JP2004186935A - タイムスロット割当方法及び無線局 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホスト局を介さなくても複数の無線局に対してタイムスロットを割り当てることができるタイムスロット割当方法を提供することである。
【解決手段】アドホックネットワークを構成する複数の無線局RSは、それぞれ、加入者テーブルSTを保有している。加入者テーブルSTは、使用済みのタイムスロットを無線局ごとに対応付けて記憶するものである。無線局RSは、パケットを送信する場合、自局に割り当てられているタイムスロットに関する情報をヘッダ部に含ませる。無線局RSは、ネットワークに送出されているパケットを検出し、このパケットのヘッダ部の内容に基づいて加入者テーブルSTを更新する。ネットワークに加入する場合、無線局RSは、加入者テーブルSTを参照して未使用のタイムスロットを自局に割り当てる。これにより、ホスト局を介さなくてもタイムスロットを重複して複数の無線局に割り当てることを防止できる。
【選択図】 図1
【解決手段】アドホックネットワークを構成する複数の無線局RSは、それぞれ、加入者テーブルSTを保有している。加入者テーブルSTは、使用済みのタイムスロットを無線局ごとに対応付けて記憶するものである。無線局RSは、パケットを送信する場合、自局に割り当てられているタイムスロットに関する情報をヘッダ部に含ませる。無線局RSは、ネットワークに送出されているパケットを検出し、このパケットのヘッダ部の内容に基づいて加入者テーブルSTを更新する。ネットワークに加入する場合、無線局RSは、加入者テーブルSTを参照して未使用のタイムスロットを自局に割り当てる。これにより、ホスト局を介さなくてもタイムスロットを重複して複数の無線局に割り当てることを防止できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイムスロット割当方法及び無線局に係り、さらに詳しくは、各無線局間でTDMA方式を使って無線パケット通信を行うアドホックネットワークにおいて、無線局にタイムスロットを割り当てるスロット割当方法、並びに、当該アドホックネットワークを構成する無線局に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、複数のタイムスロットからなるフレームを周期としてパケットを通信するアドホックネットワークが知られている。この種のアドホックネットワークにおいてはホスト局が設置され、ホスト局とステーション局との間、あるいは、各ステーション局間でパケット通信を行う。このホスト局はTDMA(Time Division Multiple Access)のタイムスロットの使用状況をモニタし、その結果に応じてチャネル要求したステーションに対しタイムスロットを割り当てる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許2899583号公報(段落番号[0001],[0031]、図1)
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のアドホックネットワークにおいては上述したようにホスト局を設置しなければならず、ホストが故障した場合、タイムスロットの使用状況をモニタできなくなる。したがって、各ステーション局へタイムスロットの割当てができないという問題があった。また、各ステーション局はタイムスロットの使用状況をモニタできないため、タイムスロットの使用状況を把握するためにはホスト局へ確認する必要があった。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、ホスト局を介さなくても複数の無線局に対してタイムスロットを割り当てることができるタイムスロット割当方法及び無線局を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によるタイムスロット割当方法は、複数のタイムスロットからなるフレームを周期として、複数の無線局間でパケット通信を行うアドホックネットワークにおける無線局へのタイムスロット割当方法であって、無線局ごとに保有され、タイムスロットの使用状況を記憶する加入者テーブルを各無線局ごとに更新するテーブル更新ステップと、アドホックネットワークに新たに加入する無線局が、自局の保有する加入者テーブルに基づいて未使用のタイムスロットを自局に割り当てるスロット割当ステップとを備える。
【0006】
この様な構成により、各無線局において、更新された加入者テーブルを保有させることがきでき、各無線局が、自局内で未使用スロットを把握することができる。従って、無線局がアドホックネットワークに新たに加入する際、自局に対するタイムスロットの割り当てを自ら行うことができる。
【0007】
本発明によるタイムスロット割当方法は、複数のタイムスロットからなるフレームを周期として、複数の無線局間でパケット通信を行うアドホックネットワークにおける無線局へのタイムスロット割当方法であって、第1の割当ステップと、割当要求ステップと、第2の割当ステップとを備えて構成される。
【0008】
第1の割当ステップでは、最初にアドホックネットワークに加入した無線局であるネットワークマスタ局が、任意のタイムスロットを自局に割り当てる。割当要求ステップでは、他の無線局が、ネットワークマスタ局に対してタイムスロットの割当要求を含むパケットを送出する。そして、第2の割当ステップでは、ネットワークマスタ局が、受信パケットに含まれるタイムスロットの割当要求に基づいて、未使用のタイムスロットを他の無線局に割り当てる。
【0009】
この様な構成により、アドホックネットワークに最初に加入した無線局をネットワークマスタ局となり、他の無線局に対し、タイムスロットの割当を行うことができる。従って、特別なホスト局を設けなくても、各無線局に対し、タイムスロットの割り当てを行うことができる。
【0010】
また、本発明による無線局は、複数のタイムスロットからなるフレームを周期としてパケット通信するアドホックネットワークを構成する無線局であって、タイムスロットの使用状況を記憶する加入者テーブルと、他局からの受信パケットに基づいて加入者テーブルを更新するテーブル更新手段と、加入者テーブルに基づいて、未使用のタイムスロットを自局に割り当てるスロット割当手段とを備えて構成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るアドホックネットワークの全体構成を示す概念図である。このアドホックネットワークは、複数の無線局RS1、RS2,RS3(以下総称するときは「無線局RS」という)を備え、これら無線局RS間において無線パケット通信を実現するものである。このパケット通信は、複数のタイムスロットからなるフレームを周期として行われる。つまり、このアドホックネットワークは、基地局等の特別の中継局を介さずに各無線局間で無線パケット通信を実現しており、その通信方式としてTDMAを採用している。
【0013】
無線局RSは、たとえば携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistance)、車載ナビゲーション装置などの移動無線装置及び固定無線装置からなる。無線局RSは、加入者テーブルST及びスロット割当部1をそれぞれ有している。
【0014】
加入者テーブルSTは、タイムスロットの使用状況を無線局RSごとに対応づけて記憶するものである。具体的には、加入者テーブルSTは、いずれかの無線局RSに割り当てられた使用中のタイムスロットTSを無線局RSに対応づけて記憶するものである。
【0015】
スロット割当部1は、加入者テーブルSTを参照することにより未使用のタイムスロットTSを自局に割り当てる。無線局RSは、このスロット割当部1により割り当てられたタイムスロットTSを使ってパケットを送信する。これにより、タイムスロットTSの使用状況を監視する特別のホスト局を設置しなくても、各無線局RSにおいてその監視を実現することができる。
【0016】
図2は、フレームFの一構成例を示す概念図である。フレームFは時間的に区切られた複数のタイムスロットTSからなる。各タイムスロットTSには固有のスロット番号TS#が付与されており、各タイムスロットTSの識別は上記スロット番号TS#で行われる。ここでは、各フレームFが128個のタイムスロットTS#0〜TS#127により構成されているものとする。
【0017】
