JP2004190216A - 瓦屋根の通気構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】通気性および排水性の向上を図れる瓦屋根の通気構造を提供する。
【解決手段】多数枚の屋根瓦16と、屋根の傾斜方向と交差するとともに、屋根瓦16が取り付けられる複数本の瓦桟木13と、これらの瓦桟木13が取り付けられる野地板12とを備えて瓦屋根10を構成する。そして、各瓦桟木13と野地板12との間には、各瓦桟木13の幅を越えて屋根の傾斜方向に沿った空間部を設ける。そのため、空間部内を空気が流通するので、通気性が向上する。また、万一、屋根の内部に雨水や湿気等が浸入したときでも、空間部から排水できるので排水性が向上する。
【選択図】 図1
【解決手段】多数枚の屋根瓦16と、屋根の傾斜方向と交差するとともに、屋根瓦16が取り付けられる複数本の瓦桟木13と、これらの瓦桟木13が取り付けられる野地板12とを備えて瓦屋根10を構成する。そして、各瓦桟木13と野地板12との間には、各瓦桟木13の幅を越えて屋根の傾斜方向に沿った空間部を設ける。そのため、空間部内を空気が流通するので、通気性が向上する。また、万一、屋根の内部に雨水や湿気等が浸入したときでも、空間部から排水できるので排水性が向上する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、瓦屋根の通気構造に関する。
【0002】
【背景技術】
住宅等の建物の瓦屋根としては、瓦が野地板に複数本の瓦桟木を介して取り付けられて構成されている(例えば、特許文献1参照)。
そして、このような瓦桟木は木製の角材で形成されることが多い。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−210102号広報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来の棟の換気構造では、桟木と野地板との隙間がないので、通気性が悪いという問題があり、また、雨水等が浸入したとき、排水性が悪いという問題もある。
【0005】
本発明の目的は、通気性および排水性の向上を図れる瓦屋根の通気構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、図面を参照して説明すると、図1に示すように、多数枚の屋根瓦16と、屋根の傾斜方向と交差するとともに傾斜方向に所定間隔で設けられ前記屋根瓦16が取り付けられる複数本の瓦桟木13と、これらの瓦桟木13が取り付けられる野地板12とを備えた瓦屋根の通気構造であって、前記各瓦桟木13と野地板12との間には、少なくとも前記各瓦桟木13の幅を越えて屋根の傾斜方向に沿った空間部が設けられていることを特徴とする瓦屋根の通気構造である。
【0007】
このような本発明によれば、瓦桟木と野地板との間に空間部が設けられており、空間部内を空気が流通するので、通気性が向上し、また、雨水や湿気等が浸入したときでも空間部から排水できて排水性が向上する。
この発明において、瓦桟木は木製の角材やプラスチック等の合成樹脂製で形成することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、図2に示すように、請求項1に記載の瓦屋根の通気構造において、前記瓦桟木13は木材で形成され、前記空間部は、前記瓦桟木13の下部に形成された複数の貫通穴13Aで構成されていることを特徴とするものである。
このような本発明によれば、瓦桟木に貫通穴をあけるだけで空間部を構成できるとともに、瓦桟木は木材で形成されているので、穴加工が容易であり、また、貫通穴は複数あるので、通気性および排水性を向上させることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、図面を参照して説明すると、図3に示すように、前記瓦桟木13と野地板12との間には、屋根の傾斜方向に沿いかつ交互に向きを変えた複数条の角縦溝21A,21Bを有する通気部材21が設けられ、前記空間部は、前記複数条の角縦溝21A,21Bで構成されていることを特徴とするものである。
