JP2004187789A - 遊技システム - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技機におけるデータの記憶容量に制限を受けずに画像の可変表示による演出が行なえ、しかも、遊技機に対する不正行為を確実に防止することが可能な遊技システムを提供することである。
【解決手段】データ配信装置3に複数種類記憶された可変表示のために用いる画像データが、遊技機1からの配信要求信号に基づいて遊技機1に配信され、遊技機1において可変表示のために用いる。また、遊技機1において、遊技制御用マイクロコンピュータ50へのデータ配信装置3からのデータの入力が阻止される構成を採用した。
【選択図】 図3
【解決手段】データ配信装置3に複数種類記憶された可変表示のために用いる画像データが、遊技機1からの配信要求信号に基づいて遊技機1に配信され、遊技機1において可変表示のために用いる。また、遊技機1において、遊技制御用マイクロコンピュータ50へのデータ配信装置3からのデータの入力が阻止される構成を採用した。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技システムに関し、詳しくは、遊技を演出するために画像を可変表示する表示手段、該表示手段による可変表示の結果を決定するとともに遊技の進行を制御する遊技制御手段、および、該遊技制御手段により決定された可変表示結果となるように遊技の進行に応じて前記表示手段により画像を可変表示させる制御を行なう表示制御手段を含み、前記可変表示結果が特定の表示態様となったときに前記遊技制御手段により遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御を行なう遊技機と、該遊技機に前記表示手段での画像の表示に用いられる画像データを配信するデータ配信装置とを備えた遊技システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技システムに用いられるパチンコ遊技機等の従来の遊技機として一般的に知られているものは、遊技を演出するために画像を可変表示する可変表示装置等の表示手段、該表示手段による可変表示の結果を決定するとともに遊技の進行を制御するマイクロコンピュータ等の遊技制御手段、および、該遊技制御手段により決定された可変表示結果となるように遊技の進行に応じて前記表示手段により画像を可変表示させる制御を行なう表示制御手段を含み、前記可変表示結果が特定の表示態様となったときに前記遊技制御手段により遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御を行なうものであった。
【0003】
このような従来の遊技機では、画像データが遊技機自体の記憶部(メモリ)に記憶され、その記憶部から読出した画像データを用いて画像を可変表示する制御が行なわれる構成となっていた。
【0004】
また、この種の遊技システムに用いられる対象となるパチンコ遊技機等の遊技機以外の遊技機である業務用のアーケードゲーム(TVゲーム)の管理システムとしては、遊技機の外部に設けられたホストコンピュータから遊技機にゲームソフトデータを転送し、転送されたゲームソフトデータを遊技機が実行できるようにしたものがあった(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−163756号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この種の遊技システムの適用対象となる従来の遊技機では、遊技機自体の記憶部に記憶された画像データが画像の表示に用いられるようになっていたので、記憶部におけるデータの記憶容量によりデータの大きさがある程度制限されるため、画像による演出のパターン等の表示パターンの数が制限を受け、画像による遊技の演出効果をあまり高めることができず、遊技者に飽きられやすいという問題があった。
【0007】
また、この種の遊技システムに用いられる対象となる遊技機以外の遊技機の管理システムにおいては、遊技機の外部に設けられたホストコンピュータから遊技機にゲームソフトデータを転送することにより遊技機におけるデータの記憶容量に制限を受けずに画像による演出が行なえる。しかし、この技術を単にこの種の遊技システムの対象となる遊技機に適用した場合には、遊技機外部から遊技機内部へ安易にデータを受け入れるため、外部からの不正な信号の入力により不正な出玉操作がされるおそれがある等、容易に不正行為が行なわれるおそれがあった。
【0008】
この発明はかかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技機におけるデータの記憶容量に制限を受けずに画像の可変表示による演出が行なえ、しかも、遊技機に対する不正行為を確実に防止することが可能な遊技システムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1) 遊技を演出するために画像を可変表示する表示手段(可変表示装置11)、該表示手段による可変表示の結果を決定するとともに遊技の進行を制御する遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ50)、および、該遊技制御手段により決定された可変表示結果となるように遊技の進行に応じて前記表示手段により画像を可変表示させる制御を行なう表示制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ60の表示制御機能)を含み、前記可変表示結果が特定の表示態様となったときに前記遊技制御手段により遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御を行なう遊技機(遊技機1)と、該遊技機に前記表示手段での画像の表示に用いられる画像データを配信するデータ配信装置(データ配信装置3)とを備えた遊技システムであって、
前記遊技機は、
前記遊技制御手段により決定された可変表示結果となる可変表示に用いる画像データの配信を要求する配信要求信号(配信要求信号)を前記データ配信装置へ送信する(S24)配信要求信号送信手段(送信部7)をさらに含み、
前記データ配信装置は、
前記可変表示に用いる画像データが複数種類記憶される画像データ記憶手段(配信データ記憶部37、画像データ記憶領域371)と、
前記配信要求信号を受信する配信要求信号受信手段(通信部38)と、
該配信要求信号受信手段が受信した配信要求信号に対応する画像データを前記画像データ記憶手段から読出し(S33)、配信要求信号の送信元の遊技機へ送信する(S34)画像データの配信を行なう配信手段(制御部31、通信部38)とを含み、
さらに前記遊技機は、
前記配信手段から配信された画像データを受信する画像データ受信手段(受信部8)と、
前記遊技制御手段への前記データ配信装置からのデータの入力を阻止するデータ入力阻止手段(データ配信装置3から配信されたデータが演出制御基板6から遊技制御用マイクロコンピュータ50へ伝わらない回路構成、図3、図10参照)とをさらに含み、
前記表示制御手段が、前記画像データ受信手段が受信した画像データを前記可変表示のために用いる制御を行なう(S42,S48,S49、SA31〜SA41)。
【0010】
このような構成によれば、データ配信装置に複数種類記憶された可変表示のために用いる画像データが、遊技機からの配信要求信号に基づいて遊技機に配信され、遊技機において可変表示のために用いられるので、遊技機におけるデータの記憶容量に制限を受けずに画像の可変表示による演出が行なえる。しかも、遊技機において、データ入力阻止手段により遊技制御手段へのデータ配信装置からのデータの入力が阻止されるので、データ配信装置のような遊技機の外部から遊技機内に画像データを受け入れる場合であっても、遊技機の外部から受け入れたデータが遊技制御手段に伝わらないため、遊技機に対する不正行為を確実に防止することができる。
【0011】
(2) 前記データ配信装置は、
前記配信手段が、圧縮された画像データを配信し(S34)、
前記遊技機は、
前記画像データ受信手段が受信した前記圧縮された画像データを解凍するデータ解凍手段(S42,SA32)をさらに含み、
前記表示制御手段が、前記データ解凍手段が解凍した画像データを用いて前記可変表示をさせる制御を行なう(S48,S49、SA33〜SA41)。
【0012】
このような構成によれば、圧縮された画像データが遊技機に配信され、遊技機において解凍して可変表示のために用いられるので、配信の際のデータ通信におけるデータ量を少なくすることができるため、データの配信の際の通信速度を高速化することができる。
【0013】
(3) 前記遊技機は、
遊技を演出するために音を出力する音出力手段(スピーカ12)と、
遊技の進行に応じて前記音出力手段により出力させる音の制御を行なう音制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ60の音制御機能)とをさらに含み、前記配信要求信号送信手段から送信される配信要求信号が、配信を要求する画像データに対応した音の出力のために用いられる音データをさらに要求する信号であり、
前記データ配信装置は、
前記配信を要求する画像データに対応した音データが複数種類記憶される音データ記憶手段(配信データ記憶部37、音データ記憶領域372)をさらに含み、
前記配信手段が、前記配信要求信号受信手段が受信した前記配信要求信号に対応する音データを前記音データ記憶手段から読出し(S33)、配信要求信号の送信元の遊技機へ送信する(S34)音データの配信をさらに行ない、
さらに前記遊技機は、
前記配信手段から配信された音データを受信する音データ受信手段(受信部8)をさらに含み、
前記音制御手段が、前記音データ受信手段が受信した音データを用いて出力させる音の制御を行なう(S62,S68,S69、SA61〜SA71)。
【0014】
このような構成によれば、データ配信装置において、複数種類記憶された配信を要求する画像データに対応した音データが、遊技機からの配信要求信号に基づいて遊技機に配信され、遊技機において可変表示の際に出力させる音の制御のために用いられるので、遊技機におけるデータの記憶容量に制限を受けずに可変表示の際の音による演出が行なえる。
【0015】
(4) 前記遊技機は、
遊技を演出するために発光する発光部材(ランプ・LED19)と、
遊技の進行に応じて前記発光部材を発光させる制御を行なう発光制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ60の発光制御機能)とをさらに含み、
前記配信要求信号送信手段から送信される配信要求信号が、配信を要求する画像データに対応した前記発光部材の発光のために用いられる発光データをさらに要求する信号であり、
前記データ配信装置は、
前記配信を要求する画像データに対応した発光データが複数種類記憶される発光データ記憶手段(配信データ記憶部37、発光データ記憶領域373)をさらに含み、
前記配信手段が、前記配信要求信号受信手段が受信した前記配信要求信号に対応する発光データを、前記発光データ記憶手段から読出し(S33)、配信要求信号の送信元の遊技機へ送信する(S34)発光データの配信をさらに行ない、
さらに前記遊技機は、
前記配信手段から配信された発光データを受信する発光データ受信手段(受信部8)をさらに含み、
前記発光制御手段が、前記発光データ受信手段が受信した発光データを用いて前記発光部材を発光させる制御を行なう(S82,S88,S89、SA91〜SA101)。
【0016】
このような構成によれば、データ配信装置に複数種類記憶された配信を要求する画像データに対応した発光データが、遊技機からの配信要求信号に基づいて遊技機に配信され、遊技機で可変表示の際の発光動作のために用いられるので、遊技機におけるデータの記憶容量に制限を受けずに可変表示の際の発光による演出が行なえる。
【0017】
(5) 前記データ配信装置は、
前記画像データ記憶手段が、リーチ状態中での可変表示のために用いるリーチ状態画像データ(リーチ状態画像データ)を記憶し、
前記遊技機は、
可変表示の開始からリーチ状態の発生以前の可変表示状態としての非リーチ状態の表示のために用いる非リーチ状態画像データ(非リーチ状態画像データ)を記憶する非リーチ状態画像データ記憶手段(ROM62)をさらに含み、
前記遊技制御手段が、前記可変表示において前記リーチ状態を表示するか否かを決定し(S2)、
前記配信要求信号送信手段が、前記遊技制御手段により前記リーチ状態を表示することが決定されたことに基づいて前記リーチ状態画像データの配信を要求する前記配信要求信号を送信し(S24)、
前記表示制御手段が、前記リーチ状態については前記配信要求信号に応じて配信された前記リーチ状態画像データを用いて前記リーチ状態での表示をさせ(S48,S49)、非リーチ状態については前記非リーチ状態画像データ記憶手段に記憶された前記非リーチ状態画像データを用いて前記非リーチ状態での表示をさせる制御を行なう(S41,S43,S44〜S47,S50,S51)。
【0018】
このような構成によれば、リーチ状態については配信要求信号に応じてデータ配信装置から配信されたリーチ状態画像データを用いてリーチ状態での表示をさせ、非リーチ状態については遊技機での非リーチ状態画像データ記憶手段に記憶された非リーチ状態画像データを用いて非リーチ状態での表示をさせる制御が行なわれる。このため、画像データの配信が表示の演出効果が高いリーチ状態での表示のために限られ、すべての種類の可変表示について画像データの配信を必要とするわけではないので、画像データの配信のための通信回数およびデータの通信量を低減することができ、通信コストを低減することができる。
【0019】
(6) 前記データ配信装置は、
前記画像データ記憶手段が、リーチ状態が生じる可変表示のために用いるリーチ可変表示画像データ(リーチ可変表示画像データ)を記憶し、
前記遊技機は、
前記リーチ状態が生じない可変表示のために用いる非リーチ可変表示画像データ(非リーチ可変表示画像データ)を記憶する非リーチ可変表示画像データ記憶手段(ROM62)をさらに含み、
前記遊技制御手段が、前記可変表示において前記リーチ状態を表示するか否かを決定し(SA2)、
前記配信要求信号送信手段が、前記遊技制御手段により前記リーチ状態を表示することが決定されたときに前記リーチ可変表示画像データの配信を要求する前記配信要求信号を送信し(S24)、
前記表示制御手段が、前記遊技制御手段により前記リーチ状態を表示することが決定されたときには前記配信要求信号に応じて配信された前記リーチ可変表示画像データを用いて可変表示をさせ(SA31〜SA41)、前記遊技制御手段により前記リーチ状態を表示しないことが決定されたときには前記非リーチ可変表示画像データ記憶手段に記憶された前記非リーチ可変表示画像データを用いて可変表示をさせる制御を行なう(SA22〜SA29)。
【0020】
このような構成によれば、リーチ状態を表示する可変表示については配信要求信号に応じてデータ配信装置から配信されたリーチ可変表示画像データを用いて可変表示をさせ、リーチ状態を表示しない可変表示については遊技機での非リーチ可変表示画像データ記憶手段に記憶された非リーチ可変表示画像データを用いてリーチ状態が生じない可変表示をさせる制御が行なわれる。このため、画像データの配信が表示の演出効果が高いリーチ状態を表示する可変表示のために限られ、すべての種類の可変表示について画像データの配信を必要とするわけではないので、画像データの配信のための通信回数およびデータの通信量を低減することができ、通信コストを低減することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態では、遊技システムの一例として、遊技場に設けられたパチンコ遊技機等の遊技機と、遊技場に設けられて遊技機に画像データを配信するデータ配信装置とを備えた遊技システムを説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技を演出するために画像を可変表示する表示手段、該表示手段による可変表示の結果を決定するとともに遊技の進行を制御する遊技制御手段、および、該遊技制御手段により決定された可変表示結果となるように遊技の進行に応じて前記表示手段により画像を可変表示させる制御を行なう表示制御手段を含み、前記可変表示結果が特定の表示態様となったときに前記遊技制御手段により遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御を行なう遊技機と、該遊技機に前記表示手段での画像の表示に用いられる画像データを配信するデータ配信装置とを備えた遊技システムであればすべてが本発明の対象となる。
【0022】
第1実施形態
図1は、本発明に係る遊技システムの一例としての遊技システムの構成を示すブロック図である。
【0023】
図1を参照して、遊技場100には、後述するような可変表示装置を有する複数台の遊技機1と、遊技機1に画像データ等の各種の演出用データを配信するためのデータ配信装置3とが設けられている。
【0024】
以下の説明においては、遊技機1がパチンコ遊技機である場合を一例として示すが、遊技機1としては可変表示装置等の表示手段を有する遊技機であれば、スロットマシン、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよい。
【0025】
また、データ配信装置3は、サーバーコンピュータとして機能することが可能なコンピュータよりなるものを一例として示すが、データ配信装置3としては後述するようなデータを配信できる装置であればどのようなものであってよく、たとえば、データ配信専用の単一機能型のコンピュータであってよく、データ配信機能と遊技場内の情報の管理機能等のその他の機能とを有する多機能型のコンピュータであってもよい。
【0026】
データ配信装置3は、光ファイバーケーブルよりなる通信ケーブルにより、ハブ(集線装置)300を介して複数台の遊技機1のそれぞれと接続されている。
データ配信装置3と各遊技機1との間では、画像データ等の所定のデータが双方向通信の通信態様で伝送可能である。データ配信装置3と遊技機1とは、遊技機1に設けられた後述するような制御用のマイクロコンピュータがクライアントコンピュータとして、データ配信装置3に記憶されているデータを利用する関係にある。
【0027】
次に、図1に示された遊技機1の構成を説明する。図2は、遊技機1およびカードユニット2の正面図である。
【0028】
各遊技機1には、遊技用カードを用いた玉貸しを受けることができる1つのカードユニット2が隣接して設置されている。カードユニット2の前面には、各種画像を表示する表示装置21、玉の貸出しを受けるときにICカードよりなる遊技用カードを挿入するカード口24、遊技用カードを用いて玉貸しを受ける場合に操作する玉貸キー22、および、遊技用カードの返却を受ける場合に操作する返却キー23が設けられている。
【0029】
遊技機の前面には、遊技球が打ち込まれ遊技が行なわれる遊技領域10、打球発射装置(図示省略)に供給する玉および払出される賞球を貯えておく打球供給皿16、打球供給皿16から溢れた貯留球を貯留する余剰玉受皿17、遊技者が打球操作するための打球操作ハンドル18等が配置されている。また、遊技領域10には、可変表示装置11、始動入賞領域13、可変入賞球装置14、アウト口15、ランプ(サイドランプ19aを代表例として示す)、および、LED(Light Emitting Diode)等が配置されている。
【0030】
表示装置21は、タッチパネル式の液晶表示装置であり、各種遊技情報等の情報を表示するとともに、タッチパネルにおいて遊技者の各種操作入力を受付ける。
【0031】
可変表示装置11は、数字等の図柄よりなる複数種類の図柄(識別情報)を画像により可変表示可能な液晶表示装置である。ここで、識別情報とは、各々が識別可能な複数種類の識別情報をいう。可変表示装置11では、表示領域が表示画面上で左可変表示領域、中可変表示領域、および、右可変表示領域の3つの可変表示領域(可変表示部ともいう)に区分された表示態様で図柄の可変表示が行なわれる。左可変表示領域で可変表示される図柄を左図柄と呼び、中可変表示領域で可変表示される図柄を中図柄と呼び、右可変表示領域で可変表示される図柄を右図柄と呼ぶ。
【0032】
可変表示装置11においては、始動入賞に応じて各可変表示領域で一斉に可変表示開始され、その後、所定の順序(たとえば、左,右,中の順)で左,中,右表示領域での可変表示が順次停止(導出表示)されることにより、所定期間後に可変表示が停止されて表示結果がすべて導出表示される。
【0033】
なお、可変表示装置11は、液晶表示装置に限らず、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、LED、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置であってもよい。
【0034】
始動入賞領域13は、打球が入賞したときに可変表示装置11を可変表示開始させるための入賞領域である。可変入賞球装置14は、開閉板が開成して打球が入賞可能な遊技者にとって有利となる第1の状態と、開閉板が閉成して打球が入賞不可能な遊技者にとって不利となる第2の状態とに変化可能に構成され、図示しないソレノイドにより駆動される。
【0035】
遊技機において、遊技者が遊技を行なう場合には、前述したような遊技に使用可能な遊技用カードを用いる。この遊技用カードは、カード番号、および、遊技者による金額の支払いまたは入金の代価として遊技に使用可能とされたプリペイド金額(残金額)の情報等の所定の情報が記録される記録媒体である。
【0036】
遊技用カードを用いて遊技を行なう場合は、まず、カードユニット2に設けられているカード口24に遊技者が遊技用カードを挿入する。すると、その挿入された遊技用カードに記録されている残金額等のカード情報がカードユニット2の内部に設けられたカードリーダライタにより読取られる。そして、読取られたカード情報に基づいて、残金額が、カードユニット1に設けられている表示装置21に表示される。表示装置21は、遊技用カードに記録可能な範囲内で残金額を表示する。また、残金額は、所定の桁数の7セグメント表示器よりなり残金額を表示可能な残金額表示部にディジタル表示するようにしてもよい。
【0037】
玉貸キー22が操作されれば、遊技用カードに記憶された残金額から、予め定められた貸出単位額分の額が引落されて減額され、それと引換えに、貸出単位額分の玉がカードユニット2から打球供給皿(上皿)16上に払出される。このような操作は、玉貸し操作と呼ばれる。
【0038】
また、カード口24に遊技用カードが挿入されている状態において、返却キー23が操作されれば、その時点での残金額の情報が記録された遊技用カードがカード口24から排出されて遊技者に返却される。
【0039】
遊技機1で遊技を行なう場合、遊技者は、遊技機に設けられている打球操作ハンドル18を操作して、打球供給皿16に貯留された打玉を弾発発射し、遊技領域10に打込む。そして、遊技領域10に打込まれた打玉が各種の入賞領域に入賞すれば、入賞領域別に予め定められた個数の景品玉が打球供給皿16(上皿)に払出される。一方、いずれの入賞領域にも入賞しなかった玉は、アウト口15から遊技機1内部に回収される。打球供給皿16が満タンになった場合には、その下方に設けられている余剰玉受皿(下皿)17に玉が送られて貯留される。
【0040】
打玉が始動入賞領域13に入賞(始動入賞)した場合には、玉が始動入賞領域13に設けられる始動入賞玉検出器(図示省略)により検出され、検出信号が後述する遊技制御部としての遊技制御用マイクロコンピュータ(図3参照)に入力される。遊技制御用マイクロコンピュータは、その入力を受けて、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態を発生させるか否かをランダムに決定するとともに後述する演出制御用マイクロコンピュータ(図3参照)へ可変表示装置11での可変表示制御の実行を指令するための表示制御コマンドデータを含む演出制御コードデータを出力する。ここで、特定遊技状態とは、後述するように、ランダムカウンタから抽出した乱数値を用いて判定処理(たとえば、所定値と一致するか否か等)を行ない、かかる判定処理の結果、予め定められた所定の判定結果(たとえば、所定値と一致する結果)であれば可変表示装置に大当り図柄(たとえば、「777」等のゾロ目)を導出表示し、その後移行される遊技状態をいう。演出制御用マイクロコンピュータでは、表示制御コマンドデータを受け、その指令内容にしたがって、可変表示装置11を可変表示制御する。
【0041】
また、可変表示装置11の可変表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せ(たとえば「777」の図柄の組合せ)になった場合には、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態が発生させる制御が行なわれ、以下のような大当り遊技状態での遊技制御が実行される。
【0042】
まず、可変入賞球装置14が開成制御されて遊技者にとって有利な第1の状態(打玉が受け入れやすい状態)となる。そして、第1の状態となった可変入賞球装置14内に所定個数(たとえば、10個)の打玉が入賞するかまたは所定時間(たとえば、30秒間)経過するかのうちいずれか早い方の条件が成立することにより可変入賞球装置14が閉成して遊技者にとって不利な第2の状態(打玉が受け入れられない状態)となる。その第1の状態となっている可変入賞球装置14内に入賞した打玉が、可変入賞球装置14の内部の所定箇所に形成されている特定入賞領域に入賞すれば、継続権が発生し、可変入賞球装置14のその回の第1の状態が終了するのを待って可変入賞球装置14を再度第1の状態に制御する繰返し継続制御が実行される。この繰返し継続制御の実行上限回数は、たとえば16回と定められている。
【0043】
また、可変表示装置11での図柄の可変表示中においては、リーチ状態(リーチ表示)が発生する場合がある。ここで、リーチとは、複数の表示領域(可変表示領域)における一部の表示領域において表示結果がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示領域の表示結果が特定表示結果の組み合わせ(大当り図柄の組合せ)となる条件を満たしている表示状態をいう。また、リーチとして定義されるもののうちには、複数の表示領域のすべてで特定表示結果の組み合わせを保持した状態で可変表示を行なっている所謂全回転リーチも含まれる。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいものがある。このような特定のリーチをスーパーリーチという。
【0044】
このようなリーチ状態においては、リーチ状態を演出するために所定のキャラクタを表示する等、所定の演出表示が行なわれる。このような演出は、リーチ演出とも呼ばれる。ここで、キャラクタとは、可変表示装置に表示される人間,動物,あるいは物等を表わす映像をいう。
【0045】
遊技制御用マイクロコンピュータは、乱数を発生させるためにカウントを行なうカウンタであるランダムカウンタから抽出した乱数を用いて各種の制御を行なう。遊技制御用マイクロコンピュータによる制御には、大当り判定用のランダムカウンタ、リーチ判定用のランダムカウンタ、および、可変表示装置11における停止図柄決定用のランダムカウンタ等の各種のランダムカウンタが用いられる。
【0046】
始動入賞に応じて大当り判定用のランダムカウンタから大当り判定用乱数が抽出され、その抽出値と、予め定められた大当り判定値とが比較される。そして、抽出値と大当り判定値とが一致した場合には、大当り遊技状態を発生させることが事前に決定される。一方、抽出値と大当り判定値とが一致しないた場合には、はずれ(大当り遊技状態を発生させない)とすることが事前に決定される。
【0047】
また、前述した大当り判定によりはずれと判定された場合には、リーチ判定用のランダムカウンタからリーチ判定用の乱数が抽出され、その抽出値が予め定められたリーチ選択値と一致した場合には、リーチ表示態様とすることが決定される。一方、大当り判定により大当りと判定された場合には、前述したようなリーチ状態を必ず生じさせるため、特にリーチ判定は行なわれない。
【0048】
また、始動入賞があった場合には、左,中,右図柄の停止図柄決定用のランダムカウンタのそれぞれから停止図柄用乱数が抽出され、可変表示される複数の図柄のうち、その抽出値と予め対応関係にある図柄が可変表示装置11における可変表示での左,中,右図柄の予定停止図柄として事前決定され、その予定停止図柄が表示結果として表示されるように、可変表示制御が行なわれる。
【0049】
遊技制御用マイクロコンピュータにより大当り遊技状態を発生させることが事前決定されれば、演出制御用マイクロコンピュータは、大当り遊技状態を発生させるための特定の識別情報の組合せ(たとえばゾロ目の組合せ)となるように可変表示装置11を停止制御する。このような特定の識別情報の組合せは、大当り図柄と呼ばれる。たとえば、大当り遊技状態を発生させるための特定の識別情報の組合せがゾロ目の組合せの場合は、大当りを発生させる場合の中,右可変表示部の予定停止図柄が、左停止図柄決定用のランダムカウンタの抽出値に基づいて決定された左可変表示部の予定停止図柄と同じ図柄に揃えられることによりゾロ目の組合せ、すなわち、大当り図柄とされる。
