JP2004189349A - 積載輸送物群指示装置と指示方法とそのためのプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】輸送計画では予定されていない不測の事態が発生した場合に、出荷期限を遵守し、しかも良好な積載効率を実現する輸送計画に修正する。
【解決手段】積載輸送物群指示装置10は、出発可能時刻算出/代替探索処理部52で、運行状況情報入力部42から入力された情報と、地図情報記憶部24、走行時間情報記憶部26及び積込み作業時間情報記憶部28から取得した情報から、各輸送用移動体が輸送元を出発可能な時刻を算出する。指示対象・考慮対象選定処理部54で、最先に出発可能な指示対象輸送用移動体とその次に出発可能な考慮対象輸送用移動体を選定する。輸送物群再割付処理部56で、指示対象輸送用移動体と考慮対象輸送用移動体に積載すべき輸送物群を割付し直す。積載輸送物群指示部62で、修正された輸送計画に基づいて指示対象輸送用移動体に積載する輸送物の指示情報を出力する。
【選択図】 図2
【解決手段】積載輸送物群指示装置10は、出発可能時刻算出/代替探索処理部52で、運行状況情報入力部42から入力された情報と、地図情報記憶部24、走行時間情報記憶部26及び積込み作業時間情報記憶部28から取得した情報から、各輸送用移動体が輸送元を出発可能な時刻を算出する。指示対象・考慮対象選定処理部54で、最先に出発可能な指示対象輸送用移動体とその次に出発可能な考慮対象輸送用移動体を選定する。輸送物群再割付処理部56で、指示対象輸送用移動体と考慮対象輸送用移動体に積載すべき輸送物群を割付し直す。積載輸送物群指示部62で、修正された輸送計画に基づいて指示対象輸送用移動体に積載する輸送物の指示情報を出力する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輸送元(例えば、製品を生産する工場や製品が集積する中継拠点)を出発する輸送用移動体(例えばトラック)に積載する輸送物(製品等)群を指示する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】輸送元で製品が次々に生産される場合、あるいは輸送元に製品が次々に集荷される場合、輸送元から製品を逐次輸送しなければならない。製品が複数種類存在し、輸送先が複数箇所に存在する場合には、必要な輸送先に必要な種類の製品を輸送しなければならない。製品が、例えば自動車やプレハブ住宅や自動販売機等のように大型であり、種類によって大きさや形状が異なる場合には、1台の輸送用移動体に積載する種類の組合せを上手に選択すると積載効率が向上する一方、下手に選択すると積載効率が低下する。
輸送元を輸送用移動体が逐次に出発して輸送物群を輸送する場合、どの輸送用移動体が何時に出発するのか、その輸送用移動体にはいずれの輸送物群を積載するのかを示す輸送計画が必要とされる。輸送先が複数箇所に存在する場合には、どの輸送用移動体でどこに輸送するかを示す情報も必要とされる。
【0003】
この輸送計画は、輸送元で貯留する輸送物群が過大とならないこと、各輸送用移動体に積載する輸送物群の混載パターンの積載効率が高いこと、輸送用移動体が効率よく無駄なく利用されること、といった条件を満たすように立案されなければならない。
上記輸送計画を立案するために、輸送元から輸送される製品毎に出荷期限を設定する手法が採用されることがある。この場合、出荷期限前に当該製品が輸送元から輸送される輸送計画を立案することで、輸送元で貯留する輸送物群が過大とならない輸送計画を立案できる。
また、輸送用移動体の種類毎に当該輸送用移動体に効率よく積載できる輸送物の種類の組合せを記憶したデータベースを利用することがある。このデータベースを利用することによって、積載効率が高い混載パターンを指示する輸送計画が立案される。
【0004】
輸送計画では、輸送物を積載して輸送元から出発する輸送用移動体の出発時刻が、その輸送物の出荷期限前となるように計画されている。例えば、出荷順1の製品(種類α)の出荷期限は9:30、出荷順2の製品(種類α)の出荷期限は9:40、出荷順3の製品(種類β)の出荷期限は9:50、出荷順4の製品(種類β)の出荷期限は10:00、出荷順5の製品(種類β)の出荷期限は10:10・・・と予定されており、輸送用移動体(例えばキャリアカー)の最初の出発予定時刻が9:25であり、次の出発予定時刻が10:15である場合、次の出発予定時刻(10:15)のキャリアカーでは、出荷順1〜5の製品の出荷期限が守れない。したがって、出荷順1〜5の製品を一度に積載でき、かつ、出荷順1〜5の製品を積載することによって高い積載効率が得られる(他の製品を積載できる能力がないキャリアカーであれば高い積載効率が得られることになる)キャリアカーを用いて、出荷順1〜5の製品を一度に積載して9:25に輸送元を出発する輸送計画が立案されている。
輸送計画には、積載する輸送物群の組合せ、出発予定時刻、輸送用移動体のIDが対応づけて記憶されている。輸送先が複数個存在する場合には、各輸送物に対して輸送先が対応付けて指示されている。輸送先がいくつかの方面に分類される場合には、輸送計画に、出発する輸送用移動体の輸送方面を併せて記憶させておくこともある。
上記のような輸送計画を立案するための技術が特許文献1から3に記載されている。例えば特許文献1には、キャリアカーに積載するのに最適な自動車の積合せパターンを決定する技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−265861号公報
【特許文献2】
特開2002−32108号公報
【特許文献3】
特開2000−172744号公報
【0006】
実際の輸送作業では、出発予定時刻の直前に、当該予定時刻で出発する予定の輸送用移動体に、積載する輸送物群の組合せを指示する。輸送物群の組合せを指示された輸送用移動体は、指示された輸送物群を積載して出発予定時刻に輸送元を出発する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような輸送計画に従うと、出荷期限を越えて輸送元に留まる輸送物はなく、輸送元に過大な輸送物が滞留することがない。また各輸送用移動体は輸送物群を効率的に積載して輸送することになり、少ない輸送用移動体を利用して効率的に輸送作業を完了することができる。
しかしながら、実際の輸送作業では、道路の渋滞等によって予定された時刻までに輸送用移動体が輸送元に到着できなくなってしまうことがある。あるいは、輸送用移動体が不測の事態によって運行できなくなることもある。
このような場合、輸送計画を遵守できなくなり、製品の出荷期限を守れなくなることがある。出荷期限を守るために急遽計画を変更すると、輸送用移動体と輸送物群の組合せが乱れ、計画した混載パターンが崩れてしまう。この結果、上手に混載すればもっと多くの輸送物を輸送できる輸送用移動体に少ない輸送物を積載して非効率的に輸送したり、あるいはその結果として輸送用移動体が不足して輸送できない輸送物が残ってしまうことがある。
【0008】
本発明では、輸送計画では予定されていない不測の事態が発生した場合に、不測の事態が発生したなかでも実行可能であり、出荷期限を遵守し、しかも良好な積載効率を実現する輸送計画に修正する技術を提供する。具体的には、積載する輸送物群の組合せを修正して指示する技術に関する。
【0009】
輸送用移動体の位置に関する情報を利用することによって、輸送用移動体の運行状況を把握することが可能となっており、特許文献4〜5にその技術が記載されている。輸送用移動体の運行状況を把握することができると、輸送計画を遵守できるのか、あるいは、遵守不可能となったのかを事前に把握することが可能となる。
本発明では、輸送用移動体の位置に関する情報や、輸送先に到着した情報や、輸送先を出発した情報等を利用することによって、輸送用移動体の運行状況を把握し、把握された運行状況から輸送計画を遵守できるかできないかを事前に把握し、遵守できない場合には、実行可能な範囲内で、出荷期限を遵守し、しかも積載効率を極力向上させられる輸送計画に修正する技術を提供する。
【0010】
【特許文献4】
特開2002−32445号公報
【特許文献5】
特開2002−60016号公報
【0011】
【課題を解決するための手段と作用】本願発明によって、輸送元を出発する輸送用移動体に積載する輸送物群を指示する装置が得られる。
この装置は、輸送物群/出発予定時刻/輸送用移動体を対応付けた輸送計画を記憶している手段と、輸送用移動体種類/輸送物群の積合せパターンを対応付けた輸送用移動体情報を記憶している手段と、輸送用移動体の運行状況情報から、輸送用移動体が輸送元を出発可能となる時刻を算出する手段と、積載する輸送物群を指示する処理を実施する時刻において、輸送計画上で最先の出発予定時刻を持つ第1輸送用移動体と次位の出発予定時刻を持つ第2輸送用移動体について算出された出発可能時刻を参照し、第1輸送用移動体と第2輸送用移動体のなかに出発予定時刻に出発できない計画遂行不能輸送用移動体があるときに、算出された出発可能時刻より前に出発可能な代替輸送用移動体を探索する手段と、計画遂行不能輸送用移動体の出発可能時刻と、代替輸送用移動体の出発可能時刻と、輸送計画通りに出発可能な輸送用移動体の出発予定時刻のうちで最先出発時刻を持つ輸送用移動体を指示対象輸送用移動体とし、次位の出発時刻を持つ輸送用移動体を考慮対象輸送用移動体とする選定手段と、輸送待ち輸送物群のなかから、前記指示対象輸送用移動体と考慮対象輸送用移動体に最大に積載できる輸送物群の積合せパターンに従って、指示対象輸送用移動体に積載する輸送物群を割付けて指示する手段とを備える。
【0012】
生産工場では複数種類の製品を生産することが多く、また、中継拠点には複数種類の製品が集まってくることが多い。このため、輸送元(生産工場や中継点)から輸送すべき輸送物が複数種類であることが多い。また、輸送物を輸送する輸送用移動体(キャリアカー等)にも複数種類があることが多い。
輸送計画では、どの輸送物が、どの輸送用移動体によって、何時に輸送されるのかということを決定している。即ち、輸送計画では、輸送物群/出発予定時刻/輸送用移動体を対応付けて決定している。
本願発明の装置は、輸送用移動体の運行状況情報から、輸送用移動体が輸送元を出発可能となる時刻を算出する手段を備えている。輸送用移動体の運行状況を示す情報は、例えば、各輸送先から送信される各輸送用移動体の出発情報、及び/又は、各輸送用移動体から送信される位置情報である。これらの情報から、輸送用移動体が輸送先を予定通り出発したのか、遅れて出発したのか、予定された位置まで運行しているのか、予定された位置まで運行していないのか等を把握することが可能となり、輸送用移動体が輸送元を出発可能となる時刻を算出することができる。
さて、輸送用移動体に積載する輸送物の組合せを指示する処理の実行タイミングになったものとする。この場合、輸送用移動体が輸送元を出発可能となる時刻が出発予定時刻前であり、輸送計画が遵守できれば、計画された輸送物群の組合せを指示する。輸送用移動体が輸送元を出発可能となる時刻が出発予定時刻後であり、輸送計画が遵守できなければ、計画を修正しなければならない。
このために、積載する輸送物群を指示する処理を実施する時刻において、輸送計画上で最先の出発予定時刻を持つ第1輸送用移動体と次位の出発予定時刻を持つ第2輸送用移動体について算出された出発可能時刻を参照し、第1輸送用移動体と第2輸送用移動体のなかに出発予定時刻に出発できない計画遂行不能輸送用移動体があるか否かを判別し、計画遂行不能輸送用移動体がある場合には、計画遂行不能輸送用移動体について算出された出発可能時刻より前に出発可能な代替輸送用移動体を探索する。
代替輸送用移動体を探索できたら、計画遂行不能輸送用移動体の出発可能時刻と、代替輸送用移動体の出発可能時刻と、輸送計画通りに出発可能な輸送用移動体の出発予定時刻のうちで最先出発時刻を持つ輸送用移動体を指示対象輸送用移動体とし、次位の出発時刻を持つ輸送用移動体を考慮対象輸送用移動体とする。そして、指示対象輸送用移動体の出発時刻を、第1輸送用移動体の出発予定時刻に代わる新たな出発予定時刻に変更する。なお、ここでいう指示対象輸送用移動体とは、積載する輸送物群の組合せを指示する対象となる輸送用移動体のことをいう。また、考慮対象輸送用移動体は、指示対象輸送用移動体とともに輸送物群の再割付けを再計算する対象となる輸送用移動体のことをいう。
指示対象輸送用移動体と考慮対象輸送用移動体が選定されたら、輸送待ち輸送物群のなかから、指示対象輸送用移動体と考慮対象輸送用移動体に最大に積載できる輸送物群の積合せパターンに従って、指示対象輸送用移動体に積載する輸送物群を割付けて指示する。この場合には、輸送用移動体種類/輸送物群の積合せパターンを対応付けた輸送用移動体情報が活用される。このように割付けを変更することで、輸送物の積載効率を可能な範囲で高く維持することが可能となる。以上のように、本発明で創作した積載輸送物群指示装置によれば、不測の事態によって輸送計画を遵守できない場合に、出荷期限に遅れず、しかも、積載効率を極力低下させないように輸送計画が修正され、修正された輸送計画に従って輸送物群の積載指示を行うことができる。
【0013】
計画遂行不能輸送用移動体が把握された場合に、他の輸送用移動体の全部が稼動中であるために、代替輸送用移動体を探索できない場合もある。この場合は、計画遂行不能輸送用移動体の出発可能時刻と、輸送計画通りに出発可能な輸送用移動体の出発予定時刻とを比較し、早い出発時刻を持つ輸送用移動体を指示対象輸送用移動体とし、遅い出発時刻を持つ輸送用移動体を考慮対象輸送用移動体とする。
この場合、輸送計画での出発順と実際の出発順が逆転することがあり、逆転する場合には逆転した順で最大な積載効率が得られる輸送物の組合せが再計算されるために、実行可能ななかで高い積載効率が得られる輸送計画に修正される。
【0014】
輸送用移動体の運行状況情報は、例えば、各輸送先から送信される各輸送用移動体の出発情報、及び/又は、各輸送用移動体から送信される位置情報で得られる。
各輸送先から送信される各輸送用移動体の出発情報から、どの輸送用移動体が何時どこに到着して何時どこを出発したかがわかり、各輸送用移動体から送信される位置情報によって、輸送計画が遵守されているのかあるいは遅れているのかがわかる。これらの運行状況を示す情報から、輸送用移動体が輸送元に戻ってくる時刻が計算でき、さらには再度出発可能となる時刻が計算でき、輸送計画で予定されている出発予定時刻に輸送元から出発できるのかできないのかを判別することができる。輸送計画を修正する必要があるか否かが明らかになる。
