JP2004187373A - 回転電機の密封油供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却ガスが封入された回転電機の軸密封機構部に供給される密封油の圧力制御を常に適切かつ迅速に行うことができる密封油供給装置を提供する。
【解決手段】冷却ガス封止式の回転電機1の軸密封機構部4に対して密封油供給回路9が接続され、この密封油供給回路9の密封油供給ポンプ10から下流側に電気式差圧調整弁18が設けられ、またこの電気式差圧調整弁18で圧力調整された密封油の圧力と回転電機1のケーシング2内の冷却ガスの圧力との差圧を検出する差圧伝送器33と、この差圧伝送器33から出力される差圧信号および回転電機1の運転条件に基づいて電気式差圧調整弁18の開度を制御するコントローラ34とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】冷却ガス封止式の回転電機1の軸密封機構部4に対して密封油供給回路9が接続され、この密封油供給回路9の密封油供給ポンプ10から下流側に電気式差圧調整弁18が設けられ、またこの電気式差圧調整弁18で圧力調整された密封油の圧力と回転電機1のケーシング2内の冷却ガスの圧力との差圧を検出する差圧伝送器33と、この差圧伝送器33から出力される差圧信号および回転電機1の運転条件に基づいて電気式差圧調整弁18の開度を制御するコントローラ34とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷却ガスが封入された回転電機の軸密封機構部に密封油を供給する密封油供給装置に係り、特には密封油の圧力調整を適切かつ迅速に行うための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、タービン発電機などの回転電機においては、水素ガスなどの冷却ガスを回転子と固定子が収納されたケーシングの内部に封入することで発電効率を高めるようにしたものがある。この場合、回転子を支持する回転軸とケーシングとの間には微小な隙間が存在するので、これをそのまま放置しておくと、その隙間から上記の冷却ガスが外部に漏れることになる。
【0003】
そこで、このような冷却ガスの漏れを防止するために、従来より回転電機に軸密封機構部を設けるとともに、この軸密封機構部に対して密封油供給装置を接続し、この密封油供給装置から軸密封機構部に対して密封油を常時供給し、軸密封機構部で生じる油膜によってケーシング内部の気密を保持している。
【0004】
ところで、従来のこの種の密封油供給装置は、軸密封機構部に対して密封油供給ポンプを有する密封油供給回路を接続し、この密封油供給回路の密封油供給ポンプから下流側の軸密封機構部までの途中位置に機械式の差圧調整弁を設け、また、密封油供給回路の軸密封機構部に近接した位置から密封油導圧管を分岐する一方、冷却ガスが封入されたケーシングに冷却ガス導圧管の一端を接続し、これらの密封油導圧管と冷却ガス導圧管の他端を共に上記の機械式の差圧調整弁に接続することで、この差圧調整弁の開度を調整して、所要圧力の密封油が軸密封機構部に対して供給されるようにしている(たとえば、特許文献1参照)。具体的には、密封油の圧力が冷却ガスの圧力よりも0.5kg/mm2程度大きくなるように差圧調整弁で調整している。
【0005】
【特許文献1】
特開昭62−233044号公報(第1−3頁、図1−図3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の密封油供給装置においては、密封油導圧管と冷却ガス導圧管を介して密封油と冷却ガスの圧力を直接内部に導入することで動作する機械式の差圧調整弁を使用しているために、次のような課題が残されている。
【0007】
すなわち、回転電機から密封油供給装置の機械式差圧調整弁に至るまで密封油導圧管と冷却ガス導圧管とを共に引き回さねばならず、配管工事に手間がかかる。また、密封油導圧管と冷却ガス導圧管の各管路の途中にオリフィスを設ける必要があり、その調整にも手間がかかる。さらに、各導圧管に異物が侵入した場合には、清掃して異物を除く必要があるため、復旧に手間もかかっている。
【0008】
また、軸封止機構部に供給される密封油の圧力が変化したり、ケーシング内の冷却ガスの圧力が変化したような場合、その圧力変化は密封油導圧管や冷却ガス導圧管を経由して機械式の差圧調整弁に物理的に伝わるので、これらの圧力変動に対して実際に機械式差圧調整弁が作動するまでの応答性が不十分である。上記の特許文献1では、油圧作動弁や絞り装置を設けて機械式の差圧調整弁の動作の応答性を高めるように工夫しているが、その場合でも差圧調整弁が密封油と冷却ガスの圧力を導圧管を経由して直接に導入して動作する機構である限り、応答性を高めるには自ずと限界がある。
【0009】
