JP2004199972A - 冷却流体通路付き燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却流体を流通させて効果的な冷却ができる燃料電池を実現する。
【解決手段】燃料電池60の筺体61内には、櫛形の電解質膜62が配置されており、筺体内空間が仕切られている。仕切られた一方の空間は、分流壁SAにより更に空気通路PAと冷却空気通路PPAとに仕切られ、仕切られた他方の空間は、分流壁SFにより更に燃料通路PFと冷却燃料通路PPFとに仕切られている。空気は、冷却空気通路PPAを通過する際に燃料電池の冷却をし、その後に、空気通路PAに供給されて発電に寄与する。燃料は、冷却燃料通路PPFを通過する際に燃料電池の冷却をし、その後に、燃料通路PFに供給されて発電に寄与する。
【選択図】 図2
【解決手段】燃料電池60の筺体61内には、櫛形の電解質膜62が配置されており、筺体内空間が仕切られている。仕切られた一方の空間は、分流壁SAにより更に空気通路PAと冷却空気通路PPAとに仕切られ、仕切られた他方の空間は、分流壁SFにより更に燃料通路PFと冷却燃料通路PPFとに仕切られている。空気は、冷却空気通路PPAを通過する際に燃料電池の冷却をし、その後に、空気通路PAに供給されて発電に寄与する。燃料は、冷却燃料通路PPFを通過する際に燃料電池の冷却をし、その後に、燃料通路PFに供給されて発電に寄与する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池用電解質膜の形態ならびに冷却流体通路付き燃料電池に関するものであり、燃料電池の簡単な組立て構造ならびに冷却流体で燃料電池を作動させることで発電効率が向上するように工夫したものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、空気と燃料とを電解質膜を介して電気化学反応させて発電を行なう装置であり、高い効率で電気エネルギーを発生させることができる。この燃料電池から排出される排出空気や排出燃料の温度は高く、この排出空気及び排出燃料の熱で、ガスタービン発電に利用することにより、燃料電池・ガスタービン複合にて高い発電効率を得ることができる。特に、高温型燃料電池では、排出空気や排出燃料の温度が高い。高温型の燃料電池としては、作動温度が約1000°Cの固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell )や、作動温度が約650°Cの溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC:Molten carbonate Fuel Cell)がある。
【0003】
図16は、燃料電池とガスタービン発電装置とを組み合わせた燃料電池/ガスタービン複合発電プラントの一般的な例を示している。この燃料電池/ガスタービン複合発電プラントは、固体酸化物型燃料電池(SOFC)などの高温型の燃料電池10と、ガスタービン発電装置20とを組み合わせて構成されている。ガスタービン発電装置20は、圧縮機21と燃焼器22とタービン23と発電機24を備えている。
【0004】
圧縮機21にて圧縮した圧縮空気は、圧縮空気ラインL1を通して、燃料電池10に供給される。また、天然ガスなどの燃料は燃料ラインL2から燃料電池10に供給される。燃料電池10では、空気通路と燃料通路との間に電解質膜が配置されており、空気通路に流れる圧縮空気から電解質膜を介して酸素が燃料通路に移動し、そこを流れる燃料との電気化学反応によって発電が行なわれる。
【0005】
燃料電池10から排出された排出燃料及び排出空気は高温になっており、それぞれ、排出燃料ラインL3及び排出空気ラインL4を通って燃焼器22に送られる。燃焼器22では、排出燃料と排出空気を燃焼して高温・高圧ガスを発生し、この高温・高圧ガスを高温・高圧ガスラインL5を通してタービン23に送る。高温・高圧ガスはタービン23にて膨張して出力を発生する。このタービン出力は、発電機24で電力として取り出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで従来の燃料電池/ガスタービン複合発電プラントでは、燃料電池10の温度が適正な運転温度を越えて過熱するのを防止するため、燃料電池10に多量の空気を供給して冷却をしている。例えば、燃料電池10において発電に必要な空気量1に対して、その7倍の量の空気を燃料電池10に供給して冷却をしている場合もある。
このように、発電に寄与しない多量の冷却空気を供給しているため、圧縮機21の動力が大きくなり、発電プラント全体としての発電効率が阻害されていた。
例えば、空気利用率が1/7≒0.14の場合、供給した空気のうち6/7は冷却にのみ使用されて発電には寄与しない。
【0007】
例えば、積層型のSOFCでは、電解質膜(YSZ )と燃料極(Ni/YSZサーメット)と空気極(LaSrMnO3)の薄膜3層からなる平坦な電解質膜と、インターコネクタ(LaMgCrO3) から構成されており、電解質膜とインターコネクタとの間に空気通路や燃料通路が形成されているが、冷却用通路は形成されていない。
また、円筒横縞型SOFCでは、多孔質のセラミックス基体管の表面に発電素子を形成し、基体管の内側と外側に、燃料と空気をそれぞれ流す構造となっているが、冷却用通路は形成されていない。
更に、積層型SOFCや円筒横縞型SOFCに、冷却用通路を付加して構成することは、必要性が認識されず、構造的に見ても困難であった。
【0008】
また、多数のセルを積層したスタック(燃料電池本体)を組み立てる際には、セル間にガスシールを施す必要があると共に、セル間隔を一定にする必要がある。このため、セルを積層してスタックを組み立てるには、熟練を要していた。
なお、作動に必要な圧縮空気等を用いて燃料電池装置を冷却する従来技術としては、特開2001−351663や、特開2001−357860がある。
【0009】
本発明は、上記従来技術に鑑み、組み立てが容易であると共に、燃料電池に送る空気量を大幅に減少することができる燃料電池用電解質膜に工夫を加え、冷却流体通路付き燃料電池を提供することを目的とする。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−351663号公報
【特許文献2】
特開2001−357860号公報
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の燃料電池用電解質膜の構成は、燃料電池に組み込まれた際に空気通路と燃料通路との境界となる電解質膜であって、
その断面形状は、前記空気通路と前記燃料通路とを対向させその境界面において、前記空気通路と前記燃料通路とが交互に相手側の通路に入り込むように、屈曲ないし湾曲した断面形状となっていることを特徴とする。
【0012】
また本発明の燃料電池の構成は、筺体の内部に電解質膜を配置することにより、前記筺体の内部空間を2つの流体通路に仕切り分けした燃料電池であって、
その断面形状は、2つの前記流体通路を対向させその境界面において、前記流体通路の一方と他方が交互に相手側の通路に入り込むように、屈曲ないし湾曲した断面形状となっていることを特徴とする。
【0013】
また本発明の冷却流体通路付き燃料電池の構成は、筺体の内部に電解質膜を配置することにより、前記筺体の内部空間を2つの流体通路に仕切り分けした燃料電池であって、
前記電解質膜の断面形状は、2つの前記流体通路を対向させその境界面において、前記流体通路の一方と他方が交互に相手側の通路に入り込むように、屈曲ないし湾曲した断面形状となっており、
一方の流体通路は第1の分流壁により、電解質膜に沿う空気通路と、電解質膜とは反対側の第1の冷却流体通路とに仕切り分けされ、
他方の流体通路は第2の分流壁により、電解質膜に沿う燃料通路と、電解質膜とは反対側の第2の冷却流体通路とに仕切り分けされていることを特徴とする。
【0014】
また本発明の燃料電池の構成は、前記第1の分流壁及び第2の分流壁は、前記電解質膜の形状に沿って屈曲ないし湾曲した断面形状となっていたり、
第1の冷却流体通路には、空気が流通され、第2の冷却流体通路には、燃料が流通されたり、
第1の冷却流体通路には、燃料電池の排熱により加熱された空気が流通され、前記空気通路には、第1の冷却流体通路を通過してきた空気が流通し、第2の冷却流体通路には、燃料電池の排熱により加熱された燃料が流通され、前記燃料通路には、第2の冷却流体通路を通過してきた燃料が流通したり、
第1の冷却流体通路には、大気を圧縮した圧縮機吐出のままの空気が流通され、前記空気通路には、第1の冷却流体通路を通過したのち燃料電池の排熱により加熱された空気が流通し、第2の冷却流体通路には、燃料源から供給される燃料が流通され、前記燃料通路には、第2の冷却流体通路を通過してきてから燃料電池の排熱により加熱された燃料が流通したり、
第1の冷却流体通路及び第2の冷却流体通路には、大気を圧縮した圧縮機吐出のままの空気が流通されたり、
第2の冷却流体通路には、大気から取り込んだ圧縮空気が流通され、第1の冷却流体通路には、第2の冷却流体通路を通過してきた空気が流通されることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0016】
<燃料電池用電解質膜及び燃料電池の実施の形態>
図1で本発明の基本構想を示す。燃料電池50は、筺体51の内部に、燃料電池用の電解質膜(電解質膜単独および酸素透過素材の上に電解質膜を形成したものを含む、以下同様)52を配置して筺体51の内部空間を、空気通路PAと燃料通路PFに仕切り分けした構造である。換言すると、電解質膜52が、空気通路PAと燃料通路PFとの境界面となっている。そして、空気通路PAには空気が流れ、燃料通路PFには燃料が流れる。空気及び燃料の流れ方向は、図1において紙面に対して垂直方向である。なお、筺体51の実際の厚さはmm級であり、電解質膜52の実際の厚さは例えば500μmであるが、図では、理解を容易にするため、厚く描いている。他の図でも状況は同様である。
【0017】
電解質膜52の断面形状(空気及び燃料の流れ方向に対して直交する面での断面形状)は、屈曲することにより所謂「凹凸形」または所謂「櫛形」になっている。つまり、電解質膜52の断面形状は、空気通路PA側と燃料通路PF側との間で複数回往復するように屈曲している。このように電解質膜52の断面形状が、櫛形になっているので、空気通路PAと燃料通路PFは、交互に相手側通路に入り込むようになっている。
【0018】
電解質膜52は、セラミックスにより全体が一体に成形されて、櫛形になっている。したがって、この1つの電解質膜52により、従来の積層型燃料電池本体に備える複数枚(この例では6枚)の電解質膜に相当する機能を有していることになる。このように、電解質膜52は、全体が一体に成形されたものであるため、この電解質膜52を筺体51に組み込むだけで、簡単に燃料電池50を構成することができる。しかも、セル間距離ΔLは成形時に固定されるので変動することなく、また、セル間にシール材を施さないため、従来のセル間のシール施工の不均一を回避することができる。したがって、熟練者でなくても、簡単に組み立てができ、セル間距離ΔLが一定で、しかも、シール性が破損する恐れのない高品質な燃料電池50を製造することができる。
【0019】
なお、図1の電解質膜52の断面形状は、空気通路PA側と燃料通路PF側との間で複数回往復するような櫛形となっているが、空気通路PA側と燃料通路PF側との間で1往復するような「コ字形」であってもよい。
また、電解質膜52の断面形状は、所謂「ジクザグ形」や「蛇腹形」であってもよい。更に、屈曲した断面形状ばかりでなく、波状に湾曲した断面形状の物であってもよい。つまり、この図1では「燃料通路と空気通路が対向して、お互いの通路に入り込む形状」を基本としている。なお、電解質膜52の各種の断面形状については、後述する。
【0020】
なお、部品としては、組み立てが完了した形態の燃料電池50を一体として見る場合の他、電解質膜52の単体を部品として見て、筺体51の中に電解質膜52を組み込む形態も取り扱う。
【0021】
<後冷却型(After-Cooling) の冷却流体通路付き燃料電池の実施の形態>
