JP2004193677A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ズームレンズ位置をTele側にしたままで、目標の被写体にカメラの撮影方向を比較的容易に向けられ、また、中央の被写体の画像解像度をある程度維持したまま、広角撮影できることを課題とする。
【解決手段】それぞれ独立した画像信号を生成する2つのイメージセンサと、2つの画像信号の間の拡大率を演算する拡大率演算手段と、拡大率に従って2つの画像信号を合成する合成手段とを有することを特徴とする撮像装置が提供される。
【選択図】 図1
【解決手段】それぞれ独立した画像信号を生成する2つのイメージセンサと、2つの画像信号の間の拡大率を演算する拡大率演算手段と、拡大率に従って2つの画像信号を合成する合成手段とを有することを特徴とする撮像装置が提供される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の動画像・静止画像入力カメラの構成を図10に示す。100はカメラの外装カバーでその中において、101はレンズユニット部で、レンズユニットの前面において、102は前玉レンズ、103はフォーカス(Focus)レンズ、104はズーム(Zoom)レンズ、105は光量を制御するIRIS羽根である。106はフォーカスレンズを移動させるフォーカスモータ、107はズームレンズを移動するズームレンズモータ、108は、IRIS羽根を移動して撮像部(CCD)109への光量を制御するIRISモータである。
【0003】
110はCDS(相関2重サンプリング回路)および画像信号を適正レベルにする自動利得制御回路(AGC)である。111はA/D変換器で112はデジタル画像処理プロセス回路である。113は輝度成分Yおよび色成分Cの画像メモリである。114は画像メモリ113内のデジタルデータをアナログ映像信号に変換するビデオ変換回路である。120は、ビデオ(Video)信号の帯域フィルタ回路である。
【0004】
115はCCD109の動作タイミング発生器(TG)で、116は、このTGのタイミング信号から水平・垂直同期信号等を生成するSSG(Standard Signal Generator)である。
【0005】
117はこのカメラの動作を制御するMPUである。118はSSG116のタイミング信号にあわせて、メモリ113への書き込み読み出しを制御するメモリコントローラである。
【0006】
次に従来例の動作ステップを図10に沿って説明する。ビデオカメラユニット101内では、被写体の光信号は、MPU117の制御データに従ってフォーカスレンズ103とズームレンズ104によりCCDセンサ109に精度良く画像を結像させる。このとき、CCD109の最低および最大内(ダイナミックレンジ)に光量を制限するため、IRISの羽根の開きを変え、適正光量がCCD109に入る様に調整する。
【0007】
被写体の光信号は適正時間CCD109に照射されCCD109はその光エネルギーを光電変換し電気信号として内部に蓄える。蓄えられた電気信号はタイミングジェネレータ(TG)115のクロックにしたがって順にフィールド単位で読み出され、CSD&AGC回路110により相関二重サンプリングとゲイン調整がなされる。このCCD109に画素ごとに蓄積されたアナログ映像信号は順にA/D変換器111でデジタルデータに変換される。
【0008】
プロセス回路112は、前記デジタル画像信号に対して所定の色処理・ホワイトバランス調整等をデジタル的に行い、適正レベルに調整されたデジタルビデオ信号であるY,U/V信号を出力する。また、プロセス回路112ではレンズユニット111を駆動するために必要な鮮鋭度信号などを取り出し、マイコンMPU117に出力する。
【0009】
プロセス回路112で計算されたY,U/Vデジタル信号は、SSG116からの垂直(V)・水平(H)同期信号および画素タイミング信号に同期してメモリコントローラ118で作製されたアドレス・書き込みクロックに従って輝度・色差メモリに一時記憶される。一方、輝度・色差メモリ113からは、順にメモリコントローラ118の読み出しタイミング制御信号に従って読み出されビデオ変換回路114によりアナログビデオ信号にされ、フィルタ120により帯域制限され出力端子に送られ、モニター等の外部表示装置で、実際の映像として映し出される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の図10の従来カメラでは、ズームレンズが8,10または12倍等の高倍率側にある時、目標の被写体にカメラの撮像方向を向けるには、撮像範囲が非常に狭く、目標被写体にカメラを向けるのには非常に困難で時間がかかった。また、時にはいちいち肉眼でカメラの向きと被写体が合っているかを確認しながら向きを変えたり、または一度ズームレンズをTele側からWide(広角)側に移動して常に被写体が中央に位置するようにカメラの向きを制御しながら、ズームレンズをTele側に移動して被写体を撮影画面の中で好みのサイズに合わせていた。また、人物が複数人集まった被写体全体をある距離から撮影しようとした時、従来の単板CCDセンサを使ったカムコーダでは画素数の問題から各人物の表情を詳細に撮影することは難しく、かなりの画素数のCCDを3枚使った3チップカメラやハイビジョン等のカメラを使う以外に方法が無かった。
【0011】
また、TV会議用のパン(Pan)/チルト(Tilt)/ズーム(Zoom)カメラにおいては、従来では、会議参加者全体を撮影するカメラと話者をクローズアップするカメラ2台を別々に配置し、必要に応じてその2台のビデオ信号をスイッチャで切り替えて、コーデック(Codec)に導き相手側に送っていた。
【0012】
本発明は、上記の様な、ズームレンズ位置をTele側にしたままで、目標の被写体にカメラの撮影方向を比較的容易に向けられ、また、中央の被写体の画像解像度をある程度維持したまま、広角撮影できることを、比較的ローコストで実現することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、それぞれ独立した画像信号を生成する2つのイメージセンサと、前記2つの画像信号の間の拡大率を演算する拡大率演算手段と、前記拡大率に従って前記2つの画像信号を合成する合成手段とを有することを特徴とする撮像装置が提供される。
【0014】
本発明によれば、ズームレンズ位置をTele側にしたままで、目標の被写体にカメラの撮影方向を比較的容易に向けられる。また、中央の被写体の画像解像度をある程度維持したまま広角撮影できる。また、比較的ローコストで実現することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による画像入力用カメラ(撮像装置)の構成ブロック図を示す。図1において、2は本実施形態の尤も特徴的な構成のレンズユニットである。
