JP2004198085A - 空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】室外ユニットの主熱交換器および補助熱交換器を1つの四方弁により使い分けることができ、これによりコストの上昇を招くことなく、各室内ユニットの冷房負荷および暖房負荷に見合う最適な冷・暖同時運転が可能な空気調和機を提供する。
【解決手段】室外ユニットAの主熱交換器6aと補助熱交換器6bを1つの四方弁5によって使い分ける。
【選択図】 図1
【解決手段】室外ユニットAの主熱交換器6aと補助熱交換器6bを1つの四方弁5によって使い分ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、室外ユニットおよび複数台の室内ユニットを備え、各室内ユニットで冷房と暖房の同時運転が可能な空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
室外ユニットおよび複数台の室内ユニットを備え、各室内ユニットで冷房と暖房の同時運転が可能な空気調和機がある。この空気調和機の例として、容量が互いに異なる複数の室外熱交換器を室外ユニットに設け、冷・暖同時運転時に容量の小さい方の室外熱交換器を使用するものがある。(例えば特許文献1参照)。
【0003】
容量が互いに異なる複数の室外熱交換器を室外ユニットに設けるとともに、その室外ユニットと各室内ユニットとの間に切換ユニットを設け、切換ユニットにおける複数の弁を開閉することで各室内ユニットでの冷媒流れ方向を冷房用と暖房用にそれぞれ設定するとともに、各室内ユニットの要求冷房能力と要求暖房能力とが同じ場合に容量の小さい方の室外熱交換器を使用する空気調和機もある(例えば特許文献2参照)。
【0004】
室外ユニットに複数の室外熱交換器を設けるとともに、室外ユニットと各室内ユニットとの間に切換ユニットを設け、その切換ユニットにおける複数の弁を各室内ユニットの運転モードに応じて開閉することで各室内ユニットに流れる冷媒の方向をそれぞれ冷房用と暖房用に設定するとともに、各室内ユニットの運転モードに応じて各室外熱交換器を選択的に使用する空気調和機もある(例えば特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−332637号公報(図1)
【0006】
【特許文献2】
特許第3035599号公報
【0007】
【特許文献3】
特許第2974179号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記各例のように、室外ユニットの各室外熱交換器を使い分けるものでは、使い分けのための多数の二方弁が室外ユニットに設けられており、コストの上昇を招くという問題がある。二方弁の使用数を減らすと、各室内ユニットの冷房負荷および暖房負荷にそれぞれ見合う最適な運転が不可能となる。
【0009】
この発明は、上記の事情を考慮したもので、室外ユニットの主熱交換器および補助熱交換器を1つの四方弁により使い分けることができ、これによりコストの上昇を招くことなく各室内ユニットの冷房負荷および暖房負荷に見合う最適な冷・暖同時運転が可能な空気調和機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の空気調和機は、室外ユニットと、複数の室内ユニットと、液管と、吐出ガス管と、吸込ガス管と、切換ユニットと、制御手段と、を備えている。
室外ユニットは、圧縮機、四方弁、主熱交換器、補助熱交換器、流量調整弁を有し、圧縮機から主熱交換器へ冷媒が流れる第1流路、圧縮機から補助熱交換器へ冷媒が流れる第2流路、主熱交換器から圧縮機の吸込側へ冷媒が流れる第3流路、補助熱交換器から圧縮機の吸込側へ冷媒が流れる第4流路を上記四方弁により形成する。各室内ユニットは、室内熱交換器を有している。液管は、主熱交換器または補助熱交換器から流出する液冷媒を各室内熱交換器に導くとともに、各室内熱交換器から流出する液冷媒を前記圧縮機の吸込側に導くためのものである。吐出ガス管は、圧縮機の吐出冷媒を各室内熱交換器に導くためのものである。吸込ガス管は、各室内熱交換器から流出するガス冷媒を圧縮機の吸込側に導くためのものである。切換ユニットは、主熱交換器または補助熱交換器から流出して液管に流れる液冷媒を各室内熱交換器に導くとともにその各室内熱交換器から流出するガス冷媒を吸込ガス管に導く冷房用流路、および圧縮機から吐出ガス管に導かれるガス冷媒を各室内熱交換器に導くとともにその各室内熱交換器から流出する液冷媒を液管に導く暖房用流路を選択的に形成する。制御手段は、各室内ユニットの要求運転モードに応じて、室外ユニットにおける各流路の形成および切換ユニットにおける各流路の形成を制御する。
【0011】
【発明の実施の形態】
[1]以下、この発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、室外ユニットAに液管21、吐出ガス管22、吸込ガス管23および複数の切換ユニットBを介して複数の室内ユニットCが接続されている。
【0012】
室外ユニットAにおいて、1は容量可変型の圧縮機で、冷媒を吸込んで圧縮し、圧縮した冷媒を吐出する。この圧縮機1の駆動用としてインバータ60が設けられている。インバータ60は、商用交流電源61の電圧を整流し、その整流後の電圧を後述の制御部50の指令に応じた周波数の交流電圧に変換し、出力する。この出力により、圧縮機1が駆動される。また、圧縮機1は密閉ケースで被われており、その密閉ケースには内部の部品の潤滑作用を保つために潤滑油が入っている。この潤滑油の一部が、冷媒の吐出に伴い、密閉ケースから流出する。
【0013】
圧縮機1の冷媒吐出口に冷媒吐出管2、油分離器(オイルセパレータともいう)3、および高圧側配管4を介して四方弁5が接続されている。油分離器3は、冷媒に含まれている潤滑油を分離して収容する。
四方弁5は、通電オフ時に図示の状態となり、高圧側配管4から主熱交換器(室外熱交換器)6aへ冷媒が流れる第1流路を形成するとともに、補助熱交換器(室外熱交換器)6bから後述の低圧側配管10へ冷媒が流れる第4流路を形成する。また、四方弁5は、通電オン時に切換作動し、高圧側配管4から補助熱交換器6bへ冷媒が流れる第2流路を形成するとともに、主熱交換器6aから後述の低圧側配管10へ冷媒が流れる第3流路を形成する。主熱交換器6aおよび補助熱交換器6bは、流入する冷媒と室外ファン7から供給される外気との熱交換を行う。補助熱交換器6bは、容量が、主熱交換器6aの容量の20%以下である。
【0014】
主熱交換器6aと上記液管21との間の冷媒流路に、流量調整弁(第1流量調整弁)8aおよび冷媒調整タンク(リキッドタンクともいう)9が接続されている。補助熱交換器6bと上記液管21との間の冷媒流路に、流量調整弁(第2流量調整弁)8bおよび上記冷媒調整タンク9が接続されている。流量調整弁8a,8bは、入力される駆動パルス信号の数に応じて開度が連続的に変化するパルスモータバルブいわゆるPMVである。また、流量調整弁8bは、流量調整弁8aよりも小さい口径を有している。
【0015】
上記吸込ガス管23は、低圧側配管10、アキュームレータ11、および冷媒吸込管12を介して圧縮機1の冷媒吸込口に接続されている。そして、上記油分離器3から冷媒吸込管12にかけて、潤滑油を圧縮機1の吸込側に戻すための油戻し管13が接続されている。
【0016】
上記吐出ガス管22は、ガス管14を介して上記高圧側配管4に接続されている。この接続により、圧縮機1から吐出されるガス冷媒が各切換ユニットBおよび各室内ユニットCに導かれる。
【0017】
上記冷媒吐出管2に圧力センサ16が設けられ、冷媒吸込管12に圧力センサ17および温度センサ18が設けられている。圧力センサ16は、圧縮機1から吐出される冷媒の圧力Pdを検知する。圧力センサ17および温度センサ18は、圧縮機1に吸込まれる冷媒の圧力Psおよび温度Tsを検知する。
【0018】
上記主熱交換器6aと流量調整弁8aとの間の配管に、冷媒の温度を検知するための温度センサ19aが設けられている。補助熱交換器6bと流量調整弁8bとの間の配管に、冷媒の温度を検知するための温度センサ19bが設けられている。
各切換ユニットBは、液管31、ガス管32,33、二方弁34,35を有し、主熱交換器6aおよび補助熱交換器6bのいずれかから流出して液管21に流れる液冷媒を液管31を通して各室内ユニットCに導くとともにその各室内ユニットCから流出するガス冷媒をガス管33および二方弁35を通して吸込ガス管23に導く冷房用流路、および圧縮機1から吐出されて吐出ガス管22に流れるガス冷媒をガス管32および二方弁34を通して各室内ユニットCに導くとともにその各室内ユニットCから流出する液冷媒を液管31を通して液管21に導く暖房用流路を、選択的に形成する。
【0019】
各室内ユニットCは、室内流量調整弁41、室内熱交換器42、室内ファン43、温度センサ44,45を有している。室内流量調整弁41は、室内熱交換器42に流れる冷媒の量を調整する。室内熱交換器42は、流入する冷媒と室内ファン43から供給される室内空気との熱交換を行う。温度センサ44,45は、室内熱交換器42に流入する冷媒の温度、および室内熱交換器42から流出する冷媒の温度を検知する。
【0020】
以上の配管接続により、各室内ユニットCの冷・暖同時運転が可能な冷凍サイクルが構成されている。
【0021】
一方、制御部50に、室外ユニットA、各切換ユニットB、各室内ユニットC、および操作部51が接続されている。この制御部50は、主要の機能として、操作部51の操作に基づく各室内ユニットCの運転モードに応じて、室外ユニットAにおける各流路(第1,第2,第3,第4流路)の形成および切換ユニットBにおける各流路(冷房用流路および暖房用流路)の形成を制御する手段を備えている。
【0022】
つぎに、作用を説明する。
(1)単独冷房
各室内ユニットCが全て冷房運転(以下、単独冷房という)のとき、室外ユニットAでは四方弁5が通電オフ、流量調整弁8aが全開、流量調整弁8bが全閉されて第1流路および第4流路が形成される。各切換ユニットBでは二方弁34が閉成(通電オフ)、二方弁35が開放(通電オン)されて冷房流路が形成される。各室内ユニットCでは、室内流量調整弁41が開度制御(過熱度制御)される。
【0023】
第1流路の形成により、図1に実線矢印で示すように、圧縮機1から吐出されるガス冷媒が四方弁5を通って主熱交換器6aへ流れ、主熱交換器6aが凝縮器として機能する。第4流路の形成によって補助熱交換器6bと低圧側配管10とが四方弁5を通して導通するが、流量調整弁8bが全閉しているので、補助熱交換器6b内の滞留冷媒が圧縮機1の吸込側へ回収される。この回収により、補助熱交換器6bに冷媒が液化して溜まり込む、いわゆる冷媒寝こみを防止することができる。
【0024】
主熱交換器6aに流入したガス冷媒は、外気に熱を放出して凝縮する。この液冷媒が、流量調整弁8a、冷媒調整タンク9、液管21、各切換ユニットBの液管31、各室内ユニットCの室内流量調整弁41を通り、各室内ユニットCの室内熱交換器42に流入する。各室内熱交換器42に流入した液冷媒は、室内空気から熱を奪って蒸発する。
【0025】
各室内熱交換器42から流出するガス冷媒は、図1に破線矢印で示すように、切換ユニットBのガス管33を通って吸込ガス管23に流れる。吸込ガス管23に流れたガス冷媒は、低圧側配管10、アキュームレータ11、冷媒吸込管12を通って圧縮機1に吸込まれる。
【0026】
こうして、各室内熱交換器42が蒸発器として機能することにより、各室内ユニットCが設置されている部屋が冷房される。
【0027】
この冷房時、各室内ユニットCが設置されている部屋の冷房負荷(室内温度Taと設定室内温度Tasとの差)の総負荷に応じて圧縮機1の容量(インバータ60の出力周波数)が制御される。
【0028】
各室内ユニットCでは、室内熱交換器42に流入する液冷媒の温度T1が温度センサ44により検知され、室内熱交換器42から流出するガス冷媒の温度T2が温度センサ45により検知され、両検知温度の差(=T2−T1)が室内熱交換器42における冷媒の過熱度SHとして検出される。そして、これら過熱度SHが予め定められた目標値SHOを維持するよう、室内流量調整弁41の開度が制御される。この過熱度制御により、各室内ユニットCの冷房負荷に見合う最適量の液冷媒がそれぞれの室内ユニットCに分配される。
【0029】
(2)単独冷房(サブ)
上記単独冷房が行われているとき、外気温が低くなったり、あるいは各室内ユニットCの冷房負荷の減少(室内ユニットCの運転台数の減少を含む)に伴う圧縮機容量低減によって冷凍サイクル中の冷媒循環量が減少すると、主熱交換器6aにおける冷媒の凝縮圧力が低下し、適切な冷房が困難になってしまう。
【0030】
そこで、主熱交換器6aから流出する冷媒の温度(凝縮温度)が温度センサ19aで検知され、その検知温度に基づいて主熱交換器6aにおける冷媒の凝縮圧力が求められる。この凝縮圧力が予め定められている設定値よりも低くなると、四方弁5が通電オン、流量調整弁8aが全閉、流量調整弁8bが全開されて第2流路および第3流路が形成される。第1流路および第4流路は遮断される。
【0031】
第2流路の形成により、図2に実線矢印で示すように、圧縮機1から吐出されるガス冷媒が四方弁5を通って補助熱交換器6bへ流れ、補助熱交換器6bが凝縮器として機能する。この場合、流量調整弁8bが全開されているが、流量調整弁8bの口径が流量調整弁8aの口径よりも小さいので、補助熱交換器6bの容量に合わせた適正量のガス冷媒が補助熱交換器6bに流れる。
【0032】
こうして、容量が小さい方の補助熱交換器6bが凝縮器として使用されることにより、しかも補助熱交換器6bについてはその容量が主熱交換器6aの容量の20%以下と十分に小さく設定されていることにより、たとえ外気温が低くなっても、また各室内ユニットCの冷房負荷の減少に伴う圧縮機容量低減によって冷凍サイクル中の冷媒循環量が減少しても、凝縮器における冷媒の凝縮圧力を十分に高い状態に保つことができる。よって、適切かつ安定した冷房が可能になる。
【0033】
外気温が低くなっても、凝縮器における冷媒の凝縮圧力を十分に高い状態に保つことができるので、冷房の許容運転温度範囲を低温度側に拡大することができる。冷凍サイクル中の冷媒循環量が減少しても、凝縮器における冷媒の凝縮圧力を十分に高い状態に保つことができるので、室内熱交換器42の許容最小容量を小容量側に拡大することができる。
【0034】
なお、第3流路の形成によって主熱交換器6aと低圧側配管10とが四方弁5を通して導通するが、流量調整弁8aが全閉しているので、主熱交換器6a内の滞留冷媒が圧縮機1の吸込側へ回収される。この回収により、主熱交換器6aでの冷媒寝こみを防止することができる。
【0035】