図2(a)は本発明の実施の形態に係る、後冷却型(After-Cooling) の冷却流体通路付き燃料電池60の一例を示す断面図である。この燃料電池60は、SOFC型の燃料電池であり、筺体61の内部に電解質膜62が配置されて、筺体61の内部空間が2つに仕切り分けされている。
【0022】
更に詳述すると、筺体61は、断面コ字形の筺体部材61aと、板状の筺体部材61bとが組み合わさって構成されている。電解質膜62は、セラミックス等により全体が一体に成形されており、図1に示す電解質膜52と同じ形状、つまり、断面形状が所謂「凹凸形」または所謂「櫛形」になっている。このような電解質膜62を筺体61の内部に配置することにより、電解質膜62が境界となって、図2(a)において、筺体61の内部空間が、左側の流体通路と、右側の流体通路に仕切り分けされている。しかも、電解質膜62の断面形状が、櫛形になっているので、左側の流体通路と右側の流体通路は、交互に相手側の流体通路に入り込むようになっている。
【0023】
図2(a)において、電解質膜62により仕切り分けされた左側の流体通路には、電解質膜62の形状に沿った形状の分流壁SAが備えられており、この分流壁SAにより、左側の流体通路が、空気通路PAと冷却空気通路PPAとに仕切り分けされている。
また、電解質膜62により仕切り分けされた右側の流体通路には、電解質膜62の形状に沿った形状の分流壁SFが備えられており、この分流壁SFにより、右側の流体通路が、燃料通路PFと冷却燃料通路PPFとに仕切り分けされている。
この場合、空気通路PAと燃料通路PFが電解質膜62側に位置し、冷却空気通路PPAと冷却燃料通路PPFが電解質膜62とは反対側に位置している。
【0024】
このため、電解質膜62を空気通路PAと燃料通路PFとで挟み、更に、これら電解質膜62,空気通路PA,燃料通路PFを、冷却空気通路PPAと冷却燃料通路PPFとで囲む構造が構成されている。
また、分流壁SA,SFの寸法や形状により電解質膜62の流体条件(流速他)を調整することができる。
【0025】
また、分流壁SAには、空気出口OAが形成されている。この空気出口OAは周辺からのまわりこみの他、図2(a)のθ部を抽出して示す図2(b)の空気出口OA1のようにして吹き出すことも可能である。この空気出口OAは、空気の流通方向の下流に位置し、紙面に対して垂直方向に流通するときは、例えば、筺体内部空間の奥の位置に形成されている。この空気出口OAは周辺からのまわりこみの他、図2(a)のθ部を抽出して示す図2(b)の空気出口OA1のようにして吹き出すことも可能である。
一方、分流壁SFには、燃料出口OFが形成されている。この燃料出口OFは、燃料の流通方向(図2では紙面に対して垂直方向)に関して、例えば、筺体内部空間の奥の位置に形成されている。
【0026】
なお、図2(a)の電解質膜62の断面形状は、空気通路PA側と燃料通路PF側との間で複数回往復するような櫛形となっているが、空気通路PA側と燃料通路PF側との間で1往復するような「コ字形」であってもよい。
また、電解質膜62の断面形状は、所謂「ジクザグ形」や「蛇腹形」であってもよい。更に、屈曲した断面形状ばかりでなく、波状に湾曲した断面形状の物であってもよい。
更に、分流壁SA,SFの形状は自由で、必ずしも、電解質膜62の形状に沿ったものでなくてもよい。
【0027】
ここで、冷却流体通路付き燃料電池60の組み立て方法の一例を、分解斜視図である図3を参照して説明する。同図に示すように、筺体部材61aと電解質膜62と、分流壁SAとを予め組み付けて、第1のパーツとしておく。また、筺体部材61bと分流壁SFとを予め組み付けて、第2のパーツとしておく。そして、第1のパーツと第2のパーツを上下方向(α方向)にスライドさせて両パーツを組み込むことにより、燃料電池60を組み立てることができる。
【0028】
このようにスライドさせて組み込むだけで、簡単に製造することができる。しかも、従来技術の6枚の電解質膜(セル)に相当する電解質膜62全体が、一体に形成されているため、セル間のシールが不要であり、シール性破損の恐れなく信頼性が高い。セル間シールが不要であるため、装置全体としてのシール箇所は、従来装置に比べて少なくすることができ、組立・装置化(分解・点検・再組立)が容易にできる。
【0029】
なお、図3では、理解を容易にするため一例を示しているが、図3において筺体部材61bの上端面A,筺体部材61aの下端面Bに位置する筺体部材を備えている。また、組み立て方法はこの方法に限るものではなく、また、電解質膜62のセル数、筺体61の形状や構造、分流壁SA,SFの形状や構造は図示したものに限らないことは勿論である。
【0030】
以上の構成の冷却流体通路付き燃料電池60において、空気と燃料の流通態様を以下に示す。
【0031】
空気はまず、冷却空気通路PPAに投入される。投入方法はどのような方法であってもよい。また投入位置は、例えば、空気の流通方向(図2では紙面に対して垂直方向)に関して筺体内部空間の手前側の位置とする。投入された空気a2は、冷却空気通路PPAの内部を、平面方向(a22)に移動するとともに、空気の流通方向に関して手前側から奥側に向かって進む。空気a2は凹部の先端に投入するなど冷却を高める投入位置は自由に採用できるものとする。そして、空気の流通方向に関して奥に達したら、空気出口OAを通って、空気a2は空気通路PA側に供給される。
【0032】
空気通路PA側に供給された空気を符号「a3」で示す。この空気a3は、空気通路PAの内部を、平面方向(a33)に移動するとともに、空気の流通方向に関して奥側から手前側に向かって進む。そして、空気の流通方向に関して手前側に達したら外部に排出される。外部に排出される空気を符号「a4」で示している。排出箇所及び排出方法はどのような方法であってもよい。
【0033】
燃料はまず、冷却燃料通路PPFに投入される。投入方法はどのような方法であってもよい。また投入位置は、例えば、燃料の流通方向(図2では紙面に対して垂直方向)に関して筺体内部空間の手前側の位置とする。投入された燃料f2は、冷却燃料通路PPFの内部を、平面方向(f22)に移動するとともに、燃料の流通方向に関して手前側から奥側に向かって進む。そして、燃料の流通方向に関して奥に達したら、燃料出口OFを通って、燃料は燃料通路PF側に供給される。
【0034】
燃料通路PF側に供給された空気を符号「f3」で示す。この燃料f3は、燃料通路PFの内部を、平面方向(f33)に移動するとともに、燃料の流通方向に関して奥側から手前側に向かって進む。そして、燃料の流通方向に関して手前側に達したら外部に排出される。外部に排出される燃料を符号「f4」で示している。排出方法はどのような方法であってもよい。
【0035】
電解質膜62を挟む空気通路PAと燃料通路PFに、空気a3と燃料f3が流通する過程で電気化学反応にて発電が行われる。この発電に伴い熱が発生するが、発熱する発電部分(電解質膜62,空気通路PA,燃料通路PF)は、これらを取り巻く冷却空気通路PPAと冷却燃料通路PPFを流れる空気a2と燃料f2によって冷却される。この冷却によって、供給する空気量は、発電に必要な量だけ、若しくは、発電に必要な量に若干量を加えた量だけでよく、冷却のための多量の空気を供給する必要はない。また、空気a3と燃料f3の流路には、紙面に垂直方向に「均一なすき間」や「多孔列」など種々の開口部形状を設けて均一に流す他、各種の方法が存在する。つまり、例示した方向に限らない。
【0036】
また、電解質膜62は櫛形となっているため、電解質膜62に発生した熱応力は、電解質膜62の僅かな形状変化により良好に分散することができる。
【0037】
このような冷却流体通路付き燃料電池60を用いて構成した、燃料電池/ガスタービン複合発電プラントを、図4に示す。図4において、Cは圧縮機、Tはタービン、ABは後置燃焼器、HRSGは排熱回収ボイラ、GENは発電機である。また、後置燃焼器ABとタービンTとの間に燃焼器を介在させるようにしてもよい。なお、冷却流体通路付き燃料電池60は概念的に示している。
【0038】
図4に示すように、燃料電池60から排出された高温の排出空気及び排出燃料は、後置燃焼器ABを通過してからタービンTに送られ、更にタービン排気からは排熱回収ボイラHRSGにて排熱が回収されるようになっている。
【0039】
圧縮機Cから供給された圧縮空気a1は、後置燃焼器ABに配置した伝熱管(群)を通過することにより、高温の排出空気及び排出燃料の顕熱及び燃焼熱により加熱される。加熱された空気a2は、燃料電池60の冷却空気通路PPAを通過し、このときに空気a2により燃料電池60の冷却が行われる。冷却空気通路PPAを通過して空気出口OAから出た空気a3は、今度は空気通路PAを通過しつつ発電に寄与し、通過して排出された空気a4は後置燃焼器ABに送られる。
【0040】
燃料f1は、後置燃焼器ABに配置した伝熱管(群)を通過することにより、高温の排出空気及び排出燃料の顕熱及び燃焼熱により加熱される。加熱された燃料f2は、燃料電池60の冷却燃料通路PPFを通過し、このときに燃料f2により燃料電池60の冷却が行われる。冷却燃料通路PPFを通過して燃料出口OFから出た燃料f3は、今度は燃料通路PFを通過しつつ発電に寄与し、通過して排出された燃料f4は後置燃焼器ABに送られる。
【0041】
図4に示す燃料電池/ガスタービン複合発電プラントでは、冷却用の空気a2及び冷却用の燃料f2は、後置燃焼器ABにて途中温度に加熱されているため、空気a1や燃料f1を低温のままで投入するよりは、冷却面(分流壁SA,SF)での熱応力を小さく抑制できるという利点がある。
【0042】
また、発電用の空気a3は、後置燃焼器ABの伝熱管(群)及び冷却空気通路PPAを経由して温度上昇し、発電用の燃料f3は、後置燃焼器ABの伝熱管(群)及び冷却燃料通路PPFを経由して温度上昇するように作動させることにより、発電部分(電解質膜62,空気通路PA,燃料通路PF)を、発電に好適な運転温度(例えば1000°C)に維持する。
【0043】
更に、圧縮機Cから送る空気a1の量は、燃料電池60において、発電に必要な量だけ、若しくは、発電に必要な量に若干量を加えた量だけでよいため、圧縮機Cから吐出する空気量を減らすことができる。圧縮機Cの駆動力を発電総出力に対して下げることができるため、発電プラント全体としての効率が向上する。
【0044】
<先冷却型(Pre-Cooling) の冷却流体通路付き燃料電池の実施の形態>
図5は本発明の実施の形態に係る、先冷却型(Pre-Cooling) の冷却流体通路付き燃料電池70の一例を示す断面図である。この燃料電池70は、SOFC型の燃料電池であり、筒状の筺体71の内部に電解質膜72が配置されて、筺体71の内部空間が2つに仕切り分けされている。
【0045】
更に詳述すると、筺体71は、断面コ字形の筺体部材71aと、板状の筺体部材71bとが組み合わさって構成されている。電解質膜72は、セラミックス等により全体が一体に成形されており、図1に示す電解質膜52と同じ形状、つまり、断面形状が所謂「凹凸形」または所謂「櫛形」になっている。このような電解質膜72を筺体71の内部に配置することにより、電解質膜72が境界となって、図5において、筺体71の内部空間が、左側の流体通路と、右側の流体通路に仕切り分けされている。しかも、電解質膜72の断面形状が、櫛形になっているので、左側の流体通路と右側の流体通路は、交互に相手側の流体通路に入り込むようになっている。
【0046】
図5において、電解質膜72により仕切り分けされた左側の流体通路には、電解質膜72の形状に沿った形状の分流壁SAが備えられており、この分流壁SAにより、左側の流体通路が、空気通路PAと冷却空気通路PPAとに仕切り分けされている。
また、電解質膜72により仕切り分けされた右側の流体通路には、電解質膜72の形状に沿った形状の分流壁SFが備えられており、この分流壁SFにより、右側の流体通路が、燃料通路PFと冷却燃料通路PPFとに仕切り分けされている。 この場合、空気通路PAと燃料通路PFが電解質膜72側に位置し、冷却空気通路PPAと冷却燃料通路PPFが電解質膜72とは反対側に位置している。
【0047】
このため、電解質膜72を空気通路PAと燃料通路PFとで挟み、更に、これら電解質膜72,空気通路PA,燃料通路PFを、冷却空気通路PPAと冷却燃料通路PPFとで囲む構造が構成されている。
また、分流壁SA,SFの寸法や形状により電解質膜72の流体条件(流速他)を調整することができる。
【0048】
