JP2004185400A - 排気ガス取引仲介サーバ - Google Patents

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Toshiro Hirai
敏郎 平井
Katsuhiko Honjo
克彦 本庄
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Abstract

【目的】輸送業界全体として排気ガス排出量を売買する市場開設を行い、環境保全への貢献により利益を享受できる取引仲介システムを実現する排気ガス取引仲介サーバを提供することを目的とする。
【構成】排気ガス取引仲介サーバであって、事業主のコンピュータ端末から道路を走行する個々の輸送車輌から排出される排気ガス排出量の削減量があらかじめ設定された排気ガス排出量削減目標値を上回る場合に依頼される、過剰削減量の全部または一部の外部の第三者への売却と、事業主のコンピュータ端末から、道路を走行する個々の輸送車輌から排出される排気ガス排出量の削減量があらかじめ設定された排気ガス排出量削減目標値を下回る場合に依頼される、不足削減量の全部または一部の外部の第三者からの購入と、を仲介する手段を有するように構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、輸送業者の二酸化炭素ガスなどの排気ガス排出量の把握と取引市場開設により当該排出量の売買を取引する市場を開設し仲介するシステムを実現する排気ガス取引仲介サーバに関する。
本明細書において輸送とは、人や物を車で運ぶことをいう。また、本明細書において車とは、四輪車や二輪車などの人や物を運ぶ乗り物をいう。
【0002】
【従来の技術】
近年、人間社会の発達とともに、人間個人の行動範囲が飛躍的に拡大し、各種の交通手段の発達ばかりでなく、車輌の保有台数も飛躍的に増大した。また、情報産業とこれに関わる生活物品の量産化と流通の拡大、各種電子機器の製造、普及、商取引の活発化、交通システムの高度化、量的拡大、食料の世界的規模での流通、地域や国境を超えた人の移動など生産、流通を中心とした活動の活発化も顕著になり、それに伴って、物流の増大、多様化も進んできた。
【0003】
それに対応するために各地で道路の増設、高速道路の建設が進み、道路網も整備されてきたが、一部の地域では車輌が集中し、深刻な交通渋滞と大気汚染などの環境破壊をきたすようになった。
【0004】
さらに、物流業界では年々企業間の競争が苛烈となっており、顧客から委託された物品または人をできるだけ早く確実に輸送することが求められている。そのため、物流業界においては、一時に大量の物品または人を輸送するための輸送車の大型化、燃料コストの低減のためのディーゼルオイルの使用、運転手の集中的長時間労働化が進む結果となった。
【0005】
このため、迅速な輸送を優先するあまり、一部の道路、時間帯に輸送車が集中し、更なる交通渋滞を招き、結局、輸送の効率事態も低下して大気汚染が進むこととなり、環境悪化を促進する結果となっている。
【0006】
ところで、化石燃料を中心とした現在のエネルギー体系において、化石燃料の残存埋蔵量の枯渇が取りざたされ、かつ、排ガス、廃棄物による地球の汚染が懸念されるようになり、地球規模での環境保全、エネルギーの有効利用が叫ばれるようになった。
【0007】
排出ガスや大気汚染物質への規制も厳しくなり、地方自治体では、一定事業規模の企業を対象として温暖化対策計画の立案とその実行を義務付ける動きも出てきた。
【0008】
これらの環境対策に対する取り組みでは、具体的な目標数値をもって温暖化ガス、具体的には二酸化炭素ガスの排出量を削減することが求められている。物流業界においてもこれらの社会的な環境保全の観点を無視できなくなってきた。
【0009】
こうした状況にあって、輸送業においても、輸送の効率化を目指すとともに、それを環境保全の面から実現する必要がますます強くなってきている。
【0010】
したがって、輸送業の分野においては、かかる輸送の効率化を悪化させ、環境の破壊をもたらしている交通の集中を回避する必要がある。
【0011】
交通は、特定の季節や日にち、時間帯や天候、事故などの不測事態などによって刻々と変化するため、その制御が困難であるが、従来は、かかる交通の集中を、上記した道路建設や道路周辺の情報表示やテレビ・ラジオなど放送による情報収集によって回避しようとしていた(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、特許文献1)。
【0012】
【非特許文献1】
電気新聞、2001年6月12日、「自然エネルギーを企業の環境対策に」
【非特許文献2】
日本自然エネルギー(株)ホームページ、「グリーン電力証書システムとは」、インターネット<URL:http://www.natural−e.co.jp/energy.html>
【非特許文献3】
第1回地球環境小委員会試料8、「今後の検討の進め方(案)」
【特許文献1】
特開平10−78992号公報、「自動競り方法」
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現状では、道路建設で対処しようとすればそれ自体が自然環境の破壊を招くとして根強い反対が生じて実現が困難となる傾向にあり、また、一方で、道路状態の変化はより複雑化し、道路周辺の情報表示やテレビ・ラジオなど放送による情報収集では状態把握が十分にできず、また、逆にかかる情報によりかえって別の場所での交通渋滞を生じることもしばしばである。
【0014】
また、逆に、環境保全を配慮した道路の増設や、より正確な情報収集を試みれば、膨大な設備投資を必要とし、税金や通行料金の高騰につながり、燃料費や輸送料の高騰を招きかねないという課題があった。
【0015】
さらに、個々の事業主においては、輸送の効率化に対する具体的な対処も見出せない現状にあって、環境配慮の課題は非常に重く、環境面の取り組みは苛烈な競争下にある事業状況を阻害しかねないのが現状であった。
【0016】
そこで、本発明は、かかる事情に鑑み、輸送業界全体として排気ガス排出量を売買する市場開設を行い、環境保全への貢献により利益を享受できる取引仲介システムを実現する排気ガス取引仲介サーバを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記課題は、前記特許請求の範囲に記載の手段により解決される。
【0018】
すなわち、請求項1に記載の発明は、顧客から物品または人の輸送を受託して輸送する輸送業の事業主の保有する車輌のすべて、または、かかる排気ガスの排出量の計測を代表できる事業地域ごと、あるいは車輌の車種ごとに選定した車輌に搭載された事業主のコンピュータ端末に、通信ネットワークを介して接続される排気ガス取引仲介サーバであって、前記事業主のコンピュータ端末から、道路を走行する個々の輸送車輌から排出される排気ガス排出量の削減量が、あらかじめ設定された排気ガス排出量削減目標値を上回る場合に依頼される、過剰削減量の全部または一部の外部の第三者への売却と、前記事業主のコンピュータ端末から、道路を走行する個々の輸送車輌から排出される排気ガス排出量の削減量が、前記あらかじめ設定された排気ガス排出量削減目標値を下回る場合に依頼される、不足削減量の全部または一部の外部の第三者からの購入と、を仲介する手段を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバである。
【0019】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、前記通信ネットワークを介して接続される輸送業の各事業主に対して、輸送業に対して設定された排気ガス排出量削減目標値の一定期間における総量を配分する手段と、前記事業主のコンピュータ端末から、道路を走行する個々の輸送車輌から排出される排気ガス排出量の削減量が、前記配分された排気ガス排出量削減目標値を上回る場合に依頼される、売却価格の設定された過剰削減量の全部または一部の外部の第三者への売却を、この外部の第三者との間で仲介する手段と、を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバである。
