JP2004187724A - 運動用器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】上体部を動かして屈伸運動する運動用器具において、下肢の筋力に依存することなく下肢を固定し、腹部および腰周りの筋力を効率よく鍛練することができるようにする。
【解決手段】運動者が着座する座席8の前方に、運動者が着座したときに膝部近傍となる位置に、柔軟な帯状部材で、固定ベルト9を設ける。そして、バックル9aにより、周長調整を行いながら、運動者の大腿部が座面シート8aから浮き上がらないように上方から押し付けて固定可能とする。
【選択図】 図1
【解決手段】運動者が着座する座席8の前方に、運動者が着座したときに膝部近傍となる位置に、柔軟な帯状部材で、固定ベルト9を設ける。そして、バックル9aにより、周長調整を行いながら、運動者の大腿部が座面シート8aから浮き上がらないように上方から押し付けて固定可能とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、運動用器具、特に、上体部を動かして腹部および腰周りの筋力を鍛錬するのに好適な運動用器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、腹部および腰周りの筋力を鍛錬するための運動用器具として、運動者が座席に着座し、上体部を体の前後方向に屈伸させる器具が知られている。特に、上体部の屈伸時に、例えば胸などに負荷抵抗がかかるようにして、効率的に筋力鍛錬を行うトレーニングマシンが知られている。
このような器具においては、上体部の運動中に下肢を固定することにより、効率のよい筋力鍛錬を可能としている。
例えば、特許文献1には、腹直筋の筋力鍛錬に用いるクランチトレーニングマシンにおいて、座席に着座した運動者が、足の甲を足掛け24のバー24aに掛けることにより下肢を固定する装置が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
実開平9−294825号公報(第3頁、図1−4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の腹部および腰周りの筋力鍛錬を行う運動用器具では、以下のような問題があった。
特許文献1に記載の技術では、足をバー24aに掛けることで下肢の筋力を利用して固定するので、例えば足にけがをしている人、足に麻痺や故障のある人、あるいは下肢の筋力が低下している高齢者や病人などでは、バーに足を掛けて運動中に下肢を固定することが困難であった。また、固定できたとしても十分な反力がとれず不完全な固定になりがちであった。そのため、そのような人は、腹部および腰周りの筋力の鍛錬ができないか、またはきわめて効率の悪い鍛錬しかできないという問題があった。
近年、このような筋力鍛錬のための運動用器具は、スポーツ選手が使うばかりでなく、リハビリテーションにも使われるようになっている。すなわち、運動用器具の利用者は健常者以外にも広がっている。したがって、下肢の筋力が低下しているにもかかわらず、腹部および腰周りの筋力鍛錬が可能な運動用器具が強く求められている。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、下肢の筋力に依存することなく下肢を固定し、腹部および腰周りの筋力を効率よく鍛練することができる運動用器具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、運動者が座席に着座して、負荷抵抗が連結された可動部材を上体部で動かし、腹部および腰周りの筋力を鍛錬するための運動用器具であって、前記着座した運動者の大腿部の膝近傍を、前記座席に固定する固定部材を設けた構成とする。
この発明によれば、上体部の回動支点となる腰部から離れた大腿部の膝近傍が固定部材で座席に固定されるので、大腿部以下の筋力によらずに下肢を固定することができ、上体部の運動に対して有効な反モーメントを形成することができる。また、座席からの転落の防止にもなる。
【0007】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の運動用器具において、前記固定部材が、周長調整が可能な帯状部材からなる。
この発明によれば、大腿部の膝近傍の太さや形状がまちまちであっても、帯状部材の周長を調整することにより最適な状態で固定できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
図1、2、3は、それぞれ本発明の実施形態に係るトーソ屈伸装置1の概略構成を説明するための正面説明図、右側面説明図、平面説明図である。
トーソ屈伸装置1は、運動者が座席に着座し、上体部に負荷抵抗を掛けて上体部を前後方向に屈伸させる運動を行うことにより、股関節屈筋群、股関節伸筋群、腹直筋、脊柱起立筋などの筋力を鍛錬するための運動用器具である。その概略構成は、下フレーム2、横フレーム3、座席8、ウエイトプレート4(負荷抵抗)、押圧バッド17(可動部材)、ウエイト吊り上げ機構20、足掛け部21からなる。
