JP2004199915A - 高分子電解質型燃料電池の製造方法 - Google Patents

高分子電解質型燃料電池の製造方法 Download PDF

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Yasuhiro Kamiyama
康博 上山
Eiichi Yasumoto
栄一 安本
Yoshio Kobayashi
美穂 小林
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Abstract

【課題】ペースト安定性を維持し、触媒層の表面にピンホールやひび割れが生じず、電流密度分布が均一で、放電特性の低下がなく、寿命特性の低下のない高分子電解質型燃料電池の製造方法を提供する。
【解決手段】触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合して触媒層ペーストを作成する際の混合攪拌工程において、混合攪拌装置内の雰囲気を水蒸気濃度90vol%、不活性ガス濃度10vol%とした中で触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合攪拌する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然ガス、メタノール、石炭等の燃料から得られる水素等の燃料ガスと大気中の酸素を含有する酸化剤ガスとを電気化学的に反応させることで電気エネルギーを発生させる高分子電解質型燃料電池の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、燃料電池は使用する電解質によって各種の燃料電池に分類され、りん酸水溶液を電解質として使用するりん酸型燃料電池、高分子電解質膜を使用する高分子電解質型燃料電池等があり、図1は本発明の対象である高分子電解質型燃料電池を構成する単電池の構成図であり、1は水素イオン伝導性高分子電解質として働く高分子膜、2は前記高分子膜1の一方の面側に設けられたカーボンシートと揆水層とよりなるガス拡散層と触媒層とから構成される燃料極、3は前記燃料極2の高分子膜1と反対の面側に設けられたセパレータ、4、5は前記高分子膜1の一方の面側に順次設けられた燃料極2、セパレータ3と同様、高分子膜1の他方の面側に順次設けられた空気極、セパレータである。
【0003】
なお、空気極4は燃料極2と同様、カーボンシートと揆水層とよりなるガス拡散層と触媒層とから構成されている。
【0004】
また、セパレータ3、5は前記の燃料極2、高分子膜1、空気極4を積層して構成した単電池(セル)を接合して燃料電池を構成するとき、燃料極2に入る水素と空気極4に入る空気とが混じるのを防止する役割を果たすものである。
【0005】
上記高分子電解質型燃料電池を製造するには、まず、白金等の貴金属触媒を担持したカーボン粉末(以下、触媒担持カーボン粉末という)を触媒粉体として、この触媒担持カーボン粉末に結合剤樹脂を混合して触媒層ペーストを作成する。この触媒層ペーストを作成する工程を塗料化工程と称することがある。
【0006】
一方、水素を含む燃料ガスの通気性と電子導電性を併せ持った、例えば、揆水処理を施したカーボンペーパー等でガス拡散層を形成し、このガス拡散層上に前記触媒層ペーストを塗布して触媒層を形成して燃料極2および空気極4を作成する。
【0007】
なお、上記の場合、ガス拡散層上に触媒層ペーストを塗布して形成した触媒層を平滑で凝集塊のないものとするため、触媒担持カーボン粉末に結合剤樹脂を混合して触媒層ペーストを作成する際、触媒担持カーボン粉末の一次粒子化を促進するため、触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂の混合攪拌装置における混合処理を高い剪断速度で行うことが必要となる。
【0008】
次に、上記のようにして作成した燃料極2および空気極4を、水素イオン伝導性高分子電解質として働く、例えば、パーフルオロスルホン酸等よりなる高分子膜1の片面または両面に接着して単電池を作成する。
【0009】
また、前記の触媒層ペーストを作成するために触媒担持カーボン粉末に混合する結合剤樹脂は、ガス拡散層上に触媒層ペーストを塗布して作成した触媒層における触媒層ペーストとガス拡散層との結着性および触媒層と高分子膜1との結着性を高めるためのものであり、結合剤樹脂として、例えば、高分子膜1と同様、パーフルオロスルホン酸が使用される。
【0010】
前記結着性をさらに高めるために、結合剤樹脂としてポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン樹脂等のフッ素系樹脂も配合される。
【0011】
