JP2004193976A - 通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記憶すべき相関電力値を低減し、記憶装置の記憶容量を低減する。
【解決手段】通信装置1のアンテナ6は、スクランブリングコードによってスペクトラム拡散された信号を受信する。相関電力値出力部2は、受信信号を逆拡散し、スロットに含まれるコードの相関電力値を出力する。相関電力値保持部3は、1スロット内における最大相関電力値が保持される。相関電力値比較部4は、1スロット内において、相関電力値出力部2から出力される相関電力値が、相関電力値保持部3に保持されている相関電力値より大きい場合、相関電力値出力部2から出力された相関電力値を相関電力値保持部3に格納する。相関電力値記憶部5は、相関電力値保持部3に保持された、1スロット内での最大相関電力値が記憶される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は通信装置に関し、特にスクランブリングコードによってスペクトラム拡散された信号を受信する通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
W−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)通信方式では、移動局は基地局と無線リンクを確立するため、3段階セルサーチを行って基地局を検出する。3段階セルサーチは、第1段階でスロットタイミングを検出する。第2段階でスクランブリングコードタイミングを検出して、スクランブリングコードグループ番号を同定する。第3段階でスクランブリングコード番号を同定する。
【0003】
W−CDMA通信方式では、複数のユーザ(移動局)が1つの同じ周波数帯を共有する。ユーザの識別は、一意のスクランブリングコードを用いて行われる。基地局は、送信データ系列を、そのデータ系列自身のレート(シンボルレート)よりさらに短いレート(チップレート)であるスクランブリングコードにて拡散し伝送する。移動局側では、送信時に使用された同じスクランブリングコードを用いて逆拡散することにより、相関を検出して、送信データ系列を再生する。このとき、正しく送信データ系列を再生するには、送信時に使用されたスクランブリングコードの周期を捕捉し、同定する必要がある。W−CDMA通信方式では、上記の3段階セルサーチによって、スクランブリングコードの周期捕捉、同定を行っている。
【0004】
図5は、スクランブリングコードの構成例を示すタイミングチャートである。図に示すスクランブリングコード31は、3GPP(3rd Generation Partnership Project)の規定によると、1フレーム周期(10msec)をもち、1フレームは、38400チップから構成される。1スロットは、1フレームを15等分したものであり、2560チップから構成される。1スロットの先頭256チップには、PSC(Primary-Search Code)、SSC(Secondary-Search Code)が多重化されている。
【0005】
セルサーチの第1段階では、PSCの相関値(又は相関電力値)を求め、そのピーク値をみてスロットタイミング(スロットの先頭)を検出している。PSCは、1種類しかなく15スロット全てに同じコード系列が入っている。スロットタイミング検出では、1スロット、2560チップの全タイミングにおいて、スクランブリングコードで逆拡散し、PSCの相関値を求めるため、2560回の相関値計算が必要となる。なお、受信信号をオーバーサンプリングした場合には、相関値計算は、2560回×n(n:オーバーサンプリング数)必要となる。
【0006】
計算した相関値を、複数のスロットに渡って記憶し、タイミング毎に相関値を累積加算する。そして、累積加算した相関値のピークを検出し、その相関値のタイミングをスロットタイミングとする。複数のスロットに渡って、相関値を累積加算するのは、ピーク検出の精度を高めるためである。
【0007】
図6は、従来の通信装置の構成例を示すブロック図である。図に示すように、従来の通信装置は、A/D変換器41、相関器42、PSC発生器43、電力化部44、積分器45、RAM46を有し、第1段階のセルサーチ処理を行う。
【0008】