なお、この冷却通路付き燃料電池70では、図2に示す冷却通路付き燃料電池60とは異なり、冷却空気通路PPAから空気通路PAに空気が直接流れ込む空気出口は無く、また、冷却燃料通路PPFから燃料通路PFに燃料が直接流れ込む燃料出口も無い。
【0049】
なお、図5の電解質膜72の断面形状は、空気通路PA側と燃料通路PF側との間で複数回往復するような櫛形となっているが、空気通路PA側と燃料通路PF側との間で1往復するような「コ字形」であってもよい。
また、電解質膜72の断面形状は、所謂「ジクザグ形」や「蛇腹形」であってもよい。更に、屈曲した断面形状ばかりでなく、波状に湾曲した断面形状の物であってもよい。
更に、分流壁SA,SFの形状は、必ずしも、電解質膜72の形状に沿ったものでなくてもよい。
【0050】
ここで、冷却流体通路付き燃料電池70の組み立て方法の一例を、分解斜視図である図6を参照して説明する。同図に示すように、筺体部材71aと、分流壁SAを予め組み付けて、第1のパーツとしておく。また、筺体部材71bと分流壁SFと電解質膜72とを予め組み付けて、第2のパーツとしておく。そして、第1のパーツと第2のパーツを水平方向(β方向)にスライドさせて両パーツを組み込むことにより、燃料電池70を組み立てることができる。
【0051】
このようにスライドさせて組み込むだけで、簡単に製造することができる。しかも、従来技術の6枚の電解質膜(セル)に相当する電解質膜72全体が、一体に形成されているため、セル間のシールが不要であり、シール性破損の恐れなく信頼性が高い。セル間シールが不要であるため、装置全体としてのシール箇所は、従来装置に比べて少なくすることができ、組立・装置化(分解・点検・再組立)が容易にできる。
【0052】
なお、組み立て方法はこの方法に限るものではなく、また、電解質膜72のセル数、筺体71の形状や構造、分流壁SA,SFの形状や構造は図示したものに限らないことは勿論である。
【0053】
このような構成となっている冷却流体通路付き燃料電池70における、空気と燃料の流通態様は次の通りである。
【0054】
圧縮機から送り込んだ空気はまず、冷却空気通路PPAに投入される。投入方法はどのような方法であってもよい。また投入位置は、例えば、空気の流通方向(図5では紙面に対して垂直方向)に関して筺体内部空間の手前側の位置とする。投入された空気a11は、冷却空気通路PPAの内部を、空気の流通方向に関して手前側から奥側に向かって進む。そして、空気の流通方向に関して奥に達したら外部に排出される。外部に排出される空気を符号「a12」で示す。排出方法はどのような方法であってもよい。
【0055】
排出された空気は、別経路(この経路の一例は図7に後述する)を通ってから、空気通路PAに投入される。投入方法はどのような方法であってもよい。また投入位置は、例えば、空気の流通方向(図5では紙面に対して垂直方向)に関して筺体内部空間の手前側の位置とする。空気通路PAに供給された空気を符号「a13」で示す。この空気a13は、空気通路PAの内部を、空気の流通方向に関して奥側から手前側に向かって進む。そして、空気の流通方向に関して手前に達したら外部に排出される。外部に排出される空気を符号「a14」で示している。排出方法はどのような方法であってもよい。
【0056】
燃料源から供給された燃料はまず、冷却燃料通路PPFに投入される。投入方法はどのような方法であってもよい。また投入位置は、例えば、燃料の流通方向(図5では紙面に対して垂直方向)に関して筺体内部空間の手前側の位置とする。投入された燃料f11は、冷却燃料通路PPFの内部を、燃料の流通方向に関して手前側から奥側に向かって進む。そして、燃料の流通方向に関して奥に達したら外部に排出される。外部に排出される燃料を符号「f12」で示す。排出方法はどのような方法であってもよい。
【0057】
排出された燃料は、別経路(この経路の一例は図7に後述する)を通ってから、燃料通路PFに投入される。投入方法はどのような方法であってもよい。また投入位置は、例えば、燃料の流通方向(図5では紙面に対して垂直方向)に関して筺体内部空間の手前側の位置とする。燃料通路PFに供給された燃料を符号「f13」で示す。この燃料f13は、燃料通路PFの内部を、燃料の流通方向に関して奥側から手前側に向かって進む。そして、燃料の流通方向に関して手前に達したら外部に排出される。外部に排出される燃料を符号「f14」で示している。排出方法はどのような方法であってもよい。
【0058】
電解質膜72を挟む空気通路PAと燃料通路PFに、空気a13と燃料f13が流通する過程で電気化学反応にて発電が行われる。この発電に伴い熱が発生するが、発熱する発電部分(電解質膜72,空気通路PA,燃料通路PF)は、これらを取り巻く冷却空気通路PPAと冷却燃料通路PPFを流れる、空気a11と燃料f11とで冷却される。したがって、効果的に冷却が行われることとなり、供給する空気量は、発電に必要な量だけ、若しくは、発電に必要な量に若干量を加えた量だけでよく、冷却のための多量の空気を供給する必要はない。また空気と燃料の投入位置・排出位置と2流体の流れの方向は自由で、電解質膜72の冷却に有効な条件で決定する。
【0059】
また、電解質膜72は櫛形となっているため、電解質膜72に発生した熱応力は、電解質膜72の僅かな形状変化により良好に分散することができる。
【0060】
このような冷却流通通路付き燃料電池70を用いて構成した、燃料電池/ガスタービン複合発電プラントを、図7に示す。図7において、Cは圧縮機、Tはタービン、ABは後置燃焼器、HRSGは排熱回収ボイラ、GENは発電機である。また、後置燃焼器ABとタービンTとの間に燃焼器を介在させるようにしてもよい。なお、冷却流体通路付き燃料電池70は概念的に示している。
【0061】
図7に示すように、燃料電池70から排出された高温の排出空気及び排出燃料は、後置燃焼器ABを通過してからタービンTに送られ、更にタービン排気からは排熱回収ボイラHRSGにて排熱が回収されるようになっている。
【0062】
大気から取り込まれて圧縮機Cにより圧縮された圧縮空気a11は、まず、燃料電池70の冷却空気通路PPAに供給されて、冷却空気通路PPAを通過する際に、燃料電池70の冷却を行い、自らは昇温する。冷却空気通路PPAから排出された空気a12は、後置燃焼器ABに配置された伝熱管(群)を通過することにより、高温の排出空気(a14)及び排出燃料(f14)により加熱される。加熱された空気a13は、空気通路PAに供給され、発電に寄与する。空気通路PAから排出された空気a14は、後置燃焼器ABに送られる。
【0063】
一方、燃料源から供給された燃料f11は、まず、燃料電池70の冷却燃料通路PPFに供給されて、冷却燃料通路PPFを通過する際に、燃料電池70の冷却を行い、自らは昇温する。冷却燃料通路PPFから排出された燃料f12は、後置燃焼器ABに配置された伝熱管(群)を通過することにより、高温の排出空気(a14)及び排出燃料(f14)により加熱される。加熱された燃料f13は、燃料通路PFに供給され、発電に寄与する。燃料通路PFから排出された燃料f14は、後置燃焼器ABに送られる。
【0064】
図7に示す燃料電池/ガスタービン複合発電プラントでは、圧縮された空気a11と燃料源から供給されてきた燃料f11が、まず、燃料電池70の冷却空気通路PPA及び冷却燃料通路PPFに供給される。空気a11の温度は例えば350°C程度であり、燃料f11の温度はほぼ常温であり、このように両者の温度が低いので(燃料電池の運転温度である1000°Cに比べて大幅に温度が低いので)、冷却面(分流壁SA,SF)の面積が小さくても、効率的な冷却ができるという利点がある。
【0065】
また、発電用の空気a13は、冷却空気通路PPA及び後置燃焼器ABを通過することにより温度上昇し、発電用の燃料f13は、冷却燃料通路PPF及び後置燃焼器ABを通過することにより温度上昇している。このため、発電部分(電解質膜62,空気通路PA,燃料通路PF)を、発電に好適な運転温度(例えば1000°C)に維持することが容易にできる。
【0066】
更に、圧縮機Cから送る空気a11の量は、燃料電池70において、発電に必要な量だけ、若しくは、発電に必要な量に若干量を加えた量だけでよいため、圧縮機Cの駆動力を下げることができる。この駆動力は発電機総出力に対して低くできるため、発電プラント全体としての効率が向上する。
【0067】
<ダブル先冷却型(Double Pre-Cooling)の冷却流体通路付き燃料電池の実施の形態>
図8は本発明の実施の形態に係る、ダブル先冷却型(Double Pre-Cooling)の冷却流体通路付き燃料電池70Aの一例を示す断面図である。この燃料電池70Aの機械的構造は、図5に示す燃料電池70と同じであるが、流路の使用態様を異ならせている。つまり、図5に示す冷却空気通路PPAを第1の冷却空気通路PPA1とし、図5に示す冷却燃料通路PPFを第2の冷却空気通路PPA2として使用するようにしたものである。
【0068】
このような冷却流通通路付き燃料電池70Aを用いて構成した、燃料電池/ガスタービン複合発電プラントを、図9に示す。図9において、Cは圧縮機、Tはタービン、ABは後置燃焼器、HRSGは排熱回収ボイラ、GENは発電機、CCは燃焼器である。なお燃焼器CCを用いなくてもよい場合があり、燃焼器CCを用いるか否かは、システム全体の熱バランスにより決定する。また、冷却流体通路付き燃料電池70Aは概念的に示している。
【0069】
図9に示すように、燃料電池70Aから排出された高温の排出空気(a27)及び排出燃料(f23)は、後置燃焼器ABで燃焼してから改めて燃焼器CCに投入される燃料で再燃されてから、タービンTに送られ、更に排熱回収ボイラHRSGにて排熱が回収されるようになっている。
【0070】
大気から取り込まれて圧縮機Cにより圧縮された空気a21は、空気a22,a23に2分岐され、空気a22は燃料電池70Aの冷却空気通路PPA1に供給されて、冷却空気通路PPA1を通過する際に燃料電池70Aの冷却を行い、空気a23は燃料電池70Aの冷却空気通路PPA2に供給されて、冷却空気通路PPA2を通過する際に燃料電池70Aの冷却を行う。冷却空気通路PPA1,PPA2から排出された空気a24,a25は、合流してから後置燃焼器ABに配置された伝熱管(群)を通過することにより、高温の排出空気及び排出燃料の顕熱及び燃焼熱により加熱される。加熱された空気a26は、空気通路PAに供給され、発電に寄与する。空気通路PAから排出された空気a27は、後置燃焼器ABに送られる。
【0071】
燃料源から供給された燃料f21は、後置燃焼器ABに配置された伝熱管(群)を通過することにより、高温の排出空気及び排出燃料の顕熱及び燃焼熱により加熱される。加熱された燃料f22は、燃料電池70Aの燃料通路PFに供給され、発電に寄与する。燃料通路PFから排出された燃料f23は、後置燃焼器ABに送られる。
【0072】
図9に示す燃料電池/ガスタービン複合発電プラントに組み込んだ燃料電池70Aは、2系統の空気a22,a23により冷却される。しかも、空気流量はシステムバランス上、燃料よりも多いため、より効率的な冷却を実現することができる。つまり、発熱量の多い燃料通路PFの冷却を、冷却能力の大きな空気により冷却することができ、また燃料流量に支配されないので、冷却設計の自由度が高くなる。
【0073】
なお、図8に示す燃料電池70Aに、更に、後置燃焼器ABに供給する前の燃料を通過させる、燃料冷却通路を付加するようにしてもよい。
【0074】
<先後冷却型の冷却流体通路付き燃料電池の実施の形態>
図10は本発明の実施の形態に係る、先後冷却型の冷却流体通路付き燃料電池70Bの一例を示す断面図である。この燃料電池70Bの機械的構造は、図8に示す燃料電池70Aの一部を変形したものである。即ち、燃料電池70Aに、分流壁SAに空気出口OAを付加したものが、燃料電池70Bである。燃料電池70Bの他の部分の構成は、燃料電池70Aと同じである。
【0075】