このような本発明によれば、通気部材に複数条の角縦溝が交互に向きを変えて形成されているので、通気と排水とが別の溝で行われるようになり、通気性および排水性のより一層の向上を図れる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、図3に示すように、請求項3に記載の瓦屋根の通気構造において、前記通気部材21は前記瓦桟木13の長手方向に沿って所定幅に形成され、それぞれの通気部材21の接続は隣り合う通気部材21の少なくとも1条の前記角縦溝21A,21B同士を重ね合わせて行われることを特徴とするものである。
このような本発明によれば、通気部材を幅方向に接続する際、隣り合う通気部材の少なくとも1条の角縦溝同士を重ね合わせて行うので、角縦溝と角縦溝との隙間に雨水等が浸入することはなく、雨水等の横走りを防止できる。
【0011】
請求項5に記載の発明は、図4に示すように、請求項1に記載の瓦屋根の通気構造において、前記瓦桟木13と野地板12との間には、屋根の傾斜方向に沿った複数の波形状部31A,31Bを有する通気部材31が設けられ、前記空間部は、前記複数の波形状部31A,31Bで構成されていることを特徴とするものである。
【0012】
このような本発明によれば、通気部材が複数の波形状部を有しており、波形状部は高い部位と低い部位とが交互に形成されているので、通気と排水とが別の波形状部で行われることになり、これにより、通気性および排水性のより一層の向上を図れる。また、通気部材として市販の波板を使用できるので、容易に入手できるとともに、野地板の上に取り付けて、その上に瓦桟木を取り付ければよいので、施工も容易にできる。
【0013】
請求項6に記載の発明は、図5に示すように、請求項1に記載の瓦屋根の通気構造において、前記瓦桟木13と野地板12との間には、所定厚さの複数個のスペーサ部材41Aで構成された通気部材41が設けられ、前記空間部は、前記複数個のスペーサ部材41A間の隙間41Bで構成されていることを特徴とするものである。
このような本発明によれば、瓦桟木と野地板との間にスペーサ部材を配置すれば、それらの隙間で空間部を形成できるので、空間部の形成が簡単な構成ででき、また、通気性および排水性の向上を図れる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る瓦屋根の通気構造の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1には、第1実施形態の瓦屋根10が示されている。この瓦屋根10は、登梁11に設けられた野地板12を備え、この野地板12は、合板12Aと、この合板12A上に敷設された屋根耐水シート12Bおよび屋根面材12Cとを含み構成されている。
野地板12の上面には、復数本の瓦桟木13が屋根の傾斜方向に直行して所定間隔で設けられており、瓦屋根10の軒端には鼻桟木14が設けられている。瓦桟木13は、例えば木製の角材で形成されており、また、鼻桟木14の近傍には、軒樋15が設けられている。
【0015】
この鼻桟木14には軒側先端の瓦16の先端部(軒先側)が載せられ、瓦16の後端部は、屋根の軒端に近い位置の瓦桟木13に釘17によって固定されている。この瓦16の後端部(棟側)には、屋根の傾斜方向すぐ上の瓦16が、その先端を後端部に重ねるとともに、後端部を傾斜方向一つ上の瓦桟木13に釘17によって固定されている。
【0016】
図2に示すように、各瓦桟木13の下部には、瓦屋根10の傾斜方向に沿いかつ瓦桟木13の幅方向を貫通する空間部である半円状の貫通穴13Aが複数あけられている。従って、万一、屋根内に雨水等が浸入しても、これらの貫通穴13Aから排水される。また、これらの貫通穴13Aを空気が流通するので、通気性がよくなり、湿気等による影響を少なくできる。
なお、貫通穴13Aの加工は、瓦桟木13を2枚、厚さ方向同士を対向させて重ねておいて、合わせ面にドリルを当てて加工すれば、2つの瓦桟木13に同時に半円状の貫通穴13Aを形成でき、加工効率がよい。
【0017】
このような第1実施形態によれば、次のような効果がある。
(1) 各瓦桟木13の下部には、半円形状の貫通穴13Aが複数あけられて空間部が形成されているので、貫通穴13A内を空気が流通し通気性がよくなる。また、万一、屋根内に雨水等が浸入しても、これらの貫通穴13Aから排水されるので、排水性がよくなる。
【0018】
(2) 各瓦桟木13が木製の角材で形成されているが、瓦桟木13の下部に、半円形状の貫通穴13Aが複数あけられて空間部が形成されているので、通気性がよくなり、また雨水の排水等も容易となり、瓦桟木13の下部に雨水等が溜まることがなく、木材であっても耐久性が得られ、長寿命化を図れる。