図3は、無線局RSから送信されるパケットPの構造の一例を示す概念図である。パケットPは、図3(a)に示すように、隣接するタイムスロットTSとの区切りを明確にするため、タイムスロットTSの両端の1ミリ秒を除いたタイムスロットTSの中央に配置される。このパケットPは、図3(b)に示すように、同期部SY、ヘッダ部HD及びデータ部DATAの各フィールドを含む。同期部SYは、受信局に対して送信パケットを認識させたり、同期を確立させたりする同期情報を格納するものである。データ部DATAは、送信すべきデータを格納するものである。
【0018】
ヘッダ部HDは、図3(c)に示すように、使用タイムスロットに関する使用タイムスロット情報を格納するものである。より具体的には、ヘッダ部HDは、当該パケットPが送出されるタイムスロットTSの現スロット番号CTS#、自局のID番号ID#、開始タイムスロットのスロット番号STS#、自局のタイムスロットの繰り返し使用番号RR、及び、予備領域SPRを含む。
【0019】
繰り返し使用番号RRは、タイムスロットの繰り返し周期であり、RR個ごとにタイムスロットTSを使用することを示すものである。すなわち、1つのフレームF中において128/RR個のタイムスロットTSを使用することになる。たとえば、RRが8であるとすると、8個ごとに128/8=16個のタイムスロットTSを1フレームにつき使用することになる。
【0020】
この実施の形態1では、フレームFの周期が2.56秒であり、各タイムスロットTSが20ミリ秒であるものとする。このとき、1フレームは128個のタイムスロットTSにより構成される。また、同期部SYに32ビット、ヘッダ部HDに64ビット、データ部DATAに480ビットをそれぞれ割り当て、1パケットを576ビットとする。
【0021】
すなわち、ガードタイムとしてタイムスロットTSの両端の1ミリ秒を除くことを考慮し、18ミリ秒の間に576ビットが送信される構成とする。この場合、送信レートは32kbpsとなる。さらに、ヘッダ部HDにおいて、使用タイムスロット番号TS#、ID番号ID#、開始スロット番号STS#及びスロット繰り返し番号RRに対しそれぞれ8ビットを割り当て、予備領域SPRに32ビットを割り当てるとする。
【0022】
次に、当該アドホックネットワークへ加入する際の無線局RSの動作を説明する。以下の説明では、いずれの無線局RSもネットワークに加入していない状況において、最初に無線局RS1が加入し、次いで無線局RS2が加入する場合を想定する。
【0023】
ネットワークに加入しようとする無線局RS1は、ネットワークを監視し、パケットの検出処理を実行する。具体的には、無線局RS1は、所定の監視時間TmにわたってパケットPの検出処理を実行する。この監視時間Tmは、フレーム周期以上の時間である必要があり、ここでは6秒であるものとする。
【0024】
監視時間Tmにわたって1つのパケットPも検出しなかった場合、いずれの無線局RSもアドホックネットワークに加入していないと判断することができる。このため、無線局RS1は、最初にアドホックネットワークに加入する無線局であるネットワークマスタ局としてアドホックネットワークに加入する。
【0025】
ネットワークマスタ局として加入する場合、無線局RS1のスロット割当部1は、フレームFを構成する複数のタイムスロットTSのうち任意のタイムスロットTSを自局に対し割り当てることができる。ここでは、ネットワークマスタ局RS1のスロット割当部1が、スロット番号TS#が0である最初のタイムスロットTSと、このタイムスロットTSを基準にスロット繰り返し番号RRごとに現れる複数のタイムスロットTSとを、自局に対し割り当てるものとする。
【0026】
スロット割当部1は、さらに、自局に割り当てたタイムスロットに関する情報を加入者テーブルSTに書き込む。自局のID番号ID#が1であれば、スロット割当部1は、図4(a)に示すように、割り当てたスロット番号TS#0の領域に自局のID番号の最上位ビットを1にした「81H」を記入する。ID番号の最上位ビットは、ネットワークマスタ局のID#であることを意味する。
【0027】
また、スロット繰り返し番号RRは8なので、スロット割当部1は、スロット番号TS#0から8個目のスロット番号TS#8の領域に自局のID番号の最上位ビットを1にした「81H」を記入する。以下同様に、スロット割当部1は、8個のスロット番号TS#ごとに自局のID番号の最上位ビットを1にした「81H」を記入する。
【0028】
さらに、ネットワークマスタ局RS1は、スロット割当部1で割り当てられたタイムスロットに関する情報である使用スロット情報をヘッダ部HDに含ませ、このヘッダ部HDを含むパケットPをネットワークに送出する。すなわち、ネットワークマスタ局1は、下記に示すようなビット構成の使用スロット情報をヘッダ部HDに記入する。
【0029】
CTS#=00000000(00H)
ID# =10000001(81H)
STS#=00000000(00H)
RR =00001000(08H)
【0030】
他の無線局RS2,RS3は、ネットワークを常時監視し、ネットワークに送出されているパケットPを検出する。パケットPを検出した場合、無線局RS2,RS3は、その検出パケットPのヘッダ部HDを抽出し、自局で保有している加入者テーブルSTを更新する。具体的には、無線局RS2,RS3は、ヘッダ部HDからID番号ID#、開始スロット番号STS#及びスロット繰り返し番号RRを取り出し、これら取り出された各情報に基づき加入者テーブルSTを更新する。
【0031】
たとえば、この実施の形態1で想定しているようにネットワークマスタ局RS1だけがネットワークに加入している場合、ネットワークマスタ局情報を含むパケットだけを検出することになるので、無線局RS2,RS3は、当該ネットワークマスタ局情報を自局で保有している加入者テーブルSTに記録する。すなわち、ネットワークマスタ局RS1で保有している加入者テーブルSTと同じように、図4(a)に示されるような加入者テーブルSTを作成する。
【0032】
一方、無線局RS2が、ネットワークへの加入を開始する場合、そのスロット割当部1が、自局で保有している加入者テーブルSTを参照し、未使用のタイムスロットTSを自局に対し割り当てる。このとき、使用中のタイムスロットのうち開始スロット番号STS#が最も大きなスロット番号の次のスロット番号を開始スロット番号STS#として割り当てられる。
【0033】
ネットワークマスタ局RS1だけがネットワークに加入している場合、使用中の開始スロット番号STS#は0である。そのため、無線局RS2のスロット割当部1は、その開始スロット番号STS#0を基準にし、その次のスロット番号ST#1を開始スロット番号STS#とする。
【0034】
無線局RS2のスロット割当部1は、開始スロット番号STS#を決定すると、この決定された開始スロット番号STS#に基づいて、自局で保有している加入者テーブルSTを更新する。たとえば、自局のID番号ID#が3である場合、無線局RS2のスロット割当部1は、図4(b)に示すように、スロット番号#1の領域に自局のID番号「03H」を記入する。また、スロット繰り返し番号RRは8なので、無線局RS2のスロット割当部1は、スロット番号#1から8個目のスロット番号#9の領域に自局のID番号「03H」を記入する。以下同様に、無線局RS2のスロット割当部1は、8個のスロット番号ごとに自局のID番号「03H」を記入する。
【0035】
さらに、無線局RS2は、自局に対し割り当てられたタイムスロットの情報である使用スロット情報をヘッダ部HDに含ませ、このヘッダ部HDを含むパケットをネットワークに送出する。具体的には、無線局RS2は、下記に示すように、現スロット番号CTS#、自局のID番号ID#、開始スロット番号STS#及びスロット繰り返し番号RRを使用スロット情報としてヘッダ部HDに記入し、当該ヘッダ部HDを含むパケットPを送出する。
【0036】
CTS#=00000001(01H)
ID# =00000011(03H)
STS#=00000001(01H)
RR =00000100(08H)
【0037】
一方、ネットワークマスタ局RS1及び他の無線局RS3は、上記ネットワークに送出された無線局RS2からのパケットPを検出することになる。この場合、ネットワークマスタ局RS1及び無線局RS3は、当該パケットPのヘッダ部HDに含まれている開始スロット番号STS#等の各種情報に基づいて、それぞれ、自局で保有している加入者テーブルSTを更新する。
【0038】
この様にして、各無線局RSが、最新の加入者テーブルSTを保有することにより、ネットワークに加入していない無線局RS3も、加入者テーブルSTを参照してネットワークに加入することができる。すなわち、無線局RS3が保有している加入者テーブルSTを参照するだけで、他の無線局RS1,RS2が使用中のタイムスロットTSを確認することができ、ホスト局によるタイムスロットの割り当てを受けることなく、無線局RS3自身でタイムスロットを割り当てることができる。
