JP2004186266A - 電気二重層コンデンサ用分極性電極およびこの分極性電極の製造方法ならびにこの分極性電極を用いて製造された電気二重層コンデンサ - Google Patents

電気二重層コンデンサ用分極性電極およびこの分極性電極の製造方法ならびにこの分極性電極を用いて製造された電気二重層コンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】集電箔からの電極体の剥離や脱落を防止した電気二重層コンデンサ用分極性電極、およびこの分極性電極の製造方法、ならびにこの分極性電極を用いて作製された電気二重層コンデンサを提供する。
【解決手段】導電性を有する集電箔11(14)の少なくとも片面に、活性炭を主成分とする活物質および導電性フィラがバインダを介して分散されてシート状に成形された電極12(15)が接着剤層Adを介して貼り合わされた電気二重層コンデンサ用の分極性電極1Aで、集電箔11(14)は電極12(15)が貼り合わされる部位とその近傍部にエッチング処理が施されて形成されたエッチング部Etを有すると共に、エッチング部Etの幅は電極12(15)の幅よりも大きくかつ接着剤層Adの幅よりも小さく形成され、接着剤層Adの幅は電極12(15)の幅よりも0.3〜10%程度大きくなるように設定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気二重層コンデンサ用分極性電極、およびその製造方法、ならびにこの分極性電極を用いて製造された電気二重層コンデンサに係り、特に、電極の両端部が保護された電気二重層コンデンサ用分極性電極に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気二重層コンデンサは、電気二重層キャパシタとも呼ばれ、分極性電極および電解質を備えて分極性電極と電解質との界面に形成される電気二重層を利用して電荷を蓄えるものである。このため、ファラッド級の大容量を有するとともに、充放電サイクル特性に優れて急速充電が可能なことから、近年、電子機器のバックアップ電源、車載のバッテリー等をはじめとする各種分野に適用されている。
【0003】
従来の電気二重層コンデンサについて、図10を参照しながら説明する。図10は、従来の1例の電気二重層コンデンサ101の構成を模式的に示す断面図である。この電気二重層コンデンサ101は、容器102内に、集電箔104、104に炭素電極105、105が貼り合わされた一対の分極性電極がセパレータ103を挟んで配置され、さらに、イオン導電性の電解液が充填されて構成されている。
【0004】
このように構成された従来の電気二重層コンデンサ101は、電圧が印加されると、固体の分極性電極(集電箔104に炭素電極105が貼り合わされたもの)と液体の電解液との界面に、分子レベルの短い距離を隔てて電荷(図中、+と−で表示)が密に存在する電気二重層が形成され、この電気二重層によって電荷を蓄えるものである。
【0005】
なお、このような電気二重層コンデンサ101で用いられる電解液は、希硫酸に電解質を添加して構成される「水系の電解液」と、有機溶媒に電解質を添加して構成される「有機溶媒系の電解液」とに大別され、前記両者は目的に応じて使い分けられている。すなわち、前記水系の電解液を用いた電気二重層コンデンサは、内部抵抗が比較的低いことにより、パワー密度の点で有利であるとともに、出力電圧の設定の自由度が比較的大きい。一方、有機溶媒系の電解液を用いた電気二重層コンデンサは、単セル当りの耐電圧を比較的高くできるので、エネルギ密度の点で有利であるとともに、アルミニウム等の比較的安価で軽量な金属箔を用いることができる。
【0006】
(分極性電極)
図7は、このような電気二重層コンデンサの実用例を模式的に示す図であって、図7(a)は捲回体型の電気二重層コンデンサの分解斜視図であり、図7(b)はコイン型の電気二重層コンデンサの断面図である。すなわち、図7(a)に示す捲回体型の電気二重層コンデンサ1は、集電箔11、14に電極12、15(e)を貼り合わせた分極性電極9、10を、セパレータ17、18を挟んで渦巻状に巻き取った捲回体3が容器2内に収納されるとともに、前記のような電解液がこの中に充填されて構成されたものである。
【0007】
また、図7(b)に示すコイン型の電気二重層コンデンサ1’は、集電箔11’、14’に電極12’、15’を貼り合わせた分極性電極を、セパレータ17’を挟んで積層した積層体が容器2’内に収納されるとともに、前記のような電解液がこの中に充填されて構成されたものである。
【0008】
このような電気二重層コンデンサにおいては、電子機器のバックアップ電源、車載のバッテリー等の分野で要求される諸特性を満足させるべく、分極性電極は多孔質構造を備えることが必要とされる。これに加えて、種々の形態、種々の条件で、長期間にわたって連続使用されることを想定して亀裂や破損を抑止する耐久性および形状を適切に保持する強度と、製造時の成形加工に適した柔軟性と、コストとを適度に調和させることも要求されている。
【0009】
