JP2004200824A

JP2004200824A - 送信電力制御方式

Info

Publication number: JP2004200824A
Application number: JP2002364577A
Authority: JP
Inventors: Taisuke Hosokawa; 泰輔細川
Original assignee: NEC Corp
Current assignee: NEC Corp
Priority date: 2002-12-17
Filing date: 2002-12-17
Publication date: 2004-07-15
Anticipated expiration: 2022-12-17
Also published as: US20040127246A1; US7187942B2; CN1508986A; JP4099759B2; EP1432141A3; EP1432141A2

Abstract

【課題】基地局および移動局間でＷ−ＣＤＭＡ方式等で無線通信する場合に、通信環境が変化した場合に、迅速且つ円滑に対応可能な送信電力制御制御方式を提供する。
【解決手段】目標ＳＩＲ制御部１４に復調部１３からの通信品質目標値、通信品質測定部１１からの通信品質測定値、メモリ１５からのＳＩＲ目標値およびＳＩＲ測定部１２からのＳＩＲ測定値をそれぞれ読み出し、目標ＳＩＲと受信ＳＩＲ（測定値）との追従度合を判断してＳＩＲ目標値を設定する。
【選択図】図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は送信電力制御方式に関し、特にＷ−ＣＤＭＡ（Wideband Code Division Multi Access）方式の移動無線通信におけるアウターループ送信電力制御方式に関する。
【０００２】
【従来の技術】
Ｗ−ＣＤＭＡ方式におけるアウターループ送信電力制御は、移動局（又は基地局）がＢＬＥＲ（ブロック誤り率）やＢＥＲ（ビット誤り率）等の通信品質を測定し、目標とする通信品質との比較結果から目標ＳＩＲ（希望信号電力対雑音電力比）を制御するものである。これにより基地局の送信電力を間接的に制御することができ、所望の通信品質を得られる。しかし、通信品質の比較のみを判断基準として目標ＳＩＲの制御を行うと、基地局の送信電力が最大値や最小値に張り付いたときに、適切な目標ＳＩＲの制御ができない場合がある。
【０００３】
即ち、Ｗ−ＣＤＭＡ方式では、全てのチャネルが同じ周波数を使用するため、他の通信チャネルからの干渉を受ける。この干渉量は、回線容量を決める主な要因となるので、基地局の送信電力をできるだけ小さくする方が回線容量の面で望ましい。一方、移動機での通信品質は、受信ＳＩＲに依存する。つまり、基地局の送信電力を大きくすると、受信ＳＩＲも大きくなり、通信品質は向上する。従って、利用するサービスに必要な通信品質を満足し且つできるだけ小さな送信電力となるように最適送信電力を設定することが必要となる。
【０００４】
無線通信の場合には、有線通信の場合と異なり、周辺の環境の変化や移動局（又は移動機）が移動することにより一定の受信ＳＩＲを得るために必要な基地局の送信電力が変化する。更に、一定の通信品質を得るために必要な受信ＳＩＲも変化する。
【０００５】
Ｗ−ＣＤＭＡ方式では、以上のことを考慮して、回線容量および通信品質の両方を最適化できるように送信電力制御方法が規定されている。送信電力の制御は２段階で行われる。１つの方法は、目標となるＳＩＲを設定し、受信ＳＩＲが目標ＳＩＲとなるように、基地局に送信電力の制御信号を送るものである（インナーループ送信電力制御）。基地局は、受信した制御信号に従って送信電力を制御する。以下に簡単に動作を述べる。