【0039】
次に、ネットワークマスタ局RS1がアドホックネットワークから離脱する際の動作を説明する。ネットワークマスタ局RS1がアドホックネットワークから離脱する場合、開始スロット番号STS#1の無線局RS2がネットワークマスタ局を引き継ぐ。
【0040】
ネットワークマスタ局RS1がアドホックネットワークから離脱すると、ネットワークマスタ局RS1から送出されたパケットはネットワーク上を通過しなくなる。この場合、他の無線局RS2,SR3は、ネットワークマスタ局RS1のパケットを検出できず、ネットワークマスタ局RS1がネットワークから離脱したと判断することができる。
【0041】
開始スロット番号STS#1の無線局RS2は、ネットワークマスタ局RS1がネットワークから離脱した場合に、新たなネットワークマスタ局となる。具体的には、当該無線局RS2のスロット割当部1は、開始スロット番号STS#をSTS#0とする。また、この開始スロット番号STS#0を基準に自局で指定したスロット繰り返し番号RRごとに現れる複数のスロット番号TS#を、自局のタイムスロットとして割り当てる。無線部RS2は、この割り当てられたタイムスロットTSを使ってパケットPをネットワークに送出する。
【0042】
この場合、無線部RS2は、現スロット番号CTS#、自局ID番号ID#の最上位ビットを1に変更した10000011(83H)、開始スロット番号STS#0、及び、スロット繰り返し番号RRを使用スロット情報としてヘッダ部HDに含ませ、このヘッダ部HDを含むパケットPをネットワークに送出する。つまり、ヘッダ部HDのビット構成は次のように変更される。
【0043】
CTS#=00000000(00H)
ID# =10000011(83H)
STS#=00000000(00H)
RR =00000100(08H)
【0044】
また、無線局RS2のスロット割当部1は、自局で保有している加入者テーブルSTを更新する。具体的には、スロット割当部1は、自局ID番号ID#の最上位ビットを1に変更した10000011(83H)を、図4(c)に示すように、開始スロット番号STS#0、及び、スロット繰り返し番号RRごとに現れるスロット番号TS#4、TS#8、…、TS#124に書き込む。
【0045】
このとき、ネットワークに加入していない無線局RS3は、新たにネットワークマスタ局となった無線局RS2の送出パケットを検出し、他の無線局RS3は、無線局RS2が新たにネットワークマスタ局となったことを認識することができる。無線局SR3は、この検出に応答して自局で保有している加入者テーブルSTを図4(c)に示すように更新する。すなわち、新たなネットワークマスタ局SR2の開始スロット番号STS#が、最初のスロット番号TS#0となるように、加入者テーブルSTを更新する。
【0046】
以上のように、この実施の形態1によれば、アドホックネットワークを構成する各無線局RSは加入者テーブルSTを保有し、当該加入者テーブルSTを参照することでタイムスロットを自局に割り当てるので、専用のホスト局を設置しなくても、各無線局RSは使用中のタイムスロットを避けて未使用のタイムスロットを自局に割り当てることができる。そのため、専用のホスト局がなくても、パケット衝突を未然に防ぐことができ、信頼性の高いアドホックネットワークを構築できる。
【0047】
また、タイムスロット割当の基準となるネットワークマスタ局が離脱する場合でも他の無線局がネットワークマスタ局を引き継ぐので、常に統制の取れたタイムスロット割当を実現することができる。
【0048】
実施の形態2
図5は、この発明の実施の形態2に係るアドホックネットワークの全体構成を示す概念図である。
【0049】
上記実施の形態1では、各無線局RSがネットワークをそれぞれ監視し、各無線局RSが加入者テーブルSTを独自に作成する場合の例について説明した。これに対して、この実施の形態2では、ネットワークマスタ局となる無線局RS1のみが加入者テーブルSTを作成し、この作成された加入者テーブルSTを他の無線局RS2,3に送信し、他の無線局RS2,3は、受信した加入者テーブルを自局の加入者テーブルとして保有する場合の例について説明する。
【0050】
ネットワークに加入しようとする無線局RS2は、自局で保有している加入者テーブルSTを参照し、未使用のタイムスロットTSを自局に割り当て、パケットPを送信する。ネットワークマスタ局RS1は、ネットワークを常時監視し、新たに加入した無線局RS2からのパケットPを検出した場合、自局で保有している加入者テーブルSTを更新する。
【0051】
その後、ネットワークマスタ局RS1は、この更新された加入者テーブルSTを自局に割り当てられているタイムスロットのうち開始タイムスロット番号STS#0に対応するタイムスロットを介して他の無線局RS2,RS3に対して送信する。ネットワークマスタ局RS1は、この加入者テーブルSTの送信を加入者テーブルSTの更新のたびに実行する。他の無線局RS2,RS3は、上記加入者テーブルSTを受信すると、この受信された加入者テーブルSTを自局の加入者テーブルSTとして保有する。
【0052】
以上のようにこの実施の形態2によれば、ネットワークマスタ局のみで加入者テーブルSTを作成しその都度他の無線局RSに送信するので、他の無線局RSで加入者テーブルを作成する必要がない。したがって、加入者テーブル更新処理を効率的に行える。
【0053】
実施の形態3.
図6は、この発明の実施の形態3に係る加入者テーブルSTの構成を示す概念図である。
【0054】
上記実施の形態1及び2では、フレームFを構成するすべてのタイムスロットTSを割当対象としている。これに対して、この実施の形態3では、フレームFを構成する複数のタイムスロットTSのうち所定数のタイムスロットを空きタイムスロットVTSとし、非常時などに用いることができるようにしている。
【0055】
より詳述すれば、この実施の形態3では、ネットワークマスタ局RS1は、特別な条件が満足される場合を除き使用禁止とするタイムスロットTSを設定し、この設定された使用禁止タイムスロットVTSを指定したスロット使用禁止情報をヘッダ部HDに含ませる。ネットワークマスタ局RS1は、使用禁止タイムスロットVTSを設定すると、使用禁止であることを示すように自局で保有している加入者テーブルSTを図6に示すように更新する。
【0056】
他の無線局RS2,RS3は、ネットワークマスタ局RS1から送出されたパケットPから上記スロット使用禁止情報を取り出すと、このスロット使用禁止情報で指定されたタイムスロットVTSを使用禁止とするように、自局で保有している加入者テーブルSTを図6に示すように更新する。その後、他の無線局RS2,RS3のスロット割当部1は、ネットワークに加入する際に当該加入者テーブルSTを参照し、使用中のタイムスロット及び使用禁止のタイムスロット以外のタイムスロットTSを自局に割り当てる。
【0057】
一方、非常事態の発生時において、たとえばユーザから無線局RSに非常事態発生が指示されたうえでネットワークへの加入を指示されると、予め定められた条件が満足されたことになるので、無線局RSは、加入者テーブルSTを参照し、使用禁止のタイムスロットを使ってパケット通信を開始する。この場合、無線局RSは、たとえば非常事態発生メッセージをヘッダ部HDの予備領域SPRに記入し、当該ヘッダ部HDを含むパケットPをネットワークに送出する。他の無線局RSは、上記非常事態発生メッセージを含むパケットPを検出すると、自局で保有している加入者テーブルSTの使用禁止タイムスロットVTSの領域に対し発信元の無線局RS2のID番号ID#を記録する。
【0058】
以上のように、この実施の形態3では、ネットワークマスタ局が使用禁止のタイムスロットを指定できるので、タイムスロットTSの使用に制限を加えることができる。したがって、非常時などにおいて非常事態情報を確実に他の無線局に提供することができる。そのため、信頼性の高いアドホックネットワークを構築できる。
【0059】
なお、上記の説明では、各無線局RSで加入者テーブルSTを独自に更新する場合を例にとって説明しているが、たとえば上記実施の形態2のように、ネットワークマスタ局だけで使用禁止タイムスロットVTSを指定した加入者テーブルSTを作成し、これを他の無線局RSに送信し、他の無線局RSにおいてその加入者テーブルSTを自局の加入者テーブルSTとして保有するようにしてもよいことはもちろんである。
【0060】
実施の形態4.