しかし、前記構成の高分子電解質型燃料電池において、触媒層を構成する触媒担持カーボン粉末は、一次粒子の粒子径が100nm以下の微粒子であるカーボン粉末の表面に約2nm〜4nmの白金あるいは白金と他の貴金属からなる合金の触媒粒子を担持させた粉末であり、その触媒担持カーボン粉末の表面は他の物質の酸化反応を促進させる働きがあり、その触媒担持カーボン粉末にパーフルオロスルホン酸等の高分子電解質として働く結合剤樹脂を混合すると、触媒担持カーボン粉末の表面に吸着した結合剤樹脂は、例えば、官能基であるスルホン酸基を基点として、その高分子電解質が酸化され分解を起こすと考えられる。
【0012】
上記酸化反応により高分子電解質として働く結合剤樹脂が分解されると、分子量が低下し、そのためにまずペースト粘度が低下することが予想される。
【0013】
また、結合剤樹脂が本来の分子量を保持できないことにより、カーボン粉末の本来持つ凝集性を抑制することができなくなり、触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を高い剪断速度で混合処理した直後は、触媒担持カーボン粉末が一次粒子の状態であっても、ペースト化直後から一次粒子の凝集が開始して一次粒子よりも粒子径の大きな二次粒子になり易く、また、ガス拡散層上に触媒層ペーストを塗布して形成した触媒層の溶媒が揮発して、触媒層が乾燥した後は触媒担持カーボン粉末が凝集して粒子径の大きな二次粒子になり易くなり、触媒層表面にピンホールやひび割れが生じることがあった。
【0014】
従来から触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合攪拌して触媒層ペーストを作成するために、i−プロパノールあるいはn−ブタノールと水との混合溶媒と白金担持触媒、イオン交換樹脂の溶媒溶液および混合溶媒を混合する手法が提案されているが、塗料作成の際の混合装置内の環境は特定されていない(例えば、特許文献1参照)。また、触媒担持カーボンとポリマーの三次元網目構造の形成方法においてポリマー溶液と触媒担持カーボンはよく分散されていることが重要であるといわれているが、その混合方法については言及されていない(例えば、特許文献2参照)。また、燐酸型燃料電池電極のコーティング法による触媒層の形成方法が提案されているが、塗料作成のための機械的撹拌、超音波撹拌等既存の方法であり、塗料作成における雰囲気についての言及はない(例えば、特許文献3参照)。
【0015】
【特許文献1】
特開平6−203849号公報(第3頁、段落0008〜段落0011)
【特許文献2】
特開2000−353528号公報(第6頁、段落0039〜段落0041)
【特許文献3】
特開平10−302807号公報(第3頁、段落0021〜段落0022)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の高分子電解質型燃料電池の製造方法によると、触媒層ペーストを作成する塗料化工程において、触媒担持カーボン粉末の酸化反応を促進させる働きによってペースト粘度が低下し、ペースト安定性に欠け、また、結合剤樹脂の分子量の低下に伴って、カーボン粉末の本来持つ凝集性が抑制できなくなり、高分子膜の面上に接合した燃料極および空気極を構成する触媒層の表面にピンホールやひび割れが生じ、そのピンホールやひび割れは高分子電解質型燃料電池にリーク不良を発生させて放電特性を低下させ、電流密度分布を不均一とし、ひび割れした部分から触媒層の欠落が生じ電池の寿命特性を低下させるという問題があった。
【0017】
本発明は上記の課題を解決するもので、ペースト安定性を維持し、触媒層の表面にピンホールやひび割れが生じず、電流密度分布が均一で、放電特性の低下がなく、寿命特性の低下のない高分子電解質型燃料電池の製造方法を提供する。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、高分子電解質膜の面上に、触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合して作成した触媒層ペーストを塗布して触媒層を形成する高分子電解質型燃料電池の製造方法であって、触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合して触媒層ペーストを作成する際の混合攪拌工程において、混合攪拌装置内の雰囲気を水蒸気濃度10vol%〜90vol%、不活性ガス濃度90vol%〜10vol%とした中で触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合攪拌する高分子電解質型燃料電池の製造方法であり、ペースト安定性を維持し、触媒層の表面にピンホールやひび割れが生じず、電流密度分布が均一で、放電特性の低下がなく、寿命特性の低下のない高分子電解質型燃料電池を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、高分子電解質膜の面上に、触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合して作成した触媒層ペーストを塗布して触媒層を形成する高分子電解質型燃料電池の製造