JP2004190511A - エンジンの冷却装置に用いられるヘッダタンク - Google Patents
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Abstract
【課題】ヘッダタンク内における気泡分離室容量を減少させて小型化する。
【解決手段】上部に通気孔28cを有し下部に通水用開口部28d,28eを有する複数のバッフルプレート28により内部が気泡含有水導入室29,30と緩衝室31と補給水供給室32とに区画され、気泡含有水導入室29,30の上部にエンジン13の冷却水系で発生した気泡を含む気泡含有補給水を導入する導入口19c,19dが形成され、気泡含有水導入室29,30から緩衝室31を経由して補給水供給室32に通水用開口部28d,28eを介して流入する補給水をエンジン13の冷却水系に供給する供給口19aが補給水供給室32の底部に形成される。気泡含有水導入室29,30から緩衝室31を経由して補給水供給室32に流入する補給水を緩衝室31で蛇行させる案内部材28g,28hが通水用開口部28d,28e近傍のバッフルプレート28に設けられる。
【選択図】 図1
【解決手段】上部に通気孔28cを有し下部に通水用開口部28d,28eを有する複数のバッフルプレート28により内部が気泡含有水導入室29,30と緩衝室31と補給水供給室32とに区画され、気泡含有水導入室29,30の上部にエンジン13の冷却水系で発生した気泡を含む気泡含有補給水を導入する導入口19c,19dが形成され、気泡含有水導入室29,30から緩衝室31を経由して補給水供給室32に通水用開口部28d,28eを介して流入する補給水をエンジン13の冷却水系に供給する供給口19aが補給水供給室32の底部に形成される。気泡含有水導入室29,30から緩衝室31を経由して補給水供給室32に流入する補給水を緩衝室31で蛇行させる案内部材28g,28hが通水用開口部28d,28e近傍のバッフルプレート28に設けられる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両、特にキャブオーバ型トラックのエンジンの冷却装置に用いられるヘッダタンクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両の中にはキャブのフロアパネルの形状によりラジエータがエンジン内の冷却水位より低い位置に設けられているものがある。こうした車両ではエンジンの冷却水系に冷却水を満たすためにエンジン内の冷却水位より高い位置にヘッダタンクが設けられる。このヘッダタンクの底部には補給水を冷却水系に供給する供給口が設けられ、上部にはエンジンの冷却水系で発生した気泡を含む気泡含有補給水をヘッダタンクに導入する導入口が設けられる。またヘッダタンクの上部には圧力蓋が取付けられ、ヘッダタンク内には補給水量の下限を検出する水位警報センサが取付けられる。このように構成されたヘッダタンクは各種車両部品のレイアウトの関係で、キャブのバックパネルと車両のリヤボディとの間に設けられている。そして、エンジン始動時に発生する気泡がヘッダタンク内に溜まり、ヘッダタンク内の圧力が所定圧以上に上昇するとヘッダタンクの上部に設けられた圧力蓋が開いて溜った気体は大気中に放出され、かつ体積膨張した補給水はオーバフローして大気中に排出される。
【0003】
しかし、このような位置にヘッダタンクを設けると、ヘッダタンクは車両の進行方向の厚さを薄くして鉛直方向に扁平に形成せざるを得ず、しかも冷却水の水位点検や補給作業をヘッダタンクで行うため、リヤボディをバックパネルに密着して架装することができない問題点があった。またヘッダタンクに溜まった水蒸気や体積膨張した補給水は大気に放出されるため、ヘッダタンク内の補給水が目減りしてヘッダタンク内にエアスペースが形成され、冷却水系にエアが混入、エンジンのウオータポンプへ悪影響を及ぼし、冷却性能を低下させることがあった。
これらの点を改善するために、ヘッダタンクをキャブのフロアパネル下方のバックパネル近傍に設け、シャシフレームの車体外側よりの給水作業性のよい位置にリザーバタンクを取付け、リザーバタンクをヘッダタンクの圧力蓋に連通してリザーバタンク内に予備的に貯水した冷却水をヘッダタンクへ補給できるようにした冷却水補給装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
この装置は、エンジン始動時にはヘッダタンク内に溜まった気泡がヘッダタンク内の圧力上昇により圧力蓋を開いて又はリザーバタンクを介して大気中に放出され、体積膨張した冷却水がリザーバタンクに貯えられるようになっている。またエンジンが停止したとき又はエンジン稼働中であっても冷却水がクーリングファン等により冷却されたときには、冷却水は体積収縮しヘッダタンク内が負圧になり、この負圧により冷却水はリザーバタンクからヘッダタンクに逆流する。エンジン稼働中は冷却水の膨張収縮が絶えず繰返され、ヘッダタンクとリザーバタンク間を冷却水は往復するようになっている。
しかし、上記特許文献1における装置のヘッダタンクはキャブの下方に設けられる各種車両部品の架装の関係から水平方向に扁平に形成されるため、冷却水系で発生した気泡を完全に分離できず、補給水とともに気泡を再び冷却水系に送出してしまう不具合があった。