図7は、この発明の実施の形態4に係る加入者テーブルSTの構成を示す概念図である。
【0061】
上記実施の形態1から3では、各無線局RSにおいて加入者テーブルSTを保有し、この加入者テーブルSTを参照することで未使用のタイムスロットTSを自局に割り当てている。これに対して、この実施の形態4では、ネットワークマスタ局は、自局RS1に対し任意のタイムスロットを割り当てると共に、他の無線局RS2,RS3は、ネットワークマスタ局RS1からタイムスロットの割当てを受けるようにしている。
【0062】
より詳述すれば、この実施の形態4では、ネットワークマスタ局RS1は、フレームFを構成する複数のタイムスロットTSのうち任意のタイムスロットTSを自局に対して割り当てる。この実施の形態4では、割り当てられるタイムスロットは、開始スロット番号STS#が0で、この開始スロット番号STS#0からネットワークマスタ局RS1で指定されたスロット繰り返し番号RRごとに現れる複数のタイムスロットTSである。ネットワークマスタ局RS1は、自局に対しタイムスロットTSを割り当てると、図7に示すような加入者テーブルSTを作成する。
【0063】
ネットワークマスタ局RS1は、この割り当てられた複数のタイムスロットTSを使ってパケットを送出するが、この実施の形態4では、その割り当てられた複数のタイムスロットTSのうち最後のタイムスロットTSを使用せずに、パケットを送出する。すなわち、割り当てられているタイムスロットTSのうち最大のスロット番号ST#に対応するタイムスロットTSは使用しない。つまり、図7において、最後のスロット番号TS#120を使用しない。
【0064】
ネットワークマスタ局RS1は、パケットPのヘッダ部HDに対し、現スロット番号CTS#、自局のID番号ID#、開始スロット番号STS#及びスロット繰り返し番号RRを含ませている。一方、他の無線局RS2,RS3は、このパケットを検出すると、開始スロット番号STS#及びスロット繰り返し番号RRに基づいて最後のスロット番号TS#を求める。この求められたスロット番号TS#は一時的に保持される。
【0065】
その後、たとえば無線局RS2がネットワークに加入する場合、無線局RS2は、一時的の保持されている最後のスロット番号TS#を使ってスロット要求パケットをネットワークマスタ局RS1に送信する。スロット要求パケットは、自局のID番号ID#及びスロット繰り返し番号RRを含むものである。
【0066】
ネットワークマスタ局RS1は、最後のタイムスロットTSの上記スロット要求パケットを検出すると、自局で保有している加入者テーブルSTを参照し、未使用のタイムスロットTSを検索する。ネットワークマスタ局RS1は、未使用のタイムスロットTSを検出すると、タイムスロットTSの割り当てを要求してきた無線局RS2に対して回答する。
【0067】
具体的には、ネットワークマスタ局RS1は、未使用のタイムスロットTSのタイムスロット番号TS#を開始タイムスロット番号STS#とし、当該開始タイムスロット番号STS#、要求してきた無線局RS2のID番号ID#及びスロット繰り返し番号RRを含む回答パケットを、要求してきた無線局RS2に対して送信する。この場合、ネットワークマスタ局RS1は、スロット要求パケットを送信してきたフレームの次のフレームであって自局に割り当てられた複数のタイムスロットTSのうち最後のタイムスロットTSを使って上記回答パケットを送信する。
【0068】
また、ネットワークマスタ局RS1は、他の無線局RS2に対するタイムスロットTSの割当てを実行すると、自局で保有している加入者テーブルSTを更新する。すなわち、図7に示すように、他の無線局RS2に割り当てたタイムスロットTSのスロット番号TS#1、TS#5、TS#9、…、TS#125の領域に、スロット割当要求パケットを送信してきた無線局RS2のID番号ID#である03H(00000010)を記入する。
【0069】
上記回答パケットを受信した無線局RS2は、この回答パケットによりタイムスロットTSの割当てを受ける。すなわち、無線局RS2は、回答パケットを受信すると、この回答パケットに含まれている開始スロット番号STS#、スロット繰り返し番号RRに基づいて、使用するタイムスロットTSを認識する。無線局RS2は、この認識されたタイムスロットTSを使ってパケットPを送出する。
【0070】
以上のようにこの実施の形態4によれば、ネットワークマスタ局RS1がネットワークの使用状況を確認したうえでネットワーク加入を希望する無線局RS2へタイムスロットを割り当てるため、タイムスロット配置が確実にできるようになる。ネットワークマスタ局は最初にネットワークに加入した無線局であって、従来のようにタイムスロットの割当てを専門に実施するホスト局とは異なる。したがって、ホスト局を設置しなくても統制のとれたタイムスロットの割当てを実現することができる。
【0071】
また、ネットワークマスタ局でない他の無線局は自局で加入者テーブルを作成する必要がないので、無線局の処理の簡素化を図れる。
【0072】
なお、上記の説明では、ネットワークマスタ局となった無線局RSだけが加入者テーブルSTを作成し、他の無線局RSはネットワークマスタ局RSからタイムスロットTSの割当てを受けるだけである。しかし、たとえばネットワークマスタ局RSは、タイムスロットTSの割当てを実行する場合、回答パケットの代わりに更新済みの加入者テーブルSTを要求無線局RS2に対し送信し、この無線局RS2においてその加入者テーブルSTに基づいて自局へのタイムスロットの割当てを受けるようにしてもよい。
【0073】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、ホスト局のようなタイムスロットの使用状況を一元管理する特別の中継局を設置しなくても、各無線局に未使用のタイムスロットを割り当てることができる。したがって、パケット衝突を未然に防ぐことができ、信頼性の高いアドホックネットワークを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係るアドホックネットワークの全体構成を示す概念図である。
【図2】フレームの構成を示す概念図である。
【図3】無線局RSから送信されるパケット構造を示す概念図である。
【図4】加入者テーブルの構成を示す概念図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係るアドホックネットワークの全体構成を示す概念図である。
【図6】この発明の実施の形態3に係る加入者テーブルSTの構成を示す概念図である。
【図7】この発明の実施の形態4に係る加入者テーブルSTの構成を示す概念図である。
【符号の説明】
RS,RS1〜RS3 無線局、ST 加入者テーブル、1 スロット割当部、
TS#1〜TS#127 タイムスロット、HD ヘッダ部、
CTS# 現スロット番号、ID# 自局のID番号、
STS# 開始タイムスロット番号、RR タイムスロット繰返使用番号、
SPR 予備領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイムスロット割当方法及び無線局に係り、さらに詳しくは、各無線局間でTDMA方式を使って無線パケット通信を行うアドホックネットワークにおいて、無線局にタイムスロットを割り当てるスロット割当方法、並びに、当該アドホックネットワークを構成する無線局に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、複数のタイムスロットからなるフレームを周期としてパケットを通信するアドホックネットワークが知られている。この種のアドホックネットワークにおいてはホスト局が設置され、ホスト局とステーション局との間、あるいは、各ステーション局間でパケット通信を行う。このホスト局はTDMA(Time Division Multiple Access)のタイムスロットの使用状況をモニタし、その結果に応じてチャネル要求したステーションに対しタイムスロットを割り当てる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許2899583号公報(段落番号[0001],[0031]、図1)
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のアドホックネットワークにおいては上述したようにホスト局を設置しなければならず、ホストが故障した場合、タイムスロットの使用状況をモニタできなくなる。したがって、各ステーション局へタイムスロットの割当てができないという問題があった。また、各ステーション局はタイムスロットの使用状況をモニタできないため、タイムスロットの使用状況を把握するためにはホスト局へ確認する必要があった。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、ホスト局を介さなくても複数の無線局に対してタイムスロットを割り当てることができるタイムスロット割当方法及び無線局を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によるタイムスロット割当方法は、複数のタイムスロットからなるフレームを周期として、複数の無線局間でパケット通信を行うアドホックネットワークにおける無線局へのタイムスロット割当方法であって、無線局ごとに保有され、タイムスロットの使用状況を記憶する加入者テーブルを各無線局ごとに更新するテーブル更新ステップと、アドホックネットワークに新たに加入する無線局が、自局の保有する加入者テーブルに基づいて未使用のタイムスロットを自局に割り当てるスロット割当ステップとを備える。
