JP2004192306A - 表示位置変更装置、表示位置変更方法、表示位置変更プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
表示位置変更装置、表示位置変更方法、表示位置変更プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ユーザの頭部の動作により表示装置に表示されている複数の表示物の表示位置を変更することで、隠れている表示物を見やすくしたり、操作対象となる表示物を簡単に変更できるようにする技術の提供を目的とする。
【解決手段】頭部動作検出装置を使ってユーザの頭部の動くことが検出される場合に、最も手前に表示されている表示物を頭部の動き方向とは逆方向へ移動させる。また、ユーザの頭部が一定方向に動いていく場合に、頭部動作検出装置の検出値の指す注目対象の表示物を特定して、注目対象の表示物よりも手前に表示されている表示物を頭部の動き方向とは逆方向へ移動させるとともに、注目対象の表示物を頭部の動き方向へ移動させる。また、頭部動作検出装置の検出値の指す注目対象の表示物を特定して、頭部の動きが一定時間ないときなどに、注目対象の表示物を最も手前の位置へ移動させたり、入力装置の操作対象とする。
【選択図】 図1
【解決手段】頭部動作検出装置を使ってユーザの頭部の動くことが検出される場合に、最も手前に表示されている表示物を頭部の動き方向とは逆方向へ移動させる。また、ユーザの頭部が一定方向に動いていく場合に、頭部動作検出装置の検出値の指す注目対象の表示物を特定して、注目対象の表示物よりも手前に表示されている表示物を頭部の動き方向とは逆方向へ移動させるとともに、注目対象の表示物を頭部の動き方向へ移動させる。また、頭部動作検出装置の検出値の指す注目対象の表示物を特定して、頭部の動きが一定時間ないときなどに、注目対象の表示物を最も手前の位置へ移動させたり、入力装置の操作対象とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユーザの頭部の動作により表示装置に表示されている複数の表示物の表示位置を変更する処理を行う表示位置変更装置及びその方法と、その表示位置変更方法の実現に用いられる表示位置変更プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体とに関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の表示物が表示装置に表示されているときに、それらの表示物の表示位置を変更する技術としては、Microsoft Windowsに代表されるグラフィカルユーザインタフェースによるウィンドウシステムがある(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
このウィンドウシステムは、画面上に表示物として複数のウィンドウを重ねて表示し、マウスおよびキーボードを使用することにより、ウィンドウなどの上下左右位置および前後の順番が変更でき、それによって、手前のウィンドウによって隠されてしまった後ろのウィンドウを見たり操作したりすることができる技術である。
【0004】
その他に、本発明に関連する従来技術として、ユーザの頭部動作によりカメラを動かし観察物を見やすくするもの(例えば、特許文献1参照)や、ユーザの頭部の位置に応じて非平面スクリーン表示画像のゆがみを補正し見やすくするもの(例えば、特許文献2参照)や、ユーザの頭部の位置に応じて情報の入力を行うもの(例えば、特許文献3参照)などがある。
【0005】
【非特許文献1】
「Microsoft Windows ファミリー」,マイクロソフト株式会社,インターネット<URL:http://www.microsoft.com/japan/windows/default.asp>
【特許文献1】
特開平8−220471号公報
【特許文献2】
特開平9−81785号公報
【特許文献3】
特開平9−44297号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来技術に従っていると、次のような問題点がある。
【0007】
すなわち、複数の物体が重なって表示されている環境で、後ろに隠れている物体を見たい場合や、後ろに隠れている物体に操作を加えようとしたい場合に、マウスやキーボードといった情報操作装置を使って、該当の物体を選択して手前に出さなければならないという問題があった。
【0008】
このとき、元々手前にあった物体に対する作業を継続するには、再び情報操作装置を使って、元々の物体を選択して手前に出さなければならないという問題があった。
【0009】
このようなことから、後ろに隠れている物体を短時間だけ参照するには、煩雑な操作が必要であるという問題があった。
【0010】
さらに、情報操作装置の操作対象を手前の物体にしたまま、後ろの物体を参照することができないという問題もあった。
【0011】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、ユーザの頭部の動作により表示装置に表示されている複数の表示物の表示位置を変更する処理を行うことで、隠れている表示物を見やすくするとともに、操作対象となる表示物を簡単に変更できることを可能にする新たな技術の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明の表示位置変更装置は、前後の重なりをもって表示装置に表示される表示物の表示位置を変更する処理を行うために、▲1▼ユーザの頭部の位置・角度・加速度・角速度の一部または全てを検出する頭部動作検出装置の検出値を入力する手段と、▲2▼頭部動作検出装置の検出値と、その検出値に割り当てられる順序情報との対応関係のデータを記憶する手段と、▲3▼その対応関係データに従って、頭部動作検出装置の検出値の指す注目対象の表示物を特定する手段と、▲4▼頭部動作検出装置の検出値に従って、表示装置に表示される表示物の表示位置を変更する手段とを備えるように構成する。
【0013】
以上の各処理手段が動作することで実現される本発明の表示位置変更方法はコンピュータプログラムで実現できるものであり、このコンピュータプログラムは、半導体メモリなどのような適当な記録媒体に記録して提供したり、ネットワークを介して提供することができる。
【0014】
このように構成される本発明の表示位置変更装置では、ユーザの頭部が動く場合に、最も手前に表示されている表示物を頭部の動き方向とは逆の方向へ移動させるように処理する。
【0015】
この動作に従って、ユーザは、マウスやキーボードといった入力装置を操作することなく、頭部を動かすだけでもって、最も手前に表示されている表示物の後ろに隠れている表示物を見ることができるようになる。
