JP2004196559A - 合わせガラス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数枚のガラス板状体の間に中間膜層を有する合わせガラスにおいて、遮音性フィルムを2枚以上の日射遮蔽性能を持たした中間膜で挟んだ構成からなり、日射遮蔽性能、遮音性能および耐衝撃性能を有することおよび厚さの合計が5mm以上8mm以下の合わせガラス。さらに、中間膜と遮音性フィルムの合計厚さが1.5mm以上3.8mm以下、鋼球落下時における最大発生応力と同じ板厚の単板ガラスでの最大発生応力の比が0.8以下、300〜1800nmにおける日射透過率が70%以下、および1000〜4000Hzにおける遮音性能が5dB以上である特徴も有す。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用や鉄道車両の窓ガラス、建築用窓ガラスなど合わせガラスが使われている分野、あるいは強化ガラスや網入りガラスが使われている多くの分野で使用できる。
【0002】
【従来の技術】
合わせガラスは、2枚以上のガラスを合わせ膜で貼り合わせたガラス商品であり、破壊した場合でもガラスが飛散や脱落しにくいという特徴および紫外線をカットするという特徴を有している。この特徴を生かし、合わせガラスは安全性や防犯性が要求される場所、あるいは紫外線を防止したい場所など、数多くのところで使われている。その使用例は、自動車のフロントガラス、建築物や鉄道車両のドアや窓ガラス、ショーウィンドウ、水槽、プールの覗き窓、ベランダのフェンスなど、数多い。なお、中間膜と呼ばれることが多い合わせ膜としては、ポリビニルブチラール(以下,PVB)が使われている場合が多い。
【0003】
合わせガラスは、2枚以上のガラスと中間膜という異なる特性をもつ材料から構成されているため、安全性や紫外線カット性の他、ガラスのみでは難しい特性も得ることができる。遮音性、日射遮蔽性、防犯性なども着目され、その改良が試みられている。
【0004】
遮音性についても、合わせガラスとすることにより、その特性を改善することができる。すなわち、その遮音特性は主にガラスの板厚の影響を受ける質量則とコインシデンス効果と呼ばれる周波数依存をもった遮音性の低下現象で決まる。一般的には、遮音性を上げるために質量則の観点からガラスの板厚を増大する方向が良いとされているが、その材料自身やその板厚など多くの点でコインシデンス効果が大きく変化するので、遮音特性は主にコインシデンス効果から判断されることも多い。しかし、コインシデンス効果も存在する一方、ガラスの板厚は破壊強度や重量など、遮音性以外の要素から決まることが多い。従って、単板ガラスの場合、質量則とコインシデンス効果という2つの現象はその構成から必然的なものとなり、遮音性の改善は非常に難しくなる。
【0005】
これに対し、合わせガラスは中間膜という別の特性を持った材料も有するため、コインシデンス効果を引き起こす周波数が異なるので、中間膜とガラス板のそれぞれのコインシデンス周波数を考慮することにより、改善を行うことができる。
【0006】
さらに、中間膜の材料を変えることにより、遮音性を大幅に改善することができる。しかし、遮音性が改善された中間膜は一般的に柔らかであり、強度的には弱くなる傾向にある。ガラスを厚くすれば、遮音性を上げることができ、破壊強度の問題も解消するが、重量増加という基本的な問題が顕著になる。
【0007】
公知文献をみれば、PVBフィルムと遮音フィルムを組み合わせた合わせガラス(例えば、特許文献1参照)、可塑化ポリビニルブチラールとジメチルホルムアミドを含有する遮音性合わせガラス(例えば、特許文献2参照)等が開示されている。
【0008】
日射遮蔽性についても、省エネルギの観点から着目されている。例えば、夏の暑い日には、建築物の内部は高温になるため、多くの人々はクーラーをつけて対応している。しかし、クーラーの多用は石油資源の使用に加えて、二酸化炭素の発生も誘発し、大きな環境問題となっている。この問題は建築物に限らず、自動車や鉄道車両などでも同様である。
【0009】
このため、日射遮蔽性を上げることが検討され、熱線と呼ばれる赤外領域の光を防ぐ手法やガラス製品が検討されている。例えば、ガラスの片面または両面に日射反射性能をもった膜を付与した熱線反射ガラスがある。この熱線反射ガラスは熱線反射という点では高い性能をもつが、その反射のために問題が生ずる場合がある。反射性能を小さくしながら、日射遮蔽性能を有すガラス製品とすることは簡単ではない。
