JP2004193410A - 電気機器用絶縁フィルムおよびガス絶縁電気機器 - Google Patents

電気機器用絶縁フィルムおよびガス絶縁電気機器 Download PDF

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Abstract

【課題】この発明は、1次コイル線および絶縁フィルムの軸方向への変位が抑えられ、かつ、絶縁性能を向上できるガス絶縁電気機器およびその1次巻線に適用される絶縁フィルムを得る。
【解決手段】絶縁フィルム11は、接着剤13を所定の幅および長さを有するフィルム状の基材12上に格子縞状パターンに塗布形成して構成されている。この格子縞状パターンは、該格子縞状パターンを構成する各ドット13aがそれぞれ8つのドット13aに囲まれ、かつ、各ドット13aの中心と隣接する8つのドット13aの中心とを結ぶ4つの直線B1からB4がそれぞれ基材12の長さ方向Aに対して傾斜するように形成されている。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ガス絶縁計器用変圧器等のガス絶縁電気機器およびそれの高圧コイルに適用される絶縁フィルムに関し、特に高圧コイルを構成する多層円筒巻線形のコイル構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のガス絶縁計器用変圧器では、矩形枠状に構成された鉄心が密閉容器内収納され、SFガス等の絶縁ガスが密閉容器内に封入されている。そして、2次コイルが矩形枠状に構成された鉄心の一辺に円筒状に巻回され、1次コイルが2次コイルの外周に同軸に円筒状に巻回され、電界緩和シールドが最外周に装着されている。この1次コイルは、1次コイル線が連続的に円筒状に巻回され、絶縁フィルムが円筒状に巻回された1次コイル線上に所定回巻回され、さらに1次コイル線が円筒状に巻回された絶縁フィルム上に連続的に円筒状に巻回され、これを繰り返して、多層円筒体に構成されている。そして、絶縁フィルムには、接着剤がフィルム全面に塗布されたもの、接着剤がフィルム上の一部にバー状に塗布されたものが用いられる。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
実開昭60−146326号公報(第5頁6行目乃至第6頁6行目)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この従来のガス絶縁計器用変圧器の1次コイルにおいて、接着剤がフィルム全面に塗布されている絶縁フィルムを用いた場合、大きな接着強度が得られる。そこで、輸送時の機械的外力や1次コイル線に大電流が流入した際に働く電磁機械力により、1次コイル線や絶縁フィルムが軸方向にずれることが防止される。しかしながら、円筒状に巻回された絶縁フィルム間に絶縁ガスが浸透し難くなり、絶縁性能を悪化させる恐れがあった。
一方、接着剤がフィルム上の一部にバー状に塗布された絶縁フィルムを用いた場合には、十分な接着強度が得られない。そこで、輸送時の機械的外力や通電時の電磁機械力が作用したときに、1次コイル線や絶縁フィルムが多層円筒体の軸方向にずれてしまう恐れがあった。この1次コイル線や絶縁フィルムが軸方向に変位しやすくなることは、ガス絶縁計器用変圧器の取り扱いや輸送中の制限が多くなり、またガス絶縁開閉装置等への取付姿勢も制限されるため、取り扱いが不便なうえ、ハンドリング中の管理が複雑になるばかりでなく、ガス絶縁開閉装置等の小型化・縮小化の障害となる。
【0005】
この発明は、上記の課題を解消するためになされたもので、接着剤のフィルム上への塗布パターンを工夫して、十分な接着強度を確保するとともに、絶縁ガスの絶縁フィルム間への浸透を容易にし、1次コイル線および絶縁フィルムの軸方向への変位を抑え、かつ、絶縁性能を向上できるガス絶縁電気機器およびその1次コイルに適用される電気機器用絶縁フィルムを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電気機器用絶縁フィルムは、接着剤が所定の幅および長さを有するフィルム状の絶縁性基材の少なくとも一面上に格子縞状パターンに塗布形成されて構成され、上記格子縞状パターンは、該格子縞状パターンを構成する各ドットがそれぞれ8つのドットに囲まれ、かつ、各ドットの中心と隣接する8つのドットの中心とを結ぶ4つの直線がそれぞれ上記絶縁性基材の長さ方向に対して傾斜するように形成されているものである。