このような要求に対応する電気二重層コンデンサ用分極性電極として、金属からなる集電箔に活性炭を主成分とする活物質および導電性フィラがバインダを介して分散されてシート状に成形された電極が接着剤層を介して貼り合わされて構成されたものがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような分極性電極を備えた電気二重層コンデンサにおいては、経時により電極に含まれる炭素等の電極材料の一部が脱落して、出力電圧の低下や内部抵抗の上昇といった、性能の低下を招くという問題が内在している。さらに、このように脱落した電極材料が電解液中に浮遊する、あるいはセパレータ中に混入すると、所要の出力電圧を長期間にわたって安定的に維持することが困難となる。
【0011】
そこで、前記電気二重層コンデンサの電極材料の1つである電極形成用顆粒の脱落を防止するための方法として、炭素微粉(活性炭)、導電性フィラ、およびバインダ等の電極の原料と液状の潤滑剤との混和物をシート状に成形した後、この潤滑剤を除去し、続いてこのように成形したシートを一軸または多軸で延伸して電気二重層コンデンサ用分極性電極を製造する方法が開示されている(特許文献1参照)。
【0012】
あるいは、前記問題点を解決するために、電極を構成する炭素の電解液中への脱落を防止すべく、分極性電極の引張強度を0.13MPa以上に規制した電気二重層コンデンサが開示されている(特許文献2参照)。
【0013】
【特許文献1】
特公平7−105316号公報
【特許文献2】
特開2001−267187号公報
【0014】
しかし、前記従来の電気二重層コンデンサ用分極性電極においては、電極に含まれる粒子の脱落をある程度解消することができるものの、この分極性電極を製造した後、たとえば、この分極性電極をパッケージングする工程等で電極の一部が集電箔から剥離、または脱落する場合があった。このように電極が集電箔から剥離または脱落すると、電気二重層コンデンサの自己放電の度合いが大きくなる、あるいは、電気二重層コンデンサの製品間で自己放電率のばらつきが大きくなるといった問題が発生することが懸念される。
【0015】
本発明は、前記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、集電箔からの電極の剥離や脱落を防止した電気二重層コンデンサ用分極性電極、およびこの分極性電極の製造方法、ならびにこの分極性電極を用いて製造された電気二重層コンデンサを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記問題点に鑑みて本発明者らが鋭意検討を行ったところ、前記電気二重層コンデンサ用分極性電極において、集電箔からの電極の剥離や脱落を防止するには、前記電極の両端部およびその周辺部を適切に保護することが必要であることが判明した。そこで、本発明者らは、前記集電箔に電極を貼り合わせる際に、電極の両端部およびその周辺部を、適切かつ容易に保護することができる方法を見い出し、本発明を創出するに到った。
【0017】
(1)すなわち、前記課題を解決するための本発明に係る電気二重層コンデンサ用分極性電極は、導電性を有する集電箔の少なくとも片面に、活性炭を主成分とする活物質および導電性フィラがバインダを介して分散されてシート状に成形された電極が、接着剤層を介して貼り合わされた電気二重層コンデンサ用の分極性電極で、前記集電箔は、前記電極が貼り合わされる部位とその近傍部にエッチング処理が施されて形成されたエッチング部を有するとともに、前記エッチング部の幅は、前記電極の幅よりも大きく、かつ、前記接着剤層の幅よりも小さく形成され、前記接着剤層の幅は、前記電極の幅よりも0.3〜10%程度大きく設定されて構成される。
このとき、前記電極の中心部と、前記接着剤層の中心部とが略一致するように貼り合わせることが好ましい。
【0018】
このように構成すれば、前記集電箔に形成された接着剤層の幅が、前記電極の幅よりも大きく形成されるので、この接着剤層を介して前記集電箔と電極とを貼り合わせると、前記電極の両端部がこの接着剤層で被覆されて保護される。
【0019】
(2)また、本発明にあっては、前記電気二重層コンデンサ用分極性電極における接着剤層の両端部およびその周辺部の厚さが、これ以外の部位よりも厚くなるように構成されると都合がよい。
【0020】
このように構成すれば、前記接着剤層の両端部およびその周辺部の厚さがこれ以外の部位よりも厚いので、電極の両端部およびその周辺部を、接着剤層で充分に被覆して保護することが可能になる。
【0021】
(3)また、前記課題を解決するための本発明に係る電気二重層用分極性電極の製造方法は、前記電気二重層コンデンサの分極性電極を製造する方法で、活性炭を主成分とする活物質、導電性フィラ、およびバインダを混練して混練物を製造する工程と、前記混練物を粉砕して粒状物を製造する工程と、前記粒状物を成形して電極を製造する工程と、前記集電箔で前記電極を貼り合わせるべきエッチング部に接着剤を塗布する工程と、前記集電箔の少なくとも片面に前記電極を、接着剤層を介して貼り合わせて分極性電極を製造する工程とを含み、かつ、前記接着剤を塗布する工程で形成される接着剤層の両端部およびその周辺部の厚さがこれ以外の部位よりも厚くなるように行われる。
【0022】
このようにすれば、前記接着剤層の両端部およびその周辺部の厚さをこれ以外の部位よりも厚くするので、前記電極を集電箔に接着剤層を介して貼り合わせる際に、接着剤層を電極と集電箔との間から電極の両端部側にはみ出させて電極の両端部およびその周辺部を充分に被覆して保護することが可能になる。
【0023】
