JP2004197473A - 孔底拡張型井戸及びその掘削工法 - Google Patents

孔底拡張型井戸及びその掘削工法 Download PDF

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Abstract

【課題】環境保全や採算性から、ダムに代わる大容量の清水確保の要求に答え、汚染されない深層の帯水層内に形成され、地盤に対して地盤沈下等の悪影響を与えず、大容量の清水を確保するコスト及びスペース的に有利な孔底拡張型井戸及びその掘削工法を提供する。
【解決手段】地表から帯水層の上方近傍まで掘削された竪孔の内周面に止水壁が形成され、人の出入りや必要な機材の搬入出が可能な大きさの内径を有する竪坑と、前記竪孔に連設して帯水層内に所定の深さまでさらに拡径掘削された拡径孔の内周面に濾過壁が形成され、その周囲の帯水層内から大容量の集水及び貯水を行う集水貯槽と、前記集水貯槽の周囲に連通して一段又は複数段の放射状に所定の孔径及び長さに掘削された横孔内の周囲に濾過壁が形成され、帯水層内からさらに多量の水を集水する複数の集水路とかなる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地表の浅部の汚染された表流水層の湧水が混入しない深層の帯水層内に形成され、大容量の清水を確保す孔底拡張型井戸及びその掘削工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
環境保全の必要性や採算性からも今後、ダム建設の中止又は見直しが活発化され、これに伴い、一つにはコスト及びスペース的に有利な大容量の井戸による清水確保の要求が高まることが予想される。このためには、従来のような浅い井戸は、地表の浅部の汚染土壌あるいは表流水層からの汚染された水が浸透してくるため飲料水等の清水には不適当であり、地表から400〜1000m程度の深い深層の帯水層から汚染されない清水を大量に汲み出す必要がある。
【0003】
従来の井戸は、大部分が地表から浅い地中か、それより深くても比較的浅層にある帯水層内から集水するために掘削された円筒状の浅井戸である。
【0004】
本出願人は既に、帯水層内に形成された深井戸の掘削方法について特許出願しているが(特許文献1参照)、この掘削孔もストレートな円筒状に掘削された井戸孔である。また、地下深く太い孔を掘削するのは大掛かりで骨が折れるため、下方部が一段又は多段に順次細く形成されることが多く、帯水層に形成された孔底縮小型深井戸の例もある(例えば、特許文献2、3参照)。
【0005】
一方、孔底拡張型掘削孔としては、パイルに大きな支持力を持たせるため先端に拡大した球根部を形成する方法、すなわち拡縮径可能なビットで掘削された孔底拡張型掘削孔の例(例えば、特許文献4参照)や、大口径硬化層造成工法として、拡縮径可能な高圧ジェット噴射翼により掘削された孔底拡張型掘削孔の例(例えば、特許文献5参照)などがある。しかしこれらは、井戸用、少なくとも帯水層に形成される深井戸に適用されるものではなく、本来その意図もない。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−71983号公報(第3、4頁、図1)
【特許文献2】
特公平5−2776号公報(第2、3頁、第4図)
【特許文献3】
実開平4−8052号公報(第1頁、第1図)
【特許文献4】
特開平11−264136号公報(第3、4頁、図3、9)
【特許文献5】
特公平1−27207号公報(第2頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来においては、そもそも「深い帯水層から汚染されない清水を大量に確保する」という発想はなく、その構成について提案又は開示された例は見当たらない。すなわち、前記従来の井戸は、浅井戸で、容量が小さく少人数の利用に限定されたものである。
【0008】