補助熱交換器6bから流出する冷媒の温度(凝縮温度)が温度センサ19bで検知され、その検知温度に基づいて補助熱交換器6bにおける冷媒の凝縮圧力が求められている。この凝縮圧力が外気温の上昇や冷媒循環量の増大に伴って所定値以上に上昇すると、四方弁5が通電オフされるとともに、流量調整弁8aが全開され、流量調整弁8bの全閉されて、上記(1)の主熱交換器6aの使用による冷房運転に復帰する。
【0036】
(3)単独暖房
各室内ユニットCが全て暖房運転(以下、単独暖房という)のとき、室外ユニットAでは四方弁5が通電オン、流量調整弁8aが開度制御(過熱度制御)、流量調整弁8bが全閉されて第2流路および第3流路が形成される。各切換ユニットBでは二方弁34が開放(通電オン)、二方弁35が閉成(通電オフ)されて暖房用流路が形成される。各室内ユニットCでは、室内流量調整弁41が開度制御(過冷却度制御)される。
【0037】
各切換ユニットBで暖房用流路が設定されることにより、図3に実線矢印で示すように、圧縮機1から吐出されたガス冷媒が高圧側配管4、ガス管14、吐出ガス管22、各切換ユニットBのガス管32を通り、各室内ユニットCの室内熱交換器42に流入する。各室内熱交換器42に流入した液冷媒は、室内空気に熱を奪われて凝縮する。
【0038】
各室内熱交換器42から流出する液冷媒は、室内流量調整弁41、切換ユニットBの液管31、および液管21を通って冷媒調整タンク9に流れる。冷媒調整タンク9を経た液冷媒は、流量調整弁8a、主熱交換器6a、低圧側配管10、アキュームレータ11、および冷媒吸込管12を通り、圧縮機1に吸込まれる。主熱交換器6aに流れた液冷媒は、外気から熱を吸収して蒸発する。
【0039】
こうして、各室内熱交換器42が凝縮器として機能することにより、各室内ユニットCが設置されている部屋が暖房される。
【0040】
この単独暖房時、各室内ユニットCが設置されている部屋の暖房負荷(設定室内温度Tasと室内温度Taとの差)の総負荷に応じて圧縮機1の容量(インバータ60の出力周波数)が制御される。
【0041】
室外ユニットAでは、主熱交換器6aに流入する液冷媒の温度Tiaが温度センサ19aにより検知され、主熱交換器6aから流出して圧縮機1に吸込まれるガス冷媒の温度Tsが温度センサ18により検知され、この両検知温度の差(=Ts−Tia)が主熱交換器6aにおける冷媒の過熱度SHとして検出される。そして、この過熱度SHが予め定められた目標値SHOを維持するよう、流量調整弁8aの開度が制御される。
【0042】
各室内ユニットCでは、室内熱交換器42に流入するガス冷媒の温度T2が温度センサ45により検知され、室内熱交換器42から流出する液冷媒の温度T1が温度センサ44により検知され、この両検知温度の差(=T1−T2)が室内熱交換器42における冷媒の過冷却度SCとして検出される。そして、この過冷却度SCが予め定められた目標値SCOを維持するよう、室内流量調整弁41の開度が制御される。この過冷却度制御により、各室内ユニットCの暖房負荷に見合う最適量のガス冷媒がそれぞれの室内ユニットCに分配される。
【0043】
(4)単独暖房(サブ)
上記単独暖房が行われているとき、外気温が高くなったり、あるいは各室内ユニットCの暖房負荷の減少(室内ユニットCの運転台数の減少を含む)に伴う圧縮機容量低減によって冷凍サイクル中の冷媒循環量が減少すると、主熱交換器6aにおける冷媒の蒸発圧力が上昇し、適切な暖房が困難になってしまう。
【0044】
そこで、主熱交換器6aから流出して圧縮機1に吸込まれる冷媒の圧力が圧力センサ17により検知され、その検知圧力に基づいて主熱交換器6aにおける冷媒の蒸発圧力が求められる。この蒸発圧力が予め定められている設定値よりも高くなると、四方弁5が通電オフ、流量調整弁8aが全閉、流量調整弁8bが開度制御(過熱度制御)されて第1流路および第4流路が形成される。第2流路および第3流路は遮断される。
【0045】
第1流路が形成されると、図4に実線矢印で示すように、冷媒調整タンク9を経た液冷媒が流量調整弁8bおよび補助熱交換器6bを通って低圧側配管10に流れる。
【0046】
こうして、容量が小さい方の補助熱交換器6bが蒸発器として使用されることにより、しかも補助熱交換器6bについてはその容量が主熱交換器6aの容量の20%以下と十分に小さく設定されていることにより、たとえ外気温が高くなっても、また各室内ユニットCの暖房負荷の減少に伴う圧縮機容量低減によって冷凍サイクル中の冷媒循環量が減少しても、蒸発器における冷媒の蒸発圧力を十分に低い状態に保つことができる。よって、適切かつ安定した暖房が可能になる。
【0047】
外気温が高くなっても、蒸発器における冷媒の蒸発圧力を十分に低い状態に保つことができるので、暖房の許容運転温度範囲を高温度側に拡大することができる。冷凍サイクル中の冷媒循環量が減少しても、蒸発器における冷媒の蒸発圧力を十分に低い状態に保つことができるので、室内熱交換器42の許容最小容量を小容量側に拡大することができる。
【0048】
なお、室外ユニットAでは、補助熱交換器6bに流入する液冷媒の温度Tibが温度センサ19bにより検知され、補助熱交換器6bから流出して圧縮機1に吸込まれるガス冷媒の温度Tsが温度センサ18により検知され、この両検知温度の差(=Ts−Tib)が補助熱交換器6bにおける冷媒の過熱度SHとして検出される。そして、この過熱度SHが予め定められた目標値SHOを維持するよう、流量調整弁8bの開度が制御される。
【0049】
補助熱交換器6bから流出して圧縮機1に吸込まれる冷媒の圧力が圧力センサ17により検知され、その検知圧力に基づいて補助熱交換器6bにおける冷媒の蒸発圧力が求められている。この蒸発圧力が外気温の低下や冷媒循環量の増大によって所定値以下に低下すると、四方弁5が通電オンされるとともに、流量調整弁8aが開度制御され、流量調整弁8bが全閉されて、上記(3)の主熱交換器6aの使用による暖房運転に復帰する。
【0050】
(5)同時冷房
各室内ユニットCが冷房運転と暖房運転に分かれ、冷房負荷が暖房負荷より大きい場合、冷房主体の冷・暖同時運転モード(以下、同時冷房という)が設定される。
【0051】
この同時冷房では、図5に示すように、室外ユニットAでは四方弁5が通電オフ、流量調整弁8aが全開または開度制御、流量調整弁8bが全閉されて第1流路および第4流路が形成される。冷房側室内ユニットに対応する切換ユニットBでは、二方弁34が閉成、二方弁35が開放されて、冷房流路が形成される。暖房側室内ユニットに対応する切換ユニットBでは、二方弁34が開放、二方弁35が閉成されて、暖房流路が形成される。冷房側室内ユニットでは、室内流量調整弁41が開度制御(過熱度制御)される。暖房側室内ユニットでは、室内流量調整弁41が開度制御(過冷却度制御)全開される。
【0052】
第1流路の形成により、図5に実線矢印で示すように、圧縮機1から吐出されるガス冷媒が四方弁5を通って主熱交換器6aへ流れ、主熱交換器6aが凝縮器として機能する。第4流路の形成によって補助熱交換器6bと低圧側配管10とが四方弁5を通して導通するが、流量調整弁8bが全閉しているので、補助熱交換器6b内の滞留冷媒が圧縮機1の吸込側へ回収される。この回収により、補助熱交換器6bに冷媒が液化して溜まり込む、いわゆる冷媒寝こみを防止することができる。
【0053】
主熱交換器6aに流入したガス冷媒は、外気に熱を奪われて凝縮する。この液冷媒が、流量調整弁8a、冷媒調整タンク9、液管21、冷房側室内ユニットに対応する切換ユニットBの液管31、冷房側室内ユニットの室内流量調整弁41を通り、その冷房側室内ユニットの室内熱交換器42に流入する。室内熱交換器42に流入した液冷媒は、室内空気から熱を奪って蒸発する。
【0054】
室内熱交換器42から流出するガス冷媒は、図5に破線矢印で示すように、冷房側室内ユニットに対応する切換ユニットBのガス管33を通って吸込ガス管23に流れる。吸込ガス管23に流れたガス冷媒は、低圧側配管10、アキュームレータ11、冷媒吸込管12を通って圧縮機1に吸込まれる。
【0055】
こうして、冷房側室内ユニットにおける室内熱交換器42が蒸発器として機能することにより、冷房側室内ユニットが設置されている部屋が冷房される。
【0056】
一方、暖房側室内ユニットに対応する切換ユニットBで暖房用流路が設定されていることにより、圧縮機1から吐出されたガス冷媒が高圧側配管4、ガス管14、吐出ガス管22、同切換ユニットBのガス管32を通り、暖房側室内ユニットの室内熱交換器42に流入する。室内熱交換器42に流入したガス冷媒は、室内空気に熱を奪われて凝縮する。
【0057】
暖房側室内ユニットの室内熱交換器42から流出する液冷媒は、室内流量調整弁41を通って液管21に流れ、冷房側室内ユニットに向かう液冷媒の流れに合流する。
【0058】
こうして、暖房側室内ユニットにおける室内熱交換器42が凝縮器として機能することにより、暖房側室内ユニットが設置されている部屋が暖房される。
【0059】
この同時冷房に際し、冷房側室内ユニットの冷房負荷と暖房側室内ユニットの暖房負荷との総負荷が求められ、その総負荷に応じて圧縮機1の容量(インバータ60の出力周波数)が制御される。
【0060】
冷房側室内ユニットでは、室内熱交換器42に流入する液冷媒の温度T1が各温度センサ44により検知され、室内熱交換器42から流出するガス冷媒の温度T2が各温度センサ45により検知され、両検知温度の差(=T2−T1)が室内熱交換器42における冷媒の過熱度SHとして検出される。そして、この過熱度SHが予め定められた目標値SHOを維持するよう、室内流量調整弁41の開度が制御される。この過熱度制御により、各室内ユニットCの冷房負荷に見合う最適量の液冷媒がそれぞれの室内ユニットCに分配される。
【0061】
暖房側室内ユニットでは、室内熱交換器42に流入するガス冷媒の温度T2が温度センサ45により検知され、室内熱交換器42から流出する液冷媒の温度T1が温度センサ44により検知され、この両検知温度の差(=T1−T2)が室内熱交換器42における冷媒の過冷却度SCとして検出される。そして、この過冷却度SCが予め定められた目標値SCOを維持するよう、室内流量調整弁41の開度が制御される。この過冷却度制御により、各室内ユニットCの暖房負荷に見合う最適量のガス冷媒がそれぞれの室内ユニットCに分配される。
【0062】
室外ユニットAでは、主熱交換器6aから流出する液冷媒の温度が温度センサ19aで検知され、その検知温度が主熱交換器6aにおける冷媒の凝縮圧力として求められる。この凝縮圧力が所定値以上を保つよう、室外ファン7の風量(外気導入量)が制御される。この風量制御により、暖房側室内ユニットの十分な暖房能力が確保される。
【0063】
(6)同時冷房(サブ)
上記の同時冷房が行われているとき、外気温が低くなったり、あるいは総負荷の減少(冷房負荷と暖房負荷との差が小さくなる)に伴う圧縮機容量低減によって冷凍サイクル中の冷媒循環量が減少すると、主熱交換器6aにおける冷媒の凝縮圧力が低下し(外気への放熱量が減少し)、適切な冷房が困難になってしまう。
【0064】
そこで、主熱交換器6aから流出する液冷媒の温度が温度センサ19aで検知され、その検知温度が主熱交換器6aにおける冷媒の凝縮圧力として求められる。上記室外ファン7の風量制御にもかかわらず、この凝縮圧力が予め定められている設定値よりも低くなった場合は、四方弁5が通電オン、流量調整弁8aが全閉、流量調整弁8bが全開または開度制御されて第2流路および第3流路が形成される。第1流路および第4流路は遮断される。
【0065】
第2流路の形成により、圧縮機1から吐出されるガス冷媒が四方弁5を通って補助熱交換器6bへ流れ、補助熱交換器6bが凝縮器として機能する。この場合、流量調整弁8bが全開されているが、流量調整弁8bの口径が流量調整弁8aの口径よりも小さいので、補助熱交換器6bの容量に合わせた適正量のガス冷媒が補助熱交換器6bに流れるとともに、補助熱交換器6bの上流側高圧側配管4からガス管14、吐出ガス管22、暖房側室内ユニットへと分流するガス冷媒の量が十分に確保される。
【0066】
こうして、容量が小さい方の補助熱交換器6bが凝縮器として使用されることにより、しかも補助熱交換器6bについてはその容量が主熱交換器6aの容量の20%以下と十分に小さく設定されていることにより、たとえ外気温が低くなっても、また総負荷の減少に伴う圧縮機容量低減によって冷凍サイクル中の冷媒循環量が減少しても、補助熱交換器6bおよび暖房側室内ユニットにおける凝縮器での冷媒の凝縮圧力を十分に高い状態に保つことができる。よって、冷房側室内ユニットにおける適切かつ安定した冷房が可能になる。
【0067】
外気温が低くなっても、凝縮器における冷媒の凝縮圧力を十分に高い状態に保つことができるので、冷房の許容運転温度範囲を低温度側に拡大することができる。冷凍サイクル中の冷媒循環量が減少しても、凝縮器における冷媒の凝縮圧力を十分に高い状態に保つことができるので、室内熱交換器42の許容最小容量を小容量側に拡大することができる。
【0068】
なお、第3流路の形成によって主熱交換器6aと低圧側配管10とが四方弁5を通して導通するが、流量調整弁8aが全閉しているので、主熱交換器6a内の滞留冷媒が圧縮機1の吸込側へ回収される。この回収により、主熱交換器6aでの冷媒寝こみを防止することができる。
【0069】
また、補助熱交換器6bから流出する液冷媒の温度が温度センサ19bで検知され、その検知温度が補助熱交換器6bにおける冷媒の凝縮圧力として検出される。この凝縮圧力が所定値以上を保つよう、室外ファン7の風量(外気導入量)が制御される。この風量制御により、暖房側室内ユニットの十分な暖房能力が確保される。
【0070】
補助熱交換器6bから流出する冷媒の温度(凝縮温度)が温度センサ19bで検知され、その検知温度に基づいて補助熱交換器6bにおける冷媒の凝縮圧力が求められている。この凝縮圧力が外気温の上昇や冷媒循環量の増大に伴って所定値以上に上昇すると、四方弁5が通電オフされ、流量調整弁8aが全開または開度制御され、流量調整弁8bの全閉されて、上記(5)の主熱交換器6aの使用による冷・暖同時運転に復帰する。
【0071】
(7)同時暖房
各室内ユニットCが冷房運転と暖房運転に分かれ、暖房負荷が冷房負荷より大きい場合、暖房主体の冷・暖同時運転モード(以下、同時暖房という)が設定される。
【0072】
この同時暖房では、図6に示すように、室外ユニットAでは四方弁5が通電オン、流量調整弁8aが開度制御(過熱度制御)、流量調整弁8bが全閉されて第2流路および第3流路が形成される。暖房側室内ユニットに対応する切換ユニットBでは、二方弁34が開放、二方弁35が閉成されて暖房用流路が形成される。冷房側室内ユニットに対応する切換ユニットBでは、二方弁34が閉成、二方弁35が開放されて冷房用流路が形成される。暖房側室内ユニットでは、室内流量調整弁41が開度制御(過冷却度制御)される。冷房側室内ユニットでは、室内流量調整弁41が開度制御(過熱度制御)される。
【0073】
