JP2004193877A - 音像定位信号処理装置および音像定位信号処理方法 - Google Patents
音像定位信号処理装置および音像定位信号処理方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】スピーカの数を増やしていくことで音源の定位感を高めることができ、また、マルチチャンネルの出力により3次元の音源位置を再現できると共に、遅延量の変化による自然なドップラー効果を再現する。
【解決手段】収録側のスピーカ、音源、リスナ設定のGUIアプリケーション画面1は、複数の音源の位置を設定して音源位置出力を出力する音源設定部8と、複数の音源の再生音を出力する複数のスピーカの位置を設定してスピーカ位置出力を出力するスピーカ設定部7と、基準位置となるリスナの位置を設定してリスナ位置出力を出力するリスナ設定部9と、音源位置出力、スピーカ位置出力およびリスナ位置出力に基づいて複数の音源の再生音を出力する音源出力部とを備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】収録側のスピーカ、音源、リスナ設定のGUIアプリケーション画面1は、複数の音源の位置を設定して音源位置出力を出力する音源設定部8と、複数の音源の再生音を出力する複数のスピーカの位置を設定してスピーカ位置出力を出力するスピーカ設定部7と、基準位置となるリスナの位置を設定してリスナ位置出力を出力するリスナ設定部9と、音源位置出力、スピーカ位置出力およびリスナ位置出力に基づいて複数の音源の再生音を出力する音源出力部とを備えた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、角度情報を有する映像信号に対応するオーディオ信号に仮想音源定位処理を行う音像定位信号処理装置および音像定位信号処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
先行技術としてあげている特許文献1 の従来技術では、マルチチャンネル音源により、簡易な構成で立体音場を得る発明が開示されている。この従来技術においては、メモリから読み出された楽音データを4チャンネルに振り分け、それぞれをボイスボリュームで適切に制御して立体音場の定位が定められるとしている。また、特許文献2の従来技術では、音声情報や画像情報等に音源や被写体の位置に関する情報を付加して記録し、それら情報の再生時に、付加した位置に関する情報を有効に利用する。例えば音声情報の場合、楽器別の録音トラックごとに位置情報を付加して、再生時に各トラックに異なる伝播特性を与えて奥行きのある音場を形成する。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−309000号公報
【特許文献2】
特願平11−353081号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したこの特許文献1 の従来技術では、スピーカの数、レイアウトが限定されているためユーザは決められた数のスピーカを決められた位置に配置して聞く必要があったため、音源の上下の定位感は実現できなかったという不都合があった。
【0005】
そこで、この特許文献1 の従来技術に対して、本発明では、スピーカの数、レイアウトはユーザが自由に決めることができると共に、上下方向にもスピーカを配置することで、音源の上下の定位感を表現することができ、スピーカの数を増やしていくことで音源の定位感を高めることができることを課題とする。また、上述したこの特許文献2の従来技術では、音声の情報と音源位置を記録しておき、再生時はその音源位置を元に実際に再生する音を合成することができるものの、空間上の任意の位置および方向に音源を配置して音源の再生を行う3Dサウンドの再現はできなかったという不都合があった。
【0006】
また、この特許文献2の従来技術に対して、本発明では、マルチチャンネルの出力により3次元の音源位置を再現できると共に、遅延量の変化による自然なドップラー効果を再現できることを課題とする。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、スピーカの数を増やしていくことで音源の定位感を高めることができ、また、マルチチャンネルの出力により3次元の音源位置を再現できると共に、遅延量の変化による自然なドップラー効果を再現できる音像定位信号処理装置および音像定位信号処理方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の音像定位信号処理装置は、複数の音源の位置を設定して音源位置出力を出力する音源設定手段と、複数の音源の再生音を出力する複数のスピーカの位置を設定してスピーカ位置出力を出力するスピーカ設定手段と、基準位置となるリスナの位置を設定してリスナ位置出力を出力するリスナ設定手段と、音源位置出力、スピーカ位置出力およびリスナ位置出力に基づいて複数の音源の再生音を出力する音源出力手段とを備え、各音源データにリアルタイムで信号処理を施して上記位置情報に対応して音像定位位置を制御するようにしたものである。
【0009】
従って本発明によれば、以下の作用をする。
基準位置に対して位置情報を有して再生時における再生音像を任意の位置に定位させるように制作時において複数の音源から入力される各音源データに信号処理を施すことにより、各音源データにリアルタイムで信号処理を施して上記位置情報に対応して音像定位位置を制御する。音源設定手段は、複数の音源の位置を設定して音源位置出力を出力する。スピーカ設定手段は、複数の音源の再生音を出力する複数のスピーカの位置を設定してスピーカ位置出力を出力する。リスナ設定手段は、基準位置となるリスナの位置を設定してリスナ位置出力を出力する。音源出力手段は、音源位置出力、スピーカ位置出力およびリスナ位置出力に基づいて複数の音源の再生音を出力する。
【0010】
また、本発明の音像定位信号処理装置は、供給源から各音源データおよび音源の位置情報を読み出す読み出し手段と、音源の位置情報に基づいて仮想音源を配置する仮想音源配置手段と、リスナの視聴位置に応じた仮想マイクの位置を配置する仮想マイク配置手段と、仮想音源と仮想マイクとの位置に基づいて仮想マイクに入力される仮想音源の音の特性を計算する計算手段と、計算手段により計算された各仮想マイクに入力される音の特性に応じて音源データに信号処理を施す信号処理手段と、信号処理手段により信号処理を施された音源データに基づく再生音を出力する出力手段とを備え、音源データにリアルタイムで信号処理を施して位置情報に対応して音像定位位置を制御するようにしたものである。
【0011】
従って本発明によれば、以下の作用をする。
複数の音源から入力される各音源データに対して制作時における制御情報により信号処理を施した各音源データについて、基準位置に対する位置情報に対応するように再生時において再生音像を任意の位置に定位させるように信号処理を施すことにより、各音源データにリアルタイムで信号処理を施して上記位置情報に対応して音像定位位置を制御する。読み出し手段は、供給源から各音源データおよび音源の位置情報を読み出す。仮想音源配置手段は、音源の位置情報に基づいて仮想音源を配置する。仮想マイク配置手段は、リスナの視聴位置に応じた仮想マイクの位置を配置する。計算手段は、仮想音源と仮想マイクとの位置に基づいて仮想マイクに入力される仮想音源の音の特性を計算する。信号処理手段は、計算手段により計算された各仮想マイクに入力される音の特性に応じて音源データに信号処理を施す。出力手段は、信号処理手段により信号処理を施された音源データに基づく再生音を出力する。
【0012】
また、本発明の音像定位信号処理方法は、複数の音源の位置を設定して音源位置出力を出力する音源設定ステップと、複数の音源の再生音を出力する複数のスピーカの位置を設定してスピーカ位置出力を出力するスピーカ設定ステップと、基準位置となるリスナの位置を設定してリスナ位置出力を出力するリスナ設定ステップと、音源位置出力、スピーカ位置出力およびリスナ位置出力に基づいて複数の音源の再生音を出力する音源出力ステップとを備え、各音源データにリアルタイムで信号処理を施して位置情報に対応して音像定位位置を制御するようにしたものである。
【0013】
従って本発明によれば、以下の作用をする。
基準位置に対して位置情報を有して再生時における再生音像を任意の位置に定位させるように制作時において複数の音源から入力される各音源データに信号処理を施すことにより、各音源データにリアルタイムで信号処理を施して上記位置情報に対応して音像定位位置を制御する。音源設定ステップは、複数の音源の位置を設定して音源位置出力を出力する。スピーカ設定ステップは、複数の音源の再生音を出力する複数のスピーカの位置を設定してスピーカ位置出力を出力する。リスナ設定ステップは、基準位置となるリスナの位置を設定してリスナ位置出力を出力する。音源出力ステップは、音源位置出力、スピーカ位置出力およびリスナ位置出力に基づいて複数の音源の再生音を出力する。
【0014】
また、本発明の音像定位信号処理方法は、供給源から各音源データおよび音源の位置情報を読み出す読み出しステップと、音源の位置情報に基づいて仮想音源を配置する仮想音源配置ステップと、リスナの視聴位置に応じた仮想マイクの位置を配置する仮想マイク配置ステップと、仮想音源と仮想マイクとの位置に基づいて仮想マイクに入力される仮想音源の音の特性を計算する計算ステップと、計算ステップにより計算された各仮想マイクに入力される音の特性に応じて音源データに信号処理を施す信号処理ステップと、信号処理ステップにより信号処理を施された音源データに基づく再生音を出力する出力ステップとを備え、音源データにリアルタイムで信号処理を施して位置情報に対応して音像定位位置を制御するようにしたものである。
【0015】
従って本発明によれば、以下の作用をする。
複数の音源から入力される各音源データに対して制作時における制御情報により信号処理を施した各音源データについて、基準位置に対する位置情報に対応するように再生時において再生音像を任意の位置に定位させるように信号処理を施すことにより、各音源データにリアルタイムで信号処理を施して上記位置情報に対応して音像定位位置を制御する。読み出しステップは、供給源から各音源データおよび音源の位置情報を読み出す。仮想音源配置ステップは、音源の位置情報に基づいて仮想音源を配置する。仮想マイク配置ステップは、リスナの視聴位置に応じた仮想マイクの位置を配置する。計算ステップは、仮想音源と仮想マイクとの位置に基づいて仮想マイクに入力される仮想音源の音の特性を計算する。信号処理ステップは、計算ステップにより計算された各仮想マイクに入力される音の特性に応じて音源データに信号処理を施す。出力ステップは、信号処理ステップにより信号処理を施された音源データに基づく再生音を出力する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、適宜図面を参照しながら説明する。
まず、音源データおよび音源位置情報の収録側の構成を説明する。
図1は、本実施の形態に適用される収録側のスピーカ、音源、リスナ設定のGUI(Graphical User Interface)アプリケーション画面を示す図である。
【0017】
図1は、例えば、収録側装置において、クリエータが配信すべき音源データおよび音源位置情報の収録の際に、パーソナルコンピュータ上に設けられた各機能を用いて各種設定行う場合のGUIアプリケーション画面である。
図1において、収録側装置のGUIアプリケーション画面1は、図示しないマウスにより後述する各設定部の項目をクリックしてスライダーをスライドすることにより、各位置に設定可能な音源3−1,3−2,3−3,3−4、スピーカ4−1,4−2,4−3,4−4,4−5、リスナ5を配置する設定エリア2が設けられている。
【0018】
この収録側装置のGUIアプリケーション画面1は、モード設定部6を有し、モード設定部6は、複数の音源3−1,3−2,3−3,3−4の位置を設定して音源位置出力を出力する音源設定部8と、複数の音源3−1,3−2,3−3,3−4の再生音を出力する複数のスピーカ4−1,4−2,4−3,4−4,4−5の位置を設定してスピーカ位置出力を出力するスピーカ設定部7と、基準位置となるリスナ5の位置を設定してリスナ位置出力を出力するリスナ設定部9とを有して構成される。
【0019】
また、収録側装置は、音源位置出力、スピーカ位置出力およびリスナ位置出力に基づいて複数の音源3−1,3−2,3−3,3−4の再生音を出力する音源出力部を有して構成される。
【0020】
また、収録側装置は、基準位置となるリスナ5の位置に対して位置情報を有して再生時における再生音像を任意の位置に定位させるように制作時において複数の音源3−1,3−2,3−3,3−4から入力される各音源データに信号処理を施すことにより、各音源データにリアルタイムで信号処理を施して位置情報に対応して音像定位位置を制御する。
【0021】
また、この収録側装置のGUIアプリケーション画面1は、音源設定部8、スピーカ設定部7およびリスナ設定部9は、それぞれ、少なくとも水平面の横位置を設定するX位置設定部10、縦位置を設定するY位置設定部11、垂直面の高さ位置を設定するZ位置設定部12、水平面の角度を設定するθ設定部13および垂直面の角度を設定するΦ位置設定部14を有して構成される。
【0022】
また、この収録側装置のGUIアプリケーション画面1は、音源設定部8、スピーカ設定部7に対するチャンネルを設定するチャンネル(ch)設定部15を有して構成される。
【0023】
また、この収録側装置のGUIアプリケーション画面1は、音源設定部8、スピーカ設定部7に対する指向性を選択的に設定する指向性選択部16を有して構成される。
【0024】
また、この収録側装置のGUIアプリケーション画面1は、指向性選択部16は、少なくとも無指向性のOmni設定部17、双指向性のFigure−8設定部20、単一指向性のCardioid設定部18およびSuper−Cardioid設定部19を有して構成される。
【0025】
また、この収録側装置のGUIアプリケーション画面1は、音源設定部8、スピーカ設定部7に対する設定エリア2におけるスケールを設定するスケール設定部21を有して構成される。スケール設定部21は、スピーカスケール設定部22と、音源スケール設定部23とを有して構成される。
【0026】
また、スケール設定部21は、リスナ位置に対する音源位置、スピーカ位置の距離による音源の再生音の減衰率を設定する、距離による減衰率設定部24を有して構成される。
【0027】
また、音源設定部8、スピーカ設定7およびリスナ設定部9は、GUIアプリケーション画面1上に設けられ、他の指向性選択部16およびスケール設定部21は予め設定しておくようにしても良い。
【0028】
このように構成された収録側装置により、音源、リスナの視聴位置、スピーカなどの視聴環境を任意に設定した3Dサウンドの生放送(リアルタイム配信)を実現することができる。
【0029】
図2は、モード設定部の構成を示すブロック図である。
図2において、モード設定部6は、音源設定部8、スピーカ設定部7、リスナ設定部9およびチャンネル(ch)設定部15を有して構成される。
【0030】
また、音源設定部8、スピーカ設定部7およびリスナ設定部9は、それぞれ、X位置設定部10、Y位置設定部11、Z位置設定部12、θ設定部13およびΦ位置設定部14を有して構成される。
【0031】
また、音源設定部8、スピーカ設定部7およびリスナ設定部9は、水平面の縦位置を設定し、横位置を設定し、垂直面の高さ位置を設定し、水平面の角度を設定および垂直面の角度を設定することにより、音源位置を出力する音源位置出力部22と、スピーカ位置を出力するスピーカ位置出力部23と、リスナ位置を出力するリスナ位置出力部24とを有して構成される。
【0032】
また、チャンネル(ch)設定部15は、チャンネル(ch)設定出力を出力するチャンネル(ch)出力部25を有して構成される。
【0033】
図3は、指向性選択部の構成を示すブロック図である。
図3において、指向性選択部16は、無指向性のOmni設定部17、双指向性のFigure−8設定部20、単一指向性のCardioid設定部18およびSuper−Cardioid設定部19を有して構成される。指向性選択部16は、無指向性、双指向性、または単一指向性の指向性を出力する指向性出力部31を有して構成される。指向性出力部31の指向性出力は、音源位置出力部22と、スピーカ位置出力部23に対して出力される。
【0034】
図4は、スケール設定部の構成を示すブロック図である。
図4において、スケール設定部21は、スピーカスケール設定部41と、音源スケール設定部42と、距離による減衰率設定部43を有して構成される。スケール設定部21は、スピーカスケール、音源スケール、距離による減衰率を設定されたスケール出力を出力するスケール出力部44を有して構成される。
【0035】
図5は、音源出力部の構成を示すブロック図である。
図5において、音源出力部51は、指向性出力部31の指向性出力およびスケール出力部44によるスケール出力に基づく音源位置出力部22による音源位置出力と、指向性出力部31の指向性出力およびスケール出力部44によるスケール出力に基づくスピーカ位置出力部23によるスピーカ位置出力と、リスナ位置出力部24によるリスナ位置出力と、チャンネル(ch)出力部25によるチャンネル(ch)設定出力とにより、音源データに対して信号処理を施して、例えば、アンプを介してスピーカからモニタ出力すると共に、ハードディスクまたは着脱可能なディスクに音源データおよび位置情報を記憶し、再生側にネットワークを介して送出またはディスクの頒布を行う。
【0036】
このように構成された収録側装置は、以下のような動作をする。
図6は、モード設定部のモード設定動作を示すフローチャートである。
図6において、ステップS1で、音源設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すモード設定部6は、図示しないマウスによるクリエータの操作により音源設定部8の項目がクリックされたか否かを判断する。
【0037】
ステップS1で音源設定である判断されたときは、ステップS2で、音源設定を行う。具体的には、図1および図2に示すモード設定部6は、音源設定部8により複数の音源3−1,3−2,3−3,3−4の位置を設定して音源位置出力を出力する動作を行わせる。
【0038】
ステップS1で音源設定でない判断されたときは、ステップS3で、スピーカ設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すモード設定部6は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりスピーカ設定部7の項目がクリックされたか否かを判断する。
【0039】
ステップS3でスピーカ設定である判断されたときは、ステップS4で、スピーカ設定を行う。具体的には、図1および図2に示すモード設定部6は、スピーカ設定部7により複数の音源3−1,3−2,3−3,3−4の再生音を出力する複数のスピーカ4−1,4−2,4−3,4−4,4−5の位置を設定してスピーカ音源位置出力を出力する動作を行わせる。
【0040】
ステップS3でスピーカ設定でない判断されたときは、ステップS5で、リスナ設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すモード設定部6は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりリスナ設定部9の項目がクリックされたか否かを判断する。
【0041】
ステップS5でリスナ設定である判断されたときは、ステップS6でリスナ設定を行う。具体的には、図1および図2に示すモード設定部6は、リスナ設定部9により基準位置となるリスナ5の位置を設定してリスナ位置出力を出力する動作を行わせる。
【0042】
ステップS5でリスナ設定でない判断されたときは、ステップS7で、チャンネル(ch)設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すモード設定部6は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりチャンネル(ch)設定部15の項目がクリックされたか否かを判断する。
【0043】
ステップS7でチャンネル(ch)設定である判断されたときは、ステップS8で、チャンネル(ch)設定を行う。具体的には、図1および図2に示すモード設定部6は、チャンネル(ch)設定部15により、音源設定部8、スピーカ設定部7に対するチャンネルを設定する動作を行わせる。
【0044】
ステップS2で音源設定、ステップS4でスピーカ設定、ステップS6でリスナ設定、ステップS8でチャンネル(ch)設定を行った後は、ステップS9で設定出力を行う。具体的には、図1および図2に示すモード設定部6は、図5に示す音源出力部51により、音源位置出力、スピーカ位置出力、リスナ位置出力およびチャンネル(ch)出力に基づいて複数の音源3−1,3−2,3−3,3−4の再生音を出力する動作を行わせる。
【0045】
図7は、音源設定部の音源設定動作を示すフローチャートである。
ステップS11で、X位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すX位置設定部10は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりX位置設定部10のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0046】
ステップS11でX位置設定である判断されたときは、ステップS12でX位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すX位置設定部10は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりX位置設定部10のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定X位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上で横方向に移動して音源3−1,3−2,3−3,3−4を配置する。
【0047】
ステップS11でX位置設定でない判断されたときは、ステップS13で、Y位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すY位置設定部11は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりY位置設定部11のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0048】
ステップS13でY位置設定である判断されたときは、ステップS14でY位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すY位置設定部11は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりY位置設定部11のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定Y位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上で縦方向に移動して音源3−1,3−2,3−3,3−4を配置する。
【0049】
ステップS13でY位置設定でない判断されたときは、ステップS15で、Z位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すZ位置設定部12は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりZ位置設定部12のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0050】
ステップS15でZ位置設定である判断されたときは、ステップS16でZ位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すZ位置設定部12は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりZ位置設定部12のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定Z位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) と垂直方向に移動して音源3−1,3−2,3−3,3−4を配置する。
【0051】
ステップS15でZ位置設定でない判断されたときは、ステップS17で、θ位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すθ位置設定部13は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりθ位置設定部13のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0052】
ステップS17でθ位置設定である判断されたときは、ステップS18でθ位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すθ位置設定部13は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりθ位置設定部13のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定θ位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上で回転角度をつけて音源3−1,3−2,3−3,3−4を配置する。
【0053】
ステップS17でθ位置設定でない判断されたときは、ステップS19で、Φ位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すΦ位置設定部14は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりΦ位置設定部14のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0054】
