JP2004191028A - 悪臭成分含有低発熱量廃棄物の乾燥焼却方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】悪臭成分含有低発熱量廃棄物の乾燥焼却に当たって、排ガス中に悪臭成分を含まず、そのうえ熱利用度の高い方法及びその装置を提供する。
【解決手段】悪臭成分低発熱量廃棄物が乾燥部10,110、焼却部20を順次通過し、それぞれ乾燥、焼却が行われよう構成された悪臭成分低発熱量廃棄物の乾燥焼却方法であって、特に乾燥部10,110に加熱空気A1が導入され、悪臭成分低発熱量廃棄物Dと接触した後、焼却用空気A2として前記焼却部20に導かれるよう構成されている。その他、前記加熱空気A1は、空気Aの、前記焼却部20からの排ガスG1との間接熱交換によって得られるよう、なお、乾燥部で悪臭成分低発熱量廃棄物Dの乾燥が間接熱交換によっても行われると、設備費の負担が一層軽減される。
【選択図】 図1
【解決手段】悪臭成分低発熱量廃棄物が乾燥部10,110、焼却部20を順次通過し、それぞれ乾燥、焼却が行われよう構成された悪臭成分低発熱量廃棄物の乾燥焼却方法であって、特に乾燥部10,110に加熱空気A1が導入され、悪臭成分低発熱量廃棄物Dと接触した後、焼却用空気A2として前記焼却部20に導かれるよう構成されている。その他、前記加熱空気A1は、空気Aの、前記焼却部20からの排ガスG1との間接熱交換によって得られるよう、なお、乾燥部で悪臭成分低発熱量廃棄物Dの乾燥が間接熱交換によっても行われると、設備費の負担が一層軽減される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば鶏糞等、悪臭を発生し、不燃分が多く低発熱量の、悪臭成分含有低発熱量廃棄物の乾燥焼却方法及びその装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
肉・卵用の鶏の飼育は近年大規模化し、それに伴い大量に発生する鶏糞の処理が大きな問題となっている。鶏糞の処理方法としては、堆肥化、焼却などの方法がある。堆肥化は鶏糞有効利用の点では最も望ましいものであるが、実情はその需要が少なく、それのみに期待することには限度がある。
【0003】
最近、ロータリキルン等による焼却処理、さらにそれから発生する熱の有効利用が提案され、一部実施されるようになったが、高水分で不燃分が多く低発熱量であって、それの安定な燃焼や排熱の有効利用による経済性確保には、予めそれの乾燥が不可欠である。しかも、悪臭成分を含むため、従来の焼却排ガスとによる直接乾燥では、悪臭を含む排ガスが大量に排出されるという環境上重大な問題点がある。その対策として、乾燥排ガスの再燃焼による脱臭や薬品による消臭等が提案実施されているが、それらからは付加価値が全く生まれず、燃料・薬品・設備の追加等に伴って、経済性が確保されないという問題点がある。
【0004】
それに対して、乾燥排ガスとの直接接触によらず、スチーム等の乾燥熱媒との間接接触による乾燥も考えられるが、乾燥部内が蒸発した水蒸気で飽和されると共に、乾燥熱媒との接触度も低く、水分蒸発に対する物理的抵抗が大であるため、設備が大きくなったり、動力消費が大きくなるという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上述の従来技術の欠点を除くためになされたものであって、悪臭成分含有低発熱量廃棄物の乾燥焼却に当たって、排ガス中に悪臭成分を含まず、熱経済性に優れた方法及びその装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達するために、請求項1の発明は、悪臭成分低発熱量廃棄物が乾燥部10,110、焼却部20を順次通過し、それぞれ乾燥、焼却が行われよう構成された悪臭成分低発熱量廃棄物の乾燥焼却方法であって、
特に乾燥部10,110に加熱空気A1が導入され、悪臭成分低発熱量廃棄物Dと接触した後、焼却用空気A2として前記焼却部20に導かれるよう構成されている。
【0007】
請求項2発明は、請求項1に記載の構成に加えて、乾燥部110で悪臭成分低発熱量廃棄物Dの乾燥が間接熱交換によっても行われる
ことを特徴とする請求項1に記載の、悪臭成分低発熱量廃棄物の乾燥焼却方法。
【0008】
請求項3発明は、請求項1又は2に記載の構成に加えて、前記加熱空気A1は、常温の空気Aの、前記焼却部20からの排ガスG1との間接熱交換によって得られるよう構成されている。
【0009】
請求項4の発明は、悪臭成分低発熱量廃棄物が、乾燥部、焼却部を順次通過し、それぞれ乾燥、冷却が行われよう構成された、悪臭成分低発熱量廃棄物の乾燥焼却装置であって、
乾燥部10,110に加熱空気A1が導入され、悪臭成分低発熱量廃棄物Dと接触した後、焼却用空気A2として焼却部20に導かれるよう構成されると共に、
前記加熱空気A1が得られるよう、前記焼却部20からの排ガスG1との間接熱交換によって常温の空気Aを加熱する空気加熱部30を備えている
【0010】
請求項5の発明は、請求項4に記載の構成に加えて、少なくとも焼却部20は、前記乾燥によって得られた粒状の可燃物D1を載せて、一方向に移動させる格子体21を備えており、その格子体21を下から上へ通過した焼却用空気A2が、前記粒状の可燃物D1と接触するよう構成されている。