【0007】
また、この発明に係るガス絶縁電気機器は、1次コイルは、1次コイル線の円筒形の巻回層と絶縁フィルムの円筒形の巻回層とを交互に多層に積層して多層円筒体に構成され、上記絶縁フィルムは、接着剤が所定の幅および長さを有するフィルム状の絶縁性基材の少なくとも一面上に格子縞状パターンに塗布形成されて構成され、上記格子縞状パターンは、該格子縞状パターンを構成する各ドットがそれぞれ8つのドットに囲まれ、かつ、各ドットの中心と隣接する8つのドットの中心とを結ぶ4つの直線がそれぞれ上記絶縁性基材の長さ方向に対して傾斜するように形成され、かつ、上記絶縁フィルムの円筒形の巻回層は、上記絶縁性基材の長さ方向を上記1次コイル線の巻回方向に一致させて該絶縁フィルムを所定回巻回して構成されているものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態
図1はこの発明の実施の形態に係るガス絶縁計測用変圧器の全体構造を示す断面図、図2はこの発明の実施の形態に係るガス絶縁計測用変圧器の1次コイルの構造を説明する要部断面図、図3はこの発明の実施の形態に係るガス絶縁計測用変圧器の1次コイルに適用される絶縁フィルムの要部を示す平面図である。
【0009】
図1において、2次コイル2が矩形枠状に構成された鉄心1の一辺に円筒状に巻回され、さらに1次コイル3が2次コイル2の外周に同軸に円筒状に巻回されて電圧変成部を構成している。そして、電界緩和シールド4が1次コイル3の外周に装着されている。電界緩和シールド4は、1次コイル線の巻き終わりと同電位となっており、1次円筒導体7および引き出し端子8を介して外部の電気機器と電気的に接続できるようになっている。
この電圧変成部は、タンク5、カバー6および絶縁スペーサ9からなる容器内に収納されている。そして、タンク5、カバー6、絶縁スペーサ9および引き出し端子8は、ガスケット(図示せず)を介して気密に連結されている。また、引き出し端子8とカバー6とが、絶縁スペーサ9により電気的に絶縁されている。さらに、容器内には、SF等の絶縁ガス10が封入されている。
【0010】
この1次コイル3は、図2に示されるように、絶縁フィルム11が円筒状の2次コイル2上に所定回巻回され、ついで1次コイル線3aが絶縁フィルム11上に連続的に円筒状に巻回され、さらに絶縁フィルム11が円筒状に巻回された1次コイル線3a上に所定回巻回され、これを繰り返して、絶縁フィルム11の円筒形の巻回層と1次コイル線3aの円筒形の巻回層とが交互に積層された多層円筒体に構成されている。そして、絶縁フィルム11の基材12には熱硬化性の接着剤13が塗布されており、絶縁フィルム11の巻回層と1次コイル線3aの巻回層とが交互に積層された後、接着剤13を加熱硬化させて、絶縁フィルム11と1次コイル線3aとを一体化した多層円筒体の1次コイル3が得られる。
【0011】
絶縁フィルム11は、図3に示されるように、接着剤13が所定幅および長さを有するフィルム状の絶縁性の基材12上に格子縞状パターンに塗布されて形成されている。つまり、接着剤13は、各ドット13aがそれぞれ8つのドット13aに囲まれ、かつ、各ドット13aと隣接する8つのドット13aとの中心を結ぶ4つの直線B1〜B4の全てが基材12の長さ方向A(第1コイル線3aの巻回方向Aに相当する)に対して傾きを有する(平行ではない)格子縞状パターンに塗布されている。ここで、格子縞状パターンとは、ドット13aをピッチpで1列に配列されたドット列が、このドット列の配列方向と直交する方向にピッチpで多列に配列されたものである。
【0012】
