JP2004193098A - 暖房機能付き照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トイレや洗面所、脱衣場、浴室など冬場に温度が下がる部屋の照明と暖房を行うことができ、また同じ照明ランプを一年を通して使用でき、さらに瞬暖性を有する照明装置を提供する。
【解決手段】ハロゲンヒータ5とランプ6とを備え、ハロゲンヒータ5とランプ6との間に赤外線を遮断する遮断部材4を設け、ハロゲンヒータ5から放射された赤外線がランプ6に直接当射しないようにする。使用者が立っている状態のときに、使用者の頭部に赤外線が集中的に当射されないようにする観点から、天井に取り付けた状態における装置の下面中央の周りに、連続又は不連続に、赤外線出射用の第1の開口部21を設けるのが望ましい。一方、使用者の周りを全体的に照明する観点からは、前記下面中央に可視光線出射用の第2の開口部43を設けるのが望ましい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、暖房機能を有する照明装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トイレや洗面所、脱衣場、浴室などは必要なとき以外は立ち入らないため、冬場は外気温にまで室内温が下がっていることがあり、使用者は不快な思いすることがあった。特に高齢者では寒さのために突発的に体に異常が起こることもあった。そこで暖房器具をトイレや浴室などに配置することがこれまでから行われている。例えば、特許文献1では、トイレに温風発生部を設け使用者を直接温める技術が提案されている。しかしながら、温風により温める方法では、使用者が暖かく感じるまでに時間がかかるため、快適温度に達するまでに用を足していることも珍しくなかった。また、風が体に直接当たることにより逆に寒さを感じることもあった。
【0003】
一方特許文献2では、瞬暖性を得るために赤外線ランプヒータを用いた暖房装置が提案されている。しかしながら、この提案されている暖房装置では、赤外線ランプヒータを暖房と照明とに利用するものであり、所定の明るさを確保するために複数個のランプヒータを使用する必要があった。また、夏場は暖房が不要となるため照明のみの別のランプを使用しなければならない。さらに、提案されている装置は天井の全面を覆うほど大きく、設置するためには大がかりな施工工事が必要と考えられる。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−333873号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開平8−49860号公報(特許請求の範囲、
【0003】段、図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、トイレや洗面所、脱衣場、浴室など冬場に温度が下がる部屋の照明と暖房を一つの装置で行うことができ、さらにそれらの部屋の既存の電気接続部に簡単に取り付けられると共に、同じ照明ランプを一年を通して使用できる、瞬暖性を有する暖房機能付きの照明装置を提供することにある。
【0006】
また本発明の目的は、浴室や脱衣場など湿度の高い部屋でも使用できる照明装置を提供することにある。
【0007】
さらに本発明の目的は、夏場など室内が暑いときには送風を供給できる照明装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、赤外線放射部材と可視光線放射部材とを備え、前記赤外線放射部材と前記可視光線放射部材との間に赤外線を遮断する遮断部材を設け、前記赤外線放射部材から放射された赤外線が前記可視光線放射部材に直接当射しないようにしたことを特徴とする暖房機能付き照明装置が提供される。
【0009】
