JP2004200108A - 改質型燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】起動運転切り替え時の改質触媒の過度の昇温を防ぐことができる改質型燃料電池システムを提供する。
【解決手段】改質時に、燃料リッチな改質燃料ガスを用いて改質反応を行う改質反触媒部を備えた改質反応器10を含む改質器60と、暖機時に、少なくとも改質反応器10を通過することにより改質反応器を暖機する燃料リーンな起動用燃焼ガスを生成する起動燃焼器7を備える。さらに、改質器60の上流側に備え、暖機運転から改質運転に移行する際に、起動用燃焼ガスと改質燃料ガスとの混合ガスを燃焼する燃焼場9と、を備える。
【選択図】 図3
【解決手段】改質時に、燃料リッチな改質燃料ガスを用いて改質反応を行う改質反触媒部を備えた改質反応器10を含む改質器60と、暖機時に、少なくとも改質反応器10を通過することにより改質反応器を暖機する燃料リーンな起動用燃焼ガスを生成する起動燃焼器7を備える。さらに、改質器60の上流側に備え、暖機運転から改質運転に移行する際に、起動用燃焼ガスと改質燃料ガスとの混合ガスを燃焼する燃焼場9と、を備える。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、改質型燃料電池システムに関する。特に、改質用燃料と水を加熱蒸発させて改質燃料蒸気を生成し、改質燃料蒸気の改質反応により水素などの可燃性のガスを主成分とする改質ガスを生成する改質器を備えた改質型燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の燃料電池システムとして、メタノールやガソリンなどの炭化水素系燃料を改質することにより水素を生成する改質器と、改質器で生成した水素を用いて発電を行う燃料電池を備えた改質型燃料電池システムが知られている。例えば、改質触媒を備えた改質器におけるメタノールのATR(オートサーマルリフォーミング)反応は、以下のような式で表すことができる。
【0003】
【式1】
CH3OH+H2O→CO2+3H2 ・・・(1)
CH3OH+1/2O2→CO2+2H2 ・・・(2)
ここで、(1)式は吸熱反応であり、(2)式が発熱反応である。改質触媒にはこの反応を起こすための最適温度が存在し、メタノールにおいては400 ℃付近、ガソリンにおいては700 ℃付近である。
【0004】
また、白金等を用いた電極触媒のCO被毒を避けるため、水素ガスまたは水素含有ガスはガス中のCO濃度を低減してから燃料電池に供給する必要がる。200℃以下で作動する燃料電池を用いる場合には1%以下に、100℃以下で作動する固体高分子型燃料電池を用いる場合には、少なくとも数十ppm以下、好ましくは数ppm以下にする必要がある。このため、改質触媒と燃料電池の間に改質ガス中のCO濃度を低減するCO除去触媒を備えたCO除去部が備えられる。
【0005】
CO除去部の反応としては、以下のシフト反応(3)と選択酸化触媒反応(PROX反応)(4)がよく用いられている。
【0006】
【式2】
CO+H2O→CO2+H2 ・・・ (3)
2CO+O2→2CO2 ・・・ (4)
それぞれの反応部にはシフト反応触媒、PROX反応触媒が存在し、最適触媒温度はそれぞれ、約250 ℃〜400 ℃、約200 ℃である。
【0007】
このような燃料改質システムにおいて、起動時にそれぞれの触媒を短時間で反応に適した触媒活性温度まで昇温するために、起動用燃焼器を備えたものがある。起動用燃焼器には燃焼室に加熱用燃料を供給する燃料噴射手段と、この燃焼室に供給された加熱用燃料を着火させる着火用プラグとが備えられており、起動時に焼室内で燃焼が行われて、燃焼室に連通する改質器に燃焼ガスが直接供給される(例えば、特許文献1、参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−63104号公報
【0009】
【発明が解決しようとしている問題点】
暖機時はNOX、未燃ガソリンの発生を防ぐと同時に暖機用燃焼ガスの温度を800 ℃程度に調整するため、起動燃焼器においてλ=3程度のリーン燃焼を行うことが望ましい。また、通常改質運転時には、水蒸気、空気、ガソリン蒸気の混合ガスを改質部に供給するが、このときにはλ=1以下となる。これにより、暖機運転から通常改質運転に移行する際に暖機用のリーン燃焼ガスと改質用のリッチ燃料ガスの境界にλ=1近傍の領域が生じる。図1のガソリンの空気過剰率λと断熱火炎温度の関係図に示すように、λ=1近傍の領域では改質器内部温度が一時的に高温となり、改質触媒などが破損するという問題があった。
【0010】
そこで本発明は、上記の問題を鑑みて、暖機運転から通常改質運転に移行する際に、改質触媒が過度に昇温するのを防ぐことができる改質型燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0011】
【問題点を解決するための手段】
改質時に、燃料リッチな改質燃料ガスを用いて改質反応を行う改質触媒部を含む改質器と、暖機時に、少なくとも前記改質触媒部を通過することにより前記改質触媒部を暖機する燃料リーンな燃焼ガスを生成する起動燃焼器を備える。さらに、前記改質器の上流側に備え、暖機運転から改質運転に移行する際に、前記燃焼ガスと前記改質燃料ガスとの混合ガスを燃焼する燃焼場と、を備える。
【0012】
【作用及び効果】
改質器の上流側に備え、暖機運転から改質運転に移行する際に、燃焼ガスと改質燃料ガスとの混合ガスを燃焼する燃焼場と、を備えることで、燃焼ガスと改質燃料ガスの間に不活性なバッファを形成することができる。これにより、改質触媒部が過度に昇温するのを防ぐことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態における改質型燃料電池システムの概略構成を図2に示す。燃料電池システムを車輌の駆動装置として搭載した場合を説明する。
【0014】
ここでは、改質燃料としてガソリンを用いたパワープラントシステムを適用する。また、本システムは、起動時に暖機運転を行うことにより各装置の温度を適温に設定し、効率のよい運転を行うシステムとする。
【0015】
燃料を改質して水素を取り出す燃料改質システム1を備える。ここでは燃料としてガソリンを用い、ガソリンと水と空気を用いてATR反応を生じることにより水素リッチな改質ガスを生成するシステムとする。なお、燃料改質システム1に必要となる熱は、後述する排水素燃焼器3で生成された排水素燃焼ガスを循環させることにより賄う。
【0016】
また、燃料電池2を備える。燃料電池2では、燃料改質システム1で生成した改質ガス中の水素と、酸化剤ガス、ここでは空気中の酸素を用いて電気化学反応を生じることにより起電力を生じる。ここで、改質ガス中の水素は、燃料電池2で全て消費されるわけではなく、一部が未反応のまま排出される。そこで、排水素燃焼器3を備え、燃料電池2からの水素を含んだ燃料排ガスの排出処理を行う。排水素燃焼器3では、燃料排ガスと、燃料電池2から排出された排空気または外部から供給される空気を用いて燃焼処理を行う。この燃焼処理により生成された排水素燃焼ガスは、前述した燃料改質システム1内を循環することにより燃料改質に必要な熱を供給してから燃料電池システム外部に排出される。
【0017】
次に、燃料改質システム1の構成を図3を用いて説明する。
【0018】
燃料改質システム1には、燃料としてのガソリンを貯蔵する図示しない燃料タンク、改質用の水を貯蔵する図示しない水タンクを備える。また、燃料タンクから燃料を汲み上げる図示しない燃料ポンプ、水タンクから水を汲み上げる図示しない水ポンプ、外部からシステム内に空気を導入するコンプレッサ4を備える。ここでは、コンプレッサ4により導入した空気を起動燃焼や改質反応に用いるが、コンプレッサ4で導入した空気の一部を後述するPROX反応器12に供給して、選択酸化反応に用いても良い。
【0019】
また、改質燃料用のガソリンを気化させるための熱交換器5、改質用の水を気化させるための熱交換器6を備える。熱交換器5、6では、通常運転時には、前述の排水素燃焼器3で生成した排水素燃焼ガスとの間で熱交換を行うことによりガソリンまたは水を蒸発させる。一方、システム暖機時には、後述する起動燃焼器7で生成された起動用の燃料リーンな燃焼ガスを用いて暖機される。さらに、暖機時から改質運転に移行する際には、燃焼場9において生成された高温燃焼ガスとの間で熱交換を行うことによりガソリンまたは水を蒸発させる。
【0020】
さらに、改質運転時に、熱交換器5、6で生成された燃料蒸気および水蒸気を混合するミキサ8を備える。ミキサ8に燃料蒸気を供給するか否かを選択するシャットバルブ18と、水蒸気を供給するか否かを選択するシャットバルブ19を備える。シャットバルブ18、19はそれぞれ熱交換器5、6を経由してミキサ8に接続する配管に備える。
【0021】
また、ミキサ8において燃料蒸気、水蒸気および空気を混合することにより生成したATR反応用の改質燃料ガスを用いて水素リッチな改質ガスを生成する改質器60を備える。改質器60は、改質反応を行う改質触媒を備えた改質反応器10と、シフト触媒を備えたシフト反応器11と、選択酸化触媒を備えたPROX反応器12とから構成する。改質反応器10では、改質燃料ガスを用いてATR反応を行うことにより、水素リッチな改質ガスを生成する。シフト反応器11、PROX反応器12では、改質ガス中のCOが燃料電池2の劣化原因とならないようにCOを低減する。ここで、シフト反応器11では、水を用いたシフト反応を生じる。PROX反応器12では、空気中の酸素を用いて選択酸化反応を生じる。これにより、改質ガス中のCO濃度を数十ppm程度まで低減する。このように、燃料電池2で用いる燃料ガスを生成するための触媒を備えた反応器である改質反応器10、シフト反応器11、PROX反応器12により改質器60を構成する。
【0022】
さらに、起動時に、燃料改質システム1を暖機するための起動用燃焼ガスを生成する起動燃焼器7を備える。ここでは特に改質器60に備えた触媒を活性温度にするために、暖機時に起動燃焼器7で生成した起動用燃焼ガスを改質器60内に流通させる。起動燃焼器7にはインジェクタと、グロープラグやスパークプラグなどの着火用プラグを備え、コンプレッサ4により導入された空気と、図示しない燃料ポンプにより供給されたガソリンを用いて燃焼を行う。
【0023】
また、空気過剰率λ=1となる可能性のある起動運転から通常運転への移行の際に燃焼を行う燃焼場9を備える。ここでは、燃焼場9として、着火を行う着火プラグ9aを備えた気層燃焼器を用いる。燃焼場9には、起動時には起動燃焼器7で生成した起動用燃焼ガスが、通常運転時にはミキサ8で生成した改質燃料ガスが供給される。
【0024】
ここで、起動用燃焼ガスは燃料リーンな燃焼ガスを用い、改質燃料ガスとしては燃料リッチガスを用いる。このため、起動運転から通常運転に移行する際に、この起動用燃焼ガスと改質燃料ガスとの境界に空気過剰率λ=1近傍となる領域が生じる。この空気過剰率λ=1近傍の燃料ガスが改質器60に供給されると、改質器60の触媒上で理論空燃比での燃焼が生じて、触媒が過度に昇温される可能性が生じる。そこで燃焼場9において、空気過剰率λ=1近傍の燃料ガスに着火プラグ9aで着火することにより高温燃焼ガスを生成し、燃料を消費する処理を行う。ここでは、燃焼場9における燃焼により高温の不活性ガスを生成し、この不活性ガスを改質反応器10に供給する。
【0025】
