JP2004188049A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】専用鍵Kの操作に応じて作動する可動片32を有する鍵ユニット30と、その鍵ユニット30が差し込まれる鍵取付穴20a,21aと、その鍵取付穴20a,21aに差し込まれた鍵ユニット30の可動片32に係合する機構板20とを備え、作業者は、専用鍵Kを操作して鍵ユニット30の可動片32を作動させることにより、鍵取付穴20a,21aに差し込まれた鍵ユニット30の可動片32と機構板20の外縁部20bとの係合を解除して鍵ユニット30を取出することができる。よって、パチンコ機1の廃棄時に鍵ユニット30を容易に取出してリサイクルすることができ、鍵ユニットに要するコストを低減して不正行為に対する防犯性を低コストで高めることができる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ機やスロットマシンに代表される遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にパチンコ機等の遊技機は、遊技の制御を行う主制御基板、賞球や貸球の払い出し制御を行う払出制御基板、及び、賞球や貸球を払い出す払出装置のほか多数の部品により構成されている。この遊技機においては、各構成部品が故障した場合や、部品点検時の作業性等を考慮して、各構成部品が遊技機本体から取り外し可能に設けられている。
【0003】
遊技機の構成部品のうち主制御基板や払出制御基板などは、簡易に取り外されると不正基板への交換による不正行為が簡単に行われてしまうので、特定の基板は、施錠装置で施錠された基板ボックス内に収容するなど、部品の取り外しが制限されている。また、構成部品のうち遊技盤に設けられる入賞装置や釘などは、遊技者に触れられると不正行為が簡単に行われてしまうので、その不正を防止するために遊技盤の前面を覆うガラス扉枠や前面枠が施錠され、専用の鍵を所持する店員等しか触れられないように構成されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−301251号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、不正行為が行われ得る部品に対して施錠装置を増設するほど、防犯性は高められるものの遊技機の製造コストが増大してしまうという問題点があった。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、不正行為に対する防犯性を低コストで高めることができる遊技機を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、本体部材とその本体部材に支持されると共に特定の操作部材による操作に応じて作動する可動片とを有する鍵ユニットと、その鍵ユニットの可動片を差し込み可能に形成された差込口と、その差込口に差し込まれる前記鍵ユニットの可動片に係合して前記鍵ユニットの移動を規制する規制部とを備えている。
【0008】
請求項1記載の遊技機によれば、鍵ユニットの可動片に規制部が係合した状態においては、鍵ユニットは、その移動が規制部に規制されることにより、遊技機に装着される。遊技機に装着された鍵ユニットを遊技機から取り外す作業者は、差込口に差し込まれた状態の鍵ユニットに対して特定の操作部材を操作し、鍵ユニットの可動片と規制部との係合を解除する。その可動片と規制部との係合が解除されることにより鍵ユニットの移動の規制は解除され、鍵ユニットは、差込口から取出される。
【0009】
一方、鍵ユニットを遊技機に装着する作業者は、差込口に鍵ユニットを差し込みつつ特定の操作部材を操作し、鍵ユニットの可動片を規制部に係合させる。鍵ユニットの可動片が規制部に係合することにより鍵ユニットの移動は規制され、鍵ユニットは、遊技機に装着される。
【0010】
【発明の効果】本発明の遊技機によれば、鍵ユニットの可動片に規制部が係合して鍵ユニットの移動が規制されるので、可動片を作動させる特定の操作部材を操作して遊技機へ鍵ユニットを装着することができ、また特定の操作部材を操作して遊技機から鍵ユニットを取出することができる。このため、遊技機の廃棄時には、遊技機から鍵ユニットを容易に取出してリサイクルすることができ、1の鍵ユニットを複数の遊技機に繰り返して使用して鍵ユニットに要するコストを低減することができる。よって、不正行為に対する防犯性を低コストで高めることができるという効果がある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機や他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0012】
図1は、本実施例におけるパチンコ機1の正面図である。パチンコ機1の前面には前面枠2が配設されており、その略中央部分には略矩形状の開口2aが穿設され、かかる開口2aの内周には金枠3が周設されている。この金枠3の内側の上方には、2枚のガラス板が装着されたガラス扉枠4が開閉可能に配設されており、ガラス扉枠4の後方に遊技盤5が配置されている。
【0013】
遊技盤5の前面には略円弧状の外レール6が植立され、その外レール6の内側位置には円弧状の内レール7が植立されている。この内レール7と外レール6とにより囲まれた遊技盤5の前面には、球が打ち込まれる遊技領域8が形成されており、その遊技領域8の周囲には、1の球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の入賞口9が配設されている。遊技領域8の略中央部分には、複数種類の識別情報としての図柄などを変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す)10を備えた可変表示装置11が配設されている。なお、LCD10に代えて、例えば、リール等を用いて可変表示装置を構成するようにしても良い。
【0014】
可変表示装置11の下方には、図柄作動口(第1種始動口)12が配設されている。この図柄作動口12へ球が入賞すると、第1種始動口スイッチがオンして、上述したLCD10で変動表示が開始されると共に、5個の球が賞球として払い出される。また、図柄作動口12の下方には可変入賞装置13が配設されており、その略中央部分に特定入賞口(大入賞口)13aが設けられている。この特定入賞口13aは、LCD10の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に大当たりとなって、球が入賞し易いように所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が所定個数10個入賞するまで)開放される入賞口である。
【0015】
この特定入賞口13a内には、Vゾーン13bが設けられており、特定入賞口13aの開放中に、球がVゾーン13bを通過すると、継続権が成立して、特定入賞口13aの閉鎖後、再度、その特定入賞口13aが所定時間開放される。この特定入賞口13aの開閉動作は、最高で16回(16ラウンド)繰り返し可能にされており、開閉動作の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態)である。
【0016】
尚、第3種パチンコ遊技機において所定の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態)とは、LCD10の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、特定入賞口が所定時間開放されることをいう。この特定入賞口の開放中に、球がその特定入賞口内へ入賞すると、特定入賞口とは別に設けられた大入賞口が所定時間、所定回数開放される。