A/D変換器41は、基地局から送信される、スクランブリングコードによってスペクトラム拡散されたAIR受信信号(以下、受信信号)をデジタル信号に変換する。
【0009】
相関器42は、PSC発生器43から出力されるPSCと、A/D変換器41から出力されるデジタル信号に変換された受信信号の相関値を算出する。
電力化部44は、相関器42より出力された相関値の同相成分Iと直交成分Qの電力化を行い、相関電力値を出力する。
【0010】
積分器45は、相関電力値のピークを精度よく検出するため、数スロット分に渡って相関電力値を累積加算し、RAM46に記憶する。RAM46は、スロットの全タイミングにおける相関電力値が記憶される。そして、RAM46から、最大相関電力値におけるタイミングを検出すれば、スロットタイミングが検出される。
【0011】
ここで、A/D変換器41が、受信信号を4倍のオーバーサンプリングをしたとすると、RAM46は、2560×4=10240ワード分の記憶容量が必要である。
【0012】
しかし、全タイミングにおける相関電力値を記憶することは、RAM46の記憶容量が大きくなり、通信装置の小型化、省電力化の妨げになる。特に、携帯電話などでは、これらは重要な要因となる。
【0013】
そこで、記憶装置の記憶容量を低減するセルサーチ方法がある(例えば、特許文献1参照)。このセルサーチ方法では、メモリに記憶する相関電力値と比較する閾値を設ける。そして、閾値より大きい相関電力値のみをメモリに記憶していく。すなわち、閾値以下の相関電力値を雑音レベルとし、メモリに記憶しないようにして、記憶容量の低減を図っている。
【0014】
【特許文献1】
特開2000−312165号公報(第4頁、第1図)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記セルサーチ方法では、相関電力値の全体のレベルが大きくなった場合などの、閾値を超える相関電力値の増加を想定し、メモリの記憶容量を多めに設定しなければならないという問題点があった。
【0016】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、記憶すべき相関電力値を低減して、記憶装置の記憶容量を低減した通信装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、図1に示すような、スクランブリングコードによってスペクトラム拡散された信号を受信する通信装置において、受信信号を逆拡散し、スロットに含まれるコードの相関電力値を出力する相関電力値出力部2と、1スロット内の最大相関電力値を保持する相関電力値保持部3と、1スロット内において、相関電力値が最大相関電力値より大きい場合、相関電力値を相関電力値保持部3に格納する相関電力値比較部4と、保持された最大相関電力値を記憶する相関電力値記憶部5と、を有することを特徴とする通信装置1が提供される。
【0018】
このような通信装置によれば、1スロット内において、相関電力値出力部2から出力される相関電力値が、相関電力値保持部3に保持されている最大相関電力値より大きい場合、相関電力値比較部4によって、相関電力値は相関電力値保持部3に格納され、1スロット内での最大相関電力値が相関電力値保持部3に保持される。そして、相関電力値保持部3に保持された最大相関電力値は相関電力値記憶部5に記憶される。これにより、相関電力値記憶部5には、1スロット内の最大相関電力値が記憶され、記憶容量を低減する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の通信装置の原理を説明する原理図である。図に示すように、通信装置1は、相関電力値出力部2、相関電力値保持部3、相関電力値比較部4、相関電力値記憶部5、及びアンテナ6を有している。
【0020】
相関電力値出力部2は、スクランブリングコードによってスペクトラム拡散された受信信号が入力される。相関電力値出力部2は、受信信号を逆拡散し、スロットに含まれるコード(PSC)の相関電力値を出力する。
【0021】
相関電力値保持部3は、1スロット内の最大相関電力値を保持する。
相関電力値比較部4は、1スロット内において、相関電力値出力部2から出力される相関電力値が、相関電力値保持部3に保持されている相関電力値(最大相関電力値)より大きい場合、相関電力値出力部2から出力された相関電力値を、相関電力値保持部3に格納する。