また、改質運転時の熱の消費を抑制するために、バイパス配管29を備える。ここでは、ミキサ8の下流側と改質器60の上流側を選択的に連通させる配管とする。このバイパス配管29に燃料ガスを流通するかどうかは、後述する三方弁13を用いて選択可能とする。バイパス配管29は、燃焼場9および熱交換器5、6をバイパスする配管であり、改質運転時には、改質燃料ガスをこのバイパス配管29に流通させることにより改質燃料ガス温度を維持し、無駄な放熱を防ぐ。
【0026】
さらに、三方弁13〜17を備える。三方弁13は、ミキサ8から供給された改質燃料ガスを改質器60に供給するか、ミキサ8を介して供給さえた起動用燃焼ガスを燃焼場9に供給するかを選択する。三方弁13のポート13aはミキサ8の下流側に、ポート13bは燃焼場9の上流側に、ポート13cは改質器60の上流側に接続する。また、三方弁14、15は、熱交換器5、6に燃焼場9からの起動用燃焼ガスまたは高温燃焼ガスを供給するか、排水素燃焼器3からの排水素燃焼ガスを供給するかを選択する。三方弁14、15のポート14a、15aは燃焼場9の下流側に、ポート14b、15bは排水素燃焼器3の下流側に、ポート14c、15cは熱交換器5、6の上流側に接続する。また、三方弁16、17は、熱交換器5、6から排出された燃焼ガスを外部に排出するか、改質器60に供給するかを選択する。三方弁16、17のポート16a、17aを熱交換器5、6の下流側に、ポート16b、17bをシステム外部に、ポート16c、17cを改質器60の上流側に接続する。
【0027】
さらに三方弁28を備える。三方弁28は、改質器60から排出された燃料ガスを燃料電池2に供給するか、改質器60から排出された燃焼ガスをシステム外部に排出するかを選択する。三方弁28のポート28aは改質器60のPROX反応器12の下流側に、ポート28bは燃料電池2の上流側に、ポート28cはシステム外部に接続する。
【0028】
このような燃料改質システムを制御するために、コントローラ30を備える。また、燃焼場9には、燃焼場9の温度を計測する温度センサ20、ハイドロカーボン(HC)濃度を計測するHCセンサ21、酸素濃度を計測するO2センサ22を備える。さらに、熱交換器5、6それぞれに供給される燃焼ガス温度を計測する温度センサ23、24、改質反応器10、シフト反応器11、PROX反応器12の触媒温度を計測する温度センサ25〜27を備える。各センサの出力はコントローラ30に入力され、この計測値を用いて燃料改質システムの制御を行う。
【0029】
次に、このような構成の燃料改質システムにおける通常運転時の動作を説明する。
【0030】
三方弁15、16を介して熱交換器5、6に排水素燃焼器3で生成した燃焼排ガスを供給する。熱交換器5、6で、燃料ポンプまたは水ポンプにより供給されたガソリンまたは水と、排水素燃焼ガスとの間で熱交換を行うことにより、改質用の燃料蒸気と水蒸気を生成する。燃料蒸気と水蒸気はミキサ8に供給される。また、コンプレッサ4により導入した空気を起動燃焼器7を介してミキサ8に供給する。このように供給された燃料蒸気、水蒸気、空気を用いて、濃度が均一化された燃料リッチの改質燃料ガスを生成する。改質燃料ガスは燃焼場9および熱交換器5、6をバイパスして改質反応器10に供給される。このとき、三方弁13はポート13aとポート13cが連通するように設定される。
【0031】
改質器60に供給された改質燃料ガスは、改質反応器10において改質反応を生じる。さらに、シフト反応器11でシフト反応を、PROX反応器12で選択酸化反応を生じることにより、低CO濃度の燃料ガスを生成する。この燃料ガスを三方弁28を介して燃料電池2に供給し、発電を行う。このとき、三方弁28はポート28aとポート28bが連通するように設定される。
【0032】
次に、このような構成の燃料改質システムにおける暖機時の動作を説明する。
【0033】
起動燃焼器7にコンプレッサ4により空気を、図示しない燃料ポンプによりガソリンを供給する。起動燃焼器7に備えた着火プラグを用いて燃焼を行い、燃料リーンの起動用燃焼ガスを生成する。起動用燃焼ガスは、ミキサ8、三方弁13、燃焼場9、三方弁14または15を介して熱交換器5または6に供給される。これにより熱交換器5および6の暖機を行う。さらに、三方弁16または17を介して改質器60に供給される。起動用燃焼ガスが改質反応器10、シフト反応器11、PROX反応器12を流れる際に、各反応器に備えた触媒に熱が移動して暖機される。暖機に用いた起動用燃焼ガスは、三方弁28を介してシステム外部に排出される。なお、起動用燃焼ガスとして、燃料電池2の劣化原因となるCO等を含まない高温ガスを用いる場合には、改質器60の暖機に用いた後、燃料電池2に供給供給し、燃料電池2の暖機に用いても良い。
【0034】
次に、上述したような起動運転から通常運転に移行する際の燃料改質システムの動作を説明する。
【0035】
起動運転から通常運転に移行する際には、起動燃焼器7から供給される燃料リーンガスである起動用燃焼ガスと、燃料リッチガスである改質燃料ガスと、がミキサ8において混合されて、空気過剰率λ=1近傍の燃料ガスが生成される。このλ=1近傍の燃料ガスは三方弁13を介して燃焼場9に供給される。燃焼場9の着火プラグ9aによりλ=1近傍の燃料ガスを燃焼し、高温の不活性ガスを生成する。なお、ここでは不活性ガスとしたが、改質反応器10に供給された際に過剰に昇温しない程度に燃料濃度が低いガスであればよい。
【0036】
この不活性ガスを熱交換器5、6を通ってから改質器60に供給する。この時点では、改質器60に備えた各触媒温度は十分に昇温していると判断できるので、改質器60においてCO低減を十分に行うことができる。よって、改質器60で生成された燃料ガスを三方弁28を介して燃料電池2に供給する。
【0037】
次に、このような燃料電池システムにおける起動運転の制御方法を図4に示すフローチャートを用いて説明する。車輌のイグニッションがONとなり、燃料電池システムを起動する指令を検知したら本制御を開始する。
【0038】
ステップS1において、各三方弁13〜17、28を設定する。ここでは、三方弁13をポート13aとポート13bが連通するように、三方弁14、15をポート14a、15aとポート14c、15cが連通するように設定する。また、三方弁16、17をポート16a、17aがポート16c、17cに連通するように、三方弁28をポート28aとポート28cが連通するように設定する。これにより、起動燃焼器7、ミキサ8、燃焼場9、熱交換器5または6、改質器60を連通した状態に設定される。
【0039】
次に、ステップS2において、着火プラグにより起動燃焼器7に着火できる流量範囲内でコンプレッサ4を起動する。これにより、起動燃焼器7に空気の供給を開始する。ステップS3において、起動燃焼器7を起動する。つまり、図示しない燃料ポンプにより加圧し、インジェクタを用いて微粒子状にて起動燃焼器7にガソリンを噴射する。その際の空気過剰率は、例えばλ=3程度とする。ガソリン流量、空気流量が安定したところで着火プラグを用いて着火することにより、起動燃焼器7において起動用燃焼ガスの生成を開始する。起動燃焼器7内部に設置される熱電対などの温度測定手段により、ガソリンの点火を確認した後、空気過剰率を約λ=3に維持しながら、起動燃焼器7へ供給されるガソリン量と空気量を増やしていく。ここでは、図1に示すように起動用燃焼ガス温度は約800 ℃となる。この起動用燃焼ガスを燃焼器9、熱交換器5、6、改質器60に流通させることにより、各装置の暖機を行う。
【0040】
このとき、シフト反応器12の温度を調整するために水タンクから図示されないポンプにより水をシフト反応器12に供給してもよい。また、PROX反応器12の温度を調整するためにコンプレッサ4から供給される常温空気の流量調整を行ってPROX反応器12に供給してもよい。
【0041】
ステップS4において、暖機状態を検出する。つまり、熱交換器5に備えた温度センサ23により熱交換器温度THEX1、熱交換器6に備えた温度センサ24により熱交換器温度THEX2を検出する。また、改質反応器10の改質触媒に備えた温度センサ24により改質触媒温度TREFを、シフト反応器11のシフト触媒に備えた温度センサ25によりシフト触媒温度TWGSを、PROX反応器12の選択酸化触媒に備えた温度センサ26により選択酸化触媒温度TPROXを検出する。
【0042】
ステップS5において、ステップS4において検出した温度と各部温度に対する温度閾値THEX10、THEX20、TREF0、TWGS0、TPROX0とを比較する。THEX10、THEX20はガソリンおよび水を蒸発するのに十分な温度であればよい。また、TREF0、TWGS0、TPROX0の値はATR反応、シフト反応、PROX反応の触媒活性温度(それぞれ約700℃、400℃、200℃)としてもよいし、シフト反応、PROX反応が発熱反応であることを考えて、触媒活性温度より少し低い値としてもよい。このようにした場合には、起動運転時間を短縮することが可能である。
【0043】
ステップS4で検出する全ての温度が、それぞれの温度閾値より高くなるまでステップS4、S5を繰り返し、それぞれの温度閾値より高くなったら暖機が完了したと判断してステップS6に進む。
【0044】
ステップS6では、暖機運転から通常の改質運転に移行する起動切り替えサブルーチンを実行する。起動切り替えサブルーチンを、図5に示したフローチャートを用いて説明する。
【0045】
ステップS11において、その時点でパワープラントに要求されている出力を計算する。次に、ステップS12において、燃焼場9の上限燃焼温度TC0を計算する。ここでは、熱交換器5、6に用いる冷媒として、改質用燃料としてのガソリンや水を用いるので、要求出力に応じて熱交換器5、6における熱交換量が変化する。そこで、要求出力から熱交換器5、6を流れる冷媒の流量を求める。ここでは、要求出力から熱交換器5、6を流れるガソリン流量Fgと水量Fwを求める。また、改質反応器10に供給しても改質触媒が破壊されない温度閾値TRMAXを定めておく。これらの値から、改質反応器10へ供給される改質燃料蒸気の温度がTRMAXを超えないような燃焼場9での上限燃焼温度TC0を決定する。
【0046】
次にステップS13において、空気過剰率閾値λ0を計算する。ここでは、図1に示すような断熱火炎温度と空気過剰率の関係から求めることができる。断熱火炎温度をTC0としたときの空気過剰率λを空気過剰率閾値λ0とする。ここでは1<λ0≦3となるように設定する。
【0047】
その後、ステップS14に進み、改質用のガソリン蒸気と水蒸気を改質器60に供給するために、シャットバルブ18、19を開く。これにより、改質燃料ガスを生成するための改質原料ガスを供給するための流路を確保する。さらに、三方弁28をポート28aとポート28bとが連通するように設定する。この時点で、改質器60の暖機は終了しているので、改質器60で生成された改質ガス中のCO濃度を十分に低減することができる。そこで、改質器60の下流側と燃料電池2の上流側を連通させることにより、水素リッチな改質ガスを燃料電池2に供給可能とする。
【0048】
ステップS15において、図示しないガソリンポンプおよび水ポンプを起動して、それぞれの流量をパワープラントシステムが必要としている流量Fg、Fwに調整する。次にステップS16において、コンプレッサ4により、空気を改質反応に必要な流量だけ供給する。これらの操作により、ミキサ8で燃料リッチな改質燃料ガスが生成され、燃焼場9に供給される。
