JP2004197201A - Method for manufacturing chromium-free surface-treated galvanized steel sheet - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家電用、建材用、自動車用等に用いられる、6価クロム(あるいは3価クロム)を含有しない、耐食性に優れた非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
亜鉛めっき鋼板あるいは亜鉛合金めっき鋼板(ここではこれらを総称して「亜鉛系めっき鋼板」と称する)は、海水等の塩分を含む雰囲気又は高温多湿の雰囲気では、表面に白錆が発生して外観を著しく損ねたり、素地鉄面に対する防錆力が低下したりする。
【0003】
この白錆の防止には、従来よりクロメート系の防錆処理剤が利用されており、例えば特開平3−131370号公報には、オレフィン−α,β−エチレン性不飽和カルボン酸共重合体樹脂ディスパージョンに水分散性クロム化合物と水分散性シリカを含有させた樹脂系処理剤が記載されている。
【0004】
このようなクロメート系処理剤による皮膜は、既知の処理剤の中で耐食性が最も良好なものとして認識されている。とは言え、クロメート処理による皮膜は有害元素であることが知られている6価クロムを含有しており、そのため6価クロムを含有しない表面処理鋼板への要求が高まっている。
【0005】
有害なクロムを含まないノンクロム防錆処理剤として、これまでに、様々なものが提案されている。例えば、防錆成分として硫化物やイオウを用いたものが、特開平8−239776号公報、特開平8−67834号公報に記載されている。これらの処理剤に含まれる硫化物やイオウに特有の臭気や毒性のない、トリアジンチオール化合物を用いた処理剤が、例えば特開昭53−31737号公報、特開平10−195345号公報に開示されている。特開昭61−223062号公報には、防錆成分としてのチオカルボニル基含有化合物と、水に難溶又は不溶性の有機化合物を混合して得られる金属との反応性エマルジョンが記載されている。
【0006】
このほかに、特開昭54−71734号公報には、ミオイノシトールの2〜6個の結合りん酸エステル又はその塩類と、チタン弗化物及びジルコニウム弗化物のうちの少なくとも一方と、チオ尿素又はその誘導体とを含有する水溶液で、亜鉛又は亜鉛合金を表面処理する方法が記載されている。特開平3−226584号公報では、Ni2+とCo2+の一方又は両方と、アンモニア及び1級アミン基を有する化合物のうちの少なくとも1種とを含有しているpH5〜10の水溶液である表面処理剤が使用されている。
【0007】
上記の従来の防錆皮膜形成用の表面処理剤は、一般に、インヒビター(あるいは防錆インヒビター)と呼ばれる防錆成分のほかに、有機樹脂及びシリカを含有していて、前処理を施した亜鉛めっき鋼板あるいは亜鉛合金めっき鋼板の表面に適用されて防錆皮膜を形成する。めっき鋼板表面の前処理には、酸洗、アルカリ洗浄、そしてリン酸塩処理が含まれる。
【0008】
最近になって、非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板に対するユーザーからのいろいろな要求を満たすために、硬さの向上した皮膜や潤滑性を持つ皮膜が必要とされるようになり、それにつれて、めっき鋼板表面に位置する接着層と、その上の機能性有機(又は無機)被覆層を備えた表面処理めっき鋼板が知られるようになってきた。このような表面処理めっき鋼板においては、接着層が、下地のめっき鋼板と上層の機能性被覆層との間に介在して、機能性被覆層の下地めっき鋼板への付着性や、めっき鋼板の耐食性を向上させている。
【0009】
下層の接着層は、有機系のものと無機系のものに大別される。有機系の接着層には、有機樹脂とシランカップリング剤とを含有するコーティング剤から形成されるものと、有機樹脂と反応性有機化合物(例えばタンニン酸)とを含有するコーティング剤から形成されるものがある。有機系接着層を形成するコーティング剤は、シリカを含有していることもある。無機系の接着層としては、反応性無機化合物(例えば六フッ化チタン酸(H3TiF6))をベースにしたものなどが知られている。
【0010】
上層の機能性被覆層を形成するコーティング剤としては、表面処理亜鉛系めっき鋼板の用途に応じ、既存の各種のコーティング剤から選ばれたものが用いられる。
【0011】
一方、下記で詳しく説明するように本発明では、2段処理皮膜の下層である接着層の下地となる亜鉛めっき鋼板又は亜鉛合金めっき鋼板として、めっき層表面の002面優先配向指数を制御したものを使用している。電気亜鉛系めっき鋼板においてめっき層表面の(00・2)面配向指数を規定した技術として、特開平10−18079号公報に記載のものが知られている。この公報においては、(00・2)面配向指数が1.0以上のめっき層が記載されている。しかし、この公報記載のめっき鋼板は、上塗り塗装なしの電気亜鉛系めっき鋼板であり、非クロム型の2段処理亜鉛系めっき鋼板の導電性や塗装皮膜の密着性に関する記載はこの公報のどこにも見当たらない。
【0012】
特開2000−234176号公報には、亜鉛めっき表面の(10・1)面の配向指数を0.5以上とした亜鉛めっき鋼材の使用により、非クロム型処理亜鉛めっき鋼材の耐食性を向上させることが記載され、その実施例には、耐食性とともに密着性も向上した例が示されている。この公報に記載された有機樹脂被覆層は、水性樹脂(有機樹脂)のほかに、チオカルボニル基含有化合物を含み、更にりん酸イオン、バナジン酸化合物及び水分散性シリカのうちの1種又は2種以上を含有する塗料から形成されるものであり、有機樹脂と、シランカップリング剤及びシリカを含有する塗料から形成されるものは記載されていない。
【0013】
【特許文献1】
特開平3−131370号公報
【特許文献2】
特開平8−239776号公報
【特許文献3】
特開平8−67834号公報
【特許文献4】
特開昭53−31737号公報
【特許文献5】
特開平10−195345号公報
【特許文献6】
特開昭61−223062号公報
【特許文献7】
特開昭54−71734号公報
【特許文献8】
特開平3−226584号公報
【特許文献9】
特開平10−18079号公報
【特許文献10】
特開2000−234176号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
下層の接着層と上層の機能性被覆層から構成される2層構造の表面処理皮膜は、下層接着層用のコーティング剤の塗布とその後の接着層の形成のための処理、そして上層機能性被覆層用コーティング剤の塗布とその後の機能性被覆層の形成のための処理の、2段階の処理を経て形成される。この2段階処理のうちの、第2段階の機能性被覆層形成のための処理は、コーティング剤として従来から知られたものを使用できるため、従来と同様に行うことができる。それに対して、第1段階の接着層形成のための処理は、最近になって知られるようになった接着層形成用の新しいコーティング剤を使用するため、製造プロセスとしてなお開発段階にある。
【0015】
本発明の発明者らは、有機樹脂、シランカップリング剤、及び防錆インヒビターとしてのシリカを含む有機系の接着層形成用コーティング剤を使って下層接着層を形成し、次いで上層被覆層を形成することにより製造した2層構造の表面処理皮膜を備えた亜鉛系めっき鋼板は、下層接着層の下地鋼板めっき層への密着性にばらつきがあり、必ずしも要求どおりの非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板とはならないことがあるのを見いだした。
【0016】
