JP2004198405A - 安息香酸の定量分析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶液中の安息香酸分子を選択的に捕捉することによって、これを定量し、または溶液中から安息香酸分子を選択的に除去して他の成分の定量を容易にする分析方法を提供する。
【解決手段】安息香酸分子と機能性モノマーとの複合体を形成し、その周囲を架橋剤で重合し、安息香酸分子を除去することによって得られる安息香酸分子の鋳型を有する高分子。
【選択図】なし

Description

本発明は、安息香酸の定量法に関し、さらに詳しくは安息香酸分子の鋳型を有する高分子を用いて溶液中の安息香酸分子を選択的に捕捉し、安息香酸を定量分析する方法に関する。
栄養ドリンク剤等の液体状の医薬品や食品には、種々の成分が配合されているが、その中には防腐剤として安息香酸が配合されていることが多い。この安息香酸そのものは主薬成分ではないが、ドリンク剤等の長期保存に不可欠な成分であり、品質管理上その含有量を確認しておく必要がある。
しかし、シリカゲル等を充填剤とした高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による定量分析法は、多くの配合成分を同時定量するのに適しているが、安息香酸とピークが重なる成分が配合されている場合には、安息香酸については別の方法で定量する等の措置が必要であった。そして、このことは、配合成分の種類によって、換言すれば、製品毎に定量試験の方法が異なるという事態を招来し、ドリンク剤等の多種成分を配合した液体状製品の定常的な品質管理業務を遂行する上で障害となっていた。
また、最近、HPLCのための充填剤として、より高い分離能をもち、選択性に優れたものが開発されており、その中の一つにモレキュラーインプリンティング法を用いて調製したカラム充填剤があり、文献等で紹介されている(特許文献1、非特許文献1、非特許文献2参照。)。
特開2000−107597号公報 竹内 俊文「蛋白質 核酸 酵素」42巻、1997年、p.1320 竹内 俊文、久保 裕之「ぶんせき」11巻、1998年、p.840 V.Smigol et al.,J.Angew.Makromol.Chem.195,1992年,p.151-164 K.Hosoya,J.M.J.Frechet,J.Polym.Sci.,Part A Polym.Chem.31,1993年,p.2129-2141 J.Haginaka,H.Sanbe,Analytical Chemistry 72,5206-5210,2000
本発明は、溶液中の安息香酸分子を選択的に捕捉することによって、これを定量し、または溶液中から安息香酸分子を選択的に除去して他の成分の定量を容易にする分析方法を提供することを課題とする。
発明者らは、かかる課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、安息香酸分子を鋳型分子とするカラム充填剤を形成し、これに安息香酸を含有する溶液を通過させて安息香酸分子を選択的に捕捉し、定量できることを見出した。また、かかるカラム充填剤を用いて安息香酸分子を選択的に除去しうるため、安息香酸とピークが重なり、安息香酸が定量を妨害している成分を迅速に定量しうることをも見出した。
かかる知見に基づき完成した本発明の態様の一つは、安息香酸分子と機能性モノマーとの複合体を形成し、その周囲を架橋剤で重合し、安息香酸分子を除去することによって得られる安息香酸分子の鋳型を有する高分子である。
本発明により、ドリンク剤等に配合された安息香酸のみを選択的に捕捉し、これを定量すること、又は安息香酸を除去して他の成分の定量を容易にすることが可能となった。
本発明の他の態様は、前記安息香酸分子の鋳型を有する高分子を用いて溶液中の安息香酸分子を選択的に捕捉し、安息香酸を定量する方法である。
本発明の他の態様は、前記安息香酸分子の鋳型を有する高分子をカラムに充填し、安息香酸を含有する溶液を展開させて、安息香酸を選択的に定量する方法である。
本発明の他の態様は、前記安息香酸分子の鋳型を有する高分子を用いて安息香酸を含有する溶液から安息香酸を選択的に除去する方法である。
