JP2004200832A - 同軸線路アンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】同軸線路形状が小さくなった場合にも実現が可能であり、構造が簡単で小型化できる同軸線路アンテナを提供する。
【解決手段】内導体と外導体間に誘電体を有する同軸線路200の先端を、内導体201だけを、放射あるいは受信する電波の波長の1/4程度の長さを残し、同軸線路200の先端より電波を放射あるいは受信するアンテナにおいて、同軸線路200の外導体202に円錐状の導電性の突起204を設ける。
【選択図】 図2
【解決手段】内導体と外導体間に誘電体を有する同軸線路200の先端を、内導体201だけを、放射あるいは受信する電波の波長の1/4程度の長さを残し、同軸線路200の先端より電波を放射あるいは受信するアンテナにおいて、同軸線路200の外導体202に円錐状の導電性の突起204を設ける。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波アンテナに係り、特に、同軸線路アンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような分野の先行技術文献としては、新アンテナ工学−移動通信時代のアンテナ技術−、新井 宏之著、総合電子出版、1996年4月9日第1版28〜30頁、75〜76頁に開示されるようなものがあった。
【0003】
上記従来の同軸線路アンテナは「1.8.2 同軸線路とスリーブアンテナ」に記載されているように、その形状は「内導体のみを残して外導体を取り去ると、その内導体に流れている電流によって放射が生じる」(上記文献の28頁下から1行目〜第29頁1行目記載)構成となっており、その内導体を残す長さは、λ/4(上記文献の図1.29参照)と示されている。
【0004】
また、電波の放射の方向を反射板で制御する方法が記載されており、「ダイポールアンテナの場合で、ダイポールアンテナを反射板からλ/4の位置に置くとき」(上記文献の75頁2行目〜3行目参照)に、「z>0でz軸方向に最大放射方向を持つ単方向指向性が得られる」(上記文献の75頁7行目参照)構成となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の同軸線路によるアンテナでは、「同軸線路の外導体を流れる電流は、外導体の内側を流れており、同軸線路を用いてアンテナを構成するときに問題となるのが、この外導体を流れる電流である。」と記述されている(上記文献28頁下から4行目〜2行目参照)。
【0006】
具体的には、「外導体の内側を流れてきた電流は、外導体の先端で反射し、その電流の一部は外導体の外側に漏れてしまう。外導体の外側に漏れた電流によって生じる放射は、所望の電波の放射の妨げとなる。」(上記文献29頁1行目〜4行目参照)と記述されている。この外側に漏れる電流を阻止する構造が、スリーブアンテナ(上記文献29頁の図1.29参照)として示されている。
【0007】
しかし、上記したように、スリーブアンテナは構造が複雑で、特に同軸線路形状が小さくなったとき実現が困難であるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記状況に鑑みて、同軸線路形状が小さくなった場合にも実現が可能であり、構造が簡単で小型化できる同軸線路アンテナを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕内導体と外導体間に誘電体を有する同軸線路の先端を、前記内導体だけを、放射あるいは受信する電波の波長の1/4程度の長さを残し、前記同軸線路の先端より電波を放射あるいは受信するアンテナにおいて、前記同軸線路の外導体に円錐状の導電性の突起を設けることを特徴とする。
【0010】
〔2〕上記〔1〕記載の同軸線路アンテナにおいて、前記円錐状の導電性の突起の円錐部の傾斜角度を40度程度以下とし、前記同軸線路の垂直方向のアンテナゲインを高くすることを特徴とする。
【0011】
〔3〕上記〔1〕記載の同軸線路アンテナにおいて、前記円錐状の導電性の突起の円錐部の傾斜角度により同軸線路方向の放射パターンを制御することを特徴とする。
【0012】
〔4〕上記〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載の同軸線路アンテナにおいて、前記円錐状の導電性の突起の底辺の円の直径が、アンテナが放射あるいは受信する電波の自由空間波長の2/3程度以上であることを特徴とする。
【0013】
〔5〕上記〔1〕、〔2〕、〔3〕又は〔4〕記載の同軸線路アンテナにおいて、電波を放射あるいは受信する同軸線路の先端の後方の、アンテナが放射あるいは受信する電波の波長の1/4程度の位置に、放射あるいは受信する電波の波長より十分に大きな反射板を設けることを特徴とする。
【0014】
〔6〕内導体と外導体間に誘電体を有する同軸線路の先端を、前記内導体だけを、放射あるいは受信する電波の波長の1/4程度の長さ残し、前記同軸線路の先端より電波を放射あるいは受信するアンテナで、前記同軸線路の先端の後方の、放射あるいは受信する電波の波長の1/4程度の位置に、放射あるいは受信する電波の波長より十分に大きな反射板を設けたアンテナにおいて、前記同軸線路の外導体の前方が、傾斜角を持った導電性の斜面を有する突起を有することを特徴とする。