また、従来のような地表から浅い地層内に設けられた浅井戸から大量の地下水を汲み上げると、地盤の弱体化を招き、地盤沈下を起こし易いという問題点もある。
【0009】
本発明の目的は、今後環境保全の必要性や採算性からも、ダム建設の中止又は見直しが活発化され、ダムに代わる他の方法による大容量の清水確保の要求に答えて、上記従来の井戸における問題点を解決すべく、コスト及びスペース的に有利であり、地表の浅部の汚染された表流水層の湧水が混入しない深層の帯水層内に形成され、地盤に対して地盤沈下等の悪影響を与えず、大容量の清水を確保する孔底拡張型井戸及びその掘削工法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の孔底拡張型井戸は、地表から帯水層の上方近傍まで掘削された竪孔の内周面に保護管を挿入して止水壁が形成され、人の出入りや必要な機材の搬入出が可能な大きさの内径を有する竪坑と、前記竪孔に連設して帯水層内に所定の深さまでさらに拡径掘削された拡径孔の内周面に濾過壁が形成され、その周囲の帯水層内から大容量の集水及び貯水を行う集水貯槽とからなることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の他の孔底拡張型井戸は、前記手段に加えて、前記集水貯槽の周囲に連通して一段又は複数段の放射状に所定の孔径及び長さに掘削された横孔内の周囲に濾過壁が形成され、その周囲の帯水層内からさらに多量の水を集水する複数の集水路とからなることを特徴とする。
【0012】
一方、本発明の孔底拡張型井戸の掘削工法は、人の出入りや必要な機材の搬入出が可能な所定の大きさの内径を有する竪孔を地表から帯水層の上方近傍まで掘削する竪孔掘削工程と、前記竪孔に連設して帯水層内にさらに拡径された拡径孔を所定の深さまで掘削する拡径孔掘削工程と、前記拡径孔の内周面に濾過壁を形成する集水貯槽濾過壁形成工程と、前記竪孔の内周面に止水壁を形成する竪孔止水壁形成工程とを有することを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の他の孔底拡張型井戸の掘削工法は、前記一実施の形態による孔底拡張型井戸の掘削工法における前記拡径孔掘削工程の後に続けて、前記拡径孔の周囲に連通して一段又は複数段の放射状に所定の孔径及び長さの複数の横孔を掘削する横孔掘削工程と、前記横孔の内周面に濾過壁を形成する集水路濾過壁形成工程と、前記拡径孔の内周面に濾過壁を形成する集水貯槽濾過壁形成工程と、前記竪孔の内周面に止水壁を形成する竪孔止水壁形成工程とを有することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施の形態による孔底拡張型井戸は、地表の浅部の汚染土壌あるいは表流水層からの汚染された水が浸透してくるのを極力防止するため、図1に示すように、地表から表土層、表流水層、上部不透水層等からなる上部非帯水層101を経て深層の帯水層102の上方近傍、例えば地表から400〜1000m程度の深さまで掘削された竪孔10の内周面に止水壁が形成され、人の出入りや必要な機材の搬入出が可能な大きさ例えば、2〜3m程度の内径を有する竪坑1と、竪孔10に連設して帯水層内に所定の深さ、例えば下部不透水層103の上部近傍まで、例えば直径3〜6m程度にさらに拡径掘削された拡径孔20の内周面に濾過壁が形成され、その周囲の帯水層102内から大容量の集水及び貯水を行う集水貯槽2とから大略構成されている。
【0015】
また、本発明の他の実施の形態による孔底拡張型井戸は、図2に示すように、前記一実施の形態に加えて、集水貯槽2の周囲に連通して一段又は複数段の放射状に所定の孔径及び長さ(例えば、孔径100〜150mm×長さ50〜60m程度)に掘削された横孔30内の周囲に濾過壁が形成され、その周囲の帯水層102内から集水を行う複数の集水路3とから大略構成されている。
【0016】