ステップS19でΦ位置設定である判断されたときは、ステップS20でΦ位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すΦ位置設定部14は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりΦ位置設定部14のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定Φ位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1の垂直面上で上方または下方にあおり角度をつけて音源3−1,3−2,3−3,3−4を配置する。
【0055】
図8は、スピーカ設定部のスピーカ設定動作を示すフローチャートである。
ステップS21で、X位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すX位置設定部10は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりX位置設定部10のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0056】
ステップS21でX位置設定である判断されたときは、ステップS22でX位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すX位置設定部10は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりX位置設定部10のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定X位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上で横方向に移動してスピーカ4−1,4−2,4−3,4−4,4−5を配置する。
【0057】
ステップS21でX位置設定でない判断されたときは、ステップS23で、Y位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すY位置設定部11は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりY位置設定部11のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0058】
ステップS23でY位置設定である判断されたときは、ステップS24でY位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すY位置設定部11は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりY位置設定部11のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定Y位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上で縦方向に移動してスピーカ4−1,4−2,4−3,4−4,4−5を配置する。
【0059】
ステップS23でY位置設定でない判断されたときは、ステップS25で、Z位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すZ位置設定部12は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりZ位置設定部12のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0060】
ステップS25でZ位置設定である判断されたときは、ステップS26でZ位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すZ位置設定部12は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりZ位置設定部12のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定Z位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) と垂直方向に移動してスピーカ4−1,4−2,4−3,4−4,4−5を配置する。
【0061】
ステップS25でZ位置設定でない判断されたときは、ステップS27で、θ位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すθ位置設定部13は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりθ位置設定部13のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0062】
ステップS27でθ位置設定である判断されたときは、ステップS28でθ位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すθ位置設定部13は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりθ位置設定部13のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定θ位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上で回転角度をつけてスピーカ4−1,4−2,4−3,4−4,4−5を配置する。
【0063】
ステップS27でθ位置設定でない判断されたときは、ステップS29で、Φ位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すΦ位置設定部14は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりΦ位置設定部14のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0064】
ステップS29でΦ位置設定である判断されたときは、ステップS30でΦ位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すΦ位置設定部14は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりΦ位置設定部14のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定Φ位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1の垂直面上で上方または下方にあおり角度をつけてスピーカ4−1,4−2,4−3,4−4,4−5を配置する。
【0065】
図9は、リスナ設定部のリスナ設定動作を示すフローチャートである。
ステップS31で、X位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すX位置設定部10は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりX位置設定部10のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0066】
ステップS31でX位置設定である判断されたときは、ステップS32でX位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すX位置設定部10は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりX位置設定部10のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定X位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上で横方向に移動してリスナ5を配置する。
【0067】
ステップS31でX位置設定でない判断されたときは、ステップS33で、Y位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すY位置設定部11は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりY位置設定部11のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0068】
ステップS33でY位置設定である判断されたときは、ステップS34でY位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すY位置設定部11は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりY位置設定部11のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定Y位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上で縦方向に移動してリスナ5を配置する。
【0069】
ステップS33でY位置設定でない判断されたときは、ステップS35で、Z位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すZ位置設定部12は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりZ位置設定部12のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0070】
ステップS35でZ位置設定である判断されたときは、ステップS36でZ位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すZ位置設定部12は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりZ位置設定部12のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定Z位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) と垂直方向に移動してリスナ5を配置する。
【0071】
ステップS35でZ位置設定でない判断されたときは、ステップS37で、θ位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すθ位置設定部13は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりθ位置設定部13のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0072】
ステップS37でθ位置設定である判断されたときは、ステップS38でθ位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すθ位置設定部13は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりθ位置設定部13のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定θ位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上で回転角度をつけてリスナ5を配置する。
【0073】
ステップS37でθ位置設定でない判断されたときは、ステップS39で、Φ位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すΦ位置設定部14は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりΦ位置設定部14のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0074】
ステップS39でΦ位置設定である判断されたときは、ステップS40でΦ位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すΦ位置設定部14は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりΦ位置設定部14のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定Φ位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1の垂直面上で上方または下方にあおり角度をつけてリスナ5を配置する。
【0075】
図10は、チャンネル設定部のチャンネル設定動作を示すフローチャートである。
ステップS41で、音源のチャンネル設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すチャンネル設定部15は、図示しないマウスによるクリエータの操作により音源設定部8の項目がクリックされているときに、チャンネル設定部15のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0076】
ステップS41で音源のチャンネル設定である判断されたときは、ステップS42で音源のチャンネル設定を行う。具体的には、図1および図2に示すチャンネル設定部15は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりチャンネル設定部15のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2においてチャンネル設定位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上で音源3−1,3−2,3−3,3−4のチャンネル設定をする。
【0077】
ステップS41で音源のチャンネル設定でない判断されたときは、ステップS43で、スピーカのチャンネル設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すチャンネル設定部15は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりスピーカ設定部7の項目がクリックされているときに、チャンネル設定部15のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0078】
ステップS43でスピーカのチャンネル設定である判断されたときは、ステップS44でスピーカのチャンネル設定を行う。具体的には、図1および図2に示すチャンネル設定部15は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりチャンネル設定部15のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2においてチャンネル設定位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上でスピーカ4−1,4−2,4−3,4−4,4−5のチャンネル設定をする。
【0079】
図11は、位置設定を示す図である。
上述したX位置設定部10は、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において点P111に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上で横方向Xの設定X位置を設定する。また、Y位置設定部11は、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において点P111に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上で縦方向の設定Y位置を設定する。また、Z位置設定部12は、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において点P111に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) と垂直方向の設定Z位置を設定する。
【0080】
また、θ位置設定部13は、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において点P111に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上で回転角度をつけて設定θ位置を設定する。また、Φ位置設定部14は、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において点P111に対応するようにGUIアプリケーション画面1の垂直面上で上方または下方にあおり角度をつけて設定Φ位置を設定する。
【0081】
図12は、上述した指向性選択部16による指向性設定を示す図であり、図12AはOmni設定部17による無指向性のOmni121に対するFigure−8設定部20による双指向性のFigure−8(122)、図12BはCardioid設定部18による単一指向性のCardioid123、および図12CはSuper−Cardioid設定部19による超指向性のSuper−Cardioid124を示す。なお、双指向性は、音源方向と逆方向で対象となる。図12は、水平面(X−Y面)のみを示したが、垂直面上でも同様の指向性を有し、立体状の指向性である。
【0082】
図13は、指向性を示す特性図である。図13において、Omni131は、θ=−180度から180度までY=1となる。また、Cardioid132は、θ=−180度のときY=1/2、θ=0度のときY=1、θ=180度のときY=1/2となる。また、Super−Cardioid133は、θ=−180度のときY=0、θ=0度のときY=1、θ=180度のときY=0となる。また、Figure−8(134)は、cosθと同様となり、θ=−180度のときY=−1、θ=0度のときY=1、θ=180度のときY=−1となる。
【0083】
以下に、このように設定された収録側の音源データおよび音源の位置情報の送出を説明する。
図14は、音源データと音源の位置情報の送出を示す図である。
図14において、収録側、送出側装置141は、送出サーバ142に音源データ144および音源の位置情報145を供給する機能を有して構成される。送出サーバ142は、収録側、送出側装置141から供給された音源データ144および音源の位置情報145を送出用ハードディスクに一旦保持する機能を有して構成される。
【0084】
送出サーバ142は、音源データおよび音源の位置情報147を、複数の再生側装置143−1,143−2,143−3に対して、同時または異なる送出のタイミングで、配信146−1,146−2,146−3を行う機能を有して構成される。
【0085】
図15は、音源データと音源の位置情報の送出動作を示すフローチャートである。図15は、図14に示した送出サーバ142の動作を示す図である。
図15において、ステップS51で、音源データの収録、音源の位置情報の検出を行う。具体的には、図14に示した送出サーバ142は、収録側、送出側装置141から供給された音源データ144および音源の位置情報145が送出用ハードディスクに一旦保持されたことを検出する。
【0086】
ステップS52で、音源データの収録、音源の位置情報の配信を行う。具体的には、図14に示した送出サーバ142は、音源データおよび音源の位置情報147を、複数の再生側装置143−1,143−2,143−3に対して、同時または異なる送出のタイミングで、配信146−1,146−2,146−3を行う。
【0087】
ステップS53で、送出が終了したか否かを判断する。具体的には、図14に示した送出サーバ142は、音源データおよび音源の位置情報147の、複数の再生側装置143−1,143−2,143−3に対する配信146−1,146−2,146−3が終了したか否かを判断する。
【0088】
ステップS53で送出が終了していないときは、ステップS51へ戻って、ステップS51からステップS53までの処理および判断を繰り返す。
【0089】
上述した収録側の音源データおよび音源の位置情報の送出において、送出側から音源の音声データ(例えばマイクロホンからの入力音)のストリームと共に、任意の設定による位置情報、または、例えば、GPS(Global Positioning System)、ジャイロ、赤外線、電波等によって検出した音源の位置情報のメタデータ(座標情報および向き情報)を再生側に向けて配信することによる3Dサウンドのリアルタイム配信を実現するようにしてもよい。これにより、再生側では、音源データストリームと音源の位置情報のメタデータを受け取り、再生環境に合わせて仮想空間に各音源を配置することによりそれらの各音源の再生サウンドをレンダリングし、再生することができる。
【0090】
また、例えば、3Dサウンドコンテンツ制作において、音源位置のリアルタイム入力を実現することができる。
【0091】
また、これまではスタジオで配信用に音源をミックスし、ミックスした結果を配信していたため、例えばステレオでミックスされた信号が配信されている場合はステレオで再生するしかなかったので、ユーザはスタジオの中の自由な場所の音を聞くことはできなかった。
【0092】
また、音源の波形データを独立して送っても、GPS、ジャイロ、赤外線、電波等による自動位置検出を行わずにリアルタイム配信するには、オペレーターが常に音源の位置を入力する必要があったが、オペレーターによるリアルタイム入力では正確な位置情報が入力できるとは限らなかった。
【0093】
このように、3Dサウンドコンテンツ制作で、音源の位置の動きを手で入力するのは面倒だったが、本実施の形態において、収録、送出側では、音源の位置情報( X, Y, Z座標情報、向き情報)を任意に設定し、または、GPS、ジャイロ、赤外線、電波等を用いて検出して、リアルタイムにデータ化し、これを音源データそのものと同時に配信することができる。
【0094】
再生側では、受け取った音源の音と位置情報と3Dサウンド再生装置を用いて、それぞれの視聴環境に合わせた、自由な視聴点の音の再生を行うことができる。
【0095】
再生側で送られてきた音声情報、位置情報を元に最終的に再生する音声の合成を行うので、再生側でユーザの望む合成音響をフレキシブルに再生することができる。
【0096】
また、3Dサウンドの生放送を行うことができる。ユーザは配信された音のうち、聞きたい場所の音を自由に聞くことができる。音源の位置情報を自動生成することで、自動的に音源の位置情報を送出することができる。3Dサウンドコンテンツ制作環境において、自動的に音源の位置情報を入力することができる。
【0097】
次に、再生側装置の構成および動作を説明する。
図16は、再生側の3Dサウンド再生処理のブロック図である。
図16において、音像定位信号処理装置は、供給源161と、3Dサウンド処理部162と、音源データ( 音声データ175) が後述する信号処理部171、172により信号処理を施された再生音を出力する出力部176とを有して構成される。
【0098】
3Dサウンド処理部162は、供給源161のネットワーク161−1から配信(161−3)され、またはディスク161−2から各音源データ( 音声データ175) および音源の位置情報174を読み出す(161−4)音源データ読み出し部163と、音源の位置情報174に基づいて仮想音源(167)を配置する仮想音源配置部167と、リスナの視聴位置に応じた仮想マイク(168)の位置を配置する仮想マイク配置部168と、仮想音源と仮想マイクとの位置に基づいて仮想マイクに入力される仮想音源の音の特性を計算する計算部169−1〜169−3、170−1〜170−4と、計算手段により計算された各仮想マイクに入力される音の特性に応じて音源データに信号処理を施して出力部176に出力する遅延処理部171、減衰処理部172とを有して構成される。出力部176は、信号処理を施された音声データに音声出力処理を行う音声出力部177と、デジタル信号をアナログ音声信号に変換するDA変換部178と、音響出力を行うスピーカ179とを有して構成される。
【0099】
上述した計算部は、仮想音源と仮想マイクの距離を計算する音源とマイクの距離計算部169−1を有して構成される。
【0100】
上述した計算部は、仮想音源から見た仮想マイクの角度を計算する音源から見たマイクの角度計算部169−2を有して構成される。
【0101】
上述した計算部は、仮想マイクから見た仮想音源の角度を計算するマイクから見た音源の角度計算部169−3を有して構成される。
【0102】
上述した計算部は、音源とマイクの距離計算部169−1により計算された仮想音源と仮想マイクの距離による仮想音源の遅延量を計算する距離による遅延量計算部170−1を有して構成される。
【0103】
上述した計算部は、音源とマイクの距離計算部169−1により計算された仮想音源と仮想マイクの距離による仮想音源の減衰率を計算する距離による減衰率計算部170−2を有して構成される。
【0104】
上述した計算部は、音源から見たマイクの角度計算部169−2により計算された仮想音源から見た仮想マイクの角度による仮想音源の指向性による減衰率を計算する音源の指向性による減衰率計算部170−3を有して構成される。
【0105】
上述した計算部は、マイクから見た音源の角度計算部169−3により計算された仮想マイクから見た仮想音源の角度による仮想マイクの指向性による減衰率を計算するマイクの指向性による減衰率計算部170−4を有して構成される。
【0106】
上述した仮想マイク配置部168は、音源データの再生時にコントローラ164から入力されるリスナの視聴位置に対応した視聴位置データ165に基づいて仮想マイクの位置を配置するように構成される。
【0107】
上述した仮想マイク配置部168は、予め再生側で設定されるリスナの視聴環境データ166に基づいて仮想マイクの位置を配置するように構成される。
【0108】
上述した音源データは、ネットワーク161−1を介して配信(161−3)され、またはディスク161−2から読み込まれる(161−4)ように構成される。
【0109】
上述した信号処理部は、音源データに対して、距離による遅延量計算部170−1により計算された仮想音源と仮想マイクの距離による仮想音源の遅延量に基づく遅延処理を施す遅延処理部171を有して構成される。
【0110】
上述した信号処理部は、音源データに対して、距離による減衰率計算部170−2により計算された仮想音源と仮想マイクの距離による仮想音源の減衰率に基づく減衰処理を施す減衰処理部172を有して構成される。
【0111】
上述した信号処理部は、音源データに対して、音源の指向性による減衰率計算部170−3により計算された仮想音源から見た仮想マイクの角度による仮想音源の指向性による減衰率に基づく減衰処理を施す減衰処理部172を有して構成される。
【0112】