【0015】
〔7〕上記〔6〕記載の同軸線路アンテナにおいて、前記突起の斜面の傾斜角度を40度程度以下とし、前記同軸線路の垂直方向のアンテナゲインを高くすることを特徴とする。
【0016】
〔8〕上記〔6〕記載の同軸線路アンテナにおいて、前記突起の斜面の傾斜角度により、同軸線路方向の放射パターンを制御することを特徴とする。
【0017】
〔9〕上記〔6〕、〔7〕又は〔8〕記載の同軸線路アンテナにおいて、前記突起の斜面が前方に、アンテナが放射あるいは受信する電波の自由空間波長の2/3程度以上あることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
まず本発明の第1実施例を示す同軸線路のアンテナについて説明する。
【0020】
すべての実施例では、同じ同軸線路を用いている。
【0021】
図1は本発明の第1実施例の同軸線路の構造を示す斜視図である。
【0022】
この実施例では、銅の内導体101、外導体102とその間に挟まれているテフロン(登録商標)からなる誘電体103からなる。内導体101の直径L1 は0.29mmの円柱、外導体102は内径L2 が0.94mm、外径L3 が1.19mmの円筒形となっている。誘電体103の誘電率は2.02で、この線路の特性インピーダンスは50Ωとなっている。この同軸線路の高次のモードは、117GHz以上で、その周波数までは単一モードの伝送が可能となっている。
【0023】
第1実施例で、68GHz同軸線路アンテナを説明する。
【0024】
図2は本発明の第1実施例を示す同軸線路アンテナをその斜め上方から見た斜視図、図3はその同軸線路アンテナの側面図、図4はその同軸線路アンテナの断面寸法を示す図である。
【0025】
これらの図において、200は同軸線路、201は内導体、202は外導体、204は傘状(円錐状)のひさし(突起)、206は固定ネジである。
【0026】
これらの図から明らかなように、第1実施例では、同軸線路200の先端で、内導体201のみ1.2mm(L5 )残しており、ここより電波が放射される。さらにこの第1実施例では、アルミニウムで加工した傘状(円錐状)のひさし204を設けている。この傘状のひさし204の半径L4 は10mm、高さL6 は5mm(図5参照)であり、図4に示す固定ネジ206で同軸線路200と固定されている。同軸線路200の下の端(図4のポートportA)は、この実施例では、図には記載されていないが導波管同軸変換器を通してWR15矩形導波管に変換し、アンテナの特性を評価した。
【0027】
前述したように、portAはWR15矩形導波管に変換される。このWR15の矩形導波管より68GHzの信号を入力すると、その68GHzの信号は同軸線路200に伝わり、先端を1.2mm残した内導体201より空間に放射される。このとき、従来技術で述べたように、外導体202にも電流が流れる。
【0028】
本発明では、外導体202には傘状のひさし204が設けてあるため、外導体202に流れる電流は傘状のひさし204の表面を流れることになる。電波は、先端の内導体201を流れる電流と傘状のひさし204を流れる電流により放射される。放射の方向は、水平面内は同一の強度で、垂直面内はひさし204の角度αにより制御される。この実施例では、傘状の斜面の傾斜角度αを28度(図4参照)としたため、垂直面内は、ほぼ水平方向の強度が強くなっている。
【0029】
以上のように、第1実施例では、同軸線路200の先端の外導体202に傘状のひさし204を設けたので、その傾斜角度αによって同軸線路アンテナの垂直面内での放射パターンの制御が可能となった。傘状のひさし204の傾斜角度αと垂直面内での放射パターンの関係については、電磁界解析を用い詳細に検討を行った。
【0030】
電磁界解析で用いた形状を図5に示す。解析では傘状のひさし204の傾斜角度αの値を変え、周波数が68GHzの場合の、垂直面内での放射パターンを計算した。計算結果を図6及び図7に示す。
【0031】
図6及び図7では、垂直方向からの角度θ(図5参照)を角度方向、半径方向をアンテナゲインとした極座標で放射パターンを表している。図6に示すように、α=90度は傘状のひさしが無い場合である。傘状のひさしが無いと、放射パターンはθ=140度(あるいは220度)方向の強度が高くなっている。
【0032】
角度αを減らして行くと、α=56度では、図6に示すように、θ=120度(あるいは240度)方向が、α=43度では、図7に示すように、θ=110度(あるいは250度)方向がアンテナゲイン最大の方向に変わっていくのが分かる。
【0033】
また、図7から明らかなように、α=34度あるいは28度としたときは、ほぼ水平方向〔θ=90度(あるいは270度)〕の強度が強くなっており、さらに、最大のアンテナゲインも約5dBと高い値が得られる。
【0034】
以上の計算結果で示したように、傘状のひさし204を設けその傘状のひさし204の傾斜角度αを40度程度以下とすることにより、水平方向が最大強度となるように制御することが可能であり、さらに最大のアンテナゲインも増大することが分かった。第1実施例で述べた同軸線路アンテナでは、傘状のひさし204の傾斜角度を28度としたので、水平〔θ=90度(あるいは270度)〕方向で最大のアンテナゲイン、約5dBが得られた。