受信ＳＩＲ＜目標ＳＩＲの場合：送信電力ＵＰ要求の制御信号を送信
受信ＳＩＲ＞目標ＳＩＲの場合：送信電力ＤＯＷＮ要求の制御信号を送信
【０００６】
もう１つの方法は、一定時間毎に通信品質を測定し、所望の通信品質と比較した結果から目標ＳＩＲを制御するものである（アウターループ送信電力制御）。以下に簡単に動作を述べる。
測定した通信品質が所望の通信品質より悪い場合：目標ＳＩＲをＵＰ
測定した通信品質が所望の通信品質より良い場合：目標ＳＩＲをＤＯＷＮ
一般に、アウターループ送信電力制御は、インナーループ送信電力制御よりも制御のスピードが遅い。これは、ＳＩＲの測定よりも通信品質の測定の方が時間を要するからである。
【０００７】
斯かる無線通信における送信電力制御方法、装置およびシステムに関する一般的技術は、種々の文献に開示されている（例えば、特許文献１および特許文献２参照。）。
【０００８】
【特許文献１】
特開２００２−１８５３９８号公報（第５頁、第７図）
【特許文献２】
再公表特許ＷＯ９７／５０１９７号公報（第９頁、第２図）
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の課題を、図５および図６の説明図を参照して説明する。これら図５および図６は、横軸に時間をとり、縦方向に順次重ねてそれぞれ基地局の送信電力（（Ａ）参照）、ＳＩＲ（（Ｂ）参照）およびＢＬＥＲ（（Ｃ）参照）を示す。（Ａ）に示す如く、基地局は、移動機から送られてくる制御信号に従って送信電力の制御を行う。しかし、送信電力には最大値および最小値が設定されている。従来の如く通信品質のみに基づいて目標ＳＩＲの制御を行うと、基地局の送信電力は最大値だが、通信品質が所望の通信品質より悪い場合には、目標ＳＩＲは通信品質が悪いために大きくなる。
【００１０】
一方、受信ＳＩＲは、基地局の送信電力が最大値となっているため、目標ＳＩＲに追随しない状態となる（図５の状態Ａ）。この状態Ａから、通信環境が急に良くなった場合、即ち基地局の送信電力が最大値より小さい値でも所望の通信品質が得られる環境になったとき、大きい値になっている目標ＳＩＲに受信ＳＩＲが追従する（図５の状態Ｂ）。その後、受信ＳＩＲが大きいため通信品質が良い状態が続き、徐々に目標ＳＩＲが小さくなる（図５の状態Ｃ）。そして、最終的には適切な目標ＳＩＲに落ち着く（図５の状態Ｄ）。以上の処理では、過剰な送信電力の状態が時間Ｅだけ続き、適切な目標ＳＩＲに収束するまでの時間が長いので、回線容量の面で好ましくない。これは、図５の状態Ａのときに基地局の送信電力が最大値のため、受信ＳＩＲは増加しないのにも拘らず、通信品質のみを判断基準として目標ＳＩＲを大きくしていることに起因している。
【００１１】
また、逆に基地局の送信電力は最小値だが、通信品質が所望の通信品質より良い場合には、目標ＳＩＲは通信品質が良いために小さくなる。一方、受信ＳＩＲは、基地局の送信電力が最小値となっているため、目標ＳＩＲに追従しない状態となる（図６の状態Ａ）。この状態Ａから、通信環境が急に悪くなった場合、即ち基地局の送信電力が最小値では通信品質が悪い又は通信が維持できないような環境になったとき、受信ＳＩＲが急激に目標ＳＩＲに追随して小さくなる（図６の状態Ｂ）。その後、受信ＳＩＲが小さいために、通信品質が悪化して目標ＳＩＲ、受信ＳＩＲが大きくなる（図６の状態Ｃ）。そして、最終的に適切な目標ＳＩＲに落ち着く（図６の状態Ｄ）。
【００１２】