使用者が立っている状態のときに、使用者の頭部に赤外線が集中的に当射されないようにする観点から、天井に取り付けた状態における装置の下面中央の周りに、連続又は不連続に、赤外線出射用の第1の開口部を設けるのが望ましい。一方、使用者の周りを全体的に照明する観点からは、前記下面中央に可視光線出射用の第2の開口部を設けるのが望ましい。照射ムラのないようにするには、第1の開口部は連続したものが好ましい。
【0010】
また、湿度の高い部屋に取り付ける場合には、前記第1の開口部及び前記第2の開口部に赤外線を透過する蓋部材及び可視光線を透過する蓋部材を取り付けると共に、これらの蓋部材と開口部との間に弾性部材を取り付け、防水機能を付与するのが好ましい。あるいは、赤外線及び可視光線を透過する透光性蓋部材を筺体の開口部に取り付けると共に、この透光性蓋部材と開口部との間に弾性部材を取り付け、防水機能を付与してもよい。
【0011】
赤外線の照射範囲を制御する観点から、赤外線を反射させるための反射部材をさらに備えるのが好ましい。また、使用者の目に光源を直接触れさせないようにする観点から、前記反射部材で反射された赤外線を外に出射させるのが好ましい。赤外線を所望部分に照射するには、反射部材としてお碗形状に窪んだものが好ましく、反対に赤外線を部屋全体に照射するには、反射部材として多角錐状又は円錐状に突出してなるものが好ましい。
【0012】
夏場など部屋内が暑いときに使用者に風を送る、あるいは臭いを拡散させる観点からファンを装置にさらに備けてもよい。このようなファンとしては、赤外線を反射するお碗形状に窪んだ反射部材の中央部に形成された柱状突部の周りを回転する羽根と、この羽根を回転させるモータとからなるものが、使用者に多くの風を送れると同時に装置の小型化を図れるので好ましい。この場合、用いる羽根は赤外線を反射または透過するものがよい。さらに、部屋全体を照明すると共に装置の小型化を図る観点から、柱状突部の内部に可視光線放射部材を取り付けるのが望ましい。
【0013】
放射する赤外線の含有割合や形状の加工容易性などの観点から赤外線放射部材としてハロゲンランプを用いるのが好ましい。
【0014】
部屋にある既存の電気接続部に簡単に取り付けられるようにする観点から、外部電源に接続するための電気接続部を1つにするのがよい。
【0015】
また、赤外線放射部材による熱が装置内に蓄積され装置内温度が過度に上昇するのを防止すると共に、装置の軽量化を図る観点から、筺体に通風孔を形成するのが好ましい。この通風孔としてはスリットやメッシュなどが好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明者は、トイレや洗面所、脱衣場、浴室など冬場に温度が下がる部屋を瞬間的に暖房でき、しかも場所をとらないようにするため、部屋の天井や側面に取り付けられている照明装置に赤外線放射部材を付加することを前提に、一年を通して同じ照明ランプを用いると共に、部屋にある既存の電気接続部に簡単に取り付けられるようにすべく鋭意検討を重ねた結果、照明と暖房とを別部材で行うと共に、一つの電気取り入れ部から照明部材と暖房部材へ電気を供給する構造とすればよいことを見出した。一方、照明と暖房とを別部材とした場合には、暖房部材からの熱で照明部材の寿命が極端に短くなるとの知見を得、本発明をなすに至った。
【0017】
すなわち本発明の照明装置の大きな特徴は、照明と暖房とを別部材で行うと共に、暖房部材として赤外線放射部材を用い、そしてこの赤外線放射部材からの赤外線が照明部材に直接当たらないように照明部材と暖房部材との間に赤外線を遮断する遮断部材を設けたことにある。かかる構成により照明部材の温度上昇を効果的に抑えることができ、照明部材の使用寿命を延ばすことができる。
【0018】
以下、本発明の照明装置について図に基づいて詳述するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
【0019】