(4)本発明は、前記電気二重層コンデンサ用分極性電極の製造方法の接着剤を塗布する工程で、メッシュロールを用いることができる。その際、このメッシュロールの幅方向の両端周辺部のメッシュサイズをより大きく設定して、このメッシュロールの幅方向の両端周辺部でより多くの接着剤を塗布できるようにする。
【0024】
このようにすれば、このようなメッシュロールに集電箔を通過させて、集電箔のエッチング部の幅方向の両端部およびその周辺部における接着剤層の厚さをこれ以外の部位より厚くすることができる。
【0025】
(5)また、本発明は、前記電気二重層コンデンサ用分極性電極の製造方法の接着剤を塗布する工程で、グラビアロールを用いることができる。その際、このグラビアロールのロール面に設けられる接着剤を充填させるための溝で、両端周辺部の溝をより深く形成し、このグラビアロールの両端周辺部でより多くの接着剤塗布できるように設定する。
【0026】
このようにすれば、このようなグラビアロールに集電箔を通過させて、集電箔のエッチング部の幅方向の両端部およびその周辺部における接着剤層の厚さをこれ以外の部位より厚くすることができる。
【0027】
なお、このように構成された前記メッシュロールのメッシュサイズまたは前記グラビアロールのロール面に設けられる溝の調製は、集電箔に電極が貼り合わされる部位に対応させて適宜に行われる。たとえば、集電箔への接着剤の塗布面積を電極が貼り合わされる部位の面積よりも適度に大きくすれば、集電箔の幅方向の両端部およびその周辺部の接着剤層の厚さをこれ以外の部位よりも厚くすることにより得られる効果がさらに向上されて、電極の両端部およびその周辺部を一段と充分かつ適切に保護できるようになる。
【0028】
(6)そして、前記課題を解決するための本発明に係る電気二重層コンデンサは、前記電気二重層コンデンサ用分極性電極を用いて製造された電気二重層コンデンサとして構成される。
【0029】
このように構成すれば、前記分極性電極に含まれる電極の両端部およびその周辺部が保護され、また、電極と集電箔との密着性がさらに高められるので、種々の形態、種々の条件で、長期間にわたり連続使用されても、亀裂や破損を抑止する耐久性および形状を保持する強度、さらに製造時の成形加工で要求される柔軟性およびコストを充分に調和させた電気二重層コンデンサが具現される。
【0030】
なお、本発明は、前記の捲回体形電気二重層コンデンサおよび積層体形電気二重層コンデンサのいずれにも適用することが可能である。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1(a)は、本発明に係る第1実施形態の電気二重層コンデンサ用分極性電極(以下「分極性電極」という)の構成を模式的に示す図であって、図1(a)は斜視図であり、図1(b)はその断面図である。また、図2は本発明に係る第2実施形態の分極性電極の構成を模式的に示す断面図であり、図3は本発明に係る第3実施形態の構成を模式的に示す図である。さらに、図4は本発明に係る第4実施形態の構成を模式的に示す図であり、図5は本発明に係る第5実施形態の構成を模式的に示す図であり、図6は本発明に係る第6実施形態の構成を模式的に示す図である。
なお、以下の説明で、同一の構成要素には同一の番号を付してその重複する説明を省略する。
【0032】
(第1実施形態)
本発明に係る第1実施形態は、図1(a)、(b)に示すように、導電性を有する集電箔11(14)の片面に、活性炭を主成分とする活物質および導電性フィラがバインダを介して分散されてシート状に成形された電極12(15)が、接着剤層Adを介して貼り合わされた分極性電極1Aとして構成され、接着剤層Adの幅は電極12(15)の幅よりも大きく形成されている。
【0033】
(接着剤層の幅)
この第1実施形態では、集電箔の接着剤層Adの幅を、集電箔11(14)に貼り合わせる電極12(15)の幅よりも0.3%〜10%程度大きくなるように設定する。その理由は、接着剤層Adの幅を電極12(15)の幅よりも0.3%よりも小さく設定すると電極12(15)の両端部およびその周辺部を保護する効果が充分に得られず、また、接着剤層Adの幅を電極12(15)の幅よりも10%を超えて設定すると電極12(15)の両端部を過度に被覆して不必要に接着剤層を増やすことになるので好ましくない。
【0034】
本発明では、電極12(15)の幅よりも0.3%〜10%程度、幅を大きく設定した接着剤層Adを介して集電箔11(14)と電極12(15)とを貼り合わせるので、図1(b)に示すように接着剤層Adが電極12(15)の両端部およびその周辺部に適切に廻り込んで、電極12(15)の両端部およびその周辺部が充分に保護される。
なお、本発明では、接着剤層Adが図1(c)に示すような形態であっても、前記保護の目的は達成される。つまり、接着剤層Adが電極12(15)の上部に達することは本発明の必須の条件ではなく、本発明では電極12(15)の下部を接着剤層Adが被覆する構造を有していればよい。
【0035】
(接着剤)
本発明は、接着剤層Adの種類について特に限定するものではなく、本発明の効果を奏する限りにおいて、従来公知の接着剤の中から選択して使用することができる。本発明で好ましくは、接着剤層Adが、ポリビニルアルコール系の接着剤を含んで構成される。
【0036】
(活物質)