【0035】
第1実施例では水平方向が最大のアンテナゲインとなるようにしたが、傾斜角度を変えることにより、最大のアンテナゲインとなる放射角度が制御できる。例えば、図6より傾斜角度αを56度とすると、水平方向より下方20度〔θ=110度(あるいは250度)〕の方向で最大のアンテナゲインが得られる。
【0036】
次に、電磁界解析で計算し、傘状のひさし204の大きさがどの程度必要か検討した。解析で用いた構造は図5に示した構造で、傘状のひさし204の傾斜角度αを30度とし、その傘状のひさし204を半径Rの円筒で切り取り、切り取る円筒の半径Rを変えた時の放射パターンを比較した。
【0037】
図20に得られた結果を示した。図20より、Rを3mm程度以上とると、水平方向の放射強度を最大とすることが出来ることが分かり、Rを7mm程度以上とすると最大のアンテナゲインも増大することが分かった。なお、半径Rの数値は、アンテナの放射あるいは受信する電波の自由空間波長で規格化して考えるべきであり、以上で述べた場合は68GHzの電波なので、自由空間波長は4.4mmで規格化して考える必要がある。つまりRを放射あるいは受信する電波の自由空間波長の2/3程度以上とすると、水平方向の放射強度を最大とすることが出来ることとなる。
【0038】
次に、本発明の第2実施例について説明する。
【0039】
図8は本発明の第2実施例の68GHz同軸線路アンテナを斜め上方から見た斜視図である。
【0040】
この図において、210は台座で、図には記載されていないがWR15矩形導波管に接続される。また、211は反射板である。
【0041】
この図ではアンテナ放射部のみを示しているが、同軸線路200の他の端は、WR15矩形導波管210に変換し、アンテナ特性を評価した。第2実施例では、第1実施例に比べ、材質がアルミニウムの円錐状のひさし208の大きさを小さくすると共に、同軸線路200の後方に材質がアルミニウムの反射板211を設けている。
【0042】
図9にその同軸線路アンテナの寸法を示した。反射板211の幅L7 は20mm、円錐状のひさし208の直径L8 は8mmであり、同軸線路200と反射板211の間隔は、約λ/4(λ:自由空間波長)である1.25mmとした。 以下、その68GHz同軸線路アンテナの動作について説明する。
【0043】
第2実施例では、第1実施例と同様に、同軸線路200の端の外導体202の外側に、傾斜角度が36度の円錐状のひさし208を設けており、外導体202に流れる電流はこの円錐状のひさし208を流れることになる。このため、第1実施例と同様に、垂直面内での放射パターンは、水平方向にアンテナゲインの最大値を持つ。
【0044】
更に、第2実施例では、第1実施例に加え、同軸線路アンテナの後方に反射板211を設けている。反射板211の大きさは、アンテナより放射する電波の周波数の自由空間波長より十分大きければよく、実施例では放射する電波の周波数は68GHz、その自由空間波長は4.4mmで、反射板211の大きさは幅20mmと十分な大きさとなっている。
【0045】
反射板211の位置は、同軸線路放射部より後方1.25mmで、自由空間波長の約1/4となっている。このため、同軸線路放射部より後方に放射した電波は、反射板211で反射し位相が反転し前方に進む。同軸線路放射部より前方に進む波とこの反射波は位相が同一となるため、前方に進む電波は強度が増大する。
【0046】
以上説明したように、第2実施例のアンテナでは、垂直面内の放射パターンは水平方向に最大の強度を持ち、水平面内の放射パターンは前方に最大の強度を持つ。なお、水平面内での放射パターン、たとえば3dBゲインの半値角は、反射板の位置を少しずらすことで変えることが出来る。
【0047】
以上述べたように、第2実施例では第1実施例に加え、後方に反射板を設けたため、垂直面内では水平方向がアンテナゲインの最大方向となるだけでなく、水平方向ではアンテナの前方がアンテナゲインの最大となる。また放射パターンが絞られたため、最大のアンテナゲインも第1実施例より高い値が得られる。このことを定量的に示すために、第2実施例のアンテナの放射パターンの計算値を、垂直面内は図10に、水平面内は図11に示す。また実際に得られた放射パターンとアンテナゲインを図12、図13、図14に示す。
【0048】
図中のθ,φは極座標での角度で、図8中にも示したが、θは垂直面内の垂直方向からの角度、φは水平面内の前方からの角度を表す。第2実施例では、垂直面内では図10より、θ=90度の水平方向がアンテナゲインの最大値となっており、図11より水平面内では前方にのみアンテナゲインが高い値を持っていることが分かる。最大のアンテナゲインは6〜7dBが得られており、第1実施例に比べ高い値が得られている。実測された値、図12〜14も計算値とほぼ一致している。
【0049】
次に、本発明の第3実施例について説明する。
【0050】
第3実施例で作製した68GHzのアンテナを斜め上から見た図を図15に、その寸法を図16に示す。第3実施例では、第2実施例と比べ、第2実施例で設けていた同軸線路の先端の外導体に接して付けた円錐状のひさし208を、直線状のひさし209としたことが異なる。ひさしの材質はアルミニウムとした。ひさし以外は第2実施例と同じである。また、図16に示すように、直線状のひさし209のL9 は4mm、高さL10は2.5mmである。
