびベースバンドVGA23は、ベースバンド部27から入力される制御信号に基づいて、おのおの独立して動作状態が制御される。すなわちベースバンドVGA15およびベースバンドVGA23は同時に能動状態になり得る。
【0041】
ADC24へは、ベースバンドVGA23の出力信号が入力される。ADC24は、入力信号をデジタル信号に変換する。ADC24は、ベースバンド部27から入力される制御信号に応じて、サンプリング速度とビット数とを可変設定する。なおADC24の所要性能は、ベースバンド部27の性能に依存して異なってくるため、ここでは詳細な検討は省略する。
【0042】
なおADC16およびADC24は、ベースバンド部27から入力される制御信号に基づいて、おのおの独立して動作状態が制御される。すなわちADC16およびADC24は同時に能動状態になり得る。
【0043】
マルチキャリア信号分割用ミキサ部25へは、ADC24の出力信号が入力される。マルチキャリア信号分割用ミキサ部25は図1に示すように、乗算器25a,25b,25c,25d、移相器25eおよび加算器25f,25g,25h,25iを含む。そしてADC24の出力信号のうちの一方の系列が乗算器25aおよび乗算器25dにそれぞれ入力され、他方の系列が乗算器25bおよび乗算器25cにそれぞれ入力される。
【0044】
乗算器25aへは、シンセサイザ26が発生するローカル信号が入力される。乗算器25aは、2つの入力信号を乗算する。乗算器25bへは、上記ローカル信号を移相器25eで90°移相した信号が入力される。乗算器25bは、2つの入力信号を乗算する。加算器25fへは、乗算器25aの出力信号および乗算器25bの出力信号がそれぞれ入力される。加算器25fは、乗算器25aの出力信号と乗算器25bの出力信号を符号反転させた信号とを加算する。すなわち加算器25fは、乗算器25aの出力信号から乗算器25bの出力信号を減算する。加算器25gへは、乗算器25aの出力信号および乗算器25bの出力信号がそれぞれ入力される。加算器25gは、乗算器25aの出力信号に乗算器25bの出力信号を加算する。
【0045】
乗算器25cへは、シンセサイザ26が発生するローカル信号が入力される。乗算器25cは、2つの入力信号を乗算する。乗算器25dへは、上記ローカル信号を移相器25eで90°移相した信号が入力される。乗算器25dは、2つの入力信号を乗算する。加算器25hへは、乗算器25cの出力信号および乗算器25dの出力信号がそれぞれ入力される。加算器25hは、乗算器25cの出力信号と乗算器25dの出力信号を符号反転させた信号とを加算する。すなわち加算器25hは、乗算器25cの出力信号から乗算器25dの出力信号を減算する。加算器25iへは、乗算器25cの出力信号および乗算器25dの出力信号がそれぞれ入力される。加算器25iは、乗算器25cの出力信号に乗算器25dの出力信号を加算する。
【0046】
このような構成によりマルチキャリア信号分割用ミキサ部25は、cdma2000システムのマルチキャリア信号に含まれた3つのチャネルの信号のうちの第1チャネルおよび第3チャネルの信号をそれぞれ分離する。
【0047】
なおマルチキャリア信号分割用ミキサ部25は、ベースバンド部27から入力される制御信号により任意に能動状態とされる。
【0048】
ベースバンド部27へは、ADC16、ADC24およびマルチキャリア信号分割用ミキサ部25の出力信号がそれぞれ入力される。ベースバンド部27は、これらの入力信号に対して、各無線通信システムに応じた周知のベースバンド処理を施す。またベースバンド部27は、いずれの無線通信システムの信号の受信を行うかに応じて、前述の各部の動作状態を制御する。なお、いずれの無線通信システムの信号の受信を行うかは、ユーザからの指示に応じて決定しても良いし、あるいは所定の条件に基づいて自動的に決定しても良い。
【0049】
図2は利得可変LNA6の回路図である。
図2に示すように利得可変LNA6は、入力端子6a,6e、整合回路6b,6f,6m,6r、増幅回路6c,6g,6j,6p、バイアス回路6d,6h,6k,6q、電流−電圧変換回路6i、出力端子6n,6s、制御信号端子6tおよびロジック回路6uを含む。
【0050】
整合回路6bへは、RFフィルタ3の出力信号が入力端子6aを介して入力される。整合回路6bは、RFフィルタ3の通過周波数、すなわちPDC800システムの使用無線周波数である810.05〜827.95MHzおよび870.03〜884.95MHzを効率的に入力するために整合をとる。増幅回路6cは、バイアス回路6dが出力するバイアス電流を受けて能動状態となる。増幅回路6cは能動状態にあっては、整合回路6bの出力信号を増幅する。
【0051】
整合回路6fへは、デュプレクサ4の出力信号が入力端子6eを介して入力される。整合回路6fは、デュプレクサ4の通過周波数、すなわちcdmaOne800システムの使用無線周波数である832.75〜869.25MHzを効率的に入力するために整合をとる。増幅回路6gは、バイアス回路6hが出力するバイアス電流を受けて能動状態となる。増幅回路6gは能動状態にあっては、整合回路6fの出力信号を増幅する。
【0052】
なお、バイアス回路6dとバイアス回路6hとは、ロジック回路6uから入力される制御信号に基づいて排他的に能動状態となる。すなわちバイアス回路6d,6hは、いずれか一方がバイアス電流を出力するとき、他方はバイアス電流を出力しない。従って、増幅回路6cと増幅回路6gとは、排他的に能動状態となる。
【0053】
電流−電圧変換回路6iへは、増幅回路6cおよび増幅回路6gの出力信号が入力される。電流−電圧変換回路6iは、入力される信号の電流値に応じた電圧値を持つ信号を出力する。
【0054】
増幅回路6jへは、電流−電圧変換回路6iの出力信号が入力される。増幅回路6jは、バイアス回路6kが出力するバイアス電流を受けて能動状態となる。増幅回路6jは能動状態にあっては、電流−電圧変換回路6iの出力信号を増幅する。整合回路6mは、PDC800システムの使用無線周波数である810.05〜827.95MHzおよび870.03〜884.95MHzを効率的に出力するために整合をとる。整合回路6mの出力信号は、出力端子6nを介して直交復調器8へと与えられる。
【0055】
増幅回路6pへは、電流−電圧変換回路6iの出力信号が入力される。増幅回路6pは、バイアス回路6qが出力するバイアス電流を受けて能動状態となる。増幅回路6pは能動状態にあっては、電流−電圧変換回路6iの出力信号を増幅する。整合回路6rは、cdmaOne800システムの使用無線周波数である832.75〜869.25MHzを効率的に出力するために整合をとる。整合回路6rの出力信号は、出力端子6sを介してRFフィルタ7へと与えられる。
【0056】
なお、バイアス回路6kとバイアス回路6qとは、ロジック回路6uから入力される制御信号に基づいて排他的に能動状態となる。すなわちバイアス回路6k,6qは、いずれか一方がバイアス電流を出力するとき、他方はバイアス電流を出力しない。従って、増幅回路6jと増幅回路6pとは、排他的に能動状態となる。
【0057】
ところで、説明の簡略化のために図示を省略しているが、増幅回路6c,6fおよび増幅回路6j,6pの少なくともいずれか一方は、周知の手段により利得を変化させる機能を備える。
【0058】
ロジック回路6uへは、ベースバンド部27から入力される制御信号が制御信号端子6tを介して入力される。ロジック回路6uは、上記制御信号によりPDC800モードが指示されたことに応じて、バイアス回路6dおよびバイアス回路6kをそれぞれ能動状態とする制御信号を出力する。またロジック回路6uは、上記制御信号によりcdmaOne800モードが指示されたことに応じて、バイアス回路6hおよびバイアス回路6qをそれぞれ能動状態とする制御信号を出力する。
【0059】
図3はバイアス回路6d,6h,6k,6qがそれぞれ有する電流源の回路図である。
この図3に示すように電流源は、抵抗器R1およびトランジスタTr1,Tr2を含む。
【0060】
この電流源では、トランジスタTr2のコレクタに生じる電流として出力電流が得られる。この出力電流の電流値Iは、抵抗器R1の抵抗値をR、トランジスタTr1のベース−エミッタ間電圧をVbe、電源電圧をVccとそれぞれ表わすならば、以下の式により定まる。
Vcc=I×R+Vbe
I=(Vcc-Vbe)/R
図4は直交復調器8の回路図である。
図4に示すように直交復調器8は、入力端子8a,8e、整合回路8b,8f、増幅回路8c,8g、バイアス回路8d,8h、電流−電圧変換回路8i、ミキサ8j,8n、ローカル信号端子8k、出力端子8m,8q、移相器8p、制御信号端子8rおよびロジック回路8sを含む。
【0061】
整合回路8bへは、利得可変LNA6の出力端子6nの出力信号が入力端子8aを介して入力される。整合回路8bは、利得可変LNA6の出力端子6nから出力される信号の周波数、すなわちPDC800システムの使用無線周波数である810.05〜827.95MHzおよび870.03〜884.95MHzを効率的に入力するために整合をとる。増幅回路8cは、バイアス回路8dが出力するバイアス電流を受けて能動状態となる。増幅回路8cは能動状態にあっては、整合回路8bの出力信号を増幅する。
【0062】
整合回路8fへは、RFフィルタ7の出力信号が入力端子8eを介して入力される。整合回路8fは、RFフィルタ7の通過周波数、すなわちcdmaOne800システムの使用無線周波数である832.75〜869.25MHzを効率的に入力するために整合をとる。増幅回路8gは、バイアス回路8hが出力するバイアス電流を受けて能動状態となる。増幅回路8gは能動状態にあっては、整合回路8fの出力信号を増幅する。
【0063】
なお、バイアス回路8dとバイアス回路8hとは、ロジック回路8sから入力される制御信号に基づいて排他的に能動状態となる。すなわちバイアス回路8d,8hは、いずれか一方がバイアス電流を出力するとき、他方はバイアス電流を出力しない。従って、増幅回路8cと増幅回路8gとは、排他的に能動状態となる。
【0064】
電流−電圧変換回路8iへは、増幅回路8cおよび増幅回路8gの出力信号が入力される。電流−電圧変換回路8iは、入力される信号の電流値に応じた電圧値を持つ信号を出力する。
【0065】
ミキサ8jへは、電流−電圧変換回路8iの出力信号が入力される。またミキサ8jへは、シンセサイザ9から出力されたローカル信号がローカル信号端子8kを介して入力される。ミキサ8jは、電流−電圧変換回路8iの出力信号と上記ローカル信号とをミキシングすることで、I系列のベースバンド信号を取り出す。ミキサ8jは、このように取り出したI系列のベースバンド信号を出力端子8mを介してベースバンドローパスフィルタ13,14へ出力する。
【0066】
ミキサ8nへは、電流−電圧変換回路8iの出力信号が入力される。またミキサ8nへは、シンセサイザ9から出力されたローカル信号が、移相器8pにより90°移相された上で入力される。ミキサ8nは、電流−電圧変換回路8iの出力信号と上記ローカル信号とをミキシングすることで、Q系列のベースバンド信号を取り出す。ミキサ8nは、このように取り出したQ系列のベースバンド信号を出力端子8qを介してベースバンドローパスフィルタ13,14へ出力する。
【0067】
ロジック回路8sへは、ベースバンド部27から入力される制御信号が制御信号端子8rを介して入力される。ロジック回路8sは、上記制御信号によりPDC800モードが指示されたことに応じて、バイアス回路8dを能動状態とする制御信号を出力する。またロジック回路8sは、上記制御信号によりcdmaOne800モードが指示されたことに応じて、バイアス回路8hを能動状態とする制御信号を出力する。
【0068】
直交復調器8に含まれるバイアス回路8d,8hもそれぞれ電流源を有するが、その回路構成は利得可変LAN6に含まれるバイアス回路6d,6h,6k,6qが有するものと同一である。
【0069】
次に以上のように構成されたマルチモード無線機の動作につき説明する。
【0070】
<PDC800モード>
PDC800モードは、PDC800システム用無線機として動作するモードである。
【0071】
このPDC800モードを選択した場合にベースバンド部27は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ2:RFフィルタ3を選択。
利得可変LNA6:バイアス回路6d,6kが能動状態。
直交復調器8:バイアス回路8dが能動状態。
シンセサイザ9:PDC800システム用のローカル周波数を発振。
直交復調器12:非能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ13:能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ14:非能動状態。
ベースバンドVGA15:能動状態。
ADC16:能動状態。
【0072】
さて、アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ2によりRFフィルタ3へ入力される。RFフィルタ3では、受信信号からPDC800システムの使用無線周波数である810.05〜827.95MHzおよび870.03〜884.95MHzの周波数成分が抽出される。つまりRFフィルタ3では、種々の周波数成分が混在した受信信号から、PDC800システムの信号が抽出される。
【0073】
RFフィルタ3の出力信号は、入力端子6aから利得可変LNA6へ入力される。入力端子6aから入力された信号は、整合回路6bで入力整合がとられた上で増幅回路6cへ入力される。このとき、バイアス回路6dが能動状態であるから、バイアス回路6dからバイアス電流を受けて増幅回路6cは能動状態となっている。従って整合回路6bの出力信号は、増幅回路6cにより増幅される。そして増幅回路6cの出力信号は、電流−電圧変換回路6iへ入力される。
【0074】
電流−電圧変換回路6iへは、増幅回路6gの出力信号も入力されるようになっている。しかし、増幅回路6cが能動状態であるときに増幅回路6gは非能動状態とされるため、電流−電圧変換回路6iへは増幅回路6cの出力信号のみが入力される。電流−電圧変換回路6iでは、増幅回路6cの出力信号の電流値に応じた電圧値を持つ信号を出力する。
【0075】
電流−電圧変換回路6iの出力信号は増幅回路6jおよび増幅回路6pの双方に入力される。このとき、バイアス回路6kが能動状態であるから、バイアス回路6kからバイアス電流を受けて増幅回路6jは能動状態となっている。また、バイアス回路6qは非能動状態であるから、バイアス回路6qからバイアス電流を受けることができずに増幅回路6pは非能動状態となっている。かくして電流−電圧変換回路6iの出力信号は、増幅回路6jのみによって増幅される。増幅回路6jの出力信号は、整合回路6mで出力整合がとられた上で、出力端子6nを介して出力される。
【0076】
このように利得可変LNA6では、入力端子6aから整合回路6b、増幅回路6c、電流−電圧変換回路6i、増幅回路6jおよび整合回路6mを経由して出力端子6nへと至る経路のみが有効となっている。そしてこの経路により信号が所望のレベルに増幅される。
【0077】
利得可変LNA6の出力端子6nの出力信号は、入力端子8aから直交復調器8へ入力される。入力端子8aから入力された信号は、整合回路8bで入力整合がとられた上で増幅回路8cへ入力される。このとき、バイアス回路8dが能動状態であるから、バイアス回路8dからバイアス電流を受けて増幅回路8cは能動状態となっている。従って整合回路8bの出力信号は、増幅回路8cにより増幅される。そして増幅回路8cの出力信号は、電流−電圧変換回路8iへ入力される。
【0078】
電流−電圧変換回路8iへは、増幅回路8gの出力信号も入力されるようになっている。しかし、増幅回路8cが能動状態であるとき、増幅回路8gは非能動状態とされるため、電流−電圧変換回路8iへは増幅回路8cの出力信号のみが入力される。電流−電圧変換回路8iでは、増幅回路8cの出力信号の電流値に応じた電圧値を持つ信号を出力する。
【0079】
電流−電圧変換回路8iの出力信号はミキサ8jおよびミキサ8nの双方に入力される。ミキサ8jでは、シンセサイザ9から出力されたPDC800システム用のローカル信号がそのままの位相で電流−電圧変換回路8iの出力信号とミキシングされる。そしてこの結果としてミキサ8jでは、I系列のベースバンド信号が取り出される。またミキサ8nでは、移相器8pを介して与えられるPDC800システム用のローカル信号、すなわちミキサ8jが使用するローカル信号に対して90°の位相差を持つPDC800システム用のローカル信号が電流−電圧変換回路8iの出力信号とミキシングされる。この結果ミキサ8nでは、Q系列のベースバンド信号が取り出される。なお、ミキサ8j,8nでそれぞれ取り出されたベースバンド信号は、PDC800システムでのベースバンドである0〜10.5kHzの周波数帯域を持つ。
【0080】
直交復調器8の出力信号は、ベースバンドローパスフィルタ13およびバースバンドローパスフィルタ14の双方に入力される。しかし、ベースバンドローパスフィルタ14は非能動状態であるので、直交復調器8の出力信号は、実質的にはベースバンドローパスフィルタ13のみに入力される。ベースバンドローパスフィルタ13には、直交復調器12の出力信号も入力されるようになっている。しかし、直交復調器12は非能動状態であるので、ベースバンドローパスフィルタ13には直交復調器8の出力信号のみが入力される。かくして、直交復調器8,12およびベースバンドローパスフィルタ13,14の間では、直交復調器8からベースバンドローパスフィルタ13への信号経路のみが有効となっている。
【0081】
ベースバンドローパスフィルタ13では、直交復調器8の出力信号から、PDC800システムのベースバンド外である不要な周波数成分が除去される。ベースバンドVGA15では、ベースバンドローパスフィルタ13の出力信号が所望のレベルに増幅される。ADC16では、ベースバンドVGA15の出力信号がデジタル信号に変換される。そしてADC16の出力信号がベースバンド部27へ入力される。なお、ベースバンドVGA15へはベースバンドローパスフィルタ14の出力信号も入力されるようになっているが、ベースバンドローパスフィルタ14は非能動状態であるので、ベースバンドVGA15へはベースバンドローパスフィルタ13の出力信号のみが入力される。
【0082】
以上のようにPDC800モードでは、RFフィルタ3、利得可変LNA6、直交復調器8、ベースバンドローパスフィルタ13、ベースバンドVGA15およびADC16よりなる経路によりPDC800システムに適応した受信処理が行われる。
【0083】
<cdmaOne800モード>
cdmaOne800モードは、cdmaOne800システム用無線機として動作するモードである。
【0084】
このcdmaOne800モードを選択した場合にベースバンド部27は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ2:デュプレクサ4を選択。
利得可変LNA6:バイアス回路6h,6qが能動状態。
直交復調器8:バイアス回路8hが能動状態。
シンセサイザ9:cdmaOne800システム用のローカル周波数を発振。
直交復調器12:非能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ13:非能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ14:能動状態。
ベースバンドVGA15:能動状態。
ADC16:能動状態。
【0085】
さて、アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ2によりデュプレクサ4へ入力される。デュプレクサ4では、受信信号からcdmaOne800システムの使用無線周波数である832.75〜869.25MHzの周波数成分が抽出される。つまりデュプレクサ4では、種々の周波数成分が混在した受信信号から、cdmaOne800システムの信号が抽出される。
【0086】
デュプレクサ4の出力信号は、入力端子6eから利得可変LNA6へ入力される。入力端子6eから入力された信号は、整合回路6fで入力整合がとられた上で増幅回路6gへ入力される。このとき、バイアス回路6hが能動状態であるから、バイアス回路6hからバイアス電流を受けて増幅回路6gは能動状態となっている。従って整合回路6fの出力信号は、増幅回路6gにより増幅される。そして増幅回路6gの出力信号は、電流−電圧変換回路6iへ入力される。
【0087】
電流−電圧変換回路6iへは、増幅回路6cの出力信号も入力されるようになっている。しかし、増幅回路6gが能動状態であるとき、増幅回路6cは非能動状態とされるため、電流−電圧変換回路6iへは増幅回路6gの出力信号のみが入力される。電流−電圧変換回路6iでは、増幅回路6gの出力信号の電流値に応じた電圧値を持つ信号を出力する。
【0088】
電流−電圧変換回路6iの出力信号は増幅回路6jおよび増幅回路6pの双方に入力される。このとき、バイアス回路6qが能動状態であるから、バイアス回路6qからバイアス電流を受けて増幅回路6pは能動状態となっている。また、バイアス回路6kは非能動状態であるから、バイアス回路6kからバイアス電流を受けることができずに増幅回路6jは非能動状態となっている。かくして電流−電圧変換回路6iの出力信号は、増幅回路6pのみによって増幅される。増幅回路6pの出力信号は、整合回路6rで出力整合がとられた上で、出力端子6sを介して出力される。
【0089】
このように利得可変LNA6では、入力端子6eから整合回路6f、増幅回路6g、電流−電圧変換回路6i、増幅回路6pおよび整合回路6rを経由して出力端子6sへと至る経路のみが有効となっている。そしてこの経路により信号が所望のレベルに増幅される。
【0090】
利得可変LNA6の出力端子6sの出力信号は、入力端子8eから直交復調器8へ入力される。入力端子8eから入力された信号は、整合回路8fで入力整合がとられた上で増幅回路8gへ入力される。このとき、バイアス回路8hが能動状態であるから、バイアス回路8hからバイアス電流を受けて増幅回路8gは能動状態となっている。従って整合回路8fの出力信号は、増幅回路8gにより増幅される。そして増幅回路8gの出力信号は、電流−電圧変換回路8iへ入力される。
【0091】
