JP2004189374A - コンベア装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】中心軸11の周りに略円筒形状の4つの回転体13〜16を同心状に取り付ける。各回転体13〜16の下面には,パレットがそれぞれ取り付けられる。各回転体13〜16の上端部には,プーリ40〜43が取り付けられる。各プーリ40〜43は,ベルトを介してそれぞれのモータに連動されている。各パレットは,異なるモータの動力によって,同一円軌道上を自在に回転できる。各パレットに保持された被移送物は,前記円軌道上に配置された複数の作業ステーションに順に搬送される。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,被移送物の回転型のコンベア装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば半導体部品,精密部品の製造工程では,加工処理,組立処理,検査処理等が行われる。これらの各種処理は,通常複数の作業工程を有し,これらの作業工程は,半導体部品などの被処理物を複数の作業ステーションに順に移送することよって行われている。このような複数の作業ステーションに渡る被処理物のライン移送は,被処理物を保持した複数のパレットを連続的に移動させるコンベア装置によって行われている。コンベア装置には,各パレットの各作業ステーション間の移動タイミングを同期させる,いわゆる同期移送方式と,各パレットの移送を独立して行う,いわゆる非同期移送方式がある。また,コンベア装置には,各作業ステーションが直線的に並べられパレットを直線状に移動する直線型と,各作業ステーションが環状に配置され,パレットを円軌道上で回転移動する回転型がある。
【0003】
いわゆる同期移送方式のコンベア装置は,総ての作業ステーション間の移送が同時に行われるので,パレットの移動タイミングを,最長の作業時間を有する作業ステーションの停留時間に合わせて行う必要がある。このため,他の作業ステーションでは,作業が終了後に待機時間が生じ,被処理物のトータルの処理時間が長くなる。一方,非同期移送方式のコンベア装置は,個々の移動タイミングを変えることができるので,作業が終了し次第次の作業ステーションに移動することもできる。つまり,非同期移送方式のコンベア装置の方が,同期移送方式のものよりも処理効率という点で優れている。また,回転型のコンベア装置は,作業ステーションが集約的に配置されており,装置の小型化が図れるので,直線型のコンベア装置に比べて,より狭いスペースにより多くの装置を設置することができる。
【0004】
このような点に鑑みて,非同期移送方式で回転型のコンベア装置が提案されている(例えば,特許文献1参照。)。ここで提案されたコンベア装置では,連続回転する駆動円板に対し,複数のパレットを機械式の機構により各々離脱自在にし,パレットが,駆動円板の回転により各作業ステーションに移動する度に,当該パレットが,パレット位置決め部材によって駆動円板から離脱され,停止されるように構成されている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭52―20707号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,上述のコンベア装置によると,駆動円板とパレットが,各作業ステーションにおいて逐次離脱されるため,パレットの停留位置にズレやばらつきが生じる恐れがある。上記コンベア装置には,確かにパレット位置決め部材が取り付けられているが,これはストッパの当接により実現されるものであり,位置決め精度には限界がある。特に,近年半導体部品等の被処理物の微細化が進むにつれて,数μm単位のより高い位置決め精度が要求されており,上記コンベア装置の位置決め精度では十分でない。
【0007】
加えて,上記コンベア装置では,パレットがパレット位置決め部材によって停止するので,高速移送,高速位置決めには不向きであり,仮に高速移送を行うと,パレットのパレット位置決め部材との衝突による破損や,パレットの停止位置精度の低下を招く恐れがある。高速移送や高速位置決めは,処理効率を向上させる上で重要な問題である。
【0008】