方法であって、触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合して触媒層ペーストを作成する際の混合攪拌工程において、混合攪拌装置内の雰囲気を水蒸気濃度10vol%〜90vol%、不活性ガス濃度90vol%〜10vol%とした中で触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合攪拌する高分子電解質型燃料電池の製造方法であり、混合攪拌装置内の雰囲気を水蒸気濃度10vol%〜90vol%、不活性ガス濃度90vol%〜10vol%とした中で触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合攪拌することにより、触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂との微細な酸化反応を抑制し、濡れ性を向上させるという作用を有する。
【0020】
本発明の請求項2に記載の発明は、高分子電解質膜の面上に、触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合して作成した触媒層ペーストを塗布して触媒層を形成する高分子電解質型燃料電池の製造方法であって、触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合して触媒層ペーストを作成する際の混合攪拌工程において、混合攪拌装置内の雰囲気を酸素濃度2vol%〜14vol%、水蒸気濃度98vol%〜86vol%とした中で触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合攪拌する高分子電解質型燃料電池の製造方法であり、混合攪拌装置内の雰囲気を酸素濃度2vol%〜14vol%、水蒸気濃度98vol%〜86vol%とした中で触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合攪拌することにより、触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂との微細な酸化反応を抑制し、濡れ性を向上させるという作用を有する。
【0021】
本発明の請求項3に記載の発明は、高分子電解質膜の面上に、触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合して作成した触媒層ペーストを塗布して触媒層を形成する高分子電解質型燃料電池の製造方法であって、触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合して触媒層ペーストを作成する際の混合攪拌工程において、混合攪拌装置内の雰囲気を酸素濃度2vol%〜14vol%、不活性ガス濃度98vol%〜86vol%とした中で触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合攪拌する高分子電解質型燃料電池の製造方法であり、混合攪拌装置内の雰囲気を酸素濃度2vol%〜14vol%、不活性ガス濃度98vol%〜86vol%とした中で触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合攪拌することにより、触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂との微細な酸化反応を抑制し、濡れ性を向上させるという作用を有する。
【0022】
本発明の請求項4に記載の発明は、高分子電解質膜の面上に、触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合して作成した触媒層ペーストを塗布して触媒層を形成する高分子電解質型燃料電池の製造方法であって、触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合して触媒層ペーストを作成する際の混合攪拌工程において、混合攪拌装置内の雰囲気を酸素濃度2vol%〜14vol%、水蒸気濃度49vol%〜43vol%、不活性ガス濃度49vol%〜43vol%、とした中で触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合攪拌する高分子電解質型燃料電池の製造方法であり、混合攪拌装置内の雰囲気を酸素濃度2vol%〜14vol%、水蒸気濃度49vol%〜43vol%、不活性ガス濃度49vol%〜43vol%、とした中で触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合攪拌することにより、触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂との微細な酸化反応を抑制し、濡れ性を向上させるという作用を有する。