【0015】
前記のように、輸送用移動体に割付ける輸送物を変更するためには、輸送待ち輸送物群のなかから、指示対象輸送用移動体と考慮対象輸送用移動体に最大に積載できる数量分だけ抽出することが必要である。この場合、輸送物の出荷期限の順に、輸送計画から未輸送の輸送物を抽出することが好ましい。このためには、輸送計画に輸送物の出荷期限が対応付けて記憶されていることが好ましい。
出荷期限が早い順に輸送物を抽出すれば、出荷期限をできる限り遵守するという目的に向けて輸送計画が修正されることとなる。
【0016】
輸送計画から抽出した未輸送の輸送物の中には、指示対象輸送用移動体の出発時刻で出荷するなら出荷期限を遵守できても、考慮対象輸送用移動体の出発時刻で出荷すると出荷期限が遵守できなくなってしまうものがあり得る。このような事情があることから、指示対象輸送用移動体に積載する輸送物群を割付けて指示する手段は、輸送物の出荷期限を遵守するという条件下で、輸送物群を割付けることが好ましい。
【0017】
輸送物を出荷する輸送元が全国に出荷する場合、例えば、九州方面にも東北方面にも北海道方面にも出荷する場合、輸送計画には、輸送方面/輸送用移動体の関係が定められており、輸送方面を同じくする輸送用移動体のなかで上記した一連の処理(輸送計画の修正処理)をすることが好ましい。
全輸送用移動体を対象にして輸送計画の修正処理をする場合に比して、輸送方面を同じくする輸送用移動体のなかで輸送計画の修正処理をする方が、処理量が少なくて短時間で実行できる。また、全輸送用移動体を対象にしなくても、ほぼ満足の行く修正結果が得られることが多い。
【0018】
また、本発明によって、輸送元を出発する輸送用移動体に積載する輸送物群を指示する方法が得られる。
この方法はコンピュータによって実行される。即ち、コンピュータによって、輸送物群/出発予定時刻/輸送用移動体を対応付けた輸送計画を読み取る工程と、コンピュータによって、輸送用移動体の運行状況情報から、各輸送用移動体が前記輸送元を出発可能となる時刻を算出する工程と、コンピュータによって、積載する輸送物群を指示する処理を実施する時刻において、輸送計画上で最先の出発予定時刻を持つ第1輸送用移動体と次位の出発予定時刻を持つ第2輸送用移動体の出発可能時刻を参照し、第1輸送用移動体と第2輸送用移動体のなかに出発予定時刻に出発できない計画遂行不能輸送用移動体があるときに、算出された出発可能時刻よりも前に出発可能な代替輸送用移動体を探索する工程と、コンピュータによって、計画遂行不能輸送用移動体の出発可能時刻と、代替輸送用移動体の出発可能時刻と、輸送計画通りに出発可能な輸送用移動体の出発予定時刻のなかから、最先の出発時刻を持つ輸送用移動体を指示対象輸送用移動体とし、次位の出発時刻を持つ輸送用移動体を考慮対象輸送用移動体に選定する工程と、コンピュータによって、輸送待ち輸送物群のなかから、前記指示対象輸送用移動体と考慮対象輸送用移動体に最大に積載できる輸送物群の積合せパターンに従って、指示対象輸送用移動体に積載する輸送物群を割付けて指示する工程とを実行する。
【0019】
また、本発明によって、輸送元を出発する輸送用移動体に積載する輸送物群を指示するためのプログラムも得られる。
このプログラムは、コンピュータに下記の工程、即ち、輸送物群/出発予定時刻/輸送用移動体を対応付けた輸送計画を読み取る工程と、輸送用移動体の運行状況情報から、各輸送用移動体が前記輸送元を出発可能となる時刻を算出する工程と、積載する輸送物群を指示する処理を実施する時刻において、輸送計画上で最先の出発予定時刻を持つ第1輸送用移動体と次位の出発予定時刻を持つ第2輸送用移動体の出発可能時刻を参照し、第1輸送用移動体と第2輸送用移動体のなかに出発予定時刻に出発できない計画遂行不能輸送用移動体があるときに、算出された出発可能時刻よりも前に出発可能な代替輸送用移動体を探索する工程と、計画遂行不能輸送用移動体の出発可能時刻と、代替輸送用移動体の出発可能時刻と、輸送計画通りに出発可能な輸送用移動体の出発予定時刻のなかから、最先出発時刻を持つ輸送用移動体を指示対象輸送用移動体とし、次位の出発時刻を持つ輸送用移動体を考慮対象輸送用移動体に選定する工程と、輸送待ち輸送物群のなかから、前記指示対象輸送用移動体と考慮対象輸送用移動体に最大に積載できる輸送物群の積合せパターンに従って、指示対象輸送用移動体に積載する輸送物群を割付けて指示する工程とを実行させる。
【0020】
本発明で創作した積載輸送物群指示方法とそのためのプログラムによれば、不測の事態により輸送計画を遂行できない輸送用移動体が発生した場合にも、輸送物の出荷期限を可能な範囲で遵守し、かつ、輸送用移動体の積載効率を高く維持する輸送計画へ修正することができる。修正された輸送計画は実行可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】まず、本発明が好適に適用される実施の形態について説明をする。
(形態1)輸送元に設けられた積載輸送物群指示装置は、当該輸送元/輸送先/輸送方面/輸送物群/出荷期限/出発予定時刻/輸送用移動体を対応付けた輸送計画を記憶しており、その輸送計画を遵守できる場合には、当該輸送計画に従って輸送元を出発する輸送用移動体に積載する輸送物群を指示する。
(形態2)積載輸送物群指示装置は、輸送計画では次に出発予定の輸送用移動体とその次に出発予定の輸送用移動体の少なくともいずれか一つが、不測の事態により輸送計画通りに出発できなくなったことを把握した場合に、替わりの輸送用移動体を探索して輸送計画を修正し、修正された輸送計画に従って輸送用移動体に積載する輸送物群を指示する。
(形態3)輸送計画の修正は、輸送用移動体の出発予定時刻の変更、及び、輸送物群の再割付けによって行われる。
【0022】
【実施例】
図1を参照して、本実施例が適用される輸送エリアの詳細と、コンピュータネットワークの構成について説明をする。輸送元ア(自動車生産工場、又は輸送中継点等)には、輸送物である自動車の出発ドックが設けられている。出発ドックは、輸送方面(甲方面と乙方面)別に設けられている。出発ドック甲には、輸送元アを出発して甲方面に輸送するキャリアカー(輸送用移動体)が、自動車の積込み作業に必要な時間等を考慮して、出発予定時刻から所定時間だけ先立つ時刻に入ってくる。輸送元アには、積載輸送物群指示装置が設置されており、出発するキャリアカーに積み込むべき自動車についての指示を出す。積載輸送物群指示装置の指示通りに自動車を積み込んだキャリアカーは、出発予定時刻に甲方面に出発する。出発ドック乙には、輸送元アを出発して乙方面に輸送するキャリアカーが、出発予定時刻から所定時間だけ先立つ時刻に入ってくる。出発ドック乙には、積載輸送物群指示装置が設置されており、出発するキャリアカーに積み込むべき自動車の種類や数の指示を出す。積載輸送物群指示装置の指示通りに自動車を積み込んだキャリアカーは、出発予定時刻に乙方面に出発する。
輸送方面甲には、自動車の販売店イとウの2箇所の輸送先があるものとする。販売店イとウには、キャリアカーの到着/出発情報送信手段が設置されており、当該手段はネットワークや無線等の既存の通信方法によって、販売店に到着したキャリアカーのIDと到着時刻と輸送先IDを輸送元アの積載輸送物群指示装置に送信し、販売店を出発したキャリアカーのIDと出発時刻と輸送先IDを輸送元アの積載輸送物群指示装置に送信する。
各キャリアカーには、人口衛星を利用した位置検出装置が備えられており、当該位置検出装置は、無線通信網等の既存の設備を利用して、各キャリアカーの位置情報を輸送元アの積載輸送物群指示装置に定期的に送信する。
【0023】
図2を参照して、輸送元アに備えられている積載輸送物群指示装置のハードウエア構成について説明をする。
積載輸送物群指示装置10はコンピュータを利用した装置であり、複数の記憶部22から34と、運行状況情報入力部42と、出発可能時刻算出/代替探索処理部52と、指示対象・考慮対象選定処理部54と、輸送物群再割付け処理部56と、積載輸送物群指示部62とを備えている。
【0024】
輸送計画情報記憶部22には、下記の一連の輸送計画を記述する情報が対応付けて記憶されている。図3に、輸送計画の一例が例示されている。
輸送元:本実施例の場合には輸送元アに限定されており、省略することが可能である。輸送計画が複数の輸送元に及ぶものであれば、輸送元を示すIDが必要とされ、記憶されている。
輸送先:先に例示した販売店に限られず、中継点、輸出港等の輸送物が輸送される場所を全て含む。例えば、生産工場から輸出港に繰返して輸送する場合、輸送先は輸出港に限定されており、輸送先IDを省略することが可能である。先に例示した場合のように、販売店イとロに輸送する場合や中継点に輸送する場合には、販売店イを示すIDや販売店ロを示すID、あるいは中継点を示すIDが必要とされ、記憶されている。図3の場合は、輸送先の表示が省略されている。
輸送方面:輸送先が属する地域を示し、例えば、九州、東北等の地域を示すIDが記憶されている。輸送先の地域が限定されている場合には、省略される。図3の場合は、輸送方面が甲と乙で示されている。
輸送物群:輸送用移動体に積載する輸送物群を示すID群が記憶されている。図3の場合、出荷期限が9:30である種類αの自動車を示すIDと、出荷期限が9:40である種類αの自動車を示すIDと、出荷期限が9:50である種類αの自動車を示すIDと、出荷期限が10:00である種類βの自動車を示すIDと、出荷期限が10:10である種類βの自動車を示すIDが一台の輸送用移動体(9:30に出発するキャリアカーA1)に対応づけられている。10:00に出発するキャリアカーB1にも、キャリアカーB1に積載する輸送物群(自動車群)を示すID群が対応付けられている。
出荷期限:輸送元で生産された製品又は輸送元に集積された製品が輸送元から長時間に亘って輸送されないと多量の製品が輸送元に滞留し、納期に間に合わないことがある。そこで、輸送元から輸送する輸送物に出荷期限を設定することによって、輸送元から長時間に亘って輸送されない事態の発生を防止する。図3の場合では、9:30に出発する輸送用移動体A1で輸送する5台の自動車の出荷期限が、9:30、9:40、9:50、10:00、10:10であり、9:30に出発するキャリアカーA1で輸送すれば、出荷期限を遵守することができる。
出発予定時刻:輸送計画上での出発予定時刻である。不測の事態が生じないかぎり、実行可能であるとともに、極力無駄のない出発予定時刻が立案されている。例えば、輸送先に帰ってくる時刻よりは遅く、輸送先に帰ってから出発するまでの待ち時間を全輸送用移動体について合計した合計待ち時間が最小となる出発予定時刻が計算されている。
輸送用移動体:輸送作業に従事する輸送用移動体を特定するIDが記憶されている。
輸送計画は、輸送元で貯留する輸送物群が過大とならないこと、各輸送用移動体に積載する輸送物群の混載パターンの積載効率が高いこと、輸送用移動体が効率よく無駄なく利用されること、といった条件を満たすように立案されている。
【0025】
地図情報記憶部24には、輸送エリアの地図の情報が記憶されている。
走行時間情報記憶部26には、輸送元から輸送先への走行時間、輸送先から輸送元への走行時間、あるいは走行ルート中の各位置から輸送元への走行時間等が記憶されている。
積込み作業時間情報記憶部28には、輸送元で輸送物群の積込み作業に要する時間の情報や、輸送先で輸送物群の荷降ろし作業に要する時間の情報が記憶されている。
輸送用移動体情報記憶部30には、輸送用移動体種類/最大積載台数/積載効率が高い輸送物群の積合せパターンの情報が記憶されている。図4(a)に、輸送用移動体情報記憶部30に記憶されている情報の一例を例示する。例えば、キャリアカーAは、自動車を最大5台積載することができ、5台の自動車を積載することのできる積合せパターンが5通り(no.1からno.5)あることがわかる。これらの積合せパターンで示された台数は最大値であるため、当然にそれより少ない台数を積載することが可能であるが、積載効率は低下する。また最大積み合わせパターンに示された車種を変更することができるが、変更可能な車種は、大きさや形状等から決定されている。変更可能な車種の例を(b)に示す。各積合せパターンの車種αを車種βあるいは車種γに変更することは可能であるが、その逆は不可能である。また、各積合せパターンの車種βを車種γに変更することは可能であるが、その逆は不可能である。例えば、図4(a)のキャリアカーAの最大積合せパターンno.1では、車種βを5台とされているところを、4台の車種βと1台の車種γ、3台の車種βと2台の車種γ、2台の車種βと3台の車種γ、1台の車種βと4台の車種γ、5台の車種γに変更することが可能である。この場合、車種αを含む積合せパターンに変更することはできない。輸送可能輸送物情報記憶部32には、後述の処理が行われる時刻において、輸送元での生産が既に完了しており(あるいは、既に中継点に入荷されており)、輸送が可能となっている輸送物の情報が記憶されている。したがって、記憶される情報は、輸送物の生産が完了する度に(あるいは、中継点に入荷される度に)、時々刻々と変化することとなる。
先出し可能時間情報記憶部34には、輸送物の輸送予定時刻を早めることのできる限界時間が記憶されている。先出し可能時間は、輸送先が輸送物を受け入れることが可能となる時間から逆算される。
【0026】
積載輸送物群指示装置10のその他の主な構成について説明をする。
運行状況情報入力部42は、各販売店から送信されるキャリアカーの到着/出発情報や、各キャリアカーから送信される位置情報を受信して入力する。
出発可能時刻算出/代替探索処理部52は、運行状況情報入力部42から入力された到着/出発情報や位置情報と、地図情報記憶部24、走行時間情報記憶部26及び積込み作業時間情報記憶部28から取得した情報から、各キャリアカーが輸送元に帰って再度出発できると予測される時刻を算出する。出発可能時刻算出/代替探索処理部52は、算出した出発時刻を、輸送計画記憶部22から取得した出発予定時刻の情報(図3を参照)と照合し、輸送計画上で、最初に出発する予定となっているキャリアカー(以下、第1キャリアカーという)と、第1キャリアカーの次に出発予定となっているキャリアカー(以下、第2キャリアカーという)が輸送計画通りに運行できているか否かを明らかにする。この処理は、輸送方面別に実施する。例えば、図3の輸送計画に従って処理している時刻が12:40であれば、最初に輸送方面甲へ出発する予定のキャリアカーは、13:00に出発予定のキャリアカーA2であるので、キャリアカーA2が第1キャリアカーとされ、その次に、13:30に出発が予定されているキャリアカーB2が第2キャリアカーとされる。そして、第1キャリアカーと第2キャリアカーのなかに出発予定時刻に出発できないキャリアカーがある場合、即ち、第1キャリアカーと第2キャリアカーのいずれか一方又は双方の出発可能時刻が出発予定時刻よりも遅い場合(以下、出発可能時刻が出発予定時刻よりも遅くて輸送計画通りに出発できないキャリアカーを計画遂行不能キャリアカーという)には、計画遂行不能キャリアカーの出発可能時刻よりも早く出発できる替わりのキャリアカー(以下、代替キャリアカーという)が存在するか否かを探索する。
