JP2004200610A - 変圧器の油中シールド - Google Patents
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Abstract
【課題】変圧器の油中シールドにおいて、絶縁物である湿紙プレスボードの加工よりも加工時間を短縮する。絶縁物である湿紙プレスボードは、大気中の水分を吸湿しているので、乾燥と油含浸の必要があるが、これを必要としないものとして加工コストを軽減する。変圧器への取付作業時間を軽減する。湿紙プレスボードは、乾燥と油含浸後に吸湿するため、油タンク内での保管が必要であり、これを必要としないものとして保管コストを軽減する。
【解決手段】導電性芯金の表面に絶縁性エポキシ樹脂を塗装してコーティングした。
【選択図】 図１
【解決手段】導電性芯金の表面に絶縁性エポキシ樹脂を塗装してコーティングした。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、金属表面の微細な凹凸を平滑化することによる電界緩和を図るために表面に絶縁を施した変圧器の油中シールドに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の変圧器の油中シールドは、両端を内側に絞り込み加工した概略円筒状導電性芯金に対して、絶縁物である湿紙プレスボードを巻き付ける工程、巻き付けた湿紙プレスボードを芯金にゴムバンドで仮固定した状態で、湿紙プレスボードを丸棒を用いて成形加工する工程、さらに、芯金の内側軸方向に円筒状当て金具を固定した状態でゴムテープによって成形加工した湿紙プレスボードを締め付ける工程を経て、表面に絶縁を施した変圧器の油中シールドを製作している。
なお、この種の油中シールドを示すものとして、特許文献１がある。
【０００３】
【特許文献１】
実開昭５８−３７１１９号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の湿紙プレスボードの締め付けで製作される表面に絶縁を施した変圧器の油中シールドは、次のような問題点を有している。
（１）絶縁物である湿紙プレスボードの巻き付け、成形、締め付け時間が長く、加工工程も多いため、加工コストが高い。
（２）絶縁物である湿紙プレスボードは、大気中の水分を吸湿しているので、乾燥と油含浸の必要がある。
（３）変圧器への取付時に絶縁物である湿紙プレスボードが剥離し易い。
（４）湿紙プレスボードは、乾燥と油含浸後に吸湿するため、油タンク内での保管が必要であり、保管管理コストが高い。
【０００５】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、次のような効果を得ることを目的とする。
（１）絶縁物である湿紙プレスボードの加工（巻き付け、成形、締め付け）よりも加工時間を短縮する。
（２）絶縁物である湿紙プレスボードは、大気中の水分を吸湿しているので、乾燥と油含浸の必要があるが、これを必要としないものとして加工コストを軽減する。
（３）変圧器への取付時に絶縁物である湿紙プレスボードが剥離し易い問題を解消し、取付作業時間を軽減する。
（４）湿紙プレスボードは、乾燥と油含浸後に吸湿するため、油タンク内での保管が必要であり、これを必要としないものとして保管コストを軽減する。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる変圧器の油中シールドは、導電材料で形成され、表面に絶縁性エポキシ樹脂を塗装してコーティングしたものである。
【０００７】
【発明の実施の形態】
実施の形態１．
図１はこの発明の実施の形態１の変圧器の油中シールドを示す縦断面図である。図において、芯金１は例えばアルミニューム製円筒体を、その両端を絞り加工して成形した概略円筒状導電性芯金である。その表面には、塗装してコーティングした絶縁性エポキシ樹脂２が施されている。１６は油中シールドである。芯金１に絶縁性エポキシ樹脂２を塗装してコーティングすることにより、芯金１の金属表面の微細な凹凸は平滑化されて電界緩和が図られ、絶縁性能が安定化する。
【０００８】
図２は実施の形態１の油中シールドを製作する塗装前下地処理工程を示す斜視図である。成形した概略円筒状導電性芯金１は、移送ライン３に芯金吊下工具４により吊下げられ、順次移送される。この状態で、脱脂洗浄溶剤５がエアースプレー装置６により塗装表面全体に吹き付けられ、油分や異物が除去される。
【０００９】
図３は実施の形態１の油中シールドを製作する塗装工程を示す斜視図である。塗装前下地処理工程が済み、脱脂洗浄された芯金１は、順次移送され、移送ライン３に芯金吊下工具４により吊下げられた状態で、絶縁特性を保有しているエポキシ樹脂塗料７がエアースプレー装置８により塗装表面全体に吹き付け塗装される。エポキシ樹脂塗料７の塗装回数は例えば３回で合計膜厚は７０μｍ以上のコーティングを施す。