【0049】
次に、ステップS17において、燃焼場9内部の空気過剰率λが空気過剰率閾値λ0未満かどうかを判断する。燃焼場9内部の空気過剰率λは、常にHCセンサ21とO2センサ22を用いて計測しておく。改質用ガソリン蒸気と、水蒸気供給後、燃焼場9内の空気過剰率は3から下がり、ある時点で空気過剰率閾値λ0に達する。
【0050】
ここで、燃焼場9に供給される燃料リッチな改質燃料ガスは、燃焼場9の上流側の配管内で燃料リーンの起動用燃焼ガスと混合し、その境界では空気過剰率λが約1となる領域が生じる。このように、空気過剰率λ=1近傍の燃料ガスを改質反応器10に供給すると、改質触媒温度が過度に上昇して改質触媒が破損する可能性が生じる。そこで、空気過剰率λが空気過剰率閾値λ0に達したら、ステップS18に進み、着火プラグ9aを点火して、バッファとなる不活性ガスを生成する。これにより、空気過剰率λが1近傍の状態となった燃料ガスは、燃焼場9で燃焼されて不活性の状態となってから改質反応器10に供給されるので、改質反応器10において温度が過度に上昇するのを防ぐことができる。この間に、起動用燃焼ガスの割合は低減し、反対に改質燃料ガスの割合は増大する。その結果、燃焼場9に供給される混合ガスは徐々に燃料リッチとなりλ=1で燃焼場内温度が最大となった後、空気過剰率λおよび燃焼場9内温度が共に低下していく。
【0051】
ステップS19において、燃焼器9内の温度Tcと、温度Tcの時間変化率dTc/dtを検出する。時間変化率dTc/dt<0、つまり燃焼場9内の温度Tcが低下し、かつ、燃焼場9内の温度Tcが燃焼場上限燃焼温度TC0未満となるまで、この燃焼を維持する。Tc<TC0かつdTc/dt<0と判断されたら、空気過剰率λ=1近傍となる領域は通過したと判断してステップS20に進む。ステップS20では、着火プラグ9aをOFFにする。これにより、ミキサ8におきて混合・生成される燃料ガスは、通常の改質運転時に用いる濃度となる。
【0052】
そこで、ステップS21において、三方弁13〜17の設定を行う。三方弁13を、ポート13aとポート13cが連通するように設定し、ミキサ8で混合生成した改質燃料ガスを改質反応器10に供給する。また、三方弁14をポート14bとポート14cが連通するように、三方弁15をポート15bとポート15cが連通するように設定する。これにより、排水素燃焼器3で生成された排水素燃焼ガスを熱交換器5、6の熱源として用いる。また、三方弁16をポート16aとポート16bが連通するように、三方弁17をポート17aとポート17bが連通するように設定する。これにより、熱交換器5、6で熱源に用いた排水素燃焼ガスを排出する。
【0053】
これにより定常運転時には、排水素燃焼器3から供給される高温の排水素燃焼ガスを熱源として熱交換器5、6で改質用原料および水を蒸発させる。また、燃焼場9に余計な熱容量を持たせるのを防ぐため、改質燃料ガスは燃焼場9と熱交換器5、6をバイパスするバイパス配管29を通る。
【0054】
このように制御した起動運転時のタイミングチャートを図6に示す。ここでは、ステップS5において起動切り替え運転に切り替える指標として、ガソリンを冷媒とする熱交換器の温度THEX1を示している。
【0055】
燃料改質システムの暖機が進むにつれ、燃焼場9の温度も上昇する。暖機が終了したら、起動切り替え操作を開始し、燃焼場9内の空気過剰率λがλ0となったら燃焼場9に着火する。空気過剰率λが1近傍の際には、燃焼場9で燃焼を生じることにより、改質器60に備えた改質触媒、シフト反応触媒、CO選択酸化触媒が過度に昇温するのを防ぐ。その後、空気過剰率λが燃料リッチ側になり、燃焼場9の温度がTC0未満に低下したら、燃焼場9における燃焼を停止して定常運転を開始する。
【0056】
次に、本実施形態の効果について説明する。
【0057】
改質時に、燃料リッチな改質燃料ガスを用いて改質反応を行う改質反触媒部を備えた改質反応器10を含む改質器60と、暖機時に、少なくとも改質反応器10を通過することにより改質反応器を暖機する燃料リーンな起動用燃焼ガスを生成する起動燃焼器7を備える。さらに、改質器60の上流側に備え、暖機運転から改質運転に移行する際に、起動用燃焼ガスと改質燃料ガスとの混合ガスを燃焼する燃焼場9と、を備える。これにより、暖機運転から改質運転への切り替え時に、燃焼場9で燃料と空気が理論空燃比の状態の燃料を燃焼することにより生成された高温燃焼ガスは酸素を含まない不活性ガスとなる。その結果、起動用燃焼ガスと改質用燃料ガスとの間に、不活性なバッファガスを形成することができる。これにより、改質反応器10において改質触媒が過度に昇温するのを防ぐことができる。
【0058】
酸素含有ガスを導入するコンプレッサ4と、少なくとも、コンプレッサ4により導入された空気と、改質原料ガスと、を混合することにより改質燃料ガスを生成するミキサ8と、を備える。ミキサ8の上流側に起動燃焼器7を配置し、ミキサ8と改質器60との間に燃焼場9を配置する。これにより、起動用燃焼ガスと改質燃焼ガスの境界で空気過剰率λ=1近傍となっても、改質器60に供給する前に燃焼場9において燃焼処理することができる。
【0059】
燃焼場9として、着火プラグ9aを備えた気層燃焼器を備える。このように、燃焼場9にグロープラグやスパークプラグなどの着火プラグ9aを用いることで、燃焼場9で任意のタイミングで燃焼を行うことができる。
【0060】
燃焼場9内部の空気過剰率λに応じて、着火プラグ9aを用いて燃焼を開始する。これにより、燃焼場9で燃やす必要のない空気過剰率λにある燃料、空気混合ガス中の燃料を燃焼に用いることがなく、燃料改質システム全体の効率向上が見込まれる。
【0061】
また、改質運転時に、燃焼場9をバイパスして改質器60に改質燃料ガスを供給するバイパス配管29を備える。これにより、改質運転時に、燃焼場9の容器の熱容量により無駄に熱が消費されるのを防ぐことができ、改質効率の低下が生じるのを抑制することができる。
【0062】
燃焼場9と改質器60との間に熱交換器5、6を備える。これにより、燃焼場9で生じる高温燃焼ガスの余剰熱量を外部に放出することなくシステム内で有効に利用することができる。
【0063】
また、改質運転時に、燃焼場9および熱交換器5、6の少なくとも一方をバイパスして改質器60に改質燃料ガスを供給するバイパス配管29を備える。これにより、改質運転時に、燃焼場9の容器と熱交換器5、6の熱容量により無駄に熱を消費して、改質効率が低下するのを抑制することができる。
【0064】
さらに、熱交換器5、6において、改質または発電に用いる液体燃料および水の少なくとも一方を冷媒として用いる。ここでは、改質に用いる改質原料と水を冷媒として熱交換機5、6に循環させる。これにより、熱交換用の冷却系42を別個に設ける必要がなく装置構成を簡便にすることができる。
【0065】
熱交換器5、6として、ガソリンの蒸発器5、または水の蒸発器6の少なくとも一方を用いる。これにより、起動切り替え時の高温燃焼ガスの持つ余剰熱量を燃料や水の蒸発に用いることができる。
【0066】
改質器60で生成した水素リッチな改質ガスを用いて発電を行う燃料電池2と、燃料電池2から排出された排水素を燃焼する排水素燃焼器3と、を備える。暖機時には、起動燃焼器3で生成した燃料リーンな起動用燃焼ガスを用いて熱交換器5、6を暖機し、改質時には、排水素燃焼器3からの排水素燃焼ガスを用いて熱交換器5、6においてガソリンまたは水の少なくとも一方の蒸発を行う。これにより、起動切り替え時に用いる改質原料の蒸発器と、通常の改質運転時に用いる改質減量の蒸発器と、の両方を備える必要がなく、システムの構成を簡略化することができる。
【0067】
さらに、燃焼場9として、着火プラグ9aを備えた気層燃焼器を備え、システムに要求される出力に応じて、着火プラグ9aを動作させるタイミングを変化させる。ここでは、要求出力に応じて燃焼場9の上限燃焼温度TC0を設定し、燃焼場9の温度TCがこの上限燃焼温度TC0まで低下した時点で、燃焼場9における燃焼を終了する。これにより、要求出力に応じて変化する冷媒循環量Fg、Fwに関わらず、改質触媒に送られる不活性バッファ排気ガスの温度を一定にして、改質触媒が破損するのを防ぐことができる。
【0068】
なお、ここでは燃焼場9を着火プラグ9aを備えた気層燃焼器としたが、酸化触媒により構成することもできる。燃焼場9を酸化触媒により構成することにより、燃焼場9で着火手段9aを設けることなしに理論空燃比燃焼を起こすことができる。
【0069】
次に、第2の実施形態について説明する。
【0070】
まず、起動時において、起動燃焼器7を用いて暖機を行った改質反応器10の改質触媒温度TREFA、およびシフト反応器11のシフト触媒温度TWGSA、およびPROX反応器12の選択酸化触媒温度TPROXAの時間変化を図7に示す。ここで、TREFA、TWGSA、TPROXAはそれぞれの反応器の暖機が終了したと判断することができる温度閾値である。ここでは、それぞれ700℃、400 ℃、100 ℃周辺である。この図よりPROX反応器12の昇温時間が燃料改質システム起動時間の律速となっていることがわかる。そこで、本実施形態では暖機運転から改質運転に切り替える際に改質反応器10で生じる過昇温を防ぎつつ、PROX反応器12の昇温時間を短縮するための構成・制御を説明する。
【0071】
ここで用いるパワープラントシステム全体の概略図は、第1実施形態と同様に図2に示す。燃料改質システムの構成を図8に示す。以下、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0072】
第1の実施形態と同様に、コンプレッサ4、起動燃焼器7、ミキサ8、燃焼場9を備える。また、改質反応器10、シフト反応器11、PROX反応器12からなる改質器60を備える。
【0073】
燃焼場9の下流側には熱交換器40を備える。熱交換器40とPROX反応器12との間には、冷却ポンプ41により循環する冷却系42を備える。熱交換器40において、燃焼場9で生成した高温燃焼ガスと冷却系42を循環する冷媒としてのLLCの間で熱交換を行う。つまり、熱交換器40とPROX反応器12との間で熱交換を行う。運転切り替え時に、熱交換器40における熱交換により昇温したLLCをPROX反応器12に循環させることにより、PROX反応器12の昇温を促進することができる。熱交換器40には、熱交換器40の温度状態を検出するために温度センサ43を備える。なお、ここでは冷却系42を熱交換器40とPROX反応器12との間を循環する系としたが、熱交換器40と燃料電池2との間を循環する系とすることもできる。つまり、ここでは高温燃焼ガスとの熱交換により得た熱を選択酸化触媒の暖機に用いているが、燃料電池2の性能が大幅に低下する低温時からの起動を行う際には、燃料電池2の暖機に用いることも可能である。
【0074】
また、改質原料としてのガソリンを蒸発するガソリン蒸発器51と、改質反応に用いる水を蒸発する水蒸発器52を備える。ガソリン蒸発器51の下流側にはガソリン蒸気を、水蒸発器52の下流側には水蒸気を、ミキサ8に供給するか否かを選択するシャットバルブ53、54を備える。
【0075】