暖房側室内ユニットに対応する切換ユニットBで暖房用流路が設定されることにより、図6に実線矢印で示すように、圧縮機1から吐出されたガス冷媒が高圧側配管4、ガス管14、吐出ガス管22、同切換ユニットBのガス管32を通り、暖房側室内ユニットの室内熱交換器42に流入する。室内熱交換器42に流入したガス冷媒は、室内空気に熱を奪われて凝縮する。
【0074】
暖房側室内ユニットの室内熱交換器42から流出する液冷媒は、室内流量調整弁41、暖房側室内ユニットに対応する切換ユニットBの液管31、および液管21を通って冷媒調整タンク9に流れる。冷媒調整タンク9を経た液冷媒は、室外ユニットAで第3流路が形成されていることにより、流量調整弁8a、主熱交換器6a、低圧側配管10、アキュームレータ11、および冷媒吸込管12を通り、圧縮機1に吸込まれる。主熱交換器6aに流れた液冷媒は、外気から熱を吸収して蒸発する。
【0075】
こうして、暖房側室内ユニットにおける室内熱交換器42が凝縮器として機能することにより、暖房側室内ユニットが設置されている部屋が暖房される。
【0076】
一方、冷房側室内ユニットに対応する切換ユニットBで冷房用流路が設定されていることにより、暖房側室内ユニットの室内熱交換器42から流出して液管21に流れた液冷媒の一部が、冷房側室内ユニットに対応する切換ユニットBの液管31に流入する。流入した液冷媒は、冷房側室内ユニットの室内流量調整弁41を通って、冷房側室内ユニットの室内熱交換器42に流入する。室内熱交換器42に流入した液冷媒は、室内空気から熱を奪って蒸発する。
【0077】
こうして、冷房側室内ユニットの室内熱交換器42が蒸発器として機能することにより、冷房側室内ユニットが設置されている部屋が冷房される。
【0078】
室内熱交換器42から流出するガス冷媒は、図6に破線矢印で示すように、冷房側室内ユニットに対応する切換ユニットBのガス管33を通って吸込ガス管23に流れる。吸込ガス管23に流れたガス冷媒は、低圧側配管10、アキュームレータ11、冷媒吸込管12を通って圧縮機1に吸込まれる。
【0079】
この同時暖房に際し、暖房側室内ユニットの暖房負荷と冷房側室内ユニットの冷房負荷との総和が求められ、その総負荷に応じて圧縮機1の容量(インバータ60の出力周波数)が制御される。
【0080】
冷房側室内ユニットでは、室内熱交換器42に流入する液冷媒の温度T1が各温度センサ44により検知されるとともに、室内熱交換器42から流出するガス冷媒の温度T2が各温度センサ45により検知され、両検知温度の差(=T2−T1)が室内熱交換器42における冷媒の過熱度SHとして検出される。そして、この過熱度SHが予め定められた目標値SHOを維持するよう、室内流量調整弁41の開度が制御される。この過熱度制御により、各室内ユニットCの冷房負荷に見合う最適量の液冷媒がそれぞれの室内ユニットCに分配される。
【0081】
暖房側室内ユニットでは、室内熱交換器42に流入するガス冷媒の温度T2が温度センサ45により検知され、室内熱交換器42から流出する液冷媒の温度T1が温度センサ44により検知され、この両検知温度の差(=T1−T2)が室内熱交換器42における冷媒の過冷却度SCとして検出される。そして、この過冷却度SCが予め定められた目標値SCOを維持するよう、室内流量調整弁41の開度が制御される。この過冷却度制御により、各室内ユニットCの暖房負荷に見合う最適量のガス冷媒がそれぞれの室内ユニットCに分配される。
【0082】
室外ユニットAでは、主熱交換器6aに流入する冷媒の温度Tiaが温度センサ19aで検知され、主熱交換器6aから流出して圧縮機1に吸込まれる冷媒の温度Tsが温度センサ18で検知され、両検知温度の差が主熱交換器6aにおける冷媒の過熱度SH(=Ts−Tia)として検出される。そして、この過熱度SHが予め定められた目標値SHOを維持するよう、流量調整弁8aの開度が制御される。
【0083】
温度センサ18の検知温度Tsに基づいて主熱交換器6aにおける冷媒の蒸発圧力が求められ、その蒸発圧力が所定値以上を保つよう、室外ファン7の風量(外気導入量)が制御される。この風量制御により、冷房側室内ユニットの十分な冷房能力が確保される。
【0084】
(8)同時暖房(サブ)
上記の同時暖房が行われているとき、外気温が高くなったり、あるいは総負荷の減少(暖房負荷と冷房負荷との差が小さくなる)に伴う圧縮機容量低減によって冷凍サイクル中の冷媒循環量が減少すると、主熱交換器6aにおける冷媒の蒸発圧力が上昇し、適切な暖房が困難になってしまう。
【0085】
そこで、主熱交換器6aから流出して圧縮機1に吸込まれる冷媒の圧力が圧力センサ17により検知され、その検知圧力に基づいて主熱交換器6aにおける冷媒の蒸発圧力が求められる。上記室外ファン7の風量制御にもかかわらず、この蒸発圧力が予め定められている設定値よりも高くなった場合には、四方弁5が通電オフ、流量調整弁8aが全閉、流量調整弁8bが開度制御(過熱度制御)されて第2流路および第3流路が形成される。第1流路および第4流路は遮断される。
【0086】
第2流路の形成により、圧縮機1から吐出されるガス冷媒が四方弁5を通って補助熱交換器6bへ流れ、補助熱交換器6bが蒸発器として機能する。この場合、流量調整弁8bが開度制御されるが、流量調整弁8bの口径が流量調整弁8aの口径よりも小さいので、補助熱交換器6bの容量に合わせた適正量のガス冷媒が補助熱交換器6bに流れるとともに、補助熱交換器6bの上流側の高圧側配管4からガス管14、吐出ガス管22、暖房側室内ユニットへと流れるガス冷媒の量が十分に確保される。
【0087】
こうして、容量が小さい方の補助熱交換器6bが蒸発器として使用されることにより、しかも補助熱交換器6bについてはその容量が主熱交換器6aの容量の20%以下と十分に小さく設定されていることにより、たとえ外気温が高くなっても、また総負荷の減少に伴う圧縮機容量低減によって冷凍サイクル中の冷媒循環量が減少しても、蒸発器における冷媒の蒸発圧力を十分に高い状態に保つことができる。よって、外気からの汲み上げ熱量を十分に確保することができ、ひいては暖房側室内ユニットにおける適切かつ安定した暖房が可能になる。
【0088】
外気温が高くなっても、蒸発器における冷媒の蒸発圧力を十分に低い状態に保つことができるので、暖房の許容運転温度範囲を高温度側に拡大することができる。冷凍サイクル中の冷媒循環量が減少しても、蒸発器における冷媒の蒸発圧力を十分に低い状態に保つことができるので、室内熱交換器42の許容最小容量を小容量側に拡大することができる。
【0089】
なお、第3流路の形成によって主熱交換器6aと低圧側配管10とが四方弁5を通して導通するが、流量調整弁8aが全閉しているので、主熱交換器6a内の滞留冷媒が圧縮機1の吸込側へ回収される。この回収により、主熱交換器6aでの冷媒寝こみを防止することができる。
【0090】
また、温度センサ18の検知温度Tsに基づいて補助熱交換器6bにおける冷媒の蒸発圧力が求められ、その蒸発圧力が所定値以上を保つよう、室外ファン7の風量(外気導入量)が制御される。この風量制御により、冷房側室内ユニットの十分な冷房能力が確保される。
【0091】
補助熱交換器6bから流出して圧縮機1に吸込まれる冷媒の圧力が圧力センサ17により検知され、その検知圧力に基づいて主熱交換器6aにおける冷媒の蒸発圧力が求められている。この蒸発圧力が外気温の低下や冷媒循環量の増大によって所定値以下に低下すると、四方弁5が通電オフされ、流量調整弁8aが全開および開度制御(過熱度制御)され、流量調整弁8bが全閉されて、上記(7)の主熱交換器6aの使用による冷・暖同時運転に復帰する。
【0092】
(9)熱交不使用同時運転
各室内ユニットCが冷房と暖房に分かれ、冷房負荷と暖房負荷とがほぼ等しい場合、主熱交換器6aおよび補助熱交換器6bを使用しない冷・暖同時運転モード(以下、熱交不使用同時運転)が設定される。
【0093】
この熱交不使用同時運転では、図7に示すように、室外ユニットAの四方弁5が通電オン、流量調整弁8aが全閉、流量調整弁8bが微小開度設定されて第2流路および第3流路が形成される。暖房側室内ユニットに対応する切換ユニットBでは、二方弁34が開放、二方弁35が閉成されて暖房用流路が形成される。冷房側室内ユニットに対応する切換ユニットBでは、二方弁34が閉成、二方弁35が開放されて冷房用流路が形成される。暖房側室内ユニットでは、室内流量調整弁41が開度制御(過冷却度制御)される。冷房側室内ユニットでは、室内流量調整弁41が開度制御(過熱度制御)される。
【0094】
暖房側室内ユニットに対応する切換ユニットBで暖房用流路が設定されることにより、図7に実線矢印で示すように、圧縮機1から吐出されたガス冷媒が高圧側配管4、ガス管14、吐出ガス管22、同切換ユニットBのガス管32を通り、暖房側室内ユニットの室内熱交換器42に流入する。室内熱交換器42に流入したガス冷媒は、室内空気に熱を奪われて凝縮する。こうして、暖房側室内ユニットの室内熱交換器42が凝縮器として機能することにより、暖房側室内ユニットが設置されている部屋が暖房される。
【0095】
暖房側室内ユニットの室内熱交換器42から流出する液冷媒は、室内流量調整弁41、暖房側室内ユニットに対応する切換ユニットBの液管31を通って、液管21に流れる。
【0096】
液管21に流れた液冷媒は、冷房側室内ユニットに対応する切換ユニットBの液管31を通り、冷房側室内ユニットの室内熱交換器42に流入する。室内熱交換器42に流入した液冷媒は、室内空気から熱を奪って蒸発する。こうして、冷房側室内ユニットにおける室内熱交換器42が蒸発器として機能することにより、冷房側室内ユニットが設置されている部屋が冷房される。
【0097】
冷房側室内ユニットの室内熱交換器42から流出するガス冷媒は、図7に破線矢印で示すように、冷房側室内ユニットに対応する切換ユニットBのガス管33を通って、吸込ガス管23に流れる。吸込ガス管23に流れたガス冷媒は、低圧側配管10、アキュームレータ11、および冷媒吸込管12を通り、圧縮機1に吸込まれる。
【0098】
冷房側室内ユニットで室内空気から奪った熱が、暖房側室内ユニットでの暖房熱としてそのまま有効利用されることになる。
【0099】
室外ユニットAでは、圧縮機1が所定容量に設定されるとともに、室外ファン7の運転が停止される。また、第3流路の形成によって主熱交換器6aと低圧側配管10とが四方弁5を通して導通し、しかも流量調整弁8aが全閉しているので、主熱交換器6a内の滞留冷媒が圧縮機1の吸込側へ回収される。この回収により、主熱交換器6aでの冷媒寝こみを防止することができる。とくに、流量調整弁8bが微小開度に設定されるので、圧縮機1から吐出された冷媒の圧力が四方弁4、補助熱交換器6b、流量調整弁8bを通って液管21に加わる。この加圧により、暖房側室内ユニットから液管21へと流れた液冷媒が、室外ユニットA側に逆流することなく、冷房側室内ユニットに確実に流れる。
【0100】
暖房側室内ユニットでは、室内熱交換器42に流入するガス冷媒の温度T2が温度センサ45により検知され、室内熱交換器42から流出する液冷媒の温度T1が温度センサ44により検知され、この両検知温度の差(=T1−T2)が室内熱交換器42における冷媒の過冷却度SCとして検出される。そして、この過冷却度SCが予め定められた目標値SCOを維持するよう、室内流量調整弁41の開度が制御される。この過冷却度制御により、各室内ユニットCの暖房負荷に見合う最適量のガス冷媒がそれぞれの室内ユニットCに分配される。
【0101】
冷房側室内ユニットでは、室内熱交換器42に流入する液冷媒の温度T1が各温度センサ44により検知され、室内熱交換器42から流出するガス冷媒の温度T2が各温度センサ45により検知され、両検知温度の差(=T2−T1)が室内熱交換器42における冷媒の過熱度SHとして検出される。そして、この過熱度SHが予め定められた目標値SHOを維持するよう、室内流量調整弁41の開度が制御される。この過熱度制御により、各室内ユニットCの冷房負荷に見合う最適量の液冷媒がそれぞれの室内ユニットCに分配される。
【0102】
上記(1)〜(9)の各運転モードにおける主熱交換器6a、補助熱交換器6b、四方弁5、流量調整弁8a、流量調整弁8b、二方弁34,35、室内流量調整弁41の動作パターンを図8にまとめて示している。
【0103】
以上のように、室外ユニットAの主熱交換器6aと補助熱交換器6bを1つの四方弁5によって使い分けることができ、これにより、従来の多数の二方弁を使用する場合のようなコストの上昇を招くことなく、各室内ユニットの冷房負荷および暖房負荷に見合う最適な冷・暖同時運転を行うことができる。
【0104】
[2]第2の実施形態について説明する。
暖房負荷が冷房負荷より大きい場合に実施される同時暖房(暖房主体の冷・暖同時運転)に際し、第1の実施形態では、蒸発圧力に基づいて主熱交換器6aと補助熱交換器6bを使い分ける構成としたが、この第2の実施形態では、制御部50の制御により、蒸発器における冷媒の過熱度制御に基づいて、かつ暖房負荷と冷房負荷との差に基づいて、主熱交換器6aと補助熱交換器6bを使い分けるようにしている。この場合の動作を図9に示している。
【0105】
以下、具体的に説明する。
まず、暖房負荷と冷房負荷との差が求められ、その差が設定値S1より大きければ、四方弁5が通電オン、流量調整弁8aが開度制御(過熱度制御)、流量調整弁8bが全閉されて第3流路が形成される。これにより、主熱交換器6aが蒸発器として使用される冷・暖同時運転が実行される。
【0106】
この冷・暖同時運転では、上記(7)の同時暖房で説明したように、主熱交換器6aにおける冷媒の過熱度SHが検出され、その過熱度SHが目標値SHOを維持するよう流量調整弁8bの開度が制御される。たとえば、総負荷の減少(暖房負荷と冷房負荷との差が小さくなる)に伴う圧縮機容量低減によって冷凍サイクル中の冷媒循環量が減少した場合、主熱交換器6aによる外気からの汲み上げ熱量が減少して過熱度SHが低下する。これを補うために(過熱度SHを上昇させるために)、流量調整弁8aの開度が縮小方向に制御される。
【0107】
ただし、過熱度SHが目標値SHOに達しないまま(SH<SHO)、流量調整弁8aの開度が予め定められている許容最小開度に到達してしまうことがある(冷媒流量をそれ以上は絞りきれない状態)。この場合には、四方弁5が通電オフ、流量調整弁8aが全閉、流量調整弁8bが開度制御(過熱度制御)されて第4流路が形成され(第3流路は遮断)、補助熱交換器6bが蒸発器として使用される冷・暖同時運転に切換わる。
【0108】
暖房負荷と冷房負荷との差が設定値S1以下に減少した場合にも、同様に、補助熱交換器6bが蒸発器として使用される冷・暖同時運転に切換わる。
【0109】
その後、暖房負荷と冷房負荷との差が設定値S1より高くなると、主熱交換器6aが蒸発器として使用される冷・暖同時運転に復帰する。
【0110】