図11に燃料電池70Bを用いた燃料電池/ガスタービン複合発電プラントを示す。この燃料電池70Bでは、大気から取り込まれて圧縮機Cにより圧縮された空気(a23)を、まず冷却空気通路PPA2に通し、燃料電池70Bの冷却を行う。冷却空気通路PPA2を通過してきた空気(a25)は、外部に取り出され後置燃焼器ABに配置された伝熱管(群)にて加熱される。後置燃焼器ABに配置された伝熱管(群)にて加熱された空気(a26)は、冷却空気通路PPA1に通され、燃料電池70Bの冷却を行う。冷却空気通路PPA1を通過した空気(a22)は、空気出口OA(図2)を通って空気通路PA(図2)に入り、発電に寄与し、空気通路PAを通過してきた空気(a27)は、外部に排出される。一方、燃料通路PFには燃料が流通される。
【0076】
<電解質膜の各種形状>
図1,図2,図5,図8,図10に示す電解質膜52,62,72の断面形状は、いわゆる「櫛形」(角隅形状:図12(e))になっているが、これに限るものではなく、「多段折れ」構造(corrugation )になっていれば、あらゆる形状のものを使用することができる。例えば、図12(a)に示すような丸隅形状であっても、図12(b)に示すような傾斜形状であっても、図12(c)に示すような混合形状であっても、図12(d)に示すような二重波形形状であってもよい。もちろん、図12(a)〜(d)は例示であり、これ以外の形状であってもよい。
【0077】
図12(d)に示す二重波形形状では、図12(e)に示すような縞状や、図12(f)に示すようなディンプル状の表面形状を併用することができる。この二重波形形状では、電解質膜の表面積を増やすことができ、また、変形に対する柔軟性も向上するのでコンパクト性(高密度配置)に優れている。
【0078】
結局、
(1) 本発明の電解質膜1枚で、従来の板状の電解質膜を多層にしたのと同じ構成を実現でき、
(2) 本発明の電解質膜は、温度分布,応力分布が生じても拘束箇所を遠ざけているので破壊しにくく、
(3) 本発明の電解質膜は、分流壁SA,SFの形態にあわせて自由に造形することができる。
【0079】
<分流壁の端末形状>
次に、図2,図5,図8,図10に示す冷却流体通路付き燃料電池60,70,70A,70Bにおける分流壁SF,SAの端末形状の各種例を、図13に示す。なお、分流壁SFと分流壁SAは同様な構造とすることができるので、図13(a)〜(d)では、両分流壁SF,SAを特に区別していない。また、fは燃料を、aは空気を示している。勿論、図示以外の端末形状としてもよい。
【0080】
図13(a)に示すスロットタイプでは、燃料f,空気aの放出端末が溝形となっており、分流壁SF(SA)の間隔保持と壁冷却の機能を持つ多ピンMPを用いている。燃料f,空気aの吹出は均一である。
【0081】
図13(b)に示すホールタイプは、端板が分流壁SF(SA)間隔を保持している。そして、燃料f(空気a)の放出のために円孔や楕円孔、その他の「点在する孔」を形成している。燃料f,空気aの吹出は均一である。
【0082】
図13(c)(d)は、燃料f,空気aの吹出を偏流吹出とするように、吹出孔(吹出開口)の形状を工夫したものである。
【0083】
<分流壁の壁面形状>
次に、図2,図5,図8,図10に示す冷却流体通路付き燃料電池60,70,70A,70Bにおける分流壁SF,SAの壁面形状の各種例を、図14に示す。なお、分流壁SFと分流壁SAは同様な構造とすることができるので、図14(a)(b)(c)では、両分流壁SF,SAを特に区別していない。また、cは冷却流体を、rは反応流体を、CEは電解質膜を示している。勿論、図示以外の壁面形状としてもよい。
【0084】
図14(a)(b)に示すスロットタイプ(開口なし)では、分流壁SF(SA)を冷却して流れてきた冷却流体(冷却用の燃料や空気)cは、開口部を出た後、電解質膜CEと接して流れる反応流体(発電反応のための燃料や空気)rとなる。
【0085】
図14(c)(d)に示すマルチホールタイプ(開口あり)では、燃料fと空気aが分流壁SF,SAと電解質膜CEに挟まれた流路で均一となるように多孔を分流壁SF及び/または分流壁SAに明ける。
【0086】
このようにすると、図14(e)にも示すように、電解質膜CEに対して垂直方向に燃料fと空気aが衝突して冷却効果を発揮するので電解質膜CEの冷却能力が向上すると共に、電解質膜CEから供給されるO2 と燃料fとの反応が促進される。
【0087】
なお、例示した電解質膜形状(図1,図12参照)、分流壁端末形状(図13参照)、分流壁面形状(図14参照)のそれぞれの組み合わせは任意である。また、例示していないものとの組み合わせも自由である。
【0088】
<電解質膜形状,分流壁端末形状,分流壁面形状を任意に組み合わせて構成した、一例としての冷却流体通路付き燃料電池>
図15は、電解質膜形状(図1,図12参照),分流壁端末形状(図13参照),分流壁面形状(図14参照)を任意に組み合わせて構成した、一例としての冷却流体通路付き燃料電池80を示している。図15において、CEは電解質膜、SF,SAは分流壁、PFは燃料通路,PPFは冷却燃料通路,PAは空気通路,PPAは冷却空気通路、fは燃料、aは空気である。この例では、電解質膜CEは混合形状であり、分流壁SF,SAには、多孔が明けられている。
【0089】
【発明の効果】
以上実施の形態と共に具体的に説明したように本発明の電解質膜は、燃料電池に組み込まれた際に空気通路と燃料通路との境界となる電解質膜であって、前記電解質膜の断面形状は、前記空気通路と前記燃料通路とを対向させその境界面において、前記空気通路と前記燃料通路とが交互に相手側の通路に入り込むように、屈曲ないし湾曲した断面形状となっている構成とした。
このため、セル間シールが不要になる、あるいは、ごく一部の限られた部分のみに備えれば十分になると共に、組み立てが容易になる。
【0090】
また本発明の燃料電池は、筺体の内部に電解質膜を配置することにより、前記筺体の内部空間を2つの流体通路に仕切り分けした燃料電池であって、前記電解質膜の断面形状は、2つの前記流体通路を対向させその境界面において、前記流体通路の一方と他方が交互に相手側の通路に入り込むように、屈曲ないし湾曲した断面形状となっている構成とした。
このため、セル間シールが不要になる、あるいは、ごく一部の限られた部分のみに備えれば十分になると共に、組み立てが容易になる。
【0091】
また本発明の冷却流体通路付き燃料電池は、筺体の内部に電解質膜を配置することにより、前記筺体の内部空間を2つの流体通路に仕切り分けした燃料電池であって、前記電解質膜の断面形状は、2つの前記流体通路を対向させその境界面において、前記流体通路の一方と他方が交互に相手側の通路に入り込むように、屈曲ないし湾曲した断面形状となっており、一方の流体通路は第1の分流壁により、電解質膜側の空気通路と、電解質膜とは反対側の第1の冷却流体通路とに仕切り分けされ、他方の流体通路は第2の分流壁により、電解質膜側の燃料通路と、電解質膜とは反対側の第2の冷却流体通路とに仕切り分けされている構成とした。
このため、第1及び第2の冷却流体通路に、空気や燃料を流通させることにより、燃料電池の冷却を効果的に行うことができる。この結果、燃料電池に供給する空気量は、発電に必要な量だけですみ、供給する空気量を従来より大幅に減少することができ、発電プラントとして構成した場合におけるプラント全体としての効率が向上する。
【0092】
また本発明の冷却流体通路付き燃料電池は、第1の分流壁及び第2の分流壁は、前記電解質膜の形状に沿って屈曲ないし湾曲した断面形状となっていたり、
第1の冷却流体通路には、空気が流通され、第2の冷却流体通路には、燃料が流通されたり、
第1の冷却流体通路には、燃料電池の排熱により加熱された空気が流通され、前記空気通路には、第1の冷却流体通路を通過してきた空気が流通し、第2の冷却流体通路には、燃料電池の排熱により加熱された燃料が流通され、前記燃料通路には、第2の冷却流体通路を通過してきた燃料が流通したり
第1の冷却流体通路には、圧縮機吐出のままの空気が流通され、前記空気通路には、第1の冷却流体通路を通過してきてから燃料電池の排熱により加熱された空気が流通し、第2の冷却流体通路には、燃料源から供給されてきた燃料が流通され、前記燃料通路には、第2の冷却流体通路を通過してきてから燃料電池の排熱により加熱された燃料が流通したり、
第1の冷却流体通路及び第2の冷却流体通路には、圧縮機吐出のままの空気が流通され、空気通路には、第1の冷却流体通路及び第2の冷却流体通路を通過してから燃料電池の排熱により加熱された空気が流通されたり、
第2の冷却通路には圧縮機吐出のままの空気が流通さ、第1の冷却通路には第2の冷却通路を通過してから燃料電池の排熱により加熱された空気が流通し、空気通路には第1の冷却通路を通過してきた空気が流通される構成とした。
このため、第1及び第2の冷却流体通路に、空気や燃料を流通させることにより、燃料電池の冷却を効果的に行うことができる。この結果、燃料電池に供給する空気量は、発電に必要な量だけですみ、供給する空気量を従来の燃料電池より大幅に減少させることができ、発電プラントとして構成した場合のプラント全体効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構想となる、SOFC型の燃料電池を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る、後冷却型(After-Cooling) の冷却流体通路付き燃料電池の一例を示す断面図である。
【図3】冷却流体通路付き燃料電池の組み立て方法の一例を示す分解斜視図である。
【図4】冷却流体通路付き燃料電池を用いて構成した、燃料電池/ガスタービン複合発電プラントを示す構成図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る、先冷却型(Pre-Cooling) の冷却流体通路付き燃料電池の一例を示す断面図である。
【図6】冷却流体通路付き燃料電池の組み立て方法の一例を示す分解斜視図である。
【図7】冷却流体通路付き燃料電池を用いて構成した、燃料電池/ガスタービン複合発電プラントを示す構成図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る、ダブル先冷却型(Double Pre-Cooling)の冷却流体通路付き燃料電池の一例を示す断面図である。
【図9】冷却流体通路付き燃料電池を用いて構成した、燃料電池/ガスタービン複合発電プラントを示す構成図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る、先後冷却型の冷却流体通路付き燃料電池の一例を示す断面図である。
【図11】先後冷却型の冷却流体通路付き燃料電池を用いて構成した、燃料電池/ガスタービン複合発電プラントを示す構成図である。
【図12】電解質膜の各種形状を示す構成図である。
【図13】分流壁の端末形状の各種例を示す構成図である。
【図14】分流壁の壁面形状の各種例を示す構成図である。
【図15】電解質膜形状,分流壁端末形状,分流壁形状を自由に組み合わせて構成した一例としての冷却流体通路付き燃料電池を示す構成図である。
【図16】燃料電池/ガスタービン複合発電プラントの一般的な例を示す構成図である。
【符号の説明】
50 燃料電池
60,70,70A,70B,80 冷却流体通路付き燃料電池
51,61,71 筺体
52,62,72 電解質膜
PA 空気通路
PF 燃料通路
PPA 冷却空気通路
PPF 冷却燃料通路
SA,SF 分流壁
CE 電解質膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池用電解質膜の形態ならびに冷却流体通路付き燃料電池に関するものであり、燃料電池の簡単な組立て構造ならびに冷却流体で燃料電池を作動させることで発電効率が向上するように工夫したものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、空気と燃料とを電解質膜を介して電気化学反応させて発電を行なう装置であり、高い効率で電気エネルギーを発生させることができる。この燃料電池から排出される排出空気や排出燃料の温度は高く、この排出空気及び排出燃料の熱で、ガスタービン発電に利用することにより、燃料電池・ガスタービン複合にて高い発電効率を得ることができる。特に、高温型燃料電池では、排出空気や排出燃料の温度が高い。高温型の燃料電池としては、作動温度が約1000°Cの固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell )や、作動温度が約650°Cの溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC:Molten carbonate Fuel Cell)がある。
