JP2004199056A - 液晶素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドメインサイズの制御された液晶を提供すること。
【解決手段】 液晶と、液晶ドメイン安定化化合物を含み、所定の光を強く散乱する相対的に小さな第1の複数の液晶ドメインからなる強散乱状態と、所定の光を弱く散乱する相対的に大きな第2の複数の液晶ドメインからなる弱散乱状態との間で切り替え可能である液晶組成物と、この液晶組成物のための空間を規定する液晶封じ込め構造と
を含むことを特徴とする液晶素子。
【選択図】図2

Description

本発明は液晶素子に関する。
液晶ディスプレイは引き続いて平面パネルディスプレー用の支配的な技術である。多くの状況で、偏光子を使用しない反射型で組込みディスプレイメモリーを有する液晶ディスプレイが望ましい。最近、多数の反射型コレステリック液晶ディスプレイが開発されている。
以下の特許文献1〜6、非特許文献1〜11は、本発明に関連し得るものである。
ヤンらに対する米国特許第6,061,107号。
タマオキらに対する米国特許第6,103,431号。
ヤンらに対する米国特許第5,847,798号。
ドアンらに対する米国特許第5,691,795号。
ウーらに対する米国特許第5,625,477号。
ウーらに対する米国特許第5,661,533号。
D.K.ヤン他「Polymer−stabilized Cholesteric Textures」、Liquid Crystals in Complex Geometries Formed by polymer and porous networks、103〜142頁(出版元Taylor & Francis Ltd.1996)。
H.ユアン「Bistable Reflective Cholesteric Displays」、Liquid Crystals in Complex Geometries Formed by polymer and porous networks、265〜280頁(出版元Taylor & Francis Ltd.1996)。
J.キム他「White Reflective Displays from Polymer−Stabilized Cholesteric Textures」、SID、802〜805頁(1998)。
D.K.ヤン他「Cholesteric liquid crystal/polymer dispersion for haze−free light shutters」Appl.Phys.Lett.、60巻、3102〜3104頁(1992年6月)。
J.ニエ他「Photocuring of mono−and di−functional(meth)acrylates with tris[2−(acryloyloxy)ethyl]isocyanurate」、35巻、1491〜1500頁(1999)。
W.D.コック「Photopolymerization kinetics of dimethacrylates using the camphorquinone/amine initiator system」、Polymer、33巻、600〜609頁(1992)。
I.ディエルキング「Polymer Network−Stabilized Liquid Crystals」、Adv.Mater.、12巻、167−181頁(2000)。
D.K.ヤン他「Control of reflectivity and bistability in displays using cholesteric liquid crystals」、J.Appl.Phys.、76巻、1331〜1333(1994)。
E.コレニック他「Cholesteric Liquid Crystal Flakes−A New Form of Domain」、LLE Review、74巻、139〜149頁(1998)。
N.タマオキ他「Rewritable Full−Color Recording in a Photon Mode」、Adv.Mater.、12巻、94〜97頁(2000)。
W.シャッデブーン他「Excited−State Dipole Moments of Dual Fluorescent 4−(Dialkylamino)benzonitriles.Influence of Alkyl Chain Length and Effective Solvent Polarity」、J.Phys.Chem.、96巻、10809〜10819頁(1992)。本願に記載した式1−1の化合物はシャッデブーン他に開示されている。
米国特許第6,061,107号 米国特許第6,103,431号 米国特許第5,847,798号 米国特許第5,691,795号 米国特許第5,625,477号 米国特許第5,661,533号 D.K.ヤン他「Polymer−stabilized Cholesteric Textures」、Liquid Crystals in Complex Geometries Formed by polymer and porous networks、103〜142頁(出版元Taylor & Francis Ltd.1996) H.ユアン「Bistable Reflective Cholesteric Displays」、Liquid Crystals in Complex Geometries Formed by polymer and porous networks、265〜280頁(出版元Taylor & Francis Ltd.1996) J.キム他「White Reflective Displays from Polymer−Stabilized Cholesteric Textures」、SID、802〜805頁(1998) D.K.ヤン他「Cholesteric liquid crystal/polymer dispersion for haze−free light shutters」Appl.Phys.Lett.、60巻、3102〜3104頁(1992年6月) J.ニエ他「Photocuring of mono−and di−functional(meth)acrylates with tris[2−(acryloyloxy)ethyl]isocyanurate」、35巻、1491〜1500頁(1999) W.D.コック「Photopolymerization kinetics of dimethacrylates using the camphorquinone/amine initiator system」、Polymer、33巻、600〜609頁(1992) I.ディエルキング「Polymer Network−Stabilized Liquid Crystals」、Adv.Mater.、12巻、167−181頁(2000) D.K.ヤン他「Control of reflectivity and bistability in displays using cholesteric liquid crystals」、J.Appl.Phys.、76巻、1331〜1333(1994) E.コレニック他「Cholesteric Liquid Crystal Flakes−A New Form of Domain」、LLE Review、74巻、139〜149頁(1998)。 N.タマオキ他「Rewritable Full−Color Recording in a Photon Mode」、Adv.Mater.、12巻、94〜97頁(2000) W.シャッデブーン他「Excited−State Dipole Moments of Dual Fluorescent 4−(Dialkylamino)benzonitriles.Influence of Alkyl Chain Length and Effective Solvent Polarity」、J.Phys.Chem.、96巻、10809〜10819頁(1992)
しかし、上記従来の反射型コレステリック液晶ディスプレイは、典型的には次の問題点のうち1つまたは複数を有する。すなわち、一方または両方の状態が0電場で安定していない場合における2つの状態(たとえば、プレーナー状態およびフォーカルコニック(focal conic)状態)間の切り替わり;取り得る状態の1つは有色(つまり、白または黒以外の色)でなければならないので、白黒ディスプレイを作るのが困難であるという点;視る角度への依存性;低い光の反射率;および2つの状態間のコントラストが弱いという点。
本発明は上記課題等に鑑みてなされたものであり、その目的は上記問題のうちの1以上を最小限にするか回避する液晶素子の提供である。
本発明は、液晶と、液晶ドメイン安定化化合物を含み、所定の光を強く散乱する相対的に小さな第1の複数の液晶ドメインからなる強散乱状態と、所定の光を弱く散乱する相対的に大きな第2の複数の液晶ドメインからなる弱散乱状態との間で切り替え可能である液晶組成物と、この液晶組成物のための空間を規定する液晶封じ込め構造とを含む素子を提供する。
また、本発明は、液晶と液晶ドメイン安定化化合物を含み、所定の光を強く散乱する相対的に小さな第1の複数の液晶ドメインからなる強散乱状態と、所定の光を弱く散乱する相対的に大きな第2の複数の液晶ドメインからなる弱散乱状態との間で切り替え可能である液晶組成物を配し、単一の液晶ドメインの不安定な状態を生じる第1の電場を印加することにより、弱散乱状態を強散乱状態に変化させ、次いで、第1の電場を強散乱状態誘起レベルまで低減して強散乱状態を生じさせ、かつ、第1の電場より弱いが強散乱状態誘起レベルよりは強い第2の電場を印加することにより、強散乱状態を弱散乱状態に変化させることを含むことを特徴とする。
本発明の実施形態では、相対的に小さな液晶ドメインと相対的に大きな液晶ドメイン液晶は、両者とも、ランダムな方向を向いた螺旋軸を有する。
本発明の実施形態には、
(a)液晶;および
(b)双極性モノマーと非双極性モノマーを含む重合された液晶ドメイン安定化化合物
を含む液晶組成物が含まれる。
本発明の実施形態には、
(a)双極性モノマーと非双極性モノマーを含む組成物を形成し、双極性モノマーと非双極性モノマーを重合して、重合された液晶ドメイン安定化化合物を生じさせ;
(b)双極性モノマーと非双極性モノマーの重合前、重合中または重合後などの任意の時に前記組成物に液晶を加えること
を含む方法が含まれる。
特に断らない限り、異なる図における同一参照番号は同一または同様の要素を指す。また、断らない限り、「アルキル」という用語は直鎖アルキルおよび分岐アルキルの両方を含む。
液晶組成物は液晶および液晶ドメイン安定化化合物を含む。
I.液晶
液晶は多数の液晶ドメインを形成可能な任意の液晶でよい。実施形態では、液晶は、たとえば、キラルネマチック(つまり、コレステリック)液晶またはネマチック液晶とすることができる。液晶は、単一の化合物でもよいし2種以上の異なる化合物の混合物でもよい。
A.ネマチック液晶
正の誘電異方性を備えたネマチック液晶は、多環式芳香環で作られる硬いコア部と炭化水素基から構成される柔軟な部分から構成される。実施形態では、本発明に適したネマチック液晶は、2つ以上の単環芳香族で作られる硬いコア部と可変長さ(それは場合によっては置換されていてもよい)のアルキル基で作られる柔軟な部分から構成される。より多くの場合、市販のネマチック液晶はネマチック分子の混合物である。
適する多くのネマチック液晶は、アルキルビフェニルニトリルまたはアルキルターフェニルニトリル分子の混合物である。これらは市販されており、本開示を考慮すれば当業者にはいかなるものかわかるであろう。典型的な例は、たとえば、EM Industries社から入手可能なネマチック液晶BL混合物、BL001(E7)、BL002(E8)、BL033(BL002バージョン)およびBL087、並びに5CB(Sigma−Aldrichから市販されている)を含む。市販のE7および5CBに含まれるネマチック液晶化合物には以下の構造式が挙げられる。
Figure 2004199056
(式中、nが4、6および7である場合、E7は化合物の混合物であり、nが5である場合、5CBは単一の化合物である)。
B.コレステリック液晶
たとえば、赤外または近赤外領域で反射するように螺旋ピッチを選択した正の誘電異方性を有するコレステリック液晶が、本発明の目的に適している。コレステリック液晶は一般に主要な3つのタイプに分類できる。
第1の主要なタイプでは、コレステリック液晶は、コレステリック液晶混合物と所望の螺旋ピッチ長を生じるのに十分な量のネマチック液晶との混合物であり得る。適当なコレステリック液晶混合物は、たとえば、EM Industries社から入手可能なBL混合物(BL088、BL 90、BL94および少数の例としてBL108)を含む。螺旋ピッチは、このコレステリック液晶混合を本願に記載するネマチック液晶と混合することにより、所望の範囲に調整できる。