【0009】
下フレーム2は、トーソ屈伸装置1の基台をなすフレーム構造体で、水平方向に配置されている。
横フレーム3は、後述するウエイトプレート4、押圧バッド17を支持するために下フレーム2の一端部に立設された正面視ほぼ台形状のフレーム構造体である。横フレーム3の内部には、後述するウエイトプレート4の上下方向移動を案内するガイドロッド5、5が鉛直方向に設置されている。
【0010】
座席8は、座面シート8a、バックシート8b、支柱8c、固定ベルト9(固定部材)からなり、運動者が、横フレーム3の配置された一端部と略平行な方向を見て下フレーム2の内側を向いて座ることができるように設けられている。すなわち、図1に示したように、下フレーム2の図示左側端部上に支柱8cが立設され、支柱8cの上に上下位置可変とされた座面シート8aが取り付けられ、座面シート8aの図示左側の端部側に、水平面に対する傾斜角を可変して運動者の背面を支持するバックシート8bが設けられている。バックシート8bは、不図示の調整機構により、高さ方向の位置が可変できる構成とされている。
なお、座席8は、運動者の着席や離席が容易となるように運動時以外は水平面内で回転できるものであってもよいが、運動時は上記の位置に固定することが好ましい。
以下では、簡単のために、特に断らなければ、上記のような座席8の固定位置に基づき、座席8に着座した運動者にとっての前側を、座席8の前方、前側、その逆を後方、後側と称し、運動者にとっての左右を、座席8の左右と称する。
【0011】
固定ベルト9は、運動者が座席8に着座したときに、運動者の大腿部の膝部近傍を上方から座面シート8aに向けて押えるための帯状部材であり、例えば天然および合成の繊維材料や合成ゴムなどの柔軟性を有する材質で形成される。そして、2本の帯状部材の端部がそれぞれ座面シート8aの下方裏側に固定され、着席した運動者の両膝近傍を横断して適宜位置でバックル9aにより連結することが可能とされている。
【0012】
固定ベルト9の配置位置は、膝に近ければ近いほど効果的となるが、トーソ屈伸装置1の利用者の身長にばらつきがあることを考慮すれば、少なくとも座面シート8aの中央より前側に設けることにより、膝近傍が固定できるようにすることが好ましい。また、利用者の身長に応じて固定ベルト9を膝に近接させるようにするために、固定ベルト9の前後方向の位置を調整可能にすれば、さらに好ましい。
【0013】
バックル9aは、2本の固定部材9を連結するだけでなく、それぞれの固定部材9の連結する長さが可変できる構成とされている。すなわち、固定部材9の連結時の周長や、連結位置を適宜可変して、種々の大きさや形状の膝を固定できるように構成されている。
【0014】
なお、バックル9aは、固定ベルト9を連結できれば、どのような方式でも採用できる。例えば、固定ベルト9に適宜の固定孔が設けられて段階的に連結位置を変えられるものでもよいし、固定ベルト9が引っ張られるときの摩擦によって固定され、連結位置を任意位置に変えることができるものでもよい。また、例えば、自動車や航空機などのシートベルトのように、バックル9aが互いに着脱自在な2体の継手部材からなる構成も採用できる。その場合、操作性を向上するために、例えば互いに一方向に押し込んで連結し、固定ベルト9の一端を引っ張って周長調整ができ、連結解除時には、例えば押しボタンを押したり、レバーを操作したりするなどの一動作での操作が可能であることが好ましい。
【0015】
ウエイトプレート4は、適宜質量に分割された板状の金属板である。そして、複数枚が上下方向に積層されて、それらの上下方向にガイドロッド5、5が貫通され、ガイドロッド5、5に案内されて上下方向への移動することが可能とされている。そして、不図示のクランプ手段によって、最上部から適宜枚数ごとに一体化され、それにより上下移動する質量を可変できる構成とされている。
ウエイトプレート4の最上部には、固定部4aが設けられ、その端部には、ウエイトプレート4を吊り上げるため、後述するウエイト吊り上げ機構20から延ばされた吊りベルト6が結合されている。
【0016】
押圧バッド17は、座席8の前方の上方に配置された板状やロール状の部材であり、例えば表面側にクッション材などを設けて、座席8に着席した運動者の前側の上体部、例えば胸・腹などに、柔らかに当接することが可能とされている。そして、その裏側に、水平方向左側に延ばされた支持アーム17bが固定され、その端部が、運動者の左側の横フレーム3上に設けられたウエイト吊り上げ機構20に結合され、正面視で円弧状の移動が可能とされている。
【0017】
ウエイト吊り上げ機構20の概略構成は、回動支軸19、支柱3a、カム13、固定アーム15、回動アーム16、ガイドローラ14およびカウンタウエイト18からなる。
回動支軸19は、座席8の左側の座面シート8aより高い位置で、左右方向に延びる回転軸である。そして、座席8と横フレーム3の間において下フレーム2上に立設された支柱3aと横フレーム3とを水平方向に貫通し、それぞれに設けられた軸受(不図示)により回動可能に支持されている。