なお、各室内ユニットが全て暖房である上記(3)の単独暖房では、蒸発器における冷媒の過熱度制御に基づいて、かつ各暖房負荷の総和に基づいて、主熱交換器6aと補助熱交換器6bが使い分けられる。総暖房負荷に基づいて主熱交換器6aと補助熱交換器6bを使い分ける点のみ、同時暖房の場合と異なる。
【0111】
この第2の実施形態の他の構成および作用については、第1の実施形態と同じである。
【0112】
[3]第3の実施形態について説明する。
補助熱交換器6bが蒸発器として使用される上記(4)の単独暖房(サブ)および上記(8)の同時暖房(サブ)において、制御部50の制御により、定期的または必要に応じて、冷媒回収制御を実行するようにしている。すなわち、各室内ユニットCのうち停止室内ユニットに吐出ガス管22のガス冷媒が導かれてその停止室内ユニットから流出する冷媒が液管21に導かれるとともに、四方弁5の通電オンにより第3流路が形成されて主熱交換器6a内の滞留冷媒が圧縮機1の吸込側に導かれる。この場合の動作を図10に示している。
【0113】
以下、具体的に説明する。
補助熱交換器6bを蒸発器として使用する単独暖房(サブ)および同時暖房(サブ)では、四方弁5が通電オフのため、高圧側配管4のガス冷媒が四方弁5を通って非使用状態の主熱交換器6aに流入し、その主熱交換器6aに冷媒が滞留してしまう。この滞留分だけ、冷凍サイクル中の冷媒が不足気味となってしまう。
【0114】
そこで、各室内ユニットCのいずれかが運転停止状態にあれば(二方弁34,35が閉成状態)、定期的または必要に応じて、冷媒回収制御が実行される。この冷媒回収制御では、停止室内ユニットの二方弁34が開放され且つ室内流量調整弁41が所定開度に設定される。これにより、高圧側配管4から吐出ガス管22に流れているガス冷媒が、ガス管32を通って停止室内ユニットの室内熱交換器42に流入する。室内熱交換器42に流入した冷媒は、室内熱交換器42に滞留する冷媒を伴ってその室内熱交換器42から流出し、液管21に導かれる。液管21に導かれた冷媒は、低圧側配管10を通って圧縮機1に回収される。
【0115】
この回収に加え、四方弁5が通電オンされて第3流路が形成される(流量調整弁8aは閉成状態を維持している)。この第3流路の形成により、主熱交換器6a内に滞留する冷媒が四方弁4および低圧側配管10を通って圧縮機1に回収される。
【0116】
こうして、停止室内ユニットおよび主熱交換器6aに滞留する冷媒が圧縮機1の吸込側に回収されることにより、冷凍サイクル中の冷媒が不足気味となる不具合を解消することができる。なお、この冷媒回収制御は、開始から一定時間後に解除される。
この第3の実施形態の他の構成および作用については、第1の実施形態と同じである。
【0117】
[4]第4の実施形態について説明する。
主熱交換器6aが蒸発器として使用される上記(3)の単独暖房および上記(7)の同時暖房においては、制御部50の制御により、定期的または必要に応じて、除霜運転を実行するようにしている。すなわち、四方弁5が通電オフされて第1流路が形成され、圧縮機1から吐出される高温冷媒が主熱交換器6aに供給される。これにより、主熱交換器6aが除霜される。この除霜に際しては、同時に第4流路が形成されており、補助熱交換器6b内の滞留冷媒が圧縮機1の吸込側に回収される(冷媒回収制御)。
【0118】
また、補助熱交換器6bが蒸発器として使用される上記(4)の単独暖房(サブ)および上記(8)の同時暖房(サブ)においては、制御部50の制御により、定期的または必要に応じて、除霜運転を実行するようにしている。すなわち、四方弁5が通電オンされて第2流路が形成され、圧縮機1から吐出される高温冷媒が補助熱交換器6bに供給される。これにより、補助熱交換器6bが除霜される。この除霜に際しては、同時に第3流路が形成されており、主熱交換器6a内の滞留冷媒が圧縮機1の吸込側に回収される(冷媒回収制御)。
この除霜に関する動作を図11に示している。以下、具体的に説明する。
主熱交換器6aが蒸発器として使用される単独暖房および同時暖房では、主熱交換器6aに徐々に霜が付着し、そのままでは主熱交換器6aにおける熱交換量が減少してしまう。
【0119】
そこで、定期的または必要に応じて、四方弁5が通電オフされて第1流路が形成されるとともに、流量調整弁8aが所定の除霜開度に設定される。これにより、圧縮機1から吐出される高温のガス冷媒が四方弁5を通って主熱交換器6aに流入し、その主熱交換器6aから流出する冷媒が流量調整弁8aを通って液管21側に流れる。このとき、主熱交換器6aに流入したガス冷媒の熱により、主熱交換器6aに付着している霜が解けて除去される。
【0120】
この除霜に際し、同時に第4流路が形成されており、補助熱交換器6bが四方弁5を通して低圧側配管10に導通する。これにより、補助熱交換器6b内の滞留冷媒が圧縮機1の吸込側に回収される。この回収により、冷凍サイクル中の冷媒が不足気味とならない。
【0121】
補助熱交換器6bが蒸発器として使用される単独暖房(サブ)および同時暖房(サブ)では、補助熱交換器6bに徐々に霜が付着し、そのままでは補助熱交換器6bにおける熱交換量が減少してしまう。
【0122】
そこで、定期的または必要に応じて、四方弁5が通電オンされて第2流路が形成されるとともに、流量調整弁8bが所定の除霜開度に設定される。これにより、圧縮機1から吐出される高温のガス冷媒が四方弁5を通って補助熱交換器6bに流入し、その補助熱交換器6bから流出する冷媒が流量調整弁8bを通って液管21側に流れる。このとき、補助熱交換器6bに流入したガス冷媒の熱により、補助熱交換器6bに付着している霜が解けて除去される。
【0123】
この除霜に際し、同時に第3流路が形成されており、主熱交換器6aが四方弁5を通して低圧側配管10に導通する。これにより、主熱交換器6a内の滞留冷媒が圧縮機1の吸込側に回収される。この回収により、冷凍サイクル中の冷媒が不足気味とならない。
【0124】
こうして、主熱交換器6aおよび補助熱交換器6bが除霜されることにより、主熱交換器6aおよび補助熱交換器6bにおける熱交換量の減少を回避することができて、暖房に必要な量の熱を外気から確実に汲み上げることができる。なお、除霜は、開始から一定時間後に解除される。
この第4の実施形態の他の構成および作用については、第1の実施形態と同じである。
【0125】
[5]第5の実施形態について説明する。
主熱交換器6aが凝縮器として使用される上記(1)の単独冷房および上記(5)の同時冷房において、制御部50の制御により、定期的または必要に応じて、油回収制御を実行するようにしている。すなわち、冷房側室内ユニットに対応する室内流量調整弁41の開度が所定開度以上に増大され且つ圧縮機1の容量が所定容量以上に増大されて、冷媒流路中に圧縮機1から流出している潤滑油が圧縮機1に回収される。
また、補助熱交換器6bが凝縮器として使用される上記(2)の単独冷房(サブ)および上記(6)の同時冷房(サブ)においても、制御部50の制御により、定期的または必要に応じて、油回収制御を実行するようにしている。すなわち、冷房側室内ユニットに対応する室内流量調整弁41の開度が所定開度以上に増大され且つ圧縮機1の容量が所定容量以上に増大されて、圧縮機1から冷媒流路(冷凍サイクル)中に流出している潤滑油が圧縮機1に回収される。
これら油回収制御に際し、圧縮機1の吐出冷媒圧力Pdが所定値Pd1以上に異常上昇しないよう、室外ファン7の風量つまり外気導入量が制御される。なお、容量の小さい補助熱交換器6bが凝縮器として使用される場合、吐出冷媒圧力Pdの上昇を抑えきれないまま、室外ファン7の風量が最大風量(外気導入量が上限)に達することがある。この場合には、四方弁5が通電オフされて第1流路が形成され、凝縮器が補助熱交換器6bから主熱交換器6aに切換わる。
この油回収に関する動作を図12に示している。以下、具体的に説明する。 単独冷房、同時冷房、単独冷房(サブ)、および同時冷房(サブ)では、冷房側室内ユニットで過熱度制御が行われるため、冷房側室内ユニットから流出するガス冷媒が乾き状態となる(液成分を含み難い状態)。この乾き状態のガス冷媒が、ガス管33、吸込ガス管23、低圧側配管10、アキュームレータ11、冷媒吸込管12を通って圧縮機1に吸込まれる。
【0126】
乾き状態のガス冷媒が圧縮機1に吸込まれる状況では、冷凍サイクル中に流出した潤滑油が圧縮機1に戻り難い。
【0127】
そこで、定期的または必要に応じて、冷房側室内ユニットにおける室内流量調整弁41の開度が、過熱度制御を無視する形で、所定開度以上に増大される。同時に、圧縮機1の容量が所定容量以上に増大される。
【0128】
室内流量調整弁41の開度が増大され、しかも圧縮機1の容量が増大されることにより、冷媒の循環量(流速)が増えて、液成分を含んだ湿り気味のガス冷媒が圧縮機1に吸込まれるようになる(液バック気味)。これにより、冷凍サイクル中に流出している潤滑油が圧縮機1に戻り易くなる。
【0129】
この油回収に伴い、圧縮機1から吐出される冷媒の圧力Pdが圧力センサ16により検知され、その検知圧力Pdが所定値Pd1以上に異常上昇しないよう、室外ファン7の風量つまり補助熱交換器6bに対する外気の導入量が制御される。
【0130】
ただし、容量の小さい補助熱交換器6bが凝縮器として使用される単独冷房(サブ)および同時冷房(サブ)では、検知圧力Pdの上昇を抑えきれないまま、室外ファン7の風量が最大風量(外気導入量が上限)に達することがある。
【0131】
室外ファン7の風量が最大風量(外気導入量が上限)に達し、しかも検知圧力Pdが所定値Pd1を超えてPd2以上まで上昇した場合には、四方弁5が通電オフされて第1流路が形成されるとともに、流量調整弁8aが全開されて流量調整弁8bが全閉される。これにより、凝縮器が補助熱交換器6bから主熱交換器6aに切換わる。容量の大きい主熱交換器6aが凝縮器として使用されることにより、室外ファン7の風量が最大風量に達することなく、検知圧力Pdの異常上昇を確実に抑えることができる。
なお、油回収制御は、開始から一定時間後に解除される。
この第5の実施形態の他の構成および作用については、第1の実施形態と同じである。
【0132】
なお、この発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、要旨を変えない範囲で種々変形実施可能である。
【0133】
【発明の効果】
以上述べたようにこの発明によれば、室外ユニットの主熱交換器および補助熱交換器を1つの四方弁により使い分けることができる簡単な構成により、主熱交換器および補助熱交換器を有効に活用できるので、コストの上昇を招くことなく、各室内ユニットの冷房負荷および暖房負荷に見合う最適な冷・暖同時運転が可能な空気調和機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各実施形態の構成および単独冷房時の冷媒の流れを示す図。
【図2】各実施形態における単独冷房(サブ)時の冷媒の流れを示す図。
【図3】各実施形態における単独暖房時の冷媒の流れを示す図。
【図4】各実施形態における単独暖房(サブ)時の冷媒の流れを示す図。
【図5】各実施形態における同時冷房時の冷媒の流れを示す図。
【図6】各実施形態における同時暖房時の冷媒の流れを示す図。
【図7】各実施形態における熱交不使用同時運転時の冷媒の流れを示す図。
【図8】各実施形態における運転モードごとの各部の動作パターンを示す図。
【図9】第2の実施形態の動作を説明するための流れ図。
【図10】第3の実施形態の動作を説明するための流れ図。
【図11】第4の実施形態の動作を説明するための流れ図。
【図12】第5の実施形態の動作を説明するための流れ図。
【符号の説明】
A…室外ユニット、B…切換ユニット、C…室内ユニット、1…圧縮機、4…高圧側配管、5…四方弁、6a…主熱交換器、6b…補助熱交換器、7…室外ファン、8a…流量調整弁、8b…流量調整弁、10…低圧側配管、14…ガス管、16,17…圧力センサ、18,19a,19b…温度センサ、21…液管、22…吐出ガス管、23…吸込ガス管、31…液管、32,33…ガス管、34,35…二方弁、41…室内流量調整弁、42…室内熱交換器、44,45…温度センサ、50…制御部
【発明の属する技術分野】
この発明は、室外ユニットおよび複数台の室内ユニットを備え、各室内ユニットで冷房と暖房の同時運転が可能な空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
室外ユニットおよび複数台の室内ユニットを備え、各室内ユニットで冷房と暖房の同時運転が可能な空気調和機がある。この空気調和機の例として、容量が互いに異なる複数の室外熱交換器を室外ユニットに設け、冷・暖同時運転時に容量の小さい方の室外熱交換器を使用するものがある。(例えば特許文献1参照)。
【0003】
容量が互いに異なる複数の室外熱交換器を室外ユニットに設けるとともに、その室外ユニットと各室内ユニットとの間に切換ユニットを設け、切換ユニットにおける複数の弁を開閉することで各室内ユニットでの冷媒流れ方向を冷房用と暖房用にそれぞれ設定するとともに、各室内ユニットの要求冷房能力と要求暖房能力とが同じ場合に容量の小さい方の室外熱交換器を使用する空気調和機もある(例えば特許文献2参照)。
【0004】
室外ユニットに複数の室外熱交換器を設けるとともに、室外ユニットと各室内ユニットとの間に切換ユニットを設け、その切換ユニットにおける複数の弁を各室内ユニットの運転モードに応じて開閉することで各室内ユニットに流れる冷媒の方向をそれぞれ冷房用と暖房用に設定するとともに、各室内ユニットの運転モードに応じて各室外熱交換器を選択的に使用する空気調和機もある(例えば特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−332637号公報(図1)
【0006】
【特許文献2】
特許第3035599号公報
【0007】
【特許文献3】
特許第2974179号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記各例のように、室外ユニットの各室外熱交換器を使い分けるものでは、使い分けのための多数の二方弁が室外ユニットに設けられており、コストの上昇を招くという問題がある。二方弁の使用数を減らすと、各室内ユニットの冷房負荷および暖房負荷にそれぞれ見合う最適な運転が不可能となる。
【0009】
この発明は、上記の事情を考慮したもので、室外ユニットの主熱交換器および補助熱交換器を1つの四方弁により使い分けることができ、これによりコストの上昇を招くことなく各室内ユニットの冷房負荷および暖房負荷に見合う最適な冷・暖同時運転が可能な空気調和機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の空気調和機は、室外ユニットと、複数の室内ユニットと、液管と、吐出ガス管と、吸込ガス管と、切換ユニットと、制御手段と、を備えている。