さらに、ミキサ8の下流側には三方弁55を備える。三方弁55は、ミキサ8の下流側に連通するポート55a、後述する三方弁56を介して改質反応器10の上流側に連通するポート55b、燃焼場9の上流側に連通するポート55cから構成する。また、熱交換器40の下流側には三方弁56を備える。三方弁56は、熱交換器40の下流側に連通するポート56a、三方弁55のポート55bと連通するポート56b、改質反応器10の上流側に連通するポート56cから構成する。なお、ポート55bとポート56bを連通する配管をバイパス配管29とする。バイパス配管29は、燃焼場9および熱交換器40を選択的にバイパスする。
【0076】
次に、このような燃料改質システムにおける起動時の制御方法を図9のフローチャートを用いて説明する。車輌のイグニッションがONとなり、燃料電池システムを起動する指令を検知したら本制御を開始する。
【0077】
ステップS31において、三方弁55、56、28を設定する。ここでは、三方弁55のポート55aとポート55cが連通するように、三方弁56のポート56aとポート56cが連通するように設定する。これにより、起動時に、起動燃焼器7で生成された燃焼ガスを燃焼場9を介して改質器60に供給するように設定することができる。また、三方弁28のポート28aとポート28cを連通することにより、改質器60から排出されたガスを燃料電池2に供給せずに排出するように設定する。ステップS32、S33において、ステップS2、S3と同様に起動燃焼を開始する。これにより、熱交換器40および改質反応器10、シフト反応器11、PROX反応器12の暖機を開始する。
【0078】
ステップS34において、温度センサ27によりPROX反応器12に備えた選択酸化触媒の温度TPROXを検出する。ステップS35において、選択酸化触媒温度TPROXと起動切り替えの温度閾値TPROX0とを比較する。選択酸化触媒温度TPROXが温度閾値TPROX0より高くなるまで暖機を継続し、選択酸化触媒温度TPROXが温度閾値TPROX0より高くなったらステップS36に進み、起動切り替えサブルーチンを実行する。なお、この温度閾値TPROX0は、PROX反応器12で十分なCO除去を行う運転可能温度TPROX1より低い温度とする。
【0079】
次に、図10のフローチャートを用いて、起動切り替えサブルーチンを説明する。
【0080】
ステップS38〜S40においては、ステップS11〜S13と同様に、温度閾値TC0および空気過剰率閾値λ0を算出する。
【0081】
ステップS41において、シャットバルブ53、54を開放する。これにより、切り替え時に改質用ガソリン蒸気と水蒸気とを改質器60に供給可能とする。ステップS42において、図示しないガソリンポンプと水ポンプを起動して、それぞれパワープラントシステムで必要としている出力に応じた流量を供給する。さらに、ステップS43において、改質反応に必要な空気をコンプレッサ4により導入する。これにより、ミキサ8で改質燃料ガスを生成し、燃焼場9に供給する。
【0082】
ステップS44において、ステップS17と同様に、燃焼場9内部の空気過剰率λを判定する。空気過剰率λが空気過剰率閾値λ0より小さくなったら、この状態の燃料ガスを改質反応器10に供給することで、改質反応器10で過度の昇温が生じる可能性があると判断する。そこで、ステップS45において冷却ポンプ41を起動して、熱交換器40とPROX反応器12との間で熱交換を開始する。さらに、ステップS46において、ステップS18と同様に燃焼場9の着火プラグ9aを用いて燃焼を開始する。このように、λが1近傍となった場合には、燃焼場9において燃焼を行い、改質器60にバッファとなる不活性排気ガスを供給する。
【0083】
これにより、改質反応器10およびシフト反応器11、PROX反応器12にλ=1近傍の燃料ガスを供給するのを避けることができる。このとき、燃焼場9で生成された高温の燃焼ガスは、熱交換器40において冷却系42を循環するLLCとの間で熱交換を行うので、改質器60に供給する際の燃焼ガス温度を抑制することができる。ここでは、燃焼場9において最高2000℃程度の不活性ガスを生成するが、この冷却系42との熱交換により改質反応触媒を破損させない700℃程度にまで冷却してから改質反応器10に供給する。一方、熱交換器40で昇温されたLLCは、PROX反応器12に供給され、選択酸化触媒との間で熱交換を行うことでPROX反応器12の暖機を促進する。この操作により、PROX反応を十分に起こす温度に達していなかったPROX反応器がPROX反応器の運転可能温度TPROX1にまで昇温される。
【0084】
燃焼場9に供給されるガスは徐々に燃料リッチとなり、λ=1近傍で断熱火炎温度が細孔2000℃程度となった後、空気過剰率λおよび燃焼場9の温度TCが共に低下していく。そこで、ステップS47において、燃焼器9内の温度Tcと、温度Tcの時間変化率dTc/dtを検出する。時間変化率dTc/dt<0、つまり燃焼場9内の温度Tcの低下が開始し、かつ、燃焼場9内の温度Tcが燃焼場上限燃焼温度TC0未満となるまで、この燃焼を維持する。Tc<TC0かつdTc/dt<0と判断されたら、起動用燃料リーンガスと改質用燃料リッチガスの混合により空気過剰率λが1近傍の完全燃焼近傍の領域を通過したと判断する。
【0085】
ステップS48において、PROX反応器12の選択酸化触媒温度TPROXとPROX反応器12の運転可能温度TPROX1とを比較する。選択酸化触媒温度TPROXが運転可能温度TPROX1に達したら、ステップS49に進み着火プラグ9aをOFFにする。ステップS50において、冷却ポンプ41をOFFにして、PROX反応器12の暖機を終了する。
【0086】
ステップS51において、三方弁55、56、28を設定する。三方弁55は、ポート55aとポート55bを連通し、三方弁56はポート56bとポート56cとを連通する。これにより、ミキサ8において生成された燃料リッチの改質燃料ガスは、燃焼場9および熱交換器40をバイパスして改質器60に供給される。また、PROX反応器12が十分に暖機されたと判断できるので、三方弁28を排出側から燃料電池2側に切り替えて、改質器60で生成した水素リッチな改質ガスの供給を開始する。
【0087】
このように制御することで、図11に示すようなタイミングで起動が切り替えられる。
【0088】
シフト反応およびPROX反応は発熱反応であるので、起動時には、定常運転状態でのそれぞれの触媒温度TWGS1、TPROX2より低い運転可能温度TWGS0、TPROX1まで昇温すればよい。本実施形態では起動時間の短縮を図るために、起動運転時にはPROX反応器12の選択酸化触媒温度TPROXを運転可能温度TPROX1より低いTPROX0まで昇温する。その後の起動切り替え運転を開始して、燃焼場9で生成した高温燃焼ガスの熱交換によりPROX運転可能温度TPROX1までの昇温を行う。
【0089】
次に、本実施形態における効果を説明する。以下、第1の実施形態と異なる効果のみを説明する。
【0090】
改質器60に選択酸化触媒を備えたPROX反応器12と、PROX反応器12と熱交換器40との間でLLCを循環させる冷却系42と、を備える。熱交換器40は、暖機運転から改質運転に移行する際に、燃焼場9で混合ガスを燃焼することにより生成した高温燃焼ガスと、PROX反応器12との間でLLCを介して熱交換を行う。これにより、起動の際に最も暖機に時間のかかる選択酸化触媒の暖機を促進することができる。
【0091】
または、改質器60で生成した水素リッチな改質ガスを用いて発電を行う燃料電池2と、燃料電池2と熱交換器40との間でLLCを循環させる冷却系42と、を備える。熱交換器40は、暖機運転から改質運転に移行する際に、燃焼場9で混合ガスを燃焼することにより生成した高温燃焼ガスと、燃料電池2との間でLLCを介して熱交換を行う。これにより、低温起動などの燃料電池2の暖機が必要な場合、高温燃焼ガスの持つ余剰熱量を燃料電池2の暖機に用いることができる。
【0092】
なお、本実施形態においては、ガソリンを燃料として用いているが、その他の炭化水素系燃料、アルコール系燃料を用いてもよい。また、本実施形態で記載した温度がこれらに限定されるべきものではなく、構成やしようにより適切に設定されるべきものである。また、冷媒としてLLCを用いているが、冷媒として同様の機能を果すものであれば他の物質でも使用可能であることは言うまでもない。また、燃焼場9で燃料を燃やす手段としてスパークプラグやグロープラグなどの着火プラグ9aを用いているが、耐熱性の高い酸化触媒を用いても良い。
【0093】
このように、本発明は上記実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲内で、様々な変更が為し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】空気過剰率と断熱火炎温度の関係図である。
【図2】第1の実施形態に用いるパワープラントシステムの概略構成図である。
【図3】第1の実施形態に用いる燃料改質システムの構成図である。
【図4】第1の実施形態における起動運転時のフローチャートである。
【図5】第1の実施形態における起動切り替えのサブルーチンである。
【図6】第1の実施形態における起動時のタイミングチャートである。
【図7】暖機時の改質器に備えた触媒における温度変化を示す図である。
【図8】第2の実施形態に用いる燃料改質システムの構成図である。
【図9】第2の実施形態における起動運転時のフローチャートである。
【図10】第2の実施形態における起動切り替えのサブルーチンである。
【図11】第2の実施形態における起動時のタイミングチャートである。
【符号の説明】
2 燃料電池(燃料電池スタック)
3 排水素燃焼器(排水素燃焼手段)
4 コンプレッサ(酸素含有ガス導入手段)
5 熱交換器(熱交換手段)
6 熱交換器(熱交換手段)
7 起動燃焼器
9 燃焼場
9a 着火プラグ(着火手段)
10 改質反応器(改質触媒部)
12 PROX反応器(選択酸化触媒部)
29 バイパス配管(バイパス手段)
40 熱交換器(熱交換手段)
42 冷却系
60 改質器
【産業上の利用分野】
本発明は、改質型燃料電池システムに関する。特に、改質用燃料と水を加熱蒸発させて改質燃料蒸気を生成し、改質燃料蒸気の改質反応により水素などの可燃性のガスを主成分とする改質ガスを生成する改質器を備えた改質型燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の燃料電池システムとして、メタノールやガソリンなどの炭化水素系燃料を改質することにより水素を生成する改質器と、改質器で生成した水素を用いて発電を行う燃料電池を備えた改質型燃料電池システムが知られている。例えば、改質触媒を備えた改質器におけるメタノールのATR(オートサーマルリフォーミング)反応は、以下のような式で表すことができる。
【0003】
【式1】
CH3OH+H2O→CO2+3H2 ・・・(1)
CH3OH+1/2O2→CO2+2H2 ・・・(2)
ここで、(1)式は吸熱反応であり、(2)式が発熱反応である。改質触媒にはこの反応を起こすための最適温度が存在し、メタノールにおいては400 ℃付近、ガソリンにおいては700 ℃付近である。
【0004】
また、白金等を用いた電極触媒のCO被毒を避けるため、水素ガスまたは水素含有ガスはガス中のCO濃度を低減してから燃料電池に供給する必要がる。200℃以下で作動する燃料電池を用いる場合には1%以下に、100℃以下で作動する固体高分子型燃料電池を用いる場合には、少なくとも数十ppm以下、好ましくは数ppm以下にする必要がある。このため、改質触媒と燃料電池の間に改質ガス中のCO濃度を低減するCO除去触媒を備えたCO除去部が備えられる。