【0027】
代替キャリアカーは、例えば、探索対象となる地域の範囲を限定するパラメータを設定し、その地域範囲内で探索したキャリアカーの中から抽出される。パラメータは、輸送元からの走行時間や走行距離等を指標にして設定する。このようなパラメータを設定しておくことで、選択すると却って輸送効率が悪くなってしまうような遠方にいるキャリアカーを、探索対象から除くことができる。探索対象となるキャリアカーは、その地域範囲内で走行しているキャリアカーのみならず、予定より早く輸送元に到着して待機しているキャリアカーや、積込み作業を予定よりも迅速に行うことによって早く出発できるキャリアカー等を含む。
探索対象となるキャリアカーは、該当する輸送元から出発する予定であるキャリアカーであればよく、予定されている輸送方面が異なるキャリアカーであってもよい。例えば、図3の輸送計画の例では、輸送方面甲向けの第1キャリアカーが計画遂行不能キャリアカーとなっている場合、輸送方面乙向けのキャリアカーを探索してもよい。輸送方面乙向けのキャリアカーを輸送方面甲向けの代替キャリアカーとして探索したとしても、そのキャリアカーの替わりに、輸送方面甲向けのキャリアカーを輸送方面乙向けのキャリアカーに補填することができる。よって、代替キャリアカーを探索する処理を実施しても、輸送元アから出発するキャリアカーの総数が大きく変化する事態は発生しづらいと考えられる。それでも輸送計画の最終段階でキャリアカーが不足することになった場合は、輸送計画外のキャリアカーから補填する。
なお、代替キャリアカーとして用いることが可能なキャリアカーが複数探索された場合は、最も早い時刻に出発できるとキャリアカーを選択する。最も早い時刻に出発できるキャリアカーが複数台探索された場合は、元の輸送計画で最も早く出発すると計画とされていたキャリアカーを選択する。
【0028】
積載輸送物群指示装置10は、指示対象・考慮対象選定処理部54において、輸送物群の積載指示をする対象のキャリアカー(以下、指示対象キャリアカーという)と、指示対象キャリアカーとともに輸送物の再割付け計算をする対象のキャリアカー(以下、考慮対象キャリアカーという)とを選定する。具体的には、第1キャリアカーと第2キャリアカーの少なくも一方が、計画遂行不能キャリアカーであることを把握したときには、前記のように算出した計画遂行不能キャリアカーが出発可能な時刻と、代替キャリアカーが出発可能な時刻と、元の輸送計画通りに出発可能なキャリアカーの出発予定時刻を比較する。比較の結果、出発可能時刻が最も早いと判断された輸送用移動体と、その次に出発可能時刻が早いと判断されたキャリアカーを選択し、前者を指示対象キャリアカーに選定し、後者を考慮対象キャリアカーに選定する。そして、輸送計画上での第1キャリアカーと第2キャリアカーの出発予定時刻を、指示対象キャリアカーと考慮対象キャリアカーの出発時刻に変更する。あるいは、代替キャリアカーが探索できなかったときには、計画遂行不能キャリアカーが出発可能な時刻と、元の輸送計画通りに出発可能なキャリアカーの出発予定時刻を比較する。比較の結果、出発可能時刻が最も早いと判断された輸送用移動体と、その次に出発可能時刻が早いと判断されたキャリアカーを選択し、前者を指示対象キャリアカーに選定し、後者を考慮対象キャリアカーに選定する。そして、輸送計画上での第1キャリアカーと第2キャリアカーの出発予定時刻を、指示対象キャリアカーと考慮対象キャリアカーの出発時刻に変更する。
積載輸送物群指示装置10は、輸送物群再割付け処理部56において、出発予定時刻を変更したキャリアカーに積載すべき自動車群を割付けし直す。輸送用移動体情報記憶部30から取得した情報(図4を参照)に基づいて、指示対象キャリアカーと、考慮対象キャリアカーとで積載できる自動車の合計最大台数を算出し、輸送計画記憶部22から所定の輸送方面への輸送物をその台数分だけ出荷期限の順に抽出する。このときに、輸送可能輸送物情報記憶部32と先出し可能時間情報記憶部34の情報を参照して、変更された出発時刻ではまだ出荷できない輸送物を保留しておく。そして、保留されなかった輸送物を、積載効率が最大となる最適なパターンでキャリアカーに割付けし直す。
なお、指示対象・考慮対象選定処理部54において変更したキャリアカーの情報とその出発予定時刻の情報、及び、輸送物群再割付け処理部56において割付けし直した自動車の情報は、輸送計画情報記憶部22に記憶し、輸送計画を修正する。
積載輸送物群指示装置10は、積載輸送物群指示部62において、前述のように変更された輸送計画に基づいて、指示対象キャリアカーに積載する自動車の車種と数の情報を出力する。出力された情報に基づいて指示対象キャリアカーに積込み作業が行われることとなる。
【0029】
次に、図5において、輸送元アから輸送方面甲に輸送をするキャリアカーに自動車群の積載を指示する処理について説明する。この処理は、指示処理時刻(例えば、第1キャリアカーの出発予定時刻の15分前)において、積載輸送群指示装置10の自動起動装置等によって開始される。指示処理時刻は、積込み作業時間や積載輸送物群指示部の処理時間を勘案して決定される。例えば、図3の輸送計画の例では、次の出発予定時刻が13:00であれば、指示処理時刻を12:45とする。
図5のステップS2では、輸送元アから輸送を行うこととなっている各キャリアカーの運行状況の情報を取得する。
ステップS4では、各キャリアカーが輸送元に帰って再度出発ができる時刻を算出する。そして、第1キャリアカーと第2キャリアカーのいずれもが、あるいは、いずれか一方が不測の事態によって計画遂行不能キャリアカーとなっていないかということを把握する。例えば、図3の輸送計画の例では、輸送方面甲の第1キャリアカーであるキャリアカーA2が13:00には出発できないか、あるいは、第2キャリアカーであるキャリアカーB2が13:30には出発できないかということを把握する。いずれも計画通りに出発できて計画遂行不能キャリアカーとはなっていないことを把握すれば(ステップS4でNO)、ステップS14で第1キャリアカーを指示対象キャリアカーとして選定し、ステップS16で指示対象キャリアカーに積載すべき自動車の情報を出力して処理を終了する。一方、いずれもが、あるいは、いずれか一方が計画遂行不能キャリアカーとなっているということを把握したら(ステップS4でYES)、ステップS6に移行する。
【0030】
図5のステップS4において、第1キャリアカーが計画遂行不能キャリアカーであると把握された場合の、以降の処理を説明する。例えば、図3の輸送計画の例では、第1キャリアカーであるキャリアカーA2の運行が遅れて計画遂行不能キャリアカーとなっており、13:00に出発できない場合を考える。
【0031】
図5のステップS6では、代替キャリアカーが存在するか否かを把握する。存在すると把握した場合は、ステップS8に移行する。図6では、計画遂行不能キャリアカーA2が14:00にしか出発できず、14:00よりも早く出発できる代替キャリアカーとして、輸送方面乙のキャリアカーX2(最大積載台数5台)が存在する場合を示している。
ステップS8では、指示対象キャリアカーと考慮対象キャリアカーを選定して、その出発予定時刻を決定する。まず、ステップS4で算出した計画遂行不能キャリアカーが出発可能な時刻と、代替キャリアカーが出発可能な時刻と、元の輸送計画通りに出発可能なキャリアカーの出発予定時刻とを比較する。比較の結果、所定の輸送方面への出発可能時刻が最も早いと判断したキャリアカーを指示対象キャリアカーとして選定して、出発予定時刻を決定する。図6の場合、ケース1では、計画遂行不能キャリアカーA2が出発可能な時刻が14:00であり、代替キャリアカーX2が出発可能な時刻が13:15であり、輸送計画通りに出発可能なキャリアカーB2の出発予定時刻が13:30である。よって、最先の出発可能時刻が13:15となり、その時刻に出発できる代替キャリアカーX2が指示対象キャリアカーに選定される。また、次に早い出発可能時刻が13:30となり、キャリアカーB2が考慮対象キャリアカーに選定される。一方、ケース2では、計画遂行不能キャリアカーA2が出発可能な時刻が14:00であり、代替キャリアカーX2が出発可能な時刻が13:45であり、輸送計画通りに出発可能なキャリアカーB2の出発予定時刻が13:30である。よって、最先の出発可能時刻が13:30となり、その時刻に出発できるキャリアカーB2が指示対象キャリアカーに選定される。また、次に早い出発可能時刻が13:45となり、キャリアカーX2が考慮対象キャリアカーに選定される。
一方、図5のステップS6で、計画遂行不能キャリアカーであるキャリアカーA2の代替キャリアカーが存在しないことを把握した場合は(ステップS6でNO)、ステップS10において、ステップS4で算出した計画遂行不能キャリアカーが出発可能な時刻と、元の輸送計画通りに出発可能なキャリアカーの出発予定時刻とを比較する。計画遂行不能キャリアカーA2が出発予定時刻13:00には出発できなくても、第2キャリアカーB2の出発予定時刻13:30よりも早く出発できる場合には(例えば13:20に出発できる場合)には、早く出発できるキャリアカーA2を指示対象キャリアカーに選定し、キャリアカーB2を考慮対象キャリアカーに選定する。計画遂行不能キャリアカーA2の出発可能時刻が、第2キャリアカーB2の出発予定時刻13:30よりも遅い場合には、早く出発できるキャリアカーB2を指示対象キャリアカーに選定し、キャリアカーA2を考慮対象キャリアカーに選定する。
指示対象キャリアカーと考慮対象キャリアカーが選定されると、ステップS12に移行し、後述する再割付け処理が行われる。
【0032】
次に、図5のステップS4において、第2キャリアカーが計画遂行不能キャリアカーであると把握された場合の、以降の処理を説明する。例えば、図3の輸送計画の例では、第1キャリアカーA2は計画通りに13:00に出発できるが、第2キャリアカーB2の運行が遅れて計画遂行不能キャリアカーとなっており、13:30には出発できない場合を考える。
【0033】
図5のステップS6では、代替キャリアカーが存在するか否かを把握する。存在すると把握した場合は、ステップS8に移行する。図7では、計画遂行不能キャリアカーであるキャリアカーB2が14:30にしか出発できず、14:30よりも早く出発できる代替キャリアカーとして、輸送方面乙のキャリアカーY2(最大積載台数5台)が存在する場合を示している。
ステップS8では、指示対象キャリアカーと考慮対象キャリカーを選定し、その出発予定時刻を決定する。まず、ステップS4で算出した計画遂行不能キャリアカーが出発可能な時刻と、代替キャリアカーが出発可能な時刻と、元の輸送計画通りに出発可能なキャリアカーの出発予定時刻とを比較する。比較の結果、出発可能時刻が最も早いと判断したキャリアカーを指示対象キャリアカーとして選定して、出発予定時刻を決定する。図7の場合、ケース1では、輸送計画通りに出発可能なキャリアカーA2の出発予定時刻が13:00であり、計画遂行不能キャリアカーB2が出発可能な時刻が14:30であり、代替キャリアカーY2が出発可能な時刻が13:30であり、輸送計画通りに出発可能なキャリアカーC2の出発予定時刻が14:00である。よって、最先の出発可能時刻が13:00となり、その時刻に出発できるキャリアカーA2が指示対象キャリアカーに選定される。また、次に早い出発可能時刻が13:30となり、キャリアカーY2が考慮対象キャリアカーに選定される。一方、ケース2では、輸送計画通りに出発可能なキャリアカーA2の出発予定時刻が13:00であり、計画遂行不能キャリアカーB2が出発可能な時刻14:30であり、代替キャリアカーY2が出発可能な時刻が14:15であり、輸送計画通りに出発可能なキャリアカーC2の出発予定時刻が14:00である。よって、最先の出発可能時刻が13:00となり、その時刻に出発できるキャリアカーA2が考慮対象キャリアカーに選定される。また、次に早い出発可能時刻が14:00となり、キャリアカーC2が考慮対象キャリアカーに選定される。
一方、図5のステップS6で、計画遂行不能キャリアカーであるキャリアカーB2の代替キャリアカーが存在しないことを把握した場合は(ステップS6でNO)、ステップS10において、ステップS4で算出した計画遂行不能キャリアカーが出発可能な時刻と、元の輸送計画通りに出発可能なキャリアカーの出発予定時刻とを比較する。計画遂行不能キャリアカーB2が出発予定時刻13:30には出発できなくても、キャリアカーC2の出発予定時刻14:00よりも早く出発できる場合には(例えば13:50に出発できる場合)には、最も早く出発できるキャリアカーA2を指示対象キャリアカーに選定し、キャリアカーB2を考慮対象キャリアカーに選定する。計画遂行不能キャリアカーB2の出発可能時刻が、キャリアカーC2の出発予定時刻14:00よりも遅い場合には、最も早く出発できるキャリアカーA2を指示対象キャリアカーに選定し、キャリアカーC2を考慮対象キャリアカーに選定する。
指示対象キャリアカーと考慮対象キャリアカーが選定されると、ステップS12に移行し、後述する再割付け処理が行われる。
【0034】
次に、図5のステップS4において、第1キャリアカーも第2キャリアカーも計画遂行不能キャリアカーであると把握された場合の、以降の処理を説明する。例えば、図3の輸送計画の例では、第1キャリアカーA2の運行が遅れて計画遂行不能キャリアカーとなっており、13:00に出発できず、また、第2キャリアカーB2の運行が遅れて計画遂行不能キャリアカーとなっており、13:30には出発できない場合を考える。
【0035】
図5のステップS6では、第1キャリアカーか第2キャリアカーの少なくともいずれか一方に代替キャリアカーが存在するか否かを把握する。存在すると把握した場合は、ステップS8に移行する。