【0003】
図16は、燃料電池とガスタービン発電装置とを組み合わせた燃料電池/ガスタービン複合発電プラントの一般的な例を示している。この燃料電池/ガスタービン複合発電プラントは、固体酸化物型燃料電池(SOFC)などの高温型の燃料電池10と、ガスタービン発電装置20とを組み合わせて構成されている。ガスタービン発電装置20は、圧縮機21と燃焼器22とタービン23と発電機24を備えている。
【0004】
圧縮機21にて圧縮した圧縮空気は、圧縮空気ラインL1を通して、燃料電池10に供給される。また、天然ガスなどの燃料は燃料ラインL2から燃料電池10に供給される。燃料電池10では、空気通路と燃料通路との間に電解質膜が配置されており、空気通路に流れる圧縮空気から電解質膜を介して酸素が燃料通路に移動し、そこを流れる燃料との電気化学反応によって発電が行なわれる。
【0005】
燃料電池10から排出された排出燃料及び排出空気は高温になっており、それぞれ、排出燃料ラインL3及び排出空気ラインL4を通って燃焼器22に送られる。燃焼器22では、排出燃料と排出空気を燃焼して高温・高圧ガスを発生し、この高温・高圧ガスを高温・高圧ガスラインL5を通してタービン23に送る。高温・高圧ガスはタービン23にて膨張して出力を発生する。このタービン出力は、発電機24で電力として取り出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで従来の燃料電池/ガスタービン複合発電プラントでは、燃料電池10の温度が適正な運転温度を越えて過熱するのを防止するため、燃料電池10に多量の空気を供給して冷却をしている。例えば、燃料電池10において発電に必要な空気量1に対して、その7倍の量の空気を燃料電池10に供給して冷却をしている場合もある。
このように、発電に寄与しない多量の冷却空気を供給しているため、圧縮機21の動力が大きくなり、発電プラント全体としての発電効率が阻害されていた。
例えば、空気利用率が1/7≒0.14の場合、供給した空気のうち6/7は冷却にのみ使用されて発電には寄与しない。
【0007】
例えば、積層型のSOFCでは、電解質膜(YSZ )と燃料極(Ni/YSZサーメット)と空気極(LaSrMnO3)の薄膜3層からなる平坦な電解質膜と、インターコネクタ(LaMgCrO3) から構成されており、電解質膜とインターコネクタとの間に空気通路や燃料通路が形成されているが、冷却用通路は形成されていない。
また、円筒横縞型SOFCでは、多孔質のセラミックス基体管の表面に発電素子を形成し、基体管の内側と外側に、燃料と空気をそれぞれ流す構造となっているが、冷却用通路は形成されていない。
更に、積層型SOFCや円筒横縞型SOFCに、冷却用通路を付加して構成することは、必要性が認識されず、構造的に見ても困難であった。
【0008】
また、多数のセルを積層したスタック(燃料電池本体)を組み立てる際には、セル間にガスシールを施す必要があると共に、セル間隔を一定にする必要がある。このため、セルを積層してスタックを組み立てるには、熟練を要していた。
なお、作動に必要な圧縮空気等を用いて燃料電池装置を冷却する従来技術としては、特開2001−351663や、特開2001−357860がある。
【0009】
本発明は、上記従来技術に鑑み、組み立てが容易であると共に、燃料電池に送る空気量を大幅に減少することができる燃料電池用電解質膜に工夫を加え、冷却流体通路付き燃料電池を提供することを目的とする。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−351663号公報
【特許文献2】
特開2001−357860号公報
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の燃料電池用電解質膜の構成は、燃料電池に組み込まれた際に空気通路と燃料通路との境界となる電解質膜であって、
その断面形状は、前記空気通路と前記燃料通路とを対向させその境界面において、前記空気通路と前記燃料通路とが交互に相手側の通路に入り込むように、屈曲ないし湾曲した断面形状となっていることを特徴とする。
【0012】
また本発明の燃料電池の構成は、筺体の内部に電解質膜を配置することにより、前記筺体の内部空間を2つの流体通路に仕切り分けした燃料電池であって、
その断面形状は、2つの前記流体通路を対向させその境界面において、前記流体通路の一方と他方が交互に相手側の通路に入り込むように、屈曲ないし湾曲した断面形状となっていることを特徴とする。
【0013】
また本発明の冷却流体通路付き燃料電池の構成は、筺体の内部に電解質膜を配置することにより、前記筺体の内部空間を2つの流体通路に仕切り分けした燃料電池であって、
前記電解質膜の断面形状は、2つの前記流体通路を対向させその境界面において、前記流体通路の一方と他方が交互に相手側の通路に入り込むように、屈曲ないし湾曲した断面形状となっており、
一方の流体通路は第1の分流壁により、電解質膜に沿う空気通路と、電解質膜とは反対側の第1の冷却流体通路とに仕切り分けされ、
他方の流体通路は第2の分流壁により、電解質膜に沿う燃料通路と、電解質膜とは反対側の第2の冷却流体通路とに仕切り分けされていることを特徴とする。
【0014】
また本発明の燃料電池の構成は、前記第1の分流壁及び第2の分流壁は、前記電解質膜の形状に沿って屈曲ないし湾曲した断面形状となっていたり、
第1の冷却流体通路には、空気が流通され、第2の冷却流体通路には、燃料が流通されたり、
第1の冷却流体通路には、燃料電池の排熱により加熱された空気が流通され、前記空気通路には、第1の冷却流体通路を通過してきた空気が流通し、第2の冷却流体通路には、燃料電池の排熱により加熱された燃料が流通され、前記燃料通路には、第2の冷却流体通路を通過してきた燃料が流通したり、
第1の冷却流体通路には、大気を圧縮した圧縮機吐出のままの空気が流通され、前記空気通路には、第1の冷却流体通路を通過したのち燃料電池の排熱により加熱された空気が流通し、第2の冷却流体通路には、燃料源から供給される燃料が流通され、前記燃料通路には、第2の冷却流体通路を通過してきてから燃料電池の排熱により加熱された燃料が流通したり、
第1の冷却流体通路及び第2の冷却流体通路には、大気を圧縮した圧縮機吐出のままの空気が流通されたり、
第2の冷却流体通路には、大気から取り込んだ圧縮空気が流通され、第1の冷却流体通路には、第2の冷却流体通路を通過してきた空気が流通されることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0016】
<燃料電池用電解質膜及び燃料電池の実施の形態>
図1で本発明の基本構想を示す。燃料電池50は、筺体51の内部に、燃料電池用の電解質膜(電解質膜単独および酸素透過素材の上に電解質膜を形成したものを含む、以下同様)52を配置して筺体51の内部空間を、空気通路PAと燃料通路PFに仕切り分けした構造である。換言すると、電解質膜52が、空気通路PAと燃料通路PFとの境界面となっている。そして、空気通路PAには空気が流れ、燃料通路PFには燃料が流れる。空気及び燃料の流れ方向は、図1において紙面に対して垂直方向である。なお、筺体51の実際の厚さはmm級であり、電解質膜52の実際の厚さは例えば500μmであるが、図では、理解を容易にするため、厚く描いている。他の図でも状況は同様である。
【0017】
電解質膜52の断面形状(空気及び燃料の流れ方向に対して直交する面での断面形状)は、屈曲することにより所謂「凹凸形」または所謂「櫛形」になっている。つまり、電解質膜52の断面形状は、空気通路PA側と燃料通路PF側との間で複数回往復するように屈曲している。このように電解質膜52の断面形状が、櫛形になっているので、空気通路PAと燃料通路PFは、交互に相手側通路に入り込むようになっている。
【0018】
電解質膜52は、セラミックスにより全体が一体に成形されて、櫛形になっている。したがって、この1つの電解質膜52により、従来の積層型燃料電池本体に備える複数枚(この例では6枚)の電解質膜に相当する機能を有していることになる。このように、電解質膜52は、全体が一体に成形されたものであるため、この電解質膜52を筺体51に組み込むだけで、簡単に燃料電池50を構成することができる。しかも、セル間距離ΔLは成形時に固定されるので変動することなく、また、セル間にシール材を施さないため、従来のセル間のシール施工の不均一を回避することができる。したがって、熟練者でなくても、簡単に組み立てができ、セル間距離ΔLが一定で、しかも、シール性が破損する恐れのない高品質な燃料電池50を製造することができる。
【0019】
なお、図1の電解質膜52の断面形状は、空気通路PA側と燃料通路PF側との間で複数回往復するような櫛形となっているが、空気通路PA側と燃料通路PF側との間で1往復するような「コ字形」であってもよい。
また、電解質膜52の断面形状は、所謂「ジクザグ形」や「蛇腹形」であってもよい。更に、屈曲した断面形状ばかりでなく、波状に湾曲した断面形状の物であってもよい。つまり、この図1では「燃料通路と空気通路が対向して、お互いの通路に入り込む形状」を基本としている。なお、電解質膜52の各種の断面形状については、後述する。
【0020】
なお、部品としては、組み立てが完了した形態の燃料電池50を一体として見る場合の他、電解質膜52の単体を部品として見て、筺体51の中に電解質膜52を組み込む形態も取り扱う。
【0021】
<後冷却型(After-Cooling) の冷却流体通路付き燃料電池の実施の形態>
図2(a)は本発明の実施の形態に係る、後冷却型(After-Cooling) の冷却流体通路付き燃料電池60の一例を示す断面図である。この燃料電池60は、SOFC型の燃料電池であり、筺体61の内部に電解質膜62が配置されて、筺体61の内部空間が2つに仕切り分けされている。
【0022】
更に詳述すると、筺体61は、断面コ字形の筺体部材61aと、板状の筺体部材61bとが組み合わさって構成されている。電解質膜62は、セラミックス等により全体が一体に成形されており、図1に示す電解質膜52と同じ形状、つまり、断面形状が所謂「凹凸形」または所謂「櫛形」になっている。このような電解質膜62を筺体61の内部に配置することにより、電解質膜62が境界となって、図2(a)において、筺体61の内部空間が、左側の流体通路と、右側の流体通路に仕切り分けされている。しかも、電解質膜62の断面形状が、櫛形になっているので、左側の流体通路と右側の流体通路は、交互に相手側の流体通路に入り込むようになっている。
【0023】
図2(a)において、電解質膜62により仕切り分けされた左側の流体通路には、電解質膜62の形状に沿った形状の分流壁SAが備えられており、この分流壁SAにより、左側の流体通路が、空気通路PAと冷却空気通路PPAとに仕切り分けされている。
また、電解質膜62により仕切り分けされた右側の流体通路には、電解質膜62の形状に沿った形状の分流壁SFが備えられており、この分流壁SFにより、右側の流体通路が、燃料通路PFと冷却燃料通路PPFとに仕切り分けされている。
この場合、空気通路PAと燃料通路PFが電解質膜62側に位置し、冷却空気通路PPAと冷却燃料通路PPFが電解質膜62とは反対側に位置している。
【0024】
このため、電解質膜62を空気通路PAと燃料通路PFとで挟み、更に、これら電解質膜62,空気通路PA,燃料通路PFを、冷却空気通路PPAと冷却燃料通路PPFとで囲む構造が構成されている。
また、分流壁SA,SFの寸法や形状により電解質膜62の流体条件(流速他)を調整することができる。
【0025】
また、分流壁SAには、空気出口OAが形成されている。この空気出口OAは周辺からのまわりこみの他、図2(a)のθ部を抽出して示す図2(b)の空気出口OA1のようにして吹き出すことも可能である。この空気出口OAは、空気の流通方向の下流に位置し、紙面に対して垂直方向に流通するときは、例えば、筺体内部空間の奥の位置に形成されている。この空気出口OAは周辺からのまわりこみの他、図2(a)のθ部を抽出して示す図2(b)の空気出口OA1のようにして吹き出すことも可能である。