竪孔10の最上部の開口部に設けられる防塵及び落下防止用の蓋や、揚水設備のポンプ及びその給水側のストレーナ管や調整スリット等からなる地下水集水装置が取り付けられ、地下水吸入時の砂等の異物混入を防止しているが、これらはいずれも公知のものであり、ここでは、説明を簡略化するため省略する。
【0017】
竪坑1の内径は、施工を容易にするためには極力細い方が望ましいが、集水貯槽2及び集水路3の形成作業や施工後のメンテナンスを行うために人(作業員)の出入りや必要な機材(集水路を掘削する掘削機も含む)の搬出入が可能な2〜3m程度とすることが望ましい。
【0018】
集水貯槽2の内径は、容量に応じて大きくすることができるが、掘削効率等コスト面を考慮すると、現時点では、岩盤まで掘削可能な拡縮径機能を有する大口径ビットで一度に掘削することができる拡径孔20の最大内径6m程度以内(3〜5m程度、又は6m弱程度以内)とするのがよい。
【0019】
竪孔10と拡径孔20との連結部分は、円錐状の接続孔20bが形成されている。これは、孔壁の強度及び後述する拡径孔20内周面等へのフィルタ材24の投入の容易性を考慮した形状である。
【0020】
また、拡径孔20の孔底20cは、帯水層102の下部近傍、又は帯水層102を貫通して下部不透水層103の上部近傍まで掘削形成されてもよいが、後者の場合の方が、帯水層102内の水圧又は土圧がサンドトラップ22の底面に負荷されないため単純な平板底形状とすることができるなど強度的に有利である。この場合、サンドトラップ22の平板底は、拡径孔20の孔底20Cからの土砂の進入を防止することができるが、必ずしも必須なものではなく、必要に応じて小石類その他の建材を敷き詰めるなどの養生を施すこともできる。
【0021】
また、集水路3は、内径が100〜150mm程度で、長さが50〜60m程度あれば充分であるが、必要に応じて内径及び長さを種々変更することが可能であることはいうまでもない。集水路3は、略水平又は任意の角度に傾斜させることもできる。
【0022】
前記竪坑1の止水壁は、公知の種々の方法で構成することが可能であるが、ここでは、本出願人が特許文献1で示した深井戸の掘削方法と同様な(外管と保護管との間の隙間が、例えば10〜20mm程度に比較的小さくできる)構成として説明する。すなわち、竪坑1の止水壁は、図1、2に示すように、竪孔10より外径が20〜40mm程度細く、竪坑1の内壁を形成する保護管11と、竪孔10と保護管11との隙間に形成されたシールグラウト13とから構成されている。保護管11の外面には、上端から深さの異なる所定の位置まで延設して、貼り付けられた複数のビニル系の市販品などからなるグラウト用チューブ12が配設されており、施工中に孔壁崩壊の場合にはグラウト用チューブ12からグラウト材を注入するよう構成されている。
【0023】
前記集水貯槽2の濾過壁は、図1、2に示すように、拡径孔20の内周面に沿って所定(例えば、10〜20mm程度)の隙間を有するように配設され、集水貯槽の内壁を形成する円筒状のストレーナ21及びストレーナ21と保護管11との接続管である円錐状のストレーナ接続管23と、ストレーナ21の下に連設して拡径孔20の孔底20cに接するように有底円筒状に形成されたサンドトラップ22と、拡径孔20とストレーナ21及びストレーナ接続管23との隙間(例えば、10〜20mm程度)に注入されたフィルタ材24とから構成されている。
【0024】
ストレーナ21は、例えば孔径20mm程度の孔又は同等幅のスリットが60mmピッチ程度で開けられた円筒板に、厚さが約2mm以下の平織で、糸は縦・横25mm当り15〜60本程度配設された、よりのかからない連続繊維(フィラメント)のガラス繊維(ガラス繊維クロス)又はナイロン等の合成繊維からなる織布が巻回されている。
ストレーナ21の織布の周りに充填するフィルタ材24としては、粒径が約2〜3mm程度の砂が望ましい。前記砂を採用することにより、ストレーナ21と拡径孔20との間の隙間を10〜20mm程度に狭く構成することができるとともに、ストレーナ21周囲の土砂の目詰まりを防止することができる利点がある。
