JP2004197784A - 変速機 - Google Patents

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浩一 桝谷
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Abstract

【課題】簡単な構造の分配部材によって変速機内の複数の部位に作動油を分配して供給する。
【解決手段】変速機はトランスミッションケース50とこの内部に組み込まれる回転軸としてのリヤ出力軸34などが組み込まれており、リヤ出力軸34には歯車や軸受が設けられるとももに、油圧アクチュエータ51などの油圧作動機器が設けられる。トランスミッションケース50に固定される分配部材58は、回転軸であるリヤ出力軸34に形成された嵌合孔59に嵌合しており、分配部材58には、トランスミッションケース50に形成された制御圧供給口61とクラッチ油圧室52とを連通させる制御圧用油路66が形成されるとともに、潤滑圧供給口62と歯車、軸受およびクラッチディスクなどの被潤滑部とを連通させる潤滑用油路67が形成されている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は変速機に関し、特に、変速機に組み込まれた多板クラッチなど油圧機器と被潤滑部とに対して作動油を分配して供給する分配部材を有する変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用の変速機には、運転者のシフトレバー操作により、変速操作が行われる手動変速機と、車両の走行状態に応じて変速操作が自動的に行われる自動変速機がある。自動変速機には複数の変速歯車列を有する有段変速機と、入力軸の回転を無段階に制御するようにしたベルト式やトロイダル式の無段変速機があり、有段変速機は変速歯車列の形態によって、1軸上での変速が可能な遊星歯車式と、手動変速機と同様な平行軸式とがある。
【0003】
これらの変速機にあっては、入力軸や出力軸はトランスミッションケース内に回転自在となって組み込まれて回転軸となっており、回転軸に装着される歯車相互の噛合い部や回転軸を支持する軸受などのように相対的すべりが発生する被潤滑部には部材の表面の直接接触を避けるために潤滑油を供給する必要がある。また、変速機はクラッチやブレーキなどの摩擦係合要素や油圧シリンダを有しており、これらを作動させるための油圧アクチュエータなどの油圧作動機器には調圧された制御圧油を供給する必要がある。このように種類が相違する潤滑油および制御圧油は、エンジンまたは電動モータにより駆動される油圧ポンプから吐出される作動油を調圧弁により調圧することにより得られる。
【0004】
潤滑油および制御圧油は、変速機を構成する回転軸に形成された油路を介して回転軸に装着される歯車や油圧アクチュエータに供給されるようにしており、従来では、回転軸に二重あるいはそれ以上の多重のパイプを組み付けることによって、回転軸に形成された油路を介して供給された作動油をパイプにより分配して供給したり、回転軸の両側から作動油を供給するようにしている。たとえば、特許文献1は、ベルト式無段変速機のセカンダリ側のカウンタシャフトの端部に多重のパイプを組み込んで作動油を分配するようにした変速機を開示している。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−124189号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のように、回転軸の端部に複数のチューブを同軸状に組み込んで作動油を分配するように構成すると、部品点数が増加することから組立に時間がかかり変速機の製造コストがアップするだけでなく、二重ないし多重に嵌合された分配部材の外径が大きくなり、回転軸の摺動抵抗が増加することになる。また、回転軸の両端部からそれぞれ圧力が相違した作動油を供給するようにすると、回転軸までの油路が複雑となる。
【0007】
本発明の目的は、簡単な構造の分配部材によって変速機内の複数の部位に作動油を分配して供給し得るようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の変速機は、変速歯車列を形成する複数の歯車が設けられるとともに油圧作動機器が設けられる回転軸を有し、ケース内に組み込まれる変速機であって、前記ケースに固定される固定部および前記回転軸に形成された嵌合孔に嵌合される嵌合部を有する分配部材と、前記分配部材に相互に平行に形成され、前記ケースに形成された複数の作動油供給口と連通し相互に異なった種類の作動油を前記嵌合孔を介して案内する複数の油路とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明の変速機は、複数の前記油路は前記油圧作動機器に制御圧を案内する制御圧用油路と、前記ケース内の被潤滑部に潤滑油を案内する潤滑用油路であることを特徴とする。また、本発明の変速機は、前記制御圧用油路と前記潤滑用油路の少なくとも一方を、前記分配部材に複数形成したことを特徴とする。