さらに、回転電機の回転数が変化したり、冷却ガスの圧力が経時的に変化するなどの運転条件の変動に対しては、密封油の圧力を適正値に調整することが難しい。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、密封油の圧力変動や冷却ガスの圧力変動等に対する応答性が高く、しかも、回転電機の回転数の変化等の運転条件の変動を見込んだ適切な圧力の密封油が常に軸密封機構部に供給されるようにし、また、メンテナンス等も容易で、長期にわたって安定した密封油を供給することができる回転電機の密封油供給装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するために、ケーシングの内部に冷却ガスが封入されるとともに、回転軸とケーシングとの隙間を封止する軸密封機構部が設けられた回転電機の上記軸密封機構部に対して密封油を供給する回転電機の密封油供給装置を前提としている。
【0012】
そして、第1の発明では、上記軸密封機構部に対して密封油供給ポンプを有する密封油供給回路が接続され、この密封油供給回路の密封油供給ポンプから下流側の上記軸密封機構部までの途中位置に電気式差圧調整弁が設けられる一方、この電気式差圧調整弁で圧力調整された密封油の圧力と上記ケーシング内の冷却ガスの圧力との差圧を検出する差圧伝送器と、この差圧伝送器から出力される差圧信号および上記回転電機の運転条件に基づいて上記電気式差圧調整弁の開度を制御するコントローラとを備えることを特徴としている。
【0013】
また、第2の発明では、この電気式差圧調整弁で圧力調整された密封油の圧力と上記ケーシング内の冷却ガスの圧力との差圧を検出する差圧伝送器に代えて、この電気式差圧調整弁で圧力調整された密封油の圧力を検出する密封油圧力伝送器と、上記ケーシング内の冷却ガスの圧力を検出する冷却ガス圧力伝送器とを設け、また、コントローラは、これらの両圧力伝送器から出力される各圧力信号および上記回転電機の運転条件に基づいて上記電気式差圧調整弁の開度を制御する構成としたことを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る回転電機およびその密封油供給装置の配管系統図である。
【0015】
図1において、1は回転電機であって、この回転電機1は、回転子と固定子(共に図示せず)が収納されたケーシング2を有し、このケーシング2には、その内部に水素ガスなどの冷却ガスが封入され、また、回転子を保持する回転軸3とケーシング2との隙間を封止する左右一対の軸密封機構部4が設けられている。
【0016】
7は軸密封機構部4に対して密封油を供給する密封油供給装置、8は同装置7の装置本体部、9は密封油供給装置7の一部を構成する密封油循環用の密封油供給回路である。
【0017】
この密封油供給回路9は、その途中に密封油供給ポンプ10が配置されるとともに、この密封油供給ポンプ10よりも下流側で軸密封機構部4に至るまでの間に密封油供給管11が、密封油供給ポンプ10よりも上流側で軸密封機構部4に至るまでの間に空気側排油管12、冷却ガス側排油管13、密封油戻り管14がそれぞれ設けられて構成されている。
【0018】
そして、上記の密封油供給管11の途中位置には、電気式差圧調整弁18、バイパス弁19、冷却器20、フィルタ21が設けられている。上記の電気式差圧調整弁18としては、たとえば、サーボモータで弁体を駆動する構成のものが適用される。また、装置本体部8の内部において、密封油供給管11のフィルタ21よりも下流側からは密封油導圧管22が分岐されている。
【0019】
一方、前述の空気側排油管12と密封油戻り管14との間にはループシールタンク25が設けられ、このループシールタンク25の上部には空気と僅かな冷却ガスとを外部に排気するための外部排気管26が接続されるとともに、この外部排気管26の途中には排気用のベーパーエクストラクタ27が設けられている。
【0020】
また、冷却ガス側排油管13と密封油戻り管14との間にはケーシング2内の冷却ガスが外部に流出するのを遮断するための冷却ガス遮断槽28が設けられている。そして、冷却ガス遮断槽28には、油面を一定に保持するためのフロート弁29が設けられ、また槽上部には冷却ガス導圧管30の一端が接続されている。そして、この冷却ガス導圧管30の他端は、前述の密封油導圧管22とともに差圧伝送器33に接続されている。
【0021】
差圧伝送器33は、電気式差圧調整弁18で圧力調整された後の密封油の圧力とケーシング2内の冷却ガスの圧力との差圧を検出するもので、その構造自体は周知のものであって、たとえば、密封油導圧管22と冷却ガス導圧管30にそれぞれ連通する導圧室をダイアフラムによって2分し、このダイアフラムの変位を静電容量の変化として検出し、これを差圧信号として出力するようになっている。
【0022】
34は差圧伝送器33から出力される差圧信号に基づいて電気式差圧調整弁18の開度を制御するコントローラである。このコントローラ34は、たとえばCPUやメモリを備えたマイクロコンピュータで構成されており、上記の差圧伝送器33からの差圧信号とともに、回転電機1の回転数を検出する回転センサや、ケーシング2内の冷却ガスの圧力を検出する圧力センサ(いずれも図示せず)などの出力が運転条件データとして入力されるようになっている。なお、35は安全弁である。
【0023】
この実施の形態1の構成において、密封油供給ポンプ10から押し出された密封油は、その圧力が冷却ガスの圧力よりも幾分大きくなるように差圧調整弁18で調整された後、密封油供給管11を経て軸密封機構部4に供給される。また、差圧調整弁18で調整された後の密封油の圧力は、密封油導圧管22を経て差圧伝送器33に伝わる。
【0024】