この目詰まりを防止する理由は、本出願人の前記特許文献1にも示しているように、「井戸内の清水を汲み出し中には、ストレーナ21、31の織布の糸は偏平になり、フィルタ材24である粒径2〜3mm程度の砂の粒子は前記糸の外側に当接するので、糸の目に砂の粒子が噛み込まないことから目詰りが生じない。そして、前記糸の繊維の間を清水が通過するようになっている。」というストレーナ21、31の織布の作用があることによる。
サンドトラップ22には、必要に応じて抜け止め22aを設ける。
【0025】
前記集水路3の濾過壁は、図2、3に示すように、横孔30の内周面に沿って挿入され、集水路3の内壁を形成する円筒状のストレーナ31から構成されている。
ストレーナ31は、前記ストレーナ21と同様な構成で外径を細くしたものであり、詳細な説明は省略する。
【0026】
また、竪坑1及び集水貯槽2内には、集水貯槽2及び集水路3の形成作業や施工後のメンテナンスを行うために人(作業員)が出入りするための人力駆動式リフト又は動力式エレベータなど簡易の昇降装置40が設けられている。昇降装置40は、必要時に仮設することとしてもよい。
【0027】
以上のように構成された本発明の孔底拡張型井戸の揚水は、次の通り行われる。
シールグラウト13は上部非帯水層101から帯水層102の上部近辺まで施工してあるので、地表を流れる汚水及び表土層に浸透した汚染水及び表流水層から湧出する汚染水は、シールグラウト13と上部非帯水層101内の下層である上部不透水層とによって遮断される。そして、汚染されていない帯水層102内の清水が集水貯槽2の2〜3mm程度の砂からなるフィルタ材24を通り、織布が巻回されたストレーナ21あるいは集水路3のストレーナ31を経て集水貯槽2及び竪孔1の保護管11内に流入し、いずれも図示しない揚水管を経て深井戸ポンプにより地上へ汲み上げられる。
このように、集水貯槽2及び集水路3内は常に全体として大容量の清水が満水しており、ストレーナ21、31の表面積も大きいためそこから流入する清水の流入速度は緩慢であることから、ストレーナ21、31には前記したように砂粒子が噛み込み難い特性を有することも加えて長期に亘り目詰まりを起こし難い構成となっている。しかし、ストレーナ21、31の織布を通った微量の細砂は、サンドトラップ22に溜るようになっており、メンテナンス時必要に応じて(数年に一度といったオーダーで)そこに溜った細砂を地上に取り出すことができる。
【0028】
次に、以上説明した本発明の孔底拡張型井戸の掘削工法について説明する。
【0029】
本発明の一実施の形態による孔底拡張型井戸の掘削工法は、大略次の工程を有する。
すなわち、まず、人が出入り可能な所定の大きさ、例えば2〜3m程度の内径を有する竪孔10を地表から帯水層102の上方近傍まで掘削する(竪孔掘削工程)。
次に、竪孔10に連設して例えば3〜5m程度に拡径された拡径孔20を帯水層102内に所定の深さ(例えば、下部不透水層103の上部近傍)まで掘削する(拡径孔掘削工程)。
その後、拡径孔20の内周面に濾過壁を形成する(集水貯槽濾過壁形成工程)。
そして、竪孔10の内周面に止水壁を形成する(竪孔止水壁形成工程)。この際、竪坑1及び集水貯槽2内には、集水貯槽2の形成作業や施工後のメンテナンスを行うために作業員が出入りするための人力駆動式簡易リフタ又は動力式エレベータなど簡易の昇降装置40を設ける。
【0030】
なお、揚水設備その他必要な付帯設備の敷設については、公知の方法によるもので、以下説明を省略する。
【0031】
前記一実施の形態による孔底拡張型井戸の掘削工法について、より詳細に説明する。
まず、人が出入り可能な所定の大きさ(例えば、2〜3m程度)の内径を有する竪孔10を地表から帯水層102の上方近傍まで二重管式掘削機を用いて掘削する(竪孔掘削工程)。この場合、比較的口径の大きいロータリパーカッションドリル等を用いれば、能率よく掘削することができる。