電流−電圧変換回路8iへは、増幅回路8cの出力信号も入力されるようになっている。しかし、増幅回路8gが能動状態であるときに増幅回路8cは非能動状態とされるため、電流−電圧変換回路8iへは増幅回路8gの出力信号のみが入力される。電流−電圧変換回路8iでは、増幅回路8gの出力信号の電流値に応じた電圧値を持つ信号を出力する。
【0092】
電流−電圧変換回路8iの出力信号はミキサ8jおよびミキサ8nの双方に入力される。ミキサ8jでは、シンセサイザ9から出力されたcdmaOne800システム用のローカル信号がそのままの位相で電流−電圧変換回路8iの出力信号とミキシングされる。そしてこの結果としてミキサ8jでは、I系列のベースバンド信号が取り出される。またミキサ8nでは、移相器8pを介して与えられるcdmaOne800システム用のローカル信号、すなわちミキサ8jが使用するローカル信号に対して90°の位相差を持つcdmaOne800システム用のローカル信号が電流−電圧変換回路8iの出力信号とミキシングされる。そしてこの結果としてミキサ8nでは、Q系列のベースバンド信号が取り出される。なお、ミキサ8j,8nでそれぞれ取り出されたベースバンド信号は、cdmaOne800システムでのベースバンドである0〜614.4kHzの周波数帯域を持つ。
【0093】
直交復調器8の出力信号は、ベースバンドローパスフィルタ13およびバースバンドローパスフィルタ14の双方に入力される。しかし、ベースバンドローパスフィルタ13は非能動状態であるので、直交復調器8の出力信号は、実質的にはベースバンドローパスフィルタ14のみに入力される。ベースバンドローパスフィルタ14には、直交復調器12の出力信号も入力されるようになっている。しかし、直交復調器12は非能動状態であるので、ベースバンドローパスフィルタ14には直交復調器8の出力信号のみが入力される。かくして、直交復調器8,12およびベースバンドローパスフィルタ13,14の間では、直交復調器8からベースバンドローパスフィルタ14への信号経路のみが有効となっている。
【0094】
ベースバンドローパスフィルタ14では、直交復調器8の出力信号から、cdmaOne800システムのベースバンド外である不要な周波数成分が除去される。ベースバンドVGA15では、ベースバンドローパスフィルタ14の出力信号が所望のレベルに増幅される。ADC16では、ベースバンドVGA15の出力信号がデジタル信号に変換される。そしてADC16の出力信号がベースバンド部27へ入力される。なお、ベースバンドVGA15へはベースバンドローパスフィルタ13の出力信号も入力されるようになっているが、ベースバンドローパスフィルタ13は非能動状態であるので、ベースバンドVGA15へはベースバンドローパスフィルタ14の出力信号のみが入力される。
【0095】
以上のようにcdmaOne800モードでは、デュプレクサ4、利得可変LNA6、直交復調器8、ベースバンドローパスフィルタ14、ベースバンドVGA15およびADC16よりなる経路によりcdmaOne800システムに適応した受信処理が行われる。
【0096】
<PDC1500モード>
PDC1500モードは、PDC1500システム用無線機として動作するモードである。
【0097】
このPDC1500モードを選択した場合にベースバンド部27は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ2:RFフィルタ10を選択。
直交復調器8:非能動状態。
シンセサイザ9:PDC1500システム用のローカル周波数を発振。
直交復調器12:能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ13:能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ14:非能動状態。
ベースバンドVGA15:能動状態。
ADC16:能動状態。
【0098】
さて、アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ2によりRFフィルタ10へ入力される。RFフィルタ10では、受信信号からPDC1500システムの使用無線周波数である1477.05〜1500.95MHzの周波数成分が抽出される。つまりRFフィルタ10では、種々の周波数成分が混在した受信信号から、PDC1500システムの信号が抽出される。
【0099】
利得可変LNA11では、RFフィルタ10の出力信号が所望のレベルに増幅される。直交復調器12では、利得可変LNA11の出力信号が、シンセサイザ9から出力されたPDC1500システム用のローカル信号を使用して直交復調される。この直交復調により取り出されるI系列およびQ系列のそれぞれのベースバンド信号は、PDC1500システムでのベースバンドである0〜10.5kHzの周波数帯域を持つ。
【0100】
直交復調器12の出力信号は、ベースバンドローパスフィルタ13およびバースバンドローパスフィルタ14の双方に入力される。しかし、ベースバンドローパスフィルタ14は非能動状態であるので、直交復調器12の出力信号は、実質的にはベースバンドローパスフィルタ13のみに入力される。ベースバンドローパスフィルタ13には、直交復調器8の出力信号も入力されるようになっている。しかし、直交復調器8は非能動状態であるので、ベースバンドローパスフィルタ13には直交復調器12の出力信号のみが入力される。かくして、直交復調器8,12およびベースバンドローパスフィルタ13,14の間では、直交復調器12からベースバンドローパスフィルタ13への信号経路のみが有効となっている。
【0101】
ベースバンドローパスフィルタ13では、直交復調器8の出力信号から、PDC1500システムのベースバンド外である不要な周波数成分が除去される。ベースバンドVGA15では、ベースバンドローパスフィルタ13の出力信号が所望のレベルに増幅される。ADC16では、ベースバンドVGA15の出力信号がデジタル信号に変換される。そしてADC16の出力信号がベースバンド部27へ入力される。なお、ベースバンドVGA15へはベースバンドローパスフィルタ14の出力信号も入力されるようになっているが、ベースバンドローパスフィルタ14は非能動状態であるので、ベースバンドVGA15へはベースバンドローパスフィルタ13の出力信号のみが入力される。
【0102】
以上のようにPDC1500モードでは、RFフィルタ10、利得可変LNA11、直交復調器12、ベースバンドローパスフィルタ13、ベースバンドVGA15およびADC16よりなる経路によりPDC1500システムに適応した受信処理が行われる。
【0103】
<cdma2000シングルモード>
cdma2000シングルモードは、cdma2000システム用無線機として動作し、かつcdma2000システムのシングルキャリア信号を受信するモードである。
【0104】
このcdma2000シングルモードを選択した場合にベースバンド部27は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ2:デュプレクサ17を選択。
直交復調器21:能動状態。
シンセサイザ9:cdma2000システム用のローカル周波数を発振。
ベースバンドローパスフィルタ22:能動状態。cdma2000シングルモード。
ベースバンドVGA23:能動状態。
ADC24:能動状態。
マルチキャリア信号分割用ミキサ部25:非能動状態
さて、アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ2によりデュプレクサ17へ入力される。デュプレクサ17では、受信信号からcdma2000システムの使用無線周波数である2110〜2170MHzの周波数成分が抽出される。つまりデュプレクサ17では、種々の周波数成分が混在した受信信号から、cdma2000システムの信号が抽出される。
【0105】
利得可変LNA19では、デュプレクサ17の出力信号が所望のレベルに増幅される。RFフィルタ20では、利得可変LNA19の出力信号からcdma2000システムの使用無線周波数の帯域外である不要な周波数成分が除去される。直交復調器21では、RFフィルタ20の出力信号が、シンセサイザ9から出力されたcdma2000システム用のローカル信号を使用して直交復調される。この直交復調により取り出されるI系列およびQ系列のそれぞれのベースバンド信号は、cdma2000システムでのシングルキャリア信号のベースバンドである0〜614.4kHzの周波数帯域を持つ。
【0106】
ベースバンドローパスフィルタ22では、直交復調器21の出力信号からcdma2000システムのシングルキャリア信号のベースバンド外である不要な周波数成分が除去される。ベースバンドVGA23では、ベースバンドローパスフィルタ22の出力信号が所望のレベルに増幅される。ADC24では、ベースバンドVGA23の出力信号がデジタル信号に変換される。そしてADC24の出力信号がベースバンド部27へ入力される。なお、ADC24の出力信号はマルチキャリア信号分割用ミキサ部25にも入力されるようになっているが、マルチキャリア信号分割用ミキサ部25は非能動状態となっている。
【0107】
以上のようにcdma2000シングルモードでは、デュプレクサ17、利得可変LNA19、RFフィルタ20、直交復調器21、ベースバンドローパスフィルタ22、ベースバンドVGA23およびADC24よりなる経路によりcdma2000システムのシングルキャリア信号に適応した受信処理が行われる。
【0108】
<cdma2000マルチモード>
cdma2000マルチモードは、cdma2000システム用無線機として動作し、かつcdma2000システムのマルチキャリア信号を受信するモードである。
【0109】
このcdma2000マルチモードを選択した場合にベースバンド部27は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ2:デュプレクサ17を選択。
直交復調器21:能動状態。
シンセサイザ9:cdma2000システム用のローカル周波数を発振。
ベースバンドローパスフィルタ22:能動状態。cdma2000マルチモード。
ベースバンドVGA23:能動状態。
ADC24:能動状態。
マルチキャリア信号分割用ミキサ部25:能動状態
さて、アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ2によりデュプレクサ17へ入力される。デュプレクサ17では、受信信号からcdma2000システムの使用無線周波数である2110〜2170MHzの周波数成分が抽出される。つまりデュプレクサ17では、種々の周波数成分が混在した受信信号から、cdma2000システムの信号が抽出される。
【0110】
利得可変LNA19では、デュプレクサ17の出力信号が所望のレベルに増幅される。RFフィルタ20では、利得可変LNA19の出力信号からcdma2000システムの使用無線周波数の帯域外である不要な周波数成分が除去される。直交復調器21では、RFフィルタ20の出力信号が、シンセサイザ9から出力されたcdma2000システム用のローカル信号を使用して直交復調される。この直交復調により取り出されるI系列およびQ系列のそれぞれのベースバンド信号は、cdma2000システムでのマルチキャリア信号のベースバンドである0〜1.8432MHzの周波数帯域を持つ。
【0111】
ベースバンドローパスフィルタ22では、直交復調器21の出力信号からcdma2000システムのマルチキャリア信号のベースバンド外である不要な周波数成分が除去される。ベースバンドVGA23では、ベースバンドローパスフィルタ22の出力信号が所望のレベルに増幅される。ADC24では、ベースバンドVGA23の出力信号がデジタル信号に変換される。そしてADC24の出力信号がベースバンド部27へ入力される。
【0112】
cdma2000マルチモードにおいては、cdma2000シングルモードと異なり、マルチキャリア信号分割用ミキサ部25は能動状態となっている。従って、ADC24の出力信号がマルチキャリア信号分割用ミキサ部25で処理される。
【0113】
ところでcdma2000マルチモードは、3つの隣り合うチャネルを同時に用いて高容量なデータ通信を行うモードである。従ってマルチキャリア信号には、図5に示すような3つのチャネルの信号が含まれる。これら第1乃至第3のチャネルは、それぞれ異なる周波数帯域が割り当てられている。各チャネルに割り当てられた周波数の中心周波数をそれぞれf1,f2,f3と示すとき、これらの各周波数は以下の関係を満たす。
【0114】
f1=f2−Δf
f3=f2+Δf
このようなマルチキャリア信号の受信時には、ADC24の出力信号には、第2チャネルch2の信号と同時に第1チャネルch1および第3チャネルch3の信号が含まれている状態となる。第2チャネルch2の信号については、ADC24の出力信号として取り出すことができる。第1チャネルch1および第3チャネルch3の信号は、以下のようにしてマルチキャリア信号分割用ミキサ部25により取り出される。
【0115】
マルチキャリア信号の受信時におけるマルチキャリア信号分割用ミキサ部25への入力信号入力信号SRF(t)は、下記の式(1)により表わされる。
【0116】
SRF(t)=A1×cos(w1×t+x1)+A2×cos(w2×t+x2)
+A3×cos(w3×t+x3) …(1)
なお、上記の式(1)において、A1は第1チャネルch1の受信信号の振幅成分を示す。A2は第2チャネルch2の受信信号の振幅成分を示す。A3は第3チャネルch3の受信信号の振幅成分を示す。w1は第1チャネルch1の受信信号のキャリア角周波数を示す。w2は第2チャネルch2の受信信号のキャリア角周波数を示す。w3は第3チャネルch3の受信信号のキャリア角周波数を示す。x1は第1チャネルch1の受信信号の角周波数成分を示す。x2は第2チャネルch2の受信信号の角周波数成分を示す。x3は第3チャネルch3の受信信号の角周波数成分を示す。
【0117】
シンセサイザ9から出力されるローカル信号Li(t)と、それを90°移相したローカル信号Lq(t)とを下記の式(2)および式(3)により表わす。
Li(t)=B×cos(w2×t) …(2)
Lq(t)=B×cos(w2×t) …(3)
シンセサイザ26から出力されるローカル信号Mi(t)と、それを90°移相したローカル信号Mq(t)とを下記の式(4)および式(5)により表わす。
Mi(t)=C×cos(dw×t) …(4)
Mq(t)=C×cos(dw×t) …(5)
ただし、dw=w2−w1=w3−w2である。
【0118】
そうすると、マルチキャリア信号分割用ミキサ部25で取り出される4つの信号は、それぞれ下記の式(6)〜式(9)により表わされる。
T1i(t)=(A1×B×C/2)×cos(x1) …(6)
T1q(t)=−(A1×B×C/2)×sin(x1) …(7)
T3i(t)=(A3×B×C/2)×cos(x3) …(8)
T3q(t)=−(A3×B×C/2)×sin(x3) …(9)
かくして、上記のT1i(t)として第1チャネルch1に関するI系列のベースバンド信号が取り出される。上記のT1q(t)として第1チャネルch1に関するQ系列のベースバンド信号が取り出される。上記のT3i(t)として第3チャネルch1に関するI系列のベースバンド信号が取り出される。上記のT3q(t)として第3チャネルch1に関するQ系列のベースバンド信号が取り出される。
【0119】
なお、第2チャネルch2に関するI系列のベースバンド信号T2i(t)およびQ系列のベースバンド信号T2q(t)は、ADC24の出力において下記の式(10)および式(11)のように取り出される。
T2i(t)=(A2×B/2)×cos(x2) …(10)
T2q(t)=−(A2×B/2)×sin(x2) …(11)
以上のようにcdma2000マルチモードでは、デュプレクサ17、利得可変LNA19、RFフィルタ20、直交復調器21、ベースバンドローパスフィルタ22、ベースバンドVGA23およびADC24よりなる経路と、さらにマルチキャリア信号分割用ミキサ部25を加えてなる経路とによりcdma2000システムのマルチキャリア信号に適応した受信処理が行われる。
【0120】
<UMTS-FDDモード>
UMTS-FDDモードは、UMTS-FDDシステム用無線機として動作するモードである。
【0121】
このUMTS-FDDモードを選択した場合にベースバンド部27は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ2:デュプレクサ17を選択。
直交復調器21:能動状態。
シンセサイザ9:UMTS-FDDシステム用のローカル周波数を発振。
ベースバンドローパスフィルタ22:能動状態。UMTSモード。
ベースバンドVGA23:能動状態。
ADC24:能動状態。
マルチキャリア信号分割用ミキサ部25:非能動状態
さて、アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ2によりデュプレクサ17へ入力される。デュプレクサ17では、受信信号からUMTS-FDDシステムの使用無線周波数である2110〜2170MHzの周波数成分が抽出される。つまりデュプレクサ17では、種々の周波数成分が混在した受信信号から、UMTS-FDDシステムの信号が抽出される。
【0122】
利得可変LNA19では、デュプレクサ17の出力信号が所望のレベルに増幅される。RFフィルタ20では、利得可変LNA19の出力信号からUMTS-FDDシステムの使用無線周波数の帯域外である不要な周波数成分が除去される。直交復調器21では、RFフィルタ20の出力信号が、シンセサイザ9から出力されたUMTS-FDDシステム用のローカル信号を使用して直交復調される。この直交復調により取り出されるI系列およびQ系列のそれぞれのベースバンド信号は、UMTS-FDDシステムのベースバンドである0〜1.92MHzの周波数帯域を持つ。
【0123】
ベースバンドローパスフィルタ22では、直交復調器21の出力信号からUMTS-FDDシステムのベースバンド外である不要な周波数成分が除去される。ベースバンドVGA23では、ベースバンドローパスフィルタ22の出力信号が所望のレベルに増幅される。ADC24では、ベースバンドVGA23の出力信号がデジタル信号に変換される。そしてADC24の出力信号がベースバンド部27へ入力される。なお、ADC24の出力信号はマルチキャリア信号分割用ミキサ部25にも入力されるようになっているが、マルチキャリア信号分割用ミキサ部25は非能動状態となっている。
【0124】
以上のようにUMTS-FDDモードでは、デュプレクサ17、利得可変LNA19、RFフィルタ20、直交復調器21、ベースバンドローパスフィルタ22、ベースバンドVGA23およびADC24よりなる経路によりUMTS-FDDシステムに適応した受信処理が行われる。
【0125】
なお、PDC800モード、cdmaOne800モードおよびPDC1500モードのいずれか1つと、cdma2000シングルモード、cdma2000マルチモードおよびUMTS-FDDモードのいずれか1つとは、並列的に使用することも可能である。すなわち、PDC800システム、cdmaOne800システムおよびPDC1500システムのうちのいずれか1つのシステムの信号の受信と、cdma2000のシングルキャリア信号、マルチキャリア信号およびUMTS-FDDシステムの信号のいずれかの受信とを同時に行うことが可能である。
【0126】
このように第1の実施形態のマルチモード無線機によれば、PDC800システム用無線機、cdmaOne800システム用無線機、PDC1500システム用無線機、cdma2000システム用無線機およびUMTS-FDDシステム用無線機のいずれとしても機能する。
【0127】
そして第1の実施形態によれば、利得可変LNA6では、PDC800システムおよびcdmaOne800システムのそれぞれに関する信号の電流−電圧変換を共通の電流−電圧変換回路6iにより行うので、回路規模が抑えられる。しかも利得可変LNA6での2つの信号経路の切り替えは、バイアス回路6d,6h,6k,6qの動作状態を制御して増幅回路6c,6g,6j,6pの動作状態を切り替えることにより行う。このため、信号経路中にスイッチ等の信号経路切り替え手段を新たに挿入することはなく、信号の損失が増大してしまうこともない。
【0128】
また第1の実施形態によれば、直交復調器8では、PDC800システムの信号とcdmaOne800システムの信号とそれぞれ直交復調することが可能であるから、個別の直交復調器を備える場合に比べて回路規模が縮小される。なお、PDC800システムの信号とcdmaOne800システムの信号とでは、直交復調器8に至る信号経路がそれぞれ異なっているが、それらの信号の選択は、PDC800システム用の増幅回路8cおよびバイアス回路8dとcdmaOne800システム用の増幅回路8gおよびバイアス回路8hとを個別に設け、バイアス回路8d,8hの動作状態を制御して増幅回路8c,8gを排他的に能動状態とすることにより行う。このため、信号経路中にスイッチ等の信号経路切り替え手段を新たに挿入することはなく、信号の損失が増大してしまうこともない。
【0129】
ところで、ある周波数範囲の最大周波数をfmax、最小周波数をfminと表わす場合に、その周波数範囲の比帯域幅および中心周波数は下記の式(12)および式(13)により求められる。
比帯域幅=(fmax−fmin)/{(fmax×fmin)^0.5} …(12)
中心周波数=(fmax×fmin)^0.5 …(13)
第1の実施形態において、整合回路6b,6mおよび整合回路8bを通す信号はPDC800システムの信号であり、その周波数範囲は810.05〜827.95MHzおよび832.75〜869.25MHzである。従って、整合回路6b,6mおよび整合回路8bを通す信号の比帯域幅および中心周波数はそれぞれ約0.09および約846.67MHzとなる。
【0130】
また、整合回路6g,6pおよび整合回路8fを通す信号はcdmaOne800システムの信号であり、その周波数範囲は832.75〜869.25MHzである。従って、整合回路6g,6qおよび整合回路8fを通す信号の比帯域幅および中心周波数はそれぞれ約0.04および約850.80MHzとなる。
【0131】
上記の式(12)により算出される比帯域幅は、大きいほど周波数範囲が広くなることを意味する。一般的に、この周波数範囲が広くなると、全ての周波数成分に関して所望の整合をとることが困難となる。現状では、比帯域幅が0.3以上となるような広い周波数範囲で所望の整合の取れる整合回路を実現することは困難である。
【0132】