第2の主要なタイプでは、コレステリック液晶は、ネマチック液晶と所望のピッチ長を生じるのに十分な量のキラル物質の混合物から形成できる。キラル物質は、エナンチオマーおよびジアステレオマーの純度が十分に高く、十分に高い捩れ力(twisting power)を持つ限り、ネマチック液晶に可溶などのようなものも本発明の目的に適している。高性能なキラル物質は、Merck社から市販されている(たとえば、ZLI4571、ZLI4572(R1011)、S811、R811)。R1011とS811は、特に下に示す構造式を備えた化合物を含み得る。
Figure 2004199056
第3の主要なタイプでは、コレステリック液晶はさらに、キラルでもあるネマチック液晶(このため、キラルネマチック液晶という名前を持つ)単一化合物であり得る。場合によっては、キラルネマチック液晶単一化合物は、螺旋ピッチを所望の値に調整するために、キラルネマチック液晶混合物またはキラルな非液晶材料と混合していてもよい。このようなキラルネマチック液晶単一化合物のいつかの例を以下に示す。
Figure 2004199056
II.液晶ドメイン安定化化合物
液晶ドメイン安定化化合物は、(1)(印加された電場に沿って)相対的に小さな液晶ドメインと大きな液晶ドメインの間の切り替えを引き起こす(または許容する)任意の化合物;および(2)電場が0である場合、切り替え後の液晶ドメインサイズを維持する任意の化合物を含む。液晶ドメインを安定化する化合物自体は、ほとんどが液晶ドメインの境界に位置し、液晶螺旋内には、存在したとしても低い割合しか存在しないと考えられる。本発明の実施形態では、液晶ドメイン安定化化合物は本願に示すような双極性有機化合物である。式(1)〜(6)によって示す双極性有機化合物は、電子受容性基および電子供給性基を有する共役的な(conjugate)構造単位である。この構造単位は十分大き永久双極子モーメントを持っており、そのため、印加された電場によって回転可能である。
液晶ドメイン安定化化合物(式(1)〜(6))
Figure 2004199056
式(1)〜(6)は、本開示の目的に適する有用な双極性化合物を模式的に表わしたものである。様々な部分が単純な結合によって模式的に接続されているが、それらは単結合、二重結合または三重結合を有してもよい。「小分子」液晶ドメイン安定化化合物は、式(1)〜(3)および(5)に対応する化合物によって示される。オリゴマー/ポリマーである「巨大分子」液晶ドメイン安定化化合物は、式(2)、(4)および(6)に対応する化合物によって示される。双極性モノマーと非双極性モノマー(本願で論じる)を含む、重合された液晶ドメイン安定化化合物も、「巨大分子」液晶ドメイン安定化化合物と考えられる。実施形態では、液晶ドメイン安定化化合物は、光子素子の操作と適合するスペクトル部分で吸収を有してもよい。たとえば、光子素子がディスプレイ素子である場合、液晶ドメイン安定化化合物は紫外線を吸収してもよいし、またはわずかに可視域に吸収を有してもよい。実施形態では、液晶ドメイン安定化化合物は、たとえば、可視域で吸光度をほとんど有さずに無色であり、その結果、液晶組成物中に数%溶解しても、そのような液晶組成物薄膜は無色に見える。
電子供与性部分(D1からD6)は、電子を供与できる任意の適当な原子または基でよく、それはハメットの式に従う実施形態では、負のハメット定数(σp)を有するであろう。本発明の実施形態では、電子供与性部分(D1からD6)はその原子価必要条件(たとえば、窒素原子は3つの原子価を有する)を満たすために1つまたは複数の追加的部分を必要とする原子である。実施形態では、電子供与性部分(D1からD6)は次のものからなる群から選択できる:
(a)N、O、S、P、Cl、BrおよびIからなる群から選択される原子であって、液晶適合化部分(S1からS6)および/または共役架橋部分(C1からC6)および場合によっては重合性部分(Z2、Z4、Z6)と結合することにより原子の原子価が満たされるもの;
(b)N、O、S、およびPからなる群から選択される原子であって、液晶適合化部分(S1からS6)および/または共役架橋部分(C1からC6)および場合によっては重合性部分(Z2、Z4、Z6)と結合し、原子がさらに少なくとも他の1つの他の部分(基)に結合することにより原子の原子価が満たされるもの;
(c)フェロセニル;
(d)アズレニル;および
(e)約5から約30個の原子(炭素原子および複素原子の数を指す)を有する少なくとも1つの複素芳香環であって、複素原子がたとえば酸素(たとえば、フラン、ベンゾフラン、ジベンゾフランなど)、硫黄(たとえば、1,4−ジチイン、ベンゾ−1,4−ジチイン、ジベンゾ−1,4−ジチイン、テトラチアフルバレン(tetrathiafulvalene)、チオフェン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェンなど)、または窒素(たとえば、ピロール、インドール、カルバゾール、ピラゾール、イミダゾールなど)、セレン(たとえば、セレノフェン、ベンゾセレノフェン、ジベンゾセレノフェンなど)およびテルル(たとえば、テルロフェン、ベンゾテルロフェン、ジベンゾテルロフェンなど)である。
実施形態では、電子供与性部分(D1、D2)は次のものからなる群から選択される:
(a)N、O、SおよびPからなる群から選択される原子であって、原子の原子価が、S1/S2およびC1/C2と接合することにより満たされるもの;
(b)N、O、S、およびPからなる群から選択される原子であって、S1/S2およびC1/C2に結合し、原子がさらに少なくとも他の1つの他の部分(基)に結合することにより原子の原子価が満たされるもの;
(c)フェロセニル;
(d)アズレニル;および
(e)本願に記載するような少なくとも1つの複素芳香環。
電子供与性部分(D1からD6)において原子の原子価を満たす別の部分(基;単数または複数)は、たとえば水素原子でもよいし、または下記に示すような炭化水素基でもよい。
(a)直鎖アルキル基、たとえば1〜約20個の炭素原子、特に1〜約12個の炭素原子を有するもの(たとえば、ペンチル、デシルおよびドデシルなど);
(b)分岐アルキル基、たとえば3〜約40個の炭素原子、特に3〜約30個の炭素原子を有するもの(たとえば、イソプロピル、イソペンチルおよび2−プロピルペンチルなど);
(c)シクロアルキル基、たとえば、3〜約30個の炭素原子、特に4〜約7個の炭素原子を環内に有するもの(たとえば、シクロペンチルとシクロヘキシルなど);および
(d)アリール基、アリールアルキル基またはアルキルアリール基、たとえば、7〜約30個の炭素原子を有するもの(たとえば、p−メチルベンジル、3−(p−エチルフェニル)−プロピルおよび5−(1−ナフチル)−ペンチルなど)。
共役架橋部分(C1からC6)は、電子供与性部分(D1からD6)から電子受容性部分(A1からA6)まで電子が通り抜けることができる任意の適当な基とすることができる。実施形態では、共役架橋部分(C1からC6)はπ電子共役架橋であり、これは、たとえば、下記のものからなる(下に記載されたカテゴリー(a)、(b)および(c)中に重なりはない):
(a)少なくとも1つの芳香環、たとえば、約6個の炭素原子から約40個の炭素原子を有する1、2またはそれ以上の環を有する芳香環(たとえば、−C64−、−C64−C64−など);
(b)少なくとも1つの芳香環、たとえば、約8個の炭素原子から約50個の炭素原子を有する1個または複数のエテニル、エチニル結合を介して結合した1個または複数の芳香環(たとえば、−C64−CH=CH−C64−および−C64−C≡C−C64−など);および
(c)たとえば、約10個〜約50個の炭素原子を有する縮合芳香環(たとえば、1,4−C106および1,5−C106など)。
液晶適合化部分(S1からS6)は、液晶ドメイン安定化化合物の液晶への混和性を増加させる任意の適当な基とすることができる。液晶適合化部分(S1からS6)は、互いに同一か異なる1つ、2つまたは3つ以上の基であり得る。液晶適合化部分(S1からS6)はたとえば下記のものとすることができる。
(a)たとえば、1から約30個の炭化水素を有する置換された非置換の炭化水素;
(b)たとえば、5から約15個の原子を有する複素環基(複素原子がたとえばN、O、S、PおよびSeであり得る場合、炭素原子および複素原子の数を指す。典型的な例は次のものを含む:ピペリジン、エチルピペリジン、メチルピロリジン);
(c)たとえば、5から約15個の原子を有する複素非環状基(複素原子がたとえばN、O、S、PおよびSeであり得る場合、炭素原子および複素原子の数を指す。典型的な例は次のものを含む:エチレングリコールとポリエチレングリコールのエーテル、たとえば、2−ヒドロキシ−エチルなどのアルコール基、およびたとえばエチル−2−メチルエチル−チオエーテルなどのメルカプト基)。
液晶適合化部分(S1からS6)が炭化水素である場合、炭化水素は、たとえば下記のものとすることができる。
(a)直鎖アルキル基、たとえば2〜約30個の炭素原子、特に2〜約12個の炭素原子を有するもの(たとえば、ペンチル、デシルおよびドデシルなど);
(b)分岐アルキル基、たとえば3〜約40個の炭素原子、特に3〜約30個の炭素原子を有するもの(たとえば、イソプロピル、イソペンチルおよび2−プロピルペンチルなど);
(c)少なくとも1つのシクロアルキル基、たとえば、3〜約8個の炭素原子、特に4〜約7個の炭素原子を環内に有するシクロアルキル(たとえば、シクロペンチルとシクロヘキシルなど)が1、2またはそれ以上結合されたもの。場合によっては、シクロアルキル基の1個または複数の水素原子は、たとえば、1〜約20個の炭素原子を有するアルキル基、たとえば、3〜約30個の炭素原子を有するアリールアルキル基、たとえば、3〜約8個、特に4〜約7個の炭素原子を環内に有する炭素原子を有するシクロアルキル基またはたとえば、4〜約30個の炭素原子を有するアルキルシクロアルキル基で置換されていてもよい。
(d)アリールアルキル基またはアルキルアリール、たとえば、7〜約30個の炭素原子を有するもの(たとえば、p−メチルベンジル、3−(p−エチルフェニル)−プロピル基および5−(1−ナフチル)−ペンチルなど)。
実施形態では、液晶適合化部分(S1からS6)は、場合によっては、たとえば、液晶部分、たとえば、液晶部分で置換されていてもよい複素環部分またはたとえば、液晶部分で置換されていてもよい複素非環状部分で置換された炭化水素でもよい。液晶部分は、たとえば以下のものからなる。
(i)柔軟な部分−硬いコア部分は、約4〜約10個の炭素原子を含むアルキル鎖などの柔軟な部分が、ビフェニルまたはターフェニルに連結されたシアン(CN)グループに連結されたものを含む(ここで、柔軟な部分−硬いコア部分は、連結部分を含む)または
(ii)連結部分を含むコレステリル基。
液晶部分中に連結部分を作るために、本願において液晶として記載される化合物から原子(たとえば、水素)を除去してもよい。除去した原子を、少なくとも2個の利用可能な原子価を有し原子(たとえばO、N、SまたはPなど)または基(たとえば、−O−C(O)−、−C(O)−、−O−(CH2n−O−)のいずれかにより液晶適合化部分(S1からS6)の残りの部分に液晶部分を結合できる連結部分で置換する。たとえば、化合物1−Vでは、液晶化合物CH3−(CH24−C64−C64−CNから水素原子をOに置換して、液晶部分が−CH2基を介して液晶ドメイン安定化化合物との結合可能となるようにする。基全体はS1として割り当てられる。「液晶部分」という用語は、本願に液晶化合物として記載する化合物から原子(単数または複数)を取り去った結果、液晶性を有しない液晶部分となったとしても使用されるものとする。
重合性部分Z2、Z4およびZ6は、オリゴマー/ポリマーを形成するように重合可能な任意のモノマーでよい。適当なモノマーは、アクリルまたはエテニルなど、重合可能な二重結合(−CH=CH2)または三重結合を含む。モノマー中の1個または複数の水素原子は、場合によってはたとえば以下のもの、すなわち、(a)1から約10個の炭素原子を有するアルキル鎖;(b)アルコキシ、ハロゲン置換アルキル基(F、Cl、BrおよびIなどのハロゲン)およびアミノアルキル基などのアルキル基部分が1から約10個の炭素原子を有する置換アルキル鎖で置換してもよい。重合性部分の典型的な例は、H2C=CH−C(O)−O−(アクリル)、H2C=C(CH3)−C(O)−O−(メタクリル)、H2C=C(C25)−C(O)−O−(エタクリル)、−CH=CH2(ビニル)および−C(CH3)=CH2である。重合性部分Zi(i=2、4、6)は、Si(i=2、4、6)、Di(i=2、4、6)、Ci(i=2、4、6)、Ai(i=2、4、6)またはR6に結合させてもよい。
値e’、e”およびe”’は、重合度を表わし、たとえば、1〜約100以上の範囲の数である。
値a’、a”、b’、b”、c’、c”は、たとえば1〜3までの整数である。
液晶ドメイン安定化化合物の第1の典型的なグループは、式(1)および式(2)に包含される。式(2)では、S2、D2、C2およびA2から構成される双極性の繰返し構造単位は、双極性構造単位部分のうちの1つがZ2に結合している点以外は式(1)によって表わされる化合物に類似している。
電子受容性部分(A1、A2)は、電子を受容できる任意の適当な原子または基でよい。実施形態では、電子受容性部分(A1、A2)は、ハメットの式によれば正のハメットの定数(σp)を有する電子吸引基である。電子受容性部分(A1、A2)は、たとえば下記のものである。