【0016】
また、このように構成される本発明の表示位置変更装置では、ユーザの頭部が一定方向に動いていく場合に、頭部動作検出装置の検出値の指す注目対象の表示物を特定して、その注目対象の表示物よりも手前に表示されている表示物を頭部の動き方向とは逆の方向へ移動させるとともに、その注目対象の表示物を頭部の動き方向へ移動させるように処理する。
【0017】
例えば、ユーザの頭部が動いていく方向に、最初の検出値の範囲の所では最も手前の表示物から数えて2番目の表示物、次の検出値の範囲の所では最も手前の表示物から数えて3番目の表示物が注目対象の表示物になるというような対応関係データが記憶されている場合には、ユーザの頭部が一定方向に動いていくときに、最初は、最も手前に表示されている表示物を頭部の動き方向とは逆の方向へ移動させるとともに、2番目の表示物を頭部の動き方向へ移動させ、続いて、最も手前と2番目の表示物を頭部の動き方向とは逆の方向へ移動させるとともに、3番目の表示物を頭部の動き方向へ移動させるように処理する。
【0018】
この動作に従って、ユーザは、マウスやキーボードといった入力装置を操作することなく、頭部を動かすだけでもって、自分の注目する表示物ではない表示物については視界から遠ざけつつ、自分の注目する表示物を見ることができるようになる。
【0019】
また、このように構成される本発明の表示位置変更装置では、頭部動作検出装置の検出値の指す注目対象の表示物を特定して、頭部の動きが一定時間ないとき、または頭部に特定の動きがあるとき、または入力装置による特定の操作があるときに、その注目対象の表示物を最も手前の位置へ移動させるか、その注目対象の表示物を入力装置の操作対象とするか、その双方を行うように処理する。
【0020】
この動作に従って、ユーザは、マウスやキーボードといった入力装置を操作することなく、頭部の動作を使って、自分の注目する表示物を最も手前の位置に移動させることができるようになるとともに、自分の注目する表示物を操作対象として設定することができるようになる。
【0021】
このようにして、本発明によれば、ユーザは、頭部の動作によって、各表示物の表示位置を変化させることができるようになる。そして、ユーザは、頭部の動作によって、操作対象となる表示物を変更することができるようになる。そして、ユーザは、頭部の動作によって、注目すべきでない表示物を頭部動作の方向とは逆の方向へ移動させることで視界から遠ざけることができるようになる。そして、ユーザは、頭部の動作によって、注目すべき表示物を頭部動作の方向へ移動させることで見やすい位置に移動させることができるようになる。そして、ユーザは、頭部の動作によって、注目すべき表示物を次々に切り替えて表示することができるようになる。
【0022】
したがって、本発明によれば、ユーザは、マウスやキーボードといった入力装置による操作なしに、隠れている表示物を見ることができるようになるし、隠れている表示物を操作対象とすることができるようになるし、複数の隠れている表示物の中から目的の表示物を簡単に探し出すことができるようになるし、手前の表示物に対する作業を行っている状態のまま、後ろの表示物の状態を確認することができるようになる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に従って本発明を詳細に説明する。
【0024】
図1に、本発明の一実施形態例を図示する。
【0025】
図中、1は本発明を具備するコンピュータ装置、2はコンピュータ装置1の備える表示装置であって、表示対象の物体を表示するためのもの、3はコンピュータ装置1の備える情報操作装置であって、表示装置2に表示される物体を操作するためのもの、4はコンピュータ装置1に接続される頭部動作検出装置であって、コンピュータ装置1を使用するユーザの頭部に取り付けられて、ユーザの頭部の動作を検出するためのものである。
【0026】
この頭部動作検出装置4は、例えば、磁気センサ・超音波センサ・ジャイロセンサ・光学センサの一部または全てを用いて、ユーザの頭部の位置・角度・加速度・角速度の一部または全てを検出することで、ユーザの頭部の動作を検出することになる。具体的には、ユーザの頭部が表示装置2に設定されているx軸上のどの座標位置に対応付けられているのかを検出する。
【0027】
本発明を具備するコンピュータ装置1は、表示対象の物体の表示に必要となる情報を記憶する物体情報記憶部10と、頭部動作検出装置4の検出値を入力する検出値入力部11と、頭部動作検出装置4の検出値とその検出値に割り当てられる注目物体がどれであるのかを示す順序情報との対応関係のデータを管理する対応関係管理部12と、その対応関係データを作成して対応関係管理部12に登録する対応関係登録部13と、表示対象の物体の表示位置を制御する表示位置制御部14とを備える。
【0028】
ここで、物体情報記憶部10は、3次元仮想空間に表示するための表示オブジェクトの情報や、グラフィカルユーザインタフェースの画面に表示するための表示オブジェクトの情報などを記憶する。
【0029】
この対応関係管理部12は、例えば図2に示すように、頭部動作検出装置4の検出値が表示装置2のx軸上の「x≦x1」という座標範囲▲1▼にあるときには、最も手前にある物体が注目物体になるということを示す順序情報を管理し、「x1<x≦x2」という座標範囲▲2▼にあるときには、最も手前にある物体から数えて2番目にある物体が注目物体になるということを示す順序情報を管理し、「x2<x≦x3」という座標範囲▲3▼にあるときには、最も手前にある物体から数えて3番目にある物体が注目物体になるということを示す順序情報を管理し、「x3<x≦x4」という座標範囲▲4▼にあるときには、注目物体となる物体がなくて背景が注目対象になるということを示す順序情報を管理する。
【0030】
対応関係登録部13は、このような対応関係データを作成して対応関係管理部12に登録する処理を行うものであるが、この対応関係データの作成処理については、ユーザとの対話により行われることもあるし、ユーザとの対話に依らないで自動的に行われることもある。また、表示装置2に表示される物体の数の変化に応じて動的に作成されることでもよいし、表示装置2に表示される物体の数の変化に関係なく予め作成されることでもよい。
【0031】
図2に示す対応関係データの作成について具体的に説明するならば、対応関係登録部13は、ユーザの頭部の移動方向がx軸方向であるとともに、3個の物体が表示されることを想定して、先ず最初に、ユーザの頭部の原点位置となる表示装置2のx軸上の原点Oの周辺から左端までの範囲を座標範囲▲1▼として定めて、x1をその境界として定義し、このx1から表示装置2の右端x4までのx軸上の領域を3分割して、それぞれの境界x2,x3を求めることで座標範囲▲2▼、座標範囲▲3▼、座標範囲▲4▼を設定する。