【0020】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、前記仲介を希望する事業主を通信ネットワーク上で一定期間募集する手段と、前記事業主のコンピュータ端末から前記仲介を希望する旨の応募があった場合に、この応募があった事業主のコンピュータ端末に係る事業主に関する企業名または個人名、資本金、従業員数、経常利益などの事業内容をID化するとともに、この応募があった事業主のコンピュータ端末に係る事業主に関する所有輸送車の車種、台数、年間取引高、営業地域、輸送車量の年間総計走行距離をデータベース化する手段と、前記応募のあった事業主のコンピュータ端末に対して前記仲介を依頼する権利として個別のパスワードを送信する手段と、前記応募のあった事業主のコンピュータ端末の事業主に対して、輸送業の排気ガス排出量削減目標値の一定期間における総量を、その輸送車種、台数、年間走行距離に対応して配分する手段と、を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバである。
【0021】
請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、前記事業主のコンピュータ端末に対して、この事業主のコンピュータ端末に接続された排気ガス排出量を計測できるセンサを用いて、一定期間における事業主の排気ガス排出量の計測を通信ネットワークを介して指示する手段と、前記事業主のコンピュータ端末が前記指示に従って前記センサを用いて計測したデータを通信ネットワークを介して収集する手段と、前記収集したデータから前記事業主の排気ガス排出量を算定し、この算定した排気ガス排出量を前記事業主のコンピュータ端末に送信する手段と、有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバである。
【0022】
請求項5に記載の発明は、請求項1または請求項2または請求項4に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、前記事業主のコンピュータ端末が売却または購入を依頼できる排気ガス排出量の単位を二酸化炭素相当トンとする手段と、前記事業主のコンピュータ端末が売却または購入の依頼を開始できる日である開催日およびこの開催日における前記売却依頼の開始時間を設ける手段と、前記売却依頼の開始時間から一定時間の売却依頼制限時間を設けて、この売却依頼制限時間内に前記排気ガス排出量の売却希望量および価格を提示して前記売却の依頼ができる旨を通信ネットワークを介して前記事業主のコンピュータ端末に報知する手段と、前記売却依頼制限時間を経過した時点で前記売却依頼のエントリーを締め切って、これら売却依頼のエントリーを通信ネットワークを介して前記事業主のコンピュータ端末に報知するとともに、購入依頼の開始時間を設ける手段と、前記購入依頼の開始時間から一定時間の購入依頼制限時間を設けて、この購入依頼制限時間内に前記排気ガス排出量の購入量と購入希望価格とを提示して前記購入の依頼ができる旨を通信ネットワークを介して前記事業主のコンピュータ端末に報知する手段と、前記購入制限時間に到達した時点で前記購入依頼のエントリーを締め切るとともに、これら購入依頼のエントリーを通信ネットワークを介して前記事業主のコンピュータ端末に報知する手段と、前記購入依頼制限時間から一定時間を経過した後に、前記売却依頼のエントリーをした前記事業主のコンピュータ端末から売却可能量と売却価格とを通信ネットワークを介して取得して、前記売却の依頼と前記購入の依頼とを仲介する手段と、前記仲介の結果、前記売却または購入できた前記事業主のコンピュータ端末に、それぞれ、売却または購入できた旨の情報を送信するとともに、前記売却または購入の依頼のエントリーをした前記事業主のコンピュータ端末に、前記購入できた事業主の名前を除外した取引結果、および取引高、平均取引価格(売却平均希望額および購入平均希望額)の取引市場情報を報知する手段と、前記売却または購入の依頼のエントリーをした前記事業主のコンピュータ端末の事業主からは一定金額を、前記売却または購入できた売却または購入額の一定割合の金額を通信ネットワークを介して徴収する手段と、を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバである。
【0023】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、蓄積した排気ガス排出量データを演算して一定期間における輸送業界全体の排気ガス排出量の削減量を予測する手段と、前記予測された排気ガス排出量の削減量の一部について削減量に応じた価格を設定する手段と、 前記設定され価格を通信ネットワーク上で公開し、輸送業界以外の第三者のコンピュータ端末から前記価格で前記排気ガス排出量の削減量の一部を購入する旨の申し込みがあった場合に、前記排気ガス排出量の削減量の一部を前記価格で売却し、その売却額の一定割合を手数料として通信ネットワークを介して徴収する手段と、前記事業主のコンピュータ端末から、前記一定期間における前記事業主の排気ガス排出量削減目標値を通信ネットワークを介して収集する手段と、前記前記事業主の排気ガス排出量削減目標値と前記事業主が削減できた排気ガス排出量を比較演算して、前記第三者への排気ガス削減量の売却額から前記手数料を差し引いた残額の分配額を算定する手段と、を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバである。
【0024】
請求項7に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、前記事業主のコンピュータ端末があらかじめ設定した期間内に前記排気ガス取引仲介サーバに売却できる排気ガス排出量の売却量を定める手段と、道路を走行する個々の輸送車輌から排出される排気ガス排出量の削減量が、前記輸送業に対して設定された排気ガス排出量削減目標値を上回る場合に、前記売却量を限度として、過剰削減量の全部または一部について精算金を支払う手段と、を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバである。
【0025】
請求項8に記載の発明は、請求項1または請求項2または請求項4〜請求項7のいずれか1項に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、道路周辺の建物、交通施設、設置物に設定された監視カメラ、排気ガスセンサ、通行車輌台数計測センサが計測した、道路の交通量、走行車輌の構成比率、排気ガス濃度を、前記監視カメラ、排気ガスセンサ、通行車輌台数計測センサに接続された無線アンテナおよび通信ネットワークを介して収集する手段と、前記事業主のコンピュータ端末がGPSを利用して取得した前記車輌の走行位置を、通信ネットワークを介して収集する手段と、前記収集した道路の交通量、走行車輌の構成比率、排気ガス濃度および前記車輌の走行位置に基づいて前記車輌の走行地域環境レベルを算定する手段と、前記算定した走行地域環境レベルに応じて前記事業主の排気ガス排出量の取引金額の調整、上限価格設定などの措置を時限的に実施する手段と、を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバである。
【0026】
請求項9に記載の発明は、請求項1または請求項2または請求項4または請求項8に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、前記収集した排出量、交通状態に関するデータを比較演算して前記事業主の輸送車の運転状態または道路の交通状態と排気ガス排出量との相関を算出し、排気ガス排出量低減の方策と排出量削減可能量を前記事業主のコンピュータ端末に対してアドバイスする手段を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバである。
【0027】
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、前記収集した事業主の排気ガス排出量の年間総量を算出し、事業主によって地方自治体等に申請される環境対策実施結果および環境対策実施計画書の作成する手段を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバである。