また,上記コンベア装置によると,所定位置のパレット位置決め部材によりパレットが停止するので,パレットの動停止を任意の場所で行うことはできない。このためパレットの動作パターンが限定され,各パレット毎の,より複雑な移動を実現できない。これは,各パレットの動作を最適化し,処理効率の向上を図る上で障害となる。
【0009】
さらに,上記コンベア装置では,パレットの離脱機構などの多くの機構が用いられているため,部品点数が増大し装置構成が複雑化している。このような装置の複雑化は,例えば装置の維持コストの増大,メンテナンス作業の煩雑化を招くものであり,好ましくない。
【0010】
本発明は,かかる点に鑑みてなされたものであり,被処理物を初めとする被移送物を移送する非同期移送方式で回転型のコンベア装置であって,パレットである保持部材の高速移送,高位置決め精度が保証され,保持部材の停止位置の自由度が拡大され,さらに装置構成が簡素化されるコンベア装置を提供することをその目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば,被移送物を複数のステーションに順に移送するコンベア装置であって,被移送物を保持可能な複数の保持部材と,前記各保持部材が各々固着され,共通の軸周りに回転可能な複数の回転体と,前記複数の回転体を,前記軸周りに個別に回転させるための駆動部と,を備え,前記複数の保持部材における被移送物の保持部は,最外周の回転体の外側であって,前記軸を中心とした同一円周上に配置されていることを特徴とするコンベア装置が提供される。
【0012】
この発明によれば,各保持部材は,当該保持部材が固着された回転体の回転によって自在に回転できる。そして,各保持部材は,被移送物を同一円周上で移送して,被移送物を各ステーションに順に移送することができる。従来のように保持部材の停止時に保持部材と回転体とを脱着させる必要がなく,保持部材をより正確かつ迅速に停止させることができる。この結果,被移送物の高速,高精度の位置決めが保証される。また,被移送物の高速移送も可能になり,例えば被移送物が被作業物の場合,作業効率の向上が図られる。上述した従来例のように保持部材と回転体との離脱機構を取り付ける必要がないので,装置の部品点数が少なくなり,装置構成の簡素化が図られる。この結果,例えば装置の維持コストの低減,メンテナンスの容易化が図られる。さらに,保持部材を任意の場所で停止させることができるので,例えば作業効率を向上させるために,保持部材のより複雑な動作が可能になる。
【0013】
前記複数の回転体は,互いに径の異なる環状の形態を有し,前記軸周りに同心状に配置されていてもよい。前記保持部材は,一端部側が回転体に固着され,他端部側が径方向側に突出するように形成されていてもよい。この場合,他端部側に被移送物を保持させて,被移送物を円軌道上に移送することができる。
【0014】
前記保持部材は,板状に形成され,当該保持部材の一端部側は,回転体に固着され,他端部側は,径方向の外方側に向けられていてもよい。前記保持部材の保持部には,被移送物を吸着するための吸引口が設けられていてもよい。この場合,吸引口からの吸引により,被移送物を確実に保持できるので,被移送物のより速く移送することができる。また,前記保持部材は,複数の被移送物を保持できるように構成されていてもよい。かかる場合,被移送物を効率よく移送し,例えば被移送物が被処理物の場合,作業効率の向上が図られる。
【0015】
前記複数の回転体の下端部は,同じ高さに揃えられており,前記保持部材は,前記回転体の下端部に固着されていてもよい。また,前記各回転体には,プーリがそれぞれ固定され,当該各プーリは,伝動部材を介して前記駆動部に連動していてもよい。かかる場合,駆動部により,各プーリが回転され,そのプーリの回転により,各回転体を独立して回転させることができる。
【0016】
前記コンベア装置は,前記回転体を上方から支持するアームを備えていてもよい。かかる場合,回転体を下から支持した場合に比べて,回転体の下方に広いスペースができるので,このスペースに例えば各ステーションの作業で用いられる構造物を設置することができる。また,前記アームは,垂直部と当該垂直部の上端から水平に向けて形成された水平部とを有し,前記回転体とプーリは,前記アームの水平部に支持され,前記駆動部は,前記アームの垂直部であって,かつ前記プーリと同じ高さの位置に取り付けられていてもよい。このように,駆動部をプーリと同じ高さに配置することによって,例えば伝動部材と保持部材との接触,伝動部材の捻れ等を防止し,回転体のより厳格な回転駆動を行うことができる。