【0017】
かかる可変入賞装置13の下方であって、遊技領域8の最下方には、いずれの入賞口にも入賞しなかった球を遊技領域8外へ排出するためのアウト口14が形成されている。
【0018】
アウト口14の下方、即ちガラス扉枠4の下方には、金枠3に開閉可能に取着された前面扉板(腰板)15が配設されている。この前面扉板15の前面(図1の紙面垂直方向手前側)には、球を貯留すると共に球発射装置(図示せず)へ球を供給するための上皿16が配設され、その上皿16の下方であって、前面枠2の下側部分には上皿16に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿17が配設されている。下皿17の右側には、球を遊技領域8へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル18が配設され、かかる操作ハンドル18の内部には球発射装置の発射用モータを駆動させるためのハンドルスイッチ18aが内蔵されている。
【0019】
次に、図2から図4を参照して、パチンコ機1の背面に配設される構成部品について説明する。図2は、パチンコ機1の背面図であり、図3は、図2のIII−III線における断面図である。図4は、パチンコ機1の背面に配設される基板カバー21を施錠するための鍵ユニット30を示しており、図4(a)は、施錠状態における鍵ユニット30の斜視図であり、図4(b)は、解錠状態における鍵ユニット30の斜視図である。なお、図3においては、図面の理解を容易にするために、制御基板の取付構造に関する主要な部材のみを示すと共に主制御基板Cを簡略化して示し、又、鍵ユニット30を断面視しないで示している。
【0020】
パチンコ機1の背面には、図2に示すように、遊技の制御やパチンコ機1の構成部品を制御する複数の制御基板C,D,H,S,Eが配設されている。これら制御基板C,D,H,S,Eには、不当な利益を得る目的で不正基板へ交換されるものがあり、この不正行為を防止するために各制御基板C,D,H,S,Eを覆う2つのカバー(基板カバー21及び電源カバー23)が鍵ユニット30,40により開放不能に施錠されている。このため、施錠された鍵ユニット30,40を解錠可能な専用鍵Kを有する者のみが各制御基板C,D,H,S,Eに触れることができ、不正基板への交換による不正行為を防止する構造となっている。
【0021】
このパチンコ機1の背面には、図2に示すように、略平板状の機構板20が図示しないヒンジ部材を介して前面枠2に開閉自在に軸支されている。この機構板20には、パチンコ機1の背面に取着される各制御基板C,D,H,S,Eや払出装置などの構成部品がビス等により固定されており、各構成部品は必要に応じて着脱可能とされている。この機構板20の略中央部には、背面視略矩形状に形成されると共に前面側が開放された箱状の基板カバー21が配設されており(図3参照)、この基板カバー21は、通常時には、鍵ユニット30により施錠された状態となっている。
【0022】
ここで、図4を参照して、本実施例のパチンコ機1に使用される鍵ユニット30について説明する。鍵ユニット30は、基板カバー21を施錠して基板カバー21の開放方向への移動を規制するものであり、図4(a)に示すように、一端側に鍵穴31aが設けられた筒状の本体部材31と、その本体部材31の背面側に配置され本体部材31に回動可能に支持される可動片32とを備えている。
【0023】
鍵ユニット30の本体部材31は、図4(a)に示すように、筒状に形成されると共に、その前面側の端面(鍵穴形成壁31d)に鍵穴31aが穿設されたものである。この本体部材31の前面側の外周面は、鍵穴31a正面視において略円形に形成されている。また、鍵穴31aから離間した背面側の外周面は、前面側の円形断面を平行な2辺で切り欠いた略小判形の断面形状に形成されており、本体部材31の前面側に左右両側に突設した突出部31bが形成されている。
【0024】
本体部材31の突出部31bは、施錠の対象とする相手部品に係合し、その相手部品が本体部材31(鍵ユニット30)の前面側へ相対的に移動することを規制するための部位である。パチンコ機1においては、この突出部31bに基板カバー21が係合可能に形成され、基板カバー21が鍵ユニット30の前面側へ相対的に移動することが突出部31bに規制される(図3参照)。
【0025】
本体部材31の背面側には、円筒の両端側を平滑な平面で切り欠いて形成された切り欠き部31cが設けられている。この切り欠き部31cは、相手部品に本体部材31が差し込まれた状態において本体部材31の回動を阻止させるための部位である。パチンコ機1においては、基板カバー21及び機構板20の鍵取付穴20a,21aに差し込まれた状態における本体部材31の回動は、その鍵取付穴20a,21aの一部が本体部材31の切り欠き部31cに当接することにより規制される。
【0026】
本体部材31の内部には、鍵穴31aの軸方向に沿った円筒状の空間が形成されており、鍵穴31aは、その空間を形成する前面側の壁(鍵穴形成壁31d)に穿設されている。鍵穴31aの中へ専用鍵Kの先端部が挿入されてから専用鍵Kが回動されると、専用鍵Kの先端部が鍵穴形成壁31dに係合し、その専用鍵Kが本体部材31から抜き出し不能となる。この係合は、図4(a)に示すように、下方に突出して形成された専用鍵Kの先端部が、鍵穴形成壁31dの内側で回転した後に鍵穴形成壁31dの内側に係合することにより行われる(図4(b)参照)。
【0027】
なお、専用鍵Kの先端部は、必ずしも一方に突出して形成される必要はなく、差込方向に沿って起伏して形成されていれば良い。鍵穴に差し込まれた専用鍵が回動した時に、その起伏の凹みに対応した位置に嵌合される突部を本体部材に設けることにより、専用鍵Kの先端部を鍵ユニットの本体部材に係合させて抜き出し不能な状態を形成することができる。
【0028】
専用鍵Kの回動後、専用鍵Kと鍵穴31aとの相対位置が専用鍵Kの挿入時と一致した場合(例えば、専用鍵Kの挿入後に一方に回動させた分だけ逆方向に回動させた場合)には、専用鍵Kの先端部の突出方向が、鍵穴形成壁31dの鍵穴31aの長手方向(図3の上下方向)に一致し、専用鍵Kは鍵穴31aから抜き出し可能となる。
【0029】
鍵ユニット30の可動片32は、図4(a)に示すように、本体部材31に対して鍵穴31aの反対側に配設されており、鍵穴31aに挿入した専用鍵Kを回動操作することにより本体部材31に対して回動する。この可動片32は、図4(b)に示す状態(解錠状態)において隣接する本体部材31の一部分と略同一の外周面形状に形成されている。具体的には、図4(b)に示すように、可動片32とその可動片32に隣接する本体部材31の一部分の外周面形状は、可動片32の回転軸(回転中心)に対して上下方向に突出した両端部32aによって形成される外周面と、その両端部32aの外周面より可動片32の回転軸に近接した外周面であって本体部材31の切り欠き部31cに連続して形成される外周面とを備えている。専用鍵Kの回動操作に連動して可動片32が回動した場合には、鍵穴31aの軸方向視において、可動片32の両端部32aは、その両端部32aの外周面より可動片32の回転軸に近接した外周面を形成する本体部材31の切り欠き部31cより外側に突出する。
【0030】
この可動片32の両端部32aは、施錠の対象とする相手部品であって本体部材31の突出部31bが係合する部品とは異なる部品に係合し、その相手部品に対して鍵ユニット30が前面側(鍵穴31a側)へ相対的に移動することを規制するものである。また、可動片32の両端部32aは、専用鍵Kの回動操作により鍵穴31aの軸方向視において隣接する本体部材31と一致する場合に、施錠対象とする相手部品との係合を解除する。つまり、可動片32の両端部32aは、専用鍵Kの操作に連動して相手部品との係合状態を変化させ、鍵ユニット30の施錠状態及び解錠状態を形成するものである。パチンコ機1においては、可動片32の両端部32aには機構板20に穿設される鍵取付穴20aの外縁部20bが係合する(図3参照)。