上述した信号処理部は、マイクの指向性による減衰率計算部170−4により計算された仮想マイクから見た仮想音源の角度による仮想マイクの指向性による減衰率に基づく減衰処理を施す減衰処理部172を有して構成される。
【0113】
これにより、音像定位信号処理装置は、複数の音源から入力される各音源データに対して制作時における制御情報により信号処理を施した各音源データについて、基準位置に対する位置情報に対応するように再生時において再生音像を任意の位置に定位させるように信号処理を施して、音源データにリアルタイムで信号処理を施して位置情報に対応して音像定位位置を制御する。
【0114】
これにより、従来は、3Dサウンド再生のためのスピーカ環境は完全に自由ではなくある程度固定されており、ユーザがそれぞれに合った再生環境を構築することは困難だったが、本実施の形態により、仮想3D空間における視聴位置、音源の数、位置、方向、再生環境におけるスピーカの数、位置、方向自由の3Dサウンド( Virtual Reality Sound)を実現することができる。
【0115】
また、仮想3D空間における仮想音源の音を仮想マイクで収録することによる3Dサウンドを実現することができる。
【0116】
また、音源、視聴位置、スピーカの各パラメータを再生時に動的に変化させることのできる3Dサウンドを実現することができる。
【0117】
以下に、具体的な実施形態の例について説明する。
図17は、3Dサウンド対応ゲーム機の構成を示すブロック図である。
図17に示す3Dサウンド対応ゲーム機181において、3Dサウンドデータは、3Dサウンドの収録されたメディアに記録されていたり、ネットワークから配信されたり、3Dサウンド対応ゲームソフトウェア182から出力されたりする。3Dサウンド処理部183は、上述した図16のように構成され、そうして受け取った3Dサウンドデータを処理し、マルチチャンネルの音声データに変換し、音声出力ドライバ184に出力する。音声出力ドライバ184は音声出力信号を外部機器のアンプ・スピーカ185に出力する。外部機器のアンプ・スピーカ185は、受け取ったマルチチャンネルの音声データを受け取り、さらに記録再生部において再生、記録などをする。
【0118】
ここで、例えば、3Dサウンドデータは、パーソナルコンピュータ上で動作する3Dサウンド再生ソフトウェアを利用して出力されるものであってもよいし、3Dサウンド対応ゲームソフトであってもよい。
【0119】
図18は、DVD(Digital Versatile Disc)ディスク再生装置の構成を示すブロック図である。
図18に示すDVDディスク再生装置191において、3Dサウンドデータは、3Dサウンドの収録されたDVDディスクに記録されているものをDVDディスク再生部192により再生したり、ネットワークから配信されたり、3Dサウンド対応ソフトウェアから出力されたりする。3Dサウンド処理部193は、上述した図16のように構成され、そうして受け取った3Dサウンドデータを処理し、マルチチャンネルの音声データに変換し、音声出力ドライバ194に出力する。音声出力ドライバ194は音声出力信号を外部機器のアンプ・スピーカ195に出力する。外部機器のアンプ・スピーカ195は、受け取ったマルチチャンネルの音声データを受け取り、さらに記録再生部において再生、記録などをする。
【0120】
ここで、例えば、3Dサウンドデータは、パーソナルコンピュータ上で動作する3Dサウンド再生ソフトウェアを利用して出力されるものであってもよいし、3Dサウンド対応映画ソフトであってもよい。
【0121】
以下に、このように構成された、3Dサウンド処理部の動作を説明する。
図19は、3Dサウンド処理動作を示すフローチャートである。
図19において、ステップS61で、3Dサウンドデータを受け取る。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162は、音源データ読み出し部163により、供給源161のネットワーク161−1から配信(161−3)され、またはディスク161−2から各音源データ(163)および音源の位置情報174を読み出す(161−4)。ここで、ネットワーク161−1から配信(161−3)され、または読み出された(161−4)音源データは例えば、音声データ175の場合には音声の波形データであり、音源の位置情報174は、例えば、音源数に対応した数の時系列上の音源の位置( X, Y, Z) 情報、向き情報、指向性情報である。
【0122】
ステップS62で、全音源を仮想空間上に配置する。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162は、仮想音源配置部167により音源の位置情報174に基づいて仮想音源(167)を仮想空間上に配置する。
【0123】
ステップS63で、仮想空間上に仮想マイクを配置する。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162は、仮想マイク配置部168によりリスナの視聴位置に応じた仮想マイク(168)の位置を仮想空間上に配置する。
【0124】
ステップS64で、仮想音源、仮想マイクの全組み合わせで、音源からマイクに入力される音を計算する。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162は、計算部169−1〜169−3、170−1〜170−4により仮想音源と仮想マイクとの位置に基づいて仮想マイクに入力される仮想音源の音の特性を計算する。ここでは、仮想音源、仮想マイクのすべての組み合わせに対して、距離による音の遅延(位相)、音量の減衰、角度差と指向性による音のレベルを計算する。
【0125】
ステップS65で、計算された各仮想マイクの音を外部に出力する。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162は、遅延処理部171および減衰処理部172により上述した計算手段により計算された各仮想マイクに入力される音の特性に応じて音源データ(音声データ)に信号処理を施して出力部176に出力し、音声出力部177により信号処理を施された音声データに音声出力処理を行い、DA変換部178によりデジタル信号をアナログ音声信号に変換し、スピーカ179により音響出力を行う。上述の計算結果に応じて、すべての仮想音源からそれぞれの仮想マイクに到達する音を計算し、足し合わせを行い、外部に出力する。
【0126】
ステップS66で、再生終了か否かを判断する。再生終了まで、ステップS61〜ステップS66までの処理および判断を繰り返す。
【0127】
図20は、音源の配置処理動作を示すフローチャートである。
図20において、ステップS71で、音源の位置、向きに応じて音源の位置ベクトル、音源の向きベクトルを生成する。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162は、仮想音源配置部167により、音源を仮想音源として、音源の位置、向きのデータを元に仮想空間( X, Y,Z空間) 内に配置する。ここで、音源の数=n 、音源の位置ベクトルA1、A2、A3…An−1、An、音源の向きベクトル(単位ベクトル)B1、B2、B3…Bn−1、Bnとする。
【0128】
ステップS72で、全て配置したか否かを判断する。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162は、仮想音源配置部167により、全ての音源の数=n 、音源の位置ベクトルA1、A2、A3…An−1、An、音源の向きベクトル(単位ベクトル)B1、B2、B3…Bn−1、Bnの配置を行ったか否かを判断する。
【0129】
音源の配置終了まで、ステップS71〜ステップS72までの処理および判断を繰り返す。
【0130】
図21は、マイクの配置処理動作を示すフローチャートである。
図21において、ステップS81で、スピーカの位置、向き、視聴者の位置、向きに応じてマイクの位置ベクトル、マイクの向きベクトルを生成する。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162は、3Dサウンド処理部162の仮想マイク配置部168が必要とするデータとして、視聴環境データ166(予め再生側で設定して外部から入力される)はスピーカ数に対応したスピーカ情報(スピーカの位置、向き、指向性)と、視聴位置データ165(再生時に外部から入力される)は仮想空間内における視聴者の位置、向きのデータがある。
【0131】
ここでは、仮想空間内に仮想マイクを配置する。仮想マイクは、視聴環境のスピーカの位置に相当する箇所に配置し、向きはスピーカとは逆向きとする。仮想マイクの位置は、仮想空間内での視聴者の位置に応じて相対的に変化する。
【0132】
ここで、スピーカの数=m 、スピーカの位置ベクトルC1、C2、C3…Cm−1、Cm、スピーカの向きベクトル(単位ベクトル)D1、D2、D3…Dm−1、Dm、視聴者の位置ベクトルE 、視聴者の向きベクトル(単位ベクトル)F 、仮想音源の位置、向きは音源の位置、向きと同じ、仮想マイクの初期位置は仮想スピーカの位置と同じ、仮想マイクの向きベクトル(単位ベクトル)Gn=−Dn(仮想スピーカの向きとは逆向き)、仮想音源、仮想マイクの全ての組み合わせの数=n×m 個とする。
【0133】
ステップS82で、全て配置したか否かを判断する。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162は、仮想マイク配置部168により、全てのスピーカの数=m 、スピーカの位置ベクトルC1、C2、C3…Cm−1、Cm、スピーカの向きベクトル(単位ベクトル)D1、D2、D3…Dm−1、Dm、仮想音源、仮想マイクの全ての組み合わせの数=n×m 個について仮想マイクの配置を行ったか否かを判断する。
【0134】
仮想マイクの配置終了まで、ステップS81〜ステップS82までの処理および判断を繰り返す。
【0135】
図22は、音源の距離計算動作を示すフローチャートである。
図22において、ステップS91で、ある音源とマイクの距離計算を行う。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162の音源とマイクの距離計算部169−1は、仮想音源と仮想マイクの距離を計算する。
【0136】
ステップS92で、他の音源、マイクがあるか否かを判断する。他の音源、マイクがあるときは、ステップS93で、他の音源とマイクの距離計算を行う。
【0137】
他の音源、マイクの距離計算終了まで、ステップS91〜ステップS93までの処理および判断を繰り返す。
【0138】
ここで、音源の位置ベクトルA1、A2、A3…An−1、An、スピーカの位置ベクトルC1、C2、C3…Cm−1、Cm、視聴者の位置ベクトルE 、視聴者の向きベクトル(単位ベクトル)F として、全ての組み合わせにおいて、以下の計算を行う。
【0139】
視聴者の位置、向きによる相対的な仮想マイクの位置H は、仮想マイクの位置C を視聴者の向きベクトル(単位ベクトル)F に応じて回転し、視聴者の位置ベクトルE を足して算出することにより、以下の数1式で計算される。
【0140】
【数1】
H=C ×F+E
【0141】
また、仮想音源と仮想マイクの距離rは、仮想マイクの位置H から音源の位置ベクトルA を減算することにより、以下の数2式で計算される。
【0142】
【数2】
r =|H−A |
【0143】
図23は、音源の角度計算動作を示すフローチャートである。
図23において、ステップS101で、ある音源から見たマイクの角度計算を行う。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162の音源から見たマイクの角度計算部169−2は、仮想音源から見た仮想マイクの角度を計算する。ステップS102で、他の音源、マイクがあるか否かを判断する。他の音源、マイクがあるときは、ステップS103で、他の音源とマイクの角度計算を行う。
【0144】
他の音源、マイクの角度計算終了まで、ステップS101〜ステップS103までの処理および判断を繰り返す。
【0145】
ここで、仮想音源から見た仮想マイクの方向と仮想音源の向きの角度差は、ここで、音源の位置ベクトルA1、A2、A3…An−1、An、音源の向きベクトル(単位ベクトル)B1、B2、B3…Bn−1、Bn、スピーカの位置ベクトルC1、C2、C3…Cm−1、Cm、仮想音源と仮想マイクの距離rとして、以下の数3式で計算される。
【0146】
【数3】
cos θ= {(C−A )・B }/ (|C−A ||B |)={(C−A )・B }/r
【0147】
図24は、マイクの角度計算動作を示すフローチャートである。
図24において、ステップS111で、あるマイクから見た音源の角度計算を行う。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162のマイクから見た音源の角度計算部169−3は、仮想マイクから見た仮想音源の角度を計算する。ステップS112で、他のマイク、音源があるか否かを判断する。他のマイク、音源があるときは、ステップS113で、他のマイクと音源の角度計算を行う。
【0148】
他のマイク、音源の角度計算終了まで、ステップS111〜ステップS113までの処理および判断を繰り返す。
【0149】
ここで、仮想マイクから見た仮想音源の方向と仮想マイクの向きの角度差は、ここで、音源の位置ベクトルA1、A2、A3…An−1、An、スピーカの位置ベクトルC1、C2、C3…Cm−1、Cm、仮想マイクの向きベクトル(単位ベクトル)Gn、仮想音源と仮想マイクの距離rとして、以下の数4式で計算される。
【0150】
【数4】
cos θ= {(A−C )・G }/ (|A−C ||G |)={(A−C )・G }/r
【0151】
図25は、遅延量計算動作を示すフローチャートである。
図25において、ステップS121で、ある音源とマイクの距離による遅延量計算を行う。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162の距離による遅延量計算部170−1は、音源とマイクの距離計算部169−1により計算された仮想音源と仮想マイクの距離による仮想音源の遅延量を計算する。
【0152】
ステップS122で、他の音源、マイクがあるか否かを判断する。他の音源、マイクがあるときは、ステップS123で、他の音源とマイクの距離による遅延量計算を行う。
【0153】
他の音源、マイクの距離による遅延量計算終了まで、ステップS121〜ステップS123までの処理および判断を繰り返す。
【0154】
ここで、音源、マイクの全ての組み合わせにおいて、以下の計算を行う。
距離による遅延d は、仮想音源と仮想マイクの距離rとして、以下の数5式で計算される。
【0155】
【数5】
d= r×1/音速
【0156】
図26は、減衰率計算動作を示すフローチャートである。
図26において、ステップS131で、ある音源とマイクの距離による減衰率計算を行う。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162の距離による減衰率計算部170−2は、音源とマイクの距離計算部169−1により計算された仮想音源と仮想マイクの距離による仮想音源の減衰率を計算する。
【0157】
ステップS132で、他の音源、マイクがあるか否かを判断する。他の音源、マイクがあるときは、ステップS133で、他の音源とマイクの距離による減衰率計算を行う。
【0158】
他の音源、マイクの距離による減衰率計算終了まで、ステップS131〜ステップS133までの処理および判断を繰り返す。
【0159】
ここで、音源、マイクの全ての組み合わせにおいて、以下の計算を行う。
距離による音の減衰att1は、仮想音源と仮想マイクの距離rとして、以下の数6式で計算される。
【0160】
【数6】
att 1= 減衰率^r
【0161】
図27は、音源の減衰率計算動作を示すフローチャートである。
図27において、ステップS141で、ある音源の指向性による減衰率計算を行う。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162の音源の指向性による減衰率計算部170−3は、音源から見たマイクの角度計算部169−2により計算された仮想音源から見た仮想マイクの角度による仮想音源の指向性による減衰率を計算する。
【0162】
ステップS142で、他の音源、マイクがあるか否かを判断する。他の音源、マイクがあるときは、ステップS143で、他の音源の指向性による減衰率計算を行う。
【0163】
他の音源の指向性による減衰率計算終了まで、ステップS141〜ステップS143までの処理および判断を繰り返す。
ここで、数3式のcos θを元に音源の指向性による音の減衰att2を得る。
【0164】
図28は、マイクの減衰率計算動作を示すフローチャートである。
図28において、ステップS151で、あるマイクの指向性による減衰率計算を行う。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162のマイクの指向性による減衰率計算部170−4は、マイクから見た音源の角度計算部169−3により計算された仮想マイクから見た仮想音源の角度による仮想マイクの指向性による減衰率を計算する。
【0165】
ステップS152で、他の音源、マイクがあるか否かを判断する。他の音源、マイクがあるときは、ステップS153で、他のマイクの指向性による減衰率計算を行う。
【0166】
他のマイクの指向性による減衰率計算終了まで、ステップS151〜ステップS153までの処理および判断を繰り返す。
ここで、数4式のcos θを元にマイクの指向性による音の減衰att3を得る。
【0167】
図29は、遅延処理動作を示すフローチャートである。
図29において、ステップS161で、ある音源とマイクの距離による遅延処理を行う。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162の距離による遅延処理部171は、音源データに対して、距離による遅延量計算部170−1により計算された仮想音源と仮想マイクの距離による仮想音源の遅延量に基づく遅延処理を施す。
【0168】
ステップS162で、他の音源、マイクがあるか否かを判断する。他の音源、マイクがあるときは、ステップS163で、他の音源とマイクの距離による遅延処理を行う。
【0169】
他の音源、マイクの距離による遅延処理終了まで、ステップS161〜ステップS163までの処理および判断を繰り返す。
【0170】
図30は、減衰処理動作を示すフローチャートである。
図30において、ステップS171で、ある音源とマイクの距離による減衰処理を行う。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162の減衰処理部172は、音源データに対して、距離による減衰率計算部170−2により計算された仮想音源と仮想マイクの距離による仮想音源の減衰率に基づく減衰処理を施す。
【0171】
ステップS172で、他の音源、マイクがあるか否かを判断する。他の音源、マイクがあるときは、ステップS173で、他の音源とマイクの距離による減衰処理を行う。
【0172】
図31は、音源の減衰処理動作を示すフローチャートである。
図31において、ステップS181で、ある音源の指向性による減衰処理を行う。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162の減衰処理部172は、音源データに対して、音源の指向性による減衰率計算部170−3により計算された仮想音源から見た仮想マイクの角度による仮想音源の指向性による減衰率に基づく減衰処理を施す。
【0173】
ステップS182で、他の音源、マイクがあるか否かを判断する。他の音源、マイクがあるときは、ステップS183で、他の音源の指向性による減衰処理を行う。
【0174】
他の音源の指向性による減衰処理終了まで、ステップS181〜ステップS183までの処理および判断を繰り返す。
【0175】
図32は、マイクの減衰処理動作を示すフローチャートである。
図32において、ステップS191で、あるマイクの指向性による減衰処理を行う。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162の減衰処理部172は、マイクの指向性による減衰率計算部170−4により計算された仮想マイクから見た仮想音源の角度による仮想マイクの指向性による減衰率に基づく減衰処理を施す。
【0176】
ステップS192で、他の音源、マイクがあるか否かを判断する。他の音源、マイクがあるときは、ステップS193で、他のマイクの指向性による減衰処理を行う。
【0177】
他のマイクの指向性による減衰処理終了まで、ステップS191〜ステップS193までの処理および判断を繰り返す。
【0178】
減衰処理部172では、仮想マイクに、仮想音源から発せられる音に対してディレイd 、音の減衰率att =att1×att2×att3を計算した音の足し合わせを行う。
【0179】
そして、仮想マイクに入った音を、対応する各スピーカに対応する出力へ出力する。
【0180】
上述した本実施の形態により、音源、視聴位置、視聴環境自由の3Dサウンド( Virtual Reality Sound)を実現することができる。
【0181】
また、仮想空間内の音源位置等のパラメータをリアルタイムに操作し音源を移動させることができる。
【0182】
また、仮想空間内の視聴位置パラメータをリアルタイムに操作し仮想空間内を移動することができる。
【0183】
また、ユーザは住宅環境に制限されず、好きな場所にスピーカを設置することができる。
【0184】
また、ユーザはスピーカの数を増やすことで、臨場感を無制限に高めることができる。
【0185】
また、ユーザの再生環境に合ったサウンドを再生することができる。
【0186】
また、音源位置、視聴者の位置の移動による自然なドップラー効果を再現できる。
【0187】
なお、上述した実施の形態では、音源データはオーディオデータのみの場合を示したが、これに限らず、以下に示すように、映像に対応した位置情報を用いて3Dサウンド再生を行うようにしても良い。
【0188】
図33は、3Dサウンド処理による音像を示す図である。
図33において、再生時にリスナ311は、上述した3Dサウンド処理部によリ、ビデオモニタ312に再生される映像の位置情報に対応して、スピーカL、R、SL、SRに対してセンタースピーカCを加えた音像となるように視聴環境データを予め再生側で設定し、上述した3Dサウンド処理部により音像313の向きや位置が変更されるように処理し、再生チャンネルを変更することにより、スピーカL、R、SL、SRのみにより再生される再生音像313を聴取することができる。
【0189】
また、ビデオモニタ312に再生される映像のうち例えばステージ上の第1バイオリンに対応するように、再生時に視聴位置データを入力して、上述した3Dサウンド処理部により音像314の向きや位置が変更されるように処理されることにより、リスナ311はステージ上の第1バイオリンの音像314がリスナ311に向けて定位するように聴取することができる。
【0190】
また、特定のコンサートホールの任意の座席における視聴環境データを予め再生側で設定することにより、上述した3Dサウンド処理部により音像314の向きや位置が変更されるように処理されることにより、リスナ311は特定のコンサートホールの任意の座席の音像314がリスナ311に向けて定位するように聴取することができる。
【0191】
図34は、360度カメラ撮像映像を示す図である。
図34において、全方位カメラ321は360度の周囲の被写体を例えば8画角に分割して連続処理して撮像する。全方位カメラ321により撮像された360度カメラ撮像映像322は、基準位置Oに対して前方中央方向の角度情報θ(−θを含む)を有するステージ323上の歌手324および演奏者325の映像を示すエリアE1と、基準位置Oに対して前方左方向の角度情報θを有する観客326の映像を示すエリアE2と、基準位置Oに対して左横方向の角度情報θを有する観客326の映像を示すエリアE3と、基準位置Oに対して後方左方向の角度情報θを有する観客326の映像を示すエリアE4と、基準位置Oに対して後方中央向の角度情報θを有する観客326の映像を示すエリアE5と、基準位置Oに対して後方右方向の角度情報θを有する観客326の映像を示すエリアE6と、基準位置Oに対して右横方向の角度情報θを有する観客326の映像を示すエリアE7と、基準位置Oに対して前方右方向の角度情報θを有する観客326の映像を示すエリアE8とを有して構成される。
【0192】
図1に示した収録側のGUIアプリケーション画面1の音源設定部8によりθ位置設定部13によるに角度情報θ位置に応じてオーディオ信号に映像の移動と同期した音像定位の信号処理を施すことにより、360度カメラ撮像映像322のエリアE1〜エリアE8までの角度情報θによる反時計方向の映像の移動に対応して滑らかに音像を反時計方向に移動させることができる。
【0193】
これにより、エリアE1における基準位置Oに対する前方中央方向の角度情報θ(−θを含む)を有するステージ323上の歌手324および演奏者325の映像に対して前方中央方向のステージ323上の歌手324および演奏者325の音像が定位し、エリアE2における基準位置Oに対する前方左方向の角度情報θを有する観客326の映像に対して前方左方向の観客326の音像が定位し、エリアE3における基準位置Oに対する左横方向の観客326の映像に対して左横方向の観客326の音像が定位し、エリアE4における基準位置Oに対する後方左方向の角度情報θを有する観客326の映像に対して後方左方向の観客326の音像が定位し、エリアE5における基準位置Oに対する後方中央向の角度情報θを有する観客326の映像に対して後方中央向の観客326の音像が定位し、エリアE6における基準位置Oに対する後方右方向の角度情報θを有する観客326の映像に対して後方右方向の観客326の音像が定位し、エリアE7における基準位置Oに対する右横方向の角度情報θを有する観客326の映像に対して右横方向の観客326の音像が定位し、エリアE8における基準位置Oに対する前方右方向の角度情報θを有する観客326の映像に対して前方右方向の観客326の音像が連続して定位する。
【0194】
逆に、360度カメラ撮像映像322のエリアE1〜エリアE2までの角度情報θによる時計方向の映像の移動に対応して滑らかに音像を時計方向に移動させることができる。
【0195】