【0028】
請求項11に記載の発明は、請求項1に記載の排気ガス取引仲介サーバであって、輸送業団体、または輸送業と事業的に無関係であるか、もしくは直接にかかわりのない第三者から選定された者によって管理されることを特徴とする排気ガス取引仲介サーバである。
【0029】
請求項12に記載の発明は、請求項1または請求項2または請求項4または請求項8または請求項11に記載の排気ガス取引仲介サーバであって、輸送車輌に搭載する排気ガスセンサ、前記事業主のコンピュータ端末、無線送受信機、道路周辺に設置するセンサ類、監視カメラ、無線送受信機は、輸送業団体またはこの団体の構成員の1者もしくは複数者または他の第三者が中心となって設立された特別目的会社(Special Purpose Company、以下、SPCと称す)によって購入および保有され、前記輸送業団体および前記事業主に貸与される、ことを特徴とする排気ガス取引仲介サーバである。
【0030】
本発明によれば、顧客から物品または人の輸送を受託して輸送する輸送業を対象として、道路を走行する個々の輸送車輌から排出される二酸化炭素ガス排出量に関し、輸送業に設定された当該ガス排出量許容値もしくは排出量削減目標値に対して、輸送業界がかかる二酸化炭素ガス排出量が目標値を下回り、削減目標値から実績削減量を差し引いた量を売買取引するための取引市場をインターネット上に開設し、取引の仲介を実施するシステムを実現できる。
したがって、本発明によれば、環境保全への貢献により、利益を享受できる取引仲介システムを実現できる。
【0031】
なお、本明細書において排気ガスとは、二酸化炭素ガス、二酸化窒素ガス、酸化硫黄ガス、粉塵などの輸送車から排出されるもの、または、二酸化炭素ガス、二酸化窒素ガス、酸化硫黄ガス、粉塵などの輸送車から排出されるものの組み合わせをいう。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、添付した図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0033】
図1は、輸送業界の二酸化炭素ガス排出削減量の売買取引を行う取引市場をインターネット上で開設する場合の構成概念の一例を示す図である。
【0034】
すなわち、図1において、取引仲介業者がインターネット上に2つの取引市場を開設する。1つは、輸送業界2の内部で個々の輸送業主の二酸化炭素ガス排出削減量を内部融通するための取引市場3であり、かかる取引市場3では、当該取引市場3に参加する事業主のうち、二酸化炭素ガス排出削減量を目標値を上回って達成した事業主5aが削減余剰量を売却し、一方二酸化炭素ガスの排出削減量が目標値に達せず、不足分を他から購入したい事業主5bに売却する。
【0035】
取引仲介業者1はかかる取引の仲介を行い、購入事業主5bから購入代金を徴収し、売却事業主へ代金を支払う。取引仲介業者1は売却益の一定割合を手数料として売却事業主5aから徴収する。
【0036】
インターネット上に取引仲介業者が開設する他の1つの取引市場4は、輸送業界全体で目標を上回る二酸化炭素ガス排出削減量を達成した場合、すべてを輸送業界内部で融通するのではなく、この一部を外部で販売するための取引市場である。
【0037】
輸送業界2は外部に売却する二酸化炭素ガス排出削減量を取引仲介業者1に提示する。取引仲介業者1は、これを一定量ごとに証券化し、販売価格を設定する。そして、インターネット上に開設する証券取引市場4に参加した参加者6に対してこの証券を売却する。取引仲介業者1は、証券購入者6から購入代金を徴収し、輸送業界2に代金を支払う。輸送業界2は取引仲介業者1に手数料を支払う。
【0038】
ただし、図1は本発明の取引市場の構成の一概念を示したものであり、本発明の取引市場が開催され運営が実現されれば良く、何らこれに限定されることはない。
【0039】
さらに本発明では、この取引市場をインターネット上で行い、参加する各事業主のコンピュータ端末からインターネット上の当該取引に参加できるシステムを提案するものである。
【0040】
かかる取引の仲介においては、輸送業が遵守すべき二酸化炭素ガス排出量の目標、もしくは当該ガス排出量の削減の目標に対して、この目標値を取引市場に参加する個々の輸送業主に分配し、各事業主の目標値とする。事業主の一定期間内の二酸化炭素ガス排出量が当該排出量許容値(目標値)の範囲内に収まり、もしくは削減目標値を上回る削減量となり、排出量に一定の余裕量が発生するとき、この許容値までの余裕の排出量もしくは目標値を上回る量の削減量に当該事業主が価格を設定し売却に供する。
【0041】
一方、一定期間内の二酸化炭素ガス排出量が設定された許容値を上回る恐れがあるか、もしくは目標値に削減量が及ばない恐れのある他の事業主は、売却のために提示されたこの排出量の権利を購入することで二酸化炭素ガス排出量の目標値と達成したと認定する。
【0042】
すなわち、削減努力が大きければ余分の削減量から売却益を期待でき、反対に削減努力が不足すれば、目標達成のために支払いを生じることになり、環境努力の観点がいっそう浸透するメリットが生じる。
【0043】
当該二酸化炭素ガス排出量取引市場をインターネット上で運営する取引仲介業者は、取引の開始に当たって、まず、かかる輸送業者の排出量許容値を各事業主に分配して、個々の事業主に対して許容される排出量もしくは排出削減量を個別に定める。これが、個々の事業主に課された目標値となる。
【0044】
本発明では、取引仲介業者が、インターネット上に二酸化炭素ガス排出量の取引市場を開設する場合、取引市場に参加する事業主に対して、企業名または個人指名、資本金、従業員数、経常利益などの事業内容を申告させてID化するとともに、所有輸送車の車種、台数、年間取引高、営業地域、輸送車量の年間総計走行距離を合わせて申告させ、当該取引仲介業者に設置した排気ガス取引仲介サーバにデータベース化することを提案する。
【0045】
本発明では、上述した個々の事業主の二酸化炭素ガス排出量、もしくは削減量の設定目標値に対して実績値の評価をするために、1年、あるいは半年といった一定期間における事業主の二酸化炭素ガス排出量の計測を以下の手法によって実施することを提案する。
【0046】
すなわち、取引市場に参加する個々の事業主の保有する輸送車輌のすべて、または、かかる排出量の計測を代表できる事業地域ごと、あるいは車輌の車種ごとに選定した輸送車輌に、二酸化炭素ガス排出量を計測できるセンサを搭載して計測する。
【0047】
また、取引に関わる二酸化炭素ガス排出量の単位は二酸化炭素相当トン(t−CO)とする。
【0048】
図2は、本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引市場仲介システムの構成概念の一例を示した図である。
【0049】
すなわち、図2において、1は取引仲介事業者であり、7は取引市場を運営するための排気ガス取引仲介サーバであり、かかる取引仲介を実施するために通信ネットワーク8を介して参加事業主5のコンピュータ端末9と情報データの送受信を行う。参加した事業主の二酸化炭素ガス排出量を計測するために、輸送車輌10には二酸化炭素ガスセンサ11とこれに接続するコンピュータ端末12および無線送受信機13を搭載する。当該車輌10で計測した排出量データは、車輌搭載のコンピュータ端末12から通信ネットワーク8を介して排気ガス取引仲介サーバ7に収集される。
【0050】
かかる計測の実施の指示は排気ガス取引仲介サーバ7からセンサ搭載車輌10のコンピュータ端末12に通信ネットワーク8を介して適宜送信して実施する。計測データを受信、収集した当該取引仲介業者1の排気ガス取引仲介サーバ7は、この二酸化炭素ガス排出データから当該事業主5の二酸化炭素ガス排出量を算定しこれを認定する。
【0051】
また、本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムでは、拝承業者5の二酸化炭素ガス排出量の取引金額の調整、上限価格設定などの措置を時限的に実施するため交通状態の計測システムを設置して運用する。かかる交通状態計測システムの構成概念の一例を図4に示す。