【0005】
この点を解消するために、図15に示すヘッダタンク1が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。このヘッダタンク1は、内部が上部に通気孔2cを有し下部に通水用開口部2dを有するバッフルプレート2により内部が気泡含有水導入室3,4と緩衝室5と補給水供給室6とに区画される。このヘッダタンク1では、エンジンの冷却水系から気泡含有補給水がその導入室3,4に導入されると、気泡はバッフルプレート2の通気孔2cを通って圧力蓋よりリザーバタンクに送られ、補給水はバッフルプレート2の通水用開口部2dを通り、気泡含有水導入室3,4から緩衝室5を経由して補給水供給室6に送られる。ほとんどの気泡は導入室3,4の上部に溜まり、通気孔2cを通って補給水供給室6の上部に至る。また導入室3,4で上昇しきれず補給水に混入している気泡は緩衝室5から供給室6に向うに従って補給水の流速が低下するので、気泡は緩衝室5で上昇して供給室6には気水が分離された補給水が流入するようになっている。
【0006】
【特許文献1】
実開昭57−33219号公報
【特許文献2】
特開平4−81517号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献2に記載されたヘッダタンク1では、通水用開口部2dが比較的大径の円孔により構成されていることから、気泡含有水導入室3,4から緩衝室5に流入した補給水はそのまま直進して補給水供給室6に送られることになり、気泡上昇時間を十分に稼ぐことができない不具合があった。従って、気泡上昇時間を十分に稼ぐためには緩衝室5における容積を拡大する必要があり、緩衝室5における容積を拡大することはヘッダタンク全体の容量も拡大してヘッダタンク自体が大型化する不具合があった。
本発明の目的は、ヘッダタンク内における気泡を分離する容量を減少させて小型化し得るエンジンの冷却装置に用いられるヘッダタンクを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、図1及び図2に示すように、上部に通気孔28cを有し下部に通水用開口部28d,28eを有する複数のバッフルプレート28により内部が気泡含有水導入室29,30と緩衝室31と補給水供給室32とに区画され、気泡含有水導入室29,30の上部にエンジン13の冷却水系で発生した気泡を含む気泡含有補給水を導入する導入口19c,19dが形成され、気泡含有水導入室29,30から緩衝室31を経由して補給水供給室32に通水用開口部28d,28eを介して流入する補給水をエンジン13の冷却水系に供給する供給口19aが補給水供給室32の底部に形成されたエンジンの冷却装置に用いられるヘッダタンクの改良である。
その特徴ある構成は、気泡含有水導入室29,30から緩衝室31を経由して補給水供給室32に流入する補給水を緩衝室31で蛇行させる案内部材28g,28hが通水用開口部28d,28e近傍のバッフルプレート28に設けられたところにある。
【0009】
請求項1におけるエンジンの冷却装置に用いられるヘッダタンクでは、案内部材28g,28hを通水用開口部28d,28e近傍のバッフルプレート28に設けたので、気泡含有水導入室29,30から緩衝室31を経由して補給水供給室32に流入する補給水は、図2の実線矢印で示すように緩衝室31で蛇行する。これにより補給水が緩衝室31に滞在する時間が長くなり、その補給水に含まれる気泡がその緩衝室31で上昇する時間を従来に比較して稼ぐことができる。従って、供給室32に流入した状態で補給水はほぼ完全に気水が分離され、ヘッダタンク19内における緩衝室31の容量を従来に比較して減少させることができ、ヘッダタンク19を全体として小型化させることが可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図8に示すように、キャブオーバ型トラック10のフロアパネル11の下方のシャシフレーム12にはエンジン13及びラジエータ14が搭載される。この例ではラジエータ14はエンジン13のジャケット(図示せず)内の冷却水位より低い位置に設けられる。ラジエータ14の下部はウォータポンプ16を介してエンジン13のジャケットに連通し、ラジエータ14の上部はサーモスタット17を介してエンジン13のジャケットに連通する。またポンプ16はサーモスタット17にバイパス管路15を介して連通して接続される。エンジン13の上方には、そのエンジン13のジャケット内の冷却水位より高い位置に補給水を貯えるヘッダタンク19が設けられる。
【0011】
この例ではヘッダタンク19は水平方向に扁平に形成され、バックパネル18に近接したフロアパネル11の下方のフレーム12より立設されたブラケット12aに取付けられる。ヘッダタンク19の底部には補給水を冷却水位に供給する供給口19a(図1)が設けられ、供給口19aはウォータ・サプライ・パイプ21を介してポンプ16に接続される。タンク19の上部には蓋取付部19bを介して圧力蓋22が取付けられる(図6及び図7)。またタンク19にはエンジン13の冷却水系で発生した気泡を含む気泡含有補給水を導入する導入口19c及び19dが設けられ(図1)、エア・エスケープ・パイプ23及び24を介してそれぞれサーモスタット17の上端及びラジエータ14の上端に接続される。