カム13は、回動支軸19に固定されて回動する扇状の板部材であり、回動支軸19に対する同心円上に適宜間隔で複数の位置調整孔13aが設けられている。
【0018】
固定アーム15は、カム13上を摺動して回動支軸19を中心に回動可能とされた、カム13の扇形の径方向に延びるアーム部材である。そして、先端近傍に位置調整孔13aに向かって進退可能で、進出時に位置調整孔13aと嵌合可能な固定部材15aが設けられ、任意の位置調整孔13aにおいて、カム13と係合可能とされている。また、先端部には、吊りベルト6が固定されている。
【0019】
回動アーム16は、例えば、回動支軸19を外嵌する筒状部材などにより固定アーム15と同心に結合され、支柱3aと座席8との間のカム13と平行な平面内で、固定アーム15に対して所定の角度差を設けて配置され、回動支軸19からカム13の径方向に延ばされたアーム部材である。その先端側にはアジャスタ17aにより位置調整可能に支持アーム17bを固定するためのスライド孔が設けられている。
【0020】
ガイドローラ14は、カム13の扇状のカム面に近接する位置に固定された対向するローラ対であり、横フレーム3上に設けられている。そして、固定アーム15に固定された吊りベルト6がそれらのローラ対間に挿通されている。すなわち、カム13の回動により吊りベルト6が回動の周方向に引っ張られる際には、いずれかにのローラに吊りベルト6が当接して、アイドラローラとして機能するものである。
【0021】
カウンタウエイト18は、回動支軸19に直接的または間接的に接続する部材、すなわち押圧バッド17、支持アーム17b、回動アーム16、カム13、固定アーム15などの荷重によるモーメントに対するのバランスをとるために、回動支軸19の横フレーム3側の端部に設けられた錘部材である。
【0022】
吊りベルト6の這い回しは、固定部4aから鉛直方向に延ばされ、横フレーム3の上部に設けられた中継ローラ7に巻き掛けられて、水平方向に張り渡され、さらに水平方向に隣接する別の中継ローラ7に巻き掛けられて、斜め下方に向かって張り渡され、ガイドローラ14のローラ対を通して固定アーム15の先端に他方の端部が固定されて終端するようになっている。
【0023】
足掛け部21は、調整バー11とアジャスタ10とからなる。
調整バー11は、長手方向に適宜間隔で設けられた複数の調整孔11aを有する棒状部材であり、一方の端部には長手方向に直交する丸棒状の足掛け12が設けられてT字状をなしている部材である。
アジャスタ10は、調整バー11の足掛け12を座席8から適宜の位置に配置するために、足掛け12を座席側に配置した状態で手前から奥に向かって水平方向からわずかに下降する姿勢でスライドできるように調整バー11を保持し、調整孔11aに合わせてその位置を固定するための機構である。そして、座席8の前方に位置する下フレーム2から上方に延設された支持部の上端に設けられている。具体的には、例えば、調整バー11に嵌合する管部材の側部に調整孔11aに係合可能なねじ部材を設けて構成することができる。
【0024】
次に、本発明の実施形態に係るトーソ屈伸装置1の動作について説明する。
図4は、本発明の実施形態に係るトーソ屈伸装置1の動作を説明するための正面視概略説明図である。
トーソ屈伸装置1は、下肢を固定した状態で、上体部を所定の角度から仰向けに起こす上体部の屈伸運動において、上体部に所定の負荷抵抗を掛けることができるものである。
そこで、運動開始時には、まずバックシート8bを所定の角度に倒して、運動者22が座席8に着座し、膝22aの近傍に固定ベルト9を巻き掛けて、運動中に大腿部が座面シート8aから浮かないように固定する。
また、ウエイトプレート4は、所定の負荷荷重となるように適宜枚数一体化させおき、それらが下降している状態で、押圧バッド17を運動者22の適宜の上体部、例えば胸部などに当接させてセットする。
【0025】
運動者22が図示矢印方向に上体部を起こすと、上体部に押されて押圧バッド17が回動支軸19回りに回動し、一体化されている支持アーム17b、回動アーム16、固定アーム15、カム13がともに回動する。そして、固定アーム15の回動に伴って吊りベルト6が牽引され、固定部4aを介してウエイトプレート4が吊り上げられる。したがって、押圧バッド17からは、運動者22に反作用が生じ、運動者22は、一定質量のウエイトプレート4を吊り上げて重力に抗することによる負荷抵抗を受ける。
その際、ウエイト吊り上げ機構20の可動部の質量は、カウンタウエイト18によりモーメントのつりあいがとられているので、角度位置により変化する負荷とはならず、運動者22は、ウエイトプレート4を吊り上げる一定の負荷抵抗を受けるものである。
【0026】
所定角度まで上体部を起こしたら、後方に向けて徐々に上体部を倒し、運動開始姿勢に戻る。その動作は、上記の過程を反転させたものとなり、運動者22は、押圧バッド17から同じ反作用を受けながら上体部を後方に倒すことになる。このようにして、1セットの屈伸運動が完了し、必要に応じて上記の運動を繰り返す。
【0027】