【0052】
すなわち、図4では、道路周辺の建物14、信号機15などの交通施設、柵16などの設置物に無線アンテナ13を接続した監視カメラ17、二酸化炭素ガスセンサ18、通行車輌台数計測センサ19を設置し、道路の交通量、走行車輌の構成比率、二酸化炭素ガス濃度を計測し、当該計測データを通信ネットワーク8を介して取引仲介業者1の排気ガス取引仲介サーバ7に収集するとともに、GPS 20を利用して車輌10のコンピュータ端末12から通信ネットワーク8を介して取引仲介業者1の排気ガス取引仲介サーバ7に送信し車輌10の走行位置を把握する。
【0053】
取引仲介業者1の排気ガス取引仲介サーバ7では、可能ならばこれらに加えて、交通管制センタや天候情報センタなど外部の情報機関21のコンピュータ端末22から通信ネットワーク8を介して道路状態や交通状態に影響する情報を収集する。取引仲介業者1の排気ガス取引仲介サーバ7ではこれら収集した計測データに基づいて当該車輌10の走行道路環境を算定し、この道路における二酸化炭素ガス濃度と道路状態の相関結果に応じて取引市場における事業主5の二酸化炭素ガス排出量の取引金額の調整、上限価格設定などの措置の根拠データとして使用する。
【0054】
図4には、輸送車輌10に搭載する二酸化炭素ガスセンサ11、コンピュータ端末12および無線送受信アンテナ13の構成概念の一例を示す。図4において、二酸化炭素ガスセンサ11、コンピュータ端末12、無線送受信アンテナ13駆動のために車輌搭載電源23をそれぞれに電気的に配線して送電し、かつ二酸化炭素ガスセンサ11とコンピュータ端末12、コンピュータ端末12と無線送受信アンテナ13とを配線によって連結する。
【0055】
コンピュータ端末12は、排気ガス取引仲介サーバ7から通信ネットワーク8を介して受信した二酸化炭素ガス濃度の計測指示によって、二酸化炭素ガスセンサ11の計測を実行し、いったん計測データをコンピュータ端末12で収集して、無線送受信アンテナ13を介して排気ガス取引仲介サーバに送信する。
【0056】
なお、車輌搭載電源31は、車輌に搭載されているバッテリーを使用しても良いし、それとは別に新たにバッテリーなどの電源を搭載し、使用してもよい。
【0057】
図5の上図には、道路周辺の建物などに設置するセンサ類18、19、監視カメラ17の構成概念の一例を示しており、その内部にはセンサもしくは監視カメラ部24、演算処理部25、電源部26から構成され、センサもしくはカメラ部24と電源部26、演算処理部25と電源部26、さらにこのセンサ18、19、監視カメラ17の近傍に配置される無線アンテナ13と電源部26とは駆動のために電気的に配線接続される。センサもしくはカメラ部24と演算処理部25、演算処理部25と無線アンテナ13は配線によって接続され、演算処理部25は取引仲介業者1の排気ガス取引仲介サーバ7から通信ネットワーク8を介して排出ガス、走行車輌数の計測もしくは画像撮影を指示されると、当該量の計測をセンサもしくはカメラ部24によって実施する。
【0058】
電源部26は、図5の下図に示すように、設置条件などによっては、これらセンサ類18、19もしくは監視カメラ17本体ではなく、外部に設置することもできる。演算処理部25は、センサまたはカメラ部24が計測したデータや撮影画像を収集し、無線アンテナ13、通信ネットワーク8を介して排気ガス取引仲介サーバ7に送信する。なお、電源部26には、バッテリーを搭載し、適宜それを交換して運用するが、当該図に示したように可能ならばかかる電源部26にはバッテリーの他にこれに加えてAC/DCコンバータを併設し、当該コンバータを商用電源27に電気的に接続して適宜当該電源部26のバッテリーを充電して使用することもできる。さらに可能ならば、当該電源部26にはAC/DCコンバータのみを搭載し商用電源を直接に使用することもできる。
【0059】
ただし、上記図1、図2、図3、図4および図5に示した内容は本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムを実現するための一具体例であり、本発明の内容を実現することができればよく、何らこれらに限定されることはない。
【0060】
図6は、本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引市場仲介システムを運用するための取引仲介業者1に設置する排気ガス取引仲介サーバ7の構成概念の一例を示す図である。
【0061】
すなわち、図6は、排気ガス取引仲介サーバ7の構成を示すブロック図であり、CPU 61は各部の制御、データ転送、種々の演算、データの一時的格納などを行う。入力制御部62、出力制御部63は通信ネットワーク8を介して受信するデータ、あるいは送信するデータの制御を行う。
【0062】
また、排気ガス取引仲介サーバ7には収集したデータの収納のためにデータファイル65と、演算に使用するデータを収納するためにデータベースファイル66と、取引の対象となる輸送業者5に関わるデータや取引データを収納するために事業者ファイル67と、排出量取引に参加する輸送業外部の顧客データや取引データを収納するために顧客ファイル68とを設置し、CPU 61の演算処理に使用する。
【0063】
メインプログラムファイル64には、本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引市場仲介システムの運用のために必要な各種演算プログラムが記憶、収納されており、CPU 61によって本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引市場仲介システムの実行に関わる作業に用いられる。同時に、メインプログラムファイル64には、端末表示部に表示させる取引市場などの画像、文字などの表示に関わるプログラムも収納されている。
【0064】
図7は、排気ガス取引仲介サーバ7のCPU 61が本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムを運用するために演算処理する際に使用するメインプログラムファイル64に収納される各種プログラムの一例を示す図である。
【0065】
メインプログラムファイル64に収納されるプログラムとしては、二酸化炭素ガス排出量取引市場を開設し、運営し、各事業者や顧客の取引データを管理するためにCPU 61が使用する取引運営管理プログラム、車輌10のコンピュータ端末12や道路周辺の建物等に設置するセンサ類18、19、監視カメラ17へ二酸化炭素ガス量、車輌位置および走行車輌数データ計測や画像撮影などを指示するための計測指令管理プログラムと計測データや画像を収集し、演算してデータファイル65に収納するためのデータ収集管理プログラム、車輌10のコンピュータ端末12からの位置データの収集、演算とデータファイル65に収納するための車輌走行位置情報収集管理プログラム、道路柵に設置する走行車輌台数計測センサ19から道路を走行する車輌数のデータを収集、演算し、データファイル65に収納するための走行車輌情報収集管理プログラムがある。
【0066】
メインプログラムファイル64に収納されるプログラムとしては、これに加えて、後述する交通管制センタや天候情報センタなど外部機関21のコンピュータ端末22から通信ネットワーク8を介して交通情報や天候情報を収集し、データベースファイル66に収納するための天候情報収集管理プログラムと交通情報収集管理プログラムがある。
【0067】
メインプログラム64に収納されるプログラムとして、さらに、本発明の二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムの運用に参加登録する輸送業者5や取引市場に参加する輸送業外部の顧客の情報を入力し事業者ファイル67および顧客ファイル68に収納するための事業者情報管理プログラムおよび顧客情報管理プログラム、当該輸送業者や顧客の取引データ算定、管理し事業者ファイル67や顧客ファイル68に収納する取引管理プログラムがある。
【0068】
図8は、排気ガス取引仲介サーバ7を構成するデータファイル65とデータベースファイル66に収納するファイルの構成概念の一例を示す図である。
【0069】