【0012】
図1に示すように、タンク19はそれぞれ合成樹脂により成形されたタンクロア部材26とタンクアッパ部材27からなる。ロア部材26及びアッパ部材27の内部には複数のロアバッフルプレート28a及びアッパバッフルプレート28bがそれぞれ一体的に設けられる。またロア部材26及びアッパ部材27はそれぞれ開口部を対向させた状態で、開口部の周縁及びプレート28a,28bの端縁が熱板溶着により接合されてヘッダタンク19が形成される(図1)。タンク19内は、端縁が溶着されたロアバッフルプレート28a及びアッパバッフルプレート28bからなるバッフルプレート28により、トラック10の進行方向の前から後に向って順に気泡含有水導入室29,30、緩衝室31、補給水供給室32が形成される。導入室29,30には導入口19c,19dがそれぞれ位置し、供給室32には供給口19aが位置する。プレート28の上部及び下部には上記4室29〜32を連通する小径の通気孔28cと通水用開口部28d,28e,28fが設けられる。
【0013】
気泡含有水導入室29,30の間に設けられたプレート28のこの実施の形態における通路用開口部28fは比較的大径の円孔であり、気泡含有水導入室30と緩衝室31とを区画するプレート28及び緩衝室31と補給水供給室32を区画するプレート28における通路用開口部28d及び28eはそれぞれのロアバッフルプレート28aに形成された切欠きである。そして、気泡含有水導入室29,30から緩衝室31を経由して補給水供給室32に流入する補給水を緩衝室31で蛇行させる案内部材28g,28fが通水用開口部28d,28e近傍のバッフルプレート28に設けられる。この実施の形態における案内部材28g,28fは、その通水用開口部28d,28eを構成する切欠きの一方の片に連続して緩衝室31の内部に突出するようにバッフルプレート28に対して所定の角度でかつそのバッフルプレート28と一体的に形成された板材である。またタンクアッパ部材27の頂面には勾配が設けられ、トラック10の進行方向の前側に位置する導入室29の容積を最も小さく、後方に向うに従って容積が大きく、供給室32の容積が最も大きく形成される。
【0014】
図3及び図4に示すように、タンクロア部材26とタンクアッパ部材27を接合する前に、補助パイプ34,35の基端が導入口19c,19dにそれぞれ挿入され、これらの先端がアッパ部材27の頂面近傍にそれぞれ位置するように折曲げて形成される。更にパイプ34,35はロア部材26に形成されたリブ29a,30aの先端の凹溝にそれぞれ挿着され、これらの凹溝をアッパ部材27に形成されたリブ29b,30bにより塞いでパイプ34,35が固定される。
【0015】
図1及び図5に示すように、緩衝室31の底部には所定の冷却水量以下になると作動する水位警報センサ36が取付けられる(図2及び図5)。このセンサ36はキャブ内に設けられた図示しない水位警報回路に接続される。図1及び図6に示すように、供給室32の底部に設けられた供給口19aはヘッダタンク19底面に対して所定の角度傾斜してタンク19底面より管状に突出して形成された突出管であって、タンク19底面に臨む供給口19aを形成する突出管の開口面積がこの突出管の長手方向に直交する管断面積より大きく形成される。上記所定の角度はこの例では25゜である。また上記突出管の長手方向に直交する管断面における孔形状は円形であり、タンク19底面に臨む突出管の開口形状は楕円である(図2及び図6)。前述したように供給室32の上部、即ちタンク19の最も高い頂部に形成された蓋取付部19bには圧力蓋22が取付けられる(図2、図6及び図7)。
【0016】
図7に示すように、蓋22はばね22aの弾性力により蓋取付部19bのロアシート19eに密着可能なプレッシャバルブ22bを備える。バルブ22bの中央には貫通孔22cが設けられ、この貫通孔22cにはばね22dの弾性力によりバルブ22bの底面に密着可能なバキュームバルブ22eが挿着される。蓋22の閉止時には蓋22のトップシール22fが蓋取付部19bのトップシート19fに密着して気密を保ち、蓋22からタンク19内の気体が漏れないように構成される(図7)。
【0017】
図8に戻って、キャブ10aの前面にはフロントリッド37が開閉可能に設けられる。このリッド37の内側にはリザーバタンク38がタンク19と同一レベルに収納設置される。タンク38内には予備冷却水が貯えられ、タンク38はホース39を介して蓋取付部19bに連通して接続される。またタンク38の上部には大気と連通するオーバフローチューブ38aと給水用蓋38bが配設される。更にバックパネル18の背面には近接してリヤボディ41が設けられる。
【0018】
このように構成されたエンジンの冷却装置の作用を説明する。
