JP2004192318A - エミュレータ、供給切り替え装置及び供給切り替え方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】マイコンチップへの電源電圧の供給源を、エミュレータ内部と外部システムとで自動的に切り替えることができるエミュレータ、供給切り替え装置及び供給切り替え方法を提供する。
【解決手段】エミュレータシステムは、エミュレータ10と、エミュレータ10を制御するコントローラ11と、コントローラ11に接続されたデバッガ22が動作するパソコン12とを備える。エミュレータ10は、マイコンチップ1を搭載したマイコンシステム8と、マイコンシステム8を制御するエバーチップ9と、発振器21と、外部端子23と、コントローラ11からの電源電圧と外部端子23からの電源電圧を切り替える電源電圧切り替え装置6と、電源電圧切り替え装置6からマイコンチップ1へ電源電圧を供給する電源電圧用バス30とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】エミュレータシステムは、エミュレータ10と、エミュレータ10を制御するコントローラ11と、コントローラ11に接続されたデバッガ22が動作するパソコン12とを備える。エミュレータ10は、マイコンチップ1を搭載したマイコンシステム8と、マイコンシステム8を制御するエバーチップ9と、発振器21と、外部端子23と、コントローラ11からの電源電圧と外部端子23からの電源電圧を切り替える電源電圧切り替え装置6と、電源電圧切り替え装置6からマイコンチップ1へ電源電圧を供給する電源電圧用バス30とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイコンソフト開発支援ツールのエミュレータに関し、特にエミュレータへの電源電圧及びクロックの供給切り替え装置及び供給切り替え方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のエミュレータシステムは、図8に示すように、エミュレータ110と、エミュレータ110を制御するコントローラ111と、コントローラ111に接続されたデバッガ122を有するパソコン112とを備える。エミュレータ110は、マイコンチップ101を搭載したマイコンシステム108と、マイコンシステム108を制御するエバーチップ109とを備える。従来のエミュレータシステムでは、マイコンシステム108への電源電圧及びクロックの供給は、電源電圧切り替え装置113及びクロック切り替え装置114により、エミュレータ内部で生成されたものを供給するか、外部から供給するかを事前に設定しておく必要がある。
【0003】
電源電圧及びクロックの供給切り替え方法について、接触型ICカード向けマイコンチップを評価するエミュレータを例に説明する。ICカード向けマイコンチップは、通常、単体で動作せず、ICカード用リーダ・ライタを接続した状態で使用される。ICカード向けマイコンチップの動作は、リーダ・ライタから供給された電源電圧及びクロックによって行われる。
【0004】
一方、ICカード向けマイコンチップの開発段階では、エミュレータを使用したソフトウェア開発を行う。このソフトウェア開発では、通常、プログラムの局所的な機能動作の確認のために、マイコンチップを単体、つまりマイコンチップをエミュレータに搭載し、単体で動作させて行うソフトウェアデバッグと、プログラムの総合的な機能動作の確認のために、そのマイコンチップを搭載したエミュレータをリーダ・ライタと接続した状態で行うソフトウェアデバッグが必要となる。
【0005】
このデバッグ作業について、エミュレータと外部システムとの電源電圧に差がある場合に、電源電圧切換回路を不要とする評価用マイクロコンピュータは開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−282710号公報(第3−4頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、ICカード向けマイコンチップへの電源電圧及びクロックは、通常、リーダ・ライタから供給されるため、ICカード向けマイコンチップを単体で動作させてソフトウェアデバッグを行う場合は、ICカード向けマイコンチップに対し、外部からもしくはエミュレータ内部で生成した電源電圧及びクロックを供給する必要がある。従来のエミュレータでは、電源電圧及びクロックの供給源をエミュレータ側に持たせ、リーダ・ライタとの接続時も電源電圧及びクロック系統はリーダ・ライタ側とは完全に分離させた状態で使用していた。その場合、エミュレータとリーダ・ライタとの電源電圧レベルの差が生じる、リーダ・ライタとのクロックが非同期になるという問題があった。又、リーダ・ライタを接続したときに、リーダ・ライタ側から電源電圧及びクロックを供給する場合も、機械的な切り替えスイッチ等により切り替えを行っており、操作の煩わしさがあった。
【0008】
上記の問題に鑑み、本発明は、マイコンチップへの電源電圧及びクロックの供給源を、エミュレータ内部と外部システムとで自動的に切り替えることができるエミュレータ、供給切り替え装置及び供給切り替え方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴は、パソコンに備えられたデバッガからの制御信号を伝えるコントローラによって制御される、マイコンチップを評価するためのエミュレータであって、(イ)マイコンチップを搭載するマイコンシステムと、(ロ)コントローラから制御信号を受信し、マイコンシステムを制御するエバーチップと、(ハ)コントローラから供給される第1の電源電圧と外部システムから外部端子を介して供給される第2の電源電圧を切り替えてマイコンチップへ電源電圧を供給する電源電圧切り替え装置とを備えるエミュレータであることを要旨とする。
【0010】
第1の特徴に係るエミュレータによると、ソフトウェア開発で、エミュレータを単体で動作させてソフトウェアデバッグを行っている状態から、外部システムを接続してソフトウェアデバッグを行う状態に変更される際に、電源電圧の供給源を自動で切り替えることができる。これにより、エミュレータの電源電圧系統を外部システムのものと分離させた状態で使用しないので、外部システムとの電源電圧レベルの差も生じることなく、エミュレータを使用できる。従って、より実使用にあった状態でのソフトウェアデバッグが可能となる。又、機械的な電源電圧の切り替え作業も不要となることで、切り替えの煩わしさがなくなる。
【0011】
又、第1の特徴に係るエミュレータは、(ニ)クロックを発生させる発振器と、(ホ)発振器で発生する第1のクロックと外部システムで発生し外部端子を介して入力される第2のクロックを切り替えてマイコンチップへクロックを供給するクロック切り替え装置を備えても良い。このエミュレータによると、ソフトウェア開発で、エミュレータを単体で動作させてソフトウェアデバッグを行っている状態から、外部システムを接続してソフトウェアデバッグを行う状態に変更される際に、クロックの供給源を自動で切り替えることができる。これにより、エミュレータのクロック系統を外部システムのものと分離させた状態で使用しないので、外部システムとの完全な同期通信が可能となる。
【0012】
本発明の第2の特徴は、マイコンチップを搭載するマイコンシステム及びパソコンに備えられたデバッガからの制御信号を伝えるコントローラから制御信号を受信し、マイコンシステムを制御するエバーチップを有する、マイコンチップを評価するためのエミュレータに搭載される装置であって、(イ)コントローラから供給される第1の電源電圧と外部システムから外部端子を介して供給される第2の電源電圧を切り替えて、マイコンチップに供給される電源電圧を切り替える電源電圧切り替え部と、(ロ)電源電圧切り替え部への入力を制御するフリップフロップと、(ハ)第2の電源電圧のレベルを検出するボルテージ・コンパレータと、(ニ)外部端子からのリセット信号を波形整形させるモノステーブル・マルチバイブレータとを備える供給切り替え装置であることを要旨とする。
【0013】
第2の特徴に係る供給切り替え装置によると、ソフトウェア開発で、エミュレータを単体で動作させてソフトウェアデバッグを行っている状態から、外部システムを接続してソフトウェアデバッグを行う状態に変更される際に、電源電圧の供給源を自動で切り替えることができる。これにより、エミュレータの電源電圧系統を外部システムのものと分離させた状態で使用しないので、外部システムとの電源電圧レベルの差も生じることなく、エミュレータを使用できる。従って、より実使用にあった状態でのソフトウェアデバッグが可能となる。又、機械的な電源電圧の切り替え作業も不要となることで、切り替えの煩わしさがなくなる。
【0014】
又、第2の特徴に係る供給切り替え装置の電源電圧切り替え部は、第1の電源電圧がソースに供給される第1のトランジスタと、第2の電源電圧がドレインに供給される第2のトランジスタとを備えても良い。
【0015】
更に、第2の特徴に係る供給切り替え装置は、フリップフロップから入力された制御信号に対応して、エミュレータ内部の発振器で発生する第1のクロックと外部システムで発生し外部端子を介して入力される第2のクロックを切り替えて、マイコンチップへクロックを供給する順序回路群を更に備えても良い。この供給切り替え装置によると、ソフトウェア開発で、エミュレータを単体で動作させてソフトウェアデバッグを行っている状態から、外部システムを接続してソフトウェアデバッグを行う状態に変更される際に、クロックの供給源を自動で切り替えることができる。これにより、エミュレータのクロック系統を外部システムのものと分離させた状態で使用しないので、外部システムとの完全な同期通信が可能となる。
【0016】
発明の第3の特徴は、マイコンチップを搭載するマイコンシステム及びパソコンに備えられたデバッガからの制御信号を伝えるコントローラから制御信号を受信し、マイコンシステムを制御するエバーチップを有する、マイコンチップを評価するためのエミュレータにおいて、(イ)コントローラがエミュレータに電源電圧を投入すると、マイコンチップにコントローラから供給される第1の電源電圧が供給されるステップと、(ロ)エミュレータの外部端子に外部システムが接続されると、マイコンチップへの電源電圧供給源がコントローラから外部システムへと切り替わり、マイコンチップに外部システムから供給される第2の電源電圧が供給されるステップと、(ハ)外部システムを取り外すと、マイコンチップへ供給される電源電圧がオフされるステップと、(ニ)電源電圧がオフされるステップにおいて、デバッガからリセットコマンドを実行すると、マイコンチップに再び第1の電源電圧が供給されるステップとを含む供給切り替え方法であることを要旨とする。
【0017】