室外ユニットは、圧縮機、四方弁、主熱交換器、補助熱交換器、流量調整弁を有し、圧縮機から主熱交換器へ冷媒が流れる第1流路、圧縮機から補助熱交換器へ冷媒が流れる第2流路、主熱交換器から圧縮機の吸込側へ冷媒が流れる第3流路、補助熱交換器から圧縮機の吸込側へ冷媒が流れる第4流路を上記四方弁により形成する。各室内ユニットは、室内熱交換器を有している。液管は、主熱交換器または補助熱交換器から流出する液冷媒を各室内熱交換器に導くとともに、各室内熱交換器から流出する液冷媒を前記圧縮機の吸込側に導くためのものである。吐出ガス管は、圧縮機の吐出冷媒を各室内熱交換器に導くためのものである。吸込ガス管は、各室内熱交換器から流出するガス冷媒を圧縮機の吸込側に導くためのものである。切換ユニットは、主熱交換器または補助熱交換器から流出して液管に流れる液冷媒を各室内熱交換器に導くとともにその各室内熱交換器から流出するガス冷媒を吸込ガス管に導く冷房用流路、および圧縮機から吐出ガス管に導かれるガス冷媒を各室内熱交換器に導くとともにその各室内熱交換器から流出する液冷媒を液管に導く暖房用流路を選択的に形成する。制御手段は、各室内ユニットの要求運転モードに応じて、室外ユニットにおける各流路の形成および切換ユニットにおける各流路の形成を制御する。
【0011】
【発明の実施の形態】
[1]以下、この発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、室外ユニットAに液管21、吐出ガス管22、吸込ガス管23および複数の切換ユニットBを介して複数の室内ユニットCが接続されている。
【0012】
室外ユニットAにおいて、1は容量可変型の圧縮機で、冷媒を吸込んで圧縮し、圧縮した冷媒を吐出する。この圧縮機1の駆動用としてインバータ60が設けられている。インバータ60は、商用交流電源61の電圧を整流し、その整流後の電圧を後述の制御部50の指令に応じた周波数の交流電圧に変換し、出力する。この出力により、圧縮機1が駆動される。また、圧縮機1は密閉ケースで被われており、その密閉ケースには内部の部品の潤滑作用を保つために潤滑油が入っている。この潤滑油の一部が、冷媒の吐出に伴い、密閉ケースから流出する。
【0013】
圧縮機1の冷媒吐出口に冷媒吐出管2、油分離器(オイルセパレータともいう)3、および高圧側配管4を介して四方弁5が接続されている。油分離器3は、冷媒に含まれている潤滑油を分離して収容する。
四方弁5は、通電オフ時に図示の状態となり、高圧側配管4から主熱交換器(室外熱交換器)6aへ冷媒が流れる第1流路を形成するとともに、補助熱交換器(室外熱交換器)6bから後述の低圧側配管10へ冷媒が流れる第4流路を形成する。また、四方弁5は、通電オン時に切換作動し、高圧側配管4から補助熱交換器6bへ冷媒が流れる第2流路を形成するとともに、主熱交換器6aから後述の低圧側配管10へ冷媒が流れる第3流路を形成する。主熱交換器6aおよび補助熱交換器6bは、流入する冷媒と室外ファン7から供給される外気との熱交換を行う。補助熱交換器6bは、容量が、主熱交換器6aの容量の20%以下である。
【0014】
主熱交換器6aと上記液管21との間の冷媒流路に、流量調整弁(第1流量調整弁)8aおよび冷媒調整タンク(リキッドタンクともいう)9が接続されている。補助熱交換器6bと上記液管21との間の冷媒流路に、流量調整弁(第2流量調整弁)8bおよび上記冷媒調整タンク9が接続されている。流量調整弁8a,8bは、入力される駆動パルス信号の数に応じて開度が連続的に変化するパルスモータバルブいわゆるPMVである。また、流量調整弁8bは、流量調整弁8aよりも小さい口径を有している。
【0015】
上記吸込ガス管23は、低圧側配管10、アキュームレータ11、および冷媒吸込管12を介して圧縮機1の冷媒吸込口に接続されている。そして、上記油分離器3から冷媒吸込管12にかけて、潤滑油を圧縮機1の吸込側に戻すための油戻し管13が接続されている。
【0016】
上記吐出ガス管22は、ガス管14を介して上記高圧側配管4に接続されている。この接続により、圧縮機1から吐出されるガス冷媒が各切換ユニットBおよび各室内ユニットCに導かれる。
【0017】
上記冷媒吐出管2に圧力センサ16が設けられ、冷媒吸込管12に圧力センサ17および温度センサ18が設けられている。圧力センサ16は、圧縮機1から吐出される冷媒の圧力Pdを検知する。圧力センサ17および温度センサ18は、圧縮機1に吸込まれる冷媒の圧力Psおよび温度Tsを検知する。
【0018】
上記主熱交換器6aと流量調整弁8aとの間の配管に、冷媒の温度を検知するための温度センサ19aが設けられている。補助熱交換器6bと流量調整弁8bとの間の配管に、冷媒の温度を検知するための温度センサ19bが設けられている。
各切換ユニットBは、液管31、ガス管32,33、二方弁34,35を有し、主熱交換器6aおよび補助熱交換器6bのいずれかから流出して液管21に流れる液冷媒を液管31を通して各室内ユニットCに導くとともにその各室内ユニットCから流出するガス冷媒をガス管33および二方弁35を通して吸込ガス管23に導く冷房用流路、および圧縮機1から吐出されて吐出ガス管22に流れるガス冷媒をガス管32および二方弁34を通して各室内ユニットCに導くとともにその各室内ユニットCから流出する液冷媒を液管31を通して液管21に導く暖房用流路を、選択的に形成する。
【0019】
各室内ユニットCは、室内流量調整弁41、室内熱交換器42、室内ファン43、温度センサ44,45を有している。室内流量調整弁41は、室内熱交換器42に流れる冷媒の量を調整する。室内熱交換器42は、流入する冷媒と室内ファン43から供給される室内空気との熱交換を行う。温度センサ44,45は、室内熱交換器42に流入する冷媒の温度、および室内熱交換器42から流出する冷媒の温度を検知する。
【0020】
以上の配管接続により、各室内ユニットCの冷・暖同時運転が可能な冷凍サイクルが構成されている。
【0021】
一方、制御部50に、室外ユニットA、各切換ユニットB、各室内ユニットC、および操作部51が接続されている。この制御部50は、主要の機能として、操作部51の操作に基づく各室内ユニットCの運転モードに応じて、室外ユニットAにおける各流路(第1,第2,第3,第4流路)の形成および切換ユニットBにおける各流路(冷房用流路および暖房用流路)の形成を制御する手段を備えている。
【0022】
つぎに、作用を説明する。
(1)単独冷房
各室内ユニットCが全て冷房運転(以下、単独冷房という)のとき、室外ユニットAでは四方弁5が通電オフ、流量調整弁8aが全開、流量調整弁8bが全閉されて第1流路および第4流路が形成される。各切換ユニットBでは二方弁34が閉成(通電オフ)、二方弁35が開放(通電オン)されて冷房流路が形成される。各室内ユニットCでは、室内流量調整弁41が開度制御(過熱度制御)される。
【0023】
第1流路の形成により、図1に実線矢印で示すように、圧縮機1から吐出されるガス冷媒が四方弁5を通って主熱交換器6aへ流れ、主熱交換器6aが凝縮器として機能する。第4流路の形成によって補助熱交換器6bと低圧側配管10とが四方弁5を通して導通するが、流量調整弁8bが全閉しているので、補助熱交換器6b内の滞留冷媒が圧縮機1の吸込側へ回収される。この回収により、補助熱交換器6bに冷媒が液化して溜まり込む、いわゆる冷媒寝こみを防止することができる。
【0024】
主熱交換器6aに流入したガス冷媒は、外気に熱を放出して凝縮する。この液冷媒が、流量調整弁8a、冷媒調整タンク9、液管21、各切換ユニットBの液管31、各室内ユニットCの室内流量調整弁41を通り、各室内ユニットCの室内熱交換器42に流入する。各室内熱交換器42に流入した液冷媒は、室内空気から熱を奪って蒸発する。
【0025】
各室内熱交換器42から流出するガス冷媒は、図1に破線矢印で示すように、切換ユニットBのガス管33を通って吸込ガス管23に流れる。吸込ガス管23に流れたガス冷媒は、低圧側配管10、アキュームレータ11、冷媒吸込管12を通って圧縮機1に吸込まれる。
【0026】
こうして、各室内熱交換器42が蒸発器として機能することにより、各室内ユニットCが設置されている部屋が冷房される。
【0027】
この冷房時、各室内ユニットCが設置されている部屋の冷房負荷(室内温度Taと設定室内温度Tasとの差)の総負荷に応じて圧縮機1の容量(インバータ60の出力周波数)が制御される。
【0028】
各室内ユニットCでは、室内熱交換器42に流入する液冷媒の温度T1が温度センサ44により検知され、室内熱交換器42から流出するガス冷媒の温度T2が温度センサ45により検知され、両検知温度の差(=T2−T1)が室内熱交換器42における冷媒の過熱度SHとして検出される。そして、これら過熱度SHが予め定められた目標値SHOを維持するよう、室内流量調整弁41の開度が制御される。この過熱度制御により、各室内ユニットCの冷房負荷に見合う最適量の液冷媒がそれぞれの室内ユニットCに分配される。
【0029】
(2)単独冷房(サブ)
上記単独冷房が行われているとき、外気温が低くなったり、あるいは各室内ユニットCの冷房負荷の減少(室内ユニットCの運転台数の減少を含む)に伴う圧縮機容量低減によって冷凍サイクル中の冷媒循環量が減少すると、主熱交換器6aにおける冷媒の凝縮圧力が低下し、適切な冷房が困難になってしまう。
【0030】
そこで、主熱交換器6aから流出する冷媒の温度(凝縮温度)が温度センサ19aで検知され、その検知温度に基づいて主熱交換器6aにおける冷媒の凝縮圧力が求められる。この凝縮圧力が予め定められている設定値よりも低くなると、四方弁5が通電オン、流量調整弁8aが全閉、流量調整弁8bが全開されて第2流路および第3流路が形成される。第1流路および第4流路は遮断される。
【0031】
第2流路の形成により、図2に実線矢印で示すように、圧縮機1から吐出されるガス冷媒が四方弁5を通って補助熱交換器6bへ流れ、補助熱交換器6bが凝縮器として機能する。この場合、流量調整弁8bが全開されているが、流量調整弁8bの口径が流量調整弁8aの口径よりも小さいので、補助熱交換器6bの容量に合わせた適正量のガス冷媒が補助熱交換器6bに流れる。
【0032】
こうして、容量が小さい方の補助熱交換器6bが凝縮器として使用されることにより、しかも補助熱交換器6bについてはその容量が主熱交換器6aの容量の20%以下と十分に小さく設定されていることにより、たとえ外気温が低くなっても、また各室内ユニットCの冷房負荷の減少に伴う圧縮機容量低減によって冷凍サイクル中の冷媒循環量が減少しても、凝縮器における冷媒の凝縮圧力を十分に高い状態に保つことができる。よって、適切かつ安定した冷房が可能になる。
【0033】
外気温が低くなっても、凝縮器における冷媒の凝縮圧力を十分に高い状態に保つことができるので、冷房の許容運転温度範囲を低温度側に拡大することができる。冷凍サイクル中の冷媒循環量が減少しても、凝縮器における冷媒の凝縮圧力を十分に高い状態に保つことができるので、室内熱交換器42の許容最小容量を小容量側に拡大することができる。
【0034】
なお、第3流路の形成によって主熱交換器6aと低圧側配管10とが四方弁5を通して導通するが、流量調整弁8aが全閉しているので、主熱交換器6a内の滞留冷媒が圧縮機1の吸込側へ回収される。この回収により、主熱交換器6aでの冷媒寝こみを防止することができる。
【0035】
補助熱交換器6bから流出する冷媒の温度(凝縮温度)が温度センサ19bで検知され、その検知温度に基づいて補助熱交換器6bにおける冷媒の凝縮圧力が求められている。この凝縮圧力が外気温の上昇や冷媒循環量の増大に伴って所定値以上に上昇すると、四方弁5が通電オフされるとともに、流量調整弁8aが全開され、流量調整弁8bの全閉されて、上記(1)の主熱交換器6aの使用による冷房運転に復帰する。
【0036】
(3)単独暖房
各室内ユニットCが全て暖房運転(以下、単独暖房という)のとき、室外ユニットAでは四方弁5が通電オン、流量調整弁8aが開度制御(過熱度制御)、流量調整弁8bが全閉されて第2流路および第3流路が形成される。各切換ユニットBでは二方弁34が開放(通電オン)、二方弁35が閉成(通電オフ)されて暖房用流路が形成される。各室内ユニットCでは、室内流量調整弁41が開度制御(過冷却度制御)される。
【0037】
各切換ユニットBで暖房用流路が設定されることにより、図3に実線矢印で示すように、圧縮機1から吐出されたガス冷媒が高圧側配管4、ガス管14、吐出ガス管22、各切換ユニットBのガス管32を通り、各室内ユニットCの室内熱交換器42に流入する。各室内熱交換器42に流入した液冷媒は、室内空気に熱を奪われて凝縮する。
【0038】
各室内熱交換器42から流出する液冷媒は、室内流量調整弁41、切換ユニットBの液管31、および液管21を通って冷媒調整タンク9に流れる。冷媒調整タンク9を経た液冷媒は、流量調整弁8a、主熱交換器6a、低圧側配管10、アキュームレータ11、および冷媒吸込管12を通り、圧縮機1に吸込まれる。主熱交換器6aに流れた液冷媒は、外気から熱を吸収して蒸発する。
【0039】
こうして、各室内熱交換器42が凝縮器として機能することにより、各室内ユニットCが設置されている部屋が暖房される。
【0040】
この単独暖房時、各室内ユニットCが設置されている部屋の暖房負荷(設定室内温度Tasと室内温度Taとの差)の総負荷に応じて圧縮機1の容量(インバータ60の出力周波数)が制御される。
【0041】
室外ユニットAでは、主熱交換器6aに流入する液冷媒の温度Tiaが温度センサ19aにより検知され、主熱交換器6aから流出して圧縮機1に吸込まれるガス冷媒の温度Tsが温度センサ18により検知され、この両検知温度の差(=Ts−Tia)が主熱交換器6aにおける冷媒の過熱度SHとして検出される。そして、この過熱度SHが予め定められた目標値SHOを維持するよう、流量調整弁8aの開度が制御される。
【0042】
各室内ユニットCでは、室内熱交換器42に流入するガス冷媒の温度T2が温度センサ45により検知され、室内熱交換器42から流出する液冷媒の温度T1が温度センサ44により検知され、この両検知温度の差(=T1−T2)が室内熱交換器42における冷媒の過冷却度SCとして検出される。そして、この過冷却度SCが予め定められた目標値SCOを維持するよう、室内流量調整弁41の開度が制御される。この過冷却度制御により、各室内ユニットCの暖房負荷に見合う最適量のガス冷媒がそれぞれの室内ユニットCに分配される。
【0043】
(4)単独暖房(サブ)
上記単独暖房が行われているとき、外気温が高くなったり、あるいは各室内ユニットCの暖房負荷の減少(室内ユニットCの運転台数の減少を含む)に伴う圧縮機容量低減によって冷凍サイクル中の冷媒循環量が減少すると、主熱交換器6aにおける冷媒の蒸発圧力が上昇し、適切な暖房が困難になってしまう。
【0044】