【0005】
CO除去部の反応としては、以下のシフト反応(3)と選択酸化触媒反応(PROX反応)(4)がよく用いられている。
【0006】
【式2】
CO+H2O→CO2+H2 ・・・ (3)
2CO+O2→2CO2 ・・・ (4)
それぞれの反応部にはシフト反応触媒、PROX反応触媒が存在し、最適触媒温度はそれぞれ、約250 ℃〜400 ℃、約200 ℃である。
【0007】
このような燃料改質システムにおいて、起動時にそれぞれの触媒を短時間で反応に適した触媒活性温度まで昇温するために、起動用燃焼器を備えたものがある。起動用燃焼器には燃焼室に加熱用燃料を供給する燃料噴射手段と、この燃焼室に供給された加熱用燃料を着火させる着火用プラグとが備えられており、起動時に焼室内で燃焼が行われて、燃焼室に連通する改質器に燃焼ガスが直接供給される(例えば、特許文献1、参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−63104号公報
【0009】
【発明が解決しようとしている問題点】
暖機時はNOX、未燃ガソリンの発生を防ぐと同時に暖機用燃焼ガスの温度を800 ℃程度に調整するため、起動燃焼器においてλ=3程度のリーン燃焼を行うことが望ましい。また、通常改質運転時には、水蒸気、空気、ガソリン蒸気の混合ガスを改質部に供給するが、このときにはλ=1以下となる。これにより、暖機運転から通常改質運転に移行する際に暖機用のリーン燃焼ガスと改質用のリッチ燃料ガスの境界にλ=1近傍の領域が生じる。図1のガソリンの空気過剰率λと断熱火炎温度の関係図に示すように、λ=1近傍の領域では改質器内部温度が一時的に高温となり、改質触媒などが破損するという問題があった。
【0010】
そこで本発明は、上記の問題を鑑みて、暖機運転から通常改質運転に移行する際に、改質触媒が過度に昇温するのを防ぐことができる改質型燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0011】
【問題点を解決するための手段】
改質時に、燃料リッチな改質燃料ガスを用いて改質反応を行う改質触媒部を含む改質器と、暖機時に、少なくとも前記改質触媒部を通過することにより前記改質触媒部を暖機する燃料リーンな燃焼ガスを生成する起動燃焼器を備える。さらに、前記改質器の上流側に備え、暖機運転から改質運転に移行する際に、前記燃焼ガスと前記改質燃料ガスとの混合ガスを燃焼する燃焼場と、を備える。
【0012】
【作用及び効果】
改質器の上流側に備え、暖機運転から改質運転に移行する際に、燃焼ガスと改質燃料ガスとの混合ガスを燃焼する燃焼場と、を備えることで、燃焼ガスと改質燃料ガスの間に不活性なバッファを形成することができる。これにより、改質触媒部が過度に昇温するのを防ぐことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態における改質型燃料電池システムの概略構成を図2に示す。燃料電池システムを車輌の駆動装置として搭載した場合を説明する。
【0014】
ここでは、改質燃料としてガソリンを用いたパワープラントシステムを適用する。また、本システムは、起動時に暖機運転を行うことにより各装置の温度を適温に設定し、効率のよい運転を行うシステムとする。
【0015】
燃料を改質して水素を取り出す燃料改質システム1を備える。ここでは燃料としてガソリンを用い、ガソリンと水と空気を用いてATR反応を生じることにより水素リッチな改質ガスを生成するシステムとする。なお、燃料改質システム1に必要となる熱は、後述する排水素燃焼器3で生成された排水素燃焼ガスを循環させることにより賄う。
【0016】
また、燃料電池2を備える。燃料電池2では、燃料改質システム1で生成した改質ガス中の水素と、酸化剤ガス、ここでは空気中の酸素を用いて電気化学反応を生じることにより起電力を生じる。ここで、改質ガス中の水素は、燃料電池2で全て消費されるわけではなく、一部が未反応のまま排出される。そこで、排水素燃焼器3を備え、燃料電池2からの水素を含んだ燃料排ガスの排出処理を行う。排水素燃焼器3では、燃料排ガスと、燃料電池2から排出された排空気または外部から供給される空気を用いて燃焼処理を行う。この燃焼処理により生成された排水素燃焼ガスは、前述した燃料改質システム1内を循環することにより燃料改質に必要な熱を供給してから燃料電池システム外部に排出される。
【0017】
次に、燃料改質システム1の構成を図3を用いて説明する。
【0018】
燃料改質システム1には、燃料としてのガソリンを貯蔵する図示しない燃料タンク、改質用の水を貯蔵する図示しない水タンクを備える。また、燃料タンクから燃料を汲み上げる図示しない燃料ポンプ、水タンクから水を汲み上げる図示しない水ポンプ、外部からシステム内に空気を導入するコンプレッサ4を備える。ここでは、コンプレッサ4により導入した空気を起動燃焼や改質反応に用いるが、コンプレッサ4で導入した空気の一部を後述するPROX反応器12に供給して、選択酸化反応に用いても良い。
【0019】
また、改質燃料用のガソリンを気化させるための熱交換器5、改質用の水を気化させるための熱交換器6を備える。熱交換器5、6では、通常運転時には、前述の排水素燃焼器3で生成した排水素燃焼ガスとの間で熱交換を行うことによりガソリンまたは水を蒸発させる。一方、システム暖機時には、後述する起動燃焼器7で生成された起動用の燃料リーンな燃焼ガスを用いて暖機される。さらに、暖機時から改質運転に移行する際には、燃焼場9において生成された高温燃焼ガスとの間で熱交換を行うことによりガソリンまたは水を蒸発させる。
【0020】
さらに、改質運転時に、熱交換器5、6で生成された燃料蒸気および水蒸気を混合するミキサ8を備える。ミキサ8に燃料蒸気を供給するか否かを選択するシャットバルブ18と、水蒸気を供給するか否かを選択するシャットバルブ19を備える。シャットバルブ18、19はそれぞれ熱交換器5、6を経由してミキサ8に接続する配管に備える。
【0021】
また、ミキサ8において燃料蒸気、水蒸気および空気を混合することにより生成したATR反応用の改質燃料ガスを用いて水素リッチな改質ガスを生成する改質器60を備える。改質器60は、改質反応を行う改質触媒を備えた改質反応器10と、シフト触媒を備えたシフト反応器11と、選択酸化触媒を備えたPROX反応器12とから構成する。改質反応器10では、改質燃料ガスを用いてATR反応を行うことにより、水素リッチな改質ガスを生成する。シフト反応器11、PROX反応器12では、改質ガス中のCOが燃料電池2の劣化原因とならないようにCOを低減する。ここで、シフト反応器11では、水を用いたシフト反応を生じる。PROX反応器12では、空気中の酸素を用いて選択酸化反応を生じる。これにより、改質ガス中のCO濃度を数十ppm程度まで低減する。このように、燃料電池2で用いる燃料ガスを生成するための触媒を備えた反応器である改質反応器10、シフト反応器11、PROX反応器12により改質器60を構成する。
【0022】
さらに、起動時に、燃料改質システム1を暖機するための起動用燃焼ガスを生成する起動燃焼器7を備える。ここでは特に改質器60に備えた触媒を活性温度にするために、暖機時に起動燃焼器7で生成した起動用燃焼ガスを改質器60内に流通させる。起動燃焼器7にはインジェクタと、グロープラグやスパークプラグなどの着火用プラグを備え、コンプレッサ4により導入された空気と、図示しない燃料ポンプにより供給されたガソリンを用いて燃焼を行う。
【0023】
また、空気過剰率λ=1となる可能性のある起動運転から通常運転への移行の際に燃焼を行う燃焼場9を備える。ここでは、燃焼場9として、着火を行う着火プラグ9aを備えた気層燃焼器を用いる。燃焼場9には、起動時には起動燃焼器7で生成した起動用燃焼ガスが、通常運転時にはミキサ8で生成した改質燃料ガスが供給される。
【0024】
ここで、起動用燃焼ガスは燃料リーンな燃焼ガスを用い、改質燃料ガスとしては燃料リッチガスを用いる。このため、起動運転から通常運転に移行する際に、この起動用燃焼ガスと改質燃料ガスとの境界に空気過剰率λ=1近傍となる領域が生じる。この空気過剰率λ=1近傍の燃料ガスが改質器60に供給されると、改質器60の触媒上で理論空燃比での燃焼が生じて、触媒が過度に昇温される可能性が生じる。そこで燃焼場9において、空気過剰率λ=1近傍の燃料ガスに着火プラグ9aで着火することにより高温燃焼ガスを生成し、燃料を消費する処理を行う。ここでは、燃焼場9における燃焼により高温の不活性ガスを生成し、この不活性ガスを改質反応器10に供給する。
【0025】
また、改質運転時の熱の消費を抑制するために、バイパス配管29を備える。ここでは、ミキサ8の下流側と改質器60の上流側を選択的に連通させる配管とする。このバイパス配管29に燃料ガスを流通するかどうかは、後述する三方弁13を用いて選択可能とする。バイパス配管29は、燃焼場9および熱交換器5、6をバイパスする配管であり、改質運転時には、改質燃料ガスをこのバイパス配管29に流通させることにより改質燃料ガス温度を維持し、無駄な放熱を防ぐ。
【0026】
さらに、三方弁13〜17を備える。三方弁13は、ミキサ8から供給された改質燃料ガスを改質器60に供給するか、ミキサ8を介して供給さえた起動用燃焼ガスを燃焼場9に供給するかを選択する。三方弁13のポート13aはミキサ8の下流側に、ポート13bは燃焼場9の上流側に、ポート13cは改質器60の上流側に接続する。また、三方弁14、15は、熱交換器5、6に燃焼場9からの起動用燃焼ガスまたは高温燃焼ガスを供給するか、排水素燃焼器3からの排水素燃焼ガスを供給するかを選択する。三方弁14、15のポート14a、15aは燃焼場9の下流側に、ポート14b、15bは排水素燃焼器3の下流側に、ポート14c、15cは熱交換器5、6の上流側に接続する。また、三方弁16、17は、熱交換器5、6から排出された燃焼ガスを外部に排出するか、改質器60に供給するかを選択する。三方弁16、17のポート16a、17aを熱交換器5、6の下流側に、ポート16b、17bをシステム外部に、ポート16c、17cを改質器60の上流側に接続する。
【0027】
さらに三方弁28を備える。三方弁28は、改質器60から排出された燃料ガスを燃料電池2に供給するか、改質器60から排出された燃焼ガスをシステム外部に排出するかを選択する。三方弁28のポート28aは改質器60のPROX反応器12の下流側に、ポート28bは燃料電池2の上流側に、ポート28cはシステム外部に接続する。
【0028】
このような燃料改質システムを制御するために、コントローラ30を備える。また、燃焼場9には、燃焼場9の温度を計測する温度センサ20、ハイドロカーボン(HC)濃度を計測するHCセンサ21、酸素濃度を計測するO2センサ22を備える。さらに、熱交換器5、6それぞれに供給される燃焼ガス温度を計測する温度センサ23、24、改質反応器10、シフト反応器11、PROX反応器12の触媒温度を計測する温度センサ25〜27を備える。各センサの出力はコントローラ30に入力され、この計測値を用いて燃料改質システムの制御を行う。
【0029】
次に、このような構成の燃料改質システムにおける通常運転時の動作を説明する。
【0030】