第3の特徴に係る供給切り替え方法によると、ソフトウェア開発で、エミュレータを単体で動作させてソフトウェアデバッグを行っている状態から、外部システムを接続してソフトウェアデバッグを行う状態に変更される際に、電源電圧の供給源を自動で切り替えることができる。これにより、エミュレータの電源電圧系統を外部システムのものと分離させた状態で使用しないので、外部システムとの電源電圧レベルの差も生じることなく、エミュレータを使用できる。従って、より実使用にあった状態でのソフトウェアデバッグが可能となる。又、機械的な電源電圧の切り替え作業も不要となることで、切り替えの煩わしさがなくなる。
【0018】
又、第3の特徴に係る供給切り替え方法において、エミュレータは、更に、第1の電源電圧がソースに供給される第1のトランジスタを有する電源電圧切り替え部及び電源電圧切り替え部への入力を制御するフリップフロップとを有する供給切り替え装置を備え、第1の電源電圧が供給されるステップは、電源投入時にエミュレータ内部で発生するパワーオン・リセット信号により、第1のトランジスタがオンし、第1の電源電圧がマイコンチップに供給されても良い。又、エミュレータは、更に、第1の電源電圧がソースに供給される第1のトランジスタ及び第2の電源電圧がドレインに供給される第2のトランジスタを有する電源電圧切り替え部、電源電圧切り替え部への入力を制御するフリップフロップとを有する供給切り替え装置を備え、第2の電源電圧が供給されるステップは、外部端子から入力されるリセット信号により、フリップフロップのデータ入力電位がハイレベルとなり、第1のトランジスタはオフし、第2のトランジスタがオンすることで第2の電源電圧が供給されても良い。又、エミュレータは、更に、第1の電源電圧がソースに供給される第1のトランジスタ及び第2の電源電圧がドレインに供給される第2のトランジスタを有する電源電圧切り替え部、電源電圧切り替え部への入力を制御するフリップフロップとを有する供給切り替え装置を備え、再び第1の電源電圧が供給されるステップは、フリップフロップのデータ入力電位がローレベルとなり、第2のトランジスタはオフし、第1のトランジスタがオンすることで、再び第1の電源電圧が供給されても良い。
【0019】
更に、第3の特徴に係る供給切り替え方法において、エミュレータは、更に、クロックを発生させる発振器を備え、(ホ)コントローラがエミュレータに電源電圧を投入すると、マイコンチップに発振器で発生する第1のクロックが供給されるステップと、(へ)エミュレータの外部端子に外部システムが接続されると、マイコンチップへのクロック供給源が発振器から外部システムへと切り替わり、マイコンチップに外部システムで発生し外部端子を介して入力される第2のクロックが供給されるステップと、(ト)外部システムを取り外すと、マイコンチップへ入力されるクロックがオフされるステップと、(チ)クロックがオフされるステップにおいて、デバッガからリセットコマンドを実行すると、マイコンチップに再び第1のクロックが供給されるステップとを更に含んでも良い。この供給切り替え方法によると、ソフトウェア開発で、エミュレータを単体で動作させてソフトウェアデバッグを行っている状態から、外部システムを接続してソフトウェアデバッグを行う状態に変更される際に、クロックの供給源を自動で切り替えることができる。これにより、エミュレータのクロック系統を外部システムのものと分離させた状態で使用しないので、外部システムとの完全な同期通信が可能となる。
【0020】
又、第3の特徴に係る供給切り替え方法において、エミュレータは、更に、第1のクロックと第2のクロックを切り替える順序回路群を有する供給切り替え装置を備え、第1のクロックが供給されるステップは、電源投入時にエミュレータ内部で発生するパワーオン・リセット信号により、第1のクロックが供給されても良い。又、エミュレータは、更に、マイコンチップに供給される電源電圧を切り替える電源電圧切り替え部への入力を制御するフリップフロップ及び第1のクロックと第2のクロックを切り替える順序回路群とを有する供給切り替え装置を備え、第2のクロックが供給されるステップは、順序回路群が、フリップフロップにて生成された出力信号CNTSELがインアクティブの状態で、ステート信号F1が遷移し、その後、ステート信号F2が遷移したときに、第2のクロックが供給されても良い。又、エミュレータは、マイコンチップに供給される電源電圧を切り替える電源電圧切り替え部への入力を制御するフリップフロップ及び第1のクロックと第2のクロックを切り替える順序回路群とを有する供給切り替え装置を備え、再び第1のクロックが供給されるステップは、順序回路群が、フリップフロップにて生成された出力信号CNTSELがアクティブの状態で、ステート信号F2が遷移し、その後、ステート信号F1が遷移したときに、再び第1のクロックが供給されても良い。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明の第1〜第2の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであることに留意すべきである。
【0022】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、マイコンチップへの電源電圧の供給源を、エミュレータシステム内部と外部システムとで自動的に切り替えることができるエミュレータ、供給切り替え装置及び供給切り替え方法について説明する。
【0023】
第1の実施の形態に係るエミュレータシステムは、図1に示すように、エミュレータ10と、パソコン12に備えられたデバッガ22からの制御信号及び電源電圧VCCをエミュレータ10に伝えるコントローラ11とを備える。
【0024】
エミュレータ10は、マイコンチップ1を搭載するマイコンシステム8と、コントローラ11から制御信号を受信し、マイコンシステム8を制御するエバーチップ9と、コントローラ11から供給される第1の電源電圧VCCと外部システムから外部端子23を介して供給される第2の電源電圧VDDを切り替えてマイコンチップ1へ電源電圧を供給する電源電圧切り替え装置6とを備える。更に、図1に示すエミュレータ10は、クロックを発生させる発振器21と、電源電圧切り替え装置6からマイコンチップ1へ電源電圧を供給する電源電圧用バス30とを備える。
【0025】
このエミュレータ10は、例えば、接触型ICカードシステム等のマイコンチップの開発ツールとして用いることができる。この場合、外部端子23に接続する外部システムとしては、ICカードリーダやICカードリーダ・ライタ等のICカード通信端末が相当する。外部端子23はICカード通信端末等との接続用インタフェースであり、第1の実施の形態に係るエミュレータ10は、外部システムが外部端子23に接続されているか否かを自動認識して、マイコンチップ1への電源電圧の供給源を切り替える。
【0026】
電源電圧切り替え装置6は、コントローラ11から供給される電源電圧VCCと外部端子23を介して供給される電源電圧VDDを自動的に切り替えて、マイコンチップ1にいずれか一方の電源電圧を供給する。クロックに関しては、クロック切り替え装置14を用いて、エミュレータ10内部の発振器21で生成されたクロックOSCと外部端子23から入力されるクロックCLKを切り替える。
【0027】
電源電圧切り替え装置6は、図2に示すように、コントローラ11から供給される電源電圧VCCと外部システムから外部端子23を介して供給される電源電圧VDDを切り替えて、マイコンチップ1に供給される電源電圧を切り替える電源電圧切り替え部25と、電源電圧切り替え部25への入力を制御するフリップフロップ28と、電源電圧VDDのレベルを検出するボルテージ・コンパレータ26と、外部端子23からのリセット信号を波形整形させるモノステーブル・マルチバイブレータ27とを備える。
【0028】
電源電圧切り替え部25は、図2では、電源電圧VCCがソースに供給される第1のトランジスタ40と電源電圧VDDがドレインに供給される第2のトランジスタ41を備えている。第1のトランジスタ40及び第2のトランジスタ41のドレインからソースの間にはダイオードが接続されている。第1のトランジスタ40及び第2のトランジスタ41のゲートに接続されたフリップフロップ28からの入力信号により、第1のトランジスタ40と第2のトランジスタ41のオン・オフが切り替わる。この切り替えにより、VCCとVDDのどちらか一方がマイコンチップ1の電源電圧VDD5として供給される。
【0029】
フリップフロップ28は、パワーオン・リセット信号RESET及びリセット信号RESOUTが入力されると、これに応じて、出力信号CNTSELと反転出力信号TGTSELのいずれか一方をアクティブとする。出力信号CNTSELがアクティブの場合、第1のトランジスタ40がオンされ、反転出力信号TGTSELがアクティブの場合、第2のトランジスタ41がオンされる。出力信号CNTSELと反転出力信号TGTSELは互いに相補の関係である。
【0030】
図2に示すパワーオン・リセット信号RESETは、電源投入時にエミュレータ10内部で発生する信号である。図2では、パワーオン・リセット信号RESETは、電源切り替え装置6内部で発生しているが、エミュレータ10内部であればどこで発生させたものでも構わない。リセット信号CPURESは、外部端子23からの電源電圧VDDがボルテージ・コンパレータ26により検知されている時の外部端子23からのリセット信号RSTを、モノステーブル・マルチバイブレータ27により波形整形させた信号である。即ち、リセット信号CPURESは、外部システムが接続されているときに、波形整形された外部端子23からのリセット信号である。リセット信号CPURESは、エバーチップ9へ出力される。リセット信号RESOUTは、リセット信号CPURESを受けてエバーチップ9から出力される他、デバッガ22からリセットコマンドを実行すると、それを受けて出力される。
【0031】
第1の実施の形態に係るエミュレータによると、接触型ICカード向けマイコンチップ等のエミュレータを使用したソフトウェア開発で、マイコンチップを単体、つまりエミュレータを単体で動作させてソフトウェアデバッグを行っている状態から、エミュレータにリーダ・ライタを接続してソフトウェアデバッグを行う状態に変更される際において、電源電圧の供給源を自動で切り替えることができる。これにより、エミュレータの電源電圧系統をリーダ・ライタ側と分離させた状態で使用しないので、リーダ・ライタとの電源電圧レベルの差も生じることなく使用できる。従って、より実使用にあった状態でのソフトウェアデバッグが可能となる。又、機械的な電源電圧の切り替え作業も不要となることで、切り替えの煩わしさがなくなる。
【0032】
次に、図2のブロック図を参照しながら、図3の状態遷移図を用いて、第1の実施の形態に係る供給切り替え方法について説明する。以下の説明では、ICカード向けマイコンチップをエミュレータに搭載し、これを単体、もしくはリーダ・ライタを接続した状態で、ソフトウェアデバッグを行う場合を例にとり、説明する。
【0033】