【0010】
本発明にあっては、変速機のケースに固定される分配部材がケース内に組み込まれた回転軸の端部に嵌合し、分配部材に軸方向に延びる複数の油路が形成されており、それぞれの油路を介してケース内には相互に種類が相違した作動油を供給することができる。1つの分配部材に複数の油路を形成したので、分配部材の径を小さくすることができ、分配部材と回転軸との摺動部における摺動抵抗を小さくすることができる。作動油の分配をコンパクトな分配部材によって達成することができ、変速機の組立工数が低減され、製造コストを低減することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態である変速機を示すスケルトン図である。
【0012】
図1に示される変速機は、エンジン11のクランク軸12が車両の進行方向になって、車体に配置される縦置き型の変速機であり、入力軸13とこれに平行となった出力軸14とを有している。入力軸13はエンジン11のクランク軸12に入力クラッチ15を介して連結され、入力軸13にはエンジン動力が入力される。出力軸14は入力軸13との間に装着された変速歯車列を介して変速された動力を出力する。入力軸13および出力軸14は、図示省略したトランスミッションケース内に組み込まれている。なお、入力クラッチ15とクランク軸12との間にトルクコンバータを設けるようにしても良い。
【0013】
入力軸13と出力軸14は相互に平行に配置されており、この変速機は平行軸式の自動変速機となっている。出力軸14にはセンタデファレンシャル16が設けられ、このセンタデファレンシャル16を介して出力軸14は、前輪用のドライブシャフト17と、後輪用のドライブシャフト18とに連結されており、この自動変速機は四輪駆動用の変速機となっている。
【0014】
入力軸13には第1速と第2速の駆動歯車19a、20aがそれぞれ固定され、第3速〜第6速の駆動歯車21a〜24aがそれぞれに回転自在に装着されている。出力軸14には第1速と第2速の被駆動歯車19b、20bが回転自在に装着され、第3速〜第6速の被駆動歯車21b〜24bがそれぞれ固定されている。それぞれの駆動歯車19a〜24aは、対応する被駆動歯車19b〜24bと常時噛合っており入力軸13と出力軸14との間には、第1速〜第6速の変速歯車列19〜24が形成されている。変速歯車列19〜24はエンジン側が第1速となっており、反対側に向かうに従い高速段となっている。
【0015】
第1速の変速歯車列19を動力伝達状態とする位置と、第2速の変速歯車列20を動力伝達状態とする位置と、いずれも動力伝達状態としない中立位置とに切換えるために、出力軸14には、第1切換クラッチ25が設けられている。入力軸13には、第3速の変速歯車列21を動力伝達する位置と、第4速の変速歯車列22を動力伝達する位置と、いずれも動力伝達状態としない中立位置とに切り換えるために第2切換クラッチ26が設けられるとともに、第5速の変速歯車列23を動力伝達する位置と、第6速の変速歯車列24を動力伝達とする位置と、いずれも動力伝達しない中立位置とに切り換えるために第3切換クラッチ27が設けられている。
【0016】
第1切換クラッチは出力軸14に固定された切換ハブ25aと、この切換ハブ25aに軸方向に移動自在に装着される切換スリーブ25bとを有し、この切換スリーブ25bを第1速の被駆動歯車19bに設けられたスプライン部に噛み合わせると、第1速の変速段が選択されて変速歯車列19が動力伝達となる。一方切換スリーブ25bを第2速の被駆動歯車20bに設けられたスプライン部に噛み合せると、第2速の変速段が選択されて変速歯車列20が動力伝達となる。
【0017】
第2切換クラッチ26と第3切換クラッチ27も第1切換クラッチ25と同様の構造となっており、切換ハブ26a、27aと切換スリーブ26b、27bとを有している。それぞれの切換クラッチ25〜27は、同期連結機構つまりシンクロメッシュ機構が用いられている。それぞれの切換スリーブ25b〜27bは図示してない油圧アクチュエータによって駆動されるようになっており、走行状態に応じて自動的に変速段が選択される。ただし、この自動変速機はマニュアル式の変速機つまり手動変速機としても使用することができる。その場合には運転席に設けられたシフトレバーの操作によって切換スリーブを駆動する。
【0018】