【0016】
5は前玉レンズ、6は被写体からの光をズームレンズ側(ズームAF−CCD部4)および単焦点レンズユニット部(単焦点CCD部3)に分離する分光器である。7は、分光器からの被写体光を単焦点レンズユニット部に導く、ミラーである。8は単焦点レンズユニット内のフォーカスレンズ部、9は同内の第一のCCDセンサ(イメージセンサ)である。
【0017】
一方、ズームレンズユニット側では、14は、マイコン27からの司令で稼動するフォーカスレンズである。同様に、15はズームレンズである。12は、光の量を制限するIRIS羽根(制御モータを含む)である。16は、第二のCCDセンサである。
【0018】
25は、第一および第二のCCDセンサの蓄積・読み出しのタイミングを規定するタイミングジェネレータ(TG)で、17および18はCCD信号の相関2重サンプリング(CSD)とAGC回路である。
【0019】
19および20はCCD各画素からのアナログ信号をデジタル信号に変換する高速A/D変換回路である。21,22はそれぞれ単焦点カメラCCDおよびズームレンズ用プロセス回路である。また、23,24はそれぞれ第一の画像(輝度・色差)メモリおよび第二の画像(輝度・色差)メモリである。
【0020】
29は広角固定焦点カメラからの第一の画像メモリ23内の画像とズームカメラからの第二の画像メモリ24内の画像の拡大率を計算する拡大率計算回路である。30は拡大率計算の結果に従って第二の画像をスケーリングする演算回路である。31は、第一の画像メモリからの画像データとスケーリングされた第二の画像メモリ内のデータを合成し貯える画像合成メモリである。
【0021】
図1に沿って順に説明する。被写体(図不記)からの光は本実施形態のカメラの前玉レンズ5を介して、2のレンズユニットに入り、プリズム等の分光器6によって直進波と反射波に分離される。
【0022】
反射波はミラー7により、単焦点レンズ8に導かれ、第一のCCDセンサ9の撮像面上に結像される。第一のCCDセンサ9は、電子シャッタ等の露光制御回路(図不記)及び17のCSD&AGC回路により適正レベルに調整され、TG25の読み出しタイミングクロックに合わせてラインごとに読み出されサンプルホールドされ、A/D変換器19によりSSG26のタイミング信号に合わせて、画素単位でデジタル化される。プロセス処理部21に導かれたデジタル画素データは、輝度信号・色差信号の順に計算され、メモリコントローラ28で指定されたアドレスとタイミングで画像メモリ23に記憶される。
【0023】
一方、分光器6を通過した直進波は、フォーカスレンズ14およびズームレンズ15により第二のCCDセンサの撮像面に合点するように、マイコン(MPU)27は合焦状況に合わせて、フォーカスモータ10およびズームモータ11を駆動する。第二のCCDセンサヘの被写体光の照射量を制限し適正露出が得られる様に、IRIS羽根12の開閉を調整する。これにより、CCDには適正量の光が入射される。第二のセンサ16に蓄積された被写体電気信号は、TG25からの読み出しタイミングクロックに合わせて第一のCCDセンサ9と同様にラインごとに読み出されサンプルホールドされ、SSG26のタイミング信号に合わせてA/D変換器20により画素単位でデジタル化される。プロセス処理部21に導かれたデジタル画素データは、輝度信号・色差信号の順に計算され、メモリコントローラ28で指定されたアドレスとタイミングで画像メモリ24に記憶される。
【0024】
図2には、前記第一画像メモリ23および第二の画像メモリ24に蓄積された画像例40,43をそれぞれ示した。また、第一及び第二の画像メモリの画素数は縦横同一の重みで画素比で480×640画素(VGA解像度)の時を一例として説明する。
【0025】
第一の画像メモリの画像の中の点線枠41が、第二のCCDセンサによって撮像された撮像範囲であり、第二の画像メモリ内の画像43に相当する。
【0026】
次に、図2中で説明した、第一の画像メモリの画像の中の点線枠41で示された画像が第二のメモリ画像43であることをどのように導き出すかを図3および図4を使って説明する。本実施形態では、画像の一致度を図る方法としてテンプレート比較方式を例にして説明する。
【0027】
図3では、第二の画像メモリ内の画像からのテンプレートデータの作成法を説明する。第二の画像メモリの水平垂直の各ラインから(M,N)のラインを選択する。デフォルトではM=240、N=420の中心点とする。
【0028】
水平方向のテンプレートデータは、f(P(i,j),・・・,P(i,k))を画素jからkまでの水平画素点の集まりと定義する。各テンプレートは、第一のテンプレートの画素数から8画素ずつ減らし、図5のテンプレートデータTmqの求め方のようにして、f(P(1,1),P(1,2),・・・,P(1,640))のデータを縮小再配置して求める。垂直方向も同様である。
【0029】
第1のテンプレートデータTm1(x)=f(P(1,1),P(1,2),・・・,P(1,640))
第2のテンプレートデータTm2(x)=f(P(2,5),P(2,6),・・・,P(2,636))
第3〜第72のテンプレートデータも同様である。
第73のテンプレートデータTm73=f(P(73,293),・・・,P(73,348))
【0030】
垂直方向のテンプレートデータは、f(Q(i,j),・・・,Q(i,k))を画素jからkまでの垂直画素点の集まりと定義する。
【0031】
第1のテンプレートデータTn1(x)=f(Q(1,1),Q(1,2),・・・,Q(1,480))
第2のテンプレートデータTn2(x)=f(Q(2,4),Q(2,5),・・・,Q(2,477))
第3〜第72のテンプレートデータも同様である。
第73のテンプレートデータTn73(x)=f(Q(73,220),・・・,Q(73,260))
【0032】
この水平テンプレートTmqと垂直テンプレートTnq(ただしq=1〜73の整数)とを第一の画像メモリ内の(Xc,Yc)を中心にして図4の式(1)及び式(2)を演算する。
【0033】
式(1)はテンプレートTmqに対する水平方向の一画素当たりの平均相違度Sm(q)を求める式である。
【0034】
式(2)はテンプレートTnqに対する垂直方向の一画素当たりの平均相違度Sn(q)を求める式である。
【0035】
順に上記すべてのテンプレート(q=1〜73)に渡って式(3)のS(q)を計算する。ここでG(x,y)は第一の画像メモリ内の各画素点の輝度値である。そして、S(q)が最小となるqの値を求める。
【0036】