【0006】
この様な構成により、各無線局において、更新された加入者テーブルを保有させることがきでき、各無線局が、自局内で未使用スロットを把握することができる。従って、無線局がアドホックネットワークに新たに加入する際、自局に対するタイムスロットの割り当てを自ら行うことができる。
【0007】
本発明によるタイムスロット割当方法は、複数のタイムスロットからなるフレームを周期として、複数の無線局間でパケット通信を行うアドホックネットワークにおける無線局へのタイムスロット割当方法であって、第1の割当ステップと、割当要求ステップと、第2の割当ステップとを備えて構成される。
【0008】
第1の割当ステップでは、最初にアドホックネットワークに加入した無線局であるネットワークマスタ局が、任意のタイムスロットを自局に割り当てる。割当要求ステップでは、他の無線局が、ネットワークマスタ局に対してタイムスロットの割当要求を含むパケットを送出する。そして、第2の割当ステップでは、ネットワークマスタ局が、受信パケットに含まれるタイムスロットの割当要求に基づいて、未使用のタイムスロットを他の無線局に割り当てる。
【0009】
この様な構成により、アドホックネットワークに最初に加入した無線局をネットワークマスタ局となり、他の無線局に対し、タイムスロットの割当を行うことができる。従って、特別なホスト局を設けなくても、各無線局に対し、タイムスロットの割り当てを行うことができる。
【0010】
また、本発明による無線局は、複数のタイムスロットからなるフレームを周期としてパケット通信するアドホックネットワークを構成する無線局であって、タイムスロットの使用状況を記憶する加入者テーブルと、他局からの受信パケットに基づいて加入者テーブルを更新するテーブル更新手段と、加入者テーブルに基づいて、未使用のタイムスロットを自局に割り当てるスロット割当手段とを備えて構成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るアドホックネットワークの全体構成を示す概念図である。このアドホックネットワークは、複数の無線局RS1、RS2,RS3(以下総称するときは「無線局RS」という)を備え、これら無線局RS間において無線パケット通信を実現するものである。このパケット通信は、複数のタイムスロットからなるフレームを周期として行われる。つまり、このアドホックネットワークは、基地局等の特別の中継局を介さずに各無線局間で無線パケット通信を実現しており、その通信方式としてTDMAを採用している。
【0013】
無線局RSは、たとえば携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistance)、車載ナビゲーション装置などの移動無線装置及び固定無線装置からなる。無線局RSは、加入者テーブルST及びスロット割当部1をそれぞれ有している。
【0014】
加入者テーブルSTは、タイムスロットの使用状況を無線局RSごとに対応づけて記憶するものである。具体的には、加入者テーブルSTは、いずれかの無線局RSに割り当てられた使用中のタイムスロットTSを無線局RSに対応づけて記憶するものである。
【0015】
スロット割当部1は、加入者テーブルSTを参照することにより未使用のタイムスロットTSを自局に割り当てる。無線局RSは、このスロット割当部1により割り当てられたタイムスロットTSを使ってパケットを送信する。これにより、タイムスロットTSの使用状況を監視する特別のホスト局を設置しなくても、各無線局RSにおいてその監視を実現することができる。
【0016】
図2は、フレームFの一構成例を示す概念図である。フレームFは時間的に区切られた複数のタイムスロットTSからなる。各タイムスロットTSには固有のスロット番号TS#が付与されており、各タイムスロットTSの識別は上記スロット番号TS#で行われる。ここでは、各フレームFが128個のタイムスロットTS#0〜TS#127により構成されているものとする。
【0017】
図3は、無線局RSから送信されるパケットPの構造の一例を示す概念図である。パケットPは、図3(a)に示すように、隣接するタイムスロットTSとの区切りを明確にするため、タイムスロットTSの両端の1ミリ秒を除いたタイムスロットTSの中央に配置される。このパケットPは、図3(b)に示すように、同期部SY、ヘッダ部HD及びデータ部DATAの各フィールドを含む。同期部SYは、受信局に対して送信パケットを認識させたり、同期を確立させたりする同期情報を格納するものである。データ部DATAは、送信すべきデータを格納するものである。
【0018】
ヘッダ部HDは、図3(c)に示すように、使用タイムスロットに関する使用タイムスロット情報を格納するものである。より具体的には、ヘッダ部HDは、当該パケットPが送出されるタイムスロットTSの現スロット番号CTS#、自局のID番号ID#、開始タイムスロットのスロット番号STS#、自局のタイムスロットの繰り返し使用番号RR、及び、予備領域SPRを含む。
【0019】
繰り返し使用番号RRは、タイムスロットの繰り返し周期であり、RR個ごとにタイムスロットTSを使用することを示すものである。すなわち、1つのフレームF中において128/RR個のタイムスロットTSを使用することになる。たとえば、RRが8であるとすると、8個ごとに128/8=16個のタイムスロットTSを1フレームにつき使用することになる。
【0020】
この実施の形態1では、フレームFの周期が2.56秒であり、各タイムスロットTSが20ミリ秒であるものとする。このとき、1フレームは128個のタイムスロットTSにより構成される。また、同期部SYに32ビット、ヘッダ部HDに64ビット、データ部DATAに480ビットをそれぞれ割り当て、1パケットを576ビットとする。
【0021】
すなわち、ガードタイムとしてタイムスロットTSの両端の1ミリ秒を除くことを考慮し、18ミリ秒の間に576ビットが送信される構成とする。この場合、送信レートは32kbpsとなる。さらに、ヘッダ部HDにおいて、使用タイムスロット番号TS#、ID番号ID#、開始スロット番号STS#及びスロット繰り返し番号RRに対しそれぞれ8ビットを割り当て、予備領域SPRに32ビットを割り当てるとする。
【0022】
次に、当該アドホックネットワークへ加入する際の無線局RSの動作を説明する。以下の説明では、いずれの無線局RSもネットワークに加入していない状況において、最初に無線局RS1が加入し、次いで無線局RS2が加入する場合を想定する。
【0023】
ネットワークに加入しようとする無線局RS1は、ネットワークを監視し、パケットの検出処理を実行する。具体的には、無線局RS1は、所定の監視時間TmにわたってパケットPの検出処理を実行する。この監視時間Tmは、フレーム周期以上の時間である必要があり、ここでは6秒であるものとする。
【0024】
監視時間Tmにわたって1つのパケットPも検出しなかった場合、いずれの無線局RSもアドホックネットワークに加入していないと判断することができる。このため、無線局RS1は、最初にアドホックネットワークに加入する無線局であるネットワークマスタ局としてアドホックネットワークに加入する。
【0025】
ネットワークマスタ局として加入する場合、無線局RS1のスロット割当部1は、フレームFを構成する複数のタイムスロットTSのうち任意のタイムスロットTSを自局に対し割り当てることができる。ここでは、ネットワークマスタ局RS1のスロット割当部1が、スロット番号TS#が0である最初のタイムスロットTSと、このタイムスロットTSを基準にスロット繰り返し番号RRごとに現れる複数のタイムスロットTSとを、自局に対し割り当てるものとする。
【0026】
スロット割当部1は、さらに、自局に割り当てたタイムスロットに関する情報を加入者テーブルSTに書き込む。自局のID番号ID#が1であれば、スロット割当部1は、図4(a)に示すように、割り当てたスロット番号TS#0の領域に自局のID番号の最上位ビットを1にした「81H」を記入する。ID番号の最上位ビットは、ネットワークマスタ局のID#であることを意味する。
【0027】
また、スロット繰り返し番号RRは8なので、スロット割当部1は、スロット番号TS#0から8個目のスロット番号TS#8の領域に自局のID番号の最上位ビットを1にした「81H」を記入する。以下同様に、スロット割当部1は、8個のスロット番号TS#ごとに自局のID番号の最上位ビットを1にした「81H」を記入する。
【0028】
さらに、ネットワークマスタ局RS1は、スロット割当部1で割り当てられたタイムスロットに関する情報である使用スロット情報をヘッダ部HDに含ませ、このヘッダ部HDを含むパケットPをネットワークに送出する。すなわち、ネットワークマスタ局1は、下記に示すようなビット構成の使用スロット情報をヘッダ部HDに記入する。
【0029】
CTS#=00000000(00H)
ID# =10000001(81H)
STS#=00000000(00H)
RR =00001000(08H)
【0030】