【0031】
また、可動片32は、連結軸を介して本体部材31の内部に配設される回動部材32bと連結されている。この回動部材32bには、鍵穴31aの正面視において鍵穴31aと略同一の大きさに形成された穴(図示せず)が穿設されており、図4(a)に示す施錠状態においては、その穴が鍵穴31aに連続して専用鍵Kを出入可能な状態とする。一方、施錠状態から専用鍵Kを回動操作して回動部材32bが回動され、回動部材32bの穴と鍵穴31aとの位置がずれると、専用鍵Kの先端部が本体部材31の鍵穴形成壁31dに係合し、その専用鍵Kが本体部材31から抜き出し不能となる。即ち、鍵ユニット30を施錠状態としなければ鍵穴31aから専用鍵Kを抜き出すことができず、施錠操作を行う作業者は、専用鍵Kに鍵ユニット30が一体化されているか否かに基づいて施錠状態を一見して判断することができる。
【0032】
なお、可動片32に連結される回動部材32bは、一般的な鍵ユニット(施錠装置)と同一の構造を有して専用鍵Kの回動操作を可能とするものであれば良い。例えば、回動部材32bは、鍵穴31aに挿入される鍵が予め定めた所定の凹凸形状に形成された先端部を有する専用鍵Kである場合にのみ回動し、先端部の形状が所定の凹凸形状とは異なる鍵によっては回動部材32bの回動が阻止されるものであっても良く、又は電磁的に予め対応付けされた専用鍵に対してのみ回動し、対応付けされていない他の鍵に対しては回動が阻止されるものであっても良い。また、可動片32の突出部32aは、必ずしも本体部材に対して可動片32を回動させて切り欠き部31cより外側に突出させる必要はなく、本体部材によって可動片をスライド移動可能に支持し、専用鍵の操作に応じて鍵ユニットの外周面から可動片を突出させて鍵ユニットの施錠状態を形成するものであっても良い。
【0033】
次に、図2及び図3を参照して、鍵ユニット30により施錠される部材について説明する。鍵ユニット30に施錠される基板カバー21は、複数の制御基板C,D,H,Sを被包してパチンコ機1の背面側からの球の衝突などによる部品の損傷を防止すると共に、その一端部に設けられる鍵取付穴21aに鍵ユニット30が差し込まれて施錠された場合に開放不能となって内包する制御基板C,D,H,Sへの不正行為を防止するための部材である。
【0034】
この基板カバー21は、図3に示すように、機構板20と共に密閉された収容空間21bを形成し、その収容空間21b内には、遊技に関する制御プログラムやデータを記憶した制御用ROM等の電子部品を搭載する主制御基板Cが配設されている。また、収容空間21b内には、主制御基板Cの他に、主制御基板Cから出力される制御用コマンドに従って遊技に関する制御を行う複数の制御基板H,D,Sが配設されている(図2参照)。
【0035】
この基板カバー21は、図2に示すように、その背面視右側端部に設けられた上下一対の軸21cによって機構板20に揺動可能に軸支されている。また、基板カバー21の背面視左側端部には、上下方向に沿った略中央部が左方へ部分的に突出して形成されており、その突出した部位に鍵取付穴21aが穿設されている。
【0036】
鍵取付穴21aは、背面視略円形状に穿設されており、その内側には、専用鍵Kによって施解錠の操作が行われる鍵ユニット30が配置されている。この鍵ユニット30が施錠状態(図3に示す状態)にある場合には、鍵ユニット30の差し込み方向(図3の上方)に沿った両端部において左右両側に突出した部位(本体部材31の突出部31b及び可動片32の両端部32a)により機構板20と基板カバー21とが挟持され、機構板20に対する基板カバー21の開放方向(図3の下方)への移動が規制される。
【0037】
基板カバー21の鍵取付穴21aは、鍵ユニット30が差し込まれる部位であり、鍵ユニット30(本体部材31)の外周面と略同一形状に形成されている。具体的には、鍵ユニット30の入口側(図3の下側)の外周面を形成する第1外周面21a1と、第1外周面21a1より小形に形成されて鍵ユニット30の差し込み方向に沿った奥側の外周面を形成する第2外周面21a2と、第1外周面と21a1と第2外周面21a2との間に形成される段差面21a3とを備えている。
【0038】
第1外周面21a1は、鍵取付穴21aに差し込まれた鍵ユニット30がパチンコ機1の背面側(図3の下側)へ突出する量を低減させるための部位である。この第1外周面21a1は、鍵取付穴21aの軸方向視において略円形状に形成されており、鍵ユニット30の本体部材31の端部が突出しないように、鍵ユニット30の鍵穴31aが穿設された端面と鍵取付穴21aの入口とがほぼ一致する位置まで延設されている。よって、鍵取付穴21aに差し込まれた鍵ユニット30がパチンコ機1の背面に突出して邪魔になることが無く、整然と鍵ユニット30を鍵取付穴21a内へ収容することができる。
【0039】
なお、第1外周面21a1は、必ずしも鍵ユニット30の鍵穴31aが穿設された端面とほぼ一致する位置まで延設される必要はなく、更に長く延設されていても良い。つまり、鍵ユニット30がパチンコ機1に装着された状態においては、鍵取付穴21aの入口より窪んだ奥側に鍵ユニット30の鍵穴31aが穿設された端面が配置されても良い。鍵ユニット30を外部から触れ難い状態にすることができ、鍵ユニット30を不正に解錠しようとする不正行為に対する防犯性を高めることができる。また、第1外周面21a1を鍵ユニット30の鍵穴31aが穿設された端面より短く形成し、鍵ユニット30がパチンコ機1に装着された状態においては、鍵ユニット30がパチンコ機1の背面側に突出するようにしても良い。鍵取付穴21aに鍵ユニット30が差し込まれた状態であるか否かを一見して判断することができ、施錠のし忘れを効果的に防止することができる。
【0040】
第2外周面21a2は、鍵取付穴21aに差し込まれた鍵ユニット30の回動を規制させるための部位であり、鍵ユニット30(本体部材31)の切り欠き部31cに係合可能に、略小判形の断面形状に形成されている。第2外周面21a2内に鍵ユニット30が差し込まれると、本体部材31の切り欠き部31cに第2外周面21a2が係合し、鍵ユニット30(本体部材31)の回動が規制される。よって、第2外周面21a2に差し込まれた鍵ユニット30の施解錠時には、専用鍵Kを回動操作しても鍵ユニット30の本体部材31が連動することがなく、施解錠の操作をより簡易に行うことができる。なお、鍵ユニット30の回動を、必ずしも鍵ユニット30の本体部材31の外周面と略同一に形成した第2外周面21a2で規制させる必要はなく、本体部材31の外形より大きく形成した鍵取付穴から1以上のリブ又は突起を本体部材31の切り欠き部31cに当接させても良い。
【0041】
段差面21a3は、鍵ユニット30が施錠された状態において鍵ユニット30の本体部材31(突出部31b)に当接し、基板カバー21の開放方向への移動を規制させるための部位である。図3に示すように、機構板20に対して基板カバー21が閉鎖された状態においては、段差面21a3から、可動片32の両端部32aに当接する機構板20の外面までの離間距離Lが、可動片32の両端部32aと本体部材31の突出部31bとの距離(隙間)より僅かに小さくなるように設定されている。よって、基板カバー21と機構板20とを可動片32の両端部32aと本体部材31の突出部31bとの間に挟持することができ、基板カバー21の開放方向への移動を規制することができる。
【0042】
