JP2004194830A - 食器用ラックのトレイ - Google Patents
食器用ラックのトレイ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004194830A JP2004194830A JP2002365749A JP2002365749A JP2004194830A JP 2004194830 A JP2004194830 A JP 2004194830A JP 2002365749 A JP2002365749 A JP 2002365749A JP 2002365749 A JP2002365749 A JP 2002365749A JP 2004194830 A JP2004194830 A JP 2004194830A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tray
- rack
- dish rack
- tableware
- dish
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Washing And Drying Of Tableware (AREA)
- Combinations Of Kitchen Furniture (AREA)
Abstract
【課題】洗浄後の水滴が付着した食器類を短時間で乾燥させる。
【解決手段】食器洗浄に供されて付着した水の滴下領域18dを有する食器用ラック18が載置されるトレイの内底部20aに、所要高さだけ上方に突出して食器用ラック18を部分的に支持する複数の支持部24,26を形成する。これにより、前記食器用ラック18を前記支持部24,26に載置した際に、前記トレイ20の内底部20aと、食器用ラック18における水の滴下領域18dとを連通する空間部28を画成し、通気性を向上させるようにした。
【選択図】 図4
【解決手段】食器洗浄に供されて付着した水の滴下領域18dを有する食器用ラック18が載置されるトレイの内底部20aに、所要高さだけ上方に突出して食器用ラック18を部分的に支持する複数の支持部24,26を形成する。これにより、前記食器用ラック18を前記支持部24,26に載置した際に、前記トレイ20の内底部20aと、食器用ラック18における水の滴下領域18dとを連通する空間部28を画成し、通気性を向上させるようにした。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、食器用ラックのトレイに関し、更に詳細には、食器洗浄機から取出した洗浄済の食器用ラックを収容状態で載置して、食器類や食器用ラックから垂れ落ちる水滴を受容する食器用ラックのトレイに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
飲食に供した後の皿、茶碗、コップ等の食器類を自動的に洗浄するための食器洗浄機が、喫茶店やレストラン等の厨房施設、更には一般家庭にも設置されて、広く好適に使用されるに至っている。この食器洗浄機は、各種食器類を収納した食器用ラックを収納可能な洗浄室が本体に内部画成されると共に、該洗浄室内の上下あるいは何れか一方に洗浄およびすすぎノズルが配設されている。そして、前記食器用ラックを洗浄室内に収納した状態で、前記ノズルに洗浄水や温水を流通させて、食器用ラック中の食器類に洗浄水や温水を吹付けることで洗浄を行なうよう構成されている。なお、前記食器用ラックの底面は格子状に形成されており、下側に設けたノズルから噴射させた洗浄水や温水が直接食器に当たるようになっている。
【0003】
前述した食器洗浄機により洗浄作業を連続して行なう場合には、最初の洗浄作業が終了した後に食器用ラックを洗浄室内から取出し、テーブル等の平坦な場所に移動すると共に、次に洗浄する食器類を収納した食器用ラックを洗浄室内に収納して洗浄作業が行なわれる。ここで、洗浄作業が終了した後の食器類や食器用ラックには水滴が付着しているため、洗浄室内から食器用ラックを取出した際に、該水滴により作業者の衣服や床面等が濡れることがある。また、食器用ラックを移動する場所は、防水処理がなされて水滴が垂れ落ちて濡れても問題がない場所に限定されるため、作業環境が大きく制約されることにもなる。そこで、洗浄室内から取出した食器用ラックを、平板状のトレイに載置して移動することで、該食器用ラック等から垂れ落ちる水滴をトレイで受け止めるよう構成したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