軸密封機構部4に供給された密封油は、軸密封機構部4で油膜を生じるので、この油膜によってケーシング2内の気密が保持される。その後、密封油は空気側排油管12と冷却ガス側排油管13とに分岐して流出する。空気側排油管12に流出した密封油は、ループシールタンク25から密封油戻り管14を経由して密封油供給ポンプ10に戻される。また、冷却ガス側排油管13に流出した密封油は、冷却ガス遮断槽28から密封油戻り管14を経由して密封油供給ポンプ10に戻される。
【0025】
空気側排油管12には、軸密封機構部4から流出した密封油とともに空気と僅かな冷却ガスが流入しているので、これらの空気と冷却ガスとはループシールタンク25から外部排気管26を介して外部に放出される。また、冷却ガス側排油管13には、軸密封機構部4から流出した密封油とともに冷却ガスが流入しており、したがって、この冷却ガスの圧力は冷却ガス遮断槽28から冷却ガス導圧管30を経て差圧伝送器33にそのまま伝わる。
【0026】
差圧伝送器33は、密封油導圧管22を経て加わる密封油の圧力と、冷却ガス導圧管30を経て加わる冷却ガスの圧力との差圧を検出する。そして、この差圧に対応した差圧信号をコントローラ34に出力する。
【0027】
コントローラ34には、差圧伝送器33からの差圧信号のみならず、回転電機1の回転数を検出する回転センサや、ケーシング2内の冷却ガスの圧力を検出する圧力センサ等の検出出力が運転条件データとして入力されている。したがって、コントローラ34は、差圧信号に運転条件を加味した補正を行い、この補正した差圧信号に基づいて電気式差圧調整弁18の開度を制御する。
【0028】
たとえば、回転電機1の回転数が増加するときには、密封油の圧力を差圧信号で決まる圧力よりも高めになるように電気式差圧調整弁18の開度を調整し、逆に回転電機1の回転数が減少するときには、密封油の圧力を差圧信号で決まる圧力よりも低めになるように電気式差圧調整弁18の開度を調整する。
【0029】
このように、この実施の形態1では、密封油の圧力と冷却ガスの圧力との差圧だけでなく、回転電機1の回転数や冷却ガスの圧力変動などの運転条件を見込んで電気式差圧調整弁18の開度が制御されるため、密封油の圧力制御を従来よりも一層適切に行うことができる。
【0030】
しかも、電気式差圧調整弁18によってその開度が制御されるため、従来の機械式の差圧調整弁に比較して密封油や冷却ガスの変動のみならず、運転条件の変動に対する応答性が高く、これらの変動に対して弁開度の調整を迅速に行うことができる。
【0031】
さらに、回転電機1から電気式差圧調整弁18に至るまで密封油導圧管等を引き回す必要がないため、配管施工の手間が省け、また、メンテナンス等も容易で、長期にわたって安定した密封油を供給することができる。
【0032】
実施の形態2.
図2は本発明の実施の形態2に係る回転電機およびその密封油供給装置の配管系統図であり、図1に示した実施の形態1と同一または相当する構成部分には同一の符合を付す。
【0033】
この実施の形態2の特徴は、差圧伝送器33が回転電機1に近接した位置に設けられていることである。したがって、密封油の圧力を差圧伝送器33に伝える密封油導圧管22および冷却ガスの圧力を差圧伝送器33に伝える冷却ガス導圧管30は、いずれも短尺で済む。また、差圧伝送器33には軸密封機構部4の密封油の圧力と冷却ガスの圧力とが配管抵抗等の影響を受けずに一層直接的に加わる。このため、差圧検出精度ならびに応答性が高まる。
【0034】
その他の構成および作用は、図1に示した実施の形態1の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
【0035】
実施の形態3.
図3は本発明の実施の形態3に係る回転電機およびその密封油供給装置の配管系統図であり、図1に示した実施の形態1と同一または相当する構成部分には同一の符合を付す。
【0036】
この実施の形態3では、実施の形態1で用いた差圧伝送器33に代えて、装置本体部8の内部において、密封油供給管11から分岐された密封油導圧管22に対して密封油の圧力を検出する密封油圧力伝送器37が、また、上記冷却ガス遮断槽28に接続された冷却ガス導圧管30にケーシング2内の冷却ガスの圧力を検出する冷却ガス圧力伝送器38がそれぞれ設けられている。
【0037】
また、コントローラ34には、これらの両圧力伝送器37,38から出力される各圧力信号のみならず、回転電機1の回転数を検出する回転センサや、ケーシング2内の冷却ガスの圧力を検出する圧力センサ等の検出出力が運転条件データとして入力されており、したがって、コントローラは、両圧力伝送器37,38から出力される各圧力信号および回転電機1の運転条件データに基づいて電気式差圧調整弁18の開度を制御するように構成されている。
【0038】
この実施の形態3では、密封油と冷却ガスの各圧力データを個別に圧力伝送器37,38で検出してコントローラ34に取り込むので、密封油と冷却ガスの経時的な圧力変動等を個別に把握することができる。このため、長期保守計画等を行うための有効なデータとして役立てることができる。
【0039】
その他の構成および作用は、図1に示した実施の形態1の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
【0040】
実施の形態4.