一方、非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板の用途によっては、ある程度の導電性を求められることがある。例えば、家電製品で使用されるものは、設置を容易にするなどの目的のために、所定の値の導電性が必要とされる。2段処理による2層構造の表面処理皮膜を有する非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板の製造においては、このような導電性の要件を満足する製品を再現性よく製造することも求められている。
【0017】
本発明は、これらの問題の解決を目指してなされたものであり、すなわち、下層接着層形成用のコーティング剤としてシランカップリング剤を含む有機系のものを使用して、亜鉛めっき鋼板又は亜鉛合金めっき鋼板上に2段階の塗装処理を経て下層接着層と上層被覆層から構成される2層構造の表面処理皮膜を形成することにより、耐食性に優れるだけでなく表面処理皮膜の下地めっき鋼板への密着性にも優れ、導電性の要件をも満足する非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板を再現性よく製造することができる新しい方法の提供を目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、シランカップリング剤を含む有機系コーティング剤を使用して下層接着層を形成し、その上に機能性被覆層を形成することにより製造される2層構造の表面処理皮膜を備えた、耐食性に優れ且つ表面処理皮膜の下地めっき鋼板への密着性にも優れ、しかも導電性の要件をも満足する非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板を再現性よく製造するには、めっき層の結晶粒の面配向を制御し、且つ所定の成分組成の接着層形成用コーティング剤を使用することが重要であることを見いだして、本発明を完成するに至った。
【0019】
具体的に言えば、本発明の非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法は、亜鉛めっき鋼板又は亜鉛合金めっき鋼板の上に、有機樹脂、シランカップリング剤及びシリカを含むコーティング剤により接着層を形成し、次いでこの接着層の上に、機能性有機被覆層形成用のコーティング剤により機能性有機被覆層を形成することにより非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板を製造する方法であって、亜鉛めっき鋼板又は亜鉛合金めっき鋼板として、めっき層表面の002面優先配向指数が1〜3の範囲にあるものを使用し、且つ、接着層を形成するコーティング剤として、有機樹脂を30〜70wt%、シランカップリング剤を5〜30wt%、及びシリカを20〜60wt%含有するコーティング剤を使用することを特徴とする、非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法である。
【0020】
もう一つの態様において、本発明の非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法は、亜鉛めっき鋼板又は亜鉛合金めっき鋼板の上に、有機樹脂、シランカップリング剤、シリカ及びタンニン酸を含むコーティング剤により接着層を形成し、次いでこの接着層の上に、機能性有機被覆層形成用のコーティング剤により機能性有機被覆層を形成することにより非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板を製造する方法であって、亜鉛めっき鋼板又は亜鉛合金めっき鋼板として、めっき層表面の002面優先配向指数が1〜3の範囲にあるものを使用し、且つ、接着層を形成するコーティング剤として、有機樹脂を2〜50wt%、シランカップリング剤を2〜60wt%、シリカを2〜50wt%、及びタンニン酸を2〜60wt%含有するコーティング剤を使用することを特徴とする、非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明では、下層接着層をその上に形成するめっき層を備えた亜鉛めっき鋼板又は亜鉛合金めっき鋼板として、めっき層表面の002面優先配向指数が1〜3の範囲にあるめっき鋼板を使用する。なお、本発明における002面優先配向指数は、以下の方法により算出される。
【0022】
めっき鋼材をX線回折法で測定して得られた各結晶面(hk・l)の回折ピークの強度をI(hk・l)とする。また、標準亜鉛粉末を用いた場合の回折ピークの強度をIs(hk・l)とする(添え字のsは標準を意味するstandardの意味である)。注目する結晶面である(00・2)面の配向指数CI(00・2)を以下の式で定義する(CIはCrystalorientationIndex)。
【0023】
CI(00・2)=I/Is
ただし、
I=I(00・2)/{I(002)+I(100)+I(101)+I(102)+I(103)+I(004)+I(112)+I(201)+I(104)+I(202)}
Is=Is(00・2)/{Is(002)+Is(100)+Is(101)+Is(102)+Is(103)+Is(004)+Is(112)+Is(201)+Is(104)+Is(202)}
【0024】
すなわち、亜鉛めっき層の亜鉛結晶面(00・2)面の配向指数とは、亜鉛めっき層の各結晶面の回折強度の合計に対する(00・2)面の回折強度の相対値を亜鉛粉末の場合の同様の(00・2)面の相対値で除することで得られるが、これは亜鉛粉末の場合の値からのずれを示したものとなる。従って、CI(00・2)が1より大きいときは、亜鉛粉末の場合(ランダム混合)に比べて(00・2)面が優先的に存在していることを示す。
【0025】
通常のめっき工程において優先析出する002面配向の結晶粒は、その上に形成する皮膜を固定するのに有効な突起状ではなく、上面が平らな平板状に成長するため、めっき層の上に形成する皮膜との密着性を阻害する要因となるのに対し、101面配向した結晶粒は、突起状に成長し、皮膜との密着性にとって有利であることが知られている。そのため、めっき層への皮膜の密着性の向上に関する従来技術は、特開2000−234176号公報に記載されたものに代表されるように、101面の配向指数を制御することを主眼としている。
【0026】
これに対して、発明者らは、亜鉛系めっき鋼板上に、シランカップリング剤を含む有機系コーティング剤により接着層を形成し、更にこの接着層上に機能性有機被覆層を形成することにより非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板を製造する際に、接着層の下地めっき層への密着性と製品めっき鋼板の十分な耐食性とを確保し、更に導電性の要件を満足するためには、めっき層表面の101面配向指数を制御するよりも、002面優先配向指数が1〜3の範囲にあるように制御しためっき鋼板を使用するのが有効であることを見いだした。
【0027】
本発明の非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板のような表面処理皮膜を施しためっき鋼板においては、図1に示したように下地鋼板1の表面に形成しためっき層2の上に表面処理皮膜3が形成されており、本発明の場合のように表面処理皮膜3が2段処理で形成される場合、それは下層接着層3aと上昇被覆層3bで構成される。一例として、めっき層2の厚さは3μm程度、表面処理皮膜3の厚さは1μm程度である。ミクロ的に見ると、下地鋼板1の表面もめっき層2の表面も平坦ではなく、それぞれの粗度(表面粗さ)を持ち、それらの表面には図1に模式的に示したように凹凸が見られる。鋼板1の表面の凹凸は、図示のように例えば100μm程度の間隔(ピッチ)で凸状部と凹状部が見られるような、比較的粗いものとして形成されている。これに対し、めっき層2の表面の凹凸は、図示のように鋼板2のそれよりもかなり細かくなっている。