【0011】
請求項1の発明によれば、乾燥部10で悪臭成分低発熱量廃棄物Dから水と共に気化した悪臭成分は、そのまま焼却用空気A2に同伴して焼却部20に導かれる。それによって、その悪臭成分は焼却部20の高温下に曝され、燃焼し、無臭化される。なお、後述するように、加熱空気A1は適当な廃熱さえあれば容易に且つ低コストで得られる。従がって、従来提案実施されていた、乾燥排ガスの再燃焼による脱臭や薬品による消臭等に伴なう燃料・薬品・設備の追加が不要となり、経済性が著しく改善される。
【0012】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の作用効果に加えて、乾燥部10で悪臭成分低発熱量廃棄物Dの乾燥が直接熱交換と間接熱交換との組み合わせによって行われることによって、乾燥部10単位容積、単位床面積当たりの能力が増大すると共に、加熱空気A1の加熱程度を低減可能になり、伝熱負担が軽減される。
【0013】
請求項3の発明によれば、請求項1又は2の発明の作用効果に加えて、前記加熱空気A1の確保が焼却部20からの排ガスG1の廃熱利用によって行われるため、追加の乾燥用燃料は不要であり、従来の焼却排ガスの直接加熱による乾燥が行われるものと同程度の熱経済性が確保される。
【0014】
請求項4の発明によれば、請求項1の発明の作用効果と略同様に、乾燥部10で悪臭成分低発熱量廃棄物Dから水と共に気化した悪臭成分は、そのまま焼却用空気A2に同伴して焼却部20に導かれる。それによって、その悪臭成分は焼却部20の高温下に曝され、燃焼し、無臭化される。従がって、従来提案実施されていた、乾燥排ガスの再燃焼による脱臭や薬品による消臭等に伴なう燃料・薬品・設備の追加が不要となり、経済性が著しく改善される。
【0015】
そのうえ、前記加熱空気A1の確保が焼却部20からの排ガスG1の廃熱利用によって行われるため、追加の乾燥用燃料は不要であり、従来の焼却排ガスとの直接加熱による乾燥が行われるものと同程度の熱経済性が確保される。
【0016】
請求項5の発明によれば、請求項4の発明の作用効果に加えて、格子体21に載せられて一方向に移動する粒状の可燃物は、可燃物D1同士の隙間を焼却用空気A2が通過し、粒状の可燃物D1と空気との接触が極めて良好であって、熱・物質移動速度が高く、しかも、前記格子体21の上の粒状の可燃物D1の移動速度の調整によって焼却に必要な時間を容易且つ十分に確保可能であるため、悪臭成分を含めて可燃分が完全に焼却される。そのうえ、圧損も比較的低く、排ガスG1に同伴するダスト量も少なく、集塵設備も簡単なものでよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施形態例について図1により説明すると、例えば鶏糞等、悪臭を発生し、不燃分が多く低発熱量の、悪臭成分含有低発熱量廃棄物D(以下廃棄物Dと略称)が、先ず乾燥部10に導かれ、加熱空気A1と接触し、乾燥され、それに含まれる水分や悪臭成分が気化し、加熱空気A1に移るよう構成されている。
【0018】
それによって、その加熱空気A1は熱を奪われ、減温し、焼却用空気A2となって水分や悪臭成分を同伴し、次の焼却部20へ送られる。他方、乾燥済みの可燃物D1も焼却部20に送られ、焼却用空気A2と接触し、焼却される。それに伴なって多量の熱が発生し、高温(例えば約1,000℃)の排ガスG1と焼却灰D2とが生じる。その際、加熱空気A1に同伴した悪臭成分も燃焼、無臭化される。
【0019】
しかも、前記加熱空気A1は、空気加熱部30における、常温の空気Aと前記排ガスG1との間接熱交換によって得られる。また、前記排ガスG1は水加熱部40における水Wとの間接熱交換によって、その廃熱は温水W1又は/及びスチームSの製造に使われる。なお、常温の空気A、水Wが、排ガスG1といずれの温度レベルで接触させられるかは特に限定されるものでないが、より高温の加熱空気A2が得られるためには、空気加熱部30の配置は、排ガスG1の高温度(上流)側になされることが好ましい。
【0020】
なお、簡略化のため、図では各部がブロックで表示されており、また、給水・送風等の流体の輸送・固形物の輸送・集塵等にポンプ・ファン・輸送機・集塵機等が必要であるが、それらの図示も省略されているが、乾燥部10、焼却部20の形式は、直接加熱式であれば、回転筒式、機械攪拌式、流動層式、気流輸送式、通気式等のどれでも適用可能である。
【0021】
作用について説明する。乾燥部10で悪臭成分低発熱量廃棄物Dから水と共に気化した悪臭成分は、そのまま焼却用空気A2に同伴して焼却部20に導かれる。それによって、その悪臭成分は焼却部20の高温下に曝され、燃焼し、無臭化される。従がって、従来提案実施されていた、乾燥排ガスの再燃焼による脱臭や薬品による消臭等に伴なう燃料・薬品・設備の追加が不要となり、経済性が著しく改善される。
【0022】