【0032】
続いて、この設定した座標範囲▲1▼に対して、最も手前にある物体が注目物体となることを示す順序情報を定義し、この設定した座標範囲▲2▼に対して、最も手前にある物体から数えて2番目にある物体が注目物体となることを示す順序情報を定義し、この設定した座標範囲▲3▼に対して、最も手前にある物体から数えて3番目にある物体が注目物体となることを示す順序情報を定義し、この設定した座標範囲▲4▼に対して、注目物体となる物体がなくて背景が注目対象となることを示す順序情報を定義することで、図2に示す対応関係データを作成するのである。
【0033】
このように構成される本発明を具備するコンピュータ装置1では、表示位置制御部14は、検出値入力部11から渡された頭部動作検出装置4の検出する表示装置2のx座標値を元に、対応関係管理部12に管理される対応関係データを参照しながら、物体情報記憶部10から渡された物体情報の配置を行い、その結果を表示装置2に出力する。
【0034】
これを受けて、表示装置2は、表示位置制御部14から渡された物体情報および配置情報に基づいて、表示対象の物体の表示を行ってユーザに示し、この表示に応答してユーザが操作を行うと、情報操作装置3は、ユーザの操作指示に従って、物体情報記憶部10に記憶される物体情報を操作したり、表示位置制御部14の制御する物体の配置を変更する。
【0035】
次に、図3に従って、本発明により実現される物体の表示位置の変更処理および注目すべき物体の切替処理について説明する。
【0036】
ここで、図3では、物体情報記憶部10に記憶される物体情報に基づいて、表示装置2に、物体100が最も手前に表示され、物体200がその物体100の後ろに隠れる形で表示され、物体300がその物体200の後ろに隠れる形で表示されていることを想定している。
【0037】
これから、対応関係管理部12が図2中に示す対応関係データを管理している場合には、頭部動作検出装置4の検出値が座標範囲▲1▼にあるときには、物体100が注目物体となることを定義し、頭部動作検出装置4の検出値が座標範囲▲2▼にあるときには、物体200が注目物体となることを定義し、頭部動作検出装置4の検出値が座標範囲▲3▼にあるときには、物体300が注目物体となることを定義し、頭部動作検出装置4の検出値が座標範囲▲4▼にあるときには、背景が注目対象となることを定義することになる。
【0038】
図3に示すように、ユーザの頭部が図中に示すA方向(表示装置2のx軸の方向)へ動いていく場合にあって、頭部動作検出装置4によりユーザの頭部が座標範囲▲1▼にあることが検出されると、表示位置制御部14は、対応関係管理部12の管理する対応関係データに従って、注目すべき物体は最も手前に表示されている物体100であると判定して、ユーザの頭部の動きに関係なく、表示装置2に重なり合って表示している物体100,200,300の位置を変更しないように処理する。
【0039】
そして、これに続けて、ユーザの頭部がA方向へ動いていく場合にあって、頭部動作検出装置4によりユーザの頭部が座標範囲▲2▼にあることが検出されると、表示位置制御部14は、対応関係管理部12の管理する対応関係データに従って、注目すべき物体は物体200であると判定して、今度は、物体100を頭部移動のA方向とは逆の方向(図中の左方向)へ移動させるとともに、物体200を頭部移動のA方向と同じ方向(図中の右方向)へ移動させ、物体300については移動させないように処理する。
【0040】
そして、これに続けて、ユーザの頭部がA方向へ動いていく場合にあって、頭部動作検出装置4によりユーザの頭部が座標範囲▲3▼にあることが検出されると、表示位置制御部14は、対応関係管理部12の管理する対応関係データに従って、注目すべき物体は物体300であると判定して、今度は、物体100,200を頭部移動のA方向とは逆の方向(図中の左方向)へ移動させるとともに、物体300を頭部移動のA方向と同じ方向(図中の右方向)へ移動させるように処理する。
【0041】
そして、これに続けて、ユーザの頭部がA方向へ動いていく場合にあって、頭部動作検出装置4によりユーザの頭部が座標範囲▲4▼にあることが検出されると、表示位置制御部14は、対応関係管理部12の管理する対応関係データに従って、注目物体となる物体はなくて背景が注目対象となることを判定して、今度は、物体100,200,300を頭部移動のA方向とは逆の方向(図中の左方向)へ移動させるように処理する。
【0042】
図4に示す処理フローに従って、以上に説明した物体の表示位置の変更処理について、さらに詳細に説明するならば、表示位置制御部14は、ユーザの頭部がA方向へ動いていく場合に、この処理フローに示すように、先ず最初に、ステップ10で、頭部動作検出装置4の検出するユーザの頭部位置Xhを取得する。
【0043】
続いて、ステップ11で、その取得したユーザの頭部位置Xhが図3中に示すx1よりも大きいのか否かを判断して、Xhがx1よりも大きくないことを判断するとき、すなわち、ユーザの頭部が図3に示す座標範囲▲1▼にあることを判断するときには、ステップ12に進んで、
x100=Xi100
x200=Xi200
x300=Xi300
と設定する。
【0044】
ここで、x100は物体100の表示位置、Xi100は物体100の表示初期位置、x200は物体200の表示位置、Xi200は物体200の表示初期位置、x300は物体300の表示位置、Xi300は物体300の表示初期位置である。
【0045】
そして、ステップ18に進んで、この設定に従って、物体100,200,300の表示位置を変更(この場合には変更しない)してから、ステップ10に戻る。
【0046】
一方、ステップ11で、ユーザの頭部位置Xhが図3中に示すx1よりも大きいことを判断するときには、ステップ13に進んで、その頭部位置Xhが図3中に示すx2よりも大きいのか否かを判断して、Xhがx2よりも大きくないことを判断するとき、すなわち、ユーザの頭部が図3に示す座標範囲▲2▼にあることを判断するときには、ステップ14に進んで、
x100=Xi100−(Xh−x1)
x200=Xi200+(Xh−x1)
x300=Xi300
と設定する。
【0047】
そして、ステップ18に進んで、この設定に従って、物体100を頭部の移動方向とは逆の方向へ移動させ、物体200を頭部の移動方向へ移動させ、物体300については移動させないように処理することで、物体100,200,300の表示位置を変更してから、ステップ10に戻る。
【0048】
一方、ステップ13で、ユーザの頭部位置Xhが図3中に示すx2よりも大きいことを判断するときには、ステップ15に進んで、その頭部位置Xhが図3中に示すx3よりも大きいのか否かを判断して、Xhがx3よりも大きくないことを判断するとき、すなわち、ユーザの頭部が図3に示す座標範囲▲3▼にあることを判断するときには、ステップ16に進んで、