【0028】
表面処理皮膜を備えためっき鋼板における皮膜の成膜性、密着性や、皮膜を通してのめっき鋼板の導電性は、主にめっき層2と表面処理皮膜3との結合部分の状態に依存するものと考えられる。めっき層2の表面における002面優先配向指数が1に満たない場合、図2(a)に模式的に示したように、めっき鋼板のめっき層2表面の粗度が相対的に大きくなり、それに応じて、めっき層2表面の凸部(突起部)先端からめっき層2上に形成した処理皮膜3の表面までの距離が相対的に短くなるため、導電性は良好になる。ところが、めっき層2表面の粗度が大きいことから、その凸部(突起部)先端は下層接着層3a(数μm未満、多くの場合1μm以下の薄い皮膜として形成される)の表面から突き出して上層被覆層3bまで達し、そのためめっき層2と接着層3aとの接触面積が減少して、接着層3aの成膜性と密着性がともに低下し、更にその結果として製品処理鋼板の耐汗性(高温高湿条件下での耐食性)も低下することになる。
【0029】
002面優先配向指数が3を超えると、めっき層2の粗度は低下し、図2(c)に示したように、めっき層2表面は完全に接着層3aにより覆われ、接着層3aの成膜性が良好になる。一方、めっき層2表面の凸部先端からめっき層2上に形成した処理皮膜3の表面までの距離が相対的に長くなって、導電性は減少することになる。更に、めっき層2と接着層3aとの接触面積が不足して、接着層3aのめっき層2への密着性も低下し、それにつれて製品処理鋼板の耐汗性も悪化する。
【0030】
こうして、本発明により、めっき層2の002面優先配向指数を1〜3の範囲内に制御しためっき鋼板を使用することにより、図2(b)に示したように、めっき層2表面の凸部先端から処理皮膜3の表面までの距離が適度になり、且つめっき層2と接着層3aとの十分な接触面積が確保されて、導電性、成膜性、密着性及び耐汗性の全てが良好な非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板の製造が可能となる。
【0031】
本発明の方法で使用する亜鉛系めっき鋼板の表面めっき層は、亜鉛で形成してもよく、あるいは亜鉛とFe、Ni、Co、Cr、Mg、Al、Si、Mn等の1種又は2種以上の金属とからなる亜鉛合金で形成してもよい。めっき方法は、特に限定されず、電気めっき法、溶融めっき法、真空めっき法等いずれでもよい。めっきを施す鋼板も、特に限定されず、冷延鋼板あるいは熱延鋼板のいずれでもよい。
【0032】
本発明の方法では、上述のとおり002面優先配向指数が1〜3の範囲にあるめっき層を形成しためっき鋼板を用いることが重要であるが、めっき層上の接着層を形成するコーティング剤として、(1)有機樹脂を30〜70wt%、シランカップリング剤を5〜30wt%、及びシリカを20〜60wt%含有するコーティング剤、あるいは(2)有機樹脂を2〜50wt%、シランカップリング剤を2〜60wt%、シリカを2〜50wt%、及びタンニン酸を2〜60wt%含有するコーティング剤、を使用することも同様に重要である。
【0033】
接着層用コーティング剤における有機樹脂としては、アクリル、フェノール、ウレタン、エポキシ及びポリエステル等の単独重合化合物、あるいはこれらの共重合化合物、又はそれらの単独重合化合物もしくは共重合化合物の混合物などを使用することができる。
【0034】
シランカップリング剤としては、例えばγ−(2 −アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2 −アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2 −アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2 −アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、オクタデシルジメチル〔3 −(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル〔3 −(メチルジメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル〔3 −(トリエトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル〔3 −(メチルジエトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシランなどを挙げることができるが、グリシジルエーテル基を有するγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及びγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを使用すると、塗膜の加工密着性は特に向上する。さらに、トリエトキシタイプのシランカップリング剤を使用すると、下地処理剤の保存安定性を向上させることができる。これは、トリエトキシシランが水溶液中で比較的安定であり、重合速度が遅いためであると考えられる。
【0035】
シリカとしては、気相シリカあるいはコロイダルシリカ(液相シリカ)のいずれを使用することもできる。気相シリカの代表例としては、日本アエロジル社のA−100、A−200、A−300、R−972などの製品を挙げることができる。コロイダルシリカの代表例としては、日産化学社のスノーテックスO、スノーテックスOX、スノーテックスOL、スノーテックスOXX、スノーテックスN、スノーテックスNS、スノーテックスCなどを挙げることができる。
【0036】
タンニン酸は、シリカ粒子及びシランカップリング剤と組み合わせて使用することにより、相乗的に塗膜の密着性を飛躍的に向上させる。タンニン酸としては、加水分解できるタンニンを使用してもよく、縮合タンニンを使用してもよく、あるいはこれらの一部が分解されたものを使用してもよい。例を挙げるとすれば、本発明で用いるタンニン酸は、ハマメタタンニン、五倍子タンニン、没食子タンニン、ミロバランのタンニン、ジビジビのタンニン、アルガロビラのタンニン、バロニアのタンニン、カテキンなどでよく、特に限定するものではないが、「タンニン酸:AL」(富士化学工業製)を使用すると塗膜の加工密着性は特に向上する。
【0037】
上記(1)のコーティング剤において、有機樹脂含有量が30wt%未満では、コーティング剤の成膜性が不足し、70wt%を超えると、コーティング剤により形成した塗膜の接着性、耐食性が不十分になる。シランカップリング剤含有量が5wt%未満では、形成した塗膜の密着性が不十分となり、30wt%を超えると、塗膜の密着性を向上させるというシランカップリング剤の効果が飽和に近くなるとともに、コーティング剤の貯蔵安定性が低下する。シリカ含有量が20wt%未満では、コーティング剤から形成した塗膜の耐食性が十分でなく、60wt%を超えると、塗膜が脆くなり、脆性破壊を起こして密着性が低下する。
【0038】
上記(2)のコーティング剤において、有機樹脂含有量が2wt%未満では、コーティング剤の成膜性が不足し、50wt%を超えると、コーティング剤により形成した塗膜の接着性、耐食性が不十分になる。シランカップリング剤含有量が2wt%未満では、形成した塗膜の密着性が不十分となり、60wt%を超えると、シランカップリング剤の塗膜密着性向上効果が飽和に近くなるとともに、コーティング剤の貯蔵安定性が低下する。シリカ含有量が2wt%未満では、コーティング剤から形成した塗膜の耐食性が十分でなく、50wt%を超えると塗膜が脆くなり、脆性破壊を起こして密着性が低下する。タンニン酸含有量が2wt%未満では、十分な耐食性や塗膜密着性を確保できず、60wt%を超えると、かえって耐食性や塗膜密着性が低下したり、水溶液中に溶解しなくなるなどの不都合が起こりかねず、また塗膜の黒変の原因となりかねない。