このように構成された絶縁フィルム11を、円筒状に巻回されている第2コイル2上あるいは第1コイル線3a上に、基材12の幅方向を第2コイル2の軸方向に一致させて(基材12の長さ方向を第1コイル線3aの巻回方向に一致させて)所定回巻回した場合、ドット13aは第1コイル線3aの巻回方向Aに1列に並ばない。そして、第1コイル線3aの巻回方向Aに対する傾き角度が最も小さい直線B2上のドット13aが、図2に示されるように、上段のドット13aが下層のドット13aに対して軸方向一側にシフトするように重なっている。また、ドット13aが格子縞状に配列されているので、ドット13aが基材12上に均等に分布している。その結果、絶縁フィルム11を所定回巻回してなる円筒形の巻回層においては、径方向におけるドット13aの重なり具合が、軸方向および周方向に関して均一化される。
そこで、絶縁フィルム11の円筒形の巻回層の外周面に凹凸の発生が抑えられるので、絶縁フィルム11の円筒形の巻回層上に、第1コイル線3aを整列状態に、即ち蛇行することなく、かつ、粗密になることなく巻回できる。
【0013】
ここで、比較のために、ドット13aが第1コイル線3aの巻回方向Aに1列に並んでいる場合について説明する。なお、図4は参考例としての絶縁フィルムの要部を示す平面図である。
この参考例としての絶縁フィルム20においては、図4に示されるように、ドット13aが縦横に同一ピッチpで配列された格子縞状パターンに基材12上に塗布形成されている。そして、この格子縞状パターンを構成する各ドット13aは、それぞれ8つのドット13aに囲まれ、かつ、各ドット13aと隣接する8つのドット13aとの中心を結ぶ4つの直線C1〜C4のうち1本の直線C2が基材12の長さ方向A(第1コイル線3aの巻回方向Aに相当する)と平行になっている。
【0014】
この絶縁フィルム20を円筒状に巻回されている第2コイル2上あるいは第1コイル線3a上に、基材12の幅方向を第2コイル2の軸方向に一致させて(基材12の長さ方向を第1コイル線3aの巻回方向に一致させて)所定回巻回した場合、直線C2上のドット13aが第1コイル線3aの巻回方向Aに1列に並んでしまう。そこで、絶縁フィルム20を所定回巻回してなる円筒形の巻回層においては、図5に示されるように、ドット13aは径方向に重なってしまい、同様にドット13a間の隙間も径方向に重なってしまう。その結果、径方向に関するドット13aの重なり具合が、軸方向に関して不均一となってしまう。
そこで、絶縁フィルム20の円筒形の巻回層上に第1コイル線3aを巻回してなる参考例としての第1コイル21においては、第1コイル線3aはドット13a間の隙間が重なっている部位に移動してしまい、蛇行、かつ、粗密に巻回されてしまう。
【0015】
このように、この実施の形態によれば、絶縁性フィルム11は、所定幅および長さを有する基材12上に接着剤13を格子縞状パターンに塗布して形成されている。そして、格子縞状パターンを構成する各ドット13aがそれぞれ8つのドット13aに囲まれ、かつ、各ドット13aと隣接する8つのドット13aとの中心を結ぶ4つの直線B1〜B4の全てが基材12の長さ方向Aに対して傾きを有している。そこで、この絶縁フィルム11を用いることにより、第1コイル線3aが蛇行することなく、かつ、粗密になることなく均一に巻回された多層円筒体の第1コイル3を作製することができる。
【0016】
また、接着剤13を基材12に格子縞状パターンに塗布しているので、接着強度が大きくなり、輸送時の機械的外力や通電時の電磁機械力に起因する1次コイル線3aや絶縁フィルム11の軸方向ずれの発生を抑えることができる。その結果、ガス絶縁計器用変圧器の取り扱いや輸送中の制限が少なくなり、またガス絶縁開閉装置等への取付姿勢の制限も少なくなり、取り扱いやハンドリング中の管理が簡易となる。また、本ガス絶縁計器用変圧器を採用すれば、ガス絶縁開閉装置等の小型化・縮小化が図られる。
さらに、接着剤13を基材12に格子縞状パターンに塗布しているので、円筒状に巻回された絶縁フィルム11間に絶縁ガスが浸透しやすくなり、絶縁性能を向上させることができる。
【0017】
ついで、絶縁フィルムの具体例について説明する。
実施例1.