ステップS8では、指示対象キャリアカーと考慮対象キャリカーを選定し、その出発予定時刻を決定する。まず、ステップS4で算出した計画遂行不能キャリアカー(キャリアカーA2、キャリアカーB2)が出発可能な時刻と、第1キャリアカー及び/又は第2キャリアカーの代替キャリアカーが出発可能な時刻と、元の輸送計画通りに出発可能なキャリアカー(キャリアカーC2以降のキャリアカー)の出発予定時刻とを比較する。比較の結果、出発可能時刻が最も早いと判断したキャリアカーを指示対象キャリアカーとして選定して、出発予定時刻を決定する。また、次に早い出発可能時刻のキャリアカーを考慮対象キャリアカーとして選定して、出発予定時刻を決定する。
一方、図5のステップS6で、計画遂行不能キャリアカーである第1キャリアカーと第2キャリアカーのいずれについても代替キャリアカーが存在しないことを把握した場合は(ステップS6でNO)、ステップS10において、ステップS4で算出した計画遂行不能キャリアカー(キャリアカーA2、キャリアカーB2)が出発可能な時刻と、元の輸送計画通りに出発可能なキャリアカー(キャリアカーC2以降のキャリアカー)の出発予定時刻とを比較する。比較の結果、最も早く出発できるキャリアカーを指示対象キャリアカーに選定して、出発予定時刻を決定する。また、その次に早く出発できるキャリアカーを考慮対象キャリアカーに選定して、出発予定時刻を決定する。
指示対象キャリアカーと考慮対象キャリアカーが選定されると、ステップS12に移行し、後述する再割付け処理が行われる。
【0036】
次に、図5のステップS12では、指示対象キャリアカーと考慮対象キャリアカーを対象として、積載する自動車群の再割付け処理を行う。
ステップS12の再割付け処理の詳細な手順を、図8に示す。まず、輸送計画(図3を参照)から、キャリアカーの運行が遅れているために輸送計画を修正する必要のある輸送方面に向けて輸送する必要がある自動車群(輸送を待っている自動車群)を、指示対象キャリアカーと考慮対象キャリアカーとに積載できる最大台数だけ抽出する(ステップS202)。この場合、出荷期限の順に抽出する。例えば、図9の場合、ケース1では、指示対象キャリアカーA2と、考慮対象キャリアカーY2とに積載できる最大台数の自動車を抽出した場合、ケース2では、指示対象キャリアカーA2と、考慮対象キャリアカーC2とに積載できる最大台数の自動車を抽出した場合を示している。この場合、輸送可能輸送物情報記憶部32の情報と、先出し可能時間情報記憶部34の情報を参照して、指示対象キャリアカーA2の出発予定時刻(13:00)では生産が完了していない自動車や先出しして輸送することができない自動車を、抽出対象から除外して保留しておく。図9では、生産が完了していない自動車や先出し輸送することができない自動車が存在せず、指示対象キャリアカーと考慮対象キャリアカーとの合計最大積載台数の自動車を全て抽出できた場合を例示している。
ステップS204では、輸送計画(図3を参照)に従って、考慮対象キャリカーの出発予定時刻で出荷していたのでは出荷期限を遵守できなくなってしまう自動車に、積載不可情報を付与する。図10のケース1では、考慮対象キャリアカーであるキャリアカーY2の出発予定時刻(13:30)より出荷期限が前の出荷順21、22、23の自動車をキャリアカーY2に積載していたのでは出荷期限が遵守できないため、この3台の自動車に積載不可情報が付与されている(網掛けパターンで識別されている)。ケース2では、考慮対象キャリアカーであるキャリカーC2の出発予定時刻(輸送計画通り14:00)より出荷期限が前の出荷順21から26までの自動車をキャリアカーC2に積載していたのでは出荷期限が遵守できないため、この6台の自動車に積載不可情報が付与されている。
ステップS206では、最大積載台数分の自動車を出荷順に、指示対象キャリアカーと考慮対象キャリアカーに割付けることが可能か否かが判断される。この場合、各キャリアカーの積合せパターンが勘案される(図4を参照)。例えば、図10に例示したように、ケース1では、キャリアカーA2に出荷順21から25までの自動車を割付け、キャリアカーY2に出荷順26から30までの自動車を割り付けられるか否かが判断される。また、ケース2では、キャリアカーA2に出荷順21から25までの自動車を割付け、キャリアカーC2に出荷順26から29までの自動車を割付けることが可能か否かが判断される。割付けが可能と判断された場合(ステップS206でYES)は、再割付け処理を終了する。一方、割付けが不可能と判断された場合(ステップS206でNO)は、ステップS208へ移行する。例えば、図10のケース1の場合において、積合せパターンの関係から、キャリアカーA2には出荷順21から25までの全ての自動車を積載できるが、キャリアカーY2には出荷順26から30までの全ての自動車を積載できない場合や、ケース2の場合において、同様にキャリアカーC2には出荷順26から29までの全ての自動車を積載できない場合が考えられる。
ステップS208では、ステップS206で判断された出荷順通りの割付けパターンを変更する。この場合、指示対象キャリアカーに割付ける自動車の台数が元の輸送計画で割付けられていた自動車の台数より少なくならないことを条件とする。元の輸送計画での割付けられていた台数よりも少ないと、輸送計画の最終段階でキャリアカーが不足したり輸送されない自動車が発生してしまうことが考えられるためである。例えば、図3の輸送計画の例では、指示対象キャリアカーであるキャリアカーA2には5台の自動車が割付けられていたため、割付けパターンの変更においてもキャリアカーA2には5台の自動車を割付けることとする。また、ステップS204で積載不可情報が付与された自動車については指示対象キャリアカーに積載し、考慮対象キャリアカーには積載しないことを原則とする。例えば、図10のケース1では、出荷順21から23までの自動車はキャリアカーA2に積載し、キャリアカーY2には積載しないこととする。したがって出荷順24から30の自動車が割付けの変更の対象となる。一方、ケース2では出荷順21から26までの自動車に積載不可情報が付与されているが、キャリアカーA2の最大積載台数は5台であるため、出荷順21から26までの全ての自動車をキャリアカーA2に積載することができない。したがってこの場合はやむを得ず、最後の出荷順26の自動車をキャリアカーC2に積載することとする。
割付けパターンの変更は、図4に例示した各キャリアカーの積合せパターンを勘案しながら、指示対象キャリアカーと考慮対象キャリアカーとに最大に積載できるようになるまで繰り返される(ステップS210)。例えば、図10のケース1に示した場合、キャリアカーY2に車種αを2台は積載することができないが、1台なら積載できるとする。この場合は図11のケース1の(a)のように、キャリアカーY2に割付けられていた車種αのうち早い出荷順28の自動車をキャリアカーAに割付け、代わりにキャリアカーA2に割付けられていた車種βのうち遅い出荷順25の自動車をキャリアカーY2に繰り下げるとする。しかしながら、キャリアカーAの最大積載パターン(図4を参照)より、キャリアカーA2に車種αを4台積載する場合は、それ以外に車種γを1台しか積載することができない。したがって、ケース1の(b)のように、キャリアカーY2に割付けられていた車種γのうち早い出荷順26の自動車をキャリアカーA2に割付け、代わりにキャリアカーA2に割付けられていた出荷順24の自動車(車種β)をキャリアカーY2に繰り下げる。キャリアカーY2の積合せパターンが、この割付けパターンを許容すれば、キャリアカーA2にもキャリアカーY2にもそれぞれ最大積載台数の自動車を積載することができることとなり、最適な割付けパターンとなる。一方、図10のケース2に示した例では、出荷順21から25までの自動車はキャリアカーA2に積載しなければならず、出荷順26の自動車はキャリアカーC2に積載しなければならないため、割付け変更の対象とはならない。したがってこの場合は、図11のケース2のように、指示対象キャリアカーと考慮対象キャリアカーとの間では自動車の割付けの変更が行われないこととなる。
このようにして指示対象キャリアカーと考慮対象キャリアカーとに割付ける自動車が決定されたら、再割付け処理を終了する。
【0037】
図5のステップS12において再割付け処理を終了したら、指示対象・考慮対象選定処理部54において変更したキャリアカーの情報とその出発予定時刻の情報、及び、輸送物群再割付け処理部56において割付けし直した自動車の情報を、輸送計画情報記憶部22に記憶する。これによって、元の輸送計画が修正されることとなる。
また、積載輸送物群指示部62おいて、指示対象キャリアカーに積載すべき自動車の情報を出力し(ステップS16)、出力された情報に基づいて積込み作業が行われる。
【0038】
以上のように指示処理時刻12:45での処理を終了し、自動車が積載された指示対象キャリアカーが輸送元を出発した後は、次の指示処理時刻おいて同様の処理を繰り返す。このときには、前の指示処理時刻12:45での処理において考慮対象キャリアカーとされたキャリアカーが第1キャリアカーとなり、かつ、指示対象キャリアカーとなる。
このようにして、全ての指示処理時刻での処理が終了すると、輸送計画で計画された輸送作業が終了することになる。
【0039】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
・本実施例では、輸送元を生産工場や中継拠点としていたが、これらに限るものではない。輸送物が出荷される場所であれば輸送元とすることができ、例えば、販売会社が有する倉庫等も輸送元とすることができる。
・本実施例では、輸送先を販売店としていたが、これに限るものではない。例えば、中継拠点等も輸送先として考えることができる。
・本実施例では、輸送物を自動車としていたが、これに限るものではない。積載効率が大きく問題となる製品であれば本発明に適用することができ、特に、プレハブ建物、自動販売機等の大型製品を好適に適用することができる。
・本実施例では、輸送用移動体をキャリアカーとしていたが、トラック、鉄道、船舶、航空機等、輸送物を運搬できるものであれば本発明に適用することができる。
また、本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、不測の事態により輸送計画を遂行できない輸送用移動体が発生した場合にも、輸送物の出荷期限を最も遵守し、かつ、輸送物の積載効率を最も高く維持するように輸送計画への修正を行い、このように修正した輸送計画に基づいて、輸送物の積載指示を行うことができる。
したがって、製品を購入した顧客の希望する納期の遵守、製品完成から納期までのリードタイムの短縮、長期の在庫の削減等ができ、顧客の確保維持と拡大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】輸送エリアとコンピュータネットワークの構成を示す図である。
【図2】積載輸送物群指示装置のハードウエア構成を示す図である。
【図3】輸送計画の一例を示す図である。
【図4】輸送用移動体情報の一例を示す図である。
【図5】キャリアカーに自動車群の積載を指示する処理の手順を示す図である。
【図6】代替キャリアカーの存在の有無の判断の一例を示す図である。
【図7】代替キャリアカーの存在の有無の判断の一例を示す図である。
【図8】再割付け処理の手順を示す図である。
【図9】自動車群の抽出の一例を示す図である。
【図10】積載不可情報を付与した一例を示す図である。
【図11】再割付けの一例を示す図である。
【符号の説明】
10:積載輸送物群指示装置、
22:輸送計画情報記憶部、
24:地図情報記憶部、
26:走行時間情報記憶部、
28:積込み作業時間情報記憶部、
30:輸送用移動体情報記憶部、
32:輸送可能輸送物情報記憶部、
34:先出し可能時間情報記憶部、
42:運行状況情報入力部、
52:出発可能時刻算出/代替探索処理部、
54:指示対象・考慮対象選定変更処理部、
56:輸送物群再割付け処理部、
62:積載輸送物群指示部
【発明の属する技術分野】本発明は、輸送元(例えば、製品を生産する工場や製品が集積する中継拠点)を出発する輸送用移動体(例えばトラック)に積載する輸送物(製品等)群を指示する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】輸送元で製品が次々に生産される場合、あるいは輸送元に製品が次々に集荷される場合、輸送元から製品を逐次輸送しなければならない。製品が複数種類存在し、輸送先が複数箇所に存在する場合には、必要な輸送先に必要な種類の製品を輸送しなければならない。製品が、例えば自動車やプレハブ住宅や自動販売機等のように大型であり、種類によって大きさや形状が異なる場合には、1台の輸送用移動体に積載する種類の組合せを上手に選択すると積載効率が向上する一方、下手に選択すると積載効率が低下する。
輸送元を輸送用移動体が逐次に出発して輸送物群を輸送する場合、どの輸送用移動体が何時に出発するのか、その輸送用移動体にはいずれの輸送物群を積載するのかを示す輸送計画が必要とされる。輸送先が複数箇所に存在する場合には、どの輸送用移動体でどこに輸送するかを示す情報も必要とされる。
【0003】
この輸送計画は、輸送元で貯留する輸送物群が過大とならないこと、各輸送用移動体に積載する輸送物群の混載パターンの積載効率が高いこと、輸送用移動体が効率よく無駄なく利用されること、といった条件を満たすように立案されなければならない。
上記輸送計画を立案するために、輸送元から輸送される製品毎に出荷期限を設定する手法が採用されることがある。この場合、出荷期限前に当該製品が輸送元から輸送される輸送計画を立案することで、輸送元で貯留する輸送物群が過大とならない輸送計画を立案できる。
また、輸送用移動体の種類毎に当該輸送用移動体に効率よく積載できる輸送物の種類の組合せを記憶したデータベースを利用することがある。このデータベースを利用することによって、積載効率が高い混載パターンを指示する輸送計画が立案される。
【0004】
輸送計画では、輸送物を積載して輸送元から出発する輸送用移動体の出発時刻が、その輸送物の出荷期限前となるように計画されている。例えば、出荷順1の製品(種類α)の出荷期限は9:30、出荷順2の製品(種類α)の出荷期限は9:40、出荷順3の製品(種類β)の出荷期限は9:50、出荷順4の製品(種類β)の出荷期限は10:00、出荷順5の製品(種類β)の出荷期限は10:10・・・と予定されており、輸送用移動体(例えばキャリアカー)の最初の出発予定時刻が9:25であり、次の出発予定時刻が10:15である場合、次の出発予定時刻(10:15)のキャリアカーでは、出荷順1〜5の製品の出荷期限が守れない。したがって、出荷順1〜5の製品を一度に積載でき、かつ、出荷順1〜5の製品を積載することによって高い積載効率が得られる(他の製品を積載できる能力がないキャリアカーであれば高い積載効率が得られることになる)キャリアカーを用いて、出荷順1〜5の製品を一度に積載して9:25に輸送元を出発する輸送計画が立案されている。