次に熱経済性について説明すると、前記加熱空気A1の確保が空気加熱部30での焼却部20からの排ガスG1の廃熱利用によって行われるため、追加の乾燥用燃料は不要である。また、排ガスG1の残余の廃熱は水加熱部40での温水W1又は/及びスチームSの製造に利用される。従がって、従来の焼却排ガスの直接加熱による乾燥が行われるものと同程度の熱経済性が確保される。
【0023】
第2の実施の形態例として、焼却部20が、特に構造が簡単で安価な通気式であるものについて説明すると、図2に示すように、乾燥済みの粒状の可燃物D1を載せて、一方向に移動し、焼却用空気A2を下から上に通過させる格子体21は以下の通りである。
【0024】
すなわち、図2(a)に示すように、その左上側から右下側に僅かに傾斜して伸びる水管群Tを構成する複数の管T1が紙面に垂直な方向に適当な間隔に複数本平行に配列されている。また、図2(b)に示すように、隣り合う管T1,T1のいずれか一方の側に隙間の大半又全てを塞ぐヒレT2が突設されている。なお、ヒレT2には多数の孔(図示省略)が穿けられているが、単純なものは、管T1とヒレT2との隙間だけで、孔が省略されてもよい。
【0025】
水管群Tの両端には、それぞれ入口側ヘッダT3、出口側ヘッダT4が垂直に接合されていて、入口側ヘッダT3に供給された水Wが各管T1を通って出口側ヘッダT4に集められ、前述の水加熱部40(図1参照)へ送られるよう構成されている。さらに入口側ヘッダT3は鉛直の油圧シリンダ22の上端に支えられ、出口側ヘッダT4は前記油圧シリンダ22のピストンの上下動に応じて軸の周りに回動可能に基礎23に支えられている。そのため、格子体21は、その一端が油圧シリンダ22のピストンの往復運動によって周期的に上下し、その傾斜が周期的に変化する。
【0026】
乾燥部10(図1参照)からファン25によって導かれた焼却用空気A2が格子体21の孔、隙間を通過して上方へ抜けるよう、格子体21の下方には風室24が設けられ、格子体21の上方は耐火壁26で囲まれている。また、図の左には耐火壁26や粒状の可燃物D1を加熱する補助バーナ27が設けられており、前述の空気加熱部30,水加熱部40(いずれも図1参照)に通じるよう、耐火壁26の上部(図の右上)には開口が設けられている。
【0027】
なお、焼却部20の、図では左側には、スクリューコンベア等の、加熱物Dの供給装置28が設けられ、また、風室24の下部には落下する灰を集め、外に引き出すためのピット29が設けられている。
【0028】
作用について説明すると、先ず本焼却部20が安定して作動するためには、粒状の可燃物D1(例えば乾燥済み鶏糞)が、格子体21を通過する焼却用空気A2によって、僅かに浮き上がり、撹拌される程度に小さいのものであることが必要である。また、運転に当たって、格子体21の傾斜角度の範囲を決めるピストンの振幅と,可燃物D1の搬送量を決めるための傾斜の変化の周期と,がそれぞれ適値に設定される必要がある。なお、以上のことは通常の手段によって容易に実現可能である。
【0029】
油圧シリンダ22が往復上下運動すると、格子体21は、その傾斜を周期的に変化させることによって揺動する。ファン25によって風室24に焼却用空気A2が送られ、格子体21を下から上に通過する。さらに補助バーナ27が点火され、先ず耐火壁26が加熱される。格子体21の上方空間の温度が適当な値に達すると、供給装置28から粒状の可燃物D1が供給される。なお、水管群Tが過熱されないよう、入口ヘッダT3から水Wが供給され、各管T1に分配され、出口ヘッダT4に集められて、前述の水加熱部40へ送られる。
【0030】
格子体21の上面に供給された粒状の可燃物D1は、連続的に、焼却用空気A2によって僅かに浮き上がると共に撹拌される。格子体21の上面の傾斜の周期的な変化に伴って、その傾斜の最大の点又はその付近で、可燃物D1は、間欠的に高い側から低い側へ滑動し、出口側に向って移動するが、その他の期間は、只僅かに浮き上がり、撹拌されるるに留まる。
【0031】
格子体21の上を略連続的に移動する粒状の可燃物D1は、先ず補助バーナ27の火炎の輻射熱を受け、予熱、点火され、下方からの焼却用空気A2と接触して、通常の通気方式焼却装置同様に自燃しながら、焼却灰D2となって出口側から排出される。補助バーナ27への燃料供給は最初は必要であるが、温度の上昇と共に次第にその供給量が下げられ、自燃可能になった段階で停止される。
【0032】
一般に通気式の焼却部では、粒状の可燃物D1同士の隙間を焼却用空気A2が通過するため、粒状の可燃物D1と焼却用空気A2との接触が極めて良好であって、熱・物質移動速度が高い。しかも、前記格子体21の上の粒状の可燃物D1の移動速度の調整によって焼却に必要な時間を容易且つ十分に確保可能であるため、悪臭成分を含めて可燃分が完全に焼却される。そのうえ、圧損も比較的低く、排ガスG1に同伴するダスト量も少なく、集塵設備も簡単なものでよい。
【0033】
しかも、図2に示すものは、その構造が極めて単純であって、製作費も安価であるにも関わらず、粒状の可燃物D1が、焼却用空気A2によって僅かに浮き上がると共に、撹拌されるが、格子体21の上面の傾斜の周期的変化に伴って、極めて低い傾斜角で、高い側から低い側へ滑動するため、動力消費も小さく、小規模の鶏糞等の焼却には極めて有効である。
【0034】