実開平1−101480号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記食器類に付着した水滴は、洗浄作業におけるすすぎ工程で温水が吹付けられて高温となった該食器等の余熱で乾燥される。しかし、前述した平板状のトレイに略水平状態で食器用ラックを載置している状態では、食器類や食器用ラックに付着している水滴の切れが悪く、余熱乾燥に長時間を要し、作業効率が低い問題がある。また、時間の経過と共に食器類の温度が低下するため、余熱乾燥が充分になされず、食器類に付着した水滴を完全に除去し得なくなる畏れもある。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、前述した従来の技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、洗浄後の水滴が付着した食器類を短時間で乾燥させ得る食器用ラックのトレイを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため、本発明に係る食器用ラックのトレイは、
食器洗浄に供されて付着した水の滴下領域を有する食器用ラックが載置されるトレイであって、
前記トレイの内底部に、所要高さだけ上方に突出して前記食器用ラックを部分的に支持する複数の支持部を形成し、
前記食器用ラックを前記支持部に載置した際に、前記トレイの内底部と食器用ラックにおける水の滴下領域とを連通する空間部が画成されるよう構成したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る食器用ラックのトレイにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
【0009】
図1に示す実施例に係る食器洗浄機10は、本体12に内部画成されて、前方開口を介して食器用ラック18を前側から出入れ可能な洗浄室14と、該洗浄室14の前方開口を開閉可能な開閉扉16とを基本的に備えている。なお、図1に示すように、前記開閉扉16を開放した際に、該開閉扉16は略水平状態に保持されるよう構成してある。また洗浄室14の内部には、洗浄運転に際し、洗浄水供給源から圧力供給される洗浄水の噴射反力により回転する下部洗浄ノズルと、洗浄終了後に高温のすすぎ水を供給する下部すすぎノズル(何れも図示せず)とが、水平回転可能に枢支されている。更に、下部洗浄ノズルと下部すすぎノズルとに対向する上部位置には、水平アームを介して同じ機能を果す上部洗浄ノズルと上部すすぎノズル(何れも図示せず)とが枢支される。なお、洗浄室14内部には、前記各ノズルの他に、フィルタ、オーバーフローパイプ、スロープ等の他の部材(何れも図示せず)も配設されている。
【0010】
前記食器用ラック18は、上方に開口する略矩形箱状に形成されて、内部に皿、茶碗、コップ等の食器類を収納し得るようになっている。また、前記食器用ラック18の底面18aは、上下に貫通する多数の孔部(滴下領域)18dを有する格子状に形成されており(図3または図4参照)、前記洗浄室14に食器用ラック18を収納して洗浄運転を行なった際に、この食器用ラック18に収納した食器類に、前記上下の各ノズルから洗浄水や高温のすすぎ水が直接噴射供給されるよう構成される。また、前記食器用ラック18における各側面18bの上部位置には、3箇所の開口部18c,18c,18cが形成されており、中央の開口部18cが食器用ラック18を持ち運ぶ際の把持部として機能するようになっている(図3参照)。
【0011】
前記食器洗浄機10では、洗浄運転終了後に開放した前記開閉扉16の上面にトレイ20を配置し、該トレイ20に前記洗浄室14から取出した食器用ラック18を載置するようにしている。前記トレイ20は、図2に示すように、底板(内底部)20a、左右の側板20b,20b、前板20cおよび後板20dとから、上方に開口する箱状に形成されて、前記食器用ラック18や食器類から垂れ落ちる水滴を貯留し得るよう構成される。なお、図4に示すように、前記トレイ20における底板20aの左右方向の寸法は、前記食器用ラック18における底面18aの左右方向の寸法より大きく設定してある。すなわち、前記食器用ラック18をトレイ20に収容した際に、該食器用ラック18の側面18bとトレイ20の各側板20bとの間に、所要の隙間が形成されるようになっている。
【0012】
また、前記左右の両側板20b,20bには、左右に貫通する抜孔からなる把持部22,22が夫々形成されており、前記食器用ラック18を前記トレイ20に収容状態で載置した際に、各把持部22と食器用ラック18に形成した中央の開口部18cとが左右方向に略整列するよう構成してある(図3参照)。すなわち、前記食器用ラック18を載置した状態で前記トレイ20を持ち運び移動する際に、前記把持部22および食器用ラック18の開口部18cを介して、両部材18,20を把持し得るようになっている。更に、前記トレイ20における下面の各角部近傍には、ゴム等で形成された滑り止め用の脚部20eが設けられており、前記開閉扉16に配置したトレイ20に対して、前記食器用ラック18を載置する際に該トレイ20がズレないよう構成されている(図3または図4参照)。