一方、分流壁SFには、燃料出口OFが形成されている。この燃料出口OFは、燃料の流通方向(図2では紙面に対して垂直方向)に関して、例えば、筺体内部空間の奥の位置に形成されている。
【0026】
なお、図2(a)の電解質膜62の断面形状は、空気通路PA側と燃料通路PF側との間で複数回往復するような櫛形となっているが、空気通路PA側と燃料通路PF側との間で1往復するような「コ字形」であってもよい。
また、電解質膜62の断面形状は、所謂「ジクザグ形」や「蛇腹形」であってもよい。更に、屈曲した断面形状ばかりでなく、波状に湾曲した断面形状の物であってもよい。
更に、分流壁SA,SFの形状は自由で、必ずしも、電解質膜62の形状に沿ったものでなくてもよい。
【0027】
ここで、冷却流体通路付き燃料電池60の組み立て方法の一例を、分解斜視図である図3を参照して説明する。同図に示すように、筺体部材61aと電解質膜62と、分流壁SAとを予め組み付けて、第1のパーツとしておく。また、筺体部材61bと分流壁SFとを予め組み付けて、第2のパーツとしておく。そして、第1のパーツと第2のパーツを上下方向(α方向)にスライドさせて両パーツを組み込むことにより、燃料電池60を組み立てることができる。
【0028】
このようにスライドさせて組み込むだけで、簡単に製造することができる。しかも、従来技術の6枚の電解質膜(セル)に相当する電解質膜62全体が、一体に形成されているため、セル間のシールが不要であり、シール性破損の恐れなく信頼性が高い。セル間シールが不要であるため、装置全体としてのシール箇所は、従来装置に比べて少なくすることができ、組立・装置化(分解・点検・再組立)が容易にできる。
【0029】
なお、図3では、理解を容易にするため一例を示しているが、図3において筺体部材61bの上端面A,筺体部材61aの下端面Bに位置する筺体部材を備えている。また、組み立て方法はこの方法に限るものではなく、また、電解質膜62のセル数、筺体61の形状や構造、分流壁SA,SFの形状や構造は図示したものに限らないことは勿論である。
【0030】
以上の構成の冷却流体通路付き燃料電池60において、空気と燃料の流通態様を以下に示す。
【0031】
空気はまず、冷却空気通路PPAに投入される。投入方法はどのような方法であってもよい。また投入位置は、例えば、空気の流通方向(図2では紙面に対して垂直方向)に関して筺体内部空間の手前側の位置とする。投入された空気a2は、冷却空気通路PPAの内部を、平面方向(a22)に移動するとともに、空気の流通方向に関して手前側から奥側に向かって進む。空気a2は凹部の先端に投入するなど冷却を高める投入位置は自由に採用できるものとする。そして、空気の流通方向に関して奥に達したら、空気出口OAを通って、空気a2は空気通路PA側に供給される。
【0032】
空気通路PA側に供給された空気を符号「a3」で示す。この空気a3は、空気通路PAの内部を、平面方向(a33)に移動するとともに、空気の流通方向に関して奥側から手前側に向かって進む。そして、空気の流通方向に関して手前側に達したら外部に排出される。外部に排出される空気を符号「a4」で示している。排出箇所及び排出方法はどのような方法であってもよい。
【0033】
燃料はまず、冷却燃料通路PPFに投入される。投入方法はどのような方法であってもよい。また投入位置は、例えば、燃料の流通方向(図2では紙面に対して垂直方向)に関して筺体内部空間の手前側の位置とする。投入された燃料f2は、冷却燃料通路PPFの内部を、平面方向(f22)に移動するとともに、燃料の流通方向に関して手前側から奥側に向かって進む。そして、燃料の流通方向に関して奥に達したら、燃料出口OFを通って、燃料は燃料通路PF側に供給される。
【0034】
燃料通路PF側に供給された空気を符号「f3」で示す。この燃料f3は、燃料通路PFの内部を、平面方向(f33)に移動するとともに、燃料の流通方向に関して奥側から手前側に向かって進む。そして、燃料の流通方向に関して手前側に達したら外部に排出される。外部に排出される燃料を符号「f4」で示している。排出方法はどのような方法であってもよい。
【0035】
電解質膜62を挟む空気通路PAと燃料通路PFに、空気a3と燃料f3が流通する過程で電気化学反応にて発電が行われる。この発電に伴い熱が発生するが、発熱する発電部分(電解質膜62,空気通路PA,燃料通路PF)は、これらを取り巻く冷却空気通路PPAと冷却燃料通路PPFを流れる空気a2と燃料f2によって冷却される。この冷却によって、供給する空気量は、発電に必要な量だけ、若しくは、発電に必要な量に若干量を加えた量だけでよく、冷却のための多量の空気を供給する必要はない。また、空気a3と燃料f3の流路には、紙面に垂直方向に「均一なすき間」や「多孔列」など種々の開口部形状を設けて均一に流す他、各種の方法が存在する。つまり、例示した方向に限らない。
【0036】
また、電解質膜62は櫛形となっているため、電解質膜62に発生した熱応力は、電解質膜62の僅かな形状変化により良好に分散することができる。
【0037】
このような冷却流体通路付き燃料電池60を用いて構成した、燃料電池/ガスタービン複合発電プラントを、図4に示す。図4において、Cは圧縮機、Tはタービン、ABは後置燃焼器、HRSGは排熱回収ボイラ、GENは発電機である。また、後置燃焼器ABとタービンTとの間に燃焼器を介在させるようにしてもよい。なお、冷却流体通路付き燃料電池60は概念的に示している。
【0038】
図4に示すように、燃料電池60から排出された高温の排出空気及び排出燃料は、後置燃焼器ABを通過してからタービンTに送られ、更にタービン排気からは排熱回収ボイラHRSGにて排熱が回収されるようになっている。
【0039】
圧縮機Cから供給された圧縮空気a1は、後置燃焼器ABに配置した伝熱管(群)を通過することにより、高温の排出空気及び排出燃料の顕熱及び燃焼熱により加熱される。加熱された空気a2は、燃料電池60の冷却空気通路PPAを通過し、このときに空気a2により燃料電池60の冷却が行われる。冷却空気通路PPAを通過して空気出口OAから出た空気a3は、今度は空気通路PAを通過しつつ発電に寄与し、通過して排出された空気a4は後置燃焼器ABに送られる。
【0040】
燃料f1は、後置燃焼器ABに配置した伝熱管(群)を通過することにより、高温の排出空気及び排出燃料の顕熱及び燃焼熱により加熱される。加熱された燃料f2は、燃料電池60の冷却燃料通路PPFを通過し、このときに燃料f2により燃料電池60の冷却が行われる。冷却燃料通路PPFを通過して燃料出口OFから出た燃料f3は、今度は燃料通路PFを通過しつつ発電に寄与し、通過して排出された燃料f4は後置燃焼器ABに送られる。
【0041】
図4に示す燃料電池/ガスタービン複合発電プラントでは、冷却用の空気a2及び冷却用の燃料f2は、後置燃焼器ABにて途中温度に加熱されているため、空気a1や燃料f1を低温のままで投入するよりは、冷却面(分流壁SA,SF)での熱応力を小さく抑制できるという利点がある。
【0042】
また、発電用の空気a3は、後置燃焼器ABの伝熱管(群)及び冷却空気通路PPAを経由して温度上昇し、発電用の燃料f3は、後置燃焼器ABの伝熱管(群)及び冷却燃料通路PPFを経由して温度上昇するように作動させることにより、発電部分(電解質膜62,空気通路PA,燃料通路PF)を、発電に好適な運転温度(例えば1000°C)に維持する。
【0043】
更に、圧縮機Cから送る空気a1の量は、燃料電池60において、発電に必要な量だけ、若しくは、発電に必要な量に若干量を加えた量だけでよいため、圧縮機Cから吐出する空気量を減らすことができる。圧縮機Cの駆動力を発電総出力に対して下げることができるため、発電プラント全体としての効率が向上する。
【0044】
<先冷却型(Pre-Cooling) の冷却流体通路付き燃料電池の実施の形態>
図5は本発明の実施の形態に係る、先冷却型(Pre-Cooling) の冷却流体通路付き燃料電池70の一例を示す断面図である。この燃料電池70は、SOFC型の燃料電池であり、筒状の筺体71の内部に電解質膜72が配置されて、筺体71の内部空間が2つに仕切り分けされている。
【0045】
更に詳述すると、筺体71は、断面コ字形の筺体部材71aと、板状の筺体部材71bとが組み合わさって構成されている。電解質膜72は、セラミックス等により全体が一体に成形されており、図1に示す電解質膜52と同じ形状、つまり、断面形状が所謂「凹凸形」または所謂「櫛形」になっている。このような電解質膜72を筺体71の内部に配置することにより、電解質膜72が境界となって、図5において、筺体71の内部空間が、左側の流体通路と、右側の流体通路に仕切り分けされている。しかも、電解質膜72の断面形状が、櫛形になっているので、左側の流体通路と右側の流体通路は、交互に相手側の流体通路に入り込むようになっている。
【0046】
図5において、電解質膜72により仕切り分けされた左側の流体通路には、電解質膜72の形状に沿った形状の分流壁SAが備えられており、この分流壁SAにより、左側の流体通路が、空気通路PAと冷却空気通路PPAとに仕切り分けされている。
また、電解質膜72により仕切り分けされた右側の流体通路には、電解質膜72の形状に沿った形状の分流壁SFが備えられており、この分流壁SFにより、右側の流体通路が、燃料通路PFと冷却燃料通路PPFとに仕切り分けされている。 この場合、空気通路PAと燃料通路PFが電解質膜72側に位置し、冷却空気通路PPAと冷却燃料通路PPFが電解質膜72とは反対側に位置している。
【0047】
このため、電解質膜72を空気通路PAと燃料通路PFとで挟み、更に、これら電解質膜72,空気通路PA,燃料通路PFを、冷却空気通路PPAと冷却燃料通路PPFとで囲む構造が構成されている。
また、分流壁SA,SFの寸法や形状により電解質膜72の流体条件(流速他)を調整することができる。
【0048】
なお、この冷却通路付き燃料電池70では、図2に示す冷却通路付き燃料電池60とは異なり、冷却空気通路PPAから空気通路PAに空気が直接流れ込む空気出口は無く、また、冷却燃料通路PPFから燃料通路PFに燃料が直接流れ込む燃料出口も無い。
【0049】
なお、図5の電解質膜72の断面形状は、空気通路PA側と燃料通路PF側との間で複数回往復するような櫛形となっているが、空気通路PA側と燃料通路PF側との間で1往復するような「コ字形」であってもよい。
また、電解質膜72の断面形状は、所謂「ジクザグ形」や「蛇腹形」であってもよい。更に、屈曲した断面形状ばかりでなく、波状に湾曲した断面形状の物であってもよい。
更に、分流壁SA,SFの形状は、必ずしも、電解質膜72の形状に沿ったものでなくてもよい。
【0050】
ここで、冷却流体通路付き燃料電池70の組み立て方法の一例を、分解斜視図である図6を参照して説明する。同図に示すように、筺体部材71aと、分流壁SAを予め組み付けて、第1のパーツとしておく。また、筺体部材71bと分流壁SFと電解質膜72とを予め組み付けて、第2のパーツとしておく。そして、第1のパーツと第2のパーツを水平方向(β方向)にスライドさせて両パーツを組み込むことにより、燃料電池70を組み立てることができる。
【0051】
このようにスライドさせて組み込むだけで、簡単に製造することができる。しかも、従来技術の6枚の電解質膜(セル)に相当する電解質膜72全体が、一体に形成されているため、セル間のシールが不要であり、シール性破損の恐れなく信頼性が高い。セル間シールが不要であるため、装置全体としてのシール箇所は、従来装置に比べて少なくすることができ、組立・装置化(分解・点検・再組立)が容易にできる。
【0052】
なお、組み立て方法はこの方法に限るものではなく、また、電解質膜72のセル数、筺体71の形状や構造、分流壁SA,SFの形状や構造は図示したものに限らないことは勿論である。
【0053】
このような構成となっている冷却流体通路付き燃料電池70における、空気と燃料の流通態様は次の通りである。
【0054】
圧縮機から送り込んだ空気はまず、冷却空気通路PPAに投入される。投入方法はどのような方法であってもよい。また投入位置は、例えば、空気の流通方向(図5では紙面に対して垂直方向)に関して筺体内部空間の手前側の位置とする。投入された空気a11は、冷却空気通路PPAの内部を、空気の流通方向に関して手前側から奥側に向かって進む。そして、空気の流通方向に関して奥に達したら外部に排出される。外部に排出される空気を符号「a12」で示す。排出方法はどのような方法であってもよい。