このような運動において、上体部の回動中心は、股関節近傍となるが、大腿部が固定ベルト9により座面シート8aから浮き上がらないように固定されているので、運動者22の下肢が安定して固定され、上体部の屈伸を効率的に行うことができる。
例えば、本実施形態とは異なり腹部近傍に固定ベルト9を掛ける場合を考察すると、回動中心は動かないものの、腹筋が収縮する際、膝が上方に浮き上がってしまい、腹筋の収縮に対する反力が得られないことになる。そのため、うまく上体部を起こすことができないものである。もちろん、反動などを利用して上体部を起こすことは可能だが、目的とする筋肉、例えば股関節伸筋群、背柱起立筋などへの負荷はきわめて小さくなるから、筋力を鍛錬する効率が著しく劣ってしまう。本実施形態では、このような不具合が起こらないので、効率的な筋力の鍛錬を行うことができる。
【0028】
また、大腿部は柔軟な脂肪や筋肉で覆われているため、血行を阻害しない程度に固定ベルト9を締め付けるとすると、大腿部の浮きがない場合でも、大腿部の弾力の範囲で若干の上下動が生じることは避けられないが、本実施形態では、固定ベルト9を、膝22a近傍で固定しているので、大腿部の腰近傍で固定した場合に比べて大腿部の傾斜角を小さく抑えることができて、下肢の安定性がより向上するという利点がある。
【0029】
また、固定ベルト9は、柔軟な帯状部材からなるので、様々な太さの膝に対しても、あるいは器質的障害により変形のある膝に対しても、よくなじんで確実な固定が行えるという利点がある。
【0030】
また、本実施形態では、下肢を固定する際、下肢の筋力を利用していないので、例えば、高齢者や病人など下肢の筋力の低下している人や、身体障害者など下肢の運動能力に障害がある人であっても、下肢をしっかり固定することができ、安定して運動を行うことができる。したがって、リハビリテーションなどの用途にも好適であるという利点がある。しかも、座席8からの転落防止も兼ねることができるから、上記のように運動機能に問題がある人であってもきわめて安全に利用することができるという利点もある。
【0031】
なお、上記の説明では、固定ベルト9で下肢を固定する例で説明したが、トーソ屈伸装置1は、足掛け部21も備えており、図5に示したように、可能ならば運動者22が、足の甲22bを足掛け12に下方から掛けて、脚部全体で大腿部を座面シート8aに押し付けるようにしてもよいことは言うまでもない。
その場合、固定ベルト9を用いれば、下肢の固定をより確実にすることができる。例えば、運動の繰り返しにより腰部が前方にずれていくなどの不具合を防止することができる。また、座席8からの転落防止の安全ベルトを兼ねることができる。
【0032】
また、上記の説明では、運動者を座席に固定する固定部材として、帯状部材を用いる例で説明したが、運動者の大腿部が浮き上がらないように固定できれば、帯状部材には限定されない。例えば、膝部への当接面積を増やすために、膝部の形状をかたどった立体的なバッド状部材により膝部を押圧する固定部材であってもよい。
【0033】
また、上記の説明では、運動用器具として、トーソ屈伸装置の例で説明したが、座席に着座して上体部の運動を行う運動用器具であれば、本発明はトーソ屈伸装置に限定することなく適用できる。例えば、特許文献1に記載のクランチトレーニングマシンなどには当然に適用できるものである。
【0034】
また、上記の説明では、鍛錬する腹部および腰周りの筋肉として、股関節屈筋群、股関節伸筋群、腹直筋、脊柱起立筋の例を挙げたが、本発明はこれらの筋肉の鍛錬にのみ限定するものではないことは言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】
以上に述べたように、請求項1に記載の発明では、大腿部の膝近傍が固定部材で座席に固定されるので、上体部の運動に対する反モーメントが確保され、大腿部以下の筋力によらずに下肢を固定することができ、座席からの転落の防止にもなるので、例えば高齢者や病人などの下肢の筋力の低下している人や、身体障害者など下肢の運動能力に障害がある人であっても、効率的かつ安全に筋力鍛錬に用いることができるという効果を奏する。
【0036】
請求項2に記載の発明では、大腿部の膝近傍の太さや形状がまちまちであっても、帯状部材の周長を調整することにより最適な状態で固定できるから、様々な身体条件の運動者が利用できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るトーソ屈伸装置の概略構成を説明するための正面説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係るトーソ屈伸装置の概略構成を説明するための右側面説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係るトーソ屈伸装置の概略構成を説明するための平面説明図である。
【図4】本発明の実施形態に係るトーソ屈伸装置の動作を説明するための正面視概略説明図である。
【図5】同じく他の動作を説明するための正面視概略説明図である。
【符号の説明】