しかも、格子体21は水管T1が用いられているため、高価な耐熱性材料よりなる鋳造品が不要か又は殆んど不要であるため、極めて安価に製作可能であり、また、水管群T内を通過し、加熱された水Wはさらに水加熱部40へ送られ、温水W1又は/及びスチームSの製造に利用されるため、その熱は有効に回収される。
【0035】
第3の実施の形態例として、特に一部間接加熱式の乾燥部110について説明すると、図3に示すように、乾燥部110の槽111において廃棄物Dは加熱空気A1と直接接触し、水分や悪臭成分を同伴し、焼却用空気A2として焼却部20に送られるだけでなく、槽壁を介して乾燥熱媒である、焼却部10からの排ガスG1又はスチームSで一部間接加熱されることによって乾燥が行われるよう構成されている。なお、加熱空気A1は、空気加熱部30又は/及び水加熱部40で焼却部20からの排ガスG1又は/及びスチームSによって間接加熱される。
【0036】
乾燥部110の形式としては、図3(b)に示すように、内側の廃棄物Dがパドル112で攪拌されると共に、加熱空気A1が導かれると共に、外側からジャケット113等に導かれた上述の乾燥用熱媒で槽壁を介して間接加熱されるよう構成されたものが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。乾燥用熱媒としては、焼却部20からの排ガスG1又はそれとの熱交換によって得られたスチームSが好ましい。
【0037】
作用について説明すると、乾燥部110で悪臭成分低発熱量廃棄物Dの乾燥が直接熱交換と間接熱交換との組み合わせによって行われることによって、いずれか一方だけよりも乾燥部110の単位容積、単位床面積当たりの能力が増大し、小型化されると共に、加熱空気A1の加熱程度を低減可能になり、伝熱負担が軽減され、小さくなり、全体として設備費が軽減される。なお、焼却用空気A2に含まれる悪臭成分は焼却部20で燃焼、無臭化することは、上述の実施の形態例と略同様である。
【0038】
その他、図示は省略するが、上述の乾燥部10,110からの焼却空気A1が、上述の焼却部20からの高温の燃焼灰D2と熱交換し、昇温した後、焼却部20へ導かれるように構成されたものも、本発明に含まれ、勿論悪臭成分が無臭化されると共に、それによって焼却部20からの排ガスG1がさらに高温化し、その廃熱の利用性が向上する。
【0039】
【発明の効果】
以上のとおり請求項1の発明によれば、従来提案実施されていた、乾燥排ガスの再燃焼による脱臭や薬品による消臭等に伴なう燃料・薬品・設備の追加が不要となり、経済性が著しく改善される。
【0040】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、乾燥部10が小型かされると共に、加熱空気A1を得るための伝熱負担が軽減される。
【0041】
請求項3の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、追加の乾燥用燃料は不要であり、従来並の熱経済性が確保される。
【0042】
請求項4の発明によれば、請求項1の発明の効果と略同様に、従来提案実施されていた、乾燥排ガスの再燃焼による脱臭や薬品による消臭等に伴なう燃料・薬品・設備の追加が不要となり、経済性が著しく改善される。そのうえ、追加の乾燥用燃料は不要であり、従来並みの熱経済性が確保される。
【0043】
請求項5の発明によれば、請求項4の発明の効果に加えて、熱・物質移動速度が高く、しかも、前記格子体21の上の粒状の可燃物D1の移動速度の調整によって焼却に必要な時間を容易且つ十分に確保可能であり、悪臭成分を含めて可燃物D1が完全に焼却される。そのうえ、圧損も比較的低く、排ガスに同伴するダスト量も少なく、集塵設備も簡単なものでよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態例を示すブロック工程図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態例の、(a)は焼却部を示す断面図、(b)は格子体を示す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態例の、(a)はブロック工程図、(b)は乾燥部を示す断面図である。
【符号の説明】
10 乾燥部
20 焼却部
21 格子体
22 油圧シリンダ
23 基礎
24 風室
25 ファン
26 耐火壁
27 補助バーナ
28 供給装置
29 ピット
30 空気加熱部
40 水加熱部
110 乾燥部
A 常温の空気
A1 加熱空気
A2 焼却用空気
D 悪臭成分含有低発熱量廃棄物
D1 可燃物
D2 焼却灰
G1 排ガス
S スチーム
T 水管群
T1 水管
T2 ヒレ
T3 入口側ヘッダ
T4 出口側ヘッダ
W 水
W1 温水
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば鶏糞等、悪臭を発生し、不燃分が多く低発熱量の、悪臭成分含有低発熱量廃棄物の乾燥焼却方法及びその装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