前記、第二のカメラの撮像中心の第一のカメラの撮像中心のずれ角Thからくる中心位置座標のずれ(Xc,Yc)として、予め本カメラの組み立て調整段階で、キャリブレーションデータとしてMPU27内のEEPROMに記憶されていても良いし、また、カメラのキャリブレーション機能としてユーザの操作により特定被写体を撮影してもらい位置誤差を測定し得られた結果をEEPROM内に記憶させてもよい。
【0037】
図6に本実施形態の第一の画像メモリ23内の画像と第二の画像メモリ24内の画像の拡大比率(ズーム比)の計算29の実行フローの一例を示す。
【0038】
ステップ50からプログラムはスタートし、ステップ51では第二のカメラのズーム位置が変更されるたびに、この拡大比率の計算が行われる様に、ズーム位置が変更されたか否かを確認する。次に、フォーカスが正しく被写体に合焦されているかを確認してから、拡大比率の計算が開始される。
【0039】
ステップ53でテンプレートデータTm1,Tn1の読み出しを行う。
【0040】
ステップ54で、ループカウンタqの最大値をqmaxとし、画像の相違度値Sの最小値をSminとし、q=1、qmax=73、Smin=255、相違度Sが最小となるqをZoomqと定義して、Zoomq=1で初期化する。
【0041】
ステップ55でテンプレートとの比較が1〜73まで終了したかを判別する。
【0042】
ステップ56では、各q番目のテンプレートでの相違度値S(q)を計算する。
【0043】
ステップ57では計算された相違度値S(q)がSminより小さいかを確認し小さければ、ステップ58でそのqの値をZoomqに書きこみ、またSminにS(q)の値を書きこむ。
【0044】
ステップ59で、q=q+1としてループカウンタを増やしステップ55に戻る。
【0045】
ステップ60では、相違度の計算がテンプレート1〜73まで実行され、Sminが基準値Srefよりも小さければ計算結果が正しいとして、ステップ61にて拡大倍率=640/(640−8×q)および画像メモリ23内の枠点線41の位置座標始点(4×Zoomq+1,3×Zoomq+1)および終点(640−4×Zoomq,480−3×Zoomq)が得られる。
【0046】
ステップ62にてこの拡大率情報がデジタル演算部30のレジスタにセットされ、以降この拡大率がデジタル演算のスケール値として使われる。一方、位置座標始点、終点データは画像合成部31に送られ、第一の画像メモリ23からの画像データに第二の画像メモリ24の画像を合成表示する位置情報として使われる。
【0047】
以上の様にして、第二のカメラユニットによって撮影された画像が、第一のカメラユニットで撮影された画像の中のどの部分の画像に相当するか(領域)、拡大率がいくつかが求められる。
【0048】
次に、図1の画像合成部31の動作を説明する。第三の画像メモリは、たとえば第一および第二の画像メモリの縦横ともに2倍の画像メモリを有する構成にする。この目的は、ズームすることにより得られた第二の画像メモリの情報を第一の画像メモリ480×640に合成しようとした場合、第二の画像情報を縮小して合成することになり、せっかくズームして得られた鮮明な画像情報(高周波成分)を捨てることになってしまう。この問題をより少ない影響におさえて、合成を実現するため、第一および第二の画像メモリヘの画素単位のアクセス周波数f1のN倍(N=2以上の整数で本実施形態ではN=2)に設定することにより、比較的簡単な補間演算により高速で画質の落ちをより少なくして合成および第三の画像メモリ31への合成画像の展開を可能にできる。第二の画像メモリ内の画像は、N×(640−8×q)/640倍の拡大計算をして、また、第一の画像は、N倍に拡大され第三のメモリに書き込まれ合成される。また、第一の画像と第二の画像の境目を平均化演算して目立たなくする事も合成画像をより自然に見せる上ではより効果的である。
【0049】
図9に第三の画像メモリに書きこまれた合成画像と画素座標の関係を示した。
【0050】
次に前記第三の画像メモリの合成画像は、N×f1の周波数で読み出され切り替えスイッチ部35に送られる。カメラ本体に取り付けられた動作切り替えパネル37の操作に対応して、スイッチ部35はSW1,SW2またはSW3の表示モードが切り替えられる。SW1またはSW2が選択されている場合は、フィルタ38の帯域フィルタはf1/2付近のロールオフ周波数になるように切り替えられる。また、SW3が選択されている場合は、フィルタ38の帯域はN×f1/2付近のロールオフ周波数フィルタに切りかえられる。切り替えスイッチ部35の出力は、ビデオ変換回路(D/A変換器)34によりアナログビデオ信号にされ、フィルタ38により帯域制限され出力端子に送られ、モニター等の外部表示装置で、実際の映像として映し出される。
【0051】
これにより、第三の画像メモリ31の合成データをより高画質を維持した状態でコンピュータモニタ等の表示部(図不記)に出力できる。
【0052】
また、このデジタルデータは、IEEE1394やSCSI等の高速画像I/Fドライバを介して外部のコンピュータや画像処理機器等に接続され、転送される。
【0053】
図7及び図8には、相違度S(q)の計算をより少ない計算量で求める一例を示した。
【0054】
まず、図1のレンズユニット2内のズームパルスモータ11の位置とそのときのレンズ焦点距離の関係を図7に示す。
【0055】
図8には、第一のCCDセンサのサイズC1と、第一のフォーカスレンズ8の焦点距離F1と、第二のCCDセンサのサイズC2と、第二のフォーカスレンズ14の焦点距離F2とから式(6)のごとく計算上の拡大率Zが求められる。
【0056】
したがって、前記の図3、図4および図6のフローで説明した拡大率の求め方では、すべてのテンプレート候補に関して相違度の値を計算したが、このズームモータの位置情報から得られた拡大率付近に相当するテンプレートの相違度S(q)の最小値を求めるようにすることで、余計な計算をしなくてすむ様にできる。
【0057】
本実施形態では輝度データのみによる画像の相違度S(q)を使って第二の画像メモリ内の画像の第一の画像メモリ内の対象画像の位置および拡大率の求め方を説明したが、同様に色差メモリのデータを使うこともまた組み合わせることも可能である。
【0058】
また、本実施形態ではテンプレートとしてあるライン単位でのテンプレートを用意したが、複数ラインに渡るテンプレートを用意して、より信頼性をあげることも効果的であり可能である。また複数ラインではなく、演算処理速度が十分な専用計算回路を用意して、第二の画像メモリの全体縮小画像を順に計算しそれをテンプレート画像として、画像メモリ1の画像と比較して、対象位置を求めることも可能である。
【0059】
本実施形態では、横方向8画素、縦方向6画素ごとにテンプレートを作製してそのテンプレートに対する画像の相違度を求めたため、位置の誤差が最大水平7、垂直6画素考えられるが、もっと精度良くするため、さらに一画素ずつ変化させたテンプレートを用意し、計算し精度を上げることもできる。