【0022】
相関電力値記憶部5は、相関電力値保持部3に保持されている、1スロット内の最大相関電力値が記憶される。
アンテナ6は、基地局から送信されるスクランブリングコードによってスペクトラム拡散された信号を受信する。アンテナ6は、受信した信号を相関電力値出力部2に出力する。
【0023】
以下、図1の原理図の動作について説明する。
通信装置1のアンテナ6は、基地局から送信されるスクランブリングコードによってスペクトラム拡散された信号を受信する。
【0024】
相関電力値出力部2は、アンテナ6によって受信された受信信号を逆拡散し、スロットに含まれるコードの相関電力値を出力する。
相関電力値比較部4は、1スロット内において、相関電力値出力部2から出力される相関電力値が、相関電力値保持部3に保持されている相関電力値(最大相関電力値)より大きい場合、相関電力値出力部2から出力された相関電力値を、相関電力値保持部3に格納する。相関電力値保持部3には、1スロット内の最大相関電力値が保持される。
【0025】
相関電力値記憶部5は、1スロット内での相関電力値保持部3に保持された最大相関電力値が記憶される。
このように、1スロット内において、相関電力値出力部2から出力される相関電力値が、相関電力値保持部3に保持されている最大相関電力値より大きい場合、相関電力値比較部4によって、相関電力値を相関電力値保持部3に格納し、1スロット内での最大相関電力値が相関電力値保持部3に保持されるようにした。そして、相関電力値保持部3に保持された最大相関電力値を相関電力値記憶部5に記憶するようにした。これにより、相関電力値記憶部5には、1スロット内の最大相関電力値のみが記憶されるので、記憶容量を低減することができる。
【0026】
なお、相関電力値記憶部5に記憶されている最大相関電力値のタイミングが、第2セルサーチ処理で使用されるスロットタイミングとなる。ここで、相関電力値保持部3に保持された1スロット内の最大相関電力値を、数スロットに渡って相関電力値記憶部5に記憶し、累積加算すれば、スロットタイミングの精度を高めることができる。この場合も、1スロット内の最大相関電力値のみが数スロットに渡って記憶されるので、記憶容量を低減することができる。
【0027】
次に、本発明の通信装置の具体的な構成例について説明する。通信装置は、例えばW−CDMA通信方式の携帯電話であり、基地局からスクランブリングコードによってスペクトラム拡散された信号を受信し、スクランブリングコードの同定を行ってデータ通信を行う。図2は、本発明の通信装置の構成例を示すブロック図である。図に示すように通信装置は、A/D変換器11、相関器12、PSC発生器13、電力化部14、カウンタ15、終了値レジスタ16、タイミングレジスタ17、最大値レジスタ18、最大値比較器19、シフトレジスタ20,21、同一タイミング検出器22、比較器23、及び閾値レジスタ24を有している。
【0028】
A/D変換器11は、基地局から送信される、スクランブリングコードによってスペクトラム拡散されたAIR受信信号(以下、受信信号)をデジタル信号に変換する。受信信号は、スロットの波形を精度よく再現するために、一般にオーバーサンプリングされる。
【0029】
相関器12は、PSC発生器13から出力されるPSCと、A/D変換器11から出力されるデジタル信号に変換された受信信号の相関値を算出する。相関器12は、例えばマッチトフィルタなどによって構成される。また、相関器12は、比較器23から出力される信号によって(後述詳細)、相関値の算出を停止する。
【0030】
電力化部14は、相関器12よって算出された相関値の同相成分Iと直交成分Qの電力化を行い、電力値を出力する。
カウンタ15は、A/D変換器11のサンプリングに同期してカウント値をカウントアップする。カウンタ15のカウント値は、スロットのタイミングとなる。カウンタ15は、カウントアップしているカウント値が終了値レジスタ16に設定されている終了値になると、カウント値を‘0’にクリアする。また、カウンタ15は、比較器23から出力される信号によって、カウント値のカウントアップを停止する(後述詳細)。
【0031】