図1に、本発明の照明装置の一つの実施形態例を示す斜視図を示す。図1の照明装置は、円筒状の筺体1と、この筺体1内に取り付けられる、筺体1の内径と略同一の最大外径を有する、お碗形状に窪んだ反射部材2と、この反射部材2の中心部に形成された孔(不図示)に取付けられたソケット3とを備える。そしてさらに、略円筒状の本体部41と、この本体部41の下端から半径方向外方に水平に延出し、外周部が上方に折曲した鍔状部42とが一体成形された遮断部材4が、ソケット3を取り囲むように取り付けられている。この遮断部材4の内外表面は光を反射するように加工されている。鍔状部42の上面離隔位置には、環状に成形されたハロゲンヒータ(赤外線放射部材)5が取り付けられている。一方、遮断部材4の内側上部に露出しているソケット3にはランプ(可視光線放射部材)6がねじ込み装着されている。
【0020】
また、筺体1の底面周縁部には、ハロゲンヒータ5の入切スイッチSが設けられている。そして図示していないが、ソケット3の上端には、照明装置の固定と電気接続が同時に可能な既存のプラグ(電気接続部)が形成されている。このプラグを、部屋の天井に取り付けられている既存の差し込み口(引掛シーリング)Cに係合させることによって、照明装置は天井に取り付けられると同時に電気の取り入れが可能となる。
【0021】
図1の照明装置の側断面図を図2に示す。点灯したランプ6から放射される可視光線は、直接又は遮断部材4の内壁で反射し、そして遮断部材4の下端開口部(第2の開口部)43から外へ出射し部屋を照明する。一方、点灯したハロゲンヒータ5から放射される赤外線は、直接又は遮断部材4の外表面で反射されて反射部材2に当たり、そして反射して、装置下面の同心円状に帯状の第1の開口部21から外部に出射される。ここで重要なことは、ハロゲンヒータ5から放射された赤外線が遮断部材4によってランプ6に直接当たらないようにしていることにある。これによりランプ6の温度は通常40℃以下に抑えられ、ランプの長寿命化が図られる。
【0022】
本発明で使用できる遮断部材4としては、赤外線を遮断するものであれば特に限定はなく、赤外線を反射する部材であってもよいし吸収断熱する部材であってもよい。放射された赤外線を有効に活用する観点からは前者が好ましい。この場合、光反射性を有する、例えばアルミニウムやステンレス鋼などの金属材料、あるいはプラスチック材料などの表面に金やクロムなどを金属メッキする又は白色塗料を塗布するなどの表面加工を行って遮断部材に光反射性を付与してもよい。
【0023】
遮断部材4の形状に特に限定はなく、ハロゲンヒータ5から放射された赤外線がランプ6に直接当射しないように、ハロゲンヒータ5とランプ6の取付位置などから適宜決定すればよい。図1の照明装置では、ランプ6の周囲に環状のハロゲンヒータ5が配設されているため、ランプ6を取り囲むように筒状の遮断部材4が取り付けられているが、例えば図3に示すように、ハロゲンヒータ5が照明装置の中央部に配設され、ランプ6が装置の底面周縁部に埋設されているような場合には、反射部材2’が遮断部材を兼ねることになる。
【0024】
赤外線放射部材として図1の照明装置ではハロゲンヒータを用いているが、これに限定されるものではなく、赤外線を放射するものであれば従来公知のものが使用できる。赤外線としては波長2.5μm以下の近赤外線、波長2.5〜25μmの(中間)赤外線、波長25μm以上の遠赤外線のいずれであっても瞬暖性を有するので構わないが、この中でも、波長領域が人体を構成する有機物質や水分子の固有振動数と一致して人体に吸収されやすく、また皮膚表面から深部までの分子を一様に共鳴振動させてほぼ同時に発熱させる上、生じた温熱は真皮の上層に分布する、暖かさを感じるルッフィニ小体で瞬間的に感知されることから、遠赤外線が好適である。なお、赤外線放射部材からの放射光には赤外線の他、可視光線が含まれていても構わない。この場合、赤外線放射部材から放射される可視光線を補助的な照明として用いることもできる。反対に、このような可視光線を照明として用いない場合には、後述するように、赤外線出射用の第1の開口部21に、赤外線を透過し可視光線を透過しない(反射する)蓋部材を取り付ければよい。
【0025】