1 トーソ屈伸装置(運動用器具)
4 ウエイトプレート(負荷抵抗)
8 座席
8a 座面シート
8b バックシート
9 固定ベルト(固定部材)
9a バックル
17 押圧バッド(可動部材)
20ウエイト吊り上げ機構
22 運動者
22a 膝
【発明の属する技術分野】
本発明は、運動用器具、特に、上体部を動かして腹部および腰周りの筋力を鍛錬するのに好適な運動用器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、腹部および腰周りの筋力を鍛錬するための運動用器具として、運動者が座席に着座し、上体部を体の前後方向に屈伸させる器具が知られている。特に、上体部の屈伸時に、例えば胸などに負荷抵抗がかかるようにして、効率的に筋力鍛錬を行うトレーニングマシンが知られている。
このような器具においては、上体部の運動中に下肢を固定することにより、効率のよい筋力鍛錬を可能としている。
例えば、特許文献1には、腹直筋の筋力鍛錬に用いるクランチトレーニングマシンにおいて、座席に着座した運動者が、足の甲を足掛け24のバー24aに掛けることにより下肢を固定する装置が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
実開平9−294825号公報(第3頁、図1−4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の腹部および腰周りの筋力鍛錬を行う運動用器具では、以下のような問題があった。
特許文献1に記載の技術では、足をバー24aに掛けることで下肢の筋力を利用して固定するので、例えば足にけがをしている人、足に麻痺や故障のある人、あるいは下肢の筋力が低下している高齢者や病人などでは、バーに足を掛けて運動中に下肢を固定することが困難であった。また、固定できたとしても十分な反力がとれず不完全な固定になりがちであった。そのため、そのような人は、腹部および腰周りの筋力の鍛錬ができないか、またはきわめて効率の悪い鍛錬しかできないという問題があった。
近年、このような筋力鍛錬のための運動用器具は、スポーツ選手が使うばかりでなく、リハビリテーションにも使われるようになっている。すなわち、運動用器具の利用者は健常者以外にも広がっている。したがって、下肢の筋力が低下しているにもかかわらず、腹部および腰周りの筋力鍛錬が可能な運動用器具が強く求められている。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、下肢の筋力に依存することなく下肢を固定し、腹部および腰周りの筋力を効率よく鍛練することができる運動用器具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、運動者が座席に着座して、負荷抵抗が連結された可動部材を上体部で動かし、腹部および腰周りの筋力を鍛錬するための運動用器具であって、前記着座した運動者の大腿部の膝近傍を、前記座席に固定する固定部材を設けた構成とする。
この発明によれば、上体部の回動支点となる腰部から離れた大腿部の膝近傍が固定部材で座席に固定されるので、大腿部以下の筋力によらずに下肢を固定することができ、上体部の運動に対して有効な反モーメントを形成することができる。また、座席からの転落の防止にもなる。
【0007】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の運動用器具において、前記固定部材が、周長調整が可能な帯状部材からなる。
この発明によれば、大腿部の膝近傍の太さや形状がまちまちであっても、帯状部材の周長を調整することにより最適な状態で固定できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
図1、2、3は、それぞれ本発明の実施形態に係るトーソ屈伸装置1の概略構成を説明するための正面説明図、右側面説明図、平面説明図である。
トーソ屈伸装置1は、運動者が座席に着座し、上体部に負荷抵抗を掛けて上体部を前後方向に屈伸させる運動を行うことにより、股関節屈筋群、股関節伸筋群、腹直筋、脊柱起立筋などの筋力を鍛錬するための運動用器具である。その概略構成は、下フレーム2、横フレーム3、座席8、ウエイトプレート4(負荷抵抗)、押圧バッド17(可動部材)、ウエイト吊り上げ機構20、足掛け部21からなる。
【0009】
下フレーム2は、トーソ屈伸装置1の基台をなすフレーム構造体で、水平方向に配置されている。
横フレーム3は、後述するウエイトプレート4、押圧バッド17を支持するために下フレーム2の一端部に立設された正面視ほぼ台形状のフレーム構造体である。横フレーム3の内部には、後述するウエイトプレート4の上下方向移動を案内するガイドロッド5、5が鉛直方向に設置されている。
【0010】