【0050】
一方、大当り遊技状態を発生させないことが事前に決定されれば、左,中,右可変表示領域のそれぞれの停止図柄決定用のランダムカウンタの抽出値に基づいて、大当り遊技状態の発生を示さない識別情報の組合せ(はずれ図柄)となるように図柄が決定される。ただし、前述したリーチ判定によりリーチを発生させる判定がされた場合は、可変表示中にリーチ状態が生じるように、左,右可変表示領域のそれぞれの停止図柄が一致するように識別情報の組合せが決定される。なお、大当り遊技状態を発生させないことが事前に決定された場合において停止図柄決定用のランダムカウンタの抽出値に対応する予定停止図柄が偶然大当り図柄の組合せになってしまう場合には、予定停止図柄の一部が強制的にずらされることによりはずれ図柄にされる。なお、リーチ判定によりリーチを発生させない判定がされた場合において停止図柄決定用のランダムカウンタの抽出値に対応する予定停止図柄が偶然リーチ図柄の組合せになってしまう場合には、予定停止図柄の一部が強制的にずらされることによりリーチ状態とならない図柄にされる。
【0051】
また、停止表示された大当り図柄の組合わせが確率変動を伴う大当り図柄(確変大当り図柄)の組合せである場合には、その大当りに基づく特定遊技状態の終了後に、通常時(確率変動状態以外の通常遊技状態)に比べて大当りが発生する確率が高く変動した(大当り発生確率が向上した)確率変動状態(高確率状態ともいう)となる。このような確率変動状態は、特定遊技状態(大当り遊技状態)と異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態である。このような確率変動は、一般的に、「確変」と省略して呼ばれる場合もある。以下、確変図柄による大当りを確変大当りという。
【0052】
通常遊技状態中に一旦、確変大当りが発生すると、少なくとも予め定められた確変継続回数(たとえば、次回まで)分の大当りが発生するまで確率変動状態に継続制御される。また、確率変動状態中に確変大当りが発生すれば、その確変大当り以降、改めて確変継続回数が計数され、その後、少なくとも確変継続回数だけ大当りが発生するまで確率変動状態が継続する。そして、確変継続回数に達した大当りが確変図柄以外の非確変図柄によるものであった場合には、確率変動の生じていない通常遊技状態に戻る。
【0053】
したがって、確率変動状態の継続制御に制限を設けない場合には、少なくとも確変継続回数に達した大当りが確変大当りである限り、無制限に確率変動状態が継続する。この遊技機の場合には、ある程度、確率変動状態が継続すれば、一旦、確率変動状態への継続制御を終了させるべく、確率変動状態中に確変大当りが連続的に発生する回数について、上限回数が設定されている。そして、この上限回数に基づいて大当りの表示態様が非確変大当りとされた場合には、その時点で確率変動状態の継続制御が強制的に終了する。
【0054】
また、可変表示装置11での可変表示中には、リーチ状態が発生する旨を事前報知(予告)する予告報知(リーチ予告)が行なわれる場合があり、また、大当り状態が発生する旨を事前報知(予告)する予告報知(大当り予告)が行なわれる場合がある。リーチ予告を行なうか否かおよび大当り予告を行なうか否かは、それぞれ個別に、ランダムカウンタ(前述した各種ランダムカウンタと同様の機能のもの)の数値データを用いた抽選により事前にランダムに決定される。リーチ予告は、実際にリーチ状態が発生する場合と実際にはリーチ状態が発生しない場合との両方の場合に行なわれる。また、大当り予告は、実際に大当り状態が発生する場合と実際には大当り状態が発生しない場合との両方の場合に行なわれる。
【0055】
また、遊技機1の上部における左右両端部には、左右一対のスピーカ12,12が設けられている。このスピーカ12からは、遊技を演出するために、可変表示等の遊技の進行に合わせて音声、楽曲音、および、効果音等の各種の音が出力される。
【0056】
また、遊技機1の所定箇所には、たとえば、遊技領域10の左右両端部に設けられたサイドランプ19a,19aに代表されるようなランプおよびLED等の発光部材(発光手段)が設けられている。このような発光部材は、遊技を演出するために、可変表示等の遊技の進行に合わせて所定の発光パターンで発光動作させられる。
【0057】
次に、データ配信装置3および遊技機1のそれぞれにおける主要な制御部の構成を説明するとともに、データ配信装置3および遊技機1の間でのデータ通信がどのように行なわれるかについて説明する。図3は、データ配信装置3および遊技機1のそれぞれにおける主要な制御部の構成を示すブロック図である。
【0058】
遊技機1においては、遊技機1を制御するための制御基板として、遊技制御基板5、演出制御基板6、および、払出制御基板(図示省略)が設けられている。
【0059】
遊技制御基板5は、遊技の進行を制御するために各種遊技制御を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ50等の回路が設けられた制御基板である。遊技制御用マイクロコンピュータ50は、遊技制御用のプログラム等を記憶する記憶手段の一例であるROM52、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM53、制御用プログラムに従って制御動作を行なうCPU51およびI/Oポート部(図示省略)を含む遊技制御用のマイクロコンピュータである。
【0060】
遊技制御基板5では、入賞の検出等の遊技制御に必要となる複数の検出手段としての各スイッチ4(始動入賞玉検出器等の検出スイッチの総称)から各種の検出信号が入力され、各スイッチ4の状態を監視しながら、前述したような遊技を実行するための遊技制御が行なわれる。
【0061】
演出制御基板6は、遊技の進行に合わせて可変表示装置11での可変表示の制御を実行するための可変表示制御、遊技の進行に合わせて遊技効果音等の音をスピーカ12から出力する制御を実行するための音制御、および、遊技の進行に合わせてランプ・LED19(サイドランプ19aを代表例とするランプおよびLEDのような発光手段の総称)の発光動作の制御を実行するための発光制御等の各種演出を行なう制御を実行するための演出制御用マイクロコンピュータ60等の回路が設けられた制御基板である。このように、演出制御用マイクロコンピュータ60は、可変表示制御機能、音制御機能、および、発光制御機能を有する。
【0062】
演出制御用マイクロコンピュータ60の構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ50と同様であり、演出制御用のプログラム等を記憶する記憶手段の一例であるROM62、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM63、制御用プログラムに従って制御動作を行なうCPU61およびI/Oポート部(図示省略)を含む遊技制御用のマイクロコンピュータである。
【0063】
遊技制御基板5(遊技制御用マイクロコンピュータ50)から演出制御基板6(演出制御用マイクロコンピュータ60)には、演出制御基板6により制御が行なわれる機器の制御のための指令情報である演出制御コマンド等の情報が伝送される。演出制御用マイクロコンピュータ60は、このような演出制御コマンドに応じて制御対象機器を駆動する制御を行なう。
【0064】
演出制御コマンドには、可変表示装置11での図柄の可変表示制御内容を指令する表示制御コマンド、ランプ・LED19の発光制御内容を指令する発光制御コマンド、ならびに、スピーカ12から出力する音の制御内容を指令する音制御コマンドが含まれている。これら表示制御コマンド、発光制御コマンド、および、音制御コマンドは、演出制御コマンドに含まれるため、以下の説明においては、各制御コマンドを総称して演出制御コマンドという場合もある。
【0065】
具体的に、表示制御コマンドとしては、たとえば可変表示の開始、可変表示の停止図柄、大当り時の表示等の可変表示に関する各種指令が示される。演出制御用マイクロコンピュータ60では、この表示制御コマンドに応じて、可変表示装置11における図柄の可変表示等の表示制御を行なう。
【0066】
演出制御用マイクロコンピュータ60においては、表示制御コマンドを受けた場合に、可変表示の表示パターンとしての変動パターンをランダムに決定する。
変動パターンの決定は、前述したランダムカウンタと同様のランダムカウンタを用いて行なわれる。変動パターンは、ノーマル変動パターン(リーチ状態の表示による演出を含まない通常の変動パターン)、および、複数種類のリーチ変動パターン(リーチ状態の表示による演出を含む変動パターンであり、複数種類設定されている)等の複数種類が設定されている。
【0067】
演出制御用マイクロコンピュータ60において、変動パターンの決定は、次のように行なわれる。前述した表示制御コマンドにより示される停止図柄に基づいてリーチ状態とならないことが決定されている場合には、変動パターンとしてノーマル変動パターンが選択決定される。一方、前述した表示制御コマンドにより示される停止図柄に基づいてリーチ状態となることが決定されている場合には、ランダムカウンタの抽出値に基づいて複数種類のリーチ変動パターンのうちから1つのリーチ変動パターンがランダムに選択決定される。そして、このように変動パターンが選択決定されると、演出制御用マイクロコンピュータ60が、選択決定された変動パターンで可変表示を実行させる制御を行なう。また、演出制御用マイクロコンピュータ60により実行された可変表示が終了したことを示す信号(図柄停止信号)が、演出制御用マイクロコンピュータ60から遊技制御用マイクロコンピュータ50に送信されることにより、遊技制御用マイクロコンピュータ50では、コマンドにより指令した可変表示が終了したことを認識する。
【0068】
また、演出制御用マイクロコンピュータ60では、発光制御コマンドに応じて、ランプ・LED19の発光制御を行なう。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ60では、音制御コマンドに応じて、スピーカ12から出力する(発生される)音の制御を行なう。
【0069】
また、可変表示が行なわれる場合に演出制御用マイクロコンピュータ60で前述のように変動パターンが選択決定されたときには、演出制御用マイクロコンピュータ60が、選択決定された変動パターンに対応する発光制御および音制御を実行させる。
【0070】
演出制御用マイクロコンピュータ60では、前述したような演出制御を行なう場合に、演出制御を実行するための画像データ(たとえば、動画データ)、音データ、および、発光データを用いて、可変表示、音出力、および、発光動作の各種演出制御を行なう。この画像データ、音データ、および、発光データのような演出制御用のデータは、演出制御用マイクロコンピュータ60のROM62から読出して用いるとともに、必要に応じてデータ配信装置3からデータの配信を受けて用いる。演出制御用のデータのうち、リーチ状態の表示が行なわれる時に用いられるデータ(リーチ状態画像データ、リーチ状態音データ、および、リーチ状態発光データ)がデータ配信装置3に記憶されており、リーチ状態以外の表示が行なわれる時に用いられるデータ(非リーチ状態画像データ、非リーチ状態音データ、および、非リーチ状態発光データ)が演出制御用マイクロコンピュータ60のROM62に記憶されている。なお、演出制御用のデータについては、リーチ状態の表示が行なわれる時に用いられるデータおよびリーチ状態以外の表示が行なわれる時に用いられるデータのすべてのデータをデータ配信装置3に記憶するようにしてもよい。
【0071】
また、図示を省略した払出制御基板は、入賞に応じて、遊技機1に設けられた玉の払出装置(図示省略)から玉を払出す制御を実行するためのマイクロコンピュータ等の回路が設けられた制御基板であり、遊技制御用マイクロコンピュータ50からの指令に応じて景品玉(賞球)を払出す制御を行なう。
【0072】
また、遊技機1においては、遊技機1からデータ配信装置3へ向けて画像データ等のデータの配信を要求するための配信要求信号を送信するための送信回路により構成される送信部7が設けられている。送信部7は、演出制御基板6から配信要求信号を受けて遊技機1の外部へ送信する。配信要求信号は、可変表示装置11での可変表示を実行するために必要な画像データの配信を要求することに加えて、その画像データに基づく可変表示が行なわれる際に同期してスピーカ12から音を出力するための音データと、その画像データに基づく可変表示が行なわれる際に同期してランプ・LED19を発光動作させるための発光データ(より具体的には発光パターンデータ)との配信を要求する信号である。
【0073】
たとえば、配信を要求する複数種類のデータのそれぞれには、コード情報(たとえば、画像データ、音データ、発光データを代表して画像データの種類を特定するコードデータ)が対応付けられており、配信要求信号では、信号パターン等により、配信を要求するデータの種類がそのようなコード情報で示される。また、配信要求信号では、配信要求信号の送信元の遊技機1を明確に特定するために、送信元の遊技機1に割り当てられた(付与された)IPアドレスを特定する情報も示される。つまり、遊技場100内に設けられた各遊技機1にはIPアドレスが割り当てられており、そのIPアドレスにより送信元の遊技機が特定されるのである。なお、送信元の遊技機1を特定する方法としては、IPアドレスの替わりに、遊技機1の台番号(遊技場100において各遊技機1を識別するために遊技機ごとに付与された番号)を特定する情報を用いて送信元の遊技機1を特定するようにしてもよい。
【0074】
さらに、遊技機1においては、前述した配信要求信号に応じてデータ配信装置3から遊技機1へ向けて配信された画像データ等のデータを受信する受信回路により構成される受信部8が設けられている。受信部8は、受信したデータを演出制御基板6へ与える。
【0075】
この実施形態の場合、配信要求信号は、可変表示においてリーチ状態の表示(具体的にはリーチ演出表示)が行なわれるときに使用する比較的データ量が多い画像データ、音データ、および、発光データの配信を受けるために送信される。
すなわち、比較的データ量が少ないデータであるリーチ状態の可変表示(具体的にはリーチ演出表示)が行なわれないときの画像データ、音データ、および、発光データは、演出制御用マイクロコンピュータ60のROM62に記憶されており、リーチ状態の可変表示が行なわれないときには、演出制御用マイクロコンピュータ60がROM62からこのようなデータを読出して演出制御に用いる。また、リーチ状態の可変表示が行なわれるときに使用するデータについても、比較的データ量が少ないデータである可変開始からリーチ状態を表示する発生までの間の演出制御に用いられる画像データ、音データ、および、発光データは、ROM62に記憶されており、演出制御用マイクロコンピュータ60がROM62からこのようなデータを読出して演出制御に用いる。つまり、この実施の形態の場合は、一連の可変表示の期間のうち、可変表示中にリーチ状態の表示態様となってから全図柄が停止するまでの期間に用いる画像データ(リーチ状態画像データ)、音データ(リーチ状態音データ)、および、発光データ(リーチ状態発光データ)が配信を受けるためにデータ配信装置3に記憶されているのである。
【0076】
次に、データ配信装置3の構成を説明する。データ配信装置3は、制御部31、配信データ記憶部37、表示部36、入力部35、および、通信部38を含む。制御部31は、制御中枢としてのCPU32(Central Processing Unit )、制御用プログラム等の各種プログラムを記憶しているROM(Read Only Memory)33、CPUのワーキングエリアとしてのRAM(Random Access Memory)34、および、外部との入出力信号の整合性をとるためのI/Oポート(図示省略)を含む。制御部31においては、CPU32により、ROM33に記憶されたプログラムが実行され、RAM34をワーキングエリアとして用いて後述するようなデータ配信のための制御が行なわれる。
【0077】
配信データ記憶部37は、ハードディスク装置等の記憶装置よりなり、制御部31によって制御され、各種情報が記憶される。表示部36は、LCD等の表示装置よりなり、制御部31によって制御され、各種情報が表示される。入力部35は、キーボード等のデータの入力操作が可能な入力装置よりなり、入力操作に応じて入力されたデータが制御部31へ与えられる。
【0078】
通信部38は、データの送信をするための送信手段およびデータの受信をするための受信手段が設けられて通信を行なう通信回路よりなる。通信部38では、遊技場100内の各遊技機1から前述した配信要求信号を受信して制御部31へ与えるとともに、配信要求信号により要求されたデータを制御部31から受けて送信元の遊技機1へ送信する。
【0079】
配信データ記憶部37の記憶領域のうちには、画像データ記憶領域371、音データ記憶領域372、および、発光データ記憶領域373が含まれている。画像データ記憶領域371には、遊技機1の可変表示装置11での可変表示に用いる画像データが複数種類記憶されている。音データ記憶領域372には、画像データ記憶領域371に記憶された複数種類の画像データに対応した音データ、すなわち、遊技機1でのスピーカ12から音を出力させるための音データが複数種類記憶されている。発光データ記憶領域373には、画像データ記憶領域371に記憶された複数種類の画像データに対応した発光データ、すなわち、遊技機1でのランプ・LED19を発光動作させるための発光データが複数種類記憶されている。
【0080】
この実施の形態において配信データ記憶部37の記憶領域に記憶されているデータは、可変開始から全図柄の停止までの一連の可変表示の期間のうち、可変表示中にリーチ表示態様となってから全図柄が停止するまでの期間に用いる画像データ、音データ、および、発光データである。
【0081】
画像データ記憶領域371、音データ記憶領域372、および、発光データ記憶領域373のそれぞれにおいては、周知の圧縮手法(たとえば、MPEG(Moving Picture Experts Group)、MP3(MPEG Audio stream Layer−3)等)により圧縮されたデータが記憶されている。このように圧縮されたデータは、遊技機1の側で解凍して使用される。このようなMPEGおよびMP3の圧縮方式でデータを圧縮することによりデータの圧縮率が高くなる。
【0082】
画像データの一般的な圧縮方法は、所定の計算式に基づいて、ソース符号化すること、動いた部分だけを送付すること、および、動画のフレーム数を減らすこと等の手法で行なわれる。この実施の形態の場合では、画像データがMPEGの方式で圧縮される。MPEGでの圧縮の主な処理としては、前処理、ソース符号化、および、可変長符号化が順に実行される。前処理としては、画像にフィルターをかけてぼかすこと、ドットを減らすことが行なわれる。ソース符号化としては、動き補償フレーム間予測、量子化、および、離散コサイン変換が行なわれる。可変長符号化としては、データの値(事象)の発生頻度に応じて異なる符号を割り当てることが行なわれる。このような符号化(エンコード)により圧縮されたデータは、遊技機1においてデコード(復号化)されることにより解凍される。
【0083】
また、この実施の形態の場合では、音データがMP3の方式で圧縮され、遊技機1において解凍される。MP3は、MPEGの圧縮方式に含まれる圧縮率が最も高いLayer−3の圧縮方式であり、ロッシー・データ圧縮方式(人間の耳に検知できない範囲なら圧縮/復元の過程で多少の情報損失を許容する方式で圧縮率が高い方式)を用いてデータが圧縮される。また、この実施の形態の場合では、発光データがロスレス・データ圧縮方式(元のデータを1ビットも失うことなく圧縮/復元できる方式)で圧縮され、遊技機1において解凍される。
【0084】
制御部31では、遊技機1から送信されて受信した配信要求信号が示すコード情報に基づいてどの種類のデータが要求されているかを判断(配信が要求されたデータの確認)し、その判断結果に基づいて、配信が要求された種類の画像データを画像データ記憶領域371から読出すとともに、その種類の画像データに対応する音データを音データ記憶領域372から読出し、その種類の画像データに対応する発光データを発光データ記憶領域373から読出し、読出したデータを、通信部38を介して配信要求元の遊技機1へ送信する制御を行なう。このようにデータ配信装置3から配信されるデータは、圧縮されたデータ形式で送信される。
【0085】
配信要求信号に応じて制御部31から画像データ等のデータ(以下、配信データともいう)が配信要求元の遊技機1に向けて送信されると、配信要求元の遊技機1において、そのような配信データが受信部8で受信されて演出制御用マイクロコンピュータ60に送られる。
【0086】
演出制御用マイクロコンピュータ60では、演出制御コマンドに応じて所定の可変表示(たとえば、リーチ表示等)をする場合に、配信要求に応じて配信されてきた画像データ、音データ、および、発光データを用いて可変表示における表示、音、および、発光を制御する。
【0087】
遊技制御基板5と演出制御基板6との間では、遊技制御基板5から演出制御基板6の方向へコマンドのデータを伝送するためのデータバスが設けられているが、演出制御基板6から遊技制御基板5の方向へデータを伝送するためのデータバスが設けられていない。演出制御基板6から遊技制御基板5の方向へ伝送されるのは、前述した図柄停止信号のみである。したがって、遊技制御基板5と演出制御基板6との間の配線により、演出制御基板6から遊技制御基板5の方向へのデータの入力が阻止される構成となっている。このため、演出制御基板6がデータ配信装置3からの配信データを受信する構成、および、遊技制御基板5と演出制御基板6との間の配線により、演出制御基板6から遊技制御基板5の方向へのデータの入力が阻止される構成により、遊技制御基板5(遊技制御用マイクロコンピュータ50)へのデータ配信装置3からのデータの入力を阻止するデータ入力阻止手段が構成されている。
【0088】
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ50において可変表示装置11で可変表示をさせるために実行される処理の概要を可変表示関連処理として1つのフローチャートにまとめるとともに、演出制御用マイクロコンピュータ60において可変表示装置11で可変表示をさせるために実行される処理の概要を可変表示関連演出処理として1つのフローチャートにまとめて説明する。
【0089】
図4は、可変表示関連処理および可変表示関連演出処理の主な処理内容を示すフローチャートである。図4においては、(a)に可変表示関連処理の主な処理内容を示し、(b)に可変表示関連演出処理の主な処理内容を示す。この図4に示される(a)の可変表示関連処理は、有効な始動入賞に基づいて可変表示を行なう場合に実行される主な処理を示しており、図4に示される(b)の可変表示関連演出処理は、可変表示の実行を指令する演出制御コマンドを受けて可変表示制御を行なう場合に実行される主な処理を示している。
【0090】
遊技制御用マイクロコンピュータ50では、まず、前述したようなランダムカウンタを用いた大当り判定が行なわれる(ステップS(以下単にSという)1)。そして、前述したようなランダムカウンタを用いたリーチ判定が行なわれる(S2)。但し、このリーチ判定は、前述したように、大当りとする決定がされた場合には実行されない。次に、前述したようなランダムカウンタを用いた可変表示における停止図柄の決定が行なわれる(S3)。次に、前述したような可変表示を実行させるための演出制御コマンドの送信が行なわれる(S4)。
【0091】
演出制御用マイクロコンピュータ60では、まず、前述したような変動パターンの決定が行なわれる(S11)。そして、前述したような配信要求信号を送信するための処理である配信要求処理が行なわれる(S12)。但し、この配信要求処理においては、演出制御コマンドに基づいてリーチ状態が実行されると判断された場合にのみ配信要求信号が送信される。この配信要求処理の具体的な処理内容は、図5を用いて後述する。
【0092】
次に、配信要求信号に応じて配信されてきたデータである配信データを受信するための処理が行なわれる(S13)。但し、この配信データの受信処理においては、可変表示の実行に際して配信要求信号が送信されなかった場合には配信データが受信されない。次に、可変表示の進行に応じて、可変表示装置11での可変表示のための画像表示、可変表示の際の音の出力、および、可変表示の際のランプ・LED19の発光動作を実行させるための処理が行なわれる(S14)。
【0093】
次に、図4に示されたS12の配信要求処理の具体的処理内容を説明する。図5は、配信要求処理の処理内容を示すフローチャートである。この配信要求処理は、CPU61が実行する制御用のメイン処理に伴って実行される1つのサブルーチン処理である。
【0094】
図5を参照して、まず、S21により、可変表示を実行することが決定されているか否かが判断される。具体的にS21では、演出制御コマンドにより可変表示の実行が指令されているか否かが判断される。
【0095】
S21により可変表示を実行することが決定されていないと判断された場合は、この配信要求処理が終了する。一方、S21により可変表示を実行することが決定されていると判断された場合は、S22に進み、リーチ表示を行なうことが決定されているか否かが判断される。具体的にS22では、演出制御コマンドが示す停止図柄が可変表示中にリーチ表示態様となるか否かに基づいてリーチ表示を行なうことが決定されているか否かが判断される。つまり、左,右可変表示領域の停止図柄が一致する場合には、リーチ表示を行なうことが決定されていると判断する。
【0096】
S22によりリーチ表示を行なうことが決定されていないと判断された場合は、この配信要求処理が終了する。一方、S22によりリーチ表示を行なうことが決定されていると判断された場合は、S23に進み、配信要求信号の送信タイミングであるか否かが判断される。この場合の配信要求信号の送信タイミングは、可変表示装置11での可変表示の開始時である。
【0097】
S23により配信要求信号の送信タイミングではないと判断された場合は、この配信要求処理が終了する。一方、S23により配信要求信号の送信タイミングであると判断された場合は、S24に進み、配信要求信号を送信する処理が行なわれる。これにより、配信要求信号がデータ配信装置3へ向けて送信される。このように、配信要求信号は、可変表示が実行される場合の可変表示の開始時期に送信されることとなる。この場合に送信される配信要求信号は、一連の可変表示の期間(可変開始から全図柄停止までの期間)のうち、可変表示中にリーチ状態の表示態様となってから全図柄が停止するまでの期間(すなわち、リーチ演出表示)に用いる画像データ、音データ、および、発光データを要求する信号である。S24の後、この配信要求処理が終了し、メインルーチンにリターンする。
【0098】
次に、配信要求信号が送信された場合に、その配信要求信号に応じてデータ配信装置3がデータを配信するために実行されるデータ配信処理を説明する。図6は、データ配信処理の処理内容を示すフローチャートである。このデータ配信処理は、データ配信装置3のCPU32が実行する制御用のメイン処理に伴って実行される1つのサブルーチン処理である。
【0099】
図6を参照して、まず、S31により、配信要求信号を受信したか否かが判断される。S31により受信していないと判断された場合は、このデータ配信処理が終了する。一方、S31により受信したと判断された場合は、一方、S32に進み、受信した配信要求信号に基づいて、配信が要求されたデータの内容がどの種類のデータであるかが確認される。具体的にS31では、前述したコード情報に基づいて、配信が要求されているデータの種類が確認される。
【0100】
次に、S33により、S32で確認した種類のデータを配信するために、配信するデータ(画像データ、音データ、発光データ)を配信データ記憶部37の記憶領域から読出す処理が行なわれる。次に、S34により、S33で読出した配信データを、配信要求元の遊技機1へ向けて送信する処理が行なわれる。これにより、配信要求信号に応答したデータがデータ配信装置3から配信される。S34の後、このデータ配信処理が終了し、メインルーチンにリターンする。
【0101】
次に、遊技機1の演出制御用マイクロコンピュータ60において制御のメインルーチンの実行に伴って実行されるサブルーチンの1つである変動中画像表示処理を説明する。図7は、変動中画像表示処理の処理内容を示すフローチャートである。この変動中画像表示処理は、可変表示装置11における可変表示の変動開始から全図柄の停止までの一連の期間における画像表示のための処理であり、図4のS14に含まれる処理の1つである。
【0102】
図7を参照して、まず、S41により、変動開始タイミングであるか否かが判断される。具体的に、S41においては、前述した演出制御コマンドにより指定された可変表示の開始タイミングとなったときに変動開始タイミングであると判断する。