x100=Xi100−(Xh−x1)
x200=Xi200+(x2−x1)−(Xh−x2)
x300=Xi300+(Xh−x2)
と設定する。
【0049】
そして、ステップ18に進んで、この設定に従って、物体100,200を頭部の移動方向とは逆の方向へ移動させ、物体300を頭部の移動方向へ移動させることで、物体100,200,300の表示位置を変更してから、ステップ10に戻る。
【0050】
一方、ステップ15で、ユーザの頭部位置Xhが図3中に示すx3よりも大きいことを判断するとき、すなわち、ユーザの頭部が図3に示す座標範囲▲4▼にあることを判断するときには、ステップ17に進んで、
x100=Xi100−(Xh−x1)
x200=Xi200+(x2−x1)−(Xh−x2)
x300=Xi300+(x3−x2)−(Xh−x3)
と設定する。
【0051】
そして、ステップ18に進んで、この設定に従って、物体100,200,300を頭部の移動方向とは逆の方向へ移動させることで、物体100,200,300の表示位置を変更してから、ステップ10に戻る。
【0052】
このようにして、表示位置制御部14は、ユーザの頭部が一定方向へ動いていく場合に、頭部動作検出装置4の検出値の指す注目対象の物体を特定して、その注目対象の物体よりも手前に表示されている物体を頭部の動き方向とは逆の方向へ移動させるとともに、その注目対象の物体を頭部の動き方向へ移動させるように処理するのである。
【0053】
この表示位置制御部14による表示位置の変更処理に従って、ユーザは、マウスやキーボードといった情報操作装置3を操作することなく、頭部を動かすだけでもって、自分の注目する物体ではない物体については視界から遠ざけつつ、自分の注目する物体を見ることができるようになる。
【0054】
この処理にあたって、表示位置制御部14は、物体の表示位置を変更する場合にも、情報操作装置3の操作対象となる物体については最も手前に表示されている物体100のままとしている。すなわち、情報操作装置3の操作対象となる物体を変更しないようにしている。
【0055】
ただし、注目すべき物体が最も手前に表示されている物体100とは異なる状態のまま、一定時間の間ユーザの頭部に動きがない場合には、表示位置制御部14は、その時点での注目すべき物体を最も手前に表示し、情報操作装置3の操作対象となる物体についても、その時点での注目すべき物体に変更するようにしている。
【0056】
ここで、一定時間の間ユーザの頭部に動きがない場合に、その時点での注目すべき物体を最も手前に表示したり、情報操作装置3の操作対象となるようにしているが、その他として、例えば、うなずくというような頭部の特定動作が発生したり、情報操作装置3による特定操作が発生した場合にも、その時点での注目すべき物体を最も手前に表示したり、情報操作装置3の操作対象となるようにしてもよい。
【0057】
以上に説明した実施形態例では、ユーザの頭部が表示装置2のx軸方向(図3中に示すA方向)に動くことで説明したが、実際には、ユーザの頭部の動き方はそのようなものではない。
【0058】
これから、表示位置制御部14は、図5に示すように、ユーザの頭部の動きの内、表示装置2のx軸方向の成分のみを使用して上述した処理を行うという構成を採っている。これにより、物体100,200,300が上下方向や斜め方向に動かないようにすることで、ユーザの意図しない物体移動の発生を防止している。
【0059】
さらに、このとき、ユーザの頭部の動きの範囲に制限を課する(最大でも、図3に示す座標値x4を越えることはできないという制限を課する)ことで、ユーザの意図しない物体移動の発生を防止している。
【0060】
このようにして、本発明を具備するコンピュータ装置1では、ユーザの頭部の動きに応じて表示装置2に表示する物体の表示位置を変更するという構成を採る場合に、その変更する方向や範囲に制限を加えることで、ユーザの意図しない物体移動の発生を防止するようにしているのである。
【0061】
図示実施形態例に従って本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0062】
例えば、図1では、ユーザの頭部に取り付けられる頭部動作検出装置4を用いるという構成を採ったが、図6に示すように、ユーザの頭部を撮影するカメラ5の撮影する画像を入力として、その画像を処理することでユーザの頭部の位置や角度などを検出する頭部動作検出装置4aを用いるようにしてもよい。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザは、マウスやキーボードといった入力装置による操作なしに、隠れている表示物を見ることができるようになるし、隠れている表示物を操作対象とすることができるようになるし、複数の隠れている表示物の中から目的の表示物を簡単に探し出すことができるようになるし、手前の表示物に対する作業を行っている状態のまま、後ろの表示物の状態を確認することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例である。
【図2】対応関係管理部の管理する対応関係データの説明図である。
【図3】本発明の処理の説明図である。
【図4】表示位置制御部の実行する処理フローである。
【図5】本発明の処理の説明図である。
【図6】頭部動作検出装置の他の構成例である。
【符号の説明】
1 コンピュータ装置
2 表示装置
3 情報操作装置
4 頭部動作検出装置
10 物体情報記憶部
11 検出値入力部
12 対応関係管理部
13 対応関係登録部
14 表示位置制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユーザの頭部の動作により表示装置に表示されている複数の表示物の表示位置を変更する処理を行う表示位置変更装置及びその方法と、その表示位置変更方法の実現に用いられる表示位置変更プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体とに関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の表示物が表示装置に表示されているときに、それらの表示物の表示位置を変更する技術としては、Microsoft Windowsに代表されるグラフィカルユーザインタフェースによるウィンドウシステムがある(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
このウィンドウシステムは、画面上に表示物として複数のウィンドウを重ねて表示し、マウスおよびキーボードを使用することにより、ウィンドウなどの上下左右位置および前後の順番が変更でき、それによって、手前のウィンドウによって隠されてしまった後ろのウィンドウを見たり操作したりすることができる技術である。