本発明の「安息香酸の鋳型を有する高分子」(以下、適宜「安息香酸モレキュラーインプリントポリマー」、又は「安息香酸MIP( Molecularly Imprinted Polymer )」と略記する。)とは、安息香酸分子と機能性モノマーとの複合体を形成させ、その周囲を架橋剤で重合し、安息香酸分子を除去することによって得られる、安息香酸分子の認識部位を有する高分子である。
「安息香酸モレキュラーインプリントポリマー」は、多段階膨潤重合法により調製され(非特許文献参照1及び2参照。)、その形状はHPLC用カラム充填剤に適するように球形で、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(HORIBA LA-920)で測定した平均粒子径は約7μmである。
「安息香酸モレキュラーインプリントポリマー」は主にカラム充填剤として用いられ、安息香酸が分析対象となる場合はその選択的な分離検出のためのカラム充填剤として、安息香酸が妨害物質となる場合はその選択的除去のためのカラム充填剤として機能する。
ここに、「機能性モノマー」とは、鋳型分子と相互作用を有する重合可能な有機分子であって、例えば、ビニルピリジンが挙げられる。また、「複合体」とは鋳型分子と前記機能性モノマーが相互作用により結合したものであり、「架橋剤」とは、2つ以上のビニル基等の重合性基を有する、前記複合体を架橋反応により重合させることができる有機分子であって、例えば、エチレングリコールジメチルアクリレート、ジビニルベンゼンが挙げられる。そして、「安息香酸分子を除去する」には、安息香酸を溶解する性質を有する溶媒、例えば、メタノール、テトラヒドロフランによって、重合体を洗浄すればよい。
本発明における「安息香酸の鋳型を有する高分子」は下のように多段階膨潤重合法を用いて調製する。
Figure 2004198405
(1)第一次膨潤操作として、フタル酸ジブチル等の膨潤助剤をドデシル硫酸ナトリウム等の界面活性剤の水溶液に微分散させ、そこへ水に分散させた種粒子(例えば、粒子径約1μmのポリスチレン種粒子)を加えて、膨潤助剤の微分散液滴を種粒子に吸着させ、膨潤させる。
なお、ポリスチレン種粒子は、公知の方法から調製できる(非特許文献3参照)。
(2)第二次膨潤操作として、重合開始剤(例えば、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))をトルエン等の希釈剤に溶解した後、水と分散安定剤(例えば、ポリビニルアルコール)の混液中に微分散させる。この操作によって、一次膨潤液滴に重合開始剤の溶解した希釈剤の微分散液滴が取り込まれ膨潤する。
(3)第三次膨潤操作として、安息香酸をエチレングリコールジメタクリレート等の架橋剤に溶かし、4−ビニルピリジン等の機能性モノマーを加えた溶液を水と分散安定化剤(例えば、ポリビニルアルコール)の混液中に分散させ、これを第二段階膨潤操作が終了した液滴に加えて、三次膨潤液滴を形成させる。
(4)三次膨潤液滴をアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で重合させ、重合物をメタノール等の低級アルコールに分散させる。その後、重合物を水とテトラヒドロフラン等の有機溶媒で安息香酸分子を除去し、安息香酸の鋳型を有する高分子を得る。これが、安息香酸モレキュラーインプリントポリマーである。
本発明の「安息香酸分子の鋳型を有する高分子」は、安息香酸分子を選択的に捕捉する性質を有し、この性質を利用して安息香酸を含有する溶液中の安息香酸を定量することができる。また、安息香酸が妨害成分として作用する場合には、これを予め選択的に除去し、目的成分の定量を行うこともできる。
例えば、安息香酸モレキュラーインプリントポリマーをカラムに充填し、安息香酸を含む溶液を通過させると、安息香酸分子が選択的に保持され、これを通常の方法で検出し、そのピーク面積から溶液中の安息香酸の濃度が測定できる。また、安息香酸が妨害成分として作用していた場合には安息香酸MIPを通過した溶液を分析すれば目的成分をスムースに定量できる。
以下に、実施例及び試験例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1 安息香酸MIPの調製とその評価
(1)安息香酸MIPの調製
安息香酸MIPを公知の方法(非特許文献5参照)を参考に調製した。