図8においてデータファイル65には、主に車輌10に搭載するセンサ11や、道路周辺に設置するセンサ類18、19、監視カメラ17などによって実行された計測データ、画像データを収納する。すなわち、一例として、車輌10に搭載するセンサ11、GPS 20によって計測し、通信ネットワーク8を介してCPU 61が収集し演算した計測データと車輌位置データのファイル、同様に、道路周辺に設置するセンサ類18、19、監視カメラ17などによって計測、および撮影された計測データおよび画像データを通信ネットワーク8を介してCPU 61が収集、演算した計測データ、画像データのファイルが収納される。
【0070】
また、図8においてデータベースファイル66には、本発明の二酸化炭素ガス排出量取引市場仲介システムを運用するために用いるデータベースであり、車輌位置データをCPU 61によって演算し、データファイル65に収納するのに用いる地図情報ファイル、外部機関21のコンピュータ端末22から交通状態や天候状態のデータを収集し取引条件に反映するための区域の交通情報や天候・災害情報のファイル、二酸化炭素ガス排出量取引市場の開設や運営に関わる条件をデータベース化した取引市場条件ファイル、さらにかかる二酸化炭素ガス排出量取引価格や削減対策構築に関わる車輌の車種情報ファイルを収納する。
【0071】
図9は、排気ガス取引仲介サーバ7を構成する事業者ファイル67と顧客ファイル68に収納するファイルの構成概念の一例を示す図である。
【0072】
図9において、事業者ファイル67には、本発明における二酸化炭素ガス排出量取引市場に参加する輸送業者5についての基礎情報をデータベース化した事業者情報ファイルと、かかる事業者5が当該取引市場において取引した実績情報に関する取引情報ファイル、およびそれについて作成した明細書や明細情報を入力する明細書ファイルが収納される。
【0073】
また、図9において顧客ファイル68には、二酸化炭素ガス排出量取引市場に参加する輸送業外部の事業者・団体についての基礎情報を入力する顧客情報ファイルと、かかる顧客が当該取引市場において取引した実績情報を入力する取引情報ファイル、およびそれについて作成した明細書や明細情報を入力する明細書ファイルが収納される。
【0074】
上記、排気ガス取引仲介サーバ7を構成する各種ファイル64〜68によって、本発明の二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムの円滑な運用を実現する。
ただし、上記図6、図7、図8および図9に示した内容は本発明の二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムを実現するための一具体例であり、本発明の内容を実現することができればよく、何らこれらに限定されることはない。
【0075】
図10および図11は、本発明の二酸化炭素ガス排出量取引市場の手順フローを示した図である。
【0076】
図10は、当該取引市場の運営に関わる初期の準備手順を示した図であり、図10において、ステップS01で取引仲介業者1は排気ガス取引仲介サーバ7のCPU 61によりメインプログラムファイル64に収納する取引市場運営管理プログラムを使用し、通信ネットワーク8を介して輸送業主5のコンピュータ端末9に送信し、当該取引市場開設に向けて参加事業主を募集する。事業募集に際して取引仲介業者1はインターネット上に当該取引市場に関するホームページを開設し、一定期間を設定して募集行為を行う。ステップS02で、輸送業者5はインターネットを介して、取引仲介業者1がインターネット上に開設する当該ホームページにアクセスし、当該取引市場への参加を申請する。エントリーの際には、ステップS03で、上述したID化のための情報、二酸化炭素ガス排出量に関わる情報を排気ガス取引仲介サーバ7に送信する。受信した取引仲介業者1の排気ガス取引仲介サーバ7に、これら収集した情報を取引市場運営のための基礎データとして事業者情報ファイルを作成し、事業者ファイル67に蓄える。
【0077】
取引仲介業者1の排気ガス取引仲介サーバ7では、ステップS04において当該排気ガス取引仲介サーバ7のCPU61によってメインプログラムファイル64に収納する取引市場運営管理プログラムを使用し、当該基礎データと比較演算して参加事業主5に一定期間における二酸化炭素ガス排出量許容値もしくは削減目標値を割り当て、事業者ファイル67に事業者情報ファイルとして収納するとともに、その結果をそれぞれのコンピュータ端末9にインターネットを介して送信し周知する。
【0078】
同時に、取引仲介業者1は、当該取引市場に参加する輸送業者5に対し、事業者登録番号、事業者IDおよび事業者パスワードを周知する。なお、事業者IDと事業者パスワードは、後日事業者が希望するIDやパスワードに変更することが可能なようにする。
【0079】
さらにステップS05では、取引仲介業者1と個々の参加事業者5との協議で二酸化炭素ガス排出量を計測する対象車輌10を選定する。ステップS06で、選定した車輌10に二酸化炭素ガスセンサ11とコンピュータ端末12を搭載し、ステップS07で取引仲介業者1排気ガス取引仲介サーバ7のCPU 61によりメインプログラムファイル64に収納する計測指令管理プログラムを使用して通信ネットワーク8を介して当該コンピュータ端末12に排出量の計測を指示し実施する。当該計測データは当該コンピュータ端末12によっていったん収集され、通信ネットワーク8を介して取引仲介業者1の排気ガス取引仲介サーバ7に送信される。
【0080】
当該排気ガス取引仲介サーバ7ではCPU 61が計測データの収集・演算を行い車輌計測データファイルとしてデータファイル65に収納される。これとともに、ステップS08で同様に排気ガス取引仲介サーバ7のCPU 61がメインプログラムファイル64に収納する計測指令管理プログラムを使用して交通状態の計測も指示し実施してこれに関するデータも併せて収集し走行車輌数データファイルとしてデータファイル65に収納し、必要に応じてCPU 61がメインプログラムファイル64に収納する取引市場運営管理プログラムとデータベースファイル66に収納する取引市場条件ファイルを使用して取引市場価格の調整用基礎データとして用いる。
【0081】
ステップS09において、収集し演算した二酸化炭素ガス排出量の結果はインターネットを介して各事業主5のコンピュータ端末9に適宜送信し周知する。
【0082】
図11は、図10の手順で準備した取引市場の運用手順を示す図である。
【0083】
すなわち、ステップS11では、取引仲介業者1の排気ガス取引仲介サーバ7のCPU 61がメインプログラム64に収納する取引市場運営管理プログラムを使用して、得られた計測データから算定されデータファイル65に計測データファイルとして収納した二酸化炭素ガス排出量または削減量と、事業者ファイル67に収納された事業者情報ファイルの個々に割当てられた目標値を比較検討し、もし、排出量が目標値(許容値)より小さい場合、もしくは削減計測量が削減目標値より大きい場合、ステップS12で目標値と実績値との差が取引市場に提示するに十分な量かどうかを判断し、取引市場での売買に十分な量だとすると、CPU 61は売却可能量、推薦売却価格を決める。
【0084】
ステップS14で、排気ガス取引仲介サーバ7のCPU 61によって算定された当該売却可能量、推薦売却価格は、いったん通信ネットワーク8を介して当該輸送業者5のコンピュータ端末9に送信され、当該輸送業者は排気ガス取引仲介サーバ7から提示された売却可能量、推薦売却価格を元に取引市場に上程する売却量と売却希望価格を決定し、取引仲介業者1がインターネット上に開設する取引市場ホームページにアクセスし取引市場にこれらを提示する。
【0085】
一方、ステップS11で算定された実績値が目標値を上回っている場合、もしくは削減計測量が目標値を下回っている場合、ステップS13で、取引仲介業者1の排気ガス取引仲介サーバ7のCPU 61は、メインプログラムファイル64に収納する取引市場運営管理プログラムを使用して、その差が取引市場で購入しなければならない量かどうかを判断する。
【0086】