これにより、エリアE1における基準位置Oに対する前方中央方向の角度情報θ(−θを含む)を有するステージ323上の歌手324および演奏者325の映像に対して前方中央方向のステージ323上の歌手324および演奏者325の音像が定位し、エリアE8における基準位置Oに対する前方右方向の角度情報θを有する観客326の映像に対して前方右方向の観客326の音像が定位し、エリアE7における基準位置Oに対する右横方向の角度情報θを有する観客326の映像に対して右横方向の観客326の音像が定位し、エリアE6における基準位置Oに対する後方右方向の角度情報θを有する観客326の映像に対して後方右方向の観客326の音像が定位し、エリアE5における基準位置Oに対する後方中央向の角度情報θを有する観客326の映像に対して後方中央向の観客326の音像が定位し、エリアE4における基準位置Oに対する後方左方向の角度情報θを有する観客326の映像に対して後方左方向の観客326の音像が定位し、エリアE3における基準位置Oに対する左横方向の観客326の映像に対して左横方向の観客326の音像が定位し、エリアE2における基準位置Oに対する前方左方向の角度情報θを有する観客326の映像に対して前方左方向の観客326の音像が連続して定位する。
【0196】
また、このときの角度情報は、水平方向の角度情報θに限らず、Φ位置設定部14により垂直方向の角度情報としてあおり角度Φを指定することができる。これにより、360度カメラ撮像映像322のエリアE1〜エリアE8の映像に対して図1に示した収録側のGUIアプリケーション画面1のチャンネル設定部15で音像の定位を3次元空間で処理することができる。
【0197】
各信号処理の制御量は、360度カメラ撮像映像322を撮像するコンテンツでは、全方位カメラ321の基準位置Oに対して移動する角度情報θに応じて、図1に示した収録側のGUIアプリケーション画面1の音源設定部8に対するθ位置設定部13により音像の定位角度が比例して動くように処理される。
【0198】
また、全方位カメラ321の基準位置Oに対して左方から右方または右方から左方に移動すると移動距離に応じて、図1に示した収録側のGUIアプリケーション画面1の音源設定部8に対するX位置設定部10により音像が右へ移動または左に移動するように定位するように処理される。
【0199】
また、全方位カメラ321の基準位置Oに対して前方から後方または後方から前方に移動すると移動距離に応じて、図1に示した収録側のGUIアプリケーション画面1の音源設定部8に対するY位置設定部11により音像の音量が小さくまたは大きくなるように定位するように処理される。
【0200】
また、全方位カメラ321の基準位置Oに対して下方から上方または上方から下方に移動すると移動距離に応じて、図1に示した収録側のGUIアプリケーション画面1の音源設定部8に対するZ位置設定部12により音像が上がったり下がったりして定位するように処理される。
【0201】
また、全方位カメラ321の基準位置Oに対して前方から後方へあおり角度Φをつけてまたは後方から前方にあおり角度Φをつけて移動するとあおり角度Φに応じて、図1に示した収録側のGUIアプリケーション画面1の音源設定部8に対するΦ位置設定部14により音像があおり角度Φをつけて前方から後方へまたは後方から前方に定位するように処理される。
【0202】
また、全方位カメラ321の基準位置Oに対して、360度カメラ撮像映像322のエリアE1〜エリアE8の映像をそれぞれチャンネル分割すると、図1に示した収録側のGUIアプリケーション画面1の音源設定部8に対するチャンネル設定部15によりチャンネルを変更するようにして、360度カメラ撮像映像322のエリアE1〜エリアE8の映像音像がチャンネルごとに切り替えられるように処理される。
【0203】
なお、全方位カメラに限らず、後述する円周状カメラを用いてもよい。
図35は、円周状カメラによる撮像を示す図である。
図35において、被写体である歌手332に対して、基準位置Oに対して角度情報θに応じて、円周状カメラ331−1、331−2、331−3、331−4、331−5、331−6、331−7、331−8を設けて、角度情報θを有する円周状映像データを撮像する。このとき、図1に示した収録側のGUIアプリケーション画面1の音源設定部8のΦ位置設定部14により音像があおり角度Φをつけて前方から後方へまたは後方から前方に定位するように処理される。
なお、円周状カメラに限らず、一部分の円弧状カメラを用いてもよい。
【0204】
なお、これら場合にも、このときの角度情報は、θ位置設定部13による水平方向の角度情報θに限らず、Φ位置設定部14により垂直方向の角度情報としてあおり角度Φを指定することができる。これにより、円周状または円弧状撮像映像の各エリアの映像に対して図1に示した収録側のGUIアプリケーション画面1のチャンネル設定部15で音像の定位を3次元空間で処理することができる。
【0205】
これにより、収録側の音源数(マイクの数)、再生側のスピーカ数を増やしていくことで、音場の再現性を向上させることができる。
【0206】
スピーカの数を増やせることにより再生音がリアルになるのみでなく、逆に収録側のマイクの数=音源の数を増やせば増やすほど(例えば、部屋中にX, Y, Zそれぞれ10cm間隔でマイクを立てる、など)その分収録側の音場を再生側でリアルに再現できるようにすることができる。
【0207】
なお、上述した本実施の形態に限らず、本発明の特許請求の範囲を逸脱しない限り、適宜他の構成をとりうることができることは言うまでもない。
【0208】
【発明の効果】
この発明の音像定位信号処理装置は、基準位置に対して位置情報を有して再生時における再生音像を任意の位置に定位させるように制作時において複数の音源から入力される各音源データに信号処理を施す音像定位信号処理装置において、上記複数の音源の位置を設定して音源位置出力を出力する音源設定手段と、上記複数の音源の再生音を出力する複数のスピーカの位置を設定してスピーカ位置出力を出力するスピーカ設定手段と、上記基準位置となるリスナの位置を設定してリスナ位置出力を出力するリスナ設定手段と、上記音源位置出力、スピーカ位置出力およびリスナ位置出力に基づいて上記複数の音源の再生音を出力する音源出力手段と、を備え、上記各音源データにリアルタイムで信号処理を施して上記位置情報に対応して音像定位位置を制御するようにしたので、収録側装置により、音源、リスナの視聴位置、スピーカなどの視聴環境を任意に設定した音響である3Dサウンド( Virtual Reality Sound)の生放送(リアルタイム配信)を実現することができ、収録側の音源数(マイクの数)を増やしていくことにより、再生側の音場の再現性を向上させることができるという効果を奏する。
【0209】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記音源設定手段、上記スピーカ設定手段および上記リスナ設定手段は、それぞれ、少なくとも水平面の縦位置、横位置、垂直面の高さ位置、水平面の角度および垂直面の角度を設定する手段を有するので、3D空間の任意の位置に、音源、リスナの視聴位置、スピーカなどの視聴環境を自由に設定することができるという効果を奏する。
【0210】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記音源設定手段、上記スピーカ設定手段に対するチャンネルを設定するチャンネル設定手段を有するので、3Dサウンドの音源、スピーカのチャンネルを自由に設定することができるという効果を奏する。
【0211】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記音源設定手段、上記スピーカ設定手段に対する指向性を設定する指向性設定手段を有するので、3Dサウンドの音源、スピーカの指向性を自由に設定することができるという効果を奏する。
【0212】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記指向性設定手段は、少なくとも無指向性、双指向性、単一指向性を有するので、無指向性、双指向性または単一指向性を設定することができるという効果を奏する。
【0213】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記音源設定手段、上記スピーカ設定手段に対する設定エリアにおけるスケールを設定するスケール設定手段を有するので、3Dサウンドの音源、スピーカのスケールを自由に設定することができるという効果を奏する。
【0214】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記スケール設定手段は、上記リスナ位置に対する上記音源位置、上記スピーカ位置の距離による音源の再生音の減衰率を設定するので、3Dサウンドの音源、スピーカ位置の距離による音源の再生音の減衰率を自由に設定することができるという効果を奏する。
【0215】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記音源設定手段、上記スピーカ設定手段および上記リスナ位置設定手段は、GUIアプリケーション画面上に設けられるので、GUIアプリケーション画面上で、3Dサウンドの音源、スピーカおよびリスナ位置を自由に設定することができるという効果を奏する。
【0216】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、複数の音源から入力される各音源データに対して制作時における制御情報により信号処理を施した各音源データについて、基準位置に対する位置情報に対応するように再生時において再生音像を任意の位置に定位させるように信号処理を施す音像定位信号処理装置において、供給源から上記各音源データおよび上記音源の位置情報を読み出す読み出し手段と、上記音源の位置情報に基づいて仮想音源を配置する仮想音源配置手段と、リスナの視聴位置に応じた仮想マイクの位置を配置する仮想マイク配置手段と、上記仮想音源と上記仮想マイクとの位置に基づいて上記仮想マイクに入力される上記仮想音源の音の特性を計算する計算手段と、上記計算手段により計算された各仮想マイクに入力される音の特性に応じて上記音源データに信号処理を施す信号処理手段と、上記信号処理手段により信号処理を施された上記音源データに基づく再生音を出力する出力手段と、を備え、上記音源データにリアルタイムで信号処理を施して上記位置情報に対応して音像定位位置を制御するようにしたので、再生側装置で、仮想3D空間における視聴位置、音源の数、位置、方向、再生環境におけるスピーカの数、位置、方向自由の3Dサウンドを実現することができ、再生側のスピーカ数を増やしていくことにより、音場の再現性を向上させることができるという効果を奏する。
【0217】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記計算手段は、上記仮想音源と上記仮想マイクの距離を計算する距離計算手段を有するので、仮想音源と仮想マイクの距離に基づく音源データに対する3Dサウンドの信号処理を施すことができるという効果を奏する。
【0218】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記計算手段は、上記仮想音源から見た上記仮想マイクの角度を計算する音源角度計算手段を有するので、仮想音源から見た仮想マイクの角度に基づく音源データに対する3Dサウンドの信号処理を施すことができるという効果を奏する。
【0219】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記計算手段は、上記仮想マイクから見た上記仮想音源の角度を計算するマイク角度計算手段を有するので、仮想マイクから見た仮想音源の角度に基づく音源データに対する3Dサウンドの信号処理を施すことができるという効果を奏する。
【0220】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記計算手段は、上記距離計算手段により計算された上記仮想音源と上記仮想マイクの距離による上記仮想音源の遅延量を計算する遅延量計算手段を有するので、仮想音源と仮想マイクの距離による仮想音源の遅延量に基づく音源データに対する3Dサウンドの信号処理を施すことができるという効果を奏する。
【0221】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記計算手段は、上記距離計算手段により計算された上記仮想音源と上記仮想マイクの距離による上記仮想音源の減衰率を計算する減衰率計算手段を有するので、仮想音源と仮想マイクの距離による仮想音源の減衰率に基づく音源データに対する3Dサウンドの信号処理を施すことができるという効果を奏する。
【0222】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記計算手段は、上記音源角度計算手段により計算された上記仮想音源から見た上記仮想マイクの角度による上記仮想音源の指向性による減衰率を計算する音源角度減衰率計算手段を有するので、仮想音源から見た仮想マイクの角度による仮想音源の指向性による減衰率に基づく音源データに対する3Dサウンドの信号処理を施すことができるという効果を奏する。
【0223】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記計算手段は、上記マイク角度計算手段により計算された上記仮想マイクから見た上記仮想音源の角度による上記仮想マイクの指向性による減衰率を計算するマイク角度減衰率計算手段を有するので、仮想マイクから見た仮想音源の角度による仮想マイクの指向性による減衰率に基づく音源データに対する3Dサウンドの信号処理を施すことができるという効果を奏する。
【0224】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記仮想マイク配置手段は、上記音源データの再生時に入力されるリスナの視聴位置に対応した視聴位置データに基づいて仮想マイクの位置を配置するので、音源データの再生時における座標の移動または回転により任意のリスナの視聴位置に基づいた3Dサウンドの信号処理を施すことができるという効果を奏する。
【0225】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記仮想マイク配置手段は、予め再生側で設定されるリスナの視聴環境データに基づいて仮想マイクの位置を配置するので、予め再生側で設定された特定の再生チャンネルや特定のステージ位置や特定のコンサートホールの座席などの任意のリスナの視聴環境データに基づいた3Dサウンドの信号処理を施すことができるという効果を奏する。
【0226】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記音源データは、ネットワークを介して配信され、または記録媒体を介して供給されるので、供給源のネットワークから配信され、または記録媒体から各音源データおよび音源の位置情報を読み出すことができるという効果を奏する。
【0227】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記信号処理手段は、上記音源データに対して、上記遅延量計算手段により計算された上記仮想音源と上記仮想マイクの距離による上記仮想音源の遅延量に基づく遅延処理を施す遅延処理手段を有するので、仮想音源と仮想マイクの距離による仮想音源の遅延量に基づく音源データに対する3Dサウンドの遅延処理を施すことができるという効果を奏する。
【0228】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記信号処理手段は、上記音源データに対して、上記減衰率計算手段により計算された上記仮想音源と上記仮想マイクの距離による上記仮想音源の減衰率に基づく減衰処理を施す減衰処理手段を有するので、仮想音源と仮想マイクの距離による仮想音源の減衰率に基づく音源データに対する3Dサウンドの減衰処理を施すことができるという効果を奏する。
【0229】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記信号処理手段は、上記音源データに対して、上記音源角度減衰率計算手段により計算された上記仮想音源から見た上記仮想マイクの角度による上記仮想音源の指向性による減衰率に基づく減衰処理を施す減衰処理手段を有するので、仮想音源から見た仮想マイクの角度による仮想音源の指向性による減衰率に基づく音源データに対する3Dサウンドの減衰処理を施すことができるという効果を奏する。
【0230】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記信号処理手段は、上記マイク角度減衰率計算手段により計算された上記仮想マイクから見た上記仮想音源の角度による上記仮想マイクの指向性による減衰率に基づく減衰処理を施す減衰処理手段を有するので、仮想マイクから見た仮想音源の角度による仮想マイクの指向性による減衰率に基づく音源データに対する3Dサウンドの減衰処理を施すことができるという効果を奏する。
【0231】
また、この発明の音像定位信号処理方法は、基準位置に対して位置情報を有して再生時における再生音像を任意の位置に定位させるように制作時において複数の音源から入力される各音源データに信号処理を施す音像定位信号処理方法において、上記複数の音源の位置を設定して音源位置出力を出力する音源設定ステップと、上記複数の音源の再生音を出力する複数のスピーカの位置を設定してスピーカ位置出力を出力するスピーカ設定ステップと、上記基準位置となるリスナの位置を設定してリスナ位置出力を出力するリスナ設定ステップと、上記音源位置出力、スピーカ位置出力およびリスナ位置出力に基づいて上記複数の音源の再生音を出力する音源出力ステップと、を備え、上記各音源データにリアルタイムで信号処理を施して上記位置情報に対応して音像定位位置を制御するようにしたので、収録側で、音源、リスナの視聴位置、スピーカなどの視聴環境を任意に設定した音響である3Dサウンドの生放送(リアルタイム配信)を実現することができ、収録側の音源数(マイクの数)を増やしていくことにより、再生側の音場の再現性を向上させることができるという効果を奏する。
【0232】
また、この発明の音像定位信号処理方法は、複数の音源から入力される各音源データに対して制作時における制御情報により信号処理を施した各音源データについて、基準位置に対する位置情報に対応するように再生時において再生音像を任意の位置に定位させるように信号処理を施す音像定位信号処理方法において、供給源から上記各音源データおよび上記音源の位置情報を読み出す読み出しステップと、上記音源の位置情報に基づいて仮想音源を配置する仮想音源配置ステップと、リスナの視聴位置に応じた仮想マイクの位置を配置する仮想マイク配置ステップと、上記仮想音源と上記仮想マイクとの位置に基づいて上記仮想マイクに入力される上記仮想音源の音の特性を計算する計算ステップと、上記計算ステップにより計算された各仮想マイクに入力される音の特性に応じて上記音源データに信号処理を施す信号処理ステップと、上記信号処理ステップにより信号処理を施された上記音源データに基づく再生音を出力する出力ステップと、を備え、上記音源データにリアルタイムで信号処理を施して上記位置情報に対応して音像定位位置を制御するようにしたので、再生側で、仮想3D空間における視聴位置、音源の数、位置、方向、再生環境におけるスピーカの数、位置、方向自由の3Dサウンドを実現することができ、再生側のスピーカ数を増やしていくことにより、音場の再現性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に適用される収録側のスピーカ、音源、リスナ設定のGUIアプリケーション画面を示す図である。
【図2】モード設定部の構成を示すブロック図である。
【図3】指向性選択部の構成を示すブロック図である。
【図4】スケール設定部の構成を示すブロック図である。
【図5】音源出力部の構成を示すブロック図である。
【図6】モード設定動作を示すフローチャートである。
【図7】音源設定動作を示すフローチャートである。
【図8】スピーカ設定動作を示すフローチャートである。
【図9】リスナ設定動作を示すフローチャートである。
【図10】チャンネル設定動作を示すフローチャートである。
【図11】位置設定を示す図である。
【図12】指向性設定を示す図であり、図12AはOmniに対するFigure−8,図12BはCardioid,図12CはSuper−Cardioidである。
【図13】指向性を示す特性図である。
【図14】音源データと音源の位置情報の送出を示す図である。
【図15】音源データと音源の位置情報の送出動作を示すフローチャートである。
【図16】再生側の3Dサウンド再生処理を示すブロック図である。
【図17】3Dサウンド対応ゲーム機の構成を示すブロック図である。
【図18】DVDディスク再生装置の構成を示すブロック図である。
【図19】3Dサウンド再生処理動作を示すフローチャートである。
【図20】音源の配置処理動作を示すフローチャートである。
【図21】マイクの配置処理動作を示すフローチャートである。
【図22】音源の距離計算動作を示すフローチャートである。
【図23】音源の角度計算動作を示すフローチャートである。
【図24】マイクの角度計算動作を示すフローチャートである。
【図25】遅延量計算動作を示すフローチャートである。
【図26】減衰率計算動作を示すフローチャートである。
【図27】音源の減衰率計算動作を示すフローチャートである。
【図28】マイクの減衰率計算動作を示すフローチャートである。
【図29】遅延処理動作を示すフローチャートである。
【図30】減衰処理動作を示すフローチャートである。
【図31】音源の減衰処理動作を示すフローチャートである。
【図32】マイクの減衰処理動作を示すフローチャートである。
【図33】3Dサウンド処理による音像を示す図である。
【図34】360度カメラ撮像映像を示す図である。
【図35】円周状カメラによる撮像を示す図である。
【符号の説明】
1……GUIアプリケーション画面、2……設定エリア、3……音源、4……スピーカ、5……リスナ、6……モード設定部、7……スピーカ設定部、8……音源設定部、9……リスナ設定部、10……X位置設定部、11……Y位置設定部、12……Z位置設定部、13……θ位置設定部、14……Φ位置設定部、16……指向性選択部、17……Omni設定部、18……Cardioid設定部、19……Super−Cardioid設定部、20……Figuer−8設定部、21……スケール設定部、22……スピーカスケール設定部、23……音源スケール設定部、24……距離による減衰率設定部、161……供給源、162……3Dサウンド処理部、163……音源データ読み出し部、164……コントローラ、165……視聴位置データ、166……視聴環境データ、167……仮想音源配置部、168……仮想マイク配置部、169−1……音源とマイクの距離計算部、169−2……音源から見たマイクの角度計算部、169−3……マイクから見た音源の角度計算部、170−1……距離による遅延量計算部、170−2……距離による減衰量計算部、170−3……音源の指向性による減衰量計算部、170−4……マイクの指向性による減衰量計算部、171……遅延処理部、172……減衰処理部、176……出力部、311……リスナ、312……ビデオモニタ、313,314……音像、321……全方位カメラ、322……360度カメラ映像、331……円周状カメラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、角度情報を有する映像信号に対応するオーディオ信号に仮想音源定位処理を行う音像定位信号処理装置および音像定位信号処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
先行技術としてあげている特許文献1 の従来技術では、マルチチャンネル音源により、簡易な構成で立体音場を得る発明が開示されている。この従来技術においては、メモリから読み出された楽音データを4チャンネルに振り分け、それぞれをボイスボリュームで適切に制御して立体音場の定位が定められるとしている。また、特許文献2の従来技術では、音声情報や画像情報等に音源や被写体の位置に関する情報を付加して記録し、それら情報の再生時に、付加した位置に関する情報を有効に利用する。例えば音声情報の場合、楽器別の録音トラックごとに位置情報を付加して、再生時に各トラックに異なる伝播特性を与えて奥行きのある音場を形成する。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−309000号公報
【特許文献2】
特願平11−353081号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したこの特許文献1 の従来技術では、スピーカの数、レイアウトが限定されているためユーザは決められた数のスピーカを決められた位置に配置して聞く必要があったため、音源の上下の定位感は実現できなかったという不都合があった。
【0005】
そこで、この特許文献1 の従来技術に対して、本発明では、スピーカの数、レイアウトはユーザが自由に決めることができると共に、上下方向にもスピーカを配置することで、音源の上下の定位感を表現することができ、スピーカの数を増やしていくことで音源の定位感を高めることができることを課題とする。また、上述したこの特許文献2の従来技術では、音声の情報と音源位置を記録しておき、再生時はその音源位置を元に実際に再生する音を合成することができるものの、空間上の任意の位置および方向に音源を配置して音源の再生を行う3Dサウンドの再現はできなかったという不都合があった。
【0006】
また、この特許文献2の従来技術に対して、本発明では、マルチチャンネルの出力により3次元の音源位置を再現できると共に、遅延量の変化による自然なドップラー効果を再現できることを課題とする。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、スピーカの数を増やしていくことで音源の定位感を高めることができ、また、マルチチャンネルの出力により3次元の音源位置を再現できると共に、遅延量の変化による自然なドップラー効果を再現できる音像定位信号処理装置および音像定位信号処理方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の音像定位信号処理装置は、複数の音源の位置を設定して音源位置出力を出力する音源設定手段と、複数の音源の再生音を出力する複数のスピーカの位置を設定してスピーカ位置出力を出力するスピーカ設定手段と、基準位置となるリスナの位置を設定してリスナ位置出力を出力するリスナ設定手段と、音源位置出力、スピーカ位置出力およびリスナ位置出力に基づいて複数の音源の再生音を出力する音源出力手段とを備え、各音源データにリアルタイムで信号処理を施して上記位置情報に対応して音像定位位置を制御するようにしたものである。
【0009】
従って本発明によれば、以下の作用をする。