本発明で用いられる活物質は、電気二重層コンデンサ用分極性電極の電気容量に大きく寄与するものであり、微細な細孔を有する活性炭を主成分とする。本発明は、この活性炭の種類について特に限定するものではなく、本発明の効果を奏する限りにおいて、従来公知の電気二重層コンデンサ用の活性炭を適宜使用することができる。
【0037】
本発明で用いられる活性炭としては、たとえば、従来公知の一般の炭素電極で用いられている活性炭、具体的には、木炭、ヤシガラ炭、褐炭等の未炭化物を、水蒸気や二酸化炭素等のガスで処理したもの、あるいは塩化亜鉛等の薬品で処理したものを用いることができる。また、その形態としては、粉末状、粒状等の各種形態とすることができる。このように、活性炭は従来公知の各種処理を施すことによって、比表面積を顕著に大きくすることができるので、必要に応じて単位体積あたり電気容量が大きな分極性電極を形成することができる。
【0038】
(集電箔)
本発明で使用される集電箔11、14は、材質について特に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限りにおいて、必要に応じて従来公知の導電性を有する素材の中から適宜選択することができる。本発明で使用される集電箔としては、性能とコスト面から、たとえば、アルミニウム箔が好適である。
【0039】
(セパレータ)
また、本発明は、セパレータの材質について特に限定するものではなく、当該技術分野で通常に使用されるセパレータを適用することができる。たとえば、多孔質状のオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン)やセルロース、またはポリエステル等の繊維を抄紙して得られる混抄紙を用いることができる。
【0040】
なお、以上説明した本発明に係る第1実施形態は、集電箔11(14)の片面のみに電極12(15)を形成して構成された電気二重層コンデンサ用分極性電極1Aであるが、本発明では、この分極性電極1Aと同様にして集電箔11(14)の両面に電極12(15)を設けることができる。
【0041】
(第2実施形態)
本発明に係る第2実施形態は、図2に示すように、導電性を有する集電箔11(14)の片面に、活性炭および導電性フィラがバインダを介して分散されてシート状に成形された電極12(15)が、接着剤層Adを介して貼り合わされて、接着剤層Adの幅が電極12(15)の幅よりも大きく形成されるとともに、集電箔11(14)は、電極12(15)が貼り合わされる部位とその近傍部にエッチング処理が施されて形成されたエッチング部Etを有し、しかもエッチング部Etの幅が電極12(15)の幅よりも大きく、なおかつ接着剤層Adの幅よりも小さく形成された用分極性電極1Bとして構成され、前記第1実施形態の構成に、電極12(15)が貼り合わされる部位、および、その近傍部にエッチング処理が施されたエッチング部Etを付加し、これ以外の構成は同一としたものである。
【0042】
(エッチング部)
本発明にあっては、電極12(15)と集電箔11(14)との密着性を充分に確保すべく、接着剤層Adを形成する部位にエッチング部Etを設けることができる。すなわち、本発明は、接着剤層Adを介して電極12(15)と集電箔11(14)とを貼り合わせる際に、エッチング部Etの適度な凹凸に起因するアンカー効果によって電極と集電箔との密着性がより高めることができ、その結果、電極12(15)の両端部およびその周辺部が集電箔11(14)から一段と剥離しにくくなる。この際、エッチング部Etの幅を、電極12(15)の幅よりも大きく、かつ、接着剤層Adの幅よりも小さく形成するようにすることが好ましい。すなわち、エッチング部Etの幅が電極12(15)の幅よりも小さいと、電極12(15)と集電箔11(14)との密着性を向上させる効果が充分に得られない。また、エッチング部Etの幅が接着剤層Adの幅よりも大きいと、電極12(15)と集電箔11(14)との密着性は充分に確保されるが、分極性電極1Bの電気特性を阻害するおそれがあるので好ましくない。
【0043】
また、本発明にあっては、このエッチング部Etの形成方法や形状等の形態について特に限定するものではなく、本発明の効果を奏する限りにおいて、当該分野で従来公知のエッチング部の形成方法、たとえば、エッチング部以外の部位にマスクを設け、従来公知の各種のウェットエッチング法またはドライエッチング法を用いてエッチング部Etを形成することができる。また、密着性等のニーズに応じて表面粗度等を適宜設定することができる。
【0044】
なお、以上説明した本発明に係る第2実施形態では、集電箔11(14)の片面のみに電極12(15)を形成して構成された電気二重層コンデンサ用分極性電極1Bについて説明したが、本発明では、この分極性電極1Bと同様にして集電箔11(14)の両面に電極12(15)を設けることができる。
【0045】
(第3実施形態)
本発明に係る第3実施形態は、図3(a)に示すように、導電性を有する集電箔11(14)の少なくとも片面に、活性炭及び導電性フィラがバインダを介して分散されてシート状に成形された電極12(15)が、接着剤層Adを介して貼り合わされて、接着剤層Adの幅が電極12(15)の幅よりも大きく形成されるとともに、集電箔11(14)は、電極12(15)が貼り合わされる部位とその近傍部にエッチング処理が施されて形成されたエッチング部Etを有し、かつ、エッチング部Etの幅が電極12(15)の幅よりも大きく、なおかつ、接着剤層Adの幅よりも小さく形成され、さらに、接着剤層Adは両端およびその周辺部の厚さがこれ以外の部分の厚さよりも高く形成された電気二重層コンデンサ用分極性電極1Cとして構成され、前記第2実施形態の構成で、接着剤層Adにおける両端部およびその周辺部の厚さを、これ以外の部位の厚さよりも大きくし、これ以外の構成は同一としたものである。