機構板20には、基板カバー21に設けられる鍵取付穴21aの第2外周面21a2に連続して略同一外形に形成されると共に、鍵ユニット30の差し込み方向に沿った奥側の外周面を形成する鍵取付穴20aが設けられている。鍵ユニット30が施錠状態である場合には、この鍵取付穴20aの外周縁を形成する外縁部20bの外面側(図3の上側)に可動片32の両端部32aが係合して、鍵ユニット30の抜き出し方向への移動が規制される。また、その鍵ユニット30の移動規制に従って基板カバー21は機構板20に対する開放方向への移動が規制される。
【0043】
一方、鍵ユニット30が解錠状態である場合には、機構板20に設けられる鍵取付穴20aの外縁部20bから突出していた可動片32の両端部32aが鍵取付穴20a内に配置されることにより、鍵取付穴20aの外縁部20bと可動片32の両端部32aとの係合が解除されて、鍵ユニット30の抜き出し方向への移動規制が解除される。また、その鍵ユニット30の移動規制の解除に従って基板カバー21は機構板20に対して開放可能な状態となる。
【0044】
基板カバー21によって形成される収容空間21bの右側端部には、図3に示すように、鋼線を巻回して形成されたスプリング22が機構板20に軸支されている。このスプリング22は、その一端部22aが機構板20に支持されると共に、他端部22bが基板カバー21に支持されており、機構板20に対して基板カバー21を開放方向へ向けて押圧する付勢力がスプリング22により付与される。鍵ユニット30による施錠が解除された場合には、基板カバー21の開放方向への移動規制が解除され、スプリング22の付勢力により基板カバー21が開放する。なお、スプリング22は、必ずしも開放方向へ押圧する付勢力を付与するものである必要は無く、基板カバー21を閉鎖する方向にスプリングの付勢力が付与されるように構成しても良く、コストを低減するためにスプリングを省略した構造としても良い。
【0045】
基板カバー21の内側には、図2に示すように、大当たり及び演出内容の抽選や各入賞口への入賞に基づく賞球の払出指示を実行するなど遊技の制御を行う主制御基板Cが配設されている。また、主制御基板Cから出力される制御用コマンドに基づいて払出モータの駆動を制御し賞球や貸球の払出制御を行う払出制御基板Hと、前記した図柄の変動表示の制御を行う表示用制御基板Dと、スピーカから出力される効果音の音声制御及びLEDや各種ランプの点灯制御を行う音声及びランプ制御基板Sとが配設されている。
【0046】
主制御基板Cは、払出制御基板H及び表示用制御基板Dに接続されており、主制御基板Cが出力するコマンドに従って各制御基板H,Dがそれぞれに接続される機器を制御する。また、表示用制御基板Dは、音声及びランプ制御基板Sに接続されており、表示用制御基板Dが出力するコマンドに従って音声及びランプ制御基板Sが効果音及び各種ランプを制御する。これら制御基板C,H,D,Sは、個別に設けられた樹脂製の基板ボックス内に固設されており、各基板ボックスが機構板20に複数のビスで着脱可能に固定される。
【0047】
パチンコ機1の背面視における右側上部には、図2に示すように、電源カバー23が配設されており、その電源カバー23の内部には、電源基板Eが収容されている。この電源基板Eは、パチンコ機Pの各部に電力を供給させるための基板である。また、電源基板Eは、停電の発生時に停電信号を主制御基板C及び払出制御基板Hに出力すると共に停電後にも各制御基板C,Hに電力を一定時間供給するものである。
【0048】
電源カバー23は、機構板20と共に収容空間を形成して、その収容空間内に電源基板Eを被包するための部材であり、図2に示すように、背面視略矩形状に形成されている。電源カバー23の左側上部には、背面視略円形状の鍵取付穴23aが穿設されており、この鍵取付穴23aには、専用鍵Kによって施解錠の操作が行われる鍵ユニット40が嵌合されている。鍵ユニット40が施錠状態である場合に電源カバー23の開放方向への移動が規制され、鍵ユニット40が解錠されると、電源カバー23は、パチンコ機1の背面側へスライドして機構板20から離脱し、電源基板Eが露出される。
【0049】
このように、電源基板Eを電源カバー23で施錠することにより電源基板Eへの不正行為を防止することができる。即ち、電源基板Eから主制御基板C又は払出制御基板Hへ不正な信号を出力する不正な基板を設けることにより、主制御基板C又は払出制御基板Hを誤作動させて、不当な利益を得ようとする不正行為に対する防犯性を高めることができる。なお、鍵ユニット40は、鍵ユニット30と同一外形に形成されたものであり、また、電源カバー23と機構板20とが鍵ユニット40により施錠される構造は、基板カバー21と機構板20とが鍵ユニット30により施錠される構造と同一であるため、その説明を省略する。
【0050】
次に、図3及び図4を参照して、部品の点検時や交換時における基板カバー21の開閉操作について説明する。なお、電源カバー23の施解錠の操作については、基板カバー21の施解錠の操作とほぼ同一であるためその説明を省略する。
【0051】
図3に示すように、鍵ユニット30による施錠によって閉鎖された基板カバー21を開放する場合には、作業者は、専用鍵Kの先端部を鍵穴31aに挿入し、時計回り方向に専用鍵Kを略90度回動する。作業者の操作により専用鍵Kが回動操作されると、専用鍵Kの回動に連動して本体部材31の内部に配設される回動部材32bが回動し、その回動部材32bに連結される可動片32が回動する。図4(a)に示す施錠状態から可動片32が回動するに従って、本体部材31の切り欠き部31cより外方に突出していた可動片32の両端部32aが本体部材31の切り欠き部31cより内側に次第に収められ、可動片32が略90度回動すると可動片32の両端部32aは本体部材31の切り欠き部31cより内側に完全に収められて解錠状態(図4(b)の状態)となる。鍵ユニット30が解錠されると、可動片32の両端部32aが機構板20の鍵取付穴20a内に挿通可能に配置されて、可動片32と機構板20との係合が解除される。
【0052】
可動片32と機構板20との係合を解除した後、作業者は、片方の手で基板カバー21を支持しつつ、他方の手で専用鍵Kを基板カバー21の鍵取付穴21aから離間させる。専用鍵Kの先端部は、鍵穴形成壁31dに係合されて鍵ユニット30からの専用鍵Kの抜き出しが阻止されており、専用鍵Kと共に鍵ユニット30が鍵取付穴20a,21aから取出される。よって、作業者は、わざわざ鍵ユニット30を鍵取付穴20a,21aから単体で取出する必要がなく、鍵ユニット30を容易に鍵取付穴20a,21aから取出することができる。
【0053】
作業者が基板カバー21から手を離すと、スプリング22の作用により、機構板20から基板カバー21が離間して、基板カバー21の収容空間21bに内包されていた各制御基板C,D,S,Hが外部に露出される。このスプリング22の作用により基板カバー21が開放された状態は、基板カバー21を施錠するまで継続されるので、各制御基板C,D,S,Hの点検などの後に施錠がなされていないことを作業者は一見して認識することができ、施錠のし忘れを防止することができる。
【0054】
一方、鍵ユニット30を施錠操作して基板カバー21を施錠状態にする場合には、作業者は、スプリング22の作用により開放状態にある基板カバー21を片方の手で押圧して基板カバー21と機構板20とを密着させる。基板カバー21と機構板20とを密着させると、図3に示すように、基板カバー21の鍵取付穴21aと機構板20の鍵取付穴20aとが連続した鍵取付穴20a,21aが形成される。
【0055】
次に、作業者は、その連続形成された鍵取付穴20a,21aに向けて専用鍵Kを操作しつつ解錠状態(図4(b)の状態)の鍵ユニット30を差し込み、鍵取付穴21aの段差面21a3と、鍵ユニット30の本体部材31の突出部31bとが当接する位置に配置し、専用鍵Kを反時計回りに略90度回動操作する。作業者により専用鍵Kが回動操作されると、専用鍵Kの回動に連動して鍵ユニット30の回動部材32bが回動し、その回動部材32bに連結される可動片32も回動する。