基準位置に対して位置情報を有して再生時における再生音像を任意の位置に定位させるように制作時において複数の音源から入力される各音源データに信号処理を施すことにより、各音源データにリアルタイムで信号処理を施して上記位置情報に対応して音像定位位置を制御する。音源設定手段は、複数の音源の位置を設定して音源位置出力を出力する。スピーカ設定手段は、複数の音源の再生音を出力する複数のスピーカの位置を設定してスピーカ位置出力を出力する。リスナ設定手段は、基準位置となるリスナの位置を設定してリスナ位置出力を出力する。音源出力手段は、音源位置出力、スピーカ位置出力およびリスナ位置出力に基づいて複数の音源の再生音を出力する。
【0010】
また、本発明の音像定位信号処理装置は、供給源から各音源データおよび音源の位置情報を読み出す読み出し手段と、音源の位置情報に基づいて仮想音源を配置する仮想音源配置手段と、リスナの視聴位置に応じた仮想マイクの位置を配置する仮想マイク配置手段と、仮想音源と仮想マイクとの位置に基づいて仮想マイクに入力される仮想音源の音の特性を計算する計算手段と、計算手段により計算された各仮想マイクに入力される音の特性に応じて音源データに信号処理を施す信号処理手段と、信号処理手段により信号処理を施された音源データに基づく再生音を出力する出力手段とを備え、音源データにリアルタイムで信号処理を施して位置情報に対応して音像定位位置を制御するようにしたものである。
【0011】
従って本発明によれば、以下の作用をする。
複数の音源から入力される各音源データに対して制作時における制御情報により信号処理を施した各音源データについて、基準位置に対する位置情報に対応するように再生時において再生音像を任意の位置に定位させるように信号処理を施すことにより、各音源データにリアルタイムで信号処理を施して上記位置情報に対応して音像定位位置を制御する。読み出し手段は、供給源から各音源データおよび音源の位置情報を読み出す。仮想音源配置手段は、音源の位置情報に基づいて仮想音源を配置する。仮想マイク配置手段は、リスナの視聴位置に応じた仮想マイクの位置を配置する。計算手段は、仮想音源と仮想マイクとの位置に基づいて仮想マイクに入力される仮想音源の音の特性を計算する。信号処理手段は、計算手段により計算された各仮想マイクに入力される音の特性に応じて音源データに信号処理を施す。出力手段は、信号処理手段により信号処理を施された音源データに基づく再生音を出力する。
【0012】
また、本発明の音像定位信号処理方法は、複数の音源の位置を設定して音源位置出力を出力する音源設定ステップと、複数の音源の再生音を出力する複数のスピーカの位置を設定してスピーカ位置出力を出力するスピーカ設定ステップと、基準位置となるリスナの位置を設定してリスナ位置出力を出力するリスナ設定ステップと、音源位置出力、スピーカ位置出力およびリスナ位置出力に基づいて複数の音源の再生音を出力する音源出力ステップとを備え、各音源データにリアルタイムで信号処理を施して位置情報に対応して音像定位位置を制御するようにしたものである。
【0013】
従って本発明によれば、以下の作用をする。
基準位置に対して位置情報を有して再生時における再生音像を任意の位置に定位させるように制作時において複数の音源から入力される各音源データに信号処理を施すことにより、各音源データにリアルタイムで信号処理を施して上記位置情報に対応して音像定位位置を制御する。音源設定ステップは、複数の音源の位置を設定して音源位置出力を出力する。スピーカ設定ステップは、複数の音源の再生音を出力する複数のスピーカの位置を設定してスピーカ位置出力を出力する。リスナ設定ステップは、基準位置となるリスナの位置を設定してリスナ位置出力を出力する。音源出力ステップは、音源位置出力、スピーカ位置出力およびリスナ位置出力に基づいて複数の音源の再生音を出力する。
【0014】
また、本発明の音像定位信号処理方法は、供給源から各音源データおよび音源の位置情報を読み出す読み出しステップと、音源の位置情報に基づいて仮想音源を配置する仮想音源配置ステップと、リスナの視聴位置に応じた仮想マイクの位置を配置する仮想マイク配置ステップと、仮想音源と仮想マイクとの位置に基づいて仮想マイクに入力される仮想音源の音の特性を計算する計算ステップと、計算ステップにより計算された各仮想マイクに入力される音の特性に応じて音源データに信号処理を施す信号処理ステップと、信号処理ステップにより信号処理を施された音源データに基づく再生音を出力する出力ステップとを備え、音源データにリアルタイムで信号処理を施して位置情報に対応して音像定位位置を制御するようにしたものである。
【0015】
従って本発明によれば、以下の作用をする。
複数の音源から入力される各音源データに対して制作時における制御情報により信号処理を施した各音源データについて、基準位置に対する位置情報に対応するように再生時において再生音像を任意の位置に定位させるように信号処理を施すことにより、各音源データにリアルタイムで信号処理を施して上記位置情報に対応して音像定位位置を制御する。読み出しステップは、供給源から各音源データおよび音源の位置情報を読み出す。仮想音源配置ステップは、音源の位置情報に基づいて仮想音源を配置する。仮想マイク配置ステップは、リスナの視聴位置に応じた仮想マイクの位置を配置する。計算ステップは、仮想音源と仮想マイクとの位置に基づいて仮想マイクに入力される仮想音源の音の特性を計算する。信号処理ステップは、計算ステップにより計算された各仮想マイクに入力される音の特性に応じて音源データに信号処理を施す。出力ステップは、信号処理ステップにより信号処理を施された音源データに基づく再生音を出力する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、適宜図面を参照しながら説明する。
まず、音源データおよび音源位置情報の収録側の構成を説明する。
図1は、本実施の形態に適用される収録側のスピーカ、音源、リスナ設定のGUI(Graphical User Interface)アプリケーション画面を示す図である。
【0017】
図1は、例えば、収録側装置において、クリエータが配信すべき音源データおよび音源位置情報の収録の際に、パーソナルコンピュータ上に設けられた各機能を用いて各種設定行う場合のGUIアプリケーション画面である。
図1において、収録側装置のGUIアプリケーション画面1は、図示しないマウスにより後述する各設定部の項目をクリックしてスライダーをスライドすることにより、各位置に設定可能な音源3−1,3−2,3−3,3−4、スピーカ4−1,4−2,4−3,4−4,4−5、リスナ5を配置する設定エリア2が設けられている。
【0018】
この収録側装置のGUIアプリケーション画面1は、モード設定部6を有し、モード設定部6は、複数の音源3−1,3−2,3−3,3−4の位置を設定して音源位置出力を出力する音源設定部8と、複数の音源3−1,3−2,3−3,3−4の再生音を出力する複数のスピーカ4−1,4−2,4−3,4−4,4−5の位置を設定してスピーカ位置出力を出力するスピーカ設定部7と、基準位置となるリスナ5の位置を設定してリスナ位置出力を出力するリスナ設定部9とを有して構成される。
【0019】
また、収録側装置は、音源位置出力、スピーカ位置出力およびリスナ位置出力に基づいて複数の音源3−1,3−2,3−3,3−4の再生音を出力する音源出力部を有して構成される。
【0020】
また、収録側装置は、基準位置となるリスナ5の位置に対して位置情報を有して再生時における再生音像を任意の位置に定位させるように制作時において複数の音源3−1,3−2,3−3,3−4から入力される各音源データに信号処理を施すことにより、各音源データにリアルタイムで信号処理を施して位置情報に対応して音像定位位置を制御する。
【0021】
また、この収録側装置のGUIアプリケーション画面1は、音源設定部8、スピーカ設定部7およびリスナ設定部9は、それぞれ、少なくとも水平面の横位置を設定するX位置設定部10、縦位置を設定するY位置設定部11、垂直面の高さ位置を設定するZ位置設定部12、水平面の角度を設定するθ設定部13および垂直面の角度を設定するΦ位置設定部14を有して構成される。
【0022】
また、この収録側装置のGUIアプリケーション画面1は、音源設定部8、スピーカ設定部7に対するチャンネルを設定するチャンネル(ch)設定部15を有して構成される。
【0023】
また、この収録側装置のGUIアプリケーション画面1は、音源設定部8、スピーカ設定部7に対する指向性を選択的に設定する指向性選択部16を有して構成される。
【0024】
また、この収録側装置のGUIアプリケーション画面1は、指向性選択部16は、少なくとも無指向性のOmni設定部17、双指向性のFigure−8設定部20、単一指向性のCardioid設定部18およびSuper−Cardioid設定部19を有して構成される。
【0025】
また、この収録側装置のGUIアプリケーション画面1は、音源設定部8、スピーカ設定部7に対する設定エリア2におけるスケールを設定するスケール設定部21を有して構成される。スケール設定部21は、スピーカスケール設定部22と、音源スケール設定部23とを有して構成される。
【0026】
また、スケール設定部21は、リスナ位置に対する音源位置、スピーカ位置の距離による音源の再生音の減衰率を設定する、距離による減衰率設定部24を有して構成される。
【0027】
また、音源設定部8、スピーカ設定7およびリスナ設定部9は、GUIアプリケーション画面1上に設けられ、他の指向性選択部16およびスケール設定部21は予め設定しておくようにしても良い。
【0028】
このように構成された収録側装置により、音源、リスナの視聴位置、スピーカなどの視聴環境を任意に設定した3Dサウンドの生放送(リアルタイム配信)を実現することができる。
【0029】
図2は、モード設定部の構成を示すブロック図である。
図2において、モード設定部6は、音源設定部8、スピーカ設定部7、リスナ設定部9およびチャンネル(ch)設定部15を有して構成される。
【0030】
また、音源設定部8、スピーカ設定部7およびリスナ設定部9は、それぞれ、X位置設定部10、Y位置設定部11、Z位置設定部12、θ設定部13およびΦ位置設定部14を有して構成される。
【0031】
また、音源設定部8、スピーカ設定部7およびリスナ設定部9は、水平面の縦位置を設定し、横位置を設定し、垂直面の高さ位置を設定し、水平面の角度を設定および垂直面の角度を設定することにより、音源位置を出力する音源位置出力部22と、スピーカ位置を出力するスピーカ位置出力部23と、リスナ位置を出力するリスナ位置出力部24とを有して構成される。
【0032】
また、チャンネル(ch)設定部15は、チャンネル(ch)設定出力を出力するチャンネル(ch)出力部25を有して構成される。
【0033】
図3は、指向性選択部の構成を示すブロック図である。
図3において、指向性選択部16は、無指向性のOmni設定部17、双指向性のFigure−8設定部20、単一指向性のCardioid設定部18およびSuper−Cardioid設定部19を有して構成される。指向性選択部16は、無指向性、双指向性、または単一指向性の指向性を出力する指向性出力部31を有して構成される。指向性出力部31の指向性出力は、音源位置出力部22と、スピーカ位置出力部23に対して出力される。
【0034】
図4は、スケール設定部の構成を示すブロック図である。
図4において、スケール設定部21は、スピーカスケール設定部41と、音源スケール設定部42と、距離による減衰率設定部43を有して構成される。スケール設定部21は、スピーカスケール、音源スケール、距離による減衰率を設定されたスケール出力を出力するスケール出力部44を有して構成される。
【0035】
図5は、音源出力部の構成を示すブロック図である。
図5において、音源出力部51は、指向性出力部31の指向性出力およびスケール出力部44によるスケール出力に基づく音源位置出力部22による音源位置出力と、指向性出力部31の指向性出力およびスケール出力部44によるスケール出力に基づくスピーカ位置出力部23によるスピーカ位置出力と、リスナ位置出力部24によるリスナ位置出力と、チャンネル(ch)出力部25によるチャンネル(ch)設定出力とにより、音源データに対して信号処理を施して、例えば、アンプを介してスピーカからモニタ出力すると共に、ハードディスクまたは着脱可能なディスクに音源データおよび位置情報を記憶し、再生側にネットワークを介して送出またはディスクの頒布を行う。
【0036】
このように構成された収録側装置は、以下のような動作をする。
図6は、モード設定部のモード設定動作を示すフローチャートである。
図6において、ステップS1で、音源設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すモード設定部6は、図示しないマウスによるクリエータの操作により音源設定部8の項目がクリックされたか否かを判断する。
【0037】
ステップS1で音源設定である判断されたときは、ステップS2で、音源設定を行う。具体的には、図1および図2に示すモード設定部6は、音源設定部8により複数の音源3−1,3−2,3−3,3−4の位置を設定して音源位置出力を出力する動作を行わせる。
【0038】
ステップS1で音源設定でない判断されたときは、ステップS3で、スピーカ設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すモード設定部6は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりスピーカ設定部7の項目がクリックされたか否かを判断する。
【0039】
ステップS3でスピーカ設定である判断されたときは、ステップS4で、スピーカ設定を行う。具体的には、図1および図2に示すモード設定部6は、スピーカ設定部7により複数の音源3−1,3−2,3−3,3−4の再生音を出力する複数のスピーカ4−1,4−2,4−3,4−4,4−5の位置を設定してスピーカ音源位置出力を出力する動作を行わせる。
【0040】
ステップS3でスピーカ設定でない判断されたときは、ステップS5で、リスナ設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すモード設定部6は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりリスナ設定部9の項目がクリックされたか否かを判断する。
【0041】
ステップS5でリスナ設定である判断されたときは、ステップS6でリスナ設定を行う。具体的には、図1および図2に示すモード設定部6は、リスナ設定部9により基準位置となるリスナ5の位置を設定してリスナ位置出力を出力する動作を行わせる。
【0042】
ステップS5でリスナ設定でない判断されたときは、ステップS7で、チャンネル(ch)設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すモード設定部6は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりチャンネル(ch)設定部15の項目がクリックされたか否かを判断する。
【0043】
ステップS7でチャンネル(ch)設定である判断されたときは、ステップS8で、チャンネル(ch)設定を行う。具体的には、図1および図2に示すモード設定部6は、チャンネル(ch)設定部15により、音源設定部8、スピーカ設定部7に対するチャンネルを設定する動作を行わせる。
【0044】
ステップS2で音源設定、ステップS4でスピーカ設定、ステップS6でリスナ設定、ステップS8でチャンネル(ch)設定を行った後は、ステップS9で設定出力を行う。具体的には、図1および図2に示すモード設定部6は、図5に示す音源出力部51により、音源位置出力、スピーカ位置出力、リスナ位置出力およびチャンネル(ch)出力に基づいて複数の音源3−1,3−2,3−3,3−4の再生音を出力する動作を行わせる。
【0045】
図7は、音源設定部の音源設定動作を示すフローチャートである。
ステップS11で、X位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すX位置設定部10は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりX位置設定部10のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0046】
ステップS11でX位置設定である判断されたときは、ステップS12でX位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すX位置設定部10は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりX位置設定部10のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定X位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上で横方向に移動して音源3−1,3−2,3−3,3−4を配置する。
【0047】
ステップS11でX位置設定でない判断されたときは、ステップS13で、Y位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すY位置設定部11は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりY位置設定部11のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0048】
ステップS13でY位置設定である判断されたときは、ステップS14でY位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すY位置設定部11は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりY位置設定部11のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定Y位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上で縦方向に移動して音源3−1,3−2,3−3,3−4を配置する。
【0049】
ステップS13でY位置設定でない判断されたときは、ステップS15で、Z位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すZ位置設定部12は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりZ位置設定部12のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0050】
ステップS15でZ位置設定である判断されたときは、ステップS16でZ位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すZ位置設定部12は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりZ位置設定部12のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定Z位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) と垂直方向に移動して音源3−1,3−2,3−3,3−4を配置する。
【0051】
ステップS15でZ位置設定でない判断されたときは、ステップS17で、θ位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すθ位置設定部13は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりθ位置設定部13のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0052】
ステップS17でθ位置設定である判断されたときは、ステップS18でθ位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すθ位置設定部13は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりθ位置設定部13のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定θ位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上で回転角度をつけて音源3−1,3−2,3−3,3−4を配置する。
【0053】
ステップS17でθ位置設定でない判断されたときは、ステップS19で、Φ位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すΦ位置設定部14は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりΦ位置設定部14のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0054】
ステップS19でΦ位置設定である判断されたときは、ステップS20でΦ位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すΦ位置設定部14は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりΦ位置設定部14のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定Φ位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1の垂直面上で上方または下方にあおり角度をつけて音源3−1,3−2,3−3,3−4を配置する。
【0055】
図8は、スピーカ設定部のスピーカ設定動作を示すフローチャートである。
ステップS21で、X位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すX位置設定部10は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりX位置設定部10のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0056】
ステップS21でX位置設定である判断されたときは、ステップS22でX位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すX位置設定部10は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりX位置設定部10のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定X位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上で横方向に移動してスピーカ4−1,4−2,4−3,4−4,4−5を配置する。
【0057】
ステップS21でX位置設定でない判断されたときは、ステップS23で、Y位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すY位置設定部11は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりY位置設定部11のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0058】
ステップS23でY位置設定である判断されたときは、ステップS24でY位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すY位置設定部11は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりY位置設定部11のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定Y位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上で縦方向に移動してスピーカ4−1,4−2,4−3,4−4,4−5を配置する。
【0059】
ステップS23でY位置設定でない判断されたときは、ステップS25で、Z位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すZ位置設定部12は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりZ位置設定部12のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0060】
ステップS25でZ位置設定である判断されたときは、ステップS26でZ位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すZ位置設定部12は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりZ位置設定部12のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定Z位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) と垂直方向に移動してスピーカ4−1,4−2,4−3,4−4,4−5を配置する。
【0061】
ステップS25でZ位置設定でない判断されたときは、ステップS27で、θ位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すθ位置設定部13は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりθ位置設定部13のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0062】
ステップS27でθ位置設定である判断されたときは、ステップS28でθ位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すθ位置設定部13は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりθ位置設定部13のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定θ位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上で回転角度をつけてスピーカ4−1,4−2,4−3,4−4,4−5を配置する。