肉・卵用の鶏の飼育は近年大規模化し、それに伴い大量に発生する鶏糞の処理が大きな問題となっている。鶏糞の処理方法としては、堆肥化、焼却などの方法がある。堆肥化は鶏糞有効利用の点では最も望ましいものであるが、実情はその需要が少なく、それのみに期待することには限度がある。
【0003】
最近、ロータリキルン等による焼却処理、さらにそれから発生する熱の有効利用が提案され、一部実施されるようになったが、高水分で不燃分が多く低発熱量であって、それの安定な燃焼や排熱の有効利用による経済性確保には、予めそれの乾燥が不可欠である。しかも、悪臭成分を含むため、従来の焼却排ガスとによる直接乾燥では、悪臭を含む排ガスが大量に排出されるという環境上重大な問題点がある。その対策として、乾燥排ガスの再燃焼による脱臭や薬品による消臭等が提案実施されているが、それらからは付加価値が全く生まれず、燃料・薬品・設備の追加等に伴って、経済性が確保されないという問題点がある。
【0004】
それに対して、乾燥排ガスとの直接接触によらず、スチーム等の乾燥熱媒との間接接触による乾燥も考えられるが、乾燥部内が蒸発した水蒸気で飽和されると共に、乾燥熱媒との接触度も低く、水分蒸発に対する物理的抵抗が大であるため、設備が大きくなったり、動力消費が大きくなるという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上述の従来技術の欠点を除くためになされたものであって、悪臭成分含有低発熱量廃棄物の乾燥焼却に当たって、排ガス中に悪臭成分を含まず、熱経済性に優れた方法及びその装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達するために、請求項1の発明は、悪臭成分低発熱量廃棄物が乾燥部10,110、焼却部20を順次通過し、それぞれ乾燥、焼却が行われよう構成された悪臭成分低発熱量廃棄物の乾燥焼却方法であって、
特に乾燥部10,110に加熱空気A1が導入され、悪臭成分低発熱量廃棄物Dと接触した後、焼却用空気A2として前記焼却部20に導かれるよう構成されている。
【0007】
請求項2発明は、請求項1に記載の構成に加えて、乾燥部110で悪臭成分低発熱量廃棄物Dの乾燥が間接熱交換によっても行われる
ことを特徴とする請求項1に記載の、悪臭成分低発熱量廃棄物の乾燥焼却方法。
【0008】
請求項3発明は、請求項1又は2に記載の構成に加えて、前記加熱空気A1は、常温の空気Aの、前記焼却部20からの排ガスG1との間接熱交換によって得られるよう構成されている。
【0009】
請求項4の発明は、悪臭成分低発熱量廃棄物が、乾燥部、焼却部を順次通過し、それぞれ乾燥、冷却が行われよう構成された、悪臭成分低発熱量廃棄物の乾燥焼却装置であって、
乾燥部10,110に加熱空気A1が導入され、悪臭成分低発熱量廃棄物Dと接触した後、焼却用空気A2として焼却部20に導かれるよう構成されると共に、
前記加熱空気A1が得られるよう、前記焼却部20からの排ガスG1との間接熱交換によって常温の空気Aを加熱する空気加熱部30を備えている
【0010】
請求項5の発明は、請求項4に記載の構成に加えて、少なくとも焼却部20は、前記乾燥によって得られた粒状の可燃物D1を載せて、一方向に移動させる格子体21を備えており、その格子体21を下から上へ通過した焼却用空気A2が、前記粒状の可燃物D1と接触するよう構成されている。
【0011】
請求項1の発明によれば、乾燥部10で悪臭成分低発熱量廃棄物Dから水と共に気化した悪臭成分は、そのまま焼却用空気A2に同伴して焼却部20に導かれる。それによって、その悪臭成分は焼却部20の高温下に曝され、燃焼し、無臭化される。なお、後述するように、加熱空気A1は適当な廃熱さえあれば容易に且つ低コストで得られる。従がって、従来提案実施されていた、乾燥排ガスの再燃焼による脱臭や薬品による消臭等に伴なう燃料・薬品・設備の追加が不要となり、経済性が著しく改善される。
【0012】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の作用効果に加えて、乾燥部10で悪臭成分低発熱量廃棄物Dの乾燥が直接熱交換と間接熱交換との組み合わせによって行われることによって、乾燥部10単位容積、単位床面積当たりの能力が増大すると共に、加熱空気A1の加熱程度を低減可能になり、伝熱負担が軽減される。
【0013】
請求項3の発明によれば、請求項1又は2の発明の作用効果に加えて、前記加熱空気A1の確保が焼却部20からの排ガスG1の廃熱利用によって行われるため、追加の乾燥用燃料は不要であり、従来の焼却排ガスの直接加熱による乾燥が行われるものと同程度の熱経済性が確保される。
【0014】
請求項4の発明によれば、請求項1の発明の作用効果と略同様に、乾燥部10で悪臭成分低発熱量廃棄物Dから水と共に気化した悪臭成分は、そのまま焼却用空気A2に同伴して焼却部20に導かれる。それによって、その悪臭成分は焼却部20の高温下に曝され、燃焼し、無臭化される。従がって、従来提案実施されていた、乾燥排ガスの再燃焼による脱臭や薬品による消臭等に伴なう燃料・薬品・設備の追加が不要となり、経済性が著しく改善される。
【0015】