【0056】
図4(b)に示す解錠状態から可動片32が回動するに従って、本体部材31の切り欠き部31より外方に可動片32の両端部32aが次第に突出し、可動片32が略90度回動すると可動片32の両端部32aが本体部材31の切り欠き部31cから最大に突出した施錠状態(図4(a)の状態)となる。鍵ユニット30が施錠状態になると、図3に示すように、可動片32の両端部32aが機構板20の鍵取付穴20aを形成する外縁部20bに係合して、可動片32と機構板20とが係合された状態となり、機構板20に対して基板カバー21が開放不能に閉鎖される。
【0057】
基板カバー21を閉鎖した後、施錠状態の鍵ユニット30は、機構板20の外縁部20bに抜き出し方向への移動を規制されてパチンコ機1に装着されており、また、鍵ユニット30の鍵穴形成壁31dと専用鍵Kの先端部との係合が解除されて鍵穴31aから専用鍵Kを抜き出し可能な状態となる。作業者は、専用鍵Kを引くことにより、鍵ユニット30を鍵取付穴20a,21aの中に残しつつ鍵ユニット30の鍵穴32aから専用鍵Kだけを抜き出して、施錠操作を終了する。
【0058】
ここで、作業者が専用鍵Kを回動操作し忘れて鍵ユニット30が施錠状態になっていない場合には、鍵ユニット30の鍵穴形成壁31dと専用鍵Kの先端部との係合が解除されないので、鍵ユニット30と専用鍵Kとが一体に抜き出され、施錠されていないことが確実に作業者に示される。よって、施錠のし忘れを確実に防止することができる。
【0059】
以上説明したように、本実施例のパチンコ機1によれば、解錠状態の鍵ユニット30は、その鍵穴形成壁31dによって専用鍵Kと分離不能に係合され、鍵ユニット30を施錠することにより専用鍵Kが鍵穴31aから抜き出される。よって、作業者に施錠操作を確実に行わせることができ、施錠のし忘れを防止することができる。従って、不正基板への交換により遊技場や遊技者に直接的に損害が生じる主制御基板Cや払出制御基板Hを鍵ユニット30で施錠することにより、不正行為に対する防犯性を高めることができる。
【0060】
また、解錠状態の鍵ユニット30は、専用鍵Kと共に鍵取付穴20a,21aから取出することができるので、鍵ユニットがパチンコ機に溶接固定やビス固定される場合に比較して、パチンコ機1から鍵ユニット30を容易に取り外すことができ、その取り外した鍵ユニット30は、鍵ユニット30を差込可能な他の遊技機に簡易に装着して再利用(リサイクル)することができる。よって、1のパチンコ機1に対して複数の鍵ユニットを設置することにより不正行為に対する防犯性を高めつつ、鍵ユニットの設置に必要なコストを抑制することができる。
【0061】
なお、パチンコ機1に設置された鍵ユニット30を、独自の専用鍵で操作可能な鍵ユニットに交換して使用したいという遊技場においては、専用鍵Kを操作してパチンコ機1の鍵取付穴20a,21aから鍵ユニット30を取り外し、その鍵ユニット30と同一構造を有して同一の外形形状に形成された鍵ユニットを独自の専用鍵を操作して装着することができる。具体的には、作業者による専用鍵Kの操作に従って、鍵取付穴20a,21aに差し込まれた状態の鍵ユニット30の可動片32と機構板20の外縁部20bとの係合が解除されると、鍵ユニット30の取出方向への移動規制が解除されるので、作業者は、ドライバなどの工具を要することなく鍵ユニット30を鍵取付穴20a,21aから簡易に取出することができる。また、作業者による独自の専用鍵の操作に従って、鍵取付穴20a,21aに独自の専用鍵で操作可能な鍵ユニットが差し込まれ、更に鍵ユニットの可動片が機構板20の外縁部20bに係合されると、鍵ユニットの取出方向への移動が規制されるので、専用の工具を必要としないでパチンコ機1に鍵ユニットを装着することができる。よって、作業者は、パチンコ機1に設置された鍵ユニットを簡易に交換することができ、鍵ユニットの交換作業に要する手間やコストを低減することができる。
【0062】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0063】
例えば、上記各実施例では、1の鍵ユニット30により基板カバー21を施錠して、内包される複数の制御基板C,D,S,Hに対する不正行為を防止したが、必ずしも1の鍵ユニット30で基板カバー21を施錠する必要は無く、2以上の鍵ユニット30を使用して1の基板カバー21を施錠しても良い。また、必ずしも複数の制御基板C,D,S,Hを1の基板カバー21で被包する必要はなく、個別に基板カバーを設けても良い。更に、基板カバー21(電源カバー23)で被包する部材は、必ずしも制御基板とする必要はなく、主制御基板若しくは払出制御基板などの各基板間に設けられるコネクタ若しくは配線であっても良い。不正な信号を発信するなどの不正な基板(ぶら下げ基板)をコネクタに接続したり、配線の途中に介在させたりする不正行為を防止して防犯性を高めることができる。また、基板カバー21(電源カバー23)で被包する部材は、賞球の払出用モータなどに代表される払出装置であっても良い。直接的に賞球の払い出しに関連する払出装置を被包することにより、遊技場が短期間に多大な不利益を被ることを防止することができる。
【0064】
また、上記実施例では、鍵ユニット30,40により基板ボックスを被包する基板カバー21(電源カバー23)を施錠して各制御基板C,D,S,H,Eや基板ボックスに対する不正行為を防止したが、必ずしも基板カバー21(電源カバー23)のみで各制御基板C,D,S,H,Eに対する不正行為を防止する必要はなく、基板カバー21を鍵ユニット30により施錠し、更に基板カバー21の鍵取付穴21aと略同一形状の鍵取付穴を、基板カバー21に被包される基板ボックスに穿設し、その基板ボックスを別の専用鍵で操作される鍵ユニットにより機構板20などの遊技機本体を構成する部品(本体部品)に分離不能に固設しても良い。基板ボックスの交換を目的とする不正行為をより確実に防止することができる。なお、基板ボックスに対して公知の加締め具等により開放を規制する処理が施されている場合には、必ずしも基板カバー21を鍵ユニット30で施錠する必要はなく、基板カバー21を鍵ユニット30で固定する代わりに基板ボックスと本体部品とを鍵ユニットにより施錠するものであっても良い。
【0065】
また、上記実施例では、基板カバー21と電源カバー23との2箇所に同一の外形を有する鍵ユニット30,40を設けたが、必ずしも同一の外形に形成する必要は無く、本体部材の大きさや長さ、或いは、外形形状の異なる鍵ユニットを差し込み可能な鍵取付穴を形成して別々の鍵ユニットを設けても良い。この場合には、各鍵ユニットの使用箇所を示す刻印やシールなどを鍵ユニットの外面に表示し、一見して鍵ユニットの使用箇所を作業者が判断できるようにしても良い。本発明の鍵ユニットは、解錠時には鍵取付穴から取出されるものであるので、1のパチンコ機から複数の鍵ユニットが取出された状態にあっては、鍵取付穴と鍵ユニットとの対応が判りにくいものとなる。これに対し、使用箇所を示す表示を鍵ユニットに設けることにより作業における煩雑さを軽減することができる。なお、使用箇所を示す表示としては、例えば、「基板カバー」,「電源カバー」など設置される部品に関する名称や、「1」,「2」などの番号表示、或いは、「右上」、「中央」などの場所を示す表示などが例示される。
【0066】
また、上記実施例では、鍵ユニット30,40をパチンコ機1の背面側に設けて使用したが、パチンコ機1の前面枠2やガラス扉枠4の施解錠に鍵ユニット30,40を使用しても良い。頻繁に開閉操作が行われる前面枠2やガラス扉枠4の施錠のし忘れが防止されて、操作ミスにより遊技場が被害を被ることを防止することができる。