輸送計画には、積載する輸送物群の組合せ、出発予定時刻、輸送用移動体のIDが対応づけて記憶されている。輸送先が複数個存在する場合には、各輸送物に対して輸送先が対応付けて指示されている。輸送先がいくつかの方面に分類される場合には、輸送計画に、出発する輸送用移動体の輸送方面を併せて記憶させておくこともある。
上記のような輸送計画を立案するための技術が特許文献1から3に記載されている。例えば特許文献1には、キャリアカーに積載するのに最適な自動車の積合せパターンを決定する技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−265861号公報
【特許文献2】
特開2002−32108号公報
【特許文献3】
特開2000−172744号公報
【0006】
実際の輸送作業では、出発予定時刻の直前に、当該予定時刻で出発する予定の輸送用移動体に、積載する輸送物群の組合せを指示する。輸送物群の組合せを指示された輸送用移動体は、指示された輸送物群を積載して出発予定時刻に輸送元を出発する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような輸送計画に従うと、出荷期限を越えて輸送元に留まる輸送物はなく、輸送元に過大な輸送物が滞留することがない。また各輸送用移動体は輸送物群を効率的に積載して輸送することになり、少ない輸送用移動体を利用して効率的に輸送作業を完了することができる。
しかしながら、実際の輸送作業では、道路の渋滞等によって予定された時刻までに輸送用移動体が輸送元に到着できなくなってしまうことがある。あるいは、輸送用移動体が不測の事態によって運行できなくなることもある。
このような場合、輸送計画を遵守できなくなり、製品の出荷期限を守れなくなることがある。出荷期限を守るために急遽計画を変更すると、輸送用移動体と輸送物群の組合せが乱れ、計画した混載パターンが崩れてしまう。この結果、上手に混載すればもっと多くの輸送物を輸送できる輸送用移動体に少ない輸送物を積載して非効率的に輸送したり、あるいはその結果として輸送用移動体が不足して輸送できない輸送物が残ってしまうことがある。
【0008】
本発明では、輸送計画では予定されていない不測の事態が発生した場合に、不測の事態が発生したなかでも実行可能であり、出荷期限を遵守し、しかも良好な積載効率を実現する輸送計画に修正する技術を提供する。具体的には、積載する輸送物群の組合せを修正して指示する技術に関する。
【0009】
輸送用移動体の位置に関する情報を利用することによって、輸送用移動体の運行状況を把握することが可能となっており、特許文献4〜5にその技術が記載されている。輸送用移動体の運行状況を把握することができると、輸送計画を遵守できるのか、あるいは、遵守不可能となったのかを事前に把握することが可能となる。
本発明では、輸送用移動体の位置に関する情報や、輸送先に到着した情報や、輸送先を出発した情報等を利用することによって、輸送用移動体の運行状況を把握し、把握された運行状況から輸送計画を遵守できるかできないかを事前に把握し、遵守できない場合には、実行可能な範囲内で、出荷期限を遵守し、しかも積載効率を極力向上させられる輸送計画に修正する技術を提供する。
【0010】
【特許文献4】
特開2002−32445号公報
【特許文献5】
特開2002−60016号公報
【0011】
【課題を解決するための手段と作用】本願発明によって、輸送元を出発する輸送用移動体に積載する輸送物群を指示する装置が得られる。
この装置は、輸送物群/出発予定時刻/輸送用移動体を対応付けた輸送計画を記憶している手段と、輸送用移動体種類/輸送物群の積合せパターンを対応付けた輸送用移動体情報を記憶している手段と、輸送用移動体の運行状況情報から、輸送用移動体が輸送元を出発可能となる時刻を算出する手段と、積載する輸送物群を指示する処理を実施する時刻において、輸送計画上で最先の出発予定時刻を持つ第1輸送用移動体と次位の出発予定時刻を持つ第2輸送用移動体について算出された出発可能時刻を参照し、第1輸送用移動体と第2輸送用移動体のなかに出発予定時刻に出発できない計画遂行不能輸送用移動体があるときに、算出された出発可能時刻より前に出発可能な代替輸送用移動体を探索する手段と、計画遂行不能輸送用移動体の出発可能時刻と、代替輸送用移動体の出発可能時刻と、輸送計画通りに出発可能な輸送用移動体の出発予定時刻のうちで最先出発時刻を持つ輸送用移動体を指示対象輸送用移動体とし、次位の出発時刻を持つ輸送用移動体を考慮対象輸送用移動体とする選定手段と、輸送待ち輸送物群のなかから、前記指示対象輸送用移動体と考慮対象輸送用移動体に最大に積載できる輸送物群の積合せパターンに従って、指示対象輸送用移動体に積載する輸送物群を割付けて指示する手段とを備える。
【0012】
生産工場では複数種類の製品を生産することが多く、また、中継拠点には複数種類の製品が集まってくることが多い。このため、輸送元(生産工場や中継点)から輸送すべき輸送物が複数種類であることが多い。また、輸送物を輸送する輸送用移動体(キャリアカー等)にも複数種類があることが多い。
輸送計画では、どの輸送物が、どの輸送用移動体によって、何時に輸送されるのかということを決定している。即ち、輸送計画では、輸送物群/出発予定時刻/輸送用移動体を対応付けて決定している。
本願発明の装置は、輸送用移動体の運行状況情報から、輸送用移動体が輸送元を出発可能となる時刻を算出する手段を備えている。輸送用移動体の運行状況を示す情報は、例えば、各輸送先から送信される各輸送用移動体の出発情報、及び/又は、各輸送用移動体から送信される位置情報である。これらの情報から、輸送用移動体が輸送先を予定通り出発したのか、遅れて出発したのか、予定された位置まで運行しているのか、予定された位置まで運行していないのか等を把握することが可能となり、輸送用移動体が輸送元を出発可能となる時刻を算出することができる。
さて、輸送用移動体に積載する輸送物の組合せを指示する処理の実行タイミングになったものとする。この場合、輸送用移動体が輸送元を出発可能となる時刻が出発予定時刻前であり、輸送計画が遵守できれば、計画された輸送物群の組合せを指示する。輸送用移動体が輸送元を出発可能となる時刻が出発予定時刻後であり、輸送計画が遵守できなければ、計画を修正しなければならない。
このために、積載する輸送物群を指示する処理を実施する時刻において、輸送計画上で最先の出発予定時刻を持つ第1輸送用移動体と次位の出発予定時刻を持つ第2輸送用移動体について算出された出発可能時刻を参照し、第1輸送用移動体と第2輸送用移動体のなかに出発予定時刻に出発できない計画遂行不能輸送用移動体があるか否かを判別し、計画遂行不能輸送用移動体がある場合には、計画遂行不能輸送用移動体について算出された出発可能時刻より前に出発可能な代替輸送用移動体を探索する。
代替輸送用移動体を探索できたら、計画遂行不能輸送用移動体の出発可能時刻と、代替輸送用移動体の出発可能時刻と、輸送計画通りに出発可能な輸送用移動体の出発予定時刻のうちで最先出発時刻を持つ輸送用移動体を指示対象輸送用移動体とし、次位の出発時刻を持つ輸送用移動体を考慮対象輸送用移動体とする。そして、指示対象輸送用移動体の出発時刻を、第1輸送用移動体の出発予定時刻に代わる新たな出発予定時刻に変更する。なお、ここでいう指示対象輸送用移動体とは、積載する輸送物群の組合せを指示する対象となる輸送用移動体のことをいう。また、考慮対象輸送用移動体は、指示対象輸送用移動体とともに輸送物群の再割付けを再計算する対象となる輸送用移動体のことをいう。
指示対象輸送用移動体と考慮対象輸送用移動体が選定されたら、輸送待ち輸送物群のなかから、指示対象輸送用移動体と考慮対象輸送用移動体に最大に積載できる輸送物群の積合せパターンに従って、指示対象輸送用移動体に積載する輸送物群を割付けて指示する。この場合には、輸送用移動体種類/輸送物群の積合せパターンを対応付けた輸送用移動体情報が活用される。このように割付けを変更することで、輸送物の積載効率を可能な範囲で高く維持することが可能となる。以上のように、本発明で創作した積載輸送物群指示装置によれば、不測の事態によって輸送計画を遵守できない場合に、出荷期限に遅れず、しかも、積載効率を極力低下させないように輸送計画が修正され、修正された輸送計画に従って輸送物群の積載指示を行うことができる。
【0013】
計画遂行不能輸送用移動体が把握された場合に、他の輸送用移動体の全部が稼動中であるために、代替輸送用移動体を探索できない場合もある。この場合は、計画遂行不能輸送用移動体の出発可能時刻と、輸送計画通りに出発可能な輸送用移動体の出発予定時刻とを比較し、早い出発時刻を持つ輸送用移動体を指示対象輸送用移動体とし、遅い出発時刻を持つ輸送用移動体を考慮対象輸送用移動体とする。
この場合、輸送計画での出発順と実際の出発順が逆転することがあり、逆転する場合には逆転した順で最大な積載効率が得られる輸送物の組合せが再計算されるために、実行可能ななかで高い積載効率が得られる輸送計画に修正される。
【0014】
輸送用移動体の運行状況情報は、例えば、各輸送先から送信される各輸送用移動体の出発情報、及び/又は、各輸送用移動体から送信される位置情報で得られる。
各輸送先から送信される各輸送用移動体の出発情報から、どの輸送用移動体が何時どこに到着して何時どこを出発したかがわかり、各輸送用移動体から送信される位置情報によって、輸送計画が遵守されているのかあるいは遅れているのかがわかる。これらの運行状況を示す情報から、輸送用移動体が輸送元に戻ってくる時刻が計算でき、さらには再度出発可能となる時刻が計算でき、輸送計画で予定されている出発予定時刻に輸送元から出発できるのかできないのかを判別することができる。輸送計画を修正する必要があるか否かが明らかになる。
【0015】
前記のように、輸送用移動体に割付ける輸送物を変更するためには、輸送待ち輸送物群のなかから、指示対象輸送用移動体と考慮対象輸送用移動体に最大に積載できる数量分だけ抽出することが必要である。この場合、輸送物の出荷期限の順に、輸送計画から未輸送の輸送物を抽出することが好ましい。このためには、輸送計画に輸送物の出荷期限が対応付けて記憶されていることが好ましい。
出荷期限が早い順に輸送物を抽出すれば、出荷期限をできる限り遵守するという目的に向けて輸送計画が修正されることとなる。
【0016】
輸送計画から抽出した未輸送の輸送物の中には、指示対象輸送用移動体の出発時刻で出荷するなら出荷期限を遵守できても、考慮対象輸送用移動体の出発時刻で出荷すると出荷期限が遵守できなくなってしまうものがあり得る。このような事情があることから、指示対象輸送用移動体に積載する輸送物群を割付けて指示する手段は、輸送物の出荷期限を遵守するという条件下で、輸送物群を割付けることが好ましい。
【0017】
輸送物を出荷する輸送元が全国に出荷する場合、例えば、九州方面にも東北方面にも北海道方面にも出荷する場合、輸送計画には、輸送方面/輸送用移動体の関係が定められており、輸送方面を同じくする輸送用移動体のなかで上記した一連の処理(輸送計画の修正処理)をすることが好ましい。
全輸送用移動体を対象にして輸送計画の修正処理をする場合に比して、輸送方面を同じくする輸送用移動体のなかで輸送計画の修正処理をする方が、処理量が少なくて短時間で実行できる。また、全輸送用移動体を対象にしなくても、ほぼ満足の行く修正結果が得られることが多い。
【0018】
また、本発明によって、輸送元を出発する輸送用移動体に積載する輸送物群を指示する方法が得られる。
この方法はコンピュータによって実行される。即ち、コンピュータによって、輸送物群/出発予定時刻/輸送用移動体を対応付けた輸送計画を読み取る工程と、コンピュータによって、輸送用移動体の運行状況情報から、各輸送用移動体が前記輸送元を出発可能となる時刻を算出する工程と、コンピュータによって、積載する輸送物群を指示する処理を実施する時刻において、輸送計画上で最先の出発予定時刻を持つ第1輸送用移動体と次位の出発予定時刻を持つ第2輸送用移動体の出発可能時刻を参照し、第1輸送用移動体と第2輸送用移動体のなかに出発予定時刻に出発できない計画遂行不能輸送用移動体があるときに、算出された出発可能時刻よりも前に出発可能な代替輸送用移動体を探索する工程と、コンピュータによって、計画遂行不能輸送用移動体の出発可能時刻と、代替輸送用移動体の出発可能時刻と、輸送計画通りに出発可能な輸送用移動体の出発予定時刻のなかから、最先の出発時刻を持つ輸送用移動体を指示対象輸送用移動体とし、次位の出発時刻を持つ輸送用移動体を考慮対象輸送用移動体に選定する工程と、コンピュータによって、輸送待ち輸送物群のなかから、前記指示対象輸送用移動体と考慮対象輸送用移動体に最大に積載できる輸送物群の積合せパターンに従って、指示対象輸送用移動体に積載する輸送物群を割付けて指示する工程とを実行する。
【0019】
また、本発明によって、輸送元を出発する輸送用移動体に積載する輸送物群を指示するためのプログラムも得られる。
このプログラムは、コンピュータに下記の工程、即ち、輸送物群/出発予定時刻/輸送用移動体を対応付けた輸送計画を読み取る工程と、輸送用移動体の運行状況情報から、各輸送用移動体が前記輸送元を出発可能となる時刻を算出する工程と、積載する輸送物群を指示する処理を実施する時刻において、輸送計画上で最先の出発予定時刻を持つ第1輸送用移動体と次位の出発予定時刻を持つ第2輸送用移動体の出発可能時刻を参照し、第1輸送用移動体と第2輸送用移動体のなかに出発予定時刻に出発できない計画遂行不能輸送用移動体があるときに、算出された出発可能時刻よりも前に出発可能な代替輸送用移動体を探索する工程と、計画遂行不能輸送用移動体の出発可能時刻と、代替輸送用移動体の出発可能時刻と、輸送計画通りに出発可能な輸送用移動体の出発予定時刻のなかから、最先出発時刻を持つ輸送用移動体を指示対象輸送用移動体とし、次位の出発時刻を持つ輸送用移動体を考慮対象輸送用移動体に選定する工程と、輸送待ち輸送物群のなかから、前記指示対象輸送用移動体と考慮対象輸送用移動体に最大に積載できる輸送物群の積合せパターンに従って、指示対象輸送用移動体に積載する輸送物群を割付けて指示する工程とを実行させる。