【0051】
以下、この第3実施例の動作について説明する。
【0052】
第3実施例では、第2実施例と同様に、同軸線路アンテナ放射部の後方に反射板を設けた。これにより、同軸線路200からの電波は前方に放射される。電波が前方に放射される場合、その電波に対し、外導体に設けたひさし209に流れる電流のうち前方に流れる電流が放射に寄与するため、ひさしの形状は第3実施例のように前方向のみに傾いた直線状のひさし209で十分である。
【0053】
第3実施例の形状のアンテナの放射パターンを電磁界解析で計算した。計算結果を図17、図18に示す。
【0054】
第3実施例では直線状のひさしを外導体に設けたが、放射パターンは、垂直面内では第1実施例、第2実施例と同様に水平方向の放射強度が強くなっており、また、水平面内の放射パターンも前方にのみ放射していることが分かる。アンテナゲインも約6dBiと高い値が得られている。
【0055】
第3実施例では直線状のひさしを設けたが、図19に示すように、反射板およびひさしを傾け、水平面内での放射パターンの放射角度を制御することも可能である。つまり、図19のReflector Angleを180度より大きくすれば水平面内の放射角度は広がり、180度より小さくすれば放射角度が狭まる。
【0056】
更に、本発明によれば、以下のような利用形態を有することができる。
【0057】
本発明の同軸線路アンテナは、構造が簡単で小型化できることより、小型無線装置のアンテナとして用いることが出来る。水平方向の放射角度が広いことより、基地局用アンテナ、あるいはアドホック的に送受信する無線LANシステムのアンテナとして有用である。また、広い領域をモニターする無線センサーのアンテナとしても有用である。
【0058】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0059】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、同軸線路形状が小さくなった場合にも実現が可能であり、構造が簡単で小型化できる同軸線路アンテナを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の同軸線路の構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例の同軸線路アンテナを斜め上から見た斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例を示す同軸線路アンテナの側面図である。
【図4】本発明の第1実施例を示す同軸線路アンテナの断面寸法を示す図である。
【図5】電磁界解析で用いた構造と放射角度(θ)を示す図である。
【図6】α=90,74,56度としたときの放射パターンを示す図である。
【図7】α=43,34,28度としたときの放射パターンを示す図である。
【図8】本発明の第2実施例の同軸線路アンテナを斜め上から見た斜視図である。
【図9】本発明の第2実施例を示す同軸線路アンテナの正面寸法を示す図である。
【図10】本発明の第2実施例のアンテナの垂直面内での放射パターンの計算値を示す図である。
【図11】本発明の第2実施例のアンテナの水平面内での放射パターンの計算値を示す図である。
【図12】本発明の第2実施例のアンテナの垂直面内での放射パターンの実測値を示す図である。
【図13】本発明の第2実施例のアンテナの水平面内での放射パターンの実測値を示す図である。
【図14】本発明の第2実施例のアンテナのアンテナゲインの周波数依存性の実測値(θ=90°、φ=0°)を示す図である。
【図15】本発明の第3実施例を示す同軸線路アンテナを斜め上から見た斜視図である。
【図16】本発明の第3実施例を示す同軸線路アンテナの側面寸法を示す図である。
【図17】本発明の第3実施例のアンテナの垂直面内の放射パターンを示す図である。
【図18】本発明の第3実施例のアンテナの水平面内の放射パターンを示す図である。
【図19】本発明の第3実施例の変形例を示す図である。
【図20】本発明の円錐のひさしを半径Rの円筒形状に切り取ったときの放射パターンを示した図である。
【符号の説明】
101,201 内導体
102,202 外導体
103 誘電体
200 同軸線路
204 傘状(円錐状)のひさし(突起)
206 固定ネジ
208 円錐状のひさし
209 直線状のひさし
210 台座
211 反射板
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波アンテナに係り、特に、同軸線路アンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような分野の先行技術文献としては、新アンテナ工学−移動通信時代のアンテナ技術−、新井 宏之著、総合電子出版、1996年4月9日第1版28〜30頁、75〜76頁に開示されるようなものがあった。
【0003】
上記従来の同軸線路アンテナは「1.8.2 同軸線路とスリーブアンテナ」に記載されているように、その形状は「内導体のみを残して外導体を取り去ると、その内導体に流れている電流によって放射が生じる」(上記文献の28頁下から1行目〜第29頁1行目記載)構成となっており、その内導体を残す長さは、λ/4(上記文献の図1.29参照)と示されている。