【0010】
公知文献をみれば、可塑剤を用いて成形してなる樹脂膜中に機能性超微粒子を付与して日射遮蔽性を改良した自動車用合わせガラス(例えば、特許文献3参照)、赤外線遮蔽性微粒子を含んだ中間膜と0.3〜1%鉄分含有のガラスを組み合わせた合わせガラス(例えば、特許文献4参照)、さらには0.2μm以下の赤外線遮蔽性微粒子の含有率とガラスのトータル日射透過率を限定した合わせガラス(例えば、特許文献5参照)などが開示されている。
【0011】
ガラスの防犯性についても、泥棒犯罪の増加により、大きく着目されている。すなわち、ガラスを破壊することにより建築物内に進入する、あるいはショーケース内にある貴金属や高価な商品を掠奪するといった犯罪が大幅に増加する一方、建築物への進入手段やガラス製品の破壊方法も大胆になり、その対応が迫られている。このため、防犯性を考慮したガラス製品が市場に出回り始めている。なお、防犯性は多くの定性的な要素を含んでいるが、例えば耐衝撃性能で定量的に示すことも可能である。
【0012】
公知文献をみれば、例えば透かし部を有する金属薄板を介在させた防火・防犯窓ガラスが開示されている。(例えば、特許文献6参照)
【0013】
【特許文献1】
特開平9-165235号公報
【特許文献2】
特開平3-112835号公報
【特許文献3】
特開平8-259279号公報
【特許文献4】
特開2001-151539号公報
【特許文献5】
特開2002-173346号公報
【特許文献6】
特開平8-91882号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
遮音性と耐衝撃性能を向上させるためには、板厚を厚くする方向が良好な結果を示す。しかし、板厚を厚くしても、コインシデンス効果のためにすべての周波数で遮音性を満足することはできない上、重量増加という基本的な問題も発生する。日射遮蔽性については、大きな反射率とならないようにしながら、日射遮蔽性能を付与するのは簡単ではない。さらに、例えば一般建築用の窓ガラスとして用いる場合、サッシなども考慮した軽量化の問題からその厚さの合計は8mm以下が望ましい。強度的な問題や反射性を確保し、遮音性、日射遮蔽性および耐衝撃性能をも満足するガラス製品はこれまでなかった。
【0015】
すなわち、特開平9-165235号公報や特開平3-112835号公報で開示された合わせガラスの場合、遮音性は良いが、日射遮蔽性に問題がある。一方、特開平8-259279号公報、特開2001-151539号公報および特開2002-173346号公報で開示された合わせガラスの場合、日射遮蔽性は良いが、遮音性に問題がある。また、特開平8-91882号公報で開示された技術では、その構成から耐衝撃性能と日射遮蔽性にはその効果が認められるが、遮音性には問題がある。
【0016】
このように、遮音性を改善したガラス製品、日射遮蔽性を改善したガラス製品、および耐衝撃性能を改善したガラス製品はそれぞれ提案されているが、これらの特性を併せ待った軽量のガラス製品はこれまで開発されていなかった。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上述の問題点を解決するために、鋭意検討した結果、本発明に至った。本発明は、複数枚のガラス板状体の間に中間膜層を有する合わせガラスにおいて、遮音性フィルムを2枚以上の日射遮蔽性能を持たした中間膜で挟んだ構成からなり、日射遮蔽性能、遮音性能および耐衝撃性能を有することおよび厚さの合計が5mm以上8mm以下の合わせガラスである。
【0018】
また、中間膜と遮音性フィルムの合計厚さが1.5mm以上3.8mm以下、鋼球落下時における最大発生応力と同じ板厚の単板ガラスでの最大発生応力の比が0.8以下である合わせガラスである。
【0019】
さらに、300〜1800nmにおける日射透過率が70%以下、1000〜4000Hzにおける遮音性能が5dB以上であるである合わせガラスである。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明は、複数枚のガラス板状体の間に中間膜層を有する合わせガラスにおいて、遮音性フィルムを2枚以上の日射遮蔽性能を持たした中間膜で挟んだ構成からなる。例えば、図1に示すように2枚のガラス板1、5の間に、遮音性フィルム3を2枚の日射遮蔽性能を持たした中間膜2、4で挟んだ構成からなる合わせガラスである。また、3枚のガラス板の間に、遮音性フィルムと日射遮蔽性能を持たした中間膜で挟んだ構成でも良い。さらには、ガラス、中間膜、フィルムの枚数は上述にこだわらない。