ここで問題となるのは、状態ＢでＳＩＲが小さくなることである。目標ＳＩＲのＵＰ制御は、通信品質が悪いと判断してから行うので、受信ＳＩＲが目標ＳＩＲに追随するスピードと比較すると遅い。従って、通信品質が悪いと判断して目標ＳＩＲをＵＰする前に、通信品質が劣化して通信を切断する可能性がある。これは、図６の状態Ａのときに、受信ＳＩＲが目標ＳＩＲに追従していないにも拘らず、目標ＳＩＲを小さくしていることに起因している。
【００１３】
【発明の目的】
本発明は従来技術の上述した課題に鑑みなされたものであり、斯かる課題を解決又は軽減する送信電力制御方式を提供することを目的とする。
【００１４】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するため、本発明による送信電力制御方式は次のような特徴的な構成を採用している。
【００１５】
（１）基地局および移動局間で、無線により通信する際に、前記基地局から前記移動局への送信電力を目標ＳＩＲ（希望信号電力対雑音電力比）の使用により最適値に制御する送信電力制御方式において、
前記目標ＳＩＲを、前記通信の通信品質および前記目標ＳＩＲに対する受信ＳＩＲの追従度合に基づき設定する送信電力制御方式。
【００１６】
（２）前記目標ＳＩＲに対する受信ＳＩＲの追従度合は、前記目標ＳＩＲと受信ＳＩＲ測定値との差の絶対値により判断する上記（１）の送信電力制御方式。
【００１７】
（３）前記目標ＳＩＲに対する受信ＳＩＲの追従度合は、前記目標ＳＩＲと受信ＳＩＲ測定値の差の絶対値の時間積分値により判断する上記（１）の送信電力制御方式。
【００１８】
（４）前記目標値と測定値の差の絶対値を予め決められた閾値と比較し、該比較の結果に基づき前記目標ＳＩＲのＵＰ又はＤＯＷＮを行う上記（２）の送信電力制御方式。
【００１９】
（５）前記ＳＩＲ目標値は、メモリに格納されると共に、新たに設定されたＳＩＲ目標値も前記メモリに格納される上記（１）乃至（４）の何れかの送信電力制御方式。
【００２０】
（６）前記目標ＳＩＲの制御は、復調部から前記通信品質目標値を読み出し、通信品質測定部からの前記通信品質測定値を読み出し、メモリからＳＩＲ目標値を読み出し、ＳＩＲ測定部から前記ＳＩＲ測定値を読み出し、目標ＳＩＲ制御部により設定する上記（１）乃至（５）の何れかの送信電力制御方式。
【００２１】
（７）前記基地局および前記移動局間の無線通信は、アウターループ送信電力制御を使用するＷ−ＣＤＭＡ方式等の無線通信方式である上記（１）乃至（６）の何れかの送信電力制御方式。
【００２２】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による送信電力制御方式の好適実施形態の構成および動作を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【００２３】
先ず、図１は、本発明による送信電力制御方式の好適実施形態の構成を示すブロック図である。図１に示す本発明の送信電力制御方式を適用する送信電力制御部１０は、通信品質測定部１１、ＳＩＲ測定部１２、復調部１３、目標ＳＩＲ制御部１４およびメモリ１５を含んでいる。
【００２４】
次に、図１に示す送信電力制御方式１０を構成する各構成要素１１〜１５の主要機能を説明する。通信品質測定部１１は、ＢＥＲおよびＢＬＥＲ等の通信品質を示すパラメータを測定する。ＳＩＲ測定部１２は、受信信号のＳＩＲを測定する。復調部１３は、受信信号から各種データを復号する。この復号したデータの中に通信品質の目標値が含まれる。メモリ１５には、ＳＩＲの目標値が格納されている。目標ＳＩＲ制御部１４は、各部から通信品質の目標値と測定値、ＳＩＲの目標値と測定値を読み出し、ＳＩＲ目標値を算出する。また、算出した値をメモリ１５に設定する。
【００２５】