【0017】
前記駆動部は,ダイレクトドライブモータであってもよい。この場合,ダイレクトドライブモータによって,各回転体を,プーリ等の伝達部材を介さないで直接回転させて,各保持部材の移動を行うことができる。したがって,保持部材の停止位置の精度が向上し,回転体の操作性も向上する。なお,このコンベア装置は,前記回転体と駆動部を上方から支持するアームを備えていてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は,本実施の形態にかかるコンベア装置1の構成の概略を示す斜視図である。
【0019】
コンベア装置1は,被移送物を所定の円軌道上で回転移送するためのヘッド2と,ヘッド2を支持するアーム3と,アーム3を固定する基台4により主に構成されている。
【0020】
ヘッド2は,上部に円筒状の釣支部10を有し,この釣支部10には,図2に示すように垂直の中心軸11が支持されている。中心軸11は,例えば釣支部10の下面の中央部から上方に向けて挿入されており,釣支部10は,中心軸11の上部側を保持している。中心軸11と釣支部10との固定は,例えば釣支部10の側部から挿入され,中心軸11の外周面を押圧して固定するボルト12によって行われている。
【0021】
中心軸11の下部側には,複数,例えば4つの回転体13,14,15,16が設けられている。4つの回転体13,14,15,16は,互いに径の異なる略円筒形状を有し,中心軸11の周りに同心状に設けられている。回転体13は,例えば2つの軸受17を介在して中心軸11の外側に取付けられ,回転体14は,2つの軸受18を介して回転体13の外側に取り付けられている。また,回転体15は,2つの軸受19を介在して回転体14の外側に取り付けられ,回転体16は,2つの軸受20を介在して回転体15の外側に取り付けられている。このように各回転体13〜16の間には,それぞれ軸受17〜20が介在されており,回転体13〜16は,中心軸11を中心に互いに独立した状態で回転できる。
【0022】
回転体13〜16の下端部は,同一平面に揃えられている。各回転体13〜16の下端部には,図3に示すように被移送物を載置し保持する保持部材としてのパレット30,31,32,33がそれぞれ固着されている。各パレット30〜33は,各回転体13〜16毎に同じ高さに取り付けられている。パレット30〜33は,細長の板形状に形成され,一端部側がボルト34によって各回転体13〜16に取り付けられ,他端部側が外側の径方向に向けられている。パレット30〜33の他端部側は,最外周の回転体16よりも外側に突出しており,その突出した部分の上面に被移送物を保持する保持部30a,31a,32a,33aがそれぞれ位置している。保持部30a〜33aは,中心軸11を中心とする同一円軌道R上に配置されている。このような構成により,各回転体13〜16を回転させると,各パレット30〜33が回転し,各パレット30〜33の保持部30a〜33aが同一円軌道R上を円運動する。
【0023】
図4に示すようにパレット30〜33の保持部30a〜33aには,同一円軌道Rに沿って複数,例えば2つの吸引口35が形成されている。2つの吸引口35は,所定間隔,例えば円軌道Rの中心角が1.8°程度になるような間隔(以下「1ピッチ」とする。)を空けて形成されている。各吸引口35は,図5に示すようにパレット30〜33内を通る各吸引通路36を通じて,コンベア装置1の外部に設置された吸引装置(図示しない)に連通している。したがって,各パレット30〜33は,吸引口35からの吸引によって,各保持部30a〜33a上に2つの被移送物を1ピッチ間隔で吸着保持できる。
【0024】
各パレット30〜33が取り付けられている回転体13〜16は,図2に示すように内側に近いもの程軸方向に長くなるように形成されている。つまり,回転体13〜16の上端部は,内側程高い階段状に形成されている。各回転体13〜16の上端部には,中心軸11を回転中心とするプーリ40,41,42,43がそれぞれ取り付けられている。各プーリ40〜43は,例えばボルト44によって各回転体13〜16に固定されており,各プーリ40〜43とそれに対応する回転体13〜16は,一体となって回転する。各プーリ40〜43は,例えば総て同じ回転半径を有し,上下方向に並列されている。
【0025】