【0021】
外側の2枚のガラス板は、本発明品の透明性、化学的耐久性、強度、硬度などを得る材料として不可欠である。中央部に配されるガラスも含め、1枚当りのガラス板の厚さは、0.7〜5mmの中から自由に選択でき、ガラスの厚さはそれぞれが異なっても良い。
【0022】
遮音性を有すフィルムは、遮音性の他、透明性や強度も重要である。フィルムの遮音性は、衝撃を与えることによりその共鳴周波数と振幅の値から求めることができる。一般には5dB程度の遮音性能が目安となる。なお、この遮音性フィルムとしては、PETフィルムが好適である。
【0023】
日射遮蔽性能を持たした中間膜は、重要であり、不可欠である。この中間膜は一般的にはPVB膜が使われる。日射遮蔽性能については、機能性超微粒子を付与する方法でも良いし、他の方法でも良い。しかし、この中間膜は、日射遮蔽性能の他、強度や透視性も重要である。また、ガラス板と遮音性を有すフィルムを接着させる効果も必要である。
【0024】
厚さの合計は5mm以上8mm以下であることが必要である。5mmよりも薄いと、耐衝撃性能を満足することはできないし、遮音性能も悪い傾向にある。一方、8mmを超えると、その重量が増すので、例えば一般建築物の窓ガラスとして使いにくくなる。望ましくは、6〜7mmの厚さである。
【0025】
中間膜と遮音性フィルムの合計厚さが、1.5mm以上3.8mm以下であることが重要である。中間膜と遮音性フィルムの合計厚さが1.5mmよりも薄いと、耐衝撃性能を満足することができない。一方、中間膜と遮音性フィルムの合計厚さが3.8mmを超えると、相対的なガラスの割合が下がり、コストが高くなる上、特に夏場での剛性が下がる。
【0026】
鋼球落下時において、合わせガラスでの最大発生応力と同じ板厚の単板ガラスでの最大発生応力の比は0.8以下であることも必要である。合わせガラスでの最大発生応力と単板ガラスでの最大発生応力の比は、耐衝撃性能を検討するために有用であり、その値が小さい方が耐衝撃性能は上がる。0.8を超えると、ガラス剛性は上がるが、中間膜の破壊現象が顕著になり、結果として耐衝撃性能は下がる。なお、落下させる鋼球としては、特に限定はされないが、CENで使われている4.1kg鋼球やJISR3205で指定されている1040g鋼球が望ましい。
【0027】
さらに、1000〜4000Hzにおける平均的な遮音性能を5dB以上向上させることが必要である。ここで、平均的な遮音性能とは、ガラス製品の合計板厚をTとした場合、11760/T(Hz)を中心とするJISA1416に準じた1/3オクターブバンドで、板厚Tのフロートガラスの遮音特性に対する改善値の5点平均である。すなわち、1000〜4000Hzでのコインシデンス効果領域における改善性能である。1000〜4000Hzの範囲としたのは、その合計板厚が5〜8mmとなる場合において、コインシデンス効果による差異がこの領域で最も大きくなり、材料による差異が最も顕著となるからである。5dBよりも小さいと、その遮音性は小さすぎ、遮音性に対する要求を満たさない。
【0028】
日射透過率は70%以下が必要である。70%を超えると、日射遮蔽効果が小さくなり、いわゆる断熱性能をもっているとは言えない状況になる。ここで、述べている日射透過率は、いわゆる建築用ガラスの判定で用いられるD65光源(白色光源)での300〜1800nmでの値であり、日射透過率はISO−DIS13837で決められた方法に基づく平均値である。
【0029】
【実施例】
以下、実施例に基づき、述べる。
(実施例1)
厚さが3mmで300mmx300mmのフロートガラスと厚さが0.1mmで300mmx300mmのPETフィルムを準備した。先ず、機能性超微粒子(材料:20wt%ATO(導電性アンチモン含有錫酸化物)、粒径:0.02μm以下)分散DOP(ジオクチルフタレート)10gと通常のDOPをPVB樹脂485gに添加し、他の紫外線吸収剤とともに、約70度で約15分練りこみ混合した。得られた製膜用原料樹脂を型押出機にて190℃前後で厚さ0.38mm程度にフィルム化し、ロールに巻き取った。このとき、フィルム表面にはエンボスと呼ぶ凹凸を付けた。