この実施例1では、基材12には厚み25〜100μm、幅50〜300mmのポリエステルフィルムを用い、接着剤13には熱硬化性のエポキシ系接着剤を用いた。また、ドット13aは1辺を5〜20mmとする正方形とした。さらに、図6に示されるように、各ドット13aが縦横に同一ピッチpで配列された接着剤塗布パターンを用いた。この接着剤塗布パターンにおいては、各ドット13aと隣接する8つのドット13aとの中心を結ぶ4つの直線B1〜B4の相互関係は、直線B1、B2が直交し、直線B3、B4が直交し、かつ、直線B1、B3が45度の角度で交差している。そして、直線B2を基材12の長さ方向Aに対して所定角度傾けて接着剤13を基材12に塗布して、絶縁フィルム11Aを作製した。
【0018】
従って、この絶縁フィルム11Aでは、接着剤13は、各ドット13aがそれぞれ8つのドット13aに囲まれ、かつ、各ドット13aと隣接する8つのドット13aとの中心を結ぶ4つの直線B1〜B4の全てが基材12の長さ方向Aに対して傾きを有する格子縞状パターンに形成されている。
【0019】
また、この絶縁フィルム11Aを用いて第1コイル3を作製した場合、ドット13aが正方形に形成されているので、絶縁フィルム11A間に形成される絶縁ガスの浸透経路が一定の幅のストレート状に構成され、絶縁ガスの浸透性が向上される。
また、ドット13aが正方形であるので、接着剤塗布パターンの設計、作製が容易となる。
【0020】
実施例2.
この実施例2では、図7に示されるように、上記実施例1の接着剤塗布パターンに対して、直線B3の方向に並ぶドット13aを直線B4の方向の一側に距離dづつシフトさせた接着剤塗布パターンを用いた。そして、直線B2を基材12の長さ方向Aに対して所定角度傾けて接着剤13を基材12に塗布して、絶縁フィルム11Bを作製した。
従って、この絶縁フィルム11Bにおいても、接着剤13は、各ドット13aがそれぞれ8つのドット13aに囲まれ、かつ、各ドット13aと隣接する8つのドット13aとの中心を結ぶ4つの直線B1〜B4の全てが基材12の長さ方向Aに対して傾きを有する格子縞状パターンに形成されている。
また、この実施例2においても、ドット13aが正方形に形成されているので、上記実施例1と同様の効果が得られる。
【0021】
実施例3.
この実施例3では、図8に示されるように、上記実施例2の接着剤塗布パターンに対して、さらに直線B4の方向に並ぶドット13aを直線B3の方向の一側に距離dずつシフトさせた接着剤塗布パターンを用いた。そして、直線B2を基材12の長さ方向Aに対して所定角度傾けて接着剤13を基材12に塗布して、絶縁フィルム11Cを作製した。
従って、この絶縁フィルム11Cにおいても、接着剤13は、各ドット13aがそれぞれ8つのドット13aに囲まれ、かつ、各ドット13aと隣接する8つのドット13aとの中心を結ぶ4つの直線B1〜B4の全てが基材12の長さ方向Aに対して傾きを有する格子縞状パターンに形成されている。
また、この実施例3においても、ドット13aが正方形に形成されているので、上記実施例1と同様の効果が得られる。
【0022】
ここで、実施例1〜3において、ドット13a間の隙間は、狭すぎると絶縁ガスの浸透経路が確保されなくなり、広すぎると所定回巻回された絶縁フィルムの外周面に凹凸が発生することから、ドット13aの1辺の長さの1/10〜1/2、好ましくはドット13aの1辺の長さの1/4〜1/2とすればよい。
【0023】
実施例4.