【0055】
排出された空気は、別経路(この経路の一例は図7に後述する)を通ってから、空気通路PAに投入される。投入方法はどのような方法であってもよい。また投入位置は、例えば、空気の流通方向(図5では紙面に対して垂直方向)に関して筺体内部空間の手前側の位置とする。空気通路PAに供給された空気を符号「a13」で示す。この空気a13は、空気通路PAの内部を、空気の流通方向に関して奥側から手前側に向かって進む。そして、空気の流通方向に関して手前に達したら外部に排出される。外部に排出される空気を符号「a14」で示している。排出方法はどのような方法であってもよい。
【0056】
燃料源から供給された燃料はまず、冷却燃料通路PPFに投入される。投入方法はどのような方法であってもよい。また投入位置は、例えば、燃料の流通方向(図5では紙面に対して垂直方向)に関して筺体内部空間の手前側の位置とする。投入された燃料f11は、冷却燃料通路PPFの内部を、燃料の流通方向に関して手前側から奥側に向かって進む。そして、燃料の流通方向に関して奥に達したら外部に排出される。外部に排出される燃料を符号「f12」で示す。排出方法はどのような方法であってもよい。
【0057】
排出された燃料は、別経路(この経路の一例は図7に後述する)を通ってから、燃料通路PFに投入される。投入方法はどのような方法であってもよい。また投入位置は、例えば、燃料の流通方向(図5では紙面に対して垂直方向)に関して筺体内部空間の手前側の位置とする。燃料通路PFに供給された燃料を符号「f13」で示す。この燃料f13は、燃料通路PFの内部を、燃料の流通方向に関して奥側から手前側に向かって進む。そして、燃料の流通方向に関して手前に達したら外部に排出される。外部に排出される燃料を符号「f14」で示している。排出方法はどのような方法であってもよい。
【0058】
電解質膜72を挟む空気通路PAと燃料通路PFに、空気a13と燃料f13が流通する過程で電気化学反応にて発電が行われる。この発電に伴い熱が発生するが、発熱する発電部分(電解質膜72,空気通路PA,燃料通路PF)は、これらを取り巻く冷却空気通路PPAと冷却燃料通路PPFを流れる、空気a11と燃料f11とで冷却される。したがって、効果的に冷却が行われることとなり、供給する空気量は、発電に必要な量だけ、若しくは、発電に必要な量に若干量を加えた量だけでよく、冷却のための多量の空気を供給する必要はない。また空気と燃料の投入位置・排出位置と2流体の流れの方向は自由で、電解質膜72の冷却に有効な条件で決定する。
【0059】
また、電解質膜72は櫛形となっているため、電解質膜72に発生した熱応力は、電解質膜72の僅かな形状変化により良好に分散することができる。
【0060】
このような冷却流通通路付き燃料電池70を用いて構成した、燃料電池/ガスタービン複合発電プラントを、図7に示す。図7において、Cは圧縮機、Tはタービン、ABは後置燃焼器、HRSGは排熱回収ボイラ、GENは発電機である。また、後置燃焼器ABとタービンTとの間に燃焼器を介在させるようにしてもよい。なお、冷却流体通路付き燃料電池70は概念的に示している。
【0061】
図7に示すように、燃料電池70から排出された高温の排出空気及び排出燃料は、後置燃焼器ABを通過してからタービンTに送られ、更にタービン排気からは排熱回収ボイラHRSGにて排熱が回収されるようになっている。
【0062】
大気から取り込まれて圧縮機Cにより圧縮された圧縮空気a11は、まず、燃料電池70の冷却空気通路PPAに供給されて、冷却空気通路PPAを通過する際に、燃料電池70の冷却を行い、自らは昇温する。冷却空気通路PPAから排出された空気a12は、後置燃焼器ABに配置された伝熱管(群)を通過することにより、高温の排出空気(a14)及び排出燃料(f14)により加熱される。加熱された空気a13は、空気通路PAに供給され、発電に寄与する。空気通路PAから排出された空気a14は、後置燃焼器ABに送られる。
【0063】
一方、燃料源から供給された燃料f11は、まず、燃料電池70の冷却燃料通路PPFに供給されて、冷却燃料通路PPFを通過する際に、燃料電池70の冷却を行い、自らは昇温する。冷却燃料通路PPFから排出された燃料f12は、後置燃焼器ABに配置された伝熱管(群)を通過することにより、高温の排出空気(a14)及び排出燃料(f14)により加熱される。加熱された燃料f13は、燃料通路PFに供給され、発電に寄与する。燃料通路PFから排出された燃料f14は、後置燃焼器ABに送られる。
【0064】
図7に示す燃料電池/ガスタービン複合発電プラントでは、圧縮された空気a11と燃料源から供給されてきた燃料f11が、まず、燃料電池70の冷却空気通路PPA及び冷却燃料通路PPFに供給される。空気a11の温度は例えば350°C程度であり、燃料f11の温度はほぼ常温であり、このように両者の温度が低いので(燃料電池の運転温度である1000°Cに比べて大幅に温度が低いので)、冷却面(分流壁SA,SF)の面積が小さくても、効率的な冷却ができるという利点がある。
【0065】
また、発電用の空気a13は、冷却空気通路PPA及び後置燃焼器ABを通過することにより温度上昇し、発電用の燃料f13は、冷却燃料通路PPF及び後置燃焼器ABを通過することにより温度上昇している。このため、発電部分(電解質膜62,空気通路PA,燃料通路PF)を、発電に好適な運転温度(例えば1000°C)に維持することが容易にできる。
【0066】
更に、圧縮機Cから送る空気a11の量は、燃料電池70において、発電に必要な量だけ、若しくは、発電に必要な量に若干量を加えた量だけでよいため、圧縮機Cの駆動力を下げることができる。この駆動力は発電機総出力に対して低くできるため、発電プラント全体としての効率が向上する。
【0067】
<ダブル先冷却型(Double Pre-Cooling)の冷却流体通路付き燃料電池の実施の形態>
図8は本発明の実施の形態に係る、ダブル先冷却型(Double Pre-Cooling)の冷却流体通路付き燃料電池70Aの一例を示す断面図である。この燃料電池70Aの機械的構造は、図5に示す燃料電池70と同じであるが、流路の使用態様を異ならせている。つまり、図5に示す冷却空気通路PPAを第1の冷却空気通路PPA1とし、図5に示す冷却燃料通路PPFを第2の冷却空気通路PPA2として使用するようにしたものである。
【0068】
このような冷却流通通路付き燃料電池70Aを用いて構成した、燃料電池/ガスタービン複合発電プラントを、図9に示す。図9において、Cは圧縮機、Tはタービン、ABは後置燃焼器、HRSGは排熱回収ボイラ、GENは発電機、CCは燃焼器である。なお燃焼器CCを用いなくてもよい場合があり、燃焼器CCを用いるか否かは、システム全体の熱バランスにより決定する。また、冷却流体通路付き燃料電池70Aは概念的に示している。
【0069】
図9に示すように、燃料電池70Aから排出された高温の排出空気(a27)及び排出燃料(f23)は、後置燃焼器ABで燃焼してから改めて燃焼器CCに投入される燃料で再燃されてから、タービンTに送られ、更に排熱回収ボイラHRSGにて排熱が回収されるようになっている。
【0070】
大気から取り込まれて圧縮機Cにより圧縮された空気a21は、空気a22,a23に2分岐され、空気a22は燃料電池70Aの冷却空気通路PPA1に供給されて、冷却空気通路PPA1を通過する際に燃料電池70Aの冷却を行い、空気a23は燃料電池70Aの冷却空気通路PPA2に供給されて、冷却空気通路PPA2を通過する際に燃料電池70Aの冷却を行う。冷却空気通路PPA1,PPA2から排出された空気a24,a25は、合流してから後置燃焼器ABに配置された伝熱管(群)を通過することにより、高温の排出空気及び排出燃料の顕熱及び燃焼熱により加熱される。加熱された空気a26は、空気通路PAに供給され、発電に寄与する。空気通路PAから排出された空気a27は、後置燃焼器ABに送られる。
【0071】
燃料源から供給された燃料f21は、後置燃焼器ABに配置された伝熱管(群)を通過することにより、高温の排出空気及び排出燃料の顕熱及び燃焼熱により加熱される。加熱された燃料f22は、燃料電池70Aの燃料通路PFに供給され、発電に寄与する。燃料通路PFから排出された燃料f23は、後置燃焼器ABに送られる。
【0072】
図9に示す燃料電池/ガスタービン複合発電プラントに組み込んだ燃料電池70Aは、2系統の空気a22,a23により冷却される。しかも、空気流量はシステムバランス上、燃料よりも多いため、より効率的な冷却を実現することができる。つまり、発熱量の多い燃料通路PFの冷却を、冷却能力の大きな空気により冷却することができ、また燃料流量に支配されないので、冷却設計の自由度が高くなる。
【0073】
なお、図8に示す燃料電池70Aに、更に、後置燃焼器ABに供給する前の燃料を通過させる、燃料冷却通路を付加するようにしてもよい。
【0074】
<先後冷却型の冷却流体通路付き燃料電池の実施の形態>
図10は本発明の実施の形態に係る、先後冷却型の冷却流体通路付き燃料電池70Bの一例を示す断面図である。この燃料電池70Bの機械的構造は、図8に示す燃料電池70Aの一部を変形したものである。即ち、燃料電池70Aに、分流壁SAに空気出口OAを付加したものが、燃料電池70Bである。燃料電池70Bの他の部分の構成は、燃料電池70Aと同じである。
【0075】
図11に燃料電池70Bを用いた燃料電池/ガスタービン複合発電プラントを示す。この燃料電池70Bでは、大気から取り込まれて圧縮機Cにより圧縮された空気(a23)を、まず冷却空気通路PPA2に通し、燃料電池70Bの冷却を行う。冷却空気通路PPA2を通過してきた空気(a25)は、外部に取り出され後置燃焼器ABに配置された伝熱管(群)にて加熱される。後置燃焼器ABに配置された伝熱管(群)にて加熱された空気(a26)は、冷却空気通路PPA1に通され、燃料電池70Bの冷却を行う。冷却空気通路PPA1を通過した空気(a22)は、空気出口OA(図2)を通って空気通路PA(図2)に入り、発電に寄与し、空気通路PAを通過してきた空気(a27)は、外部に排出される。一方、燃料通路PFには燃料が流通される。
【0076】
<電解質膜の各種形状>
図1,図2,図5,図8,図10に示す電解質膜52,62,72の断面形状は、いわゆる「櫛形」(角隅形状:図12(e))になっているが、これに限るものではなく、「多段折れ」構造(corrugation )になっていれば、あらゆる形状のものを使用することができる。例えば、図12(a)に示すような丸隅形状であっても、図12(b)に示すような傾斜形状であっても、図12(c)に示すような混合形状であっても、図12(d)に示すような二重波形形状であってもよい。もちろん、図12(a)〜(d)は例示であり、これ以外の形状であってもよい。
【0077】
図12(d)に示す二重波形形状では、図12(e)に示すような縞状や、図12(f)に示すようなディンプル状の表面形状を併用することができる。この二重波形形状では、電解質膜の表面積を増やすことができ、また、変形に対する柔軟性も向上するのでコンパクト性(高密度配置)に優れている。
【0078】
結局、
(1) 本発明の電解質膜1枚で、従来の板状の電解質膜を多層にしたのと同じ構成を実現でき、
(2) 本発明の電解質膜は、温度分布,応力分布が生じても拘束箇所を遠ざけているので破壊しにくく、
(3) 本発明の電解質膜は、分流壁SA,SFの形態にあわせて自由に造形することができる。
【0079】
<分流壁の端末形状>
次に、図2,図5,図8,図10に示す冷却流体通路付き燃料電池60,70,70A,70Bにおける分流壁SF,SAの端末形状の各種例を、図13に示す。なお、分流壁SFと分流壁SAは同様な構造とすることができるので、図13(a)〜(d)では、両分流壁SF,SAを特に区別していない。また、fは燃料を、aは空気を示している。勿論、図示以外の端末形状としてもよい。
【0080】
図13(a)に示すスロットタイプでは、燃料f,空気aの放出端末が溝形となっており、分流壁SF(SA)の間隔保持と壁冷却の機能を持つ多ピンMPを用いている。燃料f,空気aの吹出は均一である。
【0081】
図13(b)に示すホールタイプは、端板が分流壁SF(SA)間隔を保持している。そして、燃料f(空気a)の放出のために円孔や楕円孔、その他の「点在する孔」を形成している。燃料f,空気aの吹出は均一である。