【0067】
また、上記実施例では、機構板20に揺動可能に支持された基板カバー21の鍵取付穴21a側から鍵ユニット30を差し込み、基板カバー21を支持する機構板20の外縁部20bが鍵ユニット30の可動片32に係合する構成としたが、必ずしも鍵ユニット30を基板カバー21側から差し込む構成とする必要はなく、機構板20の鍵取付穴20a側から鍵ユニット30を差し込み、基板カバー21の段差面21a3を鍵ユニット30の可動片32に係合させる構成としても良い。
【0068】
また、上記実施例では、鍵ユニット30の差し込み方向に沿った両端部に突出して形成される鍵ユニット30の本体部材31の突出部31bと可動片32の両端部32aとによって機構板20と基板カバー21とを挟持し、鍵ユニット30の差し込み方向に沿った両部材20,21の相対移動を規制した。しかしながら、必ずしも鍵ユニット30で挟持することにより両部材20,21の相対移動を規制する必要はなく、機構板20の外縁部20bと鍵ユニット30の可動片32とが係合した状態において鍵ユニット30の一部が、基板カバー20の移動方向側に対向するように配置されるものであれば良い。
【0069】
例えば、パチンコ機の背面視において基板カバーを機構板に対して左方にスライドして取り外し可能に支持すると共に鍵ユニットの鍵取付穴を機構板にのみ形成する構成とし、機構板に支持された基板カバーの左側に鍵ユニット30(本体部材31)の突出部31bが突出するように、機構板の鍵取付穴を形成しても良い。鍵ユニット30が装着された状態においては、基板カバーの左方へのスライド移動を鍵ユニット30の突出部31bに阻止させた施錠状態とすることができ、また、鍵ユニット30が取出された後には、基板カバーを左方へスライドして取り外し可能な解錠状態とすることができる。なお、基板カバーの移動方向側に対向させる鍵ユニット30の一部は、鍵ユニット30の本体部材31の一部であっても、可動片32の一部であっても良い。
【0070】
更に、上記実施例では、鍵ユニット30は、パチンコ機1を構成する部品の1つとしたが、必ずしもパチンコ機1の構成部品として鍵ユニットを含める必要はなく、鍵取付穴20a,21aを形成しつつ鍵ユニットを設置しない状態で遊技場にパチンコ機を納入し、遊技場側などで必要に応じて鍵ユニットを設置するものとしても良い。
【0071】
本発明を上記実施例とは異なるタイプの遊技機に実施しても良い。例えば、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
【0072】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0073】
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
【0074】
以下に本発明の遊技機及び変形例を示す。本体部材とその本体部材に支持されると共に特定の操作部材による操作に応じて作動する可動片とを有する鍵ユニットを備えた遊技機において、前記鍵ユニットの可動片を差し込み可能に形成された差込口と、その差込口に差し込まれる前記鍵ユニットの可動片に係合して前記鍵ユニットの移動を規制する規制部とを備えていることを特徴とする遊技機0。
【0075】
遊技機0において、前記鍵ユニットは、前記規制部にその可動片が係合した状態において前記特定の操作部材の一端部を出入可能に形成された鍵穴と、その鍵穴に前記一端部が挿入されると共に前記特定の操作部材の操作に応じて前記可動片が作動しその可動片と前記規制部との係合が解除された場合に前記特定の操作部材と分離不能に係合する係合部とを備えていることを特徴とする遊技機1。
【0076】
不正行為が行われ得る部品に対しては、鍵ユニット(施錠装置)を設けることにより防犯性を高めることができるが、一般の鍵ユニットは、施錠操作をする作業者が施錠をしたか否かが解りにくいものであり、施錠のし忘れによって不正行為が行われ易いという問題点があった。
【0077】
遊技機1によれば、鍵ユニットの可動片に規制部が係合した施錠状態においては、鍵穴には、特定の操作部材の一端部が出入可能とされる。鍵ユニットを解錠する作業者は、特定の操作部材の一端部を鍵穴に挿入すると共にその操作部材を操作して、鍵ユニットの可動片と規制部との係合を解除する。可動片と規制部との係合が解除された解錠状態の鍵ユニットは、係合部によって特定の操作部材と分離不能に係合される。作業者の操作により特定の操作部材が差込口から離間されると、その特定の操作部材と共に解錠状態の鍵ユニットが差込口から取出される。
【0078】
一方、鍵ユニットを施錠する作業者は、特定の操作部材に係合された鍵ユニットを差込口に差し込むと共にその操作部材を操作して、鍵ユニットの可動片と規制部とを係合させる。可動片と規制部とが係合されて鍵ユニットが施錠状態になると、鍵ユニットは、その移動を規制されて遊技機に装着されると共に、鍵ユニットの係合部と特定の操作部材との係合が解除される。作業者は、鍵ユニットを遊技機に残しつつその鍵ユニットの鍵穴から特定の操作部材を抜き出して施錠操作を終了する。
【0079】
このように、遊技機1によれば、解錠状態の鍵ユニットは、係合部によって特定の操作部材と分離不能に係合され、鍵ユニットを施錠することにより特定の操作部材が鍵ユニットの鍵穴から抜き出される。よって、作業者には、特定の操作部材に鍵ユニットが係合されているか否かに基づいて鍵ユニットの施解錠の状態を確認させることができ、施錠のし忘れを低減して遊技機に対する不正行為を抑制することができる。
【0080】
また、解錠状態の鍵ユニットは、係合部によって特定の操作部材と分離不能に係合されるので、特定の操作部材を操作して差込口から鍵ユニットを簡易に取出することができる。このため、遊技機を廃棄する際に鍵ユニットを遊技機から簡易に取り外し、その取り外した鍵ユニットは、鍵ユニットを差込可能な他の遊技機に簡易に装着して再利用(リサイクル)することができる。よって、鍵ユニットの設置に要するコストを鍵ユニットのリサイクルにより低減することができ、1の遊技機に複数の鍵ユニットを設置して不正行為に対する防犯性を高めつつ、その鍵ユニットの設置に必要なコストを抑制することができる。
【0081】
なお、鍵ユニットの本体部材は、筒状に形成されると共にその一端側に鍵穴を有し、その他端側に特定の操作部材の差込方向に沿った回転軸を中心に可動片を回動可能に軸支するものとし、鍵ユニットの可動片は、前記本体部材に隣接して配設されると共にその隣接する本体部材の一部分と略同一の外周面形状に形成されるものとし、可動片とその可動片に隣接する本体部材の一部分の外周面形状は、可動片の回転軸に対して径方向に突出した外周面を形成する第1外周面とその第1外周面より回転軸に近接した外周面を形成する第2外周面とを備えても良い。遊技機本体に、可動片とその可動片に隣接する本体部材の外周面に嵌合可能に形成されて鍵ユニットを取着するための差込口が形成されている場合、可動片の回転軸方向に沿って可動片と本体部材とが連続した断面形状を形成しているときには、本体部材の外周面から可動片が突出しない状態となる。よって、可動片によって鍵ユニットを遊技機本体から離脱可能な状態を形成し、差込口に鍵ユニットを挿入可能、且つ、離脱可能な状態とすることができる。
【0082】
一方、特定の操作部材による操作によって本体部材に対して可動片が回動し、可動片の外周面を形成する第1外周面が、本体部材の外周面を形成する第2外周面の位置に隣接して配置されると、本体部材の第2外周面から可動片の第1外周面が突出した状態となる。差込口に可動片と本体部材の一部分とが差し込まれた状態で、その差込口内において本体部材の第2外周面から可動片の第1外周面が突出すると、可動片の第1外周面が差込口に係合して取出方向側への移動が規制される。よって、可動片によって鍵ユニットを遊技機本体から離脱不能な状態を形成し、差込口内に取着した状態で鍵ユニットを固定することができる。