【0020】
本発明で創作した積載輸送物群指示方法とそのためのプログラムによれば、不測の事態により輸送計画を遂行できない輸送用移動体が発生した場合にも、輸送物の出荷期限を可能な範囲で遵守し、かつ、輸送用移動体の積載効率を高く維持する輸送計画へ修正することができる。修正された輸送計画は実行可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】まず、本発明が好適に適用される実施の形態について説明をする。
(形態1)輸送元に設けられた積載輸送物群指示装置は、当該輸送元/輸送先/輸送方面/輸送物群/出荷期限/出発予定時刻/輸送用移動体を対応付けた輸送計画を記憶しており、その輸送計画を遵守できる場合には、当該輸送計画に従って輸送元を出発する輸送用移動体に積載する輸送物群を指示する。
(形態2)積載輸送物群指示装置は、輸送計画では次に出発予定の輸送用移動体とその次に出発予定の輸送用移動体の少なくともいずれか一つが、不測の事態により輸送計画通りに出発できなくなったことを把握した場合に、替わりの輸送用移動体を探索して輸送計画を修正し、修正された輸送計画に従って輸送用移動体に積載する輸送物群を指示する。
(形態3)輸送計画の修正は、輸送用移動体の出発予定時刻の変更、及び、輸送物群の再割付けによって行われる。
【0022】
【実施例】
図1を参照して、本実施例が適用される輸送エリアの詳細と、コンピュータネットワークの構成について説明をする。輸送元ア(自動車生産工場、又は輸送中継点等)には、輸送物である自動車の出発ドックが設けられている。出発ドックは、輸送方面(甲方面と乙方面)別に設けられている。出発ドック甲には、輸送元アを出発して甲方面に輸送するキャリアカー(輸送用移動体)が、自動車の積込み作業に必要な時間等を考慮して、出発予定時刻から所定時間だけ先立つ時刻に入ってくる。輸送元アには、積載輸送物群指示装置が設置されており、出発するキャリアカーに積み込むべき自動車についての指示を出す。積載輸送物群指示装置の指示通りに自動車を積み込んだキャリアカーは、出発予定時刻に甲方面に出発する。出発ドック乙には、輸送元アを出発して乙方面に輸送するキャリアカーが、出発予定時刻から所定時間だけ先立つ時刻に入ってくる。出発ドック乙には、積載輸送物群指示装置が設置されており、出発するキャリアカーに積み込むべき自動車の種類や数の指示を出す。積載輸送物群指示装置の指示通りに自動車を積み込んだキャリアカーは、出発予定時刻に乙方面に出発する。
輸送方面甲には、自動車の販売店イとウの2箇所の輸送先があるものとする。販売店イとウには、キャリアカーの到着/出発情報送信手段が設置されており、当該手段はネットワークや無線等の既存の通信方法によって、販売店に到着したキャリアカーのIDと到着時刻と輸送先IDを輸送元アの積載輸送物群指示装置に送信し、販売店を出発したキャリアカーのIDと出発時刻と輸送先IDを輸送元アの積載輸送物群指示装置に送信する。
各キャリアカーには、人口衛星を利用した位置検出装置が備えられており、当該位置検出装置は、無線通信網等の既存の設備を利用して、各キャリアカーの位置情報を輸送元アの積載輸送物群指示装置に定期的に送信する。
【0023】
図2を参照して、輸送元アに備えられている積載輸送物群指示装置のハードウエア構成について説明をする。
積載輸送物群指示装置10はコンピュータを利用した装置であり、複数の記憶部22から34と、運行状況情報入力部42と、出発可能時刻算出/代替探索処理部52と、指示対象・考慮対象選定処理部54と、輸送物群再割付け処理部56と、積載輸送物群指示部62とを備えている。
【0024】
輸送計画情報記憶部22には、下記の一連の輸送計画を記述する情報が対応付けて記憶されている。図3に、輸送計画の一例が例示されている。
輸送元:本実施例の場合には輸送元アに限定されており、省略することが可能である。輸送計画が複数の輸送元に及ぶものであれば、輸送元を示すIDが必要とされ、記憶されている。
輸送先:先に例示した販売店に限られず、中継点、輸出港等の輸送物が輸送される場所を全て含む。例えば、生産工場から輸出港に繰返して輸送する場合、輸送先は輸出港に限定されており、輸送先IDを省略することが可能である。先に例示した場合のように、販売店イとロに輸送する場合や中継点に輸送する場合には、販売店イを示すIDや販売店ロを示すID、あるいは中継点を示すIDが必要とされ、記憶されている。図3の場合は、輸送先の表示が省略されている。
輸送方面:輸送先が属する地域を示し、例えば、九州、東北等の地域を示すIDが記憶されている。輸送先の地域が限定されている場合には、省略される。図3の場合は、輸送方面が甲と乙で示されている。
輸送物群:輸送用移動体に積載する輸送物群を示すID群が記憶されている。図3の場合、出荷期限が9:30である種類αの自動車を示すIDと、出荷期限が9:40である種類αの自動車を示すIDと、出荷期限が9:50である種類αの自動車を示すIDと、出荷期限が10:00である種類βの自動車を示すIDと、出荷期限が10:10である種類βの自動車を示すIDが一台の輸送用移動体(9:30に出発するキャリアカーA1)に対応づけられている。10:00に出発するキャリアカーB1にも、キャリアカーB1に積載する輸送物群(自動車群)を示すID群が対応付けられている。
出荷期限:輸送元で生産された製品又は輸送元に集積された製品が輸送元から長時間に亘って輸送されないと多量の製品が輸送元に滞留し、納期に間に合わないことがある。そこで、輸送元から輸送する輸送物に出荷期限を設定することによって、輸送元から長時間に亘って輸送されない事態の発生を防止する。図3の場合では、9:30に出発する輸送用移動体A1で輸送する5台の自動車の出荷期限が、9:30、9:40、9:50、10:00、10:10であり、9:30に出発するキャリアカーA1で輸送すれば、出荷期限を遵守することができる。
出発予定時刻:輸送計画上での出発予定時刻である。不測の事態が生じないかぎり、実行可能であるとともに、極力無駄のない出発予定時刻が立案されている。例えば、輸送先に帰ってくる時刻よりは遅く、輸送先に帰ってから出発するまでの待ち時間を全輸送用移動体について合計した合計待ち時間が最小となる出発予定時刻が計算されている。
輸送用移動体:輸送作業に従事する輸送用移動体を特定するIDが記憶されている。
輸送計画は、輸送元で貯留する輸送物群が過大とならないこと、各輸送用移動体に積載する輸送物群の混載パターンの積載効率が高いこと、輸送用移動体が効率よく無駄なく利用されること、といった条件を満たすように立案されている。
【0025】
地図情報記憶部24には、輸送エリアの地図の情報が記憶されている。
走行時間情報記憶部26には、輸送元から輸送先への走行時間、輸送先から輸送元への走行時間、あるいは走行ルート中の各位置から輸送元への走行時間等が記憶されている。
積込み作業時間情報記憶部28には、輸送元で輸送物群の積込み作業に要する時間の情報や、輸送先で輸送物群の荷降ろし作業に要する時間の情報が記憶されている。
輸送用移動体情報記憶部30には、輸送用移動体種類/最大積載台数/積載効率が高い輸送物群の積合せパターンの情報が記憶されている。図4(a)に、輸送用移動体情報記憶部30に記憶されている情報の一例を例示する。例えば、キャリアカーAは、自動車を最大5台積載することができ、5台の自動車を積載することのできる積合せパターンが5通り(no.1からno.5)あることがわかる。これらの積合せパターンで示された台数は最大値であるため、当然にそれより少ない台数を積載することが可能であるが、積載効率は低下する。また最大積み合わせパターンに示された車種を変更することができるが、変更可能な車種は、大きさや形状等から決定されている。変更可能な車種の例を(b)に示す。各積合せパターンの車種αを車種βあるいは車種γに変更することは可能であるが、その逆は不可能である。また、各積合せパターンの車種βを車種γに変更することは可能であるが、その逆は不可能である。例えば、図4(a)のキャリアカーAの最大積合せパターンno.1では、車種βを5台とされているところを、4台の車種βと1台の車種γ、3台の車種βと2台の車種γ、2台の車種βと3台の車種γ、1台の車種βと4台の車種γ、5台の車種γに変更することが可能である。この場合、車種αを含む積合せパターンに変更することはできない。輸送可能輸送物情報記憶部32には、後述の処理が行われる時刻において、輸送元での生産が既に完了しており(あるいは、既に中継点に入荷されており)、輸送が可能となっている輸送物の情報が記憶されている。したがって、記憶される情報は、輸送物の生産が完了する度に(あるいは、中継点に入荷される度に)、時々刻々と変化することとなる。
先出し可能時間情報記憶部34には、輸送物の輸送予定時刻を早めることのできる限界時間が記憶されている。先出し可能時間は、輸送先が輸送物を受け入れることが可能となる時間から逆算される。
【0026】
積載輸送物群指示装置10のその他の主な構成について説明をする。
運行状況情報入力部42は、各販売店から送信されるキャリアカーの到着/出発情報や、各キャリアカーから送信される位置情報を受信して入力する。
出発可能時刻算出/代替探索処理部52は、運行状況情報入力部42から入力された到着/出発情報や位置情報と、地図情報記憶部24、走行時間情報記憶部26及び積込み作業時間情報記憶部28から取得した情報から、各キャリアカーが輸送元に帰って再度出発できると予測される時刻を算出する。出発可能時刻算出/代替探索処理部52は、算出した出発時刻を、輸送計画記憶部22から取得した出発予定時刻の情報(図3を参照)と照合し、輸送計画上で、最初に出発する予定となっているキャリアカー(以下、第1キャリアカーという)と、第1キャリアカーの次に出発予定となっているキャリアカー(以下、第2キャリアカーという)が輸送計画通りに運行できているか否かを明らかにする。この処理は、輸送方面別に実施する。例えば、図3の輸送計画に従って処理している時刻が12:40であれば、最初に輸送方面甲へ出発する予定のキャリアカーは、13:00に出発予定のキャリアカーA2であるので、キャリアカーA2が第1キャリアカーとされ、その次に、13:30に出発が予定されているキャリアカーB2が第2キャリアカーとされる。そして、第1キャリアカーと第2キャリアカーのなかに出発予定時刻に出発できないキャリアカーがある場合、即ち、第1キャリアカーと第2キャリアカーのいずれか一方又は双方の出発可能時刻が出発予定時刻よりも遅い場合(以下、出発可能時刻が出発予定時刻よりも遅くて輸送計画通りに出発できないキャリアカーを計画遂行不能キャリアカーという)には、計画遂行不能キャリアカーの出発可能時刻よりも早く出発できる替わりのキャリアカー(以下、代替キャリアカーという)が存在するか否かを探索する。
【0027】
代替キャリアカーは、例えば、探索対象となる地域の範囲を限定するパラメータを設定し、その地域範囲内で探索したキャリアカーの中から抽出される。パラメータは、輸送元からの走行時間や走行距離等を指標にして設定する。このようなパラメータを設定しておくことで、選択すると却って輸送効率が悪くなってしまうような遠方にいるキャリアカーを、探索対象から除くことができる。探索対象となるキャリアカーは、その地域範囲内で走行しているキャリアカーのみならず、予定より早く輸送元に到着して待機しているキャリアカーや、積込み作業を予定よりも迅速に行うことによって早く出発できるキャリアカー等を含む。
探索対象となるキャリアカーは、該当する輸送元から出発する予定であるキャリアカーであればよく、予定されている輸送方面が異なるキャリアカーであってもよい。例えば、図3の輸送計画の例では、輸送方面甲向けの第1キャリアカーが計画遂行不能キャリアカーとなっている場合、輸送方面乙向けのキャリアカーを探索してもよい。輸送方面乙向けのキャリアカーを輸送方面甲向けの代替キャリアカーとして探索したとしても、そのキャリアカーの替わりに、輸送方面甲向けのキャリアカーを輸送方面乙向けのキャリアカーに補填することができる。よって、代替キャリアカーを探索する処理を実施しても、輸送元アから出発するキャリアカーの総数が大きく変化する事態は発生しづらいと考えられる。それでも輸送計画の最終段階でキャリアカーが不足することになった場合は、輸送計画外のキャリアカーから補填する。
なお、代替キャリアカーとして用いることが可能なキャリアカーが複数探索された場合は、最も早い時刻に出発できるとキャリアカーを選択する。最も早い時刻に出発できるキャリアカーが複数台探索された場合は、元の輸送計画で最も早く出発すると計画とされていたキャリアカーを選択する。
【0028】
積載輸送物群指示装置10は、指示対象・考慮対象選定処理部54において、輸送物群の積載指示をする対象のキャリアカー(以下、指示対象キャリアカーという)と、指示対象キャリアカーとともに輸送物の再割付け計算をする対象のキャリアカー(以下、考慮対象キャリアカーという)とを選定する。具体的には、第1キャリアカーと第2キャリアカーの少なくも一方が、計画遂行不能キャリアカーであることを把握したときには、前記のように算出した計画遂行不能キャリアカーが出発可能な時刻と、代替キャリアカーが出発可能な時刻と、元の輸送計画通りに出発可能なキャリアカーの出発予定時刻を比較する。比較の結果、出発可能時刻が最も早いと判断された輸送用移動体と、その次に出発可能時刻が早いと判断されたキャリアカーを選択し、前者を指示対象キャリアカーに選定し、後者を考慮対象キャリアカーに選定する。そして、輸送計画上での第1キャリアカーと第2キャリアカーの出発予定時刻を、指示対象キャリアカーと考慮対象キャリアカーの出発時刻に変更する。あるいは、代替キャリアカーが探索できなかったときには、計画遂行不能キャリアカーが出発可能な時刻と、元の輸送計画通りに出発可能なキャリアカーの出発予定時刻を比較する。比較の結果、出発可能時刻が最も早いと判断された輸送用移動体と、その次に出発可能時刻が早いと判断されたキャリアカーを選択し、前者を指示対象キャリアカーに選定し、後者を考慮対象キャリアカーに選定する。そして、輸送計画上での第1キャリアカーと第2キャリアカーの出発予定時刻を、指示対象キャリアカーと考慮対象キャリアカーの出発時刻に変更する。