(イ)まず、図3のステップS1では、エミュレータ10の主電源がOFFの状態である。外部端子23にリーダ・ライタ等の外部システムを接続しないエミュレータ10単体の状態で主電源をONすると、マイコンチップ1へは、コントローラ11から、エミュレータシステム内部の電源電圧VCCが供給され、ステップS2の状態に遷移する。エミュレータ10を単体で動作させて行うソフトウェアデバッグはステップS2の状態で行うこととなる。このステップS1の状態からステップS2の状態への遷移を詳しく説明すると、電源投入時にエミュレータ10内部で発生するパワーオン・リセット信号RESETにより、出力信号CNTSELがアクティブとなる。これにより、第1のトランジスタ40がオンすることでステップS2の状態へ遷移する。この時、マイコンチップ1の電源電圧VDD5はコントローラ11からの電源電圧VCCとなる。図4における(A)の状態である。この状態でデバッガ22からリセットコマンドを実行しても、マイコンチップ1の電源電圧VDD5はVCCのままで切り替わらない。
【0034】
(ロ)次に、リーダ・ライタを接続すると、リーダ・ライタからは初期動作として、外部端子23の接続及び活性化が行われる。その過程において外部端子23のRST端子の入力電位をローレベルにする。これを受けて、マイコンシステム10への電源電圧供給源がエミュレータからリーダ・ライタ側に切り替わり、マイコンチップ1へは電源電圧VDDが供給され、ステップS3の状態に遷移する。このステップS2の状態からステップS3の状態への遷移を詳しく説明すると、まず、リーダ・ライタが外部端子23に接続され、リーダ・ライタからの電源電圧VDDがボルテージ・コンパレータ26により検知されている状態で、リーダ・ライタから入力されたリセット信号RSTにより、リセット信号CPURESがアクティブとなる。図4における(B)の状態である。これにより、フリップフロップ28のデータ入力電位がハイレベルとなる。又、リセット信号CPURESを受けてリセット信号RESOUTがアクティブとなり、これをフリップフロップ28のクロック入力として受けることにより反転出力信号TGTSELがアクティブとなる。その結果、第1のトランジスタ40はオフし、第2のトランジスタ41がオンすることでステップS3の状態へ遷移する。この時、マイコンチップ1の電源電圧VDD5は外部端子23からの電源電圧VDDとなる。この状態でデバッガ22からリセットコマンドを実行しても、マイコンチップ1の電源電圧VDD5はVDDのままで切り替わらない。
【0035】
(ハ)次に、リーダ・ライタを取り外すと、ステップS3からステップS4の状態に遷移する。このとき、電源電圧の供給源はリーダ・ライタであるが、リーダ・ライタは取り外されているので、ステップS4の状態では電源電圧はOFFとなっている。図4における(B’)の状態である。この時、リーダ・ライタからの電源電圧VDDがボルテージ・コンパレータ26により検知されていない状態で、リーダ・ライタからのリセット信号RSTの入力もないため、リセット信号CPURESがインアクティブとなる。これにより、フリップフロップ28のデータ入力電位がローレベルとなる。再度、リーダ・ライタを接続すると、ステップS4からステップS3の状態へと戻る。
【0036】
(ニ)ステップS4の状態で、デバッガ22からリセットコマンドを実行すると、それを受けて、マイコンチップ1への電源電圧供給源がリーダ・ライタ側からエミュレータ10に切り替わり、マイコンチップ1へは電源電圧VCCが供給され、ステップS2の状態に遷移する。このステップS4の状態からステップS2の状態への遷移を詳しく説明すると、フリップフロップ28のデータ入力電位はローレベルであり、デバッガ22からのリセットコマンド実行によりリセット信号RESOUTがアクティブとなる。図4における(C)の状態である。これをフリップフロップ28の入力として受けることにより出力信号CNTSELがアクティブとなる。その結果、第2のトランジスタ41はオフし、第1のトランジスタ40がオンすることでステップS2の状態へ遷移する。この時、マイコンチップ1の電源電圧VDD5はVCCとなる。再び、リーダ・ライタを接続すると、ステップS2からステップS3の状態へ遷移し、電源電圧VDD5はVDDとなる。図4における(D)の状態である。
【0037】
第1の実施の形態に係る供給切り替え方法によると、接触型ICカード向けマイコンチップ等のエミュレータを使用したソフトウェア開発で、マイコンチップを単体、つまりエミュレータを単体で動作させてソフトウェアデバッグを行っている状態から、エミュレータにリーダ・ライタを接続してソフトウェアデバッグを行う状態に変更させる際において、電源電圧の供給源を自動で切り替えることができる。これにより、エミュレータの電源電圧系統をリーダ・ライタ側と分離させた状態で使用しないので、リーダ・ライタとの電源電圧レベルの差も生じることなく使用できる。従って、より実使用にあった状態でのソフトウェアデバッグが可能となる。又、機械的な電源電圧の切り替え作業も不要となることで、切り替えの煩わしさがなくなる。
【0038】
又、第1の実施の形態にかかる供給切り替え方法によると、デバッガ22のコマンドから電源電圧の供給源を、外部システムからエミュレータ側へと切り替えることが可能となる。これにより、機械的な電源電圧の切り替え作業も不要となることで、切り替えの煩わしさがなくなる。
【0039】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、電源電圧に加え、マイコンチップへのクロックの供給源を、エミュレータシステム内部と外部システムとで自動的に切り替えることができるエミュレータ、供給切り替え装置及び供給切り替え方法について説明する。
【0040】
第2の実施の形態に係るエミュレータシステムは、図5に示すように、エミュレータ10と、エミュレータ10を制御するコントローラ11と、コントローラ11に接続されたデバッガ22を備えるパソコン12とを備える。エミュレータ10は、マイコンチップ1を搭載するマイコンシステム8と、コントローラ11から制御信号を受信し、マイコンシステム8を制御するエバーチップ9と、コントローラ11から供給される第1の電源電圧VCCと外部システムから外部端子23を介して供給される第2の電源電圧VDDを切り替えてマイコンチップ1へ電源電圧を供給する電源電圧切り替え装置6と、クロックを発生させる発振器21と、発振器21で発生する第1のクロックと外部システムで発生し外部端子23を介して入力される第2のクロックを切り替えてマイコンチップ1へクロックを供給するクロック切り替え装置7とを備える。更に、図5に示すエミュレータ10は、電源電圧切り替え装置6からマイコンチップ1へ電源電圧を供給する電源電圧用バス30と、クロック切り替え装置7からマイコンチップ1へクロックを供給するクロック用バス31とを備える。このエミュレータ10は、第1の実施の形態と同様に、例えば、接触型ICカードシステム等のマイコンチップの開発ツールとして用いることができる。この場合、外部端子23に接続する外部システムとしては、ICカードリーダやICカードリーダ・ライタ等のICカード通信端末が相当する。外部端子23はICカード通信端末等との接続用インタフェースであり、第2の実施の形態に係るエミュレータ10は、外部システムが外部端子23に接続されているか否かを自動認識して、マイコンチップ1への電源電圧及びクロックの供給源を切り替える。
【0041】
クロック切り替え装置7は、図6に示すように、ステートマシンを構成する順序回路群29を備える。クロック切り替え装置7には、電源電圧切り替え装置6のフリップフロップ28にて生成された出力信号CNTSELと反転出力信号TGTSELが入力される。又、電源投入時にエミュレータ10内部で発生するパワーオン・リセット信号RESETも入力される。パワーオン・リセット信号RESETは、図6では、電源電圧切り替え装置6で発生したものを使用しているが、クロック切り替え装置7内部で発生したものを使用しても良いことは勿論である。順序回路群29は、出力信号CNTSEL、反転出力信号TGTSEL、パワーオン・リセット信号RESETを入力とし、発振器21で生成されたクロックOSCと外部システムで生成され外部端子23を介して入力されたクロックCLKを切り替え、クロック用バス31を介してマイコンチップ1へクロックを供給する。順序回路群29内部のステート信号F1の電位は、出力信号CNTSELがインアクティブ(あるいは反転出力信号TGTSELがアクティブ)で、発振器21で生成されたクロックOSCを検出したときに、ハイレベルとなる。又、出力信号CNTSELがアクティブ(あるいは反転出力信号TGTSELがインアクティブ)で、発振器21で生成されたクロックOSCを検出したときに、ローレベルとなる。ステート信号F2の電位は、ステート信号F1がアクティブで、外部端子23から入力されたクロックCLKを検出したときに、ハイレベルとなる。又、出力信号CNTSELがアクティブ(あるいは反転出力信号TGTSELがインアクティブ)のときに、強制的にローレベルとなる。ステート信号F1の電位とステート信号F2の電位が共にローレベルのとき、マイコンチップ1には発振器21で生成されたクロックOSCが供給され、ステート信号F1の電位とステート信号F2の電位が共にハイレベルのとき、マイコンチップ1には外部端子23から入力されたクロックCLKが供給される。
【0042】
マイコンシステム8、エバーチップ9、発振器21、外部端子23、コントローラ11、電源電圧切り替え装置6に関しては、図1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0043】
第2の実施の形態に係るエミュレータによると、接触型ICカード向けマイコンチップ等のエミュレータを使用したソフトウェア開発で、マイコンチップを単体、つまりエミュレータを単体で動作させてソフトウェアデバッグを行っている状態から、エミュレータにリーダ・ライタを接続してソフトウェアデバッグを行う状態に変更される際において、クロックの供給源を自動で切り替えることができる。これにより、エミュレータのクロック系統をリーダ・ライタ側と分離させた状態で使用しないので、リーダ・ライタとの完全な同期通信が可能となる。従って、より実使用にあった状態でのソフトウェアデバッグが可能となる。又、機械的な電源電圧の切り替え作業も不要となることで、切り替えの煩わしさがなくなる。
【0044】
次に、図5のブロック図を参照しながら、図3の状態遷移図を用いて、第2の実施の形態に係る供給切り替え方法について説明する。以下の説明では、エミュレータがICカードシステムであり、外部システムがリーダ・ライタである場合を例にとり、説明する。
【0045】