他の無線局RS2,RS3は、ネットワークを常時監視し、ネットワークに送出されているパケットPを検出する。パケットPを検出した場合、無線局RS2,RS3は、その検出パケットPのヘッダ部HDを抽出し、自局で保有している加入者テーブルSTを更新する。具体的には、無線局RS2,RS3は、ヘッダ部HDからID番号ID#、開始スロット番号STS#及びスロット繰り返し番号RRを取り出し、これら取り出された各情報に基づき加入者テーブルSTを更新する。
【0031】
たとえば、この実施の形態1で想定しているようにネットワークマスタ局RS1だけがネットワークに加入している場合、ネットワークマスタ局情報を含むパケットだけを検出することになるので、無線局RS2,RS3は、当該ネットワークマスタ局情報を自局で保有している加入者テーブルSTに記録する。すなわち、ネットワークマスタ局RS1で保有している加入者テーブルSTと同じように、図4(a)に示されるような加入者テーブルSTを作成する。
【0032】
一方、無線局RS2が、ネットワークへの加入を開始する場合、そのスロット割当部1が、自局で保有している加入者テーブルSTを参照し、未使用のタイムスロットTSを自局に対し割り当てる。このとき、使用中のタイムスロットのうち開始スロット番号STS#が最も大きなスロット番号の次のスロット番号を開始スロット番号STS#として割り当てられる。
【0033】
ネットワークマスタ局RS1だけがネットワークに加入している場合、使用中の開始スロット番号STS#は0である。そのため、無線局RS2のスロット割当部1は、その開始スロット番号STS#0を基準にし、その次のスロット番号ST#1を開始スロット番号STS#とする。
【0034】
無線局RS2のスロット割当部1は、開始スロット番号STS#を決定すると、この決定された開始スロット番号STS#に基づいて、自局で保有している加入者テーブルSTを更新する。たとえば、自局のID番号ID#が3である場合、無線局RS2のスロット割当部1は、図4(b)に示すように、スロット番号#1の領域に自局のID番号「03H」を記入する。また、スロット繰り返し番号RRは8なので、無線局RS2のスロット割当部1は、スロット番号#1から8個目のスロット番号#9の領域に自局のID番号「03H」を記入する。以下同様に、無線局RS2のスロット割当部1は、8個のスロット番号ごとに自局のID番号「03H」を記入する。
【0035】
さらに、無線局RS2は、自局に対し割り当てられたタイムスロットの情報である使用スロット情報をヘッダ部HDに含ませ、このヘッダ部HDを含むパケットをネットワークに送出する。具体的には、無線局RS2は、下記に示すように、現スロット番号CTS#、自局のID番号ID#、開始スロット番号STS#及びスロット繰り返し番号RRを使用スロット情報としてヘッダ部HDに記入し、当該ヘッダ部HDを含むパケットPを送出する。
【0036】
CTS#=00000001(01H)
ID# =00000011(03H)
STS#=00000001(01H)
RR =00000100(08H)
【0037】
一方、ネットワークマスタ局RS1及び他の無線局RS3は、上記ネットワークに送出された無線局RS2からのパケットPを検出することになる。この場合、ネットワークマスタ局RS1及び無線局RS3は、当該パケットPのヘッダ部HDに含まれている開始スロット番号STS#等の各種情報に基づいて、それぞれ、自局で保有している加入者テーブルSTを更新する。
【0038】
この様にして、各無線局RSが、最新の加入者テーブルSTを保有することにより、ネットワークに加入していない無線局RS3も、加入者テーブルSTを参照してネットワークに加入することができる。すなわち、無線局RS3が保有している加入者テーブルSTを参照するだけで、他の無線局RS1,RS2が使用中のタイムスロットTSを確認することができ、ホスト局によるタイムスロットの割り当てを受けることなく、無線局RS3自身でタイムスロットを割り当てることができる。
【0039】
次に、ネットワークマスタ局RS1がアドホックネットワークから離脱する際の動作を説明する。ネットワークマスタ局RS1がアドホックネットワークから離脱する場合、開始スロット番号STS#1の無線局RS2がネットワークマスタ局を引き継ぐ。
【0040】
ネットワークマスタ局RS1がアドホックネットワークから離脱すると、ネットワークマスタ局RS1から送出されたパケットはネットワーク上を通過しなくなる。この場合、他の無線局RS2,SR3は、ネットワークマスタ局RS1のパケットを検出できず、ネットワークマスタ局RS1がネットワークから離脱したと判断することができる。
【0041】
開始スロット番号STS#1の無線局RS2は、ネットワークマスタ局RS1がネットワークから離脱した場合に、新たなネットワークマスタ局となる。具体的には、当該無線局RS2のスロット割当部1は、開始スロット番号STS#をSTS#0とする。また、この開始スロット番号STS#0を基準に自局で指定したスロット繰り返し番号RRごとに現れる複数のスロット番号TS#を、自局のタイムスロットとして割り当てる。無線部RS2は、この割り当てられたタイムスロットTSを使ってパケットPをネットワークに送出する。
【0042】
この場合、無線部RS2は、現スロット番号CTS#、自局ID番号ID#の最上位ビットを1に変更した10000011(83H)、開始スロット番号STS#0、及び、スロット繰り返し番号RRを使用スロット情報としてヘッダ部HDに含ませ、このヘッダ部HDを含むパケットPをネットワークに送出する。つまり、ヘッダ部HDのビット構成は次のように変更される。
【0043】
CTS#=00000000(00H)
ID# =10000011(83H)
STS#=00000000(00H)
RR =00000100(08H)
【0044】
また、無線局RS2のスロット割当部1は、自局で保有している加入者テーブルSTを更新する。具体的には、スロット割当部1は、自局ID番号ID#の最上位ビットを1に変更した10000011(83H)を、図4(c)に示すように、開始スロット番号STS#0、及び、スロット繰り返し番号RRごとに現れるスロット番号TS#4、TS#8、…、TS#124に書き込む。
【0045】
このとき、ネットワークに加入していない無線局RS3は、新たにネットワークマスタ局となった無線局RS2の送出パケットを検出し、他の無線局RS3は、無線局RS2が新たにネットワークマスタ局となったことを認識することができる。無線局SR3は、この検出に応答して自局で保有している加入者テーブルSTを図4(c)に示すように更新する。すなわち、新たなネットワークマスタ局SR2の開始スロット番号STS#が、最初のスロット番号TS#0となるように、加入者テーブルSTを更新する。
【0046】
以上のように、この実施の形態1によれば、アドホックネットワークを構成する各無線局RSは加入者テーブルSTを保有し、当該加入者テーブルSTを参照することでタイムスロットを自局に割り当てるので、専用のホスト局を設置しなくても、各無線局RSは使用中のタイムスロットを避けて未使用のタイムスロットを自局に割り当てることができる。そのため、専用のホスト局がなくても、パケット衝突を未然に防ぐことができ、信頼性の高いアドホックネットワークを構築できる。
【0047】
また、タイムスロット割当の基準となるネットワークマスタ局が離脱する場合でも他の無線局がネットワークマスタ局を引き継ぐので、常に統制の取れたタイムスロット割当を実現することができる。
【0048】
実施の形態2
図5は、この発明の実施の形態2に係るアドホックネットワークの全体構成を示す概念図である。
【0049】
上記実施の形態1では、各無線局RSがネットワークをそれぞれ監視し、各無線局RSが加入者テーブルSTを独自に作成する場合の例について説明した。これに対して、この実施の形態2では、ネットワークマスタ局となる無線局RS1のみが加入者テーブルSTを作成し、この作成された加入者テーブルSTを他の無線局RS2,3に送信し、他の無線局RS2,3は、受信した加入者テーブルを自局の加入者テーブルとして保有する場合の例について説明する。
【0050】
ネットワークに加入しようとする無線局RS2は、自局で保有している加入者テーブルSTを参照し、未使用のタイムスロットTSを自局に割り当て、パケットPを送信する。ネットワークマスタ局RS1は、ネットワークを常時監視し、新たに加入した無線局RS2からのパケットPを検出した場合、自局で保有している加入者テーブルSTを更新する。
【0051】
その後、ネットワークマスタ局RS1は、この更新された加入者テーブルSTを自局に割り当てられているタイムスロットのうち開始タイムスロット番号STS#0に対応するタイムスロットを介して他の無線局RS2,RS3に対して送信する。ネットワークマスタ局RS1は、この加入者テーブルSTの送信を加入者テーブルSTの更新のたびに実行する。他の無線局RS2,RS3は、上記加入者テーブルSTを受信すると、この受信された加入者テーブルSTを自局の加入者テーブルSTとして保有する。
【0052】
以上のようにこの実施の形態2によれば、ネットワークマスタ局のみで加入者テーブルSTを作成しその都度他の無線局RSに送信するので、他の無線局RSで加入者テーブルを作成する必要がない。したがって、加入者テーブル更新処理を効率的に行える。
【0053】
実施の形態3.