エンジン13を始動させたときには、冷却水系には蒸気等の気泡が発生し、ラジエータ14内の上部やサーモスタット17の上部に溜まる。この気泡はエア・エスケープ・パイプ23,24及び補助パイプ34,35を介してヘッダタンク19内の気泡含有水導入室29,30に導入される。ほとんどの気泡は導入室29,30の上部に溜まり、通気孔28cを通って補給水供給室32の上部に至る。一方、導入口19c,19dから気泡含有水導入室29,30に導入された気泡含有補給水は、その気泡含有水導入室29,30から緩衝室31を経由して補給水供給室32に通水用開口部28d,28e,28fを介して流入する。そして導入室29,30から緩衝室31及び緩衝室31から供給室32に向うに従って補給水の流速は低下する。従って、導入室29,30で上昇しきれず補給水に混入している気泡は、導入室29,30から緩衝室31及び緩衝室31から供給室32に向う時に上昇する。
【0019】
この点に関し、本発明では、案内部材28g,28hを通水用開口部28d,28e近傍のバッフルプレート28に設けたので、気泡含有水導入室29,30から緩衝室31を経由して補給水供給室32に流入する補給水は、図2の実線矢印で示すように緩衝室31で蛇行する。これにより補給水に含まれる気泡がその緩衝室31で上昇する時間を従来に比較して稼ぐことができる。従って、供給室32に流入した状態で補給水はほぼ完全に気水が分離される。よって、ヘッダタンク19内における緩衝室31の容量を従来に比較して減少させることができ、ヘッダタンク19を全体として小型化させることが可能になる。
【0020】
なお、上述した実施の形態では、ヘッダタンク内をバッフルプレートにより4室に区画したが、これは一例であってバッフルプレートにより3室,5室,6室,7室又は8室以上にヘッダタンク内を区画してもよい。
また、上述した実施の形態では、ロアバッフルプレート28aに形成された切欠きにより通路用開口部28d,28eを構成し、バッフルプレート28と一体的に形成された板状の案内部材28g,28fを説明したが、図9に示すように、トンネル状の案内部材42をバッフルプレート28を貫通するように形成し、そのトンネル状の案内部材42により包囲される空間により通路用開口部42aを構成しても良い。
【0021】
更に、上述した実施の形態では、通水用開口部28d,28eを構成する切欠きの一方の片に緩衝室31の内部に突出する案内部材28g,28fを説明したが、図10に示すように、緩衝室31の内部とともに、気泡含有水導入室30又は補給水供給室32の内部に突出する板状の案内部材43をバッフルプレート28に形成しても良い。また、図11〜図14に示すように、通水用開口部28d,28eを構成する切欠きの両側の片に案内部材44〜47をそれぞれバッフルプレート28に形成しても良い。ここで、図11に示す案内部材44は、切欠きの両側に緩衝室31に突出するものであり、図12に示す案内部材45は、その切欠きの両側に互いに異なる方向に突出するものである。また、図13に示す案内部材46は、その切欠きの両側にバッフルプレートの両側に突出して補給水を屈折させるように屈曲して設けられたものである。更に、図14に示す案内部材47は、その切欠きの両側にバッフルプレート28の両側に突出して補給水を直進させるようにバッフルプレート28に所定の角度で傾斜して真っ直ぐに設けられたものである。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、気泡含有水導入室から緩衝室を経由して補給水供給室に流入する補給水を緩衝室で蛇行させる案内部材を通水用開口部近傍のバッフルプレートに設けたので、気泡含有水導入室から緩衝室を経由して補給水供給室に流入する補給水は緩衝室で蛇行する。これにより補給水が緩衝室に滞在する時間が長くなり、補給水に含まれる気泡がその緩衝室で上昇する時間を従来に比較して稼ぐことができる。この結果、ヘッダタンク内における緩衝室の容量を従来に比較して減少させることができ、ヘッダタンクを全体として小型化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヘッダタンクの組立て斜視図。
【図2】そのヘッダタンクを構成するタンクロア部材の平面図。
【図3】そのヘッダタンクにおける図2のA−A線断面図。
【図4】そのヘッダタンクにおける図2のB−B線断面図。
【図5】そのヘッダタンクにおける図2のC−C線断面図。
【図6】そのヘッダタンクにおける図2のD−D線断面図。
【図7】そのヘッダタンク内の圧力が上昇しプレッシャバルブが開いた状態を示す圧力蓋の拡大断面図。
【図8】そのヘッダタンクを含むエンジンの冷却装置の要部構成図。
【図9】トンネル状の案内部材を設けた本発明の別のヘッダタンクを示す斜視図。
【図10】通水用開口部である切欠きの一方の片にバッフルプレートの両側に突出する案内部材を設けた別のヘッダタンクを示す図2に対応する平面図。
【図11】その切欠きの両側に緩衝室に突出する案内部材を設けた別のヘッダタンクを示す図2に対応する平面図。
【図12】その切欠きの両側に互いに異なる方向に突出する案内部材を有する別のヘッダタンクを示す図2に対応する平面図。
【図13】バッフルプレートの両側に突出して補給水を屈折させる案内部材が切欠きの両側に設けられた別のヘッダタンクを示す図2に対応する平面図。
【図14】バッフルプレートの両側に所定の角度で突出して補給水を直進させる案内部材が切欠きの両側に形成された別のヘッダタンクを示す図2に対応する平面図。