図4は本発明の実施の形態4に係る回転電機およびその密封油供給装置の配管系統図であり、図3に示した実施の形態3と同一または相当する構成部分には同一の符合を付す。
【0041】
この実施の形態4の特徴は、密封油圧力伝送器37が軸密封機構部4に近接した位置に、また、冷却ガス圧力伝送器38がケーシング2に近接した位置に、それぞれ設けられていることである。
【0042】
したがって、密封油の圧力を密封油圧力伝送器37に伝える密封油導圧管22および冷却ガスの圧力を冷却ガス圧力伝送器38に伝える冷却ガス導圧管30は、いずれも短尺で済む。また、各圧力伝送器37,38には軸密封機構部4の密封油の圧力と冷却ガスの圧力とが配管抵抗等の影響を受けずに直接的に加わる。このため、圧力検出精度ならびに応答性が高まる。
【0043】
その他の構成および作用は、図3に示した実施の形態3の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
【0044】
実施の形態5.
図5は本発明の実施の形態5に係る回転電機およびその密封油供給装置の配管系統図であり、図3に示した実施の形態3と同一または相当する構成部分には同一の符合を付す。
【0045】
上記の実施の形態3では、密封油の圧力を検出する密封油圧力伝送器37とともに、ケーシング2内の冷却ガスの圧力を検出する冷却ガス圧力伝送器38を設けたが、従来の回転電機においては、ハウジング2内に封入されている冷却ガスの純度計測用として圧力伝送器を既に設けたものがある。
【0046】
したがって、この実施の形態5では、冷却ガスの純度計測用の圧力伝送器39が回転電機1に既設されている場合、その圧力伝送器39を密封油の圧力制御のための冷却ガス圧力伝送器として兼用し、密封油の圧力を検出する密封油圧力伝送器37のみを追加することで、実施の形態3と同様に電気式差圧調整弁18を制御することができる。このようにすれば、実施の形態3の場合よりも安価に実施することができる。
【0047】
その他の構成および作用は、図3に示した実施の形態3の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
【0048】
なお、本発明の密封油供給装置7は、上記の実施の形態1〜5で示した密封油供給回路9等の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更して実施することができるのは勿論である。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、密封油の圧力と冷却ガスの圧力との差圧だけでなく、回転電機の回転数や冷却ガスの圧力などの運転条件を見込んで電気式差圧調整弁の開度が制御されるため、密封油の圧力制御を従来よりも一層適切に行うことができる。
【0050】
しかも、電気式差圧調整弁によってその開度が制御されるため、従来のような機械式の差圧調整弁に比べて圧力変動や運転条件の変動に対する応答性が高く、これらの変動に対して弁開度の調整を迅速に行うことができる。
【0051】
さらに、回転電機から電気式差圧調整弁に至るまで密封油導圧管等を引き回す必要がないため、配管施工の手間が省け、また、メンテナンス等も容易で、長期にわたって安定した密封油を供給することが可能になる。
【0052】
さらに、コントローラに差圧伝送器や圧力伝送器で検出したデータを蓄積しておけば、密封油と冷却ガスの経時的な圧力変動等を把握することができるため、長期保守計画等を行うための有効なデータとして役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る回転電機およびその密封油供給装置の配管系統図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係る回転電機およびその密封油供給装置の配管系統図である。
【図3】本発明の実施の形態3に係る回転電機およびその密封油供給装置の配管系統図である。
【図4】本発明の実施の形態4に係る回転電機およびその密封油供給装置の配管系統図である。
【図5】本発明の実施の形態5に係る回転電機およびその密封油供給装置の配管系統図である。
【符号の説明】
1 回転電機、2 ケーシング、3 回転軸、4 軸密封機構部、7 密封油供給装置、9 密封油供給回路、10 密封油供給ポンプ、18 電気式差圧調整弁、33 差圧伝送器、34 コントローラ、37 密封油圧力伝送器、38
冷却ガス圧力伝送器、39 冷却ガス純度計測用圧力伝送器。
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷却ガスが封入された回転電機の軸密封機構部に密封油を供給する密封油供給装置に係り、特には密封油の圧力調整を適切かつ迅速に行うための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、タービン発電機などの回転電機においては、水素ガスなどの冷却ガスを回転子と固定子が収納されたケーシングの内部に封入することで発電効率を高めるようにしたものがある。この場合、回転子を支持する回転軸とケーシングとの間には微小な隙間が存在するので、これをそのまま放置しておくと、その隙間から上記の冷却ガスが外部に漏れることになる。
【0003】
そこで、このような冷却ガスの漏れを防止するために、従来より回転電機に軸密封機構部を設けるとともに、この軸密封機構部に対して密封油供給装置を接続し、この密封油供給装置から軸密封機構部に対して密封油を常時供給し、軸密封機構部で生じる油膜によってケーシング内部の気密を保持している。