図6は、この発明の実施の形態3に係る加入者テーブルSTの構成を示す概念図である。
【0054】
上記実施の形態1及び2では、フレームFを構成するすべてのタイムスロットTSを割当対象としている。これに対して、この実施の形態3では、フレームFを構成する複数のタイムスロットTSのうち所定数のタイムスロットを空きタイムスロットVTSとし、非常時などに用いることができるようにしている。
【0055】
より詳述すれば、この実施の形態3では、ネットワークマスタ局RS1は、特別な条件が満足される場合を除き使用禁止とするタイムスロットTSを設定し、この設定された使用禁止タイムスロットVTSを指定したスロット使用禁止情報をヘッダ部HDに含ませる。ネットワークマスタ局RS1は、使用禁止タイムスロットVTSを設定すると、使用禁止であることを示すように自局で保有している加入者テーブルSTを図6に示すように更新する。
【0056】
他の無線局RS2,RS3は、ネットワークマスタ局RS1から送出されたパケットPから上記スロット使用禁止情報を取り出すと、このスロット使用禁止情報で指定されたタイムスロットVTSを使用禁止とするように、自局で保有している加入者テーブルSTを図6に示すように更新する。その後、他の無線局RS2,RS3のスロット割当部1は、ネットワークに加入する際に当該加入者テーブルSTを参照し、使用中のタイムスロット及び使用禁止のタイムスロット以外のタイムスロットTSを自局に割り当てる。
【0057】
一方、非常事態の発生時において、たとえばユーザから無線局RSに非常事態発生が指示されたうえでネットワークへの加入を指示されると、予め定められた条件が満足されたことになるので、無線局RSは、加入者テーブルSTを参照し、使用禁止のタイムスロットを使ってパケット通信を開始する。この場合、無線局RSは、たとえば非常事態発生メッセージをヘッダ部HDの予備領域SPRに記入し、当該ヘッダ部HDを含むパケットPをネットワークに送出する。他の無線局RSは、上記非常事態発生メッセージを含むパケットPを検出すると、自局で保有している加入者テーブルSTの使用禁止タイムスロットVTSの領域に対し発信元の無線局RS2のID番号ID#を記録する。
【0058】
以上のように、この実施の形態3では、ネットワークマスタ局が使用禁止のタイムスロットを指定できるので、タイムスロットTSの使用に制限を加えることができる。したがって、非常時などにおいて非常事態情報を確実に他の無線局に提供することができる。そのため、信頼性の高いアドホックネットワークを構築できる。
【0059】
なお、上記の説明では、各無線局RSで加入者テーブルSTを独自に更新する場合を例にとって説明しているが、たとえば上記実施の形態2のように、ネットワークマスタ局だけで使用禁止タイムスロットVTSを指定した加入者テーブルSTを作成し、これを他の無線局RSに送信し、他の無線局RSにおいてその加入者テーブルSTを自局の加入者テーブルSTとして保有するようにしてもよいことはもちろんである。
【0060】
実施の形態4.
図7は、この発明の実施の形態4に係る加入者テーブルSTの構成を示す概念図である。
【0061】
上記実施の形態1から3では、各無線局RSにおいて加入者テーブルSTを保有し、この加入者テーブルSTを参照することで未使用のタイムスロットTSを自局に割り当てている。これに対して、この実施の形態4では、ネットワークマスタ局は、自局RS1に対し任意のタイムスロットを割り当てると共に、他の無線局RS2,RS3は、ネットワークマスタ局RS1からタイムスロットの割当てを受けるようにしている。
【0062】
より詳述すれば、この実施の形態4では、ネットワークマスタ局RS1は、フレームFを構成する複数のタイムスロットTSのうち任意のタイムスロットTSを自局に対して割り当てる。この実施の形態4では、割り当てられるタイムスロットは、開始スロット番号STS#が0で、この開始スロット番号STS#0からネットワークマスタ局RS1で指定されたスロット繰り返し番号RRごとに現れる複数のタイムスロットTSである。ネットワークマスタ局RS1は、自局に対しタイムスロットTSを割り当てると、図7に示すような加入者テーブルSTを作成する。
【0063】
ネットワークマスタ局RS1は、この割り当てられた複数のタイムスロットTSを使ってパケットを送出するが、この実施の形態4では、その割り当てられた複数のタイムスロットTSのうち最後のタイムスロットTSを使用せずに、パケットを送出する。すなわち、割り当てられているタイムスロットTSのうち最大のスロット番号ST#に対応するタイムスロットTSは使用しない。つまり、図7において、最後のスロット番号TS#120を使用しない。
【0064】
ネットワークマスタ局RS1は、パケットPのヘッダ部HDに対し、現スロット番号CTS#、自局のID番号ID#、開始スロット番号STS#及びスロット繰り返し番号RRを含ませている。一方、他の無線局RS2,RS3は、このパケットを検出すると、開始スロット番号STS#及びスロット繰り返し番号RRに基づいて最後のスロット番号TS#を求める。この求められたスロット番号TS#は一時的に保持される。
【0065】
その後、たとえば無線局RS2がネットワークに加入する場合、無線局RS2は、一時的の保持されている最後のスロット番号TS#を使ってスロット要求パケットをネットワークマスタ局RS1に送信する。スロット要求パケットは、自局のID番号ID#及びスロット繰り返し番号RRを含むものである。
【0066】
ネットワークマスタ局RS1は、最後のタイムスロットTSの上記スロット要求パケットを検出すると、自局で保有している加入者テーブルSTを参照し、未使用のタイムスロットTSを検索する。ネットワークマスタ局RS1は、未使用のタイムスロットTSを検出すると、タイムスロットTSの割り当てを要求してきた無線局RS2に対して回答する。
【0067】
具体的には、ネットワークマスタ局RS1は、未使用のタイムスロットTSのタイムスロット番号TS#を開始タイムスロット番号STS#とし、当該開始タイムスロット番号STS#、要求してきた無線局RS2のID番号ID#及びスロット繰り返し番号RRを含む回答パケットを、要求してきた無線局RS2に対して送信する。この場合、ネットワークマスタ局RS1は、スロット要求パケットを送信してきたフレームの次のフレームであって自局に割り当てられた複数のタイムスロットTSのうち最後のタイムスロットTSを使って上記回答パケットを送信する。
【0068】
また、ネットワークマスタ局RS1は、他の無線局RS2に対するタイムスロットTSの割当てを実行すると、自局で保有している加入者テーブルSTを更新する。すなわち、図7に示すように、他の無線局RS2に割り当てたタイムスロットTSのスロット番号TS#1、TS#5、TS#9、…、TS#125の領域に、スロット割当要求パケットを送信してきた無線局RS2のID番号ID#である03H(00000010)を記入する。
【0069】
上記回答パケットを受信した無線局RS2は、この回答パケットによりタイムスロットTSの割当てを受ける。すなわち、無線局RS2は、回答パケットを受信すると、この回答パケットに含まれている開始スロット番号STS#、スロット繰り返し番号RRに基づいて、使用するタイムスロットTSを認識する。無線局RS2は、この認識されたタイムスロットTSを使ってパケットPを送出する。
【0070】
以上のようにこの実施の形態4によれば、ネットワークマスタ局RS1がネットワークの使用状況を確認したうえでネットワーク加入を希望する無線局RS2へタイムスロットを割り当てるため、タイムスロット配置が確実にできるようになる。ネットワークマスタ局は最初にネットワークに加入した無線局であって、従来のようにタイムスロットの割当てを専門に実施するホスト局とは異なる。したがって、ホスト局を設置しなくても統制のとれたタイムスロットの割当てを実現することができる。
【0071】
また、ネットワークマスタ局でない他の無線局は自局で加入者テーブルを作成する必要がないので、無線局の処理の簡素化を図れる。
【0072】