【0046】
すなわち、この第3実施形態は、図3(b)に電極12(15)と集電箔11(14)とを接着剤層Adを介して貼り合わせる直前の接着剤層Adの状態を示す模式的断面図のように、集電箔11(14)に形成された接着剤層Adは両端部およびその周辺部の厚さがこれ以外の部位の厚さよりも大きくなっている。このため、このような接着剤Adの状態で電極12(15)と集電箔11(14)とを貼り合わせると、図3(a)に示すように電極12(15)の両端部およびその周辺部がより確実に保護された電気二重層コンデンサ用分極性電極となる。
【0047】
(第4実施形態)
本発明に係る第4実施形態は、前記第1〜第3実施形態の電気二重層用分極性電極の製造方法である。図4は第4実施形態の工程を示すフローである。図4に示すように、第4実施形態は、原料を混合する原料混合工程(工程S1)を経た後、活性炭、導電性フィラ、およびバインダを混練して混練物を製造する混練工程(工程S2)と、前記混練物を粉砕して粒状物を製造する粉砕工程(工程S3)と、前記粒状物を成形してシート状の電極を製造する圧延工程(工程S7)と、前記集電箔で前記電極を貼り合わせるべきエッチング部に接着剤を塗布する工程および前記集電箔の少なくとも片面に、前記接着剤を塗布する工程で塗布された接着剤を介して、前記電極を貼り合わせて電気二重層コンデンサ用分極性電極を製造する工程を含む接着工程(工程S8)とを含んで構成される。
【0048】
なお、この第4実施形態では、必要に応じて、前記混練物を粉砕して粒状物を製造する粉砕工程(工程S3)を経た後に、この粒状物を所望の粒度に分級する分級工程(工程S4)を加えることができる。このようにすれば、品質をより安定させて本発明に係る分極性電極の製造することができる。このとき、この分級工程(工程S4)で分級して発生した工程規格外の巨大粒子を回収して前記粉砕工程(工程S3)に戻すようにすれば、原料コストを低減することができる。さらに、この分級工程(工程S4)を経た後に、所望の粒度に分級された粒状物をシート状に粗成形する一次成形工程(工程S6)を加えれば、厚さや平滑性等の質を一段と安定させて本発明に係る分極性シートを製造することができる。
【0049】
さらに、この第4実施形態に含まれる接着剤を塗布する工程で、前記第3実施形態で説明したように両端部およびその周辺部の厚さがこれ以外の部位よりも厚くなるように接着剤が塗布することが望ましい(図3参照)。
【0050】
(第5実施形態)
本発明に係る第5実施形態は、前記第4実施形態に含まれる接着剤を塗布する接着工程(工程S8)が、図5に示すようなメッシュロールを用いて、前記集電箔の幅方向の両端およびその周辺部の厚さがこれ以外の部位よりも厚く接着剤が塗布されるように構成された電気二重層コンデンサ用分極性電極の製造方法であり、請求項5に対応するものである。
【0051】
(メッシュロール)
本発明で用いられるメッシュロールは、図5に示すように、前記集電箔が接してこの部位に接着剤を塗布するロール面に、ナイロン、ポリエステルまたはステンレス等の糸でメッシュ状に織られて構成されたメッシュMを備えて構成され、接着剤の塗布量の調整は、2.54cm(1インチ)に織られている糸の線数であるメッシュサイズを適宜調整することにより行われる。
【0052】
すなわち、接着剤の塗布量を多くする場合には、図5に示すメッシュロールの両端部およびその周辺部のように、メッシュサイズを小さくする(2.54cm(1インチ)に織られている糸の線数を少なくして目を粗くする)ことにより、また、接着剤の塗布量を少なくする場合には、図5に示すメッシュロールの両端部およびその周辺部を除く中心方向のように、メッシュサイズを大きく(前記糸の線数を多くして目を細かくする)することにより、接着剤の塗布量を適宜調整することができる。
【0053】
したがって、本発明で使用されるメッシュロールは、図5に示すようなメッシュロールの幅方向の両端部、およびその周辺部のメッシュサイズが、これ以外の部位よりもメッシュサイズが小さく形成されているので、前記集電箔がグラビアロールを通過すると、前記集電箔の幅方向の両端およびその周辺部の厚さがこれ以外の部位よりも厚く接着剤が塗布されるようになっている(図3参照)。
【0054】
(第6実施形態)
本発明に係る第6実施形態は、前記接着剤を塗布する工程が、図6に示すグラビアロールを用いて行われ、前記集電箔の幅方向の両端およびその周辺部の厚さがこれ以外の部位よりも厚く接着剤が塗布されるように構成された電気二重層コンデンサ用分極性電極の製造方法であり、請求項6に対応するものである。
【0055】
(グラビアロール)
本発明で用いられるグラビアロールは、図6に示すように、前記集電箔が接するロール面に、接着剤が充填される接着剤充填溝Dを有するとともに、前記接着剤充填溝Dは、ロール面の幅方向の両端部およびその周辺部の溝Edがこれ以外の部位の溝Ceよりも深く形成されているので、前記集電箔がこのグラビアロールを通過すると、前記集電箔の幅方向の両端およびその周辺部の厚さがこれ以外の部位よりも厚く接着剤が塗布される(図3参照)。