(イ)まず、図3のステップS1は、エミュレータ10の主電源がOFFの状態である。外部端子23にリーダ・ライタ等の外部システムを接続しないエミュレータ10単体の状態で主電源電圧をONすると、マイコンチップ1へは、エミュレータ10内部の発振器21で生成したクロックOSCが入力され、ステップS2の状態に遷移する。エミュレータ10を単体で動作させて行うソフトウェアデバッグはステップS2の状態で行うこととなる。このステップS1の状態からステップS2の状態への遷移を詳しく説明すると、電源投入時にエミュレータ10内部で発生するパワーオン・リセット信号RESET及び出力信号CNTSELがアクティブ(あるいは反転出力信号TGTSELがインアクティブ)になることにより、発振器21で生成されたクロックOSCが選択される。この時、マイコンチップ1に入力されるクロックPCLKはクロックOSCとなる。図7における(E)の状態である。
【0046】
(ロ)次に、リーダ・ライタを接続すると、リーダ・ライタからは初期動作として、外部端子23の接続及び活性化が行われる。その過程において外部端子23のRST端子の電位をローレベルにする。これを受けて、マイコンチップ1へのクロック供給源がエミュレータからリーダ・ライタ側に切り替わり、マイコンチップ1へはクロックCLKが入力され、ステップS3の状態に遷移する。このステップS2の状態からステップS3の状態への遷移を詳しく説明すると、まず、リーダ・ライタがICカードシステムに接続され、出力信号CNTSELがインアクティブ(あるいは反転出力信号TGTSELがアクティブ)となる。それを受けてステートマシンのステート信号F1及びステート信号F2の電位がクロックOSC及びクロックCLKのエッジ検出により状態遷移する。図7における(F)の状態である。図7では、まず、ステート信号F1の電位が、クロックOSCのクロック波形の最初の矢印で表されるエッジ検出により、遷移している。同様に、ステート信号F2の電位は、クロックCLKのクロック波形の最初の矢印で表されるエッジ検出により、遷移している。そして、ステート信号F1及びステート信号F2の電位が共に状態遷移された後に、クロックの切り替えが行われ、ステップS3の状態へ遷移する。つまり、出力信号CNTSELがインアクティブ(あるいは反転出力信号TGTSELがアクティブ)の状態で、クロックOSCを検出し、その後、クロックCLKを検出したときに、マイコンチップ1へクロックCLKが入力される。ステート信号F1の状態遷移の後、2周期分、クロックCLKをカウントしてからステート信号F2の電位が遷移するのは、クロックの切り替わり目に規定の時間より短いクロックパルスが発生するのを防ぐためである。図7では、2周期分タイムラグを取っているが、このタイムラグの長さは任意であることは勿論である。この時、マイコンチップ1に入力されるクロックPCLKはCLKとなる。
【0047】
(ハ)次に、リーダ・ライタを取り外すと、ステップS3からステップS4の状態に遷移する。このとき、クロックの供給源はリーダ・ライタであるが、リーダ・ライタは取り外されているので、ステップS4の状態ではクロックはOFFとなっている。図7における(F’)の状態である。再度、リーダ・ライタを接続すると、ステップS4からステップS3の状態へと戻る。
【0048】
(ニ)ステップS4の状態で、デバッガ22からリセットコマンドを実行すると、それを受けて、マイコンチップ1へのクロック供給源がリーダ・ライタ側からエミュレータ10に切り替わり、マイコンチップ1へはクロックOSCが供給され、ステップS2の状態に遷移する。このステップS4の状態からステップS2の状態への遷移を詳しく説明すると、デバッガ22からのリセットコマンド実行により出力信号CNTSELがアクティブ(あるいは反転出力信号TGTSELがインアクティブ)となる。図7における(G)の状態である。それを受けてステートマシンのステート信号F2の電位が強制的に状態遷移し、その後、クロックOSCのエッジ検出によりステート信号F1の電位が状態遷移する。ステート信号F2、ステート信号F1の電位が共に状態遷移された後、クロックの切り替えが行われステップS2の状態へ遷移する。つまり、出力信号CNTSELがアクティブ(あるいは反転出力信号TGTSELがインアクティブ)の状態で、クロックOSCを検出したときに、マイコンチップ1へクロックOSCが入力される。この時、マイコンチップ1に入力されるクロックPCLKはOSCとなる。
【0049】
第2の実施の形態に係る供給切り替え方法によると、接触型ICカード向けマイコンチップ等のエミュレータを使用したソフトウェア開発で、マイコンチップを単体、つまりエミュレータを単体で動作させてソフトウェアデバッグを行っている状態から、エミュレータにリーダ・ライタを接続してソフトウェアデバッグを行う状態に変更される際において、クロックの供給源を自動で切り替えることができる。これにより、エミュレータのクロック系統をリーダ・ライタ側と分離させた状態で使用しないので、リーダ・ライタとの完全な同期通信が可能となる。従って、より実使用にあった状態でのソフトウェアデバッグが可能となる。又、機械的な電源電圧の切り替え作業も不要となることで、切り替えの煩わしさがなくなる。
【0050】
又、第2の実施の形態にかかる供給切り替え方法によると、デバッガ22のコマンドから電源電圧及びクロックの供給源を、外部システムからエミュレータ側へと切り替えることが可能となる。これにより、機械的な電源電圧の切り替え作業も不要となることで、切り替えの煩わしさがなくなる。
【0051】
(その他の実施の形態)
本発明は上記の第1〜第2の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0052】
例えば、図2に示す電源電圧切り替え装置6の電源電圧切り替え部25、ボルテージ・コンパレータ26、モノステーブル・マルチバイブレータ27、フリップフロップ28、図6に示すクロック力替え装置7の順序回路群29は、ハードウェアとしてとして設計されている回路であるが、この機能をプログラミングによりソフトウェア上で実現しても構わない。
【0053】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0054】
【発明の効果】
本発明によると、マイコンチップへの電源電圧及びクロックの供給源を、エミュレータ内部と外部システムとで自動的に切り替えることができるエミュレータ、供給切り替え装置及び供給切り替え方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るエミュレータシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施に形態に係る供給切り替え装置の構成を示すブロック図である。
【図3】第1及び第2の実施に形態に係る供給切り替え方法を示す状態遷移図である。
【図4】第1の実施に形態に係る電源電圧切り替えのタイミングチャートである。
【図5】第2の実施の形態に係るエミュレータシステムの構成を示すブロック図である。
【図6】第2の実施に形態に係る供給切り替え装置の構成を示すブロック図である。
【図7】第2の実施に形態に係るクロック切り替えのタイミングチャートである。
【図8】従来のエミュレータシステムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1、101 マイコンチップ
5 供給切り替え装置
6、113 電源電圧切り替え装置
7、14、114 クロック切り替え装置
8、108 マイコンシステム
9、109 エバーチップ
10、110 エミュレータ
11、111 コントローラ
12、112 パソコン
21 発振器
22、122 デバッガ
23 外部端子
25 電源電圧切り替え部
26 ボルテージ・コンパレータ
27 モノステーブル・マルチバイブレータ
28 フリップフロップ
29 順序回路群
30 電源電圧用バス
31 クロック用バス
40 第1のトランジスタ
41 第2のトランジスタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイコンソフト開発支援ツールのエミュレータに関し、特にエミュレータへの電源電圧及びクロックの供給切り替え装置及び供給切り替え方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のエミュレータシステムは、図8に示すように、エミュレータ110と、エミュレータ110を制御するコントローラ111と、コントローラ111に接続されたデバッガ122を有するパソコン112とを備える。エミュレータ110は、マイコンチップ101を搭載したマイコンシステム108と、マイコンシステム108を制御するエバーチップ109とを備える。従来のエミュレータシステムでは、マイコンシステム108への電源電圧及びクロックの供給は、電源電圧切り替え装置113及びクロック切り替え装置114により、エミュレータ内部で生成されたものを供給するか、外部から供給するかを事前に設定しておく必要がある。
【0003】
電源電圧及びクロックの供給切り替え方法について、接触型ICカード向けマイコンチップを評価するエミュレータを例に説明する。ICカード向けマイコンチップは、通常、単体で動作せず、ICカード用リーダ・ライタを接続した状態で使用される。ICカード向けマイコンチップの動作は、リーダ・ライタから供給された電源電圧及びクロックによって行われる。
【0004】
一方、ICカード向けマイコンチップの開発段階では、エミュレータを使用したソフトウェア開発を行う。このソフトウェア開発では、通常、プログラムの局所的な機能動作の確認のために、マイコンチップを単体、つまりマイコンチップをエミュレータに搭載し、単体で動作させて行うソフトウェアデバッグと、プログラムの総合的な機能動作の確認のために、そのマイコンチップを搭載したエミュレータをリーダ・ライタと接続した状態で行うソフトウェアデバッグが必要となる。
【0005】
このデバッグ作業について、エミュレータと外部システムとの電源電圧に差がある場合に、電源電圧切換回路を不要とする評価用マイクロコンピュータは開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−282710号公報(第3−4頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、ICカード向けマイコンチップへの電源電圧及びクロックは、通常、リーダ・ライタから供給されるため、ICカード向けマイコンチップを単体で動作させてソフトウェアデバッグを行う場合は、ICカード向けマイコンチップに対し、外部からもしくはエミュレータ内部で生成した電源電圧及びクロックを供給する必要がある。従来のエミュレータでは、電源電圧及びクロックの供給源をエミュレータ側に持たせ、リーダ・ライタとの接続時も電源電圧及びクロック系統はリーダ・ライタ側とは完全に分離させた状態で使用していた。その場合、エミュレータとリーダ・ライタとの電源電圧レベルの差が生じる、リーダ・ライタとのクロックが非同期になるという問題があった。又、リーダ・ライタを接続したときに、リーダ・ライタ側から電源電圧及びクロックを供給する場合も、機械的な切り替えスイッチ等により切り替えを行っており、操作の煩わしさがあった。