この実施例4では、図9に示されるように、円形の各ドット13bがそれぞれ8つのドット13bに囲まれ、かつ、各ドット13bと隣接する8つのドット13bとの中心を結ぶ4つの直線B1〜B4の全てが基材12の長さ方向Aに対して傾きを有する格子縞状パターンに接着剤13を基材12に塗布して絶縁フィルム11Dを作製した。
ここで、ドット13bは直径を5〜20mmとする円形としている。また、ドット13b間の隙間は、ドット13bの直径の長さの1/10〜1/2、好ましくはドット13aの1辺の長さの1/4〜1/2とすればよい。
【0024】
なお、上記各実施例では、ドット13a、13bは正方形若しくは円形としているが、ドット形状は正方形、円形に限定されるものではなく、各ドットがそれぞれ8つのドットに囲まれ、かつ、各ドットと隣接する8つのドットとの中心を結ぶ4つの直線B1〜B4の全てが基材12の長さ方向Aに対して傾きを有する格子縞状パターンに形成されていればよく、例えば、三角形、長方形、5角形、それ以上の多角形、楕円形でもよい。
また、上記各実施例では、基材12としてポリエステルフィルムを用いるものとしているが、基材12はポリエステルフィルムに限定されるものではなく、電気絶縁性を有していればよく、例えばポリプロピレンフィルムでもよい。
また、上記各実施例では、接着剤13としてエポキシ系接着剤を用いるものとしているが、接着剤13はエポキシ系接着剤に限定されるものではなく、熱硬化性接着剤であればよく、例えばウレタン系接着剤でもよい。
【0025】
また、上記各実施例では、接着剤13を基材12の一面にのみ塗布形成するものとしているが、接着剤13を基材12の両面に塗布形成してもよい。この場合、接着強度がさらに大きくなり、1次コイル線および絶縁フィルムの軸方向の変位が確実に抑えられる。さらに、両面に塗布形成されたドットの位置が互いにずれるようにすれば、絶縁フィルムを所定回巻回した際に、径方向におけるドットの重なり具合が、軸方向および周方向に関してさらに均一化される。
【0026】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように、電気機器用絶縁フィルムは、接着剤が所定の幅および長さを有するフィルム状の絶縁性基材の少なくとも一面上に格子縞状パターンに塗布形成されて構成され、格子縞状パターンは、該格子縞状パターンを構成する各ドットがそれぞれ8つのドットに囲まれ、かつ、各ドットの中心と隣接する8つのドットの中心とを結ぶ4つの直線がそれぞれ絶縁性基材の長さ方向に対して傾斜するように形成されている。そこで、この電気機器用絶縁フィルムを所定回巻回することにより、外周に凹凸の発生が抑えられ、十分な接着強度が確保され、かつ、通気路が絶縁フィルム間に形成される円筒形の巻回層が得られる。
【0027】
また、この発明は、1次コイル線の円筒形の巻回層と絶縁フィルムの円筒形の巻回層とを交互に多層に積層して多層円筒体の1次コイルを構成している。そして、絶縁フィルムは、接着剤が所定の幅および長さを有するフィルム状の絶縁性基材の少なくとも一面上に格子縞状パターンに塗布形成されて構成され、格子縞状パターンは、該格子縞状パターンを構成する各ドットがそれぞれ8つのドットに囲まれ、かつ、各ドットの中心と隣接する8つのドットの中心とを結ぶ4つの直線がそれぞれ絶縁性基材の長さ方向に対して傾斜するように形成され、さらに、絶縁フィルムの円筒形の巻回層は、絶縁性基材の長さ方向を1次コイル線の巻回方向に一致させて該絶縁フィルムを所定回巻回して構成されている。そこで、1次コイル線および絶縁フィルムの軸方向への変位を抑え、かつ、絶縁性能を向上できるガス絶縁電気機器が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係るガス絶縁計測用変圧器の全体構造を示す断面図である。