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0024】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における高分子電解質型燃料電池の製造方法は、まず、触媒層ペーストを作成する塗料化工程において、炭素粉末であるケッチェンブラック上に白金触媒を50wt%担持した触媒担持カーボン粉末と、溶剤として水/イソプロピルアルコール/エチレングリコール=1/1/1の混合溶液とを用意する。次に、上記材料を、あらかじめ水蒸気濃度90vol%、不活性ガスとして窒素濃度10vol%の雰囲気に制御した混合攪拌装置(特殊機化製201ミキサー)内に投入して混合撹拌し、さらに、水素イオン伝導性高分子電解質として効果のあるパーフルオロカーボンスルホン酸を結合剤樹脂として触媒担持カーボン粉末のカーボン成分に対して10%の比率で加えて混合撹拌し、固形分濃度が20wt%の正極触媒層ペーストを調製する。
【0025】
次に、触媒層ペーストを塗布するガス拡散層の製造工程において、炭素粉末であるアセチレンブラックをポリテトラフルオロエチレンの水性ディスパージョンと混合し、乾燥重量としてポリテトラフルオロエチレン20wt%を含む撥水インクを調製し、この撥水インクをガス拡散層の基材となるカーボンペーパーの上に塗布、含侵させ、熱風乾燥機を用いて300℃で熱処理してガス拡散層を形成した。
【0026】
次に、前記正極触媒層ペーストを上記ガス拡散層上に塗布して、80℃の乾燥炉にて乾燥して正極触媒層を形成し、その正極触媒層を水素イオン伝導性高分子電解質として働く高分子電解質膜の面上に接合して正極を作成する。
【0027】
なお、高分子電解質膜のもう一方の面上には上記正極触媒層と同様に調製された負極触媒層を接合して負極を作成する。
【0028】
次に、以上のように、両面上に正極、負極を形成した高分子電解質膜の外周部にゴム製のガスケット板を接合し、冷却水と水素ガスおよび酸化剤ガス流通用のマニホールド穴を形成した。
【0029】
次に、フェノール樹脂を含侵した黒鉛板からなり、ガス流路および冷却水流路を有する導電性セパレータ板を2枚用い、前記正極の面上に水素ガス流路の形成された導電性セパレータ板を、前記負極の面上に酸化剤ガス流路の形成された導電性セパレータ板をそれぞれ重ねて前記図1に示す単電池を得る。
【0030】
上記本実施の形態1における高分子電解質型燃料電池の製造方法によれば、触媒層ペーストを作成する塗料化工程において、触媒担持カーボン粉末と、水素イオン伝導材かつ結着剤である高分子電解質、すなわち、パーフルオロカーボンスルホン酸とを下記表1に示すように、
【0031】
【表1】
Figure 2004199915
【0032】
水蒸気濃度90vol%、窒素濃度10vol%の雰囲気に制御した混合攪拌装置(特殊機化製201ミキサー)中で混合撹拌することにより、触媒担持カーボン粉末の表面の白金触媒粒子が本来持つ酸化反応を促進させる働きを抑制、すなわち、触媒担持カーボン粉末の表面に吸着したパーフルオロスルホン酸等の高分子電解質として働く結合剤樹脂の酸化反応を促進させる働きを抑制し、高分子電解質であるパーフルオロカーボンスルホン酸との微細な酸化反応を抑制することで、濡れ性が向上し、触媒担持カーボン粉末表面のイオン導電性高分子電解質の分解が防止され、イオン導電性高分子電解質の分解に伴って生じる触媒層ペースト粘度の低下がなくなり、触媒層ペースト粘度が安定し、また、イオン導電性高分子電解質の分解が防止されることにより、イオン導電性高分子電解質の分子量が保持できることになり、カーボン粉末の本来持つ凝集性を抑制し触媒層ペースト粒度分布を安定させる。
【0033】
上記本実施の形態1における高分子電解質型燃料電池の製造方法の塗料化工程で製造した触媒層ペーストの評価と、その触媒層ペーストを用いた電極、単電池の評価をそれぞれペースト粒度分布経時変化、極板ひび割れ、電池寿命特性で表わしたのが以下の表2である。
【0034】
【表2】
Figure 2004199915
【0035】
表2において、触媒層ペーストの評価であるペースト粒度分布経時変化はペーストの塗料化工程直後から12時間、24時間、48時間後の粒度分布経時変化を測定し、平均粒径(d50)[μm]の初期粒径を100%としてその変化率を算出し、電極、単電池の評価である極板ひび割れは極板を2値化処理を行ってひび割れ占有面積率[%]を求め、電池寿命特性は正極に純水素ガスを、負極に空気をそれぞれ供給し、電池温度を75℃、燃料ガス利用率(Uf)を70%、空気利用率(Uo)を40%とし、燃料ガス加湿は70℃、空気加湿は50℃のパブラーを通して行うことで、電池の放電試験を行い5000時間後における電圧を初期の電圧に対して%比で表わした。
【0036】