【0039】
接着層を形成するためのコーティング剤は、上記の固形成分(有機樹脂、シランカップリング剤及びシリカ、そして場合により更にタンニン酸)のほかに、コーティング剤の下地めっき鋼板への塗布を可能にする溶媒としての水を含む。固形成分と水とは、コーティング剤を塗布してその後の焼付けで所望の接着層を形成できる限り、どのような混合割合で混合してもよい。とは言え、コーティング剤の固形分濃度は1〜20wt%程度であるのが一般的である。
【0040】
また、本発明の方法で用いる接着層形成用のコーティング剤には、形成する接着層の特性に特に不利にならない限り、上記の有機樹脂、シランカップリング剤、タンニン酸、及びシリカ以外の成分、例えば、有機樹脂の水への溶解を助けるアルコールやセロソルブ(商品名)などの有機助剤や、増粘剤(例えばポリアクリル酸)などを随意に添加することができる。
【0041】
コーティング剤を塗布する方法は、特に限定されず、例えばバーコート、ロールコート、カーテンコート、スプレーコート、浸漬などの、一般的な方法を使用することができる。
【0042】
コーティング剤の塗布により形成した塗膜に、続いて焼付け、水冷、乾燥処理を施し、接着層を形成する。これらの処理は、表面処理鋼板の製造において一般に使用されている方法で行うことができる。例えば、塗膜の焼付け処理には、熱風吹き付け(熱風乾燥炉)、赤外線加熱、誘導加熱などを使用することができる。水冷には、浸漬、スプレー、エアーアトマイズ、カーテン法などの方法を使用することができる。また、乾燥には、熱風吹き付け(熱風乾燥炉)、赤外線加熱、誘導加熱などの方法を使用することができる。
【0043】
接着層は、0.05〜0.4μmの厚さで形成するのが好適である。0.05μm未満の厚さでは、めっき鋼板の耐食性が低下し、また厚さが0.4μmを超えると、接着層の脆性破壊が起こりやすくなり、そのため塗膜の剥離が起きやすくなる。
【0044】
接着層の形成に続いて、その上に機能性有機被覆層を形成する。この機能性有機被覆層のためのコーティング剤としては、表面処理鋼板の製造に従来から用いられているいずれのコーティング剤を使用してもよい。その塗布、焼付け、水冷、乾燥のいずれも、従来からの方法及び装置で行うことができる。また、機能性被覆層の厚さも、特に限定されず、接着層との合計の厚さが通常の表面処理鋼板における被覆層の厚さである0.6〜2.0μm程度となるようにすることができる。
【0045】
【実施例】
次に、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(実施例1〜16、比較例17〜36)
試験板の下地鋼板として、種々のめっき層002面優先配向指数を有する電気亜鉛めっき鋼板を作製した。
【0046】
表1に示した固形成分を表2に示した分量で水に溶解又は分散させて、固形分濃度20wt%の接着層用コーティング剤を調製した。これらのコーティング剤を下地鋼板にバーコーターで、表2に「下層厚み」として示した乾燥膜厚になるように塗布し、タンニン酸を含むものは120℃で焼き付け、水洗乾燥して、一方、タンニン酸を含まないものは75℃で焼付け、冷却して、接着層を形成した。
【0047】
【表1】
【0048】
次に、機能性有機被覆層形成用のアクリル系エマルジョンコーティング剤のメタルコートKD(日本ペイント社より入手)を、接着層の上に1μmの乾燥膜厚となるようにバーコーターで塗布し、鋼板到達温度150℃となるよう焼き付けて水冷乾燥し、試験板を作製した。
【0049】
各試験板について、成膜性、密着性、耐食性、耐汗性及び導電性を評価した。
成膜性の評価は、接着層(下層)を形成し、機能性被覆層(上層)を形成する前の試験板について、JIS K 5400に準じて行った。エリクセン試験機で試験板に10mmの押出し部を作り、押出し部の先端にセロテープ(登録商標)(ニチバン社製)を貼付し、その後テープを引き剥がして行った。テープに試験板から剥離した塗膜が付着していない試験板を良好(表2中、○印で表記)、付着していたものを不良(表2中、×印で表記)と判定した。表2において評価結果を△印で示された一部の比較例では、エリクセン10mmでの評価は不良であったが、エリクセン7mmでの評価は良好であった。
【0050】
密着性の評価は、機能性被覆層(上層)まで形成した試験板について、上記の成膜性評価と同じエリクセン試験機により、7mmのエリクセン加工を施して試験を行い、テープに試験板から剥離した塗膜が付着していない試験板を良好(表2中、○印で表記)、付着していたものを不良(表2中、×印で表記)と判定した。
【0051】
耐食性の評価は、JIS Z 3271に規定された塩水噴霧試験により行い、雰囲気温度35℃で、5%のNaCl水溶液を試験板に吹き付け、240時間後の錆発生率を測定して、錆発生面積が試験板表面積の50%以下であるものを良好(表2中、○印で表記)、50%を超えるものを不良(表2中、×印で表記)と判定した。
【0052】
耐汗性の評価は、キシダ化学社の人工汗液D法により、人工汗液を付着させた部分を60℃、95%相対湿度条件下に48時間放置後に観測して、錆の発生の認められないものを良好(表2中、○印で表記)、認められるものを不良(表2中、×印で表記)と判定した。
【0053】
導電性の評価は、JIS K 6911に準拠し、ダイアインスツルメンツ社の抵抗率計ロレスタEPで処理めっき鋼板の導電率を測定し、導電率1mΩ以下のものを良好(表2中、○印で表記)、1mΩより大きいものを不良(表2中、×印で表記)と判定した。一部の比較例において「NA」と表記されているのは、被膜の密着性が不良のため導電性を評価しなかったことを示している。
【0054】
【表2】
【0055】
表2から明らかなように、本発明の実施例1〜16の試験板では、成膜性、密着性、耐食性、耐汗性及び導電率のいずれの評価項目についても良好な結果が得られた。それに対し、比較例17〜36の試験板では、五つの評価項目のうちの一つ以上について不十分な結果が示された。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の製造方法によれば、シランカップリング剤を含む有機系コーティング剤から形成した下層接着層と、上層機能性被覆層とからなる2層構造の表面処理皮膜を備え、耐食性と表面処理皮膜の下層接着層の下地めっき鋼板への密着性の両方に優れ、且つ十分な導電率を示す非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板を再現性よく製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面処理皮膜を施しためっき鋼板を説明する図である。
【図2】めっき層表面の002面優先配向指数によるめっき層表面粗度の変化、及びそれによる表面処理皮膜の特性とそれを通しての鋼板の導電性を説明する図であって、(a)は002面配向指数が1未満。(b)は1〜3の範囲内、(c)は3より大きい場合を説明するものである。
【符号の説明】
1…下地鋼板
2…めっき層
3…表面処理皮膜
3a…下層接着層
3b…上層被覆層[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a non-chromium-type treated galvanized steel sheet which does not contain hexavalent chromium (or trivalent chromium) and has excellent corrosion resistance, which is used for home appliances, building materials, automobiles and the like.