終了値レジスタ16は、1スロットの全タイミング数が終了値として設定されるレジスタである。1スロットの全タイミング数は、A/D変換器11のサンプリングによって決まる。例えば、受信信号がオーバーサンプリングされない場合、1スロットの全タイミング数は、スロットのチップ数である2560である。よって、終了値レジスタ16には、2560が設定される。受信信号が2倍のオーバーサンプリングされる場合、1スロットの全タイミング数は、2560チップの2倍の5120である。よって、終了値レジスタ16には、5120が設定される。
【0032】
タイミングレジスタ17は、最大値比較器19から最大電力値が出力されたときのカウンタ15のカウント値を保持するレジスタである。すなわち、タイミングレジスタ17は、最大電力値の1スロット内でのタイミングを保持する。タイミングレジスタ17は、カウンタ15によって1スロットの全タイミングがカウントされると、保持していたタイミングをシフトレジスタ21に出力する。
【0033】
最大値レジスタ18は、最大値比較器19から出力される電力値を保持するレジスタである。最大値レジスタ18は、カウンタ15によって1スロットの全タイミングがカウントされると、保持していた電力値をシフトレジスタ20に出力する。最大値レジスタ18は、電力値をシフトレジスタ20に出力すると、保持していた電力値を‘0’にクリアする。
【0034】
最大値比較器19は、最大値レジスタ18に保持されている電力値と電力化部14から出力される電力値とを比較する。最大値比較器19は、電力化部14から出力される電力値が、最大値レジスタ18に保持されている電力値より大きい場合、電力化部14から出力される電力値を最大値レジスタ18に出力する。すなわち、最大値レジスタ18には、1スロット内での最大電力値が保持される。なお、このとき、タイミングレジスタ17には、カウンタ15のカウント値が保持され、最大電力値のタイミングが保持される。
【0035】
シフトレジスタ20は、最大値レジスタ18から出力される1スロット内における最大電力値を数スロットに渡って保持(記憶)する。シフトレジスタ20は、FIFO(First In First Out)方式のシフトレジスタであり、フリップ−フロップ(FF)20a〜20nから構成されている。
【0036】
FF20a〜20nの各々には、1スロット内における最大電力値が数スロットに渡って記憶される。FF20nは、カウンタ15によって1スロットの全タイミングがカウントされると、記憶していた最大電力値を破棄する。FF20n−1は、記憶していた最大電力値をFF20nに記憶する。同様にして、各FFは、記憶していた最大電力値を、古い最大電力値を記憶していたFFに順に記憶していく。そして、FF20aは、記憶していた最大電力値をFF20bに記憶し、FF20aには、最大値レジスタ18に記憶されていた最大電力値が記憶される。
【0037】
すなわち、シフトレジスタ20は、最も過去に記憶していた最大電力値を破棄し、最大値レジスタ18から出力される最も新しいスロットの最大電力値を記憶する。なお、最大電力値を記憶するスロット数は、例えば、携帯電話の移動速度が高速でなく、人が移動する速度であれば、30個に設定する。移動が高速となり、スロットタイミングの検出が困難であれば、FFを増やし、記憶するスロット数を増加するようにする。
【0038】
シフトレジスタ21は、タイミングレジスタ17から出力されるタイミングを数スロットに渡って記憶する。シフトレジスタ21は、FIFO方式のシフトレジスタであり、FF21a〜21nから構成されている。
【0039】
シフトレジスタ21のFF21a〜21nの各々には、シフトレジスタ20に記憶されている最大電力値に対応するタイミングが記憶される。FF21nは、カウンタ15によって1スロットの全タイミングがカウントされると、記憶していたタイミングを破棄する。FF21n−1は、記憶していたタイミングをFF21nに記憶する。同様にして、各FFは、記憶していたタイミングを、古いタイミングを記憶していたFFに順に記憶していく。そして、FF21aは、記憶していたタイミングをFF21bに記憶し、FF21aには、タイミングレジスタ17に保持されていたタイミングが記憶される。
【0040】
すなわち、シフトレジスタ21は、最も過去に記憶していたタイミングを破棄し、タイミングレジスタ17から出力される最も新しいスロットのタイミングを記憶する。なお、最大電力値のタイミングを記憶するスロット数は、シフトレジスタ20に記憶する最大電力値の数と同じにする。タイミングは、最大電力値に対応して記憶するためである。
