JP2004190429A - 水深調整体及び水泳プールの水深調整装置 - Google Patents

水深調整体及び水泳プールの水深調整装置 Download PDF

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Abstract

【課題】水深の調整が容易であり、昇降装置も必要としない水深調整体及び水泳プールの水深調整方法を提供する。
【解決手段】水密性及び可撓性を有する膜材により形成された水深調整用の袋体と、該袋体に設けられる注水口及び排水口と、前記袋体をプール、河川、湖沼、池等の底面の上に位置させて該底面から浮き上がるのを防止するための位置決め手段とを備え、使用時には前記注水口から水を注入して前記袋体を膨らませ、該袋体を前記底面上に前記位置決め手段によって位置決めし、不使用時には前記排水口から前記袋体内の水を排水するように構成したことを特徴とする。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水泳プール等の水深を調整するための水深調整体及び水泳プールの水深調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般の水泳プールは、水深が大人用に設定されているので、子供が使用する場合には、プールの水深を浅くしなければならない。また、健康志向の高まりにより、大人が腰よりも下だけを水につけて水中歩行をするトレーニングが盛んに行われている。
【0003】
そこで、支持脚付きの中床をプールの底面に配置して水深を浅くする方法が採用されている。
【0004】
しかし、この支持脚付きの中床は重量が大きいので、搬送が面倒であり、また、大きな収納場所を必要とするが、専用の収納スペースを確保するのは困難であるので、プールサイドに積み重ねて置くしかなく、プールサイドの本来の機能が損なわれるという問題があった。
【0005】
一方、中床を昇降させて水泳プールの水深を調整する装置が提案されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
この装置によれば、中床の収納スペースは不要になるが、中床を昇降させるために大がかりな装置が必要になり、プール設備費が高くなるという問題があった。
【0007】
また、河川、湖沼、池等の工事現場において、水深を浅くして作業を容易にする場合には、足場を組む等して対処しているが、作業能率が悪いという問題があった。
【0008】
【特許文献1】
特開平5―311904号公報(全頁、全図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、水深の調整が容易であり、昇降装置も必要としない水深調整体及び水泳プールの水深調整方法を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の水深調整体は、水密性及び可撓性を有する膜材により形成された水深調整用の袋体と、該袋体に設けられる注水口及び排水口と、前記袋体をプール、河川、湖沼、池等の底面の上に位置させて該底面から浮き上がるのを防止するための位置決め手段とを備え、使用時には前記注水口から水を注入して前記袋体を膨らませ、該袋体を前記底面上に前記位置決め手段によって位置決めし、不使用時には前記排水口から前記袋体内の水を排水するように構成したことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の水泳プールの水深調整装置は、水密性及び可撓性を有する膜材により形成された袋体を水泳プールの底部に配設し、該袋体内に水を給排水して前記袋体を膨縮させることによりプール水深を調整する給排水手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1のように、水深調整体Aは、水が充填される袋体1を備え、該袋体1は水密性及び可撓性を有する膜材を高周波溶着等で接合して形成されている。かかる膜材としては、合成樹脂膜材やゴム膜材等を繊維で補強した伸びが小さいもの、例えば、ビニルレザー、ビニルターポリン、ゴム引布等が使用され、これにより袋体1内の水圧を上げたときに充分な剛性が得られるようになっている。
【0014】
袋体1の両側には注水口2及び排水口3が設けられ、注水口2及び排水口3には図外のバルブが取り付けられている。そして、注水口2から袋体1内に水を注入することにより袋体1はマット状に膨らみ、膨らんだ袋体1の高さH(例えば40cm程度)の分だけ水泳プールの水深が調整されるようになっている。なお、注水口2は排水口を兼ねるようにしても良い。