【0103】
S41により変動開始タイミングではないと判断された場合は、後述するS44に進む。一方、S41により変動開始タイミングであると判断された場合は、S42に進み、前述した配信要求信号に応じて画像データが配信されて来ている場合には、その画像データ(圧縮されたデータ)を解凍する処理が行なわれる。
【0104】
次に、S43により、演出制御用マイクロコンピュータ60のROM62に記憶された非リーチ状態画像データを読出し、そのデータに基づいて可変表示装置11での図柄の可変表示を開始させる処理が行なわれる。このS43は、変動開始タイミングとなったことに応じて行なわれる処理である。
【0105】
可変表示においてリーチ状態が表示されない場合は、S43が実行されることにより、その後、非リーチ状態画像データに基づいて、可変表示が開始され、左図柄の停止および右図柄の停止を順次経て、中図柄が停止(全図柄停止)する可変表示の画像が表示される。一方、可変表示においてリーチ状態が表示される場合は、S43が実行されることにより、その後、非リーチ状態画像データに基づいて、可変表示が開始され、左図柄の停止および右図柄の停止を順次経て、リーチ状態が生じるまでの可変表示の画像が表示される。そして、可変表示においてリーチ状態が表示される場合のリーチ状態の開始から中図柄の停止(全図柄停止)までの画像は、S42により解凍されたリーチ状態画像データに基づいて表示される。
【0106】
S43の後、S44に進む。S44では、演出制御用マイクロコンピュータ60で決定された変動パターンに応じて定められている左図柄の停止タイミングであるか否かが判断される。S44により左図柄の停止タイミングではないと判断された場合は、後述するS46に進む。一方、S44により左図柄の停止タイミングであると判断された場合は、S45に進み、ROM62に記憶された非リーチ状態画像データに含まれる左図柄を停止させる画像データに基づいて左図柄を停止させる画像を表示させる処理が行なわれる。S45の後、S46に進む。
【0107】
S46では、演出制御用マイクロコンピュータ60で決定された変動パターンに応じて定められている右図柄の停止タイミングであるか否かが判断される。S46により右図柄の停止タイミングではないと判断された場合は、後述するS48に進む。一方、S46により右図柄の停止タイミングであると判断された場合は、S47に進み、ROM62に記憶された非リーチ状態画像データに含まれる右図柄を停止させる画像データに基づいて右図柄を停止させる画像を表示させる処理が行なわれる。S47の後、S48に進む。
【0108】
S48では、演出制御用マイクロコンピュータ60で決定された変動パターンに応じて定められているリーチ状態の表示タイミングであるか否かが判断される。S48によりリーチ状態の表示タイミングではないと判断された場合は、後述するS50に進む。一方、S48によりリーチ状態の表示タイミングであると判断された場合は、S49に進み、配信されてきたリーチ状態画像データに基づいてリーチ状態を表示させる処理が行なわれる。S49の後、S50に進む。
【0109】
S50では、演出制御用マイクロコンピュータ60で決定された変動パターンに応じて定められている全図柄停止タイミング(中図柄が最後に停止する場合はその停止タイミング)であるか否かが判断される。S50により全図柄停止タイミングではないと判断された場合は、この変動中画像表示処理が終了し、リターンする。一方、S50により全図柄停止タイミングであると判断された場合は、S51に進み、リーチ状態が発生しない可変表示の場合はROM62に記憶された非リーチ状態画像データに含まれる全図柄(中図柄が最後に停止する場合は中図柄)を停止させる画像データに基づいて全図柄を停止させる画像を表示させる処理が行なわれ、また、リーチ状態が発生する可変表示の場合は、S51により、S42により解凍されたリーチ状態画像データに含まれる全図柄(中図柄が最後に停止する場合は中図柄)を停止させる画像データに基づいて全図柄を停止させる画像を表示させる処理が行なわれる。S51の後、この変動中画像表示処理が終了し、リターンする。
【0110】
全図柄を停止させる画像を表示させる処理が行なわれたときには、演出制御用マイクロコンピュータ60から遊技制御用マイクロコンピュータ50へ前述した全図柄停止信号が送信される。遊技制御用マイクロコンピュータ50では、全図柄停止信号を受信すると、大当りとすることが決定されている場合には大当り状態とする大当り制御を実行する処理を行ない、はずれとすることが決定されている場合には次の可変表示を実行する処理を行なう。
【0111】
次に、遊技機1の演出制御用マイクロコンピュータ60において制御のメインルーチンの実行に伴って実行されるサブルーチンの1つである変動中音出力処理を説明する。図8は、変動中音出力処理の処理内容を示すフローチャートである。この変動中音出力処理は、可変表示装置11における可変表示の変動開始から全図柄の停止までの一連の期間におけるスピーカ12からの音の出力のための処理であり、図4のS14に含まれる処理の1つである。
【0112】
図8を参照して、まず、S61により、前述したS41の場合と同様に変動開始タイミングであるか否かが判断される。S61により変動開始タイミングではないと判断された場合は、後述するS64に進む。一方、S61により変動開始タイミングであると判断された場合は、S62に進み、前述した配信要求信号に応じて音データが配信されて来ている場合には、その音データ(圧縮されたデータ)を解凍する処理が行なわれる。
【0113】
次に、S63により、演出制御用マイクロコンピュータ60のROM62に記憶された非リーチ状態音データを読出し、そのデータに基づいて可変表示装置11での図柄の可変表示に対応した音の出力を開始させる処理が行なわれる。このS63は、変動開始タイミングとなったことに応じて行なわれる処理である。
【0114】
可変表示においてリーチ状態が表示されない場合は、S63が実行されることにより、その後、非リーチ状態音データに基づいて、図柄の可変表示に対応した音の出力が開始され、左図柄の停止時に対応する音の出力および右図柄の停止時に対応する音の出力を順次経て、中図柄が停止(全図柄停止)する時に対応する音の出力が行なわれる。一方、可変表示においてリーチ状態が表示される場合は、S63が実行されることにより、その後、非リーチ状態音データに基づいて、可変表示時の音の出力が開始され、左図柄の停止時に対応する音の出力および右図柄の停止時に対応する音の出力を順次経て、リーチ状態が生じるまでの可変表示に対応する音の出力が行なわれる。そして、可変表示においてリーチ状態が表示される場合のリーチ状態の開始から中図柄の停止(全図柄停止)までの可変表示時に対応する音は、S62により解凍されたリーチ状態音データに基づいて出力される。
【0115】
S63の後、S64に進む。S64では、S44の場合と同様に左図柄の停止タイミングであるか否かが判断される。S64により左図柄の停止タイミングではないと判断された場合は、後述するS66に進む。一方、S64により左図柄の停止タイミングであると判断された場合は、S65に進み、ROM62に記憶された非リーチ状態音データに含まれる左図柄停止時に対応する音データに基づいて左図柄を停止させる時の音を出力させる処理が行なわれる。S65の後、S66に進む。
【0116】
S66では、S46の場合と同様に右図柄の停止タイミングであるか否かが判断される。S66により右図柄の停止タイミングではないと判断された場合は、後述するS68に進む。一方、S66により右図柄の停止タイミングであると判断された場合は、S67に進み、ROM62に記憶された非リーチ状態音データに含まれる右図柄停止時に対応する音データに基づいて右図柄を停止させる時の音を出力させる処理が行なわれる。S67の後、S68に進む。
【0117】
S68では、S48の場合と同様にリーチ状態の表示タイミングであるか否かが判断される。S68によりリーチ状態の表示タイミングではないと判断された場合は、後述するS70に進む。一方、S68によりリーチ状態の表示タイミングであると判断された場合は、S69に進み、配信されてきたリーチ状態音データに基づいてリーチ状態を表示させる時の音を出力させる処理が行なわれる。S69の後、S70に進む。
【0118】
S70では、S50の場合と同様に全図柄停止タイミングであるか否かが判断される。S70により全図柄停止タイミングではないと判断された場合は、この変動中音出力処理が終了し、リターンする。一方、S70により全図柄停止タイミングであると判断された場合は、S71に進み、リーチ状態が発生しない可変表示の場合はROM62に記憶された非リーチ状態音データに含まれる全図柄を停止させる時に対応する音データに基づいて全図柄を停止させる時の音を出力させる処理が行なわれ、また、リーチ状態が発生する可変表示の場合はS62により解凍されたリーチ状態音データに含まれる全図柄を停止させる時に対応する音データに基づいて全図柄を停止させる時の音を出力させる処理が行なわれる。S71の後、この変動中音出力処理が終了し、リターンする。
【0119】
次に、遊技機1の演出制御用マイクロコンピュータ60において制御のメインルーチンの実行に伴って実行されるサブルーチンの1つである変動中発光動作処理を説明する。図9は、変動中発光動作処理の処理内容を示すフローチャートである。この変動中発光動作処理は、可変表示装置11における可変表示の変動開始から全図柄の停止までの一連の期間におけるランプ・LED19の発光動作のための処理であり、図4のS14に含まれる処理の1つである。
【0120】
図9を参照して、まず、S81により、前述したS41の場合と同様に変動開始タイミングであるか否かが判断される。S81により変動開始タイミングではないと判断された場合は、後述するS84に進む。一方、S81により変動開始タイミングであると判断された場合は、S82に進み、前述した配信要求信号に応じて発光データが配信されて来ている場合には、その発光データ(圧縮されたデータ)を解凍する処理が行なわれる。
【0121】
次に、S83により、演出制御用マイクロコンピュータ60のROM62に記憶された非リーチ状態発光データを読出し、そのデータに基づいて可変表示装置11での図柄の可変表示を開始させる処理が行なわれる。このS83は、変動開始タイミングとなったことに応じて行なわれる処理である。
【0122】
可変表示においてリーチ状態が表示されない場合は、S83が実行されることにより、その後、非リーチ状態発光データに基づいて、可変表示時の発光動作が開始され、左図柄の停止時に対応する発光動作および右図柄の停止時に対応する発光動作を順次経て、中図柄が停止(全図柄停止)する時に対応する発光動作が行なわれる。一方、可変表示においてリーチ状態が表示される場合は、S83が実行されることにより、その後、非リーチ状態発光データに基づいて、可変表示時の発光動作が開始され、左図柄の停止時に対応する発光動作および右図柄の停止時に対応する発光動作を順次経て、リーチ状態が生じるまでの可変表示に対応する発光動作が行なわれる。そして、可変表示においてリーチ状態が表示される場合のリーチ状態の開始から中図柄の停止(全図柄停止)までの可変表示時に対応する発光動作は、S82により解凍されたリーチ状態発光データに基づいて行なわれる。
【0123】
S83の後、S84に進む。S84では、S44の場合と同様に左図柄の停止タイミングであるか否かが判断される。S84により左図柄の停止タイミングではないと判断された場合は、後述するS86に進む。一方、S84により左図柄の停止タイミングであると判断された場合は、S85に進み、ROM62に記憶された非リーチ状態発光データに含まれる左図柄停止時に対応する発光データに基づいて左図柄を停止させる時の発光動作をさせる処理が行なわれる。S85の後、S86に進む。
【0124】
S86では、S46の場合と同様に右図柄の停止タイミングであるか否かが判断される。S86により右図柄の停止タイミングではないと判断された場合は、後述するS88に進む。一方、S86により右図柄の停止タイミングであると判断された場合は、S87に進み、ROM62に記憶された非リーチ状態発光データに含まれる右図柄停止時に対応する発光データに基づいて右図柄を停止させる時の発光動作をさせる処理が行なわれる。S87の後、S88に進む。
【0125】
S88では、S48の場合と同様にリーチ状態の表示タイミングであるか否かが判断される。S88によりリーチ状態の表示タイミングではないと判断された場合は、後述するS90に進む。一方、S88によりリーチ状態の表示タイミングであると判断された場合は、S89に進み、配信されてきたリーチ状態発光データに基づいてリーチ状態を表示させる時の発光動作をさせる処理が行なわれる。S89の後、S90に進む。
【0126】
S90では、S50の場合と同様に全図柄停止タイミングであるか否かが判断される。S90により全図柄停止タイミングではないと判断された場合は、この変動中発光動作処理が終了し、リターンする。一方、S90により全図柄停止タイミングであると判断された場合は、S91に進み、リーチ状態が発生しない可変表示の場合はROM62に記憶された非リーチ状態発光データに含まれる全図柄を停止させる時に対応する発光データに基づいて全図柄を停止させる時の発光動作をさせる処理が行なわれ、また、リーチ状態が発生する可変表示の場合はS82により解凍されたリーチ状態発光データに含まれる全図柄を停止させる時に対応する発光データに基づいて全図柄を停止させる時の発光動作をさせる処理が行なわれる。S91の後、この変動中発光動作処理が終了し、リターンする。
【0127】
次に、この第1実施形態により得られる主な効果を列挙して説明する。
図4〜図9の処理に示されるように、データ配信装置3に複数種類記憶された可変表示のために用いる画像データが、遊技機1からの配信要求信号に基づいて遊技機1に配信され、遊技機1で可変表示のために用いられるので、遊技機1におけるデータの記憶容量に制限を受けずに画像の可変表示による演出が行なえる。しかも、図3に示されるように、遊技機1において、データ配信装置3から配信されたデータが演出制御基板6から遊技制御用マイクロコンピュータ50へ伝わらない前述したようなデータ入力阻止手段として示した回路構成により、遊技制御用マイクロコンピュータ50へのデータ配信装置3からのデータの入力が阻止される。このため、データ配信装置3のような遊技機1の外部から遊技機1内に画像データ等のデータを受け入れる場合であっても、遊技機の外部から受け入れたデータが遊技制御用マイクロコンピュータ50に伝わらないため、遊技機1に対する不正行為を確実に防止することができる。
【0128】
また、図6の配信要求処理に示されるように、圧縮された画像データが遊技機1に配信され、図7のS42,S48,S49に示されるように、配信されて来たデータが遊技機1において解凍されて可変表示のために用いられるので、配信の際のデータ通信におけるデータ量を少なくすることができるため、データの配信の際の通信速度を高速化することができる。
【0129】
また、図6の配信要求処理に示されるように、データ配信装置3において、音データ記憶領域372に複数種類記憶された配信を要求する画像データに対応した音データが、遊技機1からの配信要求信号に基づいて遊技機1に配信され、遊技機1において可変表示の際に出力させる音の制御のために用いられるので、図8のS62,S68,S69に示されるように、遊技機1におけるデータの記憶容量に制限を受けずに可変表示の際の音による演出が行なえる。
【0130】
また、図6の配信要求処理に示されるように、データ配信装置3において、発光データ記憶領域373に複数種類記憶された配信を要求する画像データに対応した発光データが、遊技機1からの配信要求信号に基づいて遊技機1に配信され、図9のS82,S88,S89に示されるように、遊技機1で可変表示の際の発光動作のために用いられるので、遊技機1におけるデータの記憶容量に制限を受けずに可変表示の際の発光による演出が行なえる。
【0131】
また、図7のS48,S49,S50,S51に示されるように、リーチ状態については配信要求信号に応じてデータ配信装置3から配信されたリーチ状態画像データを用いてリーチ状態での表示をさせ、図7のS41,S43,S44〜S47,S50,S51に示されるように、非リーチ状態については遊技機1でのROM62に記憶された非リーチ状態画像データを用いて非リーチ状態での表示をさせる制御が行なわれる。このため、画像データの配信が表示の演出効果が高いリーチ状態での表示のために限られ、すべての種類の可変表示について画像データの配信を必要とするわけではないので、画像データの配信のための通信回数およびデータの通信量を低減することができ、通信コストを低減することができる。
【0132】
また、リーチ状態で用いられる画像データ、音データ、および、発光データを遊技機1の演出制御用マイクロコンピュータ60のROM62に記憶させる必要がないので、ROM62の記憶容量を低減することができる。
【0133】
また、リーチ状態で用いられる画像データ、音データ、および、発光データ以外のデータを各種の遊技機で共通使用できるようにすれば、可変表示装置11および演出制御基板6を遊技機1の新台交換(遊技機の新機種への変更)時に交換せずにそのまま使用できるようになる。このため、遊技機1の新台交換に要する費用を低減することができる。
【0134】
第2実施形態
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態においては、遊技機1において、遊技制御用マイクロコンピュータ50で可変表示の変動パターンを決定し、遊技制御用マイクロコンピュータ50からデータ配信装置3へ配信要求信号を送信する例を説明する。この第2実施形態では、第1実施形態との相違点を主に説明する。
【0135】
第2実施形態による遊技システムは、主として、遊技機1から配信要求信号を送信する構成、配信要求信号の送信タイミング、データ配信装置3から配信されるデータの内容、および、遊技機1における配信されたデータの用い方等が異なる。
【0136】
図10は、第2実施形態による遊技システムでのデータ配信装置3および遊技機1のそれぞれにおける主要な制御部の構成を示すブロック図である。
【0137】
図10の構成が図3の構成と異なるのは、次の点である。配信要求信号が、遊技制御用マイクロコンピュータ50から通信部7を介して出力される。また、画像データ記憶領域371には、可変表示に用いる画像データとして、第1実施形態の場合とは異なり、リーチ状態が表示される可変表示の可変開始から全図柄の停止までという一連の可変表示の開始から終了までの画像の表示に用いられる画像データであるリーチ可変表示画像データが複数種類記憶されている。音データ記憶領域372には、画像データ記憶領域371に記憶された複数種類のリーチ可変表示画像データに対応した音データ、すなわち、一連の可変表示の開始から終了までの音の出力に用いられる音データであるリーチ可変表示音データが複数種類記憶されている。発光データ記憶領域373には、画像データ記憶領域371に記憶された複数種類のリーチ可変表示画像データに対応した発光データ、すなわち、一連の可変表示の開始から終了までの発光動作に用いられる発光データであるリーチ可変表示発光データが複数種類記憶されている。
【0138】
また、演出制御用マイクロコンピュータ60のROM62には、リーチ状態が表示されない可変表示の可変開始から全図柄の停止までという一連の可変表示の開始から終了までの画像の表示に用いられる画像データ(以下、非リーチ可変表示画像データという)、その一連の可変表示の開始から終了までの音の出力に用いられる音データ(以下、非リーチ可変表示音データという)、および、その一連の可変表示の開始から終了までの発光動作に用いられる発光データ(以下、非リーチ可変表示発光データという)が複数種類記憶されている。
【0139】
次に、第1実施形態の場合と同様に、遊技制御用マイクロコンピュータ50において可変表示装置11で可変表示をさせるために実行される処理の概要を可変表示関連処理として1つのフローチャートにまとめるとともに、演出制御用マイクロコンピュータ60において可変表示装置11で可変表示をさせるために実行される処理の概要を可変表示関連演出処理として1つのフローチャートにまとめて説明する。
【0140】
図11は、第2実施形態による可変表示関連処理および可変表示関連演出処理の主な処理内容を示すフローチャートである。図11においては、(a)に可変表示関連処理の主な処理内容を示し、(b)に可変表示関連演出処理の主な処理内容を示す。
【0141】
遊技制御用マイクロコンピュータ50では、まず、第1実施形態の場合(S1〜S3)と同様に、大当り判定(SA1)、リーチ判定(SA2)、および、停止図柄の決定(SA3)が順次行なわれる。次に、第1実施形態で説明したような変動パターンの決定が行なわれる(SA4)。そして、第1実施形態の場合(S4)と同様に、演出制御コマンドの送信が行なわれる(SA5)。この場合、演出制御コマンドには、遊技制御用マイクロコンピュータ50で決定された変動パターンを指定するコマンドが含まれる。次に、前述したような配信要求信号を送信するための処理である配信要求処理が行なわれる(SA6)。この配信要求処理においては、リーチ判定によりリーチ状態を実行すると決定された場合にのみ配信要求信号が送信される。この配信要求処理の具体的な処理内容は、図5に示したものと同様である。
【0142】
演出制御用マイクロコンピュータ60では、まず、第1実施形態(S13)で説明したような配信データの受信処理が行なわれる(SA11)。そして、可変表示の内容に応じて、可変表示装置11での可変表示のための画像表示、可変表示の際の音の出力、および、可変表示の際のランプ・LED19の発光動作を実行させるための処理が行なわれる(SA12)。
【0143】
次に、配信要求信号が送信された場合に、その配信要求信号に応じてデータ配信装置3がデータを配信するために実行されるデータ配信処理を説明する。この実施の形態の場合には、配信データ記憶部37に記憶された一連の可変表示の開始から終了までの画像データ、音データ、および、発光データを配信するために、前述した図6と同様の処理が行なわれる。
【0144】
次に、遊技機1の演出制御用マイクロコンピュータ60において制御のメインルーチンの実行に伴って実行されるサブルーチンの1つである変動中画像表示処理を説明する。図12は、第2実施形態による変動中画像表示処理の処理内容を示すフローチャートである。この変動中画像表示処理は、可変表示装置11における可変表示の変動開始から全図柄の停止までの一連の期間における画像表示のための処理であり、図11のSA12に含まれる処理の1つである。
【0145】
図12を参照して、まず、SA21により、リーチ表示を行なうことが決定されているか否かが判断される。具体的にSA21では、演出制御コマンドが示す停止図柄が可変表示中にリーチ表示態様となるか否かに基づいてリーチ表示を行なうことが決定されているか否かが判断される。つまり、左,右可変表示領域の停止図柄が一致する場合には、リーチ表示を行なうことが決定されていると判断する。
【0146】
SA21によりリーチ表示を行なうことが決定されていると判断された場合は、後述するSA31に進む。一方、SA21によりリーチ表示を行なうことが決定されていないと判断された場合は、SA22に進み、変動開始タイミングであるか否かが判断される。具体的に、SA22においては、前述した演出制御コマンドにより指定された可変表示の開始タイミングとなったときに変動開始タイミングであると判断する。
【0147】
SA22により変動開始タイミングではないと判断された場合は、後述するSSA24に進む。一方、SA22により変動開始タイミングであると判断された場合は、SA23に進み、演出制御用マイクロコンピュータ60のROM62に記憶された非リーチ可変表示画像データが読出され、その画像データに基づいて可変表示装置11での図柄の可変表示を開始させる処理が行なわれる。その後、SA24に進む。
【0148】
SA23により非リーチ可変表示画像データに基づいて可変表示装置11での図柄の可変表示を開始させる処理が実行されると、非リーチ可変表示画像データに基づいて、可変表示が開始され、その後、図7に示したS44〜S47の処理と同様のSA24〜SA27の処理が実行されることにより、非リーチ可変表示画像データに基づいて左図柄を停止させるための処理および右図柄を停止させるための処理が行なわれ、これにより、可変表示装置11で左図柄を停止させる画像および右図柄を順次停止させる画像が順次表示される。
【0149】
次に、SA28では、演出制御用マイクロコンピュータ60で決定された変動パターンに応じて定められている全図柄停止タイミング(中図柄が最後に停止する場合はその停止タイミング)であるか否かが判断される。SA28により全図柄停止タイミングではないと判断された場合は、この変動中画像表示処理が終了し、リターンする。一方、SA28により全図柄停止タイミングであると判断された場合は、SA29に進み、ROM62に記憶された非リーチ可変表示画像データに含まれる全図柄(中図柄が最後に停止する場合は中図柄)を停止させる画像データに基づいて全図柄を停止させる画像を表示させる処理が行なわれる。SA29の後、この変動中画像表示処理が終了し、リターンする。
【0150】
このように、リーチ表示を行なわないことが決定されている場合には、ROM62に記憶された非リーチ可変表示画像データを用いて、リーチ状態が表示されない可変表示が変動開始から全図柄停止まで行なわれる。
【0151】
また、前述したSA21によりリーチ表示タイミングではないと判断されてSA31に進んだ場合は、SA22の場合と同様に、変動開始タイミングであるか否かが判断される。SA31により変動開始タイミングではないと判断された場合は、後述するSA34に進む。一方、SA31により変動開始タイミングであると判断された場合は、SA32に進み、配信要求信号に応じて配信されて来た音データ(圧縮されたデータ)を解凍する処理が行なわれる。
【0152】
次に、SA33により、配信されてきたリーチ可変表示画像データに基づいて可変表示装置11での図柄の可変表示を開始させる処理が行なわれる。このSA33は、変動開始タイミングとなったことに応じて行なわれる処理である。
【0153】
SA33が実行されることにより、配信されて来たリーチ可変表示画像データに基づいて可変表示が開始され、その後、配信されて来たリーチ可変表示画像データに基づいて、左図柄の停止および右図柄の停止を順次経て、リーチ状態が表示され、中図柄が停止(全図柄停止)する可変表示の画像が表示される。つまり、リーチ表示が行なわれる場合には、可変表示の開始から中図柄の停止(全図柄停止)までの画像は、SA32により解凍されたリーチ可変表示画像データに基づいて表示される。
【0154】
SA33の後、SA34に進む。SA34では、演出制御用マイクロコンピュータ60で決定された変動パターンに応じて定められている左図柄の停止タイミングであるか否かが判断される。SA34により左図柄の停止タイミングではないと判断された場合は、後述するSA36に進む。一方、SA34により左図柄の停止タイミングであると判断された場合は、SA35に進み、前述のリーチ可変表示画像データに含まれる左図柄を停止させる画像データに基づいて左図柄を停止させる画像を表示させる処理が行なわれる。SA35の後、SA36に進む。
【0155】
SA36では、演出制御用マイクロコンピュータ60で決定された変動パターンに応じて定められている右図柄の停止タイミングであるか否かが判断される。
SA36により右図柄の停止タイミングではないと判断された場合は、後述するSA38に進む。一方、SA36により右図柄の停止タイミングであると判断された場合は、SA37に進み、前述のリーチ可変表示画像データに含まれる右図柄を停止させる画像データに基づいて右図柄を停止させる画像を表示させる処理が行なわれる。SA37の後、SA38に進む。
【0156】
SA38では、演出制御用マイクロコンピュータ60で決定された変動パターンに応じて定められているリーチ状態の表示タイミングであるか否かが判断される。SA38によりリーチ状態の表示タイミングではないと判断された場合は、後述するSA40に進む。一方、SA38によりリーチ状態の表示タイミングであると判断された場合は、SA39に進み、前述のリーチ可変表示画像データに含まれるリーチ状態を表示させる画像データに基づいてリーチ状態を表示させる処理が行なわれる。SA39の後、SA40に進む。
【0157】
SA40では、演出制御用マイクロコンピュータ60で決定された変動パターンに応じて定められている全図柄停止タイミング(中図柄が最後に停止する場合はその停止タイミング)であるか否かが判断される。SA40により全図柄停止タイミングではないと判断された場合は、この変動中画像表示処理が終了し、リターンする。一方、SA40により全図柄停止タイミングであると判断された場合は、SA41に進み、前述のリーチ可変表示画像データに含まれる全図柄(中図柄が最後に停止する場合は中図柄)を停止させる画像データに基づいて全図柄を停止させる画像を表示させる処理が行なわれる。SA41の後、この変動中画像表示処理が終了し、リターンする。