そこで、主熱交換器6aから流出して圧縮機1に吸込まれる冷媒の圧力が圧力センサ17により検知され、その検知圧力に基づいて主熱交換器6aにおける冷媒の蒸発圧力が求められる。この蒸発圧力が予め定められている設定値よりも高くなると、四方弁5が通電オフ、流量調整弁8aが全閉、流量調整弁8bが開度制御(過熱度制御)されて第1流路および第4流路が形成される。第2流路および第3流路は遮断される。
【0045】
第1流路が形成されると、図4に実線矢印で示すように、冷媒調整タンク9を経た液冷媒が流量調整弁8bおよび補助熱交換器6bを通って低圧側配管10に流れる。
【0046】
こうして、容量が小さい方の補助熱交換器6bが蒸発器として使用されることにより、しかも補助熱交換器6bについてはその容量が主熱交換器6aの容量の20%以下と十分に小さく設定されていることにより、たとえ外気温が高くなっても、また各室内ユニットCの暖房負荷の減少に伴う圧縮機容量低減によって冷凍サイクル中の冷媒循環量が減少しても、蒸発器における冷媒の蒸発圧力を十分に低い状態に保つことができる。よって、適切かつ安定した暖房が可能になる。
【0047】
外気温が高くなっても、蒸発器における冷媒の蒸発圧力を十分に低い状態に保つことができるので、暖房の許容運転温度範囲を高温度側に拡大することができる。冷凍サイクル中の冷媒循環量が減少しても、蒸発器における冷媒の蒸発圧力を十分に低い状態に保つことができるので、室内熱交換器42の許容最小容量を小容量側に拡大することができる。
【0048】
なお、室外ユニットAでは、補助熱交換器6bに流入する液冷媒の温度Tibが温度センサ19bにより検知され、補助熱交換器6bから流出して圧縮機1に吸込まれるガス冷媒の温度Tsが温度センサ18により検知され、この両検知温度の差(=Ts−Tib)が補助熱交換器6bにおける冷媒の過熱度SHとして検出される。そして、この過熱度SHが予め定められた目標値SHOを維持するよう、流量調整弁8bの開度が制御される。
【0049】
補助熱交換器6bから流出して圧縮機1に吸込まれる冷媒の圧力が圧力センサ17により検知され、その検知圧力に基づいて補助熱交換器6bにおける冷媒の蒸発圧力が求められている。この蒸発圧力が外気温の低下や冷媒循環量の増大によって所定値以下に低下すると、四方弁5が通電オンされるとともに、流量調整弁8aが開度制御され、流量調整弁8bが全閉されて、上記(3)の主熱交換器6aの使用による暖房運転に復帰する。
【0050】
(5)同時冷房
各室内ユニットCが冷房運転と暖房運転に分かれ、冷房負荷が暖房負荷より大きい場合、冷房主体の冷・暖同時運転モード(以下、同時冷房という)が設定される。
【0051】
この同時冷房では、図5に示すように、室外ユニットAでは四方弁5が通電オフ、流量調整弁8aが全開または開度制御、流量調整弁8bが全閉されて第1流路および第4流路が形成される。冷房側室内ユニットに対応する切換ユニットBでは、二方弁34が閉成、二方弁35が開放されて、冷房流路が形成される。暖房側室内ユニットに対応する切換ユニットBでは、二方弁34が開放、二方弁35が閉成されて、暖房流路が形成される。冷房側室内ユニットでは、室内流量調整弁41が開度制御(過熱度制御)される。暖房側室内ユニットでは、室内流量調整弁41が開度制御(過冷却度制御)全開される。
【0052】
第1流路の形成により、図5に実線矢印で示すように、圧縮機1から吐出されるガス冷媒が四方弁5を通って主熱交換器6aへ流れ、主熱交換器6aが凝縮器として機能する。第4流路の形成によって補助熱交換器6bと低圧側配管10とが四方弁5を通して導通するが、流量調整弁8bが全閉しているので、補助熱交換器6b内の滞留冷媒が圧縮機1の吸込側へ回収される。この回収により、補助熱交換器6bに冷媒が液化して溜まり込む、いわゆる冷媒寝こみを防止することができる。
【0053】
主熱交換器6aに流入したガス冷媒は、外気に熱を奪われて凝縮する。この液冷媒が、流量調整弁8a、冷媒調整タンク9、液管21、冷房側室内ユニットに対応する切換ユニットBの液管31、冷房側室内ユニットの室内流量調整弁41を通り、その冷房側室内ユニットの室内熱交換器42に流入する。室内熱交換器42に流入した液冷媒は、室内空気から熱を奪って蒸発する。
【0054】
室内熱交換器42から流出するガス冷媒は、図5に破線矢印で示すように、冷房側室内ユニットに対応する切換ユニットBのガス管33を通って吸込ガス管23に流れる。吸込ガス管23に流れたガス冷媒は、低圧側配管10、アキュームレータ11、冷媒吸込管12を通って圧縮機1に吸込まれる。
【0055】
こうして、冷房側室内ユニットにおける室内熱交換器42が蒸発器として機能することにより、冷房側室内ユニットが設置されている部屋が冷房される。
【0056】
一方、暖房側室内ユニットに対応する切換ユニットBで暖房用流路が設定されていることにより、圧縮機1から吐出されたガス冷媒が高圧側配管4、ガス管14、吐出ガス管22、同切換ユニットBのガス管32を通り、暖房側室内ユニットの室内熱交換器42に流入する。室内熱交換器42に流入したガス冷媒は、室内空気に熱を奪われて凝縮する。
【0057】
暖房側室内ユニットの室内熱交換器42から流出する液冷媒は、室内流量調整弁41を通って液管21に流れ、冷房側室内ユニットに向かう液冷媒の流れに合流する。
【0058】
こうして、暖房側室内ユニットにおける室内熱交換器42が凝縮器として機能することにより、暖房側室内ユニットが設置されている部屋が暖房される。
【0059】
この同時冷房に際し、冷房側室内ユニットの冷房負荷と暖房側室内ユニットの暖房負荷との総負荷が求められ、その総負荷に応じて圧縮機1の容量(インバータ60の出力周波数)が制御される。
【0060】
冷房側室内ユニットでは、室内熱交換器42に流入する液冷媒の温度T1が各温度センサ44により検知され、室内熱交換器42から流出するガス冷媒の温度T2が各温度センサ45により検知され、両検知温度の差(=T2−T1)が室内熱交換器42における冷媒の過熱度SHとして検出される。そして、この過熱度SHが予め定められた目標値SHOを維持するよう、室内流量調整弁41の開度が制御される。この過熱度制御により、各室内ユニットCの冷房負荷に見合う最適量の液冷媒がそれぞれの室内ユニットCに分配される。
【0061】
暖房側室内ユニットでは、室内熱交換器42に流入するガス冷媒の温度T2が温度センサ45により検知され、室内熱交換器42から流出する液冷媒の温度T1が温度センサ44により検知され、この両検知温度の差(=T1−T2)が室内熱交換器42における冷媒の過冷却度SCとして検出される。そして、この過冷却度SCが予め定められた目標値SCOを維持するよう、室内流量調整弁41の開度が制御される。この過冷却度制御により、各室内ユニットCの暖房負荷に見合う最適量のガス冷媒がそれぞれの室内ユニットCに分配される。
【0062】
室外ユニットAでは、主熱交換器6aから流出する液冷媒の温度が温度センサ19aで検知され、その検知温度が主熱交換器6aにおける冷媒の凝縮圧力として求められる。この凝縮圧力が所定値以上を保つよう、室外ファン7の風量(外気導入量)が制御される。この風量制御により、暖房側室内ユニットの十分な暖房能力が確保される。
【0063】
(6)同時冷房(サブ)
上記の同時冷房が行われているとき、外気温が低くなったり、あるいは総負荷の減少(冷房負荷と暖房負荷との差が小さくなる)に伴う圧縮機容量低減によって冷凍サイクル中の冷媒循環量が減少すると、主熱交換器6aにおける冷媒の凝縮圧力が低下し(外気への放熱量が減少し)、適切な冷房が困難になってしまう。
【0064】
そこで、主熱交換器6aから流出する液冷媒の温度が温度センサ19aで検知され、その検知温度が主熱交換器6aにおける冷媒の凝縮圧力として求められる。上記室外ファン7の風量制御にもかかわらず、この凝縮圧力が予め定められている設定値よりも低くなった場合は、四方弁5が通電オン、流量調整弁8aが全閉、流量調整弁8bが全開または開度制御されて第2流路および第3流路が形成される。第1流路および第4流路は遮断される。
【0065】
第2流路の形成により、圧縮機1から吐出されるガス冷媒が四方弁5を通って補助熱交換器6bへ流れ、補助熱交換器6bが凝縮器として機能する。この場合、流量調整弁8bが全開されているが、流量調整弁8bの口径が流量調整弁8aの口径よりも小さいので、補助熱交換器6bの容量に合わせた適正量のガス冷媒が補助熱交換器6bに流れるとともに、補助熱交換器6bの上流側高圧側配管4からガス管14、吐出ガス管22、暖房側室内ユニットへと分流するガス冷媒の量が十分に確保される。
【0066】
こうして、容量が小さい方の補助熱交換器6bが凝縮器として使用されることにより、しかも補助熱交換器6bについてはその容量が主熱交換器6aの容量の20%以下と十分に小さく設定されていることにより、たとえ外気温が低くなっても、また総負荷の減少に伴う圧縮機容量低減によって冷凍サイクル中の冷媒循環量が減少しても、補助熱交換器6bおよび暖房側室内ユニットにおける凝縮器での冷媒の凝縮圧力を十分に高い状態に保つことができる。よって、冷房側室内ユニットにおける適切かつ安定した冷房が可能になる。
【0067】
外気温が低くなっても、凝縮器における冷媒の凝縮圧力を十分に高い状態に保つことができるので、冷房の許容運転温度範囲を低温度側に拡大することができる。冷凍サイクル中の冷媒循環量が減少しても、凝縮器における冷媒の凝縮圧力を十分に高い状態に保つことができるので、室内熱交換器42の許容最小容量を小容量側に拡大することができる。
【0068】
なお、第3流路の形成によって主熱交換器6aと低圧側配管10とが四方弁5を通して導通するが、流量調整弁8aが全閉しているので、主熱交換器6a内の滞留冷媒が圧縮機1の吸込側へ回収される。この回収により、主熱交換器6aでの冷媒寝こみを防止することができる。
【0069】
また、補助熱交換器6bから流出する液冷媒の温度が温度センサ19bで検知され、その検知温度が補助熱交換器6bにおける冷媒の凝縮圧力として検出される。この凝縮圧力が所定値以上を保つよう、室外ファン7の風量(外気導入量)が制御される。この風量制御により、暖房側室内ユニットの十分な暖房能力が確保される。
【0070】
補助熱交換器6bから流出する冷媒の温度(凝縮温度)が温度センサ19bで検知され、その検知温度に基づいて補助熱交換器6bにおける冷媒の凝縮圧力が求められている。この凝縮圧力が外気温の上昇や冷媒循環量の増大に伴って所定値以上に上昇すると、四方弁5が通電オフされ、流量調整弁8aが全開または開度制御され、流量調整弁8bの全閉されて、上記(5)の主熱交換器6aの使用による冷・暖同時運転に復帰する。
【0071】
(7)同時暖房
各室内ユニットCが冷房運転と暖房運転に分かれ、暖房負荷が冷房負荷より大きい場合、暖房主体の冷・暖同時運転モード(以下、同時暖房という)が設定される。
【0072】
この同時暖房では、図6に示すように、室外ユニットAでは四方弁5が通電オン、流量調整弁8aが開度制御(過熱度制御)、流量調整弁8bが全閉されて第2流路および第3流路が形成される。暖房側室内ユニットに対応する切換ユニットBでは、二方弁34が開放、二方弁35が閉成されて暖房用流路が形成される。冷房側室内ユニットに対応する切換ユニットBでは、二方弁34が閉成、二方弁35が開放されて冷房用流路が形成される。暖房側室内ユニットでは、室内流量調整弁41が開度制御(過冷却度制御)される。冷房側室内ユニットでは、室内流量調整弁41が開度制御(過熱度制御)される。
【0073】
暖房側室内ユニットに対応する切換ユニットBで暖房用流路が設定されることにより、図6に実線矢印で示すように、圧縮機1から吐出されたガス冷媒が高圧側配管4、ガス管14、吐出ガス管22、同切換ユニットBのガス管32を通り、暖房側室内ユニットの室内熱交換器42に流入する。室内熱交換器42に流入したガス冷媒は、室内空気に熱を奪われて凝縮する。
【0074】
暖房側室内ユニットの室内熱交換器42から流出する液冷媒は、室内流量調整弁41、暖房側室内ユニットに対応する切換ユニットBの液管31、および液管21を通って冷媒調整タンク9に流れる。冷媒調整タンク9を経た液冷媒は、室外ユニットAで第3流路が形成されていることにより、流量調整弁8a、主熱交換器6a、低圧側配管10、アキュームレータ11、および冷媒吸込管12を通り、圧縮機1に吸込まれる。主熱交換器6aに流れた液冷媒は、外気から熱を吸収して蒸発する。
【0075】
こうして、暖房側室内ユニットにおける室内熱交換器42が凝縮器として機能することにより、暖房側室内ユニットが設置されている部屋が暖房される。
【0076】
一方、冷房側室内ユニットに対応する切換ユニットBで冷房用流路が設定されていることにより、暖房側室内ユニットの室内熱交換器42から流出して液管21に流れた液冷媒の一部が、冷房側室内ユニットに対応する切換ユニットBの液管31に流入する。流入した液冷媒は、冷房側室内ユニットの室内流量調整弁41を通って、冷房側室内ユニットの室内熱交換器42に流入する。室内熱交換器42に流入した液冷媒は、室内空気から熱を奪って蒸発する。
【0077】
こうして、冷房側室内ユニットの室内熱交換器42が蒸発器として機能することにより、冷房側室内ユニットが設置されている部屋が冷房される。
【0078】
室内熱交換器42から流出するガス冷媒は、図6に破線矢印で示すように、冷房側室内ユニットに対応する切換ユニットBのガス管33を通って吸込ガス管23に流れる。吸込ガス管23に流れたガス冷媒は、低圧側配管10、アキュームレータ11、冷媒吸込管12を通って圧縮機1に吸込まれる。
【0079】
この同時暖房に際し、暖房側室内ユニットの暖房負荷と冷房側室内ユニットの冷房負荷との総和が求められ、その総負荷に応じて圧縮機1の容量(インバータ60の出力周波数)が制御される。
【0080】
冷房側室内ユニットでは、室内熱交換器42に流入する液冷媒の温度T1が各温度センサ44により検知されるとともに、室内熱交換器42から流出するガス冷媒の温度T2が各温度センサ45により検知され、両検知温度の差(=T2−T1)が室内熱交換器42における冷媒の過熱度SHとして検出される。そして、この過熱度SHが予め定められた目標値SHOを維持するよう、室内流量調整弁41の開度が制御される。この過熱度制御により、各室内ユニットCの冷房負荷に見合う最適量の液冷媒がそれぞれの室内ユニットCに分配される。
【0081】
暖房側室内ユニットでは、室内熱交換器42に流入するガス冷媒の温度T2が温度センサ45により検知され、室内熱交換器42から流出する液冷媒の温度T1が温度センサ44により検知され、この両検知温度の差(=T1−T2)が室内熱交換器42における冷媒の過冷却度SCとして検出される。そして、この過冷却度SCが予め定められた目標値SCOを維持するよう、室内流量調整弁41の開度が制御される。この過冷却度制御により、各室内ユニットCの暖房負荷に見合う最適量のガス冷媒がそれぞれの室内ユニットCに分配される。
【0082】