また本発明で使用する可視光線放射部材としては、可視光領域の波長を有する光を放射するものであれば従来公知のものが使用でき、照明する部屋の環境や得たい雰囲気などから適宜決定すればよい。例えば白熱電球や蛍光ランプ、水銀ランプ、ナトリウムランプ、メタルハライドランプなどが挙げられる。
【0026】
ところで、例えば天井の高さが床面から2,000mm以下といった天井の低い部屋に本発明の照明装置を取り付けた場合、使用者が立っている状態のときに、天井に取り付けられた照明装置と使用者の頭部との距離が近いために、例えば図3に示したような、赤外線出射用の第1の開口部21が底面中央部に形成されている照明装置では、照明装置からの赤外線が使用者の頭部に多く照射され、使用者に不快感を与えるおそれがある。そこで、天井の低い部屋に取り付ける場合には、図2に示した照明装置のように、下面の中央の周りに赤外線出射用の第1の開口部21を同心円の帯状に設け、ハロゲンヒータ5から放射される赤外線を反射部材2で反射させた後、この第1の開口部21から出射させて、赤外線の出射方向を制御するのがよい。図4に示すように、このような構成によれば、照明装置の直下に赤外線非照射空間を作ることができ、この空間の大きさや形状をを調整することにより、使用者が立っている状態のときに頭部に照射される赤外線量を低く抑え、且つ座った状態など低い姿勢のときには使用者の体全体に赤外線を当射するように制御できる。
【0027】
赤外線出射用の第1の開口部21の形成位置は、照明装置の下面中央の周りであれば特に限定はなく、照明装置が取り付けられる位置などから適宜決定すればよい。例えば図5に示すように、照明装置の下面の中央部を中心として円周方向に等角度に複数の開口部21’を設け、各開口部ごとにハロゲンヒータ5を設けてもよい。
【0028】
赤外線の照射ムラを抑えるには、図1の照明装置のように、第1の開口部21が連続しているものが好ましい。また、使用者が直接光源を見ることがないようにするためには、反射部材2で反射された赤外線のみを外に出射するようにするのが好ましい。また、使用者が不用意に第1の開口部21に手を入れないように、第1の開口部21に格子(不図示)を取り付けることが推奨される。
【0029】
一方、可視光線照射用の第2の開口部43の形成位置に特に限定はなく、室内における照明装置の取付位置および可視光線の照射希望範囲などから適宜決定すればよいが、一つのランプで室内を広く照明でき、且つ装置の小型化を図れることから、照明装置の下面中央部が推奨される。また第2の開口部43は2つ以上であってももちろん構わない。
【0030】
赤外線放射部材の種類によっては可視光領域の光をも一緒に放射するものがある。この場合、可視光線放射部材から放射される可視光線と、赤外線放射部材から放射される可視光線(多くの場合赤色系)とが混色し、使用者に違和感を与えるおそれがある。そこで図6に示すように、赤外線出射用の第1の開口部21に、赤外線のみを透過する第1の蓋部材71をとりつけ、可視光線が第1の開口部21から外に出射しないようにすればよい。
【0031】
このような第1の蓋部材としては、例えば硼・ケイ酸を主成分とする耐熱ガラスの内表面に、二酸化チタンと二酸化シリコンの各層が積層されたものが挙げられる。これらの層の厚さを調整することにより赤外線は透過し且つ可視光線は反射するようにできる。前記層をさらに多く重ねると、透過率および反射率をさらに大きくできる。
【0032】
可視光線放射部材においても同様に、その種類によっては赤外線や紫外線を一緒に放射するものがある。そこで同じく図6に示すように、赤外線や紫外線を除去する場合には、可視光線出射用の第2の開口部に、可視光線のみを透過する第2の蓋部材72を取り付ければよい。第2の蓋部材72としては前記と同様に、硼・ケイ酸を主成分とする耐熱ガラスの内表面に、二酸化チタンと二酸化シリコンの各層を積層したものであって、可視光線は透過し且つ赤外線や紫外線は反射するように前記層の厚さが調整されたものが挙げられる。
【0033】