【００１０】
図４は実施の形態１で製作された油中シールドを変圧器に取付けた状態を示す部分断面図である。変圧器ケース１１にブッシングケース１２を経てブッシング１３が取付けられている。ブッシング１３の端子１４と絶縁リード１５との接続部に、エポキシ樹脂塗装により表面コーティングした油中シールド１６を取付ける。
【００１１】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の変圧器の油中シールドによれば、導電材料で形成され、表面に絶縁性エポキシ樹脂を塗装してコーティングしたので、つぎの効果が得られる。
（１）絶縁物である湿紙プレスボードの加工よりも加工時間を短縮できる。
（２）乾燥と油含浸を必要としないから、加工コストを軽減できる。
（３）変圧器への取付作業時間を軽減できる。
（４）油タンク内での保管を必要としないから、保管コストを軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の実施の形態１の変圧器の油中シールドを示す縦断面図である。
【図２】実施の形態１の油中シールドを製作する塗装前下地処理工程を示す斜視図である。
【図３】実施の形態１の油中シールドを製作する塗装工程を示す斜視図である。
【図４】実施の形態１で製作された油中シールドを変圧器に取付けた状態を示す部分断面図である。
【符号の説明】
１ 芯金 ２ エポキシ樹脂
３ 移送ライン ４ 芯金吊下工具
５ 脱脂洗浄溶剤 ６ エアースプレー装置
７ エポキシ樹脂塗料 ８ エアースプレー装置
１１ 変圧器ケース １２ ブッシングケース
１３ ブッシング １４ 端子
１５ 絶縁リード １６ 油中シールド。
【発明の属する技術分野】
この発明は、金属表面の微細な凹凸を平滑化することによる電界緩和を図るために表面に絶縁を施した変圧器の油中シールドに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の変圧器の油中シールドは、両端を内側に絞り込み加工した概略円筒状導電性芯金に対して、絶縁物である湿紙プレスボードを巻き付ける工程、巻き付けた湿紙プレスボードを芯金にゴムバンドで仮固定した状態で、湿紙プレスボードを丸棒を用いて成形加工する工程、さらに、芯金の内側軸方向に円筒状当て金具を固定した状態でゴムテープによって成形加工した湿紙プレスボードを締め付ける工程を経て、表面に絶縁を施した変圧器の油中シールドを製作している。
なお、この種の油中シールドを示すものとして、特許文献１がある。
【０００３】
【特許文献１】
実開昭５８−３７１１９号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の湿紙プレスボードの締め付けで製作される表面に絶縁を施した変圧器の油中シールドは、次のような問題点を有している。
（１）絶縁物である湿紙プレスボードの巻き付け、成形、締め付け時間が長く、加工工程も多いため、加工コストが高い。
（２）絶縁物である湿紙プレスボードは、大気中の水分を吸湿しているので、乾燥と油含浸の必要がある。
（３）変圧器への取付時に絶縁物である湿紙プレスボードが剥離し易い。
（４）湿紙プレスボードは、乾燥と油含浸後に吸湿するため、油タンク内での保管が必要であり、保管管理コストが高い。
【０００５】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、次のような効果を得ることを目的とする。
（１）絶縁物である湿紙プレスボードの加工（巻き付け、成形、締め付け）よりも加工時間を短縮する。
（２）絶縁物である湿紙プレスボードは、大気中の水分を吸湿しているので、乾燥と油含浸の必要があるが、これを必要としないものとして加工コストを軽減する。
（３）変圧器への取付時に絶縁物である湿紙プレスボードが剥離し易い問題を解消し、取付作業時間を軽減する。
（４）湿紙プレスボードは、乾燥と油含浸後に吸湿するため、油タンク内での保管が必要であり、これを必要としないものとして保管コストを軽減する。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる変圧器の油中シールドは、導電材料で形成され、表面に絶縁性エポキシ樹脂を塗装してコーティングしたものである。
【０００７】
【発明の実施の形態】
実施の形態１．
図１はこの発明の実施の形態１の変圧器の油中シールドを示す縦断面図である。図において、芯金１は例えばアルミニューム製円筒体を、その両端を絞り加工して成形した概略円筒状導電性芯金である。その表面には、塗装してコーティングした絶縁性エポキシ樹脂２が施されている。１６は油中シールドである。芯金１に絶縁性エポキシ樹脂２を塗装してコーティングすることにより、芯金１の金属表面の微細な凹凸は平滑化されて電界緩和が図られ、絶縁性能が安定化する。
【０００８】