(3) 瓦桟木13の半円形状の貫通穴13Aは、瓦桟木13を2枚、厚さ方向同士を対向させて重ねておいて、互いの合わせ目にドリル加工を施工すれば、2枚の瓦桟木13の貫通穴13Aを同時に行うことができ、空間部を容易に、かつ効率よく形成できる。
【0019】
図3には、本発明の第2実施形態が示されている。
この実施形態の瓦屋根20は、瓦桟木23と野地板12との間に通気部材である通気ボード21を設けて形成されており、この通気ボード21には空間部を構成する複数条の角縦溝21A,21Bが形成されている。
すなわち、通気ボード21は樹脂、ゴム、または金属の薄板等で形成されており、屋根の傾斜方向に沿って上記角縦溝21A,21Bが形成されている。角縦溝21A,21Bは、交互に向きを変えて形成され、このような通気ボード21は、瓦屋根20の傾斜方向に沿って連続して設けられており、釘打ちや接着等で野地板12に固定されている。なお、瓦桟木23は、前記瓦桟木13と同様に木製の角材で形成されているが、樹脂製としてもよい。
【0020】
ここで、通気ボード21は、図示しないが、幅方向、つまり角縦溝21A,21Bと直行する方向に所定寸法に形成されており、野地板12上に載置する際は、順次隣り合う通気ボード21同士を重ね合わせて行われている。隣り合う通気部材21同士を重ねるときは、少なくとも1条の角縦溝21A,21B同士を重ね合わせて幅方向に連続させている。
【0021】
このような第2実施形態によれば、前記(1) とほぼ同様の効果の他、次のような効果が得られる。
(4) 予め角縦溝21A,21Bが形成された通気ボード21を野地板12に取り付け、その通気ボード21の上に瓦桟木23を取り付けるだけで空間部を形成することができるので、空間部を容易に形成できる。
(5) 所定幅に形成された通気ボード21を野地板12上に載置する際は、所定幅に形成された通気ボード21同士を、それらの少なくとも1条の角縦溝21A,21B同士を重ね合わせて行うので、接続部の角縦溝21A,21B同士に隙間が生ぜず、これにより、雨水等が横方向に流れる横走りを防止できる。
【0022】
図4には、本発明の第3実施形態が示されている。
この実施形態の瓦屋根30は、前記瓦桟木23と野地板12との間に通気部材である波板31を設けて形成され、この波板31の波形状部31A,31Bで空間部を構成したものである。
すなわち、波板31は樹脂、または金属の薄板等で形成されており、波板31は、その波形状部31A,31Bが屋根30傾斜方向に沿って連続して設けられており、釘打ちや接着等で野地板12に固定されている。
【0023】
ここで、波板31は、図示しないが、幅方向、つまり波形状部31A,31Bと直行する方向に所定幅寸法に形成されており、野地板12上に載置する際は、隣り合う波板31を順次重ね合わせて行われている。隣り合う波板31同士を重ねるときは、少なくとも1つの波形状部31A,31B同士を重ね合わせて幅方向に連続させている。
このような第3実施形態によれば、前記(1) ,(4) ,(5) とほぼ同様の効果が得られる。
【0024】
図5には、本発明の第4実施形態が示されている。
この実施形態の瓦屋根40は、前記瓦桟木23と野地板12との間に通気部材41を構成する複数個のスペーサ部材41Aを設けて形成され、これらのスペーサ部材41A間の隙間41Bで空間部を構成したものである。
すなわち、スペーサ部材41Aは、所定の厚さ寸法の、樹脂、ゴム、木材または金属等で形成されており、瓦桟木23の下方に、それぞれ受板42に固定されて、瓦屋根40の傾斜方向に沿って例えば2個ずつ配置され、2個ずつが屋根40の横方向に所定間隔で複数列設けられている。なお、スペーサ部材41Aの配置は、前記隙間41Bがほぼ均等に形成でき、かつ瓦桟木23および瓦16を均等に支持できれば任意である。
【0025】
このような第4実施形態によれば、前記(1) とほぼ同様の効果の他、次のような効果が得られる。
(6) 所定の厚さ寸法に形成された複数のスペーサ部材41Aを、瓦桟木23と野地板12との間に適宜設けるだけで空間部を形成できるので、空間部を容易に形成できるとともに、空間部の広さの調整も容易にできる。
【0026】
なお、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できるものであれば、次のような変形形態でもよいものである。