ポリスチレン(平均粒子径1μm)を使用したシード重合によって、すなわち、ポリスチレン、膨潤助剤(フタル酸ジブチル)、ドデシル硫酸ナトリウム及び水に、エチレングリコールジメタクリレート:4−ビニルピリジン:安息香酸(モル比25:6:2)、重合開始剤(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(以下、「V−65」と略記する。))、ポリビニルアルコール、ドデシル硫酸ナトリウム、トルエン、水を均一に分散したものを添加し、反応させた。
調製に使用した安息香酸(鋳型分子)、4−ビニルピリジン(機能性モノマー、以下「VPY」と略記する。)及びエチレングリコールジメタクリレート(架橋剤、以下「EDMA」と略記する。)の構造を以下に示す。
Figure 2004198405
(2)安息香酸MIPの調製手順
安息香酸MIPは以下のように多段階膨潤重合法を用いて調製する。
まず、第一次膨潤操作として、膨潤助剤としてフタル酸ジブチル0.48mLを、超音波発生機((株)トミー精工製、UD−201)を用いてドデシル硫酸ナトリウム溶液(2mg/mL)10mL中に微分散させ、そこへ水に分散させた粒子径約1μmのポリスチレン種粒子(0.497g/mL)0.17mLを加えた。ここでフタル酸ジブチルの微分散液滴が、ポリスチレン種粒子に吸着し、膨潤する。この一段階目の膨潤操作は室温でスターラーを用いて125rpmで攪拌しながら、フタル酸ジブチルの微分散液滴がなくなるまで行った(約15時間)。
次に、V−65(重合開始剤)0.375gをトルエン5mLに溶かし、超音波発生機を用いて水12.5mLと4.8質量%ポリビニルアルコール溶液10mLの混液中に微分散させ、これを一段階目の膨潤操作が終了した溶液に加えた。ここで一次膨潤液滴に重合開始剤の溶解したトルエンの微分散液滴が取り込まれ膨潤する。この二段階目の膨潤操作も125rpmで攪拌しながら、室温で重合開始剤の溶解したトルエンの微分散液滴がなくなるまで(約2時間)行った。
続いて、安息香酸0.244gをEDMA5mLに溶かし、VPY0.64mLを加えた溶液を同様に超音波発生機を用いて水12.5mLとポリビニルアルコール溶液10mLの混液中に微分散させ、これを二段階目の膨潤操作が終了した溶液に加え、微分散液滴がなくなるまで室温で三段階目の膨潤操作を行った(約2時間)。
三段階目の膨潤操作終了後、溶液を重合用のリアクターに移し、125rpmで攪拌しながらアルゴンガスで20分間バブリングを行った。その後、攪拌を続けながら50℃の油浴上で加熱し、重合反応を行った(24時間)。
反応終了後、重合させた粒子をメタノール250mL中に分散させた。粒子が沈降したら上澄み液を捨て、同様の操作を順次メタノール、水、テトラヒドロフラン(THF)を用いて各2回ずつ行いポリマー粒子を洗浄した。最後に得られたポリマー粒子をメンブランフィルター上に回収し、THF及びアセトンで洗浄し、室温で風乾させた。得られたポリマーの収量は約5gであった。
(3)試薬
VPY、EDMAは東京化成より購入し、精製を行わずにそのまま使用した。ポリスチレン種粒子は公知の方法(非特許文献3参照)を参考にして調製したもの(0.497g/mL)を使用した。安息香酸、V−65はナカライテスク(株)、和光純薬(株)よりそれぞれ購入した。
比較例1 ブランクポリマーの調製
実施例1と同様にして安息香酸を含まないブランクポリマー(以下、「BP」と略記する。)を調製した。ここで、BPを調製する場合には、安息香酸を添加せずに、EDMA5mL及びVPY0.64mLを微分散させた。
試験例1 ポリマーの物性評価
(1)ポリマー形状の光学顕微鏡による観察
得られたポリマーの形状を光学顕微鏡で観察したところ、安息香酸MIPとBPで形状の差はなく、両ポリマーともに粒子径の揃った球形のポリマーであった。
(2)元素分析
安息香酸MIP及びBPの元素分析を行い、それぞれの窒素含量を比較することで、それぞれのポリマーへの4−ビニルピリジン導入量の差の有無を確認した。
結果を表1に示す。安息香酸MIPとBPの窒素含有量のはいずれもほぼ一致し、各ポリマーへのピリジル基導入量に差はないことが確認された。また、理論値と実測値とにわずかに差が認められるが、これはポリマーに取り込まれている水分によるものと推察されたため、炭素含有量と窒素含有量との比を算出し理論値と実測値とを比較したところ、両者は一致した。このことから、モノマーの仕込比に準じた共重合が行われていると考えられる。