購入が必要だとCPU 61が算定した場合には、事業者ファイル67に収納する事業者情報ファイルと取引情報ファイルを参照して取引市場の実績や動向、過去の取引実績、購入可能な資金力を判断し、推薦購入量と推定購入価格とを算定し、通信ネットワーク8を介して輸送業者5のコンピュータ端末9にその結果を周知する。
【0087】
輸送業者5が取引市場に売却希望量と売却希望額をエントリーした後、取引仲介業者1の排気ガス取引仲介サーバ7のCPU 61はメインプログラムファイル64に収納する取引市場運営管理プログラムを使用してステップS15で、別途、道路柵に設置した車輌台数計測センサ19から通信ネットワーク8を介して収集しデータファイル65に収納した走行車輌数データファイルと、外部機関21のコンピュータ端末22から通信ネットワーク8を介して収集しデータベースファイル66に交通情報ファイルとして収納した交通状態の基礎データから交通条件の正常性を判断し、取引市場の価格調整が必要かどうかを判断する。
【0088】
もし、事業に関わる事故・災害が発生し、二酸化炭素ガス排出量が平常より大幅に上昇するような場合にはステップS16で取引仲介業者1はCPU 61により同様にメインプログラムファイル64に収納する取引市場運営管理プログラムを使用して当該取引市場に介入し、事前に売却希望額の価格調整を実施する。こうした手順を経てステップS17でインターネット上の取引市場ホームページに売却リストを公開する。
【0089】
ステップS13で、当該取引仲介業者1がインターネット上に開設する当該取引市場ホームページにアクセスし、取引市場から二酸化炭素ガス排出量(削減量)を購入する必要があると判断した参加事業主5は、ステップS17で取引市場に公開された売却希望リストを見たうえで、ステップS18において購入希望価格と購入希望量を決定し、取引市場ホームページにその購入希望量、購入希望価格を提示する。
【0090】
ステップS19で、取引仲介業者1の排気ガス取引仲介サーバ7のCPU 61は、メインプログラムファイル64に収納する取引市場運営管理プログラムを使用して上記購入希望価格、購入希望量のデータを収集し、売却希望価格、売却希望量と比較演算して取引成立かどうかを判断し、該当する売却希望および購入希望の輸送業者5のコンピュータ端末9にその結果を通信ネットワーク8を介して送信するとともに取引市場ホームページ上に個々の成立取引量および成立取引価格を公開する。
【0091】
このようにして、本発明における二酸化炭素ガス排出量の取引市場を運営する。
【0092】
かかる取引市場の開設に当たっては、取引仲介業者1は、売却希望、購入希望の募集において、開始時間と終了時間を設定する。
【0093】
また、取引終了に際しては、売買取引が成立した該当輸送業者5への周知だけでなく、これらを含めた全参加事業主5のコンピュータ端末9に該当取引市場の該当者名を除いた取引結果、取引高(取引量)売却平均希望価格と購入平均希望価格とを含めた平均取引価格を排気ガス取引仲介サーバ7からインターネットを介して送信するとともに取引市場ホームページに公開する。
【0094】
かかる売買取引市場の運営、仲介に当たって、取引仲介事業者1は、参加事業主5から一定金額の参加費と、取引成立した売却事業主からは取引額の一定割合の金額を仲介料として徴収する。かかる仲介料の算定は、排気ガス取引仲介サーバ7のCPU 61が、メインプログラムファイル64に収納する取引管理プログラムとデータベースファイル66に収納する取引市場条件ファイルを用いて実行する。
【0095】
当該取引市場の運営に際して、取引仲介業者1の排気ガス取引仲介サーバ7は、参加事業主5のコンピュータ端末9にインターネットを介して、当該取引市場のホームページにアクセスする権利として個別の事業者登録番号、事業者ID、事業者パスワードを付与し、他者への情報漏えいや未登録者の市場参加による混乱や破壊活動を防止することを提案する。当該登録番号、ID、パスワードは、条件によっては、郵送などの他の手段で付与することもできる。
【0096】
本発明ではさらに、取引仲介業者1が当該取引市場を開設する最初の段階には、個々の事業主5に対して排気ガス取引仲介サーバ7のCPU 61により、メインプログラムファイル64に収納する取引市場運営管理プログラムと事業者ファイル67に収納する事業者情報ファイルを用いて、輸送車種、台数、年間走行距離に対応して二酸化炭素ガス排出量の許容値もしくは二酸化炭素ガス排出量削減量の割り当てを行うことを提案する。
【0097】
本発明における二酸化炭素ガス排出量の計測に関して、当該事業主5が保有するすべての車輌10に計測機器11およびコンピュータ端末12を搭載する場合には、排気ガス取引仲介サーバ7はCPU 61によりメインプログラムファイル64に収納するデータ収集管理プログラムとデータファイル65に収納する計測データファイルを使用して個々の車輌10の計測データを加算することにより、一定期間における事業主5の二酸化炭素ガス排出量を算定する。かかる総計データは改めて計測データファイルに入力し、データファイル65に収納する。
【0098】
当該事業主5の保有する車輌10のうち、すべての車輌に搭載する代わりに、事業地域ごと、あるいは車輌の車種別にかかる計測センサ11およびコンピュータ端末12を搭載する場合は、たとえば、収集した計測量に対して、該当事業地域を走行したすべての車輌の総走行距離を別に求めておき、この総走行距離を用いて、
計測排出量×(当該地域総走行距離)/(センサ搭載車輌の走行距離)
によって算定し、車種別にセンサ11とコンピュータ端末12を搭載する場合には、
Σ(全車種)(計測排出量)×(同車種の全ての車輌の走行距離の総計)/(センサ搭載車輌の走行距離)
によって算定する。
【0099】
ただし、上記の算定方法はあくまでも本発明の一例であり、本発明の内容が実現すればよく、何らこれに限定されることはない。
【0100】
本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムは、上述した輸送業内の二酸化炭素ガス排出量取引の仲介とともに、当該取引市場に参加する輸送業の事業主の削減量を証券化し、第三者にこれを売却するシステムを付与することを提案する。
【0101】
図12は、輸送業二酸化炭素ガス排出削減量証券取引市場の開設・運営手順の一概念例を示す図である。
【0102】
すなわち、当該取引仲介システムにおいて、図12では、ステップS21で取引仲介業者1が、排気ガス取引仲介サーバ7のCPU 61により、メインプログラムファイル64に収納した取引市場運営管理プログラムとデータファイル65に収納した車輌計測データファイルを使用して収集、収納した排出量データを演算して一定期間における輸送業界全体の二酸化炭素ガス排出量の削減量を予測し、ステップS22で当該削減推定量の一定割合について証券化対象とすることを輸送業界2に提示し、輸送業界2は取引仲介業者1から提示された証券化対象量の妥当性を検討し売却を決定する。
【0103】
ステップS23では、輸送業界2の決定を受けて取引仲介業者1の排気ガス取引仲介サーバ7のCPU 61が、メインプログラムファイル64に収納する取引運営プログラムを使用して二酸化炭素ガス排出量の一定削減量ごとに証券化し、初期の売り出し価格を算定し、当該算定結果を輸送業界2に周知して輸送業界2の了解を得る。
【0104】
一例として、排気ガス取引仲介サーバ7のCPU 61は、二酸化炭素ガス排出量の削減量10t−CO単位に証券化し、当該証券取引市場開設時の売り出し価格として、10万円/証券を設定する。かかる準備を経た上で、ステップS24において取引仲介業者1はインターネット上に証券取引市場のホームページを開設し、ステップS25で証券の販売を行う。かかるホームページには制限なくアクセスが可能とするが、インターネット上に開設した当該取引市場の排出量取引に参加する事業者、団体については、当該事業者、団体の事業情報の提示を求め、事業内容および経営状態を審査のうえ参加の妥当性を決定する。取引参加が妥当な事業者、団体については、顧客として登録番号、ID、パスワードを付与して取引市場への参加を可能にする。
【0105】
なお、顧客のIDおよびパスワードは後日、顧客によって変更が可能なように設定する。
【0106】