【0004】
また、電波の放射の方向を反射板で制御する方法が記載されており、「ダイポールアンテナの場合で、ダイポールアンテナを反射板からλ/4の位置に置くとき」(上記文献の75頁2行目〜3行目参照)に、「z>0でz軸方向に最大放射方向を持つ単方向指向性が得られる」(上記文献の75頁7行目参照)構成となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の同軸線路によるアンテナでは、「同軸線路の外導体を流れる電流は、外導体の内側を流れており、同軸線路を用いてアンテナを構成するときに問題となるのが、この外導体を流れる電流である。」と記述されている(上記文献28頁下から4行目〜2行目参照)。
【0006】
具体的には、「外導体の内側を流れてきた電流は、外導体の先端で反射し、その電流の一部は外導体の外側に漏れてしまう。外導体の外側に漏れた電流によって生じる放射は、所望の電波の放射の妨げとなる。」(上記文献29頁1行目〜4行目参照)と記述されている。この外側に漏れる電流を阻止する構造が、スリーブアンテナ(上記文献29頁の図1.29参照)として示されている。
【0007】
しかし、上記したように、スリーブアンテナは構造が複雑で、特に同軸線路形状が小さくなったとき実現が困難であるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記状況に鑑みて、同軸線路形状が小さくなった場合にも実現が可能であり、構造が簡単で小型化できる同軸線路アンテナを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕内導体と外導体間に誘電体を有する同軸線路の先端を、前記内導体だけを、放射あるいは受信する電波の波長の1/4程度の長さを残し、前記同軸線路の先端より電波を放射あるいは受信するアンテナにおいて、前記同軸線路の外導体に円錐状の導電性の突起を設けることを特徴とする。
【0010】
〔2〕上記〔1〕記載の同軸線路アンテナにおいて、前記円錐状の導電性の突起の円錐部の傾斜角度を40度程度以下とし、前記同軸線路の垂直方向のアンテナゲインを高くすることを特徴とする。
【0011】
〔3〕上記〔1〕記載の同軸線路アンテナにおいて、前記円錐状の導電性の突起の円錐部の傾斜角度により同軸線路方向の放射パターンを制御することを特徴とする。
【0012】
〔4〕上記〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載の同軸線路アンテナにおいて、前記円錐状の導電性の突起の底辺の円の直径が、アンテナが放射あるいは受信する電波の自由空間波長の2/3程度以上であることを特徴とする。
【0013】
〔5〕上記〔1〕、〔2〕、〔3〕又は〔4〕記載の同軸線路アンテナにおいて、電波を放射あるいは受信する同軸線路の先端の後方の、アンテナが放射あるいは受信する電波の波長の1/4程度の位置に、放射あるいは受信する電波の波長より十分に大きな反射板を設けることを特徴とする。
【0014】
〔6〕内導体と外導体間に誘電体を有する同軸線路の先端を、前記内導体だけを、放射あるいは受信する電波の波長の1/4程度の長さ残し、前記同軸線路の先端より電波を放射あるいは受信するアンテナで、前記同軸線路の先端の後方の、放射あるいは受信する電波の波長の1/4程度の位置に、放射あるいは受信する電波の波長より十分に大きな反射板を設けたアンテナにおいて、前記同軸線路の外導体の前方が、傾斜角を持った導電性の斜面を有する突起を有することを特徴とする。
【0015】
〔7〕上記〔6〕記載の同軸線路アンテナにおいて、前記突起の斜面の傾斜角度を40度程度以下とし、前記同軸線路の垂直方向のアンテナゲインを高くすることを特徴とする。
【0016】
〔8〕上記〔6〕記載の同軸線路アンテナにおいて、前記突起の斜面の傾斜角度により、同軸線路方向の放射パターンを制御することを特徴とする。
【0017】
〔9〕上記〔6〕、〔7〕又は〔8〕記載の同軸線路アンテナにおいて、前記突起の斜面が前方に、アンテナが放射あるいは受信する電波の自由空間波長の2/3程度以上あることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
まず本発明の第1実施例を示す同軸線路のアンテナについて説明する。
【0020】
すべての実施例では、同じ同軸線路を用いている。
【0021】
図1は本発明の第1実施例の同軸線路の構造を示す斜視図である。
【0022】
この実施例では、銅の内導体101、外導体102とその間に挟まれているテフロン(登録商標)からなる誘電体103からなる。内導体101の直径L1 は0.29mmの円柱、外導体102は内径L2 が0.94mm、外径L3 が1.19mmの円筒形となっている。誘電体103の誘電率は2.02で、この線路の特性インピーダンスは50Ωとなっている。この同軸線路の高次のモードは、117GHz以上で、その周波数までは単一モードの伝送が可能となっている。
【0023】
第1実施例で、68GHz同軸線路アンテナを説明する。
【0024】
図2は本発明の第1実施例を示す同軸線路アンテナをその斜め上方から見た斜視図、図3はその同軸線路アンテナの側面図、図4はその同軸線路アンテナの断面寸法を示す図である。