しかし第1の実施形態によれば、上述のように整合回路6b,6mおよび整合回路8bは約0.09の比帯域幅の信号について、また整合回路6f,6rおよび整合回路8fは約0.04の比帯域幅の信号についてそれぞれ整合をとれば良いから、各整合回路6b,6f,6m,6rおよび整合回路8b,8fは容易に実現することができる。
【0133】
また第1の実施形態によれば、ベースバンドVGA15およびADC16は、PDC800システム、cdmaOne800システムおよびPDC1500システムで、またベースバンドVGA23およびADC24は、cdma2000システムおよびUMTS-FDDシステムでそれぞれ共用としているので、これらを個々に設ける場合に比べて回路規模が縮小できる。
【0134】
また第1の実施形態によれば、マルチキャリア信号分割用ミキサ部25を備え、ADC24の出力信号から第1チャネルch1および第3チャネルch3のベースバンド信号を取り出すことができるので、利得可変LNA19、RFフィルタ20、直交復調器21、ベースバンドローパスフィルタ22、ベースバンドVGA23およびADC24はcdma2000システムのシングルキャリア信号およびマルチキャリア信号のそれぞれの処理のために共用することが可能となっており、これらを個々に設ける場合に比べて回路規模が縮小できる。
【0135】
(第2の実施形態)
図6は第2の実施形態に係るマルチモード無線機のブロック図である。なお、図6において図1と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0136】
この第2の実施形態のマルチモード無線機は、欧州で用いられるGSM900システム、GSM1800システム、UMTS-FDDシステムおよびUMTS-TDDシステムの4つの無線通信システムに対応したマルチモード無線機である。すなわち、第2の実施形態のマルチモード無線機は、欧州で使用することを想定している。なお、GSM900システムとは、GSM(Global System for Mobile communications)方式を採用し、かつ使用無線数端数帯域が900MHz帯である無線通信システムを指す。GSM1800システムとは、GSM方式を採用し、かつ使用無線数端数帯域が1800MHz帯である無線通信システムを指す。UMTS-TDDシステムとは、UMTS-TDD(Universal Mobile Telecommunication System-Time Division Duplex)方式を採用する無線通信システムを指す。
【0137】
図6に示すように第2の実施形態のマルチモード無線機は、アンテナ1、デュプレクサ17、入力端子18、RFフィルタ20、ベースバンドVGA23,39、ADC24,40、アンテナスイッチ30、RFフィルタ31,35、利得可変LNA32,36、直交復調器33,37,42、シンセサイザ34、ベースバンドローパスフィルタ38,43、利得可変LNA41およびベースバンド部44を含む。
【0138】
アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ30に入力される。アンテナスイッチ30は、ベースバンド部44から入力される制御信号に基づいてRFフィルタ31、RFフィルタ35およびデュプレクサ17のうちの1つを選択し、受信信号を与える。
【0139】
RFフィルタ31は、入力される受信信号からGSM900システムで不要な信号成分を減衰させる。すなわちRFフィルタ31は、GSM900システムの使用無線周波数である925〜960MHzの周波数成分を減衰させることなく通過させ、これ以外の周波数成分を減衰させるという特性を有する。かくしてRFフィルタ31は、GSM900システムに関する受信信号を抽出する。
【0140】
利得可変LNA32へは、RFフィルタ31の出力信号が入力される。利得可変LNA32は、入力される信号を所望のレベルに増幅する。利得可変LNA32は、信号増幅の際の利得をベースバンド部44から入力される制御信号に応じて可変設定する。利得可変LNA32は、周知の構成のものであって良い。
【0141】
直交復調器33へは、利得可変LNA32の出力信号が入力される。直交復調器33は、シンセサイザ34が発生するローカル信号を使用して上記入力される信号を直交復調する。直交復調器33は、直交復調の結果として得られるI系列およびQ系列の2系列のベースバンド信号をそれぞれ出力する。直交復調器33は、周知の構成のものであって良い。
【0142】
シンセサイザ34は、直交復調器33,37,42で使用するためのローカル信号を発生する。シンセサイザ34は、上記ローカル信号の周波数をベースバンド部44から入力される制御信号で指示される周波数とする。
【0143】
RFフィルタ35は、入力される受信信号からGSM1800システムで不要な信号成分を減衰させる。すなわち、RFフィルタ35はGSM1800システムの使用無線周波数である1805〜1880MHzの信号は減衰させることなく通過させ、これ以外の周波数成分は減衰させるという特性を有する。かくしてRFフィルタ35は、GSM1800システムに関する受信信号を抽出する。
【0144】
利得可変LNA36へは、RFフィルタ35の出力信号が入力される。利得可変LNA36は、入力される信号を所望のレベルに増幅する。利得可変LNA36は、信号増幅の際の利得を上記制御信号に応じて可変設定する。利得可変LNA36は、周知の構成のものであって良い。
【0145】
直交復調器37へは、利得可変LNA36の出力信号が入力される。直交復調器37は、シンセサイザ34が発生するローカル信号を使用して上記入力される信号を直交復調する。直交復調器37は、直交復調の結果として得られるI系列およびQ系列の2系列のベースバンド信号をそれぞれ出力する。直交復調器37は、周知の構成のものであって良い。
【0146】
なお、直交復調器33および直交復調器37は、ベースバンド部44から入力される制御信号に基づいて排他的に動作する。すなわち直交復調器33および直交復調器37は、いずれか一方が信号を出力する際には、他方は信号を出力しない。
【0147】
ベースバンドローパスフィルタ38へは、直交復調器33および直交復調器37の出力信号が入力される。ベースバンドローパスフィルタ38は、GSM900システムおよびGSM1800システムにおけるベースバンドである0〜100kHzの成分は減衰させることなく通過させ、これ以外の不要な周波数成分を減衰させるという特性を有する。なお、ベースバンドローパスフィルタ38に必要とされる性能は、ベースバンド部44の性能に依存して異なってくるため、ここでは詳細な検討は省略する。
【0148】
ベースバンドVGA39へは、ベースバンドローパスフィルタ38の出力信号が入力される。ベースバンドVGA39は、上記の入力信号を所望のレベルに増幅する。ベースバンドVGA39は、ベースバンド部44から入力される制御信号により、入力された信号が所望のレベルに増幅されるように利得を設定する。
【0149】
ADC40へは、ベースバンドVGA39の出力信号が入力される。ADC40は、入力信号をデジタル信号に変換する。ADC40は、ベースバンド部44から入力される制御信号に応じて、サンプリング速度とビット数とを可変設定する。なおADC40の所要性能は、ベースバンド部44の性能に依存して異なってくるため、ここでは詳細な検討は省略する。
【0150】
利得可変LNA41へは、デュプレクサ17の出力信号が入力される。利得可変LNA41は、入力される信号を所望のレベルに増幅する。利得可変LNA41は、第1および第2の2つの出力端子を有する。利得可変LNA41は、ベースバンド部44から入力される制御信号に応じてこれらの出力端子のいずれかを選択する。利得可変LNA41は、選択している出力端子から増幅後の信号を出力する。上記第2の出力端子は、RFフィルタ20に接続される。
【0151】
直交復調器42は、第1および第2の2つの入力端子を有する。そして第1の入力端子には利得可変LNA41の第1の出力端子の出力信号が入力され、第2の入力端子にはRFフィルタ20の出力信号が入力される。直交復調器42は、これらの2つの入力端子に入力される信号のいずれかをベースバンド部44から入力される制御信号に基づいて選択する。直交復調器42は、シンセサイザ34が発生するローカル信号を使用して上記選択した信号を直交復調する。直交復調器42は、直交復調の結果として得られるI系列およびQ系列の2系列のベースバンド信号をそれぞれ出力する。この直交復調器42の回路構成は、直交復調器8と同様であり、図4に示すものである。ただし直交復調器42における整合回路8b,8fは、UMTSシステムやcdma200システムの使用無線周波数帯である1930〜2170MHzに適応する特性とする。
【0152】
なお、直交復調器42は、ベースバンド部44から入力される制御信号に基づいて、直交復調器33,37の動作状態とは無関係に能動状態となる。すなわち直交復調器42は、直交復調器33,38と同時に能動状態になり得る。
【0153】
ベースバンドローパスフィルタ43へは、直交復調器42の出力信号が入力される。ベースバンドローパスフィルタ43は、UMTS-FDDシステムおよびUMTS-TDDシステムのベースバンドである0〜1.92MHzの成分は減衰させることなく通過させ、これ以外の不要な周波数成分を減衰させるという特性を有する。そしてこのベースバンドローパスフィルタ43の出力信号は、ベースバンドVGA23へ入力される。なお、ベースバンドローパスフィルタ43に必要とされる性能は、ベースバンド部44の性能に依存して異なってくるため、ここでは詳細な検討は省略する。
【0154】
なおベースバンドローパスフィルタ43は、ベースバンド部44から入力される制御信号に基づいて、ベースバンドローパスフィルタ38,14の動作状態とは無関係に能動状態となる。すなわちベースバンドローパスフィルタ43は、ベースバンドローパスフィルタ38と同時に能動状態になり得る。
【0155】
ベースバンド部44へは、ADC40およびADC24の出力信号がそれぞれ入力される。ベースバンド部44は、これらの入力信号に対して、各無線通信システムに応じた周知のベースバンド処理を施す。またベースバンド部44へは、いずれの無線通信システムの信号の受信を行うかに応じて、前述の各部の動作状態を制御する。なお、いずれの無線通信システムの信号の受信を行うかは、ユーザからの指示に応じて決定しても良いし、あるいは所定の条件に基づいて自動的に決定しても良い。
【0156】
図7は利得可変LNA41の回路図である。なお、図2と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する
図7に示すように利得可変LNA41は、入力端子6a、整合回路6b,6m,6r、増幅回路6c,6j,6p、バイアス回路6d,6k,6q、電流−電圧変換回路6i、出力端子6n,6s、制御信号端子6tおよびロジック回路41aを含む。
【0157】
すなわち利得可変LNA41は、第1の実施形態における利得可変LNA6に類似した構成を有する。ただし利得可変LNA41は、利得可変LNA6に含まれていた入力端子6e、整合回路6f、増幅回路6gおよびバイアス回路6hを除去し、入力側を1系統のみとしている。
【0158】
なお、利得可変LNA41における整合回路6b,6m,6rは、UMTSシステムやcdma200システムの使用無線周波数帯である1930〜2170MHzに適応する特性とする。
【0159】
ロジック回路41aへは、ベースバンド部44から入力される制御信号が制御信号端子6tを介して入力される。ロジック回路41aは、上記制御信号によりUMTS-TDDモードが指示されたことに応じて、バイアス回路6kを能動状態とする制御信号を出力する。またロジック回路41aは、上記制御信号によりUMTS-FDDモードが指示されたことに応じて、バイアス回路6qを能動状態とする制御信号を出力する。
【0160】
次に以上のように構成されたマルチモード無線機の動作につき説明する。
【0161】
<GSM900モード>
GSM900モードは、GSM900システム用無線機として動作するモードである。
【0162】
このGSM900モードを選択した場合にベースバンド部44は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ30:RFフィルタ31を選択。
直交復調器33:能動状態。
シンセサイザ34:GSM900システム用のローカル周波数を発振。
直交復調器37:非能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ38:能動状態。
ベースバンドVGA39:能動状態。
ADC40:能動状態。
【0163】
さて、アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ30によりRFフィルタ31へ入力される。RFフィルタ31では、受信信号からGSM900システムの使用無線周波数である925〜960MHzの周波数成分が抽出される。つまりRFフィルタ31では、種々の周波数成分が混在した受信信号から、GSM900システムの信号が抽出される。
【0164】
利得可変LNA32では、RFフィルタ31の出力信号が所望のレベルに増幅される。直交復調器33では、利得可変LNA32の出力信号が、シンセサイザ34から出力されたGSM900システム用のローカル信号を使用して直交復調される。この直交復調により取り出されるI系列およびQ系列のそれぞれのベースバンド信号は、GSM900システムでのベースバンドである0〜100kHzの周波数帯域を持つ。
【0165】
ベースバンドローパスフィルタ38では、直交復調器33の出力信号から、GSM900システムのベースバンド外である不要な周波数成分が除去される。なおベースバンドローパスフィルタ38へは、直交復調器37の出力信号も入力されるようになっているが、直交復調器37は非能動状態であるので、ベースバンドローパスフィルタ38へは直交復調器33の出力信号のみが入力される。ベースバンドVGA39では、ベースバンドローパスフィルタ38の出力信号が所望のレベルに増幅される。ADC40では、ベースバンドVGA39の出力信号がデジタル信号に変換される。そしてADC39の出力信号がベースバンド部44へ入力される。
【0166】
以上のようにGSM900モードでは、RFフィルタ31、利得可変LNA32、直交復調器33、ベースバンドローパスフィルタ38、ベースバンドVGA39およびADC40よりなる経路によりGSM900システムに適応した受信処理が行われる。
【0167】
<GSM1800モード>
GSM1800モードは、GSM1800システム用無線機として動作するモードである。
【0168】
このGSM1800モードを選択した場合にベースバンド部44は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ30:RFフィルタ35を選択。
直交復調器33:非能動状態。
シンセサイザ34:GSM1800システム用のローカル周波数を発振。
直交復調器37:能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ38:能動状態。
ベースバンドVGA39:能動状態。
ADC40:能動状態。
【0169】
さて、アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ30によりRFフィルタ35へ入力される。RFフィルタ35では、受信信号からGSM1800システムの使用無線周波数である1805〜1880MHzの周波数成分が抽出される。つまりRFフィルタ35では、種々の周波数成分が混在した受信信号から、GSM1800システムの信号が抽出される。
【0170】
利得可変LNA36では、RFフィルタ35の出力信号が所望のレベルに増幅される。直交復調器37では、利得可変LNA36の出力信号が、シンセサイザ34から出力されたGSM1800システム用のローカル信号を使用して直交復調される。この直交復調により取り出されるI系列およびQ系列のそれぞれのベースバンド信号は、GSM1800システムでのベースバンドである0〜100kHzの周波数帯域を持つ。
【0171】
ベースバンドローパスフィルタ38では、直交復調器37の出力信号から、GSM1800システムのベースバンド外である不要な周波数成分が除去される。なおベースバンドローパスフィルタ38へは、直交復調器33の出力信号も入力されるようになっているが、直交復調器33は非能動状態であるので、ベースバンドローパスフィルタ38へは直交復調器37の出力信号のみが入力される。ベースバンドVGA39では、ベースバンドローパスフィルタ38の出力信号が所望のレベルに増幅される。ADC40では、ベースバンドVGA39の出力信号がデジタル信号に変換される。そしてADC39の出力信号がベースバンド部44へ入力される。
【0172】
以上のようにGSM1800モードでは、RFフィルタ35、利得可変LNA36、直交復調器37、ベースバンドローパスフィルタ38、ベースバンドVGA39およびADC40よりなる経路によりGSM1800システムに適応した受信処理が行われる。
【0173】
<UMTS-FDDモード>
UMTS-FDDモードは、UMTS-FDDシステム用無線機として動作するモードである。
【0174】
このUMTS-FDDモードを選択した場合にベースバンド部44は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ30:デュプレクサ17を選択。
シンセサイザ34:UMTSシステム用のローカル周波数を発振。
利得可変LNA41:バイアス回路6qが能動状態。
【0175】
直交復調器42:バイアス回路8hが能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ43:能動状態。
ベースバンドVGA23:能動状態。
ADC24:能動状態。
さて、アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ30によりデュプレクサ17へ入力される。デュプレクサ17では、受信信号からUMTS-FDDシステムの使用無線周波数である2110〜2170MHzの周波数成分が抽出される。つまりデュプレクサ17では、種々の周波数成分が混在した受信信号から、UMTS-FDDシステムの信号が抽出される。
【0176】
デュプレクサ4の出力信号は、入力端子6aから利得可変LNA41へ入力される。利得可変LNA41では、増幅回路6cはバイアス回路6dからバイアス電流を受けて能動状態となっている。またバイアス回路6qが能動状態であるから、バイアス回路6qからバイアス電流を受けて増幅回路6pは能動状態となっている。すなわち利得可変LNA41では、入力端子6aから整合回路6b、増幅回路6c、電流−電圧変換回路6i、増幅回路6pおよび整合回路6rを経由して出力端子6sへと至る経路のみが有効となっている。そしてこの経路により、デュプレクサ4の出力信号が所望のレベルに増幅される。
【0177】
利得可変LNA41の出力端子6sの出力信号は、RFフィルタ20に入力される。RFフィルタ20では、利得可変LNA41の出力信号からUMTS-FDDシステムの使用無線周波数の帯域外である不要な周波数成分が除去される。RFフィルタ20の出力信号は、入力端子8eから直交復調器42へ入力される。直交復調器42では、バイアス回路8hが能動状態であるから、バイアス回路8hからバイアス電流を受けて増幅回路8gは能動状態となっている。このため、直交復調器42では、入力端子8e、整合回路8f、増幅回路8gおよび電流−電圧変換回路8iを介してミキサ8j,8nへと至る経路が有効となっている。従って、直交復調器42では、RFフィルタ20の出力信号が、シンセサイザ9から出力されたUMTSシステム用のローカル信号を用いて直交復調される。この直交復調により取り出されるI系列およびQ系列のそれぞれのベースバンド信号は、UMTS-FDDシステムでのベースバンドである0〜1.92MHzの周波数帯域を持つ。
【0178】
ベースバンドローパスフィルタ43では、直交復調器42の出力信号からUMTS-FDDシステムのベースバンド外である不要な周波数成分が除去される。ベースバンドVGA23では、ベースバンドローパスフィルタ43の出力信号が所望のレベルに増幅される。ADC24では、ベースバンドVGA23の出力信号がデジタル信号に変換される。そしてADC24の出力信号がベースバンド部44へ入力される。
【0179】
以上のようにUMTS-FDDモードでは、デュプレクサ17、利得可変LNA41、RFフィルタ20、直交復調器42、ベースバンドローパスフィルタ43、ベースバンドVGA23およびADC24よりなる経路によりUMTS-FDDシステムに適応した受信処理が行われる。
【0180】
<UMTS-TDDモード>
UMTS-TDDモードは、UMTS-TDDシステム用無線機として動作するモードである。
【0181】
このUMTS-TDDモードを選択した場合にベースバンド部44は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ30:デュプレクサ17を選択。
シンセサイザ34:UMTSシステム用のローカル周波数を発振。
利得可変LNA41:バイアス回路6kが能動状態。
【0182】
直交復調器42:バイアス回路8dが能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ43:能動状態。
ベースバンドVGA23:能動状態。
ADC24:能動状態。
さて、アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ30によりデュプレクサ17へ入力される。デュプレクサ17では、受信信号からUMTS-TDDシステムの使用無線周波数である2110〜2170MHzの周波数成分が抽出される。つまりデュプレクサ17では、種々の周波数成分が混在した受信信号から、UMTS-TDDシステムの信号が抽出される。
【0183】
デュプレクサ4の出力信号は、入力端子6aから利得可変LNA41へ入力される。利得可変LNA41では、増幅回路6cはバイアス回路6dからバイアス電流を受けて能動状態となっている。またバイアス回路6kが能動状態であるから、バイアス回路6kからバイアス電流を受けて増幅回路6jは能動状態となっている。すなわち利得可変LNA41では、入力端子6aから整合回路6b、増幅回路6c、電流−電圧変換回路6i、増幅回路6jおよび整合回路6mを経由して出力端子6nへと至る経路のみが有効となっている。そしてこの経路により、デュプレクサ4の出力信号が所望のレベルに増幅される。