【0030】
次に、PVBフィルムを300mmx300mmの大きさに切断し、4枚のPVBフィルムを得た。上から、フロートガラス、2枚のPVBフィルム、PETフィルム、2枚のPVBフィルム、フロートガラスとして重ね、合わせガラス化処理を行った。合わせガラス化は、予備接着(ゴム製の真空袋、80〜110℃、20〜30分)と本接着(オートクレーブ、110〜140℃、20〜40分、10〜14kgf/cm2)の2段階で行った。なお、中間膜と遮音性フィルムの合計厚さは約1.6mmであった。
【0031】
得られた合わせガラスについて、以下の試験を行った。その結果を図2および3に示す。図2は20℃における遮音性試験の結果で、2のデータが本発明にあたる。縦軸は音響透過損失(dB)を、横軸は周波数(Hz)である。1は基準とするフロートガラス単板(8mm)、3は従来の合わせガラスの場合を示している。本発明の2の値は、フロートガラス1の値よりも、遮音性能が良好であることが分かる。すなわち、本発明による合わせガラスでは、コインシデンス効果はほとんど認められず、1000〜4000Hzにおける遮音性能、この場合は1000から2500Hzにおける遮音性能は約7dBであり、5dB以上であることが確認された。なお、遮音性能の測定は、JISA1416に準じて行った。
【0032】
図3は、分光透過曲線である。縦軸は透過率(%)、横軸は波長(nm)であり、1は本発明を2は従来の合わせガラスの場合を示している。本発明による合わせガラスでは、可視光域では透過率が確保されているのに対し、赤外および遠赤外域で透過率が大幅に下がっており、日射遮蔽性が大幅に上がったことを示している。この結果、300〜1800nmでの日射透過率が52%であり、日射透過率が70%以下であることが確認された。
【0033】
合わせガラス試料の合計厚さは7.6mmであったので、ほぼ同厚のフロートガラスを準備した。この合わせガラスについて、鋼球落下による最大発生応力を測定し、同じ板厚の単板ガラスでの最大発生応力との比を求めた。鋼球は1040g鋼球とし、1mの高さから落下させた。測定は協和電業製の歪ゲージKGF−1−120−D17−11L3M2Sおよび動歪測定装置EDX−1500A型を用い、5回測定した値の最大値を発生応力とした。鋼球落下時の最大発生応力と同じ板厚の単板ガラスでの最大発生応力の比は0.7であった。
【0034】
さらに、防犯性を調べるため、CEN356試験に準じた耐衝撃試験を行った。すなわち、寸法が1100x900mmの試料を作製し、その試料に4.1kg鋼球を6mの高さから3回落下させた。その結果、貫通する開口部直径は10mm未満であり、防犯レベルP3Aに合格していることを確認した。
【0035】
(実施例2)
実施例1と同様の手法で、0.55mmの機能性超微粒子付与のPVBフィルムを得た。このPVBフィルム3枚と板厚2.5mmのフロートガラス2枚、1.1mmのフロートガラス1枚、0.1mのPETフィルム1枚を組み合わせ、7層の合わせガラスとした。すなわち、外側から2.5mmフロートガラス、PVBフィルム、PETフィルム、PVBフィルム、1.1mmフロートガラス、PVBフィルム、2.5mmフロートガラスとなる構成の合わせガラスを製作し、この合わせガラスで実施例1と同様の試験を行った。なお、この合わせガラス試料の合計厚さは約7.9mmであり、中間膜と遮音性フィルムの合計厚さは約1.8mmであった。
【0036】
この結果、1000〜4000Hzにおける遮音性能は8dBで5dB以上であること、および日射透過率は49%で日射透過率が70%以下であることが確認された。また、鋼球落下時の最大発生応力と同じ板厚の単板ガラスでの最大発生応力の比は0.65であった。さらに、CEN356試験に準じた4.1kg鋼球落下試験で防犯レベルP3Aに合格していることを確認した。
【0037】
(実施例3)
実施例1と同様の条件とし、1.8mmのフロートガラスに変え、その合わせガラスで実施例1と同様の試験を行った。なお、この合わせガラス試料の合計厚さは約5.2mmであり、中間膜と遮音性フィルムの合計厚さは約1.6mmであった。
【0038】
この結果、1000〜4000Hzにおける遮音性能は6dBで5dB以上であること、および日射透過率は53%で日射透過率が70%以下であることが確認された。また、鋼球落下時の最大発生応力と同じ板厚の単板ガラスでの最大発生応力の比は0.75であった。さらに、CEN356試験に準じた4.1kg鋼球落下試験で防犯レベルP3Aに合格していることを確認した。