【0060】
なお、パン/チルト/ズームカメラは、カメラ部が、パン及びチルトの雲台メカ上に配置される。
【0061】
(第二の実施形態)
図11に第二の実施形態として、圧縮回路39において、第三の画像メモリのデータをJPEG,H261,H263やMPEG等の圧縮を施してから高速インターフェース33を介して出力する例を示した。(JPEG,H261,263,MPEG等は標準規格書を参照)
【0062】
(第三の実施形態)
図12は、本発明の第三の実施形態による画像入力用カメラの構成ブロック図を示す。第一の実施形態では第一のレンズユニット部を単焦点CCD部3、第二のレンズユニット部をズームAF−CCD部4として説明したが、第一のレンズユニット部に第二のレンズユニット同様にズームAF−CCD部による構成においても、計算処理等は多少複雑となるが、得られる効果は同様である。すなわち、第一のレンズユニット部は、フォーカスレンズ68、フォーカスレンズモータ69、ズームレンズ70、ズームレンズモータ67、IRIS羽根(制御モータを含む)66を有する。
【0063】
以上のように、上記の実施形態によれば、レンズユニット内に、ズーム倍率可変のCCDブロックと広角で単焦点のCCDブロックを収納し、そのそれぞれの撮像データを別々に画素単位にA/D変換しプロセス処理後、両画像の相対位置関係および拡大率を撮像画像から自動計測し、そのデータに従って、前記2つのカメラからの映像信号を必要に応じて、合成または子画面配置をし、より広い画面を見ながらの画角合わせや、広い画角においても中央部分の画像解像度を落とすこと無く表示することができる。
【0064】
これにより、ズームレンズ位置をTele側にしたままで、Wide側の画像を確認でき、目標の被写体にカメラの撮影方向を比較的容易に向けられ、また、広角での撮影時にも中央の被写体の画像解像度向上を比較的ローコストで実現することができる。
【0065】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0066】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0067】
[実施態様1]それぞれ独立した画像信号を生成する2つのイメージセンサと、
前記2つの画像信号の間の拡大率を演算する拡大率演算手段と、
前記拡大率に従って前記2つの画像信号を合成する合成手段と
を有することを特徴とする撮像装置。
【0068】
[実施態様2]さらに、前記2つの画像信号をデジタル化するA/D変換器と、
前記デジタル化された2つの画像信号を記憶するためのメモリ手段と
を有することを特徴とする実施態様1記載の撮像装置。
【0069】
[実施態様3]さらに、レンズからの光を第一および第二の光に分枝して前記2つのイメージセンサに導く分光器を有することを特徴とする実施態様1又は2記載の撮像装置。
【0070】
[実施態様4]前記合成手段は、前記拡大率に従って一方の画像信号をスケーリングして他方の画像信号と合成することを特徴とする実施態様1〜3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【0071】
[実施態様5]さらに、前記2つのイメージセンサが生成する2つの画像信号を記憶する第1及び第2のメモリと、
前記合成された画像信号を記憶する第3のメモリと、
前記第1〜第3のメモリの画像信号のいずれかを選択して出力する切り替え手段と
を有することを特徴とする実施態様1〜4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【0072】
[実施態様6]前記第3のメモリからの読み出し周波数は、前記第1のメモリ及び前記第2のメモリからの読み出し周波数のN倍(N=2以上の整数)であることを特徴とする実施態様5記載の撮像装置。
【0073】
[実施態様7]さらに、前記合成された画像を圧縮するための圧縮手段を有することを特徴とする実施態様1〜6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【0074】
[実施態様8]前記撮像装置は、カメラ部がパン及びチルトの雲台メカ上に配置されるパン/チルト/ズームカメラであることを特徴とする実施態様1〜7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【0075】
[実施態様9]さらに、前記合成された画像信号をビデオアナログ信号に変換するビデオ変換手段を有することを特徴とする実施態様1〜8のいずれか1項に記載の撮像装置。
【0076】
[実施態様10]2つのイメージセンサによりそれぞれ独立した画像信号を生成する生成ステップと、
前記2つの画像信号の間の拡大率を演算する拡大率演算ステップと、
前記拡大率に従って前記2つの画像信号を合成する合成ステップと
を有することを特徴とする撮像方法。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ズームレンズ位置をTele側にしたままで、目標の被写体にカメラの撮影方向を比較的容易に向けられる。また、中央の被写体の画像解像度をある程度維持したまま広角撮影できる。また、比較的ローコストで実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る撮像装置全体ブロック図である。
【図2】本実施形態における画像メモリ内の画像例を示す図である。
【図3】第二の画像メモリ内の画像からテンプレートデータの作成方法を示す図である。
【図4】本実施形態における拡大比率計算例を示す図である。
【図5】本実施形態におけるテンプレートデータTmqの求め方を示す図である。
【図6】本実施形態における拡大比率計算フローを示す図である。
【図7】本実施形態の第二のレンズユニットのズームレンズ位置情報と焦点距離の関係を示す図である。
【図8】本実施形態の第二のレンズユニットの焦点距離と第一のレンズユニットの焦点距離から計算される理論拡大率を示す図である。
【図9】本実施形態の第三の画像メモリに記録された合成画像の例を示す図である。
【図10】従来例の画像入力カメラを示す図である。
【図11】第二の実施形態を示す図である。
【図12】第三の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
1 カメラ外装カバー
2 レンズユニット
3 単焦点CCD部
4 ズームAF−CCD部
5 前玉レンズ
6 分光器
7 ミラー
8 単焦点フォーカスレンズ
9 第一のCCDセンサ
10 フォーカスモータ
11 ズームモータ
12 IRISモータ
17,18 CSD&AGC
19,20 A/D変換器
21,22 プロセス回路
23 第一の画像メモリ
24 第二の画像メモリ