【0184】
利得可変LNA41の出力端子6nの出力信号は、入力端子8aから直交復調器42へ入力される。直交復調器42では、バイアス回路8dが能動状態であるから、バイアス回路8dからバイアス電流を受けて増幅回路8cは能動状態となっている。このため、直交復調器42では、入力端子8a、整合回路8b、増幅回路8cおよび電流−電圧変換回路8iを介してミキサ8j,8nへと至る経路が有効となっている。従って、直交復調器42では、利得可変LNA41の出力端子6nの出力信号が、シンセサイザ9から出力されたUMTSシステム用のローカル信号を用いて直交復調される。この直交復調により取り出されるI系列およびQ系列のそれぞれのベースバンド信号は、UMTS-TDDシステムでのベースバンドである0〜1.92MHzの周波数帯域を持つ。
【0185】
ベースバンドローパスフィルタ43では、直交復調器42の出力信号からUMTS-TDDシステムのベースバンド外である不要な周波数成分が除去される。ベースバンドVGA23では、ベースバンドローパスフィルタ43の出力信号が所望のレベルに増幅される。ADC24では、ベースバンドVGA23の出力信号がデジタル信号に変換される。そしてADC24の出力信号がベースバンド部44へ入力される。
【0186】
以上のようにUMTS-TDDモードでは、デュプレクサ17、利得可変LNA41、直交復調器42、ベースバンドローパスフィルタ43、ベースバンドVGA23およびADC24よりなる経路によりUMTS-TDDシステムに適応した受信処理が行われる。
【0187】
なお、GSM900モードおよびGSM1800モードのいずれかと、UMTS-FDDモードおよびUMTS-TDDモードのいずれか1つとは、並列的に使用することも可能である。すなわち、GSM900システムおよびGSM1800システムのうちのいずれかのシステムの信号の受信と、UMTS-FDDシステムおよびUMTS-TDDシステムのうちのいずれかのシステムの信号の受信とを同時に行うことが可能である。
【0188】
このように第2の実施形態のマルチモード無線機によれば、GSM900システム用無線機、GSM1800システム用無線機、UMTS-FDDシステム用無線機およびUMTS-FDDシステム用無線機のいずれとしても機能する。
【0189】
そして第2の実施形態によれば、利得可変LNA41では、UMTS-FDDシステムおよびUMTS-TDDシステムのそれぞれに関する信号の電流−電圧変換を共通の電流−電圧変換回路6iにより行うので、回路規模が抑えられる。しかも利得可変LNA41での2つの信号経路の切り替えは、バイアス回路6k,6qの動作状態を制御して増幅回路6j,6pの動作状態を切り替えることにより行う。このため、信号経路中にスイッチ等の信号経路切り替え手段を新たに挿入することはなく、信号の損失が増大してしまうこともない。
【0190】
また第2の実施形態によれば、直交復調器42では、UMTS-FDDシステムの信号およびUMTS-TDDシステムの信号とそれぞれ直交復調することが可能であるから、個別の直交復調器を備える場合に比べて回路規模が縮小される。なお、UMTS-FDDシステムの信号およびUMTS-TDDシステムの信号とでは、直交復調器42に至る信号経路がそれぞれ異なっているが、それらの信号の選択は、UMTS-TDDシステム用の増幅回路8cおよびバイアス回路8dとUMTS-FDDシステム用の増幅回路8gおよびバイアス回路8hとを個別に設け、バイアス回路8d,8hの動作状態を制御して増幅回路8c,8gを排他的に能動状態とすることにより行う。このため、信号経路中にスイッチ等の信号経路切り替え手段を新たに挿入することはなく、信号の損失が増大してしまうこともない。
【0191】
第2の実施形態において、利得可変LNA41の整合回路6b,6g,6m,6pおよび直交復調器42の整合回路8b,8fを通す信号はUMTS-TDDシステムおよびUMTS-FDDシステムの信号であり、その周波数範囲は2110〜2170MHzである。従って、整合回路6b,6g,6m,6pおよび整合回路8b,8fを通す信号の比帯域幅および中心周波数はそれぞれ約0.03および約2140MHzとなる。
【0192】
このように第2の実施形態によれば、各整合回路6b,6f,6m,6rおよび整合回路8b,8fは、いずれも0.3以下の比帯域幅に適応できれれば良いから、容易に実現することができる。
【0193】
また第2の実施形態によれば、ベースバンドローパスフィルタ38、ベースバンドVGA39およびADC40は、GSM800システムおよびGSM1800システムで共用としているので、それらを個々に設ける場合に比べて回路規模が縮小できる。
【0194】
(第3の実施形態)
図8は第3の実施形態に係るマルチモード無線機のブロック図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この第3の実施形態のマルチモード無線機は、北米で用いられるcdmaOne800システム、cdmaOne1900システム、GSM1900システムおよびcdma2000システムの4つの無線通信システムに対応したマルチモード無線機である。すなわち、第3の実施形態のマルチモード無線機は、北米で使用することを想定している。なおcdmaOne1900システムとは、cdmaOne方式を採用し、かつ使用無線周波数帯域が1900MHz帯である無線通信システムを指す。GSM1900システムとは、GSM方式を採用し、かつ使用無線周波数帯域が1900MHz帯である無線通信システムを指す。
【0195】
図8に示すように第3の実施形態のマルチモード無線機は、アンテナ1、デュプレクサ4,51、入力端子5、RFフィルタ7,54、デュプレクサ17、入力端子18,52、利得可変LNA19,53,57、RFフィルタ20、直交復調器21,55,58、ベースバンドVGA23,60、ADC24,61、マルチキャリア信号分割用ミキサ部25、シンセサイザ26,56、アンテナスイッチ50、ベースバンドローパスフィルタ59,62およびベースバンド部63を含む。
【0196】
アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ50に入力される。アンテナスイッチ50は、ベースバンド部63から入力される制御信号に基づいてデュプレクサ4,17,51のうちの1つを選択し、受信信号を与える。
【0197】
デュプレクサ51は、入力される受信信号からcdmaOne1900システムおよびGSM1900システムで不要な信号成分を減衰させる。すなわちデュプレクサ51は、cdmaOne1900システムおよびGSM1900システムの使用無線周波数である1930〜1990MHzの信号は減衰させることなく通過させ、これ以外の周波数成分は減衰させるという特性を有する。かくしてデュプレクサ51は、cdmaOne1900システムに関する受信信号およびGSM1900システムに関する信号を抽出する。なおcdmaOne1900システムは、FDD(Frequency Division Duplex)方式を利用する無線通信システムである。このためデュプレクサ51は、入力端子52から入力される送信信号を不要周波数成分を減衰させた上でアンテナスイッチ50へと与える機能も有する。ただし、本発明の特徴は受信に関するものであるので、送信信号の振る舞いに関する説明は省略する。
【0198】
利得可変LNA53へは、デュプレクサ51の出力信号が入力される。利得可変LNA53は、入力される信号を所望のレベルに増幅する。利得可変LNA53は、第1および第2の2つの出力端子を有する。利得可変LNA53は、ベースバンド部63から入力される制御信号に応じてこれらの出力端子のいずれかを選択する。利得可変LNA53は、選択している出力端子から増幅後の信号を出力する。この利得可変LNA53の回路構成は、前記第2の実施形態における利得可変LNA41と同様であり、図7に示す通りである。なお、利得可変LNA53における整合回路6b,6m,6rは、cdmaOne1900システムおよびGSM1900システムの使用無線周波数帯である1930〜1990MHzに適応する特性とする。
【0199】
RFフィルタ54へは、利得可変LNA53の第2の出力端子からの出力信号が入力される。RFフィルタ54は、入力される信号からcdmaOne1900システムで不要な周波数成分を減衰させる。すなわちRFフィルタ54は、cdmaOne1900システムの使用無線周波数である1930〜1990MHzの信号は減衰させることなく通過させ、これ以外の周波数成分は減衰させるという特性を有する。
【0200】
直交復調器55は、第1および第2の2つの入力端子を有する。そして第1の入力端子には利得可変LNA53の第1の出力端子からの出力信号が入力され、第2の入力端子にはRFフィルタ54の出力信号が入力される。直交復調器55は、ベースバンド部63から入力される制御信号に基づいてこれらの2つの入力端子に入力される信号のいずれかを選択する。直交復調器55は、シンセサイザ56が発生するローカル信号を使用して上記選択した信号を直交復調する。直交復調器55は、直交復調の結果として得られるI系列およびQ系列の2系列のベースバンド信号をそれぞれ出力する。この直交復調器55の回路構成は、直交復調器8と同様であり、図4に示すものである。なお、直交復調器55における整合回路8b,8fは、cdmaOne1900システムおよびGSM1900システムの使用無線周波数帯である1930〜1990MHzに適応する特性とする。
【0201】
シンセサイザ56は、直交復調器21,55,58で使用するためのローカル信号を発生する。シンセサイザ56は、上記ローカル信号の周波数をベースバンド部63から入力される制御信号で指示される周波数とする。
【0202】
利得可変LNA57へは、デュプレクサ4の出力信号、すなわちcdmaOne800システムの信号が入力される。利得可変LNA57は、入力される信号を所望のレベルに増幅する。利得可変LNA57は、信号増幅の際の利得を上記制御信号に応じて可変設定する。利得可変LNA57は、周知の構成のものであって良い。利得可変LNA57の出力信号はRFフィルタ7へ入力される。
【0203】
直交復調器58へは、RFフィルタ7の出力信号が入力される。直交復調器58は、シンセサイザ56が発生するローカル信号を使用して上記入力される信号を直交復調する。直交復調器58は、直交復調の結果として得られるI系列およびQ系列の2系列のベースバンド信号をそれぞれ出力する。直交復調器58は、周知の構成のものであって良い。
【0204】
なお、直交復調器55および直交復調器58は、ベースバンド部63から入力される制御信号に基づいて排他的に動作する。すなわち直交復調器55および直交復調器58は、いずれか一方が信号を出力する際には、他方は信号を出力しない。
【0205】
ベースバンドローパスフィルタ59へは、直交復調器55および直交復調器58の出力信号が入力される。ベースバンドローパスフィルタ59は、GSMモードおよびcdmaOneモードの2つの動作モードを有する。ベースバンドローパスフィルタ59は、ベースバンド部63から入力される制御信号に基づいて上記の2つの動作モードのうちの1つを選択する。GSMモードにおいてベースバンドローパスフィルタ59は、GSM1900システムのベースバンドである0〜100KHzの成分は減衰させることなく通過させ、これ以外の不要な周波数成分を減衰させるという特性を有する。cdmaOneモードにおいてベースバンドローパスフィルタ59は、cdmaOne1900システムおよびcdmaOne800システムのベースバンドである0〜614.4KHzの成分は減衰させることなく通過させ、これ以外の不要な周波数成分を減衰させるという特性を有する。なお、ベースバンドローパスフィルタ59に必要とされる性能は、ベースバンド部63の性能に依存して異なってくるため、ここでは詳細な検討は省略する。
【0206】
ベースバンドVGA60へは、ベースバンドローパスフィルタ59の出力信号が入力される。ベースバンドVGA60は、上記の入力信号を所望のレベルに増幅する。ベースバンドVGA60は、ベースバンド部63から入力される制御信号により、入力された信号が所望のレベルに増幅されるように利得を設定する。
【0207】
ADC61へは、ベースバンドVGA60の出力信号が入力される。ADC61は、入力信号をデジタル信号に変換する。ADC61は、ベースバンド部63から入力される制御信号に応じて、サンプリング速度とビット数とを可変設定する。なおADC61の所要性能は、ベースバンド部63の性能に依存して異なってくるため、ここでは詳細な検討は省略する。
【0208】
ベースバンドローパスフィルタ62へは、直交復調器21の出力信号が入力される。ベースバンドローパスフィルタ62は、cdma2000シングルモードおよびcdma2000マルチモードの2つの動作モードを有する。ベースバンドローパスフィルタ62は、ベースバンド部63から入力される制御信号に基づいて上記の2つの動作モードのうちの1つを選択する。cdma2000シングルモードにおいてベースバンドローパスフィルタ62は、cdma2000システムにおけるシングルキャリアのベースバンドである0〜614.4kHzの成分は減衰させることなく通過させ、これ以外の不要な周波数成分を減衰させるという特性を有する。cdma2000マルチモードにおいてベースバンドローパスフィルタ62は、cdma2000システムにおけるマルチキャリアのベースバンドである0〜1.8432MHzの成分は減衰させることなく通過させ、これ以外の不要な周波数成分を減衰させるという特性を有する。ベースバンドローパスフィルタ62の出力信号は、ベースバンドVGA23へ入力される。ベースバンドローパスフィルタ62に必要とされる性能は、ベースバンド部63の性能に依存して異なってくるため、ここでは詳細な検討は省略する。
【0209】
なおベースバンドローパスフィルタ62は、ベースバンド部63から入力される制御信号に基づいて、ベースバンドローパスフィルタ59の動作状態とは無関係に能動状態となる。すなわちベースバンドローパスフィルタ62は、ベースバンドローパスフィルタ59と同時に能動状態になり得る。
【0210】
なおベースバンドVGA60およびベースバンドVGA23、あるいはADC61およびADC24は、ベースバンド部63から入力される制御信号に基づいて、おのおの独立して動作状態が制御される。すなわちベースバンドVGA60およびベースバンドVGA23、あるいはADC61およびADC24は、それぞれ同時に能動状態になり得る。
【0211】
ベースバンド部63へは、ADC24、マルチキャリア信号分割用ミキサ部25およびADC61の出力信号がそれぞれ入力される。ベースバンド部63は、これらの入力信号に対して、各無線通信システムに応じた周知のベースバンド処理を施す。またベースバンド部63は、いずれの無線通信システムの信号の受信を行うかに応じて、前述の各部の動作状態を制御する。なお、いずれの無線通信システムの信号の受信を行うかは、ユーザからの指示に応じて決定しても良いし、あるいは所定の条件に基づいて自動的に決定しても良い。
【0212】
次に以上のように構成されたマルチモード無線機の動作につき説明する。
【0213】
<GSM1900モード>
GSM1900モードは、GSM1900システム用無線機として動作するモードである。
【0214】
このGSM1900モードを選択した場合にベースバンド部63は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ50:デュプレクサ51を選択。
利得可変LNA53:バイアス回路6kが能動状態。
【0215】
シンセサイザ56:GSM1900システム用のローカル周波数を発振。
直交復調器55:バイアス回路8dが能動状態。
直交復調器58:非能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ59:能動状態。GSMモード。
ベースバンドVGA60:能動状態。
ADC61:能動状態。
さて、アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ50によりデュプレクサ51へ入力される。デュプレクサ51では、受信信号からGSM1900システムの使用無線周波数である1930〜1990MHzの周波数成分が抽出される。つまりデュプレクサ51では、種々の周波数成分が混在した受信信号から、GSM1900システムの信号が抽出される。
【0216】
デュプレクサ51の出力信号は、入力端子6aから利得可変LNA53へ入力される。利得可変LNA53では、増幅回路6cはバイアス回路6dからバイアス電流を受けて能動状態となっている。またバイアス回路6kが能動状態であるから、バイアス回路6kからバイアス電流を受けて増幅回路6jは能動状態となっている。すなわち利得可変LNA53では、入力端子6aから整合回路6b、増幅回路6c、電流−電圧変換回路6i、増幅回路6jおよび整合回路6mを経由して出力端子6nへと至る経路のみが有効となっている。そしてこの経路により、デュプレクサ51の出力信号が所望のレベルに増幅される。
【0217】
利得可変LNA53の出力端子6nの出力信号は、入力端子8aから直交復調器55へ入力される。直交復調器55では、バイアス回路8dが能動状態であるから、バイアス回路8dからバイアス電流を受けて増幅回路8cは能動状態となっている。このため、直交復調器55では、入力端子8a、整合回路8b、増幅回路8cおよび電流−電圧変換回路8iを介してミキサ8j,8nへと至る経路が有効となっている。従って、直交復調器55では、利得可変LNA53の出力端子6nの出力信号が、シンセサイザ56から出力されたGSM1900システム用のローカル信号を用いて直交復調される。この直交復調により取り出されるI系列およびQ系列のそれぞれのベースバンド信号は、GSM1900システムでのベースバンドである0〜100kHzの周波数帯域を持つ。
【0218】
ベースバンドローパスフィルタ59では、直交復調器55の出力信号からGSM1900システムのベースバンド外である不要な周波数成分が除去される。なお、ベースバンドローパスフィルタ59へは、直交復調器58の出力信号も入力されるようになっているが、直交復調器58は非能動状態であるので、直交復調器55の出力信号のみがベースバンドローパスフィルタ59へ入力される。
【0219】
ベースバンドVGA60では、ベースバンドローパスフィルタ59の出力信号が所望のレベルに増幅される。ADC61では、ベースバンドVGA60の出力信号がデジタル信号に変換される。そしてADC61の出力信号がベースバンド部63へ入力される。
【0220】
以上のようにGSM1900モードでは、デュプレクサ51、利得可変LNA53、直交復調器55、ベースバンドローパスフィルタ59、ベースバンドVGA60およびADC61よりなる経路によりGSM1900システムに適応した受信処理が行われる。
【0221】
<cdmaOne1900モード>
cdmaOne1900モードは、cdmaOne1900システム用無線機として動作するモードである。
【0222】
このcdmaOne1900モードを選択した場合にベースバンド部63は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ50:デュプレクサ51を選択。
利得可変LNA53:バイアス回路6qが能動状態。
【0223】
シンセサイザ56:cdmaOne1900システム用のローカル周波数を発振。
直交復調器55:バイアス回路8hが能動状態。
直交復調器58:非能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ59:能動状態。cdmaOneモード。
ベースバンドVGA60:能動状態。
ADC61:能動状態。
さて、アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ50によりデュプレクサ51へ入力される。デュプレクサ51では、受信信号からcdmaOne1900システムの使用無線周波数である1930〜1990MHzの周波数成分が抽出される。つまりデュプレクサ51では、種々の周波数成分が混在した受信信号から、cdmaOne1900システムの信号が抽出される。
【0224】
デュプレクサ51の出力信号は、入力端子6aから利得可変LNA53へ入力される。利得可変LNA53では、増幅回路6cはバイアス回路6dからバイアス電流を受けて能動状態となっている。またバイアス回路6qが能動状態であるから、バイアス回路6qからバイアス電流を受けて増幅回路6pは能動状態となっている。すなわち利得可変LNA53では、入力端子6aから整合回路6b、増幅回路6c、電流−電圧変換回路6i、増幅回路6pおよび整合回路6rを経由して出力端子6sへと至る経路のみが有効となっている。そしてこの経路により、デュプレクサ51の出力信号が所望のレベルに増幅される。
【0225】
利得可変LNA53の出力端子6sの出力信号は、RFフィルタ54へ入力される。RFフィルタ54では、利得可変LNA53の出力信号からcdmaOne1900システムの使用無線周波数の帯域外である不要な周波数成分が除去される。RFフィルタ54の出力信号は、入力端子8eから直交復調器55へ入力される。直交復調器55では、バイアス回路8hが能動状態であるから、バイアス回路8hからバイアス電流を受けて増幅回路8gは能動状態となっている。このため、直交復調器55では、入力端子8e、整合回路8f、増幅回路8gおよび電流−電圧変換回路8iを介してミキサ8j,8nへと至る経路が有効となっている。従って、直交復調器55では、RFフィルタ54の出力信号が、シンセサイザ56から出力されたcdmaOne1900システム用のローカル信号を用いて直交復調される。この直交復調により取り出されるI系列およびQ系列のそれぞれのベースバンド信号は、cdmaOne1900システムでのベースバンドである0〜614.4kHzの周波数帯域を持つ。
【0226】
ベースバンドローパスフィルタ59は、直交復調器55の出力信号からcdmaOne1900システムのベースバンド外である不要な周波数成分が除去される。なお、ベースバンドローパスフィルタ59へは、直交復調器58の出力信号も入力されるようになっているが、直交復調器58は非能動状態であるので、直交復調器55の出力信号のみがベースバンドローパスフィルタ59へ入力される。
【0227】