(a)アルデヒド(−CO−H);
(b)ケトン(−CO−R)。ここで、Rは、たとえば、1から約20個、特に1から約12個の炭素原子を有する直鎖アルキル基(たとえば、メチル、エチル、ペンチル、デシルおよびドデシルなど);たとえば、3から約40個、特に3から約30個の炭素原子を有する分岐アルキル基(たとえば、イソプロピル、イソペンチルおよび2−プロピル−ペンチルなど)、たとえば、3から約30個、特に4から7個の炭素原子を環内に有するシクロアルキル基(たとえば、シクロペンチルおよびシクロヘキシル);たとえば、7から約30個の炭素原子を有するアリールアルキル基またはアルキルアリール基(たとえば、p−メチルベンジル、3−(p−エチルフェニル)−プロピルおよび5−(1−ナフチル)−ペンチル)など);
(c)エステル(−COOR)。ここで、Rは、たとえば、1から約20個、特に1から約12個の炭素原子を有する直鎖アルキル基(たとえば、ペンチル、デシルおよびドデシルなど);たとえば、3から約40個、特に3から約30個の炭素原子を有する分岐アルキル基(たとえば、イソプロピル、イソペンチルおよび2−プロピル−ペンチルなど)、たとえば、3から約30個、特に4から7個の炭素原子を環内に有するシクロアルキル基(たとえば、シクロペンチルおよびシクロヘキシル);たとえば、7から約30個の炭素原子を有するアリールアルキル基またはアルキルアリール基(たとえば、p−メチルベンジル、3−(p−エチルフェニル)−プロピルおよび5−(1−ナフチル)−ペンチル)など);
(d)カルボン酸(−COOH);
(e)シアノ(CN);
(f)ニトロ(NO2);
(g)ニトロソ(N=O);
(h)硫黄に基づく基(たとえば−SO2−CH3;および−SO2−CF3);
(i)フッ素原子;
(j)アルケン(−CH=CR2または−CH=CHR)(ここで、各Rは、独立して、たとえば、1から約20個、特に1から約12個の炭素原子を有する直鎖アルキル基(たとえば、ペンチル、デシルおよびドデシルなど);たとえば、3から約40個、特に3から約30個の炭素原子を有する分岐アルキル基(たとえば、イソプロピル、イソペンチルおよび2−プロピル−ペンチルなど)、たとえば、3から約30個、特に4から7個の炭素原子を環内に有するシクロアルキル基(たとえば、シクロペンチルおよびシクロヘキシル);たとえば、7から約30個の炭素原子を有するアリールアルキル基またはアルキルアリール基(たとえば、p−メチルベンジル、3−(p−エチルフェニル)−プロピルおよび5−(1−ナフチル)−ペンチル)など)および
(k)ホウ素原子。
式(1)に包含される液晶ドメイン安定化化合物の典型的な例を下に示す。
Figure 2004199056
タイプ1−Iおよび1−IIの化合物は、臭素化またはヨウ素化された芳香族前駆体の第2アミンとのパラジウム触媒カップリング反応によって調製される。この広く用いられているカップリング反応についての一般的な合成操作は知られている(J.P.ウルフ他「Room temperature catalytic amination of aryl iodides」、J.Org.Chem.、1997、62、p.6066;J.P.ウルフ他「Scope and limitations of the Pd/BINAP−catalyzed Amination of aryl bromides」、J.Org.Chem.、2000、65、p.1144.;J.F.ホートウィック「Transition metal catalyzed synthesis of arylamines and aryl ethers from aryl halides and triflates:scope and mechanism」Angewandte Chemie、International Edition(1998)、37(15)、p.2046;ホートウィック、ジョンF.「Carbon−Heteroatom Bond−Forming Reductive Eliminations of Amines、Ethers、and Sulfides」Accounts of Chemical 14 Research、1998、31(12)、852)。上に引用した文献による開示は、全体を本願に引用して援用する。反応はt−BuONaなどの塩基の存在下、およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd2DBA3)などの可溶性パラジウム前駆体からインサイチュで形成されたパラジウム系塩基触媒および1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(DPPF)または2、2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)などの配位子と共に進行する。
タイプ1−IIIおよび1−IVの化合物は、フェノキシド陰イオン前駆体を臭素化アルキル誘導体とカップリングすることにより合成される。陰イオンはK2CO3などの塩基の使用により調製されている(一般的な操作は、たとえば「Organic Syntheses,Coll.」第3巻、140頁に記載されている。その開示全体を本願に引用して援用する)。
化合物1−Vおよび1−VIは、液晶適合化部分(S1、S2)が液晶部分を含む実施形態を示す。化合物1−Vは、塩基の存在下にアルコール前駆体を液晶部分(4−アルキル−シアノ−ビフェニル)を含む臭化物誘導体と結合させることにより合成される。化合物1−VIは、トリエチルアミンなどの有機塩基の存在下にアルコール前駆体をコレステリルクロロホルメートと反応させることにより合成される。
本発明の実施例では、式(1)の化合物から、a’が2であり、A1がシアノであり、C1がフェニルであり、D1が窒素であり、また、各S1が同じアルキル基である化合物は除外される。実施形態においては、下記のうち1、2またはそれ以上があり得る:a’は2以外である;A1はシアノ以外である;C1はフェニル基以外であり、D1は窒素以外であり、また、S1は両方とも直鎖アルキル基以外である。
式(2)の巨大分子の化合物の例を下記に示す。化合物2−Iでは、重合性基Z2はビニルである;化合物2−IIでは、重合性基はアクリル基である;また、化合物2−IIIでは、重合性基はメタクリル基である。これらの場合、重合性基は液晶適合化基に結合させる。化合物2−IVは重合性基Z2を電子受容性部分に結合させた例である。
Figure 2004199056
双極性構造単位(S2、D2、C2およびA2から構成される)は、式(1)の化合物について既に記載したようなパラジウム触媒カップリング反応によって合成される。S2は、フェノラート陰イオンを臭化アルキルアルコール(化合物2−IIから2−IVについてはBr−(CH2n−OH)と反応させることにより合成される。モノマー(S2、D2、C2およびA2から構成される双極性構造単位に結合したZ2)は、前に述べたアルコール誘導体を塩化アクリロイル(2−IIおよび2−IV)または塩化メタクリロイル(2−III化合物)と反応させることにより重合される。一般的な操作はG.イフタイム他「Synthesis and Characterization of Two Chiral Azobenzene−Containing Copolymers」Macromolecules、2002、35(2)、365(その開示全体を本願に引用して援用する)に記載され知られている。重合は熱光化学的開始剤の使用によりインサイチュで行うことができる。
液晶ドメイン安定化化合物の別の典型的なグループは式(3)および(4)に包含される。式(3)および(4)の化合物では、液晶適合化部分(S3、S4)は、電子受容性部分(それぞれA3およびA4)に結合される。式(4)では、S4、D4、C4およびA4から構成される双極性の繰返し構造単位は、双極性構造単位部分のうちの1つがZ4に結合される点以外は、式(3)によって表わされる化合物と類似している。
電子受容性部分(A3、A4)は電子を受容でき、液晶適合化部分(S3、S4)との結合を形成可能な原子価を有するものであれば、任意の適当な原子または基でよい。実施形態では、電子受容性部分(A3、A4)は電子吸引基であり、ハメットの式によれば、正のハメット定数(σp)を有する。電子受容性部分(A3、A4)はたとえば下記のものでもよい:
(a)カルボニル基(−CO−);
(b)カルボキシ基(−COO−);
(c)スルホン(−SO2−);
(d)アルケン(−CH=C(R)−)。ここで、Rは、たとえば、1から約20個、特に1から約12個の炭素原子を有する直鎖アルキル基(たとえば、ペンチル、デシルおよびドデシルなど);たとえば、3から約40個、特に3から約30個の炭素原子を有する分岐アルキル基(たとえば、イソプロピル、イソペンチルおよび2−プロピル−ペンチルなど)、たとえば、3から約30個、特に4から7個の炭素原子を環内に有するシクロアルキル基(たとえば、シクロペンチルおよびシクロヘキシル);たとえば、7から約30個の炭素原子を有するアリールアルキル基またはアルキルアリール基(たとえば、p−メチルベンジル、3−(p−エチルフェニル)−プロピルおよび5−(1−ナフチル)−ペンチル)など);および
(e)イミン基(−C=N−)。
式(3)に対応する化合物の例は以下に示される:
Figure 2004199056
スルホン基(−SO2−)は、対応するスルフィド(−S−)を、たとえば過酸化水素によって酸化することにより生成される(一般的な操作は、Z.−S.フー他「Novel polyesters with amino−sulfone azobenzene chromophores in the main chain」、J.Polym.Sci.、Part A:Polymer Chemistry、2000、38、p.2245に記載されており、その開示全体を本願に引用して援用する)。アルキルエステル基は、エステル化について知られた多数の操作のうちの1つによって合成される。好ましい穏やかな操作は、一般にジクロロメタンを溶媒として行う、カルボン酸基の対応するアルコールとの1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)カップリングである(一般的な操作は、J.にたとえば記載され、J.Am.Chem.Soc.、1986、108、p.3112に記載され、その開示全体を本願に引用して援用する)。
式(4)に対応する巨大分子化合物の例を下に示す。
Figure 2004199056
式(4)の重合体構造に対応するモノマーは、一般にジクロロメタンを溶媒として行う安息香酸前駆体のカルボン酸基の対応するアルコールとの1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)カップリングで合成してもよい(一般的な操作は、J.にたとえば記載され、J.Am.Chem.Soc.、1986、108、p.3112に記載され、その開示全体を本願に引用して援用する)。重合は熱光化学的開始剤を用いてインサイチュで行うことができる。
液晶ドメイン安定化化合物の3番目の典型的なグループは、式(5)および(6)に包含される。式(5)および(6)の化合物の実施形態において、液晶適合化部分(S5、S6)は、「直接結合」(つまり、スペーサー部分(R5、R6)が存在しない)または任意的なスペーサー部分(R5、R6)によって共役架橋部分(C5、C6)に結合される。
式(6)では、S6、R6、D6、C6およびA6から構成される双極性の繰返し構造単位は、双極性構造単位部分のうちの1つがZ6に結合される点以外は、式(5)によって表わされる化合物と類似している。A5とA6はA1とA2と同一の電子受容性部分である。さらに、D5とD6はD3とD4と同一の電子供与性部分である。
電子受容性部分(A5、A6)は電子を受容できる任意の適当な原子または基でよい。実施形態では、電子受容性部分(A5、A6)はハメットの式によれば正のハメットの定数(σp)を有する、電子吸引基である。電子受容性部分(A5、A6)たとえば下記のものである:
(a)アルデヒド(−CO−H);
(b)ケトン(−CO−R)。ここで、Rは、たとえば、1から約20個、特に1から約12個の炭素原子を有する直鎖アルキル基(たとえば、メチル、エチル、ペンチル、デシルおよびドデシルなど);たとえば、3から約40個、特に3から約30個の炭素原子を有する分岐アルキル基(たとえば、イソプロピル、イソペンチルおよび2−プロピル−ペンチルなど)、たとえば、3から約30個、特に4から7個の炭素原子を環内に有するシクロアルキル基(たとえば、シクロペンチルおよびシクロヘキシル);たとえば、7から約30個の炭素原子を有するアリールアルキル基またはアルキルアリール基(たとえば、p−メチルベンジル、3−(p−エチルフェニル)−プロピルおよび5−(1−ナフチル)−ペンチル)など);
(c)エステル(−COOR)。ここで、Rは、たとえば、1から約20個、特に1から約12個の炭素原子を有する直鎖アルキル基(たとえば、ペンチル、デシルおよびドデシルなど);たとえば、3から約40個、特に3から約30個の炭素原子を有する分岐アルキル基(たとえば、イソプロピル、イソペンチルおよび2−プロピル−ペンチルなど)、たとえば、3から約30個、特に4から7個の炭素原子を環内に有するシクロアルキル基(たとえば、シクロペンチルおよびシクロヘキシル);たとえば、7から約30個の炭素原子を有するアリールアルキル基またはアルキルアリール基(たとえば、p−メチルベンジル、3−(p−エチルフェニル)−プロピルおよび5−(1−ナフチル)−ペンチル)など);