【0004】
ところで、従来のこの種の密封油供給装置は、軸密封機構部に対して密封油供給ポンプを有する密封油供給回路を接続し、この密封油供給回路の密封油供給ポンプから下流側の軸密封機構部までの途中位置に機械式の差圧調整弁を設け、また、密封油供給回路の軸密封機構部に近接した位置から密封油導圧管を分岐する一方、冷却ガスが封入されたケーシングに冷却ガス導圧管の一端を接続し、これらの密封油導圧管と冷却ガス導圧管の他端を共に上記の機械式の差圧調整弁に接続することで、この差圧調整弁の開度を調整して、所要圧力の密封油が軸密封機構部に対して供給されるようにしている(たとえば、特許文献1参照)。具体的には、密封油の圧力が冷却ガスの圧力よりも0.5kg/mm2程度大きくなるように差圧調整弁で調整している。
【0005】
【特許文献1】
特開昭62−233044号公報(第1−3頁、図1−図3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の密封油供給装置においては、密封油導圧管と冷却ガス導圧管を介して密封油と冷却ガスの圧力を直接内部に導入することで動作する機械式の差圧調整弁を使用しているために、次のような課題が残されている。
【0007】
すなわち、回転電機から密封油供給装置の機械式差圧調整弁に至るまで密封油導圧管と冷却ガス導圧管とを共に引き回さねばならず、配管工事に手間がかかる。また、密封油導圧管と冷却ガス導圧管の各管路の途中にオリフィスを設ける必要があり、その調整にも手間がかかる。さらに、各導圧管に異物が侵入した場合には、清掃して異物を除く必要があるため、復旧に手間もかかっている。
【0008】
また、軸封止機構部に供給される密封油の圧力が変化したり、ケーシング内の冷却ガスの圧力が変化したような場合、その圧力変化は密封油導圧管や冷却ガス導圧管を経由して機械式の差圧調整弁に物理的に伝わるので、これらの圧力変動に対して実際に機械式差圧調整弁が作動するまでの応答性が不十分である。上記の特許文献1では、油圧作動弁や絞り装置を設けて機械式の差圧調整弁の動作の応答性を高めるように工夫しているが、その場合でも差圧調整弁が密封油と冷却ガスの圧力を導圧管を経由して直接に導入して動作する機構である限り、応答性を高めるには自ずと限界がある。
【0009】
さらに、回転電機の回転数が変化したり、冷却ガスの圧力が経時的に変化するなどの運転条件の変動に対しては、密封油の圧力を適正値に調整することが難しい。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、密封油の圧力変動や冷却ガスの圧力変動等に対する応答性が高く、しかも、回転電機の回転数の変化等の運転条件の変動を見込んだ適切な圧力の密封油が常に軸密封機構部に供給されるようにし、また、メンテナンス等も容易で、長期にわたって安定した密封油を供給することができる回転電機の密封油供給装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するために、ケーシングの内部に冷却ガスが封入されるとともに、回転軸とケーシングとの隙間を封止する軸密封機構部が設けられた回転電機の上記軸密封機構部に対して密封油を供給する回転電機の密封油供給装置を前提としている。
【0012】
そして、第1の発明では、上記軸密封機構部に対して密封油供給ポンプを有する密封油供給回路が接続され、この密封油供給回路の密封油供給ポンプから下流側の上記軸密封機構部までの途中位置に電気式差圧調整弁が設けられる一方、この電気式差圧調整弁で圧力調整された密封油の圧力と上記ケーシング内の冷却ガスの圧力との差圧を検出する差圧伝送器と、この差圧伝送器から出力される差圧信号および上記回転電機の運転条件に基づいて上記電気式差圧調整弁の開度を制御するコントローラとを備えることを特徴としている。
【0013】
また、第2の発明では、この電気式差圧調整弁で圧力調整された密封油の圧力と上記ケーシング内の冷却ガスの圧力との差圧を検出する差圧伝送器に代えて、この電気式差圧調整弁で圧力調整された密封油の圧力を検出する密封油圧力伝送器と、上記ケーシング内の冷却ガスの圧力を検出する冷却ガス圧力伝送器とを設け、また、コントローラは、これらの両圧力伝送器から出力される各圧力信号および上記回転電機の運転条件に基づいて上記電気式差圧調整弁の開度を制御する構成としたことを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る回転電機およびその密封油供給装置の配管系統図である。
【0015】
図1において、1は回転電機であって、この回転電機1は、回転子と固定子(共に図示せず)が収納されたケーシング2を有し、このケーシング2には、その内部に水素ガスなどの冷却ガスが封入され、また、回転子を保持する回転軸3とケーシング2との隙間を封止する左右一対の軸密封機構部4が設けられている。
【0016】
7は軸密封機構部4に対して密封油を供給する密封油供給装置、8は同装置7の装置本体部、9は密封油供給装置7の一部を構成する密封油循環用の密封油供給回路である。
【0017】
この密封油供給回路9は、その途中に密封油供給ポンプ10が配置されるとともに、この密封油供給ポンプ10よりも下流側で軸密封機構部4に至るまでの間に密封油供給管11が、密封油供給ポンプ10よりも上流側で軸密封機構部4に至るまでの間に空気側排油管12、冷却ガス側排油管13、密封油戻り管14がそれぞれ設けられて構成されている。