Figure 2004198405
(3)粒度分布測定
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製 LA−920)を用いて、合成した各ポリマーの粒子径及び粒度分布を測定した。なお、分散媒としてエタノールを用いた。
安息香酸MIPとBPの粒度分布測定結果を図1に示す。
平均粒子径は安息香酸MIPでは7.05μm(4回の繰り返し測定結果の相対標準偏差=0.3%)であり、BPでは7.04μmであり、ほぼ同等であることを確認した。また、粒度分布についても、粒度のバラツキの度合いには差がないことを確認した。
以上の結果より、安息香酸MIPとBPとでは、調製時における安息香酸の添加の有無の点で違いがあるが、得られたポリマーの形状、官能基導入量、粒子径などの諸物性がいずれも同等であることが確認された。
試験例2 ポリマーの性能評価
(1)安息香酸保持性能
上記で得られた安息香酸MIP及びBP約1.3gをメタノール:2−プロパノール=2:1(v/v)の混合液15mL中に超音波洗浄機を用いて充分懸濁させた後、パッカーを介してステンレスカラム(内径4.6mm、長さ5cm)へ導入した。次に、メタノールを充填圧力9.81×106Paで30分間流した。次にパッカーを外し、蓋をした後、水/メタノール=1:1(v/v)の混合液を0.2mL/minで12時間流して洗浄した。実施例1等で得られた安息香酸MIP及びBPカラムを使用して、安息香酸に対する保持性能をHPLC法にて評価した。
(2)HPLC条件
カラム:安息香酸MIPカラム 4.6mm(I.D.)×50mm
BPカラム 4.6mm(I.D.)×50mm
流量 :0.5mL/min
温度 :30℃
検出器:UV220nm
移動相:20mMリン酸緩衝液(pH3.0)/アセトニトリル(60:40)
(3)結果及び考察
得られたクロマトグラムを図2に示す。
クロマトグラムから算出した各ポリマー充填カラムの安息香酸の保持係数(k安息香酸)及び選択係数(kMIP/kBP)を表2に示す。なお、保持係数 k は、アセトンを用いてt0を求め、k =(t安息香酸−t0)/t0から算出した。
その結果、安息香酸の k は安息香酸MIPとBPとで差があり、選択係数は1.4であった。選択係数1.4とは、安息香酸MIPの安息香酸に対する保持能力がBPのそれよりも1.4倍大きいことを意味する。安息香酸MIPとBPは、形状、官能基導入量及び粒子径などの諸物性が同等であるため、この保持係数の差はポリマーの物性の差に起因するものではなく、安息香酸MIPの網目構造に構築された認識部位に安息香酸が選択的に保持される効果によるものである。
以上の結果から、調製した安息香酸MIPは安息香酸に対する選択的認識部位を有することが確認された。
Figure 2004198405
試験例3 安息香酸MIPカラムを用いたHPLC法による安息香酸ナトリウム試薬の含量測定−市販ODSカラムとの比較
前記実施例1と同様の方法で調製した安息香酸MIPカラムと市販のODSカラム(TSKgel ODS−80Ts:東ソー(株)製)を使用して、安息香酸ナトリウム試薬の含量測定をHPLC法にて行った。
(1)HPLC条件
カラム:安息香酸MIPカラム 4.6mm(I.D.)×100mm
TSKgel ODS−80Ts 4.6mm(I.D.)×150mm
流量 :1.0mL/min
温度 :50℃
検出器:UV230nm
移動相:メタノール:水:リン酸=550:450:1(v/v/v)
(2)試験方法
安息香酸ナトリウム試薬30mgを量り取り、水を加えて溶かし、50mLとする。この液から1mLを量り取り、移動相を加えて50mLとする。これを試料溶液とする。また、別途、標準品(安息香酸ナトリウム)を110℃で4時間乾燥し、その中から30mgを量り取り、水を加えて溶かし、50mLとする。この液から1mLを量り取り、移動相を加えて50mLとする。これを標準溶液とする。標準溶液及び試料溶液50μLにつき、前記条件で液体クロマトグラフ法によって試験を行い、安息香酸のピーク面積AT及びASを求める。
安息香酸ナトリウム試薬含量(%)=標準品の採取量(mg)×(AT/AS)×(1/安息香酸試薬採取量(mg))×100
(3)試薬