【0008】
上記の問題に鑑み、本発明は、マイコンチップへの電源電圧及びクロックの供給源を、エミュレータ内部と外部システムとで自動的に切り替えることができるエミュレータ、供給切り替え装置及び供給切り替え方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴は、パソコンに備えられたデバッガからの制御信号を伝えるコントローラによって制御される、マイコンチップを評価するためのエミュレータであって、(イ)マイコンチップを搭載するマイコンシステムと、(ロ)コントローラから制御信号を受信し、マイコンシステムを制御するエバーチップと、(ハ)コントローラから供給される第1の電源電圧と外部システムから外部端子を介して供給される第2の電源電圧を切り替えてマイコンチップへ電源電圧を供給する電源電圧切り替え装置とを備えるエミュレータであることを要旨とする。
【0010】
第1の特徴に係るエミュレータによると、ソフトウェア開発で、エミュレータを単体で動作させてソフトウェアデバッグを行っている状態から、外部システムを接続してソフトウェアデバッグを行う状態に変更される際に、電源電圧の供給源を自動で切り替えることができる。これにより、エミュレータの電源電圧系統を外部システムのものと分離させた状態で使用しないので、外部システムとの電源電圧レベルの差も生じることなく、エミュレータを使用できる。従って、より実使用にあった状態でのソフトウェアデバッグが可能となる。又、機械的な電源電圧の切り替え作業も不要となることで、切り替えの煩わしさがなくなる。
【0011】
又、第1の特徴に係るエミュレータは、(ニ)クロックを発生させる発振器と、(ホ)発振器で発生する第1のクロックと外部システムで発生し外部端子を介して入力される第2のクロックを切り替えてマイコンチップへクロックを供給するクロック切り替え装置を備えても良い。このエミュレータによると、ソフトウェア開発で、エミュレータを単体で動作させてソフトウェアデバッグを行っている状態から、外部システムを接続してソフトウェアデバッグを行う状態に変更される際に、クロックの供給源を自動で切り替えることができる。これにより、エミュレータのクロック系統を外部システムのものと分離させた状態で使用しないので、外部システムとの完全な同期通信が可能となる。
【0012】
本発明の第2の特徴は、マイコンチップを搭載するマイコンシステム及びパソコンに備えられたデバッガからの制御信号を伝えるコントローラから制御信号を受信し、マイコンシステムを制御するエバーチップを有する、マイコンチップを評価するためのエミュレータに搭載される装置であって、(イ)コントローラから供給される第1の電源電圧と外部システムから外部端子を介して供給される第2の電源電圧を切り替えて、マイコンチップに供給される電源電圧を切り替える電源電圧切り替え部と、(ロ)電源電圧切り替え部への入力を制御するフリップフロップと、(ハ)第2の電源電圧のレベルを検出するボルテージ・コンパレータと、(ニ)外部端子からのリセット信号を波形整形させるモノステーブル・マルチバイブレータとを備える供給切り替え装置であることを要旨とする。
【0013】
第2の特徴に係る供給切り替え装置によると、ソフトウェア開発で、エミュレータを単体で動作させてソフトウェアデバッグを行っている状態から、外部システムを接続してソフトウェアデバッグを行う状態に変更される際に、電源電圧の供給源を自動で切り替えることができる。これにより、エミュレータの電源電圧系統を外部システムのものと分離させた状態で使用しないので、外部システムとの電源電圧レベルの差も生じることなく、エミュレータを使用できる。従って、より実使用にあった状態でのソフトウェアデバッグが可能となる。又、機械的な電源電圧の切り替え作業も不要となることで、切り替えの煩わしさがなくなる。
【0014】
又、第2の特徴に係る供給切り替え装置の電源電圧切り替え部は、第1の電源電圧がソースに供給される第1のトランジスタと、第2の電源電圧がドレインに供給される第2のトランジスタとを備えても良い。
【0015】
更に、第2の特徴に係る供給切り替え装置は、フリップフロップから入力された制御信号に対応して、エミュレータ内部の発振器で発生する第1のクロックと外部システムで発生し外部端子を介して入力される第2のクロックを切り替えて、マイコンチップへクロックを供給する順序回路群を更に備えても良い。この供給切り替え装置によると、ソフトウェア開発で、エミュレータを単体で動作させてソフトウェアデバッグを行っている状態から、外部システムを接続してソフトウェアデバッグを行う状態に変更される際に、クロックの供給源を自動で切り替えることができる。これにより、エミュレータのクロック系統を外部システムのものと分離させた状態で使用しないので、外部システムとの完全な同期通信が可能となる。
【0016】
発明の第3の特徴は、マイコンチップを搭載するマイコンシステム及びパソコンに備えられたデバッガからの制御信号を伝えるコントローラから制御信号を受信し、マイコンシステムを制御するエバーチップを有する、マイコンチップを評価するためのエミュレータにおいて、(イ)コントローラがエミュレータに電源電圧を投入すると、マイコンチップにコントローラから供給される第1の電源電圧が供給されるステップと、(ロ)エミュレータの外部端子に外部システムが接続されると、マイコンチップへの電源電圧供給源がコントローラから外部システムへと切り替わり、マイコンチップに外部システムから供給される第2の電源電圧が供給されるステップと、(ハ)外部システムを取り外すと、マイコンチップへ供給される電源電圧がオフされるステップと、(ニ)電源電圧がオフされるステップにおいて、デバッガからリセットコマンドを実行すると、マイコンチップに再び第1の電源電圧が供給されるステップとを含む供給切り替え方法であることを要旨とする。
【0017】
第3の特徴に係る供給切り替え方法によると、ソフトウェア開発で、エミュレータを単体で動作させてソフトウェアデバッグを行っている状態から、外部システムを接続してソフトウェアデバッグを行う状態に変更される際に、電源電圧の供給源を自動で切り替えることができる。これにより、エミュレータの電源電圧系統を外部システムのものと分離させた状態で使用しないので、外部システムとの電源電圧レベルの差も生じることなく、エミュレータを使用できる。従って、より実使用にあった状態でのソフトウェアデバッグが可能となる。又、機械的な電源電圧の切り替え作業も不要となることで、切り替えの煩わしさがなくなる。
【0018】
又、第3の特徴に係る供給切り替え方法において、エミュレータは、更に、第1の電源電圧がソースに供給される第1のトランジスタを有する電源電圧切り替え部及び電源電圧切り替え部への入力を制御するフリップフロップとを有する供給切り替え装置を備え、第1の電源電圧が供給されるステップは、電源投入時にエミュレータ内部で発生するパワーオン・リセット信号により、第1のトランジスタがオンし、第1の電源電圧がマイコンチップに供給されても良い。又、エミュレータは、更に、第1の電源電圧がソースに供給される第1のトランジスタ及び第2の電源電圧がドレインに供給される第2のトランジスタを有する電源電圧切り替え部、電源電圧切り替え部への入力を制御するフリップフロップとを有する供給切り替え装置を備え、第2の電源電圧が供給されるステップは、外部端子から入力されるリセット信号により、フリップフロップのデータ入力電位がハイレベルとなり、第1のトランジスタはオフし、第2のトランジスタがオンすることで第2の電源電圧が供給されても良い。又、エミュレータは、更に、第1の電源電圧がソースに供給される第1のトランジスタ及び第2の電源電圧がドレインに供給される第2のトランジスタを有する電源電圧切り替え部、電源電圧切り替え部への入力を制御するフリップフロップとを有する供給切り替え装置を備え、再び第1の電源電圧が供給されるステップは、フリップフロップのデータ入力電位がローレベルとなり、第2のトランジスタはオフし、第1のトランジスタがオンすることで、再び第1の電源電圧が供給されても良い。
【0019】
更に、第3の特徴に係る供給切り替え方法において、エミュレータは、更に、クロックを発生させる発振器を備え、(ホ)コントローラがエミュレータに電源電圧を投入すると、マイコンチップに発振器で発生する第1のクロックが供給されるステップと、(へ)エミュレータの外部端子に外部システムが接続されると、マイコンチップへのクロック供給源が発振器から外部システムへと切り替わり、マイコンチップに外部システムで発生し外部端子を介して入力される第2のクロックが供給されるステップと、(ト)外部システムを取り外すと、マイコンチップへ入力されるクロックがオフされるステップと、(チ)クロックがオフされるステップにおいて、デバッガからリセットコマンドを実行すると、マイコンチップに再び第1のクロックが供給されるステップとを更に含んでも良い。この供給切り替え方法によると、ソフトウェア開発で、エミュレータを単体で動作させてソフトウェアデバッグを行っている状態から、外部システムを接続してソフトウェアデバッグを行う状態に変更される際に、クロックの供給源を自動で切り替えることができる。これにより、エミュレータのクロック系統を外部システムのものと分離させた状態で使用しないので、外部システムとの完全な同期通信が可能となる。
【0020】
又、第3の特徴に係る供給切り替え方法において、エミュレータは、更に、第1のクロックと第2のクロックを切り替える順序回路群を有する供給切り替え装置を備え、第1のクロックが供給されるステップは、電源投入時にエミュレータ内部で発生するパワーオン・リセット信号により、第1のクロックが供給されても良い。又、エミュレータは、更に、マイコンチップに供給される電源電圧を切り替える電源電圧切り替え部への入力を制御するフリップフロップ及び第1のクロックと第2のクロックを切り替える順序回路群とを有する供給切り替え装置を備え、第2のクロックが供給されるステップは、順序回路群が、フリップフロップにて生成された出力信号CNTSELがインアクティブの状態で、ステート信号F1が遷移し、その後、ステート信号F2が遷移したときに、第2のクロックが供給されても良い。又、エミュレータは、マイコンチップに供給される電源電圧を切り替える電源電圧切り替え部への入力を制御するフリップフロップ及び第1のクロックと第2のクロックを切り替える順序回路群とを有する供給切り替え装置を備え、再び第1のクロックが供給されるステップは、順序回路群が、フリップフロップにて生成された出力信号CNTSELがアクティブの状態で、ステート信号F2が遷移し、その後、ステート信号F1が遷移したときに、再び第1のクロックが供給されても良い。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明の第1〜第2の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであることに留意すべきである。