入力軸13および出力軸14に平行にリバース軸28が配置されており、このリバース軸28には第1速の駆動歯車19aに常時噛み合う第1リバースアイドラ歯車29が回転自在に装着されており、さらに出力軸14に固定される後退用被駆動歯車30に常時噛み合う第2リバースアイドラ歯車31がリバース軸28に回転自在に装着されている。第1リバースアイドラ歯車29と第2リバースアイドラ歯車31とを連結する状態と連結を解く状態とに切り換えるために、リバース軸28には噛合いクラッチ32が設けられている。噛合いクラッチ32は、第2リバースアイドラ歯車31に設けられた切換ハブ32aと、この切換ハブ32aに軸方向に移動自在に装着された切換スリーブ32bとを有し、この切換スリーブ32bは第1リバースアイドラ歯車29に設けられたスプライン部に噛み合うようになっている。
【0019】
センタデファレンシャル16は、出力軸14に固定される第1太陽歯車33と、出力軸14に同軸状となったリヤ出力軸34に固定される第2太陽歯車35を有している。第1太陽歯車33に噛み合う第1ピニオン歯車36とこれと一体となり第2太陽歯車35と噛み合う第2ピニオン歯車37は、出力軸14に回転自在に装着されたフロント出力軸38に一端が固定されたピニオン軸39に回転自在に装着されている。ピニオン軸39の他端は、リヤ出力軸34に回転自在に装着されたクラッチハブ41に固定されている。リヤ出力軸34に固定されたクラッチドラム42とクラッチハブ41とにより差動制限クラッチ43が形成されており、クラッチハブ41に設けられたクラッチディスク41aとクラッチドラム42に設けられたクラッチディスク42aとが密着状態となると、フロント出力軸38とリヤ出力軸34は直結状態となってセンタデファレンシャル16の差動動作が制限される。
【0020】
フロント出力軸38には駆動側のフロントリダクション歯車44aが一体に設けられ、このフロントリダクション歯車44aは前輪用ドライブシャフト17と一体回転する被駆動側のフロントリダクション歯車44bに噛み合っている。一方、リヤ出力軸34と一体回転する駆動側のリヤリダクション歯車45aは、後輪用ドライブシャフト18に設けられた被駆動側のリヤリダクション歯車45bに噛み合っている。前輪用ドライブシャフト17は終減速小歯車46を介してフロントデファレンシャルの終減速大歯車47に連結され、後輪用ドライブシャフト18は終減速小歯車48を介してリヤデファレンシャルの終減速大歯車49に連結されている。
【0021】
図2は図1に示された変速機の一部を拡大して示す断面図であり、図3は図2に示された分配部材のA−A線に沿う断面図である。図2に示すようにトランスミッションケース50は本体部50aとこれに取り付けられるエクステンション部50bとにより形成され、この内部には入力軸13、出力軸14およびセンタデファレンシャル16などが回転自在に装着されている。センタデファレンシャル16のクラッチドラム42は円筒部42bと径方向の端板部42cとを有し、クラッチドラム42の内部には端板部42cと対向するように油圧ピストンつまり油圧アクチュエータ51が軸方向に移動自在に装着されている。
【0022】
この油圧アクチュエータ51は油圧作動機器を構成しており、油圧アクチュエータ51とクラッチドラム42との間にはクラッチ油圧室52が形成され、このクラッチ油圧室52に制御圧に調圧された作動油を供給すると、油圧アクチュエータ51はクラッチディスク41a,42aを押し付ける方向に移動してこれらが密着し、差動制限クラッチ43は締結状態となる。リヤ出力軸34に固定された隔壁53と油圧アクチュエータ51との間にはキャンセル室54が形成されており、このキャンセル室54には油圧アクチュエータ51を戻す方向にばね力を加えるために戻しばね55が組み込まれている。
【0023】
エクステンション部50bにはリヤ出力軸34の端部を回転自在に支持するための軸受56が取り付けられ、エクステンション部50bに形成された支持部57内には棒状の分配部材58がその一端部の固定部58aにより固定されている。この分配部材58の他端部はリヤ出力軸34に形成された嵌合孔59に嵌合する嵌合部58bとなっており、リヤ出力軸34は嵌合部58bの外周面に沿って回転することになる。
【0024】
支持部57の底壁には制御圧供給口61が形成され、支持部57の側壁には潤滑圧供給口62が形成されており、それぞれの供給口61,62にはエンジンまたは電動モータにより駆動される油圧ポンプから吐出した作動油が調圧弁により調圧されて供給されるようになっており、潤滑圧は制御圧よりも低い圧力に調圧される。
【0025】
リヤ出力軸34には嵌合孔59とクラッチ油圧室52とを連通させるための制御圧案内孔63が嵌合孔59の内周面から径方向に延びて形成されるとともにリヤ出力軸34の中心部には嵌合孔59に連通して潤滑油案内孔64が軸方向に延びて形成されている。この潤滑油案内孔64に連通してリヤ出力軸34には複数の連通孔65が形成されており、それぞれの連通孔65は歯車相互の噛合い部、軸受およびクラッチディスク41a,42aなどのように相対的すべりが発生する被潤滑部に潤滑油を供給することになる。図2に示すようにキャンセル室54にも潤滑圧の作動油が供給されるようになっている。