表2から明らかなように、本実施の形態1における高分子電解質型燃料電池の製造方法の塗料化工程により製造した触媒層ペーストを用いた場合、ペースト粒度分布経時変化は塗料化工程直後から24時間経過後までは変化がなく、48時間後に5%の変化が見られ、電極のひび割れ占有面積率は10%、電池寿命特性は98%であり、±10%までは誤差範囲と考えられ、±10%を超えると有為な差であると考えられるペースト粒度分布経時変化は安定しており合格条件を満たし、20%までは特性に影響がなく、20%を超えると塗料の凝集によるひび割れが生じていると考えられ、電池特性も劣化するといわれている電極のひび割れ占有面積率も合格条件を満たし、90%まで下がっても問題がないが、90%を超えるといわゆる「劣化」として何らかの異常が発生したと考えられる電池寿命特性も合格条件を満たしている。
【0037】
以下同様に、上記実施の形態1における条件の内、混合攪拌装置(特殊機化製201ミキサー)内の雰囲気濃度だけを前記表1に示すように変更した本発明の実施の形態2〜実施の形態11および比較例1、2について、表2に示すペースト粒度分布経時変化、極板ひび割れ、電池寿命特性を見てみる。
【0038】
(実施の形態2)
実施の形態2は、混合攪拌装置(特殊機化製201ミキサー)内の雰囲気濃度が水蒸気濃度50vol%、不活性ガス濃度50vol%であり、触媒層ペーストの塗料化工程直後から48時間経過後までのペースト粒度分布経時変化は2%、電極のひび割れ占有面積率は8%、電池寿命特性は98%である。
【0039】
(実施の形態3)
実施の形態3は、混合攪拌装置(特殊機化製201ミキサー)内の雰囲気濃度が水蒸気濃度10vol%、不活性ガス濃度90vol%であり、触媒層ペーストの塗料化工程直後から24時間〜48時間経過後までのペースト粒度分布経時変化は2%、電極のひび割れ占有面積率は10%、電池寿命特性は97%である。
【0040】
(実施の形態4)
実施の形態4は、混合攪拌装置(特殊機化製201ミキサー)内の雰囲気濃度が酸素濃度2vol%、水蒸気濃度98vol%であり、触媒層ペーストの塗料化工程直後から48時間経過後までのペースト粒度分布経時変化は5%、電極のひび割れ占有面積率は6%、電池寿命特性は98%である。
【0041】
(実施の形態5)
実施の形態5は、混合攪拌装置(特殊機化製201ミキサー)内の雰囲気濃度が酸素濃度10vol%、水蒸気濃度90vol%であり、触媒層ペーストの塗料化工程直後から48時間経過後までのペースト粒度分布経時変化は2%、電極のひび割れ占有面積率は5%、電池寿命特性は97%である。
【0042】
(実施の形態6)
実施の形態6は、混合攪拌装置(特殊機化製201ミキサー)内の雰囲気濃度が酸素濃度14vol%、水蒸気濃度86vol%であり、触媒層ペーストの塗料化工程直後から48時間経過後までのペースト粒度分布経時変化は2%、電極のひび割れ占有面積率は10%、電池寿命特性は98%である。
【0043】
(実施の形態7)
実施の形態7は、混合攪拌装置(特殊機化製201ミキサー)内の雰囲気濃度が酸素濃度2vol%、不活性ガス濃度98vol%であり、触媒層ペーストの塗料化工程直後から48時間経過後までのペースト粒度分布経時変化は5%、電極のひび割れ占有面積率は5%、電池寿命特性は97%である。
【0044】
(実施の形態8)
実施の形態8は、混合攪拌装置(特殊機化製201ミキサー)内の雰囲気濃度が酸素濃度10vol%、不活性ガス濃度80vol%であり、触媒層ペーストの塗料化工程直後から48時間経過後までのペースト粒度分布経時変化は2%、電極のひび割れ占有面積率は10%、電池寿命特性は98%である。
【0045】
(実施の形態9)
実施の形態9は、混合攪拌装置(特殊機化製201ミキサー)内の雰囲気濃度が酸素濃度14vol%、不活性ガス濃度86vol%であり、触媒層ペーストの塗料化工程直後から48時間経過後までのペースト粒度分布経時変化は2%、電極のひび割れ占有面積率は12%、電池寿命特性は96%である。
【0046】
(実施の形態10)
実施の形態10は、混合攪拌装置(特殊機化製201ミキサー)内の雰囲気濃度が酸素濃度2vol%、水蒸気濃度49vol%、不活性ガス濃度49vol%であり、触媒層ペーストの塗料化工程直後から48時間経過後までのペースト粒度分布経時変化は3%、電極のひび割れ占有面積率は10%、電池寿命特性は97%である。
【0047】
(実施の形態11)
実施の形態11は、混合攪拌装置(特殊機化製201ミキサー)内の雰囲気濃度が酸素濃度14vol%、水蒸気濃度43vol%、不活性ガス濃度43vol%であり、触媒層ペーストの塗料化工程直後から48時間経過後までのペースト粒度分布経時変化は2%、電極のひび割れ占有面積率は12%、電池寿命特性は98%である。
【0048】
(比較例1)
比較例1は、混合攪拌装置(特殊機化製201ミキサー)内の雰囲気濃度が酸素濃度20vol%、水蒸気濃度40vol%、不活性ガス濃度40vol%であり、触媒層ペーストの塗料化工程直後から12時間経過後までのペースト粒度分布経時変化は6%、24時間経過後までは10%、48時間経過後までは25%、電極のひび割れ占有面積率は24%、電池寿命特性は86%である。
【0049】
(比較例2)