28 画像メモリコントローラ
29 拡大率計算部
30 デジタル演算
31 画像合成部
32 第三の画像メモリ
34 ビデオ変換回路
35 切り替えスイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の動画像・静止画像入力カメラの構成を図10に示す。100はカメラの外装カバーでその中において、101はレンズユニット部で、レンズユニットの前面において、102は前玉レンズ、103はフォーカス(Focus)レンズ、104はズーム(Zoom)レンズ、105は光量を制御するIRIS羽根である。106はフォーカスレンズを移動させるフォーカスモータ、107はズームレンズを移動するズームレンズモータ、108は、IRIS羽根を移動して撮像部(CCD)109への光量を制御するIRISモータである。
【0003】
110はCDS(相関2重サンプリング回路)および画像信号を適正レベルにする自動利得制御回路(AGC)である。111はA/D変換器で112はデジタル画像処理プロセス回路である。113は輝度成分Yおよび色成分Cの画像メモリである。114は画像メモリ113内のデジタルデータをアナログ映像信号に変換するビデオ変換回路である。120は、ビデオ(Video)信号の帯域フィルタ回路である。
【0004】
115はCCD109の動作タイミング発生器(TG)で、116は、このTGのタイミング信号から水平・垂直同期信号等を生成するSSG(Standard Signal Generator)である。
【0005】
117はこのカメラの動作を制御するMPUである。118はSSG116のタイミング信号にあわせて、メモリ113への書き込み読み出しを制御するメモリコントローラである。
【0006】
次に従来例の動作ステップを図10に沿って説明する。ビデオカメラユニット101内では、被写体の光信号は、MPU117の制御データに従ってフォーカスレンズ103とズームレンズ104によりCCDセンサ109に精度良く画像を結像させる。このとき、CCD109の最低および最大内(ダイナミックレンジ)に光量を制限するため、IRISの羽根の開きを変え、適正光量がCCD109に入る様に調整する。
【0007】
被写体の光信号は適正時間CCD109に照射されCCD109はその光エネルギーを光電変換し電気信号として内部に蓄える。蓄えられた電気信号はタイミングジェネレータ(TG)115のクロックにしたがって順にフィールド単位で読み出され、CSD&AGC回路110により相関二重サンプリングとゲイン調整がなされる。このCCD109に画素ごとに蓄積されたアナログ映像信号は順にA/D変換器111でデジタルデータに変換される。
【0008】
プロセス回路112は、前記デジタル画像信号に対して所定の色処理・ホワイトバランス調整等をデジタル的に行い、適正レベルに調整されたデジタルビデオ信号であるY,U/V信号を出力する。また、プロセス回路112ではレンズユニット111を駆動するために必要な鮮鋭度信号などを取り出し、マイコンMPU117に出力する。
【0009】
プロセス回路112で計算されたY,U/Vデジタル信号は、SSG116からの垂直(V)・水平(H)同期信号および画素タイミング信号に同期してメモリコントローラ118で作製されたアドレス・書き込みクロックに従って輝度・色差メモリに一時記憶される。一方、輝度・色差メモリ113からは、順にメモリコントローラ118の読み出しタイミング制御信号に従って読み出されビデオ変換回路114によりアナログビデオ信号にされ、フィルタ120により帯域制限され出力端子に送られ、モニター等の外部表示装置で、実際の映像として映し出される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の図10の従来カメラでは、ズームレンズが8,10または12倍等の高倍率側にある時、目標の被写体にカメラの撮像方向を向けるには、撮像範囲が非常に狭く、目標被写体にカメラを向けるのには非常に困難で時間がかかった。また、時にはいちいち肉眼でカメラの向きと被写体が合っているかを確認しながら向きを変えたり、または一度ズームレンズをTele側からWide(広角)側に移動して常に被写体が中央に位置するようにカメラの向きを制御しながら、ズームレンズをTele側に移動して被写体を撮影画面の中で好みのサイズに合わせていた。また、人物が複数人集まった被写体全体をある距離から撮影しようとした時、従来の単板CCDセンサを使ったカムコーダでは画素数の問題から各人物の表情を詳細に撮影することは難しく、かなりの画素数のCCDを3枚使った3チップカメラやハイビジョン等のカメラを使う以外に方法が無かった。
【0011】
また、TV会議用のパン(Pan)/チルト(Tilt)/ズーム(Zoom)カメラにおいては、従来では、会議参加者全体を撮影するカメラと話者をクローズアップするカメラ2台を別々に配置し、必要に応じてその2台のビデオ信号をスイッチャで切り替えて、コーデック(Codec)に導き相手側に送っていた。
【0012】
本発明は、上記の様な、ズームレンズ位置をTele側にしたままで、目標の被写体にカメラの撮影方向を比較的容易に向けられ、また、中央の被写体の画像解像度をある程度維持したまま、広角撮影できることを、比較的ローコストで実現することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、それぞれ独立した画像信号を生成する2つのイメージセンサと、前記2つの画像信号の間の拡大率を演算する拡大率演算手段と、前記拡大率に従って前記2つの画像信号を合成する合成手段とを有することを特徴とする撮像装置が提供される。
【0014】
本発明によれば、ズームレンズ位置をTele側にしたままで、目標の被写体にカメラの撮影方向を比較的容易に向けられる。また、中央の被写体の画像解像度をある程度維持したまま広角撮影できる。また、比較的ローコストで実現することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による画像入力用カメラ(撮像装置)の構成ブロック図を示す。図1において、2は本実施形態の尤も特徴的な構成のレンズユニットである。
【0016】
5は前玉レンズ、6は被写体からの光をズームレンズ側(ズームAF−CCD部4)および単焦点レンズユニット部(単焦点CCD部3)に分離する分光器である。7は、分光器からの被写体光を単焦点レンズユニット部に導く、ミラーである。8は単焦点レンズユニット内のフォーカスレンズ部、9は同内の第一のCCDセンサ(イメージセンサ)である。
【0017】
一方、ズームレンズユニット側では、14は、マイコン27からの司令で稼動するフォーカスレンズである。同様に、15はズームレンズである。12は、光の量を制限するIRIS羽根(制御モータを含む)である。16は、第二のCCDセンサである。