【0026】
分配部材58には、それぞれ軸方向に延びる底付きの2つの油路66,67が形成されている。一方の油路66は制御圧用油路であり、分配部材58の制御圧供給口61に対向する端面が開口し、この制御圧用油路66の底部側に嵌合孔59に連通して径方向に形成された貫通孔68を介して制御圧案内孔63に連通しており、分配部材58の外周には貫通孔68と連通する環状溝69が形成されている。他方の油路67は潤滑用油路であり、分配部材58の潤滑油案内孔64に対向する端面が開口しており、この潤滑用油路67の底部側には潤滑圧供給口62に連通する貫通孔71が径方向に形成されている。
【0027】
したがって、制御圧供給口61に供給された制御圧の作動油は制御圧用油路66を介してクラッチ油圧室52に案内されることになり、差動制限クラッチ43を締結する際には制御圧用油路66を介して制御圧が供給され、締結を解除する際には制御圧用油路66を介して作動油が排出される。潤滑圧供給口62に供給され、制御圧とは圧力が相違する異種の潤滑圧の作動油は、潤滑用油路67を介して各々の被潤滑部に案内されることになり、潤滑に使用された作動油は自重によりオイルパンに戻される。図2に示すように嵌合部58bには貫通孔68の両側に位置させてシール部材72が装着され、固定部58aにはシール部材73が装着されている。
【0028】
このように、クラッチ油圧室52に制御圧を供給する制御圧用油路66と被潤滑部に潤滑油を供給する潤滑用油路67は、トランスミッションケース50に固定されるとともに回転軸であるリヤ出力軸34の一端部に嵌合する横断面円形の棒状の分配部材58に集中して形成されており、所望の作動油の流量を確保しつつ分配部材58の外径を小さくすることができる。分配部材58の外径を小さくすることができるので、分配部材58に装着されたシール部材72とリヤ出力軸34との摺動抵抗を小さくすることができ、リヤ出力軸34の回転時にリヤ出力軸に分配部材58から加わる摺動抵抗を低減させることができる。
【0029】
図4は本発明の他の実施の形態である変速機における図2と同様の部分を示す断面図であり、図5は図4に示された分配部材のB−B線に沿う断面図であり、図6は図4のC−C線に沿う断面図である。図4に示された分配部材58の断面は図5におけるD−D線に沿う部分を示す。図4〜図6においては、図2および図3に示された部材と共通する部材には同一の符号が付されている。
【0030】
図4に示す変速機においては、クラッチ油圧室52に制御圧を供給するとともにキャンセル室54に対しても制御圧を供給するようにしており、嵌合孔59とキャンセル室54は制御圧案内孔63aにより連通されている。支持部57の底壁には、図2に示す変速機と同様に制御圧供給口61が形成され、支持部57の側壁には図4に示すように軸方向にずらして制御圧供給口61aと潤滑圧供給口62が形成されており、それぞれの制御圧供給口61,61aには相互に相違した圧力の制御圧が供給されるようになっている。
【0031】
分配部材58には、それぞれ軸方向に延びる底付きの3つの油路66,66a,67が形成されている。2つの油路66、66aはそれぞれ制御圧用油路であり、一方の制御圧用油路66は分配部材58の制御圧供給口61に対向する端面が開口し、この制御圧用油路66の底部側に嵌合孔59に連通して径方向に形成された貫通孔68を介して制御圧案内孔63に連通しており、分配部材58の外周には貫通孔68と連通する環状溝69が形成されている。他方の制御圧用油路66aは分配部材58の潤滑油案内孔64に対向する端面がボール74により閉塞され、底部側には制御圧供給口61aに連通する貫通孔71aが形成されている。さらに、この制御圧用油路66aはボール74側に嵌合孔59に連通して径方向に形成された貫通孔68aを介して制御圧案内孔63aに連通しており、分配部材58の外周には貫通孔68aと連通する環状溝69aが形成されている。残りの油路67は潤滑用油路であり、分配部材58の潤滑油案内孔64に対向する端面が開口しており、この潤滑用油路67の底部側には潤滑圧供給口62に連通する貫通孔71が形成されている。
【0032】
したがって、制御圧供給口61に供給された制御圧の作動油は制御圧用油路66を介してクラッチ油圧室52に案内されることになり、差動制限クラッチ43を締結する際には制御圧用油路66を介して制御圧が供給され、締結を解除する際には制御圧用油路66を介して作動油が排出される。一方、制御圧供給口61aに供給された制御圧の作動油は制御圧油路66aを介してキャンセル室54に案内されることになり、油圧アクチュエータ51に対して制御圧が加えられる。これにより、回転軸としてのリヤ出力軸34の回転の遠心力によってクラッチ油圧室52内の作動油に発生する遠心油圧は、回転数に応じてキャンセル室54に加えられる制御圧を調整することによりキャンセルされる。さらに、潤滑圧供給口62に供給される作動油は、潤滑用油路67を介して軸受、歯車の歯面およびクラッチディスクなどの各々の被潤滑部に案内されることになる。