[0002]
[Prior art]
Galvanized steel sheets or zinc alloy-coated steel sheets (herein collectively referred to as "zinc-based steel sheets") have a white rust on the surface in an atmosphere containing salt such as seawater or a high-temperature and high-humidity atmosphere, and have an appearance. Or the rust-preventive force on the base steel surface is reduced.
[0003]
In order to prevent this white rust, a chromate-based rust preventive agent has been conventionally used. For example, JP-A-3-131370 discloses an olefin-α, β-ethylenically unsaturated carboxylic acid copolymer resin. A resin-based treating agent containing a water-dispersible chromium compound and water-dispersible silica in a dispersion is described.
[0004]
Such a film made of a chromate-based treating agent is recognized as having the best corrosion resistance among known treating agents. Nevertheless, the film formed by the chromate treatment contains hexavalent chromium, which is known to be a harmful element, and there is an increasing demand for a surface-treated steel sheet containing no hexavalent chromium.
[0005]
Various non-chrome rust preventive agents containing no harmful chromium have been proposed so far. For example, those using sulfide or sulfur as a rust preventive component are described in JP-A-8-239776 and JP-A-8-67834. Treatment agents using triazine thiol compounds, which do not have odor or toxicity peculiar to sulfide or sulfur contained in these treatment agents, are disclosed in, for example, JP-A-53-31737 and JP-A-10-195345. ing. JP-A-61-223062 describes a reactive emulsion of a metal obtained by mixing a thiocarbonyl group-containing compound as a rust preventive component with an organic compound that is hardly soluble or insoluble in water.
[0006]
In addition, JP-A-54-71734 discloses that two to six bonded phosphate esters of myo-inositol or salts thereof, at least one of titanium fluoride and zirconium fluoride, and thiourea or a salt thereof. A method for surface-treating zinc or a zinc alloy with an aqueous solution containing a derivative is described. JP-A-3-226584 discloses an aqueous solution having a pH of 5 to 10 containing one or both of Ni 2+ and Co 2+ and at least one of ammonia and a compound having a primary amine group. Surface treatment agents are used.
[0007]
The above-mentioned conventional surface treatment agent for forming a rust-preventive film is generally a zinc-plated material containing an organic resin and silica in addition to a rust-preventive component called an inhibitor (or rust-preventive inhibitor). It is applied to the surface of a steel sheet or a zinc alloy-plated steel sheet to form a rust-proof coating. Pretreatment of the surface of the plated steel sheet includes pickling, alkali cleaning, and phosphate treatment.
[0008]
Recently, in order to satisfy various demands from users for non-chrome-type treated galvanized steel sheet, a film having improved hardness and a film having lubricity have been required. BACKGROUND ART Surface-treated plated steel sheets provided with an adhesive layer located on the surface of a steel sheet and a functional organic (or inorganic) coating layer thereon have come to be known. In such a surface-treated plated steel sheet, the adhesive layer is interposed between the base plated steel sheet and the upper functional coating layer, and the adhesion of the functional coating layer to the base plated steel sheet, Improves corrosion resistance.
[0009]
The lower adhesive layer is roughly classified into an organic type and an inorganic type. The organic adhesive layer is formed of a coating agent containing an organic resin and a silane coupling agent, and a coating agent containing an organic resin and a reactive organic compound (for example, tannic acid). There is something. The coating agent that forms the organic adhesive layer may contain silica. As an inorganic adhesive layer, a material based on a reactive inorganic compound (for example, hexafluorotitanic acid (H 3 TiF 6 )) is known.
[0010]
As the coating agent for forming the upper functional coating layer, one selected from various existing coating agents depending on the use of the surface-treated galvanized steel sheet is used.
[0011]
On the other hand, as described in detail below, in the present invention, a zinc-plated steel sheet or a zinc-alloy-plated steel sheet serving as a base of an adhesive layer, which is a lower layer of a two-step treatment film, in which a 002 plane preferred orientation index of a plating layer surface is controlled. You are using Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-18079 discloses a technique for defining the (00 · 2) plane orientation index of the surface of a plating layer in an electrogalvanized steel sheet. In this publication, a plating layer having a (00 · 2) plane orientation index of 1.0 or more is described. However, the galvanized steel sheet described in this publication is an electro-galvanized steel sheet without a top coat, and the description regarding the conductivity and the adhesion of the coating film of the non-chrome type two-step treated galvanized steel sheet can be found anywhere in this publication. I can't find it.
[0012]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-234176 discloses an improvement in the corrosion resistance of a non-chromium treated galvanized steel by using a galvanized steel having an orientation index of the (10.1) plane of the galvanized surface of 0.5 or more. Are described, and the examples show an example in which the adhesion is improved as well as the corrosion resistance. The organic resin coating layer described in this publication contains a thiocarbonyl group-containing compound in addition to an aqueous resin (organic resin), and further contains one or more of a phosphate ion, a vanadic acid compound and water-dispersible silica. It is formed from a coating containing at least one species, and does not describe a coating formed from a coating containing an organic resin, a silane coupling agent and silica.
[0013]
[Patent Document 1]
JP-A-3-131370 [Patent Document 2]
JP-A-8-239776 [Patent Document 3]
JP-A-8-67834 [Patent Document 4]
JP-A-53-31737 [Patent Document 5]
JP-A-10-195345 [Patent Document 6]
JP-A-61-223062 [Patent Document 7]
JP 54-71734 A [Patent Document 8]
JP-A-3-226584 [Patent Document 9]
JP-A-10-18079 [Patent Document 10]
JP 2000-234176 A
[Problems to be solved by the invention]
The surface treatment film of the two-layer structure composed of the lower adhesive layer and the upper functional coating layer is formed by applying a coating agent for the lower adhesive layer, then performing a treatment for forming the adhesive layer, and then forming the upper functional coating. It is formed through a two-stage process of applying a layer coating agent and subsequently performing a process for forming a functional coating layer. Of the two-step processing, the processing for forming the functional coating layer in the second step can be performed in the same manner as in the related art because a conventionally known coating agent can be used. In contrast, the first-stage process for forming an adhesive layer is still in a development stage as a manufacturing process because a new coating agent for forming an adhesive layer, which has recently become known, is used.
[0015]
The present inventors formed a lower adhesive layer using an organic resin, a silane coupling agent, and a coating agent for forming an organic adhesive layer containing silica as a rust inhibitor, and then formed an upper coating layer. The galvanized steel sheet provided with the two-layer surface treatment film produced by the above process has a variation in the adhesion of the lower adhesive layer to the base steel sheet plating layer, and thus does not always have the required non-chrome type treated galvanized steel sheet. I found that there were things that did not work.
[0016]
On the other hand, a certain degree of conductivity may be required depending on the use of the non-chromium treated zinc-based plated steel sheet. For example, for home appliances, a predetermined value of conductivity is required for the purpose of facilitating installation and the like. In the production of a non-chromium treated zinc-coated steel sheet having a two-layer surface treatment film by a two-step treatment, it is also required to produce a product satisfying such conductivity requirements with good reproducibility.