【0158】
このように、リーチ表示を行なうことが決定されている場合には、配信されて来たリーチ可変表示画像データを用いて、リーチ状態が表示される可変表示が変動開始から全図柄停止まで行なわれる。
【0159】
次に、遊技機1の演出制御用マイクロコンピュータ60において制御のメインルーチンの実行に伴って実行されるサブルーチンの1つである変動中音出力処理を説明する。図13は、第2実施形態による変動中音出力処理の処理内容を示すフローチャートである。この変動中音出力処理は、可変表示装置11における可変表示の変動開始から全図柄の停止までの一連の期間におけるスピーカ12からの音の出力のための処理であり、図11のSA12に含まれる処理の1つである。
【0160】
図13を参照して、まず、SA51により、SA21と同様に、リーチ表示を行なうことが決定されているか否かが判断される。SA51によりリーチ表示を行なうことが決定されていると判断された場合は、後述するSA61に進む。一方、SA51によりリーチ表示を行なうことが決定されていないと判断された場合は、SA52に進み、SA52の場合と同様に、変動開始タイミングであるか否かが判断される。
【0161】
SA52により変動開始タイミングではないと判断された場合は、後述するSSA54に進む。一方、SA52により変動開始タイミングであると判断された場合は、SA53に進み、演出制御用マイクロコンピュータ60のROM62に記憶された非リーチ可変表示音データが読出され、その音データに基づいて可変表示装置11での図柄の可変表示に対応した音の出力を開始させる処理が行なわれる。その後、SA54に進む。
【0162】
SA53により非リーチ可変表示音データに基づいて可変表示装置11での可変表示時の音の出力を開始させる処理が実行されると、非リーチ可変表示音データに基づいて、可変表示時の音の出力が開始され、その後、図8に示したS64〜S67の処理と同様のSA54〜SA57の処理が実行されることにより、非リーチ可変表示音データに基づいて左図柄停止時に対応する音を出力させるための処理および右図柄停止時に対応する音を出力させるための処理が行なわれ、これにより、可変表示装置11で左図柄が停止される時の音および右図柄が停止される時の音が順次出力される。
【0163】
次に、SA58では、演出制御用マイクロコンピュータ60で決定された変動パターンに応じて定められている全図柄停止タイミング(中図柄が最後に停止する場合はその停止タイミング)であるか否かが判断される。SA58により全図柄停止タイミングではないと判断された場合は、この変動中音出力処理が終了し、リターンする。一方、SA58により全図柄停止タイミングであると判断された場合は、SA59に進み、ROM62に記憶された非リーチ可変表示音データに含まれる全図柄(中図柄が最後に停止する場合は中図柄)を停止させる時に対応する音データに基づいて全図柄を停止させる時の音を出力させる処理が行なわれる。SA59の後、この変動中音出力処理が終了し、リターンする。
【0164】
このように、リーチ表示を行なわないことが決定されている場合には、ROM62に記憶された非リーチ可変表示音データを用いて、リーチ状態が表示されない可変表示の際の音の出力が変動開始から全図柄停止まで行なわれる。
【0165】
また、前述したSA51によりリーチ表示タイミングではないと判断されてSA61に進んだ場合は、SA21の場合と同様に、変動開始タイミングであるか否かが判断される。SA61により変動開始タイミングではないと判断された場合は、後述するSA64に進む。一方、SA61により変動開始タイミングであると判断された場合は、SA62に進み、配信要求信号に応じて配信されて来た音データ(圧縮されたデータ)を解凍する処理が行なわれる。
【0166】
次に、SA63により、配信されてきたリーチ可変表示音データに基づいて可変表示装置11での図柄の可変表示に対応した音の出力を開始させる処理が行なわれる。このSA53は、変動開始タイミングとなったことに応じて行なわれる処理である。
【0167】
SA63が実行されることにより、配信されて来たリーチ可変表示音データに基づいて可変表示に対応した音の出力が開始され、その後、配信されて来たリーチ可変表示音データに基づいて、左図柄の停止時に対応する音の出力および右図柄の停止時に対応する音の出力を順次経て、リーチ状態時に対応する音の出力が行なわれ、そして、中図柄が停止(全図柄停止)する時に対応する音の出力が行なわれる。つまり、リーチ表示が行なわれる場合には、可変表示の開始から中図柄の停止(全図柄停止)までの音は、SA62により解凍されたリーチ可変表示音データに基づいて出力される。
【0168】
SA63の後、SA64に進む。SA64では、SA34の場合と同様に、左図柄の停止タイミングであるか否かが判断される。SA64により左図柄の停止タイミングではないと判断された場合は、後述するSA66に進む。一方、SA64により左図柄の停止タイミングであると判断された場合は、SA65に進み、前述のリーチ可変表示音データに含まれる左図柄停止時に対応する音データに基づいて左図柄停止時に対応する音を出力させるための処理が行なわれる。SA65の後、SA66に進む。
【0169】
SA66では、SA36の場合と同様に、右図柄の停止タイミングであるか否かが判断される。SA66により右図柄の停止タイミングではないと判断された場合は、後述するSA68に進む。一方、SA66により右図柄の停止タイミングであると判断された場合は、SA67に進み、前述のリーチ可変表示音データに含まれる右図柄停止時に対応する音データに基づいて右図柄停止時に対応する音を出力させるための処理が行なわれる。SA67の後、SA68に進む。
【0170】
SA68では、SA48の場合と同様に、リーチ状態の表示タイミングであるか否かが判断される。SA68によりリーチ状態の表示タイミングではないと判断された場合は、後述するSA70に進む。一方、SA68によりリーチ状態の表示タイミングであると判断された場合は、SA69に進み、前述のリーチ可変表示音データに含まれるリーチ状態を表示させる時に対応する音データに基づいてリーチ状態時に対応する音を出力させるための処理が行なわれる。SA69の後、SA70に進む。
【0171】
SA70では、SA40の場合と同様に、全図柄停止タイミング(中図柄が最後に停止する場合はその停止タイミング)であるか否かが判断される。SA70により全図柄停止タイミングではないと判断された場合は、この変動中音出力処理が終了し、リターンする。一方、SA70により全図柄停止タイミングであると判断された場合は、SA71に進み、前述のリーチ可変表示音データに含まれる全図柄(中図柄が最後に停止する場合は中図柄)を停止させる時に対応する音データに基づいて全図柄を停止させる時の音を出力させる処理が行なわれる。SA71の後、この変動中音出力処理が終了し、リターンする。
【0172】
このように、リーチ表示を行なうことが決定されている場合には、配信されて来たリーチ可変表示音データを用いて、リーチ状態が表示される可変表示の際の音の出力が変動開始から全図柄停止まで行なわれる。
【0173】
次に、遊技機1の演出制御用マイクロコンピュータ60において制御のメインルーチンの実行に伴って実行されるサブルーチンの1つである変動中発光動作処理を説明する。図14は、第2実施形態による変動中発光動作処理の処理内容を示すフローチャートである。この変動中発光動作処理は、可変表示装置11における可変表示の変動開始から全図柄の停止までの一連の期間におけるランプ・LED19の発光動作のための処理であり、図11のS12に含まれる処理の1つである。
【0174】
図14を参照して、まず、SA81により、SA21と同様に、リーチ表示を行なうことが決定されているか否かが判断される。SA81によりリーチ表示を行なうことが決定されていると判断された場合は、後述するSA91に進む。一方、SA81によりリーチ表示を行なうことが決定されていないと判断された場合は、SA82に進み、SA82の場合と同様に、変動開始タイミングであるか否かが判断される。
【0175】
SA82により変動開始タイミングではないと判断された場合は、後述するSSA84に進む。一方、SA82により変動開始タイミングであると判断された場合は、SA83に進み、演出制御用マイクロコンピュータ60のROM62に記憶された非リーチ可変表示発光データが読出され、その発光データに基づいて可変表示装置11での図柄の可変表示に対応した発光動作を開始させる処理が行なわれる。その後、SA84に進む。
【0176】
SA83により非リーチ可変表示発光データに基づいて可変表示装置11での可変表示時の発光動作を開始させる処理が実行されると、非リーチ可変表示発光データに基づいて、可変表示時の発光動作が開始され、その後、図9に示したS84〜S87の処理と同様のSA84〜SA87の処理が実行されることにより、非リーチ可変表示発光データに基づいて左図柄停止時に対応する発光動作をさせるための処理および右図柄停止時に対応する発光動作をさせるための処理が行なわれ、これにより、可変表示装置11で左図柄が停止される時の発光動作および右図柄が停止される時の発光動作が順次行なわれる。
【0177】
次に、SA88では、演出制御用マイクロコンピュータ60で決定された変動パターンに応じて定められている全図柄停止タイミング(中図柄が最後に停止する場合はその停止タイミング)であるか否かが判断される。SA88により全図柄停止タイミングではないと判断された場合は、この変動中発光動作処理が終了し、リターンする。一方、SA88により全図柄停止タイミングであると判断された場合は、SA89に進み、ROM62に記憶された非リーチ可変表示発光データに含まれる全図柄(中図柄が最後に停止する場合は中図柄)を停止させる時に対応する発光データに基づいて全図柄を停止させる時の発光動作をさせる処理が行なわれる。SA89の後、この変動中発光動作処理が終了し、リターンする。
【0178】
このように、リーチ表示を行なわないことが決定されている場合には、ROM62に記憶された非リーチ可変表示発光データを用いて、リーチ状態が表示されない可変表示の際の発光動作が変動開始から全図柄停止まで行なわれる。
【0179】
また、前述したSA81によりリーチ表示タイミングではないと判断されてSA91に進んだ場合は、SA21の場合と同様に、変動開始タイミングであるか否かが判断される。SA91により変動開始タイミングではないと判断された場合は、後述するSA94に進む。一方、SA91により変動開始タイミングであると判断された場合は、SA92に進み、配信要求信号に応じて配信されて来た発光データ(圧縮されたデータ)を解凍する処理が行なわれる。
【0180】
次に、SA93により、配信されてきたリーチ可変表示発光データに基づいて可変表示装置11での図柄の可変表示に対応した発光動作を開始させる処理が行なわれる。このSA83は、変動開始タイミングとなったことに応じて行なわれる処理である。
【0181】
SA93が実行されることにより、配信されて来たリーチ可変表示発光データに基づいて可変表示に対応した発光動作が開始され、その後、配信されて来たリーチ可変表示発光データに基づいて、左図柄の停止時に対応する発光動作および右図柄の停止時に対応する発光動作を順次経て、リーチ状態時に対応する発光動作が行なわれ、そして、中図柄が停止(全図柄停止)する時に対応する発光動作が行なわれる。つまり、リーチ表示が行なわれる場合には、可変表示の開始から中図柄の停止(全図柄停止)までの発光動作は、SA92により解凍されたリーチ可変表示発光データに基づいて表示される。
【0182】
SA93の後、SA94に進む。SA94では、SA34の場合と同様に、左図柄の停止タイミングであるか否かが判断される。SA94により左図柄の停止タイミングではないと判断された場合は、後述するSA96に進む。一方、SA94により左図柄の停止タイミングであると判断された場合は、SA95に進み、前述のリーチ可変表示発光データに含まれる左図柄停止時に対応する発光データに基づいて左図柄停止時に対応する発光動作をさせるための処理が行なわれる。SA95の後、SA96に進む。
【0183】
SA96では、SA36の場合と同様に、右図柄の停止タイミングであるか否かが判断される。SA96により右図柄の停止タイミングではないと判断された場合は、後述するSA98に進む。一方、SA96により右図柄の停止タイミングであると判断された場合は、SA97に進み、前述のリーチ可変表示発光データに含まれる右図柄停止時に対応する発光データに基づいて右図柄停止時に対応する発光動作をさせるための処理が行なわれる。SA97の後、SA98に進む。
【0184】
SA98では、SA48の場合と同様に、リーチ状態の表示タイミングであるか否かが判断される。SA98によりリーチ状態の表示タイミングではないと判断された場合は、後述するSA100に進む。一方、SA98によりリーチ状態の表示タイミングであると判断された場合は、SA99に進み、前述のリーチ可変表示発光データに含まれるリーチ状態を表示させる時に対応する発光データに基づいてリーチ状態時に対応する発光動作をさせるための処理が行なわれる。SA99の後、SA100に進む。
【0185】
SA100では、SA40の場合と同様に、全図柄停止タイミング(中図柄が最後に停止する場合はその停止タイミング)であるか否かが判断される。SA100により全図柄停止タイミングではないと判断された場合は、この変動中発光動作処理が終了し、リターンする。一方、SA100により全図柄停止タイミングであると判断された場合は、SA101に進み、前述のリーチ可変表示発光データに含まれる全図柄(中図柄が最後に停止する場合は中図柄)を停止させる時に対応する発光データに基づいて全図柄を停止させる時の発光動作をさせる処理が行なわれる。SA101の後、この変動中発光動作処理が終了し、リターンする。
【0186】
このように、リーチ表示を行なうことが決定されている場合には、配信されて来たリーチ可変表示発光データを用いて、リーチ状態が表示される可変表示の際の発光動作が変動開始から全図柄停止まで行なわれる。
【0187】
このような第2実施形態については、前述した第1実施形態と共通する技術思想による構成について、前述した第1実施形態の場合と同様の技術的効果を得ることができる他、次のような効果を得ることができる。
【0188】
図11〜図14の処理に示されるように、データ配信装置3に複数種類記憶された可変表示のために用いる画像データが、遊技機1からの配信要求信号に基づいて遊技機1に配信され、遊技機1で可変表示のために用いられるので、遊技機1におけるデータの記憶容量に制限を受けずに画像の可変表示による演出が行なえる。しかも、図10に示されるように、遊技機1において、データ配信装置3から配信されたデータが演出制御基板6から遊技制御用マイクロコンピュータ50へ伝わらない前述したようなデータ入力阻止手段として示した回路構成により、遊技制御用マイクロコンピュータ50へのデータ配信装置3からのデータの入力が阻止される。このため、データ配信装置3のような遊技機1の外部から遊技機1内に画像データ等のデータを受け入れる場合であっても、遊技機の外部から受け入れたデータが遊技制御用マイクロコンピュータ50に伝わらないため、遊技機1に対する不正行為を確実に防止することができる。
【0189】
また、図6の配信要求処理に示されるように、圧縮された画像データが遊技機1に配信され、図12のSA32〜SA41に示されるように、配信されて来たデータが遊技機1において解凍されて可変表示のために用いられるので、配信の際のデータ通信におけるデータ量を少なくすることができるため、データの配信の際の通信速度を高速化することができる。
【0190】
また、図6の配信要求処理に示されるように、データ配信装置3において、音データ記憶領域372に複数種類記憶された配信を要求する画像データに対応した音データが、遊技機1からの配信要求信号に基づいて遊技機1に配信され、図13のSA62〜SA71に示されるように、遊技機1において可変表示の際に出力させる音の制御のために用いられるので、遊技機1におけるデータの記憶容量に制限を受けずに可変表示の際の音による演出が行なえる。
【0191】
また、図6の配信要求処理に示されるように、データ配信装置3において、発光データ記憶領域373に複数種類記憶された配信を要求する画像データに対応した発光データが、遊技機1からの配信要求信号に基づいて遊技機1に配信され、図14のSA91〜SA101に示されるように、遊技機1で可変表示の際の発光動作のために用いられるので、遊技機1におけるデータの記憶容量に制限を受けずに可変表示の際の発光による演出が行なえる。
【0192】
また、図12のSA31〜SA41に示されるように、リーチ状態を表示する可変表示については配信要求信号に応じてデータ配信装置から配信されたリーチ可変表示画像データを用いて可変表示をさせ、図12のSA22〜SA29に示されるように、リーチ状態を表示しない可変表示については遊技機1でのROM62に記憶された非リーチ可変表示画像データを用いてリーチ状態が生じない可変表示をさせる制御が行なわれる。このため、画像データの配信が表示の演出効果が高いリーチ状態を表示する可変表示のために限られ、すべての種類の可変表示について画像データの配信を必要とするわけではないので、画像データの配信のための通信回数およびデータの通信量を低減することができ、通信コストを低減することができる。
【0193】
また、リーチ状態で用いられる画像データ、音データ、および、発光データを遊技機1の演出制御用マイクロコンピュータ60のROM62に記憶させる必要がないので、ROM62の記憶容量を低減することができる。
【0194】
また、リーチ状態で用いられる画像データ、音データ、および、発光データ以外のデータを各種の遊技機で共通使用できるようにすれば、可変表示装置11および演出制御基板6を遊技機1の新台交換(遊技機の新機種への変更)時に交換せずにそのまま使用できるようになる。このため、遊技機1の新台交換に要する費用を低減することができる。
【0195】
次に、本発明の変形例等の特徴点を列挙する。
(1) 前述した実施の形態においては、光ファイバーケーブルを用いて遊技機1とデータ配信装置3とを接続した例を説明したが、これに限らず、金属を用いた通信ケーブル等の光ファイバーケーブル以外の通信用ケーブルを用いて遊技機1とデータ配信装置3とを接続するようにしてもよい。また、遊技機1とデータ配信装置3との間の通信は、有線通信に限らず、無線通信を利用してもよい。
【0196】
(2) 前述したデータ配信装置3の配信データ記憶部37に記憶される画像データ、音データ、および、発光データは、遊技機1を製造したメーカー(遊技機製造会社)から通信回線を介してダウンロードすることにより記憶(記憶データの更新を含む)するようにしてもよく、データ配信装置3において、画像データ、音データ、および、発光データを記録した記録媒体からインストールすることにより記憶(記憶データの更新を含む)するようにしてもよい。
【0197】
(3) 前述した実施の形態においては、データ配信装置3の配信データ記憶部37において既に圧縮されたデータ形態で画像データ、音データ、および、発光データを記憶させ、その圧縮されたデータをそのまま配信する例を示した。しかし、これに限らず、データ配信装置3の配信データ記憶部37において圧縮されていないデータ形態で画像データ、音データ、および、発光データを記憶しておき、その圧縮されていないデータを圧縮する処理を配信の際に行なった後、その圧縮されたデータを配信するようにしてもよい。
【0198】
(4) 遊技機1において、データ配信装置3から配信されて来たデータを解凍して画像表示、音出力、発光動作等の可変表示の演出のために用いる処理方法としては、配信されて来たデータのすべてを可変表示の実行前に解凍して一時保存しておき、その一時保存されたデータを用いて可変表示の演出を行なう処理方法を用いてもよく、配信されて来たデータを可変表示の実行中に解凍しながら可変表示の演出を同時進行で行なう処理方法を用いてもよい。
【0199】
(5) 前述した実施の形態においては、データ配信装置3が遊技場内に設けられた例を説明した。しかし、これに限らず、データ配信装置3は、遊技機1を製造したメーカー(遊技機製造会社)等の遊技場外部に設けられていてもよい。
その場合は、通信回線を用いた有線通信によりデータの通信をしてもよく、また、電波を用いた無線通信によりデータの通信をしてもよい。
【0200】
(6) データ配信装置3から遊技機1へ画像データ、音データ、および、発光データを送信する場合は、それらデータを1つずつシリアルに送信するようにしてもよく、それらデータをパラレルに送信するようにしてもよく、また、それらデータをすべて1つの圧縮データとしてまとめて送信するようにしてもよい。
【0201】
(7) 前述した実施の形態においては、データ配信装置3側(配信データ記憶部37)に画像データの他に、音データおよび発光データも記憶させる例を示した。しかし、これに限らず、音データおよび発光データについては、遊技機1側(演出制御用マイクロコンピュータ60のROM62)に記憶させて用いるようにしてもよい。
【0202】
(8) 前述した実施の形態においては、演出制御基板6に設けられた演出制御用マイクロコンピュータ60が画像の表示制御、音の制御、および、発光の制御をまとめて実行する例を示した。しかし、これに限らず、画像の表示制御用の表示制御基板、音の制御用の音制御基板、および、発光制御用の発光制御基板の3つの制御用基板を設け、それぞれの制御基板に設けられた制御用マイクロコンピュータのそれぞれにより画像の表示制御、音の制御、および、発光の制御を実行させるようにしてもよい。その場合は、表示制御基板が画像データの配信を受け、音制御基板が音データの配信を受け、発光制御基板が発光データの配信を受け、各制御基板が配信されたデータに基づいて各制御を行なうようにすればよい。
【0203】
(9) 前述した実施の形態においては、配信要求信号に含まれる1つのコード情報により配信を要求する画像データ、音データ、および、発光データをまとめて特定する例を示した。しかし、これに限らず、配信を要求するデータは、画像データ、音データ、および、発光データのそれぞれについて別々のコード情報により別々に特定するようにしてもよい。
【0204】
(10) 前述した第1実施形態においては、配信要求信号が、可変表示の開始時期に送信される例を示した。しかし、これに限らず、第1実施形態の場合の配信要求信号は、リーチ状態を表示させる直前のタイミングで送信するようにしてもよい。つまり、配信要求信号の送信タイミングは、配信要求信号に応じて配信されてくるデータがリーチ状態の表示に間に合うように送られてくることが可能であれば、どのようなタイミングであってもよい。
【0205】
(11) 前述した実施の形態においては、たとえば、遊技制御基板5において、演出制御基板6へのデータの出力部として、遊技制御基板5から演出制御基板6へ向かう方向にのみデータの伝送を許容する不可逆性出力手段としての機能を有する出力バッファ回路を設けるとともに、演出技制御基板6において、遊技制御基板5からのデータの入力部として、遊技制御基板5から演出制御基板6へ向かう方向にのみデータの伝送を許容する不可逆性入力手段としての機能を有する入力バッファ回路を設けることにより、演出制御基板6から遊技制御基板5へのデータの伝送(入力)が阻止されるようなデータ入力阻止手段としての構成を採用し、遊技制御基板5から演出制御基板6へのデータの一方向通信を行なうようにしてもよい。
【0206】
(12) 前述した実施の形態においては、可変表示に使用する画像データの一部をデータ配信装置3において記憶する例を示した。しかし、これに限らず、可変表示に使用する画像データの全部をデータ配信装置3において記憶させるようにしてもよい。その場合には、可変表示を行なうごとに遊技機1が必要な画像データの配信を要求し、データ配信装置3配信された画像データを遊技機がすべての可変表示において使用する。そのようにすれば、遊技機1におけるデータの記憶容量を大幅に低減することができる。
【0207】
(13) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遊技システムの一例としての遊技システムの構成を示すブロック図である。
【図2】遊技機およびカードユニットの正面図である。
【図3】データ配信装置および遊技機のそれぞれにおける主要な制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】可変表示関連処理および可変表示関連演出処理の主な処理内容を示すフローチャートである。
【図5】配信要求処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図6】データ配信処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図7】変動中画像表示処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図8】変動中音出力処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図9】変動中発光動作処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】第2実施形態による遊技システムでのデータ配信装置および遊技機のそれぞれにおける主要な制御部の構成を示すブロック図である。
【図11】第2実施形態による可変表示関連処理および可変表示関連演出処理の主な処理内容を示すフローチャートである。
【図12】第2実施形態による変動中画像表示処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図13】第2実施形態による変動中音出力処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図14】第2実施形態による変動中発光動作処理の処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 可変表示装置、50 遊技制御用マイクロコンピュータ、60 演出制御用マイクロコンピュータ、1 遊技機、3 データ配信装置、7 送信部、37 配信データ記憶部、38 通信部、371 画像データ記憶領域、31 制御部、38 通信部、8 受信部、12 スピーカ、372 音データ記憶領域、19 ランプ・LED、373 発光データ記憶領域、62 ROM。
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技システムに関し、詳しくは、遊技を演出するために画像を可変表示する表示手段、該表示手段による可変表示の結果を決定するとともに遊技の進行を制御する遊技制御手段、および、該遊技制御手段により決定された可変表示結果となるように遊技の進行に応じて前記表示手段により画像を可変表示させる制御を行なう表示制御手段を含み、前記可変表示結果が特定の表示態様となったときに前記遊技制御手段により遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御を行なう遊技機と、該遊技機に前記表示手段での画像の表示に用いられる画像データを配信するデータ配信装置とを備えた遊技システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技システムに用いられるパチンコ遊技機等の従来の遊技機として一般的に知られているものは、遊技を演出するために画像を可変表示する可変表示装置等の表示手段、該表示手段による可変表示の結果を決定するとともに遊技の進行を制御するマイクロコンピュータ等の遊技制御手段、および、該遊技制御手段により決定された可変表示結果となるように遊技の進行に応じて前記表示手段により画像を可変表示させる制御を行なう表示制御手段を含み、前記可変表示結果が特定の表示態様となったときに前記遊技制御手段により遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御を行なうものであった。
【0003】
このような従来の遊技機では、画像データが遊技機自体の記憶部(メモリ)に記憶され、その記憶部から読出した画像データを用いて画像を可変表示する制御が行なわれる構成となっていた。
【0004】
また、この種の遊技システムに用いられる対象となるパチンコ遊技機等の遊技機以外の遊技機である業務用のアーケードゲーム(TVゲーム)の管理システムとしては、遊技機の外部に設けられたホストコンピュータから遊技機にゲームソフトデータを転送し、転送されたゲームソフトデータを遊技機が実行できるようにしたものがあった(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−163756号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この種の遊技システムの適用対象となる従来の遊技機では、遊技機自体の記憶部に記憶された画像データが画像の表示に用いられるようになっていたので、記憶部におけるデータの記憶容量によりデータの大きさがある程度制限されるため、画像による演出のパターン等の表示パターンの数が制限を受け、画像による遊技の演出効果をあまり高めることができず、遊技者に飽きられやすいという問題があった。