比較例2は、混合攪拌装置(特殊機化製201ミキサー)内の雰囲気濃度が酸素濃度20vol%、不活性ガス濃度80vol%であり、触媒層ペーストの塗料化工程直後から12時間経過後までのペースト粒度分布経時変化は4%、24時間経過後までは10%、48時間経過後までは30%、電極のひび割れ占有面積率は28%、電池寿命特性は80%である。
【0050】
図2は本発明の実施の形態1の高分子電解質型燃料電池の製造方法による電池と比較例1、2による電池の放電試験特性図であり、0.2A/cm2の放電時間が5000時間後において、実施の形態1による電池は電圧の低下は殆どないのに対し、比較例1、2による電池は低下が始まっていることを示している。この傾向は本発明の他の実施の形態2〜実施の形態11による電池も同じ傾向を示す。
【0051】
以上のように、本発明の実施の形態1〜実施の形態11は前記のペースト粒度分布経時変化、極板ひび割れ、電池寿命特性の合格条件を満たしているが、比較例1、2はそれを満たしていない。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、本発明の高分子電解質型燃料電池の製造方法によれば、触媒層ペーストの塗料化工程直後から、例えば、48時間後の塗布工程に至るまでの間の粒度分布経時変化が小さく、ペースト安定性が高く、触媒層の表面にピンホールやひび割れが生じず、電流密度分布が均一で、放電特性の低下がなく、寿命特性の低下のない高分子電解質型燃料電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な高分子電解質型燃料電池を構成する単電池の構成図
【図2】本発明の実施の形態1における高分子電解質型燃料電池の製造方法による電池と比較例1、2による電池の放電試験特性図
【符号の説明】
1 高分子膜
2 燃料極
3,5 セパレータ
4 空気極

Claims (4)

  1. 高分子電解質膜の面上に、触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合して作成した触媒層ペーストを塗布して触媒層を形成する高分子電解質型燃料電池の製造方法であって、触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合して触媒層ペーストを作成する際の混合攪拌工程において、混合攪拌装置内の雰囲気を水蒸気濃度10vol%〜90vol%、不活性ガス濃度90vol%〜10vol%とした中で触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合攪拌する高分子電解質型燃料電池の製造方法。
  2. 高分子電解質膜の面上に、触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合して作成した触媒層ペーストを塗布して触媒層を形成する高分子電解質型燃料電池の製造方法であって、触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合して触媒層ペーストを作成する際の混合攪拌工程において、混合攪拌装置内の雰囲気を酸素濃度2vol%〜14vol%、水蒸気濃度98vol%〜86vol%とした中で触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合攪拌する高分子電解質型燃料電池の製造方法。
  3. 高分子電解質膜の面上に、触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合して作成した触媒層ペーストを塗布して触媒層を形成する高分子電解質型燃料電池の製造方法であって、触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合して触媒層ペーストを作成する際の混合攪拌工程において、混合攪拌装置内の雰囲気を酸素濃度2vol%〜14vol%、不活性ガス濃度98vol%〜86vol%とした中で触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合攪拌する高分子電解質型燃料電池の製造方法。
  4. 高分子電解質膜の面上に、触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合して作成した触媒層ペーストを塗布して触媒層を形成する高分子電解質型燃料電池の製造方法であって、触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合して触媒層ペーストを作成する際の混合攪拌工程において、混合攪拌装置内の雰囲気を酸素濃度2vol%〜14vol%、水蒸気濃度49vol%〜43vol%、不活性ガス濃度49vol%〜43vol%、とした中で触媒担持カーボン粉末と結合剤樹脂を混合攪拌する高分子電解質型燃料電池の製造方法。
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