【0013】
図2に示すように、前記トレイ20における底板20aの後端部には、左右方向の全長に亘って所要高さだけ上方に突出する段差部(支持部)24が形成されており、該段差部24の後端縁から前記後板20dが立ち上がっている。ここで、前記段差部24は、前記トレイ20を前記洗浄室14の前方開口を開放した開閉扉16に配置した際に、該洗浄室14から離間するに伴い所定角度で上方に傾斜している。また、前記底板20aには、該底板20aの前端部近傍から上方に立上がると共に、前記トレイ20を前記洗浄室14の前方開口を開放した開閉扉16に配置した際に、該洗浄室14から離間するに伴い所定角度で上方傾斜する傾斜リブ片(支持部)26,26,26が、左右方向に所定間隔離間して3箇所に突設されている。
【0014】
ここで、前記段差部24の上面と、前記各傾斜リブ片26の上面とは略同一平面上に位置するよう構成してある。すなわち、図3に示すように、前記食器用ラック18を前記トレイ20に載置した際に、該食器用ラック18の下面が、前記段差部24の上面および前記各傾斜リブ片26の上面に当接して食器用ラック18が所定角度で傾斜した状態で保持される。また、食器用ラック18とトレイ20の底板20aとの間には、該段差部24および傾斜リブ片26あるいはトレイ20の側板20bにより、前記食器類や食器用ラック18から垂れ落ちる水滴を貯留する貯留部として機能する空間部28が画成されている(図4参照)。なお、前記空間部28は、前記食器用ラック18の側面18bとトレイ20の各側板20bとの間の隙間を介して外部に連通するよう構成されている。
【0015】
図3に示すように、前記トレイ20における前板20cの上端は、前記後板20dの上端より低くなるよう設定されると共に、該前板20cの上端縁から前方下側に向けて案内片21が延出形成されている。また、図1に示す如く、前記トレイ20は、該トレイ20の前板20cが洗浄室14に向くよう前記開閉扉16に配置される。すなわち、前記トレイ20を開閉扉16に配置した際に、前記案内片21が洗浄室14の前方開口側に臨むと共に、各傾斜リブ片26や段差部24の上面は、食器用ラック18の洗浄室14からの引出し向きの後側から前側に向けて上方傾斜しているから、洗浄室14から取出される食器用ラック18のトレイ20内への収容を容易に行ない得る。
【0016】
【実施例の作用】
次に、本実施例に係るトレイ20の作用につき説明する。飲食に供された皿、茶碗、コップ等の食器類を収納した食器用ラック18を前記洗浄室14内に収納し、該食器類および食器用ラック18に前記上下の各ノズルから洗浄水および高温のすすぎ水を噴射して洗浄およびすすぎを行なうことで洗浄運転が完了する。そして、図1に示すように、前記洗浄室14の前方開口を閉成する開閉扉16を開放し、該開閉扉16の上面に、前記前板20cがこの前方開口を向く姿勢でトレイ20を配置し、該トレイ20に洗浄室14内から取出した食器用ラック18を収容状態で載置する。このとき、前記トレイ20の下面に滑り止め用の脚部20eを形成してあるので、該トレイ20に食器用ラック18を載置する際に、トレイ20がずれるのは防止される。また、高さ寸法の小さい前板20cが前記洗浄室14の前方開口側に位置すると共に、該前板20cの上端縁から前方下側に向けて案内片21を延出形成してあるから、洗浄室14から取出した食器用ラック18をトレイ20内に容易に収容することが可能である。更に、前記段差部24および傾斜リブ片26を、前記洗浄室14の前方開口を開放した開閉扉16に前記トレイ20を配置した際に、該洗浄室14から離間するに伴い所定角度で上方に傾斜するようにしたから、前記食器用ラック18を洗浄室14内から引き上げるだけで、容易にトレイ20内に収容できる。
【0017】
次いで、前記食器用ラック18をトレイ20に収容載置した状態で、該トレイ20をテーブル等に持ち運び移動して食器類の余熱乾燥が行なわれる。このように、洗浄後の食器用ラック18をトレイ20に収容載置したから、該食器用ラック18や食器類から垂れ落ちる水滴は前記トレイ20の空間部28に貯留され、作業者の衣服や床面等を濡らすのは防止されると共に、該トレイ20を所望の場所に載置することができ、作業スペースを十分に確保することができる。
【0018】