そのうえ、前記加熱空気A1の確保が焼却部20からの排ガスG1の廃熱利用によって行われるため、追加の乾燥用燃料は不要であり、従来の焼却排ガスとの直接加熱による乾燥が行われるものと同程度の熱経済性が確保される。
【0016】
請求項5の発明によれば、請求項4の発明の作用効果に加えて、格子体21に載せられて一方向に移動する粒状の可燃物は、可燃物D1同士の隙間を焼却用空気A2が通過し、粒状の可燃物D1と空気との接触が極めて良好であって、熱・物質移動速度が高く、しかも、前記格子体21の上の粒状の可燃物D1の移動速度の調整によって焼却に必要な時間を容易且つ十分に確保可能であるため、悪臭成分を含めて可燃分が完全に焼却される。そのうえ、圧損も比較的低く、排ガスG1に同伴するダスト量も少なく、集塵設備も簡単なものでよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施形態例について図1により説明すると、例えば鶏糞等、悪臭を発生し、不燃分が多く低発熱量の、悪臭成分含有低発熱量廃棄物D(以下廃棄物Dと略称)が、先ず乾燥部10に導かれ、加熱空気A1と接触し、乾燥され、それに含まれる水分や悪臭成分が気化し、加熱空気A1に移るよう構成されている。
【0018】
それによって、その加熱空気A1は熱を奪われ、減温し、焼却用空気A2となって水分や悪臭成分を同伴し、次の焼却部20へ送られる。他方、乾燥済みの可燃物D1も焼却部20に送られ、焼却用空気A2と接触し、焼却される。それに伴なって多量の熱が発生し、高温(例えば約1,000℃)の排ガスG1と焼却灰D2とが生じる。その際、加熱空気A1に同伴した悪臭成分も燃焼、無臭化される。
【0019】
しかも、前記加熱空気A1は、空気加熱部30における、常温の空気Aと前記排ガスG1との間接熱交換によって得られる。また、前記排ガスG1は水加熱部40における水Wとの間接熱交換によって、その廃熱は温水W1又は/及びスチームSの製造に使われる。なお、常温の空気A、水Wが、排ガスG1といずれの温度レベルで接触させられるかは特に限定されるものでないが、より高温の加熱空気A2が得られるためには、空気加熱部30の配置は、排ガスG1の高温度(上流)側になされることが好ましい。
【0020】
なお、簡略化のため、図では各部がブロックで表示されており、また、給水・送風等の流体の輸送・固形物の輸送・集塵等にポンプ・ファン・輸送機・集塵機等が必要であるが、それらの図示も省略されているが、乾燥部10、焼却部20の形式は、直接加熱式であれば、回転筒式、機械攪拌式、流動層式、気流輸送式、通気式等のどれでも適用可能である。
【0021】
作用について説明する。乾燥部10で悪臭成分低発熱量廃棄物Dから水と共に気化した悪臭成分は、そのまま焼却用空気A2に同伴して焼却部20に導かれる。それによって、その悪臭成分は焼却部20の高温下に曝され、燃焼し、無臭化される。従がって、従来提案実施されていた、乾燥排ガスの再燃焼による脱臭や薬品による消臭等に伴なう燃料・薬品・設備の追加が不要となり、経済性が著しく改善される。
【0022】
次に熱経済性について説明すると、前記加熱空気A1の確保が空気加熱部30での焼却部20からの排ガスG1の廃熱利用によって行われるため、追加の乾燥用燃料は不要である。また、排ガスG1の残余の廃熱は水加熱部40での温水W1又は/及びスチームSの製造に利用される。従がって、従来の焼却排ガスの直接加熱による乾燥が行われるものと同程度の熱経済性が確保される。
【0023】
第2の実施の形態例として、焼却部20が、特に構造が簡単で安価な通気式であるものについて説明すると、図2に示すように、乾燥済みの粒状の可燃物D1を載せて、一方向に移動し、焼却用空気A2を下から上に通過させる格子体21は以下の通りである。
【0024】
すなわち、図2(a)に示すように、その左上側から右下側に僅かに傾斜して伸びる水管群Tを構成する複数の管T1が紙面に垂直な方向に適当な間隔に複数本平行に配列されている。また、図2(b)に示すように、隣り合う管T1,T1のいずれか一方の側に隙間の大半又全てを塞ぐヒレT2が突設されている。なお、ヒレT2には多数の孔(図示省略)が穿けられているが、単純なものは、管T1とヒレT2との隙間だけで、孔が省略されてもよい。
【0025】
水管群Tの両端には、それぞれ入口側ヘッダT3、出口側ヘッダT4が垂直に接合されていて、入口側ヘッダT3に供給された水Wが各管T1を通って出口側ヘッダT4に集められ、前述の水加熱部40(図1参照)へ送られるよう構成されている。さらに入口側ヘッダT3は鉛直の油圧シリンダ22の上端に支えられ、出口側ヘッダT4は前記油圧シリンダ22のピストンの上下動に応じて軸の周りに回動可能に基礎23に支えられている。そのため、格子体21は、その一端が油圧シリンダ22のピストンの往復運動によって周期的に上下し、その傾斜が周期的に変化する。
【0026】
乾燥部10(図1参照)からファン25によって導かれた焼却用空気A2が格子体21の孔、隙間を通過して上方へ抜けるよう、格子体21の下方には風室24が設けられ、格子体21の上方は耐火壁26で囲まれている。また、図の左には耐火壁26や粒状の可燃物D1を加熱する補助バーナ27が設けられており、前述の空気加熱部30,水加熱部40(いずれも図1参照)に通じるよう、耐火壁26の上部(図の右上)には開口が設けられている。