【0018】
25は、第一および第二のCCDセンサの蓄積・読み出しのタイミングを規定するタイミングジェネレータ(TG)で、17および18はCCD信号の相関2重サンプリング(CSD)とAGC回路である。
【0019】
19および20はCCD各画素からのアナログ信号をデジタル信号に変換する高速A/D変換回路である。21,22はそれぞれ単焦点カメラCCDおよびズームレンズ用プロセス回路である。また、23,24はそれぞれ第一の画像(輝度・色差)メモリおよび第二の画像(輝度・色差)メモリである。
【0020】
29は広角固定焦点カメラからの第一の画像メモリ23内の画像とズームカメラからの第二の画像メモリ24内の画像の拡大率を計算する拡大率計算回路である。30は拡大率計算の結果に従って第二の画像をスケーリングする演算回路である。31は、第一の画像メモリからの画像データとスケーリングされた第二の画像メモリ内のデータを合成し貯える画像合成メモリである。
【0021】
図1に沿って順に説明する。被写体(図不記)からの光は本実施形態のカメラの前玉レンズ5を介して、2のレンズユニットに入り、プリズム等の分光器6によって直進波と反射波に分離される。
【0022】
反射波はミラー7により、単焦点レンズ8に導かれ、第一のCCDセンサ9の撮像面上に結像される。第一のCCDセンサ9は、電子シャッタ等の露光制御回路(図不記)及び17のCSD&AGC回路により適正レベルに調整され、TG25の読み出しタイミングクロックに合わせてラインごとに読み出されサンプルホールドされ、A/D変換器19によりSSG26のタイミング信号に合わせて、画素単位でデジタル化される。プロセス処理部21に導かれたデジタル画素データは、輝度信号・色差信号の順に計算され、メモリコントローラ28で指定されたアドレスとタイミングで画像メモリ23に記憶される。
【0023】
一方、分光器6を通過した直進波は、フォーカスレンズ14およびズームレンズ15により第二のCCDセンサの撮像面に合点するように、マイコン(MPU)27は合焦状況に合わせて、フォーカスモータ10およびズームモータ11を駆動する。第二のCCDセンサヘの被写体光の照射量を制限し適正露出が得られる様に、IRIS羽根12の開閉を調整する。これにより、CCDには適正量の光が入射される。第二のセンサ16に蓄積された被写体電気信号は、TG25からの読み出しタイミングクロックに合わせて第一のCCDセンサ9と同様にラインごとに読み出されサンプルホールドされ、SSG26のタイミング信号に合わせてA/D変換器20により画素単位でデジタル化される。プロセス処理部21に導かれたデジタル画素データは、輝度信号・色差信号の順に計算され、メモリコントローラ28で指定されたアドレスとタイミングで画像メモリ24に記憶される。
【0024】
図2には、前記第一画像メモリ23および第二の画像メモリ24に蓄積された画像例40,43をそれぞれ示した。また、第一及び第二の画像メモリの画素数は縦横同一の重みで画素比で480×640画素(VGA解像度)の時を一例として説明する。
【0025】
第一の画像メモリの画像の中の点線枠41が、第二のCCDセンサによって撮像された撮像範囲であり、第二の画像メモリ内の画像43に相当する。
【0026】
次に、図2中で説明した、第一の画像メモリの画像の中の点線枠41で示された画像が第二のメモリ画像43であることをどのように導き出すかを図3および図4を使って説明する。本実施形態では、画像の一致度を図る方法としてテンプレート比較方式を例にして説明する。
【0027】
図3では、第二の画像メモリ内の画像からのテンプレートデータの作成法を説明する。第二の画像メモリの水平垂直の各ラインから(M,N)のラインを選択する。デフォルトではM=240、N=420の中心点とする。
【0028】
水平方向のテンプレートデータは、f(P(i,j),・・・,P(i,k))を画素jからkまでの水平画素点の集まりと定義する。各テンプレートは、第一のテンプレートの画素数から8画素ずつ減らし、図5のテンプレートデータTmqの求め方のようにして、f(P(1,1),P(1,2),・・・,P(1,640))のデータを縮小再配置して求める。垂直方向も同様である。
【0029】
第1のテンプレートデータTm1(x)=f(P(1,1),P(1,2),・・・,P(1,640))
第2のテンプレートデータTm2(x)=f(P(2,5),P(2,6),・・・,P(2,636))
第3〜第72のテンプレートデータも同様である。
第73のテンプレートデータTm73=f(P(73,293),・・・,P(73,348))
【0030】
垂直方向のテンプレートデータは、f(Q(i,j),・・・,Q(i,k))を画素jからkまでの垂直画素点の集まりと定義する。
【0031】
第1のテンプレートデータTn1(x)=f(Q(1,1),Q(1,2),・・・,Q(1,480))
第2のテンプレートデータTn2(x)=f(Q(2,4),Q(2,5),・・・,Q(2,477))
第3〜第72のテンプレートデータも同様である。
第73のテンプレートデータTn73(x)=f(Q(73,220),・・・,Q(73,260))
【0032】
この水平テンプレートTmqと垂直テンプレートTnq(ただしq=1〜73の整数)とを第一の画像メモリ内の(Xc,Yc)を中心にして図4の式(1)及び式(2)を演算する。
【0033】
式(1)はテンプレートTmqに対する水平方向の一画素当たりの平均相違度Sm(q)を求める式である。
【0034】
式(2)はテンプレートTnqに対する垂直方向の一画素当たりの平均相違度Sn(q)を求める式である。
【0035】
順に上記すべてのテンプレート(q=1〜73)に渡って式(3)のS(q)を計算する。ここでG(x,y)は第一の画像メモリ内の各画素点の輝度値である。そして、S(q)が最小となるqの値を求める。
【0036】
前記、第二のカメラの撮像中心の第一のカメラの撮像中心のずれ角Thからくる中心位置座標のずれ(Xc,Yc)として、予め本カメラの組み立て調整段階で、キャリブレーションデータとしてMPU27内のEEPROMに記憶されていても良いし、また、カメラのキャリブレーション機能としてユーザの操作により特定被写体を撮影してもらい位置誤差を測定し得られた結果をEEPROM内に記憶させてもよい。
【0037】
図6に本実施形態の第一の画像メモリ23内の画像と第二の画像メモリ24内の画像の拡大比率(ズーム比)の計算29の実行フローの一例を示す。
【0038】
ステップ50からプログラムはスタートし、ステップ51では第二のカメラのズーム位置が変更されるたびに、この拡大比率の計算が行われる様に、ズーム位置が変更されたか否かを確認する。次に、フォーカスが正しく被写体に合焦されているかを確認してから、拡大比率の計算が開始される。