安息香酸ナトリウム試薬は試薬特級品の室温保存品であり、乾燥せずにそのまま試験に用いた。安息香酸ナトリウム標準品は、住化ファインケム(株)より購入し、第14改正日本薬局方の安息香酸ナトリウムの定量法に準じて試験を行い、定量値が100.0%のものを用いた。その他の試薬はすべて試薬特級品をそのまま使用した。
(4)測定結果
安息香酸MIPカラムと市販のODSカラムによる安息香酸ナトリウム試薬の含量測定結果を表3に示す。また、各カラムでの安息香酸ナトリウムの標準溶液と試料溶液のクロマトグラムを図3に示す。安息香酸MIPカラムでは、安息香酸に対する保持性能が強いため、市販のODSカラムと比較してピークの広がりを生じるが、両カラムによる安息香酸ナトリウム試薬の含量定量結果は一致し、3回のくり返し試験結果の相対標準偏差もともに1%以下でほぼ同等であった。安息香酸ナトリウム試薬の含量測定において、安息香酸MIPカラムは、市販ODSカラムと同等の定量値を示し、分析カラムとして充分に機能することを確認した。
Figure 2004198405
試験例4 安息香酸MIPによるドリンク製剤中の安息香酸ナトリウムの定量
前記試験例2で得られた安息香酸MIPカラムを使用して、市販ドリンク製剤中の安息香酸ナトリウムの定量をHPLC法で行った。
(1)HPLC条件
カラム:安息香酸MIPカラム 4.6mm(I.D.)×50mm
流量 :0.5mL/min
温度 :50℃
検出器:UV230nm
移動相:メタノール:水:リン酸=550:450:1(v/v/v)
(2)定量方法
試料の一定量(安息香酸ナトリウム0.6mgを含む量)を量り取り、水/メタノール/リン酸(500:500:1)混液を加えて50mLとする。これを試料溶液とする。また、別途、標準品(安息香酸ナトリウム)を110℃で4時間乾燥し、その中から30mgを量り取り、水を加えて溶かし、50mLとする。この液から1mLを量り取り、水/メタノール/リン酸(500:500:1)混液を加えて50mLとする。これを標準溶液とする。標準溶液及び試料溶液50μLにつき、前記条件で液体クロマトグラフ法によって試験を行い、安息香酸のピーク面積AT及びASを求める。
試料中の安息香酸ナトリウム濃度(mg/mL)=標準品の採取量(mg)×(AT/AS)×0.02/試料採取量(mL)
(3)試薬
安息香酸ナトリウム標準品は、試験例2で用いたものを使用した。その他の試薬はすべて特級品をそのまま使用した。
(4)試料
試料として市販の製剤(栄養ドリンク剤)A〜Cを使用した。製剤Aは洋薬8成分、製剤Bは生薬17種類に洋薬4成分、製剤Cは生薬1種類に洋薬7成分をそれぞれ配合した製剤であり、防腐剤として安息香酸ナトリウムをそれぞれ配合したものである。
(5)直線性の評価
安息香酸MIPカラムを用い、前記(1)のHPLC条件にて安息香酸ナトリウム標準溶液の直線性を評価した。
その結果、安息香酸ナトリウム12.88〜38.64μg/mLの濃度範囲において、相関係数0.9999以上のほぼ原点を通る良好な直線性を示した(図4)。
(6)安息香酸MIPカラムによる製剤A中の安息香酸ナトリウムの定量法の検討−特異性及び添加回収率の評価
安息香酸MIPカラムを用いて(1)のHPLC条件下に、製剤A中の安息香酸ナトリウムの定量法検討として、特異性及び添加回収率の評価を行った。
その結果、安息香酸ナトリウム抜き試料溶液の安息香酸の溶出位置に妨害ピークは認められず、特異性は良好であった(図5(c))。
また、安息香酸ナトリウム抜き試料溶液に安息香酸ナトリウムを添加した試料溶液を調製し、添加回収試験を実施した。その結果、回収率は100.1%(3回のくり返し試験結果の相対標準偏差=0.3%)と良好であった。
以上の結果より、設定した分析条件は製剤A中の安息香酸の定量分析条件として良好であることが確認できた。
さらに、図5(d)に示すように、今回の試料溶液の希釈溶媒として用いた水/メタノール/リン酸(500:500:1)混液10μLを注入した場合でも、安息香酸の溶出位置にピークは認められなかった。MIPは鋳型分子に対する吸着力が強いため、認識部位に鋳型分子が残存し、それが分析時に妨害ピークとなることがある。しかし、今回は、そのような妨害ピークはなく、問題のないことが確認できた。
(7)BPカラムによる製剤A中の安息香酸ナトリウムの定量法の検討−特異性及び添加回収率の評価