室外ユニットAでは、主熱交換器6aに流入する冷媒の温度Tiaが温度センサ19aで検知され、主熱交換器6aから流出して圧縮機1に吸込まれる冷媒の温度Tsが温度センサ18で検知され、両検知温度の差が主熱交換器6aにおける冷媒の過熱度SH(=Ts−Tia)として検出される。そして、この過熱度SHが予め定められた目標値SHOを維持するよう、流量調整弁8aの開度が制御される。
【0083】
温度センサ18の検知温度Tsに基づいて主熱交換器6aにおける冷媒の蒸発圧力が求められ、その蒸発圧力が所定値以上を保つよう、室外ファン7の風量(外気導入量)が制御される。この風量制御により、冷房側室内ユニットの十分な冷房能力が確保される。
【0084】
(8)同時暖房(サブ)
上記の同時暖房が行われているとき、外気温が高くなったり、あるいは総負荷の減少(暖房負荷と冷房負荷との差が小さくなる)に伴う圧縮機容量低減によって冷凍サイクル中の冷媒循環量が減少すると、主熱交換器6aにおける冷媒の蒸発圧力が上昇し、適切な暖房が困難になってしまう。
【0085】
そこで、主熱交換器6aから流出して圧縮機1に吸込まれる冷媒の圧力が圧力センサ17により検知され、その検知圧力に基づいて主熱交換器6aにおける冷媒の蒸発圧力が求められる。上記室外ファン7の風量制御にもかかわらず、この蒸発圧力が予め定められている設定値よりも高くなった場合には、四方弁5が通電オフ、流量調整弁8aが全閉、流量調整弁8bが開度制御(過熱度制御)されて第2流路および第3流路が形成される。第1流路および第4流路は遮断される。
【0086】
第2流路の形成により、圧縮機1から吐出されるガス冷媒が四方弁5を通って補助熱交換器6bへ流れ、補助熱交換器6bが蒸発器として機能する。この場合、流量調整弁8bが開度制御されるが、流量調整弁8bの口径が流量調整弁8aの口径よりも小さいので、補助熱交換器6bの容量に合わせた適正量のガス冷媒が補助熱交換器6bに流れるとともに、補助熱交換器6bの上流側の高圧側配管4からガス管14、吐出ガス管22、暖房側室内ユニットへと流れるガス冷媒の量が十分に確保される。
【0087】
こうして、容量が小さい方の補助熱交換器6bが蒸発器として使用されることにより、しかも補助熱交換器6bについてはその容量が主熱交換器6aの容量の20%以下と十分に小さく設定されていることにより、たとえ外気温が高くなっても、また総負荷の減少に伴う圧縮機容量低減によって冷凍サイクル中の冷媒循環量が減少しても、蒸発器における冷媒の蒸発圧力を十分に高い状態に保つことができる。よって、外気からの汲み上げ熱量を十分に確保することができ、ひいては暖房側室内ユニットにおける適切かつ安定した暖房が可能になる。
【0088】
外気温が高くなっても、蒸発器における冷媒の蒸発圧力を十分に低い状態に保つことができるので、暖房の許容運転温度範囲を高温度側に拡大することができる。冷凍サイクル中の冷媒循環量が減少しても、蒸発器における冷媒の蒸発圧力を十分に低い状態に保つことができるので、室内熱交換器42の許容最小容量を小容量側に拡大することができる。
【0089】
なお、第3流路の形成によって主熱交換器6aと低圧側配管10とが四方弁5を通して導通するが、流量調整弁8aが全閉しているので、主熱交換器6a内の滞留冷媒が圧縮機1の吸込側へ回収される。この回収により、主熱交換器6aでの冷媒寝こみを防止することができる。
【0090】
また、温度センサ18の検知温度Tsに基づいて補助熱交換器6bにおける冷媒の蒸発圧力が求められ、その蒸発圧力が所定値以上を保つよう、室外ファン7の風量(外気導入量)が制御される。この風量制御により、冷房側室内ユニットの十分な冷房能力が確保される。
【0091】
補助熱交換器6bから流出して圧縮機1に吸込まれる冷媒の圧力が圧力センサ17により検知され、その検知圧力に基づいて主熱交換器6aにおける冷媒の蒸発圧力が求められている。この蒸発圧力が外気温の低下や冷媒循環量の増大によって所定値以下に低下すると、四方弁5が通電オフされ、流量調整弁8aが全開および開度制御(過熱度制御)され、流量調整弁8bが全閉されて、上記(7)の主熱交換器6aの使用による冷・暖同時運転に復帰する。
【0092】
(9)熱交不使用同時運転
各室内ユニットCが冷房と暖房に分かれ、冷房負荷と暖房負荷とがほぼ等しい場合、主熱交換器6aおよび補助熱交換器6bを使用しない冷・暖同時運転モード(以下、熱交不使用同時運転)が設定される。
【0093】
この熱交不使用同時運転では、図7に示すように、室外ユニットAの四方弁5が通電オン、流量調整弁8aが全閉、流量調整弁8bが微小開度設定されて第2流路および第3流路が形成される。暖房側室内ユニットに対応する切換ユニットBでは、二方弁34が開放、二方弁35が閉成されて暖房用流路が形成される。冷房側室内ユニットに対応する切換ユニットBでは、二方弁34が閉成、二方弁35が開放されて冷房用流路が形成される。暖房側室内ユニットでは、室内流量調整弁41が開度制御(過冷却度制御)される。冷房側室内ユニットでは、室内流量調整弁41が開度制御(過熱度制御)される。
【0094】
暖房側室内ユニットに対応する切換ユニットBで暖房用流路が設定されることにより、図7に実線矢印で示すように、圧縮機1から吐出されたガス冷媒が高圧側配管4、ガス管14、吐出ガス管22、同切換ユニットBのガス管32を通り、暖房側室内ユニットの室内熱交換器42に流入する。室内熱交換器42に流入したガス冷媒は、室内空気に熱を奪われて凝縮する。こうして、暖房側室内ユニットの室内熱交換器42が凝縮器として機能することにより、暖房側室内ユニットが設置されている部屋が暖房される。
【0095】
暖房側室内ユニットの室内熱交換器42から流出する液冷媒は、室内流量調整弁41、暖房側室内ユニットに対応する切換ユニットBの液管31を通って、液管21に流れる。
【0096】
液管21に流れた液冷媒は、冷房側室内ユニットに対応する切換ユニットBの液管31を通り、冷房側室内ユニットの室内熱交換器42に流入する。室内熱交換器42に流入した液冷媒は、室内空気から熱を奪って蒸発する。こうして、冷房側室内ユニットにおける室内熱交換器42が蒸発器として機能することにより、冷房側室内ユニットが設置されている部屋が冷房される。
【0097】
冷房側室内ユニットの室内熱交換器42から流出するガス冷媒は、図7に破線矢印で示すように、冷房側室内ユニットに対応する切換ユニットBのガス管33を通って、吸込ガス管23に流れる。吸込ガス管23に流れたガス冷媒は、低圧側配管10、アキュームレータ11、および冷媒吸込管12を通り、圧縮機1に吸込まれる。
【0098】
冷房側室内ユニットで室内空気から奪った熱が、暖房側室内ユニットでの暖房熱としてそのまま有効利用されることになる。
【0099】
室外ユニットAでは、圧縮機1が所定容量に設定されるとともに、室外ファン7の運転が停止される。また、第3流路の形成によって主熱交換器6aと低圧側配管10とが四方弁5を通して導通し、しかも流量調整弁8aが全閉しているので、主熱交換器6a内の滞留冷媒が圧縮機1の吸込側へ回収される。この回収により、主熱交換器6aでの冷媒寝こみを防止することができる。とくに、流量調整弁8bが微小開度に設定されるので、圧縮機1から吐出された冷媒の圧力が四方弁4、補助熱交換器6b、流量調整弁8bを通って液管21に加わる。この加圧により、暖房側室内ユニットから液管21へと流れた液冷媒が、室外ユニットA側に逆流することなく、冷房側室内ユニットに確実に流れる。
【0100】
暖房側室内ユニットでは、室内熱交換器42に流入するガス冷媒の温度T2が温度センサ45により検知され、室内熱交換器42から流出する液冷媒の温度T1が温度センサ44により検知され、この両検知温度の差(=T1−T2)が室内熱交換器42における冷媒の過冷却度SCとして検出される。そして、この過冷却度SCが予め定められた目標値SCOを維持するよう、室内流量調整弁41の開度が制御される。この過冷却度制御により、各室内ユニットCの暖房負荷に見合う最適量のガス冷媒がそれぞれの室内ユニットCに分配される。
【0101】
冷房側室内ユニットでは、室内熱交換器42に流入する液冷媒の温度T1が各温度センサ44により検知され、室内熱交換器42から流出するガス冷媒の温度T2が各温度センサ45により検知され、両検知温度の差(=T2−T1)が室内熱交換器42における冷媒の過熱度SHとして検出される。そして、この過熱度SHが予め定められた目標値SHOを維持するよう、室内流量調整弁41の開度が制御される。この過熱度制御により、各室内ユニットCの冷房負荷に見合う最適量の液冷媒がそれぞれの室内ユニットCに分配される。
【0102】
上記(1)〜(9)の各運転モードにおける主熱交換器6a、補助熱交換器6b、四方弁5、流量調整弁8a、流量調整弁8b、二方弁34,35、室内流量調整弁41の動作パターンを図8にまとめて示している。
【0103】
以上のように、室外ユニットAの主熱交換器6aと補助熱交換器6bを1つの四方弁5によって使い分けることができ、これにより、従来の多数の二方弁を使用する場合のようなコストの上昇を招くことなく、各室内ユニットの冷房負荷および暖房負荷に見合う最適な冷・暖同時運転を行うことができる。
【0104】
[2]第2の実施形態について説明する。
暖房負荷が冷房負荷より大きい場合に実施される同時暖房(暖房主体の冷・暖同時運転)に際し、第1の実施形態では、蒸発圧力に基づいて主熱交換器6aと補助熱交換器6bを使い分ける構成としたが、この第2の実施形態では、制御部50の制御により、蒸発器における冷媒の過熱度制御に基づいて、かつ暖房負荷と冷房負荷との差に基づいて、主熱交換器6aと補助熱交換器6bを使い分けるようにしている。この場合の動作を図9に示している。
【0105】
以下、具体的に説明する。
まず、暖房負荷と冷房負荷との差が求められ、その差が設定値S1より大きければ、四方弁5が通電オン、流量調整弁8aが開度制御(過熱度制御)、流量調整弁8bが全閉されて第3流路が形成される。これにより、主熱交換器6aが蒸発器として使用される冷・暖同時運転が実行される。
【0106】
この冷・暖同時運転では、上記(7)の同時暖房で説明したように、主熱交換器6aにおける冷媒の過熱度SHが検出され、その過熱度SHが目標値SHOを維持するよう流量調整弁8bの開度が制御される。たとえば、総負荷の減少(暖房負荷と冷房負荷との差が小さくなる)に伴う圧縮機容量低減によって冷凍サイクル中の冷媒循環量が減少した場合、主熱交換器6aによる外気からの汲み上げ熱量が減少して過熱度SHが低下する。これを補うために(過熱度SHを上昇させるために)、流量調整弁8aの開度が縮小方向に制御される。
【0107】
ただし、過熱度SHが目標値SHOに達しないまま(SH<SHO)、流量調整弁8aの開度が予め定められている許容最小開度に到達してしまうことがある(冷媒流量をそれ以上は絞りきれない状態)。この場合には、四方弁5が通電オフ、流量調整弁8aが全閉、流量調整弁8bが開度制御(過熱度制御)されて第4流路が形成され(第3流路は遮断)、補助熱交換器6bが蒸発器として使用される冷・暖同時運転に切換わる。
【0108】
暖房負荷と冷房負荷との差が設定値S1以下に減少した場合にも、同様に、補助熱交換器6bが蒸発器として使用される冷・暖同時運転に切換わる。
【0109】
その後、暖房負荷と冷房負荷との差が設定値S1より高くなると、主熱交換器6aが蒸発器として使用される冷・暖同時運転に復帰する。
【0110】
なお、各室内ユニットが全て暖房である上記(3)の単独暖房では、蒸発器における冷媒の過熱度制御に基づいて、かつ各暖房負荷の総和に基づいて、主熱交換器6aと補助熱交換器6bが使い分けられる。総暖房負荷に基づいて主熱交換器6aと補助熱交換器6bを使い分ける点のみ、同時暖房の場合と異なる。
【0111】
この第2の実施形態の他の構成および作用については、第1の実施形態と同じである。
【0112】
[3]第3の実施形態について説明する。
補助熱交換器6bが蒸発器として使用される上記(4)の単独暖房(サブ)および上記(8)の同時暖房(サブ)において、制御部50の制御により、定期的または必要に応じて、冷媒回収制御を実行するようにしている。すなわち、各室内ユニットCのうち停止室内ユニットに吐出ガス管22のガス冷媒が導かれてその停止室内ユニットから流出する冷媒が液管21に導かれるとともに、四方弁5の通電オンにより第3流路が形成されて主熱交換器6a内の滞留冷媒が圧縮機1の吸込側に導かれる。この場合の動作を図10に示している。
【0113】
以下、具体的に説明する。
補助熱交換器6bを蒸発器として使用する単独暖房(サブ)および同時暖房(サブ)では、四方弁5が通電オフのため、高圧側配管4のガス冷媒が四方弁5を通って非使用状態の主熱交換器6aに流入し、その主熱交換器6aに冷媒が滞留してしまう。この滞留分だけ、冷凍サイクル中の冷媒が不足気味となってしまう。
【0114】
そこで、各室内ユニットCのいずれかが運転停止状態にあれば(二方弁34,35が閉成状態)、定期的または必要に応じて、冷媒回収制御が実行される。この冷媒回収制御では、停止室内ユニットの二方弁34が開放され且つ室内流量調整弁41が所定開度に設定される。これにより、高圧側配管4から吐出ガス管22に流れているガス冷媒が、ガス管32を通って停止室内ユニットの室内熱交換器42に流入する。室内熱交換器42に流入した冷媒は、室内熱交換器42に滞留する冷媒を伴ってその室内熱交換器42から流出し、液管21に導かれる。液管21に導かれた冷媒は、低圧側配管10を通って圧縮機1に回収される。
【0115】
この回収に加え、四方弁5が通電オンされて第3流路が形成される(流量調整弁8aは閉成状態を維持している)。この第3流路の形成により、主熱交換器6a内に滞留する冷媒が四方弁4および低圧側配管10を通って圧縮機1に回収される。
【0116】
こうして、停止室内ユニットおよび主熱交換器6aに滞留する冷媒が圧縮機1の吸込側に回収されることにより、冷凍サイクル中の冷媒が不足気味となる不具合を解消することができる。なお、この冷媒回収制御は、開始から一定時間後に解除される。
この第3の実施形態の他の構成および作用については、第1の実施形態と同じである。
【0117】
[4]第4の実施形態について説明する。
主熱交換器6aが蒸発器として使用される上記(3)の単独暖房および上記(7)の同時暖房においては、制御部50の制御により、定期的または必要に応じて、除霜運転を実行するようにしている。すなわち、四方弁5が通電オフされて第1流路が形成され、圧縮機1から吐出される高温冷媒が主熱交換器6aに供給される。これにより、主熱交換器6aが除霜される。この除霜に際しては、同時に第4流路が形成されており、補助熱交換器6b内の滞留冷媒が圧縮機1の吸込側に回収される(冷媒回収制御)。
【0118】