また、前記トレイ20に収容載置されて食器用ラック18は、その下面が前記傾斜リブ片26と段差部24に当接して所定角度で傾斜した状態で保持されるため、該食器類や食器用ラック18に付着した水滴は該食器用ラック18の孔部18dを介して迅速にトレイ20に垂れ落ちるようになるから、食器類の余熱乾燥を短時間で行なうことが可能となる。更に、前記各傾斜リブ片26を夫々離間して形成し、前記食器用ラック18の下面とトレイ20の底板20aとの間に空間部28を形成すると共に、食器用ラック18の側面18bとトレイ20の各側板20bとの間の隙間を形成するよう構成したので、図4に示すように、該食器用ラック18の下方部位における通気性が向上され、より短時間で食器類を余熱乾燥し得る。更にまた、前記食器類や食器用ラック18から垂れ落ちた水滴は、前記空間部28に貯留されるから、該水滴が食器用ラック18に再付着して乾燥時間が長くなる畏れはない。すなわち、余熱乾燥に要する時間が短縮されるので、食器類の乾燥完了前に該食器類が温度低下するのは防止され、確実に食器類を乾燥し得る。そして、前記トレイ20に形成した把持部22と、食器用ラック18に形成した中央の開口部18cとが左右に整列するよう構成してあるので、該トレイ20を持ち運ぶ際に、食器用ラック18およびトレイ20の両方を把持することができ、傾斜状態で載置された食器用ラック18を安定して持ち運ぶことが可能である。
【0019】
【変更例】
なお、食器用ラックを載置するトレイの形状としては、実施例のものに限られず、種々の変更が可能である。例えば、実施例では、トレイに食器用ラックを収容載置した際に、該食器用ラックを所定角度で傾斜した状態で保持すると共に、トレイの底面と食器用ラックの下面との間に空間部を画成されるようにしたが、トレイに食器用ラックを水平状態で載置して、トレイの底面と食器用ラックの下面との間に空間部が画成されるようにしてもよい。この場合にも、食器用ラックの下方部位の通気性が向上するから、余熱乾燥時間の短縮を図り得る。また、食器用ラックをトレイの底面から離間させる支持部としては実施例のものに限らず、該トレイの底面に上方に突出する複数の突起部等を形成し、該突起部で食器用ラックを支持するよう構成することもできる。更に、前記トレイの下面に滑り止め用の脚部を形成するようにしたが、食器洗浄機の開閉扉に位置決め部材を設けて該トレイを位置決めすることも可能である。更に、前記トレイが使用される食器洗浄機としては、実施例のものに限られず、従来公知の各種食器洗浄機を採用することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る食器用ラックのトレイによれば、食器用ラックをトレイに載置した際に、該トレイの底面と食器用ラックの下面との間に空間部を画成するようにしたから、食器用ラックの下方部位における通気性が向上され、短時間で被洗浄物を余熱乾燥し得ると共に、被洗浄物から垂れ落ちた水滴は、空間部に貯留されるから、該水滴が食器用ラックへの再付着するのを防止できる。そして、余熱乾燥を行なう時間が短縮されることで、被洗浄物が高温の間に確実に乾燥させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るトレイを開閉扉上に配置した状態で示す食器洗浄機の側面図である。
【図2】実施例に係るトレイを示す斜視図である。
【図3】実施例に係るトレイに食器用ラックを載置した状態を示す縦断側面図である。
【図4】実施例に係るトレイに食器用ラックを載置した状態を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
18 食器用ラック,18d 孔部(滴下領域)
20 トレイ,20a 底板(内底部),24 段差部(支持部)
26 傾斜リブ部(支持部),28 空間部
【発明の属する技術分野】
この発明は、食器用ラックのトレイに関し、更に詳細には、食器洗浄機から取出した洗浄済の食器用ラックを収容状態で載置して、食器類や食器用ラックから垂れ落ちる水滴を受容する食器用ラックのトレイに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
飲食に供した後の皿、茶碗、コップ等の食器類を自動的に洗浄するための食器洗浄機が、喫茶店やレストラン等の厨房施設、更には一般家庭にも設置されて、広く好適に使用されるに至っている。この食器洗浄機は、各種食器類を収納した食器用ラックを収納可能な洗浄室が本体に内部画成されると共に、該洗浄室内の上下あるいは何れか一方に洗浄およびすすぎノズルが配設されている。そして、前記食器用ラックを洗浄室内に収納した状態で、前記ノズルに洗浄水や温水を流通させて、食器用ラック中の食器類に洗浄水や温水を吹付けることで洗浄を行なうよう構成されている。なお、前記食器用ラックの底面は格子状に形成されており、下側に設けたノズルから噴射させた洗浄水や温水が直接食器に当たるようになっている。
【0003】