ステップS26では当該証券の販売状況を判断し、販売が完了した場合、もしくはほぼ販売が完了したと見なした場合、ステップS27で売却額の一定割合を手数料として取引仲介業者が徴収するとともに、排気ガス取引仲介サーバ7のCPU 61はメインプログラムファイル64に収納する取引運営プログラムを使用し、かつ、当該売買取引市場に参加する各事業主5の当該期間における二酸化炭素ガス排出量削減目標データを事業者ファイル67に収納する事業者情報ファイルから使用して、当該削減目標に対する実績削減量を比較演算して、当該証券の売却額から上記手数料を差し引いた残額の分配額を削減率(削減実績量/削減目標値)に応じて算定し分配を実施する。
【0107】
このようにして輸送業界の二酸化炭素ガス排出削減量を証券化し外部に販売する。ステップS28で、かかる証券販売市場を継続できると判断した場合には上記手順を繰り返して期間ごとに二酸化炭素ガス排出削減量を証券化し販売する。
【0108】
かかる証券価格は、輸送業全体の二酸化炭素ガス排出量の削減が目標削減量に到達しなかった場合、かかる証券取引市場で証券価格は下落し、逆に目標削減量を大きく上回る削減量を達成した場合には、当該取引市場の証券価格は上昇する。
【0109】
すなわち、第三者はかかる証券を購入する行為が輸送業界の二酸化炭素ガス排出量削減に貢献するという環境保全の努力行為であり、輸送業界がこれに応えて二酸化炭素ガス排出量を削減する努力は、かかる第三者の貢献価値をより高めることになる。換言すれば、輸送業界だけでなく社会全体が輸送業界の環境努力を推進する意義をもつという大きな意義をかかる証券化、およびその取引市場は実行することに他ならない。
【0110】
ただし、図12に示す手順はあくまでも本発明の証券化、販売手順の一概念例であり、本発明の内容を実現すればよく、何らこの手順に限定されることはない。
【0111】
図13は、車輌の走行位置、センサ類、監視カメラの設置場所のID化、地域の交通状態データベース化、輸送業者や顧客の所在地ID化など、本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムにおけるデータ収集、演算などに用いるデータベースファイル66に収納する地図情報ファイルと当該地図情報を用いて交通状態を表示する地図の構成の一概念例を示す図である。
【0112】
すなわち、図13は、道路周辺の建物、交通施設、設置物と走行車輌に設置したセンサ12、18、19、監視カメラ17により、排気ガスと交通状態(交通量、走行車種の構成比率)および車輌12の位置を計測してデータとするために用いる地図の一例であり、本発明では数キロメーターレベル、可能ならば10メーターレベルの正方形で地域を分割してかかるデータ化することを提案する。
データベースファイル66に収納する地図情報は、日本全図を最上層にし、東北、関東、首都圏、東海、関西などの地区図をその下部層に、さらに都道府県図をこの下部層に、そして、区市町村など必要に応じた細区分地図をこの下部層に配置した階層構造に構築する。
【0113】
その上で、図13に示すような最下層に配する各細区分地図101のX方向、Y方向に数キロメートル単位、好ましくは10メートル単位で区切り、正方形のメッシュ102に区分した上で、このすべての地図のメッシュ102を数値およびアルファベットなどでID化する。さらに、当該地図101上の当該車輌10が走行する道路103を同様に数値、アルファベットなどの文字を使用しID化して図中にID値を配する。
【0114】
地図101のメッシュIDは、一例として43都道府県を01から43まで数値化し、さらに都道府県内の行政区ごとに数値化し、例えば東京都杉並区高円寺北2丁目地区を01060602のように数値化する。さらに当該地区の地図のX方向(東西方向)とY方向(南北方向)を基本距離単位に区分し、x01y02のように示す。
【0115】
すなわち、当該地区は01060602x01y02としてID化することになる。別のID化として郵便番号を適用することもでき、この場合、1660002x11y12のようにID化することも可能である。
【0116】
また、道路103のID化については、一例として、国道をNで表記し、例えば国道246号線ならばN246としてID化する。各都道府県道については43都道府県を01から43まで数値化してこれに0数字を2桁と道路の頭文字RからR4300のようにID化し、さらにそれ以外の道路については、順次R4301のように数値の下2桁を数値付けしてID化する。
【0117】
道路周辺の建物などに設置するセンサ18、19、監視カメラ17の位置も上記に従ってID化し、データベースファイル66に収納する地図情報ファイルに入力しておく。これらのセンサ類や監視カメラによって計測、撮影されたデータは、各設置位置を上記ID化の手法で示し、計測時刻を西暦年の下2桁、月日を各数字2桁、時間を24時間制で示す数値、分、秒を各2桁で示してデータファイル45に収納する。
【0118】
図13に示す地図101では、道路103を示す。これに加えて、交通状態に特に影響する傾向のある橋が存在する位置を確認できるよう河川を地図上に示してもよい。必要ならば、さらにこれに加えて、同様に交通状態に影響を及ぼす市街地や大工場などを地図101上に示すこともできる。
【0119】
地図101は、上記の方法に従って一定距離を一辺とするID化した正方形のメッシュ102に区割りし、データファイル65に収納する計測データとデータベースファイル66に収納した交通情報をもとに、この区割り地域102ごとに交通量、走行車種の構成比率、排気ガス量を要素とする交通状態を排気ガス取引仲介サーバ7のCPU 41が比較演算して評価する。
【0120】
すなわち、当該排気ガス取引仲介サーバ7のメインプログラムファイル64に収納された交通情報収集管理プログラムによってCPU 61は、交通管制センタや天候情報センタなどの外部機関21のコンピュータ端末22から通信ネットワーク8を介して随時交通情報を収集し、ID化された区割り地域102ごとに、排出ガス濃度データ、時間帯別交通量、時間帯別走行車種、事故・渋滞情報をデータ化する。
【0121】
時間帯は、一例として、平日0時から6時までと休日22時から6時までの深夜時間帯、平日6時から9時までと休日8時から10時までの午前ラッシュ時間帯、平日9時から16時までと休日10時から15時までの昼間時間帯、平日16時から19時までと休日15時から19時までの午後ラッシュ時間帯、平日19時から24時までと休日19時から22時までの夜間時間帯に分類する。
【0122】
交通量は5ランクに、走行車種はトラック比率で同じく5ランクに半年間、または1年間、もしくは季節ごとに分類したうえで上述する時間帯ごとに数値化する。
【0123】
例えば、渋滞情報によって、渋滞、のろのろ運転の状態、平常走行に分類し、上記道路地図に記述した区割り地域ごと、30分ごとにその交通量を、5 km以上の渋滞を5、1 km以上5 km未満の渋滞を4、1 km未満の渋滞を3、のろのろ運転走行を2、平常走行を1として該当時間の平均値を算定する。算定結果から、1.5未満を1、1.5以上2.5未満を2、2.5以上3.5未満を3、3.5以上4.5未満を4、4.5以上を5として各区割り地域の各時期、時間帯別交通量を数値化する。
【0124】
また、道路のトラック比率は、同様に外部機関21のコンピュータ端末22から通信ネットワーク8を介して随時道路情報を収集して数値化するが、渋滞の発生した事故件数と平常の交通状態に復帰するまでの時間との積を1年間、半年あるいは季節ごとに積算し日数で除して評価する。一例として、求めた数値が0.5以上の場合を5、0.4以上0.5未満を4、0.3以上0.4未満を3、0.2以上0.3未満を2、0.2未満を1として該当道路の該当期間、該当時間帯別事故発生率を数値化し、平常状態の数値とする。
【0125】
排出ガス・粉塵濃度も同様に、半年間、または1年間、もしくは季節ごとに上述した時間帯別に、車輌10によって収集した排出ガス量実績値を算定しておき、これを平常状態の数値として用いる。
【0126】
これら時間帯別交通量、時間帯別トラック比率、排出ガス・粉塵濃度基準値は、一定期間ごとに上記の手順にしたがって取得する新たな情報データによって更新される。
【0127】