【0056】
(第7実施形態)
本発明に係る第7実施形態は、請求項7に対応するものである。すなわち、図1〜図3に示すような分極性電極1A、1B、1Cを用いて製造された、図7(a)に示すような捲回体型の電気二重層コンデンサ1、または図7(b)に示すようなコイン型の電気二重層コンデンサ1’として構成される。
【0057】
図7(a)に示す捲回体型の電気二重層コンデンサ1は、集電箔11、14に電極12(e)、15(e)を貼り合わせた分極性電極9、10を、セパレータ17、18を挟んで渦巻状に巻き取った捲回体3が容器2内に収納されるとともに、前記のような電解液がこの中に充填され、正端子6、負端子7を備えた蓋部5により密閉されて構成されている。
【0058】
また、図7(b)に示すコイン型の電気二重層コンデンサ1’は、集電箔11’、14’に電極12’、15’を貼り合わせた分極性電極を、セパレータ17’を挟んで積層した積層体が容器2’内に収納されるとともに、前記のような電解液がこの容器2’の中に充填されて構成されている。図7(b)中、参照番号21は電解液が充填される部位を示し、参照番号22はこの電解液の外部への漏洩を防止するために備えられるパッキンを示す。図7(a)に示すような捲回体型の電気二重層コンデンサ1、図7(b)に示すようなコイン型の電気二重層コンデンサ1’は、電子機器のバックアップ電源、車載のバッテリー等に好適なものである。
【0059】
【実施例】
以下、本発明に係る実施例を本発明の必要条件を満たさない比較例と対比させて、本発明を具体的に説明する。
【0060】
(電気二重層コンデンサ用分極性電極の製造方法)
つぎのようにして本発明に係る実施例の電気二重層コンデンサ用分極性電極を製造した。まず、活性炭から構成される活物質に、アセチレンブラックから構成される導電性フィラ、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から構成されるバインダを添加し、これらを充分に撹拌して混合物を製造した。その配合比(質量比)は、活性炭:アセチレンブラック:PTFE=84:8:8とした。さらに、この混合物に、イソプロピルアルコールを加えて加圧しながら8分間、混練を行い、PTFEによるフィブリル化を行って混練物を得た。
【0061】
つぎに、この混練物を粉砕し、平均粒径が約0.5mm程度の粉砕粉を得た。さらに、この粉砕分にカレンダ処理を施してシート状の成形物を得た。引き続き、このシート状の成形物に圧延を施し、幅が約90mmのシート状の電極を製造した。
【0062】
一方、幅が約100mmの集電用のアルミニウム箔(以下「集電アルミ箔」という)を準備し、この集電アルミ箔における接着剤層の幅が前記シート状の電極の幅よりも0.3%広くなるように接着剤を塗布し、続いて、これに前記シート状の電極を貼り合わせて電気二重層用分極性電極を製造した。
なお、前記接着剤としてノーテープ工業(株)社製G−5780Aを用いた。
【0063】
以下同様にして、前記接着層の幅が前記シート状の電極の幅よりも0.7、1、2、4、6、10%広くなるように設定して集電アルミ箔に接着剤を塗布し、電気二重層コンデンサ用分極性電極の実施例の試験片を製造した。そして、これらの実施例の試験片を所定の長さに切断して、この形状に対応した形状を有するセパレータとともに捲回して捲回体を製造し、この捲回体に乾燥処理を施して本発明に係る捲回体型の分極性電極の実施例の試験片を製造した。
【0064】
なお、前記と同様のセルの製造工程における接着剤の塗布工程では、各種メッシュロールを用いた。その際、前記メッシュロールのメッシュサイズは、シート状の電極の両端部およびその周辺部に相当する部位で、2.54cm(1インチ)当りの線数を150(以下これを「#150」で表す)、その深さを35μmに設定し、その他の部位(シート状電極の中心方向)で線数を#180、深さを25μmに設定して、シート状の電極の両端部に対応する位置における接着剤層の厚さがこれ以外の部位の厚さに比べて厚くなるようにして接着剤を塗布し接着剤層を形成した。そして、このようにして得られた電気二重層コンデンサ用分極性電極の試験片を本発明に係る実施例(試料の数:20)とした。
【0065】
(比較例の分極性電極の製造方法)
一方、本発明で必要とされる条件を満たさない比較例として、まず、前記本発明に係る実施例と同様にしてシート状の電極を製造し、つぎに、集電アルミ箔に接着剤を塗布して前記電極を集電アルミ箔に貼り合わせて電気二重層コンデンサ用分極性電極を製造し、続いてこの電気二重層コンデンサ用分極性電極を用いて捲回体型の分極性電極を製造し、さらにこの分極性電極を用いて比較例のセルを製造した。
【0066】
なお、前記の集電アルミ箔に接着剤を塗布する工程で、接着剤の塗布幅が電極の幅と同一である分極性電極の試験片から製造されたものを比較例1(n数20)とし、接着剤の塗布幅が電極の幅よりも0.2%広くなるように設定された分極性電極の試験片から製造されたものを比較例2(試料の数;20)とした。
【0067】
(試験片の評価方法)
このようにして製造した本発明の必要条件を満たす実施例および本発明の必要条件を満足していない比較例1、比較例2に対し、以下のようにして評価を行った。