次に、図１および図２を参照して、本発明による送信電力制御方式全体の動作を説明する。目標ＳＩＲ制御部１４は、復調部１３から通信品質の目標値を読み出し（図１中のステップＳ１）、通信品質測定部１１から通信品質の測定値を読み出し（図１中のステップＳ２）、またメモリ１５からＳＩＲの目標値を読み出し（図１中のステップＳ３）、更にＳＩＲ測定部１２からＳＩＲ測定値を読み出す（図１のステップＳ４）。これら読み出した通信品質の目標値と測定値の比較結果と、目標ＳＩＲに対する受信ＳＩＲの追従の度合いから、目標ＳＩＲの制御を行う（図１のステップＳ５および図２参照）。通信品質の目標値と測定値の比較は、一定時間のＢＬＥＲ、ＢＥＲ、一定量のデータ受信時のＢＬＥＲおよびＢＥＲに加え、ＣＲＣ−ＮＧ数（巡回冗長検査）等の様々なパラメータで判断可能であるので、ここでは特に規定しない。また、目標ＳＩＲに対する受信ＳＩＲの追従の度合いは
｜ＳＩＲ目標値−ＳＩＲ測定値｜
としている。この値が小さいほど追従の度合いが大きい。
【００２６】
これら２つの判断基準「通信品質の目標値と測定値の比較」、「目標ＳＩＲに対する受信ＳＩＲの追従の度合」を用いて、目標ＳＩＲの制御条件を次のように規定する。
［目標ＳＩＲのＵＰ］
通信品質：目標値より測定値が悪い ∩ SIR：｜目標値−測定値｜＜α・・式Ｘ
（ここで、αは予め決められた閾値）
［目標ＳＩＲのＤＯＷＮ］
通信品質：目標値より測定値が良い ∩ SIR：｜目標値−測定値｜＜α・・式Ｙ
【００２７】
本発明では、目標ＳＩＲに対する受信ＳＩＲの追従度合が式Ｘの閾値α以上の場合にのみ、目標ＳＩＲを変化させる処理を行う。従って、基地局の送信電力が最大値や最小値に張り付いた場合には、上記式Ｘ、Ｙの条件を満たさないため、目標ＳＩＲの制御を行わない。
【００２８】
次に、それぞれ上述した図５および図６と対応する図３および図４を参照して、図５および図６で説明した課題が、本発明による制御により、どのように改善されるか説明する。基地局の送信電力が最大値で、通信品質が所望の通信品質より悪い状態の場合には、受信ＳＩＲが目標ＳＩＲに追従しない。このとき、通信品質が所望の通信品質より悪くても目標ＳＩＲのＵＰは行わない（図３の状態Ａ）。急に通信環境が良くなった場合には、目標ＳＩＲに受信ＳＩＲが追従することが可能である（図３の状態Ｂ）。その後、所望の通信品質に見合った目標ＳＩＲに収束する（図３の状態Ｃ）。本発明では、状態Ａのときに目標ＳＩＲの増加を抑えることが可能となるため、所望の通信品質に見合った目標ＳＩＲに迅速に収束する。
【００２９】
一方、基地局の送信電力が最小値で、通信品質が所望の通信品質より良い状態の場合にも、受信ＳＩＲが目標ＳＩＲに追従しない。このとき、通信品質が所望の通信品質より良くても、目標ＳＩＲをＤＯＷＮしない（図４の状態Ａ）。ここで、急に通信環境が悪くなった場合には、目標ＳＩＲに受信ＳＩＲが追従する（図４の状態Ｂ)。その後、所望の通信品質に見合った目標ＳＩＲに収束する（図４の状態Ｃ）。状態Ａのときに目標ＳＩＲが受信ＳＩＲ−αよりも小さくならないため、状態Ｂで通信環境が悪くなったときでも受信ＳＩＲの変化を抑えることが可能となる。その結果、通信品質が悪化し又は通信が切断する現象を改善可能である。
【００３０】
次に、本発明の他の実施形態又は変更例について説明する。上述した好適実施形態では、目標ＳＩＲに対する受信ＳＩＲの追従度合に、目標ＳＩＲと受信ＳＩＲの差の絶対値、即ち瞬時値を使用したが、目標ＳＩＲと受信ＳＩＲの差の時間積分値（即ち、∫｜目標ＳＩＲ−受信ＳＩＲ｜ｄｔ）等の他の式を使用してもよい。また、通信品質の目標値と測定値の比較は、一定時間のＢＬＥＲ、ＢＥＲ、一定量のデータ受信時のＢＬＥＲ、ＢＥＲに加え、ＣＲＣ−ＮＧ数等から判断してもよい。更に、上述した実施形態では、移動局側のアウターループ送信電力制御として扱ったが、基地局のアウターループ電力制御に適用してもよい。更にまた、本発明は、Ｗ−ＣＤＭＡ方式に限定されず、アウターループ送信電力制御を使用するものであれば、他の方式にも適用可能である。