【0018】
そして、上記の密封油供給管11の途中位置には、電気式差圧調整弁18、バイパス弁19、冷却器20、フィルタ21が設けられている。上記の電気式差圧調整弁18としては、たとえば、サーボモータで弁体を駆動する構成のものが適用される。また、装置本体部8の内部において、密封油供給管11のフィルタ21よりも下流側からは密封油導圧管22が分岐されている。
【0019】
一方、前述の空気側排油管12と密封油戻り管14との間にはループシールタンク25が設けられ、このループシールタンク25の上部には空気と僅かな冷却ガスとを外部に排気するための外部排気管26が接続されるとともに、この外部排気管26の途中には排気用のベーパーエクストラクタ27が設けられている。
【0020】
また、冷却ガス側排油管13と密封油戻り管14との間にはケーシング2内の冷却ガスが外部に流出するのを遮断するための冷却ガス遮断槽28が設けられている。そして、冷却ガス遮断槽28には、油面を一定に保持するためのフロート弁29が設けられ、また槽上部には冷却ガス導圧管30の一端が接続されている。そして、この冷却ガス導圧管30の他端は、前述の密封油導圧管22とともに差圧伝送器33に接続されている。
【0021】
差圧伝送器33は、電気式差圧調整弁18で圧力調整された後の密封油の圧力とケーシング2内の冷却ガスの圧力との差圧を検出するもので、その構造自体は周知のものであって、たとえば、密封油導圧管22と冷却ガス導圧管30にそれぞれ連通する導圧室をダイアフラムによって2分し、このダイアフラムの変位を静電容量の変化として検出し、これを差圧信号として出力するようになっている。
【0022】
34は差圧伝送器33から出力される差圧信号に基づいて電気式差圧調整弁18の開度を制御するコントローラである。このコントローラ34は、たとえばCPUやメモリを備えたマイクロコンピュータで構成されており、上記の差圧伝送器33からの差圧信号とともに、回転電機1の回転数を検出する回転センサや、ケーシング2内の冷却ガスの圧力を検出する圧力センサ(いずれも図示せず)などの出力が運転条件データとして入力されるようになっている。なお、35は安全弁である。
【0023】
この実施の形態1の構成において、密封油供給ポンプ10から押し出された密封油は、その圧力が冷却ガスの圧力よりも幾分大きくなるように差圧調整弁18で調整された後、密封油供給管11を経て軸密封機構部4に供給される。また、差圧調整弁18で調整された後の密封油の圧力は、密封油導圧管22を経て差圧伝送器33に伝わる。
【0024】
軸密封機構部4に供給された密封油は、軸密封機構部4で油膜を生じるので、この油膜によってケーシング2内の気密が保持される。その後、密封油は空気側排油管12と冷却ガス側排油管13とに分岐して流出する。空気側排油管12に流出した密封油は、ループシールタンク25から密封油戻り管14を経由して密封油供給ポンプ10に戻される。また、冷却ガス側排油管13に流出した密封油は、冷却ガス遮断槽28から密封油戻り管14を経由して密封油供給ポンプ10に戻される。
【0025】
空気側排油管12には、軸密封機構部4から流出した密封油とともに空気と僅かな冷却ガスが流入しているので、これらの空気と冷却ガスとはループシールタンク25から外部排気管26を介して外部に放出される。また、冷却ガス側排油管13には、軸密封機構部4から流出した密封油とともに冷却ガスが流入しており、したがって、この冷却ガスの圧力は冷却ガス遮断槽28から冷却ガス導圧管30を経て差圧伝送器33にそのまま伝わる。
【0026】
差圧伝送器33は、密封油導圧管22を経て加わる密封油の圧力と、冷却ガス導圧管30を経て加わる冷却ガスの圧力との差圧を検出する。そして、この差圧に対応した差圧信号をコントローラ34に出力する。
【0027】
コントローラ34には、差圧伝送器33からの差圧信号のみならず、回転電機1の回転数を検出する回転センサや、ケーシング2内の冷却ガスの圧力を検出する圧力センサ等の検出出力が運転条件データとして入力されている。したがって、コントローラ34は、差圧信号に運転条件を加味した補正を行い、この補正した差圧信号に基づいて電気式差圧調整弁18の開度を制御する。
【0028】
たとえば、回転電機1の回転数が増加するときには、密封油の圧力を差圧信号で決まる圧力よりも高めになるように電気式差圧調整弁18の開度を調整し、逆に回転電機1の回転数が減少するときには、密封油の圧力を差圧信号で決まる圧力よりも低めになるように電気式差圧調整弁18の開度を調整する。
【0029】
このように、この実施の形態1では、密封油の圧力と冷却ガスの圧力との差圧だけでなく、回転電機1の回転数や冷却ガスの圧力変動などの運転条件を見込んで電気式差圧調整弁18の開度が制御されるため、密封油の圧力制御を従来よりも一層適切に行うことができる。
【0030】
しかも、電気式差圧調整弁18によってその開度が制御されるため、従来の機械式の差圧調整弁に比較して密封油や冷却ガスの変動のみならず、運転条件の変動に対する応答性が高く、これらの変動に対して弁開度の調整を迅速に行うことができる。
【0031】
さらに、回転電機1から電気式差圧調整弁18に至るまで密封油導圧管等を引き回す必要がないため、配管施工の手間が省け、また、メンテナンス等も容易で、長期にわたって安定した密封油を供給することができる。
【0032】
実施の形態2.