【0032】
次に、竪孔10に連設して下方に向けて拡縮径可能な大口径ビットにより帯水層102内に所定の深さ(例えば、下部不透水層103の上部近傍)まで拡径された(例えば、口径3〜6m弱程度の)拡径孔20を掘削する(拡径孔掘削工程)。
この場合、拡径孔20の孔壁が崩壊するような場合には、上方から徐々に孔壁を補修・養生しながら拡径孔20を掘下げて行くことができる。
【0033】
この拡径孔掘削工程には、前記とは異なる次の方法もある。すなわち、竪孔10を帯水層102の所定の深さまで掘削した後に、その孔底から上方に向けて前記大口径ビットを引上げることにより帯水層102の上方近傍まで拡径された拡径孔20を掘削することもできる。
この後者の方法は、孔壁が崩壊し難い土質の場合、先に竪孔10と同じ比較的細い口径で掘削した後、下方から上方に向けて大口径ビットにより一気に拡径孔20を掘削することができるので、掘削効率が高く、工期が短縮できるメリットがある。
この際、いずれの場合も竪孔10と拡径孔20との連結部分は、円錐状に接続孔20bを形成する。
【0034】
次に、前記竪孔10の二重管の外管をそのままにして内管を地上へ抜管する(内管抜管工程)。
【0035】
その後、拡径孔20の拡径孔部20a及び接続孔部20bの内周面に沿って所定(10〜20mm程度)の隙間を有するように円筒状のストレーナ21及びストレーナ21と保護管11との接続管である円錐状のストレーナ接続管23、そしてストレーナ21の下に連設してサンドトラップ22を拡径孔20の底部20cに接するように有底円筒状に形成する(集水貯槽内壁形成工程)。この際、ストレーナ21、ストレーナ接続管23及びサンドトラップ22は、竪孔10の外管の内径を通過可能な大きさに分割された部品を拡径孔20内に搬入してからそれぞれ前記所定の形状に組立てて形成する。
【0036】
次に、竪孔10より外径が20〜40mm程度細い保護管11を竪孔10の外管内に挿入する(保護管挿入工程)。
その後、前記外管を抜きながら外管と保護管11の間(例えば10〜20mm程度の隙間)から、例えば2〜3mm程度の砂からなるフィルタ材24を拡径孔20とストレーナ21及びストレーナ接続管23との隙間(例えば10〜20mm程度)に投入する(フィルタ材投入工程)。
そして、竪孔10と保護管11との間に地表から帯水層の上方近傍までグラウト材を投入しシールグラウト13を形成する(竪孔グラウト工程)。
【0037】
また、本発明の他の実施の形態による孔底拡張型井戸の掘削工法は、大略次の通りである。
前記一実施の形態における拡径孔掘削工程の後に続けて、拡径孔20の周囲に連通して一段又は複数段の放射状に所定の孔径及び長さ(例えば、孔径100〜150mm×長さ50〜60m程度)の複数の横孔30を掘削する(横孔掘削工程)。
次に、横孔30の内周面に濾過壁を形成する(集水路濾過壁形成工程)。
その後、拡径孔20の内周面に濾過壁を形成する(集水貯槽濾過壁形成工程)。
そして、竪孔10の内周面に止水壁を形成する(竪孔止水壁形成工程)。
【0038】
本発明の他の実施の形態による孔底拡張型井戸の掘削工法について、より詳細に説明する。
まず、前記一実施の形態による孔底拡張型井戸の掘削工法における拡径孔掘削工程の後に続けて、拡径孔20の周囲に連通して一段又は複数段の放射状に所定の孔径及び長さ(例えば、孔径100〜150mm×長さ50〜60m程度)の複数の横孔30を掘削する(横孔掘削工程)。
次に、前記竪孔10の二重管の外管をそのままにして内管を地上へ抜管する(内管抜管工程)。
【0039】
その後、横孔30の内周面に沿って円筒状のストレーナ31を挿入し、集水路濾過壁を形成する(集水路濾過壁形成工程)。
この際、ストレーナ31は、集水貯槽2内に収容可能な長さに短く分割されたものを集水貯槽2内に搬入して順次横孔30内に挿入しながら継足し形成される。
【0040】