座席8は、座面シート8a、バックシート8b、支柱8c、固定ベルト9(固定部材)からなり、運動者が、横フレーム3の配置された一端部と略平行な方向を見て下フレーム2の内側を向いて座ることができるように設けられている。すなわち、図1に示したように、下フレーム2の図示左側端部上に支柱8cが立設され、支柱8cの上に上下位置可変とされた座面シート8aが取り付けられ、座面シート8aの図示左側の端部側に、水平面に対する傾斜角を可変して運動者の背面を支持するバックシート8bが設けられている。バックシート8bは、不図示の調整機構により、高さ方向の位置が可変できる構成とされている。
なお、座席8は、運動者の着席や離席が容易となるように運動時以外は水平面内で回転できるものであってもよいが、運動時は上記の位置に固定することが好ましい。
以下では、簡単のために、特に断らなければ、上記のような座席8の固定位置に基づき、座席8に着座した運動者にとっての前側を、座席8の前方、前側、その逆を後方、後側と称し、運動者にとっての左右を、座席8の左右と称する。
【0011】
固定ベルト9は、運動者が座席8に着座したときに、運動者の大腿部の膝部近傍を上方から座面シート8aに向けて押えるための帯状部材であり、例えば天然および合成の繊維材料や合成ゴムなどの柔軟性を有する材質で形成される。そして、2本の帯状部材の端部がそれぞれ座面シート8aの下方裏側に固定され、着席した運動者の両膝近傍を横断して適宜位置でバックル9aにより連結することが可能とされている。
【0012】
固定ベルト9の配置位置は、膝に近ければ近いほど効果的となるが、トーソ屈伸装置1の利用者の身長にばらつきがあることを考慮すれば、少なくとも座面シート8aの中央より前側に設けることにより、膝近傍が固定できるようにすることが好ましい。また、利用者の身長に応じて固定ベルト9を膝に近接させるようにするために、固定ベルト9の前後方向の位置を調整可能にすれば、さらに好ましい。
【0013】
バックル9aは、2本の固定部材9を連結するだけでなく、それぞれの固定部材9の連結する長さが可変できる構成とされている。すなわち、固定部材9の連結時の周長や、連結位置を適宜可変して、種々の大きさや形状の膝を固定できるように構成されている。
【0014】
なお、バックル9aは、固定ベルト9を連結できれば、どのような方式でも採用できる。例えば、固定ベルト9に適宜の固定孔が設けられて段階的に連結位置を変えられるものでもよいし、固定ベルト9が引っ張られるときの摩擦によって固定され、連結位置を任意位置に変えることができるものでもよい。また、例えば、自動車や航空機などのシートベルトのように、バックル9aが互いに着脱自在な2体の継手部材からなる構成も採用できる。その場合、操作性を向上するために、例えば互いに一方向に押し込んで連結し、固定ベルト9の一端を引っ張って周長調整ができ、連結解除時には、例えば押しボタンを押したり、レバーを操作したりするなどの一動作での操作が可能であることが好ましい。
【0015】
ウエイトプレート4は、適宜質量に分割された板状の金属板である。そして、複数枚が上下方向に積層されて、それらの上下方向にガイドロッド5、5が貫通され、ガイドロッド5、5に案内されて上下方向への移動することが可能とされている。そして、不図示のクランプ手段によって、最上部から適宜枚数ごとに一体化され、それにより上下移動する質量を可変できる構成とされている。
ウエイトプレート4の最上部には、固定部4aが設けられ、その端部には、ウエイトプレート4を吊り上げるため、後述するウエイト吊り上げ機構20から延ばされた吊りベルト6が結合されている。
【0016】
押圧バッド17は、座席8の前方の上方に配置された板状やロール状の部材であり、例えば表面側にクッション材などを設けて、座席8に着席した運動者の前側の上体部、例えば胸・腹などに、柔らかに当接することが可能とされている。そして、その裏側に、水平方向左側に延ばされた支持アーム17bが固定され、その端部が、運動者の左側の横フレーム3上に設けられたウエイト吊り上げ機構20に結合され、正面視で円弧状の移動が可能とされている。
【0017】
ウエイト吊り上げ機構20の概略構成は、回動支軸19、支柱3a、カム13、固定アーム15、回動アーム16、ガイドローラ14およびカウンタウエイト18からなる。
回動支軸19は、座席8の左側の座面シート8aより高い位置で、左右方向に延びる回転軸である。そして、座席8と横フレーム3の間において下フレーム2上に立設された支柱3aと横フレーム3とを水平方向に貫通し、それぞれに設けられた軸受(不図示)により回動可能に支持されている。
カム13は、回動支軸19に固定されて回動する扇状の板部材であり、回動支軸19に対する同心円上に適宜間隔で複数の位置調整孔13aが設けられている。
【0018】
固定アーム15は、カム13上を摺動して回動支軸19を中心に回動可能とされた、カム13の扇形の径方向に延びるアーム部材である。そして、先端近傍に位置調整孔13aに向かって進退可能で、進出時に位置調整孔13aと嵌合可能な固定部材15aが設けられ、任意の位置調整孔13aにおいて、カム13と係合可能とされている。また、先端部には、吊りベルト6が固定されている。
【0019】