ハロゲンヒータからの熱によって装置内温度が上昇するのを防止すると共に、装置の軽量化を図るなどの観点から、筺体に通風孔を形成するのが好ましい。図7に、筺体に通風孔を穿設した装置の一例を示す。図7の装置では、大径の円筒状部の上に小径の円筒状部が接続された形状の筺体1に、通風孔としてのメッシュ12やスリット13、孔14が形成されている。このメッシュ12やスリット13、孔14を通って外気が装置内に流入して装置全体が空冷されるので、装置内温度の上昇が効果的に抑えられる。なお、熱気は装置内の上部に溜まりやすいので、通風孔は装置の上面や上側面に形成するのが好ましい。通風孔の形状や構造にとくに限定はない。この図の装置を用いて行った発明者による実験では、通風孔を設けかなった装置に比べて放熱量が約30%多くなり、装置重量は約15%軽くなった。
【0034】
本発明の照明装置を、例えば浴室や脱衣室など湿度の高い部屋に使用する場合には、照明装置を密封しておく必要がある。このためには、例えば前記のように第1の開口部および第2の開口部にそれぞれ第1の蓋部材71および第2の蓋部材72が取り付けられているときは、図8に示すように、これらの開口部21,43と蓋部材71,72との間に、開口部の外形に合わせた形状の弾性部材8を挟み込んで防水効果を得るのがよい。また、図9に示すような照明装置の内部を保護するために筺体1の開口部11を透光性蓋部材73で封止しているときには、筺体1の開口部11と透光性蓋部材73との間に弾性部材8を挟み込んで防水効果を得るようにしてもよい。
【0035】
このような照明装置の使用状態について次に説明する。照明装置が取り付けられた部屋に使用者が入る場合には、部屋の扉の近傍に配設されている照明装置のスイッチを使用者はオンにする。すると、照明装置のランプ6が点灯し部屋が明るくなる。同時に、ハロゲンヒータ5も点灯するのでハロゲンヒータ5から放射される赤外線が使用者に当射し、使用者は瞬時に暖かさを感じる。もちろん、照明装置のスイッチの代わりに、赤外線センサや振動検知センサなどの人検知センサを設けておき、人検知センサが検知することによって本発明の照明装置が作動するようにしてもよい。
【0036】
一方、夏場など暖房を必要としない場合には、入切スイッチSをオフにすることにより、照明装置の電源がオンされてもハロゲンヒータ5が点灯しないようにする。もちろん、室内温度を検知するセンサを設けて、センサの検知温度が所定温度以上になればハロゲンヒータ5のスイッチをオフし、他方検知温度が所定温度以下になると前記スイッチをオンするようにしても構わない。
【0037】
また夏場などに室内が暑いときに風を送って使用者の体感温度を下げる、あるいは臭いを拡散させるために、本発明の照明装置にファンをさらに設けてもよい。ファンを備えた照明装置の一例を示す側断面図を図10に、そしてその底面図を図11に示す。図10及び図11の照明装置の基本的構成は、図1に示した照明装置とほぼ同じであるので、同一の構成についてはここではその説明を省略し、異なる構成のみについて説明する。底面視において、装置中央部の略楕円形の島状部の下半分に照明用のランプ6が設けられ、上半分にモータ91の回転軸に羽根92が直接取り付けられたファン9が設けられ、その上を送風口Hを有するカバーCで、送風口Hがちょうどファン9の対向位置になるように覆っている。
【0038】
このような構成の照明装置において、夏場など室内が暑い場合にはハロゲンヒータ5をオフした状態でファン9をオンとすることにより、使用者の頭上から風が送くられ使用者の体感温度を下げることができる。もちろん、臭いを拡散させる目的で、ハロゲンヒータ5と共にファンを使用しても構わない。
【0039】
ファン9を備えた本発明の照明装置の他の実施形態を図12及び図13に示す。この照明装置では、お碗状に窪んだ反射部材2の中央部に形成された柱状突部(遮断部材)4の周りを回転する羽根93と、この羽根93を回転させるモータ91とを備えたファン9が取り付けられている。羽根93は、羽根の筒状基部の上部に周方向に形成された複数の矩形状開口(不図示)にモータ軸に取り付けられたギアGが係合し、モータ91の回転動力で羽根93が回転する。ここでモータ91の回転数や羽根93の角度を可変可能としておけば所望の送風量が得られる。そして、柱状突部4の内部には照明用のランプ6が取り付けられ、その開口部43にはカバーCが取り付けられている。