例えば、前記第1実施形態では瓦桟木13、第2、第3実施形態では瓦桟木23を、例えば木製の角材で形成したが、瓦桟木13,23の材質は木製でなくてもよく、プラスチック等の合成樹脂製としてもよい。このようにすれば、水や湿気に強いので、排水性や通気性の向上を図れるとともに、耐水性に優れているので、長寿命化を図れる。
【0027】
また、前記第1実施形態では瓦桟木13の下部の空間部は、半円形状の貫通穴13Aに形成されているが、これに限らず、角穴、半円の長穴等、どのような形状でもよい。要は、万一浸入した雨水等を排水でき、かつ通気性に優れる物であればよい。
さらに、前記第4実施形態では、通気部材41が複数のスペーサ部材41Aで構成され、これらのスペーサ部材41Aは、所定厚さの円柱状に形成されているが、これに限らず、例えば四角柱、三角柱等、どのような形状でもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1の発明によれば、瓦桟木と野地板との間に空間部が設けられており、空間部内を空気が流通するので、通気性が向上し、また、雨水や湿気等が浸入したときでも空間部から排水できて排水性が向上する。
【0029】
請求項2に記載の発明によれば、瓦桟木に貫通穴をあけるだけで空間部を構成できるとともに、瓦桟木は木材で形成されているので、穴加工が容易であり、また、貫通穴は複数あるので、通気性および排水性を向上させることができる。
【0030】
請求項3に記載の発明によれば、通気部材に複数条の角縦溝が交互に向きを変えて形成されているので、通気と排水とが別の溝で行われるようになり、通気性および排水性のより一層の向上を図れる。
【0031】
請求項4に記載の発明によれば、通気部材を幅方向に接続する際、隣り合う通気部材の少なくとも1条の角縦溝同士を重ね合わせて行うので、角縦溝と角縦溝との隙間に雨水等が浸入することがなく、雨水等の横走りを防止できる。
【0032】
請求項5に記載の発明によれば、通気部材が複数の波形状部を有しており、波形状部は高い部位と低い部位とが交互に形成されているので、通気と排水とが別の波形状部で行われることになり、これにより、通気性および排水性のより一層の向上を図れる。また、通気部材として市販の波板を使用できるので、容易に入手できるとともに、野地板の上に取り付けて、その上に瓦桟木を取り付ければよいので、施工も容易にできる。
【0033】
請求項6に記載の発明によれば、瓦桟木と野地板との間にスペーサ部材を配置すれば、それらの隙間で空間部を形成できるので、空間部の形成が簡単な構成ででき、また、通気性および排水性の向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る瓦屋根の通気構造を示す軒先近傍の縦断面図である。
【図2】本発明に係る第1実施形態の通気構造を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る第2実施形態の通気構造を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る第3実施形態の通気構造を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る第4実施形態の通気構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
10,20,30,40 瓦屋根
12 野地板
13,23 瓦桟木
13A 空間部である貫通穴
16 瓦
21 通気部材である通気ボード
21A、21B 空間部である角縦溝
31 通気部材である波板
31A、31B 空間部である波形状部
41 通気部材
41A スペーサ部材
41B 空間部である隙間
【発明の属する技術分野】
本発明は、瓦屋根の通気構造に関する。
【0002】
【背景技術】
住宅等の建物の瓦屋根としては、瓦が野地板に複数本の瓦桟木を介して取り付けられて構成されている(例えば、特許文献1参照)。
そして、このような瓦桟木は木製の角材で形成されることが多い。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−210102号広報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来の棟の換気構造では、桟木と野地板との隙間がないので、通気性が悪いという問題があり、また、雨水等が浸入したとき、排水性が悪いという問題もある。