(d)カルボン酸(−COOH);
(e)シアノ(CN);
(f)ニトロ(NO2);
(g)ニトロソ(N=O);
(h)硫黄に基づく基(たとえば−SO2−CH3;および−SO2−CF3);
(i)フッ素原子;
(j)アルケン(−CH=CR2または−CH=CHR)。ここで、各Rは、独立して、たとえば、1から約20個、特に1から約12個の炭素原子を有する直鎖アルキル基(たとえば、ペンチル、デシルおよびドデシルなど);たとえば、3から約40個、特に3から約30個の炭素原子を有する分岐アルキル基(たとえば、イソプロピル、イソペンチルおよび2−プロピル−ペンチルなど)、たとえば、3から約30個、特に4から7個の炭素原子を環内に有するシクロアルキル基(たとえば、シクロペンチルおよびシクロヘキシル);たとえば、7から約30個の炭素原子を有するアリールアルキル基またはアルキルアリール基(たとえば、p−メチルベンジル、3−(p−エチルフェニル)−プロピルおよび5−(1−ナフチル)−ペンチル)など)および
(k)ホウ素原子。
スペーサー部分(R5、R6)は少なくとも2つの利用可能な原子価を有する任意の原子または基であって、いずれか一方の側で共役架橋部分(C5、C6)の両方と、他方の側で液晶適合化部分(S5、S6)と結合を形成し得るものであり、たとえば下記のものでよい:
(a)直接結合(すなわち、スペーサー部分(R5、R6)は存在しない);
(b)酸素原子;
(c)硫黄原子または−SO−、−SO2−などの硫黄基などを含む硫黄部分;
(d)式−(O−CH2−CH2n−O−を有するエチレングリコールエーテル単位(nは1〜約5までの整数である);
(e)窒素原子またはタイプ−N(R)−を含む窒素部分(ここで、Rは、たとえば水素、たとえば1から約20個、特に1から約12個の炭素原子を有する直鎖アルキル基(たとえば、ペンチル、デシルおよびドデシルなど);たとえば、3から約40個、特に3から約30個の炭素原子を有する分岐アルキル基(たとえば、イソプロピル、イソペンチルおよび2−プロピル−ペンチルなど)、たとえば、3から約30個、特に4から7個の炭素原子を環内に有するシクロアルキル基(たとえば、シクロペンチルおよびシクロヘキシル);たとえば、7から約30個の炭素原子を有するアリールアルキル基またはアルキルアリール基(たとえば、p−メチルベンジル、3−(p−エチルフェニル)−プロピルおよび5−(1−ナフチル)−ペンチル)など)
式(5)に対応する化合物の例を下に示す:
Figure 2004199056
式(5)および(6)の化合物の合成については、アミノ官能基が、臭素またはヨウ素前駆体と少なくとも1つのN−H結合を含む対応するアミン間のパラジウム触媒カップリング反応によって芳香環へ導入される。これは、J.F.ホートウィック「Transition metal catalyzed synthesis of arylamines and aryl ethers from aryl halides and triflates:scope and mechanism」Angewandte Chemie、International Edition(1998)、37(15)、p.2046;ホートウィック、ジョンF.「Carbon−Heteroatom Bond−Forming Reductive Eliminations of Amines,Ethers,and Sulfides」Accounts of Chemical 14 Research、1998、31(12)、852)に記載されているような操作を用いる。これらの文献による開示は、全体を本願に引用して援用する。フリーデルクラフツアルキル化は、芳香環へのアルキル基の挿入を可能にする(教科書:オラア、ジョージA.「フリーデルクラフツ化学」、1973年(その開示全体を本願に引用して援用する))。式(6)の化合物の合成については、重合は熱によりまたは光化学的に開始される。
式(6)によって表わされる化合物の例を下に示す。
Figure 2004199056
式(1)〜(6)の化合物の記載において、部分が2つの官能基機能を有するように見える場合があり得る。これは、構造で示される例について、部分のタイプを割り当てる際に若干困難さを生じるかもしれない。しかし、これらの機能を割り当てる場合、私たちは主要な機能のみを考慮に入れる。たとえば、化合物5−IIIの場合、−N(CH32はD5として割り当てたが、別のN原子を電子供与体機能を有するものとして見ることもできる。しかし、別のN原子の主要な役割は2つのS5グループの結合を可能にすることであり、したがって、それはR5として割り当てられた。さらに、別のN原子が電子受容性部分A5に関してメタ位に位置し、D5のA5への共役と比較して、A5への共役が最小である(パラ位は共役架橋部分によってD5からA5までの強い電子移動を可能にする)。
実施形態では、液晶組成物は単一の液晶ドメイン安定化化合物を含むことができる。他の実施形態では、液晶組成物が2、3またはそれ以上の異なる液晶ドメイン安定化化合物を含むことができる。実施形態において、巨大分子液晶ドメイン安定化化合物と小分子液晶ドメイン安定化化合物の組合せとしてもよい。異なる液晶ドメイン安定化化合物は、たとえば、(第1の液晶ドメイン安定化化合物)約10%:(第2の液晶ドメイン安定化化合物)約90%〜(第1の液晶ドメイン安定化化合物)約90%:(第2の液晶ドメイン安定化化合物)約10%に及ぶ適当な等しい割合または不等な割合で液晶組成物中に存在し得る。
液晶組成物は、たとえば、選択された螺旋ピッチの液晶を液晶ドメイン安定化化合物と本願に記載する1つまたは複数の他の任意成分(たとえば、分散剤および双極性でないコモノマー)と共に混合することにより調製される。液晶組成物は振動および/または撹拌により均質化され得る。
液晶ドメイン安定化化合物は、室温(約25℃)で液晶中、たとえば約0.1重量%から100重量%に及ぶ可溶性を有する。液晶ドメイン安定化化合物の液晶中の溶解を促進するために約40から約130℃に及ぶ高い温度を使用してもよい。未溶解の液晶ドメイン安定化化合物は、場合によってはろ過によって除去できる。
実施形態では、「巨大分子」液晶ドメイン安定化化合物の合成を促進するために開始剤(単数または複数)を使用してもよい。開始剤はオリゴマー/ポリマーを形成するのに使用されるモノマーの重合を促進する、任意の適当な化合物でよい。実施形態では、重合は熱光化学的開始剤の使用によりインサイチュでなされる。熱開始剤の場合、古くから慣用されている開始剤を使用することができる。これらは当業者には知られている。熱開始剤の例は、たとえば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)または過酸化ベンゾイルを含む。重合は、所望の開始割合、および方法で使用する熱開始剤に依存して、約30〜約100℃までの間の温度で行われる。熱開始剤は、液晶組成物合計量に対して約0.01%〜約10%まで、または約0.1%〜約1%までの量で加えることができる。
光化学的開始剤は可視光線開始を用いて行ってもよい。実施形態においては、モノマーに過剰な紫外域吸収があり、重合速度を落とし、あるいは、停止するため、この選択は古典的な紫外線開始より好ましい。可視光線開始剤は、たとえば、カンホロキノン(camphoroquinone)またはH−Nu470を含む。470nmの波長光にさらされた時、それらは重合を開始する。光化学的開始剤は、液晶組成物合計量に対して約0.01%〜約3%まで、または約0.1%〜約1%までの量で加えることができる。光化学開始を行う場合、液晶組成物はさらに開始剤を含む。これらの実施形態では、時期尚早な重合を防ぐために、液晶組成物を調製する間、混合物は、たとえば約30から約50℃に及ぶ低温で、たとえば約1分から約5分の短時間だけ加熱する。
液晶組成物には、分散剤または2種以上の異なる分散剤の混合物を必要に応じて含有させることができる。分散剤は、液晶組成物の重量に基づいて、約0.1重量%〜約20重量%まで、または約1重量%〜約10重量%に及ぶ量で存在させてよい。2種以上の異なる分散剤を使用する場合、異なる分散剤は、たとえば、(第1の分散剤)約10%:(第2の分散剤)約90%〜(第1の分散剤)約90%:(第2の分散剤)約10%に及ぶ適当な等しい割合または不等な割合で液晶組成物中に存在し得る。実施形態では、分散剤は、「小分子」液晶ドメイン安定化化合物を含む液晶組成物に加えることができる。他の実施形態では、分散剤は、「巨大分子」液晶ドメイン安定化化合物を含む液晶組成物に加えることができる。分散剤は、液晶ドメインの境界に存在して、電圧が切られた後、近隣の液晶ドメインとの合併に対するバリアーの役割を果たしてそれらの成長および再整列を防ぐ任意の適当な化合物とすることができる。実施形態では、分散剤の添加は、白色状態(本願に記載する)のより長期的な安定および白色状態の均一性の改善をもたらす。実施形態中の分散剤は典型的には液晶組成物と混和する。
分散剤は、たとえば典型的には、高抵抗媒体中に粒子を分散させるために使用する、非水性の界面活性剤である。本発明において有用な分散剤は、たとえば親水性基と疎水性基を含む中性の非イオン性の分子またはオリゴマーである。
液晶組成物との適合性のために、分散剤は、たとえば、約5〜約50個の炭素原子、または約8〜約30個の炭素原子鎖を含む比較的大きなアルキル鎖を有してもよい。アルキル鎖は直鎖でもよいし、または任意に分岐していてもよく、液晶組成物との適合性を増すために1つまたは複数の芳香環を含んでいてもよい。分散剤は下記のものを含む(ただし、これらに限定されない):
(a)約100から約3,000までの分子量を備えた、ポリオキシエチレングリコールおよびその誘導体(誘導体は末端が水酸基であるポリオキシエチレングリコールでもよい);約1個から約30個の炭素原子を含むアルキル基を備えたポリオキシエチレンアルキルエーテル(それらはたとえばラウリル、セチル、ステアリル、オレイルであり得る);脂肪酸のポリオキシエチレンエステル(ここで、脂肪酸は、、たとえばオレイン酸、ラウリン酸およびステアリン酸などのように約1個から約30個の炭素原子を含む)。
(b)アルカノールアミンと脂肪酸との縮合による8個から約60個の炭素原子を有するアルカノールアミド。
(c)一般的な構造R123NOのアミノオキシド(ここで、R1、R2およびR3基は独立して選択され、約1個〜約30個の炭素原子を含む)。
(d)約2個〜約60個の炭素原子を含むカルボン酸エステルのソルビトールとの縮合によるソルビタンエステル。本発明で有用なソルビタンエステルは、たとえば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレエートおよびソルビタントリステアレートである。
(e)グリセリンおよびモノ−およびポリ−エステルポリグリセロール(ここで、エステル基は、約2〜約30個の炭素原子の炭素原子を含み、たとえば、ステアレート、オレエート、デシルおよびオクチルなどである)。
(f)約100〜約3,000の分子量を備えたポリジメチルシロキサンポリマー(末端が水酸基、または、約0〜約30個の炭素原子を含むアルキル基、ヒドロキシアルキルまたはヒドリド基である)。
(g)一般式R−OHのアルキルアルコール(ここで、Rは、たとえば、1から約20個、特に1から約12個の炭素原子を有する直鎖アルキル基(たとえば、ペンチル、デシルおよびドデシルなど);たとえば、3から約40個、特に3から約30個の炭素原子を有する分岐アルキル基(たとえば、イソプロピル、イソペンチルおよび2−プロピル−ペンチルなど)、たとえば、3から約30個、特に4から7個の炭素原子を環内に有するシクロアルキル基(たとえば、シクロペンチルおよびシクロヘキシル);たとえば、7から約30個の炭素原子を有するアリールアルキル基またはアルキルアリール基(たとえば、p−メチルベンジル、3−(p−エチルフェニル)−プロピルおよび5−(1−ナフチル)−ペンチル))。
(h)ハロゲン含有非イオン性界面活性剤(特にフッ素化界面活性剤)、たとえば、ペルハロゲン化された炭化水素基を有するもの。ハロゲンはF、Cl、BrまたはIであり得る。本願に開示する本発明に適した非イオン性ハロゲンを含む界面活性剤はたとえば以下のものからなる:
(h)(1)2つの異なる構造単位であって、一方は一般構造(Cnm)のペルハロゲノカーボン鎖(Cは炭素であり;XはF、Cl、BrまたはIなどのハロゲンである)を有し、ここで鎖は直鎖でもよいし分岐鎖でもよく、ペルハロゲン化アリールアルキル鎖でもよく、nは約1〜約200までの整数であり、mは約3〜約600まで整数であり;第2の構造単位はCnmを含まない単位である。第2の構造単位は、炭化水素鎖またはシリコーン基からなる場合、疎水性でもよく、ここで、炭化水素鎖は、約1から約200個の炭素原子まで含む直鎖または分岐鎖のアルキル、アルキルアリール、アリールアルキルまたはシクロアルキル鎖とすることができる。水との適合性を持つ非イオン物質構造を含む場合、第2の構造単位は親水性でもよい。親水性構造は、たとえばポリオキシエチレート化アルコール、ポリ−プロピレンオキシド、アルキル、多価アルコールおよびエタンチオール誘導体でもよい。