ベースバンドVGA60では、ベースバンドローパスフィルタ59の出力信号が所望のレベルに増幅される。ADC61では、ベースバンドVGA60の出力信号がデジタル信号に変換される。そしてADC61の出力信号がベースバンド部63へ入力される。
【0228】
以上のようにcdmaOne1900モードでは、デュプレクサ51、利得可変LNA53、RFフィルタ54、直交復調器55、ベースバンドローパスフィルタ59、ベースバンドVGA60およびADC61よりなる経路によりcdmaOne1900システムに適応した受信処理が行われる。
【0229】
<cdmaOne800モード>
cdmaOne800モードは、cdmaOne800システム用無線機として動作するモードである。
【0230】
このcdmaOne800モードを選択した場合にベースバンド部63は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ50:デュプレクサ4を選択。
直交復調器55:非能動状態。
シンセサイザ56:cdmaOne800システム用のローカル周波数を発振。
直交復調器58:能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ59:能動状態。cdmaOneモード。
ベースバンドVGA60:能動状態。
ADC61:能動状態。
【0231】
この結果としてcdmaOne800モードでは、デュプレクサ4、利得可変LNA57、RFフィルタ7、直交復調器58、ベースバンドローパスフィルタ59、ベースバンドVGA60およびADC61よりなる経路により、第1の実施形態にて説明したのと同様にしてcdmaOne800システムに適応した受信処理が行われる。
【0232】
<cdma2000シングルモード>
cdma2000シングルモードは、cdma2000システム用無線機として動作し、かつcdma2000システムのシングルキャリア信号を受信するモードである。
【0233】
このcdma2000シングルモードを選択した場合にベースバンド部63は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ50:デュプレクサ17を選択。
直交復調器21:能動状態。
シンセサイザ56:cdma2000システム用のローカル周波数を発振。
ベースバンドローパスフィルタ62:能動状態。cdma2000シングルモード。
ベースバンドVGA23:能動状態。
ADC24:能動状態。
マルチキャリア信号分割用ミキサ部25:非能動状態
この結果としてcdma2000シングルモードでは、デュプレクサ17、利得可変LNA19、RFフィルタ20、直交復調器21、ベースバンドローパスフィルタ62、ベースバンドVGA23およびADC24よりなる経路により、第1の実施形態にて説明したのと同様にしてcdma2000システムのシングルキャリア信号に適応した受信処理が行われる。
【0234】
<cdma2000マルチモード>
cdma2000マルチモードは、cdma2000システム用無線機として動作し、かつcdma2000システムのマルチキャリア信号を受信するモードである。
【0235】
このcdma2000マルチモードを選択した場合にベースバンド部63は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ50:デュプレクサ17を選択。
直交復調器21:能動状態。
シンセサイザ56:cdma2000システム用のローカル周波数を発振。
ベースバンドローパスフィルタ62:能動状態。cdma2000マルチモード。
【0236】
ベースバンドVGA23:能動状態。
ADC24:能動状態。
マルチキャリア信号分割用ミキサ部25:能動状態
この結果としてcdma2000マルチモードでは、デュプレクサ17、利得可変LNA19、RFフィルタ20、直交復調器21、ベースバンドローパスフィルタ62、ベースバンドVGA23およびADC24よりなる経路と、さらにマルチキャリア信号分割用ミキサ部25を加えてなる経路とにより、第1の実施形態にて説明したのと同様にしてcdma2000システムのマルチキャリア信号に適応した受信処理が行われる。
【0237】
なお、GSM1900モード、cdmaOne1900モードおよびcdmaOne800モードのいずれか1つと、cdma2000シングルモードおよびcdma2000マルチモードのいずれか1つとは、並列的に使用することも可能である。すなわち、GSM1900システム、cdmaOne1900システムおよびcdmaOne800システムのうちのいずれか1つのシステムの信号の受信と、cdma2000のシングルキャリア信号およびマルチキャリア信号のいずれかの受信とを同時に行うことが可能である。
【0238】
このように第3の実施形態のマルチモード無線機によれば、GSM1900システム用無線機、cdmaOne1900システム用無線機、cdmaOne800システム用無線機およびcdma2000システム用無線機のいずれとしても機能する。
【0239】
そして第3の実施形態によれば、利得可変LNA53では、GSM1900システムおよびcdmaOne1900システムのそれぞれに関する信号の電流−電圧変換を共通の電流−電圧変換回路6iにより行うので、回路規模が抑えられる。しかも利得可変LNA53での2つの信号経路の切り替えは、バイアス回路6k,6qの動作状態を制御して増幅回路6j,6pの動作状態を切り替えることにより行う。このため、信号経路中にスイッチ等の信号経路切り替え手段を新たに挿入することはなく、信号の損失が増大してしまうこともない。
【0240】
また第3の実施形態によれば、直交復調器55では、GSM1900システムの信号およびcdmaOne1900システムの信号とそれぞれ直交復調することが可能であるから、個別の直交復調器を備える場合に比べて回路規模が縮小される。なお、GSM1900システムの信号およびcdmaOne1900システムの信号とでは、直交復調器55に至る信号経路がそれぞれ異なっているが、それらの信号の選択は、GSM1900システム用の増幅回路8cおよびバイアス回路8dとcdmaOne1900システム用の増幅回路8gおよびバイアス回路8hとを個別に設け、バイアス回路8d,8hの動作状態を制御して増幅回路8c,8gを排他的に能動状態とすることにより行う。このため、信号経路中にスイッチ等の信号経路切り替え手段を新たに挿入することはなく、信号の損失が増大してしまうこともない。
【0241】
第3の実施形態において、利得可変LNA53の整合回路6bを通す信号はGSM1900システムおよびcdmaOne1900システムの信号であり、その周波数範囲は1930〜1990MHzである。また、利得可変LNA53の整合回路6mおよび直交復調器55の整合回路8bを通す信号はGSM1900システムの信号であり、その周波数範囲は1930〜1990MHzである。また利得可変LNA53の整合回路6mおよび直交復調器55の整合回路8bを通す信号はcdmaOne1900システムの信号であり、その周波数範囲は1930〜1990MHzである。従って、整合回路6b,6m,6rおよび整合回路8b,8fを通す信号の比帯域幅および中心周波数はそれぞれ約0.03および約1960MHzとなる。
【0242】
このように第3の実施形態によれば、整合回路6b,6m,6rおよび整合回路8b,8fは、いずれも0.3以下の比帯域幅に適応できれれば良いから、容易に実現することができる。
【0243】
また第3の実施形態によれば、ベースバンドVGA60およびADC61は、GSM1900システム、cdmaOne1900システムおよびcdmaOne800システムでそれぞれ共用としているので、それらを個々に設ける場合に比べて回路規模が縮小できる。
【0244】
(第4の実施形態)
図9は第4の実施形態に係るマルチモード無線機のブロック図である。なお、図9において図1、図6ならびに図8と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0245】
この第4の実施形態のマルチモード無線機は、GSM900システム、GSM1800システム、GSM1900システム、cdma2000システム、UMTS-FDDシステムおよびUMTS-TDDシステムの6つの無線通信システムに対応したマルチモード無線機である。すなわち、第4の実施形態のマルチモード無線機は、日本、米国および欧州で使用することを想定している。
【0246】
図9に示すように第4の実施形態のマルチモード無線機は、アンテナ1、デュプレクサ17,51、入力端子18,52、RFフィルタ20,31,35、ベースバンドローパスフィルタ22,38、ベースバンドVGA23,39、ADC24,40、マルチキャリア信号分割用ミキサ部25、シンセサイザ26,34、利得可変LNA32,41,71、直交復調器33,37,42、アンテナスイッチ70およびベースバンド部72を含む。
【0247】
アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ70に入力される。アンテナスイッチ70は、ベースバンド部72から入力される制御信号に基づいてデュプレクサ17、RFフィルタ31、RFフィルタ35およびデュプレクサ51のうちの1つを選択し、受信信号を与える。
【0248】
利得可変LNA71は、第1および第2の2つの入力端子を有する。そして第1の入力端子にはRFフィルタ35の出力信号が入力され、第2の入力端子にはデュプレクサ51の出力信号が入力される。利得可変LNA71は、ベースバンド部72から入力される制御信号に基づいてこれらの2つの入力端子に入力される信号のいずれかを選択する。利得可変LNA71は、上記選択した信号を所望のレベルに増幅する。利得可変LNA71は、信号増幅の際の利得を上記制御信号に応じて可変設定する。利得可変LNA71の出力信号は、直交復調器37へ入力される。
【0249】
ベースバンド部72へは、ADC24、ADC40およびマルチキャリア信号分割用ミキサ部25の出力信号がそれぞれ入力される。ベースバンド部72は、これらの入力信号に対して、各無線通信システムに応じた周知のベースバンド処理を施す。またベースバンド部72は、いずれの無線通信システムの信号の受信を行うかに応じて、前述の各部の動作状態を制御する。なお、いずれの無線通信システムの信号の受信を行うかは、ユーザからの指示に応じて決定しても良いし、あるいは所定の条件に基づいて自動的に決定しても良い。
【0250】
図10は利得可変LNA71の回路図である。なお、図2と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する 図10に示すように利得可変LNA71は、入力端子6a,6e、整合回路6b,6f,6m、増幅回路6c,6g,6j、バイアス回路6d,6h,6k、電流−電圧変換回路6i、制御信号端子6tおよびロジック回路71aを含む。
【0251】
すなわち利得可変LNA71は、第1の実施形態における利得可変LNA6に類似した構成を有する。ただし利得可変LNA71は、利得可変LNA6に含まれていた増幅回路6p、バイアス回路6q、整合回路6rおよび出力端子6sを除去し、出力側を1系統のみとしている。
【0252】
なお、利得可変LNA71における整合回路6bは、GSM1800システムの使用無線周波数帯である1805〜1880MHzに適応する特性とする。整合回路6fは、GSM1900システムの使用周波数帯域である1930〜1990MHzに適応する特性とする。整合回路6mは、GSM1800システムおよびGSM1900システムの使用無線周波数帯である1805〜1880MHzおよび1930〜1990MHzに適応する特性とする。
【0253】
ロジック回路71aへは、ベースバンド部72から入力される制御信号が制御信号端子6tを介して入力される。ロジック回路71aは、上記制御信号によりGSM1800モードが指示されたことに応じて、バイアス回路6dを能動状態とする制御信号を出力する。またロジック回路71aは、上記制御信号によりGSM1900モードが指示されたことに応じて、バイアス回路6hを能動状態とする制御信号を出力する。
【0254】
次に以上のように構成されたマルチモード無線機の動作につき説明する。
【0255】
<GSM900モード>
GSM900モードは、GSM900システム用無線機として動作するモードである。
【0256】
このGSM900モードを選択した場合にベースバンド部72は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ70:RFフィルタ31を選択。
直交復調器33:能動状態。
シンセサイザ34:GSM900システム用のローカル周波数を発振。
直交復調器37:非能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ38:能動状態。
ベースバンドVGA39:能動状態。
ADC40:能動状態。
【0257】
この結果としてGSM900モードでは、RFフィルタ31、利得可変LNA32、直交復調器33、ベースバンドローパスフィルタ38、ベースバンドVGA39およびADC40よりなる経路により、第2の実施形態にて説明したのと同様にしてGSM900システムに適応した受信処理が行われる。
【0258】
<GSM1800モード>
GSM1800モードは、GSM1800システム用無線機として動作するモードである。
【0259】
このGSM1800モードを選択した場合にベースバンド部72は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ70:RFフィルタ35を選択。
直交復調器33:非能動状態。
シンセサイザ34:GSM1800システム用のローカル周波数を発振。
直交復調器37:能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ38:能動状態。
ベースバンドVGA39:能動状態。
ADC40:能動状態。
【0260】
利得可変LNA71:バイアス回路6dが能動状態。
【0261】
さて、アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ70によりRFフィルタ35へ入力される。RFフィルタ35では、受信信号からGSM1800システムの使用無線周波数である1805〜1880MHzの周波数成分が抽出される。つまりRFフィルタ35では、種々の周波数成分が混在した受信信号から、GSM1800システムの信号が抽出される。
【0262】
RFフィルタ35の出力信号は、入力端子6aから利得可変LNA71へ入力される。利得可変LNA71では、バイアス回路6dが能動状態であるから、バイアス回路6dからバイアス電流を受けて増幅回路6cは能動状態となっている。また増幅回路6jはバイアス回路6kからバイアス電流を受けて能動状態となっている。すなわち利得可変LNA71では、入力端子6aから整合回路6b、増幅回路6c、電流−電圧変換回路6i、増幅回路6jおよび整合回路6mを経由して出力端子6nへと至る経路のみが有効となっている。そしてこの経路により、RFフィルタ35の出力信号が所望のレベルに増幅される。利得可変LNA71の出力端子6nの出力信号は、直交復調器37へ入力される。
【0263】
かくしてGSM1800モードでは、RFフィルタ35、利得可変LNA71、直交復調器37、ベースバンドローパスフィルタ38、ベースバンドVGA39およびADC40よりなる経路により、第2の実施形態にて説明したのと同様にしてGSM1800システムに適応した受信処理が行われる。
【0264】
<GSM1900モード>
GSM1900モードは、GSM1900システム用無線機として動作するモードである。
【0265】
このGSM1900モードを選択した場合にベースバンド部72は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ70:デュプレクサ51を選択。
直交復調器33:非能動状態。
シンセサイザ34:GSM1900システム用のローカル周波数を発振。
直交復調器37:能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ38:能動状態。
ベースバンドVGA39:能動状態。
ADC40:能動状態。
【0266】
利得可変LNA71:バイアス回路6hが能動状態。
【0267】
さて、アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ70によりデュプレクサ51へ入力される。デュプレクサ51では、受信信号からGSM1900システムの使用無線周波数である1930〜1990MHzの周波数成分が抽出される。つまりデュプレクサ51では、種々の周波数成分が混在した受信信号から、GSM1900システムの信号が抽出される。
【0268】
デュプレクサ51の出力信号は、入力端子6eから利得可変LNA71へ入力される。利得可変LNA71では、バイアス回路6hが能動状態であるから、バイアス回路6hからバイアス電流を受けて増幅回路6gは能動状態となっている。また増幅回路6jはバイアス回路6kからバイアス電流を受けて能動状態となっている。すなわち利得可変LNA71では、入力端子6eから整合回路6f、増幅回路6g、電流−電圧変換回路6i、増幅回路6jおよび整合回路6mを経由して出力端子6nへと至る経路のみが有効となっている。そしてこの経路により、デュプレクサ51の出力信号が所望のレベルに増幅される。利得可変LNA71の出力端子6nの出力信号は、直交復調器37へ入力される。
【0269】
かくしてGSM1900モードでは、デュプレクサ51、利得可変LNA71、直交復調器37、ベースバンドローパスフィルタ38、ベースバンドVGA39およびADC40よりなる経路により、第3の実施形態にて説明したのと同様にしてGSM1900システムに適応した受信処理が行われる。
【0270】
<cdma2000シングルモード>
cdma2000シングルモードは、cdma2000システム用無線機として動作し、かつcdma2000システムのシングルキャリア信号を受信するモードである。
【0271】
このcdma2000シングルモードを選択した場合にベースバンド部72は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ70:デュプレクサ17を選択。
シンセサイザ34:cdma2000システム用のローカル周波数を発振。
利得可変LNA41:バイアス回路6qが能動状態。
【0272】
直交復調器42:バイアス回路8hが能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ22:能動状態。cdma2000シングルモード。
ベースバンドVGA23:能動状態。
ADC24:能動状態。
マルチキャリア信号分割用ミキサ部25:非能動状態。
【0273】
さて、アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ70によりデュプレクサ17へ入力される。デュプレクサ17では、受信信号からcdma2000システムの使用無線周波数である2110〜2170MHzの周波数成分が抽出される。つまりデュプレクサ17では、種々の周波数成分が混在した受信信号から、cdma2000システムの信号が抽出される。
【0274】
デュプレクサ17の出力信号は、入力端子6aから利得可変LNA41へ入力される。利得可変LNA41では、増幅回路6cはバイアス回路6dからバイアス電流を受けて能動状態となっている。またバイアス回路6qが能動状態であるから、バイアス回路6qからバイアス電流を受けて増幅回路6pは能動状態となっている。すなわち利得可変LNA41では、入力端子6aから整合回路6b、増幅回路6c、電流−電圧変換回路6i、増幅回路6pおよび整合回路6rを経由して出力端子6sへと至る経路のみが有効となっている。そしてこの経路により、デュプレクサ17の出力信号が所望のレベルに増幅される。
【0275】
利得可変LNA41の出力端子6sの出力信号は、RFフィルタ20に入力される。RFフィルタ20では、利得可変LNA41の出力信号からcdma2000システムの使用無線周波数の帯域外である不要な周波数成分が除去される。RFフィルタ20の出力信号は、入力端子8eから直交復調器42へ入力される。直交復調器42では、バイアス回路8hが能動状態であるから、バイアス回路8hからバイアス電流を受けて増幅回路8gは能動状態となっている。このため、直交復調器42では、入力端子8e、整合回路8f、増幅回路8gおよび電流−電圧変換回路8iを介してミキサ8j,8nへと至る経路が有効となっている。従って、直交復調器42では、RFフィルタ20の出力信号が、シンセサイザ9から出力されたcdma2000システム用のローカル信号を用いて直交復調される。この直交復調により取り出されるI系列およびQ系列のそれぞれのベースバンド信号は、cdma2000システムでのシングルキャリア信号のベースバンドである0〜614.4KHzの周波数帯域を持つ。直交復調器42の出力信号は、ベースバンドローパスフィルタ22へ入力される。
【0276】
この結果として、デュプレクサ17、利得可変LNA41、RFフィルタ20、直交復調器42、ベースバンドローパスフィルタ22、ベースバンドVGA23およびADC24よりなる経路によりcdma2000システムのシングルキャリア信号に適応した受信処理が行われる。
【0277】
<cdma2000マルチモード>
cdma2000マルチモードは、cdma2000システム用無線機として動作し、かつcdma2000システムのマルチキャリア信号を受信するモードである。
【0278】
このcdma2000マルチモードを選択した場合にベースバンド部72は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ70:デュプレクサ17を選択。
シンセサイザ34:cdma2000システム用のローカル周波数を発振。
利得可変LNA41:バイアス回路6qが能動状態。
【0279】
直交復調器42:バイアス回路8hが能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ22:能動状態。cdma2000マルチモード。
【0280】
ベースバンドVGA23:能動状態。
ADC24:能動状態。
マルチキャリア信号分割用ミキサ部25:能動状態。
【0281】
この結果としてcdma2000マルチモードでは、デュプレクサ17、利得可変LNA41、RFフィルタ20、直交復調器42、ベースバンドローパスフィルタ22、ベースバンドVGA23およびADC24よりなる経路と、さらにマルチキャリア信号分割用ミキサ部25を加えてなる経路とによりcdma2000システムのマルチキャリア信号に適応した受信処理が行われる。