三方弁15、16を介して熱交換器5、6に排水素燃焼器3で生成した燃焼排ガスを供給する。熱交換器5、6で、燃料ポンプまたは水ポンプにより供給されたガソリンまたは水と、排水素燃焼ガスとの間で熱交換を行うことにより、改質用の燃料蒸気と水蒸気を生成する。燃料蒸気と水蒸気はミキサ8に供給される。また、コンプレッサ4により導入した空気を起動燃焼器7を介してミキサ8に供給する。このように供給された燃料蒸気、水蒸気、空気を用いて、濃度が均一化された燃料リッチの改質燃料ガスを生成する。改質燃料ガスは燃焼場9および熱交換器5、6をバイパスして改質反応器10に供給される。このとき、三方弁13はポート13aとポート13cが連通するように設定される。
【0031】
改質器60に供給された改質燃料ガスは、改質反応器10において改質反応を生じる。さらに、シフト反応器11でシフト反応を、PROX反応器12で選択酸化反応を生じることにより、低CO濃度の燃料ガスを生成する。この燃料ガスを三方弁28を介して燃料電池2に供給し、発電を行う。このとき、三方弁28はポート28aとポート28bが連通するように設定される。
【0032】
次に、このような構成の燃料改質システムにおける暖機時の動作を説明する。
【0033】
起動燃焼器7にコンプレッサ4により空気を、図示しない燃料ポンプによりガソリンを供給する。起動燃焼器7に備えた着火プラグを用いて燃焼を行い、燃料リーンの起動用燃焼ガスを生成する。起動用燃焼ガスは、ミキサ8、三方弁13、燃焼場9、三方弁14または15を介して熱交換器5または6に供給される。これにより熱交換器5および6の暖機を行う。さらに、三方弁16または17を介して改質器60に供給される。起動用燃焼ガスが改質反応器10、シフト反応器11、PROX反応器12を流れる際に、各反応器に備えた触媒に熱が移動して暖機される。暖機に用いた起動用燃焼ガスは、三方弁28を介してシステム外部に排出される。なお、起動用燃焼ガスとして、燃料電池2の劣化原因となるCO等を含まない高温ガスを用いる場合には、改質器60の暖機に用いた後、燃料電池2に供給供給し、燃料電池2の暖機に用いても良い。
【0034】
次に、上述したような起動運転から通常運転に移行する際の燃料改質システムの動作を説明する。
【0035】
起動運転から通常運転に移行する際には、起動燃焼器7から供給される燃料リーンガスである起動用燃焼ガスと、燃料リッチガスである改質燃料ガスと、がミキサ8において混合されて、空気過剰率λ=1近傍の燃料ガスが生成される。このλ=1近傍の燃料ガスは三方弁13を介して燃焼場9に供給される。燃焼場9の着火プラグ9aによりλ=1近傍の燃料ガスを燃焼し、高温の不活性ガスを生成する。なお、ここでは不活性ガスとしたが、改質反応器10に供給された際に過剰に昇温しない程度に燃料濃度が低いガスであればよい。
【0036】
この不活性ガスを熱交換器5、6を通ってから改質器60に供給する。この時点では、改質器60に備えた各触媒温度は十分に昇温していると判断できるので、改質器60においてCO低減を十分に行うことができる。よって、改質器60で生成された燃料ガスを三方弁28を介して燃料電池2に供給する。
【0037】
次に、このような燃料電池システムにおける起動運転の制御方法を図4に示すフローチャートを用いて説明する。車輌のイグニッションがONとなり、燃料電池システムを起動する指令を検知したら本制御を開始する。
【0038】
ステップS1において、各三方弁13〜17、28を設定する。ここでは、三方弁13をポート13aとポート13bが連通するように、三方弁14、15をポート14a、15aとポート14c、15cが連通するように設定する。また、三方弁16、17をポート16a、17aがポート16c、17cに連通するように、三方弁28をポート28aとポート28cが連通するように設定する。これにより、起動燃焼器7、ミキサ8、燃焼場9、熱交換器5または6、改質器60を連通した状態に設定される。
【0039】
次に、ステップS2において、着火プラグにより起動燃焼器7に着火できる流量範囲内でコンプレッサ4を起動する。これにより、起動燃焼器7に空気の供給を開始する。ステップS3において、起動燃焼器7を起動する。つまり、図示しない燃料ポンプにより加圧し、インジェクタを用いて微粒子状にて起動燃焼器7にガソリンを噴射する。その際の空気過剰率は、例えばλ=3程度とする。ガソリン流量、空気流量が安定したところで着火プラグを用いて着火することにより、起動燃焼器7において起動用燃焼ガスの生成を開始する。起動燃焼器7内部に設置される熱電対などの温度測定手段により、ガソリンの点火を確認した後、空気過剰率を約λ=3に維持しながら、起動燃焼器7へ供給されるガソリン量と空気量を増やしていく。ここでは、図1に示すように起動用燃焼ガス温度は約800 ℃となる。この起動用燃焼ガスを燃焼器9、熱交換器5、6、改質器60に流通させることにより、各装置の暖機を行う。
【0040】
このとき、シフト反応器12の温度を調整するために水タンクから図示されないポンプにより水をシフト反応器12に供給してもよい。また、PROX反応器12の温度を調整するためにコンプレッサ4から供給される常温空気の流量調整を行ってPROX反応器12に供給してもよい。
【0041】
ステップS4において、暖機状態を検出する。つまり、熱交換器5に備えた温度センサ23により熱交換器温度THEX1、熱交換器6に備えた温度センサ24により熱交換器温度THEX2を検出する。また、改質反応器10の改質触媒に備えた温度センサ24により改質触媒温度TREFを、シフト反応器11のシフト触媒に備えた温度センサ25によりシフト触媒温度TWGSを、PROX反応器12の選択酸化触媒に備えた温度センサ26により選択酸化触媒温度TPROXを検出する。
【0042】
ステップS5において、ステップS4において検出した温度と各部温度に対する温度閾値THEX10、THEX20、TREF0、TWGS0、TPROX0とを比較する。THEX10、THEX20はガソリンおよび水を蒸発するのに十分な温度であればよい。また、TREF0、TWGS0、TPROX0の値はATR反応、シフト反応、PROX反応の触媒活性温度(それぞれ約700℃、400℃、200℃)としてもよいし、シフト反応、PROX反応が発熱反応であることを考えて、触媒活性温度より少し低い値としてもよい。このようにした場合には、起動運転時間を短縮することが可能である。
【0043】
ステップS4で検出する全ての温度が、それぞれの温度閾値より高くなるまでステップS4、S5を繰り返し、それぞれの温度閾値より高くなったら暖機が完了したと判断してステップS6に進む。
【0044】
ステップS6では、暖機運転から通常の改質運転に移行する起動切り替えサブルーチンを実行する。起動切り替えサブルーチンを、図5に示したフローチャートを用いて説明する。
【0045】
ステップS11において、その時点でパワープラントに要求されている出力を計算する。次に、ステップS12において、燃焼場9の上限燃焼温度TC0を計算する。ここでは、熱交換器5、6に用いる冷媒として、改質用燃料としてのガソリンや水を用いるので、要求出力に応じて熱交換器5、6における熱交換量が変化する。そこで、要求出力から熱交換器5、6を流れる冷媒の流量を求める。ここでは、要求出力から熱交換器5、6を流れるガソリン流量Fgと水量Fwを求める。また、改質反応器10に供給しても改質触媒が破壊されない温度閾値TRMAXを定めておく。これらの値から、改質反応器10へ供給される改質燃料蒸気の温度がTRMAXを超えないような燃焼場9での上限燃焼温度TC0を決定する。
【0046】
次にステップS13において、空気過剰率閾値λ0を計算する。ここでは、図1に示すような断熱火炎温度と空気過剰率の関係から求めることができる。断熱火炎温度をTC0としたときの空気過剰率λを空気過剰率閾値λ0とする。ここでは1<λ0≦3となるように設定する。
【0047】
その後、ステップS14に進み、改質用のガソリン蒸気と水蒸気を改質器60に供給するために、シャットバルブ18、19を開く。これにより、改質燃料ガスを生成するための改質原料ガスを供給するための流路を確保する。さらに、三方弁28をポート28aとポート28bとが連通するように設定する。この時点で、改質器60の暖機は終了しているので、改質器60で生成された改質ガス中のCO濃度を十分に低減することができる。そこで、改質器60の下流側と燃料電池2の上流側を連通させることにより、水素リッチな改質ガスを燃料電池2に供給可能とする。
【0048】
ステップS15において、図示しないガソリンポンプおよび水ポンプを起動して、それぞれの流量をパワープラントシステムが必要としている流量Fg、Fwに調整する。次にステップS16において、コンプレッサ4により、空気を改質反応に必要な流量だけ供給する。これらの操作により、ミキサ8で燃料リッチな改質燃料ガスが生成され、燃焼場9に供給される。
【0049】
次に、ステップS17において、燃焼場9内部の空気過剰率λが空気過剰率閾値λ0未満かどうかを判断する。燃焼場9内部の空気過剰率λは、常にHCセンサ21とO2センサ22を用いて計測しておく。改質用ガソリン蒸気と、水蒸気供給後、燃焼場9内の空気過剰率は3から下がり、ある時点で空気過剰率閾値λ0に達する。
【0050】
ここで、燃焼場9に供給される燃料リッチな改質燃料ガスは、燃焼場9の上流側の配管内で燃料リーンの起動用燃焼ガスと混合し、その境界では空気過剰率λが約1となる領域が生じる。このように、空気過剰率λ=1近傍の燃料ガスを改質反応器10に供給すると、改質触媒温度が過度に上昇して改質触媒が破損する可能性が生じる。そこで、空気過剰率λが空気過剰率閾値λ0に達したら、ステップS18に進み、着火プラグ9aを点火して、バッファとなる不活性ガスを生成する。これにより、空気過剰率λが1近傍の状態となった燃料ガスは、燃焼場9で燃焼されて不活性の状態となってから改質反応器10に供給されるので、改質反応器10において温度が過度に上昇するのを防ぐことができる。この間に、起動用燃焼ガスの割合は低減し、反対に改質燃料ガスの割合は増大する。その結果、燃焼場9に供給される混合ガスは徐々に燃料リッチとなりλ=1で燃焼場内温度が最大となった後、空気過剰率λおよび燃焼場9内温度が共に低下していく。
【0051】
ステップS19において、燃焼器9内の温度Tcと、温度Tcの時間変化率dTc/dtを検出する。時間変化率dTc/dt<0、つまり燃焼場9内の温度Tcが低下し、かつ、燃焼場9内の温度Tcが燃焼場上限燃焼温度TC0未満となるまで、この燃焼を維持する。Tc<TC0かつdTc/dt<0と判断されたら、空気過剰率λ=1近傍となる領域は通過したと判断してステップS20に進む。ステップS20では、着火プラグ9aをOFFにする。これにより、ミキサ8におきて混合・生成される燃料ガスは、通常の改質運転時に用いる濃度となる。
【0052】
そこで、ステップS21において、三方弁13〜17の設定を行う。三方弁13を、ポート13aとポート13cが連通するように設定し、ミキサ8で混合生成した改質燃料ガスを改質反応器10に供給する。また、三方弁14をポート14bとポート14cが連通するように、三方弁15をポート15bとポート15cが連通するように設定する。これにより、排水素燃焼器3で生成された排水素燃焼ガスを熱交換器5、6の熱源として用いる。また、三方弁16をポート16aとポート16bが連通するように、三方弁17をポート17aとポート17bが連通するように設定する。これにより、熱交換器5、6で熱源に用いた排水素燃焼ガスを排出する。
【0053】
これにより定常運転時には、排水素燃焼器3から供給される高温の排水素燃焼ガスを熱源として熱交換器5、6で改質用原料および水を蒸発させる。また、燃焼場9に余計な熱容量を持たせるのを防ぐため、改質燃料ガスは燃焼場9と熱交換器5、6をバイパスするバイパス配管29を通る。