[0017]
The present invention has been made with a view to solving these problems, that is, using an organic material containing a silane coupling agent as a coating agent for forming the lower adhesive layer, a galvanized steel sheet or a zinc alloy. By forming a two-layer surface treatment film consisting of a lower adhesive layer and an upper coating layer on a plated steel sheet through a two-stage coating process, it not only has excellent corrosion resistance, but also has a surface treatment film that It is an object of the present invention to provide a new method capable of producing a non-chromium treated zinc-based plated steel sheet having excellent adhesion and satisfying the requirements of conductivity with good reproducibility.
[0018]
[Means for Solving the Problems]
The inventors have provided a two-layer surface treatment film produced by forming a lower adhesive layer using an organic coating agent containing a silane coupling agent, and then forming a functional coating layer thereon. In addition, in order to reproducibly produce a non-chromium treated zinc-based steel sheet that has excellent corrosion resistance, excellent adhesion of the surface treatment film to the base coated steel sheet, and also satisfies the requirements for conductivity, The inventors have found that it is important to control the plane orientation of crystal grains and to use a coating agent for forming an adhesive layer having a predetermined component composition, and have completed the present invention.
[0019]
More specifically, the method for producing a non-chromium treated galvanized steel sheet according to the present invention comprises an adhesive layer formed on a galvanized steel sheet or a zinc alloy-plated steel sheet by using a coating agent containing an organic resin, a silane coupling agent and silica. Forming a functional organic coating layer with a coating agent for forming a functional organic coating layer on the adhesive layer, thereby producing a non-chromium-type treated zinc-based plated steel sheet, comprising: As a plated steel sheet or a zinc alloy plated steel sheet, one having a 002 plane preferred orientation index of the plating layer surface in the range of 1 to 3 is used, and 30 to 70 wt% of an organic resin is used as a coating agent for forming an adhesive layer. Non-chromium type treatment characterized by using a coating agent containing 5 to 30 wt% of a silane coupling agent and 20 to 60 wt% of silica. It is a method of manufacturing a lead-plated steel sheet.
[0020]
In another embodiment, the method for producing a non-chromium-type treated galvanized steel sheet according to the present invention comprises, on a galvanized steel sheet or a zinc alloy-plated steel sheet, an organic resin, a silane coupling agent, a coating agent containing silica and tannic acid. Forming a functional organic coating layer on the adhesive layer with a coating agent for forming a functional organic coating layer, thereby producing a non-chromium treated zinc-coated steel sheet. As a galvanized steel sheet or a zinc alloy-plated steel sheet, those having a 002 plane preferred orientation index of the plating layer surface in the range of 1 to 3 are used, and an organic resin is used as a coating agent for forming the adhesive layer. Coating containing 50 wt%, 2-60 wt% silane coupling agent, 2-50 wt% silica, and 2-60 wt% tannic acid Characterized by using the a method for producing a chromium-type treated zinc-plated steel sheet.
[0021]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
In the present invention, as a galvanized steel sheet or a zinc alloy-coated steel sheet having a plating layer on which a lower adhesive layer is formed, a plated steel sheet having a 002 plane preferred orientation index of the plating layer surface in the range of 1 to 3 is used. . The 002 plane preferred orientation index in the present invention is calculated by the following method.
[0022]
The intensity of the diffraction peak of each crystal plane (hk · l) obtained by measuring the plated steel material by the X-ray diffraction method is defined as I (hk · l). The intensity of the diffraction peak when the standard zinc powder is used is defined as Is (hk · l) (the suffix “s” stands for standard meaning standard). The orientation index CI (00 · 2) of the (00 · 2) plane, which is the crystal plane of interest, is defined by the following equation (CI is Crystallographic Indication Index).
[0023]
CI (00 · 2) = I / Is
However,
I = I (00 · 2) / {I (002) + I (100) + I (101) + I (102) + I (103) + I (004) + I (112) + I (201) + I (104) + I (202) }
Is = Is (00 · 2) / {Is (002) + Is (100) + Is (101) + Is (102) + Is (103) + Is (004) + Is (112) + Is (201) + Is (104) + Is (202) }
[0024]
That is, the orientation index of the zinc crystal plane (00 · 2) plane of the zinc plating layer is the relative value of the diffraction intensity of the (00 · 2) plane to the sum of the diffraction intensities of the respective crystal planes of the zinc plating layer. In this case, it is obtained by dividing by the relative value of the (00 · 2) plane, which shows a deviation from the value in the case of zinc powder. Therefore, when CI (00 · 2) is greater than 1, it indicates that the (00 · 2) plane exists preferentially as compared with the case of zinc powder (random mixing).
[0025]
The 002-plane oriented crystal grains preferentially precipitated in the normal plating step grow not in a projection shape effective for fixing a film formed thereon but in a flat plate shape with a flat upper surface, and thus are formed on the plating layer. It is known that the crystal grains oriented in the 101 plane grow in a protruding manner, which is a factor that hinders the adhesion to the film to be formed, and is advantageous for the adhesion to the film. Therefore, the prior art relating to the improvement of the adhesion of the film to the plating layer mainly focuses on controlling the orientation index of the 101 plane, as typified by the one described in JP-A-2000-234176.
[0026]
On the other hand, the inventors formed an adhesive layer on a zinc-based plated steel sheet with an organic coating agent containing a silane coupling agent, and further formed a functional organic coating layer on the adhesive layer. When manufacturing non-chrome type zinc-coated steel sheets, in order to ensure the adhesion of the adhesive layer to the underlying plating layer and the sufficient corrosion resistance of the product-coated steel sheets, and to satisfy the requirements for conductivity, It has been found that it is more effective to use a plated steel sheet controlled so that the 002 plane preferred orientation index is in the range of 1 to 3 than to control the 101 plane orientation index of the layer surface.
[0027]
In the case of a plated steel sheet provided with a surface treatment film such as the non-chromium type treated zinc-based plated steel sheet of the present invention, the surface treatment film 3 is formed on the
[0028]
The film forming property and adhesion of the coated steel sheet provided with the surface treatment film, and the conductivity of the plated steel sheet through the film mainly depend on the state of the joint between the
[0029]
When the 002 plane preferred orientation index exceeds 3, the roughness of the
[0030]
Thus, according to the present invention, by using a plated steel sheet in which the 002 plane preferred orientation index of the plated
[0031]
The surface plating layer of the galvanized steel sheet used in the method of the present invention may be formed of zinc, or zinc and one or two of Fe, Ni, Co, Cr, Mg, Al, Si, and Mn. It may be formed of a zinc alloy composed of the above metals. The plating method is not particularly limited, and may be any of an electroplating method, a hot-dip plating method, and a vacuum plating method. The steel sheet to be plated is not particularly limited, either a cold-rolled steel sheet or a hot-rolled steel sheet.