【0005】
本発明の目的は、通気性および排水性の向上を図れる瓦屋根の通気構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、図面を参照して説明すると、図1に示すように、多数枚の屋根瓦16と、屋根の傾斜方向と交差するとともに傾斜方向に所定間隔で設けられ前記屋根瓦16が取り付けられる複数本の瓦桟木13と、これらの瓦桟木13が取り付けられる野地板12とを備えた瓦屋根の通気構造であって、前記各瓦桟木13と野地板12との間には、少なくとも前記各瓦桟木13の幅を越えて屋根の傾斜方向に沿った空間部が設けられていることを特徴とする瓦屋根の通気構造である。
【0007】
このような本発明によれば、瓦桟木と野地板との間に空間部が設けられており、空間部内を空気が流通するので、通気性が向上し、また、雨水や湿気等が浸入したときでも空間部から排水できて排水性が向上する。
この発明において、瓦桟木は木製の角材やプラスチック等の合成樹脂製で形成することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、図2に示すように、請求項1に記載の瓦屋根の通気構造において、前記瓦桟木13は木材で形成され、前記空間部は、前記瓦桟木13の下部に形成された複数の貫通穴13Aで構成されていることを特徴とするものである。
このような本発明によれば、瓦桟木に貫通穴をあけるだけで空間部を構成できるとともに、瓦桟木は木材で形成されているので、穴加工が容易であり、また、貫通穴は複数あるので、通気性および排水性を向上させることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、図面を参照して説明すると、図3に示すように、前記瓦桟木13と野地板12との間には、屋根の傾斜方向に沿いかつ交互に向きを変えた複数条の角縦溝21A,21Bを有する通気部材21が設けられ、前記空間部は、前記複数条の角縦溝21A,21Bで構成されていることを特徴とするものである。
このような本発明によれば、通気部材に複数条の角縦溝が交互に向きを変えて形成されているので、通気と排水とが別の溝で行われるようになり、通気性および排水性のより一層の向上を図れる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、図3に示すように、請求項3に記載の瓦屋根の通気構造において、前記通気部材21は前記瓦桟木13の長手方向に沿って所定幅に形成され、それぞれの通気部材21の接続は隣り合う通気部材21の少なくとも1条の前記角縦溝21A,21B同士を重ね合わせて行われることを特徴とするものである。
このような本発明によれば、通気部材を幅方向に接続する際、隣り合う通気部材の少なくとも1条の角縦溝同士を重ね合わせて行うので、角縦溝と角縦溝との隙間に雨水等が浸入することはなく、雨水等の横走りを防止できる。
【0011】
請求項5に記載の発明は、図4に示すように、請求項1に記載の瓦屋根の通気構造において、前記瓦桟木13と野地板12との間には、屋根の傾斜方向に沿った複数の波形状部31A,31Bを有する通気部材31が設けられ、前記空間部は、前記複数の波形状部31A,31Bで構成されていることを特徴とするものである。
【0012】
このような本発明によれば、通気部材が複数の波形状部を有しており、波形状部は高い部位と低い部位とが交互に形成されているので、通気と排水とが別の波形状部で行われることになり、これにより、通気性および排水性のより一層の向上を図れる。また、通気部材として市販の波板を使用できるので、容易に入手できるとともに、野地板の上に取り付けて、その上に瓦桟木を取り付ければよいので、施工も容易にできる。
【0013】
請求項6に記載の発明は、図5に示すように、請求項1に記載の瓦屋根の通気構造において、前記瓦桟木13と野地板12との間には、所定厚さの複数個のスペーサ部材41Aで構成された通気部材41が設けられ、前記空間部は、前記複数個のスペーサ部材41A間の隙間41Bで構成されていることを特徴とするものである。