【0040】
用いる羽根93は赤外線を反射または透過するものが好ましい。赤外線を反射するものとしては、反射部材の材料として例示したものがここでも例示される。また赤外線を透過するものとしては、硼・ケイ酸を主成分とする耐熱ガラスなどが挙げられる。
【0041】
次に、本発明の照明装置の他の実施形態例について説明する。なお、図1の照明装置と同じ構成及び部品については同じ符号を付し、その説明は省略する。本発明の照明装置の組立斜視図を図14、そしてその側断面図を図15に示す。この照明装置の図1の照明装置との違いは、反射部材2”が四角錐状に突出している所にある。かかる反射部材の形状により、ハロゲンヒータ5から放射された赤外線は、直接又は遮断部材4の外表面で反射して反射部材2”に当たり、そして反射して、図1の照明装置と異なりその多くは装置の側方へ出射する。装置側方へ出射した赤外線は部屋の壁に当射し、その一部は吸収されて壁を温める。一方、残る赤外線はさらに壁で反射して使用者に当射し、あるいは壁や床、室内装備に当射してそれらのものを温める。このような作用により使用者は、赤外線により直接的に温められると同時に、赤外線によって温められた壁や床が空気を温めることにより間接的にも温められる。このため、例えば使用者の頭部などが局部的に温められることによる使用者の不快感を回避することができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明の照明装置では赤外線放射部材と可視光線放射部材とを設けたので、部屋の照明と暖房を一つの装置で行うことができると共に、瞬暖性が得られ、同じ照明ランプを一年を通して使用できる。また、赤外線放射部材と可視光線放射部材との間に赤外線を遮断する遮断部材を設け、赤外線放射部材から放射された赤外線が可視光線放射部材に直接当たらないようにしているので、可視光線放射部材の温度は通常40℃以下に抑えられ、ランプの長寿命化が図れる。
【0043】
天井に取り付けた状態において装置の下面中央の周りに、連続又は不連続に、赤外線出射用の第1の開口部を設けると、使用者が立っている状態のときに、使用者の頭部へに赤外線の集中的な当射を抑えることができる。また、第1の開口部を連続したものとすると照射ムラのないようにできる。さらに、下面中央に可視光線出射用の第2の開口部を設けると、使用者の周りを全体的に明るくできる。
【0044】
また、第1の開口部及び第2の開口部に少なくとも赤外線を透過する第1の蓋部材及び少なくとも可視光線を透過する第2の蓋部材を取り付けると共に、これらの蓋部材と開口部との間に弾性部材を取り付け、防水機能を付与することにより、浴室や脱衣場など湿度の高い部屋でも使用可能となる。
【0045】
赤外線を反射させるための反射部材をさらに設けると、赤外線の照射範囲を制御することができる。また、反射部材で反射された赤外線のみを外に出射させるようにすると、光源を直接に使用者の目に触れさせないようでき安全性が高まる。
【0046】
そしてまた、照明装置にファンをさらに備けると、夏場など部屋内が暑いときに使用者に風を送ることができ涼感を与えられる。また臭いを拡散させることもできる。このようなファンとして、赤外線を反射するお碗形状に窪んだ反射部材の中央部に形成された柱状突部の周りを回転する羽根と、この羽根を回転させるモータとからなるものを用いると、使用者に多くの風を送れると同時に装置の小型化が図れる。また柱状突部の内部に可視光線放射部材を取り付けると、部屋全体を照明できると共に装置の小型化が図れる。
【0047】
外部電源に接続するための電気接続部を1つにすると、部屋にある既存の電気接続部に簡単に取り付けられる。
【0048】