回動アーム16は、例えば、回動支軸19を外嵌する筒状部材などにより固定アーム15と同心に結合され、支柱3aと座席8との間のカム13と平行な平面内で、固定アーム15に対して所定の角度差を設けて配置され、回動支軸19からカム13の径方向に延ばされたアーム部材である。その先端側にはアジャスタ17aにより位置調整可能に支持アーム17bを固定するためのスライド孔が設けられている。
【0020】
ガイドローラ14は、カム13の扇状のカム面に近接する位置に固定された対向するローラ対であり、横フレーム3上に設けられている。そして、固定アーム15に固定された吊りベルト6がそれらのローラ対間に挿通されている。すなわち、カム13の回動により吊りベルト6が回動の周方向に引っ張られる際には、いずれかにのローラに吊りベルト6が当接して、アイドラローラとして機能するものである。
【0021】
カウンタウエイト18は、回動支軸19に直接的または間接的に接続する部材、すなわち押圧バッド17、支持アーム17b、回動アーム16、カム13、固定アーム15などの荷重によるモーメントに対するのバランスをとるために、回動支軸19の横フレーム3側の端部に設けられた錘部材である。
【0022】
吊りベルト6の這い回しは、固定部4aから鉛直方向に延ばされ、横フレーム3の上部に設けられた中継ローラ7に巻き掛けられて、水平方向に張り渡され、さらに水平方向に隣接する別の中継ローラ7に巻き掛けられて、斜め下方に向かって張り渡され、ガイドローラ14のローラ対を通して固定アーム15の先端に他方の端部が固定されて終端するようになっている。
【0023】
足掛け部21は、調整バー11とアジャスタ10とからなる。
調整バー11は、長手方向に適宜間隔で設けられた複数の調整孔11aを有する棒状部材であり、一方の端部には長手方向に直交する丸棒状の足掛け12が設けられてT字状をなしている部材である。
アジャスタ10は、調整バー11の足掛け12を座席8から適宜の位置に配置するために、足掛け12を座席側に配置した状態で手前から奥に向かって水平方向からわずかに下降する姿勢でスライドできるように調整バー11を保持し、調整孔11aに合わせてその位置を固定するための機構である。そして、座席8の前方に位置する下フレーム2から上方に延設された支持部の上端に設けられている。具体的には、例えば、調整バー11に嵌合する管部材の側部に調整孔11aに係合可能なねじ部材を設けて構成することができる。
【0024】
次に、本発明の実施形態に係るトーソ屈伸装置1の動作について説明する。
図4は、本発明の実施形態に係るトーソ屈伸装置1の動作を説明するための正面視概略説明図である。
トーソ屈伸装置1は、下肢を固定した状態で、上体部を所定の角度から仰向けに起こす上体部の屈伸運動において、上体部に所定の負荷抵抗を掛けることができるものである。
そこで、運動開始時には、まずバックシート8bを所定の角度に倒して、運動者22が座席8に着座し、膝22aの近傍に固定ベルト9を巻き掛けて、運動中に大腿部が座面シート8aから浮かないように固定する。
また、ウエイトプレート4は、所定の負荷荷重となるように適宜枚数一体化させおき、それらが下降している状態で、押圧バッド17を運動者22の適宜の上体部、例えば胸部などに当接させてセットする。
【0025】
運動者22が図示矢印方向に上体部を起こすと、上体部に押されて押圧バッド17が回動支軸19回りに回動し、一体化されている支持アーム17b、回動アーム16、固定アーム15、カム13がともに回動する。そして、固定アーム15の回動に伴って吊りベルト6が牽引され、固定部4aを介してウエイトプレート4が吊り上げられる。したがって、押圧バッド17からは、運動者22に反作用が生じ、運動者22は、一定質量のウエイトプレート4を吊り上げて重力に抗することによる負荷抵抗を受ける。
その際、ウエイト吊り上げ機構20の可動部の質量は、カウンタウエイト18によりモーメントのつりあいがとられているので、角度位置により変化する負荷とはならず、運動者22は、ウエイトプレート4を吊り上げる一定の負荷抵抗を受けるものである。
【0026】
所定角度まで上体部を起こしたら、後方に向けて徐々に上体部を倒し、運動開始姿勢に戻る。その動作は、上記の過程を反転させたものとなり、運動者22は、押圧バッド17から同じ反作用を受けながら上体部を後方に倒すことになる。このようにして、1セットの屈伸運動が完了し、必要に応じて上記の運動を繰り返す。
【0027】
このような運動において、上体部の回動中心は、股関節近傍となるが、大腿部が固定ベルト9により座面シート8aから浮き上がらないように固定されているので、運動者22の下肢が安定して固定され、上体部の屈伸を効率的に行うことができる。
例えば、本実施形態とは異なり腹部近傍に固定ベルト9を掛ける場合を考察すると、回動中心は動かないものの、腹筋が収縮する際、膝が上方に浮き上がってしまい、腹筋の収縮に対する反力が得られないことになる。そのため、うまく上体部を起こすことができないものである。もちろん、反動などを利用して上体部を起こすことは可能だが、目的とする筋肉、例えば股関節伸筋群、背柱起立筋などへの負荷はきわめて小さくなるから、筋力を鍛錬する効率が著しく劣ってしまう。本実施形態では、このような不具合が起こらないので、効率的な筋力の鍛錬を行うことができる。