【0025】
これらの図において、200は同軸線路、201は内導体、202は外導体、204は傘状(円錐状)のひさし(突起)、206は固定ネジである。
【0026】
これらの図から明らかなように、第1実施例では、同軸線路200の先端で、内導体201のみ1.2mm(L5 )残しており、ここより電波が放射される。さらにこの第1実施例では、アルミニウムで加工した傘状(円錐状)のひさし204を設けている。この傘状のひさし204の半径L4 は10mm、高さL6 は5mm(図5参照)であり、図4に示す固定ネジ206で同軸線路200と固定されている。同軸線路200の下の端(図4のポートportA)は、この実施例では、図には記載されていないが導波管同軸変換器を通してWR15矩形導波管に変換し、アンテナの特性を評価した。
【0027】
前述したように、portAはWR15矩形導波管に変換される。このWR15の矩形導波管より68GHzの信号を入力すると、その68GHzの信号は同軸線路200に伝わり、先端を1.2mm残した内導体201より空間に放射される。このとき、従来技術で述べたように、外導体202にも電流が流れる。
【0028】
本発明では、外導体202には傘状のひさし204が設けてあるため、外導体202に流れる電流は傘状のひさし204の表面を流れることになる。電波は、先端の内導体201を流れる電流と傘状のひさし204を流れる電流により放射される。放射の方向は、水平面内は同一の強度で、垂直面内はひさし204の角度αにより制御される。この実施例では、傘状の斜面の傾斜角度αを28度(図4参照)としたため、垂直面内は、ほぼ水平方向の強度が強くなっている。
【0029】
以上のように、第1実施例では、同軸線路200の先端の外導体202に傘状のひさし204を設けたので、その傾斜角度αによって同軸線路アンテナの垂直面内での放射パターンの制御が可能となった。傘状のひさし204の傾斜角度αと垂直面内での放射パターンの関係については、電磁界解析を用い詳細に検討を行った。
【0030】
電磁界解析で用いた形状を図5に示す。解析では傘状のひさし204の傾斜角度αの値を変え、周波数が68GHzの場合の、垂直面内での放射パターンを計算した。計算結果を図6及び図7に示す。
【0031】
図6及び図7では、垂直方向からの角度θ(図5参照)を角度方向、半径方向をアンテナゲインとした極座標で放射パターンを表している。図6に示すように、α=90度は傘状のひさしが無い場合である。傘状のひさしが無いと、放射パターンはθ=140度(あるいは220度)方向の強度が高くなっている。
【0032】
角度αを減らして行くと、α=56度では、図6に示すように、θ=120度(あるいは240度)方向が、α=43度では、図7に示すように、θ=110度(あるいは250度)方向がアンテナゲイン最大の方向に変わっていくのが分かる。
【0033】
また、図7から明らかなように、α=34度あるいは28度としたときは、ほぼ水平方向〔θ=90度(あるいは270度)〕の強度が強くなっており、さらに、最大のアンテナゲインも約5dBと高い値が得られる。
【0034】
以上の計算結果で示したように、傘状のひさし204を設けその傘状のひさし204の傾斜角度αを40度程度以下とすることにより、水平方向が最大強度となるように制御することが可能であり、さらに最大のアンテナゲインも増大することが分かった。第1実施例で述べた同軸線路アンテナでは、傘状のひさし204の傾斜角度を28度としたので、水平〔θ=90度(あるいは270度)〕方向で最大のアンテナゲイン、約5dBが得られた。
【0035】
第1実施例では水平方向が最大のアンテナゲインとなるようにしたが、傾斜角度を変えることにより、最大のアンテナゲインとなる放射角度が制御できる。例えば、図6より傾斜角度αを56度とすると、水平方向より下方20度〔θ=110度(あるいは250度)〕の方向で最大のアンテナゲインが得られる。
【0036】
次に、電磁界解析で計算し、傘状のひさし204の大きさがどの程度必要か検討した。解析で用いた構造は図5に示した構造で、傘状のひさし204の傾斜角度αを30度とし、その傘状のひさし204を半径Rの円筒で切り取り、切り取る円筒の半径Rを変えた時の放射パターンを比較した。
【0037】
図20に得られた結果を示した。図20より、Rを3mm程度以上とると、水平方向の放射強度を最大とすることが出来ることが分かり、Rを7mm程度以上とすると最大のアンテナゲインも増大することが分かった。なお、半径Rの数値は、アンテナの放射あるいは受信する電波の自由空間波長で規格化して考えるべきであり、以上で述べた場合は68GHzの電波なので、自由空間波長は4.4mmで規格化して考える必要がある。つまりRを放射あるいは受信する電波の自由空間波長の2/3程度以上とすると、水平方向の放射強度を最大とすることが出来ることとなる。
【0038】
次に、本発明の第2実施例について説明する。
【0039】
図8は本発明の第2実施例の68GHz同軸線路アンテナを斜め上方から見た斜視図である。
【0040】
この図において、210は台座で、図には記載されていないがWR15矩形導波管に接続される。また、211は反射板である。
【0041】