【0039】
ステップ53でテンプレートデータTm1,Tn1の読み出しを行う。
【0040】
ステップ54で、ループカウンタqの最大値をqmaxとし、画像の相違度値Sの最小値をSminとし、q=1、qmax=73、Smin=255、相違度Sが最小となるqをZoomqと定義して、Zoomq=1で初期化する。
【0041】
ステップ55でテンプレートとの比較が1〜73まで終了したかを判別する。
【0042】
ステップ56では、各q番目のテンプレートでの相違度値S(q)を計算する。
【0043】
ステップ57では計算された相違度値S(q)がSminより小さいかを確認し小さければ、ステップ58でそのqの値をZoomqに書きこみ、またSminにS(q)の値を書きこむ。
【0044】
ステップ59で、q=q+1としてループカウンタを増やしステップ55に戻る。
【0045】
ステップ60では、相違度の計算がテンプレート1〜73まで実行され、Sminが基準値Srefよりも小さければ計算結果が正しいとして、ステップ61にて拡大倍率=640/(640−8×q)および画像メモリ23内の枠点線41の位置座標始点(4×Zoomq+1,3×Zoomq+1)および終点(640−4×Zoomq,480−3×Zoomq)が得られる。
【0046】
ステップ62にてこの拡大率情報がデジタル演算部30のレジスタにセットされ、以降この拡大率がデジタル演算のスケール値として使われる。一方、位置座標始点、終点データは画像合成部31に送られ、第一の画像メモリ23からの画像データに第二の画像メモリ24の画像を合成表示する位置情報として使われる。
【0047】
以上の様にして、第二のカメラユニットによって撮影された画像が、第一のカメラユニットで撮影された画像の中のどの部分の画像に相当するか(領域)、拡大率がいくつかが求められる。
【0048】
次に、図1の画像合成部31の動作を説明する。第三の画像メモリは、たとえば第一および第二の画像メモリの縦横ともに2倍の画像メモリを有する構成にする。この目的は、ズームすることにより得られた第二の画像メモリの情報を第一の画像メモリ480×640に合成しようとした場合、第二の画像情報を縮小して合成することになり、せっかくズームして得られた鮮明な画像情報(高周波成分)を捨てることになってしまう。この問題をより少ない影響におさえて、合成を実現するため、第一および第二の画像メモリヘの画素単位のアクセス周波数f1のN倍(N=2以上の整数で本実施形態ではN=2)に設定することにより、比較的簡単な補間演算により高速で画質の落ちをより少なくして合成および第三の画像メモリ31への合成画像の展開を可能にできる。第二の画像メモリ内の画像は、N×(640−8×q)/640倍の拡大計算をして、また、第一の画像は、N倍に拡大され第三のメモリに書き込まれ合成される。また、第一の画像と第二の画像の境目を平均化演算して目立たなくする事も合成画像をより自然に見せる上ではより効果的である。
【0049】
図9に第三の画像メモリに書きこまれた合成画像と画素座標の関係を示した。
【0050】
次に前記第三の画像メモリの合成画像は、N×f1の周波数で読み出され切り替えスイッチ部35に送られる。カメラ本体に取り付けられた動作切り替えパネル37の操作に対応して、スイッチ部35はSW1,SW2またはSW3の表示モードが切り替えられる。SW1またはSW2が選択されている場合は、フィルタ38の帯域フィルタはf1/2付近のロールオフ周波数になるように切り替えられる。また、SW3が選択されている場合は、フィルタ38の帯域はN×f1/2付近のロールオフ周波数フィルタに切りかえられる。切り替えスイッチ部35の出力は、ビデオ変換回路(D/A変換器)34によりアナログビデオ信号にされ、フィルタ38により帯域制限され出力端子に送られ、モニター等の外部表示装置で、実際の映像として映し出される。
【0051】
これにより、第三の画像メモリ31の合成データをより高画質を維持した状態でコンピュータモニタ等の表示部(図不記)に出力できる。
【0052】
また、このデジタルデータは、IEEE1394やSCSI等の高速画像I/Fドライバを介して外部のコンピュータや画像処理機器等に接続され、転送される。
【0053】
図7及び図8には、相違度S(q)の計算をより少ない計算量で求める一例を示した。
【0054】
まず、図1のレンズユニット2内のズームパルスモータ11の位置とそのときのレンズ焦点距離の関係を図7に示す。
【0055】
図8には、第一のCCDセンサのサイズC1と、第一のフォーカスレンズ8の焦点距離F1と、第二のCCDセンサのサイズC2と、第二のフォーカスレンズ14の焦点距離F2とから式(6)のごとく計算上の拡大率Zが求められる。
【0056】
したがって、前記の図3、図4および図6のフローで説明した拡大率の求め方では、すべてのテンプレート候補に関して相違度の値を計算したが、このズームモータの位置情報から得られた拡大率付近に相当するテンプレートの相違度S(q)の最小値を求めるようにすることで、余計な計算をしなくてすむ様にできる。
【0057】
本実施形態では輝度データのみによる画像の相違度S(q)を使って第二の画像メモリ内の画像の第一の画像メモリ内の対象画像の位置および拡大率の求め方を説明したが、同様に色差メモリのデータを使うこともまた組み合わせることも可能である。
【0058】
また、本実施形態ではテンプレートとしてあるライン単位でのテンプレートを用意したが、複数ラインに渡るテンプレートを用意して、より信頼性をあげることも効果的であり可能である。また複数ラインではなく、演算処理速度が十分な専用計算回路を用意して、第二の画像メモリの全体縮小画像を順に計算しそれをテンプレート画像として、画像メモリ1の画像と比較して、対象位置を求めることも可能である。
【0059】
本実施形態では、横方向8画素、縦方向6画素ごとにテンプレートを作製してそのテンプレートに対する画像の相違度を求めたため、位置の誤差が最大水平7、垂直6画素考えられるが、もっと精度良くするため、さらに一画素ずつ変化させたテンプレートを用意し、計算し精度を上げることもできる。
【0060】
なお、パン/チルト/ズームカメラは、カメラ部が、パン及びチルトの雲台メカ上に配置される。
【0061】
(第二の実施形態)
図11に第二の実施形態として、圧縮回路39において、第三の画像メモリのデータをJPEG,H261,H263やMPEG等の圧縮を施してから高速インターフェース33を介して出力する例を示した。(JPEG,H261,263,MPEG等は標準規格書を参照)
【0062】
(第三の実施形態)