【0033】
このように、分配部材58には2つの制御圧用油路66,66aと1つの潤滑用油路67との合計3つの油路が相互に平行となって形成されており、外径の小さい分配部材58を介してそれぞれの油路から所望の圧力の作動油を所望の流量で分配して供給することができる。
【0034】
図示する変速機は平行軸式の自動変速機であるが、ケースつまりトランスミッションケース50内に組み込まれた変速機構成部材の被潤滑部に対して回転軸に形成された潤滑油案内孔64から潤滑油を供給するとともに、変速機に組み込まれた油圧アクチュエータ51などの油圧作動機器に対して制御圧を供給する場合であれば、平行軸式の自動変速機のみならず遊星歯車式の自動変速機、手動変速機および無段変速機に対しても本発明を適用することができる。また、図示する変速機は4輪駆動車に適用されるが、FF車やFR車にも本発明を適用することができる。さらに、図示する変速機はエンジンルームに縦置き式であるが横置き式にも本発明を適用することができる。
【0035】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、分配部材はリヤ出力軸に設けられているが、異種の作動油を供給するのであれば、入力軸や出力軸などのいずれの回転軸に設けるようにしても良い。また、分配部材内に設けられた軸方向の油路は図示する場合には2つまたは3つに限られず、4つあるいはそれ以上設けるようにしても良い。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、変速機のケースに固定される分配部材がケース内に組み込まれた回転軸の端部に嵌合し、分配部材に軸方向に延びる複数の油路が形成されているので、それぞれの油路を介してケース内には相互に種類が相違した作動油を供給することができる。1つの分配部材に複数の油路を形成したので、分配部材の径を小さくすることができ、分配部材と回転軸との摺動部における摺動抵抗を小さくすることができる。作動油の分配をコンパクトな分配部材によって達成することができ、変速機の組立工数が低減され、製造コストを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である変速機を示すスケルトン図である。
【図2】図1に示された変速機の一部を拡大して示す断面図である。
【図3】図2に示された分配部材のA−A線に沿う断面図である。
【図4】図4は本発明の他の実施の形態である変速機における図2と同様の部分を示す断面図である。
【図5】図4に示された分配部材のB−B線に沿う断面図である。
【図6】図4のC−C線に沿う断面図である。
【符号の説明】
13 入力軸
14 出力軸
16 センタデファレンシャル
19〜24 変速歯車列
34 リヤ出力軸(回転軸)
41 クラッチハブ
42 クラッチドラム
43 差動制限クラッチ
51 油圧アクチュエータ
52 クラッチ油圧室
54 キャンセル室
58 分配部材
61,61a 制御圧供給口
62 潤滑圧供給口
66,66a 制御圧用油路(油路)
67 潤滑用油路(油路)

Claims (3)

  1. 変速歯車列を形成する複数の歯車が設けられるとともに油圧作動機器が設けられる回転軸を有し、ケース内に組み込まれる変速機であって、
    前記ケースに固定される固定部および前記回転軸に形成された嵌合孔に嵌合される嵌合部を有する分配部材と、
    前記分配部材に相互に平行に形成され、前記ケースに形成された複数の作動油供給口と連通し相互に異なった種類の作動油を前記嵌合孔を介して案内する複数の油路とを有することを特徴とする変速機。
  2. 請求項1記載の変速機において、複数の前記油路は前記油圧作動機器に制御圧を案内する制御圧用油路と、前記ケース内の被潤滑部に潤滑油を案内する潤滑用油路であることを特徴とする変速機。
  3. 請求項2記載の変速機において、前記制御圧用油路と前記潤滑用油路の少なくとも一方を、前記分配部材に複数形成したことを特徴とする変速機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015183786A (ja) * 2014-03-25 2015-10-22 富士重工業株式会社 潤滑油供給構造及び変速機

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