【0041】
同一タイミング検出器22は、シフトレジスタ21のFF21a〜21nに記憶されているタイミングで、同じタイミングがいくつあるかをカウントする。そして、同一タイミング検出器22は、最大のカウント値を比較器23に出力する。例えば、FF21a〜21nに、タイミング‘724’が‘5’個記憶され、最も多かったとする。この場合、同一タイミング検出器22は、‘5’を比較器23に出力する。なお、同じタイミングの数が2以上存在する場合、各タイミングにおける最大電力値の平均値を算出し、平均値の大きいタイミングにおける数をカウントする。例えば、タイミング‘724’が‘3’個、タイミング‘884’が‘3’個あったとする。同一タイミング検出器22は、タイミング‘724’に対応するシフトレジスタ20に記憶されている最大電力値の平均値と、タイミング‘884’に対応するシフトレジスタ20に記憶されている最大電力値の平均値を算出し、平均値の大きい方のタイミングの数を比較器23に出力する。
【0042】
比較器23は、閾値レジスタ24に設定されている閾値と同一タイミング検出器22が出力する同じタイミングの数を比較する。比較器23は、同一タイミング検出器22が出力する同じタイミングの数が閾値レジスタ24の閾値より大きい場合、そのタイミングをスロットタイミングとして第2セルサーチ処理へ引き渡す。すなわち、最大電力値が数スロットに渡って同じタイミングで出力された場合、そのタイミングをスロットタイミングとして第2セルサーチへ引き渡す。
【0043】
また、比較器23は、相関器12、カウンタ15にスロットタイミングを検出したことを通知する信号を出力する。相関器12は、この信号を受けて、相関値の算出を停止し、カウンタ15は、カウント値のカウントアップを停止する。なお、閾値レジスタ24に設定される閾値は、シフトレジスタ21のFFを30個とした場合、その半分の15に設定することが望ましい。
【0044】
以下、図2の通信装置の動作をフローチャートを用いて説明する。図3,4は、通信装置の動作の流れを示すフローチャートである。通信装置は、図3,4に示すステップに従って動作し、スロットタイミングを検出する。
【0045】
[ステップS1]A/D変換器11は、基地局から送信される、スクランブリングコードによってスペクトラム拡散された受信信号をデジタル信号に変換する。
【0046】
[ステップS2]相関器12は、PSC発生器13から出力されるPSCと、A/D変換器11から出力されるデジタル信号に変換された受信信号の相関値を算出する。
【0047】
[ステップS3]電力化部14は、相関器12から出力される相関値の同相成分Iと直交成分Qの電力化を行い、電力値を出力する。
[ステップS4]最大値比較器19は、電力化部14から出力される電力値と、最大値レジスタ18に保持されている電力値を比較する。電力化部14から出力される電力値が、最大値レジスタ18に保持されている電力値より大きい場合、ステップS5に進む。電力化部14から出力される電力値が、最大値レジスタ18に保持されている電力値以下の場合、ステップS7に進む。
【0048】
[ステップS5]最大値比較器19は、電力化部14から出力された電力値を最大値レジスタ18に出力する。最大値レジスタ18は、最大値比較器19から出力された電力値を保持する。
【0049】
[ステップS6]タイミングレジスタ17は、カウンタ15のカウント値を保持する。すなわち、タイミングレジスタ17には、最大値レジスタ18に保持されている最大電力値のタイミングが保持される。
【0050】
[ステップS7]カウンタ15は、終了値レジスタ16に設定された、1スロットの全タイミング数である終了値に達したか否かを判断する。カウント値が終了値レジスタ16の終了値に達しているとステップS8に進む。カウント値が終了値レジスタ16に設定された値に達していない場合、ステップS14に進む。
【0051】
[ステップS8]カウンタ15は、カウント値を‘0’にクリアする。
[ステップS9]シフトレジスタ20は、最も過去に記憶していた最大電力値を破棄し、最大値レジスタ18から出力される最大電力値を保持する。
【0052】
シフトレジスタ21は、最も過去に記憶していた最大電力値に対応するタイミングを破棄し、タイミングレジスタ17から出力されるタイミングを保持する。