各プーリ40〜43は,図1に示すように伝達部材としての各ベルト50,51,52,53によって駆動プーリ54,55,56,57にそれぞれ連結されている。各駆動プーリ54〜57は,後述する駆動部としてのモータ58〜61により各々所定の速度で回転できる。したがって,各モータ58〜61を動力源として,各駆動プーリ54〜57及びベルト50〜53を通じて各プーリ40〜43が回転され,各回転体13〜16が個別に回転される。こうして,各パレット30〜33上の被移送物が同一円軌道R上で各々移送される。各モータ58〜61の駆動は,例えばコントローラ62(図6に示す)によって制御されており,コントローラ62は,例えば予め設定された移送プログラムに従って各モータ58〜61を動停止する。
【0026】
アーム3は,例えば図1及び図6に示すように垂直部70と水平部71からなるL字型形状を有している。垂直部70の下端部は,基台4に固定され,垂直部70の上端部には,水平部71が接合されている。この接合部の反対側の水平部71の先端部には,ヘッド2の釣支部10が取り付けられている。垂直部70の側壁には,上述の駆動プーリ54〜57を備えたモータ58〜61が取り付けられている。モータ58〜61は,例えば垂直部70の両壁に2つずつ取り付けられ,それぞれの一組のモータ58,60及び59,61は,各駆動プーリ54,56及び55,57がそれそれ対向するように取り付けられている。また,ベルト50〜53がパレット30〜33と干渉したり,捻れたりしないように,各モータ58〜61は,各プーリ40〜43と同程度の高さになるようにアーム3に取り付けられている。
【0027】
基台4上には,図7に示すように平面から見てヘッド2の外周に,複数の作業ステーション,例えば4つの作業ステーションA,B,C,Dを環状に配置できる。作業ステーションA,B,C,Dは,例えば4方向に等間隔で配置される。各作業ステーションA〜Dには,それぞれ所定の作業位置A1,B1,C1,D1が設定されており,これらの作業位置A1〜D1は,パレット30〜33の円軌道R上,つまり被移送物の移送ライン上に90°間隔で配置されている。
【0028】
例えば,コンベア装置1が,被移送物としての半導体素子(以下「チップ」とする。)の検査装置として用いられた場合,作業ステーションAは,チップをパレット30〜33上に搬入する搬入作業ステーションとして用いられる。この搬入作業は,例えば未検査のチップが1〜2万個程度収容された粘着シートから,搬入機構により,所定のチップを取り出し,作業位置A1で停留しているパレット30〜33上にそのチップを載置することによって行われる。なお,搬入機構は,搬入するチップの位置を検出するカメラ,チップを保持して移送する移送部材,粘着シートの位置を移動させるX−Yステージなどで構成されていてもよい。
【0029】
作業ステーションBは,例えば作業位置B1において測定子をチップに接触させ,チップの諸特性を検査する検査作業ステーションとして用いられる。さらに作業ステーションCは,検査済みのチップをパレット30〜33から搬出する搬出作業ステーションとして用いられる。この搬出作業は,例えば作業位置C1に移送されたチップを,搬出機構により,チップの品質に応じて分けられたコンテナに分別収容することによって行われる。作業ステーションCには,例えばチップを品質別に分けて収容するための複数のコンテナや,チップをパレット30〜33からコンテナまで搬送するアンローダ,コンテナの位置を移動させるX―Yステージなどが備えられている。作業ステーションDは,例えばチップの作業が行われず,作業ステーションAに送られるパレット30〜33の待機部として用いられる。
【0030】
このようにコンベア装置1を検査装置として用いた場合を例にとって,以下,コンベア装置1の作用について説明する。
【0031】
コンベア装置1の起動時には,図7に示したように,パレット30〜33は,90度間隔で,各作業ステーションA〜D上にそれぞれ配置される。チップの検査処理が開始されると,先ず,作業ステーションAの作業位置A1において,パレット30に2つのチップT1,T2が1ピッチ間隔で載置される。これは,図8に示すように作業位置A1において,一つ目のチップT1がパレット30に載置された後に,回転体13によりパレット30が1ピッチ分回転し,その後2つ目のチップT2が載置されることによって行われる。載置された各チップT1,T2は,吸引口35からの吸引によりパレット30に吸着保持される。