【0015】
袋体1からは可撓性を有する図外の空気抜き管が導出され、該空気抜き管の先にはバルブが設けられている。
【0016】
また、袋体1にはマット形状を確保するための図外の吊り布が設けられている。また、袋体1は前記膜材で形成された図外の仕切り体によって複数の部屋に仕切られ、該仕切り体に流水孔が設けて隣接する部屋同士を連通させている。このように構成すれば、水が隣の部屋に移動するときには前記流水孔を通らなければならないので、水の移動に際して強い抵抗が発生し、したがって、水で膨らんだ袋体1の一部が上方から押されても大きく変形することがなく、水中歩行等の障害にはならない。
【0017】
袋体内には該袋体の空気抜きを円滑に行うためのスペーサー(図示省略)が配設され、該スペーサーが袋体の上下の膜材の間に介在することによって上下の膜材が付着するのを防止している。なお、スペーサーは、例えば通気性を有するメッシュ等で形成される。
【0018】
また、空気が抜かれて水が充填された水深調整体Aは、水泳プールP中での浮力と重力とがほぼ均衡になるので、位置決め手段によって水深調整体Aを水泳プールPの底まで沈めて停止させるようになっている。図2のように袋体1には連結体12によって重り11が着脱自在に取り付けられ、該連結体12は連結片13を雄雌係合部14によってワンタッチで連結できるものである。また、袋体1をアンカー15で位置決めしても良く、この場合にも袋体1とアンカー15とは連結体12によって着脱自在に連結される。また、位置決め手段として図外の面状ファスナーを採用し、袋体1の表面に雄型ファスナーを、プールの底面に雌型ファスナーをそれぞれ設けて雄雌係合によって水深調整体Aを位置決めしても良い。
【0019】
図3は、水深調整体Aを設置するための作業工程を示し、水深調整体Aを水泳プールPの水面上で拡げる場合には、重り11を外した状態で水深調整体Aを拡げて袋体1を膨らませ、完全に膨らんだ状態又はある程度膨らんだ状態で、袋体1に重り11を取り付けて水深調整体Aを水泳プールPの底面まで沈める。なお、水が充填された水深調整体Aの浮力と重力とがほぼ均等であるので、重り11は軽量なものであっても、水深調整体Aは水泳プールPの底まで降下する。なお、重り11の重量は適宜変更でき、また、水面上に拡げられた水深調整体Aが直ぐに沈まない大きさに重り11の重量を設定すれば、重り11を袋体1に取り外しができないように固定することができる。
【0020】
そして、水泳プールPに既に水が満たされている場合には、プールサイドやプール水の水面状で袋体1を拡げた後、前記バルブが開いた空気抜き管から袋体1内の空気を抜きながら、前記バルブが開いた注水口2から水を注入して水深調整体Aを膨らませ、重り11によって水泳プールPの底に沈める。このとき、排水口3のバルブを閉じておく。
【0021】
そして、水泳プールPの底に水深調整体Aを配設した場合には、該水泳プールPを子供用等のプールとして使用でき、また、水深調整体Aがクッション作用を発揮するので、水深が浅くなった水泳プールPに飛び込んでも、怪我をせずに済み水深が浅い水泳プールPの安全性を確保できる。
【0022】
なお、水深調整体Aの袋体1が不完全密封の場合には、袋体1内に常時送水をし、また、図外の水圧調整手段によって袋体1内を一定圧力に保つようにする。
【0023】
水深調整体Aへの水の注入は、水泳プールPの付属設備を利用して行い、例えば図2のようにプール清掃等のために用いられる蛇口にホースP1を接続し、該ホースを水深調整体Aの注水口2に接続して注入する。
【0024】
水深調整体Aを使用しないときには、水深調整体Aの排水口3のバルブを開いて該排水口3から袋体1内の水を排水して縮めた状態で折り畳んで収納できるので、大きな収納スペースが不要になる。
【0025】
図4は、水深調整体Aを二段に重ねた状態を示す。上下の水深調整体Aはファスナー16によって雄雌係合に連結されている。なお、上下の水深調整体Aの連結手段は特に限定されない。
【0026】
また、上下の水深調整体Aを水中で別々に膨らませた後に連結する場合には、ワンタッチで着脱できる連結具を採用するのが好ましい。例えば、図5のように一方の水深調整体Aの袋体1から弾性片6を連設し、該弾性片6に係止鍔7付きの突起8を設け、他方の水深調整体Aの袋体1から係止孔9付きの弾性片10を連設し、連結する場合には、2点鎖線で示すように突起8を係止孔10に挿入して該係止孔10の孔縁の弾性変形によって該孔縁に係止する。水深調整体Aを引き離す場合には、係止孔9の孔縁を弾性変形させて突起8を係止孔9から強制的に引き離す。なお、水深調整体Aを3段以上積み重ねて連結しても良い。