[ステップS10]タイミングレジスタ17は、保持していたタイミングを‘0’にクリアする。最大値レジスタ18は、保持していた最大電力値を‘0’にクリアする。
【0053】
[ステップS11]同一タイミング検出器22は、シフトレジスタ21に保持されている各スロットのタイミングで、同じタイミングを持つスロットの数をカウントする。
【0054】
[ステップS12]比較器23は、同一タイミング検出器22がカウントした同一タイミングの数と閾値レジスタ24に設定されている閾値とを比較する。同一タイミングの数が閾値レジスタ24に設定されている閾値より大きい場合、ステップS13に進む。同一タイミングの数が閾値レジスタ24に設定されている閾値以下の場合、ステップS1に進む。
【0055】
[ステップS13]比較器23は、同一タイミングをスロットタイミングとし、第2セルサーチ処理へ引き渡す。比較器23は、相関器12、カウンタ15を動作停止するための信号を出力する。
【0056】
[ステップS14]カウンタ15は、カウント値をカウントアップする。ステップS1の処理へ進む。
このように、1スロット内での最大電力値が、最大値レジスタ18に保持されるようにし、その最大電力値のタイミングをタイミングレジスタ17に保持するようにした。そして、1スロット内の最大電力値をシフトレジスタ20に数スロットに渡って保持し、シフトレジスタ21に最大電力値に対応するタイミングを保持するようにした。これにより、シフトレジスタ20には、スロットタイミングを検出するのに最も有効な最大電力値のみが記憶され、シフトレジスタ21には、その最大電力値に対応するタイミングが保持されるので、記憶容量を低減することができる。
【0057】
また、最大電力値及びそのタイミングを、FIFO方式のシフトレジスタ20,21に数スロットに渡って保持し、同一タイミングの数が閾値以上となったタイミングをスロットタイミングとするようにしたので、確実にスロットタイミングを検出することができる。
【0058】
また、スロットタイミングが検出された後は、相関器12の相関値算出を停止し、カウンタ15のカウントを停止するようにしたので、消費電力を低減することができる。
【0059】
また、RAMより一般に消費電力の低く、回路規模の小さいレジスタを用いてデータを保持、記憶するようにしたので、消費電力を低減し、小型化を図ることができる。
【0060】
(付記1) スクランブリングコードによってスペクトラム拡散された信号を受信する通信装置において、
受信信号を逆拡散し、スロットに含まれるコードの相関電力値を出力する相関電力値出力部と、
1スロット内の最大相関電力値を保持する相関電力値保持部と、
前記1スロット内において、前記相関電力値が前記最大相関電力値より大きい場合、前記相関電力値を前記相関電力値保持部に格納する相関電力値比較部と、
保持された前記最大相関電力値を記憶する相関電力値記憶部と、
を有することを特徴とする通信装置。
【0061】
(付記2) 前記相関電力値が出力されるときのタイミングを出力するタイミング出力部を有することを特徴とする付記1記載の通信装置。
(付記3) 前記最大相関電力値の前記タイミングを、前記最大相関電力値と対応付けて記憶するタイミング記憶部を有することを特徴とする付記2記載の通信装置。
【0062】
(付記4) 前記タイミング記憶部は、複数のスロットの前記タイミングを記憶し、新たなスロットの前記タイミングを記憶するとき、最も過去に記憶した前記タイミングを破棄するシフトレジスタであることを特徴とする付記3記載の通信装置。
【0063】
(付記5) 前記相関電力値記憶部は、複数のスロットの前記最大相関電力値を記憶し、新たなスロットの前記最大相関電力値を記憶するとき、最も過去に記憶した前記最大相関電力値を破棄するシフトレジスタであることを特徴とする付記1記載の通信装置。
【0064】
(付記6) 前記複数のスロットの前記タイミングが一致している一致数を検出する同一タイミング検出部を有することを特徴とする付記4記載の通信装置。
(付記7) 前記同一タイミング検出部は、同じ前記一致数が複数存在する場合、各前記タイミングに対応した最大相関電力値の平均値を算出し、前記平均値の最も大きい前記タイミングの一致数を検出することを特徴とする付記6記載の通信装置。
【0065】
(付記8) 前記一致数が所定の閾値に達したとき、前記タイミングをスロットタイミングとして出力するスロットタイミング出力部を有することを特徴とする付記6記載の通信装置。