【図15】従来のヘッダタンクを示す斜視図。
【符号の説明】
28c 通気孔
28d,28e 通水用開口部
28 バッフルプレート
29,30 気泡含有水導入室
31 緩衝室
32 補給水供給室
13 エンジン
19c,19d 導入口
19a 供給口
28g,28h 案内部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両、特にキャブオーバ型トラックのエンジンの冷却装置に用いられるヘッダタンクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両の中にはキャブのフロアパネルの形状によりラジエータがエンジン内の冷却水位より低い位置に設けられているものがある。こうした車両ではエンジンの冷却水系に冷却水を満たすためにエンジン内の冷却水位より高い位置にヘッダタンクが設けられる。このヘッダタンクの底部には補給水を冷却水系に供給する供給口が設けられ、上部にはエンジンの冷却水系で発生した気泡を含む気泡含有補給水をヘッダタンクに導入する導入口が設けられる。またヘッダタンクの上部には圧力蓋が取付けられ、ヘッダタンク内には補給水量の下限を検出する水位警報センサが取付けられる。このように構成されたヘッダタンクは各種車両部品のレイアウトの関係で、キャブのバックパネルと車両のリヤボディとの間に設けられている。そして、エンジン始動時に発生する気泡がヘッダタンク内に溜まり、ヘッダタンク内の圧力が所定圧以上に上昇するとヘッダタンクの上部に設けられた圧力蓋が開いて溜った気体は大気中に放出され、かつ体積膨張した補給水はオーバフローして大気中に排出される。
【0003】
しかし、このような位置にヘッダタンクを設けると、ヘッダタンクは車両の進行方向の厚さを薄くして鉛直方向に扁平に形成せざるを得ず、しかも冷却水の水位点検や補給作業をヘッダタンクで行うため、リヤボディをバックパネルに密着して架装することができない問題点があった。またヘッダタンクに溜まった水蒸気や体積膨張した補給水は大気に放出されるため、ヘッダタンク内の補給水が目減りしてヘッダタンク内にエアスペースが形成され、冷却水系にエアが混入、エンジンのウオータポンプへ悪影響を及ぼし、冷却性能を低下させることがあった。
これらの点を改善するために、ヘッダタンクをキャブのフロアパネル下方のバックパネル近傍に設け、シャシフレームの車体外側よりの給水作業性のよい位置にリザーバタンクを取付け、リザーバタンクをヘッダタンクの圧力蓋に連通してリザーバタンク内に予備的に貯水した冷却水をヘッダタンクへ補給できるようにした冷却水補給装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
この装置は、エンジン始動時にはヘッダタンク内に溜まった気泡がヘッダタンク内の圧力上昇により圧力蓋を開いて又はリザーバタンクを介して大気中に放出され、体積膨張した冷却水がリザーバタンクに貯えられるようになっている。またエンジンが停止したとき又はエンジン稼働中であっても冷却水がクーリングファン等により冷却されたときには、冷却水は体積収縮しヘッダタンク内が負圧になり、この負圧により冷却水はリザーバタンクからヘッダタンクに逆流する。エンジン稼働中は冷却水の膨張収縮が絶えず繰返され、ヘッダタンクとリザーバタンク間を冷却水は往復するようになっている。
しかし、上記特許文献1における装置のヘッダタンクはキャブの下方に設けられる各種車両部品の架装の関係から水平方向に扁平に形成されるため、冷却水系で発生した気泡を完全に分離できず、補給水とともに気泡を再び冷却水系に送出してしまう不具合があった。
【0005】
この点を解消するために、図15に示すヘッダタンク1が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。このヘッダタンク1は、内部が上部に通気孔2cを有し下部に通水用開口部2dを有するバッフルプレート2により内部が気泡含有水導入室3,4と緩衝室5と補給水供給室6とに区画される。このヘッダタンク1では、エンジンの冷却水系から気泡含有補給水がその導入室3,4に導入されると、気泡はバッフルプレート2の通気孔2cを通って圧力蓋よりリザーバタンクに送られ、補給水はバッフルプレート2の通水用開口部2dを通り、気泡含有水導入室3,4から緩衝室5を経由して補給水供給室6に送られる。ほとんどの気泡は導入室3,4の上部に溜まり、通気孔2cを通って補給水供給室6の上部に至る。また導入室3,4で上昇しきれず補給水に混入している気泡は緩衝室5から供給室6に向うに従って補給水の流速が低下するので、気泡は緩衝室5で上昇して供給室6には気水が分離された補給水が流入するようになっている。
【0006】
【特許文献1】
実開昭57−33219号公報
【特許文献2】
特開平4−81517号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献2に記載されたヘッダタンク1では、通水用開口部2dが比較的大径の円孔により構成されていることから、気泡含有水導入室3,4から緩衝室5に流入した補給水はそのまま直進して補給水供給室6に送られることになり、気泡上昇時間を十分に稼ぐことができない不具合があった。従って、気泡上昇時間を十分に稼ぐためには緩衝室5における容積を拡大する必要があり、緩衝室5における容積を拡大することはヘッダタンク全体の容量も拡大してヘッダタンク自体が大型化する不具合があった。