【0083】
遊技機0または1において、前記差込口は、前記鍵ユニットの外形と略同一形状に形成されると共に、前記規制部が前記鍵ユニットの可動片に係合した状態において前記鍵ユニットの可動片と共に前記鍵ユニットの本体部材の少なくとも一部を差し込み可能に形成されていることを特徴とする遊技機2。鍵ユニットの外形と差込口とが略同一形状に形成されているので、鍵ユニットを差込口内にぴたりと収容して、鍵ユニットの差込口内でのガタつきを低減することができる。また、鍵ユニットの可動片と共に本体部材の少なくとも一部が差込口に差し込むことができるので、鍵ユニットの突出量を低減してより整然と鍵ユニットを収容することができる。
【0084】
遊技機2において、前記差込口は、前記鍵ユニットの差し込み方向に沿ったその差込口の入口から前記規制部までの距離が、前記鍵ユニットの可動片から前記鍵ユニットの差し込み方向に沿った後端までの距離と略同一に形成されているものであることを特徴とする遊技機3。差込口の入口から前記規制部までの距離は、鍵ユニットの可動片から鍵ユニットの差し込み方向に沿った後端までの距離と略同一に形成されているので、規制部が鍵ユニットの可動片に係合した状態において、差込口の入口と、鍵ユニットの差し込み方向後端とが略同一面に配置される。よって、更に整然と鍵ユニットを差込口に収容することができる。
【0085】
遊技機2において、前記差込口は、前記鍵ユニットの差し込み方向に沿ったその差込口の入口から前記規制部までの距離が、前記鍵ユニットの可動片から前記鍵ユニットの差し込み方向に沿った後端までの距離より短く形成されているものであることを特徴とする遊技機4。差込口の入口から前記規制部までの距離の方が、鍵ユニットの可動片から鍵ユニットの差し込み方向に沿った後端までの距離より短いので、差込口の入口から鍵ユニットの本体部材の一部が突出する。よって、差込口に鍵ユニットが差し込まれた施錠状態であるか、それとも鍵ユニットが取り外された解錠状態であるかを一見して確認することができる。
【0086】
遊技機2において、前記差込口は、前記鍵ユニットの差し込み方向に沿ったその差込口の入口から前記規制部までの距離が、前記鍵ユニットの可動片から前記鍵ユニットの差し込み方向に沿った後端までの距離より長く形成されているものであることを特徴とする遊技機5。差込口の入口から前記規制部までの距離の方が、鍵ユニットの可動片から鍵ユニットの差し込み方向に沿った後端までの距離より長いので、差込口の入口より窪んだ奥側に鍵ユニットの差し込み方向に沿った後端が設けられる。よって、外部から触れ難い位置に鍵ユニットを配置することができ、鍵ユニットを不正に解錠しようとする不正行為に対する防犯性を高めることができる。
【0087】
遊技機0から5のいずれかにおいて、前記差込口は、前記可動片と前記規制部との係合が解除された状態における前記鍵ユニットの差し込み方向先端側に向いた面に対向して形成され前記鍵ユニットを支持する第1支持面を備え、前記規制部は、その第1支持面に支持された状態における前記鍵ユニットの可動片に係合して前記鍵ユニットの差し込み方向後端側への移動を規制するものであることを特徴とする遊技機6。鍵ユニットの差し込み方向先端側への移動が第1支持面に支持された状態において、鍵ユニットの可動片に規制部が係合するので、鍵ユニットの施錠操作をする場合に、鍵ユニットを第1支持面に当接させて差し込み方向に沿った位置調整を行うことができ、施錠操作をより簡易に行うことができる。なお、第1支持面は、必ずしも鍵ユニットに面接触するものである必要はなく、局部的に突設された突起が点接触或いは線接触して鍵ユニットの差し込み方向先端側に向いた面に対向して形成されるものでも良い。
【0088】
遊技機0から6のいずれかにおいて、前記鍵ユニットの本体部材は、略円形の断面を有する円筒状の外周形状に形成されると共に、前記鍵ユニットの差し込み方向先端側における外周面に1以上の切り欠きを有するものであり、前記差込口は、その切り欠きに当接可能に対向して形成される第2支持面を備えていることを特徴とする遊技機7。一般に、鍵ユニットの施解錠は、特定の操作部材を回動操作して行われる。遊技機7によれば、鍵ユニットの本体部材の外周面に設けられた1以上の切り欠きが、差込口の第2支持面に当接可能に対向して形成されているので、鍵ユニットの回動を第2支持面によって規制することができる。よって、特定の操作部材を回動操作して鍵ユニットの施解錠を行う場合に、作業者が本体部材をわざわざ把持する必要がなく、施解錠の操作をより簡易にすることができる。なお、第2支持面は、必ずしも本体部材の切り欠きに面接触するものである必要はなく、局部的に突設された突起が点接触或いは線接触して切り欠きに当接するものであっても良い。
【0089】
遊技機0から7のいずれかにおいて、前記規制部が形成される第1規制部材と、その第1規制部材の規制部に移動が規制された状態における前記鍵ユニットに係合する第2規制部材とを備え、前記第1規制部材は、前記鍵ユニットを介してその第1規制部材に対する前記第2規制部材の相対移動を阻止するものであることを特徴とする遊技機8。第1規制部材の規制部に移動が規制された状態における鍵ユニットには第2規制部材が係合されており、第1規制部材に対する第2規制部材の相対移動は鍵ユニットを介すことにより阻止される。また、特定の操作部材による操作によって鍵ユニットの可動片と規制部との係合が解除され、鍵ユニットが差込口から取出されると、第1規制部材による第2規制部材の相対移動の阻止が解除される。よって、鍵ユニットの装着により、第1規制部材と第2規制部材との相対移動を阻止した状態を形成することができ、鍵ユニットを使用して第1規制部材と第2規制部材とを施錠することができる。なお、遊技機8において、鍵ユニットが遊技機から取出された状態においては第1規制部材と第2規制部材とのうちいずれか一方が可動可能であれば良く、可動可能な部材が、鍵ユニットの可動片に係合する第1規制部材であっても、第1規制部材とは別の第2規制部材であっても良い。
【0090】
遊技機8において、前記第2規制部材を前記第1規制部材に対して相対的に移動可能に支持する支持手段を備え、前記第2規制部材は、前記第1規制部材の規制部に移動が規制された状態における前記鍵ユニットの一部分が前記支持手段の支持により前記第1規制部材に対して相対的に移動可能な側に対向する位置に形成される対向部を備えていることを特徴とする遊技機9。第2規制部材の対向部は、規制部に移動が規制された鍵ユニットの少なくとも一部分が支持手段の支持によって第1規制部材に対して相対的に移動可能な側に対向する位置に形成される。このため、第1規制部材の規制部に鍵ユニットの移動が規制された状態においては、第2規制部材の対向部が鍵ユニットの一部分に係合するので、第1規制部材に対する前記第2規制部材の相対移動を鍵ユニットを介して阻止することができる。
【0091】
なお、支持手段は、第1規制部材又は第2規制部材のうちいずれか一方を他方に対して可動可能に支持するものであれば良い。支持手段としては、例えば、第2規制部材を第1規制部材に対して揺動可能に軸支するヒンジ機構や、第2規制部材をスライド可能に支持するスライド機構などが例示される。
【0092】