この図ではアンテナ放射部のみを示しているが、同軸線路200の他の端は、WR15矩形導波管210に変換し、アンテナ特性を評価した。第2実施例では、第1実施例に比べ、材質がアルミニウムの円錐状のひさし208の大きさを小さくすると共に、同軸線路200の後方に材質がアルミニウムの反射板211を設けている。
【0042】
図9にその同軸線路アンテナの寸法を示した。反射板211の幅L7 は20mm、円錐状のひさし208の直径L8 は8mmであり、同軸線路200と反射板211の間隔は、約λ/4(λ:自由空間波長)である1.25mmとした。 以下、その68GHz同軸線路アンテナの動作について説明する。
【0043】
第2実施例では、第1実施例と同様に、同軸線路200の端の外導体202の外側に、傾斜角度が36度の円錐状のひさし208を設けており、外導体202に流れる電流はこの円錐状のひさし208を流れることになる。このため、第1実施例と同様に、垂直面内での放射パターンは、水平方向にアンテナゲインの最大値を持つ。
【0044】
更に、第2実施例では、第1実施例に加え、同軸線路アンテナの後方に反射板211を設けている。反射板211の大きさは、アンテナより放射する電波の周波数の自由空間波長より十分大きければよく、実施例では放射する電波の周波数は68GHz、その自由空間波長は4.4mmで、反射板211の大きさは幅20mmと十分な大きさとなっている。
【0045】
反射板211の位置は、同軸線路放射部より後方1.25mmで、自由空間波長の約1/4となっている。このため、同軸線路放射部より後方に放射した電波は、反射板211で反射し位相が反転し前方に進む。同軸線路放射部より前方に進む波とこの反射波は位相が同一となるため、前方に進む電波は強度が増大する。
【0046】
以上説明したように、第2実施例のアンテナでは、垂直面内の放射パターンは水平方向に最大の強度を持ち、水平面内の放射パターンは前方に最大の強度を持つ。なお、水平面内での放射パターン、たとえば3dBゲインの半値角は、反射板の位置を少しずらすことで変えることが出来る。
【0047】
以上述べたように、第2実施例では第1実施例に加え、後方に反射板を設けたため、垂直面内では水平方向がアンテナゲインの最大方向となるだけでなく、水平方向ではアンテナの前方がアンテナゲインの最大となる。また放射パターンが絞られたため、最大のアンテナゲインも第1実施例より高い値が得られる。このことを定量的に示すために、第2実施例のアンテナの放射パターンの計算値を、垂直面内は図10に、水平面内は図11に示す。また実際に得られた放射パターンとアンテナゲインを図12、図13、図14に示す。
【0048】
図中のθ,φは極座標での角度で、図8中にも示したが、θは垂直面内の垂直方向からの角度、φは水平面内の前方からの角度を表す。第2実施例では、垂直面内では図10より、θ=90度の水平方向がアンテナゲインの最大値となっており、図11より水平面内では前方にのみアンテナゲインが高い値を持っていることが分かる。最大のアンテナゲインは6〜7dBが得られており、第1実施例に比べ高い値が得られている。実測された値、図12〜14も計算値とほぼ一致している。
【0049】
次に、本発明の第3実施例について説明する。
【0050】
第3実施例で作製した68GHzのアンテナを斜め上から見た図を図15に、その寸法を図16に示す。第3実施例では、第2実施例と比べ、第2実施例で設けていた同軸線路の先端の外導体に接して付けた円錐状のひさし208を、直線状のひさし209としたことが異なる。ひさしの材質はアルミニウムとした。ひさし以外は第2実施例と同じである。また、図16に示すように、直線状のひさし209のL9 は4mm、高さL10は2.5mmである。
【0051】
以下、この第3実施例の動作について説明する。
【0052】
第3実施例では、第2実施例と同様に、同軸線路アンテナ放射部の後方に反射板を設けた。これにより、同軸線路200からの電波は前方に放射される。電波が前方に放射される場合、その電波に対し、外導体に設けたひさし209に流れる電流のうち前方に流れる電流が放射に寄与するため、ひさしの形状は第3実施例のように前方向のみに傾いた直線状のひさし209で十分である。
【0053】
第3実施例の形状のアンテナの放射パターンを電磁界解析で計算した。計算結果を図17、図18に示す。
【0054】
第3実施例では直線状のひさしを外導体に設けたが、放射パターンは、垂直面内では第1実施例、第2実施例と同様に水平方向の放射強度が強くなっており、また、水平面内の放射パターンも前方にのみ放射していることが分かる。アンテナゲインも約6dBiと高い値が得られている。
【0055】
第3実施例では直線状のひさしを設けたが、図19に示すように、反射板およびひさしを傾け、水平面内での放射パターンの放射角度を制御することも可能である。つまり、図19のReflector Angleを180度より大きくすれば水平面内の放射角度は広がり、180度より小さくすれば放射角度が狭まる。
【0056】
更に、本発明によれば、以下のような利用形態を有することができる。
【0057】
本発明の同軸線路アンテナは、構造が簡単で小型化できることより、小型無線装置のアンテナとして用いることが出来る。水平方向の放射角度が広いことより、基地局用アンテナ、あるいはアドホック的に送受信する無線LANシステムのアンテナとして有用である。また、広い領域をモニターする無線センサーのアンテナとしても有用である。