【0082】
図13(c)(d)は、燃料f,空気aの吹出を偏流吹出とするように、吹出孔(吹出開口)の形状を工夫したものである。
【0083】
<分流壁の壁面形状>
次に、図2,図5,図8,図10に示す冷却流体通路付き燃料電池60,70,70A,70Bにおける分流壁SF,SAの壁面形状の各種例を、図14に示す。なお、分流壁SFと分流壁SAは同様な構造とすることができるので、図14(a)(b)(c)では、両分流壁SF,SAを特に区別していない。また、cは冷却流体を、rは反応流体を、CEは電解質膜を示している。勿論、図示以外の壁面形状としてもよい。
【0084】
図14(a)(b)に示すスロットタイプ(開口なし)では、分流壁SF(SA)を冷却して流れてきた冷却流体(冷却用の燃料や空気)cは、開口部を出た後、電解質膜CEと接して流れる反応流体(発電反応のための燃料や空気)rとなる。
【0085】
図14(c)(d)に示すマルチホールタイプ(開口あり)では、燃料fと空気aが分流壁SF,SAと電解質膜CEに挟まれた流路で均一となるように多孔を分流壁SF及び/または分流壁SAに明ける。
【0086】
このようにすると、図14(e)にも示すように、電解質膜CEに対して垂直方向に燃料fと空気aが衝突して冷却効果を発揮するので電解質膜CEの冷却能力が向上すると共に、電解質膜CEから供給されるO2 と燃料fとの反応が促進される。
【0087】
なお、例示した電解質膜形状(図1,図12参照)、分流壁端末形状(図13参照)、分流壁面形状(図14参照)のそれぞれの組み合わせは任意である。また、例示していないものとの組み合わせも自由である。
【0088】
<電解質膜形状,分流壁端末形状,分流壁面形状を任意に組み合わせて構成した、一例としての冷却流体通路付き燃料電池>
図15は、電解質膜形状(図1,図12参照),分流壁端末形状(図13参照),分流壁面形状(図14参照)を任意に組み合わせて構成した、一例としての冷却流体通路付き燃料電池80を示している。図15において、CEは電解質膜、SF,SAは分流壁、PFは燃料通路,PPFは冷却燃料通路,PAは空気通路,PPAは冷却空気通路、fは燃料、aは空気である。この例では、電解質膜CEは混合形状であり、分流壁SF,SAには、多孔が明けられている。
【0089】
【発明の効果】
以上実施の形態と共に具体的に説明したように本発明の電解質膜は、燃料電池に組み込まれた際に空気通路と燃料通路との境界となる電解質膜であって、前記電解質膜の断面形状は、前記空気通路と前記燃料通路とを対向させその境界面において、前記空気通路と前記燃料通路とが交互に相手側の通路に入り込むように、屈曲ないし湾曲した断面形状となっている構成とした。
このため、セル間シールが不要になる、あるいは、ごく一部の限られた部分のみに備えれば十分になると共に、組み立てが容易になる。
【0090】
また本発明の燃料電池は、筺体の内部に電解質膜を配置することにより、前記筺体の内部空間を2つの流体通路に仕切り分けした燃料電池であって、前記電解質膜の断面形状は、2つの前記流体通路を対向させその境界面において、前記流体通路の一方と他方が交互に相手側の通路に入り込むように、屈曲ないし湾曲した断面形状となっている構成とした。
このため、セル間シールが不要になる、あるいは、ごく一部の限られた部分のみに備えれば十分になると共に、組み立てが容易になる。
【0091】
また本発明の冷却流体通路付き燃料電池は、筺体の内部に電解質膜を配置することにより、前記筺体の内部空間を2つの流体通路に仕切り分けした燃料電池であって、前記電解質膜の断面形状は、2つの前記流体通路を対向させその境界面において、前記流体通路の一方と他方が交互に相手側の通路に入り込むように、屈曲ないし湾曲した断面形状となっており、一方の流体通路は第1の分流壁により、電解質膜側の空気通路と、電解質膜とは反対側の第1の冷却流体通路とに仕切り分けされ、他方の流体通路は第2の分流壁により、電解質膜側の燃料通路と、電解質膜とは反対側の第2の冷却流体通路とに仕切り分けされている構成とした。
このため、第1及び第2の冷却流体通路に、空気や燃料を流通させることにより、燃料電池の冷却を効果的に行うことができる。この結果、燃料電池に供給する空気量は、発電に必要な量だけですみ、供給する空気量を従来より大幅に減少することができ、発電プラントとして構成した場合におけるプラント全体としての効率が向上する。
【0092】
また本発明の冷却流体通路付き燃料電池は、第1の分流壁及び第2の分流壁は、前記電解質膜の形状に沿って屈曲ないし湾曲した断面形状となっていたり、
第1の冷却流体通路には、空気が流通され、第2の冷却流体通路には、燃料が流通されたり、
第1の冷却流体通路には、燃料電池の排熱により加熱された空気が流通され、前記空気通路には、第1の冷却流体通路を通過してきた空気が流通し、第2の冷却流体通路には、燃料電池の排熱により加熱された燃料が流通され、前記燃料通路には、第2の冷却流体通路を通過してきた燃料が流通したり
第1の冷却流体通路には、圧縮機吐出のままの空気が流通され、前記空気通路には、第1の冷却流体通路を通過してきてから燃料電池の排熱により加熱された空気が流通し、第2の冷却流体通路には、燃料源から供給されてきた燃料が流通され、前記燃料通路には、第2の冷却流体通路を通過してきてから燃料電池の排熱により加熱された燃料が流通したり、
第1の冷却流体通路及び第2の冷却流体通路には、圧縮機吐出のままの空気が流通され、空気通路には、第1の冷却流体通路及び第2の冷却流体通路を通過してから燃料電池の排熱により加熱された空気が流通されたり、
第2の冷却通路には圧縮機吐出のままの空気が流通さ、第1の冷却通路には第2の冷却通路を通過してから燃料電池の排熱により加熱された空気が流通し、空気通路には第1の冷却通路を通過してきた空気が流通される構成とした。
このため、第1及び第2の冷却流体通路に、空気や燃料を流通させることにより、燃料電池の冷却を効果的に行うことができる。この結果、燃料電池に供給する空気量は、発電に必要な量だけですみ、供給する空気量を従来の燃料電池より大幅に減少させることができ、発電プラントとして構成した場合のプラント全体効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構想となる、SOFC型の燃料電池を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る、後冷却型(After-Cooling) の冷却流体通路付き燃料電池の一例を示す断面図である。
【図3】冷却流体通路付き燃料電池の組み立て方法の一例を示す分解斜視図である。
【図4】冷却流体通路付き燃料電池を用いて構成した、燃料電池/ガスタービン複合発電プラントを示す構成図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る、先冷却型(Pre-Cooling) の冷却流体通路付き燃料電池の一例を示す断面図である。
【図6】冷却流体通路付き燃料電池の組み立て方法の一例を示す分解斜視図である。
【図7】冷却流体通路付き燃料電池を用いて構成した、燃料電池/ガスタービン複合発電プラントを示す構成図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る、ダブル先冷却型(Double Pre-Cooling)の冷却流体通路付き燃料電池の一例を示す断面図である。
【図9】冷却流体通路付き燃料電池を用いて構成した、燃料電池/ガスタービン複合発電プラントを示す構成図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る、先後冷却型の冷却流体通路付き燃料電池の一例を示す断面図である。
【図11】先後冷却型の冷却流体通路付き燃料電池を用いて構成した、燃料電池/ガスタービン複合発電プラントを示す構成図である。
【図12】電解質膜の各種形状を示す構成図である。
【図13】分流壁の端末形状の各種例を示す構成図である。
【図14】分流壁の壁面形状の各種例を示す構成図である。
【図15】電解質膜形状,分流壁端末形状,分流壁形状を自由に組み合わせて構成した一例としての冷却流体通路付き燃料電池を示す構成図である。
【図16】燃料電池/ガスタービン複合発電プラントの一般的な例を示す構成図である。
【符号の説明】
50 燃料電池
60,70,70A,70B,80 冷却流体通路付き燃料電池
51,61,71 筺体
52,62,72 電解質膜
PA 空気通路
PF 燃料通路
PPA 冷却空気通路
PPF 冷却燃料通路
SA,SF 分流壁
CE 電解質膜
Claims (9)
- 燃料電池に組み込まれた際に空気通路と燃料通路との境界となる電解質膜であって、
前記電解質膜の断面形状は、前記空気通路と前記燃料通路とを対向させその境界面において、前記空気通路と前記燃料通路とが交互に相手側の通路に入り込むように、屈曲ないし湾曲した断面形状となっていることを特徴とする燃料電池用電解質膜。 - 筺体の内部に電解質膜を配置することにより、前記筺体の内部空間を2つの流体通路に仕切り分けした燃料電池であって、
前記電解質膜の断面形状は、2つの前記流体通路を対向させその境界面において、前記流体通路の一方と他方が交互に相手側の通路に入り込むように、屈曲ないし湾曲した断面形状となっていることを特徴とする燃料電池。 - 筺体の内部に電解質膜を配置することにより、前記筺体の内部空間を2つの流体通路に仕切り分けした燃料電池であって、
前記電解質膜の断面形状は、2つの前記流体通路を対向させその境界面において、前記流体通路の一方と他方が交互に相手側の通路に入り込むように、屈曲ないし湾曲した断面形状となっており、
一方の流体通路は第1の分流壁により、電解質膜に沿う空気通路と、電解質膜とは反対側の第1の冷却流体通路とに仕切り分けされ、
他方の流体通路は第2の分流壁により、電解質膜に沿う燃料通路と、電解質膜とは反対側の第2の冷却流体通路とに仕切り分けされていることを特徴とする冷却流体通路付き燃料電池。 - 請求項3において、
前記第1の分流壁及び第2の分流壁は、前記電解質膜の形状に沿って屈曲ないし湾曲した断面形状となっていることを特徴とする冷却流体通路付き燃料電池。 - 請求項3または請求項4において、
第1の冷却流体通路には、空気が流通され、第2の冷却流体通路には、燃料が流通されることを特徴とする冷却流体通路付き燃料電池。 - 請求項3または請求項4において、
第1の冷却流体通路には、燃料電池の排熱により加熱された空気が流通され、前記空気通路には、第1の冷却流体通路を通過してきた空気が流通し、
第2の冷却流体通路には、燃料電池の排熱により加熱された燃料が流通され、前記燃料通路には、第2の冷却流体通路を通過してきた燃料が流通することを特徴とする冷却流体通路付き燃料電池。 - 請求項3または請求項4において、
第1の冷却流体通路には、大気を圧縮した圧縮機吐出のままの空気が流通され、前記空気通路には、第1の冷却流体通路を通過したのち燃料電池の排熱により加熱された空気が流通し、
第2の冷却流体通路には、燃料源から供給される燃料が流通され、前記燃料通路には、第2の冷却流体通路を通過してきてから燃料電池の排熱により加熱された燃料が流通することを特徴とする冷却流体通路付き燃料電池。 - 請求項3または請求項4において、
第1の冷却流体通路及び第2の冷却流体通路には、大気を圧縮した圧縮機吐出のままの空気が流通されることを特徴とする冷却流体通路付き燃料電池。 - 請求項3または請求項4において、
第2の冷却流体通路には、大気から取り込んだ圧縮空気が流通され、第1の冷却流体通路には、第2の冷却流体通路を通過してきた空気が流通されることを特徴とする冷却流体通路付き燃料電池。
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JP2014155923A (ja) * | 2014-03-20 | 2014-08-28 | Sumitomo Electric Ind Ltd | ガス分解装置及び発電装置 |
-
2002
- 2002-12-18 JP JP2002366054A patent/JP2004199972A/ja not_active Withdrawn
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