【0022】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、マイコンチップへの電源電圧の供給源を、エミュレータシステム内部と外部システムとで自動的に切り替えることができるエミュレータ、供給切り替え装置及び供給切り替え方法について説明する。
【0023】
第1の実施の形態に係るエミュレータシステムは、図1に示すように、エミュレータ10と、パソコン12に備えられたデバッガ22からの制御信号及び電源電圧VCCをエミュレータ10に伝えるコントローラ11とを備える。
【0024】
エミュレータ10は、マイコンチップ1を搭載するマイコンシステム8と、コントローラ11から制御信号を受信し、マイコンシステム8を制御するエバーチップ9と、コントローラ11から供給される第1の電源電圧VCCと外部システムから外部端子23を介して供給される第2の電源電圧VDDを切り替えてマイコンチップ1へ電源電圧を供給する電源電圧切り替え装置6とを備える。更に、図1に示すエミュレータ10は、クロックを発生させる発振器21と、電源電圧切り替え装置6からマイコンチップ1へ電源電圧を供給する電源電圧用バス30とを備える。
【0025】
このエミュレータ10は、例えば、接触型ICカードシステム等のマイコンチップの開発ツールとして用いることができる。この場合、外部端子23に接続する外部システムとしては、ICカードリーダやICカードリーダ・ライタ等のICカード通信端末が相当する。外部端子23はICカード通信端末等との接続用インタフェースであり、第1の実施の形態に係るエミュレータ10は、外部システムが外部端子23に接続されているか否かを自動認識して、マイコンチップ1への電源電圧の供給源を切り替える。
【0026】
電源電圧切り替え装置6は、コントローラ11から供給される電源電圧VCCと外部端子23を介して供給される電源電圧VDDを自動的に切り替えて、マイコンチップ1にいずれか一方の電源電圧を供給する。クロックに関しては、クロック切り替え装置14を用いて、エミュレータ10内部の発振器21で生成されたクロックOSCと外部端子23から入力されるクロックCLKを切り替える。
【0027】
電源電圧切り替え装置6は、図2に示すように、コントローラ11から供給される電源電圧VCCと外部システムから外部端子23を介して供給される電源電圧VDDを切り替えて、マイコンチップ1に供給される電源電圧を切り替える電源電圧切り替え部25と、電源電圧切り替え部25への入力を制御するフリップフロップ28と、電源電圧VDDのレベルを検出するボルテージ・コンパレータ26と、外部端子23からのリセット信号を波形整形させるモノステーブル・マルチバイブレータ27とを備える。
【0028】
電源電圧切り替え部25は、図2では、電源電圧VCCがソースに供給される第1のトランジスタ40と電源電圧VDDがドレインに供給される第2のトランジスタ41を備えている。第1のトランジスタ40及び第2のトランジスタ41のドレインからソースの間にはダイオードが接続されている。第1のトランジスタ40及び第2のトランジスタ41のゲートに接続されたフリップフロップ28からの入力信号により、第1のトランジスタ40と第2のトランジスタ41のオン・オフが切り替わる。この切り替えにより、VCCとVDDのどちらか一方がマイコンチップ1の電源電圧VDD5として供給される。
【0029】
フリップフロップ28は、パワーオン・リセット信号RESET及びリセット信号RESOUTが入力されると、これに応じて、出力信号CNTSELと反転出力信号TGTSELのいずれか一方をアクティブとする。出力信号CNTSELがアクティブの場合、第1のトランジスタ40がオンされ、反転出力信号TGTSELがアクティブの場合、第2のトランジスタ41がオンされる。出力信号CNTSELと反転出力信号TGTSELは互いに相補の関係である。
【0030】
図2に示すパワーオン・リセット信号RESETは、電源投入時にエミュレータ10内部で発生する信号である。図2では、パワーオン・リセット信号RESETは、電源切り替え装置6内部で発生しているが、エミュレータ10内部であればどこで発生させたものでも構わない。リセット信号CPURESは、外部端子23からの電源電圧VDDがボルテージ・コンパレータ26により検知されている時の外部端子23からのリセット信号RSTを、モノステーブル・マルチバイブレータ27により波形整形させた信号である。即ち、リセット信号CPURESは、外部システムが接続されているときに、波形整形された外部端子23からのリセット信号である。リセット信号CPURESは、エバーチップ9へ出力される。リセット信号RESOUTは、リセット信号CPURESを受けてエバーチップ9から出力される他、デバッガ22からリセットコマンドを実行すると、それを受けて出力される。
【0031】
第1の実施の形態に係るエミュレータによると、接触型ICカード向けマイコンチップ等のエミュレータを使用したソフトウェア開発で、マイコンチップを単体、つまりエミュレータを単体で動作させてソフトウェアデバッグを行っている状態から、エミュレータにリーダ・ライタを接続してソフトウェアデバッグを行う状態に変更される際において、電源電圧の供給源を自動で切り替えることができる。これにより、エミュレータの電源電圧系統をリーダ・ライタ側と分離させた状態で使用しないので、リーダ・ライタとの電源電圧レベルの差も生じることなく使用できる。従って、より実使用にあった状態でのソフトウェアデバッグが可能となる。又、機械的な電源電圧の切り替え作業も不要となることで、切り替えの煩わしさがなくなる。
【0032】
次に、図2のブロック図を参照しながら、図3の状態遷移図を用いて、第1の実施の形態に係る供給切り替え方法について説明する。以下の説明では、ICカード向けマイコンチップをエミュレータに搭載し、これを単体、もしくはリーダ・ライタを接続した状態で、ソフトウェアデバッグを行う場合を例にとり、説明する。
【0033】
(イ)まず、図3のステップS1では、エミュレータ10の主電源がOFFの状態である。外部端子23にリーダ・ライタ等の外部システムを接続しないエミュレータ10単体の状態で主電源をONすると、マイコンチップ1へは、コントローラ11から、エミュレータシステム内部の電源電圧VCCが供給され、ステップS2の状態に遷移する。エミュレータ10を単体で動作させて行うソフトウェアデバッグはステップS2の状態で行うこととなる。このステップS1の状態からステップS2の状態への遷移を詳しく説明すると、電源投入時にエミュレータ10内部で発生するパワーオン・リセット信号RESETにより、出力信号CNTSELがアクティブとなる。これにより、第1のトランジスタ40がオンすることでステップS2の状態へ遷移する。この時、マイコンチップ1の電源電圧VDD5はコントローラ11からの電源電圧VCCとなる。図4における(A)の状態である。この状態でデバッガ22からリセットコマンドを実行しても、マイコンチップ1の電源電圧VDD5はVCCのままで切り替わらない。
【0034】
(ロ)次に、リーダ・ライタを接続すると、リーダ・ライタからは初期動作として、外部端子23の接続及び活性化が行われる。その過程において外部端子23のRST端子の入力電位をローレベルにする。これを受けて、マイコンシステム10への電源電圧供給源がエミュレータからリーダ・ライタ側に切り替わり、マイコンチップ1へは電源電圧VDDが供給され、ステップS3の状態に遷移する。このステップS2の状態からステップS3の状態への遷移を詳しく説明すると、まず、リーダ・ライタが外部端子23に接続され、リーダ・ライタからの電源電圧VDDがボルテージ・コンパレータ26により検知されている状態で、リーダ・ライタから入力されたリセット信号RSTにより、リセット信号CPURESがアクティブとなる。図4における(B)の状態である。これにより、フリップフロップ28のデータ入力電位がハイレベルとなる。又、リセット信号CPURESを受けてリセット信号RESOUTがアクティブとなり、これをフリップフロップ28のクロック入力として受けることにより反転出力信号TGTSELがアクティブとなる。その結果、第1のトランジスタ40はオフし、第2のトランジスタ41がオンすることでステップS3の状態へ遷移する。この時、マイコンチップ1の電源電圧VDD5は外部端子23からの電源電圧VDDとなる。この状態でデバッガ22からリセットコマンドを実行しても、マイコンチップ1の電源電圧VDD5はVDDのままで切り替わらない。
【0035】
(ハ)次に、リーダ・ライタを取り外すと、ステップS3からステップS4の状態に遷移する。このとき、電源電圧の供給源はリーダ・ライタであるが、リーダ・ライタは取り外されているので、ステップS4の状態では電源電圧はOFFとなっている。図4における(B’)の状態である。この時、リーダ・ライタからの電源電圧VDDがボルテージ・コンパレータ26により検知されていない状態で、リーダ・ライタからのリセット信号RSTの入力もないため、リセット信号CPURESがインアクティブとなる。これにより、フリップフロップ28のデータ入力電位がローレベルとなる。再度、リーダ・ライタを接続すると、ステップS4からステップS3の状態へと戻る。
【0036】
(ニ)ステップS4の状態で、デバッガ22からリセットコマンドを実行すると、それを受けて、マイコンチップ1への電源電圧供給源がリーダ・ライタ側からエミュレータ10に切り替わり、マイコンチップ1へは電源電圧VCCが供給され、ステップS2の状態に遷移する。このステップS4の状態からステップS2の状態への遷移を詳しく説明すると、フリップフロップ28のデータ入力電位はローレベルであり、デバッガ22からのリセットコマンド実行によりリセット信号RESOUTがアクティブとなる。図4における(C)の状態である。これをフリップフロップ28の入力として受けることにより出力信号CNTSELがアクティブとなる。その結果、第2のトランジスタ41はオフし、第1のトランジスタ40がオンすることでステップS2の状態へ遷移する。この時、マイコンチップ1の電源電圧VDD5はVCCとなる。再び、リーダ・ライタを接続すると、ステップS2からステップS3の状態へ遷移し、電源電圧VDD5はVDDとなる。図4における(D)の状態である。
【0037】
第1の実施の形態に係る供給切り替え方法によると、接触型ICカード向けマイコンチップ等のエミュレータを使用したソフトウェア開発で、マイコンチップを単体、つまりエミュレータを単体で動作させてソフトウェアデバッグを行っている状態から、エミュレータにリーダ・ライタを接続してソフトウェアデバッグを行う状態に変更させる際において、電源電圧の供給源を自動で切り替えることができる。これにより、エミュレータの電源電圧系統をリーダ・ライタ側と分離させた状態で使用しないので、リーダ・ライタとの電源電圧レベルの差も生じることなく使用できる。従って、より実使用にあった状態でのソフトウェアデバッグが可能となる。又、機械的な電源電圧の切り替え作業も不要となることで、切り替えの煩わしさがなくなる。