【0058】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0059】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、同軸線路形状が小さくなった場合にも実現が可能であり、構造が簡単で小型化できる同軸線路アンテナを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の同軸線路の構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例の同軸線路アンテナを斜め上から見た斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例を示す同軸線路アンテナの側面図である。
【図4】本発明の第1実施例を示す同軸線路アンテナの断面寸法を示す図である。
【図5】電磁界解析で用いた構造と放射角度(θ)を示す図である。
【図6】α=90,74,56度としたときの放射パターンを示す図である。
【図7】α=43,34,28度としたときの放射パターンを示す図である。
【図8】本発明の第2実施例の同軸線路アンテナを斜め上から見た斜視図である。
【図9】本発明の第2実施例を示す同軸線路アンテナの正面寸法を示す図である。
【図10】本発明の第2実施例のアンテナの垂直面内での放射パターンの計算値を示す図である。
【図11】本発明の第2実施例のアンテナの水平面内での放射パターンの計算値を示す図である。
【図12】本発明の第2実施例のアンテナの垂直面内での放射パターンの実測値を示す図である。
【図13】本発明の第2実施例のアンテナの水平面内での放射パターンの実測値を示す図である。
【図14】本発明の第2実施例のアンテナのアンテナゲインの周波数依存性の実測値(θ=90°、φ=0°)を示す図である。
【図15】本発明の第3実施例を示す同軸線路アンテナを斜め上から見た斜視図である。
【図16】本発明の第3実施例を示す同軸線路アンテナの側面寸法を示す図である。
【図17】本発明の第3実施例のアンテナの垂直面内の放射パターンを示す図である。
【図18】本発明の第3実施例のアンテナの水平面内の放射パターンを示す図である。
【図19】本発明の第3実施例の変形例を示す図である。
【図20】本発明の円錐のひさしを半径Rの円筒形状に切り取ったときの放射パターンを示した図である。
【符号の説明】
101,201 内導体
102,202 外導体
103 誘電体
200 同軸線路
204 傘状(円錐状)のひさし(突起)
206 固定ネジ
208 円錐状のひさし
209 直線状のひさし
210 台座
211 反射板
Claims (9)
- 内導体と外導体間に誘電体を有する同軸線路の先端を、前記内導体だけを、放射あるいは受信する電波の波長の1/4程度の長さを残し、前記同軸線路の先端より電波を放射あるいは受信するアンテナにおいて、前記同軸線路の外導体に円錐状の導電性の突起を設けることを特徴とする同軸線路アンテナ。
- 請求項1記載の同軸線路アンテナにおいて、前記円錐状の導電性の突起の円錐部の傾斜角度を40度程度以下とし、前記同軸線路の垂直方向のアンテナゲインを高くすることを特徴とする同軸線路アンテナ。
- 請求項1記載の同軸線路アンテナにおいて、前記円錐状の導電性の突起の円錐部の傾斜角度により同軸線路方向の放射パターンを制御することを特徴とする同軸線路アンテナ。
- 請求項1、2又は3記載の同軸線路アンテナにおいて、前記円錐状の導電性の突起の底辺の円の直径が、アンテナが放射あるいは受信する電波の自由空間波長の2/3程度以上であることを特徴とする同軸線路アンテナ。
- 請求項1、2、3又は4記載の同軸線路アンテナにおいて、電波を放射あるいは受信する同軸線路の先端の後方の、アンテナが放射あるいは受信する電波の波長の1/4程度の位置に、放射あるいは受信する電波の波長より十分に大きな反射板を設けたことを特徴とする同軸線路アンテナ。
- 内導体と外導体間に誘電体を有する同軸線路の先端を、前記内導体だけを、放射あるいは受信する電波の波長の1/4程度の長さ残し、前記同軸線路の先端より電波を放射あるいは受信するアンテナで、前記同軸線路の先端の後方の、放射あるいは受信する電波の波長の1/4程度の位置に、放射あるいは受信する電波の波長より十分に大きな反射板を設けたアンテナにおいて、前記同軸線路の外導体の前方が、傾斜角を持った導電性の斜面を有する突起を有することを特徴とする同軸線路アンテナ。
- 請求項6記載の同軸線路アンテナにおいて、前記突起の斜面の傾斜角度を40度程度以下とし、前記同軸線路の垂直方向のアンテナゲインを高くすることを特徴とする同軸線路アンテナ。
- 請求項6記載の同軸線路アンテナにおいて、前記突起の斜面の傾斜角度により、同軸線路方向の放射パターンを制御することを特徴とする同軸線路アンテナ。
- 請求項6、7又は8記載の同軸線路アンテナにおいて、前記突起の斜面が前方に、アンテナが放射あるいは受信する電波の自由空間波長の2/3程度以上あることを特徴とする同軸線路アンテナ。
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