【0282】
<UMTS-FDDモード>
UMTS-FDDモードは、UMTS-FDDシステム用無線機として動作するモードである。
【0283】
このUMTS-FDDモードを選択した場合にベースバンド部72は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ70:デュプレクサ17を選択。
シンセサイザ34:UMTSシステム用のローカル周波数を発振。
利得可変LNA41:バイアス回路6qが能動状態。
【0284】
直交復調器42:バイアス回路8hが能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ43:能動状態。
ベースバンドVGA23:能動状態。
ADC24:能動状態。
マルチキャリア信号分割用ミキサ部25:非能動状態。
【0285】
この結果としてUMTS-FDDモードでは、デュプレクサ17、利得可変LNA41、RFフィルタ20、直交復調器42、ベースバンドローパスフィルタ22、ベースバンドVGA23およびADC24よりなる経路によりUMTS-FDDシステムに適応した受信処理が行われる。
【0286】
<UMTS-TDDモード>
UMTS-TDDモードは、UMTS-TDDシステム用無線機として動作するモードである。
【0287】
このUMTS-TDDモードを選択した場合にベースバンド部72は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ70:デュプレクサ17を選択。
シンセサイザ34:UMTSシステム用のローカル周波数を発振。
利得可変LNA41:バイアス回路6kが能動状態。
【0288】
直交復調器42:バイアス回路8dが能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ43:能動状態。
ベースバンドVGA23:能動状態。
ADC24:能動状態。
マルチキャリア信号分割用ミキサ部25:非能動状態。
【0289】
この結果としてUMTS-TDDモードでは、デュプレクサ17、利得可変LNA41、直交復調器42、ベースバンドローパスフィルタ22、ベースバンドVGA23およびADC24よりなる経路によりUMTS-TDDシステムに適応した受信処理が行われる。
【0290】
なお、GSM900モード、GSM1800モードおよびGSM1900モードのいずれか1つと、cdma2000シングルモード、cdma2000マルチモード、UMTS-FDDモードおよびUMTS-TDDモードのいずれか1つとは、並列的に使用することも可能である。すなわち、GSM900システム、GSM1900システムおよびGSM1800システムのうちのいずれかのシステムの信号の受信と、cdma2000システムのシングルキャリア信号、cdma2000システムのマルチキャリア信号、UMTS-FDDシステムの信号およびUMTS-TDDシステムの信号のうちのいずれかの受信とを同時に行うことが可能である。
【0291】
このように第4の実施形態のマルチモード無線機によれば、GSM900システム用無線機、GSM1800システム用無線機、GSM1900システム用無線機、cdma2000システム用無線機、UMTS-FDDシステム用無線機およびUMTS-FDDシステム用無線機のいずれとしても機能する。
【0292】
そして第4の実施形態によれば、利得可変LNA71では、GSM1800システムおよびGSM1900システムのそれぞれに関する信号の電流−電圧変換を共通の電流−電圧変換回路6iにより行うので、回路規模が抑えられる。しかも利得可変LNA71での2つの信号経路の切り替えは、バイアス回路6d,6hの動作状態を制御して増幅回路6c,6gの動作状態を切り替えることにより行う。このため、信号経路中にスイッチ等の信号経路切り替え手段を新たに挿入することはなく、信号の損失が増大してしまうこともない。
【0293】
第4の実施形態において、整合回路6bを通す信号はGSM1800システムの信号であり、その周波数範囲は1805〜1880MHzである。従って、整合回路6bを通す信号の比帯域幅および中心周波数はそれぞれ約0.04および約1842MHzとなる。
【0294】
また、整合回路6fを通す信号はGSM1900システムの信号であり、その周波数範囲は1930〜1990MHzである。従って、整合回路6fを通す信号の比帯域幅および中心周波数はそれぞれ約0.03および約1960MHzとなる。
【0295】
また、整合回路6mを通す信号はGSM1800システムおよびGSM1900システムの信号であり、その周波数範囲は1805〜1880MHzおよび1930〜1990MHzである。従って、整合回路6mを通す信号の比帯域幅および中心周波数はそれぞれ約0.1および約1895MHzとなる。
【0296】
このように第4の実施形態によれば、各整合回路6b,6f,6mは、いずれも0.3以下の比帯域幅に適応できれれば良いから、容易に実現することができる。
【0297】
また第4の実施形態によれば、利得可変LNA41では、cdma2000システム、UMTS-FDDシステムおよびUMTS-TDDシステムのそれぞれに関する信号の電流−電圧変換を共通の電流−電圧変換回路6iにより行うので、回路規模が抑えられる。しかも利得可変LNA41での2つの信号経路の切り替えは、バイアス回路6k,6qの動作状態を制御して増幅回路6j,6pの動作状態を切り替えることにより行う。このため、信号経路中にスイッチ等の信号経路切り替え手段を新たに挿入することはなく、信号の損失が増大してしまうこともない。
【0298】
また第4の実施形態によれば、直交復調器42では、cdma2000システム、UMTS-FDDシステムの信号およびUMTS-TDDシステムの信号とそれぞれ直交復調することが可能であるから、個別の直交復調器を備える場合に比べて回路規模が縮小される。なお、cdma2000システムの信号およびUMTS-FDDシステムの信号とUMTS-TDDシステムの信号とでは、直交復調器42に至る信号経路がそれぞれ異なっているが、それらの信号の選択は、UMTS-TDDシステム用の増幅回路8cおよびバイアス回路8dとcdma2000システムおよびUMTS-FDDシステム用の増幅回路8gおよびバイアス回路8hとを個別に設け、バイアス回路8d,8hの動作状態を制御して増幅回路8c,8gを排他的に能動状態とすることにより行う。このため、信号経路中にスイッチ等の信号経路切り替え手段を新たに挿入することはなく、信号の損失が増大してしまうこともない。
【0299】
また第4の実施形態によれば、ベースバンドローパスフィルタ38、ベースバンドVGA39およびADC40は、GSM800システム、GSM1800システムおよびGSM1900システムで共用としているので、それらを個々に設ける場合に比べて回路規模が縮小できる。
【0300】
(第5の実施形態)
図11は第5の実施形態に係るマルチモード無線機のブロック図である。なお、図11において図1、図6ならびに図8と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0301】
この第5の実施形態のマルチモード無線機は、PDC800システム、cdmaOne800システム、GSM900システム、PDC1500システム、GSM1800システム、GSM1900システム、cdmaOne1900システム、cdma2000システム、UMTS-FDDシステムおよびUMTS-TDDシステムの10個の無線通信システムに対応したマルチモード無線機である。すなわち、第5の実施形態のマルチモード無線機は、日本、米国および欧州で使用することを想定している。
【0302】
図11に示すように第5の実施形態のマルチモード無線機は、アンテナ1、RFフィルタ3,7,10,20,31,35,54、デュプレクサ4,17,51、入力端子5,52、ベースバンドローパスフィルタ13,22,86、入力端子18、ベースバンドVGA23,87、ADC24,88、マルチキャリア信号分割用ミキサ部25、シンセサイザ26,83、利得可変LNA41,81,84、直交復調器42,85、アンテナスイッチ80およびベースバンド部89を含む。
【0303】
アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ80に入力される。アンテナスイッチ80は、ベースバンド部89から入力される制御信号に基づいてRFフィルタ3、デュプレクサ4、RFフィルタ10、デュプレクサ17、RFフィルタ31、RFフィルタ35およびデュプレクサ51のうちの1つを選択し、受信信号を与える。
【0304】
利得可変LNA81は、第1乃至第3の3つの入力端子を有する。そして第1の入力端子にはRFフィルタ3の出力信号が入力され、第2の入力端子にはデュプレクサ4の出力信号が入力され、第3の入力端子にはRFフィルタ31の出力信号が入力される。利得可変LNA81は、ベースバンド部89から入力される制御信号に基づいてこれらの3つの入力端子に入力される信号のいずれかを選択する。利得可変LNA81は、上記選択した信号を所望のレベルに増幅する。利得可変LNA81は、信号増幅の際の利得を上記制御信号に応じて可変設定する。利得可変LNA81は、第1および第2の2つの出力端子を有する。利得可変LNA81は、ベースバンド部89から入力される制御信号に基づいてこれらの2つの出力端子のいずれか一方を選択する。利得可変LNA81は、選択した出力端子から増幅後の信号を出力する。第1の出力端子からの出力信号は直交復調器82へ入力される。第2の出力端子からの出力信号はRFフィルタ7へ入力される。
【0305】
直交復調器82は、第1および第2の2つの入力端子を有する。そして第1の入力端子には利得可変LNA81の第1の出力端子からの出力信号が入力され、第2の入力端子にはRFフィルタ7の出力信号が入力される。直交復調器82は、ベースバンド部89から入力される制御信号に基づいてこれらの2つの入力端子に入力される信号のいずれかを選択する。直交復調器82は、シンセサイザ83が発生するローカル信号を使用して上記選択した信号を直交復調する。直交復調器82は、直交復調の結果として得られるI系列およびQ系列の2系列のベースバンド信号をそれぞれ出力する。直交復調器82の出力信号は、ベースバンドローパスフィルタ13,14にそれぞれ入力される。この直交復調器82の回路構成は、直交復調器8と同様であり、図4に示すものである。なお、直交復調器82における整合回路8bは、PDC800システムおよびGSM900システムの使用無線周波数帯である810.05〜827.95MHz、870.03〜884.95MHzおよび925〜960MHzに適応する特性とする。また整合回路8fは、cdmaOne800システムの使用周波数である832.75〜869.25MHzに適応する特性とする。
【0306】
シンセサイザ83は、直交復調器42,82,85で使用するためのローカル信号を発生する。シンセサイザ83は、上記ローカル信号の周波数をベースバンド部89から入力される制御信号で指示される周波数とする。
【0307】
利得可変LNA84は、第1乃至第3の3つの入力端子を有する。そして第1の入力端子にはRFフィルタ10の出力信号が入力され、第2の入力端子にはデュプレクサ51の出力信号が入力され、第3の入力端子にはRFフィルタ35の出力信号が入力される。利得可変LNA84は、ベースバンド部89から入力される制御信号に基づいてこれらの3つの入力端子に入力される信号のいずれかを選択する。利得可変LNA84は、上記選択した信号を所望のレベルに増幅する。利得可変LNA84は、信号増幅の際の利得を上記制御信号に応じて可変設定する。利得可変LNA84は、第1および第2の2つの出力端子を有する。利得可変LNA84は、ベースバンド部89から入力される制御信号に基づいてこれらの2つの出力端子のいずれか一方を選択する。利得可変LNA84は、選択した出力端子から増幅後の信号を出力する。第1の出力端子からの出力信号は直交復調器85へ入力される。第2の出力端子からの出力信号はRFフィルタ54へ入力される。
【0308】
直交復調器85は、第1および第2の2つの入力端子を有する。そして第1の入力端子には利得可変LNA84の第1の出力端子からの出力信号が入力され、第2の入力端子にはRFフィルタ54の出力信号が入力される。直交復調器85は、ベースバンド部89から入力される制御信号に基づいてこれらの2つの入力端子に入力される信号のいずれかを選択する。直交復調器85は、シンセサイザ83が発生するローカル信号を使用して上記選択した信号を直交復調する。直交復調器85は、直交復調の結果として得られるI系列およびQ系列の2系列のベースバンド信号をそれぞれ出力する。直交復調器85の出力信号は、ベースバンドローパスフィルタ13,14にそれぞれ入力される。この直交復調器85の回路構成は、直交復調器8と同様であり、図4に示すものである。なお、直交復調器85における整合回路8bは、PDC1500システム、GSM1800システムおよびGSM1900システムの使用無線周波数帯である1477.05〜1500.95MHz、1805〜1880MHzおよび1930〜1990MHzに適応する特性とする。また整合回路8fは、cdmaOne1900システムの使用周波数である1930〜1990MHzに適応する特性とする。
【0309】
ベースバンドローパスフィルタ86へは、直交復調器82および直交復調器85の出力信号が入力される。ベースバンドローパスフィルタ86は、GSMモードおよびcdmaOneモードの2つの動作モードを有する。ベースバンドローパスフィルタ86は、ベースバンド部63から入力される制御信号に基づいて上記の2つの動作モードのうちの1つを選択する。GSMモードにおいてベースバンドローパスフィルタ86は、GSM900システム、GSM1800システムおよびGSM1900システムのベースバンドである0〜100KHzの成分は減衰させることなく通過させ、これ以外の不要な周波数成分を減衰させるという特性を有する。cdmaOneモードにおいてベースバンドローパスフィルタ86は、cdmaOne1900システムおよびcdmaOne800システムのベースバンドである0〜614.4KHzの成分は減衰させることなく通過させ、これ以外の不要な周波数成分を減衰させるという特性を有する。なお、ベースバンドローパスフィルタ86に必要とされる性能は、ベースバンド部89の性能に依存して異なってくるため、ここでは詳細な検討は省略する。
【0310】
なおベースバンドローパスフィルタ86は、ベースバンドローパスフィルタ13とは排他的に能動状態となる。すなわち、ベースバンドローパスフィルタ13,86のいずれか一方が信号を出力するときには、他方は信号を出力しない。
【0311】
ベースバンドVGA87へは、ベースバンドローパスフィルタ86の出力信号が入力される。ベースバンドVGA87は、上記の入力信号を所望のレベルに増幅する。ベースバンドVGA87は、ベースバンド部89から入力される制御信号により、入力された信号が所望のレベルに増幅されるように利得を設定する。
【0312】
ADC88へは、ベースバンドVGA87の出力信号が入力される。ADC88は、入力信号をデジタル信号に変換する。ADC88は、ベースバンド部89から入力される制御信号に応じて、サンプリング速度とビット数とを可変設定する。なおADC88の所要性能は、ベースバンド部89の性能に依存して異なってくるため、ここでは詳細な検討は省略する。
【0313】
ベースバンド部89へは、ADC16、ADC24およびマルチキャリア信号分割用ミキサ部25の出力信号がそれぞれ入力される。ベースバンド部89は、これらの入力信号に対して、各無線通信システムに応じた周知のベースバンド処理を施す。またベースバンド部89は、いずれの無線通信システムの信号の受信を行うかに応じて、前述の各部の動作状態を制御する。なお、いずれの無線通信システムの信号の受信を行うかは、ユーザからの指示に応じて決定しても良いし、あるいは所定の条件に基づいて自動的に決定しても良い。
【0314】
図12は利得可変LNA81および利得可変LNA84の回路図である。なお、図2と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する
図12に示すように利得可変LNA81,84は、入力端子6a,6e,81a、整合回路6b,6f,6m,6r,81b、増幅回路6c,6g,6j,6p,81c、バイアス回路6d,6h,6k,6q,81d、電流−電圧変換回路6i、出力端子6n,6s、制御信号端子6tおよびロジック回路81eを含む。
【0315】
すなわち利得可変LNA81,84は、第1の実施形態における利得可変LNA6に類似した構成を有する。ただし利得可変LNA81,84は、加えて入力端子81a、整合回路81b、増幅回路81cおよびバイアス回路81dを備えて入力側を3系統としている。
【0316】
整合回路6bへは、RFフィルタ3の出力信号が入力端子6aを介して入力される。整合回路6bは、RFフィルタ3の通過周波数、すなわちPDC800システムの使用無線周波数である810.05〜827.95MHzおよび870.03〜884.95MHzを効率的に入力するために整合をとる。増幅回路6cは、バイアス回路6dが出力するバイアス電流を受けて能動状態となる。増幅回路6cは能動状態にあっては、整合回路6bの出力信号を増幅する。
【0317】
整合回路81bは、入力端子81aへの入力信号を効率的に入力するために整合をとる。増幅回路81cは、バイアス回路81dが出力するバイアス電流を受けて能動状態となる。増幅回路81cは能動状態にあっては、整合回路81bの出力信号を増幅する。増幅回路81cの出力は電流−電圧変換回路6iに入力される。
【0318】
なお、利得可変LNA81における整合回路6bは、PDC800システムの使用無線周波数帯である810.05〜827.95MHzおよび870.03〜884.95MHzに適応する特性とする。整合回路6fは、cdmaOne800システムの使用周波数帯域である832.75〜869.25MHzに適応する特性とする。整合回路81cは、GSM900システムの使用無線周波数帯である925〜960MHzに適応する特性とする。整合回路6mは、PDC800システムおよびGSM900システムの使用無線周波数帯である810.05〜827.95MHz、870.03〜884.95MHzおよび925〜960MHzに適応する特性とする。整合回路6rは、cdmaOne800システムの使用周波数帯域である832.75〜869.25MHzに適応する特性とする。
【0319】
また、利得可変LNA84における整合回路6bは、PDC1500システムの使用無線周波数帯である1477.05〜1500.95MHzに適応する特性とする。整合回路6fは、GSM1900システムおよびcdmaOne1900システムの使用周波数帯域である1930〜1990MHzに適応する特性とする。整合回路81cは、GSM1800システムの使用無線周波数帯である1805〜1880MHzに適応する特性とする。整合回路6mは、PDC1500システム、GSM1800システムおよびGSM1900システムの使用無線周波数帯である1477.05〜1500.95MHz、1805〜1880MHzおよび1930〜1990MHzに適応する特性とする。整合回路6rは、cdmaOne1900システムの使用周波数帯域である1930〜1990MHzに適応する特性とする。
【0320】
ロジック回路81eへは、ベースバンド部89から入力される制御信号が制御信号端子6tを介して入力される。ロジック回路81eは、上記制御信号により指示されるモードに応じてバイアス回路6d,6h,81dのうちのいずれか1つとバイアス回路6k,6qのうちのいずれか1つとをそれぞれ能動状態とする制御信号を出力する。
【0321】
次に以上のように構成されたマルチモード無線機の動作につき説明する。
【0322】
<PDC800モード>
PDC800モードは、PDC800システム用無線機として動作するモードである。
【0323】
このPDC800モードを選択した場合にベースバンド部89は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ80:RFフィルタ3を選択。
利得可変LNA81:バイアス回路6d,6kが能動状態。
直交復調器82:バイアス回路8dが能動状態。
シンセサイザ83:PDC800システム用のローカル周波数を発振。
直交復調器85:非能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ13:能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ86:非能動状態。
ベースバンドVGA87:能動状態。
ADC88:能動状態。
【0324】
さて、アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ80によりRFフィルタ3へ入力される。RFフィルタ3では、受信信号からPDC800システムの使用無線周波数である810.05〜827.95MHzおよび870.03〜884.95MHzの周波数成分が抽出される。つまりRFフィルタ3では、種々の周波数成分が混在した受信信号から、PDC800システムの信号が抽出される。
【0325】
RFフィルタ3の出力信号は、入力端子6aから利得可変LNA81へ入力される。利得可変LNA81では、入力端子6aから整合回路6b、増幅回路6c、電流−電圧変換回路6i、増幅回路6jおよび整合回路6mを経由して出力端子6nへと至る経路のみが有効となっている。そしてこの経路により信号が所望のレベルに増幅される。
【0326】
利得可変LNA81の出力端子6nの出力信号は、入力端子8aから直交復調器82へ入力される。直交復調器82は、入力端子8aから、整合回路8b、増幅回路8cおよび電流−電圧変換回路8iを経由してミキサ8jおよびミキサ8nへと至る経路のみが有効となっている。そしてこの経路を通った信号からミキサ8nおよびミキサ8jでI系列およびQ系列のベースバンド信号がそれぞれ抽出される。そして利得可変LNA81の出力信号がベースバンドローパスフィルタ13へ入力される。
【0327】
かくしてPDC800モードでは、RFフィルタ3、利得可変LNA81、直交復調器82、ベースバンドローパスフィルタ13、ベースバンドVGA87およびADC88よりなる経路によりPDC800システムに適応した受信処理が行われる。
【0328】
<cdmaOne800モード>