前述した食器洗浄機により洗浄作業を連続して行なう場合には、最初の洗浄作業が終了した後に食器用ラックを洗浄室内から取出し、テーブル等の平坦な場所に移動すると共に、次に洗浄する食器類を収納した食器用ラックを洗浄室内に収納して洗浄作業が行なわれる。ここで、洗浄作業が終了した後の食器類や食器用ラックには水滴が付着しているため、洗浄室内から食器用ラックを取出した際に、該水滴により作業者の衣服や床面等が濡れることがある。また、食器用ラックを移動する場所は、防水処理がなされて水滴が垂れ落ちて濡れても問題がない場所に限定されるため、作業環境が大きく制約されることにもなる。そこで、洗浄室内から取出した食器用ラックを、平板状のトレイに載置して移動することで、該食器用ラック等から垂れ落ちる水滴をトレイで受け止めるよう構成したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
実開平1−101480号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記食器類に付着した水滴は、洗浄作業におけるすすぎ工程で温水が吹付けられて高温となった該食器等の余熱で乾燥される。しかし、前述した平板状のトレイに略水平状態で食器用ラックを載置している状態では、食器類や食器用ラックに付着している水滴の切れが悪く、余熱乾燥に長時間を要し、作業効率が低い問題がある。また、時間の経過と共に食器類の温度が低下するため、余熱乾燥が充分になされず、食器類に付着した水滴を完全に除去し得なくなる畏れもある。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、前述した従来の技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、洗浄後の水滴が付着した食器類を短時間で乾燥させ得る食器用ラックのトレイを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため、本発明に係る食器用ラックのトレイは、
食器洗浄に供されて付着した水の滴下領域を有する食器用ラックが載置されるトレイであって、
前記トレイの内底部に、所要高さだけ上方に突出して前記食器用ラックを部分的に支持する複数の支持部を形成し、
前記食器用ラックを前記支持部に載置した際に、前記トレイの内底部と食器用ラックにおける水の滴下領域とを連通する空間部が画成されるよう構成したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る食器用ラックのトレイにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
【0009】
図1に示す実施例に係る食器洗浄機10は、本体12に内部画成されて、前方開口を介して食器用ラック18を前側から出入れ可能な洗浄室14と、該洗浄室14の前方開口を開閉可能な開閉扉16とを基本的に備えている。なお、図1に示すように、前記開閉扉16を開放した際に、該開閉扉16は略水平状態に保持されるよう構成してある。また洗浄室14の内部には、洗浄運転に際し、洗浄水供給源から圧力供給される洗浄水の噴射反力により回転する下部洗浄ノズルと、洗浄終了後に高温のすすぎ水を供給する下部すすぎノズル(何れも図示せず)とが、水平回転可能に枢支されている。更に、下部洗浄ノズルと下部すすぎノズルとに対向する上部位置には、水平アームを介して同じ機能を果す上部洗浄ノズルと上部すすぎノズル(何れも図示せず)とが枢支される。なお、洗浄室14内部には、前記各ノズルの他に、フィルタ、オーバーフローパイプ、スロープ等の他の部材(何れも図示せず)も配設されている。
【0010】
前記食器用ラック18は、上方に開口する略矩形箱状に形成されて、内部に皿、茶碗、コップ等の食器類を収納し得るようになっている。また、前記食器用ラック18の底面18aは、上下に貫通する多数の孔部(滴下領域)18dを有する格子状に形成されており(図3または図4参照)、前記洗浄室14に食器用ラック18を収納して洗浄運転を行なった際に、この食器用ラック18に収納した食器類に、前記上下の各ノズルから洗浄水や高温のすすぎ水が直接噴射供給されるよう構成される。また、前記食器用ラック18における各側面18bの上部位置には、3箇所の開口部18c,18c,18cが形成されており、中央の開口部18cが食器用ラック18を持ち運ぶ際の把持部として機能するようになっている(図3参照)。
【0011】
前記食器洗浄機10では、洗浄運転終了後に開放した前記開閉扉16の上面にトレイ20を配置し、該トレイ20に前記洗浄室14から取出した食器用ラック18を載置するようにしている。前記トレイ20は、図2に示すように、底板(内底部)20a、左右の側板20b,20b、前板20cおよび後板20dとから、上方に開口する箱状に形成されて、前記食器用ラック18や食器類から垂れ落ちる水滴を貯留し得るよう構成される。なお、図4に示すように、前記トレイ20における底板20aの左右方向の寸法は、前記食器用ラック18における底面18aの左右方向の寸法より大きく設定してある。すなわち、前記食器用ラック18をトレイ20に収容した際に、該食器用ラック18の側面18bとトレイ20の各側板20bとの間に、所要の隙間が形成されるようになっている。