【0054】
このように制御した起動運転時のタイミングチャートを図6に示す。ここでは、ステップS5において起動切り替え運転に切り替える指標として、ガソリンを冷媒とする熱交換器の温度THEX1を示している。
【0055】
燃料改質システムの暖機が進むにつれ、燃焼場9の温度も上昇する。暖機が終了したら、起動切り替え操作を開始し、燃焼場9内の空気過剰率λがλ0となったら燃焼場9に着火する。空気過剰率λが1近傍の際には、燃焼場9で燃焼を生じることにより、改質器60に備えた改質触媒、シフト反応触媒、CO選択酸化触媒が過度に昇温するのを防ぐ。その後、空気過剰率λが燃料リッチ側になり、燃焼場9の温度がTC0未満に低下したら、燃焼場9における燃焼を停止して定常運転を開始する。
【0056】
次に、本実施形態の効果について説明する。
【0057】
改質時に、燃料リッチな改質燃料ガスを用いて改質反応を行う改質反触媒部を備えた改質反応器10を含む改質器60と、暖機時に、少なくとも改質反応器10を通過することにより改質反応器を暖機する燃料リーンな起動用燃焼ガスを生成する起動燃焼器7を備える。さらに、改質器60の上流側に備え、暖機運転から改質運転に移行する際に、起動用燃焼ガスと改質燃料ガスとの混合ガスを燃焼する燃焼場9と、を備える。これにより、暖機運転から改質運転への切り替え時に、燃焼場9で燃料と空気が理論空燃比の状態の燃料を燃焼することにより生成された高温燃焼ガスは酸素を含まない不活性ガスとなる。その結果、起動用燃焼ガスと改質用燃料ガスとの間に、不活性なバッファガスを形成することができる。これにより、改質反応器10において改質触媒が過度に昇温するのを防ぐことができる。
【0058】
酸素含有ガスを導入するコンプレッサ4と、少なくとも、コンプレッサ4により導入された空気と、改質原料ガスと、を混合することにより改質燃料ガスを生成するミキサ8と、を備える。ミキサ8の上流側に起動燃焼器7を配置し、ミキサ8と改質器60との間に燃焼場9を配置する。これにより、起動用燃焼ガスと改質燃焼ガスの境界で空気過剰率λ=1近傍となっても、改質器60に供給する前に燃焼場9において燃焼処理することができる。
【0059】
燃焼場9として、着火プラグ9aを備えた気層燃焼器を備える。このように、燃焼場9にグロープラグやスパークプラグなどの着火プラグ9aを用いることで、燃焼場9で任意のタイミングで燃焼を行うことができる。
【0060】
燃焼場9内部の空気過剰率λに応じて、着火プラグ9aを用いて燃焼を開始する。これにより、燃焼場9で燃やす必要のない空気過剰率λにある燃料、空気混合ガス中の燃料を燃焼に用いることがなく、燃料改質システム全体の効率向上が見込まれる。
【0061】
また、改質運転時に、燃焼場9をバイパスして改質器60に改質燃料ガスを供給するバイパス配管29を備える。これにより、改質運転時に、燃焼場9の容器の熱容量により無駄に熱が消費されるのを防ぐことができ、改質効率の低下が生じるのを抑制することができる。
【0062】
燃焼場9と改質器60との間に熱交換器5、6を備える。これにより、燃焼場9で生じる高温燃焼ガスの余剰熱量を外部に放出することなくシステム内で有効に利用することができる。
【0063】
また、改質運転時に、燃焼場9および熱交換器5、6の少なくとも一方をバイパスして改質器60に改質燃料ガスを供給するバイパス配管29を備える。これにより、改質運転時に、燃焼場9の容器と熱交換器5、6の熱容量により無駄に熱を消費して、改質効率が低下するのを抑制することができる。
【0064】
さらに、熱交換器5、6において、改質または発電に用いる液体燃料および水の少なくとも一方を冷媒として用いる。ここでは、改質に用いる改質原料と水を冷媒として熱交換機5、6に循環させる。これにより、熱交換用の冷却系42を別個に設ける必要がなく装置構成を簡便にすることができる。
【0065】
熱交換器5、6として、ガソリンの蒸発器5、または水の蒸発器6の少なくとも一方を用いる。これにより、起動切り替え時の高温燃焼ガスの持つ余剰熱量を燃料や水の蒸発に用いることができる。
【0066】
改質器60で生成した水素リッチな改質ガスを用いて発電を行う燃料電池2と、燃料電池2から排出された排水素を燃焼する排水素燃焼器3と、を備える。暖機時には、起動燃焼器3で生成した燃料リーンな起動用燃焼ガスを用いて熱交換器5、6を暖機し、改質時には、排水素燃焼器3からの排水素燃焼ガスを用いて熱交換器5、6においてガソリンまたは水の少なくとも一方の蒸発を行う。これにより、起動切り替え時に用いる改質原料の蒸発器と、通常の改質運転時に用いる改質減量の蒸発器と、の両方を備える必要がなく、システムの構成を簡略化することができる。
【0067】
さらに、燃焼場9として、着火プラグ9aを備えた気層燃焼器を備え、システムに要求される出力に応じて、着火プラグ9aを動作させるタイミングを変化させる。ここでは、要求出力に応じて燃焼場9の上限燃焼温度TC0を設定し、燃焼場9の温度TCがこの上限燃焼温度TC0まで低下した時点で、燃焼場9における燃焼を終了する。これにより、要求出力に応じて変化する冷媒循環量Fg、Fwに関わらず、改質触媒に送られる不活性バッファ排気ガスの温度を一定にして、改質触媒が破損するのを防ぐことができる。
【0068】
なお、ここでは燃焼場9を着火プラグ9aを備えた気層燃焼器としたが、酸化触媒により構成することもできる。燃焼場9を酸化触媒により構成することにより、燃焼場9で着火手段9aを設けることなしに理論空燃比燃焼を起こすことができる。
【0069】
次に、第2の実施形態について説明する。
【0070】
まず、起動時において、起動燃焼器7を用いて暖機を行った改質反応器10の改質触媒温度TREFA、およびシフト反応器11のシフト触媒温度TWGSA、およびPROX反応器12の選択酸化触媒温度TPROXAの時間変化を図7に示す。ここで、TREFA、TWGSA、TPROXAはそれぞれの反応器の暖機が終了したと判断することができる温度閾値である。ここでは、それぞれ700℃、400 ℃、100 ℃周辺である。この図よりPROX反応器12の昇温時間が燃料改質システム起動時間の律速となっていることがわかる。そこで、本実施形態では暖機運転から改質運転に切り替える際に改質反応器10で生じる過昇温を防ぎつつ、PROX反応器12の昇温時間を短縮するための構成・制御を説明する。
【0071】
ここで用いるパワープラントシステム全体の概略図は、第1実施形態と同様に図2に示す。燃料改質システムの構成を図8に示す。以下、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0072】
第1の実施形態と同様に、コンプレッサ4、起動燃焼器7、ミキサ8、燃焼場9を備える。また、改質反応器10、シフト反応器11、PROX反応器12からなる改質器60を備える。
【0073】
燃焼場9の下流側には熱交換器40を備える。熱交換器40とPROX反応器12との間には、冷却ポンプ41により循環する冷却系42を備える。熱交換器40において、燃焼場9で生成した高温燃焼ガスと冷却系42を循環する冷媒としてのLLCの間で熱交換を行う。つまり、熱交換器40とPROX反応器12との間で熱交換を行う。運転切り替え時に、熱交換器40における熱交換により昇温したLLCをPROX反応器12に循環させることにより、PROX反応器12の昇温を促進することができる。熱交換器40には、熱交換器40の温度状態を検出するために温度センサ43を備える。なお、ここでは冷却系42を熱交換器40とPROX反応器12との間を循環する系としたが、熱交換器40と燃料電池2との間を循環する系とすることもできる。つまり、ここでは高温燃焼ガスとの熱交換により得た熱を選択酸化触媒の暖機に用いているが、燃料電池2の性能が大幅に低下する低温時からの起動を行う際には、燃料電池2の暖機に用いることも可能である。
【0074】
また、改質原料としてのガソリンを蒸発するガソリン蒸発器51と、改質反応に用いる水を蒸発する水蒸発器52を備える。ガソリン蒸発器51の下流側にはガソリン蒸気を、水蒸発器52の下流側には水蒸気を、ミキサ8に供給するか否かを選択するシャットバルブ53、54を備える。
【0075】
さらに、ミキサ8の下流側には三方弁55を備える。三方弁55は、ミキサ8の下流側に連通するポート55a、後述する三方弁56を介して改質反応器10の上流側に連通するポート55b、燃焼場9の上流側に連通するポート55cから構成する。また、熱交換器40の下流側には三方弁56を備える。三方弁56は、熱交換器40の下流側に連通するポート56a、三方弁55のポート55bと連通するポート56b、改質反応器10の上流側に連通するポート56cから構成する。なお、ポート55bとポート56bを連通する配管をバイパス配管29とする。バイパス配管29は、燃焼場9および熱交換器40を選択的にバイパスする。
【0076】
次に、このような燃料改質システムにおける起動時の制御方法を図9のフローチャートを用いて説明する。車輌のイグニッションがONとなり、燃料電池システムを起動する指令を検知したら本制御を開始する。
【0077】
ステップS31において、三方弁55、56、28を設定する。ここでは、三方弁55のポート55aとポート55cが連通するように、三方弁56のポート56aとポート56cが連通するように設定する。これにより、起動時に、起動燃焼器7で生成された燃焼ガスを燃焼場9を介して改質器60に供給するように設定することができる。また、三方弁28のポート28aとポート28cを連通することにより、改質器60から排出されたガスを燃料電池2に供給せずに排出するように設定する。ステップS32、S33において、ステップS2、S3と同様に起動燃焼を開始する。これにより、熱交換器40および改質反応器10、シフト反応器11、PROX反応器12の暖機を開始する。
【0078】
ステップS34において、温度センサ27によりPROX反応器12に備えた選択酸化触媒の温度TPROXを検出する。ステップS35において、選択酸化触媒温度TPROXと起動切り替えの温度閾値TPROX0とを比較する。選択酸化触媒温度TPROXが温度閾値TPROX0より高くなるまで暖機を継続し、選択酸化触媒温度TPROXが温度閾値TPROX0より高くなったらステップS36に進み、起動切り替えサブルーチンを実行する。なお、この温度閾値TPROX0は、PROX反応器12で十分なCO除去を行う運転可能温度TPROX1より低い温度とする。
【0079】
次に、図10のフローチャートを用いて、起動切り替えサブルーチンを説明する。
【0080】
ステップS38〜S40においては、ステップS11〜S13と同様に、温度閾値TC0および空気過剰率閾値λ0を算出する。
【0081】
ステップS41において、シャットバルブ53、54を開放する。これにより、切り替え時に改質用ガソリン蒸気と水蒸気とを改質器60に供給可能とする。ステップS42において、図示しないガソリンポンプと水ポンプを起動して、それぞれパワープラントシステムで必要としている出力に応じた流量を供給する。さらに、ステップS43において、改質反応に必要な空気をコンプレッサ4により導入する。これにより、ミキサ8で改質燃料ガスを生成し、燃焼場9に供給する。
【0082】