積載輸送物群指示装置10は、輸送物群再割付け処理部56において、出発予定時刻を変更したキャリアカーに積載すべき自動車群を割付けし直す。輸送用移動体情報記憶部30から取得した情報(図4を参照)に基づいて、指示対象キャリアカーと、考慮対象キャリアカーとで積載できる自動車の合計最大台数を算出し、輸送計画記憶部22から所定の輸送方面への輸送物をその台数分だけ出荷期限の順に抽出する。このときに、輸送可能輸送物情報記憶部32と先出し可能時間情報記憶部34の情報を参照して、変更された出発時刻ではまだ出荷できない輸送物を保留しておく。そして、保留されなかった輸送物を、積載効率が最大となる最適なパターンでキャリアカーに割付けし直す。
なお、指示対象・考慮対象選定処理部54において変更したキャリアカーの情報とその出発予定時刻の情報、及び、輸送物群再割付け処理部56において割付けし直した自動車の情報は、輸送計画情報記憶部22に記憶し、輸送計画を修正する。
積載輸送物群指示装置10は、積載輸送物群指示部62において、前述のように変更された輸送計画に基づいて、指示対象キャリアカーに積載する自動車の車種と数の情報を出力する。出力された情報に基づいて指示対象キャリアカーに積込み作業が行われることとなる。
【0029】
次に、図5において、輸送元アから輸送方面甲に輸送をするキャリアカーに自動車群の積載を指示する処理について説明する。この処理は、指示処理時刻(例えば、第1キャリアカーの出発予定時刻の15分前)において、積載輸送群指示装置10の自動起動装置等によって開始される。指示処理時刻は、積込み作業時間や積載輸送物群指示部の処理時間を勘案して決定される。例えば、図3の輸送計画の例では、次の出発予定時刻が13:00であれば、指示処理時刻を12:45とする。
図5のステップS2では、輸送元アから輸送を行うこととなっている各キャリアカーの運行状況の情報を取得する。
ステップS4では、各キャリアカーが輸送元に帰って再度出発ができる時刻を算出する。そして、第1キャリアカーと第2キャリアカーのいずれもが、あるいは、いずれか一方が不測の事態によって計画遂行不能キャリアカーとなっていないかということを把握する。例えば、図3の輸送計画の例では、輸送方面甲の第1キャリアカーであるキャリアカーA2が13:00には出発できないか、あるいは、第2キャリアカーであるキャリアカーB2が13:30には出発できないかということを把握する。いずれも計画通りに出発できて計画遂行不能キャリアカーとはなっていないことを把握すれば(ステップS4でNO)、ステップS14で第1キャリアカーを指示対象キャリアカーとして選定し、ステップS16で指示対象キャリアカーに積載すべき自動車の情報を出力して処理を終了する。一方、いずれもが、あるいは、いずれか一方が計画遂行不能キャリアカーとなっているということを把握したら(ステップS4でYES)、ステップS6に移行する。
【0030】
図5のステップS4において、第1キャリアカーが計画遂行不能キャリアカーであると把握された場合の、以降の処理を説明する。例えば、図3の輸送計画の例では、第1キャリアカーであるキャリアカーA2の運行が遅れて計画遂行不能キャリアカーとなっており、13:00に出発できない場合を考える。
【0031】
図5のステップS6では、代替キャリアカーが存在するか否かを把握する。存在すると把握した場合は、ステップS8に移行する。図6では、計画遂行不能キャリアカーA2が14:00にしか出発できず、14:00よりも早く出発できる代替キャリアカーとして、輸送方面乙のキャリアカーX2(最大積載台数5台)が存在する場合を示している。
ステップS8では、指示対象キャリアカーと考慮対象キャリアカーを選定して、その出発予定時刻を決定する。まず、ステップS4で算出した計画遂行不能キャリアカーが出発可能な時刻と、代替キャリアカーが出発可能な時刻と、元の輸送計画通りに出発可能なキャリアカーの出発予定時刻とを比較する。比較の結果、所定の輸送方面への出発可能時刻が最も早いと判断したキャリアカーを指示対象キャリアカーとして選定して、出発予定時刻を決定する。図6の場合、ケース1では、計画遂行不能キャリアカーA2が出発可能な時刻が14:00であり、代替キャリアカーX2が出発可能な時刻が13:15であり、輸送計画通りに出発可能なキャリアカーB2の出発予定時刻が13:30である。よって、最先の出発可能時刻が13:15となり、その時刻に出発できる代替キャリアカーX2が指示対象キャリアカーに選定される。また、次に早い出発可能時刻が13:30となり、キャリアカーB2が考慮対象キャリアカーに選定される。一方、ケース2では、計画遂行不能キャリアカーA2が出発可能な時刻が14:00であり、代替キャリアカーX2が出発可能な時刻が13:45であり、輸送計画通りに出発可能なキャリアカーB2の出発予定時刻が13:30である。よって、最先の出発可能時刻が13:30となり、その時刻に出発できるキャリアカーB2が指示対象キャリアカーに選定される。また、次に早い出発可能時刻が13:45となり、キャリアカーX2が考慮対象キャリアカーに選定される。
一方、図5のステップS6で、計画遂行不能キャリアカーであるキャリアカーA2の代替キャリアカーが存在しないことを把握した場合は(ステップS6でNO)、ステップS10において、ステップS4で算出した計画遂行不能キャリアカーが出発可能な時刻と、元の輸送計画通りに出発可能なキャリアカーの出発予定時刻とを比較する。計画遂行不能キャリアカーA2が出発予定時刻13:00には出発できなくても、第2キャリアカーB2の出発予定時刻13:30よりも早く出発できる場合には(例えば13:20に出発できる場合)には、早く出発できるキャリアカーA2を指示対象キャリアカーに選定し、キャリアカーB2を考慮対象キャリアカーに選定する。計画遂行不能キャリアカーA2の出発可能時刻が、第2キャリアカーB2の出発予定時刻13:30よりも遅い場合には、早く出発できるキャリアカーB2を指示対象キャリアカーに選定し、キャリアカーA2を考慮対象キャリアカーに選定する。
指示対象キャリアカーと考慮対象キャリアカーが選定されると、ステップS12に移行し、後述する再割付け処理が行われる。
【0032】
次に、図5のステップS4において、第2キャリアカーが計画遂行不能キャリアカーであると把握された場合の、以降の処理を説明する。例えば、図3の輸送計画の例では、第1キャリアカーA2は計画通りに13:00に出発できるが、第2キャリアカーB2の運行が遅れて計画遂行不能キャリアカーとなっており、13:30には出発できない場合を考える。
【0033】
図5のステップS6では、代替キャリアカーが存在するか否かを把握する。存在すると把握した場合は、ステップS8に移行する。図7では、計画遂行不能キャリアカーであるキャリアカーB2が14:30にしか出発できず、14:30よりも早く出発できる代替キャリアカーとして、輸送方面乙のキャリアカーY2(最大積載台数5台)が存在する場合を示している。
ステップS8では、指示対象キャリアカーと考慮対象キャリカーを選定し、その出発予定時刻を決定する。まず、ステップS4で算出した計画遂行不能キャリアカーが出発可能な時刻と、代替キャリアカーが出発可能な時刻と、元の輸送計画通りに出発可能なキャリアカーの出発予定時刻とを比較する。比較の結果、出発可能時刻が最も早いと判断したキャリアカーを指示対象キャリアカーとして選定して、出発予定時刻を決定する。図7の場合、ケース1では、輸送計画通りに出発可能なキャリアカーA2の出発予定時刻が13:00であり、計画遂行不能キャリアカーB2が出発可能な時刻が14:30であり、代替キャリアカーY2が出発可能な時刻が13:30であり、輸送計画通りに出発可能なキャリアカーC2の出発予定時刻が14:00である。よって、最先の出発可能時刻が13:00となり、その時刻に出発できるキャリアカーA2が指示対象キャリアカーに選定される。また、次に早い出発可能時刻が13:30となり、キャリアカーY2が考慮対象キャリアカーに選定される。一方、ケース2では、輸送計画通りに出発可能なキャリアカーA2の出発予定時刻が13:00であり、計画遂行不能キャリアカーB2が出発可能な時刻14:30であり、代替キャリアカーY2が出発可能な時刻が14:15であり、輸送計画通りに出発可能なキャリアカーC2の出発予定時刻が14:00である。よって、最先の出発可能時刻が13:00となり、その時刻に出発できるキャリアカーA2が考慮対象キャリアカーに選定される。また、次に早い出発可能時刻が14:00となり、キャリアカーC2が考慮対象キャリアカーに選定される。
一方、図5のステップS6で、計画遂行不能キャリアカーであるキャリアカーB2の代替キャリアカーが存在しないことを把握した場合は(ステップS6でNO)、ステップS10において、ステップS4で算出した計画遂行不能キャリアカーが出発可能な時刻と、元の輸送計画通りに出発可能なキャリアカーの出発予定時刻とを比較する。計画遂行不能キャリアカーB2が出発予定時刻13:30には出発できなくても、キャリアカーC2の出発予定時刻14:00よりも早く出発できる場合には(例えば13:50に出発できる場合)には、最も早く出発できるキャリアカーA2を指示対象キャリアカーに選定し、キャリアカーB2を考慮対象キャリアカーに選定する。計画遂行不能キャリアカーB2の出発可能時刻が、キャリアカーC2の出発予定時刻14:00よりも遅い場合には、最も早く出発できるキャリアカーA2を指示対象キャリアカーに選定し、キャリアカーC2を考慮対象キャリアカーに選定する。
指示対象キャリアカーと考慮対象キャリアカーが選定されると、ステップS12に移行し、後述する再割付け処理が行われる。
【0034】
次に、図5のステップS4において、第1キャリアカーも第2キャリアカーも計画遂行不能キャリアカーであると把握された場合の、以降の処理を説明する。例えば、図3の輸送計画の例では、第1キャリアカーA2の運行が遅れて計画遂行不能キャリアカーとなっており、13:00に出発できず、また、第2キャリアカーB2の運行が遅れて計画遂行不能キャリアカーとなっており、13:30には出発できない場合を考える。
【0035】
図5のステップS6では、第1キャリアカーか第2キャリアカーの少なくともいずれか一方に代替キャリアカーが存在するか否かを把握する。存在すると把握した場合は、ステップS8に移行する。
ステップS8では、指示対象キャリアカーと考慮対象キャリカーを選定し、その出発予定時刻を決定する。まず、ステップS4で算出した計画遂行不能キャリアカー(キャリアカーA2、キャリアカーB2)が出発可能な時刻と、第1キャリアカー及び/又は第2キャリアカーの代替キャリアカーが出発可能な時刻と、元の輸送計画通りに出発可能なキャリアカー(キャリアカーC2以降のキャリアカー)の出発予定時刻とを比較する。比較の結果、出発可能時刻が最も早いと判断したキャリアカーを指示対象キャリアカーとして選定して、出発予定時刻を決定する。また、次に早い出発可能時刻のキャリアカーを考慮対象キャリアカーとして選定して、出発予定時刻を決定する。
一方、図5のステップS6で、計画遂行不能キャリアカーである第1キャリアカーと第2キャリアカーのいずれについても代替キャリアカーが存在しないことを把握した場合は(ステップS6でNO)、ステップS10において、ステップS4で算出した計画遂行不能キャリアカー(キャリアカーA2、キャリアカーB2)が出発可能な時刻と、元の輸送計画通りに出発可能なキャリアカー(キャリアカーC2以降のキャリアカー)の出発予定時刻とを比較する。比較の結果、最も早く出発できるキャリアカーを指示対象キャリアカーに選定して、出発予定時刻を決定する。また、その次に早く出発できるキャリアカーを考慮対象キャリアカーに選定して、出発予定時刻を決定する。
指示対象キャリアカーと考慮対象キャリアカーが選定されると、ステップS12に移行し、後述する再割付け処理が行われる。
【0036】
次に、図5のステップS12では、指示対象キャリアカーと考慮対象キャリアカーを対象として、積載する自動車群の再割付け処理を行う。
ステップS12の再割付け処理の詳細な手順を、図8に示す。まず、輸送計画(図3を参照)から、キャリアカーの運行が遅れているために輸送計画を修正する必要のある輸送方面に向けて輸送する必要がある自動車群(輸送を待っている自動車群)を、指示対象キャリアカーと考慮対象キャリアカーとに積載できる最大台数だけ抽出する(ステップS202)。この場合、出荷期限の順に抽出する。例えば、図9の場合、ケース1では、指示対象キャリアカーA2と、考慮対象キャリアカーY2とに積載できる最大台数の自動車を抽出した場合、ケース2では、指示対象キャリアカーA2と、考慮対象キャリアカーC2とに積載できる最大台数の自動車を抽出した場合を示している。この場合、輸送可能輸送物情報記憶部32の情報と、先出し可能時間情報記憶部34の情報を参照して、指示対象キャリアカーA2の出発予定時刻(13:00)では生産が完了していない自動車や先出しして輸送することができない自動車を、抽出対象から除外して保留しておく。図9では、生産が完了していない自動車や先出し輸送することができない自動車が存在せず、指示対象キャリアカーと考慮対象キャリアカーとの合計最大積載台数の自動車を全て抽出できた場合を例示している。
ステップS204では、輸送計画(図3を参照)に従って、考慮対象キャリカーの出発予定時刻で出荷していたのでは出荷期限を遵守できなくなってしまう自動車に、積載不可情報を付与する。図10のケース1では、考慮対象キャリアカーであるキャリアカーY2の出発予定時刻(13:30)より出荷期限が前の出荷順21、22、23の自動車をキャリアカーY2に積載していたのでは出荷期限が遵守できないため、この3台の自動車に積載不可情報が付与されている(網掛けパターンで識別されている)。ケース2では、考慮対象キャリアカーであるキャリカーC2の出発予定時刻(輸送計画通り14:00)より出荷期限が前の出荷順21から26までの自動車をキャリアカーC2に積載していたのでは出荷期限が遵守できないため、この6台の自動車に積載不可情報が付与されている。
ステップS206では、最大積載台数分の自動車を出荷順に、指示対象キャリアカーと考慮対象キャリアカーに割付けることが可能か否かが判断される。この場合、各キャリアカーの積合せパターンが勘案される(図4を参照)。例えば、図10に例示したように、ケース1では、キャリアカーA2に出荷順21から25までの自動車を割付け、キャリアカーY2に出荷順26から30までの自動車を割り付けられるか否かが判断される。また、ケース2では、キャリアカーA2に出荷順21から25までの自動車を割付け、キャリアカーC2に出荷順26から29までの自動車を割付けることが可能か否かが判断される。割付けが可能と判断された場合(ステップS206でYES)は、再割付け処理を終了する。一方、割付けが不可能と判断された場合(ステップS206でNO)は、ステップS208へ移行する。例えば、図10のケース1の場合において、積合せパターンの関係から、キャリアカーA2には出荷順21から25までの全ての自動車を積載できるが、キャリアカーY2には出荷順26から30までの全ての自動車を積載できない場合や、ケース2の場合において、同様にキャリアカーC2には出荷順26から29までの全ての自動車を積載できない場合が考えられる。