【0012】
また、前記左右の両側板20b,20bには、左右に貫通する抜孔からなる把持部22,22が夫々形成されており、前記食器用ラック18を前記トレイ20に収容状態で載置した際に、各把持部22と食器用ラック18に形成した中央の開口部18cとが左右方向に略整列するよう構成してある(図3参照)。すなわち、前記食器用ラック18を載置した状態で前記トレイ20を持ち運び移動する際に、前記把持部22および食器用ラック18の開口部18cを介して、両部材18,20を把持し得るようになっている。更に、前記トレイ20における下面の各角部近傍には、ゴム等で形成された滑り止め用の脚部20eが設けられており、前記開閉扉16に配置したトレイ20に対して、前記食器用ラック18を載置する際に該トレイ20がズレないよう構成されている(図3または図4参照)。
【0013】
図2に示すように、前記トレイ20における底板20aの後端部には、左右方向の全長に亘って所要高さだけ上方に突出する段差部(支持部)24が形成されており、該段差部24の後端縁から前記後板20dが立ち上がっている。ここで、前記段差部24は、前記トレイ20を前記洗浄室14の前方開口を開放した開閉扉16に配置した際に、該洗浄室14から離間するに伴い所定角度で上方に傾斜している。また、前記底板20aには、該底板20aの前端部近傍から上方に立上がると共に、前記トレイ20を前記洗浄室14の前方開口を開放した開閉扉16に配置した際に、該洗浄室14から離間するに伴い所定角度で上方傾斜する傾斜リブ片(支持部)26,26,26が、左右方向に所定間隔離間して3箇所に突設されている。
【0014】
ここで、前記段差部24の上面と、前記各傾斜リブ片26の上面とは略同一平面上に位置するよう構成してある。すなわち、図3に示すように、前記食器用ラック18を前記トレイ20に載置した際に、該食器用ラック18の下面が、前記段差部24の上面および前記各傾斜リブ片26の上面に当接して食器用ラック18が所定角度で傾斜した状態で保持される。また、食器用ラック18とトレイ20の底板20aとの間には、該段差部24および傾斜リブ片26あるいはトレイ20の側板20bにより、前記食器類や食器用ラック18から垂れ落ちる水滴を貯留する貯留部として機能する空間部28が画成されている(図4参照)。なお、前記空間部28は、前記食器用ラック18の側面18bとトレイ20の各側板20bとの間の隙間を介して外部に連通するよう構成されている。
【0015】
図3に示すように、前記トレイ20における前板20cの上端は、前記後板20dの上端より低くなるよう設定されると共に、該前板20cの上端縁から前方下側に向けて案内片21が延出形成されている。また、図1に示す如く、前記トレイ20は、該トレイ20の前板20cが洗浄室14に向くよう前記開閉扉16に配置される。すなわち、前記トレイ20を開閉扉16に配置した際に、前記案内片21が洗浄室14の前方開口側に臨むと共に、各傾斜リブ片26や段差部24の上面は、食器用ラック18の洗浄室14からの引出し向きの後側から前側に向けて上方傾斜しているから、洗浄室14から取出される食器用ラック18のトレイ20内への収容を容易に行ない得る。
【0016】
【実施例の作用】
次に、本実施例に係るトレイ20の作用につき説明する。飲食に供された皿、茶碗、コップ等の食器類を収納した食器用ラック18を前記洗浄室14内に収納し、該食器類および食器用ラック18に前記上下の各ノズルから洗浄水および高温のすすぎ水を噴射して洗浄およびすすぎを行なうことで洗浄運転が完了する。そして、図1に示すように、前記洗浄室14の前方開口を閉成する開閉扉16を開放し、該開閉扉16の上面に、前記前板20cがこの前方開口を向く姿勢でトレイ20を配置し、該トレイ20に洗浄室14内から取出した食器用ラック18を収容状態で載置する。このとき、前記トレイ20の下面に滑り止め用の脚部20eを形成してあるので、該トレイ20に食器用ラック18を載置する際に、トレイ20がずれるのは防止される。また、高さ寸法の小さい前板20cが前記洗浄室14の前方開口側に位置すると共に、該前板20cの上端縁から前方下側に向けて案内片21を延出形成してあるから、洗浄室14から取出した食器用ラック18をトレイ20内に容易に収容することが可能である。更に、前記段差部24および傾斜リブ片26を、前記洗浄室14の前方開口を開放した開閉扉16に前記トレイ20を配置した際に、該洗浄室14から離間するに伴い所定角度で上方に傾斜するようにしたから、前記食器用ラック18を洗浄室14内から引き上げるだけで、容易にトレイ20内に収容できる。