【図2】この発明の実施の形態に係るガス絶縁計測用変圧器の1次コイルの構造を説明する要部断面図である。
【図3】この発明の実施の形態に係るガス絶縁計測用変圧器の1次コイルに適用される絶縁フィルムの要部を示す平面図である。
【図4】この発明の参考例としての絶縁フィルムの要部を示す平面図である。
【図5】この発明の参考例としての絶縁フィルムを適用したガス絶縁計測用変圧器の1次コイルの構造を説明する要部断面図である。
【図6】この発明の実施例1に係る絶縁フィルムの要部を示す平面図である。
【図7】この発明の実施例2に係る絶縁フィルムの要部を示す平面図である。
【図8】この発明の実施例3に係る絶縁フィルムの要部を示す平面図である。
【図9】この発明の実施例4に係る絶縁フィルムの要部を示す平面図である。
【符号の説明】
1 鉄心、2 2次コイル、3 1次コイル、3a 1次コイル線、4 電界緩和シールド、5 タンク(容器)、6 カバー(容器)、9 絶縁スペーサ(容器)、11、11A、11B、11C、11D 絶縁フィルム、12 基材、13 接着剤、13a、13b ドット。

Claims (8)

  1. 接着剤が所定の幅および長さを有するフィルム状の絶縁性基材の少なくとも一面上に格子縞状パターンに塗布形成されている電気機器用絶縁フィルムにおいて、
    上記格子縞状パターンは、該格子縞状パターンを構成する各ドットがそれぞれ8つのドットに囲まれ、かつ、各ドットの中心と隣接する8つのドットの中心とを結ぶ4つの直線がそれぞれ上記絶縁性基材の長さ方向に対して傾斜するように形成されていることを特徴とする電気機器用絶縁フィルム。
  2. 上記ドットは正方形に形成されていることを特徴とする請求項1記載の電気機器用絶縁フィルム。
  3. 上記接着剤が上記絶縁性基材の両面に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電気機器用絶縁フィルム。
  4. 上記絶縁性基材の両面に形成されているドットが互いにずれていることを特徴とする請求項3記載の電気機器用絶縁フィルム。
  5. 鉄心に巻回された2次コイルと、この2次コイルの外周に巻回された1次コイルと、この1次コイルの外周に装着された電界緩和シールドとが、絶縁ガスを封入した容器内に収納されてなるガス絶縁電気機器において、
    上記1次コイルは、1次コイル線の円筒形の巻回層と絶縁フィルムの円筒形の巻回層とを交互に多層に積層して多層円筒体に構成され、
    上記絶縁フィルムは、接着剤が所定の幅および長さを有するフィルム状の絶縁性基材の少なくとも一面上に格子縞状パターンに塗布形成されて構成され、
    上記格子縞状パターンは、該格子縞状パターンを構成する各ドットがそれぞれ8つのドットに囲まれ、かつ、各ドットの中心と隣接する8つのドットの中心とを結ぶ4つの直線がそれぞれ上記絶縁性基材の長さ方向に対して傾斜するように形成され、
    上記絶縁フィルムの円筒形の巻回層は、上記絶縁性基材の長さ方向を上記1次コイル線の巻回方向に一致させて該絶縁フィルムを所定回巻回して構成されていることを特徴とするガス絶縁電気機器。
  6. 上記ドットは正方形に形成されていることを特徴とする請求項5記載のガス絶縁電気機器。
  7. 上記接着剤が上記絶縁性基材の両面に形成されていることを特徴とする請求項5又は請求項6記載のガス絶縁電気機器。
  8. 上記絶縁性基材の両面に形成されているドットが互いにずれていることを特徴とする請求項7記載のガス絶縁電気機器。
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