また、補助熱交換器6bが蒸発器として使用される上記(4)の単独暖房(サブ)および上記(8)の同時暖房(サブ)においては、制御部50の制御により、定期的または必要に応じて、除霜運転を実行するようにしている。すなわち、四方弁5が通電オンされて第2流路が形成され、圧縮機1から吐出される高温冷媒が補助熱交換器6bに供給される。これにより、補助熱交換器6bが除霜される。この除霜に際しては、同時に第3流路が形成されており、主熱交換器6a内の滞留冷媒が圧縮機1の吸込側に回収される(冷媒回収制御)。
この除霜に関する動作を図11に示している。以下、具体的に説明する。
主熱交換器6aが蒸発器として使用される単独暖房および同時暖房では、主熱交換器6aに徐々に霜が付着し、そのままでは主熱交換器6aにおける熱交換量が減少してしまう。
【0119】
そこで、定期的または必要に応じて、四方弁5が通電オフされて第1流路が形成されるとともに、流量調整弁8aが所定の除霜開度に設定される。これにより、圧縮機1から吐出される高温のガス冷媒が四方弁5を通って主熱交換器6aに流入し、その主熱交換器6aから流出する冷媒が流量調整弁8aを通って液管21側に流れる。このとき、主熱交換器6aに流入したガス冷媒の熱により、主熱交換器6aに付着している霜が解けて除去される。
【0120】
この除霜に際し、同時に第4流路が形成されており、補助熱交換器6bが四方弁5を通して低圧側配管10に導通する。これにより、補助熱交換器6b内の滞留冷媒が圧縮機1の吸込側に回収される。この回収により、冷凍サイクル中の冷媒が不足気味とならない。
【0121】
補助熱交換器6bが蒸発器として使用される単独暖房(サブ)および同時暖房(サブ)では、補助熱交換器6bに徐々に霜が付着し、そのままでは補助熱交換器6bにおける熱交換量が減少してしまう。
【0122】
そこで、定期的または必要に応じて、四方弁5が通電オンされて第2流路が形成されるとともに、流量調整弁8bが所定の除霜開度に設定される。これにより、圧縮機1から吐出される高温のガス冷媒が四方弁5を通って補助熱交換器6bに流入し、その補助熱交換器6bから流出する冷媒が流量調整弁8bを通って液管21側に流れる。このとき、補助熱交換器6bに流入したガス冷媒の熱により、補助熱交換器6bに付着している霜が解けて除去される。
【0123】
この除霜に際し、同時に第3流路が形成されており、主熱交換器6aが四方弁5を通して低圧側配管10に導通する。これにより、主熱交換器6a内の滞留冷媒が圧縮機1の吸込側に回収される。この回収により、冷凍サイクル中の冷媒が不足気味とならない。
【0124】
こうして、主熱交換器6aおよび補助熱交換器6bが除霜されることにより、主熱交換器6aおよび補助熱交換器6bにおける熱交換量の減少を回避することができて、暖房に必要な量の熱を外気から確実に汲み上げることができる。なお、除霜は、開始から一定時間後に解除される。
この第4の実施形態の他の構成および作用については、第1の実施形態と同じである。
【0125】
[5]第5の実施形態について説明する。
主熱交換器6aが凝縮器として使用される上記(1)の単独冷房および上記(5)の同時冷房において、制御部50の制御により、定期的または必要に応じて、油回収制御を実行するようにしている。すなわち、冷房側室内ユニットに対応する室内流量調整弁41の開度が所定開度以上に増大され且つ圧縮機1の容量が所定容量以上に増大されて、冷媒流路中に圧縮機1から流出している潤滑油が圧縮機1に回収される。
また、補助熱交換器6bが凝縮器として使用される上記(2)の単独冷房(サブ)および上記(6)の同時冷房(サブ)においても、制御部50の制御により、定期的または必要に応じて、油回収制御を実行するようにしている。すなわち、冷房側室内ユニットに対応する室内流量調整弁41の開度が所定開度以上に増大され且つ圧縮機1の容量が所定容量以上に増大されて、圧縮機1から冷媒流路(冷凍サイクル)中に流出している潤滑油が圧縮機1に回収される。
これら油回収制御に際し、圧縮機1の吐出冷媒圧力Pdが所定値Pd1以上に異常上昇しないよう、室外ファン7の風量つまり外気導入量が制御される。なお、容量の小さい補助熱交換器6bが凝縮器として使用される場合、吐出冷媒圧力Pdの上昇を抑えきれないまま、室外ファン7の風量が最大風量(外気導入量が上限)に達することがある。この場合には、四方弁5が通電オフされて第1流路が形成され、凝縮器が補助熱交換器6bから主熱交換器6aに切換わる。
この油回収に関する動作を図12に示している。以下、具体的に説明する。 単独冷房、同時冷房、単独冷房(サブ)、および同時冷房(サブ)では、冷房側室内ユニットで過熱度制御が行われるため、冷房側室内ユニットから流出するガス冷媒が乾き状態となる(液成分を含み難い状態)。この乾き状態のガス冷媒が、ガス管33、吸込ガス管23、低圧側配管10、アキュームレータ11、冷媒吸込管12を通って圧縮機1に吸込まれる。
【0126】
乾き状態のガス冷媒が圧縮機1に吸込まれる状況では、冷凍サイクル中に流出した潤滑油が圧縮機1に戻り難い。
【0127】
そこで、定期的または必要に応じて、冷房側室内ユニットにおける室内流量調整弁41の開度が、過熱度制御を無視する形で、所定開度以上に増大される。同時に、圧縮機1の容量が所定容量以上に増大される。
【0128】
室内流量調整弁41の開度が増大され、しかも圧縮機1の容量が増大されることにより、冷媒の循環量(流速)が増えて、液成分を含んだ湿り気味のガス冷媒が圧縮機1に吸込まれるようになる(液バック気味)。これにより、冷凍サイクル中に流出している潤滑油が圧縮機1に戻り易くなる。
【0129】
この油回収に伴い、圧縮機1から吐出される冷媒の圧力Pdが圧力センサ16により検知され、その検知圧力Pdが所定値Pd1以上に異常上昇しないよう、室外ファン7の風量つまり補助熱交換器6bに対する外気の導入量が制御される。
【0130】
ただし、容量の小さい補助熱交換器6bが凝縮器として使用される単独冷房(サブ)および同時冷房(サブ)では、検知圧力Pdの上昇を抑えきれないまま、室外ファン7の風量が最大風量(外気導入量が上限)に達することがある。
【0131】
室外ファン7の風量が最大風量(外気導入量が上限)に達し、しかも検知圧力Pdが所定値Pd1を超えてPd2以上まで上昇した場合には、四方弁5が通電オフされて第1流路が形成されるとともに、流量調整弁8aが全開されて流量調整弁8bが全閉される。これにより、凝縮器が補助熱交換器6bから主熱交換器6aに切換わる。容量の大きい主熱交換器6aが凝縮器として使用されることにより、室外ファン7の風量が最大風量に達することなく、検知圧力Pdの異常上昇を確実に抑えることができる。
なお、油回収制御は、開始から一定時間後に解除される。
この第5の実施形態の他の構成および作用については、第1の実施形態と同じである。
【0132】
なお、この発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、要旨を変えない範囲で種々変形実施可能である。
【0133】
【発明の効果】
以上述べたようにこの発明によれば、室外ユニットの主熱交換器および補助熱交換器を1つの四方弁により使い分けることができる簡単な構成により、主熱交換器および補助熱交換器を有効に活用できるので、コストの上昇を招くことなく、各室内ユニットの冷房負荷および暖房負荷に見合う最適な冷・暖同時運転が可能な空気調和機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各実施形態の構成および単独冷房時の冷媒の流れを示す図。
【図2】各実施形態における単独冷房(サブ)時の冷媒の流れを示す図。
【図3】各実施形態における単独暖房時の冷媒の流れを示す図。
【図4】各実施形態における単独暖房(サブ)時の冷媒の流れを示す図。
【図5】各実施形態における同時冷房時の冷媒の流れを示す図。
【図6】各実施形態における同時暖房時の冷媒の流れを示す図。
【図7】各実施形態における熱交不使用同時運転時の冷媒の流れを示す図。
【図8】各実施形態における運転モードごとの各部の動作パターンを示す図。
【図9】第2の実施形態の動作を説明するための流れ図。
【図10】第3の実施形態の動作を説明するための流れ図。
【図11】第4の実施形態の動作を説明するための流れ図。
【図12】第5の実施形態の動作を説明するための流れ図。
【符号の説明】
A…室外ユニット、B…切換ユニット、C…室内ユニット、1…圧縮機、4…高圧側配管、5…四方弁、6a…主熱交換器、6b…補助熱交換器、7…室外ファン、8a…流量調整弁、8b…流量調整弁、10…低圧側配管、14…ガス管、16,17…圧力センサ、18,19a,19b…温度センサ、21…液管、22…吐出ガス管、23…吸込ガス管、31…液管、32,33…ガス管、34,35…二方弁、41…室内流量調整弁、42…室内熱交換器、44,45…温度センサ、50…制御部
Claims (8)
- 圧縮機、四方弁、主熱交換器、補助熱交換器、流量調整弁を有し、前記圧縮機から前記主熱交換器へ冷媒が流れる第1流路、前記圧縮機から前記補助熱交換器へ冷媒が流れる第2流路、前記主熱交換器から前記圧縮機の吸込側へ冷媒が流れる第3流路、前記補助熱交換器から前記圧縮機の吸込側へ冷媒が流れる第4流路を前記四方弁により形成する室外ユニットと、
室内熱交換器を有する複数の室内ユニットと、
前記主熱交換器または前記補助熱交換器から流出する液冷媒を前記各室内熱交換器に導くとともに、前記各室内熱交換器から流出する液冷媒を前記圧縮機の吸込側に導くための液管と、
前記圧縮機の吐出冷媒を前記各室内熱交換器に導くための吐出ガス管と、
前記各室内熱交換器から流出するガス冷媒を前記圧縮機の吸込側に導くための吸込ガス管と、
前記主熱交換器または前記補助熱交換器から流出して前記液管に流れる液冷媒を前記各室内熱交換器に導くとともにその各室内熱交換器から流出するガス冷媒を前記吸込ガス管に導く冷房用流路、および前記圧縮機から前記吐出ガス管に導かれるガス冷媒を前記各室内熱交換器に導くとともにその各室内熱交換器から流出する液冷媒を前記液管に導く暖房用流路を選択的に形成する切換ユニットと、前記各室内ユニットの要求運転モードに応じて、前記室外ユニットにおける各流路の形成および前記切換ユニットにおける各流路の形成を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする空気調和機。 - 請求項1に記載の空気調和機において、
前記補助熱交換器は、容量が、前記主熱交換器の容量の20%以下であることを特徴とする空気調和機。 - 請求項1に記載の空気調和機において、
前記室外ユニットの流量調整弁は、前記主熱交換器と前記液管との間の冷媒流路に設けられた第1流量調整弁、およびこの第1流量調整弁よりも小さい口径を有し前記補助熱交換器と前記液管との間の冷媒流路に設けられた第2流量調整弁であることを特徴とする空気調和機。 - 請求項1に記載の空気調和機において、
前記制御手段は、前記各室内ユニットが暖房運転または暖房主体の冷・暖同時運転のとき、前記第3流路を形成して前記主熱交換器を蒸発器として機能させ、その主熱交換器における冷媒の過熱度が目標値となるよう前記流量調整弁の開度を制御し、その過熱度が目標値に達しないまま前記流量調整弁の開度が所定値以下となった場合に、前記第4流路を形成して前記補助熱交換器を蒸発器として機能させる手段を備えていることを特徴とする空気調和機。 - 請求項1に記載の空気調和機において、
前記制御手段は、前記各室内ユニットが暖房運転または暖房主体の冷・暖同時運転のとき、前記第4流路を形成して前記補助熱交換器を蒸発器として機能させるとともに、定期的または必要に応じて、前記各室内ユニットのうち停止室内ユニットに前記吐出ガス管のガス冷媒を導いてその停止室内ユニットから流出する冷媒を前記液管に導く冷媒回収制御を実行するとともに、前記第3流路を形成して前記主熱交換器内の滞留冷媒を前記圧縮機の吸込側に導く冷媒回収制御を実行する手段を備えていることを特徴とする空気調和機。 - 請求項1に記載の空気調和機において、
前記制御手段は、前記各室内ユニットが暖房運転または暖房主体の冷・暖同時運転のとき、前記第3流路または前記第4流路を形成して前記主熱交換器または前記補助熱交換器を蒸発器として機能させるとともに、定期的または必要に応じて、前記第1流路または前記第2流路を形成して前記主熱交換器または前記補助熱交換器に対する除霜を行い、この除霜時、除霜対象が前記主熱交換器であれば前記第4流路を形成して前記補助熱交換器内の滞留冷媒を前記圧縮機の吸込側に回収する冷媒回収制御を実行し、除霜対象が前記補助熱交換器であれば前記第3流路を形成して前記主熱交換器内の滞留冷媒を前記圧縮機の吸込側へ回収する冷媒回収制御を実行する手段を備えていることを特徴とする空気調和機。 - 請求項1に記載の空気調和機において、
前記各室内ユニットに設けられ、前記室内熱交換器に流れる冷媒の量を調整するための室内流量調整弁と、
前記各室内ユニットのうち冷房側室内ユニットの室内熱交換器における冷媒の過熱度が目標値となるよう前記各室内流量調整弁の開度を制御する過熱度制御手段と、
前記各室内ユニットのうち暖房側室内ユニットの室内熱交換器における冷媒の過冷却度が目標値となるよう前記各室内流量調整弁の開度を制御する過冷却度制御手段と、
をさらに備えていることを特徴とする空気調和機。 - 請求項7に記載の空気調和機において、
前記制御手段は、
前記各室内ユニットが冷房運転または冷房主体の冷・暖同時運転のとき、前記第1流路または前記第2流路を形成して前記主熱交換器または前記補助熱交換器を凝縮器として機能させるとともに、定期的または必要に応じて、前記各室内ユニットのうち冷房側室内ユニットに対応する前記室内流量調整弁の開度を増大し且つ前記圧縮機の容量を増大して、冷媒流路中に前記圧縮機から流出している潤滑油を前記圧縮機に回収する油回収制御を実行する手段と、
前記油回収制御の実行に際し、前記圧縮機の吐出冷媒圧力が所定値以上に上昇しないよう前記主熱交換器および前記補助熱交換器に対する外気の導入量を制御する外気導入量制御を実行する手段と、
前記第2流路が形成されて前記補助熱交換器が凝縮器として機能している場合に、前記油回収制御が実行され、かつ前記外気導入量制御による外気導入量が上限に達したとき、前記第1流路を形成して前記主熱交換器を凝縮器として機能させる手段と、
をさらに備えていることを特徴とする空気調和機。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016161230A (ja) * | 2015-03-03 | 2016-09-05 | 東プレ株式会社 | 冷凍装置及び冷凍庫 |
JP2017044419A (ja) * | 2015-08-27 | 2017-03-02 | アイシン精機株式会社 | エンジン駆動式空気調和装置 |
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-
2002
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