このような本発明によれば、瓦桟木と野地板との間にスペーサ部材を配置すれば、それらの隙間で空間部を形成できるので、空間部の形成が簡単な構成ででき、また、通気性および排水性の向上を図れる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る瓦屋根の通気構造の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1には、第1実施形態の瓦屋根10が示されている。この瓦屋根10は、登梁11に設けられた野地板12を備え、この野地板12は、合板12Aと、この合板12A上に敷設された屋根耐水シート12Bおよび屋根面材12Cとを含み構成されている。
野地板12の上面には、復数本の瓦桟木13が屋根の傾斜方向に直行して所定間隔で設けられており、瓦屋根10の軒端には鼻桟木14が設けられている。瓦桟木13は、例えば木製の角材で形成されており、また、鼻桟木14の近傍には、軒樋15が設けられている。
【0015】
この鼻桟木14には軒側先端の瓦16の先端部(軒先側)が載せられ、瓦16の後端部は、屋根の軒端に近い位置の瓦桟木13に釘17によって固定されている。この瓦16の後端部(棟側)には、屋根の傾斜方向すぐ上の瓦16が、その先端を後端部に重ねるとともに、後端部を傾斜方向一つ上の瓦桟木13に釘17によって固定されている。
【0016】
図2に示すように、各瓦桟木13の下部には、瓦屋根10の傾斜方向に沿いかつ瓦桟木13の幅方向を貫通する空間部である半円状の貫通穴13Aが複数あけられている。従って、万一、屋根内に雨水等が浸入しても、これらの貫通穴13Aから排水される。また、これらの貫通穴13Aを空気が流通するので、通気性がよくなり、湿気等による影響を少なくできる。
なお、貫通穴13Aの加工は、瓦桟木13を2枚、厚さ方向同士を対向させて重ねておいて、合わせ面にドリルを当てて加工すれば、2つの瓦桟木13に同時に半円状の貫通穴13Aを形成でき、加工効率がよい。
【0017】
このような第1実施形態によれば、次のような効果がある。
(1) 各瓦桟木13の下部には、半円形状の貫通穴13Aが複数あけられて空間部が形成されているので、貫通穴13A内を空気が流通し通気性がよくなる。また、万一、屋根内に雨水等が浸入しても、これらの貫通穴13Aから排水されるので、排水性がよくなる。
【0018】
(2) 各瓦桟木13が木製の角材で形成されているが、瓦桟木13の下部に、半円形状の貫通穴13Aが複数あけられて空間部が形成されているので、通気性がよくなり、また雨水の排水等も容易となり、瓦桟木13の下部に雨水等が溜まることがなく、木材であっても耐久性が得られ、長寿命化を図れる。
(3) 瓦桟木13の半円形状の貫通穴13Aは、瓦桟木13を2枚、厚さ方向同士を対向させて重ねておいて、互いの合わせ目にドリル加工を施工すれば、2枚の瓦桟木13の貫通穴13Aを同時に行うことができ、空間部を容易に、かつ効率よく形成できる。
【0019】
図3には、本発明の第2実施形態が示されている。
この実施形態の瓦屋根20は、瓦桟木23と野地板12との間に通気部材である通気ボード21を設けて形成されており、この通気ボード21には空間部を構成する複数条の角縦溝21A,21Bが形成されている。
すなわち、通気ボード21は樹脂、ゴム、または金属の薄板等で形成されており、屋根の傾斜方向に沿って上記角縦溝21A,21Bが形成されている。角縦溝21A,21Bは、交互に向きを変えて形成され、このような通気ボード21は、瓦屋根20の傾斜方向に沿って連続して設けられており、釘打ちや接着等で野地板12に固定されている。なお、瓦桟木23は、前記瓦桟木13と同様に木製の角材で形成されているが、樹脂製としてもよい。
【0020】
ここで、通気ボード21は、図示しないが、幅方向、つまり角縦溝21A,21Bと直行する方向に所定寸法に形成されており、野地板12上に載置する際は、順次隣り合う通気ボード21同士を重ね合わせて行われている。隣り合う通気部材21同士を重ねるときは、少なくとも1条の角縦溝21A,21B同士を重ね合わせて幅方向に連続させている。
【0021】
このような第2実施形態によれば、前記(1) とほぼ同様の効果の他、次のような効果が得られる。
(4) 予め角縦溝21A,21Bが形成された通気ボード21を野地板12に取り付け、その通気ボード21の上に瓦桟木23を取り付けるだけで空間部を形成することができるので、空間部を容易に形成できる。
(5) 所定幅に形成された通気ボード21を野地板12上に載置する際は、所定幅に形成された通気ボード21同士を、それらの少なくとも1条の角縦溝21A,21B同士を重ね合わせて行うので、接続部の角縦溝21A,21B同士に隙間が生ぜず、これにより、雨水等が横方向に流れる横走りを防止できる。