図2は本発明の実施の形態2に係る回転電機およびその密封油供給装置の配管系統図であり、図1に示した実施の形態1と同一または相当する構成部分には同一の符合を付す。
【0033】
この実施の形態2の特徴は、差圧伝送器33が回転電機1に近接した位置に設けられていることである。したがって、密封油の圧力を差圧伝送器33に伝える密封油導圧管22および冷却ガスの圧力を差圧伝送器33に伝える冷却ガス導圧管30は、いずれも短尺で済む。また、差圧伝送器33には軸密封機構部4の密封油の圧力と冷却ガスの圧力とが配管抵抗等の影響を受けずに一層直接的に加わる。このため、差圧検出精度ならびに応答性が高まる。
【0034】
その他の構成および作用は、図1に示した実施の形態1の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
【0035】
実施の形態3.
図3は本発明の実施の形態3に係る回転電機およびその密封油供給装置の配管系統図であり、図1に示した実施の形態1と同一または相当する構成部分には同一の符合を付す。
【0036】
この実施の形態3では、実施の形態1で用いた差圧伝送器33に代えて、装置本体部8の内部において、密封油供給管11から分岐された密封油導圧管22に対して密封油の圧力を検出する密封油圧力伝送器37が、また、上記冷却ガス遮断槽28に接続された冷却ガス導圧管30にケーシング2内の冷却ガスの圧力を検出する冷却ガス圧力伝送器38がそれぞれ設けられている。
【0037】
また、コントローラ34には、これらの両圧力伝送器37,38から出力される各圧力信号のみならず、回転電機1の回転数を検出する回転センサや、ケーシング2内の冷却ガスの圧力を検出する圧力センサ等の検出出力が運転条件データとして入力されており、したがって、コントローラは、両圧力伝送器37,38から出力される各圧力信号および回転電機1の運転条件データに基づいて電気式差圧調整弁18の開度を制御するように構成されている。
【0038】
この実施の形態3では、密封油と冷却ガスの各圧力データを個別に圧力伝送器37,38で検出してコントローラ34に取り込むので、密封油と冷却ガスの経時的な圧力変動等を個別に把握することができる。このため、長期保守計画等を行うための有効なデータとして役立てることができる。
【0039】
その他の構成および作用は、図1に示した実施の形態1の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
【0040】
実施の形態4.
図4は本発明の実施の形態4に係る回転電機およびその密封油供給装置の配管系統図であり、図3に示した実施の形態3と同一または相当する構成部分には同一の符合を付す。
【0041】
この実施の形態4の特徴は、密封油圧力伝送器37が軸密封機構部4に近接した位置に、また、冷却ガス圧力伝送器38がケーシング2に近接した位置に、それぞれ設けられていることである。
【0042】
したがって、密封油の圧力を密封油圧力伝送器37に伝える密封油導圧管22および冷却ガスの圧力を冷却ガス圧力伝送器38に伝える冷却ガス導圧管30は、いずれも短尺で済む。また、各圧力伝送器37,38には軸密封機構部4の密封油の圧力と冷却ガスの圧力とが配管抵抗等の影響を受けずに直接的に加わる。このため、圧力検出精度ならびに応答性が高まる。
【0043】
その他の構成および作用は、図3に示した実施の形態3の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
【0044】
実施の形態5.