【0004】
その他に、本発明に関連する従来技術として、ユーザの頭部動作によりカメラを動かし観察物を見やすくするもの(例えば、特許文献1参照)や、ユーザの頭部の位置に応じて非平面スクリーン表示画像のゆがみを補正し見やすくするもの(例えば、特許文献2参照)や、ユーザの頭部の位置に応じて情報の入力を行うもの(例えば、特許文献3参照)などがある。
【0005】
【非特許文献1】
「Microsoft Windows ファミリー」,マイクロソフト株式会社,インターネット<URL:http://www.microsoft.com/japan/windows/default.asp>
【特許文献1】
特開平8−220471号公報
【特許文献2】
特開平9−81785号公報
【特許文献3】
特開平9−44297号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来技術に従っていると、次のような問題点がある。
【0007】
すなわち、複数の物体が重なって表示されている環境で、後ろに隠れている物体を見たい場合や、後ろに隠れている物体に操作を加えようとしたい場合に、マウスやキーボードといった情報操作装置を使って、該当の物体を選択して手前に出さなければならないという問題があった。
【0008】
このとき、元々手前にあった物体に対する作業を継続するには、再び情報操作装置を使って、元々の物体を選択して手前に出さなければならないという問題があった。
【0009】
このようなことから、後ろに隠れている物体を短時間だけ参照するには、煩雑な操作が必要であるという問題があった。
【0010】
さらに、情報操作装置の操作対象を手前の物体にしたまま、後ろの物体を参照することができないという問題もあった。
【0011】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、ユーザの頭部の動作により表示装置に表示されている複数の表示物の表示位置を変更する処理を行うことで、隠れている表示物を見やすくするとともに、操作対象となる表示物を簡単に変更できることを可能にする新たな技術の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明の表示位置変更装置は、前後の重なりをもって表示装置に表示される表示物の表示位置を変更する処理を行うために、▲1▼ユーザの頭部の位置・角度・加速度・角速度の一部または全てを検出する頭部動作検出装置の検出値を入力する手段と、▲2▼頭部動作検出装置の検出値と、その検出値に割り当てられる順序情報との対応関係のデータを記憶する手段と、▲3▼その対応関係データに従って、頭部動作検出装置の検出値の指す注目対象の表示物を特定する手段と、▲4▼頭部動作検出装置の検出値に従って、表示装置に表示される表示物の表示位置を変更する手段とを備えるように構成する。
【0013】
以上の各処理手段が動作することで実現される本発明の表示位置変更方法はコンピュータプログラムで実現できるものであり、このコンピュータプログラムは、半導体メモリなどのような適当な記録媒体に記録して提供したり、ネットワークを介して提供することができる。
【0014】
このように構成される本発明の表示位置変更装置では、ユーザの頭部が動く場合に、最も手前に表示されている表示物を頭部の動き方向とは逆の方向へ移動させるように処理する。
【0015】
この動作に従って、ユーザは、マウスやキーボードといった入力装置を操作することなく、頭部を動かすだけでもって、最も手前に表示されている表示物の後ろに隠れている表示物を見ることができるようになる。
【0016】
また、このように構成される本発明の表示位置変更装置では、ユーザの頭部が一定方向に動いていく場合に、頭部動作検出装置の検出値の指す注目対象の表示物を特定して、その注目対象の表示物よりも手前に表示されている表示物を頭部の動き方向とは逆の方向へ移動させるとともに、その注目対象の表示物を頭部の動き方向へ移動させるように処理する。
【0017】
例えば、ユーザの頭部が動いていく方向に、最初の検出値の範囲の所では最も手前の表示物から数えて2番目の表示物、次の検出値の範囲の所では最も手前の表示物から数えて3番目の表示物が注目対象の表示物になるというような対応関係データが記憶されている場合には、ユーザの頭部が一定方向に動いていくときに、最初は、最も手前に表示されている表示物を頭部の動き方向とは逆の方向へ移動させるとともに、2番目の表示物を頭部の動き方向へ移動させ、続いて、最も手前と2番目の表示物を頭部の動き方向とは逆の方向へ移動させるとともに、3番目の表示物を頭部の動き方向へ移動させるように処理する。
【0018】
この動作に従って、ユーザは、マウスやキーボードといった入力装置を操作することなく、頭部を動かすだけでもって、自分の注目する表示物ではない表示物については視界から遠ざけつつ、自分の注目する表示物を見ることができるようになる。
【0019】
また、このように構成される本発明の表示位置変更装置では、頭部動作検出装置の検出値の指す注目対象の表示物を特定して、頭部の動きが一定時間ないとき、または頭部に特定の動きがあるとき、または入力装置による特定の操作があるときに、その注目対象の表示物を最も手前の位置へ移動させるか、その注目対象の表示物を入力装置の操作対象とするか、その双方を行うように処理する。
【0020】
この動作に従って、ユーザは、マウスやキーボードといった入力装置を操作することなく、頭部の動作を使って、自分の注目する表示物を最も手前の位置に移動させることができるようになるとともに、自分の注目する表示物を操作対象として設定することができるようになる。
【0021】
このようにして、本発明によれば、ユーザは、頭部の動作によって、各表示物の表示位置を変化させることができるようになる。そして、ユーザは、頭部の動作によって、操作対象となる表示物を変更することができるようになる。そして、ユーザは、頭部の動作によって、注目すべきでない表示物を頭部動作の方向とは逆の方向へ移動させることで視界から遠ざけることができるようになる。そして、ユーザは、頭部の動作によって、注目すべき表示物を頭部動作の方向へ移動させることで見やすい位置に移動させることができるようになる。そして、ユーザは、頭部の動作によって、注目すべき表示物を次々に切り替えて表示することができるようになる。
【0022】
したがって、本発明によれば、ユーザは、マウスやキーボードといった入力装置による操作なしに、隠れている表示物を見ることができるようになるし、隠れている表示物を操作対象とすることができるようになるし、複数の隠れている表示物の中から目的の表示物を簡単に探し出すことができるようになるし、手前の表示物に対する作業を行っている状態のまま、後ろの表示物の状態を確認することができるようになる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に従って本発明を詳細に説明する。