図12は、本発明の第三の実施形態による画像入力用カメラの構成ブロック図を示す。第一の実施形態では第一のレンズユニット部を単焦点CCD部3、第二のレンズユニット部をズームAF−CCD部4として説明したが、第一のレンズユニット部に第二のレンズユニット同様にズームAF−CCD部による構成においても、計算処理等は多少複雑となるが、得られる効果は同様である。すなわち、第一のレンズユニット部は、フォーカスレンズ68、フォーカスレンズモータ69、ズームレンズ70、ズームレンズモータ67、IRIS羽根(制御モータを含む)66を有する。
【0063】
以上のように、上記の実施形態によれば、レンズユニット内に、ズーム倍率可変のCCDブロックと広角で単焦点のCCDブロックを収納し、そのそれぞれの撮像データを別々に画素単位にA/D変換しプロセス処理後、両画像の相対位置関係および拡大率を撮像画像から自動計測し、そのデータに従って、前記2つのカメラからの映像信号を必要に応じて、合成または子画面配置をし、より広い画面を見ながらの画角合わせや、広い画角においても中央部分の画像解像度を落とすこと無く表示することができる。
【0064】
これにより、ズームレンズ位置をTele側にしたままで、Wide側の画像を確認でき、目標の被写体にカメラの撮影方向を比較的容易に向けられ、また、広角での撮影時にも中央の被写体の画像解像度向上を比較的ローコストで実現することができる。
【0065】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0066】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0067】
[実施態様1]それぞれ独立した画像信号を生成する2つのイメージセンサと、
前記2つの画像信号の間の拡大率を演算する拡大率演算手段と、
前記拡大率に従って前記2つの画像信号を合成する合成手段と
を有することを特徴とする撮像装置。
【0068】
[実施態様2]さらに、前記2つの画像信号をデジタル化するA/D変換器と、
前記デジタル化された2つの画像信号を記憶するためのメモリ手段と
を有することを特徴とする実施態様1記載の撮像装置。
【0069】
[実施態様3]さらに、レンズからの光を第一および第二の光に分枝して前記2つのイメージセンサに導く分光器を有することを特徴とする実施態様1又は2記載の撮像装置。
【0070】
[実施態様4]前記合成手段は、前記拡大率に従って一方の画像信号をスケーリングして他方の画像信号と合成することを特徴とする実施態様1〜3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【0071】
[実施態様5]さらに、前記2つのイメージセンサが生成する2つの画像信号を記憶する第1及び第2のメモリと、
前記合成された画像信号を記憶する第3のメモリと、
前記第1〜第3のメモリの画像信号のいずれかを選択して出力する切り替え手段と
を有することを特徴とする実施態様1〜4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【0072】
[実施態様6]前記第3のメモリからの読み出し周波数は、前記第1のメモリ及び前記第2のメモリからの読み出し周波数のN倍(N=2以上の整数)であることを特徴とする実施態様5記載の撮像装置。
【0073】
[実施態様7]さらに、前記合成された画像を圧縮するための圧縮手段を有することを特徴とする実施態様1〜6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【0074】
[実施態様8]前記撮像装置は、カメラ部がパン及びチルトの雲台メカ上に配置されるパン/チルト/ズームカメラであることを特徴とする実施態様1〜7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【0075】
[実施態様9]さらに、前記合成された画像信号をビデオアナログ信号に変換するビデオ変換手段を有することを特徴とする実施態様1〜8のいずれか1項に記載の撮像装置。
【0076】
[実施態様10]2つのイメージセンサによりそれぞれ独立した画像信号を生成する生成ステップと、
前記2つの画像信号の間の拡大率を演算する拡大率演算ステップと、
前記拡大率に従って前記2つの画像信号を合成する合成ステップと
を有することを特徴とする撮像方法。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ズームレンズ位置をTele側にしたままで、目標の被写体にカメラの撮影方向を比較的容易に向けられる。また、中央の被写体の画像解像度をある程度維持したまま広角撮影できる。また、比較的ローコストで実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る撮像装置全体ブロック図である。
【図2】本実施形態における画像メモリ内の画像例を示す図である。
【図3】第二の画像メモリ内の画像からテンプレートデータの作成方法を示す図である。
【図4】本実施形態における拡大比率計算例を示す図である。
【図5】本実施形態におけるテンプレートデータTmqの求め方を示す図である。
【図6】本実施形態における拡大比率計算フローを示す図である。
【図7】本実施形態の第二のレンズユニットのズームレンズ位置情報と焦点距離の関係を示す図である。
【図8】本実施形態の第二のレンズユニットの焦点距離と第一のレンズユニットの焦点距離から計算される理論拡大率を示す図である。
【図9】本実施形態の第三の画像メモリに記録された合成画像の例を示す図である。
【図10】従来例の画像入力カメラを示す図である。
【図11】第二の実施形態を示す図である。
【図12】第三の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
1 カメラ外装カバー
2 レンズユニット
3 単焦点CCD部
4 ズームAF−CCD部
5 前玉レンズ
6 分光器
7 ミラー
8 単焦点フォーカスレンズ
9 第一のCCDセンサ
10 フォーカスモータ
11 ズームモータ
12 IRISモータ
17,18 CSD&AGC
19,20 A/D変換器
21,22 プロセス回路
23 第一の画像メモリ
24 第二の画像メモリ
28 画像メモリコントローラ
29 拡大率計算部
30 デジタル演算
31 画像合成部
32 第三の画像メモリ
34 ビデオ変換回路
35 切り替えスイッチ
Claims (1)
- それぞれ独立した画像信号を生成する2つのイメージセンサと、
前記2つの画像信号の間の拡大率を演算する拡大率演算手段と、
前記拡大率に従って前記2つの画像信号を合成する合成手段と
を有することを特徴とする撮像装置。
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Cited By (2)
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