(h)(2)疎水性のペルハロゲノカーボン鎖および親水性基の両方を含む単一の構造単位。典型的な例はフッ化ポリエーテルである(たとえば、ポリ−テトラフルオロエチレンおよびポリ−ヘキサフルオロプロペンオキシドなど)。
(i)ペンタエリスリトールエーテル、約1から約30個の炭素原子を有するアルコールまたはカルボン酸とのエステル、ペンタエリスリトールのアルコキシレートエーテル(アルコキシレートはエトキシレートまたはプロポキシレートであり得る)。
(j)約1から約30個の炭素原子を有するカルボン酸またはアルコールとのショ糖エステルおよびエーテル。場合によって、1つを超えるショ糖水酸基がアルコールまたはカルボン酸と反応してもよい。
(k)約100〜約5,000の分子量を有する2個以上のモノマーのブロック共重合体。ブロック共重合体は、たとえば、ポリエチレングリコール−コ−ポリエチレン、ポリエチレングリコール−コ−ポリプロピレンエチレングリコール、ポリビニルアルコール−コ−エチレンおよびポリジメチルシロキサン−コ−ポリエチレングリコールでもよい。
典型的な分散剤は、下図に示される。
Figure 2004199056
(ここでnは、たとえば、1〜約200に及ぶ整数である)。
「巨大分子」液晶ドメイン安定化化合物(たとえば式(2)、(4)および(6)の化合物)のモノマーは、本願では双極性モノマーと称される。双極性モノマーの構造を例示すると、式(2)の化合物において双極性モノマーは、S2、D2、C2、A2およびZ2でe’が1である場合に相当する。
1種、2種またはより多種類の異なるタイプの双極性モノマーを、各「巨大分子」液晶ドメイン安定化化合物の合成に使用してもよい。実施形態において、双極性モノマーは各「巨大分子」液晶ドメイン安定化化合物の合成において、任意的に用いられる非双極性モノマー(1種、2種またはより多種類の異なるタイプの非双極性モノマー)と重合してもよい。双極性モノマーおよび任意的に用いられる非双極性モノマーは、任意の適当な等量または不等の割合(重量またはモルによる)で使用することができる。非双極性モノマーは、本願において、非双極性コモノマーとして称される。「コモノマー」という用語は、1種、2種またはより多種類の異なるタイプの非双極性モノマーを1種、2種またはより多種類の異なるタイプの双極性モノマーと共に使用する実施形態を含む。
非双極性モノマーは、式(1)〜(6)の典型的な液晶ドメイン安定化化合物(これらは電子供与性部分と電子受容性部分を含む)とは対照的に、電子供与性部分も電子受容性部分も含まない。非双極性モノマーは、双極性モノマーおよび開始剤の液晶組成物への可溶性を改善する任意の適当な化合物とすることができる。非双極性モノマーは、液状でもよいし、1個または複数の重合性官能基を含む。これは双極性モノマーの量に対して、約10重量%〜約300重量%、または約10重量%〜約50重量%の量で加えられる。実施形態において、1種、2種またはより多種類の非双極性モノマーも使用できる。1種を超える非双極性モノマーを使用する場合、個々の非双極性モノマーの相対量は、非双極性モノマーの合計量に対して約5重量%〜約95重量%までとすることができる。素子を製造する過程において、双極性モノマーおよび非双極性モノマーは、液晶、開始剤および場合により使用される分散剤の存在下、液晶封じ込め構造の内部でともに重合される。非双極性モノマーの存在により、巨大分子の液晶ドメイン安定化化合物の構造は、非双極性モノマーの構造単位を組み込む。実施形態では、生じる液晶ドメイン安定化化合物は、双極性構造単位および非双極性構造単位を含むランダムコポリマー(2種、3種またはそれ以上のモノマー)である。実施形態では、非双極性モノマーの添加は、透明状態の均一性改善をもたらし得る。非双極性モノマーを添加しない実施形態では、混合時間および温度によって、透明状態が少数のわずかな白色スポット(それらは、材料のうちのいくつかが液晶組成物中に完全には混和しないことにより初期混合物が不均一になる結果かもしれない)を示すことがある。これらのわずかに白いスポットは、非双極性モノマーの存在によりもたらされる均質化によって消失させることができる。
非双極性モノマーは、コアに1種または複数(6まで)の重合性官能基が結合したモノマーとすることができる。総括的な式を、非双極性モノマーについて下記に示す(ここで、nは重合性基の数を表わし、1〜約6までの数である)。重合性基はアクリレート、メタクリレートまたはエタクリレート重合性官能基でもよい。
Figure 2004199056
モノマーコアは以下のようなものとすることができる:
(a)たとえば1個〜約60個の炭素原子を有する炭化水素のモノ−またはポリ−ラジカル(6種までのラジカル)であって、炭化水素はたとえば1個〜約60個の炭素原子、特に1個〜約20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基(たとえば1−ペンチル、1,2−ペンチル、1,3−ペンチル、1,5,10−デシルおよび1,4,8,12−ドデシル;たとえば3個〜約50個の炭素原子、特に3個〜約30個の炭素原子を有する分岐アルキル基(たとえば、イソプロピル、イソペンチルおよび2−プロピルペンチルなど);たとえば3個〜約30個の炭素原子、特に4個〜約7個の炭素原子を環内に有するシクロアルキル基(たとえば、シクロペンチルおよびシクロヘキシルなど);たとえば7個〜約60個の炭素原子を有するアリールアルキル基またはアルキルアリール(たとえば、p−メチルベンジル、3−(p−エチルフェニル)−プロピルおよび5−(1−ナフチル)−ペンチル)など);およびビスフェノールラジカル。典型的な非双極性モノマーはノニルメタクリレート、ラウリルアクリレートおよびジアクリレート、1,4−ブタンジオール−ジアクリレート、1,3−ブチレンエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートおよびプロポキシル化ネオペンチルエチレングリコールジアクリレートを含む。
(b)グリコール、ポリオキシエチレングリコール、約100〜約3,000まで分子量を有するアルコキシル化されたグリコールモノ−およびポリラジカル。典型的な非双極性モノマーはエトキシル化ラウリルアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレートおよびエトキシル化ノニルフェノールメタクリレート、およびフェノキシエチルメタクリレート、プロポキシル化ネオペンチルエチレングリコールジアクリレートを含む。
(c)グリセリン、約100から3,000までの分子量を有するアルコキシル化およびポリアルコキシル化されたグリセリンエーテルモノ−およびポリ−ラジカル誘導体であって、アルコキシレートはエトキシレートまたはプロポキシレートであり得る。典型的な非双極性モノマーはグリセリルトリアクリレート、プロポキシル化グリセリルトリアクリレートを含む。
(d)ペンタエリスリトール、およびその約100から約3,000までの分子量を有するアルコキシル化およびポリアルコキシル化されたエーテルモノ−およびポリ−ラジカル誘導体であって、アルコキシレートはエトキシレートまたはプロポキシレートであり得る。典型的な非双極性モノマーはジペンタエリスリトールペンタアクリレート、エトキシル化ジペンタエリスリトールペンタアクリレートを含む。
(e)エポキシ樹脂および修飾エポキシ樹脂。典型的な非双極性モノマーは、修飾されたエポキシアクリレートモノマーを含んでもよく、アミンで修飾された、たとえばCN2100(Sartomer製品)、脂肪酸で修飾された、たとえばCN2101(Sartomer製品)、および塩素で修飾された、たとえばCN 2201(Sartomer製品)。
(f)約100から約3,000までの分子量を有する、複素原子含有炭化水素基を組み入れるアルコキシル化およびポリアルコキシル化されたエーテルのラジカル。典型的な非双極性モノマーはトリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、アルコキシル化テトラヒドロフルフリルアクリレートを含む。
(g)約100〜3,000の分子量を有するウレタンおよびその誘導体。非双極性モノマーの典型的な例は、たとえばCN−962(ウレタンアクリレート(Sartomer製品))、CN−1963(ウレタンメタクリレート(Sartomer製品))およびCN−963B80(SR−238(Sartomer製品)と混合させたウレタンアクリレート)である。
実施形態では、非双極性コモノマーと分散剤の両方の使用が望ましい。
本発明で用いる様々な成分の量に関しては、次の割合が例として挙げられる:
(a)液晶:液晶組成物の重量に基づいて約80重量%〜約98重量%;
(b)液晶ドメイン安定化化合物:液晶組成物の重量に基づいて約2重量%〜約20重量%;
(c)開始剤:液晶組成物の重量に基づいて約0.2重量%〜約3重量%;
(d)分散剤:液晶組成物の重量に基づいて約0.5重量%〜約5重量%;
(e)非双極性コモノマー:液晶組成物の重量に基づいて約1重量%〜約3重量%。
実例としては以下のとおりである(液晶組成物中のすべての成分の重量に基づく重量パーセンテージ):
(a)液晶:95%
(b)液晶ドメイン安定化化合物:3%
(c)開始剤:0.5%
(d)分散剤:1%
(e)非双極性コモノマー:0.5%。
本発明の液晶組成物は、所定の光波長(単数または複数)を強く散乱する、相対的に小さな液晶ドメインからなる第1の複数の強散乱状態、および所定の光波長(単数または複数)を弱く散乱する相対的に大きな液晶ドメインの第2の複数の弱散乱状態を形成することができる。
以下、液晶ドメインの存在を論じる。強散乱状態および弱散乱状態のいずれでも、液晶の螺旋軸は必ずしもすべては、完全に互いに平行方向を向いてはいない。実際、実施形態では、液晶の螺旋軸は多かれ少なかれランダムな方向を向いていてもよい。ドメイン境界は螺旋軸の向きが変わる端で現われる。このポリドメイン状態はフォーカルコニック(focal−conic)状態として知られている。
実施形態では、強散乱状態と弱散乱状態の両方について、液晶ドメインは互いに接触しており(つまりそれらの間に空隙はない)、また、相対的に大きなドメインの場合には、それらは層状の形状を有する。相対的に小さなドメインの場合には、長さと幅の間の差はそれほど重要ではない。液晶組成物で占められる体積が通常固定される素子では、液晶ドメインの数は、ドメインサイズと反比例する(つまり、ドメインがそれらの間の空隙なしに互いに接触している場合、ドメイン数はドメインサイズの増加と共に減少する)。実施形態では、相対的に小さな液晶ドメインは、たとえば、約0.5から約10μmのドメインサイズ範囲、または約5から約10μmなどのその任意の部分集合を有する。実施形態では、相対的に大きな液晶ドメインは以下のようなドメインサイズ範囲を有する:(a)たとえば、約10から約40μmに及ぶ長さ、または約25から約30μmなどのその任意の部分集合;および(b)たとえば約5から約20μmに及ぶ幅、または約5から約10μmなどのその任意の部分集合。
「強散乱状態」という用語は、所定の光波長(単数または複数)の0%〜約20%、特に0%〜約10%を透過することを指し、「弱散乱状態」という用語は、所定の光波長(単数または複数)の約80%〜100%、特に約90%〜100%を透過することを指す。この定義は、透過分光法による測定が行われる際に素子の背面が透明であることが前提となっている。実施形態において、「強散乱状態」と「弱散乱状態」の間の光散乱に十分な違いがあり、本発明の素子をたとえば光学スイッチング素子や他の光学素子として機能させることが可能な場合は、ここに記載した光透過範囲外も含まれる。光散乱の範囲は、たとえば所定の光波長(単数または複数)、液晶ドメインサイズ、具体的な液晶の種類および液晶ドメインの数などの多数の要因に依存する。
ここに注意されるように、「弱散乱状態」および「強散乱状態」という用語は、一連の光透過値を包む。したがって、具体的な液晶および所定の光波長(単数または複数)については、「弱散乱状態」を生じる単一の液晶ドメインサイズ範囲、または多数の液晶ドメインサイズ範囲があり得るし、また、「強散乱状態」を生じる単一の液晶ドメインサイズ範囲、または多数の液晶ドメインサイズ範囲があり得る。したがって、「弱散乱状態」は、所望の弱い光散乱属性を有する1つまたは多数の液晶ドメイン状態を包含し、ここでは、様々な弱散乱状態は、液晶ドメインサイズ範囲において異なってもよい。同様に、「強散乱状態」所望の強い光散乱属性を有する1つまたは多数の液晶ドメイン状態を包含し、ここでは、様々な強散乱状態は、液晶ドメインサイズ範囲において異なってもよい。
「弱散乱状態」および「強散乱状態」が、相互間で切り替え可能であると記載する場合、これは次の実施形態を包含する:
(a)「弱散乱状態」への切り替えがあるときはいつでも「弱散乱状態」が概ね同一の液晶ドメインサイズ範囲をを有し、また、「強散乱状態」への切り替えがあるときはいつでも「強散乱状態」が概ね同一の液晶ドメインサイズ範囲を有する場合(この実施形態は、たとえば、多数の「弱散乱状態」の各々を生じるために用いる操作から変更しないことにより、および多数の「強散乱状態」の各々を生じるために用いる操作から変更しないことにより実現できる);