前記(6)と同じ条件でBPカラム(カラムサイズ:4.6mm(I.D.)×50mm)を用いて同様の試験を行った。
その結果、BPカラムでも安息香酸は保持されるが、保持係数が安息香酸MIPに比して小さいため、夾雑成分のピーク(香料成分由来のものと推察される。)との分離が不十分であり(図6(c))、添加回収率が100%とならず、高値を示すことがわかった。安息香酸MIPに比してBPでは他の成分との分離選択性が劣るため、以後の検討では安息香酸MIPを用いた。
(8)安息香酸MIPカラムによる製剤中の安息香酸ナトリウムの定量
前記(1)のHPLC条件で、製剤A、B及びC中の安息香酸ナトリウムの定量を試みた。
その結果、何れの製剤においても設定した分析条件でほぼ理論値通りの定量値が得られた(下表4)。各製剤の試料溶液を注入したときのクロマトグラムを図7に示す。このように安息香酸MIPカラムを用いることにより、処方の異なる複数のドリンク剤から安息香酸を簡易に、かつ精度よく分析できることが確認された。
Figure 2004198405
(9)市販ODSカラムによる製剤B中の安息香酸ナトリウムの分析
前記(1)のHPLC条件において、カラムサイズ4.6mm(I.D.)×150mmの市販ODSカラム(TSKgel ODS−80Ts)を用いて、流量1.0mL/minで製剤B中の安息香酸ナトリウムの定量を試みた。
その結果、製剤Bのように配合成分の多い製剤の分析の場合、安息香酸のピークに夾雑成分のピークが重なり、精度の良い分析ができなかった。このときのクロマトグラムを図8に示す。有機溶媒抽出などの前処理を行えば改善できると考えられるが、操作が煩雑であり、有害な試薬を要する点からも問題がある。
このように市販ODSカラムを用いる従来試験法の場合、製剤の処方によって妨害となる成分が存在することがあり、同じ安息香酸ナトリウムを定量する場合であっても、異なる試験方法で定量を行う必要があった。
これに対して、本発明の方法によれば、1条件でどのような処方の製剤からも安息香酸を選択的に分離できるため、製剤の処方に影響されない統一的な試験方法として利用でき、製品の品質管理試験の方法として有用であると考えられる。
試験例5 安息香酸MIPによる安息香酸の選択的除去
(1)実施例1で得られた安息香酸MIPカラムを、ドリンク製剤中の微量成分のHPLC分析において妨害となる安息香酸の除去カラムとして利用した。このような例としてシゴカ流エキスを配合したドリンク剤中のシゴカの分析対象成分であるエレウテロサイドEの分析において妨害となる安息香酸を除去するため、従来の分析カラムに安息香酸MIPを充填したカラムを連結し、安息香酸MIPに安息香酸を選択的に保持させることにより、エレウテロサイドEと安息香酸の分離を試みた。
Figure 2004198405
(2)HPLC条件
カラム:安息香酸MIPカラム4.6mm(I.D.)×10mm及びTSKgel
ODS−80Ts4.6mm(I.D.)×150mmを連結したもの
流量 :1.0mL/min
温度 :50℃
検出器:UV230nm
移動相:20mMリン酸緩衝液(pH3.0)/アセト二トリル(880:120)
(3)試験方法
試料5mLを量り、水/アセトニトリル混液(9:1)を加えて10mLとする。これを試料溶液とする。また、別途、標準品(エレウテロサイドE)2mgを秤量し、水を加えて溶かし、10mLとする。この液から1mLを分取し、水を加えて50mLとする。さらに、この液から2mLを分取し、水/アセトニトリル混液(9:1)を加えて10mLとする。これを標準溶液とする。標準溶液及び試料溶液60μLにつき、前記条件でHPLC法によって試験を行う。
(4)試薬
エレウテロサイドEは、アルプス薬品工業(株)から購入した。その他の試薬はすべて試薬特級をそのまま使用した。
(5)試料
試験に用いた試料は、シゴカ流エキスと安息香酸ナトリウムを配合したモデル製剤Dと市販製剤(栄養ドリンク剤)E及びFである。
(6)安息香酸MIPカラム及び市販ODSカラムを連結したカラムを用いて前記(2)のHPLC条件下にモデル製剤Dの試料溶液を注入してクロマトグラムを取り、安息香酸MIPカラムを連結しない市販ODSカラムのみのクロマトグラムと比較した。