【0063】
ステップS27でθ位置設定でない判断されたときは、ステップS29で、Φ位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すΦ位置設定部14は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりΦ位置設定部14のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0064】
ステップS29でΦ位置設定である判断されたときは、ステップS30でΦ位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すΦ位置設定部14は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりΦ位置設定部14のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定Φ位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1の垂直面上で上方または下方にあおり角度をつけてスピーカ4−1,4−2,4−3,4−4,4−5を配置する。
【0065】
図9は、リスナ設定部のリスナ設定動作を示すフローチャートである。
ステップS31で、X位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すX位置設定部10は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりX位置設定部10のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0066】
ステップS31でX位置設定である判断されたときは、ステップS32でX位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すX位置設定部10は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりX位置設定部10のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定X位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上で横方向に移動してリスナ5を配置する。
【0067】
ステップS31でX位置設定でない判断されたときは、ステップS33で、Y位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すY位置設定部11は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりY位置設定部11のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0068】
ステップS33でY位置設定である判断されたときは、ステップS34でY位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すY位置設定部11は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりY位置設定部11のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定Y位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上で縦方向に移動してリスナ5を配置する。
【0069】
ステップS33でY位置設定でない判断されたときは、ステップS35で、Z位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すZ位置設定部12は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりZ位置設定部12のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0070】
ステップS35でZ位置設定である判断されたときは、ステップS36でZ位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すZ位置設定部12は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりZ位置設定部12のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定Z位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) と垂直方向に移動してリスナ5を配置する。
【0071】
ステップS35でZ位置設定でない判断されたときは、ステップS37で、θ位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すθ位置設定部13は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりθ位置設定部13のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0072】
ステップS37でθ位置設定である判断されたときは、ステップS38でθ位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すθ位置設定部13は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりθ位置設定部13のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定θ位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上で回転角度をつけてリスナ5を配置する。
【0073】
ステップS37でθ位置設定でない判断されたときは、ステップS39で、Φ位置設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すΦ位置設定部14は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりΦ位置設定部14のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0074】
ステップS39でΦ位置設定である判断されたときは、ステップS40でΦ位置設定を行う。具体的には、図1および図2に示すΦ位置設定部14は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりΦ位置設定部14のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において設定Φ位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1の垂直面上で上方または下方にあおり角度をつけてリスナ5を配置する。
【0075】
図10は、チャンネル設定部のチャンネル設定動作を示すフローチャートである。
ステップS41で、音源のチャンネル設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すチャンネル設定部15は、図示しないマウスによるクリエータの操作により音源設定部8の項目がクリックされているときに、チャンネル設定部15のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0076】
ステップS41で音源のチャンネル設定である判断されたときは、ステップS42で音源のチャンネル設定を行う。具体的には、図1および図2に示すチャンネル設定部15は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりチャンネル設定部15のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2においてチャンネル設定位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上で音源3−1,3−2,3−3,3−4のチャンネル設定をする。
【0077】
ステップS41で音源のチャンネル設定でない判断されたときは、ステップS43で、スピーカのチャンネル設定か否かを判断する。具体的には、図1および図2に示すチャンネル設定部15は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりスピーカ設定部7の項目がクリックされているときに、チャンネル設定部15のスライダーがクリックされてスライドされたか否かを判断する。
【0078】
ステップS43でスピーカのチャンネル設定である判断されたときは、ステップS44でスピーカのチャンネル設定を行う。具体的には、図1および図2に示すチャンネル設定部15は、図示しないマウスによるクリエータの操作によりチャンネル設定部15のスライダーがクリックされてスライドされた位置に対応するパラメータを設定し、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2においてチャンネル設定位置に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上でスピーカ4−1,4−2,4−3,4−4,4−5のチャンネル設定をする。
【0079】
図11は、位置設定を示す図である。
上述したX位置設定部10は、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において点P111に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上で横方向Xの設定X位置を設定する。また、Y位置設定部11は、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において点P111に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上で縦方向の設定Y位置を設定する。また、Z位置設定部12は、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において点P111に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) と垂直方向の設定Z位置を設定する。
【0080】
また、θ位置設定部13は、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において点P111に対応するようにGUIアプリケーション画面1( 水平面) 上で回転角度をつけて設定θ位置を設定する。また、Φ位置設定部14は、GUIアプリケーション画面1上の設定エリア2において点P111に対応するようにGUIアプリケーション画面1の垂直面上で上方または下方にあおり角度をつけて設定Φ位置を設定する。
【0081】
図12は、上述した指向性選択部16による指向性設定を示す図であり、図12AはOmni設定部17による無指向性のOmni121に対するFigure−8設定部20による双指向性のFigure−8(122)、図12BはCardioid設定部18による単一指向性のCardioid123、および図12CはSuper−Cardioid設定部19による超指向性のSuper−Cardioid124を示す。なお、双指向性は、音源方向と逆方向で対象となる。図12は、水平面(X−Y面)のみを示したが、垂直面上でも同様の指向性を有し、立体状の指向性である。
【0082】
図13は、指向性を示す特性図である。図13において、Omni131は、θ=−180度から180度までY=1となる。また、Cardioid132は、θ=−180度のときY=1/2、θ=0度のときY=1、θ=180度のときY=1/2となる。また、Super−Cardioid133は、θ=−180度のときY=0、θ=0度のときY=1、θ=180度のときY=0となる。また、Figure−8(134)は、cosθと同様となり、θ=−180度のときY=−1、θ=0度のときY=1、θ=180度のときY=−1となる。
【0083】
以下に、このように設定された収録側の音源データおよび音源の位置情報の送出を説明する。
図14は、音源データと音源の位置情報の送出を示す図である。
図14において、収録側、送出側装置141は、送出サーバ142に音源データ144および音源の位置情報145を供給する機能を有して構成される。送出サーバ142は、収録側、送出側装置141から供給された音源データ144および音源の位置情報145を送出用ハードディスクに一旦保持する機能を有して構成される。
【0084】
送出サーバ142は、音源データおよび音源の位置情報147を、複数の再生側装置143−1,143−2,143−3に対して、同時または異なる送出のタイミングで、配信146−1,146−2,146−3を行う機能を有して構成される。
【0085】
図15は、音源データと音源の位置情報の送出動作を示すフローチャートである。図15は、図14に示した送出サーバ142の動作を示す図である。
図15において、ステップS51で、音源データの収録、音源の位置情報の検出を行う。具体的には、図14に示した送出サーバ142は、収録側、送出側装置141から供給された音源データ144および音源の位置情報145が送出用ハードディスクに一旦保持されたことを検出する。
【0086】
ステップS52で、音源データの収録、音源の位置情報の配信を行う。具体的には、図14に示した送出サーバ142は、音源データおよび音源の位置情報147を、複数の再生側装置143−1,143−2,143−3に対して、同時または異なる送出のタイミングで、配信146−1,146−2,146−3を行う。
【0087】
ステップS53で、送出が終了したか否かを判断する。具体的には、図14に示した送出サーバ142は、音源データおよび音源の位置情報147の、複数の再生側装置143−1,143−2,143−3に対する配信146−1,146−2,146−3が終了したか否かを判断する。
【0088】
ステップS53で送出が終了していないときは、ステップS51へ戻って、ステップS51からステップS53までの処理および判断を繰り返す。
【0089】
上述した収録側の音源データおよび音源の位置情報の送出において、送出側から音源の音声データ(例えばマイクロホンからの入力音)のストリームと共に、任意の設定による位置情報、または、例えば、GPS(Global Positioning System)、ジャイロ、赤外線、電波等によって検出した音源の位置情報のメタデータ(座標情報および向き情報)を再生側に向けて配信することによる3Dサウンドのリアルタイム配信を実現するようにしてもよい。これにより、再生側では、音源データストリームと音源の位置情報のメタデータを受け取り、再生環境に合わせて仮想空間に各音源を配置することによりそれらの各音源の再生サウンドをレンダリングし、再生することができる。
【0090】
また、例えば、3Dサウンドコンテンツ制作において、音源位置のリアルタイム入力を実現することができる。
【0091】
また、これまではスタジオで配信用に音源をミックスし、ミックスした結果を配信していたため、例えばステレオでミックスされた信号が配信されている場合はステレオで再生するしかなかったので、ユーザはスタジオの中の自由な場所の音を聞くことはできなかった。
【0092】
また、音源の波形データを独立して送っても、GPS、ジャイロ、赤外線、電波等による自動位置検出を行わずにリアルタイム配信するには、オペレーターが常に音源の位置を入力する必要があったが、オペレーターによるリアルタイム入力では正確な位置情報が入力できるとは限らなかった。
【0093】
このように、3Dサウンドコンテンツ制作で、音源の位置の動きを手で入力するのは面倒だったが、本実施の形態において、収録、送出側では、音源の位置情報( X, Y, Z座標情報、向き情報)を任意に設定し、または、GPS、ジャイロ、赤外線、電波等を用いて検出して、リアルタイムにデータ化し、これを音源データそのものと同時に配信することができる。
【0094】
再生側では、受け取った音源の音と位置情報と3Dサウンド再生装置を用いて、それぞれの視聴環境に合わせた、自由な視聴点の音の再生を行うことができる。
【0095】
再生側で送られてきた音声情報、位置情報を元に最終的に再生する音声の合成を行うので、再生側でユーザの望む合成音響をフレキシブルに再生することができる。
【0096】
また、3Dサウンドの生放送を行うことができる。ユーザは配信された音のうち、聞きたい場所の音を自由に聞くことができる。音源の位置情報を自動生成することで、自動的に音源の位置情報を送出することができる。3Dサウンドコンテンツ制作環境において、自動的に音源の位置情報を入力することができる。
【0097】
次に、再生側装置の構成および動作を説明する。
図16は、再生側の3Dサウンド再生処理のブロック図である。
図16において、音像定位信号処理装置は、供給源161と、3Dサウンド処理部162と、音源データ( 音声データ175) が後述する信号処理部171、172により信号処理を施された再生音を出力する出力部176とを有して構成される。
【0098】
3Dサウンド処理部162は、供給源161のネットワーク161−1から配信(161−3)され、またはディスク161−2から各音源データ( 音声データ175) および音源の位置情報174を読み出す(161−4)音源データ読み出し部163と、音源の位置情報174に基づいて仮想音源(167)を配置する仮想音源配置部167と、リスナの視聴位置に応じた仮想マイク(168)の位置を配置する仮想マイク配置部168と、仮想音源と仮想マイクとの位置に基づいて仮想マイクに入力される仮想音源の音の特性を計算する計算部169−1〜169−3、170−1〜170−4と、計算手段により計算された各仮想マイクに入力される音の特性に応じて音源データに信号処理を施して出力部176に出力する遅延処理部171、減衰処理部172とを有して構成される。出力部176は、信号処理を施された音声データに音声出力処理を行う音声出力部177と、デジタル信号をアナログ音声信号に変換するDA変換部178と、音響出力を行うスピーカ179とを有して構成される。
【0099】
上述した計算部は、仮想音源と仮想マイクの距離を計算する音源とマイクの距離計算部169−1を有して構成される。
【0100】
上述した計算部は、仮想音源から見た仮想マイクの角度を計算する音源から見たマイクの角度計算部169−2を有して構成される。
【0101】
上述した計算部は、仮想マイクから見た仮想音源の角度を計算するマイクから見た音源の角度計算部169−3を有して構成される。
【0102】
上述した計算部は、音源とマイクの距離計算部169−1により計算された仮想音源と仮想マイクの距離による仮想音源の遅延量を計算する距離による遅延量計算部170−1を有して構成される。
【0103】
上述した計算部は、音源とマイクの距離計算部169−1により計算された仮想音源と仮想マイクの距離による仮想音源の減衰率を計算する距離による減衰率計算部170−2を有して構成される。
【0104】
上述した計算部は、音源から見たマイクの角度計算部169−2により計算された仮想音源から見た仮想マイクの角度による仮想音源の指向性による減衰率を計算する音源の指向性による減衰率計算部170−3を有して構成される。
【0105】
上述した計算部は、マイクから見た音源の角度計算部169−3により計算された仮想マイクから見た仮想音源の角度による仮想マイクの指向性による減衰率を計算するマイクの指向性による減衰率計算部170−4を有して構成される。
【0106】
上述した仮想マイク配置部168は、音源データの再生時にコントローラ164から入力されるリスナの視聴位置に対応した視聴位置データ165に基づいて仮想マイクの位置を配置するように構成される。
【0107】
上述した仮想マイク配置部168は、予め再生側で設定されるリスナの視聴環境データ166に基づいて仮想マイクの位置を配置するように構成される。
【0108】
上述した音源データは、ネットワーク161−1を介して配信(161−3)され、またはディスク161−2から読み込まれる(161−4)ように構成される。
【0109】
上述した信号処理部は、音源データに対して、距離による遅延量計算部170−1により計算された仮想音源と仮想マイクの距離による仮想音源の遅延量に基づく遅延処理を施す遅延処理部171を有して構成される。
【0110】
上述した信号処理部は、音源データに対して、距離による減衰率計算部170−2により計算された仮想音源と仮想マイクの距離による仮想音源の減衰率に基づく減衰処理を施す減衰処理部172を有して構成される。
【0111】
上述した信号処理部は、音源データに対して、音源の指向性による減衰率計算部170−3により計算された仮想音源から見た仮想マイクの角度による仮想音源の指向性による減衰率に基づく減衰処理を施す減衰処理部172を有して構成される。
【0112】
上述した信号処理部は、マイクの指向性による減衰率計算部170−4により計算された仮想マイクから見た仮想音源の角度による仮想マイクの指向性による減衰率に基づく減衰処理を施す減衰処理部172を有して構成される。
【0113】
これにより、音像定位信号処理装置は、複数の音源から入力される各音源データに対して制作時における制御情報により信号処理を施した各音源データについて、基準位置に対する位置情報に対応するように再生時において再生音像を任意の位置に定位させるように信号処理を施して、音源データにリアルタイムで信号処理を施して位置情報に対応して音像定位位置を制御する。
【0114】
これにより、従来は、3Dサウンド再生のためのスピーカ環境は完全に自由ではなくある程度固定されており、ユーザがそれぞれに合った再生環境を構築することは困難だったが、本実施の形態により、仮想3D空間における視聴位置、音源の数、位置、方向、再生環境におけるスピーカの数、位置、方向自由の3Dサウンド( Virtual Reality Sound)を実現することができる。
【0115】
また、仮想3D空間における仮想音源の音を仮想マイクで収録することによる3Dサウンドを実現することができる。
【0116】
また、音源、視聴位置、スピーカの各パラメータを再生時に動的に変化させることのできる3Dサウンドを実現することができる。
【0117】
以下に、具体的な実施形態の例について説明する。
図17は、3Dサウンド対応ゲーム機の構成を示すブロック図である。
図17に示す3Dサウンド対応ゲーム機181において、3Dサウンドデータは、3Dサウンドの収録されたメディアに記録されていたり、ネットワークから配信されたり、3Dサウンド対応ゲームソフトウェア182から出力されたりする。3Dサウンド処理部183は、上述した図16のように構成され、そうして受け取った3Dサウンドデータを処理し、マルチチャンネルの音声データに変換し、音声出力ドライバ184に出力する。音声出力ドライバ184は音声出力信号を外部機器のアンプ・スピーカ185に出力する。外部機器のアンプ・スピーカ185は、受け取ったマルチチャンネルの音声データを受け取り、さらに記録再生部において再生、記録などをする。
【0118】
ここで、例えば、3Dサウンドデータは、パーソナルコンピュータ上で動作する3Dサウンド再生ソフトウェアを利用して出力されるものであってもよいし、3Dサウンド対応ゲームソフトであってもよい。
【0119】
図18は、DVD(Digital Versatile Disc)ディスク再生装置の構成を示すブロック図である。
図18に示すDVDディスク再生装置191において、3Dサウンドデータは、3Dサウンドの収録されたDVDディスクに記録されているものをDVDディスク再生部192により再生したり、ネットワークから配信されたり、3Dサウンド対応ソフトウェアから出力されたりする。3Dサウンド処理部193は、上述した図16のように構成され、そうして受け取った3Dサウンドデータを処理し、マルチチャンネルの音声データに変換し、音声出力ドライバ194に出力する。音声出力ドライバ194は音声出力信号を外部機器のアンプ・スピーカ195に出力する。外部機器のアンプ・スピーカ195は、受け取ったマルチチャンネルの音声データを受け取り、さらに記録再生部において再生、記録などをする。
【0120】
ここで、例えば、3Dサウンドデータは、パーソナルコンピュータ上で動作する3Dサウンド再生ソフトウェアを利用して出力されるものであってもよいし、3Dサウンド対応映画ソフトであってもよい。
【0121】
以下に、このように構成された、3Dサウンド処理部の動作を説明する。
図19は、3Dサウンド処理動作を示すフローチャートである。
図19において、ステップS61で、3Dサウンドデータを受け取る。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162は、音源データ読み出し部163により、供給源161のネットワーク161−1から配信(161−3)され、またはディスク161−2から各音源データ(163)および音源の位置情報174を読み出す(161−4)。ここで、ネットワーク161−1から配信(161−3)され、または読み出された(161−4)音源データは例えば、音声データ175の場合には音声の波形データであり、音源の位置情報174は、例えば、音源数に対応した数の時系列上の音源の位置( X, Y, Z) 情報、向き情報、指向性情報である。
【0122】
ステップS62で、全音源を仮想空間上に配置する。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162は、仮想音源配置部167により音源の位置情報174に基づいて仮想音源(167)を仮想空間上に配置する。
【0123】
ステップS63で、仮想空間上に仮想マイクを配置する。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162は、仮想マイク配置部168によりリスナの視聴位置に応じた仮想マイク(168)の位置を仮想空間上に配置する。
【0124】
ステップS64で、仮想音源、仮想マイクの全組み合わせで、音源からマイクに入力される音を計算する。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162は、計算部169−1〜169−3、170−1〜170−4により仮想音源と仮想マイクとの位置に基づいて仮想マイクに入力される仮想音源の音の特性を計算する。ここでは、仮想音源、仮想マイクのすべての組み合わせに対して、距離による音の遅延(位相)、音量の減衰、角度差と指向性による音のレベルを計算する。