【0028】
また、大腿部は柔軟な脂肪や筋肉で覆われているため、血行を阻害しない程度に固定ベルト9を締め付けるとすると、大腿部の浮きがない場合でも、大腿部の弾力の範囲で若干の上下動が生じることは避けられないが、本実施形態では、固定ベルト9を、膝22a近傍で固定しているので、大腿部の腰近傍で固定した場合に比べて大腿部の傾斜角を小さく抑えることができて、下肢の安定性がより向上するという利点がある。
【0029】
また、固定ベルト9は、柔軟な帯状部材からなるので、様々な太さの膝に対しても、あるいは器質的障害により変形のある膝に対しても、よくなじんで確実な固定が行えるという利点がある。
【0030】
また、本実施形態では、下肢を固定する際、下肢の筋力を利用していないので、例えば、高齢者や病人など下肢の筋力の低下している人や、身体障害者など下肢の運動能力に障害がある人であっても、下肢をしっかり固定することができ、安定して運動を行うことができる。したがって、リハビリテーションなどの用途にも好適であるという利点がある。しかも、座席8からの転落防止も兼ねることができるから、上記のように運動機能に問題がある人であってもきわめて安全に利用することができるという利点もある。
【0031】
なお、上記の説明では、固定ベルト9で下肢を固定する例で説明したが、トーソ屈伸装置1は、足掛け部21も備えており、図5に示したように、可能ならば運動者22が、足の甲22bを足掛け12に下方から掛けて、脚部全体で大腿部を座面シート8aに押し付けるようにしてもよいことは言うまでもない。
その場合、固定ベルト9を用いれば、下肢の固定をより確実にすることができる。例えば、運動の繰り返しにより腰部が前方にずれていくなどの不具合を防止することができる。また、座席8からの転落防止の安全ベルトを兼ねることができる。
【0032】
また、上記の説明では、運動者を座席に固定する固定部材として、帯状部材を用いる例で説明したが、運動者の大腿部が浮き上がらないように固定できれば、帯状部材には限定されない。例えば、膝部への当接面積を増やすために、膝部の形状をかたどった立体的なバッド状部材により膝部を押圧する固定部材であってもよい。
【0033】
また、上記の説明では、運動用器具として、トーソ屈伸装置の例で説明したが、座席に着座して上体部の運動を行う運動用器具であれば、本発明はトーソ屈伸装置に限定することなく適用できる。例えば、特許文献1に記載のクランチトレーニングマシンなどには当然に適用できるものである。
【0034】
また、上記の説明では、鍛錬する腹部および腰周りの筋肉として、股関節屈筋群、股関節伸筋群、腹直筋、脊柱起立筋の例を挙げたが、本発明はこれらの筋肉の鍛錬にのみ限定するものではないことは言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】
以上に述べたように、請求項1に記載の発明では、大腿部の膝近傍が固定部材で座席に固定されるので、上体部の運動に対する反モーメントが確保され、大腿部以下の筋力によらずに下肢を固定することができ、座席からの転落の防止にもなるので、例えば高齢者や病人などの下肢の筋力の低下している人や、身体障害者など下肢の運動能力に障害がある人であっても、効率的かつ安全に筋力鍛錬に用いることができるという効果を奏する。
【0036】
請求項2に記載の発明では、大腿部の膝近傍の太さや形状がまちまちであっても、帯状部材の周長を調整することにより最適な状態で固定できるから、様々な身体条件の運動者が利用できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るトーソ屈伸装置の概略構成を説明するための正面説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係るトーソ屈伸装置の概略構成を説明するための右側面説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係るトーソ屈伸装置の概略構成を説明するための平面説明図である。
【図4】本発明の実施形態に係るトーソ屈伸装置の動作を説明するための正面視概略説明図である。
【図5】同じく他の動作を説明するための正面視概略説明図である。
【符号の説明】
1 トーソ屈伸装置(運動用器具)
4 ウエイトプレート(負荷抵抗)
8 座席
8a 座面シート
8b バックシート
9 固定ベルト(固定部材)
9a バックル
17 押圧バッド(可動部材)
20ウエイト吊り上げ機構
22 運動者
22a 膝
Claims (2)
- 運動者が座席に着座して、負荷抵抗が連結された可動部材を上体部で動かし、腹部および腰周りの筋力を鍛錬するための運動用器具であって、
前記着座した運動者の大腿部の膝近傍を、前記座席に固定する固定部材を設けたことを特徴とする運動用器具。 - 前記固定部材が、周長調整が可能な帯状部材からなることを特徴とする請求項1に記載の運動用器具。
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