【００３１】
以上、本発明による送信電力制御方式の好適実施形態の構成および動作を詳述した。しかし、斯かる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることに留意されたい。
【００３２】
【効果の説明】
以上の説明から明らかな如く、本発明の送信電力制御方式によると、次の如き実用上の顕著な効果が得られる。即ち、アウターループ送信電力制御において、従来の如く通信品質のみを判断基準として目標SIRの制御を行なうと、基地局の送信電力が最大値、最小値に張り付いたときに、適正な目標ＳＩＲの制御ができない場合がある。しかし、本発明の送信電力制御方式によると、目標ＳＩＲの制御を通信品質のみでなく、目標ＳＩＲに対する受信ＳＩＲ（測定値）の追従度合も考慮して判断することで、迅速に最適送信電力に設定可能になり、従来技術の課題を改善可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による送信電力制御方式の好適実施形態の構成を示すブロック図である。
【図２】本発明における目標ＳＩＲ制御方式の好適実施形態の具体的な説明図である。
【図３】本発明における通信環境が改善した場合の動作説明図である。
【図４】本発明における通信環境が悪化した場合の動作説明図である。
【図５】従来技術における通信環境が改善した場合の動作説明図である。
【図６】従来技術における通信環境が悪化した場合の動作説明図である。
【符号の説明】
１０送信電力制御部
１１通信品質測定部
１２ＳＩＲ測定部
１３復調部
１４目標ＳＩＲ制御部
１５メモリ（記憶部）

Claims

基地局および移動局間で、無線により通信する際に、前記基地局から前記移動局への送信電力を目標ＳＩＲ（希望信号電力対雑音電力比）の使用により最適値に制御する送信電力制御方式において、
前記目標ＳＩＲを、前記通信の通信品質および前記目標ＳＩＲに対する受信ＳＩＲの追従度合に基づき設定することを特徴とする送信電力制御方式。
前記目標ＳＩＲに対する受信ＳＩＲの追従度合は、前記目標ＳＩＲと受信ＳＩＲ測定値との差の絶対値により判断することを特徴とする請求項１に記載の送信電力制御方式。
前記目標ＳＩＲに対する受信ＳＩＲの追従度合は、前記目標ＳＩＲと受信ＳＩＲ測定値の差の絶対値の時間積分値により判断することを特徴とする請求項１に記載の送信電力制御方式。
前記目標値と測定値の差の絶対値を予め決められた閾値と比較し、該比較の結果に基づき前記目標ＳＩＲのＵＰ又はＤＯＷＮを行うことを特徴とする請求項２に記載の送信電力制御方式。
前記ＳＩＲ目標値は、メモリに格納されると共に、新たに設定されたＳＩＲ目標値も前記メモリに格納されることを特徴とする請求項１乃至４の何れかに記載の送信電力制御方式。
前記目標ＳＩＲの制御は、復調部から前記通信品質目標値を読み出し、通信品質測定部からの前記通信品質測定値を読み出し、メモリからＳＩＲ目標値を読み出し、ＳＩＲ測定部から前記ＳＩＲ測定値を読み出し、目標ＳＩＲ制御部により設定することを特徴とする請求項１乃至５の何れかに記載の送信電力制御方式。
前記基地局および前記移動局間の無線通信は、アウターループ送信電力制御を使用するＷ−ＣＤＭＡ方式等の無線通信方式であることを特徴とする請求項１乃至６の何れかに記載の送信電力制御方式。