【0039】
(比較例1)
実施例1と同様の合わせガラスを、PETフィルムなしで作製した。この合わせガラスで実施例1〜3と同様の試験を行った。なお、この合わせガラス試料の合計厚さは約7.6mmであり、中間膜と遮音性フィルムの合計厚さは約1.6mmであった。
【0040】
この結果、1000〜4000Hzにおける遮音性能は4dBで通常の合わせガラスと同等であり、遮音性能に問題が発生した。また、鋼球落下時の最大発生応力と同じ板厚の単板ガラスでの最大発生応力の比は0.7であった。CEN356試験に準じた4.1kg鋼球落下試験で防犯レベルP3Aには合格しなかった。
【0041】
(比較例2)
実施例1と同様の手法で、0.29mmの機能性超微粒子付与のPVBフィルムを得た。このPVBフィルムを用い、実施例3と同様の合わせガラスを得、実施例1〜3と同様の試験を行った。この合わせガラス試料の合計厚さは約4.9mmであり、中間膜と遮音性フィルムの合計厚さは約1.3mmであった。
【0042】
この結果、1000〜4000Hzにおける遮音性能は4dB、日射透過率が78%、CEN356試験に準じた4.1kg鋼球落下試験では防犯レベルP3Aには合格しなかった。すなわち、遮音性能、日射透過率、耐衝撃試験性能とも問題が発生した。なお、鋼球落下時の最大発生応力と同じ板厚の単板ガラスでの最大発生応力の比は0.85であった。
【0043】
(比較例3)
実施例2と同様の手法で、7層の合わせガラスを作成した。但し、板厚1.8mmフロートガラス2枚と1.1mmのフロートガラス、0.38mmの機能性超微粒子付与のPVBフィルムを合計10枚、および0.1mのPETフィルムを組み合わせで作成した。この合わせガラスについて、実施例1〜3と同様の試験を行った。なお、この合わせガラス試料における中間膜と遮音性フィルムの合計厚さは約3.9mmであった。
【0044】
この結果、1000〜4000Hzにおける遮音性能は12dB、日射透過率が39%であった。しかし、この合わせガラス試料のトータル厚さは8.6mmとなって準備していたサッシ枠に入れることができなかった。さらに、大幅なコスト増となったため、建築用窓ガラスとしては実用化できなかった。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、遮音性と日射遮蔽性および耐衝撃性能を備えた軽量の合わせガラスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例を示す5層構造の合わせガラスの概念図である。
【図2】実施例1で得られた20℃における遮音性試験の結果である。
【図3】実施例1で得られた分光透過曲線の結果である。
【符号の説明】
1 ガラス板
2 中間膜
3 遮音フィルム
4 中間膜
5 ガラス板
Claims (5)
- 複数枚のガラス板状体と中間膜層を有する合わせガラスにおいて、遮音性フィルムを2枚以上の日射遮蔽性能を持たした中間膜で挟んだ構成からなり、日射遮蔽性能、遮音性能および耐衝撃性能を有することおよび厚さの合計が5mm以上8mm以下であることを特徴とする合わせガラス。
- 請求項1に記載の合わせガラスにおいて、中間膜と遮音性フィルムの合計厚さが、1.5mm以上3.8mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の合わせガラス。
- 請求項1に記載の合わせガラスにおいて、鋼球落下時における最大発生応力と同じ板厚の単板ガラスでの最大発生応力の比が0.8以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の合わせガラス。
- 請求項1に記載の合わせガラスにおいて、1000〜4000Hzにおける遮音性能が5dB以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の合わせガラス。
- 請求項1に記載の合わせガラスにおいて、300〜1800nmにおける日射透過率が70%以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の合わせガラス。
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