【0032】
作業ステーションAにおいて,パレット30上にチップT1,T2が保持されると,回転体13が時計周りにおよそ90°回転し,図9に示すようにパレット30が作業ステーションBの作業位置B1に移動する。このとき,作業ステーションDのパレット33は,作業ステーションAに,作業ステーションCのパレット32は,作業ステーションDに,作業ステーションBのパレット31は,作業ステーションCにそれぞれ移動する。作業ステーションBにおいては,作業位置B1の測定子により,最初チップT1の検査が行われ,その後パレット30が1ピッチ分移動してチップT2の検査が行われる。また,作業ステーションAにおいては,パレット30の場合と同様にパレット33上に2つのチップが載置される。
【0033】
チップT1,T2の作業ステーションBの検査が終了すると,回転体13がおよそ90°時計回りに回転し,パレット30が作業ステーションCに移動する。作業ステーションCにおいては,作業位置C1においてチップT1が搬出され,その後回転体13が1ピッチ分移動してチップT2が搬出される。搬出されたチップT1,T2は,検査結果に応じて所定のコンテナに収容される。
【0034】
チップT1,T2が搬出され,空になったパレット30は,作業ステーションDの作業位置D1に移動し,作業ステーションAの作業位置A1が空くまで待機する。パレット30の前方に位置するパレット31が作業位置A1から移動し,作業位置A1が空になると,パレット30は,作業ステーションAの作業位置A1に移動し,パレット30上に新たなチップが載置される。新たなチップが載置されると,パレット30は,再度作業ステーションAからDに順に移動し,各作業ステーションにおいて所定の作業が行われる。このようにパレット30は,多数のチップを作業ステーションAからDに順に繰り返し移送する。
【0035】
他のパレット31〜33もパレット30と同様に,パレット31は,回転体14により,パレット32は,回転体15により,パレット33は,回転体16により,前方のパレットに追従するように作業ステーションA〜Dを順に移動する。こうして,作業ステーションAの未検査のチップは,4つのパレット30〜33によりコンベア移送される。
【0036】
各パレット30〜33は,前方のパレットに追従するため,次の作業ステーションに前方のパレットが停留している場合には,待機せざるを得ないが,各パレット30〜33の動作は,パレット30〜33間の衝突を防止しつつも,可能な限り待ち時間がないように制御される。例えば作業ステーションAで搬入作業が終了したパレット33は,前方のパレット30が作業ステーションBに停留しているか否かを確認し,停留していない場合には,作業ステーションBまで止まらずに移動する。パレット30が停留している場合には,パレット33は,図10に示すように作業ステーションA,B間,例えば作業ステーションBの28°程度手前まで移動し,停留する。このとき,パレット33の後ろのパレット32は,作業ステーションAに移動し,搬入作業が行われる。そしてパレット30が作業ステーションBから移動すると,パレット33が作業ステーションBに移動する。このように,前方のパレットが次の作業ステーションに停留している場合には,後方のパレットが現在の作業ステーションと次の作業ステーションとの間の所定位置まで移動して待機し,前方のパレットが次の作業ステーションから移動した後に,直ちに後方のパレットが次の作業ステーションに移動する。こうすることによって,前方のパレットの作業が終了次第,直ちに次のパレットが作業ステーションに移動するので,各パレットの待ち時間を最小限に抑えることができる。
【0037】
なお,各パレット30〜33は,次に進む作業ステーションに前方のパレットが停留している場合に,現在の作業ステーションで待機し,次の作業ステーションが空き次第,次の作業ステーションに移動するようにしてもよい。
【0038】