【0017】
次いで、前記食器用ラック18をトレイ20に収容載置した状態で、該トレイ20をテーブル等に持ち運び移動して食器類の余熱乾燥が行なわれる。このように、洗浄後の食器用ラック18をトレイ20に収容載置したから、該食器用ラック18や食器類から垂れ落ちる水滴は前記トレイ20の空間部28に貯留され、作業者の衣服や床面等を濡らすのは防止されると共に、該トレイ20を所望の場所に載置することができ、作業スペースを十分に確保することができる。
【0018】
また、前記トレイ20に収容載置されて食器用ラック18は、その下面が前記傾斜リブ片26と段差部24に当接して所定角度で傾斜した状態で保持されるため、該食器類や食器用ラック18に付着した水滴は該食器用ラック18の孔部18dを介して迅速にトレイ20に垂れ落ちるようになるから、食器類の余熱乾燥を短時間で行なうことが可能となる。更に、前記各傾斜リブ片26を夫々離間して形成し、前記食器用ラック18の下面とトレイ20の底板20aとの間に空間部28を形成すると共に、食器用ラック18の側面18bとトレイ20の各側板20bとの間の隙間を形成するよう構成したので、図4に示すように、該食器用ラック18の下方部位における通気性が向上され、より短時間で食器類を余熱乾燥し得る。更にまた、前記食器類や食器用ラック18から垂れ落ちた水滴は、前記空間部28に貯留されるから、該水滴が食器用ラック18に再付着して乾燥時間が長くなる畏れはない。すなわち、余熱乾燥に要する時間が短縮されるので、食器類の乾燥完了前に該食器類が温度低下するのは防止され、確実に食器類を乾燥し得る。そして、前記トレイ20に形成した把持部22と、食器用ラック18に形成した中央の開口部18cとが左右に整列するよう構成してあるので、該トレイ20を持ち運ぶ際に、食器用ラック18およびトレイ20の両方を把持することができ、傾斜状態で載置された食器用ラック18を安定して持ち運ぶことが可能である。
【0019】
【変更例】
なお、食器用ラックを載置するトレイの形状としては、実施例のものに限られず、種々の変更が可能である。例えば、実施例では、トレイに食器用ラックを収容載置した際に、該食器用ラックを所定角度で傾斜した状態で保持すると共に、トレイの底面と食器用ラックの下面との間に空間部を画成されるようにしたが、トレイに食器用ラックを水平状態で載置して、トレイの底面と食器用ラックの下面との間に空間部が画成されるようにしてもよい。この場合にも、食器用ラックの下方部位の通気性が向上するから、余熱乾燥時間の短縮を図り得る。また、食器用ラックをトレイの底面から離間させる支持部としては実施例のものに限らず、該トレイの底面に上方に突出する複数の突起部等を形成し、該突起部で食器用ラックを支持するよう構成することもできる。更に、前記トレイの下面に滑り止め用の脚部を形成するようにしたが、食器洗浄機の開閉扉に位置決め部材を設けて該トレイを位置決めすることも可能である。更に、前記トレイが使用される食器洗浄機としては、実施例のものに限られず、従来公知の各種食器洗浄機を採用することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る食器用ラックのトレイによれば、食器用ラックをトレイに載置した際に、該トレイの底面と食器用ラックの下面との間に空間部を画成するようにしたから、食器用ラックの下方部位における通気性が向上され、短時間で被洗浄物を余熱乾燥し得ると共に、被洗浄物から垂れ落ちた水滴は、空間部に貯留されるから、該水滴が食器用ラックへの再付着するのを防止できる。そして、余熱乾燥を行なう時間が短縮されることで、被洗浄物が高温の間に確実に乾燥させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るトレイを開閉扉上に配置した状態で示す食器洗浄機の側面図である。
【図2】実施例に係るトレイを示す斜視図である。
【図3】実施例に係るトレイに食器用ラックを載置した状態を示す縦断側面図である。
【図4】実施例に係るトレイに食器用ラックを載置した状態を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
18 食器用ラック,18d 孔部(滴下領域)
20 トレイ,20a 底板(内底部),24 段差部(支持部)
26 傾斜リブ部(支持部),28 空間部
Claims (1)
- 食器洗浄に供されて付着した水の滴下領域(18d)を有する食器用ラック(18)が載置されるトレイであって、
前記トレイ(20)の内底部(20a)に、所要高さだけ上方に突出して前記食器用ラック(18)を部分的に支持する複数の支持部(24,26)を形成し、