【0024】
図1に、本発明の一実施形態例を図示する。
【0025】
図中、1は本発明を具備するコンピュータ装置、2はコンピュータ装置1の備える表示装置であって、表示対象の物体を表示するためのもの、3はコンピュータ装置1の備える情報操作装置であって、表示装置2に表示される物体を操作するためのもの、4はコンピュータ装置1に接続される頭部動作検出装置であって、コンピュータ装置1を使用するユーザの頭部に取り付けられて、ユーザの頭部の動作を検出するためのものである。
【0026】
この頭部動作検出装置4は、例えば、磁気センサ・超音波センサ・ジャイロセンサ・光学センサの一部または全てを用いて、ユーザの頭部の位置・角度・加速度・角速度の一部または全てを検出することで、ユーザの頭部の動作を検出することになる。具体的には、ユーザの頭部が表示装置2に設定されているx軸上のどの座標位置に対応付けられているのかを検出する。
【0027】
本発明を具備するコンピュータ装置1は、表示対象の物体の表示に必要となる情報を記憶する物体情報記憶部10と、頭部動作検出装置4の検出値を入力する検出値入力部11と、頭部動作検出装置4の検出値とその検出値に割り当てられる注目物体がどれであるのかを示す順序情報との対応関係のデータを管理する対応関係管理部12と、その対応関係データを作成して対応関係管理部12に登録する対応関係登録部13と、表示対象の物体の表示位置を制御する表示位置制御部14とを備える。
【0028】
ここで、物体情報記憶部10は、3次元仮想空間に表示するための表示オブジェクトの情報や、グラフィカルユーザインタフェースの画面に表示するための表示オブジェクトの情報などを記憶する。
【0029】
この対応関係管理部12は、例えば図2に示すように、頭部動作検出装置4の検出値が表示装置2のx軸上の「x≦x1」という座標範囲▲1▼にあるときには、最も手前にある物体が注目物体になるということを示す順序情報を管理し、「x1<x≦x2」という座標範囲▲2▼にあるときには、最も手前にある物体から数えて2番目にある物体が注目物体になるということを示す順序情報を管理し、「x2<x≦x3」という座標範囲▲3▼にあるときには、最も手前にある物体から数えて3番目にある物体が注目物体になるということを示す順序情報を管理し、「x3<x≦x4」という座標範囲▲4▼にあるときには、注目物体となる物体がなくて背景が注目対象になるということを示す順序情報を管理する。
【0030】
対応関係登録部13は、このような対応関係データを作成して対応関係管理部12に登録する処理を行うものであるが、この対応関係データの作成処理については、ユーザとの対話により行われることもあるし、ユーザとの対話に依らないで自動的に行われることもある。また、表示装置2に表示される物体の数の変化に応じて動的に作成されることでもよいし、表示装置2に表示される物体の数の変化に関係なく予め作成されることでもよい。
【0031】
図2に示す対応関係データの作成について具体的に説明するならば、対応関係登録部13は、ユーザの頭部の移動方向がx軸方向であるとともに、3個の物体が表示されることを想定して、先ず最初に、ユーザの頭部の原点位置となる表示装置2のx軸上の原点Oの周辺から左端までの範囲を座標範囲▲1▼として定めて、x1をその境界として定義し、このx1から表示装置2の右端x4までのx軸上の領域を3分割して、それぞれの境界x2,x3を求めることで座標範囲▲2▼、座標範囲▲3▼、座標範囲▲4▼を設定する。
【0032】
続いて、この設定した座標範囲▲1▼に対して、最も手前にある物体が注目物体となることを示す順序情報を定義し、この設定した座標範囲▲2▼に対して、最も手前にある物体から数えて2番目にある物体が注目物体となることを示す順序情報を定義し、この設定した座標範囲▲3▼に対して、最も手前にある物体から数えて3番目にある物体が注目物体となることを示す順序情報を定義し、この設定した座標範囲▲4▼に対して、注目物体となる物体がなくて背景が注目対象となることを示す順序情報を定義することで、図2に示す対応関係データを作成するのである。
【0033】
このように構成される本発明を具備するコンピュータ装置1では、表示位置制御部14は、検出値入力部11から渡された頭部動作検出装置4の検出する表示装置2のx座標値を元に、対応関係管理部12に管理される対応関係データを参照しながら、物体情報記憶部10から渡された物体情報の配置を行い、その結果を表示装置2に出力する。
【0034】
これを受けて、表示装置2は、表示位置制御部14から渡された物体情報および配置情報に基づいて、表示対象の物体の表示を行ってユーザに示し、この表示に応答してユーザが操作を行うと、情報操作装置3は、ユーザの操作指示に従って、物体情報記憶部10に記憶される物体情報を操作したり、表示位置制御部14の制御する物体の配置を変更する。
【0035】
次に、図3に従って、本発明により実現される物体の表示位置の変更処理および注目すべき物体の切替処理について説明する。
【0036】
ここで、図3では、物体情報記憶部10に記憶される物体情報に基づいて、表示装置2に、物体100が最も手前に表示され、物体200がその物体100の後ろに隠れる形で表示され、物体300がその物体200の後ろに隠れる形で表示されていることを想定している。
【0037】
これから、対応関係管理部12が図2中に示す対応関係データを管理している場合には、頭部動作検出装置4の検出値が座標範囲▲1▼にあるときには、物体100が注目物体となることを定義し、頭部動作検出装置4の検出値が座標範囲▲2▼にあるときには、物体200が注目物体となることを定義し、頭部動作検出装置4の検出値が座標範囲▲3▼にあるときには、物体300が注目物体となることを定義し、頭部動作検出装置4の検出値が座標範囲▲4▼にあるときには、背景が注目対象となることを定義することになる。
【0038】
図3に示すように、ユーザの頭部が図中に示すA方向(表示装置2のx軸の方向)へ動いていく場合にあって、頭部動作検出装置4によりユーザの頭部が座標範囲▲1▼にあることが検出されると、表示位置制御部14は、対応関係管理部12の管理する対応関係データに従って、注目すべき物体は最も手前に表示されている物体100であると判定して、ユーザの頭部の動きに関係なく、表示装置2に重なり合って表示している物体100,200,300の位置を変更しないように処理する。
【0039】