その結果、市販ODSカラムのみでは、安息香酸が妨害しエレウテロサイドEのピーク検出が不可能であるが(図9(a))、MIPカラムを市販ODSカラムに接続することにより、安息香酸の溶出を選択的に遅らせることができ、エレウテロサイドEと安息香酸のベースライン分離(分離度1.7)が達成できた(図9(b))。同じ条件で比較例1で得たBP(ブランクポリマー)カラムを市販ODSカラムに連結したカラムについても検討したところ、BPでは安息香酸の保持能がMIPより小さいため、エレウテロサイドEと安息香酸の分離は不充分(分離度1.3)であった(図9(c))。
(7)市販製剤E、F中のエレウテロサイドEの分析
シカゴ流エキスを含む市販製剤を試料として用い、モデル製剤と同条件で分析を行い、エレウテロサイドEの定量法としての分析法バリデーションを実施した。
まず、エレウテロサイドE標準液の直線性は、0.4〜1.2μg/mLの濃度範囲で相関係数0.9999以上の良好な直線性を示すことを確認した(図10)。
次に、特異性と添加回収率を評価した。その結果、シゴカ流エキス抜き試料溶液のクロマトグラムにおいて、エレウテロサイドEの溶出位置に妨害はなく、フル処方製剤のクロマトグラムにおいて、エレウテロサイドEと安息香酸とは完全に分離し、エレウテロサイドEを特異的に検出できることがわかった(図11)。
また、添加回収率は100.2%(製剤E)、99.7%(製剤F)であり、回収率も良好であった。
さらに、試料溶液連続注入6回のエレウテロサイドEのピーク面積の再現性も相対標準偏差1.0%以下であり、分析精度も良好であることを確認した。
よって、検討した方法は、製剤中のエレウテロサイドEの簡便な定量法として利用できることを示した。
以上より、安息香酸MIPは、製剤中のエレウテロサイドEをHPLC分析する際の妨害成分である安息香酸を効率よく除去するための分離カラムとして利用できることがわかった。また、このように分析妨害成分をインプリントしたMIPが、試料中の分析妨害成分を選択的に除去するための材料として利用できることがわかった。
本発明により、安息香酸をはじめ多くの有効成分を含有するドリンク剤において、安息香酸を簡易かつ迅速に定量分析し、ドリンク剤の定常的な品質管理業務の効率化が期待される。
安息香酸MIP及びBPの粒度分布を示すグラフである。 安息香酸MIP及びBPの安息香酸保持性能を示すグラフである。 安息香酸MIPカラム及び市販ODSカラムによる安息香酸ナトリウム試薬の定量クロマトグラムである。 安息香酸ナトリウムの直線性を示すグラフである。 安息香酸MIPカラムを用いた製剤A中の安息香酸のクロマトグラムである。 BPカラムを用いた場合の製剤A中の安息香酸のクロマトグラム(特異性)である。 安息香酸MIPカラムを用いた各種ドリンク剤中の安息香酸のクロマトグラムである。 市販ODSカラムを用いた製剤B中の安息香酸の分析のクロマトグラムである。 モデル製剤中のエレウテロサイドEと安息香酸の分離状態を示すクロマトグラムである。 エレウテロサイドEの直線性を示すグラフである。 市販製剤中のシゴカ流エキス中のエレウテロサイドEの定量クロマトグラムである。

Claims (4)

  1. 安息香酸分子と機能性モノマーとの複合体を形成し、その周囲を架橋剤で重合し、安息香酸分子を除去することによって得られる安息香酸分子の鋳型を有する高分子。
  2. 請求項1記載の安息香酸分子の鋳型を有する高分子を用いて溶液中の安息香酸を選択的に捕捉し、安息香酸を定量する方法。
  3. 請求項1記載の安息香酸分子の鋳型を有する高分子をカラムに充填し、安息香酸を含有する溶液を通過させて、安息香酸を選択的に定量する方法。
  4. 請求項1記載の安息香酸分子の鋳型を有する高分子を用いて安息香酸を含有する溶液から安息香酸を選択的に除去する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010100708A (ja) * 2008-10-22 2010-05-06 Mukogawa Gakuin 分子インプリントポリマーおよびその製造方法
CN104437431A (zh) * 2014-11-19 2015-03-25 辽宁大学 一种高效大孔吸附树脂的制备方法
CN107189012A (zh) * 2017-07-03 2017-09-22 长江师范学院 邻苯二甲酸酯类分子印迹聚合物的制备方法及产品和应用

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