(b)「強散乱状態」と「弱散乱状態」との間の繰り返し切り替えがある間、多数の「弱散乱状態」の液晶ドメインサイズ範囲が異なり得る場合(この実施形態は、たとえば、多数の「弱散乱状態」の間で異なる電場の強度を使用することにより実現できる);および
(c)「強散乱状態」と「弱散乱状態」との間の繰り返し切り替えがある間、多数の「強散乱状態」の液晶ドメインサイズ範囲が異なり得る場合(この実施形態は、たとえば、多数の「強散乱状態」の間で異なる電場の強度を使用することにより実現できる)。
液晶ドメインの数は、たとえば、一連のドメインサイズを有するものが何百、何千、何万または何百万もあり得る。実施形態において、たとえば、スイッチングが生じる場合、液晶ドメインの約70%から100%など多数の液晶ドメインは、サイズが変化してもよい。しかし、実施形態においては、スイッチングが生じる際、液晶ドメインのうち若干はサイズが変わらないであろう。
素子がディスプレイ素子である実施形態では、ディスプレイ素子による光反射率の範囲を、たとえば全可視スペクトル(380nm〜730nm)について測定した反射率分光測光法によって決定してもよい。素子表面に対して直角なGretag分光測光(そのような光反射率測定操作は当業者には周知である)を、本発明の素子の反射率を測定するために使用してもよい。
本発明の素子は、液晶組成物用に対する空間を定める液晶封じ込め構造を含む。この空間は、たとえば、約5μmから約50μmに及ぶ厚さを有する。実施形態では、所定の光は、直角または他の適当な角度で空間(および液晶組成物)に入射する。
構造は、所定の光が液晶組成物に達するように、所定の光に対して実質的に透明なものとすることができる。構造を説明するために使用する場合、「実質的に透明な」という用語は、1つまたは複数の実質的に透明な部分および/または1つまたは複数の開口部を包含する。その上、実施形態では、構造を説明する際に用いる「実質的に透明な」という句は、構造に入る所定の光の約60%から100%が透過することを指す。この典型的な範囲外の光透過値も、そのような光透過値で、本発明素子がたとえば、ディスプレイ素子、光学ディジタル記憶素子、光学スイッチング素子、または他の光子素子にとして機能し得るのであれば範囲に含まれる。
実施形態では、素子はさらに、弱散乱状態の液晶組成物を通り抜ける、所定の光の一部を吸収するように位置した有色の(すなわち非白色)表面を含み、液晶組成物は構造の実質的に透明な部分と有色表面の間に配置され得る。有色の表面による光吸収の範囲は、有色の表面で構造および液晶組成物の実質的に透明な部分を見た場合、観察者が所定の色(黒、灰色、赤、緑または他の所望の色)を見るようなものでもよい。有色の表面は、たとえば、ペイントされた層でもよいし、個別の有色層でもよい。有色の表面(ペイントされた層でも個別の有色層でも)は、それが入射光に対し透明でないように(つまり、ペイントするかまたは有色層を置いた後に素子を通して何も見えないように)十分に厚い必要がある。個別の有色層は、たとえば、有色のガラス、有色の紙または着色プラスチックから作られる。有色層は、たとえば接着剤またはクランプによって、構造の適所に付着させるか、または構造に保持する。
実施形態では、構造は実質的に透明であり、弱散乱状態では、所定の光は構造に入り液晶組成物を通って構造から出ていくことが可能である。
実施形態では、液晶封じ込め構造は2つの水平セクションから構成され、それらは、その端部のまわりで封止され、液晶組成物のための空間を定めるスペーサーによって分離されている。これらのセクションはたとえば、ガラスまたはプラスチック材料から形成し透明とすることができる。透明セクションの内側は導電性電極層で覆われ、これは素子を異なる状態に切り替えるために様々な電場を適用するのに必要な電極を構成する。導電性電極層は実質的に透明である。透明電極の典型的な材料はインジウムスズ酸化物およびその他同種のものを含み、この場合、透明電極は、たとえば約125オーム/sq以下の抵抗力を有する。液晶組成物のためのスペースの厚さをコントロールするために使用するスペーサーは、ガラス繊維または重合体のファイバーもしくは球体でもよい。液晶封じ込め構造の組立ては、最初に一方のセクションの端部に接着剤を配し、第2のセクションを上に置き、これに続けて接着剤を硬化させることで遂行できる。接着剤は紫外線硬化性のもの(たとえば、Norland Optical Adhesives)または熱硬化性のもの(たとえばエポキシ接着剤)のいずれも使用できる。小さな開口部を封止せずに残しておき、これを液晶組成物の真空充填のために使用する。液晶を充填した封じ込め構造の完全な封止は、熱硬化性エポキシ接着剤を用いて行うことができる。「巨大分子」液晶ドメイン安定化化合物用モノマーを含む素子の場合には、そのようなモノマーを露光または加熱(熱開始の場合)することによって重合させ「巨大分子」液晶ドメイン安定化化合物が得られる。
封止は液晶封じ込め構造に構造的な安定をもたらすだけでなく、開口部以外では封じ込め構造内への空気漏入を防止し、これにより空気充填が可能になる。
本発明素子を、たとえば白黒ディスプレイとして使用する場合、所定の光が可視光であれば、観察者は、強散乱状態で素子によって生じる色として白を見る。
本願において「白色状態」および「黒色状態」は、相対的に小さい液晶ドメイン(「白色状態」に対応)から構成される強散乱状態から反射される周辺光の色及び相対的に大きい液晶ドメイン(素子の有色表面が黒い場合は「黒色状態」に対応)から構成される弱散乱状態からの反射される周辺光の色として認識されるものを指す。
本願において「透明な状態」は「黒色状態」と称する相対的に大きい液晶ドメインから構成される弱散乱状態を指す(有色の表面が黒い場合)。
実施形態では、素子は場合によっては、1枚または複数の鏡および/または所定の光の素子内での伝達を容易にする1つまたは複数の光ファイバーワイヤー(素子の外部でもよいし、素子に組み入れられていてもよい)を含んでいてもよい。
光源(素子の外部でもよいし、素子に組み入れられていてもよい)は、所定の光を生成するものであればよい。ディスプレイ素子、光学のディジタル記憶素子、光学のスイッチング素子または他の光子素子において有用な任意の適当な光波長(単数または複数)を、その波長として使用することができる。適当な波長(単数または複数)は、たとえば約380nmから約730nmに及ぶ可視スペクトル、および、たとえば約730nmから約2000nm、特に約800nmから約1700nmに及ぶ赤外線スペクトルなどのスペクトルの任意の部分でよい。光源はたとえばレーザー、電球または日光でもよい。光学スイッチング素子の場合、「所定の光」は、光学スイッチ素子により開閉される光の波長(単数または複数)を指す。素子をディスプレイとして使用する場合、その「所定の光」は周囲の可視光線である。
電場発生装置(素子の外部でもよいし、素子に組み入れられていてもよい)は、所望の電場を生じる。電場発生装置は、所望の電場を生成し得る単一の素子または2以上の素子とすることができる。電場発生装置は、たとえば0V/μmから約10のV/μm、特に約1V/μmから約10V/μmに及ぶ電場を生じることができ、電圧は0Vから約250V、特に約20Vから約120Vである。
初期の状態(つまり液晶組成物に何らかの電場を印加する前の状態)を強散乱状態または弱散乱状態のいずれかに変更するために、電場発生装置は、たとえば、一つの液晶ドメイン(すなわち、個別の液晶ドメインが視覚的に観察されない)からなる不安定な状態を形成するために十分な強さの第1の電場を生じる。第1の電場は、たとえば、約2V/μmから約10V/μm、特に約3V/μmから約7V/μmに及ぶ値であり得る。第1の電場は、たとえば、約1ミリ秒から約1秒まで、特に約10ミリ秒から約100ミリ秒の範囲の時間適用される。次いで、第1の電場は、強散乱状態を生じる強散乱状態誘導レベルに低減される。液晶ドメインは、強散乱状態誘導レベルでは自然に強散乱状態になる。強散乱状態誘導レベルは、第1の電場のたとえば0%から約30%、特に第1の電場の0から約10%に及ぶ電場に相当する。たとえば、強散乱状態誘導レベルは、第1の電場の0%から約5%に及ぶ電場、特に0%の電場に相当する。強散乱状態誘導レベルは、たとえば約10ミリ秒から約1秒まで、特に約10ミリ秒から約100ミリ秒の範囲の時間適用される。
初期の状態(つまり液晶組成物に何らかの電場を印加する前の状態)または強散乱状態のいずれかを弱散乱状態に変更するためには、電場発生装置は、たとえば第1の電場より弱いが、強散乱状態誘導レベルより強い別の電場を生成する。第2の電場は、第1の電場と強散乱状態誘導レベルの差のたとえば約30%から約70%、特に約40%から約60%に及ぶ値だけ、強散乱状態誘導レベルより大きい。第2の電場は、たとえば、約0.5V/μmから約4V/μm、特に約0.75V/μmから約3V/μmとすることができる。第2の電場は、たとえば、約10ミリ秒から約1秒、特に約20ミリ秒から約200ミリ秒の範囲で適用される。
実施形態では、弱散乱状態と強散乱状態の間のスイッチングが、任意の所望の回数、たとえば、何百、何千、何百万回またはそれ以上の回数、素子の顕著な劣化なしで行い得るようにする。
実施形態では、素子組立て直後であって任意の電場の適用前の初期の状態で、液晶組成物はほとんどプレーナー状態(つまり、液晶組成物のためのスペースを定めるために使用される液晶封じ込め構造の表面に垂直に整列した螺旋)となろう。少数の大規模なフォーカルコニックドメインが、プレーナー状態と共存する(すなわち、初期状態の液晶組成物は少数の「欠陥」を備えた一つの液晶ドメインと考えることができる)。この初期状態は、液晶螺旋の反射波長(それは液晶螺旋ピッチを間接的測定である)を測定するのに適している。この初期状態は、液晶の螺旋ピッチを最適化するために使用できる。実際、初期状態では、液晶の螺旋ピッチに対応する波長を除いて、液晶組成物はすべての波長に透明であり得る。実施形態において、本発明に記載するような第1または第2の電場を適用した後、液晶組成物はこの初期状態に返らなくてもよい。
実施形態では、強散乱状態および/または弱散乱状態は安定となろう。「安定」という用語は、電場の適用が断たれた後しばらくの間、これらの状態の各々が強く散乱するまたは弱く散乱するというその特性を維持することができるという事実を指す。「安定」という用語は、「白色状態」および「黒色状態」を記載するのにも用い得るが、これは、電場の適用が断たれた後しばらくの間、知覚された色(白/黒)が強散乱状態(白色状態に対応)からの、および弱散乱状態(素子中の有色表面が黒い場合、黒色状態に対応)からの反射光である場合、これらの状態の各々がその色を維持することができるという事実を指す。「安定」な時間枠内では、液晶のドメインサイズ範囲における変化などある種の「崩壊」が、時間経過と共に生じる得るが、実施形態におけるそのような変化は、強散乱状態を弱散乱状態にまたは弱散乱状態を強散乱状態に変化させてはならない。強散乱状態および弱散乱状態が「安定している」時間的長さは、液晶のタイプ、液晶ドメイン安定化化合物のタイプおよび濃度などの多数の要因に依存する。実施形態では、適用される電場が断たれた後、強散乱状態および弱散乱状態が「安定している」時間的長さは、素子がディスプレイ素子、光学のスイッチング素子、光学のディジタル記憶素子などの任意のタイプの光子素子として機能するのに十分であり、そのようなの「安定した」期間は、たとえば少なくとも約10秒以上から数分、おそらくは数時間、数日またはさらに長く、特に約10秒から約20分間持続する。たとえば、ディスプレイ素子について、「安定している」という用語は、多数の電場の適用により書かれた文書が、電源が断たれた場合でも読むことができる程度に十分に長い時間を意味する。言い換えれば、このディスプレイは、書かれたイメージを0電圧でも十分に長い時間、判読可能な状態に維持する。たとえば、イメージは最小約10秒間安定している。指定された時間内に若干の崩壊は生じてもよいが、これはイメージには大きくは影響せず依然として完全に判読可能である。光学的スイッチング素子において、「安定している」という用語は、次の世代の電場によってスイッチングが実行されるまで強散乱状態および弱散乱状態を維持できることを意味する。
双安定性は、低消費電力の組立てを可能にし、それらは光集積回路の設計に適している。しかし、双安定素子の別の重要な用途は光学のディジタル記憶素子にある。これは、書き込み後に、情報が安定していて、プローブビームで読むことができるためである。
第1の電場手段によって生じた単一液晶ドメインの不安定状態に言及する場合、「不安定な」という用語は、この状態が、適用される電場が断たれたり、または適用される電場が著しく(たとえば少なくとも約50%)低下した場合、直ちに変化するということを意味する。直ちとは、約0.5秒未満を意味する。言い換えれば、適用される電場が断たれた後、この状態は、非常に速く失われ観察者がそれを検知することができない。本発明の実施例では、第1の電場によって生じるこの不安定な状態は次の特性を持っていてもよい:(a)単一の液晶ドメイン(「欠陥」がない);(b)液晶螺旋を持たない秩序づけられた構造を有するホモトロピックな状態;(c)液晶分子は、液晶組成物のための空間を定める表面に垂直である;および(d)すべての光波長に対し透明である。