【0125】
ステップS65で、計算された各仮想マイクの音を外部に出力する。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162は、遅延処理部171および減衰処理部172により上述した計算手段により計算された各仮想マイクに入力される音の特性に応じて音源データ(音声データ)に信号処理を施して出力部176に出力し、音声出力部177により信号処理を施された音声データに音声出力処理を行い、DA変換部178によりデジタル信号をアナログ音声信号に変換し、スピーカ179により音響出力を行う。上述の計算結果に応じて、すべての仮想音源からそれぞれの仮想マイクに到達する音を計算し、足し合わせを行い、外部に出力する。
【0126】
ステップS66で、再生終了か否かを判断する。再生終了まで、ステップS61〜ステップS66までの処理および判断を繰り返す。
【0127】
図20は、音源の配置処理動作を示すフローチャートである。
図20において、ステップS71で、音源の位置、向きに応じて音源の位置ベクトル、音源の向きベクトルを生成する。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162は、仮想音源配置部167により、音源を仮想音源として、音源の位置、向きのデータを元に仮想空間( X, Y,Z空間) 内に配置する。ここで、音源の数=n 、音源の位置ベクトルA1、A2、A3…An−1、An、音源の向きベクトル(単位ベクトル)B1、B2、B3…Bn−1、Bnとする。
【0128】
ステップS72で、全て配置したか否かを判断する。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162は、仮想音源配置部167により、全ての音源の数=n 、音源の位置ベクトルA1、A2、A3…An−1、An、音源の向きベクトル(単位ベクトル)B1、B2、B3…Bn−1、Bnの配置を行ったか否かを判断する。
【0129】
音源の配置終了まで、ステップS71〜ステップS72までの処理および判断を繰り返す。
【0130】
図21は、マイクの配置処理動作を示すフローチャートである。
図21において、ステップS81で、スピーカの位置、向き、視聴者の位置、向きに応じてマイクの位置ベクトル、マイクの向きベクトルを生成する。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162は、3Dサウンド処理部162の仮想マイク配置部168が必要とするデータとして、視聴環境データ166(予め再生側で設定して外部から入力される)はスピーカ数に対応したスピーカ情報(スピーカの位置、向き、指向性)と、視聴位置データ165(再生時に外部から入力される)は仮想空間内における視聴者の位置、向きのデータがある。
【0131】
ここでは、仮想空間内に仮想マイクを配置する。仮想マイクは、視聴環境のスピーカの位置に相当する箇所に配置し、向きはスピーカとは逆向きとする。仮想マイクの位置は、仮想空間内での視聴者の位置に応じて相対的に変化する。
【0132】
ここで、スピーカの数=m 、スピーカの位置ベクトルC1、C2、C3…Cm−1、Cm、スピーカの向きベクトル(単位ベクトル)D1、D2、D3…Dm−1、Dm、視聴者の位置ベクトルE 、視聴者の向きベクトル(単位ベクトル)F 、仮想音源の位置、向きは音源の位置、向きと同じ、仮想マイクの初期位置は仮想スピーカの位置と同じ、仮想マイクの向きベクトル(単位ベクトル)Gn=−Dn(仮想スピーカの向きとは逆向き)、仮想音源、仮想マイクの全ての組み合わせの数=n×m 個とする。
【0133】
ステップS82で、全て配置したか否かを判断する。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162は、仮想マイク配置部168により、全てのスピーカの数=m 、スピーカの位置ベクトルC1、C2、C3…Cm−1、Cm、スピーカの向きベクトル(単位ベクトル)D1、D2、D3…Dm−1、Dm、仮想音源、仮想マイクの全ての組み合わせの数=n×m 個について仮想マイクの配置を行ったか否かを判断する。
【0134】
仮想マイクの配置終了まで、ステップS81〜ステップS82までの処理および判断を繰り返す。
【0135】
図22は、音源の距離計算動作を示すフローチャートである。
図22において、ステップS91で、ある音源とマイクの距離計算を行う。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162の音源とマイクの距離計算部169−1は、仮想音源と仮想マイクの距離を計算する。
【0136】
ステップS92で、他の音源、マイクがあるか否かを判断する。他の音源、マイクがあるときは、ステップS93で、他の音源とマイクの距離計算を行う。
【0137】
他の音源、マイクの距離計算終了まで、ステップS91〜ステップS93までの処理および判断を繰り返す。
【0138】
ここで、音源の位置ベクトルA1、A2、A3…An−1、An、スピーカの位置ベクトルC1、C2、C3…Cm−1、Cm、視聴者の位置ベクトルE 、視聴者の向きベクトル(単位ベクトル)F として、全ての組み合わせにおいて、以下の計算を行う。
【0139】
視聴者の位置、向きによる相対的な仮想マイクの位置H は、仮想マイクの位置C を視聴者の向きベクトル(単位ベクトル)F に応じて回転し、視聴者の位置ベクトルE を足して算出することにより、以下の数1式で計算される。
【0140】
【数1】
H=C ×F+E
【0141】
また、仮想音源と仮想マイクの距離rは、仮想マイクの位置H から音源の位置ベクトルA を減算することにより、以下の数2式で計算される。
【0142】
【数2】
r =|H−A |
【0143】
図23は、音源の角度計算動作を示すフローチャートである。
図23において、ステップS101で、ある音源から見たマイクの角度計算を行う。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162の音源から見たマイクの角度計算部169−2は、仮想音源から見た仮想マイクの角度を計算する。ステップS102で、他の音源、マイクがあるか否かを判断する。他の音源、マイクがあるときは、ステップS103で、他の音源とマイクの角度計算を行う。
【0144】
他の音源、マイクの角度計算終了まで、ステップS101〜ステップS103までの処理および判断を繰り返す。
【0145】
ここで、仮想音源から見た仮想マイクの方向と仮想音源の向きの角度差は、ここで、音源の位置ベクトルA1、A2、A3…An−1、An、音源の向きベクトル(単位ベクトル)B1、B2、B3…Bn−1、Bn、スピーカの位置ベクトルC1、C2、C3…Cm−1、Cm、仮想音源と仮想マイクの距離rとして、以下の数3式で計算される。
【0146】
【数3】
cos θ= {(C−A )・B }/ (|C−A ||B |)={(C−A )・B }/r
【0147】
図24は、マイクの角度計算動作を示すフローチャートである。
図24において、ステップS111で、あるマイクから見た音源の角度計算を行う。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162のマイクから見た音源の角度計算部169−3は、仮想マイクから見た仮想音源の角度を計算する。ステップS112で、他のマイク、音源があるか否かを判断する。他のマイク、音源があるときは、ステップS113で、他のマイクと音源の角度計算を行う。
【0148】
他のマイク、音源の角度計算終了まで、ステップS111〜ステップS113までの処理および判断を繰り返す。
【0149】
ここで、仮想マイクから見た仮想音源の方向と仮想マイクの向きの角度差は、ここで、音源の位置ベクトルA1、A2、A3…An−1、An、スピーカの位置ベクトルC1、C2、C3…Cm−1、Cm、仮想マイクの向きベクトル(単位ベクトル)Gn、仮想音源と仮想マイクの距離rとして、以下の数4式で計算される。
【0150】
【数4】
cos θ= {(A−C )・G }/ (|A−C ||G |)={(A−C )・G }/r
【0151】
図25は、遅延量計算動作を示すフローチャートである。
図25において、ステップS121で、ある音源とマイクの距離による遅延量計算を行う。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162の距離による遅延量計算部170−1は、音源とマイクの距離計算部169−1により計算された仮想音源と仮想マイクの距離による仮想音源の遅延量を計算する。
【0152】
ステップS122で、他の音源、マイクがあるか否かを判断する。他の音源、マイクがあるときは、ステップS123で、他の音源とマイクの距離による遅延量計算を行う。
【0153】
他の音源、マイクの距離による遅延量計算終了まで、ステップS121〜ステップS123までの処理および判断を繰り返す。
【0154】
ここで、音源、マイクの全ての組み合わせにおいて、以下の計算を行う。
距離による遅延d は、仮想音源と仮想マイクの距離rとして、以下の数5式で計算される。
【0155】
【数5】
d= r×1/音速
【0156】
図26は、減衰率計算動作を示すフローチャートである。
図26において、ステップS131で、ある音源とマイクの距離による減衰率計算を行う。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162の距離による減衰率計算部170−2は、音源とマイクの距離計算部169−1により計算された仮想音源と仮想マイクの距離による仮想音源の減衰率を計算する。
【0157】
ステップS132で、他の音源、マイクがあるか否かを判断する。他の音源、マイクがあるときは、ステップS133で、他の音源とマイクの距離による減衰率計算を行う。
【0158】
他の音源、マイクの距離による減衰率計算終了まで、ステップS131〜ステップS133までの処理および判断を繰り返す。
【0159】
ここで、音源、マイクの全ての組み合わせにおいて、以下の計算を行う。
距離による音の減衰att1は、仮想音源と仮想マイクの距離rとして、以下の数6式で計算される。
【0160】
【数6】
att 1= 減衰率^r
【0161】
図27は、音源の減衰率計算動作を示すフローチャートである。
図27において、ステップS141で、ある音源の指向性による減衰率計算を行う。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162の音源の指向性による減衰率計算部170−3は、音源から見たマイクの角度計算部169−2により計算された仮想音源から見た仮想マイクの角度による仮想音源の指向性による減衰率を計算する。
【0162】
ステップS142で、他の音源、マイクがあるか否かを判断する。他の音源、マイクがあるときは、ステップS143で、他の音源の指向性による減衰率計算を行う。
【0163】
他の音源の指向性による減衰率計算終了まで、ステップS141〜ステップS143までの処理および判断を繰り返す。
ここで、数3式のcos θを元に音源の指向性による音の減衰att2を得る。
【0164】
図28は、マイクの減衰率計算動作を示すフローチャートである。
図28において、ステップS151で、あるマイクの指向性による減衰率計算を行う。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162のマイクの指向性による減衰率計算部170−4は、マイクから見た音源の角度計算部169−3により計算された仮想マイクから見た仮想音源の角度による仮想マイクの指向性による減衰率を計算する。
【0165】
ステップS152で、他の音源、マイクがあるか否かを判断する。他の音源、マイクがあるときは、ステップS153で、他のマイクの指向性による減衰率計算を行う。
【0166】
他のマイクの指向性による減衰率計算終了まで、ステップS151〜ステップS153までの処理および判断を繰り返す。
ここで、数4式のcos θを元にマイクの指向性による音の減衰att3を得る。
【0167】
図29は、遅延処理動作を示すフローチャートである。
図29において、ステップS161で、ある音源とマイクの距離による遅延処理を行う。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162の距離による遅延処理部171は、音源データに対して、距離による遅延量計算部170−1により計算された仮想音源と仮想マイクの距離による仮想音源の遅延量に基づく遅延処理を施す。
【0168】
ステップS162で、他の音源、マイクがあるか否かを判断する。他の音源、マイクがあるときは、ステップS163で、他の音源とマイクの距離による遅延処理を行う。
【0169】
他の音源、マイクの距離による遅延処理終了まで、ステップS161〜ステップS163までの処理および判断を繰り返す。
【0170】
図30は、減衰処理動作を示すフローチャートである。
図30において、ステップS171で、ある音源とマイクの距離による減衰処理を行う。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162の減衰処理部172は、音源データに対して、距離による減衰率計算部170−2により計算された仮想音源と仮想マイクの距離による仮想音源の減衰率に基づく減衰処理を施す。
【0171】
ステップS172で、他の音源、マイクがあるか否かを判断する。他の音源、マイクがあるときは、ステップS173で、他の音源とマイクの距離による減衰処理を行う。
【0172】
図31は、音源の減衰処理動作を示すフローチャートである。
図31において、ステップS181で、ある音源の指向性による減衰処理を行う。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162の減衰処理部172は、音源データに対して、音源の指向性による減衰率計算部170−3により計算された仮想音源から見た仮想マイクの角度による仮想音源の指向性による減衰率に基づく減衰処理を施す。
【0173】
ステップS182で、他の音源、マイクがあるか否かを判断する。他の音源、マイクがあるときは、ステップS183で、他の音源の指向性による減衰処理を行う。
【0174】
他の音源の指向性による減衰処理終了まで、ステップS181〜ステップS183までの処理および判断を繰り返す。
【0175】
図32は、マイクの減衰処理動作を示すフローチャートである。
図32において、ステップS191で、あるマイクの指向性による減衰処理を行う。具体的には、図16に示した3Dサウンド処理部162の減衰処理部172は、マイクの指向性による減衰率計算部170−4により計算された仮想マイクから見た仮想音源の角度による仮想マイクの指向性による減衰率に基づく減衰処理を施す。
【0176】
ステップS192で、他の音源、マイクがあるか否かを判断する。他の音源、マイクがあるときは、ステップS193で、他のマイクの指向性による減衰処理を行う。
【0177】
他のマイクの指向性による減衰処理終了まで、ステップS191〜ステップS193までの処理および判断を繰り返す。
【0178】
減衰処理部172では、仮想マイクに、仮想音源から発せられる音に対してディレイd 、音の減衰率att =att1×att2×att3を計算した音の足し合わせを行う。
【0179】
そして、仮想マイクに入った音を、対応する各スピーカに対応する出力へ出力する。
【0180】
上述した本実施の形態により、音源、視聴位置、視聴環境自由の3Dサウンド( Virtual Reality Sound)を実現することができる。
【0181】
また、仮想空間内の音源位置等のパラメータをリアルタイムに操作し音源を移動させることができる。
【0182】
また、仮想空間内の視聴位置パラメータをリアルタイムに操作し仮想空間内を移動することができる。
【0183】
また、ユーザは住宅環境に制限されず、好きな場所にスピーカを設置することができる。
【0184】
また、ユーザはスピーカの数を増やすことで、臨場感を無制限に高めることができる。
【0185】
また、ユーザの再生環境に合ったサウンドを再生することができる。
【0186】
また、音源位置、視聴者の位置の移動による自然なドップラー効果を再現できる。
【0187】
なお、上述した実施の形態では、音源データはオーディオデータのみの場合を示したが、これに限らず、以下に示すように、映像に対応した位置情報を用いて3Dサウンド再生を行うようにしても良い。
【0188】
図33は、3Dサウンド処理による音像を示す図である。
図33において、再生時にリスナ311は、上述した3Dサウンド処理部によリ、ビデオモニタ312に再生される映像の位置情報に対応して、スピーカL、R、SL、SRに対してセンタースピーカCを加えた音像となるように視聴環境データを予め再生側で設定し、上述した3Dサウンド処理部により音像313の向きや位置が変更されるように処理し、再生チャンネルを変更することにより、スピーカL、R、SL、SRのみにより再生される再生音像313を聴取することができる。
【0189】
また、ビデオモニタ312に再生される映像のうち例えばステージ上の第1バイオリンに対応するように、再生時に視聴位置データを入力して、上述した3Dサウンド処理部により音像314の向きや位置が変更されるように処理されることにより、リスナ311はステージ上の第1バイオリンの音像314がリスナ311に向けて定位するように聴取することができる。
【0190】
また、特定のコンサートホールの任意の座席における視聴環境データを予め再生側で設定することにより、上述した3Dサウンド処理部により音像314の向きや位置が変更されるように処理されることにより、リスナ311は特定のコンサートホールの任意の座席の音像314がリスナ311に向けて定位するように聴取することができる。
【0191】
図34は、360度カメラ撮像映像を示す図である。
図34において、全方位カメラ321は360度の周囲の被写体を例えば8画角に分割して連続処理して撮像する。全方位カメラ321により撮像された360度カメラ撮像映像322は、基準位置Oに対して前方中央方向の角度情報θ(−θを含む)を有するステージ323上の歌手324および演奏者325の映像を示すエリアE1と、基準位置Oに対して前方左方向の角度情報θを有する観客326の映像を示すエリアE2と、基準位置Oに対して左横方向の角度情報θを有する観客326の映像を示すエリアE3と、基準位置Oに対して後方左方向の角度情報θを有する観客326の映像を示すエリアE4と、基準位置Oに対して後方中央向の角度情報θを有する観客326の映像を示すエリアE5と、基準位置Oに対して後方右方向の角度情報θを有する観客326の映像を示すエリアE6と、基準位置Oに対して右横方向の角度情報θを有する観客326の映像を示すエリアE7と、基準位置Oに対して前方右方向の角度情報θを有する観客326の映像を示すエリアE8とを有して構成される。
【0192】
図1に示した収録側のGUIアプリケーション画面1の音源設定部8によりθ位置設定部13によるに角度情報θ位置に応じてオーディオ信号に映像の移動と同期した音像定位の信号処理を施すことにより、360度カメラ撮像映像322のエリアE1〜エリアE8までの角度情報θによる反時計方向の映像の移動に対応して滑らかに音像を反時計方向に移動させることができる。
【0193】
これにより、エリアE1における基準位置Oに対する前方中央方向の角度情報θ(−θを含む)を有するステージ323上の歌手324および演奏者325の映像に対して前方中央方向のステージ323上の歌手324および演奏者325の音像が定位し、エリアE2における基準位置Oに対する前方左方向の角度情報θを有する観客326の映像に対して前方左方向の観客326の音像が定位し、エリアE3における基準位置Oに対する左横方向の観客326の映像に対して左横方向の観客326の音像が定位し、エリアE4における基準位置Oに対する後方左方向の角度情報θを有する観客326の映像に対して後方左方向の観客326の音像が定位し、エリアE5における基準位置Oに対する後方中央向の角度情報θを有する観客326の映像に対して後方中央向の観客326の音像が定位し、エリアE6における基準位置Oに対する後方右方向の角度情報θを有する観客326の映像に対して後方右方向の観客326の音像が定位し、エリアE7における基準位置Oに対する右横方向の角度情報θを有する観客326の映像に対して右横方向の観客326の音像が定位し、エリアE8における基準位置Oに対する前方右方向の角度情報θを有する観客326の映像に対して前方右方向の観客326の音像が連続して定位する。
【0194】
逆に、360度カメラ撮像映像322のエリアE1〜エリアE2までの角度情報θによる時計方向の映像の移動に対応して滑らかに音像を時計方向に移動させることができる。
【0195】
これにより、エリアE1における基準位置Oに対する前方中央方向の角度情報θ(−θを含む)を有するステージ323上の歌手324および演奏者325の映像に対して前方中央方向のステージ323上の歌手324および演奏者325の音像が定位し、エリアE8における基準位置Oに対する前方右方向の角度情報θを有する観客326の映像に対して前方右方向の観客326の音像が定位し、エリアE7における基準位置Oに対する右横方向の角度情報θを有する観客326の映像に対して右横方向の観客326の音像が定位し、エリアE6における基準位置Oに対する後方右方向の角度情報θを有する観客326の映像に対して後方右方向の観客326の音像が定位し、エリアE5における基準位置Oに対する後方中央向の角度情報θを有する観客326の映像に対して後方中央向の観客326の音像が定位し、エリアE4における基準位置Oに対する後方左方向の角度情報θを有する観客326の映像に対して後方左方向の観客326の音像が定位し、エリアE3における基準位置Oに対する左横方向の観客326の映像に対して左横方向の観客326の音像が定位し、エリアE2における基準位置Oに対する前方左方向の角度情報θを有する観客326の映像に対して前方左方向の観客326の音像が連続して定位する。
【0196】
また、このときの角度情報は、水平方向の角度情報θに限らず、Φ位置設定部14により垂直方向の角度情報としてあおり角度Φを指定することができる。これにより、360度カメラ撮像映像322のエリアE1〜エリアE8の映像に対して図1に示した収録側のGUIアプリケーション画面1のチャンネル設定部15で音像の定位を3次元空間で処理することができる。
【0197】
各信号処理の制御量は、360度カメラ撮像映像322を撮像するコンテンツでは、全方位カメラ321の基準位置Oに対して移動する角度情報θに応じて、図1に示した収録側のGUIアプリケーション画面1の音源設定部8に対するθ位置設定部13により音像の定位角度が比例して動くように処理される。
【0198】
また、全方位カメラ321の基準位置Oに対して左方から右方または右方から左方に移動すると移動距離に応じて、図1に示した収録側のGUIアプリケーション画面1の音源設定部8に対するX位置設定部10により音像が右へ移動または左に移動するように定位するように処理される。
【0199】
また、全方位カメラ321の基準位置Oに対して前方から後方または後方から前方に移動すると移動距離に応じて、図1に示した収録側のGUIアプリケーション画面1の音源設定部8に対するY位置設定部11により音像の音量が小さくまたは大きくなるように定位するように処理される。
【0200】
また、全方位カメラ321の基準位置Oに対して下方から上方または上方から下方に移動すると移動距離に応じて、図1に示した収録側のGUIアプリケーション画面1の音源設定部8に対するZ位置設定部12により音像が上がったり下がったりして定位するように処理される。
【0201】
また、全方位カメラ321の基準位置Oに対して前方から後方へあおり角度Φをつけてまたは後方から前方にあおり角度Φをつけて移動するとあおり角度Φに応じて、図1に示した収録側のGUIアプリケーション画面1の音源設定部8に対するΦ位置設定部14により音像があおり角度Φをつけて前方から後方へまたは後方から前方に定位するように処理される。
【0202】
また、全方位カメラ321の基準位置Oに対して、360度カメラ撮像映像322のエリアE1〜エリアE8の映像をそれぞれチャンネル分割すると、図1に示した収録側のGUIアプリケーション画面1の音源設定部8に対するチャンネル設定部15によりチャンネルを変更するようにして、360度カメラ撮像映像322のエリアE1〜エリアE8の映像音像がチャンネルごとに切り替えられるように処理される。
【0203】
なお、全方位カメラに限らず、後述する円周状カメラを用いてもよい。
図35は、円周状カメラによる撮像を示す図である。
図35において、被写体である歌手332に対して、基準位置Oに対して角度情報θに応じて、円周状カメラ331−1、331−2、331−3、331−4、331−5、331−6、331−7、331−8を設けて、角度情報θを有する円周状映像データを撮像する。このとき、図1に示した収録側のGUIアプリケーション画面1の音源設定部8のΦ位置設定部14により音像があおり角度Φをつけて前方から後方へまたは後方から前方に定位するように処理される。
なお、円周状カメラに限らず、一部分の円弧状カメラを用いてもよい。
【0204】
なお、これら場合にも、このときの角度情報は、θ位置設定部13による水平方向の角度情報θに限らず、Φ位置設定部14により垂直方向の角度情報としてあおり角度Φを指定することができる。これにより、円周状または円弧状撮像映像の各エリアの映像に対して図1に示した収録側のGUIアプリケーション画面1のチャンネル設定部15で音像の定位を3次元空間で処理することができる。
【0205】
これにより、収録側の音源数(マイクの数)、再生側のスピーカ数を増やしていくことで、音場の再現性を向上させることができる。
【0206】
スピーカの数を増やせることにより再生音がリアルになるのみでなく、逆に収録側のマイクの数=音源の数を増やせば増やすほど(例えば、部屋中にX, Y, Zそれぞれ10cm間隔でマイクを立てる、など)その分収録側の音場を再生側でリアルに再現できるようにすることができる。
【0207】
なお、上述した本実施の形態に限らず、本発明の特許請求の範囲を逸脱しない限り、適宜他の構成をとりうることができることは言うまでもない。
【0208】
【発明の効果】