[0032]
In the method of the present invention, as described above, it is important to use a plated steel sheet having a plated layer having a 002 plane preferred orientation index in the range of 1 to 3, but as a coating agent for forming an adhesive layer on the plated layer. (1) a coating agent containing 30 to 70 wt% of an organic resin, 5 to 30 wt% of a silane coupling agent, and 20 to 60 wt% of silica, or (2) a 2 to 50 wt% of an organic resin, a silane coupling agent It is equally important to use a coating agent containing 2 to 60 wt% of silica, 2 to 50 wt% of silica, and 2 to 60 wt% of tannic acid.
[0033]
As the organic resin in the coating agent for the adhesive layer, use of a homopolymer compound such as acryl, phenol, urethane, epoxy, and polyester, or a copolymer compound thereof, or a mixture of the homopolymer compound or the copolymer compound, or the like Can be.
[0034]
Examples of the silane coupling agent include γ- (2-aminoethyl) aminopropyltrimethoxysilane, γ- (2-aminoethyl) aminopropylmethyldimethoxysilane, γ- (2-aminoethyl) aminopropyltriethoxysilane, γ- (2-aminoethyl) aminopropylmethyldiethoxysilane, γ- (2-aminoethyl) aminopropylmethyldimethoxysilane, γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, γ-methacryloxypropylmethyldimethoxysilane, γ-methacryl Roxypropyltriethoxysilane, γ-methacryloxypropylmethyldiethoxysilane, N-β- (N-vinylbenzylaminoethyl) -γ-aminopropyltrimethoxysilane, N-β- (N-vinylbenzylaminoethyl)- γ-aminopropyl meth Rudimethoxysilane, N-β- (N-vinylbenzylaminoethyl) -γ-aminopropyltriethoxysilane, N-β- (N-vinylbenzylaminoethyl) -γ-aminopropylmethyldiethoxysilane, γ-gly Sidoxypropyltrimethoxysilane, γ-glycidoxypropylmethyldimethoxysilane, γ-glycidoxypropyltriethoxysilane, γ-glycidoxypropylmethyldiethoxysilane, γ-mercaptopropyltrimethoxysilane, γ-mercaptopropyl Methyldimethoxysilane, γ-mercaptopropyltriethoxysilane, γ-mercaptopropylmethyldiethoxysilane, methyltrimethoxysilane, dimethyldimethoxysilane, methyltriethoxysilane, dimethyldiethoxysilane, vinyltriacetoxysilane Γ-chloropropyltrimethoxysilane, γ-chloropropylmethyldimethoxysilane, γ-chloropropyltriethoxysilane, γ-chloropropylmethyldiethoxysilane, hexamethyldisilazane, γ-anilinopropyltrimethoxysilane, γ -Anilinopropylmethyldimethoxysilane, γ-anilinopropyltriethoxysilane, γ-anilinopropylmethyldiethoxysilane, vinyltrimethoxysilane, vinylmethyldimethoxysilane, vinyltriethoxysilane, vinylmethyldiethoxysilane, octadecyldimethyl [3- (trimethoxysilyl) propyl] ammonium chloride, octadecyldimethyl [3- (methyldimethoxysilyl) propyl] ammonium chloride, octadecyldimethyl [3- (triet Silicyl) propyl] ammonium chloride, octadecyldimethyl [3- (methyldiethoxysilyl) propyl] ammonium chloride, γ-chloropropylmethyldimethoxysilane, γ-mercaptopropylmethyldimethoxysilane, methyltrichlorosilane, dimethyldichlorosilane, trimethylchlorosilane, etc. When γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane and γ-glycidoxypropyltriethoxysilane having a glycidyl ether group are used, the processing adhesion of the coating film is particularly improved. Furthermore, when a triethoxy-type silane coupling agent is used, the storage stability of the undercoating agent can be improved. This is probably because triethoxysilane is relatively stable in an aqueous solution and the polymerization rate is low.
[0035]
As the silica, either gas phase silica or colloidal silica (liquid phase silica) can be used. Typical examples of the gas phase silica include products such as A-100, A-200, A-300, and R-972 of Nippon Aerosil Co., Ltd. Representative examples of colloidal silica, Nissan Chemical Co. of Snowtex O, Snowtex OX, Snowtex OL, Snowtex OXX, Snowtex N, Snowtex NS, as possible out and the like Snowtex C.
[0036]
Tannic acid, when used in combination with silica particles and a silane coupling agent, synergistically improves the adhesion of the coating film. As the tannic acid, a hydrolyzable tannin may be used, a condensed tannin may be used, or a partially decomposed tannin may be used. By way of example, the tannic acid used in the present invention may be hamametannin, quintuple tannin, gallic tannin, myrobalane tannin, dividibine tannin, algarobilan tannin, baronia tannin, catechin, etc. However, when "tannic acid: AL" (manufactured by Fuji Chemical Industry) is used, the processing adhesion of the coating film is particularly improved.
[0037]
In the coating agent of the above (1), if the organic resin content is less than 30 wt%, the film forming property of the coating agent is insufficient, and if it exceeds 70 wt%, the adhesion and corrosion resistance of the coating film formed by the coating agent are insufficient. become. When the content of the silane coupling agent is less than 5 wt%, the adhesion of the formed coating film becomes insufficient, and when it exceeds 30 wt%, the effect of the silane coupling agent for improving the adhesion of the coating film becomes close to saturation. At the same time, the storage stability of the coating agent decreases. If the silica content is less than 20 wt%, the corrosion resistance of the coating film formed from the coating agent is not sufficient, and if it exceeds 60 wt%, the coating film becomes brittle, causing brittle fracture and lowering the adhesion.
[0038]
In the coating agent of the above (2), if the organic resin content is less than 2 wt%, the film formability of the coating agent is insufficient, and if it exceeds 50 wt%, the adhesion and corrosion resistance of the coating film formed by the coating agent are insufficient. become. When the content of the silane coupling agent is less than 2 wt%, the adhesion of the formed coating film becomes insufficient, and when it exceeds 60 wt%, the effect of improving the adhesion of the coating film of the silane coupling agent becomes close to saturation, and the coating agent is reduced. Storage stability decreases. If the silica content is less than 2 wt%, the corrosion resistance of the coating film formed from the coating agent is not sufficient, and if it exceeds 50 wt%, the coating film becomes brittle, causing brittle fracture and lowering the adhesion. If the tannic acid content is less than 2 wt%, sufficient corrosion resistance and coating film adhesion cannot be ensured, and if it exceeds 60 wt%, the corrosion resistance and coating film adhesion will be rather deteriorated, and it will not be dissolved in an aqueous solution. And blackening of the coating may occur.
[0039]
The coating agent for forming the adhesive layer, in addition to the above-mentioned solid components (organic resin, silane coupling agent and silica, and optionally tannic acid), also enables the coating agent to be applied to the base-plated steel sheet. Contains water as solvent. The solid component and water may be mixed in any mixing ratio as long as a desired adhesive layer can be formed by applying a coating agent and subsequent baking. However, the solid content concentration of the coating agent is generally about 1 to 20 wt%.