なお、上記の説明では、ネットワークマスタ局となった無線局RSだけが加入者テーブルSTを作成し、他の無線局RSはネットワークマスタ局RSからタイムスロットTSの割当てを受けるだけである。しかし、たとえばネットワークマスタ局RSは、タイムスロットTSの割当てを実行する場合、回答パケットの代わりに更新済みの加入者テーブルSTを要求無線局RS2に対し送信し、この無線局RS2においてその加入者テーブルSTに基づいて自局へのタイムスロットの割当てを受けるようにしてもよい。
【0073】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、ホスト局のようなタイムスロットの使用状況を一元管理する特別の中継局を設置しなくても、各無線局に未使用のタイムスロットを割り当てることができる。したがって、パケット衝突を未然に防ぐことができ、信頼性の高いアドホックネットワークを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係るアドホックネットワークの全体構成を示す概念図である。
【図2】フレームの構成を示す概念図である。
【図3】無線局RSから送信されるパケット構造を示す概念図である。
【図4】加入者テーブルの構成を示す概念図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係るアドホックネットワークの全体構成を示す概念図である。
【図6】この発明の実施の形態3に係る加入者テーブルSTの構成を示す概念図である。
【図7】この発明の実施の形態4に係る加入者テーブルSTの構成を示す概念図である。
【符号の説明】
RS,RS1〜RS3 無線局、ST 加入者テーブル、1 スロット割当部、
TS#1〜TS#127 タイムスロット、HD ヘッダ部、
CTS# 現スロット番号、ID# 自局のID番号、
STS# 開始タイムスロット番号、RR タイムスロット繰返使用番号、
SPR 予備領域
Claims (14)
- 複数のタイムスロットからなるフレームを周期として、複数の無線局間でパケット通信を行うアドホックネットワークにおける無線局へのタイムスロット割当方法において、
無線局ごとに保有され、タイムスロットの使用状況を記憶する加入者テーブルを各無線局ごとに更新するテーブル更新ステップと、
アドホックネットワークに新たに加入する無線局が、自局の保有する加入者テーブルに基づいて未使用のタイムスロットを自局に割り当てるスロット割当ステップとを備えたことを特徴とするタイムスロット割当方法。 - タイムスロットの割り当てられた各無線局が、自局の使用するタイムスロット情報を含むパケットをそれぞれ送出するパケット送信ステップを備え、
上記テーブル更新ステップにおいて、各無線局は、受信パケットに含まれるタイムスロット情報に基づいて、加入者テーブルを更新することを特徴とする請求項1に記載のタイムスロット割当方法。 - 上記パケット送信ステップにおいて、タイムスロットの割り当てられた各無線局が、自局の識別情報を含むパケットをそれぞれ送出し、
上記テーブル更新ステップにおいて、各無線局は、タイムスロットの使用状況を無線局に対応づけて記憶する加入者テーブルを更新することを特徴とする請求項2に記載のタイムスロット割当方法。 - 上記パケット送信ステップにおいて、タイムスロットの割り当てられた各無線局が、フレーム周期内における開始タイムスロット及びタイムスロット繰返周期を含むパケットをそれぞれ送出し、
上記テーブル更新ステップにおいて、各無線局は、受信パケットに含まれる開始タイムスロット及びタイムスロット繰返周期に基づいて、加入者テーブルを更新することを特徴とする請求項2に記載のタイムスロット割当方法。 - タイムスロットの割り当てられた各無線局が自局の使用するタイムスロット情報を含むパケットをそれぞれ送出するパケット送信ステップを備え、
上記テーブル更新ステップが、
最初にアドホックネットワークに加入した無線局であるネットワークマスタ局が、受信パケットに含まれるタイムスロット情報に基づいて自局の加入者テーブルを更新する第1のテーブル更新ステップと、
ネットワークマスタ局が、加入者テーブルの更新情報を含むパケットを送出する更新情報送信ステップと、
他の無線局が、受信パケットに含まれる加入者テーブルの更新情報に基づいて自局の加入者テーブルを更新する第2のテーブル更新ステップからなることを特徴とする請求項1に記載のタイムスロット割当方法。 - 上記テーブル更新ステップが、
最初に上記アドホックネットワークに加入した無線局であるネットワークマスタ局が、使用を禁止するタイムスロット情報を送出する禁止情報送信ステップと、
他の無線局が、受信パケットに含まれる使用が禁止されたタイムスロット情報に基づいて自局の加入者テーブルを更新する第3のテーブル更新ステップからなり、
上記スロット割当ステップにおいて、アドホックネットワークに新たに加入する無線局が、使用が禁止されていないタイムスロットを自局に割り当てることを特徴とする請求項1に記載のタイムスロット割当方法。 - 複数のタイムスロットからなるフレームを周期として、複数の無線局間でパケット通信を行うアドホックネットワークにおける無線局へのタイムスロット割当方法において、
最初にアドホックネットワークに加入した無線局であるネットワークマスタ局が、任意のタイムスロットを自局に割り当てる第1の割当ステップと、
他の無線局が、ネットワークマスタ局に対してタイムスロットの割当要求を含むパケットを送出する割当要求ステップと、
ネットワークマスタ局が、受信パケットに含まれるタイムスロットの割当要求に基づいて、未使用のタイムスロットを他の無線局に割り当てる第2の割当ステップとを備えたことを特徴とするタイムスロット割当方法。 - 複数のタイムスロットからなるフレームを周期としてパケット通信するアドホックネットワークを構成する無線局において、
タイムスロットの使用状況を記憶する加入者テーブルと、
他局からの受信パケットに基づいて加入者テーブルを更新するテーブル更新手段と、
加入者テーブルに基づいて、未使用のタイムスロットを自局に割り当てるスロット割当手段とを備えたことを特徴とする無線局。 - 自局の使用するタイムスロット情報を含むパケットを送出するパケット送信手段を備え、
上記テーブル更新手段が、受信パケットに含まれるタイムスロット情報に基づいて、加入者テーブルを更新することを特徴とする請求項8に記載の無線局。 - 上記加入者テーブルが、タイムスロットの使用状況を無線局に対応づけて記憶し、
上記パケット送信手段が、自局の識別情報を含むパケットを送出し、
上記テーブル更新手段が、受信パケットに含まれる他局の識別情報に基づいて、加入者テーブルを更新することを特徴とする請求項9に記載の無線局。 - 上記パケット送信手段が、自局の識別情報及び使用するタイムスロット情報をヘッダ部に含むパケットを送出することを特徴とする請求項10に記載の無線局。
- 上記パケット送信手段が、フレーム周期内における開始タイムスロット及びタイムスロット繰返周期を含むパケットを送出し、
上記テーブル更新手段が、受信パケットに含まれる開始タイムスロット及びタイムスロット繰返周期に基づいて、加入者テーブルを更新することを特徴とする請求項9に記載の無線局。 - 自局の使用するタイムスロット情報を含むパケットを送出するパケット送信手段を備え、
上記テーブル更新手段が、最初にアドホックネットワークに加入した無線局であるネットワークマスタ局からの受信パケットに含まれる加入者テーブルの更新情報に基づいて自局の加入者テーブルを更新することを特徴とする請求項8に記載の無線局。 - 上記テーブル更新手段が、最初に上記アドホックネットワークに加入した無線局であるネットワークマスタ局からの受信パケットに含まれる使用が禁止されたタイムスロット情報に基づいて加入者テーブルを更新し、
上記スロット割当手段が、使用が禁止されていないタイムスロットを自局に割り当てることを特徴とする請求項8に記載の無線局。
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