この発明の音像定位信号処理装置は、基準位置に対して位置情報を有して再生時における再生音像を任意の位置に定位させるように制作時において複数の音源から入力される各音源データに信号処理を施す音像定位信号処理装置において、上記複数の音源の位置を設定して音源位置出力を出力する音源設定手段と、上記複数の音源の再生音を出力する複数のスピーカの位置を設定してスピーカ位置出力を出力するスピーカ設定手段と、上記基準位置となるリスナの位置を設定してリスナ位置出力を出力するリスナ設定手段と、上記音源位置出力、スピーカ位置出力およびリスナ位置出力に基づいて上記複数の音源の再生音を出力する音源出力手段と、を備え、上記各音源データにリアルタイムで信号処理を施して上記位置情報に対応して音像定位位置を制御するようにしたので、収録側装置により、音源、リスナの視聴位置、スピーカなどの視聴環境を任意に設定した音響である3Dサウンド( Virtual Reality Sound)の生放送(リアルタイム配信)を実現することができ、収録側の音源数(マイクの数)を増やしていくことにより、再生側の音場の再現性を向上させることができるという効果を奏する。
【0209】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記音源設定手段、上記スピーカ設定手段および上記リスナ設定手段は、それぞれ、少なくとも水平面の縦位置、横位置、垂直面の高さ位置、水平面の角度および垂直面の角度を設定する手段を有するので、3D空間の任意の位置に、音源、リスナの視聴位置、スピーカなどの視聴環境を自由に設定することができるという効果を奏する。
【0210】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記音源設定手段、上記スピーカ設定手段に対するチャンネルを設定するチャンネル設定手段を有するので、3Dサウンドの音源、スピーカのチャンネルを自由に設定することができるという効果を奏する。
【0211】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記音源設定手段、上記スピーカ設定手段に対する指向性を設定する指向性設定手段を有するので、3Dサウンドの音源、スピーカの指向性を自由に設定することができるという効果を奏する。
【0212】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記指向性設定手段は、少なくとも無指向性、双指向性、単一指向性を有するので、無指向性、双指向性または単一指向性を設定することができるという効果を奏する。
【0213】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記音源設定手段、上記スピーカ設定手段に対する設定エリアにおけるスケールを設定するスケール設定手段を有するので、3Dサウンドの音源、スピーカのスケールを自由に設定することができるという効果を奏する。
【0214】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記スケール設定手段は、上記リスナ位置に対する上記音源位置、上記スピーカ位置の距離による音源の再生音の減衰率を設定するので、3Dサウンドの音源、スピーカ位置の距離による音源の再生音の減衰率を自由に設定することができるという効果を奏する。
【0215】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記音源設定手段、上記スピーカ設定手段および上記リスナ位置設定手段は、GUIアプリケーション画面上に設けられるので、GUIアプリケーション画面上で、3Dサウンドの音源、スピーカおよびリスナ位置を自由に設定することができるという効果を奏する。
【0216】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、複数の音源から入力される各音源データに対して制作時における制御情報により信号処理を施した各音源データについて、基準位置に対する位置情報に対応するように再生時において再生音像を任意の位置に定位させるように信号処理を施す音像定位信号処理装置において、供給源から上記各音源データおよび上記音源の位置情報を読み出す読み出し手段と、上記音源の位置情報に基づいて仮想音源を配置する仮想音源配置手段と、リスナの視聴位置に応じた仮想マイクの位置を配置する仮想マイク配置手段と、上記仮想音源と上記仮想マイクとの位置に基づいて上記仮想マイクに入力される上記仮想音源の音の特性を計算する計算手段と、上記計算手段により計算された各仮想マイクに入力される音の特性に応じて上記音源データに信号処理を施す信号処理手段と、上記信号処理手段により信号処理を施された上記音源データに基づく再生音を出力する出力手段と、を備え、上記音源データにリアルタイムで信号処理を施して上記位置情報に対応して音像定位位置を制御するようにしたので、再生側装置で、仮想3D空間における視聴位置、音源の数、位置、方向、再生環境におけるスピーカの数、位置、方向自由の3Dサウンドを実現することができ、再生側のスピーカ数を増やしていくことにより、音場の再現性を向上させることができるという効果を奏する。
【0217】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記計算手段は、上記仮想音源と上記仮想マイクの距離を計算する距離計算手段を有するので、仮想音源と仮想マイクの距離に基づく音源データに対する3Dサウンドの信号処理を施すことができるという効果を奏する。
【0218】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記計算手段は、上記仮想音源から見た上記仮想マイクの角度を計算する音源角度計算手段を有するので、仮想音源から見た仮想マイクの角度に基づく音源データに対する3Dサウンドの信号処理を施すことができるという効果を奏する。
【0219】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記計算手段は、上記仮想マイクから見た上記仮想音源の角度を計算するマイク角度計算手段を有するので、仮想マイクから見た仮想音源の角度に基づく音源データに対する3Dサウンドの信号処理を施すことができるという効果を奏する。
【0220】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記計算手段は、上記距離計算手段により計算された上記仮想音源と上記仮想マイクの距離による上記仮想音源の遅延量を計算する遅延量計算手段を有するので、仮想音源と仮想マイクの距離による仮想音源の遅延量に基づく音源データに対する3Dサウンドの信号処理を施すことができるという効果を奏する。
【0221】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記計算手段は、上記距離計算手段により計算された上記仮想音源と上記仮想マイクの距離による上記仮想音源の減衰率を計算する減衰率計算手段を有するので、仮想音源と仮想マイクの距離による仮想音源の減衰率に基づく音源データに対する3Dサウンドの信号処理を施すことができるという効果を奏する。
【0222】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記計算手段は、上記音源角度計算手段により計算された上記仮想音源から見た上記仮想マイクの角度による上記仮想音源の指向性による減衰率を計算する音源角度減衰率計算手段を有するので、仮想音源から見た仮想マイクの角度による仮想音源の指向性による減衰率に基づく音源データに対する3Dサウンドの信号処理を施すことができるという効果を奏する。
【0223】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記計算手段は、上記マイク角度計算手段により計算された上記仮想マイクから見た上記仮想音源の角度による上記仮想マイクの指向性による減衰率を計算するマイク角度減衰率計算手段を有するので、仮想マイクから見た仮想音源の角度による仮想マイクの指向性による減衰率に基づく音源データに対する3Dサウンドの信号処理を施すことができるという効果を奏する。
【0224】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記仮想マイク配置手段は、上記音源データの再生時に入力されるリスナの視聴位置に対応した視聴位置データに基づいて仮想マイクの位置を配置するので、音源データの再生時における座標の移動または回転により任意のリスナの視聴位置に基づいた3Dサウンドの信号処理を施すことができるという効果を奏する。
【0225】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記仮想マイク配置手段は、予め再生側で設定されるリスナの視聴環境データに基づいて仮想マイクの位置を配置するので、予め再生側で設定された特定の再生チャンネルや特定のステージ位置や特定のコンサートホールの座席などの任意のリスナの視聴環境データに基づいた3Dサウンドの信号処理を施すことができるという効果を奏する。
【0226】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記音源データは、ネットワークを介して配信され、または記録媒体を介して供給されるので、供給源のネットワークから配信され、または記録媒体から各音源データおよび音源の位置情報を読み出すことができるという効果を奏する。
【0227】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記信号処理手段は、上記音源データに対して、上記遅延量計算手段により計算された上記仮想音源と上記仮想マイクの距離による上記仮想音源の遅延量に基づく遅延処理を施す遅延処理手段を有するので、仮想音源と仮想マイクの距離による仮想音源の遅延量に基づく音源データに対する3Dサウンドの遅延処理を施すことができるという効果を奏する。
【0228】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記信号処理手段は、上記音源データに対して、上記減衰率計算手段により計算された上記仮想音源と上記仮想マイクの距離による上記仮想音源の減衰率に基づく減衰処理を施す減衰処理手段を有するので、仮想音源と仮想マイクの距離による仮想音源の減衰率に基づく音源データに対する3Dサウンドの減衰処理を施すことができるという効果を奏する。
【0229】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記信号処理手段は、上記音源データに対して、上記音源角度減衰率計算手段により計算された上記仮想音源から見た上記仮想マイクの角度による上記仮想音源の指向性による減衰率に基づく減衰処理を施す減衰処理手段を有するので、仮想音源から見た仮想マイクの角度による仮想音源の指向性による減衰率に基づく音源データに対する3Dサウンドの減衰処理を施すことができるという効果を奏する。
【0230】
また、この発明の音像定位信号処理装置は、上述において、上記信号処理手段は、上記マイク角度減衰率計算手段により計算された上記仮想マイクから見た上記仮想音源の角度による上記仮想マイクの指向性による減衰率に基づく減衰処理を施す減衰処理手段を有するので、仮想マイクから見た仮想音源の角度による仮想マイクの指向性による減衰率に基づく音源データに対する3Dサウンドの減衰処理を施すことができるという効果を奏する。
【0231】
また、この発明の音像定位信号処理方法は、基準位置に対して位置情報を有して再生時における再生音像を任意の位置に定位させるように制作時において複数の音源から入力される各音源データに信号処理を施す音像定位信号処理方法において、上記複数の音源の位置を設定して音源位置出力を出力する音源設定ステップと、上記複数の音源の再生音を出力する複数のスピーカの位置を設定してスピーカ位置出力を出力するスピーカ設定ステップと、上記基準位置となるリスナの位置を設定してリスナ位置出力を出力するリスナ設定ステップと、上記音源位置出力、スピーカ位置出力およびリスナ位置出力に基づいて上記複数の音源の再生音を出力する音源出力ステップと、を備え、上記各音源データにリアルタイムで信号処理を施して上記位置情報に対応して音像定位位置を制御するようにしたので、収録側で、音源、リスナの視聴位置、スピーカなどの視聴環境を任意に設定した音響である3Dサウンドの生放送(リアルタイム配信)を実現することができ、収録側の音源数(マイクの数)を増やしていくことにより、再生側の音場の再現性を向上させることができるという効果を奏する。
【0232】
また、この発明の音像定位信号処理方法は、複数の音源から入力される各音源データに対して制作時における制御情報により信号処理を施した各音源データについて、基準位置に対する位置情報に対応するように再生時において再生音像を任意の位置に定位させるように信号処理を施す音像定位信号処理方法において、供給源から上記各音源データおよび上記音源の位置情報を読み出す読み出しステップと、上記音源の位置情報に基づいて仮想音源を配置する仮想音源配置ステップと、リスナの視聴位置に応じた仮想マイクの位置を配置する仮想マイク配置ステップと、上記仮想音源と上記仮想マイクとの位置に基づいて上記仮想マイクに入力される上記仮想音源の音の特性を計算する計算ステップと、上記計算ステップにより計算された各仮想マイクに入力される音の特性に応じて上記音源データに信号処理を施す信号処理ステップと、上記信号処理ステップにより信号処理を施された上記音源データに基づく再生音を出力する出力ステップと、を備え、上記音源データにリアルタイムで信号処理を施して上記位置情報に対応して音像定位位置を制御するようにしたので、再生側で、仮想3D空間における視聴位置、音源の数、位置、方向、再生環境におけるスピーカの数、位置、方向自由の3Dサウンドを実現することができ、再生側のスピーカ数を増やしていくことにより、音場の再現性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に適用される収録側のスピーカ、音源、リスナ設定のGUIアプリケーション画面を示す図である。
【図2】モード設定部の構成を示すブロック図である。
【図3】指向性選択部の構成を示すブロック図である。
【図4】スケール設定部の構成を示すブロック図である。
【図5】音源出力部の構成を示すブロック図である。
【図6】モード設定動作を示すフローチャートである。
【図7】音源設定動作を示すフローチャートである。
【図8】スピーカ設定動作を示すフローチャートである。
【図9】リスナ設定動作を示すフローチャートである。
【図10】チャンネル設定動作を示すフローチャートである。
【図11】位置設定を示す図である。
【図12】指向性設定を示す図であり、図12AはOmniに対するFigure−8,図12BはCardioid,図12CはSuper−Cardioidである。
【図13】指向性を示す特性図である。
【図14】音源データと音源の位置情報の送出を示す図である。
【図15】音源データと音源の位置情報の送出動作を示すフローチャートである。
【図16】再生側の3Dサウンド再生処理を示すブロック図である。
【図17】3Dサウンド対応ゲーム機の構成を示すブロック図である。
【図18】DVDディスク再生装置の構成を示すブロック図である。
【図19】3Dサウンド再生処理動作を示すフローチャートである。
【図20】音源の配置処理動作を示すフローチャートである。
【図21】マイクの配置処理動作を示すフローチャートである。
【図22】音源の距離計算動作を示すフローチャートである。
【図23】音源の角度計算動作を示すフローチャートである。
【図24】マイクの角度計算動作を示すフローチャートである。
【図25】遅延量計算動作を示すフローチャートである。
【図26】減衰率計算動作を示すフローチャートである。
【図27】音源の減衰率計算動作を示すフローチャートである。
【図28】マイクの減衰率計算動作を示すフローチャートである。
【図29】遅延処理動作を示すフローチャートである。
【図30】減衰処理動作を示すフローチャートである。
【図31】音源の減衰処理動作を示すフローチャートである。
【図32】マイクの減衰処理動作を示すフローチャートである。
【図33】3Dサウンド処理による音像を示す図である。
【図34】360度カメラ撮像映像を示す図である。
【図35】円周状カメラによる撮像を示す図である。
【符号の説明】
1……GUIアプリケーション画面、2……設定エリア、3……音源、4……スピーカ、5……リスナ、6……モード設定部、7……スピーカ設定部、8……音源設定部、9……リスナ設定部、10……X位置設定部、11……Y位置設定部、12……Z位置設定部、13……θ位置設定部、14……Φ位置設定部、16……指向性選択部、17……Omni設定部、18……Cardioid設定部、19……Super−Cardioid設定部、20……Figuer−8設定部、21……スケール設定部、22……スピーカスケール設定部、23……音源スケール設定部、24……距離による減衰率設定部、161……供給源、162……3Dサウンド処理部、163……音源データ読み出し部、164……コントローラ、165……視聴位置データ、166……視聴環境データ、167……仮想音源配置部、168……仮想マイク配置部、169−1……音源とマイクの距離計算部、169−2……音源から見たマイクの角度計算部、169−3……マイクから見た音源の角度計算部、170−1……距離による遅延量計算部、170−2……距離による減衰量計算部、170−3……音源の指向性による減衰量計算部、170−4……マイクの指向性による減衰量計算部、171……遅延処理部、172……減衰処理部、176……出力部、311……リスナ、312……ビデオモニタ、313,314……音像、321……全方位カメラ、322……360度カメラ映像、331……円周状カメラ
Claims (25)
- 基準位置に対して位置情報を有して再生時における再生音像を任意の位置に定位させるように制作時において複数の音源から入力される各音源データに信号処理を施す音像定位信号処理装置において、
上記複数の音源の位置を設定して音源位置出力を出力する音源設定手段と、
上記複数の音源の再生音を出力する複数のスピーカの位置を設定してスピーカ位置出力を出力するスピーカ設定手段と、
上記基準位置となるリスナの位置を設定してリスナ位置出力を出力するリスナ設定手段と、
上記音源位置出力、スピーカ位置出力およびリスナ位置出力に基づいて上記複数の音源の再生音を出力する音源出力手段と、
を備え、上記各音源データにリアルタイムで信号処理を施して上記位置情報に対応して音像定位位置を制御するようにしたことを特徴とする音像定位信号処理装置。 - 請求項1記載の音像定位信号処理装置において、
上記音源設定手段、上記スピーカ設定手段および上記リスナ設定手段は、それぞれ、少なくとも水平面の縦位置、横位置、垂直面の高さ位置、水平面の角度および垂直面の角度を設定する手段を有することを特徴とする音像定位信号処理装置。 - 請求項1記載の音像定位信号処理装置において、
上記音源設定手段、上記スピーカ設定手段に対するチャンネルを設定するチャンネル設定手段を有することを特徴とする音像定位信号処理装置。 - 請求項1記載の音像定位信号処理装置において、
上記音源設定手段、上記スピーカ設定手段に対する指向性を設定する指向性設定手段を有することを特徴とする音像定位信号処理装置。 - 請求項4記載の音像定位信号処理装置において、
上記指向性設定手段は、少なくとも無指向性、双指向性、単一指向性を有することを特徴とする音像定位信号処理装置。 - 請求項1記載の音像定位信号処理装置において、
上記音源設定手段、上記スピーカ設定手段に対する設定エリアにおけるスケールを設定するスケール設定手段を有することを特徴とする音像定位信号処理装置。 - 請求項6記載の音像定位信号処理装置において、
上記スケール設定手段は、上記リスナ位置に対する上記音源位置、上記スピーカ位置の距離による音源の再生音の減衰率を設定する、距離による減衰率設定手段を有することを特徴とする音像定位信号処理装置。 - 請求項1記載の音像定位信号処理装置において、
上記音源設定手段、上記スピーカ設定手段および上記リスナ位置設定手段は、GUIアプリケーション画面上に設けられることを特徴とする音像定位信号処理装置。 - 複数の音源から入力される各音源データに対して制作時における制御情報により信号処理を施した各音源データについて、基準位置に対する位置情報に対応するように再生時において再生音像を任意の位置に定位させるように信号処理を施す音像定位信号処理装置において、
供給源から上記各音源データおよび上記音源の位置情報を読み出す読み出し手段と、
上記音源の位置情報に基づいて仮想音源を配置する仮想音源配置手段と、
リスナの視聴位置に応じた仮想マイクの位置を配置する仮想マイク配置手段と、
上記仮想音源と上記仮想マイクとの位置に基づいて上記仮想マイクに入力される上記仮想音源の音の特性を計算する計算手段と、
上記計算手段により計算された各仮想マイクに入力される音の特性に応じて上記音源データに信号処理を施す信号処理手段と、
上記信号処理手段により信号処理を施された上記音源データに基づく再生音を出力する出力手段と、
を備え、上記音源データにリアルタイムで信号処理を施して上記位置情報に対応して音像定位位置を制御するようにしたことを特徴とする音像定位信号処理装置。 - 請求項9記載の音像定位信号処理装置において、
上記計算手段は、上記仮想音源と上記仮想マイクの距離を計算する距離計算手段を有することを特徴とする音像定位信号処理装置。 - 請求項9記載の音像定位信号処理装置において、
上記計算手段は、上記仮想音源から見た上記仮想マイクの角度を計算する音源角度計算手段を有することを特徴とする音像定位信号処理装置。 - 請求項9記載の音像定位信号処理装置において、
上記計算手段は、上記仮想マイクから見た上記仮想音源の角度を計算するマイク角度計算手段を有することを特徴とする音像定位信号処理装置。 - 請求項10記載の音像定位信号処理装置において、
上記計算手段は、上記距離計算手段により計算された上記仮想音源と上記仮想マイクの距離による上記仮想音源の遅延量を計算する遅延量計算手段を有することを特徴とする音像定位信号処理装置。 - 請求項10記載の音像定位信号処理装置において、
上記計算手段は、上記距離計算手段により計算された上記仮想音源と上記仮想マイクの距離による上記仮想音源の減衰率を計算する減衰率計算手段を有することを特徴とする音像定位信号処理装置。 - 請求項11記載の音像定位信号処理装置において、
上記計算手段は、上記音源角度計算手段により計算された上記仮想音源から見た上記仮想マイクの角度による上記仮想音源の指向性による減衰率を計算する音源角度減衰率計算手段を有することを特徴とする音像定位信号処理装置。 - 請求項12記載の音像定位信号処理装置において、
上記計算手段は、上記マイク角度計算手段により計算された上記仮想マイクから見た上記仮想音源の角度による上記仮想マイクの指向性による減衰率を計算するマイク角度減衰率計算手段を有することを特徴とする音像定位信号処理装置。 - 請求項9記載の音像定位信号処理装置において、
上記仮想マイク配置手段は、上記音源データの再生時に入力されるリスナの視聴位置に対応した視聴位置データに基づいて仮想マイクの位置を配置することを特徴とする音像定位信号処理装置。 - 請求項9記載の音像定位信号処理装置において、
上記仮想マイク配置手段は、予め再生側で設定されるリスナの視聴環境データに基づいて仮想マイクの位置を配置することを特徴とする音像定位信号処理装置。 - 請求項9記載の音像定位信号処理装置において、
上記音源データは、ネットワークを介して配信され、または記録媒体を介して供給されることを特徴とする音像定位信号処理装置。 - 請求項13記載の音像定位信号処理装置において、
上記信号処理手段は、上記音源データに対して、上記遅延量計算手段により計算された上記仮想音源と上記仮想マイクの距離による上記仮想音源の遅延量に基づく遅延処理を施す遅延処理手段を有することを特徴とする音像定位信号処理装置。 - 請求項14記載の音像定位信号処理装置において、
上記信号処理手段は、上記音源データに対して、上記減衰率計算手段により計算された上記仮想音源と上記仮想マイクの距離による上記仮想音源の減衰率に基づく減衰処理を施す減衰処理手段を有することを特徴とする音像定位信号処理装置。 - 請求項15記載の音像定位信号処理装置において、
上記信号処理手段は、上記音源データに対して、上記音源角度減衰率計算手段により計算された上記仮想音源から見た上記仮想マイクの角度による上記仮想音源の指向性による減衰率に基づく減衰処理を施す減衰処理手段を有することを特徴とする音像定位信号処理装置。 - 請求項16記載の音像定位信号処理装置において、
上記信号処理手段は、上記マイク角度減衰率計算手段により計算された上記仮想マイクから見た上記仮想音源の角度による上記仮想マイクの指向性による減衰率に基づく減衰処理を施す減衰処理手段を有することを特徴とする音像定位信号処理装置。 - 基準位置に対して位置情報を有して再生時における再生音像を任意の位置に定位させるように制作時において複数の音源から入力される各音源データに信号処理を施す音像定位信号処理方法において、
上記複数の音源の位置を設定して音源位置出力を出力する音源設定ステップと、
上記複数の音源の再生音を出力する複数のスピーカの位置を設定してスピーカ位置出力を出力するスピーカ設定ステップと、
上記基準位置となるリスナの位置を設定してリスナ位置出力を出力するリスナ設定ステップと、
上記音源位置出力、スピーカ位置出力およびリスナ位置出力に基づいて上記複数の音源の再生音を出力する音源出力ステップと、
を備え、上記各音源データにリアルタイムで信号処理を施して上記位置情報に対応して音像定位位置を制御するようにしたことを特徴とする音像定位信号処理方法。 - 複数の音源から入力される各音源データに対して制作時における制御情報により信号処理を施した各音源データについて、基準位置に対する位置情報に対応するように再生時において再生音像を任意の位置に定位させるように信号処理を施す音像定位信号処理方法において、
供給源から上記各音源データおよび上記音源の位置情報を読み出す読み出しステップと、
上記音源の位置情報に基づいて仮想音源を配置する仮想音源配置ステップと、リスナの視聴位置に応じた仮想マイクの位置を配置する仮想マイク配置ステップと、
上記仮想音源と上記仮想マイクとの位置に基づいて上記仮想マイクに入力される上記仮想音源の音の特性を計算する計算ステップと、
上記計算ステップにより計算された各仮想マイクに入力される音の特性に応じて上記音源データに信号処理を施す信号処理ステップと、
上記信号処理ステップにより信号処理を施された上記音源データに基づく再生音を出力する出力ステップと、
を備え、上記音源データにリアルタイムで信号処理を施して上記位置情報に対応して音像定位位置を制御するようにしたことを特徴とする音像定位信号処理方法。
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