[0040]
Further, the coating agent for forming the adhesive layer used in the method of the present invention, unless otherwise disadvantageous to the properties of the adhesive layer to be formed, the above organic resin, silane coupling agent, tannic acid, and components other than silica, For example, organic aids such as alcohol or cellosolve (trade name), which assist in dissolving the organic resin in water, and a thickener (for example, polyacrylic acid) can be optionally added.
[0041]
The method for applying the coating agent is not particularly limited, and a general method such as bar coating, roll coating, curtain coating, spray coating, and dipping can be used.
[0042]
The coating film formed by applying the coating agent is subsequently baked, water-cooled, and dried to form an adhesive layer. These treatments can be performed by a method generally used in the production of a surface-treated steel sheet. For example, hot air spraying (hot air drying furnace), infrared heating, induction heating, or the like can be used for the baking treatment of the coating film. For water cooling, methods such as immersion, spray, air atomization, and curtain method can be used. For drying, a method such as hot air blowing (hot air drying furnace), infrared heating, or induction heating can be used.
[0043]
The adhesive layer is preferably formed with a thickness of 0.05 to 0.4 μm. When the thickness is less than 0.05 μm, the corrosion resistance of the plated steel sheet is reduced, and when the thickness exceeds 0.4 μm, brittle fracture of the adhesive layer is apt to occur, and thus the coating film is liable to peel.
[0044]
Following formation of the adhesive layer, a functional organic coating layer is formed thereon. As the coating agent for the functional organic coating layer, any coating agent conventionally used for producing a surface-treated steel sheet may be used. Any of the application, baking, water cooling, and drying can be performed by a conventional method and apparatus. Also, the thickness of the functional coating layer is not particularly limited, and the total thickness of the functional coating layer and the adhesive layer is set to about 0.6 to 2.0 μm, which is the thickness of the coating layer in a normal surface-treated steel sheet. be able to.
[0045]
【Example】
Next, the present invention will be further described with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
(Examples 1 to 16, Comparative Examples 17 to 36)
Electrogalvanized steel sheets having various plating layer 002 plane preferred orientation indices were produced as base steel sheets for the test plates.
[0046]
The solid components shown in Table 1 were dissolved or dispersed in water in the amounts shown in Table 2 to prepare a coating agent for an adhesive layer having a solid concentration of 20 wt%. These coating agents are applied to the base steel sheet with a bar coater so as to have a dry film thickness indicated as “lower layer thickness” in Table 2, and those containing tannic acid are baked at 120 ° C., washed with water and dried. Those containing no tannic acid were baked at 75 ° C. and cooled to form an adhesive layer.
[0047]
[Table 1]
[0048]
Next, a metal coat KD (obtained from Nippon Paint Co., Ltd.) of an acrylic emulsion coating agent for forming a functional organic coating layer was applied on the adhesive layer by a bar coater so as to have a dry film thickness of 1 μm. It was baked so as to reach an ultimate temperature of 150 ° C. and dried with water cooling to prepare a test plate.
[0049]
For each test plate, the film formability, adhesion, corrosion resistance, sweat resistance, and conductivity were evaluated.
The evaluation of the film forming property was performed according to JIS K 5400 for the test plate before forming the adhesive layer (lower layer) and forming the functional coating layer (upper layer). A 10 mm extruded portion was formed on the test plate with an Erichsen tester, and Cellotape (registered trademark) (manufactured by Nichiban) was attached to the end of the extruded portion, and then the tape was peeled off. A test plate to which the coating film peeled off from the test plate did not adhere to the tape was judged to be good (indicated by a circle in Table 2), and one having adhered was judged to be poor (to be indicated by a cross in Table 2). In some of the comparative examples in which the evaluation results are indicated by a mark “△” in Table 2, the evaluation at Erichsen 10 mm was poor, but the evaluation at Erichsen 7 mm was good.
[0050]
For the evaluation of the adhesion, the test plate formed up to the functional coating layer (upper layer) was subjected to a 7 mm Erichsen process using the same Ericksen tester used for the evaluation of the film forming property described above, and the tape was peeled off from the test plate. The test plate to which the coated film was not adhered was determined to be good (indicated by a circle in Table 2), and the one to which it was adhered was determined to be poor (indicated by a cross in Table 2).
[0051]
The corrosion resistance was evaluated by a salt spray test specified in JIS Z 3271. A 5% NaCl aqueous solution was sprayed on the test plate at an ambient temperature of 35 ° C., and the rust generation rate after 240 hours was measured. Was 50% or less of the surface area of the test plate (good in Table 2), and more than 50% was poor (good in Table 2).
[0052]
The sweat resistance was evaluated by observing the portion where the artificial sweat was adhered for 48 hours under the conditions of 60 ° C. and 95% relative humidity by the artificial sweat liquid D method of Kishida Chemical Co., Ltd., and no rust was observed. The samples were evaluated as good (indicated by a circle in Table 2), and those observed were evaluated as poor (indicated by a cross in Table 2).
[0053]
The conductivity was evaluated in accordance with JIS K 6911 in accordance with JIS K 6911 by measuring the conductivity of the plated steel sheet with a resistivity meter Loresta EP manufactured by Dia Instruments. If the conductivity was 1 mΩ or less, it was good (marked with a circle in Table 2). ) A sample larger than 1 mΩ was determined to be defective (indicated by a mark x in Table 2). The expression "NA" in some comparative examples indicates that the conductivity was not evaluated due to poor adhesion of the coating.
[0054]
[Table 2]
[0055]
As is clear from Table 2, in the test plates of Examples 1 to 16 of the present invention, good results were obtained for any of the evaluation items such as film formability, adhesion, corrosion resistance, sweat resistance, and conductivity. . In contrast, the test plates of Comparative Examples 17 to 36 showed insufficient results for one or more of the five evaluation items.
[0056]
【The invention's effect】
As described above, according to the production method of the present invention, a surface treatment film having a two-layer structure including a lower adhesive layer formed from an organic coating agent containing a silane coupling agent and an upper functional coating layer is provided. In addition, it is possible to produce a non-chromium-type treated zinc-based plated steel sheet which is excellent in both corrosion resistance and adhesion of the lower adhesive layer of the surface treatment film to the base-plated steel sheet and has a sufficient electric conductivity with good reproducibility.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram illustrating a plated steel sheet provided with a surface treatment film.
FIG. 2 is a diagram for explaining a change in surface roughness of a plating layer according to a preferential orientation index of a 002 plane of a plating layer surface, a characteristic of a surface treatment film due to the change, and a conductivity of a steel sheet therethrough. 002 plane orientation index is less than 1. (B) explains the case where it is in the range of 1-3, and (c) explains the case where it is larger than 3.
[Explanation of symbols]
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