図1〜4は、ディスプレイ素子2A、特にたとえば白黒ディスプレイとして有用な本発明素子の実施形態を示す。素子は液晶封じ込め構造4Aから構成される。液晶封じ込め構造は上部の透明な水平なセクション8Aおよび底部の透明な水平なセクション10Aから構成され、ここで2つの水平なセクションはそれらの端のまわりで封止され、液晶組成物用のスペース6Aを定義するためにスペーサー(図示せず)によって分離される。上部セクションの内側は透明な導電性の電極層28Aで覆われ、底部セクションの内側は、透明な導電性の電極層30Aで覆われ、スイッチング用の電場を適用するために必要とされる電極となる。底部セクションに側面の外部は有色表面12を含む。液晶組成物14Aは空間に配置される。電場発生装置16Aは、2つの電極層につながれる。
図1〜2は、所定の光24Aが、多数の相対的に小さい液晶ドメイン18Aによって散乱される強散乱状態を例示する。有色の表面12の方向を見る観察者にとって、有色の表面は白く(所定の光が可視スペクトルにある場合)に見える。図2は多数の相対的に小さな液晶ドメイン18Aの強散乱状態の液晶組成物の拡大された視界を描き、ここでは相対的に小さなドメインはランダムな向きに向いている。相対的に小さい液晶ドメインの向きはドメインの内部の螺旋22Aの向きである。
図3〜4は、多数の相対的に大きな液晶ドメインの弱散乱状態を例示するもので、ここでは、所定の光は、構造4Aを通り、所定の光24Aが複数の相対的に大きな液晶ドメイン20Aによって弱く散乱される有色の表面12に抜ける様子を示す。有色の表面12は、所定の光の一部を吸収する。有色の表面の方向に見る観察者にとっては、有色の表面は、有色の表面(所定の光が可視スペクトルにある場合)の色を有する。図4は、多数のより大きな液晶ドメイン20Aの弱散乱状態(そこでは、相対的に大きなドメインがランダムな向きを向いている)である場合の液晶組成物の拡大図を示す。相対的に大きな液晶ドメインの向きはドメイン内部の螺旋22Aの向きである。
図5〜8は、光信号を制御されたやり方で1つの光ファイバーから次の光ファイバーに送信することができる場合において、2つの光ファイバー(図示せず)間の光学的スイッチング素子2Bとして有用な本発明素子の実施形態を示す。素子は液晶封じ込め構造4Bから構成される。液晶封じ込め構造は透明な上部水平セクション8Bおよび透明な底部水平セクション10Bから構成され、ここで2つの水平なセクションはそれらの端のまわりで封止され、液晶組成物用のスペース6Bを定めるためにスペーサー(図示せず)によって分離される。上部セクションの内側は透明な導電性の電極層28Bで覆われ、底部セクションの内側は透明な導電性の電極層30Bで覆われ、スイッチング用の電場を適用するために必要とされる電極となる。液晶組成物14Bは空間に配置される。電場発生装置16Bは、2つの電極層につながれる。素子2Bは、構造4Bを通り抜けるすべての所定の光を受け取るために受容部26を含む。受容部26は構造4Bから分離していてもよいし連結していてもよい。受容部は、たとえば光信号を増幅するか、スイッチの役割をするか、光信号を別のタイプの信号(たとえば音、電気的インパルス、機械なものなど)に変換する変換器の役割をする。受容部26は、多数の販売業者から市販されている。
図5〜6は、強散乱状態を例示するもので、ここでは、所定の光のうちの何らかのものが受容部26に届いた場合、所定の光24Bは、多数の相対的に小さい液晶ドメインおよび少量によって散乱される。図6は、多数の相対的に小さい液晶ドメイン18Bからなる強散乱状態の液晶組成物の拡大図を示す。相対的に小さい液晶ドメインの向きは、ドメイン内部の螺旋22Bの向きである。
図7〜8は、弱散乱状態を例示するもので、ここでは、所定の光24Bが構造4Bを通って受容部26に達する(所定の光は、複数の相対的に大きな液晶ドメインによって弱く散乱される)。図8は、多数の多数の相対的に大きな液晶ドメイン20Bからなる弱散乱状態の液晶組成物の拡大図を示す。相対的に大きな液晶ドメインの向きは、ドメイン内部の螺旋22Bの向きである。
以下、本発明を、その具体的な典型的な実施形態を参照して詳細に説明するが、こらの例は例示に過ぎず、本発明は、ここに示す材料、条件またはプロセスパラメーターに限定されるようには意図したものでないことが理解されるであろう。
下記の例において、特に断らない限り以下のガイドラインに従う:
(1)パーセンテージおよび部はすべて重量による。
(2)素子中での弱散乱状態と強散乱状態の間のスイッチングは、室温(つまり約25℃)で行われる。
(3)液晶封じ込め構造はすべて、実施例7に記載するのと同じ方法で調製し充填した。
(4)BL118およびBL087など「BL」シリーズの名称の下で販売されているコレステリック液晶は、EMIndustries社から入手可能である。
(5)現実に実行されない実例となる作業について記載する「机上の実施例」は現在時制で(実施例3、4、5および6)で書かれ、実際に実験した例は過去時制で書かれている。
[実施例1]
液晶ドメイン安定化化合物1−Iの調製
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd2DBAs−CHCl3)約0.23gおよび1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(DPPF)約0.25gを、不活性雰囲気下トルエン(新たに蒸留しナトリウム/ベンゾフェノンから脱ガスした)100mlで溶解した。溶液を室温で10分間撹拌した。4ブロモベンゾニトリル約2.0gを固体としてこの混合に加え溶液を約15分撹拌した。固体t−BuONa約1.48g、次いでジデシルアミン3.43gを前記混合物に加えた。少なくとも20時間、混合物を90〜100℃に加熱した。冷却後、有機相をジエチルエーテルで希釈し、水で洗い、MgSO4上で乾燥し、ロータリーエバポレーターを用いて除去した。溶離剤としてヘキサン/ジエチルエーテルの混合物を使用することによるシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって粗生成物を精製し、溶媒を蒸発させると、淡黄色の低融点の固体として得られた。1H−NMRおよび13C−NMR分光法によって試験したところ製品は純粋であった。
[実施例2]
液晶ドメイン安定化化合物2−IIの調製
a.4−NC−C64−O−(CH23−OHの合成。4−シアノフェノール約2.14gおよび無水K2CO32.67gをアセトン(K2CO3から蒸留したもの)50mlに不活性雰囲気下溶解した。3−ブロモ−1−ヘキサノール約1.95mlを加えた。また、溶液は少なくとも20時間還流した。固形物をろ過し、粗生成物を塩化メチレンに溶解し、NaOH水溶液(10%)で、次に、水で洗った。有機相をMg2SO4上で乾燥し、溶媒はロータリーエバポレーターを用いて除去した。酢酸エチル/ヘキサン溶媒を用いたシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによって純粋な製品を得た。
b.モノマー4−NC−C64−O−(CH23−O−(O)C−CH=CH2の合成。4−NC−C64−O−(CH23OH約1.0gをテトラヒドロフラン(THF)(ナトリウム/ベンゾフェノンから蒸留したもの)15mlおよびトリエチルアミン3mlに溶解した。溶液を0℃に冷却し、次に、塩化アクリロイル約0.67mを含むTHF溶液10mlを不活性雰囲気下に、少なくとも30分の期間で滴下して加えた。溶液を室温まで温め、少なくとも24時間撹拌した。固形物をろ過し、溶媒はロータリーエバポレーターを用いて除去した。純粋なモノマーは、再結晶(エタノール/水)によって、またはシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによって得られた。
c.実際の重合体の構造は、モノマーと開始剤を含む液晶組成物を調製した後、可視光線でセルを照明することによってインサイチュでこのモノマーから得られた。実施例9で説明する。
[実施例3]
液晶ドメイン安定化化合物3−IIの調製
4−O2N−C64−OOC−(CH2)CH3を安定させる液晶ドメインを、標準的な操作(J.Am.Chem.Soc.、1986、108、p.3112。その開示全体を引用して本願に援用する)を用いて、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)の存在下、4−ニトロフェノールを1−デカノールとカップリングすることにより合成する。4−O2N−C64−OOC−(CH29−CH3約5.3g、Co0.055gを含むコバルト硫化物(CoSx)ペースト0.90gおよび酢酸エチル30mlを反応器に入れる。理論量の水素が消費される(約2時間)まで、混合物を110℃で水素と化合させる。減圧後、触媒を回復するために反応混合物をろ過し、溶媒はロータリーエバポレーターで除く。製品は再結晶によって精製する。
[実施例4]
液晶ドメイン安定化化合物4−IIの調製
a.HOOC−C64−O−OH(CH26−OH。4−ヒドロキシ安息香酸19.4gとKOH21gを水20mlとエタノール45mlの混合物に溶かしたものとの混合物を、撹拌しながら80℃に加熱する。この溶液に、エタノール10mlに溶かした6−クロロヘキサノール35mlの溶液を約1時間で滴下して加える。混合物は少なくとも20時間撹拌下に還流する。溶液を濃縮しジエチルエーテルで洗う。水相を、水中濃HC1溶液60mlで酸性にする。大量の沈殿をろ過乾燥し、次いで熱エタノールからの再結晶によって純粋な製品を得る。
b.CH2=CH−COO−(CH26−O−C64−COOH。HOOC−C64−O(CH26−OH約5.0gを、蒸留THF60mlおよび蒸留トリエチルアミン8mlに不活性雰囲気下で溶解させる。溶液を0℃に冷やし、次に、塩化アクリロイル1.7mlをTHF10mlに溶かしたものを滴下して加える。混合物は、少なくとも24時間室温で撹拌する。固形物をろ過し、溶媒は回転式のロータリーエバポレーターで除去する。粗生成物は、再結晶(エタノール/水)によって、またはシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。
c.CH2=CH−COO−(CH26−O−C64−COO−(CH24−CH3。n−プロパノール0.70gと共にCH2=CH−COO(CH26−O−C64−COOH約2gおよび4−ジメチルアミノピリジンDMAP0.090gを、塩化メチレン25mlに溶解させる。塩化メチレン中1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミドDCCの1M溶液約7.5mlを加えられ、溶液を少なくとも15時間撹拌する。沈殿をろ過によって除去し、有機相を水で洗い、溶媒はロータリーエバポレーターで除く。粗生成物は、溶媒として酢酸エチル/ヘキサン混合物を用いたシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製する。
d.実際の重合体の構造は、実施例9に記載したのと類似の操作を使用して、モノマーおよび開始剤を含む液晶組成物を調製した後、可視光線によるセルの照明によってインサイチュでこのモノマーから得られる。
[実施例5]
液晶ドメイン安定化化合物5−1および5−2の調製
触媒としてAlCl3の存在下ブタノールと4−メトキシベンゾニトリルのフリーデルクラフツアルキル化によって化合物5−1を合成する。一般的な実験操作はJ.Am.Chem.Soc.、60、1938、p.1421(その開示全体を引用して本願に援用する)に記載されている。
ジメチルホルムアミド(DMF)中、[4−Br(2,5−ジエチル)フェニル]−N,NジメチルアニリンとCuCN/NaCNとの反応(Dyes and Pigments、47(1−2)、pp.117−127;2000(その開示全体を引用して本願に援用する))によって化合物5−IIを合成する。
[実施例6]
液晶ドメイン安定化化合物6−IIの調製
a.アセトン中K2CO32.5gの存在下、4−ニトロフェノール2.3gを2−ブロモエタノール1.8mlと還流することによりO2N−C64−O−CH2CH2−OHを合成する。固形物をろ過し、粗生成物を塩化メチレンに溶解し、NaOH(10%)水溶液で洗い、次に水で洗う。有機相をMgSO4上で乾燥し、溶媒はロータリーエバポレーターで除く。純粋な製品は、酢酸エチル/ヘキサン溶媒を用いたシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによって得られる。
b.O2N−C64O−CH2CH2−OH2.0gをTHF中塩化アクリロイル0.7mlと少なくとも24時間反応させることにより O2N−C64−O−CH2CH2−OOC−CH=CH2を得る。粗生成物は、再結晶(エタノール/水)によって、またはシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。