【0007】
また、この種の遊技システムに用いられる対象となる遊技機以外の遊技機の管理システムにおいては、遊技機の外部に設けられたホストコンピュータから遊技機にゲームソフトデータを転送することにより遊技機におけるデータの記憶容量に制限を受けずに画像による演出が行なえる。しかし、この技術を単にこの種の遊技システムの対象となる遊技機に適用した場合には、遊技機外部から遊技機内部へ安易にデータを受け入れるため、外部からの不正な信号の入力により不正な出玉操作がされるおそれがある等、容易に不正行為が行なわれるおそれがあった。
【0008】
この発明はかかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技機におけるデータの記憶容量に制限を受けずに画像の可変表示による演出が行なえ、しかも、遊技機に対する不正行為を確実に防止することが可能な遊技システムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1) 遊技を演出するために画像を可変表示する表示手段(可変表示装置11)、該表示手段による可変表示の結果を決定するとともに遊技の進行を制御する遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ50)、および、該遊技制御手段により決定された可変表示結果となるように遊技の進行に応じて前記表示手段により画像を可変表示させる制御を行なう表示制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ60の表示制御機能)を含み、前記可変表示結果が特定の表示態様となったときに前記遊技制御手段により遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御を行なう遊技機(遊技機1)と、該遊技機に前記表示手段での画像の表示に用いられる画像データを配信するデータ配信装置(データ配信装置3)とを備えた遊技システムであって、
前記遊技機は、
前記遊技制御手段により決定された可変表示結果となる可変表示に用いる画像データの配信を要求する配信要求信号(配信要求信号)を前記データ配信装置へ送信する(S24)配信要求信号送信手段(送信部7)をさらに含み、
前記データ配信装置は、
前記可変表示に用いる画像データが複数種類記憶される画像データ記憶手段(配信データ記憶部37、画像データ記憶領域371)と、
前記配信要求信号を受信する配信要求信号受信手段(通信部38)と、
該配信要求信号受信手段が受信した配信要求信号に対応する画像データを前記画像データ記憶手段から読出し(S33)、配信要求信号の送信元の遊技機へ送信する(S34)画像データの配信を行なう配信手段(制御部31、通信部38)とを含み、
さらに前記遊技機は、
前記配信手段から配信された画像データを受信する画像データ受信手段(受信部8)と、
前記遊技制御手段への前記データ配信装置からのデータの入力を阻止するデータ入力阻止手段(データ配信装置3から配信されたデータが演出制御基板6から遊技制御用マイクロコンピュータ50へ伝わらない回路構成、図3、図10参照)とをさらに含み、
前記表示制御手段が、前記画像データ受信手段が受信した画像データを前記可変表示のために用いる制御を行なう(S42,S48,S49、SA31〜SA41)。
【0010】
このような構成によれば、データ配信装置に複数種類記憶された可変表示のために用いる画像データが、遊技機からの配信要求信号に基づいて遊技機に配信され、遊技機において可変表示のために用いられるので、遊技機におけるデータの記憶容量に制限を受けずに画像の可変表示による演出が行なえる。しかも、遊技機において、データ入力阻止手段により遊技制御手段へのデータ配信装置からのデータの入力が阻止されるので、データ配信装置のような遊技機の外部から遊技機内に画像データを受け入れる場合であっても、遊技機の外部から受け入れたデータが遊技制御手段に伝わらないため、遊技機に対する不正行為を確実に防止することができる。
【0011】
(2) 前記データ配信装置は、
前記配信手段が、圧縮された画像データを配信し(S34)、
前記遊技機は、
前記画像データ受信手段が受信した前記圧縮された画像データを解凍するデータ解凍手段(S42,SA32)をさらに含み、
前記表示制御手段が、前記データ解凍手段が解凍した画像データを用いて前記可変表示をさせる制御を行なう(S48,S49、SA33〜SA41)。
【0012】
このような構成によれば、圧縮された画像データが遊技機に配信され、遊技機において解凍して可変表示のために用いられるので、配信の際のデータ通信におけるデータ量を少なくすることができるため、データの配信の際の通信速度を高速化することができる。
【0013】
(3) 前記遊技機は、
遊技を演出するために音を出力する音出力手段(スピーカ12)と、
遊技の進行に応じて前記音出力手段により出力させる音の制御を行なう音制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ60の音制御機能)とをさらに含み、前記配信要求信号送信手段から送信される配信要求信号が、配信を要求する画像データに対応した音の出力のために用いられる音データをさらに要求する信号であり、
前記データ配信装置は、
前記配信を要求する画像データに対応した音データが複数種類記憶される音データ記憶手段(配信データ記憶部37、音データ記憶領域372)をさらに含み、
前記配信手段が、前記配信要求信号受信手段が受信した前記配信要求信号に対応する音データを前記音データ記憶手段から読出し(S33)、配信要求信号の送信元の遊技機へ送信する(S34)音データの配信をさらに行ない、
さらに前記遊技機は、
前記配信手段から配信された音データを受信する音データ受信手段(受信部8)をさらに含み、
前記音制御手段が、前記音データ受信手段が受信した音データを用いて出力させる音の制御を行なう(S62,S68,S69、SA61〜SA71)。
【0014】
このような構成によれば、データ配信装置において、複数種類記憶された配信を要求する画像データに対応した音データが、遊技機からの配信要求信号に基づいて遊技機に配信され、遊技機において可変表示の際に出力させる音の制御のために用いられるので、遊技機におけるデータの記憶容量に制限を受けずに可変表示の際の音による演出が行なえる。
【0015】
(4) 前記遊技機は、
遊技を演出するために発光する発光部材(ランプ・LED19)と、
遊技の進行に応じて前記発光部材を発光させる制御を行なう発光制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ60の発光制御機能)とをさらに含み、
前記配信要求信号送信手段から送信される配信要求信号が、配信を要求する画像データに対応した前記発光部材の発光のために用いられる発光データをさらに要求する信号であり、
前記データ配信装置は、
前記配信を要求する画像データに対応した発光データが複数種類記憶される発光データ記憶手段(配信データ記憶部37、発光データ記憶領域373)をさらに含み、
前記配信手段が、前記配信要求信号受信手段が受信した前記配信要求信号に対応する発光データを、前記発光データ記憶手段から読出し(S33)、配信要求信号の送信元の遊技機へ送信する(S34)発光データの配信をさらに行ない、
さらに前記遊技機は、
前記配信手段から配信された発光データを受信する発光データ受信手段(受信部8)をさらに含み、
前記発光制御手段が、前記発光データ受信手段が受信した発光データを用いて前記発光部材を発光させる制御を行なう(S82,S88,S89、SA91〜SA101)。
【0016】
このような構成によれば、データ配信装置に複数種類記憶された配信を要求する画像データに対応した発光データが、遊技機からの配信要求信号に基づいて遊技機に配信され、遊技機で可変表示の際の発光動作のために用いられるので、遊技機におけるデータの記憶容量に制限を受けずに可変表示の際の発光による演出が行なえる。
【0017】
(5) 前記データ配信装置は、
前記画像データ記憶手段が、リーチ状態中での可変表示のために用いるリーチ状態画像データ(リーチ状態画像データ)を記憶し、
前記遊技機は、
可変表示の開始からリーチ状態の発生以前の可変表示状態としての非リーチ状態の表示のために用いる非リーチ状態画像データ(非リーチ状態画像データ)を記憶する非リーチ状態画像データ記憶手段(ROM62)をさらに含み、
前記遊技制御手段が、前記可変表示において前記リーチ状態を表示するか否かを決定し(S2)、
前記配信要求信号送信手段が、前記遊技制御手段により前記リーチ状態を表示することが決定されたことに基づいて前記リーチ状態画像データの配信を要求する前記配信要求信号を送信し(S24)、
前記表示制御手段が、前記リーチ状態については前記配信要求信号に応じて配信された前記リーチ状態画像データを用いて前記リーチ状態での表示をさせ(S48,S49)、非リーチ状態については前記非リーチ状態画像データ記憶手段に記憶された前記非リーチ状態画像データを用いて前記非リーチ状態での表示をさせる制御を行なう(S41,S43,S44〜S47,S50,S51)。
【0018】
このような構成によれば、リーチ状態については配信要求信号に応じてデータ配信装置から配信されたリーチ状態画像データを用いてリーチ状態での表示をさせ、非リーチ状態については遊技機での非リーチ状態画像データ記憶手段に記憶された非リーチ状態画像データを用いて非リーチ状態での表示をさせる制御が行なわれる。このため、画像データの配信が表示の演出効果が高いリーチ状態での表示のために限られ、すべての種類の可変表示について画像データの配信を必要とするわけではないので、画像データの配信のための通信回数およびデータの通信量を低減することができ、通信コストを低減することができる。
【0019】
(6) 前記データ配信装置は、
前記画像データ記憶手段が、リーチ状態が生じる可変表示のために用いるリーチ可変表示画像データ(リーチ可変表示画像データ)を記憶し、
前記遊技機は、
前記リーチ状態が生じない可変表示のために用いる非リーチ可変表示画像データ(非リーチ可変表示画像データ)を記憶する非リーチ可変表示画像データ記憶手段(ROM62)をさらに含み、
前記遊技制御手段が、前記可変表示において前記リーチ状態を表示するか否かを決定し(SA2)、
前記配信要求信号送信手段が、前記遊技制御手段により前記リーチ状態を表示することが決定されたときに前記リーチ可変表示画像データの配信を要求する前記配信要求信号を送信し(S24)、
前記表示制御手段が、前記遊技制御手段により前記リーチ状態を表示することが決定されたときには前記配信要求信号に応じて配信された前記リーチ可変表示画像データを用いて可変表示をさせ(SA31〜SA41)、前記遊技制御手段により前記リーチ状態を表示しないことが決定されたときには前記非リーチ可変表示画像データ記憶手段に記憶された前記非リーチ可変表示画像データを用いて可変表示をさせる制御を行なう(SA22〜SA29)。
【0020】
このような構成によれば、リーチ状態を表示する可変表示については配信要求信号に応じてデータ配信装置から配信されたリーチ可変表示画像データを用いて可変表示をさせ、リーチ状態を表示しない可変表示については遊技機での非リーチ可変表示画像データ記憶手段に記憶された非リーチ可変表示画像データを用いてリーチ状態が生じない可変表示をさせる制御が行なわれる。このため、画像データの配信が表示の演出効果が高いリーチ状態を表示する可変表示のために限られ、すべての種類の可変表示について画像データの配信を必要とするわけではないので、画像データの配信のための通信回数およびデータの通信量を低減することができ、通信コストを低減することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態では、遊技システムの一例として、遊技場に設けられたパチンコ遊技機等の遊技機と、遊技場に設けられて遊技機に画像データを配信するデータ配信装置とを備えた遊技システムを説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技を演出するために画像を可変表示する表示手段、該表示手段による可変表示の結果を決定するとともに遊技の進行を制御する遊技制御手段、および、該遊技制御手段により決定された可変表示結果となるように遊技の進行に応じて前記表示手段により画像を可変表示させる制御を行なう表示制御手段を含み、前記可変表示結果が特定の表示態様となったときに前記遊技制御手段により遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御を行なう遊技機と、該遊技機に前記表示手段での画像の表示に用いられる画像データを配信するデータ配信装置とを備えた遊技システムであればすべてが本発明の対象となる。
【0022】
第1実施形態
図1は、本発明に係る遊技システムの一例としての遊技システムの構成を示すブロック図である。
【0023】
図1を参照して、遊技場100には、後述するような可変表示装置を有する複数台の遊技機1と、遊技機1に画像データ等の各種の演出用データを配信するためのデータ配信装置3とが設けられている。
【0024】
以下の説明においては、遊技機1がパチンコ遊技機である場合を一例として示すが、遊技機1としては可変表示装置等の表示手段を有する遊技機であれば、スロットマシン、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよい。
【0025】
また、データ配信装置3は、サーバーコンピュータとして機能することが可能なコンピュータよりなるものを一例として示すが、データ配信装置3としては後述するようなデータを配信できる装置であればどのようなものであってよく、たとえば、データ配信専用の単一機能型のコンピュータであってよく、データ配信機能と遊技場内の情報の管理機能等のその他の機能とを有する多機能型のコンピュータであってもよい。
【0026】
データ配信装置3は、光ファイバーケーブルよりなる通信ケーブルにより、ハブ(集線装置)300を介して複数台の遊技機1のそれぞれと接続されている。
データ配信装置3と各遊技機1との間では、画像データ等の所定のデータが双方向通信の通信態様で伝送可能である。データ配信装置3と遊技機1とは、遊技機1に設けられた後述するような制御用のマイクロコンピュータがクライアントコンピュータとして、データ配信装置3に記憶されているデータを利用する関係にある。
【0027】
次に、図1に示された遊技機1の構成を説明する。図2は、遊技機1およびカードユニット2の正面図である。
【0028】
各遊技機1には、遊技用カードを用いた玉貸しを受けることができる1つのカードユニット2が隣接して設置されている。カードユニット2の前面には、各種画像を表示する表示装置21、玉の貸出しを受けるときにICカードよりなる遊技用カードを挿入するカード口24、遊技用カードを用いて玉貸しを受ける場合に操作する玉貸キー22、および、遊技用カードの返却を受ける場合に操作する返却キー23が設けられている。
【0029】
遊技機の前面には、遊技球が打ち込まれ遊技が行なわれる遊技領域10、打球発射装置(図示省略)に供給する玉および払出される賞球を貯えておく打球供給皿16、打球供給皿16から溢れた貯留球を貯留する余剰玉受皿17、遊技者が打球操作するための打球操作ハンドル18等が配置されている。また、遊技領域10には、可変表示装置11、始動入賞領域13、可変入賞球装置14、アウト口15、ランプ(サイドランプ19aを代表例として示す)、および、LED(Light Emitting Diode)等が配置されている。
【0030】
表示装置21は、タッチパネル式の液晶表示装置であり、各種遊技情報等の情報を表示するとともに、タッチパネルにおいて遊技者の各種操作入力を受付ける。
【0031】
可変表示装置11は、数字等の図柄よりなる複数種類の図柄(識別情報)を画像により可変表示可能な液晶表示装置である。ここで、識別情報とは、各々が識別可能な複数種類の識別情報をいう。可変表示装置11では、表示領域が表示画面上で左可変表示領域、中可変表示領域、および、右可変表示領域の3つの可変表示領域(可変表示部ともいう)に区分された表示態様で図柄の可変表示が行なわれる。左可変表示領域で可変表示される図柄を左図柄と呼び、中可変表示領域で可変表示される図柄を中図柄と呼び、右可変表示領域で可変表示される図柄を右図柄と呼ぶ。
【0032】
可変表示装置11においては、始動入賞に応じて各可変表示領域で一斉に可変表示開始され、その後、所定の順序(たとえば、左,右,中の順)で左,中,右表示領域での可変表示が順次停止(導出表示)されることにより、所定期間後に可変表示が停止されて表示結果がすべて導出表示される。
【0033】
なお、可変表示装置11は、液晶表示装置に限らず、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、LED、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置であってもよい。
【0034】
始動入賞領域13は、打球が入賞したときに可変表示装置11を可変表示開始させるための入賞領域である。可変入賞球装置14は、開閉板が開成して打球が入賞可能な遊技者にとって有利となる第1の状態と、開閉板が閉成して打球が入賞不可能な遊技者にとって不利となる第2の状態とに変化可能に構成され、図示しないソレノイドにより駆動される。
【0035】
遊技機において、遊技者が遊技を行なう場合には、前述したような遊技に使用可能な遊技用カードを用いる。この遊技用カードは、カード番号、および、遊技者による金額の支払いまたは入金の代価として遊技に使用可能とされたプリペイド金額(残金額)の情報等の所定の情報が記録される記録媒体である。
【0036】
遊技用カードを用いて遊技を行なう場合は、まず、カードユニット2に設けられているカード口24に遊技者が遊技用カードを挿入する。すると、その挿入された遊技用カードに記録されている残金額等のカード情報がカードユニット2の内部に設けられたカードリーダライタにより読取られる。そして、読取られたカード情報に基づいて、残金額が、カードユニット1に設けられている表示装置21に表示される。表示装置21は、遊技用カードに記録可能な範囲内で残金額を表示する。また、残金額は、所定の桁数の7セグメント表示器よりなり残金額を表示可能な残金額表示部にディジタル表示するようにしてもよい。
【0037】
玉貸キー22が操作されれば、遊技用カードに記憶された残金額から、予め定められた貸出単位額分の額が引落されて減額され、それと引換えに、貸出単位額分の玉がカードユニット2から打球供給皿(上皿)16上に払出される。このような操作は、玉貸し操作と呼ばれる。
【0038】
また、カード口24に遊技用カードが挿入されている状態において、返却キー23が操作されれば、その時点での残金額の情報が記録された遊技用カードがカード口24から排出されて遊技者に返却される。
【0039】
遊技機1で遊技を行なう場合、遊技者は、遊技機に設けられている打球操作ハンドル18を操作して、打球供給皿16に貯留された打玉を弾発発射し、遊技領域10に打込む。そして、遊技領域10に打込まれた打玉が各種の入賞領域に入賞すれば、入賞領域別に予め定められた個数の景品玉が打球供給皿16(上皿)に払出される。一方、いずれの入賞領域にも入賞しなかった玉は、アウト口15から遊技機1内部に回収される。打球供給皿16が満タンになった場合には、その下方に設けられている余剰玉受皿(下皿)17に玉が送られて貯留される。
【0040】
打玉が始動入賞領域13に入賞(始動入賞)した場合には、玉が始動入賞領域13に設けられる始動入賞玉検出器(図示省略)により検出され、検出信号が後述する遊技制御部としての遊技制御用マイクロコンピュータ(図3参照)に入力される。遊技制御用マイクロコンピュータは、その入力を受けて、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態を発生させるか否かをランダムに決定するとともに後述する演出制御用マイクロコンピュータ(図3参照)へ可変表示装置11での可変表示制御の実行を指令するための表示制御コマンドデータを含む演出制御コードデータを出力する。ここで、特定遊技状態とは、後述するように、ランダムカウンタから抽出した乱数値を用いて判定処理(たとえば、所定値と一致するか否か等)を行ない、かかる判定処理の結果、予め定められた所定の判定結果(たとえば、所定値と一致する結果)であれば可変表示装置に大当り図柄(たとえば、「777」等のゾロ目)を導出表示し、その後移行される遊技状態をいう。演出制御用マイクロコンピュータでは、表示制御コマンドデータを受け、その指令内容にしたがって、可変表示装置11を可変表示制御する。
【0041】
また、可変表示装置11の可変表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せ(たとえば「777」の図柄の組合せ)になった場合には、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態が発生させる制御が行なわれ、以下のような大当り遊技状態での遊技制御が実行される。
【0042】
まず、可変入賞球装置14が開成制御されて遊技者にとって有利な第1の状態(打玉が受け入れやすい状態)となる。そして、第1の状態となった可変入賞球装置14内に所定個数(たとえば、10個)の打玉が入賞するかまたは所定時間(たとえば、30秒間)経過するかのうちいずれか早い方の条件が成立することにより可変入賞球装置14が閉成して遊技者にとって不利な第2の状態(打玉が受け入れられない状態)となる。その第1の状態となっている可変入賞球装置14内に入賞した打玉が、可変入賞球装置14の内部の所定箇所に形成されている特定入賞領域に入賞すれば、継続権が発生し、可変入賞球装置14のその回の第1の状態が終了するのを待って可変入賞球装置14を再度第1の状態に制御する繰返し継続制御が実行される。この繰返し継続制御の実行上限回数は、たとえば16回と定められている。
【0043】
また、可変表示装置11での図柄の可変表示中においては、リーチ状態(リーチ表示)が発生する場合がある。ここで、リーチとは、複数の表示領域(可変表示領域)における一部の表示領域において表示結果がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示領域の表示結果が特定表示結果の組み合わせ(大当り図柄の組合せ)となる条件を満たしている表示状態をいう。また、リーチとして定義されるもののうちには、複数の表示領域のすべてで特定表示結果の組み合わせを保持した状態で可変表示を行なっている所謂全回転リーチも含まれる。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいものがある。このような特定のリーチをスーパーリーチという。
【0044】
このようなリーチ状態においては、リーチ状態を演出するために所定のキャラクタを表示する等、所定の演出表示が行なわれる。このような演出は、リーチ演出とも呼ばれる。ここで、キャラクタとは、可変表示装置に表示される人間,動物,あるいは物等を表わす映像をいう。
【0045】
遊技制御用マイクロコンピュータは、乱数を発生させるためにカウントを行なうカウンタであるランダムカウンタから抽出した乱数を用いて各種の制御を行なう。遊技制御用マイクロコンピュータによる制御には、大当り判定用のランダムカウンタ、リーチ判定用のランダムカウンタ、および、可変表示装置11における停止図柄決定用のランダムカウンタ等の各種のランダムカウンタが用いられる。
【0046】
始動入賞に応じて大当り判定用のランダムカウンタから大当り判定用乱数が抽出され、その抽出値と、予め定められた大当り判定値とが比較される。そして、抽出値と大当り判定値とが一致した場合には、大当り遊技状態を発生させることが事前に決定される。一方、抽出値と大当り判定値とが一致しないた場合には、はずれ(大当り遊技状態を発生させない)とすることが事前に決定される。
【0047】
また、前述した大当り判定によりはずれと判定された場合には、リーチ判定用のランダムカウンタからリーチ判定用の乱数が抽出され、その抽出値が予め定められたリーチ選択値と一致した場合には、リーチ表示態様とすることが決定される。一方、大当り判定により大当りと判定された場合には、前述したようなリーチ状態を必ず生じさせるため、特にリーチ判定は行なわれない。
【0048】
また、始動入賞があった場合には、左,中,右図柄の停止図柄決定用のランダムカウンタのそれぞれから停止図柄用乱数が抽出され、可変表示される複数の図柄のうち、その抽出値と予め対応関係にある図柄が可変表示装置11における可変表示での左,中,右図柄の予定停止図柄として事前決定され、その予定停止図柄が表示結果として表示されるように、可変表示制御が行なわれる。
【0049】
遊技制御用マイクロコンピュータにより大当り遊技状態を発生させることが事前決定されれば、演出制御用マイクロコンピュータは、大当り遊技状態を発生させるための特定の識別情報の組合せ(たとえばゾロ目の組合せ)となるように可変表示装置11を停止制御する。このような特定の識別情報の組合せは、大当り図柄と呼ばれる。たとえば、大当り遊技状態を発生させるための特定の識別情報の組合せがゾロ目の組合せの場合は、大当りを発生させる場合の中,右可変表示部の予定停止図柄が、左停止図柄決定用のランダムカウンタの抽出値に基づいて決定された左可変表示部の予定停止図柄と同じ図柄に揃えられることによりゾロ目の組合せ、すなわち、大当り図柄とされる。
【0050】
一方、大当り遊技状態を発生させないことが事前に決定されれば、左,中,右可変表示領域のそれぞれの停止図柄決定用のランダムカウンタの抽出値に基づいて、大当り遊技状態の発生を示さない識別情報の組合せ(はずれ図柄)となるように図柄が決定される。ただし、前述したリーチ判定によりリーチを発生させる判定がされた場合は、可変表示中にリーチ状態が生じるように、左,右可変表示領域のそれぞれの停止図柄が一致するように識別情報の組合せが決定される。なお、大当り遊技状態を発生させないことが事前に決定された場合において停止図柄決定用のランダムカウンタの抽出値に対応する予定停止図柄が偶然大当り図柄の組合せになってしまう場合には、予定停止図柄の一部が強制的にずらされることによりはずれ図柄にされる。なお、リーチ判定によりリーチを発生させない判定がされた場合において停止図柄決定用のランダムカウンタの抽出値に対応する予定停止図柄が偶然リーチ図柄の組合せになってしまう場合には、予定停止図柄の一部が強制的にずらされることによりリーチ状態とならない図柄にされる。
【0051】
また、停止表示された大当り図柄の組合わせが確率変動を伴う大当り図柄(確変大当り図柄)の組合せである場合には、その大当りに基づく特定遊技状態の終了後に、通常時(確率変動状態以外の通常遊技状態)に比べて大当りが発生する確率が高く変動した(大当り発生確率が向上した)確率変動状態(高確率状態ともいう)となる。このような確率変動状態は、特定遊技状態(大当り遊技状態)と異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態である。このような確率変動は、一般的に、「確変」と省略して呼ばれる場合もある。以下、確変図柄による大当りを確変大当りという。
【0052】
通常遊技状態中に一旦、確変大当りが発生すると、少なくとも予め定められた確変継続回数(たとえば、次回まで)分の大当りが発生するまで確率変動状態に継続制御される。また、確率変動状態中に確変大当りが発生すれば、その確変大当り以降、改めて確変継続回数が計数され、その後、少なくとも確変継続回数だけ大当りが発生するまで確率変動状態が継続する。そして、確変継続回数に達した大当りが確変図柄以外の非確変図柄によるものであった場合には、確率変動の生じていない通常遊技状態に戻る。
【0053】
したがって、確率変動状態の継続制御に制限を設けない場合には、少なくとも確変継続回数に達した大当りが確変大当りである限り、無制限に確率変動状態が継続する。この遊技機の場合には、ある程度、確率変動状態が継続すれば、一旦、確率変動状態への継続制御を終了させるべく、確率変動状態中に確変大当りが連続的に発生する回数について、上限回数が設定されている。そして、この上限回数に基づいて大当りの表示態様が非確変大当りとされた場合には、その時点で確率変動状態の継続制御が強制的に終了する。
【0054】
また、可変表示装置11での可変表示中には、リーチ状態が発生する旨を事前報知(予告)する予告報知(リーチ予告)が行なわれる場合があり、また、大当り状態が発生する旨を事前報知(予告)する予告報知(大当り予告)が行なわれる場合がある。リーチ予告を行なうか否かおよび大当り予告を行なうか否かは、それぞれ個別に、ランダムカウンタ(前述した各種ランダムカウンタと同様の機能のもの)の数値データを用いた抽選により事前にランダムに決定される。リーチ予告は、実際にリーチ状態が発生する場合と実際にはリーチ状態が発生しない場合との両方の場合に行なわれる。また、大当り予告は、実際に大当り状態が発生する場合と実際には大当り状態が発生しない場合との両方の場合に行なわれる。