筺体に通風孔を形成すると、装置内温度が過度に上昇するのが防止され、また装置の軽量化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の照明装置の一例を示す組立斜視図である。
【図2】図1の照明装置の側断面図である。
【図3】本発明の照明装置の他の例を示す側断面図である。
【図4】赤外線の照射状態を説明するための概説図である。
【図5】本発明の照明装置の他の例を示す底面図である。
【図6】第1の開口部および第2の開口部に蓋部材を取り付けた場合の側断面図である。
【図7】筺体に通風孔を設けた装置の一例を示す半断面図である。
【図8】開口部と蓋部材との間に弾性部材を挟み込んだ場合の状態図である。
【図9】筺体の開口部に透光性蓋部材を取り付けた場合の側断面図である。
【図10】照明装置にファンを設けた場合の一例を示す側断面図である。
【図11】図10の照明装置の底面図である。
【図12】照明装置にファンを設けた場合の他の例を示す側断面図である。
【図13】図12の照明装置の底面図である。
【図14】本発明の照明装置の他の実施形態を示す組立斜視図である。
【図15】図14の照明装置の側断面図である。
【符号の説明】
1 筺体
2,2’,2” 反射部材
3 ソケット
4 遮断部材
5 ハロゲンヒータ(赤外線放射部材)
6 ランプ(可視光線放射部材)
8 弾性部材
9 ファン
12 メッシュ(通風孔)
13 スリット(通風孔)
21,21’ 第1の開口部
43 第2の開口部
71 第1の蓋部材
72 第2の蓋部材
73 透光性蓋部材
91 モータ
92,93 羽根

Claims (17)

  1. 赤外線放射部材と可視光線放射部材とを筺体内に配設し、前記赤外線放射部材と前記可視光線放射部材との間に赤外線を遮断する遮断部材を設け、前記赤外線放射部材から放射された赤外線が前記可視光線放射部材に直接当射しないようにしたことを特徴とする暖房機能付き照明装置。
  2. 下面中央の周りに連続又は不連続に、赤外線出射用の第1の開口部を設けた請求項1記載の照明装置。
  3. 前記第1の開口部に、少なくとも赤外線を透過する第1の蓋部材を取り付けた請求項2記載の照明装置。
  4. 前記下面中央に可視光線出射用の第2の開口部を設けた請求項1〜3のいずれかに記載の照明装置。
  5. 前記第2の開口部に、少なくとも可視光線を透過する第2の蓋部材を取り付けた請求項4記載の照明装置。
  6. 前記第1の開口部と前記第1の蓋部材及び/又は前記第2の開口部と前記第2の蓋部材との間に弾性部材を挟み込み、防水機能を付与した請求項3又は5記載の照明装置。
  7. 前記筺体の開口部を透光性蓋部材で封止した請求項1〜6のいずれかに記載の照明装置。
  8. 前記筺体の開口部と前記透光性蓋部材との間に弾性部材を挟み込み、防水機能を付与した請求項7記載の照明装置。
  9. 赤外線を反射させるための反射部材をさらに備え、主として前記反射部材で反射された赤外線を外に出射する請求項1〜8のいずれかに記載の照明装置。
  10. 前記反射部材がお碗形状に窪んでなる請求項9記載の照明装置。
  11. 前記反射部材が多角錐状又は円錐状に突出してなる請求項9記載の照明装置。
  12. 使用者に送風を供給するためのファンをさらに備えた請求項1〜11のいずれかに記載の照明装置。
  13. 前記ファンが、赤外線を反射するお碗形状に窪んだ反射部材の中央部に形成された柱状突部の周りを回転する羽根と、この羽根を回転させるモータとからなる請求項12記載の照明装置。
  14. 前記羽根が赤外線を反射または透過するものである請求項13記載の照明装置。
  15. 前記柱状突部の内部に可視光線放射部材が取り付けられている請求項13又は14記載の照明装置。
  16. 外部電源に接続するための電気接続部が1つである請求項1〜15のいずれかに記載の照明装置。
  17. 筺体に通風孔を形成した請求項1〜16のいずれかに記載の照明装置。
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