遊技機8または9において、前記第1規制部材と前記第2規制部材とのそれぞれに一体化して開閉可能な箱状の収容空間を形成すると共に、前記鍵ユニットを介して前記第1規制部材に対する前記第2規制部材の相対移動が阻止された場合にその収容空間内に被保護部材を被包する一対のカバー部材を備えていることを特徴とする遊技機10。鍵ユニットを介して第1規制部材に対する第2規制部材の相対移動が阻止された場合には、第1規制部材と第2規制部材とのそれぞれに一体化して形成される一対のカバー部材の移動が規制されるので、その移動が規制された一対のカバー部材により被保護部材が被包された施錠状態となる。また、特定の操作部材による操作によって鍵ユニットが差込口から取出されると、第1規制部材による第2規制部材の相対移動の阻止が解除されると共に一対のカバー部材の移動規制が解除されるので、鍵ユニットによる被保護部材の施錠状態が解除される。よって、被保護部材として不正行為の行われ得る部材を被包した状態で特定の操作部材を操作することにより、被保護部材をカバー部材で被包しつつ施錠することができ、被保護部材を対象とする不正行為に対する防犯性を高めることができる。
【0093】
なお、被保護部材としては、遊技の制御を行う主制御基板、若しくは、遊技媒体としての球やコインなどの払い出し制御を行う払出制御基板、或いは、制御基板を被包する基板ボックスであっても良い。不正な部品(基板)に交換されると遊技者や遊技場に直接的に損害が生じる基板又は基板ボックスを一対のカバー部材により被包しつつ施錠することにより、不正行為に対する防犯性を効果的に高めることができる。また、被保護部材としては、主制御基板若しくは払出制御基板などの各基板間に設けられるコネクタ若しくは配線であっても良い。不正な信号を発信するなどの不正な基板(ぶら下げ基板)をコネクタに接続したり、配線の途中に介在させたりする不正行為を防止して防犯性を高めることができる。更に、被保護部材としては、電源基板などの主制御基板や払出制御基板に信号を出力する部材であっても良い。主制御基板や払出制御基板に信号を出力する部材が不正なものに交換され、正常な部材では出力されない不適当なタイミングで信号を出力して基板の誤動作を発生させることにより、不当な利益を得ようとする不正行為に対して防犯性を高めることができる。また、遊技機の遊技盤に設けられる入賞装置や遊技媒体の払出装置など直接的に賞球の払い出しに関連する装置を被保護部材とし、一対のカバー部材として前面枠と機構板との組み合わせやガラス扉枠と遊技盤との組み合わせなどとしても良い。また、第1規制部材と第2規制部材とは、一対のカバー部材そのものであっても良く、一対のカバー部材のそれぞれに接着や溶接、或いは、ビス等の固定具などによって連結される別の部材であっても良い。
【0094】
遊技機10において、前記一対のカバー部材を開放方向へ付勢する付勢手段を備えていることを特徴とする遊技機11。規制部による鍵ユニットの移動規制が解除されて鍵ユニットが取出されると、付勢手段の付勢力によりカバー部材が開放される。よって、鍵ユニットが取出されて、一対のカバー部材が解錠状態となっていることを施錠操作を行う作業者に、より解り易く示すことができ、施錠のし忘れを一層低減することができる。
【0095】
遊技機8から11のいずれかにおいて、遊技の制御を行う制御基板を被包する箱状の基板ボックスを備え、前記第1規制部材と前記第2規制部材とのうちいずれか一方に前記基板ボックスが一体化して形成されていることを特徴とする遊技機12。一般に、基板ボックスは、特殊なかしめや締結具などを使用して開放し難く形成されており、基板ボックス内に配設される基板などを不正に交換することは困難とされている。しかし、基板ボックス自体は、遊技機に簡易に着脱可能な構造で固設されているため、基板ボックス自体を不正な部品に交換するという不正行為が行われてしまうという問題点がある。これに対し、遊技機12によれば、基板ボックスは、前記第1規制部材と前記第2規制部材とのうちいずれか一方に一体化して形成されているので、鍵ユニットを介して他方の規制部材に基板ボックスの移動を規制させることができ、その他方の規制部材に対する基板ボックスの移動規制を解除する場合に特定の操作部材が必要となる。よって、基板ボックスの交換を目的とした不正行為を防止することができる。なお、基板ボックスに一体化される第1規制部材又は第2規制部材とは、基板ボックスそのものであっても良く、接着や溶接、或いは、ビス等の固定具などによって基板ボックスに連結される別の部材であっても良い。
【0096】
遊技機0から12のいずれかにおいて、前記特定の操作部材は、特定の外形形状を有する鍵であることを特徴とする遊技機13。なお、特定の外形形状を有する鍵としては、鍵ユニットに対して一義的に定められた外形形状を有する鍵であっても良く、又は、操作可能な鍵の外形形状を記憶する記憶手段を有する鍵ユニットにおけるその記憶手段に記憶された外形形状を有する鍵であっても良い。
【0097】
遊技機0から13のいずれかにおいて、複数種類の特定の操作部材による操作に応じて作動する複数種類の鍵ユニットを備え、前記複数種類の鍵ユニットの外面には、設置個所を示唆する情報を表示する表示部が設けられていることを特徴とする遊技機14。鍵ユニットは、解錠状態においては、特定の操作部材と共に差込口から取出されるので、複数種類の鍵ユニットが1の遊技機に使用されると、鍵ユニットと設置個所との対応が解りにくい。遊技機14によれば、鍵ユニットの外面に設けられた表示部に設置個所を示唆する情報が表示されているので、施錠操作を行う作業者に設置個所を解り易く示すことができ、施錠時の作業性を向上することができる。
【0098】
遊技機0から14のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機15。中でも、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0099】
遊技機0から14のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機16。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0100】
遊技機0から14のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機17。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるパチンコ機の正面図である。
【図2】パチンコ機の背面図である。
【図3】図2のIII−III線におけるパチンコ機の断面図である。
【図4】(a)は、施錠状態における鍵ユニットの斜視図であり、(b)は、解錠状態における鍵ユニットの斜視図である。
【符号の説明】
1 パチンコ機(遊技機)
20a,21a 鍵取付穴(差込口)
20b 外縁部(規制部)
30 鍵ユニット
31 本体部材
32 可動片
K 専用鍵(操作部材)
Claims (1)
- 本体部材とその本体部材に支持されると共に特定の操作部材による操作に応じて作動する可動片とを有する鍵ユニットを備えた遊技機において、
前記鍵ユニットの可動片を差し込み可能に形成された差込口と、
その差込口に差し込まれる前記鍵ユニットの可動片に係合して前記鍵ユニットの移動を規制する規制部とを備えていることを特徴とする遊技機。
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JP2008079878A (ja) * | 2006-09-28 | 2008-04-10 | Daiichi Shokai Co Ltd | パチンコ遊技機 |
-
2002
- 2002-12-13 JP JP2002361730A patent/JP2004188049A/ja active Pending
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JP2008079878A (ja) * | 2006-09-28 | 2008-04-10 | Daiichi Shokai Co Ltd | パチンコ遊技機 |
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