【0055】
また、遊技機1の上部における左右両端部には、左右一対のスピーカ12,12が設けられている。このスピーカ12からは、遊技を演出するために、可変表示等の遊技の進行に合わせて音声、楽曲音、および、効果音等の各種の音が出力される。
【0056】
また、遊技機1の所定箇所には、たとえば、遊技領域10の左右両端部に設けられたサイドランプ19a,19aに代表されるようなランプおよびLED等の発光部材(発光手段)が設けられている。このような発光部材は、遊技を演出するために、可変表示等の遊技の進行に合わせて所定の発光パターンで発光動作させられる。
【0057】
次に、データ配信装置3および遊技機1のそれぞれにおける主要な制御部の構成を説明するとともに、データ配信装置3および遊技機1の間でのデータ通信がどのように行なわれるかについて説明する。図3は、データ配信装置3および遊技機1のそれぞれにおける主要な制御部の構成を示すブロック図である。
【0058】
遊技機1においては、遊技機1を制御するための制御基板として、遊技制御基板5、演出制御基板6、および、払出制御基板(図示省略)が設けられている。
【0059】
遊技制御基板5は、遊技の進行を制御するために各種遊技制御を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ50等の回路が設けられた制御基板である。遊技制御用マイクロコンピュータ50は、遊技制御用のプログラム等を記憶する記憶手段の一例であるROM52、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM53、制御用プログラムに従って制御動作を行なうCPU51およびI/Oポート部(図示省略)を含む遊技制御用のマイクロコンピュータである。
【0060】
遊技制御基板5では、入賞の検出等の遊技制御に必要となる複数の検出手段としての各スイッチ4(始動入賞玉検出器等の検出スイッチの総称)から各種の検出信号が入力され、各スイッチ4の状態を監視しながら、前述したような遊技を実行するための遊技制御が行なわれる。
【0061】
演出制御基板6は、遊技の進行に合わせて可変表示装置11での可変表示の制御を実行するための可変表示制御、遊技の進行に合わせて遊技効果音等の音をスピーカ12から出力する制御を実行するための音制御、および、遊技の進行に合わせてランプ・LED19(サイドランプ19aを代表例とするランプおよびLEDのような発光手段の総称)の発光動作の制御を実行するための発光制御等の各種演出を行なう制御を実行するための演出制御用マイクロコンピュータ60等の回路が設けられた制御基板である。このように、演出制御用マイクロコンピュータ60は、可変表示制御機能、音制御機能、および、発光制御機能を有する。
【0062】
演出制御用マイクロコンピュータ60の構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ50と同様であり、演出制御用のプログラム等を記憶する記憶手段の一例であるROM62、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM63、制御用プログラムに従って制御動作を行なうCPU61およびI/Oポート部(図示省略)を含む遊技制御用のマイクロコンピュータである。
【0063】
遊技制御基板5(遊技制御用マイクロコンピュータ50)から演出制御基板6(演出制御用マイクロコンピュータ60)には、演出制御基板6により制御が行なわれる機器の制御のための指令情報である演出制御コマンド等の情報が伝送される。演出制御用マイクロコンピュータ60は、このような演出制御コマンドに応じて制御対象機器を駆動する制御を行なう。
【0064】
演出制御コマンドには、可変表示装置11での図柄の可変表示制御内容を指令する表示制御コマンド、ランプ・LED19の発光制御内容を指令する発光制御コマンド、ならびに、スピーカ12から出力する音の制御内容を指令する音制御コマンドが含まれている。これら表示制御コマンド、発光制御コマンド、および、音制御コマンドは、演出制御コマンドに含まれるため、以下の説明においては、各制御コマンドを総称して演出制御コマンドという場合もある。
【0065】
具体的に、表示制御コマンドとしては、たとえば可変表示の開始、可変表示の停止図柄、大当り時の表示等の可変表示に関する各種指令が示される。演出制御用マイクロコンピュータ60では、この表示制御コマンドに応じて、可変表示装置11における図柄の可変表示等の表示制御を行なう。
【0066】
演出制御用マイクロコンピュータ60においては、表示制御コマンドを受けた場合に、可変表示の表示パターンとしての変動パターンをランダムに決定する。
変動パターンの決定は、前述したランダムカウンタと同様のランダムカウンタを用いて行なわれる。変動パターンは、ノーマル変動パターン(リーチ状態の表示による演出を含まない通常の変動パターン)、および、複数種類のリーチ変動パターン(リーチ状態の表示による演出を含む変動パターンであり、複数種類設定されている)等の複数種類が設定されている。
【0067】
演出制御用マイクロコンピュータ60において、変動パターンの決定は、次のように行なわれる。前述した表示制御コマンドにより示される停止図柄に基づいてリーチ状態とならないことが決定されている場合には、変動パターンとしてノーマル変動パターンが選択決定される。一方、前述した表示制御コマンドにより示される停止図柄に基づいてリーチ状態となることが決定されている場合には、ランダムカウンタの抽出値に基づいて複数種類のリーチ変動パターンのうちから1つのリーチ変動パターンがランダムに選択決定される。そして、このように変動パターンが選択決定されると、演出制御用マイクロコンピュータ60が、選択決定された変動パターンで可変表示を実行させる制御を行なう。また、演出制御用マイクロコンピュータ60により実行された可変表示が終了したことを示す信号(図柄停止信号)が、演出制御用マイクロコンピュータ60から遊技制御用マイクロコンピュータ50に送信されることにより、遊技制御用マイクロコンピュータ50では、コマンドにより指令した可変表示が終了したことを認識する。
【0068】
また、演出制御用マイクロコンピュータ60では、発光制御コマンドに応じて、ランプ・LED19の発光制御を行なう。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ60では、音制御コマンドに応じて、スピーカ12から出力する(発生される)音の制御を行なう。
【0069】
また、可変表示が行なわれる場合に演出制御用マイクロコンピュータ60で前述のように変動パターンが選択決定されたときには、演出制御用マイクロコンピュータ60が、選択決定された変動パターンに対応する発光制御および音制御を実行させる。
【0070】
演出制御用マイクロコンピュータ60では、前述したような演出制御を行なう場合に、演出制御を実行するための画像データ(たとえば、動画データ)、音データ、および、発光データを用いて、可変表示、音出力、および、発光動作の各種演出制御を行なう。この画像データ、音データ、および、発光データのような演出制御用のデータは、演出制御用マイクロコンピュータ60のROM62から読出して用いるとともに、必要に応じてデータ配信装置3からデータの配信を受けて用いる。演出制御用のデータのうち、リーチ状態の表示が行なわれる時に用いられるデータ(リーチ状態画像データ、リーチ状態音データ、および、リーチ状態発光データ)がデータ配信装置3に記憶されており、リーチ状態以外の表示が行なわれる時に用いられるデータ(非リーチ状態画像データ、非リーチ状態音データ、および、非リーチ状態発光データ)が演出制御用マイクロコンピュータ60のROM62に記憶されている。なお、演出制御用のデータについては、リーチ状態の表示が行なわれる時に用いられるデータおよびリーチ状態以外の表示が行なわれる時に用いられるデータのすべてのデータをデータ配信装置3に記憶するようにしてもよい。
【0071】
また、図示を省略した払出制御基板は、入賞に応じて、遊技機1に設けられた玉の払出装置(図示省略)から玉を払出す制御を実行するためのマイクロコンピュータ等の回路が設けられた制御基板であり、遊技制御用マイクロコンピュータ50からの指令に応じて景品玉(賞球)を払出す制御を行なう。
【0072】
また、遊技機1においては、遊技機1からデータ配信装置3へ向けて画像データ等のデータの配信を要求するための配信要求信号を送信するための送信回路により構成される送信部7が設けられている。送信部7は、演出制御基板6から配信要求信号を受けて遊技機1の外部へ送信する。配信要求信号は、可変表示装置11での可変表示を実行するために必要な画像データの配信を要求することに加えて、その画像データに基づく可変表示が行なわれる際に同期してスピーカ12から音を出力するための音データと、その画像データに基づく可変表示が行なわれる際に同期してランプ・LED19を発光動作させるための発光データ(より具体的には発光パターンデータ)との配信を要求する信号である。
【0073】
たとえば、配信を要求する複数種類のデータのそれぞれには、コード情報(たとえば、画像データ、音データ、発光データを代表して画像データの種類を特定するコードデータ)が対応付けられており、配信要求信号では、信号パターン等により、配信を要求するデータの種類がそのようなコード情報で示される。また、配信要求信号では、配信要求信号の送信元の遊技機1を明確に特定するために、送信元の遊技機1に割り当てられた(付与された)IPアドレスを特定する情報も示される。つまり、遊技場100内に設けられた各遊技機1にはIPアドレスが割り当てられており、そのIPアドレスにより送信元の遊技機が特定されるのである。なお、送信元の遊技機1を特定する方法としては、IPアドレスの替わりに、遊技機1の台番号(遊技場100において各遊技機1を識別するために遊技機ごとに付与された番号)を特定する情報を用いて送信元の遊技機1を特定するようにしてもよい。
【0074】
さらに、遊技機1においては、前述した配信要求信号に応じてデータ配信装置3から遊技機1へ向けて配信された画像データ等のデータを受信する受信回路により構成される受信部8が設けられている。受信部8は、受信したデータを演出制御基板6へ与える。
【0075】
この実施形態の場合、配信要求信号は、可変表示においてリーチ状態の表示(具体的にはリーチ演出表示)が行なわれるときに使用する比較的データ量が多い画像データ、音データ、および、発光データの配信を受けるために送信される。
すなわち、比較的データ量が少ないデータであるリーチ状態の可変表示(具体的にはリーチ演出表示)が行なわれないときの画像データ、音データ、および、発光データは、演出制御用マイクロコンピュータ60のROM62に記憶されており、リーチ状態の可変表示が行なわれないときには、演出制御用マイクロコンピュータ60がROM62からこのようなデータを読出して演出制御に用いる。また、リーチ状態の可変表示が行なわれるときに使用するデータについても、比較的データ量が少ないデータである可変開始からリーチ状態を表示する発生までの間の演出制御に用いられる画像データ、音データ、および、発光データは、ROM62に記憶されており、演出制御用マイクロコンピュータ60がROM62からこのようなデータを読出して演出制御に用いる。つまり、この実施の形態の場合は、一連の可変表示の期間のうち、可変表示中にリーチ状態の表示態様となってから全図柄が停止するまでの期間に用いる画像データ(リーチ状態画像データ)、音データ(リーチ状態音データ)、および、発光データ(リーチ状態発光データ)が配信を受けるためにデータ配信装置3に記憶されているのである。
【0076】
次に、データ配信装置3の構成を説明する。データ配信装置3は、制御部31、配信データ記憶部37、表示部36、入力部35、および、通信部38を含む。制御部31は、制御中枢としてのCPU32(Central Processing Unit )、制御用プログラム等の各種プログラムを記憶しているROM(Read Only Memory)33、CPUのワーキングエリアとしてのRAM(Random Access Memory)34、および、外部との入出力信号の整合性をとるためのI/Oポート(図示省略)を含む。制御部31においては、CPU32により、ROM33に記憶されたプログラムが実行され、RAM34をワーキングエリアとして用いて後述するようなデータ配信のための制御が行なわれる。
【0077】
配信データ記憶部37は、ハードディスク装置等の記憶装置よりなり、制御部31によって制御され、各種情報が記憶される。表示部36は、LCD等の表示装置よりなり、制御部31によって制御され、各種情報が表示される。入力部35は、キーボード等のデータの入力操作が可能な入力装置よりなり、入力操作に応じて入力されたデータが制御部31へ与えられる。
【0078】
通信部38は、データの送信をするための送信手段およびデータの受信をするための受信手段が設けられて通信を行なう通信回路よりなる。通信部38では、遊技場100内の各遊技機1から前述した配信要求信号を受信して制御部31へ与えるとともに、配信要求信号により要求されたデータを制御部31から受けて送信元の遊技機1へ送信する。
【0079】
配信データ記憶部37の記憶領域のうちには、画像データ記憶領域371、音データ記憶領域372、および、発光データ記憶領域373が含まれている。画像データ記憶領域371には、遊技機1の可変表示装置11での可変表示に用いる画像データが複数種類記憶されている。音データ記憶領域372には、画像データ記憶領域371に記憶された複数種類の画像データに対応した音データ、すなわち、遊技機1でのスピーカ12から音を出力させるための音データが複数種類記憶されている。発光データ記憶領域373には、画像データ記憶領域371に記憶された複数種類の画像データに対応した発光データ、すなわち、遊技機1でのランプ・LED19を発光動作させるための発光データが複数種類記憶されている。
【0080】
この実施の形態において配信データ記憶部37の記憶領域に記憶されているデータは、可変開始から全図柄の停止までの一連の可変表示の期間のうち、可変表示中にリーチ表示態様となってから全図柄が停止するまでの期間に用いる画像データ、音データ、および、発光データである。
【0081】
画像データ記憶領域371、音データ記憶領域372、および、発光データ記憶領域373のそれぞれにおいては、周知の圧縮手法(たとえば、MPEG(Moving Picture Experts Group)、MP3(MPEG Audio stream Layer−3)等)により圧縮されたデータが記憶されている。このように圧縮されたデータは、遊技機1の側で解凍して使用される。このようなMPEGおよびMP3の圧縮方式でデータを圧縮することによりデータの圧縮率が高くなる。
【0082】
画像データの一般的な圧縮方法は、所定の計算式に基づいて、ソース符号化すること、動いた部分だけを送付すること、および、動画のフレーム数を減らすこと等の手法で行なわれる。この実施の形態の場合では、画像データがMPEGの方式で圧縮される。MPEGでの圧縮の主な処理としては、前処理、ソース符号化、および、可変長符号化が順に実行される。前処理としては、画像にフィルターをかけてぼかすこと、ドットを減らすことが行なわれる。ソース符号化としては、動き補償フレーム間予測、量子化、および、離散コサイン変換が行なわれる。可変長符号化としては、データの値(事象)の発生頻度に応じて異なる符号を割り当てることが行なわれる。このような符号化(エンコード)により圧縮されたデータは、遊技機1においてデコード(復号化)されることにより解凍される。
【0083】
また、この実施の形態の場合では、音データがMP3の方式で圧縮され、遊技機1において解凍される。MP3は、MPEGの圧縮方式に含まれる圧縮率が最も高いLayer−3の圧縮方式であり、ロッシー・データ圧縮方式(人間の耳に検知できない範囲なら圧縮/復元の過程で多少の情報損失を許容する方式で圧縮率が高い方式)を用いてデータが圧縮される。また、この実施の形態の場合では、発光データがロスレス・データ圧縮方式(元のデータを1ビットも失うことなく圧縮/復元できる方式)で圧縮され、遊技機1において解凍される。
【0084】
制御部31では、遊技機1から送信されて受信した配信要求信号が示すコード情報に基づいてどの種類のデータが要求されているかを判断(配信が要求されたデータの確認)し、その判断結果に基づいて、配信が要求された種類の画像データを画像データ記憶領域371から読出すとともに、その種類の画像データに対応する音データを音データ記憶領域372から読出し、その種類の画像データに対応する発光データを発光データ記憶領域373から読出し、読出したデータを、通信部38を介して配信要求元の遊技機1へ送信する制御を行なう。このようにデータ配信装置3から配信されるデータは、圧縮されたデータ形式で送信される。
【0085】
配信要求信号に応じて制御部31から画像データ等のデータ(以下、配信データともいう)が配信要求元の遊技機1に向けて送信されると、配信要求元の遊技機1において、そのような配信データが受信部8で受信されて演出制御用マイクロコンピュータ60に送られる。
【0086】
演出制御用マイクロコンピュータ60では、演出制御コマンドに応じて所定の可変表示(たとえば、リーチ表示等)をする場合に、配信要求に応じて配信されてきた画像データ、音データ、および、発光データを用いて可変表示における表示、音、および、発光を制御する。
【0087】
遊技制御基板5と演出制御基板6との間では、遊技制御基板5から演出制御基板6の方向へコマンドのデータを伝送するためのデータバスが設けられているが、演出制御基板6から遊技制御基板5の方向へデータを伝送するためのデータバスが設けられていない。演出制御基板6から遊技制御基板5の方向へ伝送されるのは、前述した図柄停止信号のみである。したがって、遊技制御基板5と演出制御基板6との間の配線により、演出制御基板6から遊技制御基板5の方向へのデータの入力が阻止される構成となっている。このため、演出制御基板6がデータ配信装置3からの配信データを受信する構成、および、遊技制御基板5と演出制御基板6との間の配線により、演出制御基板6から遊技制御基板5の方向へのデータの入力が阻止される構成により、遊技制御基板5(遊技制御用マイクロコンピュータ50)へのデータ配信装置3からのデータの入力を阻止するデータ入力阻止手段が構成されている。
【0088】
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ50において可変表示装置11で可変表示をさせるために実行される処理の概要を可変表示関連処理として1つのフローチャートにまとめるとともに、演出制御用マイクロコンピュータ60において可変表示装置11で可変表示をさせるために実行される処理の概要を可変表示関連演出処理として1つのフローチャートにまとめて説明する。
【0089】
図4は、可変表示関連処理および可変表示関連演出処理の主な処理内容を示すフローチャートである。図4においては、(a)に可変表示関連処理の主な処理内容を示し、(b)に可変表示関連演出処理の主な処理内容を示す。この図4に示される(a)の可変表示関連処理は、有効な始動入賞に基づいて可変表示を行なう場合に実行される主な処理を示しており、図4に示される(b)の可変表示関連演出処理は、可変表示の実行を指令する演出制御コマンドを受けて可変表示制御を行なう場合に実行される主な処理を示している。
【0090】
遊技制御用マイクロコンピュータ50では、まず、前述したようなランダムカウンタを用いた大当り判定が行なわれる(ステップS(以下単にSという)1)。そして、前述したようなランダムカウンタを用いたリーチ判定が行なわれる(S2)。但し、このリーチ判定は、前述したように、大当りとする決定がされた場合には実行されない。次に、前述したようなランダムカウンタを用いた可変表示における停止図柄の決定が行なわれる(S3)。次に、前述したような可変表示を実行させるための演出制御コマンドの送信が行なわれる(S4)。
【0091】
演出制御用マイクロコンピュータ60では、まず、前述したような変動パターンの決定が行なわれる(S11)。そして、前述したような配信要求信号を送信するための処理である配信要求処理が行なわれる(S12)。但し、この配信要求処理においては、演出制御コマンドに基づいてリーチ状態が実行されると判断された場合にのみ配信要求信号が送信される。この配信要求処理の具体的な処理内容は、図5を用いて後述する。
【0092】
次に、配信要求信号に応じて配信されてきたデータである配信データを受信するための処理が行なわれる(S13)。但し、この配信データの受信処理においては、可変表示の実行に際して配信要求信号が送信されなかった場合には配信データが受信されない。次に、可変表示の進行に応じて、可変表示装置11での可変表示のための画像表示、可変表示の際の音の出力、および、可変表示の際のランプ・LED19の発光動作を実行させるための処理が行なわれる(S14)。
【0093】
次に、図4に示されたS12の配信要求処理の具体的処理内容を説明する。図5は、配信要求処理の処理内容を示すフローチャートである。この配信要求処理は、CPU61が実行する制御用のメイン処理に伴って実行される1つのサブルーチン処理である。
【0094】
図5を参照して、まず、S21により、可変表示を実行することが決定されているか否かが判断される。具体的にS21では、演出制御コマンドにより可変表示の実行が指令されているか否かが判断される。
【0095】
S21により可変表示を実行することが決定されていないと判断された場合は、この配信要求処理が終了する。一方、S21により可変表示を実行することが決定されていると判断された場合は、S22に進み、リーチ表示を行なうことが決定されているか否かが判断される。具体的にS22では、演出制御コマンドが示す停止図柄が可変表示中にリーチ表示態様となるか否かに基づいてリーチ表示を行なうことが決定されているか否かが判断される。つまり、左,右可変表示領域の停止図柄が一致する場合には、リーチ表示を行なうことが決定されていると判断する。
【0096】
S22によりリーチ表示を行なうことが決定されていないと判断された場合は、この配信要求処理が終了する。一方、S22によりリーチ表示を行なうことが決定されていると判断された場合は、S23に進み、配信要求信号の送信タイミングであるか否かが判断される。この場合の配信要求信号の送信タイミングは、可変表示装置11での可変表示の開始時である。
【0097】
S23により配信要求信号の送信タイミングではないと判断された場合は、この配信要求処理が終了する。一方、S23により配信要求信号の送信タイミングであると判断された場合は、S24に進み、配信要求信号を送信する処理が行なわれる。これにより、配信要求信号がデータ配信装置3へ向けて送信される。このように、配信要求信号は、可変表示が実行される場合の可変表示の開始時期に送信されることとなる。この場合に送信される配信要求信号は、一連の可変表示の期間(可変開始から全図柄停止までの期間)のうち、可変表示中にリーチ状態の表示態様となってから全図柄が停止するまでの期間(すなわち、リーチ演出表示)に用いる画像データ、音データ、および、発光データを要求する信号である。S24の後、この配信要求処理が終了し、メインルーチンにリターンする。
【0098】
次に、配信要求信号が送信された場合に、その配信要求信号に応じてデータ配信装置3がデータを配信するために実行されるデータ配信処理を説明する。図6は、データ配信処理の処理内容を示すフローチャートである。このデータ配信処理は、データ配信装置3のCPU32が実行する制御用のメイン処理に伴って実行される1つのサブルーチン処理である。
【0099】
図6を参照して、まず、S31により、配信要求信号を受信したか否かが判断される。S31により受信していないと判断された場合は、このデータ配信処理が終了する。一方、S31により受信したと判断された場合は、一方、S32に進み、受信した配信要求信号に基づいて、配信が要求されたデータの内容がどの種類のデータであるかが確認される。具体的にS31では、前述したコード情報に基づいて、配信が要求されているデータの種類が確認される。
【0100】
次に、S33により、S32で確認した種類のデータを配信するために、配信するデータ(画像データ、音データ、発光データ)を配信データ記憶部37の記憶領域から読出す処理が行なわれる。次に、S34により、S33で読出した配信データを、配信要求元の遊技機1へ向けて送信する処理が行なわれる。これにより、配信要求信号に応答したデータがデータ配信装置3から配信される。S34の後、このデータ配信処理が終了し、メインルーチンにリターンする。
【0101】
次に、遊技機1の演出制御用マイクロコンピュータ60において制御のメインルーチンの実行に伴って実行されるサブルーチンの1つである変動中画像表示処理を説明する。図7は、変動中画像表示処理の処理内容を示すフローチャートである。この変動中画像表示処理は、可変表示装置11における可変表示の変動開始から全図柄の停止までの一連の期間における画像表示のための処理であり、図4のS14に含まれる処理の1つである。
【0102】
図7を参照して、まず、S41により、変動開始タイミングであるか否かが判断される。具体的に、S41においては、前述した演出制御コマンドにより指定された可変表示の開始タイミングとなったときに変動開始タイミングであると判断する。
【0103】
S41により変動開始タイミングではないと判断された場合は、後述するS44に進む。一方、S41により変動開始タイミングであると判断された場合は、S42に進み、前述した配信要求信号に応じて画像データが配信されて来ている場合には、その画像データ(圧縮されたデータ)を解凍する処理が行なわれる。
【0104】
次に、S43により、演出制御用マイクロコンピュータ60のROM62に記憶された非リーチ状態画像データを読出し、そのデータに基づいて可変表示装置11での図柄の可変表示を開始させる処理が行なわれる。このS43は、変動開始タイミングとなったことに応じて行なわれる処理である。
【0105】
可変表示においてリーチ状態が表示されない場合は、S43が実行されることにより、その後、非リーチ状態画像データに基づいて、可変表示が開始され、左図柄の停止および右図柄の停止を順次経て、中図柄が停止(全図柄停止)する可変表示の画像が表示される。一方、可変表示においてリーチ状態が表示される場合は、S43が実行されることにより、その後、非リーチ状態画像データに基づいて、可変表示が開始され、左図柄の停止および右図柄の停止を順次経て、リーチ状態が生じるまでの可変表示の画像が表示される。そして、可変表示においてリーチ状態が表示される場合のリーチ状態の開始から中図柄の停止(全図柄停止)までの画像は、S42により解凍されたリーチ状態画像データに基づいて表示される。
【0106】
S43の後、S44に進む。S44では、演出制御用マイクロコンピュータ60で決定された変動パターンに応じて定められている左図柄の停止タイミングであるか否かが判断される。S44により左図柄の停止タイミングではないと判断された場合は、後述するS46に進む。一方、S44により左図柄の停止タイミングであると判断された場合は、S45に進み、ROM62に記憶された非リーチ状態画像データに含まれる左図柄を停止させる画像データに基づいて左図柄を停止させる画像を表示させる処理が行なわれる。S45の後、S46に進む。
【0107】
S46では、演出制御用マイクロコンピュータ60で決定された変動パターンに応じて定められている右図柄の停止タイミングであるか否かが判断される。S46により右図柄の停止タイミングではないと判断された場合は、後述するS48に進む。一方、S46により右図柄の停止タイミングであると判断された場合は、S47に進み、ROM62に記憶された非リーチ状態画像データに含まれる右図柄を停止させる画像データに基づいて右図柄を停止させる画像を表示させる処理が行なわれる。S47の後、S48に進む。
【0108】
S48では、演出制御用マイクロコンピュータ60で決定された変動パターンに応じて定められているリーチ状態の表示タイミングであるか否かが判断される。S48によりリーチ状態の表示タイミングではないと判断された場合は、後述するS50に進む。一方、S48によりリーチ状態の表示タイミングであると判断された場合は、S49に進み、配信されてきたリーチ状態画像データに基づいてリーチ状態を表示させる処理が行なわれる。S49の後、S50に進む。
【0109】
S50では、演出制御用マイクロコンピュータ60で決定された変動パターンに応じて定められている全図柄停止タイミング(中図柄が最後に停止する場合はその停止タイミング)であるか否かが判断される。S50により全図柄停止タイミングではないと判断された場合は、この変動中画像表示処理が終了し、リターンする。一方、S50により全図柄停止タイミングであると判断された場合は、S51に進み、リーチ状態が発生しない可変表示の場合はROM62に記憶された非リーチ状態画像データに含まれる全図柄(中図柄が最後に停止する場合は中図柄)を停止させる画像データに基づいて全図柄を停止させる画像を表示させる処理が行なわれ、また、リーチ状態が発生する可変表示の場合は、S51により、S42により解凍されたリーチ状態画像データに含まれる全図柄(中図柄が最後に停止する場合は中図柄)を停止させる画像データに基づいて全図柄を停止させる画像を表示させる処理が行なわれる。S51の後、この変動中画像表示処理が終了し、リターンする。