まず、前記捲回体型の分極性電極の実施例、比較例1および比較例2の試験片を用いて電気二重層コンデンサのテスト用セル(以下「セル」と略す)を製造した。すなわち、前記実施例、比較例1および比較例2それぞれの分極性電極の捲回体をセルの容器に収納し、これに四級アンモニウム塩(濃度1.8mol/l)のプロピレンカーボネート溶液を電解液として注入してセルを製造した。
【0068】
つぎに、前記電解液を分極性電極の捲回体に含浸させるべく、このセルを60℃に加熱してエージング処理を行い、脱泡した後、所定電流にて充電してこのセルの出力電圧が2.5Vになるまで充電した。さらに、この充電したセルを、温度25℃で、312時間放置してセルの出力電圧を測定した。そして、このときの出力電圧からセルの電圧維持率を算出した。また、このように構成されたセルの歩留まりは、前記のような実施例、および比較例の各セルを連続して100個製造し、前記電圧維持率が90%以上であるものを合格品として算出した。その結果を図8、図9および表1に示す。
【0069】
図8は、本発明の必要条件を満足する実施例、および本発明の必要条件を満足しない比較例の各試料で、集電アルミ箔に設定した接着剤層の塗布幅(塗布幅設定%)と、前記各試料を用いて製造した電気二重層コンデンサのテスト用セルの電圧維持率との関係を示すグラフである。図8より、本発明で規制した前記の接着剤層の塗布幅の条件(集電箔に形成された接着剤層の塗布幅がシート状の電極の幅よりも0.3〜10%大きく設定されること)を満たす本発明に係る実施例1、実施例2の試料(図中、黒丸で示す)はいずれも、電圧維持率が約90〜92%と比較的高い値で安定しているが、この条件を満たさない比較例の試料(図中、白丸で示す)では電圧維持率が約58〜89%の範囲で大きくばらついていることがわかる。
【0070】
図9は、本発明の必要条件を満足する実施例、および本発明の必要条件を満足しない比較例の各試料で、集電アルミ箔に設定した接着剤層の塗布幅と、前記各試料を用いて製造した電気二重層コンデンサのテスト用セルの歩留まりとの関係を示すグラフである。図9より、本発明で規制した前記の接着剤層の塗布幅の条件(集電箔に形成された接着剤層の塗布幅がシート状の電極の幅よりも0.3〜10%大きく設定されること)を満たす本発明に係る実施例1、実施例2の試料(図中、黒丸で示す)はいずれも、歩留まりが約96%以上と高い値を示しているが、この条件を満たさない比較例の試料(図中、白丸で示す)では歩留まりが約65〜88%の範囲で大きくばらついていることがわかる。
【0071】
【表1】
Figure 2004186266
【0072】
表1は、前記実施例2および比較例1のそれぞれのセルが呈した電圧維持率、および歩留まりを比較して示した表である。表1に示すとおり、本発明の必要条件を満たす実施例2の電圧維持率と歩留まりはそれぞれ、90〜92%、97%と高い値を示している。
【0073】
これに対して比較例1の電圧維持率と歩留まりはそれぞれ、58〜69%、65%と実施例2に比べて低くなっていることがわかる。よって、本発明に係る電気二重層コンデンサ用分極性電極は、本発明の必要条件を満たさない分極性電極に比べて優れていることが明らかである。なお、この表1では、前記実施例2と比較例1との比較結果のみを示したが、これ以外の実施例、および比較例においても、これと同様の結果が得られた。
【0074】
【発明の効果】
以上、説明した通りに構成される本発明によれば以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る請求項1によれば、接着剤層を介して集電箔と電極とを貼り合わせる際に、電極の両端部が接着剤層で充分に保護され、その結果として電極端面の剥がれや活物質の脱落が低減される。そして、前記した電極の両端部を接着剤層で被覆することにより得られる電極の端部の保護効果に加えて、エッチング部が接着剤層でアンカー効果を発揮することにより、電極と集電箔との密着性がさらに高められて、電極の両端部およびその周辺部が集電箔から一段と剥離しにくい、自己放電特性に優れた電気二重層コンデンサ用分極性電極を提供することができる。
【0075】
請求項2の発明によれば、前記電極を集電箔に接着剤層を介して貼り合わせる際に、接着剤層を電極と集電箔との間から電極の両端部側に比較的容易かつ適切にはみ出させることにより、この両端部を被覆し保護することができ、その結果、電極の両端部およびその周辺部をより容易かつ確実に保護することができる。
【0076】
請求項3の発明によれば、前記効果を発揮する電気二重層コンデンサ用分極性電極を効率的に製造する製造方法を提供することができる。
【0077】
請求項4の発明によれば、幅方向の両端周辺部のメッシュサイズをより大きく設定して幅方向の両端周辺部でより多くの接着剤を塗布するメッシュロールを用いて集電箔に接着剤を塗布するので、集電箔の幅方向の両端部およびその周辺部の接着剤層の厚さをより厚くすることを容易に実現できる。
【0078】
請求項5の発明によれば、幅方向の両端周辺部の溝をより深く設定して幅方向の両端周辺部でより多くの接着剤を塗布するグラビアロールを用いて集電箔に接着剤を塗布するので、集電箔の幅方向の両端部およびその周辺部の接着剤層の厚さをより厚くすることを容易に実現できる。
【0079】