cdmaOne800モードは、cdmaOne800システム用無線機として動作するモードである。
【0329】
このcdmaOne800モードを選択した場合にベースバンド部89は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ80:デュプレクサ4を選択。
利得可変LNA81:バイアス回路6h,6qが能動状態。
直交復調器82:バイアス回路8hが能動状態。
シンセサイザ83:cdmaOne800システム用のローカル周波数を発振。
直交復調器85:非能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ13:非能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ86:能動状態。cdmaOneモード。
ベースバンドVGA87:能動状態。
ADC88:能動状態。
【0330】
さて、アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ80によりデュプレクサ4へ入力される。デュプレクサ4では、受信信号からcdmaOne800システムの使用無線周波数である832.75〜869.25MHzの周波数成分が抽出される。つまりデュプレクサ4では、種々の周波数成分が混在した受信信号から、cdmaOne800システムの信号が抽出される。
【0331】
デュプレクサ4の出力信号は、入力端子6eから利得可変LNA81へ入力される。利得可変LNA81では、入力端子6eから整合回路6f、増幅回路6g、電流−電圧変換回路6i、増幅回路6pおよび整合回路6rを経由して出力端子6sへと至る経路のみが有効となっている。そしてこの経路により信号が所望のレベルに増幅される。
【0332】
利得可変LNA81の出力端子6sの出力信号は、RFフィルタ7を介して入力端子8eから直交復調器82へ入力される。直交復調器82は、入力端子8eから、整合回路8f、増幅回路8gおよび電流−電圧変換回路8iを経由してミキサ8jおよびミキサ8nへと至る経路のみが有効となっている。そしてこの経路を通った信号からミキサ8nおよびミキサ8jでI系列およびQ系列のベースバンド信号がそれぞれ抽出される。そして利得可変LNA81の出力信号がベースバンドローパスフィルタ86へ入力される。
【0333】
かくしてcdmaOne800モードでは、デュプレクサ4、利得可変LNA81、RFフィルタ7、直交復調器82、ベースバンドローパスフィルタ86、ベースバンドVGA87およびADC88よりなる経路によりcdmaOne800システムに適応した受信処理が行われる。
【0334】
<GSM900モード>
GSM900モードは、GSM900システム用無線機として動作するモードである。
【0335】
このGSM900モードを選択した場合にベースバンド部89は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ80:RFフィルタ31を選択。
利得可変LNA81:バイアス回路81d,6kが能動状態。
直交復調器82:バイアス回路8dが能動状態。
シンセサイザ83:GSM900システム用のローカル周波数を発振。
直交復調器85:非能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ13:非能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ86:能動状態。GSMモード。
ベースバンドVGA87:能動状態。
ADC88:能動状態。
【0336】
さて、アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ80によりRFフィルタ31へ入力される。RFフィルタ31では、受信信号からGSM900システムの使用無線周波数である925〜960MHzの周波数成分が抽出される。つまりRFフィルタ31では、種々の周波数成分が混在した受信信号から、GSM900システムの信号が抽出される。
【0337】
RFフィルタ31の出力信号は、入力端子81aから利得可変LNA81へ入力される。利得可変LNA81では、入力端子81aから整合回路81b、増幅回路81c、電流−電圧変換回路6i、増幅回路6jおよび整合回路6mを経由して出力端子6nへと至る経路のみが有効となっている。そしてこの経路により信号が所望のレベルに増幅される。
【0338】
利得可変LNA81の出力端子6nの出力信号は、入力端子8aから直交復調器82へ入力される。直交復調器82は、入力端子8aから、整合回路8b、増幅回路8cおよび電流−電圧変換回路8iを経由してミキサ8jおよびミキサ8nへと至る経路のみが有効となっている。そしてこの経路を通った信号からミキサ8nおよびミキサ8jでI系列およびQ系列のベースバンド信号がそれぞれ抽出される。そして利得可変LNA81の出力信号がベースバンドローパスフィルタ86へ入力される。
【0339】
かくしてGSM900モードでは、RFフィルタ31、利得可変LNA81、直交復調器82、ベースバンドローパスフィルタ86、ベースバンドVGA87およびADC88よりなる経路によりGSM900システムに適応した受信処理が行われる。
【0340】
<PDC1500モード>
PDC1500モードは、PDC1500システム用無線機として動作するモードである。
【0341】
このPDC1500モードを選択した場合にベースバンド部89は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ80:RFフィルタ10を選択。
利得可変LNA84:バイアス回路6d,6kが能動状態。
直交復調器82:非能動状態。
シンセサイザ83:PDC1500システム用のローカル周波数を発振。
直交復調器85:バイアス回路8dが能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ13:能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ86:非能動状態。
ベースバンドVGA87:能動状態。
ADC88:能動状態。
【0342】
さて、アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ80によりRFフィルタ10へ入力される。RFフィルタ10では、受信信号からPDC1500システムの使用無線周波数である1477.05〜1500.95MHzの周波数成分が抽出される。つまりRFフィルタ10では、種々の周波数成分が混在した受信信号から、PDC1500システムの信号が抽出される。
【0343】
RFフィルタ10の出力信号は、入力端子6aから利得可変LNA84へ入力される。利得可変LNA84では、入力端子6aから整合回路6b、増幅回路6c、電流−電圧変換回路6i、増幅回路6jおよび整合回路6mを経由して出力端子6nへと至る経路のみが有効となっている。そしてこの経路により信号が所望のレベルに増幅される。
【0344】
利得可変LNA84の出力端子6nの出力信号は、入力端子8aから直交復調器85へ入力される。直交復調器85は、入力端子8aから、整合回路8b、増幅回路8cおよび電流−電圧変換回路8iを経由してミキサ8jおよびミキサ8nへと至る経路のみが有効となっている。そしてこの経路を通った信号からミキサ8nおよびミキサ8jでI系列およびQ系列のベースバンド信号がそれぞれ抽出される。そして利得可変LNA81の出力信号がベースバンドローパスフィルタ13へ入力される。
【0345】
かくしてPDC1500モードでは、RFフィルタ10、利得可変LNA84、直交復調器85、ベースバンドローパスフィルタ13、ベースバンドVGA87およびADC88よりなる経路によりPDC1500システムに適応した受信処理が行われる。
【0346】
<cdmaOne1900モード>
cdmaOne1900モードは、cdmaOne1900システム用無線機として動作するモードである。
【0347】
このcdmaOne1900モードを選択した場合にベースバンド部89は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ80:デュプレクサ51を選択。
利得可変LNA81:バイアス回路6h,6qが能動状態。
直交復調器82:非能動状態。
シンセサイザ83:cdmaOne1900システム用のローカル周波数を発振。
直交復調器85:バイアス回路8hが能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ13:非能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ86:能動状態。cdmaOneモード。
ベースバンドVGA87:能動状態。
ADC88:能動状態。
【0348】
さて、アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ80によりデュプレクサ51へ入力される。デュプレクサ51では、受信信号からcdmaOne1900システムの使用無線周波数である1930〜1990MHzの周波数成分が抽出される。つまりデュプレクサ51では、種々の周波数成分が混在した受信信号から、cdmaOne1900システムの信号が抽出される。
【0349】
デュプレクサ51の出力信号は、入力端子6eから利得可変LNA84へ入力される。利得可変LNA84では、入力端子6eから整合回路6f、増幅回路6g、電流−電圧変換回路6i、増幅回路6pおよび整合回路6rを経由して出力端子6sへと至る経路のみが有効となっている。そしてこの経路により信号が所望のレベルに増幅される。
【0350】
利得可変LNA84の出力端子6sの出力信号は、RFフィルタ54を介して入力端子8eから直交復調器82へ入力される。直交復調器82は、入力端子8eから、整合回路8f、増幅回路8gおよび電流−電圧変換回路8iを経由してミキサ8jおよびミキサ8nへと至る経路のみが有効となっている。そしてこの経路を通った信号からミキサ8nおよびミキサ8jでI系列およびQ系列のベースバンド信号がそれぞれ抽出される。そして直交復調器85の出力信号がベースバンドローパスフィルタ86へ入力される。
【0351】
かくしてcdmaOne1900モードでは、デュプレクサ51、利得可変LNA84、RFフィルタ54、直交復調器85、ベースバンドローパスフィルタ86、ベースバンドVGA87およびADC88よりなる経路により、cdmaOne1900システムに適応した受信処理が行われる。
【0352】
<GSM1900モード>
GSM1900モードは、GSM1900システム用無線機として動作するモードである。
【0353】
このGSM1900モードを選択した場合にベースバンド部89は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ80:デュプレクサ51を選択。
利得可変LNA81:バイアス回路6h,6kが能動状態。
直交復調器82:非能動状態。
シンセサイザ83:GSM1900システム用のローカル周波数を発振。
直交復調器85:バイアス回路8dが能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ13:非能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ86:能動状態。GSMモード。
ベースバンドVGA87:能動状態。
ADC88:能動状態。
【0354】
さて、アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ80によりデュプレクサ51へ入力される。デュプレクサ51では、受信信号からGSM1900システムの使用無線周波数である1930〜1990MHzの周波数成分が抽出される。つまりデュプレクサ51では、種々の周波数成分が混在した受信信号から、GSM1900システムの信号が抽出される。
【0355】
デュプレクサ51の出力信号は、入力端子6eから利得可変LNA84へ入力される。利得可変LNA84では、入力端子6eから整合回路6f、増幅回路6g、電流−電圧変換回路6i、増幅回路6jおよび整合回路6mを経由して出力端子6nへと至る経路のみが有効となっている。そしてこの経路により信号が所望のレベルに増幅される。
【0356】
利得可変LNA84の出力端子6nの出力信号は、入力端子8aから直交復調器82へ入力される。直交復調器82は、入力端子8aから、整合回路8b、増幅回路8cおよび電流−電圧変換回路8iを経由してミキサ8jおよびミキサ8nへと至る経路のみが有効となっている。そしてこの経路を通った信号からミキサ8nおよびミキサ8jでI系列およびQ系列のベースバンド信号がそれぞれ抽出される。そして直交復調器85の出力信号がベースバンドローパスフィルタ86へ入力される。
【0357】
かくしてGSM1900モードでは、デュプレクサ51、利得可変LNA84、直交復調器85、ベースバンドローパスフィルタ86、ベースバンドVGA87およびADC88よりなる経路により、GSM1900システムに適応した受信処理が行われる。
【0358】
<GSM1800モード>
GSM1800モードは、GSM1800システム用無線機として動作するモードである。
【0359】
このGSM1800モードを選択した場合にベースバンド部89は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ80:RFフィルタ35を選択。
利得可変LNA81:非能動状態。
直交復調器82:バイアス回路8dが能動状態。
シンセサイザ83:GSM1800システム用のローカル周波数を発振。
直交復調器85:バイアス回路81d,6kが能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ13:非能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ86:能動状態。GSMモード。
ベースバンドVGA87:能動状態。
ADC88:能動状態。
【0360】
さて、アンテナ1にて受信された受信信号は、アンテナスイッチ80によりRFフィルタ35へ入力される。RFフィルタ35では、受信信号からGSM1800システムの使用無線周波数である1805〜1880MHzの周波数成分が抽出される。つまりRFフィルタ35では、種々の周波数成分が混在した受信信号から、GSM1800システムの信号が抽出される。
【0361】
RFフィルタ35の出力信号は、入力端子81aから利得可変LNA81へ入力される。利得可変LNA81では、入力端子81aから整合回路81b、増幅回路81c、電流−電圧変換回路6i、増幅回路6jおよび整合回路6mを経由して出力端子6nへと至る経路のみが有効となっている。そしてこの経路により信号が所望のレベルに増幅される。
【0362】
利得可変LNA81の出力端子6nの出力信号は、入力端子8aから直交復調器82へ入力される。直交復調器82は、入力端子8aから、整合回路8b、増幅回路8cおよび電流−電圧変換回路8iを経由してミキサ8jおよびミキサ8nへと至る経路のみが有効となっている。そしてこの経路を通った信号からミキサ8nおよびミキサ8jでI系列およびQ系列のベースバンド信号がそれぞれ抽出される。そして利得可変LNA81の出力信号がベースバンドローパスフィルタ86へ入力される。
【0363】
かくしてGSM1800モードでは、RFフィルタ35、利得可変LNA84、直交復調器85、ベースバンドローパスフィルタ86、ベースバンドVGA87およびADC88よりなる経路により、GSM1800システムに適応した受信処理が行われる。
【0364】
<cdma2000シングルモード>
cdma2000シングルモードは、cdma2000システム用無線機として動作し、かつcdma2000システムのシングルキャリア信号を受信するモードである。
【0365】
このcdma2000シングルモードを選択した場合にベースバンド部89は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ80:デュプレクサ17を選択。
シンセサイザ83:cdma2000システム用のローカル周波数を発振。
利得可変LNA41:バイアス回路6qが能動状態。
【0366】
直交復調器42:バイアス回路8hが能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ22:能動状態。cdma2000シングルモード。
ベースバンドVGA23:能動状態。
ADC24:能動状態。
マルチキャリア信号分割用ミキサ部25:非能動状態。
【0367】
この結果としてcdma2000シングルモードでは、デュプレクサ17、利得可変LNA41、RFフィルタ20、直交復調器42、ベースバンドローパスフィルタ22、ベースバンドVGA23およびADC24よりなる経路によりcdma2000システムのシングルキャリア信号に適応した受信処理が行われる。
【0368】
<cdma2000マルチモード>
cdma2000マルチモードは、cdma2000システム用無線機として動作し、かつcdma2000システムのマルチキャリア信号を受信するモードである。
【0369】
このcdma2000マルチモードを選択した場合にベースバンド部89は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ80:デュプレクサ17を選択。
シンセサイザ83:cdma2000システム用のローカル周波数を発振。
利得可変LNA41:バイアス回路6qが能動状態。
【0370】
直交復調器42:バイアス回路8hが能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ22:能動状態。cdma2000マルチモード。
【0371】
ベースバンドVGA23:能動状態。
ADC24:能動状態。
マルチキャリア信号分割用ミキサ部25:能動状態。
【0372】
この結果としてcdma2000マルチモードでは、デュプレクサ17、利得可変LNA41、RFフィルタ20、直交復調器42、ベースバンドローパスフィルタ22、ベースバンドVGA23およびADC24よりなる経路と、さらにマルチキャリア信号分割用ミキサ部25を加えてなる経路とによりcdma2000システムのマルチキャリア信号に適応した受信処理が行われる。
【0373】
<UMTS-FDDモード>
UMTS-FDDモードは、UMTS-FDDシステム用無線機として動作するモードである。
【0374】
このUMTS-FDDモードを選択した場合にベースバンド部89は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ80:デュプレクサ17を選択。
シンセサイザ83:UMTSシステム用のローカル周波数を発振。
利得可変LNA41:バイアス回路6qが能動状態。
【0375】
直交復調器42:バイアス回路8hが能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ43:能動状態。
ベースバンドVGA23:能動状態。
ADC24:能動状態。
マルチキャリア信号分割用ミキサ部25:非能動状態。
【0376】
この結果としてUMTS-FDDモードでは、デュプレクサ17、利得可変LNA41、RFフィルタ20、直交復調器42、ベースバンドローパスフィルタ22、ベースバンドVGA23およびADC24よりなる経路によりUMTS-FDDシステムに適応した受信処理が行われる。
【0377】
<UMTS-TDDモード>
UMTS-TDDモードは、UMTS-TDDシステム用無線機として動作するモードである。
【0378】
このUMTS-TDDモードを選択した場合にベースバンド部89は、各種の制御信号により各部を以下のような状態に制御する。
アンテナスイッチ80:デュプレクサ17を選択。
シンセサイザ83:UMTSシステム用のローカル周波数を発振。
利得可変LNA41:バイアス回路6kが能動状態。
【0379】
直交復調器42:バイアス回路8dが能動状態。
ベースバンドローパスフィルタ43:能動状態。
ベースバンドVGA23:能動状態。
ADC24:能動状態。
マルチキャリア信号分割用ミキサ部25:非能動状態。
【0380】
この結果としてUMTS-TDDモードでは、デュプレクサ17、利得可変LNA41、直交復調器42、ベースバンドローパスフィルタ22、ベースバンドVGA23およびADC24よりなる経路によりUMTS-TDDシステムに適応した受信処理が行われる。
【0381】
なお、PDC800モード、PDC1500モード、cdmaOne800モード、cdmaOne1900モード、GSM900モード、GSM1800モードおよびGSM1900モードのいずれか1つと、cdma2000シングルモード、cdma2000マルチモード、UMTS-FDDモードおよびUMTS-TDDモードのいずれか1つとは、並列的に使用することも可能である。すなわち、PDC800システム、PDC1500システム、cdmaOne800システム、cdmaOne1900システム、GSM900システム、GSM1900システムおよびGSM1800システムのうちのいずれかのシステムの信号の受信と、cdma2000システムのシングルキャリア信号、cdma2000システムのマルチキャリア信号、UMTS-FDDシステムの信号およびUMTS-TDDシステムの信号のうちのいずれかの受信とを同時に行うことが可能である。
【0382】
このように第5の実施形態のマルチモード無線機によれば、PDC800システム用無線機、PDC1500システム用無線機、cdmaOne800システム用無線機、cdmaOne1900システム用無線機、GSM900システム用無線機、GSM1800システム用無線機、GSM1900システム用無線機、cdma2000システム用無線機、UMTS-FDDシステム用無線機およびUMTS-FDDシステム用無線機のいずれとしても機能する。
【0383】
そして第5の実施形態によれば、利得可変LNA81では、PDC800システム、cdmaOne800システムおよびGSM900システムのそれぞれに関する信号の電流−電圧変換を共通の電流−電圧変換回路6iにより行うので、回路規模が抑えられる。しかも利得可変LNA81での3つの信号経路の切り替えは、バイアス回路6d,6h,6k,6q,81dの動作状態を制御して増幅回路6c,6g,6j,6p,81cの動作状態を切り替えることにより行う。このため、信号経路中にスイッチ等の信号経路切り替え手段を新たに挿入することはなく、信号の損失が増大してしまうこともない。