本発明の目的は、ヘッダタンク内における気泡を分離する容量を減少させて小型化し得るエンジンの冷却装置に用いられるヘッダタンクを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、図1及び図2に示すように、上部に通気孔28cを有し下部に通水用開口部28d,28eを有する複数のバッフルプレート28により内部が気泡含有水導入室29,30と緩衝室31と補給水供給室32とに区画され、気泡含有水導入室29,30の上部にエンジン13の冷却水系で発生した気泡を含む気泡含有補給水を導入する導入口19c,19dが形成され、気泡含有水導入室29,30から緩衝室31を経由して補給水供給室32に通水用開口部28d,28eを介して流入する補給水をエンジン13の冷却水系に供給する供給口19aが補給水供給室32の底部に形成されたエンジンの冷却装置に用いられるヘッダタンクの改良である。
その特徴ある構成は、気泡含有水導入室29,30から緩衝室31を経由して補給水供給室32に流入する補給水を緩衝室31で蛇行させる案内部材28g,28hが通水用開口部28d,28e近傍のバッフルプレート28に設けられたところにある。
【0009】
請求項1におけるエンジンの冷却装置に用いられるヘッダタンクでは、案内部材28g,28hを通水用開口部28d,28e近傍のバッフルプレート28に設けたので、気泡含有水導入室29,30から緩衝室31を経由して補給水供給室32に流入する補給水は、図2の実線矢印で示すように緩衝室31で蛇行する。これにより補給水が緩衝室31に滞在する時間が長くなり、その補給水に含まれる気泡がその緩衝室31で上昇する時間を従来に比較して稼ぐことができる。従って、供給室32に流入した状態で補給水はほぼ完全に気水が分離され、ヘッダタンク19内における緩衝室31の容量を従来に比較して減少させることができ、ヘッダタンク19を全体として小型化させることが可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図8に示すように、キャブオーバ型トラック10のフロアパネル11の下方のシャシフレーム12にはエンジン13及びラジエータ14が搭載される。この例ではラジエータ14はエンジン13のジャケット(図示せず)内の冷却水位より低い位置に設けられる。ラジエータ14の下部はウォータポンプ16を介してエンジン13のジャケットに連通し、ラジエータ14の上部はサーモスタット17を介してエンジン13のジャケットに連通する。またポンプ16はサーモスタット17にバイパス管路15を介して連通して接続される。エンジン13の上方には、そのエンジン13のジャケット内の冷却水位より高い位置に補給水を貯えるヘッダタンク19が設けられる。
【0011】
この例ではヘッダタンク19は水平方向に扁平に形成され、バックパネル18に近接したフロアパネル11の下方のフレーム12より立設されたブラケット12aに取付けられる。ヘッダタンク19の底部には補給水を冷却水位に供給する供給口19a(図1)が設けられ、供給口19aはウォータ・サプライ・パイプ21を介してポンプ16に接続される。タンク19の上部には蓋取付部19bを介して圧力蓋22が取付けられる(図6及び図7)。またタンク19にはエンジン13の冷却水系で発生した気泡を含む気泡含有補給水を導入する導入口19c及び19dが設けられ(図1)、エア・エスケープ・パイプ23及び24を介してそれぞれサーモスタット17の上端及びラジエータ14の上端に接続される。
【0012】
図1に示すように、タンク19はそれぞれ合成樹脂により成形されたタンクロア部材26とタンクアッパ部材27からなる。ロア部材26及びアッパ部材27の内部には複数のロアバッフルプレート28a及びアッパバッフルプレート28bがそれぞれ一体的に設けられる。またロア部材26及びアッパ部材27はそれぞれ開口部を対向させた状態で、開口部の周縁及びプレート28a,28bの端縁が熱板溶着により接合されてヘッダタンク19が形成される(図1)。タンク19内は、端縁が溶着されたロアバッフルプレート28a及びアッパバッフルプレート28bからなるバッフルプレート28により、トラック10の進行方向の前から後に向って順に気泡含有水導入室29,30、緩衝室31、補給水供給室32が形成される。導入室29,30には導入口19c,19dがそれぞれ位置し、供給室32には供給口19aが位置する。プレート28の上部及び下部には上記4室29〜32を連通する小径の通気孔28cと通水用開口部28d,28e,28fが設けられる。
【0013】