ステップS44において、ステップS17と同様に、燃焼場9内部の空気過剰率λを判定する。空気過剰率λが空気過剰率閾値λ0より小さくなったら、この状態の燃料ガスを改質反応器10に供給することで、改質反応器10で過度の昇温が生じる可能性があると判断する。そこで、ステップS45において冷却ポンプ41を起動して、熱交換器40とPROX反応器12との間で熱交換を開始する。さらに、ステップS46において、ステップS18と同様に燃焼場9の着火プラグ9aを用いて燃焼を開始する。このように、λが1近傍となった場合には、燃焼場9において燃焼を行い、改質器60にバッファとなる不活性排気ガスを供給する。
【0083】
これにより、改質反応器10およびシフト反応器11、PROX反応器12にλ=1近傍の燃料ガスを供給するのを避けることができる。このとき、燃焼場9で生成された高温の燃焼ガスは、熱交換器40において冷却系42を循環するLLCとの間で熱交換を行うので、改質器60に供給する際の燃焼ガス温度を抑制することができる。ここでは、燃焼場9において最高2000℃程度の不活性ガスを生成するが、この冷却系42との熱交換により改質反応触媒を破損させない700℃程度にまで冷却してから改質反応器10に供給する。一方、熱交換器40で昇温されたLLCは、PROX反応器12に供給され、選択酸化触媒との間で熱交換を行うことでPROX反応器12の暖機を促進する。この操作により、PROX反応を十分に起こす温度に達していなかったPROX反応器がPROX反応器の運転可能温度TPROX1にまで昇温される。
【0084】
燃焼場9に供給されるガスは徐々に燃料リッチとなり、λ=1近傍で断熱火炎温度が細孔2000℃程度となった後、空気過剰率λおよび燃焼場9の温度TCが共に低下していく。そこで、ステップS47において、燃焼器9内の温度Tcと、温度Tcの時間変化率dTc/dtを検出する。時間変化率dTc/dt<0、つまり燃焼場9内の温度Tcの低下が開始し、かつ、燃焼場9内の温度Tcが燃焼場上限燃焼温度TC0未満となるまで、この燃焼を維持する。Tc<TC0かつdTc/dt<0と判断されたら、起動用燃料リーンガスと改質用燃料リッチガスの混合により空気過剰率λが1近傍の完全燃焼近傍の領域を通過したと判断する。
【0085】
ステップS48において、PROX反応器12の選択酸化触媒温度TPROXとPROX反応器12の運転可能温度TPROX1とを比較する。選択酸化触媒温度TPROXが運転可能温度TPROX1に達したら、ステップS49に進み着火プラグ9aをOFFにする。ステップS50において、冷却ポンプ41をOFFにして、PROX反応器12の暖機を終了する。
【0086】
ステップS51において、三方弁55、56、28を設定する。三方弁55は、ポート55aとポート55bを連通し、三方弁56はポート56bとポート56cとを連通する。これにより、ミキサ8において生成された燃料リッチの改質燃料ガスは、燃焼場9および熱交換器40をバイパスして改質器60に供給される。また、PROX反応器12が十分に暖機されたと判断できるので、三方弁28を排出側から燃料電池2側に切り替えて、改質器60で生成した水素リッチな改質ガスの供給を開始する。
【0087】
このように制御することで、図11に示すようなタイミングで起動が切り替えられる。
【0088】
シフト反応およびPROX反応は発熱反応であるので、起動時には、定常運転状態でのそれぞれの触媒温度TWGS1、TPROX2より低い運転可能温度TWGS0、TPROX1まで昇温すればよい。本実施形態では起動時間の短縮を図るために、起動運転時にはPROX反応器12の選択酸化触媒温度TPROXを運転可能温度TPROX1より低いTPROX0まで昇温する。その後の起動切り替え運転を開始して、燃焼場9で生成した高温燃焼ガスの熱交換によりPROX運転可能温度TPROX1までの昇温を行う。
【0089】
次に、本実施形態における効果を説明する。以下、第1の実施形態と異なる効果のみを説明する。
【0090】
改質器60に選択酸化触媒を備えたPROX反応器12と、PROX反応器12と熱交換器40との間でLLCを循環させる冷却系42と、を備える。熱交換器40は、暖機運転から改質運転に移行する際に、燃焼場9で混合ガスを燃焼することにより生成した高温燃焼ガスと、PROX反応器12との間でLLCを介して熱交換を行う。これにより、起動の際に最も暖機に時間のかかる選択酸化触媒の暖機を促進することができる。
【0091】
または、改質器60で生成した水素リッチな改質ガスを用いて発電を行う燃料電池2と、燃料電池2と熱交換器40との間でLLCを循環させる冷却系42と、を備える。熱交換器40は、暖機運転から改質運転に移行する際に、燃焼場9で混合ガスを燃焼することにより生成した高温燃焼ガスと、燃料電池2との間でLLCを介して熱交換を行う。これにより、低温起動などの燃料電池2の暖機が必要な場合、高温燃焼ガスの持つ余剰熱量を燃料電池2の暖機に用いることができる。
【0092】
なお、本実施形態においては、ガソリンを燃料として用いているが、その他の炭化水素系燃料、アルコール系燃料を用いてもよい。また、本実施形態で記載した温度がこれらに限定されるべきものではなく、構成やしようにより適切に設定されるべきものである。また、冷媒としてLLCを用いているが、冷媒として同様の機能を果すものであれば他の物質でも使用可能であることは言うまでもない。また、燃焼場9で燃料を燃やす手段としてスパークプラグやグロープラグなどの着火プラグ9aを用いているが、耐熱性の高い酸化触媒を用いても良い。
【0093】
このように、本発明は上記実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲内で、様々な変更が為し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】空気過剰率と断熱火炎温度の関係図である。
【図2】第1の実施形態に用いるパワープラントシステムの概略構成図である。
【図3】第1の実施形態に用いる燃料改質システムの構成図である。
【図4】第1の実施形態における起動運転時のフローチャートである。
【図5】第1の実施形態における起動切り替えのサブルーチンである。
【図6】第1の実施形態における起動時のタイミングチャートである。
【図7】暖機時の改質器に備えた触媒における温度変化を示す図である。
【図8】第2の実施形態に用いる燃料改質システムの構成図である。
【図9】第2の実施形態における起動運転時のフローチャートである。
【図10】第2の実施形態における起動切り替えのサブルーチンである。
【図11】第2の実施形態における起動時のタイミングチャートである。
【符号の説明】
2 燃料電池(燃料電池スタック)
3 排水素燃焼器(排水素燃焼手段)
4 コンプレッサ(酸素含有ガス導入手段)
5 熱交換器(熱交換手段)
6 熱交換器(熱交換手段)
7 起動燃焼器
9 燃焼場
9a 着火プラグ(着火手段)
10 改質反応器(改質触媒部)
12 PROX反応器(選択酸化触媒部)
29 バイパス配管(バイパス手段)
40 熱交換器(熱交換手段)
42 冷却系
60 改質器
Claims (14)
- 改質時に、燃料リッチな改質燃料ガスを用いて改質反応を行う改質触媒部を含む改質器と、
暖機時に、少なくとも前記改質触媒部を通過することにより前記改質触媒部を暖機する燃料リーンな燃焼ガスを生成する起動燃焼器と、
前記改質器の上流側に備え、暖機運転から改質運転に移行する際に、前記燃焼ガスと前記改質燃料ガスとの混合ガスを燃焼する燃焼場と、を備えることを特徴とする改質型燃料電池システム。 - 酸素含有ガスを導入する酸素含有ガス導入手段と、
少なくとも、前記酸素含有ガス導入手段により導入された酸素含有ガスと、改質原料ガスと、を混合することにより改質燃料ガスを生成する混合手段と、を備え、
前記混合手段の上流側に前記起動燃焼器を配置し、
前記混合手段と前記改質器との間に前記燃焼場を配置する請求項1に記載の改質型燃料電池システム。 - 前記燃焼場として、着火手段を備えた気層燃焼器を備えた請求項1または2に記載の改質型燃料電池システム。
- 前記燃焼場内部の空気過剰率に応じて、前記着火手段を用いて燃焼を開始する請求項3に記載の改質型燃料電池システム。
- 前記燃焼場が酸化触媒である請求項1または2に記載の改質型燃料電池システム。
- 改質運転時に、前記燃焼場をバイパスして前記改質器に改質燃料ガスを供給するバイパス手段を備える請求項1から5のいずれか一つに記載の改質型燃料電池システム。
- 前記燃焼場と前記改質器との間に熱交換手段を備える請求項1または2に記載の改質型燃料電池システム。
- 改質運転時に、前記燃焼場および前記熱交換手段の少なくとも一方をバイパスして前記改質器に改質燃料ガスを供給するバイパス手段を備える請求項1または7に記載の改質型燃料電池システム。
- 前記改質器に選択酸化触媒部と、
前記選択触媒部と前記熱交換手段との間で冷媒を循環させる冷却系と、を備え、
前記熱交換手段は、暖機運転から改質運転に移行する際に、前記燃焼場で混合ガスを燃焼することにより生成した高温燃焼ガスと、前記選択触媒部との間で冷媒を介して熱交換を行う請求項7に記載の改質型燃料電池システム。 - 前記改質器で生成した水素リッチな改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタックと前記熱交換との間で冷媒を循環させる冷却系と、を備え、
前記熱交換手段は、暖機運転から改質運転に移行する際に、前記燃焼場で混合ガスを燃焼することにより生成した高温燃焼ガスと、前記燃料電池スタックとの間で冷媒を介して熱交換を行う請求項7に記載の改質型燃料電池システム。 - 前記熱交換手段において、改質または発電に用いる液体燃料および水の少なくとも一方を冷媒として用いる請求項7に記載の改質型燃料電池システム。
- 前記熱交換手段として、液体燃料の蒸発器または水の蒸発器の少なくとも一方を用いる請求項7に記載の改質型燃料電池システム。
- 前記改質器で生成した水素リッチな改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタックから排出された排水素を燃焼する排水素燃焼手段と、を備え、
暖機時には、前記起動燃焼器で生成した燃料リーンな燃焼ガスを用いて前記熱交換手段を暖機し、
改質時には、前記排水素燃焼手段からの排ガスを用いて前記熱交換手段において液体燃料または水の少なくとも一方の蒸発を行う請求項12に記載の改質型燃料電池システム。 - 前記燃焼場として、着火手段を備えた気層燃焼器を備え、
システムに要求される出力に応じて、前記着火手段を動作させるタイミングを変化させる請求項13に記載の改質型燃料電池システム。
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JP2002369893A JP2004200108A (ja) | 2002-12-20 | 2002-12-20 | 改質型燃料電池システム |
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CN106379859B (zh) * | 2016-11-15 | 2018-09-14 | 晋城市阿邦迪能源有限公司 | 甲醇重整反应器 |
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- 2002-12-20 JP JP2002369893A patent/JP2004200108A/ja active Pending
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