【0022】
図4には、本発明の第3実施形態が示されている。
この実施形態の瓦屋根30は、前記瓦桟木23と野地板12との間に通気部材である波板31を設けて形成され、この波板31の波形状部31A,31Bで空間部を構成したものである。
すなわち、波板31は樹脂、または金属の薄板等で形成されており、波板31は、その波形状部31A,31Bが屋根30傾斜方向に沿って連続して設けられており、釘打ちや接着等で野地板12に固定されている。
【0023】
ここで、波板31は、図示しないが、幅方向、つまり波形状部31A,31Bと直行する方向に所定幅寸法に形成されており、野地板12上に載置する際は、隣り合う波板31を順次重ね合わせて行われている。隣り合う波板31同士を重ねるときは、少なくとも1つの波形状部31A,31B同士を重ね合わせて幅方向に連続させている。
このような第3実施形態によれば、前記(1) ,(4) ,(5) とほぼ同様の効果が得られる。
【0024】
図5には、本発明の第4実施形態が示されている。
この実施形態の瓦屋根40は、前記瓦桟木23と野地板12との間に通気部材41を構成する複数個のスペーサ部材41Aを設けて形成され、これらのスペーサ部材41A間の隙間41Bで空間部を構成したものである。
すなわち、スペーサ部材41Aは、所定の厚さ寸法の、樹脂、ゴム、木材または金属等で形成されており、瓦桟木23の下方に、それぞれ受板42に固定されて、瓦屋根40の傾斜方向に沿って例えば2個ずつ配置され、2個ずつが屋根40の横方向に所定間隔で複数列設けられている。なお、スペーサ部材41Aの配置は、前記隙間41Bがほぼ均等に形成でき、かつ瓦桟木23および瓦16を均等に支持できれば任意である。
【0025】
このような第4実施形態によれば、前記(1) とほぼ同様の効果の他、次のような効果が得られる。
(6) 所定の厚さ寸法に形成された複数のスペーサ部材41Aを、瓦桟木23と野地板12との間に適宜設けるだけで空間部を形成できるので、空間部を容易に形成できるとともに、空間部の広さの調整も容易にできる。
【0026】
なお、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できるものであれば、次のような変形形態でもよいものである。
例えば、前記第1実施形態では瓦桟木13、第2、第3実施形態では瓦桟木23を、例えば木製の角材で形成したが、瓦桟木13,23の材質は木製でなくてもよく、プラスチック等の合成樹脂製としてもよい。このようにすれば、水や湿気に強いので、排水性や通気性の向上を図れるとともに、耐水性に優れているので、長寿命化を図れる。
【0027】
また、前記第1実施形態では瓦桟木13の下部の空間部は、半円形状の貫通穴13Aに形成されているが、これに限らず、角穴、半円の長穴等、どのような形状でもよい。要は、万一浸入した雨水等を排水でき、かつ通気性に優れる物であればよい。
さらに、前記第4実施形態では、通気部材41が複数のスペーサ部材41Aで構成され、これらのスペーサ部材41Aは、所定厚さの円柱状に形成されているが、これに限らず、例えば四角柱、三角柱等、どのような形状でもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1の発明によれば、瓦桟木と野地板との間に空間部が設けられており、空間部内を空気が流通するので、通気性が向上し、また、雨水や湿気等が浸入したときでも空間部から排水できて排水性が向上する。
【0029】
請求項2に記載の発明によれば、瓦桟木に貫通穴をあけるだけで空間部を構成できるとともに、瓦桟木は木材で形成されているので、穴加工が容易であり、また、貫通穴は複数あるので、通気性および排水性を向上させることができる。
【0030】
請求項3に記載の発明によれば、通気部材に複数条の角縦溝が交互に向きを変えて形成されているので、通気と排水とが別の溝で行われるようになり、通気性および排水性のより一層の向上を図れる。
【0031】
請求項4に記載の発明によれば、通気部材を幅方向に接続する際、隣り合う通気部材の少なくとも1条の角縦溝同士を重ね合わせて行うので、角縦溝と角縦溝との隙間に雨水等が浸入することがなく、雨水等の横走りを防止できる。
【0032】