【0110】
全図柄を停止させる画像を表示させる処理が行なわれたときには、演出制御用マイクロコンピュータ60から遊技制御用マイクロコンピュータ50へ前述した全図柄停止信号が送信される。遊技制御用マイクロコンピュータ50では、全図柄停止信号を受信すると、大当りとすることが決定されている場合には大当り状態とする大当り制御を実行する処理を行ない、はずれとすることが決定されている場合には次の可変表示を実行する処理を行なう。
【0111】
次に、遊技機1の演出制御用マイクロコンピュータ60において制御のメインルーチンの実行に伴って実行されるサブルーチンの1つである変動中音出力処理を説明する。図8は、変動中音出力処理の処理内容を示すフローチャートである。この変動中音出力処理は、可変表示装置11における可変表示の変動開始から全図柄の停止までの一連の期間におけるスピーカ12からの音の出力のための処理であり、図4のS14に含まれる処理の1つである。
【0112】
図8を参照して、まず、S61により、前述したS41の場合と同様に変動開始タイミングであるか否かが判断される。S61により変動開始タイミングではないと判断された場合は、後述するS64に進む。一方、S61により変動開始タイミングであると判断された場合は、S62に進み、前述した配信要求信号に応じて音データが配信されて来ている場合には、その音データ(圧縮されたデータ)を解凍する処理が行なわれる。
【0113】
次に、S63により、演出制御用マイクロコンピュータ60のROM62に記憶された非リーチ状態音データを読出し、そのデータに基づいて可変表示装置11での図柄の可変表示に対応した音の出力を開始させる処理が行なわれる。このS63は、変動開始タイミングとなったことに応じて行なわれる処理である。
【0114】
可変表示においてリーチ状態が表示されない場合は、S63が実行されることにより、その後、非リーチ状態音データに基づいて、図柄の可変表示に対応した音の出力が開始され、左図柄の停止時に対応する音の出力および右図柄の停止時に対応する音の出力を順次経て、中図柄が停止(全図柄停止)する時に対応する音の出力が行なわれる。一方、可変表示においてリーチ状態が表示される場合は、S63が実行されることにより、その後、非リーチ状態音データに基づいて、可変表示時の音の出力が開始され、左図柄の停止時に対応する音の出力および右図柄の停止時に対応する音の出力を順次経て、リーチ状態が生じるまでの可変表示に対応する音の出力が行なわれる。そして、可変表示においてリーチ状態が表示される場合のリーチ状態の開始から中図柄の停止(全図柄停止)までの可変表示時に対応する音は、S62により解凍されたリーチ状態音データに基づいて出力される。
【0115】
S63の後、S64に進む。S64では、S44の場合と同様に左図柄の停止タイミングであるか否かが判断される。S64により左図柄の停止タイミングではないと判断された場合は、後述するS66に進む。一方、S64により左図柄の停止タイミングであると判断された場合は、S65に進み、ROM62に記憶された非リーチ状態音データに含まれる左図柄停止時に対応する音データに基づいて左図柄を停止させる時の音を出力させる処理が行なわれる。S65の後、S66に進む。
【0116】
S66では、S46の場合と同様に右図柄の停止タイミングであるか否かが判断される。S66により右図柄の停止タイミングではないと判断された場合は、後述するS68に進む。一方、S66により右図柄の停止タイミングであると判断された場合は、S67に進み、ROM62に記憶された非リーチ状態音データに含まれる右図柄停止時に対応する音データに基づいて右図柄を停止させる時の音を出力させる処理が行なわれる。S67の後、S68に進む。
【0117】
S68では、S48の場合と同様にリーチ状態の表示タイミングであるか否かが判断される。S68によりリーチ状態の表示タイミングではないと判断された場合は、後述するS70に進む。一方、S68によりリーチ状態の表示タイミングであると判断された場合は、S69に進み、配信されてきたリーチ状態音データに基づいてリーチ状態を表示させる時の音を出力させる処理が行なわれる。S69の後、S70に進む。
【0118】
S70では、S50の場合と同様に全図柄停止タイミングであるか否かが判断される。S70により全図柄停止タイミングではないと判断された場合は、この変動中音出力処理が終了し、リターンする。一方、S70により全図柄停止タイミングであると判断された場合は、S71に進み、リーチ状態が発生しない可変表示の場合はROM62に記憶された非リーチ状態音データに含まれる全図柄を停止させる時に対応する音データに基づいて全図柄を停止させる時の音を出力させる処理が行なわれ、また、リーチ状態が発生する可変表示の場合はS62により解凍されたリーチ状態音データに含まれる全図柄を停止させる時に対応する音データに基づいて全図柄を停止させる時の音を出力させる処理が行なわれる。S71の後、この変動中音出力処理が終了し、リターンする。
【0119】
次に、遊技機1の演出制御用マイクロコンピュータ60において制御のメインルーチンの実行に伴って実行されるサブルーチンの1つである変動中発光動作処理を説明する。図9は、変動中発光動作処理の処理内容を示すフローチャートである。この変動中発光動作処理は、可変表示装置11における可変表示の変動開始から全図柄の停止までの一連の期間におけるランプ・LED19の発光動作のための処理であり、図4のS14に含まれる処理の1つである。
【0120】
図9を参照して、まず、S81により、前述したS41の場合と同様に変動開始タイミングであるか否かが判断される。S81により変動開始タイミングではないと判断された場合は、後述するS84に進む。一方、S81により変動開始タイミングであると判断された場合は、S82に進み、前述した配信要求信号に応じて発光データが配信されて来ている場合には、その発光データ(圧縮されたデータ)を解凍する処理が行なわれる。
【0121】
次に、S83により、演出制御用マイクロコンピュータ60のROM62に記憶された非リーチ状態発光データを読出し、そのデータに基づいて可変表示装置11での図柄の可変表示を開始させる処理が行なわれる。このS83は、変動開始タイミングとなったことに応じて行なわれる処理である。
【0122】
可変表示においてリーチ状態が表示されない場合は、S83が実行されることにより、その後、非リーチ状態発光データに基づいて、可変表示時の発光動作が開始され、左図柄の停止時に対応する発光動作および右図柄の停止時に対応する発光動作を順次経て、中図柄が停止(全図柄停止)する時に対応する発光動作が行なわれる。一方、可変表示においてリーチ状態が表示される場合は、S83が実行されることにより、その後、非リーチ状態発光データに基づいて、可変表示時の発光動作が開始され、左図柄の停止時に対応する発光動作および右図柄の停止時に対応する発光動作を順次経て、リーチ状態が生じるまでの可変表示に対応する発光動作が行なわれる。そして、可変表示においてリーチ状態が表示される場合のリーチ状態の開始から中図柄の停止(全図柄停止)までの可変表示時に対応する発光動作は、S82により解凍されたリーチ状態発光データに基づいて行なわれる。
【0123】
S83の後、S84に進む。S84では、S44の場合と同様に左図柄の停止タイミングであるか否かが判断される。S84により左図柄の停止タイミングではないと判断された場合は、後述するS86に進む。一方、S84により左図柄の停止タイミングであると判断された場合は、S85に進み、ROM62に記憶された非リーチ状態発光データに含まれる左図柄停止時に対応する発光データに基づいて左図柄を停止させる時の発光動作をさせる処理が行なわれる。S85の後、S86に進む。
【0124】
S86では、S46の場合と同様に右図柄の停止タイミングであるか否かが判断される。S86により右図柄の停止タイミングではないと判断された場合は、後述するS88に進む。一方、S86により右図柄の停止タイミングであると判断された場合は、S87に進み、ROM62に記憶された非リーチ状態発光データに含まれる右図柄停止時に対応する発光データに基づいて右図柄を停止させる時の発光動作をさせる処理が行なわれる。S87の後、S88に進む。
【0125】
S88では、S48の場合と同様にリーチ状態の表示タイミングであるか否かが判断される。S88によりリーチ状態の表示タイミングではないと判断された場合は、後述するS90に進む。一方、S88によりリーチ状態の表示タイミングであると判断された場合は、S89に進み、配信されてきたリーチ状態発光データに基づいてリーチ状態を表示させる時の発光動作をさせる処理が行なわれる。S89の後、S90に進む。
【0126】
S90では、S50の場合と同様に全図柄停止タイミングであるか否かが判断される。S90により全図柄停止タイミングではないと判断された場合は、この変動中発光動作処理が終了し、リターンする。一方、S90により全図柄停止タイミングであると判断された場合は、S91に進み、リーチ状態が発生しない可変表示の場合はROM62に記憶された非リーチ状態発光データに含まれる全図柄を停止させる時に対応する発光データに基づいて全図柄を停止させる時の発光動作をさせる処理が行なわれ、また、リーチ状態が発生する可変表示の場合はS82により解凍されたリーチ状態発光データに含まれる全図柄を停止させる時に対応する発光データに基づいて全図柄を停止させる時の発光動作をさせる処理が行なわれる。S91の後、この変動中発光動作処理が終了し、リターンする。
【0127】
次に、この第1実施形態により得られる主な効果を列挙して説明する。
図4〜図9の処理に示されるように、データ配信装置3に複数種類記憶された可変表示のために用いる画像データが、遊技機1からの配信要求信号に基づいて遊技機1に配信され、遊技機1で可変表示のために用いられるので、遊技機1におけるデータの記憶容量に制限を受けずに画像の可変表示による演出が行なえる。しかも、図3に示されるように、遊技機1において、データ配信装置3から配信されたデータが演出制御基板6から遊技制御用マイクロコンピュータ50へ伝わらない前述したようなデータ入力阻止手段として示した回路構成により、遊技制御用マイクロコンピュータ50へのデータ配信装置3からのデータの入力が阻止される。このため、データ配信装置3のような遊技機1の外部から遊技機1内に画像データ等のデータを受け入れる場合であっても、遊技機の外部から受け入れたデータが遊技制御用マイクロコンピュータ50に伝わらないため、遊技機1に対する不正行為を確実に防止することができる。
【0128】
また、図6の配信要求処理に示されるように、圧縮された画像データが遊技機1に配信され、図7のS42,S48,S49に示されるように、配信されて来たデータが遊技機1において解凍されて可変表示のために用いられるので、配信の際のデータ通信におけるデータ量を少なくすることができるため、データの配信の際の通信速度を高速化することができる。
【0129】
また、図6の配信要求処理に示されるように、データ配信装置3において、音データ記憶領域372に複数種類記憶された配信を要求する画像データに対応した音データが、遊技機1からの配信要求信号に基づいて遊技機1に配信され、遊技機1において可変表示の際に出力させる音の制御のために用いられるので、図8のS62,S68,S69に示されるように、遊技機1におけるデータの記憶容量に制限を受けずに可変表示の際の音による演出が行なえる。
【0130】
また、図6の配信要求処理に示されるように、データ配信装置3において、発光データ記憶領域373に複数種類記憶された配信を要求する画像データに対応した発光データが、遊技機1からの配信要求信号に基づいて遊技機1に配信され、図9のS82,S88,S89に示されるように、遊技機1で可変表示の際の発光動作のために用いられるので、遊技機1におけるデータの記憶容量に制限を受けずに可変表示の際の発光による演出が行なえる。
【0131】
また、図7のS48,S49,S50,S51に示されるように、リーチ状態については配信要求信号に応じてデータ配信装置3から配信されたリーチ状態画像データを用いてリーチ状態での表示をさせ、図7のS41,S43,S44〜S47,S50,S51に示されるように、非リーチ状態については遊技機1でのROM62に記憶された非リーチ状態画像データを用いて非リーチ状態での表示をさせる制御が行なわれる。このため、画像データの配信が表示の演出効果が高いリーチ状態での表示のために限られ、すべての種類の可変表示について画像データの配信を必要とするわけではないので、画像データの配信のための通信回数およびデータの通信量を低減することができ、通信コストを低減することができる。
【0132】
また、リーチ状態で用いられる画像データ、音データ、および、発光データを遊技機1の演出制御用マイクロコンピュータ60のROM62に記憶させる必要がないので、ROM62の記憶容量を低減することができる。
【0133】
また、リーチ状態で用いられる画像データ、音データ、および、発光データ以外のデータを各種の遊技機で共通使用できるようにすれば、可変表示装置11および演出制御基板6を遊技機1の新台交換(遊技機の新機種への変更)時に交換せずにそのまま使用できるようになる。このため、遊技機1の新台交換に要する費用を低減することができる。
【0134】
第2実施形態
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態においては、遊技機1において、遊技制御用マイクロコンピュータ50で可変表示の変動パターンを決定し、遊技制御用マイクロコンピュータ50からデータ配信装置3へ配信要求信号を送信する例を説明する。この第2実施形態では、第1実施形態との相違点を主に説明する。
【0135】
第2実施形態による遊技システムは、主として、遊技機1から配信要求信号を送信する構成、配信要求信号の送信タイミング、データ配信装置3から配信されるデータの内容、および、遊技機1における配信されたデータの用い方等が異なる。
【0136】
図10は、第2実施形態による遊技システムでのデータ配信装置3および遊技機1のそれぞれにおける主要な制御部の構成を示すブロック図である。
【0137】
図10の構成が図3の構成と異なるのは、次の点である。配信要求信号が、遊技制御用マイクロコンピュータ50から通信部7を介して出力される。また、画像データ記憶領域371には、可変表示に用いる画像データとして、第1実施形態の場合とは異なり、リーチ状態が表示される可変表示の可変開始から全図柄の停止までという一連の可変表示の開始から終了までの画像の表示に用いられる画像データであるリーチ可変表示画像データが複数種類記憶されている。音データ記憶領域372には、画像データ記憶領域371に記憶された複数種類のリーチ可変表示画像データに対応した音データ、すなわち、一連の可変表示の開始から終了までの音の出力に用いられる音データであるリーチ可変表示音データが複数種類記憶されている。発光データ記憶領域373には、画像データ記憶領域371に記憶された複数種類のリーチ可変表示画像データに対応した発光データ、すなわち、一連の可変表示の開始から終了までの発光動作に用いられる発光データであるリーチ可変表示発光データが複数種類記憶されている。
【0138】
また、演出制御用マイクロコンピュータ60のROM62には、リーチ状態が表示されない可変表示の可変開始から全図柄の停止までという一連の可変表示の開始から終了までの画像の表示に用いられる画像データ(以下、非リーチ可変表示画像データという)、その一連の可変表示の開始から終了までの音の出力に用いられる音データ(以下、非リーチ可変表示音データという)、および、その一連の可変表示の開始から終了までの発光動作に用いられる発光データ(以下、非リーチ可変表示発光データという)が複数種類記憶されている。
【0139】
次に、第1実施形態の場合と同様に、遊技制御用マイクロコンピュータ50において可変表示装置11で可変表示をさせるために実行される処理の概要を可変表示関連処理として1つのフローチャートにまとめるとともに、演出制御用マイクロコンピュータ60において可変表示装置11で可変表示をさせるために実行される処理の概要を可変表示関連演出処理として1つのフローチャートにまとめて説明する。
【0140】
図11は、第2実施形態による可変表示関連処理および可変表示関連演出処理の主な処理内容を示すフローチャートである。図11においては、(a)に可変表示関連処理の主な処理内容を示し、(b)に可変表示関連演出処理の主な処理内容を示す。
【0141】
遊技制御用マイクロコンピュータ50では、まず、第1実施形態の場合(S1〜S3)と同様に、大当り判定(SA1)、リーチ判定(SA2)、および、停止図柄の決定(SA3)が順次行なわれる。次に、第1実施形態で説明したような変動パターンの決定が行なわれる(SA4)。そして、第1実施形態の場合(S4)と同様に、演出制御コマンドの送信が行なわれる(SA5)。この場合、演出制御コマンドには、遊技制御用マイクロコンピュータ50で決定された変動パターンを指定するコマンドが含まれる。次に、前述したような配信要求信号を送信するための処理である配信要求処理が行なわれる(SA6)。この配信要求処理においては、リーチ判定によりリーチ状態を実行すると決定された場合にのみ配信要求信号が送信される。この配信要求処理の具体的な処理内容は、図5に示したものと同様である。
【0142】
演出制御用マイクロコンピュータ60では、まず、第1実施形態(S13)で説明したような配信データの受信処理が行なわれる(SA11)。そして、可変表示の内容に応じて、可変表示装置11での可変表示のための画像表示、可変表示の際の音の出力、および、可変表示の際のランプ・LED19の発光動作を実行させるための処理が行なわれる(SA12)。
【0143】
次に、配信要求信号が送信された場合に、その配信要求信号に応じてデータ配信装置3がデータを配信するために実行されるデータ配信処理を説明する。この実施の形態の場合には、配信データ記憶部37に記憶された一連の可変表示の開始から終了までの画像データ、音データ、および、発光データを配信するために、前述した図6と同様の処理が行なわれる。
【0144】
次に、遊技機1の演出制御用マイクロコンピュータ60において制御のメインルーチンの実行に伴って実行されるサブルーチンの1つである変動中画像表示処理を説明する。図12は、第2実施形態による変動中画像表示処理の処理内容を示すフローチャートである。この変動中画像表示処理は、可変表示装置11における可変表示の変動開始から全図柄の停止までの一連の期間における画像表示のための処理であり、図11のSA12に含まれる処理の1つである。
【0145】
図12を参照して、まず、SA21により、リーチ表示を行なうことが決定されているか否かが判断される。具体的にSA21では、演出制御コマンドが示す停止図柄が可変表示中にリーチ表示態様となるか否かに基づいてリーチ表示を行なうことが決定されているか否かが判断される。つまり、左,右可変表示領域の停止図柄が一致する場合には、リーチ表示を行なうことが決定されていると判断する。
【0146】
SA21によりリーチ表示を行なうことが決定されていると判断された場合は、後述するSA31に進む。一方、SA21によりリーチ表示を行なうことが決定されていないと判断された場合は、SA22に進み、変動開始タイミングであるか否かが判断される。具体的に、SA22においては、前述した演出制御コマンドにより指定された可変表示の開始タイミングとなったときに変動開始タイミングであると判断する。
【0147】
SA22により変動開始タイミングではないと判断された場合は、後述するSSA24に進む。一方、SA22により変動開始タイミングであると判断された場合は、SA23に進み、演出制御用マイクロコンピュータ60のROM62に記憶された非リーチ可変表示画像データが読出され、その画像データに基づいて可変表示装置11での図柄の可変表示を開始させる処理が行なわれる。その後、SA24に進む。
【0148】
SA23により非リーチ可変表示画像データに基づいて可変表示装置11での図柄の可変表示を開始させる処理が実行されると、非リーチ可変表示画像データに基づいて、可変表示が開始され、その後、図7に示したS44〜S47の処理と同様のSA24〜SA27の処理が実行されることにより、非リーチ可変表示画像データに基づいて左図柄を停止させるための処理および右図柄を停止させるための処理が行なわれ、これにより、可変表示装置11で左図柄を停止させる画像および右図柄を順次停止させる画像が順次表示される。
【0149】
次に、SA28では、演出制御用マイクロコンピュータ60で決定された変動パターンに応じて定められている全図柄停止タイミング(中図柄が最後に停止する場合はその停止タイミング)であるか否かが判断される。SA28により全図柄停止タイミングではないと判断された場合は、この変動中画像表示処理が終了し、リターンする。一方、SA28により全図柄停止タイミングであると判断された場合は、SA29に進み、ROM62に記憶された非リーチ可変表示画像データに含まれる全図柄(中図柄が最後に停止する場合は中図柄)を停止させる画像データに基づいて全図柄を停止させる画像を表示させる処理が行なわれる。SA29の後、この変動中画像表示処理が終了し、リターンする。
【0150】
このように、リーチ表示を行なわないことが決定されている場合には、ROM62に記憶された非リーチ可変表示画像データを用いて、リーチ状態が表示されない可変表示が変動開始から全図柄停止まで行なわれる。
【0151】
また、前述したSA21によりリーチ表示タイミングではないと判断されてSA31に進んだ場合は、SA22の場合と同様に、変動開始タイミングであるか否かが判断される。SA31により変動開始タイミングではないと判断された場合は、後述するSA34に進む。一方、SA31により変動開始タイミングであると判断された場合は、SA32に進み、配信要求信号に応じて配信されて来た音データ(圧縮されたデータ)を解凍する処理が行なわれる。
【0152】
次に、SA33により、配信されてきたリーチ可変表示画像データに基づいて可変表示装置11での図柄の可変表示を開始させる処理が行なわれる。このSA33は、変動開始タイミングとなったことに応じて行なわれる処理である。
【0153】
SA33が実行されることにより、配信されて来たリーチ可変表示画像データに基づいて可変表示が開始され、その後、配信されて来たリーチ可変表示画像データに基づいて、左図柄の停止および右図柄の停止を順次経て、リーチ状態が表示され、中図柄が停止(全図柄停止)する可変表示の画像が表示される。つまり、リーチ表示が行なわれる場合には、可変表示の開始から中図柄の停止(全図柄停止)までの画像は、SA32により解凍されたリーチ可変表示画像データに基づいて表示される。
【0154】
SA33の後、SA34に進む。SA34では、演出制御用マイクロコンピュータ60で決定された変動パターンに応じて定められている左図柄の停止タイミングであるか否かが判断される。SA34により左図柄の停止タイミングではないと判断された場合は、後述するSA36に進む。一方、SA34により左図柄の停止タイミングであると判断された場合は、SA35に進み、前述のリーチ可変表示画像データに含まれる左図柄を停止させる画像データに基づいて左図柄を停止させる画像を表示させる処理が行なわれる。SA35の後、SA36に進む。
【0155】
SA36では、演出制御用マイクロコンピュータ60で決定された変動パターンに応じて定められている右図柄の停止タイミングであるか否かが判断される。
SA36により右図柄の停止タイミングではないと判断された場合は、後述するSA38に進む。一方、SA36により右図柄の停止タイミングであると判断された場合は、SA37に進み、前述のリーチ可変表示画像データに含まれる右図柄を停止させる画像データに基づいて右図柄を停止させる画像を表示させる処理が行なわれる。SA37の後、SA38に進む。
【0156】
SA38では、演出制御用マイクロコンピュータ60で決定された変動パターンに応じて定められているリーチ状態の表示タイミングであるか否かが判断される。SA38によりリーチ状態の表示タイミングではないと判断された場合は、後述するSA40に進む。一方、SA38によりリーチ状態の表示タイミングであると判断された場合は、SA39に進み、前述のリーチ可変表示画像データに含まれるリーチ状態を表示させる画像データに基づいてリーチ状態を表示させる処理が行なわれる。SA39の後、SA40に進む。
【0157】
SA40では、演出制御用マイクロコンピュータ60で決定された変動パターンに応じて定められている全図柄停止タイミング(中図柄が最後に停止する場合はその停止タイミング)であるか否かが判断される。SA40により全図柄停止タイミングではないと判断された場合は、この変動中画像表示処理が終了し、リターンする。一方、SA40により全図柄停止タイミングであると判断された場合は、SA41に進み、前述のリーチ可変表示画像データに含まれる全図柄(中図柄が最後に停止する場合は中図柄)を停止させる画像データに基づいて全図柄を停止させる画像を表示させる処理が行なわれる。SA41の後、この変動中画像表示処理が終了し、リターンする。
【0158】
このように、リーチ表示を行なうことが決定されている場合には、配信されて来たリーチ可変表示画像データを用いて、リーチ状態が表示される可変表示が変動開始から全図柄停止まで行なわれる。
【0159】
次に、遊技機1の演出制御用マイクロコンピュータ60において制御のメインルーチンの実行に伴って実行されるサブルーチンの1つである変動中音出力処理を説明する。図13は、第2実施形態による変動中音出力処理の処理内容を示すフローチャートである。この変動中音出力処理は、可変表示装置11における可変表示の変動開始から全図柄の停止までの一連の期間におけるスピーカ12からの音の出力のための処理であり、図11のSA12に含まれる処理の1つである。
【0160】
図13を参照して、まず、SA51により、SA21と同様に、リーチ表示を行なうことが決定されているか否かが判断される。SA51によりリーチ表示を行なうことが決定されていると判断された場合は、後述するSA61に進む。一方、SA51によりリーチ表示を行なうことが決定されていないと判断された場合は、SA52に進み、SA52の場合と同様に、変動開始タイミングであるか否かが判断される。
【0161】
SA52により変動開始タイミングではないと判断された場合は、後述するSSA54に進む。一方、SA52により変動開始タイミングであると判断された場合は、SA53に進み、演出制御用マイクロコンピュータ60のROM62に記憶された非リーチ可変表示音データが読出され、その音データに基づいて可変表示装置11での図柄の可変表示に対応した音の出力を開始させる処理が行なわれる。その後、SA54に進む。
【0162】
SA53により非リーチ可変表示音データに基づいて可変表示装置11での可変表示時の音の出力を開始させる処理が実行されると、非リーチ可変表示音データに基づいて、可変表示時の音の出力が開始され、その後、図8に示したS64〜S67の処理と同様のSA54〜SA57の処理が実行されることにより、非リーチ可変表示音データに基づいて左図柄停止時に対応する音を出力させるための処理および右図柄停止時に対応する音を出力させるための処理が行なわれ、これにより、可変表示装置11で左図柄が停止される時の音および右図柄が停止される時の音が順次出力される。
【0163】
次に、SA58では、演出制御用マイクロコンピュータ60で決定された変動パターンに応じて定められている全図柄停止タイミング(中図柄が最後に停止する場合はその停止タイミング)であるか否かが判断される。SA58により全図柄停止タイミングではないと判断された場合は、この変動中音出力処理が終了し、リターンする。一方、SA58により全図柄停止タイミングであると判断された場合は、SA59に進み、ROM62に記憶された非リーチ可変表示音データに含まれる全図柄(中図柄が最後に停止する場合は中図柄)を停止させる時に対応する音データに基づいて全図柄を停止させる時の音を出力させる処理が行なわれる。SA59の後、この変動中音出力処理が終了し、リターンする。
【0164】
このように、リーチ表示を行なわないことが決定されている場合には、ROM62に記憶された非リーチ可変表示音データを用いて、リーチ状態が表示されない可変表示の際の音の出力が変動開始から全図柄停止まで行なわれる。
【0165】
また、前述したSA51によりリーチ表示タイミングではないと判断されてSA61に進んだ場合は、SA21の場合と同様に、変動開始タイミングであるか否かが判断される。SA61により変動開始タイミングではないと判断された場合は、後述するSA64に進む。一方、SA61により変動開始タイミングであると判断された場合は、SA62に進み、配信要求信号に応じて配信されて来た音データ(圧縮されたデータ)を解凍する処理が行なわれる。
【0166】