【0027】
図6及び図7は、水泳プールの水深調整装置を示し、複数の袋体1を水泳プールPの底面に並べて上述のように水泳プールPの底部に固定し、ポンプやホース等の給排水手段を用いて袋体1内に水を給排水して該袋体1を膨縮させることにより水深を調整する。袋体1は常時水泳プールの底に設置され、不使用時には水を抜いて袋体1を縮めた状態で水泳プールPの底面に位置させる(図7)。
【0028】
また、図6の2点鎖線で示すすのこ5を水深調整体Aの上に敷設して水泳プールPの底の硬質性を確保するようにしても良い。
【0029】
図8は給排水手段によって袋体1内の水を供給・排水するための説明図である。給排水手段は切換弁18,19と、袋体1内の空気を吸引する吸引ポンプ20と、注水ポンプ21と排水ポンプ22とを備えている。そして、袋体1内に水を供給するときには、吸引ポンプP1により袋体1内の空気を排気した後に、注水ポンプP2により袋体1内に注水し、使用しないときには、排水ポンプP3により袋体1内の水を排水する。なお、複数の袋体1は連通管17により連結し、複数の袋体1への給排水は一つの袋体1を介して行う。
【0030】
以上のように構成される水深調整体Aは、水泳プール以外の海や湖沼や池等の水深を調整するのに用いることができ、海で用いる場合には、海水を給排水する。
【0031】
【発明の効果】
本発明の水深調整体及び水泳プールの水深調整装置によれば、水密性及び可撓性を有する膜材により形成された水深調整用の袋体と、該袋体をプール等の底面の上に位置させて該底面から浮き上がるのを防止するための位置決め手段とを備え、該袋体に注水口及び排水口を設け、注水口から水を注入して膨らませると共にプール、河川、湖沼、池等の底面に前記位置決め手段によって位置決めすることにより、プール等の水深を調整することができる。
【0032】
また、水泳プールの底面に袋体を配設することにより、該底面のクッション性が付与されるので、プールの安全性が図れ、また、プールの娯楽性を高めることができる。
【0033】
また、使用しないときは、水を排水して袋体を縮めることができるので、大きな収納スペースを必要とせず、プールの底面に常時設置することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施形態の水深調整体を示す平面図、(b)は同水深調整体の正面図、(c)は同水深調整体の側面図である。
【図2】同水深調整体が位置決めされた状態を示す側面図である。
【図3】同水深調整体を設置するための作業工程を示す斜視図である。
【図4】(a)は二段に積み重ねられた水深調整体を示す正面図、(b)は二段に積み重ねられた水深調整体を示す側面図である。
【図5】二段に重ねた水深調整体の連結手段を示す拡大図である。
【図6】本発明の実施形態の水泳プールの水深調整装置を示す側面図である。
【図7】同水深調整装置の不使用状態を示す側面図である。
【図8】同水深調整装置の給排水手段を示す図である。
【符号の説明】
P 水泳プール
A 水深調整体
1 袋体
2 注水口
3 排水口

Claims (2)

  1. 水密性及び可撓性を有する膜材により形成された水深調整用の袋体と、該袋体に設けられる注水口及び排水口と、前記袋体をプール、河川、湖沼、池等の底面の上に位置させて該底面から浮き上がるのを防止するための位置決め手段とを備え、
    使用時には前記注水口から水を注入して前記袋体を膨らませ、該袋体を前記底面上に前記位置決め手段によって位置決めし、不使用時には前記排水口から前記袋体内の水を排水するように構成したことを特徴とする水深調整体。
  2. 水密性及び可撓性を有する膜材により形成された袋体を水泳プールの底部に配設し、該袋体内に水を給排水して前記袋体を膨縮させることによりプール水深を調整する給排水手段を設けたことを特徴とする水泳プールの水深調整装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102417022A (zh) * 2011-11-01 2012-04-18 陕西科技大学 一种游泳池溺水自动救生系统
JP2022546630A (ja) * 2019-10-21 2022-11-04 ピーブイ フラッド コントロール コーポレイション 水がベイスン(basin)に入らないようにするためのチューブ

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