【0027】
なお、焼却部20の、図では左側には、スクリューコンベア等の、加熱物Dの供給装置28が設けられ、また、風室24の下部には落下する灰を集め、外に引き出すためのピット29が設けられている。
【0028】
作用について説明すると、先ず本焼却部20が安定して作動するためには、粒状の可燃物D1(例えば乾燥済み鶏糞)が、格子体21を通過する焼却用空気A2によって、僅かに浮き上がり、撹拌される程度に小さいのものであることが必要である。また、運転に当たって、格子体21の傾斜角度の範囲を決めるピストンの振幅と,可燃物D1の搬送量を決めるための傾斜の変化の周期と,がそれぞれ適値に設定される必要がある。なお、以上のことは通常の手段によって容易に実現可能である。
【0029】
油圧シリンダ22が往復上下運動すると、格子体21は、その傾斜を周期的に変化させることによって揺動する。ファン25によって風室24に焼却用空気A2が送られ、格子体21を下から上に通過する。さらに補助バーナ27が点火され、先ず耐火壁26が加熱される。格子体21の上方空間の温度が適当な値に達すると、供給装置28から粒状の可燃物D1が供給される。なお、水管群Tが過熱されないよう、入口ヘッダT3から水Wが供給され、各管T1に分配され、出口ヘッダT4に集められて、前述の水加熱部40へ送られる。
【0030】
格子体21の上面に供給された粒状の可燃物D1は、連続的に、焼却用空気A2によって僅かに浮き上がると共に撹拌される。格子体21の上面の傾斜の周期的な変化に伴って、その傾斜の最大の点又はその付近で、可燃物D1は、間欠的に高い側から低い側へ滑動し、出口側に向って移動するが、その他の期間は、只僅かに浮き上がり、撹拌されるるに留まる。
【0031】
格子体21の上を略連続的に移動する粒状の可燃物D1は、先ず補助バーナ27の火炎の輻射熱を受け、予熱、点火され、下方からの焼却用空気A2と接触して、通常の通気方式焼却装置同様に自燃しながら、焼却灰D2となって出口側から排出される。補助バーナ27への燃料供給は最初は必要であるが、温度の上昇と共に次第にその供給量が下げられ、自燃可能になった段階で停止される。
【0032】
一般に通気式の焼却部では、粒状の可燃物D1同士の隙間を焼却用空気A2が通過するため、粒状の可燃物D1と焼却用空気A2との接触が極めて良好であって、熱・物質移動速度が高い。しかも、前記格子体21の上の粒状の可燃物D1の移動速度の調整によって焼却に必要な時間を容易且つ十分に確保可能であるため、悪臭成分を含めて可燃分が完全に焼却される。そのうえ、圧損も比較的低く、排ガスG1に同伴するダスト量も少なく、集塵設備も簡単なものでよい。
【0033】
しかも、図2に示すものは、その構造が極めて単純であって、製作費も安価であるにも関わらず、粒状の可燃物D1が、焼却用空気A2によって僅かに浮き上がると共に、撹拌されるが、格子体21の上面の傾斜の周期的変化に伴って、極めて低い傾斜角で、高い側から低い側へ滑動するため、動力消費も小さく、小規模の鶏糞等の焼却には極めて有効である。
【0034】
しかも、格子体21は水管T1が用いられているため、高価な耐熱性材料よりなる鋳造品が不要か又は殆んど不要であるため、極めて安価に製作可能であり、また、水管群T内を通過し、加熱された水Wはさらに水加熱部40へ送られ、温水W1又は/及びスチームSの製造に利用されるため、その熱は有効に回収される。
【0035】
第3の実施の形態例として、特に一部間接加熱式の乾燥部110について説明すると、図3に示すように、乾燥部110の槽111において廃棄物Dは加熱空気A1と直接接触し、水分や悪臭成分を同伴し、焼却用空気A2として焼却部20に送られるだけでなく、槽壁を介して乾燥熱媒である、焼却部10からの排ガスG1又はスチームSで一部間接加熱されることによって乾燥が行われるよう構成されている。なお、加熱空気A1は、空気加熱部30又は/及び水加熱部40で焼却部20からの排ガスG1又は/及びスチームSによって間接加熱される。
【0036】
乾燥部110の形式としては、図3(b)に示すように、内側の廃棄物Dがパドル112で攪拌されると共に、加熱空気A1が導かれると共に、外側からジャケット113等に導かれた上述の乾燥用熱媒で槽壁を介して間接加熱されるよう構成されたものが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。乾燥用熱媒としては、焼却部20からの排ガスG1又はそれとの熱交換によって得られたスチームSが好ましい。
【0037】
作用について説明すると、乾燥部110で悪臭成分低発熱量廃棄物Dの乾燥が直接熱交換と間接熱交換との組み合わせによって行われることによって、いずれか一方だけよりも乾燥部110の単位容積、単位床面積当たりの能力が増大し、小型化されると共に、加熱空気A1の加熱程度を低減可能になり、伝熱負担が軽減され、小さくなり、全体として設備費が軽減される。なお、焼却用空気A2に含まれる悪臭成分は焼却部20で燃焼、無臭化することは、上述の実施の形態例と略同様である。
【0038】