【0038】
又、第1の実施の形態にかかる供給切り替え方法によると、デバッガ22のコマンドから電源電圧の供給源を、外部システムからエミュレータ側へと切り替えることが可能となる。これにより、機械的な電源電圧の切り替え作業も不要となることで、切り替えの煩わしさがなくなる。
【0039】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、電源電圧に加え、マイコンチップへのクロックの供給源を、エミュレータシステム内部と外部システムとで自動的に切り替えることができるエミュレータ、供給切り替え装置及び供給切り替え方法について説明する。
【0040】
第2の実施の形態に係るエミュレータシステムは、図5に示すように、エミュレータ10と、エミュレータ10を制御するコントローラ11と、コントローラ11に接続されたデバッガ22を備えるパソコン12とを備える。エミュレータ10は、マイコンチップ1を搭載するマイコンシステム8と、コントローラ11から制御信号を受信し、マイコンシステム8を制御するエバーチップ9と、コントローラ11から供給される第1の電源電圧VCCと外部システムから外部端子23を介して供給される第2の電源電圧VDDを切り替えてマイコンチップ1へ電源電圧を供給する電源電圧切り替え装置6と、クロックを発生させる発振器21と、発振器21で発生する第1のクロックと外部システムで発生し外部端子23を介して入力される第2のクロックを切り替えてマイコンチップ1へクロックを供給するクロック切り替え装置7とを備える。更に、図5に示すエミュレータ10は、電源電圧切り替え装置6からマイコンチップ1へ電源電圧を供給する電源電圧用バス30と、クロック切り替え装置7からマイコンチップ1へクロックを供給するクロック用バス31とを備える。このエミュレータ10は、第1の実施の形態と同様に、例えば、接触型ICカードシステム等のマイコンチップの開発ツールとして用いることができる。この場合、外部端子23に接続する外部システムとしては、ICカードリーダやICカードリーダ・ライタ等のICカード通信端末が相当する。外部端子23はICカード通信端末等との接続用インタフェースであり、第2の実施の形態に係るエミュレータ10は、外部システムが外部端子23に接続されているか否かを自動認識して、マイコンチップ1への電源電圧及びクロックの供給源を切り替える。
【0041】
クロック切り替え装置7は、図6に示すように、ステートマシンを構成する順序回路群29を備える。クロック切り替え装置7には、電源電圧切り替え装置6のフリップフロップ28にて生成された出力信号CNTSELと反転出力信号TGTSELが入力される。又、電源投入時にエミュレータ10内部で発生するパワーオン・リセット信号RESETも入力される。パワーオン・リセット信号RESETは、図6では、電源電圧切り替え装置6で発生したものを使用しているが、クロック切り替え装置7内部で発生したものを使用しても良いことは勿論である。順序回路群29は、出力信号CNTSEL、反転出力信号TGTSEL、パワーオン・リセット信号RESETを入力とし、発振器21で生成されたクロックOSCと外部システムで生成され外部端子23を介して入力されたクロックCLKを切り替え、クロック用バス31を介してマイコンチップ1へクロックを供給する。順序回路群29内部のステート信号F1の電位は、出力信号CNTSELがインアクティブ(あるいは反転出力信号TGTSELがアクティブ)で、発振器21で生成されたクロックOSCを検出したときに、ハイレベルとなる。又、出力信号CNTSELがアクティブ(あるいは反転出力信号TGTSELがインアクティブ)で、発振器21で生成されたクロックOSCを検出したときに、ローレベルとなる。ステート信号F2の電位は、ステート信号F1がアクティブで、外部端子23から入力されたクロックCLKを検出したときに、ハイレベルとなる。又、出力信号CNTSELがアクティブ(あるいは反転出力信号TGTSELがインアクティブ)のときに、強制的にローレベルとなる。ステート信号F1の電位とステート信号F2の電位が共にローレベルのとき、マイコンチップ1には発振器21で生成されたクロックOSCが供給され、ステート信号F1の電位とステート信号F2の電位が共にハイレベルのとき、マイコンチップ1には外部端子23から入力されたクロックCLKが供給される。
【0042】
マイコンシステム8、エバーチップ9、発振器21、外部端子23、コントローラ11、電源電圧切り替え装置6に関しては、図1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0043】
第2の実施の形態に係るエミュレータによると、接触型ICカード向けマイコンチップ等のエミュレータを使用したソフトウェア開発で、マイコンチップを単体、つまりエミュレータを単体で動作させてソフトウェアデバッグを行っている状態から、エミュレータにリーダ・ライタを接続してソフトウェアデバッグを行う状態に変更される際において、クロックの供給源を自動で切り替えることができる。これにより、エミュレータのクロック系統をリーダ・ライタ側と分離させた状態で使用しないので、リーダ・ライタとの完全な同期通信が可能となる。従って、より実使用にあった状態でのソフトウェアデバッグが可能となる。又、機械的な電源電圧の切り替え作業も不要となることで、切り替えの煩わしさがなくなる。
【0044】
次に、図5のブロック図を参照しながら、図3の状態遷移図を用いて、第2の実施の形態に係る供給切り替え方法について説明する。以下の説明では、エミュレータがICカードシステムであり、外部システムがリーダ・ライタである場合を例にとり、説明する。
【0045】
(イ)まず、図3のステップS1は、エミュレータ10の主電源がOFFの状態である。外部端子23にリーダ・ライタ等の外部システムを接続しないエミュレータ10単体の状態で主電源電圧をONすると、マイコンチップ1へは、エミュレータ10内部の発振器21で生成したクロックOSCが入力され、ステップS2の状態に遷移する。エミュレータ10を単体で動作させて行うソフトウェアデバッグはステップS2の状態で行うこととなる。このステップS1の状態からステップS2の状態への遷移を詳しく説明すると、電源投入時にエミュレータ10内部で発生するパワーオン・リセット信号RESET及び出力信号CNTSELがアクティブ(あるいは反転出力信号TGTSELがインアクティブ)になることにより、発振器21で生成されたクロックOSCが選択される。この時、マイコンチップ1に入力されるクロックPCLKはクロックOSCとなる。図7における(E)の状態である。
【0046】
(ロ)次に、リーダ・ライタを接続すると、リーダ・ライタからは初期動作として、外部端子23の接続及び活性化が行われる。その過程において外部端子23のRST端子の電位をローレベルにする。これを受けて、マイコンチップ1へのクロック供給源がエミュレータからリーダ・ライタ側に切り替わり、マイコンチップ1へはクロックCLKが入力され、ステップS3の状態に遷移する。このステップS2の状態からステップS3の状態への遷移を詳しく説明すると、まず、リーダ・ライタがICカードシステムに接続され、出力信号CNTSELがインアクティブ(あるいは反転出力信号TGTSELがアクティブ)となる。それを受けてステートマシンのステート信号F1及びステート信号F2の電位がクロックOSC及びクロックCLKのエッジ検出により状態遷移する。図7における(F)の状態である。図7では、まず、ステート信号F1の電位が、クロックOSCのクロック波形の最初の矢印で表されるエッジ検出により、遷移している。同様に、ステート信号F2の電位は、クロックCLKのクロック波形の最初の矢印で表されるエッジ検出により、遷移している。そして、ステート信号F1及びステート信号F2の電位が共に状態遷移された後に、クロックの切り替えが行われ、ステップS3の状態へ遷移する。つまり、出力信号CNTSELがインアクティブ(あるいは反転出力信号TGTSELがアクティブ)の状態で、クロックOSCを検出し、その後、クロックCLKを検出したときに、マイコンチップ1へクロックCLKが入力される。ステート信号F1の状態遷移の後、2周期分、クロックCLKをカウントしてからステート信号F2の電位が遷移するのは、クロックの切り替わり目に規定の時間より短いクロックパルスが発生するのを防ぐためである。図7では、2周期分タイムラグを取っているが、このタイムラグの長さは任意であることは勿論である。この時、マイコンチップ1に入力されるクロックPCLKはCLKとなる。
【0047】
(ハ)次に、リーダ・ライタを取り外すと、ステップS3からステップS4の状態に遷移する。このとき、クロックの供給源はリーダ・ライタであるが、リーダ・ライタは取り外されているので、ステップS4の状態ではクロックはOFFとなっている。図7における(F’)の状態である。再度、リーダ・ライタを接続すると、ステップS4からステップS3の状態へと戻る。
【0048】
(ニ)ステップS4の状態で、デバッガ22からリセットコマンドを実行すると、それを受けて、マイコンチップ1へのクロック供給源がリーダ・ライタ側からエミュレータ10に切り替わり、マイコンチップ1へはクロックOSCが供給され、ステップS2の状態に遷移する。このステップS4の状態からステップS2の状態への遷移を詳しく説明すると、デバッガ22からのリセットコマンド実行により出力信号CNTSELがアクティブ(あるいは反転出力信号TGTSELがインアクティブ)となる。図7における(G)の状態である。それを受けてステートマシンのステート信号F2の電位が強制的に状態遷移し、その後、クロックOSCのエッジ検出によりステート信号F1の電位が状態遷移する。ステート信号F2、ステート信号F1の電位が共に状態遷移された後、クロックの切り替えが行われステップS2の状態へ遷移する。つまり、出力信号CNTSELがアクティブ(あるいは反転出力信号TGTSELがインアクティブ)の状態で、クロックOSCを検出したときに、マイコンチップ1へクロックOSCが入力される。この時、マイコンチップ1に入力されるクロックPCLKはOSCとなる。
【0049】
第2の実施の形態に係る供給切り替え方法によると、接触型ICカード向けマイコンチップ等のエミュレータを使用したソフトウェア開発で、マイコンチップを単体、つまりエミュレータを単体で動作させてソフトウェアデバッグを行っている状態から、エミュレータにリーダ・ライタを接続してソフトウェアデバッグを行う状態に変更される際において、クロックの供給源を自動で切り替えることができる。これにより、エミュレータのクロック系統をリーダ・ライタ側と分離させた状態で使用しないので、リーダ・ライタとの完全な同期通信が可能となる。従って、より実使用にあった状態でのソフトウェアデバッグが可能となる。又、機械的な電源電圧の切り替え作業も不要となることで、切り替えの煩わしさがなくなる。