以上の実施の形態によれば,各パレット30〜33の取り付けられた各回転体13〜16が,モータ58〜61によって個別に移動できるので,被移送物であるチップを,非同期移送方式で移送できる。コンベア装置1のパレット30〜33が各回転体13〜16に固着された状態で移動するので,従来に比べてパレット30〜33の停留位置のばらつきがなくなり,パレットの位置決め精度の向上が図られる。また,パレット30〜33が回転体13〜16に固着されているので,パレットをより高速に移動させることもでき,作業効率も向上できる。各パレット13〜16を任意の場所で動停止させることができるので,例えばパレット30〜33上に複数のチップを所定間隔で順に載置することもできるし,隣り合う作業ステーションの間でパレット30〜33を待機させることもできる。この非同期移送方式の回転型のコンベア装置1は,比較的単純な機構で構成されており,部品点数も少ないので,装置の維持コストの低減,メンテナンス作業の容易化等が図られる。
【0039】
以上の実施の形態によれば,パレット30〜33の保持部30a〜33aに,吸引口35を設けたので,チップを確実に保持できる。したがって,移送中にチップが落下することもなく,チップを高速で移送することもできる。
【0040】
以上の実施の形態では,回転体30〜33の駆動源が,プーリ40〜43及びベルト50〜53等の伝達部材を介して間接的に駆動するモータ58〜61であったが,駆動源として,回転体を直接駆動する,中空軸型モータであるダイレクトドライブモータを用いてもよい。図11は,かかる一例を示すものであり,ヘッド70の釣支部71には,複数のダイレクトドライブモータを収容する円柱状の筐体72が支持されている。筐体72内には,中央部が開口した,複数段,例えば4段のモータ設置板73が設けられている。各モータ設置部73には,ダイレクトドライブモータ74,75,76,77が下から順にそれぞれ設置されている。ダイレクトドライブモータ74〜77は,同一軸(中心軸78)上に設けられている。各ダイレクトドライブモータ74〜77は,モータ設置板73に固定された環状のステータ74a〜77aと,ステータ74a〜77aの内周で回転する環状のロータ74b〜77bをそれぞれ有している。
【0041】
各ロータ74b〜77bの内側には,回転体80〜83がボルト84によってそれぞれ締結されている。したがって,回転体80〜83は,各ダイレクトドライブモータ74〜77によって回転される。各回転体80〜83は,略円筒形状を有し,中心軸78の周りに同心状に配置されている。最下位置のダイレクトドライブモータ74に連動する回転体80の径が最も大きく形成され,ダイレクトドライブモータ74〜77が上に行くにつれて,それに連動する回転体80〜83の内径は小さくなっている。回転体80〜83の下端部は,筐体72の下面から突出しており,その突出部にパレット85〜88がそれぞれ固着されている。
【0042】
かかる構成から各ダイレクトドライブモータ74〜77によって,各パレット85〜88が個別に回転される。したがって,パレット85〜88を互いに独立した状態で円運動させて,上述したような非同期移送方式のチップの移送が実現される。特に,ダイレクトドライブモータ74〜77を用いた場合,ダイレクトドライブモータ74〜77の動力が,プーリ,ベルト等を介することなく,直接パレット85〜88に伝達されるので,パレット85〜88の位置決め精度が向上し,より細かい作業を正確に行うことができる。
【0043】
以上,本発明の実施の形態の一例について説明したが,本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。パレット及び回転体の数は,4つに限られず,任意に選択できる。パレットに載置する被移送物の数も任意に選択できる。本実施の形態では,コンベア装置1をチップの検査処理時の移送に用いたが,本発明は,チップの加工,組立時等の他の処理時の移送にも適用できる。また,被移送物は,チップに限られず,精密部品,機械部品等の他の被移送物の移送にも本発明を適用できる。コンベア装置1の大きさも限定されず,比較的大型の部品を移送する場合にも,本発明を適用できる。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば,非同期移送方式で回転型のコンベア装置において,停留位置の高速,高精度の位置決めが実現される。停留位置の自由度が広がるので,被移送物の間欠移送により作業効率を向上できる。装置構成が簡素化され,装置の維持管理コストの削減が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態におけるコンベア装置の斜視図である。
【図2】コンベア装置のヘッドの縦断面の説明図である。