c.O2N−C64−O−CH2CH2−OOC−CH=CH2は触媒としてAlCl3の存在下、フリーデルクラフツアルキル化ブタノールによってカップリングされる。一般的な実験操作はJ.Am.Chem.Soc.、60、1938、p.1421(その開示全体を引用して本願に援用する)に記載されている。精製はカラムクロマトグラフィーによって行う。実際の重合体の構造は、実施例9に記載したのと類似の操作を使用して、モノマーおよび開始剤を含む液晶組成物を調製した後、可視光線によるセルの照明によってインサイチュでこのモノマーから得られる。
[実施例7]
小分子液晶ドメイン安定化化合物(1−I)を含む素子の作成
下記を含む液晶組成物を調製した:
BL118(約580nmに反射を有するコレステリック液晶)300mg;
BL087(ネマチック液晶(螺旋ピッチを調節するのに使用))200mg;および
4−NC−C64N(n−C10212(小分子液晶ドメイン安定化化合物)50mg。
液晶組成物は、約110℃に加熱し振とうすることにより均質化し、次に、室温まで放冷した。厚さ25μmの空の液晶封じ込め構造を、2枚のインジウムスズ酸化物(「ITO」)(透明電極)グラス被覆スライドを封止することにより作成した。液晶組成物をの充填に使用するために、小さな穴を封止せずに維持する。封じ込め構造に上記の液晶組成物で真空充填し圧縮し封止した。作成後直ちに、かつ充満前に、液晶組成物は実質的にプレーナー状態(疑似プレーナー)であり、これを使用して、調製した液晶組成物の反射波長を測定した(これは螺旋ピッチの間接測定手段である)。反射波長は960nmであった。第1のスイッチングの後に、液晶組成物は疑似プレーナー状態には再び達しなかったが、常にフォーカルコニック状態であった。約80Vrmsの電圧を印加した時(正弦波、60Hz)、液晶組成物はホメオトロピックな状態に変わった。電圧を断つと、液晶組成物は、白色状態(フォーカルコニック;小ドメイン)になった。40〜50Vrmsの電圧を印加すると、液晶組成物は、透明な状態(フォーカルコニック;大規模なドメイン)に変わった。電圧を断っても液晶組成物は透明な状態を維持した。反射率測定は黒背景を有する素子で行った。白色反射率は、11%であった。また、黒色反射率は1.6%であった。コントラスト比は7/1であった。白色状態および黒色状態は少なくとも4日間安定していた。
[実施例8]
液晶封じ込め構造によって定められる空隙の厚さを、特定の空隙厚さについて白色状態(高電圧)を達成するのに要するスイッチング電圧を決定するために変えた点を除いて、実施例7の操作に従った。結果は以下のとおりであった。
Figure 2004199056
[実施例9]
巨大分子液晶ドメイン安定化化合物2−IIを含む素子の作成
下記を含む液晶組成物を調製した。
96.5%の液晶混合物(BL118/BL087=65/35);
3%のCH2=CH−COO−(CH26−O−C64−CN(重合性モノマー);および0.5%のカンホロキノン。
液晶組成物を光加熱(重合開始を防止)および振とうにより均質化した。組成物は、ここでも重合開始を防ぐために黄色光の下で調製した。25μmの液晶封じ込め構造を他の例に記載した操作を使用して調製し、この組成物で充填し圧縮し完全に封止した。次いで、これを少なくとも30分間、可視光線(キセノンランプから、および適当な光学の帯域フィルターの使用によって470nm)で露出した。素子を黒い背景に対して置きスイッチングに関して試験した。それは100VDCを印加したときに白色に切り替わり、この時点で突然に電圧を断った。白色反射率は19%であった。それは50〜60VDCを印加したときに透明(黒い背景のために黒)になった。電圧を断っても、それは黒色状態を維持した。コントラスト比は7.5/1であった。黒色状態は安定している(少なくとも2週間崩壊しない)。白色状態は、約15分間、良好な白色反射率を維持した。この後、素子は良好な白色反射率を維持するためにリフレッシュする必要があった。
[実施例10]
分散剤を含む素子の作成
下記を含む液晶組成物を調製した:
95.5%の液晶混合(BL118/BL087=60/40);
3%CH2=CH−COO−(CH26−O−C64−CN(重合性モノマー);
0.5%のカンホロキノン;および
1%のソルビタントリオレエート(SPAN 85;分散剤(Sigma−Aldrichから市販されている))。
液晶組成物を含む25μmの液晶封じ込め構造は、液晶組成物を振とうすることにより、およびわずかに加熱すること(<60℃)により調製し、他の例に記載されるような操作を使用して、液晶組成物で充填した。封じ込め構造を1時間470nmの波長光に露出した。素子は17%の白色反射率および7/1のコントラスト比を示した。約100VDCの高電圧を使用した。高電圧を切った後に、液晶組成物は白色状態であった。白色反射率は1週間後に14%であった。比較のため、実施例9に示すように分散剤なしで作成した素子は、電圧を切った1週間後にわずか8%の白色反射率を持っていた。
[実施例11]
非双極性コモノマーを使用する素子の作成
下記を含む液晶組成物を調製した。
96%の液晶混合物(BL118/BL087=60/40);
3%のCH2=CH−COO−(CH26−O−C64−CN(重合性モノマー);
0.5%のカンホロキノン;および
0.5%のSR9003(プロポキシル化されたネオペンチルエチレングリコールジアクリレート;非双極性コモノマー、市販品)
実施例9に記載したように、液晶組成物を均質化した。次いで、他の例に記載した操作を使用して、25μmの液晶封じ込め構造を調製し、液晶組成物で充填し、可視光線(470nm)で1時間露出した。100VDCで素子はホメオトロピックに切り替わり、その後、電圧を切ると、それは白色に変わった。50−60VのDCまたはACを印加すると、透明(黒い背景上の黒)に切り替わった。白および状態は両方とも電圧を切った直後に安定していたが、実施例9に記載したように、白は崩壊し始めた。透明な状態は白っぽいスポットが全くない極めて均一なものであった。対照的に、コモノマーを使用しなかった点を除いて同じ操作を使用して、比較素子が調製した場合、いくつかの白っぽいスポットが透明な状態中に認められた。
[実施例12]
非双極性コモノマーの量をより低くした点を除いて、実施例11と同じ操作を使用した。コモノマーの量を低くしても(たとえば、全液晶組成物の0.2%)非常に均一な黒色状態が得られ、白色状態品質に対する損傷作用は全く観察されなかった。
[実施例13]
実施例11の操作を使用して、下記の同一の液晶組成物を含むいくつかの素子を調製した(ここで、このような素子は液晶封じ込め構造によって定められる空隙の厚さにおいて異なる)。液晶組成物は下記を含んでいた。
96%の液晶混合(BL118/BL087=65/35);
3%のCH2=CH−COO−(CH26−O−C64−CN(重合性モノマー);
0.5%のカンホロキノン;および
0.5%のSR9003(非双極性コモノマー、市販品)
結果を下に示す(スイッチングはDC電圧による;反射率の測定は黒い背景で行った)。
Figure 2004199056
[実施例14]
分散剤および非双極性コモノマーの両者を含む素子の作成
下記を含む液晶組成物を調製した:
96%の液晶混合物(BL118/BL087=65/35);
3%のCH2=CH−COO−(CH26−O−C64−CN(重合性モノマー);
0.5%のカンホロキノン;
0.5%のSR9003(非双極性コモノマー、市販品);および
1%SPAN85(分散剤)。
液晶組成物は実施例9に記載するように均質化した。他の例に記載した操作を使用して、液晶封じ込め構造を調製し、液晶組成物で充填した。封止後、液晶組成物を1時間470nmの波長光に露出する。素子は約100Vで切り替わり、電圧を切ると安定した白色状態を達成する。50〜70Vの電圧を印加すると、素子は透明な状態に切り替わる。この状態は均質に透明で電圧を切っても安定している。
素子が強散乱状態を示している場合における本発明素子の第1の実施形態の単純化した立面図を示す。 図1の素子の一部の単純化した拡大図を示す。 素子が弱散乱状態を示している場合における本発明素子の第1の実施形態の単純化した立面図を示す。 図3の素子の一部の単純化した拡大図を示す。 素子が強散乱状態を示している場合における本発明素子の第2の実施形態の単純化した立面図を示す。 図5の素子の一部の単純化した拡大図を示す。 素子が弱散乱状態を示している場合における本発明素子の第2の実施形態の単純化した立面図を示す。 図7の素子の一部の単純化した拡大図を示す。
符号の説明
2A ディスプレイ素子、2B ディスプレイ素子、4A 液晶封じ込め構造、4B 液晶封じ込め構造、6A 空間、6B 空間、8A 上部水平セクション、8B 上部水平セクション、10A 底部水平セクション、10B 底部水平セクション、12 有色表面、14A 液晶組成物、14B 液晶組成物、16A 電場発生装置、16B 電場発生装置、18A 相対的に小さい液晶ドメイン、18B 相対的に小さい液晶ドメイン、20A 相対的に大きな液晶ドメイン、20B 相対的に大きな液晶ドメイン、22A 螺旋、22B 螺旋、24A 光、24B 光、26 受容部、28A 透明電極層、28B 透明電極層、30A 透明電極層、30B 透明電極層。

Claims (10)

  1. 液晶と、液晶ドメイン安定化化合物を含み、
    所定の光を強く散乱する相対的に小さな第1の複数の液晶ドメインからなる強散乱状態と、所定の光を弱く散乱する相対的に大きな第2の複数の液晶ドメインからなる弱散乱状態との間で切り替え可能である液晶組成物と、
    この液晶組成物のための空間を規定する液晶封じ込め構造と
    を含むことを特徴とする液晶素子。
  2. 請求項1に記載の液晶素子であって、前記液晶ドメイン安定化化合物が下記の式(1)であるを特徴とする液晶素子。
    Figure 2004199056
    (式中、A1は電子受容性部分であり、C1は共役架橋部分であり、D1は電子供与性部分であり、S1は液晶適合化部分であり、a’は整数である)
  3. 請求項1に記載の液晶素子であって、前記液晶ドメイン安定化化合物が下記の式(3)であることを特徴とする液晶素子。
    Figure 2004199056
    (式中、D3は電子供与性部分であり、C3は共役架橋部分であり、A3は電子受容性部分であり、S3は液晶適合化部分であり、b’は整数である)
  4. 請求項1に記載の液晶素子であって、前記液晶ドメイン安定化化合物が下記の式(4)であることを特徴とする液晶素子。
    Figure 2004199056
    (式中、D4は電子供与性部分であり、C4は共役架橋部分であり、A4は電子受容性部分であり、S4は液晶適合化部分であり、b”は整数であり、Z4は重合性部分であり、e”は重合度である)
  5. 請求項1に記載の液晶素子であって、前記液晶ドメイン安定化化合物が下記の式(5)であることを特徴とする液晶素子。
    Figure 2004199056
    (式中、D5は電子供与性部分であり、C5は共役架橋部分であり、A5は電子受容性部分であり、R5はスペーサー部分であり、S5は液晶適合化部分であり、
    c’は整数である)
  6. 請求項1に記載の液晶素子であって、前記液晶ドメイン安定化化合物が下記の式(6)であることを特徴とする液晶素子。
    Figure 2004199056
    (式中、D6は電子供与性部分であり、C6は共役架橋部分であり、A6は電子受容性部分であり、R6はスペーサー部分であり、S6は液晶適合化部分であり、c’は整数であり、Z6は重合性部分であり、e”’は重合度である)
  7. 液晶と液晶ドメイン安定化化合物を含み、
    所定の光を強く散乱する相対的に小さな第1の複数の液晶ドメインからなる強散乱状態と、所定の光を弱く散乱する相対的に大きな第2の複数の液晶ドメインからなる弱散乱状態との間で切り替え可能である液晶組成物を配し、
    単一の液晶ドメインの不安定な状態を生じる第1の電場を印加することにより、弱散乱状態を強散乱状態に変化させ、次いで、第1の電場を強散乱状態誘起レベルまで低減して強散乱状態を生じさせ、かつ、第1の電場より弱いが強散乱状態誘起レベルよりは強い第2の電場を印加することにより、強散乱状態を弱散乱状態に変化させること
    を含むことを特徴とする方法。
  8. 請求項1に記載の液晶素子であって、前記液晶ドメイン安定化化合物が下記の式(2)であることを特徴とする液晶素子。
    Figure 2004199056
    (式中、A2は電子受容性部分であり、C2は共役架橋部分であり、D2は電子供与性部分であり、S2は液晶適合化部分であり、a’は整数であり、Z2は重合性部分であり、
    e’は重合度である)
  9. 請求項1に記載の液晶素子であって、前記液晶組成物がさらに分散剤を含むことを特徴とする液晶素子。
  10. 請求項1に記載の液晶素子であって、前記液晶ドメイン安定化化合物が、双極性モノマーと非双極性モノマーを含む重合された液晶ドメイン安定化化合物であることを特徴とする液晶素子。
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