次に、拡径孔20内周面に沿って所定の隙間(10〜20mm程度)を有するようにストレーナ21及びストレーナ21と保護管11との接続管である円錐状のストレーナ接続管23、そしてストレーナ21の下に連設してサンドトラップ22を拡径孔の底部に接するように円筒状に形成する(集水貯槽内壁形成工程)。この際、ストレーナ21、ストレーナ接続管23及びサンドトラップ22は、竪孔10の外管の内径を通過可能な大きさに分割された部品を拡径孔20内に搬入してからそれぞれ前記所定の形状に組立てて形成する。
【0041】
その後、竪孔10より外径が20〜40mm程度細い保護管11を竪孔10の外管内に挿入する(保護管挿入工程)。
【0042】
次に、竪孔10から前記外管を抜きながら外管と保護管11の間(例えば10〜20mm程度の隙間)から、例えば2〜3mm程度の砂からなるフィルタ材24を拡径孔20とストレーナ21との隙間(例えば10〜20mm程度)に投入する(フィルタ材投入工程)。
【0043】
そして、竪孔10と保護管11との間に地表から帯水層102の上方近傍までグラウト材を投入しシールグラウト13を形成する(竪孔グラウト工程)。
【0044】
以上の説明から、本発明は、次のような技術的思想を包含するものである。
(1)人の出入りや必要な機材の搬入出が可能な所定の大きさの内径を有する竪孔を地表から帯水層の上方近傍まで二重管式掘削機で掘削する竪孔掘削工程と、前記竪孔に連設して帯水層内に拡径された拡径孔を所定の深さまで拡縮径可能な大口径ビットで掘削する拡径孔掘削工程と、前記二重管の外管をそのままにして内管を地上へ抜管する内管抜管工程と、前期拡径孔内周面に沿って所定の隙間を有するようにストレーナ及びストレーナの下に連設してサンドトラップを拡径孔の底部に接するように円筒状に形成する集水貯槽内壁形成工程と、保護管を前記竪孔の外管内に挿入する保護管挿入工程と、前記外管を抜きながら前記外管と保護管の間からフィルタ材を前記拡径孔とストレーナとの隙間に投入するフィルタ材投入工程と、前記竪孔と保護管との間に地表から帯水層の上方近傍までグラウト材を投入しシールグラウトを形成する竪孔グラウト工程とを有する孔底拡張型井戸の掘削工法。
(2)人の出入りや必要な機材の搬入出が可能な所定の大きさの内径を有する竪孔を地表から帯水層の上方近傍まで二重管式掘削機で掘削する竪孔掘削工程と、前記竪孔に連設して帯水層内に拡径された拡径孔を所定の深さまで拡縮径可能な大口径ビットで掘削する拡径孔掘削工程と、前記拡径孔の周囲に連通して一段又は複数段の放射状に所定の孔径及び長さの複数の横孔を掘削する横孔掘削工程と、前記二重管の外管をそのままにして内管を地上へ抜管する内管抜管工程と、前期横孔内周面に沿って円筒状のストレーナを形成する集水路濾過壁形成工程と、前期拡径孔内周面に沿って所定の隙間を有するようにストレーナ及びストレーナの下に連設してサンドトラップを拡径孔の底部に接するように円筒状に形成する集水貯槽内壁形成工程と、保護管を前記竪孔の外管内に挿入する保護管挿入工程と、前記外管を抜きながら前記外管と保護管の間からフィルタ材を前記拡径孔とストレーナとの隙間に投入するフィルタ材投入工程と、前記竪孔と保護管との間に地表から帯水層の上方近傍までグラウト材を投入しシールグラウトを形成する竪孔グラウト工程とを有する孔底拡張型井戸の掘削工法。
【0045】
なお、以上において、孔底拡張型井戸は、例えば地下400〜1000m程度の深い深層の帯水層内に構築すると説明したが、地盤沈下が生じない強固な岩盤等からなる地盤の場合はそれよりも浅い帯水層内に構築することができることは言うまでもない。勿論その場合は、地表の浅い部分の汚染された地下水が井戸内に流入しないよう、竪孔等のシールグラウトに万全を期すことが必要である。
【0046】
【発明の効果】
以上、詳細に説明した本発明によれば、下記のような従来にない優れた効果を奏する。
今後、環境保全の必要性や採算性からも、ダム建設の中止又は見直しが活発化される傾向にあり、ダムに代わって、地下深層の帯水層内に孔底拡張型井戸を構築することにより、ダムに比べて建設コスト及びスペース的に遥かに有利な大容量の清水を確保することができる。