図5は本発明の実施の形態5に係る回転電機およびその密封油供給装置の配管系統図であり、図3に示した実施の形態3と同一または相当する構成部分には同一の符合を付す。
【0045】
上記の実施の形態3では、密封油の圧力を検出する密封油圧力伝送器37とともに、ケーシング2内の冷却ガスの圧力を検出する冷却ガス圧力伝送器38を設けたが、従来の回転電機においては、ハウジング2内に封入されている冷却ガスの純度計測用として圧力伝送器を既に設けたものがある。
【0046】
したがって、この実施の形態5では、冷却ガスの純度計測用の圧力伝送器39が回転電機1に既設されている場合、その圧力伝送器39を密封油の圧力制御のための冷却ガス圧力伝送器として兼用し、密封油の圧力を検出する密封油圧力伝送器37のみを追加することで、実施の形態3と同様に電気式差圧調整弁18を制御することができる。このようにすれば、実施の形態3の場合よりも安価に実施することができる。
【0047】
その他の構成および作用は、図3に示した実施の形態3の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
【0048】
なお、本発明の密封油供給装置7は、上記の実施の形態1〜5で示した密封油供給回路9等の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更して実施することができるのは勿論である。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、密封油の圧力と冷却ガスの圧力との差圧だけでなく、回転電機の回転数や冷却ガスの圧力などの運転条件を見込んで電気式差圧調整弁の開度が制御されるため、密封油の圧力制御を従来よりも一層適切に行うことができる。
【0050】
しかも、電気式差圧調整弁によってその開度が制御されるため、従来のような機械式の差圧調整弁に比べて圧力変動や運転条件の変動に対する応答性が高く、これらの変動に対して弁開度の調整を迅速に行うことができる。
【0051】
さらに、回転電機から電気式差圧調整弁に至るまで密封油導圧管等を引き回す必要がないため、配管施工の手間が省け、また、メンテナンス等も容易で、長期にわたって安定した密封油を供給することが可能になる。
【0052】
さらに、コントローラに差圧伝送器や圧力伝送器で検出したデータを蓄積しておけば、密封油と冷却ガスの経時的な圧力変動等を把握することができるため、長期保守計画等を行うための有効なデータとして役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る回転電機およびその密封油供給装置の配管系統図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係る回転電機およびその密封油供給装置の配管系統図である。
【図3】本発明の実施の形態3に係る回転電機およびその密封油供給装置の配管系統図である。
【図4】本発明の実施の形態4に係る回転電機およびその密封油供給装置の配管系統図である。
【図5】本発明の実施の形態5に係る回転電機およびその密封油供給装置の配管系統図である。
【符号の説明】
1 回転電機、2 ケーシング、3 回転軸、4 軸密封機構部、7 密封油供給装置、9 密封油供給回路、10 密封油供給ポンプ、18 電気式差圧調整弁、33 差圧伝送器、34 コントローラ、37 密封油圧力伝送器、38
冷却ガス圧力伝送器、39 冷却ガス純度計測用圧力伝送器。
Claims (5)
- ケーシングの内部に冷却ガスが封入されるとともに、回転軸とケーシングとの隙間を封止する軸密封機構部が設けられた回転電機の上記軸密封機構部に対して密封油を供給するための装置であって、
上記軸密封機構部に対して密封油供給ポンプを有する密封油供給回路が接続され、この密封油供給回路の密封油供給ポンプから下流側の上記軸密封機構部までの途中位置に電気式差圧調整弁が設けられる一方、この電気式差圧調整弁で圧力調整された密封油の圧力と上記ケーシング内の冷却ガスの圧力との差圧を検出する差圧伝送器と、この差圧伝送器から出力される差圧信号および上記回転電機の運転条件に基づいて上記電気式差圧調整弁の開度を制御するコントローラとを備えることを特徴とする回転電機の密封油供給装置。 - 上記差圧伝送器は上記回転電機に近接した位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載の回転電機の密封油供給装置。
- ケーシングの内部に冷却ガスが封入されるとともに、回転軸とケーシングとの隙間を封止する軸密封機構部が設けられた回転電機の上記軸密封機構部に対して密封油を供給するための装置であって、
上記軸密封機構部に対して密封油供給ポンプを有する密封油供給回路が接続され、この密封油供給回路の密封油供給ポンプから下流側の上記軸密封機構部までの途中位置に電気式差圧調整弁が設けられる一方、この電気式差圧調整弁で圧力調整された密封油の圧力を検出する密封油圧力伝送器と、上記ケーシング内の冷却ガスの圧力を検出する冷却ガス圧力伝送器と、これらの両圧力伝送器から出力される各圧力信号および上記回転電機の運転条件に基づいて上記電気式差圧調整弁の開度を制御するコントローラとを備えることを特徴とする回転電機の密封油供給装置。 - 上記密封油圧力伝送器は上記軸密封機構部に近接した位置に、また、上記冷却ガス圧力伝送器は上記ケーシングに近接した位置に、それぞれ設けられていることを特徴とする請求項3記載の回転電機の密封油供給装置。
- 上記ハウジング内に封入されている冷却ガスの純度計測用の圧力伝送器が上記冷却ガス圧力伝送器として兼用されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の回転電機の密封油供給装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2002
- 2002-12-02 JP JP2002349617A patent/JP2004187373A/ja active Pending
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