そして、これに続けて、ユーザの頭部がA方向へ動いていく場合にあって、頭部動作検出装置4によりユーザの頭部が座標範囲▲2▼にあることが検出されると、表示位置制御部14は、対応関係管理部12の管理する対応関係データに従って、注目すべき物体は物体200であると判定して、今度は、物体100を頭部移動のA方向とは逆の方向(図中の左方向)へ移動させるとともに、物体200を頭部移動のA方向と同じ方向(図中の右方向)へ移動させ、物体300については移動させないように処理する。
【0040】
そして、これに続けて、ユーザの頭部がA方向へ動いていく場合にあって、頭部動作検出装置4によりユーザの頭部が座標範囲▲3▼にあることが検出されると、表示位置制御部14は、対応関係管理部12の管理する対応関係データに従って、注目すべき物体は物体300であると判定して、今度は、物体100,200を頭部移動のA方向とは逆の方向(図中の左方向)へ移動させるとともに、物体300を頭部移動のA方向と同じ方向(図中の右方向)へ移動させるように処理する。
【0041】
そして、これに続けて、ユーザの頭部がA方向へ動いていく場合にあって、頭部動作検出装置4によりユーザの頭部が座標範囲▲4▼にあることが検出されると、表示位置制御部14は、対応関係管理部12の管理する対応関係データに従って、注目物体となる物体はなくて背景が注目対象となることを判定して、今度は、物体100,200,300を頭部移動のA方向とは逆の方向(図中の左方向)へ移動させるように処理する。
【0042】
図4に示す処理フローに従って、以上に説明した物体の表示位置の変更処理について、さらに詳細に説明するならば、表示位置制御部14は、ユーザの頭部がA方向へ動いていく場合に、この処理フローに示すように、先ず最初に、ステップ10で、頭部動作検出装置4の検出するユーザの頭部位置Xhを取得する。
【0043】
続いて、ステップ11で、その取得したユーザの頭部位置Xhが図3中に示すx1よりも大きいのか否かを判断して、Xhがx1よりも大きくないことを判断するとき、すなわち、ユーザの頭部が図3に示す座標範囲▲1▼にあることを判断するときには、ステップ12に進んで、
x100=Xi100
x200=Xi200
x300=Xi300
と設定する。
【0044】
ここで、x100は物体100の表示位置、Xi100は物体100の表示初期位置、x200は物体200の表示位置、Xi200は物体200の表示初期位置、x300は物体300の表示位置、Xi300は物体300の表示初期位置である。
【0045】
そして、ステップ18に進んで、この設定に従って、物体100,200,300の表示位置を変更(この場合には変更しない)してから、ステップ10に戻る。
【0046】
一方、ステップ11で、ユーザの頭部位置Xhが図3中に示すx1よりも大きいことを判断するときには、ステップ13に進んで、その頭部位置Xhが図3中に示すx2よりも大きいのか否かを判断して、Xhがx2よりも大きくないことを判断するとき、すなわち、ユーザの頭部が図3に示す座標範囲▲2▼にあることを判断するときには、ステップ14に進んで、
x100=Xi100−(Xh−x1)
x200=Xi200+(Xh−x1)
x300=Xi300
と設定する。
【0047】
そして、ステップ18に進んで、この設定に従って、物体100を頭部の移動方向とは逆の方向へ移動させ、物体200を頭部の移動方向へ移動させ、物体300については移動させないように処理することで、物体100,200,300の表示位置を変更してから、ステップ10に戻る。
【0048】
一方、ステップ13で、ユーザの頭部位置Xhが図3中に示すx2よりも大きいことを判断するときには、ステップ15に進んで、その頭部位置Xhが図3中に示すx3よりも大きいのか否かを判断して、Xhがx3よりも大きくないことを判断するとき、すなわち、ユーザの頭部が図3に示す座標範囲▲3▼にあることを判断するときには、ステップ16に進んで、
x100=Xi100−(Xh−x1)
x200=Xi200+(x2−x1)−(Xh−x2)
x300=Xi300+(Xh−x2)
と設定する。
【0049】
そして、ステップ18に進んで、この設定に従って、物体100,200を頭部の移動方向とは逆の方向へ移動させ、物体300を頭部の移動方向へ移動させることで、物体100,200,300の表示位置を変更してから、ステップ10に戻る。
【0050】
一方、ステップ15で、ユーザの頭部位置Xhが図3中に示すx3よりも大きいことを判断するとき、すなわち、ユーザの頭部が図3に示す座標範囲▲4▼にあることを判断するときには、ステップ17に進んで、
x100=Xi100−(Xh−x1)
x200=Xi200+(x2−x1)−(Xh−x2)
x300=Xi300+(x3−x2)−(Xh−x3)
と設定する。
【0051】
そして、ステップ18に進んで、この設定に従って、物体100,200,300を頭部の移動方向とは逆の方向へ移動させることで、物体100,200,300の表示位置を変更してから、ステップ10に戻る。
【0052】
このようにして、表示位置制御部14は、ユーザの頭部が一定方向へ動いていく場合に、頭部動作検出装置4の検出値の指す注目対象の物体を特定して、その注目対象の物体よりも手前に表示されている物体を頭部の動き方向とは逆の方向へ移動させるとともに、その注目対象の物体を頭部の動き方向へ移動させるように処理するのである。
【0053】
この表示位置制御部14による表示位置の変更処理に従って、ユーザは、マウスやキーボードといった情報操作装置3を操作することなく、頭部を動かすだけでもって、自分の注目する物体ではない物体については視界から遠ざけつつ、自分の注目する物体を見ることができるようになる。
【0054】
この処理にあたって、表示位置制御部14は、物体の表示位置を変更する場合にも、情報操作装置3の操作対象となる物体については最も手前に表示されている物体100のままとしている。すなわち、情報操作装置3の操作対象となる物体を変更しないようにしている。
【0055】
ただし、注目すべき物体が最も手前に表示されている物体100とは異なる状態のまま、一定時間の間ユーザの頭部に動きがない場合には、表示位置制御部14は、その時点での注目すべき物体を最も手前に表示し、情報操作装置3の操作対象となる物体についても、その時点での注目すべき物体に変更するようにしている。
【0056】
ここで、一定時間の間ユーザの頭部に動きがない場合に、その時点での注目すべき物体を最も手前に表示したり、情報操作装置3の操作対象となるようにしているが、その他として、例えば、うなずくというような頭部の特定動作が発生したり、情報操作装置3による特定操作が発生した場合にも、その時点での注目すべき物体を最も手前に表示したり、情報操作装置3の操作対象となるようにしてもよい。
【0057】
以上に説明した実施形態例では、ユーザの頭部が表示装置2のx軸方向(図3中に示すA方向)に動くことで説明したが、実際には、ユーザの頭部の動き方はそのようなものではない。