【0384】
第5の実施形態において、利得可変LNA81における整合回路6bを通す信号はPDC800システムの信号であり、その周波数範囲は810.05〜827.95MHzおよび870.03〜884.95MHzである。従って、整合回路6bを通す信号の比帯域幅および中心周波数はそれぞれ約0.09および約846.67MHzとなる。
【0385】
また、利得可変LNA81における整合回路6f,6rおよび直交復調器82における整合回路8fを通す信号はcdmaOne800システムの信号であり、その周波数範囲は832.75〜869.25MHzである。従って、整合回路6f,6rおよび整合回路8fを通す信号の比帯域幅および中心周波数はそれぞれ約0.04および約850.8MHzとなる。
【0386】
また、利得可変LNA81における整合回路81bを通す信号はGSM900システムの信号であり、その周波数範囲は925〜960MHzである。従って、整合回路81bを通す信号の比帯域幅および中心周波数はそれぞれ約0.04および約942.34MHzとなる。
【0387】
また、利得可変LNA81における整合回路6mおよび直交復調器82における整合回路8bを通す信号はPDC800システムおよびGSM900システムの信号であり、その周波数範囲は810.05〜827.95MHz、870.03〜884.95MHzおよび925〜960MHzである。従って、整合回路6mおよび整合回路81bを通す信号の比帯域幅および中心周波数はそれぞれ約0.17および約881.84MHzとなる。
【0388】
このように第5の実施形態によれば、利得可変LNA81の各整合回路6b,6f,6m,6r,81bおよび直交復調器82の各整合回路8b,8fは、いずれも0.3以下の比帯域幅に適応できれれば良いから、容易に実現することができる。
【0389】
また第5の実施形態によれば、利得可変LNA84では、PDC1500システム、cdmaOne1900システムGSM1800システムおよびGSM1900システムのそれぞれに関する信号の電流−電圧変換を共通の電流−電圧変換回路6iにより行うので、回路規模が抑えられる。しかも利得可変LNA84での4つの信号経路の切り替えは、バイアス回路6d,6h,6k,6q,81dの動作状態を制御して増幅回路6c,6g,6j,6p,81cの動作状態を切り替えることにより行う。このため、信号経路中にスイッチ等の信号経路切り替え手段を新たに挿入することはなく、信号の損失が増大してしまうこともない。
【0390】
第5の実施形態において、利得可変LNA84における整合回路6bを通す信号はPDC1500システムの信号であり、その周波数範囲は1477.05〜1500.95MHzである。従って、整合回路6bを通す信号の比帯域幅および中心周波数はそれぞれ約0.02および約1488.95MHzとなる。
【0391】
また、利得可変LNA84における整合回路6f,6rおよび直交復調器85の整合回路8fを通す信号はGSM1900システムおよびcdmaOne1900システムの信号であり、その周波数範囲は1930〜1990MHzである。従って、整合回路6f,6rおよび整合回路8fを通す信号の比帯域幅および中心周波数はそれぞれ約0.03および約1960MHzとなる。
【0392】
また、利得可変LNA84における整合回路81bを通す信号はGSM1800システムの信号であり、その周波数範囲は1805〜1880MHzである。従って、整合回路81bを通す信号の比帯域幅および中心周波数はそれぞれ約0.04および約1842MHzとなる。
【0393】
また、利得可変LNA84における整合回路6mおよび直交復調器85における整合回路8bを通す信号はPDC1500システム、GSM1800システムおよびGSM1900システムの信号であり、その周波数範囲は1477.05〜1500.95MHz、1805〜1880MHzおよび1930〜1990MHzである。従って、整合回路6mおよび整合回路8bを通す信号の比帯域幅および中心周波数はそれぞれ約0.299および約1714.45MHzとなる。
【0394】
このように第5の実施形態によれば、利得可変LNA84の各整合回路6b,6f,6m,6r,81bおよび直交復調器85の各整合回路8b,8fは、いずれも0.3以下の比帯域幅に適応できれれば良いから、容易に実現することができる。
【0395】
また第5の実施形態によれば、ベースバンドVGA87およびADC88は、PDC800システム、PDC1500システム、cdmaOne800システム、cdmaOne1900システム、GSM900システム、GSM1800システムおよびGSM1900システムで共用としているので、それらを個々に設ける場合に比べて回路規模が縮小できる。
【0396】
なお、本発明は前記各実施形態に限定されるものではない。例えば、整合回路は、利得可変LNAや直交変調器に内蔵される必要は無く、外付け部品で構成されても良い。
【0397】
また、利得可変LNAの出力信号を通すべき信号経路が3つ以上ある場合には、利得可変LNAの出力側の増幅回路およびバイアス回路のセットを増設することで対応可能である。
【0398】
また、1つの直交復調器に入力するべき信号の経路が3つ以上ある場合には、直交復調器の入力側の増幅回路およびバイアス回路のセットを増設することで対応可能である。
【0399】
また、本発明が適用できるのは前記の各実施形態に示した無線通信システムには限らず、W-CDMAシステムのような他の無線通信システムを採用することも可能である。また採用する無線通信システムの組み合わせも前記各実施形態に挙げるものには限定されず、任意に組み替えが可能である。
【0400】
このほか、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0401】
【発明の効果】
本発明によれば、損失の増大を招くことなしに回路規模の縮小を図り得るマルチモード受信機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係るマルチモード無線機のブロック図。
【図2】図1中の利得可変LNA6の回路図。
【図3】図2中のバイアス回路6d,6h,6k,6qがそれぞれ有する電流源の回路図。
【図4】図1中の直交復調器8の回路図。
【図5】マルチキャリア信号の構成を示す図。
【図6】第2の実施形態に係るマルチモード無線機のブロック図。
【図7】図6中の利得可変LNA41の回路図。
【図8】第3の実施形態に係るマルチモード無線機のブロック図。
【図9】第4の実施形態に係るマルチモード無線機のブロック図。
【図10】図9中の利得可変LNA71の回路図。
【図11】第5の実施形態に係るマルチモード無線機のブロック図。
【図12】図11中の利得可変LNA81および利得可変LNA84の回路図。
【符号の説明】
1…アンテナ、2,30,50,70,80…アンテナスイッチ、3,31,35,54…RFフィルタ、4,17,51…デュプレクサ、5,6a,6e,8a,8e,18,52,81a…入力端子、6,11,19,32,36,41,53,57,71,81,84…利得可変LNA、6b,6m,6r,8b,8f,81b…整合回路、6c,6f,6g,6j,6p,8c,8g,81c…増幅回路、6d,6h,6k,6q,8d,8h,81d…バイアス回路、6i,8i…電流−電圧変換回路、6n,6s,8m,8q…出力端子、6t,8r…制御信号端子、6u,8s,41a,71a,81e…ロジック回路、7,10,20…フィルタ、8,12,21,33,37,42,55,58,82,85…直交復調器、8j,8n…ミキサ、8k…ローカル信号端子、8p…移相器、9,26,34,56,83…シンセサイザ、13,14,22,38,43,59,62,86…ベースバンドローパスフィルタ、15,23,39,60,87…ベースバンドVGA、16,24,40,61,88…ADC、25…マルチキャリア信号分割用ミキサ部、25a,25b,25c,25d…乗算器、25e…移相器、25f,25g,25h,25i…加算器、27,44,63,72,89…ベースバンド部。

Claims (8)

  1. 第1の無線周波数帯域を用いる第1の無線通信システムに対応する第1の無線周波数信号および前記第1の無線周波数帯域とは異なる第2の無線周波数帯域を用いる第2の無線通信システムに対応する第2の無線周波数信号を受信するアンテナ部と、
    前記アンテナ部から入力された信号から前記第1の無線周波数信号を抽出する第1の抽出部と、
    前記アンテナ部から入力された信号から前記第2の無線周波数信号を抽出する第2の抽出部と、
    前記第1の抽出部により抽出された前記第1の無線周波数信号が入力され、第1の入力側バイアス電流が供給されたときに前記第1の無線周波数信号を増幅する第1の入力側増幅回路と、
    前記第2の抽出部により抽出された前記第2の無線周波数信号が入力され、第2の入力側バイアス電流が供給されたときに前記第2の無線周波数信号を増幅する第2の入力側増幅回路と、
    前記第1の入力側バイアス電流の供給を指示する第1の入力側制御信号が供給されたときに前記第1の入力側増幅回路に前記第1の入力側バイアス電流を供給する第1の入力側バイアス回路と、
    前記第2の入力側バイアス電流の供給を指示する第2の入力側制御信号が供給されたときに前記第2の入力側増幅回路に前記第2の入力側バイアス電流を供給する第2の入力側バイアス回路と、
    前記第1および前記第2の入力側増幅回路に対して共通に設けられ、前記第1および前記第2の入力側増幅回路の出力信号を電流−電圧変換し、この電流−電圧変換した信号を出力する第1の電流−電圧変換回路と、
    前記第1の電流−電圧変換回路の出力信号が入力され、第1の出力側バイアス電流が供給されたときにこの出力信号を増幅する第1の出力側増幅回路と、
    前記第1の電流−電圧変換回路の出力信号が入力され、第2の出力側バイアス電流が供給されたときにこの出力信号を増幅する第2の出力側増幅回路と、
    前記第1の出力側バイアス電流の供給を指示する第1の出力側制御信号が供給されたときに前記第1の出力側増幅回路に前記第1の出力側バイアス電流を供給する第1の出力側バイアス回路と、
    前記第2の出力側バイアス電流の供給を指示する第2の出力側制御信号が供給されたときに前記第2の出力側増幅回路に前記第2の出力側バイアス電流を供給する第2の出力側バイアス回路と、
    入力された前記第1および前記第2の無線通信システムのうちの1つを指定する指定信号に対応して、前記第1の入力側バイアス回路に前記第1の入力側制御信号、または前記第2の入力側バイアス回路に前記第2の入力側制御信号を供給する第1の入力側制御回路と、
    入力された前記指定信号に対応して、前記第1の出力側バイアス回路に前記第1の出力側制御信号、または前記第2の出力側バイアス回路に前記第2の出力側制御信号を供給する出力側制御回路とを具備したことを特徴とするマルチモード受信機。
  2. 使用する無線周波数帯域が同一である第1および第2の無線通信システムにそれぞれ対応する第1および第2の無線周波数信号を受信するアンテナ部と、
    入力側バイアス電流が供給されたときに前記アンテナ部から入力された信号を増幅する入力側増幅回路と、
    前記入力側増幅回路に前記入力側バイアス電流を供給する入力側バイアス回路と、
    前記第1の入力側増幅回路の出力信号を電流−電圧変換し、この電流−電圧変換した信号を出力する第1の電流−電圧変換回路と、
    前記第1の電流−電圧変換回路の出力信号が入力され、第1の出力側バイアス電流が供給されたときにこの出力信号を増幅する第1の出力側増幅回路と、
    前記第1の電流−電圧変換回路の出力信号が入力され、第2の出力側バイアス電流が供給されたときにこの出力信号を増幅する第2の出力側増幅回路と、
    前記第1の出力側バイアス電流の供給を指示する第1の出力側制御信号が供給されたときに前記第1の出力側増幅回路に前記第1の出力側バイアス電流を供給する第1の出力側バイアス回路と、
    前記第2の出力側バイアス電流の供給を指示する第2の出力側制御信号が供給されたときに前記第2の出力側増幅回路に前記第2の出力側バイアス電流を供給する第2の出力側バイアス回路と、
    入力された前記第1および前記第2の無線通信システムのうちの1つを指定する指定信号に対応して、前記第1の出力側バイアス回路に前記第1の出力側制御信号、または前記第2の出力側バイアス回路に前記第2の出力側制御信号を供給する出力側制御回路とを具備したことを特徴とするマルチモード受信機。
  3. 前記第1の出力側増幅回路の出力信号が入力され、第3の入力側バイアス電流が供給されたときにこの出力信号を増幅する第3の入力側増幅回路と、
    前記第1の出力側増幅回路の出力信号が入力され、第4の入力側バイアス電流が供給されたときにこの出力信号を増幅する第4の入力側増幅回路と、
    前記第3の入力側バイアス電流の供給を指示する第3の入力側制御信号が供給されたときに前記第3の入力側増幅回路に前記第3の入力側バイアス電流を供給する第3の入力側バイアス回路と、
    前記第4の入力側バイアス電流の供給を指示する第4の入力側制御信号が供給されたときに前記第4の入力側増幅回路に前記第4の入力側バイアス電流を供給する第4の入力側バイアス回路と、
    前記第3および第4の入力側増幅回路に対して共通に設けられ、前記第3および第4の入力側増幅回路の出力信号を電流−電圧変換し、この電流−電圧変換した信号を出力する第2の電流−電圧変換回路と、
    前記第2の電流−電圧変換回路の出力信号が入力され、第1のローカル信号をこの出力信号にミキシングする第1のミキサと、
    前記第2の電流−電圧変換回路の出力信号が入力され、前記第1のローカル信号と90°の位相差を持つ第2のローカル信号をこの出力信号にミキシングする第2のミキサと、
    入力された前記指定信号に対応して前記第3の入力側バイアス回路に前記第3の入力側制御信号、または前記第4の入力側バイアス回路に前記第4の入力側制御信号を供給する第2の入力側制御回路とを具備したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマルチモード無線機。
  4. 直交復調器と、
    前記2つのミキサからの出力信号および前記直交復調器の出力信号に対して共通に設けられ、これらの出力信号を増幅する増幅器と、
    前記増幅器の出力信号をデジタル化するアナログデジタル変換器とを具備したことを特徴とする請求項3に記載のマルチモード受信機。
  5. 第1の無線周波数帯域を用いる第1の無線通信システムに対応する第1の無線周波数信号および前記第1の無線周波数帯域とは異なる第2の無線周波数帯域を用いる第2の無線通信システムに対応する第2の無線周波数信号を受信するアンテナ部と、
    前記アンテナ部から入力された信号から前記第1の無線周波数信号を抽出する第1の抽出部と、
    前記アンテナ部から入力された信号から前記第2の無線周波数信号を抽出する第2の抽出部と、
    前記第1の抽出部により抽出された前記第1の無線周波数信号が入力され、第1の入力側バイアス電流が供給されたときに前記第1の無線周波数信号を増幅する第1の入力側増幅回路と、
    前記第2の抽出部により抽出された前記第2の無線周波数信号が入力され、第2の入力側バイアス電流が供給されたときに前記第2の無線周波数信号を増幅する第2の入力側増幅回路と、
    前記第1の入力側バイアス電流の供給を指示する第1の入力側制御信号が供給されたときに前記第1の入力側増幅回路に前記第1の入力側バイアス電流を供給する第1の入力側バイアス回路と、
    前記第2の入力側バイアス電流の供給を指示する第2の入力側制御信号が供給されたときに前記第2の入力側増幅回路に前記第2の入力側バイアス電流を供給する第2の入力側バイアス回路と、
    前記第1および前記第2の入力側増幅回路に対して共通に設けられ、前記第1および前記第2の入力側増幅回路の出力信号を電流−電圧変換し、この電流−電圧変換した信号を出力する第1の電流−電圧変換回路と、
    前記第1の電流−電圧変換回路の出力信号が入力され、第1の出力側バイアス電流が供給されたときにこの出力信号を増幅する第1の出力側増幅回路と、
    前記第1の出力側増幅回路に前記第1の出力側バイアス電流を供給する出力側バイアス回路と、
    入力された前記第1および前記第2の無線通信システムのうちの1つを指定する指定信号に対応して、前記第1の入力側バイアス回路に前記第1の入力側制御信号、または前記第2の入力側バイアス回路に前記第2の入力側制御信号を供給する入力側制御回路とを具備したことを特徴とするマルチモード受信機。
  6. 第1の無線周波数帯域を用いる第1の無線通信システムに対応する第1の無線周波数信号および前記第1の無線周波数帯域とは異なる第2の無線周波数帯域を用いる第2の無線通信システムに対応する第2の無線周波数信号を受信するアンテナ部と、
    前記アンテナ部から入力された信号から前記第1の無線周波数信号を抽出する第1の抽出部と、
    前記アンテナ部から入力された信号から前記第2の無線周波数信号を抽出する第2の抽出部と、
    前記第1の抽出部により抽出された前記第1の無線周波数信号が入力され、前記第1の無線周波数信号を増幅する第1の増幅器と、
    前記第2の抽出部により抽出された前記第2の無線周波数信号が入力され、前記第2の無線周波数信号を増幅する第2の増幅器と、
    前記第1の増幅器の出力信号が入力され、第1のバイアス電流が供給されたときにこの出力信号を増幅する第1の増幅回路と、
    前記第2の増幅器の出力信号が入力され、第2のイアス電流が供給されたときにこの出力信号を増幅する第2の増幅回路と、
    前記第1のバイアス電流の供給を指示する第1の制御信号が供給されたときに前記第1の増幅回路に前記第1のバイアス電流を供給する第1のバイアス回路と、
    前記第2のバイアス電流の供給を指示する第2の制御信号が供給されたときに前記第2の増幅回路に前記第2のバイアス電流を供給する第2のバイアス回路と、
    前記第1および第2の増幅回路に対して共通に設けられ、前記第1および第2の増幅回路の出力信号を電流−電圧変換し、この電流−電圧変換した信号を出力する電流−電圧変換回路と、
    前記電流−電圧変換回路の出力信号が入力され、第1のローカル信号をこの出力信号にミキシングする第1のミキサと、
    前記第2の電流−電圧変換回路の出力信号が入力され、前記第1のローカル信号と90°の位相差を持つ第2のローカル信号をこの出力信号にミキシングする第2のミキサと、
    入力された前記第1および前記第2の無線通信システムのうちの1つを指定する指定信号に対応して、前記第1のバイアス回路に前記第1の制御信号、または前記第2のバイアス回路に前記第2の制御信号を供給する制御回路とを具備したことを特徴とするマルチモード無線機。
  7. 第1の無線周波数帯域を用いる第1の無線通信システムに対応する第1の無線周波数信号が入力され、前記第1の無線周波数信号を増幅する第1の増幅器と、
    前記第1の無線周波数帯域とは異なる第2の無線周波数帯域を用いる第2の無線通信システムに対応する第2の無線周波数信号が入力され、前記第2の無線周波数信号を増幅する第2の増幅器と、
    前記第1の増幅器の出力信号が入力され、第1のバイアス電流が供給されたときにこの出力信号を増幅する第1の増幅回路と、
    前記第2の増幅器の出力信号が入力され、第2のバイアス電流が供給されたときにこの出力信号を増幅する第2の増幅回路と、
    前記第1のバイアス電流の供給を指示する第1の制御信号が供給されたときに前記第1の増幅回路に前記第1のバイアス電流を供給する第1のバイアス回路と、
    前記第2のバイアス電流の供給を指示する第2の制御信号が供給されたときに前記第2の増幅回路に前記第2のバイアス電流を供給する第2のバイアス回路と、
    前記第1および第2の増幅回路に対して共通に設けられ、前記第1および第2の増幅回路の出力信号を電流−電圧変換し、この電流−電圧変換した信号を出力する電流−電圧変換回路と、
    前記電流−電圧変換回路の出力信号が入力され、第1のローカル信号をこの出力信号にミキシングする第1のミキサと、
    前記第2の電流−電圧変換回路の出力信号が入力され、前記第1のローカル信号と90°の位相差を持つ第2のローカル信号をこの出力信号にミキシングする第2のミキサと、
    入力された前記第1および前記第2の無線通信システムのうちの1つを指定する指定信号に対応して、前記第1のバイアス回路に前記第1の制御信号、または前記第2のバイアス回路に前記第2の制御信号を供給する制御回路と、
    前記第1および第2の無線通信システムとは異なる第3の無線通信システムに対応する第3の無線周波数信号が入力されて、前記第3の無線周波数信号を直交復調する直交復調器と、
    前記第1および第2のミキサの出力信号および前記直交復調器の出力信号に対して共通に設けられ、前記各出力信号を増幅する増幅器と、
    前記増幅器の出力信号をデジタル化するアナログデジタル変換器とを具備したことを特徴とするマルチモード受信機。
  8. 等しい周波数間隔で隣接した3つのチャネルのうちの中央のチャネルの信号からI系列ベースバンド信号およびQ系列ベースバンド信号を復調する直交復調器と、
    前記I系列ベースバンド信号および前記Q系列ベースバンド信号をそれぞれデジタル化するアナログデジタル変換器と、
    前記アナログデジタル変換器から出力されるI系列デジタル信号と前記周波数間隔に等しい周波数を持つ第1のローカル信号とを乗算する第1の乗算器と、
    前記アナログデジタル変換器から出力されるQ系列デジタル信号と前記第1のローカル信号と周波数が同一で位相が90°異なる第2のローカル信号とを乗算する第2の乗算器と、
    前記第1の乗算器の出力信号から前記第2の乗算器の出力信号を減算する第1の減算器と、
    前記第1の乗算器の出力信号と前記第2の乗算器の出力信号とを加算する第1の加算器と、
    前記Q系列デジタル信号と前記第1のローカル信号とを乗算する第3の乗算器と、
    前記I系列デジタル信号と前記第2のローカル信号とを乗算する第4の乗算器と、
    前記第3の乗算器の出力信号から前記第4の乗算器の出力信号を減算する第2の減算器と、
    前記第3の乗算器の出力信号と前記第4の乗算器の出力信号とを加算する第2の加算器とを具備したことを特徴とするマルチモード受信機。
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