【0066】
(付記9) 前記一致数が所定の閾値に達したとき、前記タイミング出力部の前記タイミングの出力及び前記相関電力値出力部の前記相関電力値の出力を停止する出力停止部を有することを特徴とする付記6記載の通信装置。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、1スロット内において、相関電力値出力部から出力される相関電力値が、相関電力値保持部に保持されている最大相関電力値より大きい場合、相関電力値比較部によって、相関電力値を相関電力値保持部に格納し、1スロット内の最大相関電力値が相関電力値保持部に保持されるようにした。そして、相関電力値保持部に保持された最大相関電力値を相関電力値記憶部に記憶するようにした。これにより、相関電力値記憶部には、1スロット内の最大相関電力値が記憶され、記憶容量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通信装置の原理を説明する原理図である。
【図2】本発明の通信装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】通信装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【図4】通信装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【図5】スクランブリングコードの構成例を示すタイミングチャートである。
【図6】従来の通信装置の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 通信装置
2 相関電力値出力部
3 相関電力値保持部
4 相関電力値比較部
5 相関電力値記憶部
6 アンテナ
11 A/D変換器
12 相関器
13 PSC発生器
14 電力化部
15 カウンタ
16 終了値レジスタ
17 タイミングレジスタ
18 最大値レジスタ
19 最大値比較器
20,21 シフトレジスタ
22 同一タイミング検出器
23 比較器
24 閾値レジスタ

Claims (5)

  1. スクランブリングコードによってスペクトラム拡散された信号を受信する通信装置において、
    受信信号を逆拡散し、スロットに含まれるコードの相関電力値を出力する相関電力値出力部と、
    1スロット内の最大相関電力値を保持する相関電力値保持部と、
    前記1スロット内において、前記相関電力値が前記最大相関電力値より大きい場合、前記相関電力値を前記相関電力値保持部に格納する相関電力値比較部と、
    保持された前記最大相関電力値を記憶する相関電力値記憶部と、
    を有することを特徴とする通信装置。
  2. 前記相関電力値が出力されるときのタイミングを出力するタイミング出力部を有することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
  3. 前記最大相関電力値の前記タイミングを、前記最大相関電力値と対応付けて記憶するタイミング記憶部を有することを特徴とする請求項2記載の通信装置。
  4. 前記タイミング記憶部は、複数のスロットの前記タイミングを記憶し、新たなスロットの前記タイミングを記憶するとき、最も過去に記憶した前記タイミングを破棄するシフトレジスタであることを特徴とする請求項3記載の通信装置。
  5. 前記相関電力値記憶部は、複数のスロットの前記最大相関電力値を記憶し、新たなスロットの前記最大相関電力値を記憶するとき、最も過去に記憶した前記最大相関電力値を破棄するシフトレジスタであることを特徴とする請求項1記載の通信装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011015038A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Fujitsu Ltd ピーク検出装置及び無線受信装置
WO2011132760A1 (ja) * 2010-04-19 2011-10-27 日本電気株式会社 データベース、データ構造、二次利用可否判定システム、および二次利用可否判定方法

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