ステップS208では、ステップS206で判断された出荷順通りの割付けパターンを変更する。この場合、指示対象キャリアカーに割付ける自動車の台数が元の輸送計画で割付けられていた自動車の台数より少なくならないことを条件とする。元の輸送計画での割付けられていた台数よりも少ないと、輸送計画の最終段階でキャリアカーが不足したり輸送されない自動車が発生してしまうことが考えられるためである。例えば、図3の輸送計画の例では、指示対象キャリアカーであるキャリアカーA2には5台の自動車が割付けられていたため、割付けパターンの変更においてもキャリアカーA2には5台の自動車を割付けることとする。また、ステップS204で積載不可情報が付与された自動車については指示対象キャリアカーに積載し、考慮対象キャリアカーには積載しないことを原則とする。例えば、図10のケース1では、出荷順21から23までの自動車はキャリアカーA2に積載し、キャリアカーY2には積載しないこととする。したがって出荷順24から30の自動車が割付けの変更の対象となる。一方、ケース2では出荷順21から26までの自動車に積載不可情報が付与されているが、キャリアカーA2の最大積載台数は5台であるため、出荷順21から26までの全ての自動車をキャリアカーA2に積載することができない。したがってこの場合はやむを得ず、最後の出荷順26の自動車をキャリアカーC2に積載することとする。
割付けパターンの変更は、図4に例示した各キャリアカーの積合せパターンを勘案しながら、指示対象キャリアカーと考慮対象キャリアカーとに最大に積載できるようになるまで繰り返される(ステップS210)。例えば、図10のケース1に示した場合、キャリアカーY2に車種αを2台は積載することができないが、1台なら積載できるとする。この場合は図11のケース1の(a)のように、キャリアカーY2に割付けられていた車種αのうち早い出荷順28の自動車をキャリアカーAに割付け、代わりにキャリアカーA2に割付けられていた車種βのうち遅い出荷順25の自動車をキャリアカーY2に繰り下げるとする。しかしながら、キャリアカーAの最大積載パターン(図4を参照)より、キャリアカーA2に車種αを4台積載する場合は、それ以外に車種γを1台しか積載することができない。したがって、ケース1の(b)のように、キャリアカーY2に割付けられていた車種γのうち早い出荷順26の自動車をキャリアカーA2に割付け、代わりにキャリアカーA2に割付けられていた出荷順24の自動車(車種β)をキャリアカーY2に繰り下げる。キャリアカーY2の積合せパターンが、この割付けパターンを許容すれば、キャリアカーA2にもキャリアカーY2にもそれぞれ最大積載台数の自動車を積載することができることとなり、最適な割付けパターンとなる。一方、図10のケース2に示した例では、出荷順21から25までの自動車はキャリアカーA2に積載しなければならず、出荷順26の自動車はキャリアカーC2に積載しなければならないため、割付け変更の対象とはならない。したがってこの場合は、図11のケース2のように、指示対象キャリアカーと考慮対象キャリアカーとの間では自動車の割付けの変更が行われないこととなる。
このようにして指示対象キャリアカーと考慮対象キャリアカーとに割付ける自動車が決定されたら、再割付け処理を終了する。
【0037】
図5のステップS12において再割付け処理を終了したら、指示対象・考慮対象選定処理部54において変更したキャリアカーの情報とその出発予定時刻の情報、及び、輸送物群再割付け処理部56において割付けし直した自動車の情報を、輸送計画情報記憶部22に記憶する。これによって、元の輸送計画が修正されることとなる。
また、積載輸送物群指示部62おいて、指示対象キャリアカーに積載すべき自動車の情報を出力し(ステップS16)、出力された情報に基づいて積込み作業が行われる。
【0038】
以上のように指示処理時刻12:45での処理を終了し、自動車が積載された指示対象キャリアカーが輸送元を出発した後は、次の指示処理時刻おいて同様の処理を繰り返す。このときには、前の指示処理時刻12:45での処理において考慮対象キャリアカーとされたキャリアカーが第1キャリアカーとなり、かつ、指示対象キャリアカーとなる。
このようにして、全ての指示処理時刻での処理が終了すると、輸送計画で計画された輸送作業が終了することになる。
【0039】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
・本実施例では、輸送元を生産工場や中継拠点としていたが、これらに限るものではない。輸送物が出荷される場所であれば輸送元とすることができ、例えば、販売会社が有する倉庫等も輸送元とすることができる。
・本実施例では、輸送先を販売店としていたが、これに限るものではない。例えば、中継拠点等も輸送先として考えることができる。
・本実施例では、輸送物を自動車としていたが、これに限るものではない。積載効率が大きく問題となる製品であれば本発明に適用することができ、特に、プレハブ建物、自動販売機等の大型製品を好適に適用することができる。
・本実施例では、輸送用移動体をキャリアカーとしていたが、トラック、鉄道、船舶、航空機等、輸送物を運搬できるものであれば本発明に適用することができる。
また、本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、不測の事態により輸送計画を遂行できない輸送用移動体が発生した場合にも、輸送物の出荷期限を最も遵守し、かつ、輸送物の積載効率を最も高く維持するように輸送計画への修正を行い、このように修正した輸送計画に基づいて、輸送物の積載指示を行うことができる。
したがって、製品を購入した顧客の希望する納期の遵守、製品完成から納期までのリードタイムの短縮、長期の在庫の削減等ができ、顧客の確保維持と拡大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】輸送エリアとコンピュータネットワークの構成を示す図である。
【図2】積載輸送物群指示装置のハードウエア構成を示す図である。
【図3】輸送計画の一例を示す図である。
【図4】輸送用移動体情報の一例を示す図である。
【図5】キャリアカーに自動車群の積載を指示する処理の手順を示す図である。
【図6】代替キャリアカーの存在の有無の判断の一例を示す図である。
【図7】代替キャリアカーの存在の有無の判断の一例を示す図である。
【図8】再割付け処理の手順を示す図である。
【図9】自動車群の抽出の一例を示す図である。
【図10】積載不可情報を付与した一例を示す図である。
【図11】再割付けの一例を示す図である。
【符号の説明】
10:積載輸送物群指示装置、
22:輸送計画情報記憶部、
24:地図情報記憶部、
26:走行時間情報記憶部、
28:積込み作業時間情報記憶部、
30:輸送用移動体情報記憶部、
32:輸送可能輸送物情報記憶部、
34:先出し可能時間情報記憶部、
42:運行状況情報入力部、
52:出発可能時刻算出/代替探索処理部、
54:指示対象・考慮対象選定変更処理部、
56:輸送物群再割付け処理部、
62:積載輸送物群指示部
Claims (8)
- 輸送元を出発する輸送用移動体に積載する輸送物群を指示する装置であって、
輸送物群/出発予定時刻/輸送用移動体を対応付けた輸送計画を記憶している手段と、
輸送用移動体種類/輸送物群の積合せパターンを対応付けた輸送用移動体情報を記憶している手段と、
輸送用移動体の運行状況情報から、輸送用移動体が輸送元を出発可能となる時刻を算出する手段と、
積載する輸送物群を指示する処理を実施する時刻において、輸送計画上で最先の出発予定時刻を持つ第1輸送用移動体と次位の出発予定時刻を持つ第2輸送用移動体について算出された出発可能時刻を参照し、第1輸送用移動体と第2輸送用移動体のなかに出発予定時刻に出発できない計画遂行不能輸送用移動体があるときに、算出された出発可能時刻より前に出発可能な代替輸送用移動体を探索する手段と、
計画遂行不能輸送用移動体の出発可能時刻と、代替輸送用移動体の出発可能時刻と、輸送計画通りに出発可能な輸送用移動体の出発予定時刻のうちで最先出発時刻を持つ輸送用移動体を指示対象輸送用移動体とし、次位の出発時刻を持つ輸送用移動体を考慮対象輸送用移動体とする選定手段と、
輸送待ち輸送物群のなかから、前記指示対象輸送用移動体と考慮対象輸送用移動体に最大に積載できる輸送物群の積合せパターンに従って、指示対象輸送用移動体に積載する輸送物群を割付けて指示する手段と、
を備えることを特徴とする積載輸送物群指示装置。 - 代替輸送用移動体を探索できないとき、指示対象輸送用移動体と考慮対象輸送用移動体の選定手段が、計画遂行不能輸送用移動体の出発可能時刻と、輸送計画通りに出発可能な輸送用移動体の出発予定時刻のうちで最先出発時刻を持つ輸送用移動体を指示対象輸送用移動体とし、次位の出発時刻を持つ輸送用移動体を考慮対象輸送用移動体とすることを特徴とする請求項1の積載輸送物群指示装置。
- 輸送用移動体の運行状況情報が、各輸送先から送信される各輸送用移動体の出発情報、及び/又は、各輸送用移動体から送信される位置情報であることを特徴とする請求項1又は2の積載輸送物群指示装置。
- 輸送計画には輸送物の出荷期限が対応付けられており、
指示対象輸送用移動体に積載する輸送物群を割付けて指示する手段は、輸送待ち輸送物群のなかから、輸送物の出荷期限の順に輸送物を抽出することを特徴とする請求項1から3のいずれかの積載輸送物群指示装置。 - 輸送計画には輸送物の出荷期限が対応付けられており、
指示対象輸送用移動体に積載する輸送物群を割付けて指示する手段は、輸送物の出荷期限を遵守するという条件下で、輸送物群を割付けることを特徴とする請求項1から4のいずれかの積載輸送物群指示装置。 - 輸送計画には、輸送方面/輸送用移動体の関係が定められており、輸送方面を同じくする輸送用移動体のなかで一連の処理をすることを特徴とする請求項1から5のいずれかの積載輸送物群指示装置。
- 輸送元を出発する輸送用移動体に積載する輸送物群を指示する方法であって、
コンピュータによって、輸送物群/出発予定時刻/輸送用移動体を対応付けた輸送計画を読み取る工程と、
コンピュータによって、輸送用移動体の運行状況情報から、各輸送用移動体が前記輸送元を出発可能となる時刻を算出する工程と、
コンピュータによって、積載する輸送物群を指示する処理を実施する時刻において、輸送計画上で最先の出発予定時刻を持つ第1輸送用移動体と次位の出発予定時刻を持つ第2輸送用移動体の出発可能時刻を参照し、第1輸送用移動体と第2輸送用移動体のなかに出発予定時刻に出発できない計画遂行不能輸送用移動体があるときに、算出された出発可能時刻よりも前に出発可能な代替輸送用移動体を探索する工程と、
コンピュータによって、計画遂行不能輸送用移動体の出発可能時刻と、代替輸送用移動体の出発可能時刻と、輸送計画通りに出発可能な輸送用移動体の出発予定時刻のなかから、最先出発時刻を持つ輸送用移動体を指示対象輸送用移動体とし、次位の出発時刻を持つ輸送用移動体を考慮対象輸送用移動体に選定する工程と、
コンピュータによって、輸送待ち輸送物群のなかから、前記指示対象輸送用移動体と考慮対象輸送用移動体に最大に積載できる輸送物群の積合せパターンに従って、指示対象輸送用移動体に積載する輸送物群を割付けて指示する工程と、
を実行することを特徴とする積載輸送物群指示方法。 - 輸送元を出発する輸送用移動体に積載する輸送物群を指示するためのプログラムであって、コンピュータに下記の工程、即ち、
輸送物群/出発予定時刻/輸送用移動体を対応付けた輸送計画を読み取る工程と、
輸送用移動体の運行状況情報から、各輸送用移動体が前記輸送元を出発可能となる時刻を算出する工程と、
積載する輸送物群を指示する処理を実施する時刻において、輸送計画上で最先の出発予定時刻を持つ第1輸送用移動体と次位の出発予定時刻を持つ第2輸送用移動体の出発可能時刻を参照し、第1輸送用移動体と第2輸送用移動体のなかに出発予定時刻に出発できない計画遂行不能輸送用移動体があるときに、算出された出発可能時刻よりも前に出発可能な代替輸送用移動体を探索する工程と、
計画遂行不能輸送用移動体の出発可能時刻と、代替輸送用移動体の出発可能時刻と、輸送計画通りに出発可能な輸送用移動体の出発予定時刻のなかから、最先出発時刻を持つ輸送用移動体を指示対象輸送用移動体とし、次位の出発時刻を持つ輸送用移動体を考慮対象輸送用移動体に選定する工程と、
輸送待ち輸送物群のなかから、前記指示対象輸送用移動体と考慮対象輸送用移動体に最大に積載できる輸送物群の積合せパターンに従って、指示対象輸送用移動体に積載する輸送物群を割付けて指示する工程と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
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JP2002355888A JP2004189349A (ja) | 2002-12-06 | 2002-12-06 | 積載輸送物群指示装置と指示方法とそのためのプログラム |
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Publications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009227380A (ja) * | 2008-03-21 | 2009-10-08 | Fujitsu Ltd | 荷物管理プログラム及び荷物管理装置 |
CN111158357A (zh) * | 2018-10-19 | 2020-05-15 | 株式会社日立产机系统 | 位置检测装置及具有该装置的移动体 |
CN111476592A (zh) * | 2019-01-23 | 2020-07-31 | 丰田自动车株式会社 | 信息处理装置、车辆管理系统及信息处理方法 |
-
2002
- 2002-12-06 JP JP2002355888A patent/JP2004189349A/ja active Pending
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