請求項6の発明によれば、前記分極性電極に含まれる電極の両端部およびその周辺部を保護するとともに、電極と集電箔との密着性をさらに高めることができるので、種々の形態、種々の条件で長期間、連続使用されても、亀裂や破損を抑止して形状を保持することができるとともに、製造時の成形加工に適応した柔軟性とコストとを満足させる電気二重層コンデンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の電気二重層コンデンサ用分極性電極の構成を模式的に示す図であって、図1(a)は斜視図であり、図1(b)は断面図である。
【図2】本発明に係る第2実施形態の電気二重層コンデンサ用分極性電極の構成を模式的に示す図であって、図2(a)は斜視図であり、図2(b)は断面図である。
【図3】本発明に係る第3実施形態の構成を模式的に示す図であって、図3(a)は斜視図であり、図3(b)は断面図である。
【図4】本発明に係る第4実施形態における製造工程のフローを模式的に示す図である。
【図5】本発明に係る第5実施形態で用いられるメッシュロールの構成を模式的に示す図である。
【図6】本発明に係る第6実施形態で用いられるグラビアロールの構成を模式的に示す図である。
【図7】電気二重層コンデンサの実用例を模式的に示す図であって、図7(a)は1例の捲回体型の電気二重層コンデンサの分解斜視図であり、図7(b)は1例の積層体型の電気二重層コンデンサの断面図である。
【図8】本発明に係る実施例および比較例の各試料の電気二重層コンデンサのテスト用セルにおける分極性電極の接着剤の塗布幅(塗布幅設定%)と電圧維持率との関係を示すグラフである。
【図9】本発明に係る実施例比較例の各試料の電気二重層コンデンサのテスト用セルの歩留まりとの関係を示すグラフである。
【図10】従来の1例の電気二重層コンデンサ101の構成を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 従来の捲回体型の電気二重層コンデンサ
1A、1B、1C 本発明に係る電気二重層コンデンサ用分極性電極
1’ コイン型の電気二重層コンデンサ
2、 2’ 容器
3 捲回体
5 蓋部
6 正端子
7 負端子
9、10 分極性電極
11、14 11’、14’ 集電箔
12、15、12’、15’ 電極
17、18、17’ セパレータ
21 電解液が充填される部位
22 パッキン
Ad 接着剤層
Et エッチング部
M メッシュロールのロール面のメッシュ
D グラビアロールのロール面の接着剤充填溝

Claims (6)

  1. 導電性を有する集電箔の少なくとも片面に、活性炭を主成分とする活物質および導電性フィラがバインダを介して分散されてシート状に成形された電極が、接着剤層を介して貼り合わされた電気二重層コンデンサ用の分極性電極であって、
    前記集電箔は、前記電極が貼り合わされる部位とその近傍部にエッチング処理が施されて形成されたエッチング部を有するとともに、
    前記エッチング部の幅は、前記電極の幅よりも大きく、かつ、前記接着剤層の幅よりも小さく形成され、
    前記接着剤層の幅は、前記電極の幅よりも0.3〜10%程度大きく設定されたことを特徴とする電気二重層コンデンサ用分極性電極。
  2. 前記接着剤層は、両端およびその周辺部の厚さがこれ以外の部位の厚さよりも高く形成されたことを特徴とする請求項1に記載の電気二重層コンデンサ用分極性電極。
  3. 請求項1に記載の電気二重層用分極性電極の製造方法であって、
    活性炭を主成分とする活物質、導電性フィラ、およびバインダを混練して混練物を製造する工程と、
    前記混練物を粉砕して粒状物を製造する工程と、
    前記粒状物を成形してシート状の電極を製造する工程と、
    前記集電箔で前記電極を貼り合わせるべきエッチング部に接着剤を塗布する工程と、
    前記集電箔の少なくとも片面に、前記接着剤を塗布する工程で塗布された接着剤を介して、前記電極を貼り合わせて分極性電極を製造する工程と、
    を含み、かつ、
    前記接着剤を塗布する工程は、両端およびその周辺部の厚さがこれ以外の部位よりも厚くなるように接着剤が塗布されることを特徴とする電気二重層コンデンサ用分極性電極。
  4. 前記接着剤を塗布する工程は、ロールの塗布面にメッシュロールを用いて行われ、かつ、
    前記メッシュロールは、幅方向の両端およびその周辺部のメッシュサイズがこれ以外の部位のメッシュサイズよりも大きく形成され、
    前記集電箔がメッシュロールを通過すると、前記集電箔のエッチング部の幅方向の両端およびその周辺部における接着剤層の厚さがこれ以外の部位よりも厚くなるように接着剤が塗布されることを特徴とする請求項3に記載の電気二重層コンデンサ用分極性電極の製造方法。
  5. 前記接着剤を塗布する工程は、グラビアロールを用いて行われ、かつ、
    前記グラビアロールは、前記集電箔が接するロール面に、接着剤が充填される接着剤充填溝を有するとともに、前記接着剤充填溝は、ロール面の幅方向の両端およびその周辺部の溝がこれ以外の部位よりも深く形成され、
    前記集電箔がグラビアロールを通過すると、前記集電箔のエッチング部の幅方向の両端およびその周辺部における接着剤層の厚さがこれ以外の部位よりも厚くなるように接着剤が塗布されることを特徴とする請求項3に記載の電気二重層コンデンサ用分極性電極の製造方法。
  6. 請求項1に記載の電気二重層コンデンサ用分極性電極を用いて製造された電気二重層コンデンサ。
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