【図3】ヘッドの下面図である。
【図4】パレットの先端部の平面図である。
【図5】パレットの先端部の縦断面図である。
【図6】コンベア装置の側面図である。
【図7】作業ステーションの配置を示すコンベア装置のヘッド周りの平面図である。
【図8】チップを載置する際のパレットの動作を説明するためのパレットの平面図である。
【図9】パレットの動作を説明するためのヘッド周りの平面図である。
【図10】作業ステーション間に停留するパレットの動作を説明するためのヘッド周りの平面図である。
【図11】ダイレクトドライブモータを用いた場合のヘッドの構成を示す縦断面の説明図である。
【符号の説明】
1 コンベア装置
2 ヘッド
11 中心軸
13〜16 回転体
30〜33 パレット
40〜43 プーリ
58〜61 モータ
A〜D 作業ステーション
T1,T2 チップ
Claims (11)
- 被移送物を複数のステーションに順に移送するコンベア装置であって,
被移送物を保持可能な複数の保持部材と,
前記各保持部材が各々固着され,共通の軸周りに回転可能な複数の回転体と,
前記複数の回転体を,前記軸周りに個別に回転させるための駆動部と,を備え,
前記複数の保持部材における被移送物の保持部は,最外周の回転体の外側であって,前記軸を中心とした同一円周上に配置されていることを特徴とする,コンベア装置。 - 前記複数の回転体は,互いに径の異なる環状の形態を有し,前記軸周りに同心状に配置されていることを特徴とする,請求項1に記載のコンベア装置。
- 前記保持部材は,板状に形成され,
当該保持部材の一端部側は,回転体に固着され,他端部側は,径方向の外方側に向けられていること特徴とする,請求項2に記載のコンベア装置。 - 前記保持部材の保持部には,被移送物を吸着するための吸引口が設けられていることを特徴とする,請求項1,2又は3のいずれかに記載のコンベア装置。
- 前記保持部材は,複数の被移送物を保持できることを特徴とする,請求項1,2,3又は4のいずれかに記載のコンベア装置。
- 前記複数の回転体の下端部は,同じ高さに揃えられており,
前記保持部材は,前記回転体の下端部に固着されていることを特徴とする,請求項1,2,3,4又は5のいずれかに記載のコンベア装置。 - 前記各回転体には,プーリがそれぞれ固定され,
当該各プーリは,伝動部材を介して前記駆動部に連動していることを特徴とする,請求項1,2,3,4,5又は6のいずれかに記載のコンベア装置。 - 前記回転体を上方から支持するアームを備えたことを特徴とする,請求項7に記載のコンベア装置。
- 前記アームは,垂直部と当該垂直部の上端から水平に向けて形成された水平部とを有し,
前記回転体とプーリは,前記アームの水平部に支持され,
前記駆動部は,前記アームの垂直部であって,かつ前記プーリと同じ高さの位置に取り付けられていることを特徴とする,請求項8に記載のコンベア装置。 - 前記駆動部は,ダイレクトドライブモータであることを特徴とする,請求項1,2,3,4又は5のいずれかに記載のコンベア装置。
- 前記回転体と駆動部を上方から支持するアームを備えたことを特徴とする,請求項10に記載のコンベア装置。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100976193B1 (ko) | 2008-01-29 | 2010-08-17 | 주식회사 뉴파워 프라즈마 | 기판 이송 장치 |
US7816617B2 (en) | 2007-05-21 | 2010-10-19 | Lockheed Martin Corporation | Configurable intelligent conveyor system and method |
KR101168745B1 (ko) | 2011-01-31 | 2012-07-26 | 주식회사 쎄믹스 | 다중 칩 이송장치 및 그 제어방법 |
CN113526136A (zh) * | 2021-07-30 | 2021-10-22 | 深圳市诺泰芯装备有限公司 | 一种光电显示基板上料设备及方法 |
-
2002
- 2002-12-09 JP JP2002357186A patent/JP2004189374A/ja active Pending
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