気泡含有水導入室29,30の間に設けられたプレート28のこの実施の形態における通路用開口部28fは比較的大径の円孔であり、気泡含有水導入室30と緩衝室31とを区画するプレート28及び緩衝室31と補給水供給室32を区画するプレート28における通路用開口部28d及び28eはそれぞれのロアバッフルプレート28aに形成された切欠きである。そして、気泡含有水導入室29,30から緩衝室31を経由して補給水供給室32に流入する補給水を緩衝室31で蛇行させる案内部材28g,28fが通水用開口部28d,28e近傍のバッフルプレート28に設けられる。この実施の形態における案内部材28g,28fは、その通水用開口部28d,28eを構成する切欠きの一方の片に連続して緩衝室31の内部に突出するようにバッフルプレート28に対して所定の角度でかつそのバッフルプレート28と一体的に形成された板材である。またタンクアッパ部材27の頂面には勾配が設けられ、トラック10の進行方向の前側に位置する導入室29の容積を最も小さく、後方に向うに従って容積が大きく、供給室32の容積が最も大きく形成される。
【0014】
図3及び図4に示すように、タンクロア部材26とタンクアッパ部材27を接合する前に、補助パイプ34,35の基端が導入口19c,19dにそれぞれ挿入され、これらの先端がアッパ部材27の頂面近傍にそれぞれ位置するように折曲げて形成される。更にパイプ34,35はロア部材26に形成されたリブ29a,30aの先端の凹溝にそれぞれ挿着され、これらの凹溝をアッパ部材27に形成されたリブ29b,30bにより塞いでパイプ34,35が固定される。
【0015】
図1及び図5に示すように、緩衝室31の底部には所定の冷却水量以下になると作動する水位警報センサ36が取付けられる(図2及び図5)。このセンサ36はキャブ内に設けられた図示しない水位警報回路に接続される。図1及び図6に示すように、供給室32の底部に設けられた供給口19aはヘッダタンク19底面に対して所定の角度傾斜してタンク19底面より管状に突出して形成された突出管であって、タンク19底面に臨む供給口19aを形成する突出管の開口面積がこの突出管の長手方向に直交する管断面積より大きく形成される。上記所定の角度はこの例では25゜である。また上記突出管の長手方向に直交する管断面における孔形状は円形であり、タンク19底面に臨む突出管の開口形状は楕円である(図2及び図6)。前述したように供給室32の上部、即ちタンク19の最も高い頂部に形成された蓋取付部19bには圧力蓋22が取付けられる(図2、図6及び図7)。
【0016】
図7に示すように、蓋22はばね22aの弾性力により蓋取付部19bのロアシート19eに密着可能なプレッシャバルブ22bを備える。バルブ22bの中央には貫通孔22cが設けられ、この貫通孔22cにはばね22dの弾性力によりバルブ22bの底面に密着可能なバキュームバルブ22eが挿着される。蓋22の閉止時には蓋22のトップシール22fが蓋取付部19bのトップシート19fに密着して気密を保ち、蓋22からタンク19内の気体が漏れないように構成される(図7)。
【0017】
図8に戻って、キャブ10aの前面にはフロントリッド37が開閉可能に設けられる。このリッド37の内側にはリザーバタンク38がタンク19と同一レベルに収納設置される。タンク38内には予備冷却水が貯えられ、タンク38はホース39を介して蓋取付部19bに連通して接続される。またタンク38の上部には大気と連通するオーバフローチューブ38aと給水用蓋38bが配設される。更にバックパネル18の背面には近接してリヤボディ41が設けられる。
【0018】
このように構成されたエンジンの冷却装置の作用を説明する。
エンジン13を始動させたときには、冷却水系には蒸気等の気泡が発生し、ラジエータ14内の上部やサーモスタット17の上部に溜まる。この気泡はエア・エスケープ・パイプ23,24及び補助パイプ34,35を介してヘッダタンク19内の気泡含有水導入室29,30に導入される。ほとんどの気泡は導入室29,30の上部に溜まり、通気孔28cを通って補給水供給室32の上部に至る。一方、導入口19c,19dから気泡含有水導入室29,30に導入された気泡含有補給水は、その気泡含有水導入室29,30から緩衝室31を経由して補給水供給室32に通水用開口部28d,28e,28fを介して流入する。そして導入室29,30から緩衝室31及び緩衝室31から供給室32に向うに従って補給水の流速は低下する。従って、導入室29,30で上昇しきれず補給水に混入している気泡は、導入室29,30から緩衝室31及び緩衝室31から供給室32に向う時に上昇する。
【0019】
この点に関し、本発明では、案内部材28g,28hを通水用開口部28d,28e近傍のバッフルプレート28に設けたので、気泡含有水導入室29,30から緩衝室31を経由して補給水供給室32に流入する補給水は、図2の実線矢印で示すように緩衝室31で蛇行する。これにより補給水に含まれる気泡がその緩衝室31で上昇する時間を従来に比較して稼ぐことができる。従って、供給室32に流入した状態で補給水はほぼ完全に気水が分離される。よって、ヘッダタンク19内における緩衝室31の容量を従来に比較して減少させることができ、ヘッダタンク19を全体として小型化させることが可能になる。
【0020】
なお、上述した実施の形態では、ヘッダタンク内をバッフルプレートにより4室に区画したが、これは一例であってバッフルプレートにより3室,5室,6室,7室又は8室以上にヘッダタンク内を区画してもよい。