さらに、孔底拡張型井戸は必要な場所に分散して構築できるので、ダムの貯水を前処理する設備や延々と長距離の水道管設備等を省略することができることから、メンテナンスも大幅に軽減化されるとともに水道コストを大幅に削減することができる。
【0047】
また、地表の浅部の汚染された表流水層の湧水が混入しない深層の帯水層内に構築された孔底拡張型井戸により、夏冷たく、冬暖かいフレッシュでクリーンな清水を大容量に提供できる。
【0048】
さらに、例えば地下400〜1000m程度の深い深層の帯水層内に孔底拡張型井戸を構築するので、地盤に対し弱体化等の影響を与えないことから、深層の帯水層内地下水を大量に使用することによる地盤沈下も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による孔底拡張型井戸の構成を模式的に示す縦断面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態による孔底拡張型井戸の構成を模式的に示す縦断面図である。
【図3】図2の集水貯槽部及び集水路の平断面図である。
【符号の説明】
1 竪坑
2 集水貯槽
3 集水路
10 竪孔
11 保護管
12 グラウト用チューブ
13 シールグラウト
20 拡径孔
20a 拡径孔部
20b テーパ部
21、31 ストレーナ
22 サンドトラップ
23 ストレーナ接続管
24 フィルタ材
30 横孔
101 上部非帯水層
102 帯水層
103 下部不透水層

Claims (4)

  1. 地表から帯水層の上方近傍まで掘削された竪孔の内周面に保護管を挿入して止水壁が形成され、人の出入りや必要な機材の搬入出が可能な大きさの内径を有する竪坑と、
    前記竪孔に連設して帯水層内に所定の深さまでさらに拡径掘削された拡径孔の内周面に濾過壁が形成され、その周囲の帯水層内から大容量の集水及び貯水を行う集水貯槽とからなることを特徴とする孔底拡張型井戸。
  2. 地表から帯水層の上方近傍まで掘削された竪孔の内周面に保護管を挿入して止水壁が形成され、人の出入りや必要な機材の搬入出が可能な大きさの内径を有する竪坑と、
    竪孔に連設して帯水層内に所定の深さまでさらに拡径掘削された拡径孔の内周面に濾過壁が形成され、その周囲の帯水層内から大容量の集水及び貯水を行う集水貯槽と、
    集水貯槽の周囲に連通して一段又は複数段の放射状に所定の孔径及び長さに掘削された横孔内に濾過壁が形成され、その周囲の帯水層内からさらに多量の水を集水する複数の集水路とからなることを特徴とする孔底拡張型井戸。
  3. 人の出入りや必要な機材の搬入出が可能な所定の大きさの内径を有する竪孔を地表から帯水層の上方近傍まで掘削する竪孔掘削工程と、
    前記竪孔に連設して帯水層内にさらに拡径された拡径孔を所定の深さまで掘削する拡径孔掘削工程と、
    前記拡径孔の内周面に濾過壁を形成する集水貯槽濾過壁形成工程と、
    前記竪孔の内周面に止水壁を形成する竪孔止水壁形成工程とを有することを特徴とする孔底拡張型井戸の掘削工法。
  4. 人の出入りや必要な機材の搬入出が可能な所定の大きさの内径を有する竪孔を地表から帯水層の上方近傍まで掘削する竪孔掘削工程と、
    前記竪孔に連設して帯水層内にさらに拡径された拡径孔を所定の深さまで掘削する拡径孔掘削工程と、
    前記拡径孔の周囲に連通して一段又は複数段の放射状に所定の孔径及び長さの複数の横孔を掘削する横孔掘削工程と、
    前記横孔の内周面に濾過壁を形成する集水路濾過壁形成工程と、
    前記拡径孔の内周面に濾過壁を形成する集水貯槽濾過壁形成工程と、
    前記竪孔の内周面に止水壁を形成する竪孔止水壁形成工程とを有することを特徴とする孔底拡張型井戸の掘削工法。
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