次に、SA63により、配信されてきたリーチ可変表示音データに基づいて可変表示装置11での図柄の可変表示に対応した音の出力を開始させる処理が行なわれる。このSA53は、変動開始タイミングとなったことに応じて行なわれる処理である。
【0167】
SA63が実行されることにより、配信されて来たリーチ可変表示音データに基づいて可変表示に対応した音の出力が開始され、その後、配信されて来たリーチ可変表示音データに基づいて、左図柄の停止時に対応する音の出力および右図柄の停止時に対応する音の出力を順次経て、リーチ状態時に対応する音の出力が行なわれ、そして、中図柄が停止(全図柄停止)する時に対応する音の出力が行なわれる。つまり、リーチ表示が行なわれる場合には、可変表示の開始から中図柄の停止(全図柄停止)までの音は、SA62により解凍されたリーチ可変表示音データに基づいて出力される。
【0168】
SA63の後、SA64に進む。SA64では、SA34の場合と同様に、左図柄の停止タイミングであるか否かが判断される。SA64により左図柄の停止タイミングではないと判断された場合は、後述するSA66に進む。一方、SA64により左図柄の停止タイミングであると判断された場合は、SA65に進み、前述のリーチ可変表示音データに含まれる左図柄停止時に対応する音データに基づいて左図柄停止時に対応する音を出力させるための処理が行なわれる。SA65の後、SA66に進む。
【0169】
SA66では、SA36の場合と同様に、右図柄の停止タイミングであるか否かが判断される。SA66により右図柄の停止タイミングではないと判断された場合は、後述するSA68に進む。一方、SA66により右図柄の停止タイミングであると判断された場合は、SA67に進み、前述のリーチ可変表示音データに含まれる右図柄停止時に対応する音データに基づいて右図柄停止時に対応する音を出力させるための処理が行なわれる。SA67の後、SA68に進む。
【0170】
SA68では、SA48の場合と同様に、リーチ状態の表示タイミングであるか否かが判断される。SA68によりリーチ状態の表示タイミングではないと判断された場合は、後述するSA70に進む。一方、SA68によりリーチ状態の表示タイミングであると判断された場合は、SA69に進み、前述のリーチ可変表示音データに含まれるリーチ状態を表示させる時に対応する音データに基づいてリーチ状態時に対応する音を出力させるための処理が行なわれる。SA69の後、SA70に進む。
【0171】
SA70では、SA40の場合と同様に、全図柄停止タイミング(中図柄が最後に停止する場合はその停止タイミング)であるか否かが判断される。SA70により全図柄停止タイミングではないと判断された場合は、この変動中音出力処理が終了し、リターンする。一方、SA70により全図柄停止タイミングであると判断された場合は、SA71に進み、前述のリーチ可変表示音データに含まれる全図柄(中図柄が最後に停止する場合は中図柄)を停止させる時に対応する音データに基づいて全図柄を停止させる時の音を出力させる処理が行なわれる。SA71の後、この変動中音出力処理が終了し、リターンする。
【0172】
このように、リーチ表示を行なうことが決定されている場合には、配信されて来たリーチ可変表示音データを用いて、リーチ状態が表示される可変表示の際の音の出力が変動開始から全図柄停止まで行なわれる。
【0173】
次に、遊技機1の演出制御用マイクロコンピュータ60において制御のメインルーチンの実行に伴って実行されるサブルーチンの1つである変動中発光動作処理を説明する。図14は、第2実施形態による変動中発光動作処理の処理内容を示すフローチャートである。この変動中発光動作処理は、可変表示装置11における可変表示の変動開始から全図柄の停止までの一連の期間におけるランプ・LED19の発光動作のための処理であり、図11のS12に含まれる処理の1つである。
【0174】
図14を参照して、まず、SA81により、SA21と同様に、リーチ表示を行なうことが決定されているか否かが判断される。SA81によりリーチ表示を行なうことが決定されていると判断された場合は、後述するSA91に進む。一方、SA81によりリーチ表示を行なうことが決定されていないと判断された場合は、SA82に進み、SA82の場合と同様に、変動開始タイミングであるか否かが判断される。
【0175】
SA82により変動開始タイミングではないと判断された場合は、後述するSSA84に進む。一方、SA82により変動開始タイミングであると判断された場合は、SA83に進み、演出制御用マイクロコンピュータ60のROM62に記憶された非リーチ可変表示発光データが読出され、その発光データに基づいて可変表示装置11での図柄の可変表示に対応した発光動作を開始させる処理が行なわれる。その後、SA84に進む。
【0176】
SA83により非リーチ可変表示発光データに基づいて可変表示装置11での可変表示時の発光動作を開始させる処理が実行されると、非リーチ可変表示発光データに基づいて、可変表示時の発光動作が開始され、その後、図9に示したS84〜S87の処理と同様のSA84〜SA87の処理が実行されることにより、非リーチ可変表示発光データに基づいて左図柄停止時に対応する発光動作をさせるための処理および右図柄停止時に対応する発光動作をさせるための処理が行なわれ、これにより、可変表示装置11で左図柄が停止される時の発光動作および右図柄が停止される時の発光動作が順次行なわれる。
【0177】
次に、SA88では、演出制御用マイクロコンピュータ60で決定された変動パターンに応じて定められている全図柄停止タイミング(中図柄が最後に停止する場合はその停止タイミング)であるか否かが判断される。SA88により全図柄停止タイミングではないと判断された場合は、この変動中発光動作処理が終了し、リターンする。一方、SA88により全図柄停止タイミングであると判断された場合は、SA89に進み、ROM62に記憶された非リーチ可変表示発光データに含まれる全図柄(中図柄が最後に停止する場合は中図柄)を停止させる時に対応する発光データに基づいて全図柄を停止させる時の発光動作をさせる処理が行なわれる。SA89の後、この変動中発光動作処理が終了し、リターンする。
【0178】
このように、リーチ表示を行なわないことが決定されている場合には、ROM62に記憶された非リーチ可変表示発光データを用いて、リーチ状態が表示されない可変表示の際の発光動作が変動開始から全図柄停止まで行なわれる。
【0179】
また、前述したSA81によりリーチ表示タイミングではないと判断されてSA91に進んだ場合は、SA21の場合と同様に、変動開始タイミングであるか否かが判断される。SA91により変動開始タイミングではないと判断された場合は、後述するSA94に進む。一方、SA91により変動開始タイミングであると判断された場合は、SA92に進み、配信要求信号に応じて配信されて来た発光データ(圧縮されたデータ)を解凍する処理が行なわれる。
【0180】
次に、SA93により、配信されてきたリーチ可変表示発光データに基づいて可変表示装置11での図柄の可変表示に対応した発光動作を開始させる処理が行なわれる。このSA83は、変動開始タイミングとなったことに応じて行なわれる処理である。
【0181】
SA93が実行されることにより、配信されて来たリーチ可変表示発光データに基づいて可変表示に対応した発光動作が開始され、その後、配信されて来たリーチ可変表示発光データに基づいて、左図柄の停止時に対応する発光動作および右図柄の停止時に対応する発光動作を順次経て、リーチ状態時に対応する発光動作が行なわれ、そして、中図柄が停止(全図柄停止)する時に対応する発光動作が行なわれる。つまり、リーチ表示が行なわれる場合には、可変表示の開始から中図柄の停止(全図柄停止)までの発光動作は、SA92により解凍されたリーチ可変表示発光データに基づいて表示される。
【0182】
SA93の後、SA94に進む。SA94では、SA34の場合と同様に、左図柄の停止タイミングであるか否かが判断される。SA94により左図柄の停止タイミングではないと判断された場合は、後述するSA96に進む。一方、SA94により左図柄の停止タイミングであると判断された場合は、SA95に進み、前述のリーチ可変表示発光データに含まれる左図柄停止時に対応する発光データに基づいて左図柄停止時に対応する発光動作をさせるための処理が行なわれる。SA95の後、SA96に進む。
【0183】
SA96では、SA36の場合と同様に、右図柄の停止タイミングであるか否かが判断される。SA96により右図柄の停止タイミングではないと判断された場合は、後述するSA98に進む。一方、SA96により右図柄の停止タイミングであると判断された場合は、SA97に進み、前述のリーチ可変表示発光データに含まれる右図柄停止時に対応する発光データに基づいて右図柄停止時に対応する発光動作をさせるための処理が行なわれる。SA97の後、SA98に進む。
【0184】
SA98では、SA48の場合と同様に、リーチ状態の表示タイミングであるか否かが判断される。SA98によりリーチ状態の表示タイミングではないと判断された場合は、後述するSA100に進む。一方、SA98によりリーチ状態の表示タイミングであると判断された場合は、SA99に進み、前述のリーチ可変表示発光データに含まれるリーチ状態を表示させる時に対応する発光データに基づいてリーチ状態時に対応する発光動作をさせるための処理が行なわれる。SA99の後、SA100に進む。
【0185】
SA100では、SA40の場合と同様に、全図柄停止タイミング(中図柄が最後に停止する場合はその停止タイミング)であるか否かが判断される。SA100により全図柄停止タイミングではないと判断された場合は、この変動中発光動作処理が終了し、リターンする。一方、SA100により全図柄停止タイミングであると判断された場合は、SA101に進み、前述のリーチ可変表示発光データに含まれる全図柄(中図柄が最後に停止する場合は中図柄)を停止させる時に対応する発光データに基づいて全図柄を停止させる時の発光動作をさせる処理が行なわれる。SA101の後、この変動中発光動作処理が終了し、リターンする。
【0186】
このように、リーチ表示を行なうことが決定されている場合には、配信されて来たリーチ可変表示発光データを用いて、リーチ状態が表示される可変表示の際の発光動作が変動開始から全図柄停止まで行なわれる。
【0187】
このような第2実施形態については、前述した第1実施形態と共通する技術思想による構成について、前述した第1実施形態の場合と同様の技術的効果を得ることができる他、次のような効果を得ることができる。
【0188】
図11〜図14の処理に示されるように、データ配信装置3に複数種類記憶された可変表示のために用いる画像データが、遊技機1からの配信要求信号に基づいて遊技機1に配信され、遊技機1で可変表示のために用いられるので、遊技機1におけるデータの記憶容量に制限を受けずに画像の可変表示による演出が行なえる。しかも、図10に示されるように、遊技機1において、データ配信装置3から配信されたデータが演出制御基板6から遊技制御用マイクロコンピュータ50へ伝わらない前述したようなデータ入力阻止手段として示した回路構成により、遊技制御用マイクロコンピュータ50へのデータ配信装置3からのデータの入力が阻止される。このため、データ配信装置3のような遊技機1の外部から遊技機1内に画像データ等のデータを受け入れる場合であっても、遊技機の外部から受け入れたデータが遊技制御用マイクロコンピュータ50に伝わらないため、遊技機1に対する不正行為を確実に防止することができる。
【0189】
また、図6の配信要求処理に示されるように、圧縮された画像データが遊技機1に配信され、図12のSA32〜SA41に示されるように、配信されて来たデータが遊技機1において解凍されて可変表示のために用いられるので、配信の際のデータ通信におけるデータ量を少なくすることができるため、データの配信の際の通信速度を高速化することができる。
【0190】
また、図6の配信要求処理に示されるように、データ配信装置3において、音データ記憶領域372に複数種類記憶された配信を要求する画像データに対応した音データが、遊技機1からの配信要求信号に基づいて遊技機1に配信され、図13のSA62〜SA71に示されるように、遊技機1において可変表示の際に出力させる音の制御のために用いられるので、遊技機1におけるデータの記憶容量に制限を受けずに可変表示の際の音による演出が行なえる。
【0191】
また、図6の配信要求処理に示されるように、データ配信装置3において、発光データ記憶領域373に複数種類記憶された配信を要求する画像データに対応した発光データが、遊技機1からの配信要求信号に基づいて遊技機1に配信され、図14のSA91〜SA101に示されるように、遊技機1で可変表示の際の発光動作のために用いられるので、遊技機1におけるデータの記憶容量に制限を受けずに可変表示の際の発光による演出が行なえる。
【0192】
また、図12のSA31〜SA41に示されるように、リーチ状態を表示する可変表示については配信要求信号に応じてデータ配信装置から配信されたリーチ可変表示画像データを用いて可変表示をさせ、図12のSA22〜SA29に示されるように、リーチ状態を表示しない可変表示については遊技機1でのROM62に記憶された非リーチ可変表示画像データを用いてリーチ状態が生じない可変表示をさせる制御が行なわれる。このため、画像データの配信が表示の演出効果が高いリーチ状態を表示する可変表示のために限られ、すべての種類の可変表示について画像データの配信を必要とするわけではないので、画像データの配信のための通信回数およびデータの通信量を低減することができ、通信コストを低減することができる。
【0193】
また、リーチ状態で用いられる画像データ、音データ、および、発光データを遊技機1の演出制御用マイクロコンピュータ60のROM62に記憶させる必要がないので、ROM62の記憶容量を低減することができる。
【0194】
また、リーチ状態で用いられる画像データ、音データ、および、発光データ以外のデータを各種の遊技機で共通使用できるようにすれば、可変表示装置11および演出制御基板6を遊技機1の新台交換(遊技機の新機種への変更)時に交換せずにそのまま使用できるようになる。このため、遊技機1の新台交換に要する費用を低減することができる。
【0195】
次に、本発明の変形例等の特徴点を列挙する。
(1) 前述した実施の形態においては、光ファイバーケーブルを用いて遊技機1とデータ配信装置3とを接続した例を説明したが、これに限らず、金属を用いた通信ケーブル等の光ファイバーケーブル以外の通信用ケーブルを用いて遊技機1とデータ配信装置3とを接続するようにしてもよい。また、遊技機1とデータ配信装置3との間の通信は、有線通信に限らず、無線通信を利用してもよい。
【0196】
(2) 前述したデータ配信装置3の配信データ記憶部37に記憶される画像データ、音データ、および、発光データは、遊技機1を製造したメーカー(遊技機製造会社)から通信回線を介してダウンロードすることにより記憶(記憶データの更新を含む)するようにしてもよく、データ配信装置3において、画像データ、音データ、および、発光データを記録した記録媒体からインストールすることにより記憶(記憶データの更新を含む)するようにしてもよい。
【0197】
(3) 前述した実施の形態においては、データ配信装置3の配信データ記憶部37において既に圧縮されたデータ形態で画像データ、音データ、および、発光データを記憶させ、その圧縮されたデータをそのまま配信する例を示した。しかし、これに限らず、データ配信装置3の配信データ記憶部37において圧縮されていないデータ形態で画像データ、音データ、および、発光データを記憶しておき、その圧縮されていないデータを圧縮する処理を配信の際に行なった後、その圧縮されたデータを配信するようにしてもよい。
【0198】
(4) 遊技機1において、データ配信装置3から配信されて来たデータを解凍して画像表示、音出力、発光動作等の可変表示の演出のために用いる処理方法としては、配信されて来たデータのすべてを可変表示の実行前に解凍して一時保存しておき、その一時保存されたデータを用いて可変表示の演出を行なう処理方法を用いてもよく、配信されて来たデータを可変表示の実行中に解凍しながら可変表示の演出を同時進行で行なう処理方法を用いてもよい。
【0199】
(5) 前述した実施の形態においては、データ配信装置3が遊技場内に設けられた例を説明した。しかし、これに限らず、データ配信装置3は、遊技機1を製造したメーカー(遊技機製造会社)等の遊技場外部に設けられていてもよい。
その場合は、通信回線を用いた有線通信によりデータの通信をしてもよく、また、電波を用いた無線通信によりデータの通信をしてもよい。
【0200】
(6) データ配信装置3から遊技機1へ画像データ、音データ、および、発光データを送信する場合は、それらデータを1つずつシリアルに送信するようにしてもよく、それらデータをパラレルに送信するようにしてもよく、また、それらデータをすべて1つの圧縮データとしてまとめて送信するようにしてもよい。
【0201】
(7) 前述した実施の形態においては、データ配信装置3側(配信データ記憶部37)に画像データの他に、音データおよび発光データも記憶させる例を示した。しかし、これに限らず、音データおよび発光データについては、遊技機1側(演出制御用マイクロコンピュータ60のROM62)に記憶させて用いるようにしてもよい。
【0202】
(8) 前述した実施の形態においては、演出制御基板6に設けられた演出制御用マイクロコンピュータ60が画像の表示制御、音の制御、および、発光の制御をまとめて実行する例を示した。しかし、これに限らず、画像の表示制御用の表示制御基板、音の制御用の音制御基板、および、発光制御用の発光制御基板の3つの制御用基板を設け、それぞれの制御基板に設けられた制御用マイクロコンピュータのそれぞれにより画像の表示制御、音の制御、および、発光の制御を実行させるようにしてもよい。その場合は、表示制御基板が画像データの配信を受け、音制御基板が音データの配信を受け、発光制御基板が発光データの配信を受け、各制御基板が配信されたデータに基づいて各制御を行なうようにすればよい。
【0203】
(9) 前述した実施の形態においては、配信要求信号に含まれる1つのコード情報により配信を要求する画像データ、音データ、および、発光データをまとめて特定する例を示した。しかし、これに限らず、配信を要求するデータは、画像データ、音データ、および、発光データのそれぞれについて別々のコード情報により別々に特定するようにしてもよい。
【0204】
(10) 前述した第1実施形態においては、配信要求信号が、可変表示の開始時期に送信される例を示した。しかし、これに限らず、第1実施形態の場合の配信要求信号は、リーチ状態を表示させる直前のタイミングで送信するようにしてもよい。つまり、配信要求信号の送信タイミングは、配信要求信号に応じて配信されてくるデータがリーチ状態の表示に間に合うように送られてくることが可能であれば、どのようなタイミングであってもよい。
【0205】
(11) 前述した実施の形態においては、たとえば、遊技制御基板5において、演出制御基板6へのデータの出力部として、遊技制御基板5から演出制御基板6へ向かう方向にのみデータの伝送を許容する不可逆性出力手段としての機能を有する出力バッファ回路を設けるとともに、演出技制御基板6において、遊技制御基板5からのデータの入力部として、遊技制御基板5から演出制御基板6へ向かう方向にのみデータの伝送を許容する不可逆性入力手段としての機能を有する入力バッファ回路を設けることにより、演出制御基板6から遊技制御基板5へのデータの伝送(入力)が阻止されるようなデータ入力阻止手段としての構成を採用し、遊技制御基板5から演出制御基板6へのデータの一方向通信を行なうようにしてもよい。
【0206】
(12) 前述した実施の形態においては、可変表示に使用する画像データの一部をデータ配信装置3において記憶する例を示した。しかし、これに限らず、可変表示に使用する画像データの全部をデータ配信装置3において記憶させるようにしてもよい。その場合には、可変表示を行なうごとに遊技機1が必要な画像データの配信を要求し、データ配信装置3配信された画像データを遊技機がすべての可変表示において使用する。そのようにすれば、遊技機1におけるデータの記憶容量を大幅に低減することができる。
【0207】
(13) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遊技システムの一例としての遊技システムの構成を示すブロック図である。
【図2】遊技機およびカードユニットの正面図である。
【図3】データ配信装置および遊技機のそれぞれにおける主要な制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】可変表示関連処理および可変表示関連演出処理の主な処理内容を示すフローチャートである。
【図5】配信要求処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図6】データ配信処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図7】変動中画像表示処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図8】変動中音出力処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図9】変動中発光動作処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】第2実施形態による遊技システムでのデータ配信装置および遊技機のそれぞれにおける主要な制御部の構成を示すブロック図である。
【図11】第2実施形態による可変表示関連処理および可変表示関連演出処理の主な処理内容を示すフローチャートである。
【図12】第2実施形態による変動中画像表示処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図13】第2実施形態による変動中音出力処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図14】第2実施形態による変動中発光動作処理の処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 可変表示装置、50 遊技制御用マイクロコンピュータ、60 演出制御用マイクロコンピュータ、1 遊技機、3 データ配信装置、7 送信部、37 配信データ記憶部、38 通信部、371 画像データ記憶領域、31 制御部、38 通信部、8 受信部、12 スピーカ、372 音データ記憶領域、19 ランプ・LED、373 発光データ記憶領域、62 ROM。
Claims (6)
- 遊技を演出するために画像を可変表示する表示手段、該表示手段による可変表示の結果を決定するとともに遊技の進行を制御する遊技制御手段、および、該遊技制御手段により決定された可変表示結果となるように遊技の進行に応じて前記表示手段により画像を可変表示させる制御を行なう表示制御手段を含み、前記可変表示結果が特定の表示態様となったときに前記遊技制御手段により遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御を行なう遊技機と、該遊技機に前記表示手段での画像の表示に用いられる画像データを配信するデータ配信装置とを備えた遊技システムであって、
前記遊技機は、
前記遊技制御手段により決定された可変表示結果となる可変表示に用いる画像データの配信を要求する配信要求信号を前記データ配信装置へ送信する配信要求信号送信手段をさらに含み、
前記データ配信装置は、
前記可変表示に用いる画像データが複数種類記憶される画像データ記憶手段と、
前記配信要求信号を受信する配信要求信号受信手段と、
該配信要求信号受信手段が受信した配信要求信号に対応する画像データを前記画像データ記憶手段から読出し、配信要求信号の送信元の遊技機へ送信する画像データの配信を行なう配信手段とを含み、
さらに前記遊技機は、
前記配信手段から配信された画像データを受信する画像データ受信手段と、前記遊技制御手段への前記データ配信装置からのデータの入力を阻止するデータ入力阻止手段とをさらに含み、
前記表示制御手段が、前記画像データ受信手段が受信した画像データを前記可変表示のために用いる制御を行なうことを特徴とする遊技システム。 - 前記データ配信装置は、
前記配信手段が、圧縮された画像データを配信し、
前記遊技機は、
前記画像データ受信手段が受信した前記圧縮された画像データを解凍するデータ解凍手段をさらに含み、
前記表示制御手段が、前記データ解凍手段が解凍した画像データを用いて前記可変表示をさせる制御を行なうことを特徴とする、請求項1に記載の遊技システム。 - 前記遊技機は、
遊技を演出するために音を出力する音出力手段と、
遊技の進行に応じて前記音出力手段により出力させる音の制御を行なう音制御手段とをさらに含み、
前記配信要求信号送信手段から送信される配信要求信号が、配信を要求する画像データに対応した音の出力のために用いられる音データをさらに要求する信号であり、
前記データ配信装置は、
前記配信を要求する画像データに対応した音データが複数種類記憶される音データ記憶手段をさらに含み、
前記配信手段が、前記配信要求信号受信手段が受信した前記配信要求信号に対応する音データを前記音データ記憶手段から読出し、配信要求信号の送信元の遊技機へ送信する音データの配信をさらに行ない、
さらに前記遊技機は、
前記配信手段から配信された音データを受信する音データ受信手段をさらに含み、
前記音制御手段が、前記音データ受信手段が受信した音データを用いて出力させる音の制御を行なうことを特徴とする、請求項1または2に記載の遊技システム。 - 前記遊技機は、
遊技を演出するために発光する発光部材と、
遊技の進行に応じて前記発光部材を発光させる制御を行なう発光制御手段とをさらに含み、
前記配信要求信号送信手段から送信される配信要求信号が、配信を要求する画像データに対応した前記発光部材の発光のために用いられる発光データをさらに要求する信号であり、
前記データ配信装置は、
前記配信を要求する画像データに対応した発光データが複数種類記憶される発光データ記憶手段をさらに含み、
前記配信手段が、前記配信要求信号受信手段が受信した前記配信要求信号に対応する発光データを、前記発光データ記憶手段から読出し、配信要求信号の送信元の遊技機へ送信する発光データの配信をさらに行ない、
さらに前記遊技機は、
前記配信手段から配信された発光データを受信する発光データ受信手段をさらに含み、
前記発光制御手段が、前記発光データ受信手段が受信した発光データを用いて前記発光部材を発光させる制御を行なうことを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の遊技システム。 - 前記データ配信装置は、
前記画像データ記憶手段が、リーチ状態中での可変表示のために用いるリーチ状態画像データを記憶し、
前記遊技機は、
可変表示の開始からリーチ状態の発生以前の可変表示状態としての非リーチ状態の表示のために用いる非リーチ状態画像データを記憶する非リーチ状態画像データ記憶手段をさらに含み、
前記遊技制御手段が、前記可変表示において前記リーチ状態を表示するか否かを決定し、
前記配信要求信号送信手段が、前記遊技制御手段により前記リーチ状態を表示することが決定されたことに基づいて前記リーチ状態画像データの配信を要求する前記配信要求信号を送信し、
前記表示制御手段が、前記リーチ状態については前記配信要求信号に応じて配信された前記リーチ状態画像データを用いて前記リーチ状態での表示をさせ、非リーチ状態については前記非リーチ状態画像データ記憶手段に記憶された前記非リーチ状態画像データを用いて前記非リーチ状態での表示をさせる制御を行なうことを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の遊技システム。 - 前記データ配信装置は、
前記画像データ記憶手段が、リーチ状態が生じる可変表示のために用いるリーチ可変表示画像データを記憶し、
前記遊技機は、
前記リーチ状態が生じない可変表示のために用いる非リーチ可変表示画像データを記憶する非リーチ可変表示画像データ記憶手段をさらに含み、
前記遊技制御手段が、前記可変表示において前記リーチ状態を表示するか否かを決定し、
前記配信要求信号送信手段が、前記遊技制御手段により前記リーチ状態を表示することが決定されたときに前記リーチ可変表示画像データの配信を要求する前記配信要求信号を送信し、
前記表示制御手段が、前記遊技制御手段により前記リーチ状態を表示することが決定されたときには前記配信要求信号に応じて配信された前記リーチ可変表示画像データを用いて可変表示をさせ、前記遊技制御手段により前記リーチ状態を表示しないことが決定されたときには前記非リーチ可変表示画像データ記憶手段に記憶された前記非リーチ可変表示画像データを用いて可変表示をさせる制御を行なうことを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の遊技システム。
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