請求項5に記載の発明によれば、通気部材が複数の波形状部を有しており、波形状部は高い部位と低い部位とが交互に形成されているので、通気と排水とが別の波形状部で行われることになり、これにより、通気性および排水性のより一層の向上を図れる。また、通気部材として市販の波板を使用できるので、容易に入手できるとともに、野地板の上に取り付けて、その上に瓦桟木を取り付ければよいので、施工も容易にできる。
【0033】
請求項6に記載の発明によれば、瓦桟木と野地板との間にスペーサ部材を配置すれば、それらの隙間で空間部を形成できるので、空間部の形成が簡単な構成ででき、また、通気性および排水性の向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る瓦屋根の通気構造を示す軒先近傍の縦断面図である。
【図2】本発明に係る第1実施形態の通気構造を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る第2実施形態の通気構造を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る第3実施形態の通気構造を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る第4実施形態の通気構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
10,20,30,40 瓦屋根
12 野地板
13,23 瓦桟木
13A 空間部である貫通穴
16 瓦
21 通気部材である通気ボード
21A、21B 空間部である角縦溝
31 通気部材である波板
31A、31B 空間部である波形状部
41 通気部材
41A スペーサ部材
41B 空間部である隙間
Claims (6)
- 多数枚の屋根瓦と、屋根の傾斜方向と交差するとともに傾斜方向に所定間隔で設けられ前記屋根瓦が取り付けられる複数本の瓦桟木と、これらの瓦桟木が取り付けられる野地板とを備えた瓦屋根の通気構造であって、
前記各瓦桟木と野地板との間には、少なくとも前記各瓦桟木の幅を越えて屋根の傾斜方向に沿った空間部が設けられていることを特徴とする瓦屋根の通気構造。 - 請求項1に記載の瓦屋根の通気構造において、前記瓦桟木は木材で形成され、前記空間部は、前記瓦桟木の下部に形成された複数の貫通穴で構成されていることを特徴とする瓦屋根の通気構造。
- 請求項1に記載の瓦屋根の通気構造において、前記瓦桟木と野地板との間には、屋根の傾斜方向に沿いかつ交互に向きを変えた複数条の角縦溝を有する通気部材が設けられ、前記空間部は、前記複数条の角縦溝で構成されていることを特徴とする瓦屋根の通気構造。
- 請求項3に記載の瓦屋根の通気構造において、前記通気部材は前記瓦桟木の長手方向に沿って所定幅に形成され、それぞれの通気部材の接続は隣り合う通気部材の少なくとも1条の前記角縦溝同士を重ね合わせて行われることを特徴とする瓦屋根の通気構造。
- 請求項1に記載の瓦屋根の通気構造において、前記瓦桟木と野地板との間には、屋根の傾斜方向に沿った複数の波形状部を有する通気部材が設けられ、前記空間部は、前記複数の波形状部で構成されていることを特徴とする瓦屋根の通気構造。
- 請求項1に記載の瓦屋根の通気構造において、前記瓦桟木と野地板との間には、所定厚さの複数個のスペーサ部材で構成された通気部材が設けられ、前記空間部は、前記複数個のスペーサ部材間の隙間で構成されていることを特徴とする瓦屋根の通気構造。
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JP2002355382A JP2004190216A (ja) | 2002-12-06 | 2002-12-06 | 瓦屋根の通気構造 |
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JP2006104767A (ja) * | 2004-10-05 | 2006-04-20 | Nippon Jukankyo Kk | 通気材 |
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- 2002-12-06 JP JP2002355382A patent/JP2004190216A/ja not_active Withdrawn
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