【0050】
又、第2の実施の形態にかかる供給切り替え方法によると、デバッガ22のコマンドから電源電圧及びクロックの供給源を、外部システムからエミュレータ側へと切り替えることが可能となる。これにより、機械的な電源電圧の切り替え作業も不要となることで、切り替えの煩わしさがなくなる。
【0051】
(その他の実施の形態)
本発明は上記の第1〜第2の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0052】
例えば、図2に示す電源電圧切り替え装置6の電源電圧切り替え部25、ボルテージ・コンパレータ26、モノステーブル・マルチバイブレータ27、フリップフロップ28、図6に示すクロック力替え装置7の順序回路群29は、ハードウェアとしてとして設計されている回路であるが、この機能をプログラミングによりソフトウェア上で実現しても構わない。
【0053】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0054】
【発明の効果】
本発明によると、マイコンチップへの電源電圧及びクロックの供給源を、エミュレータ内部と外部システムとで自動的に切り替えることができるエミュレータ、供給切り替え装置及び供給切り替え方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るエミュレータシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施に形態に係る供給切り替え装置の構成を示すブロック図である。
【図3】第1及び第2の実施に形態に係る供給切り替え方法を示す状態遷移図である。
【図4】第1の実施に形態に係る電源電圧切り替えのタイミングチャートである。
【図5】第2の実施の形態に係るエミュレータシステムの構成を示すブロック図である。
【図6】第2の実施に形態に係る供給切り替え装置の構成を示すブロック図である。
【図7】第2の実施に形態に係るクロック切り替えのタイミングチャートである。
【図8】従来のエミュレータシステムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1、101 マイコンチップ
5 供給切り替え装置
6、113 電源電圧切り替え装置
7、14、114 クロック切り替え装置
8、108 マイコンシステム
9、109 エバーチップ
10、110 エミュレータ
11、111 コントローラ
12、112 パソコン
21 発振器
22、122 デバッガ
23 外部端子
25 電源電圧切り替え部
26 ボルテージ・コンパレータ
27 モノステーブル・マルチバイブレータ
28 フリップフロップ
29 順序回路群
30 電源電圧用バス
31 クロック用バス
40 第1のトランジスタ
41 第2のトランジスタ
Claims (13)
- パソコンに備えられたデバッガからの制御信号を伝えるコントローラによって制御される、マイコンチップを評価するためのエミュレータであって、
前記マイコンチップを搭載するマイコンシステムと、
前記コントローラから前記制御信号を受信し、前記マイコンシステムを制御するエバーチップと、
前記コントローラから供給される第1の電源電圧と外部システムから外部端子を介して供給される第2の電源電圧を切り替えて前記マイコンチップへ電源電圧を供給する電源電圧切り替え装置と
を備えることを特徴とするエミュレータ。 - 更に、クロックを発生させる発振器と、
該発振器で発生する第1のクロックと外部システムで発生し外部端子を介して入力される第2のクロックを切り替えて前記マイコンチップへクロックを供給するクロック切り替え装置と
を備えることを特徴とする請求項1に記載のエミュレータ。 - マイコンチップを搭載するマイコンシステム及びパソコンに備えられたデバッガからの制御信号を伝えるコントローラから該制御信号を受信し、前記マイコンシステムを制御するエバーチップを有する、前記マイコンチップを評価するためのエミュレータに搭載される装置であって、
前記コントローラから供給される第1の電源電圧と外部システムから外部端子を介して供給される第2の電源電圧を切り替えて、前記マイコンチップに供給される電源電圧を切り替える電源電圧切り替え部と、
該電源電圧切り替え部への入力を制御するフリップフロップと、
前記第2の電源電圧のレベルを検出するボルテージ・コンパレータと、
前記外部端子からのリセット信号を波形整形させるモノステーブル・マルチバイブレータと
を備えることを特徴とする供給切り替え装置。 - 前記電源電圧切り替え部は、
前記第1の電源電圧がソースに供給される第1のトランジスタと、
前記第2の電源電圧がドレインに供給される第2のトランジスタと
を備えることを特徴とする請求項3に記載の供給切り替え装置。 - 更に、前記フリップフロップから入力された制御信号に対応して、前記エミュレータ内部の発振器で発生する第1のクロックと外部システムで発生し前記外部端子を介して入力される第2のクロックを切り替えて、前記マイコンチップへクロックを供給する順序回路群を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の供給切り替え装置。
- マイコンチップを搭載するマイコンシステム及びパソコンに備えられたデバッガからの制御信号を伝えるコントローラから該制御信号を受信し、前記マイコンシステムを制御するエバーチップを有する、前記マイコンチップを評価するためのエミュレータにおいて、
前記コントローラが前記エミュレータに電源電圧を投入すると、前記マイコンチップに前記コントローラから供給される第1の電源電圧が供給されるステップと、
前記エミュレータの外部端子に外部システムが接続されると、前記マイコンチップへの電源電圧供給源が前記コントローラから前記外部システムへと切り替わり、前記マイコンチップに前記外部システムから供給される第2の電源電圧が供給されるステップと、
前記外部システムを取り外すと、前記マイコンチップへ供給される電源電圧がオフされるステップと、
該電源電圧がオフされるステップにおいて、前記デバッガからリセットコマンドを実行すると、前記マイコンチップに再び前記第1の電源電圧が供給されるステップと
を含むことを特徴とする供給切り替え方法。 - 前記エミュレータは、更に、前記第1の電源電圧がソースに供給される第1のトランジスタを有する電源電圧切り替え部及び該電源電圧切り替え部への入力を制御するフリップフロップとを有する供給切り替え装置を備え、
前記第1の電源電圧が供給されるステップは、電源投入時に前記エミュレータ内部で発生するパワーオン・リセット信号により、前記第1のトランジスタがオンし、前記第1の電源電圧が前記マイコンチップに供給されることを特徴とする請求項6に記載の供給切り替え方法。 - 前記エミュレータは、更に、前記第1の電源電圧がソースに供給される第1のトランジスタ及び前記第2の電源電圧がドレインに供給される第2のトランジスタを有する電源電圧切り替え部、該電源電圧切り替え部への入力を制御するフリップフロップとを有する供給切り替え装置を備え、
前記第2の電源電圧が供給されるステップは、前記外部端子から入力されるリセット信号により、前記フリップフロップのデータ入力電位がハイレベルとなり、前記第1のトランジスタはオフし、前記第2のトランジスタがオンすることで前記第2の電源電圧が供給されることを特徴とする請求項6に記載の供給切り替え方法。 - 前記エミュレータは、更に、前記第1の電源電圧がソースに供給される第1のトランジスタ及び前記第2の電源電圧がドレインに供給される第2のトランジスタを有する電源電圧切り替え部、該電源電圧切り替え部への入力を制御するフリップフロップとを有する供給切り替え装置を備え、
前記再び前記第1の電源電圧が供給されるステップは、前記フリップフロップのデータ入力電位がローレベルとなり、前記第2のトランジスタはオフし、前記第1のトランジスタがオンすることで、再び前記第1の電源電圧が供給されることを特徴とする請求項6に記載の供給切り替え方法。 - 前記エミュレータは、更に、クロックを発生させる発振器を備え、
前記コントローラが前記エミュレータに電源電圧を投入すると、前記マイコンチップに前記発振器で発生する第1のクロックが供給されるステップと、
前記エミュレータの外部端子に外部システムが接続されると、前記マイコンチップへのクロック供給源が前記発振器から前記外部システムへと切り替わり、前記マイコンチップに前記外部システムで発生し前記外部端子を介して入力される第2のクロックが供給されるステップと、
前記外部システムを取り外すと、前記マイコンチップへ入力されるクロックがオフされるステップと、
該クロックがオフされるステップにおいて、前記デバッガからリセットコマンドを実行すると、前記マイコンチップに再び前記第1のクロックが供給されるステップと
を更に含むことを特徴とする請求項6に記載の供給切り替え方法。 - 前記エミュレータは、更に、前記第1のクロックと前記第2のクロックを切り替える順序回路群を有する供給切り替え装置を備え、
前記第1のクロックが供給されるステップは、電源投入時に前記エミュレータ内部で発生するパワーオン・リセット信号により、前記第1のクロックが供給されることを特徴とする請求項10に記載の供給切り替え方法。 - 前記エミュレータは、更に、前記マイコンチップに供給される電源電圧を切り替える電源電圧切り替え部への入力を制御するフリップフロップ及び前記第1のクロックと前記第2のクロックを切り替える順序回路群とを有する供給切り替え装置を備え、
前記第2のクロックが供給されるステップは、前記順序回路群が、前記フリップフロップにて生成された出力信号CNTSELがインアクティブの状態で、ステート信号F1が遷移し、その後、ステート信号F2が遷移したときに、前記第2のクロックが供給されることを特徴とする請求項10に記載の供給切り替え方法。 - 前記エミュレータは、前記マイコンチップに供給される電源電圧を切り替える電源電圧切り替え部への入力を制御するフリップフロップ及び前記第1のクロックと前記第2のクロックを切り替える順序回路群とを有する供給切り替え装置を備え、
前記再び前記第1のクロックが供給されるステップは、前記順序回路群が、前記フリップフロップにて生成された出力信号CNTSELがアクティブの状態で、ステート信号F2が遷移し、その後、ステート信号F1が遷移したときに、再び前記第1のクロックが供給されることを特徴とする請求項10に記載の供給切り替え方法。
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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