【0058】
これから、表示位置制御部14は、図5に示すように、ユーザの頭部の動きの内、表示装置2のx軸方向の成分のみを使用して上述した処理を行うという構成を採っている。これにより、物体100,200,300が上下方向や斜め方向に動かないようにすることで、ユーザの意図しない物体移動の発生を防止している。
【0059】
さらに、このとき、ユーザの頭部の動きの範囲に制限を課する(最大でも、図3に示す座標値x4を越えることはできないという制限を課する)ことで、ユーザの意図しない物体移動の発生を防止している。
【0060】
このようにして、本発明を具備するコンピュータ装置1では、ユーザの頭部の動きに応じて表示装置2に表示する物体の表示位置を変更するという構成を採る場合に、その変更する方向や範囲に制限を加えることで、ユーザの意図しない物体移動の発生を防止するようにしているのである。
【0061】
図示実施形態例に従って本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0062】
例えば、図1では、ユーザの頭部に取り付けられる頭部動作検出装置4を用いるという構成を採ったが、図6に示すように、ユーザの頭部を撮影するカメラ5の撮影する画像を入力として、その画像を処理することでユーザの頭部の位置や角度などを検出する頭部動作検出装置4aを用いるようにしてもよい。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザは、マウスやキーボードといった入力装置による操作なしに、隠れている表示物を見ることができるようになるし、隠れている表示物を操作対象とすることができるようになるし、複数の隠れている表示物の中から目的の表示物を簡単に探し出すことができるようになるし、手前の表示物に対する作業を行っている状態のまま、後ろの表示物の状態を確認することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例である。
【図2】対応関係管理部の管理する対応関係データの説明図である。
【図3】本発明の処理の説明図である。
【図4】表示位置制御部の実行する処理フローである。
【図5】本発明の処理の説明図である。
【図6】頭部動作検出装置の他の構成例である。
【符号の説明】
1 コンピュータ装置
2 表示装置
3 情報操作装置
4 頭部動作検出装置
10 物体情報記憶部
11 検出値入力部
12 対応関係管理部
13 対応関係登録部
14 表示位置制御部
Claims (10)
- 前後の重なりをもって表示装置に表示される表示物の表示位置を変更する表示位置変更装置であって、
ユーザの頭部の位置・角度・加速度・角速度の一部または全てを検出する頭部動作検出装置の検出値を入力する手段と、
上記検出値に従って、表示装置に表示される表示物の表示位置を変更する手段とを備えることを、
特徴とする表示位置変更装置。 - 請求項1記載の表示位置変更装置において、
上記変更する手段は、最も手前に表示されている表示物を頭部の動き方向とは逆の方向へ移動させることを、
特徴とする表示位置変更装置。 - 請求項1記載の表示位置変更装置において、
上記変更する手段は、頭部が一定方向に動いていくときに、上記検出値により特定される注目対象の表示物よりも手前に表示されている表示物を頭部の動き方向とは逆の方向へ移動させるとともに、その注目対象の表示物を頭部の動き方向へ移動させることを、
特徴とする表示位置変更装置。 - 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の表示位置変更装置において、
上記変更する手段は、頭部の動きが一定時間ないとき、または頭部に特定の動きがあるとき、または入力装置による特定の操作があるときに、上記検出値により特定される注目対象の表示物を最も手前の位置へ移動させるか、上記注目対象の表示物を入力装置の操作対象とするか、その双方を行うことを、
特徴とする表示位置変更装置。 - 前後の重なりをもって表示装置に表示される表示物の表示位置を変更する表示位置変更方法であって、
ユーザの頭部の位置・角度・加速度・角速度の一部または全てを検出する頭部動作検出装置の検出値を入力する過程と、
上記検出値に従って、表示装置に表示される表示物の表示位置を変更する過程とを備えることを、
特徴とする表示位置変更方法。 - 請求項5記載の表示位置変更方法において、
上記変更する過程では、最も手前に表示されている表示物を頭部の動き方向とは逆の方向へ移動させることを、
特徴とする表示位置変更方法。 - 請求項5記載の表示位置変更方法において、
上記変更する過程では、頭部が一定方向に動いていくときに、上記検出値により特定される注目対象の表示物よりも手前に表示されている表示物を頭部の動き方向とは逆の方向へ移動させるとともに、その注目対象の表示物を頭部の動き方向へ移動させることを、
特徴とする表示位置変更方法。 - 請求項5ないし7のいずれか1項に記載の表示位置変更方法において、
上記変更する過程では、頭部の動きが一定時間ないとき、または頭部に特定の動きがあるとき、または入力装置による特定の操作があるときに、上記検出値により特定される注目対象の表示物を最も手前の位置へ移動させるか、上記注目対象の表示物を入力装置の操作対象とするか、その双方を行うことを、
特徴とする表示位置変更方法。 - 請求項5ないし8のいずれか1項に記載の表示位置変更方法の実現に用いられる処理をコンピュータに実行させるための表示位置変更プログラム。
- 請求項5ないし8のいずれか1項に記載の表示位置変更方法の実現に用いられる処理をコンピュータに実行させるための表示位置変更プログラムを記録した記録媒体。
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JP2008542798A (ja) * | 2005-05-05 | 2008-11-27 | 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント | コンピュータ対話型処理と共に使用する選択的音源聴音 |
JP2012108723A (ja) * | 2010-11-17 | 2012-06-07 | Sharp Corp | 指示受付装置 |
JP2014197066A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-16 | ソニー株式会社 | 表示制御装置、表示制御方法、およびプログラム |
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2002
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