図２は実施の形態１の油中シールドを製作する塗装前下地処理工程を示す斜視図である。成形した概略円筒状導電性芯金１は、移送ライン３に芯金吊下工具４により吊下げられ、順次移送される。この状態で、脱脂洗浄溶剤５がエアースプレー装置６により塗装表面全体に吹き付けられ、油分や異物が除去される。
【０００９】
図３は実施の形態１の油中シールドを製作する塗装工程を示す斜視図である。塗装前下地処理工程が済み、脱脂洗浄された芯金１は、順次移送され、移送ライン３に芯金吊下工具４により吊下げられた状態で、絶縁特性を保有しているエポキシ樹脂塗料７がエアースプレー装置８により塗装表面全体に吹き付け塗装される。エポキシ樹脂塗料７の塗装回数は例えば３回で合計膜厚は７０μｍ以上のコーティングを施す。
【００１０】
図４は実施の形態１で製作された油中シールドを変圧器に取付けた状態を示す部分断面図である。変圧器ケース１１にブッシングケース１２を経てブッシング１３が取付けられている。ブッシング１３の端子１４と絶縁リード１５との接続部に、エポキシ樹脂塗装により表面コーティングした油中シールド１６を取付ける。
【００１１】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の変圧器の油中シールドによれば、導電材料で形成され、表面に絶縁性エポキシ樹脂を塗装してコーティングしたので、つぎの効果が得られる。
（１）絶縁物である湿紙プレスボードの加工よりも加工時間を短縮できる。
（２）乾燥と油含浸を必要としないから、加工コストを軽減できる。
（３）変圧器への取付作業時間を軽減できる。
（４）油タンク内での保管を必要としないから、保管コストを軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の実施の形態１の変圧器の油中シールドを示す縦断面図である。
【図２】実施の形態１の油中シールドを製作する塗装前下地処理工程を示す斜視図である。
【図３】実施の形態１の油中シールドを製作する塗装工程を示す斜視図である。
【図４】実施の形態１で製作された油中シールドを変圧器に取付けた状態を示す部分断面図である。
【符号の説明】
１ 芯金 ２ エポキシ樹脂
３ 移送ライン ４ 芯金吊下工具
５ 脱脂洗浄溶剤 ６ エアースプレー装置
７ エポキシ樹脂塗料 ８ エアースプレー装置
１１ 変圧器ケース １２ ブッシングケース
１３ ブッシング １４ 端子
１５ 絶縁リード １６ 油中シールド。
Claims (1)
- 導電材料で形成され、表面に絶縁性エポキシ樹脂を塗装してコーティングした変圧器の油中シールド。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002370735A JP2004200610A (ja) | 2002-12-20 | 2002-12-20 | 変圧器の油中シールド |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002370735A JP2004200610A (ja) | 2002-12-20 | 2002-12-20 | 変圧器の油中シールド |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004200610A true JP2004200610A (ja) | 2004-07-15 |
Family
ID=32766571
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002370735A Pending JP2004200610A (ja) | 2002-12-20 | 2002-12-20 | 変圧器の油中シールド |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004200610A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2018032717A (ja) * | 2016-08-24 | 2018-03-01 | 東芝産業機器システム株式会社 | 静止誘導機器 |
-
2002
- 2002-12-20 JP JP2002370735A patent/JP2004200610A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2018032717A (ja) * | 2016-08-24 | 2018-03-01 | 東芝産業機器システム株式会社 | 静止誘導機器 |
| JP7169738B2 (ja) | 2016-08-24 | 2022-11-11 | 東芝産業機器システム株式会社 | 静止誘導機器 |
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