その他、図示は省略するが、上述の乾燥部10,110からの焼却空気A1が、上述の焼却部20からの高温の燃焼灰D2と熱交換し、昇温した後、焼却部20へ導かれるように構成されたものも、本発明に含まれ、勿論悪臭成分が無臭化されると共に、それによって焼却部20からの排ガスG1がさらに高温化し、その廃熱の利用性が向上する。
【0039】
【発明の効果】
以上のとおり請求項1の発明によれば、従来提案実施されていた、乾燥排ガスの再燃焼による脱臭や薬品による消臭等に伴なう燃料・薬品・設備の追加が不要となり、経済性が著しく改善される。
【0040】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、乾燥部10が小型かされると共に、加熱空気A1を得るための伝熱負担が軽減される。
【0041】
請求項3の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、追加の乾燥用燃料は不要であり、従来並の熱経済性が確保される。
【0042】
請求項4の発明によれば、請求項1の発明の効果と略同様に、従来提案実施されていた、乾燥排ガスの再燃焼による脱臭や薬品による消臭等に伴なう燃料・薬品・設備の追加が不要となり、経済性が著しく改善される。そのうえ、追加の乾燥用燃料は不要であり、従来並みの熱経済性が確保される。
【0043】
請求項5の発明によれば、請求項4の発明の効果に加えて、熱・物質移動速度が高く、しかも、前記格子体21の上の粒状の可燃物D1の移動速度の調整によって焼却に必要な時間を容易且つ十分に確保可能であり、悪臭成分を含めて可燃物D1が完全に焼却される。そのうえ、圧損も比較的低く、排ガスに同伴するダスト量も少なく、集塵設備も簡単なものでよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態例を示すブロック工程図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態例の、(a)は焼却部を示す断面図、(b)は格子体を示す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態例の、(a)はブロック工程図、(b)は乾燥部を示す断面図である。
【符号の説明】
10 乾燥部
20 焼却部
21 格子体
22 油圧シリンダ
23 基礎
24 風室
25 ファン
26 耐火壁
27 補助バーナ
28 供給装置
29 ピット
30 空気加熱部
40 水加熱部
110 乾燥部
A 常温の空気
A1 加熱空気
A2 焼却用空気
D 悪臭成分含有低発熱量廃棄物
D1 可燃物
D2 焼却灰
G1 排ガス
S スチーム
T 水管群
T1 水管
T2 ヒレ
T3 入口側ヘッダ
T4 出口側ヘッダ
W 水
W1 温水
Claims (5)
- 悪臭成分含有低発熱量廃棄物が乾燥部、焼却部を順次通過し、それぞれ乾燥、焼却が行われよう構成された悪臭成分含有低発熱量廃棄物の乾燥焼却方法であって、
乾燥部(10,110)に加熱空気(A1)が導入され、悪臭成分低発熱量廃棄物(D)と接触した後、焼却用空気(A2)として焼却部(20)に導かれる
ことを特徴とする、悪臭成分低発熱量廃棄物の乾燥焼却方法。 - 乾燥部(110)における悪臭成分低発熱量廃棄物(D)の乾燥が間接熱交換によっても行われる
ことを特徴とする請求項1に記載の、悪臭成分低発熱量廃棄物の乾燥焼却方法。 - 前記加熱空気(A1)が、常温の空気(A)の、前記焼却部(20)からの排ガス(G1)との間接熱交換によって得られる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の、悪臭成分低発熱量廃棄物の乾燥焼却方法。 - 悪臭成分低発熱量廃棄物が、乾燥部、焼却部を順次通過し、それぞれ乾燥、冷却が行われよう構成された、悪臭成分低発熱量廃棄物の乾燥焼却装置であって、
乾燥部(10,110)に加熱空気(A1)が導入され、悪臭成分低発熱量廃棄物(D)と接触した後、焼却用空気(A2)として焼却部(20)に導かれるよう構成されると共に、
前記加熱空気(A1)が得られるよう、前記焼却部(20)からの排ガス(G1)との間接熱交換によって常温の空気(A)を加熱する空気加熱部(30)を備えている
ことを特徴とする、悪臭成分低発熱量廃棄物の乾燥焼却装置。 - 少なくとも焼却部(20)は、前記乾燥によって得られた粒状の可燃物(D1)を載せて、一方向に移動させる格子体(21)を備えており、その格子体(21)を下から上へ通過した焼却用空気(A2)が、前記粒状の可燃物(D1)と接触するよう構成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の、悪臭成分低発熱量廃棄物の乾燥焼却装置。
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- 2002-12-09 JP JP2002383163A patent/JP2004191028A/ja active Pending
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