また、上述した実施の形態では、ロアバッフルプレート28aに形成された切欠きにより通路用開口部28d,28eを構成し、バッフルプレート28と一体的に形成された板状の案内部材28g,28fを説明したが、図9に示すように、トンネル状の案内部材42をバッフルプレート28を貫通するように形成し、そのトンネル状の案内部材42により包囲される空間により通路用開口部42aを構成しても良い。
【0021】
更に、上述した実施の形態では、通水用開口部28d,28eを構成する切欠きの一方の片に緩衝室31の内部に突出する案内部材28g,28fを説明したが、図10に示すように、緩衝室31の内部とともに、気泡含有水導入室30又は補給水供給室32の内部に突出する板状の案内部材43をバッフルプレート28に形成しても良い。また、図11〜図14に示すように、通水用開口部28d,28eを構成する切欠きの両側の片に案内部材44〜47をそれぞれバッフルプレート28に形成しても良い。ここで、図11に示す案内部材44は、切欠きの両側に緩衝室31に突出するものであり、図12に示す案内部材45は、その切欠きの両側に互いに異なる方向に突出するものである。また、図13に示す案内部材46は、その切欠きの両側にバッフルプレートの両側に突出して補給水を屈折させるように屈曲して設けられたものである。更に、図14に示す案内部材47は、その切欠きの両側にバッフルプレート28の両側に突出して補給水を直進させるようにバッフルプレート28に所定の角度で傾斜して真っ直ぐに設けられたものである。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、気泡含有水導入室から緩衝室を経由して補給水供給室に流入する補給水を緩衝室で蛇行させる案内部材を通水用開口部近傍のバッフルプレートに設けたので、気泡含有水導入室から緩衝室を経由して補給水供給室に流入する補給水は緩衝室で蛇行する。これにより補給水が緩衝室に滞在する時間が長くなり、補給水に含まれる気泡がその緩衝室で上昇する時間を従来に比較して稼ぐことができる。この結果、ヘッダタンク内における緩衝室の容量を従来に比較して減少させることができ、ヘッダタンクを全体として小型化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヘッダタンクの組立て斜視図。
【図2】そのヘッダタンクを構成するタンクロア部材の平面図。
【図3】そのヘッダタンクにおける図2のA−A線断面図。
【図4】そのヘッダタンクにおける図2のB−B線断面図。
【図5】そのヘッダタンクにおける図2のC−C線断面図。
【図6】そのヘッダタンクにおける図2のD−D線断面図。
【図7】そのヘッダタンク内の圧力が上昇しプレッシャバルブが開いた状態を示す圧力蓋の拡大断面図。
【図8】そのヘッダタンクを含むエンジンの冷却装置の要部構成図。
【図9】トンネル状の案内部材を設けた本発明の別のヘッダタンクを示す斜視図。
【図10】通水用開口部である切欠きの一方の片にバッフルプレートの両側に突出する案内部材を設けた別のヘッダタンクを示す図2に対応する平面図。
【図11】その切欠きの両側に緩衝室に突出する案内部材を設けた別のヘッダタンクを示す図2に対応する平面図。
【図12】その切欠きの両側に互いに異なる方向に突出する案内部材を有する別のヘッダタンクを示す図2に対応する平面図。
【図13】バッフルプレートの両側に突出して補給水を屈折させる案内部材が切欠きの両側に設けられた別のヘッダタンクを示す図2に対応する平面図。
【図14】バッフルプレートの両側に所定の角度で突出して補給水を直進させる案内部材が切欠きの両側に形成された別のヘッダタンクを示す図2に対応する平面図。
【図15】従来のヘッダタンクを示す斜視図。
【符号の説明】
28c 通気孔
28d,28e 通水用開口部
28 バッフルプレート
29,30 気泡含有水導入室
31 緩衝室
32 補給水供給室
13 エンジン
19c,19d 導入口
19a 供給口
28g,28h 案内部材
Claims (1)
- 上部に通気孔(28c)を有し下部に通水用開口部(28d,28e)を有する複数のバッフルプレート(28)により内部が気泡含有水導入室(29,30)と緩衝室(31)と補給水供給室(32)とに区画され、前記気泡含有水導入室(29,30)の上部にエンジン(13)の冷却水系で発生した気泡を含む気泡含有補給水を導入する導入口(19c,19d)が形成され、前記気泡含有水導入室(29,30)から前記緩衝室(31)を経由して前記補給水供給室(32)に前記通水用開口部(28d,28e)を介して流入する補給水を前記エンジン(13)の冷却水系に供給する供給口(19a)が前記補給水供給室(32)の底部に形成されたエンジンの冷却装置に用いられるヘッダタンクにおいて、
前記気泡含有水導入室(29,30)から前記緩衝室(31)を経由して前記補給水供給室(32)に流入する補給水を前記緩衝室(31)で蛇行させる案内部材(28g,28h)が前記通水用開口部(28d,28e)近傍の前記バッフルプレート(28)に設けられたことを特徴とするエンジンの冷却装置に用いられるヘッダタンク。
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