前記食器用ラック(18)を前記支持部(24,26)に載置した際に、前記トレイ(20)の内底部(20a)と食器用ラック(18)における水の滴下領域(18d)とを連通する空間部(28)が画成されるよう構成した
ことを特徴とする食器用ラックのトレイ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002365749A JP2004194830A (ja) | 2002-12-17 | 2002-12-17 | 食器用ラックのトレイ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002365749A JP2004194830A (ja) | 2002-12-17 | 2002-12-17 | 食器用ラックのトレイ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004194830A true JP2004194830A (ja) | 2004-07-15 |
Family
ID=32763213
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002365749A Pending JP2004194830A (ja) | 2002-12-17 | 2002-12-17 | 食器用ラックのトレイ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004194830A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7857146B2 (en) | 2004-12-16 | 2010-12-28 | Premark Feg L.L.C. | Dish carrier for dish washers |
KR101310264B1 (ko) | 2006-09-21 | 2013-09-23 | 엘지전자 주식회사 | 식기세척기의 랙 |
-
2002
- 2002-12-17 JP JP2002365749A patent/JP2004194830A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7857146B2 (en) | 2004-12-16 | 2010-12-28 | Premark Feg L.L.C. | Dish carrier for dish washers |
KR101310264B1 (ko) | 2006-09-21 | 2013-09-23 | 엘지전자 주식회사 | 식기세척기의 랙 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9949610B2 (en) | Dishwasher and method | |
US9888830B2 (en) | Dishwasher utensil basket | |
JP2011078572A (ja) | 食器洗浄機 | |
JP2011078573A (ja) | 食器洗浄機 | |
CN109717814B (zh) | 餐具清洗机 | |
JP2004194830A (ja) | 食器用ラックのトレイ | |
JP4128512B2 (ja) | 食器洗い機 | |
JP2004194829A (ja) | 食器用ラックのトレイ | |
JP2004097261A (ja) | 食器洗浄機 | |
JP2019080605A (ja) | 食器洗い機 | |
JP2008125701A (ja) | 食器洗い機 | |
EP3773119B1 (en) | Warewash machine with submersible cutlery basket | |
JP2011147631A (ja) | 食器洗浄機 | |
JP2020075005A (ja) | 食器洗浄機 | |
JPH11290261A (ja) | 食器洗浄機用食器籠 | |
JP2007236800A (ja) | 食器洗い機 | |
JP5857201B2 (ja) | 食器洗い機 | |
KR101435817B1 (ko) | 식기세척기용 칼 수납 케이스 | |
KR101397034B1 (ko) | 식기세척기 | |
JPH11192197A (ja) | 食器洗浄・乾燥機及びそれに用いるラック | |
JP3505529B2 (ja) | 食器洗い機 | |
JPH11206692A (ja) | 食器洗浄機用食器籠 | |
JP3819811B2 (ja) | 食器乾燥機 | |
KR101286440B1 (ko) | 식기 세척기의 식기 랙 구조 | |
JP2003220006A (ja) | 食器洗い機 |