図13において、区割り地域102ごとの交通状態は5ランクに評価する。区割り地域104は、最も交通量が多く排気ガス量が多い地域であり、以下、地域105、地域106、地域107の順に交通状態が緩和されており、地域108が最も交通状態が良好となる地域である。なお、地域109は、湖沼、森林地帯など地域内に道路がほとんど含まれずデータ収集のための設備を設置していない評価対象外の地域である。
【0128】
このようにして、排気ガス取引仲介サーバ7のCPU 61は、区割り地域102ごとに交通状態を評価する。
【0129】
ただし、図13に示した本発明の内容は、あくまでも本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムを具体化した一例に過ぎず、本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムの内容が実現できれば何らこの内容に限定されることはない。
【0130】
図14、図15および図16は、本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムにおいて、取引仲介業者1がインターネット上に開設する当該取引市場ホームページの表示概念の一例を示す図である。これらは取引仲介業者1の排気ガス取引仲介サーバ7のCPU 61が、メインプログラムファイル64に収納する画面表示処理プログラムと取引市場運営管理プログラムとを用いてインターネット上にホームページを開設し、かかるホームページにアクセスする操作者の端末に表示を実施する。
【0131】
すなわち、図14において、取引仲介業者1がインターネット上に開設するホームページの表示最上層にはメインメニュー画面m01を設け、このメインメニュー画面m01において、実施形態の処理である、取引市場の案内、取引市場、登録、検索、関連サイトの表示を設け、当該ホームページにアクセスする操作者にこれらの選択を促す。操作者の選択により、取引市場の案内画面m11、取引市場画面m21、登録画面m31、検索画面m41または関連サイト画面m51が操作者の端末表示部に表示される。
【0132】
取引市場の案内画面m11を選択した場合、当該取引市場に関わる概要情報を画面に表示する。また、操作者が、当該取引市場の概況を知りたい場合は、画面上にその表示を設け、表示をクリックすればその下層に設定する市場取引概況画面m12をCPU 61が操作者の端末表示部に表示する。
【0133】
操作者が検索画面m41を選択した場合、当該取引市場に関わる情報の検索を実行できるよう表示する。すなわち、「検索」の表示の横に入力選択枠を設定し、当該ホームページを構成する各画面(参加登録を行った後にアクセスが可能な取引市場の画面を除く)の選択ができるように代表文字で表示する選択肢と、文字入力のいずれかを操作者が選択できるようにする。
【0134】
もし、操作者が検索したい単語などを入力する場合、あらかじめ想定されうる単語などとその単語などに相当する簡単な説明をメインプログラムファイル64に収納する取引市場運営管理プログラムに登録しておき、あらかじめ収納される単語などと入力文字とが合致した場合、それを検索画面下部に表示する。もし、合致する単語などが存在しない場合、「該当する内容はありません」を表示する。
【0135】
操作者が関連サイト画面m51を選択する場合、当該画面には、「輸送業者ホームページ」および当該取引市場に関連する他のサイト、例えば、政府関連省庁や都道府県の関連サイト、主なプロバイダなどを列挙し、操作者が選択できるようにする。操作者が「輸送業者ホームページ」を選択する場合、あらかじめ取引仲介業者1が輸送業者5にホームページ関連サイトへの登録者を募集してメインプログラムファイル64に収納する取引市場運営管理プログラムに収集しておき、応募した輸送業者のホームページm52にアクセスできるようにする。
【0136】
同様に、その他の表示を操作者が選択する場合には、相当するホームページアドレスをあらかじめメインプログラムファイル64に収納する取引市場運営管理プログラムに収集しておき、対応するアドレスにCPU 61が当該メインプログラムを使用してアクセスできるようにする。
【0137】
操作者が当該取引市場に参加したい場合、メインメニュー画面m01から登録を選択し、CPU 61は操作者の選択実行をうけて端末表示部に登録画面m31を表示する。登録画面m31には、簡単な登録手順を示した上で当該画面上に「登録情報入力」の表示を行い、操作者はこの表示をクリックして入力画面を選択できるようにする。選択実行によってCPU 61は、端末表示部に登録情報入力画面m32を表示する。
【0138】
当該登録情報入力画面m32には、一例として、会社名もしくは個人名、住所、事業内容、事業規模(資本金、従業員数、売上高、経常利益など)、担当者氏名、担当者連絡先を記入もしくは選択できるように表示する。なお、住所については、都道府県名、郡市町村名は、選択肢から選択することができるよう表示し、町名、番地、アパート等は手入力ができるようにしておく。
【0139】
また、事業内容も同様に、いくつかの業種分野と「その他」を選択できるように表示し、「その他」の場合には手入力ができるように表示する。事業規模のうち、資本金、従業員数、売上高、経常利益は一定の規模ごとに選択肢を設定し、選択できるように表示する。その他、取引メインバンクの選択、親会社の選択肢の設定もしくは手入力が可能な表示を行っても良い。
【0140】
これらの表示を行ったうえで、表示下部に、「入力完了」の表示を設け、入力作業が完了した後に操作者が当該表示をクリックできるようにする。「入力完了」表示をクリックすると、CPU 61は、操作者端末表示画面に入力確認画面m33を表示する。
【0141】
操作者は、この画面m33によって、自ら入力した情報内容を確認する。入力内容表示の下部には、「入力画面に戻る」、「登録」と「キャンセル」の3つを表示し、操作者が自ら入力した内容の変更を行いたい場合には、「入力画面に戻る」を、入力内容で間違いない場合には、「登録」を、中途で取引市場に参加する意思を喪失した場合には「キャンセル」をクリックして選択できるようにする。「入力画面に戻る」を操作者が選択した場合には、CPU 61は端末表示部に操作者が入力した後の登録情報入力画面m32を表示する。
【0142】
操作者は、当該画面m32の訂正必要箇所を訂正した後、上記と同様の操作を繰り返す。操作者が「キャンセル」をクリックして登録しない場合には、CPU61は操作者端末の表示部にメインメニューm01を表示する。操作者が「登録」をクリックする場合には、CPU 61は、操作者端末の表示部に登録受理画面m34を表示する。当該登録受理画面には、「登録を受け付けました。
【0143】
お客さまの登録された内容を検討の上、後日参加の可否をご連絡します。」の文字を表示し、その下部に、「メインメニュー」、「取引市場の案内」、「検索」および「関連サイト」の文字を表示させ、操作者が選択できるようにする。「メインメニュー」、「取引市場の案内」、「検索」または「関連サイト」を操作者が選択した場合、CPU 61は操作者端末の表示部にそれぞれメインメニュー画面m11、取引市場の案内画面m21、検索画面m41、または関連サイト画面m51を表示する。
【0144】
取引市場画面m21を選択する場合、取引市場画面には、お客さま登録番号、お客さまIDおよびお客さまパスワードの表示とそれらに対応する入力する枠を設けて操作者が入力し、取引市場参加者のみがアクセスできるようにする。
【0145】
図15は、当該取引市場画面m21の構成概念の一例を示す図である。
【0146】
すなわち、図15は、図14に示す二酸化炭素ガス排出量取引市場ホームページを構成するメインメニュー画面m01の下部層に配置する取引市場の運営のためのメニュー構成の一例であり、図15の構成画面のうちの最も上部に配置する取引市場画面m21の下部には、取引選択画面m22を配し、当該画面m22には、「画面を選択してください。」の文字を上部に表示し、その下部に図14に示す取引市場概況画面m12へアクセスする「取引市場概況」のほか、「売却」および「購入」の2種を表示して、このうちのいずれかを操作者がクリックすることにより選択できるようにする。
【0147】
当該取引市場に参加する操作者は、二酸化炭素ガス排出量(削減量)の売却希望あるいは購入希望のいずれかにより、2種の表示のいずれかを選択し、それによってCPU 61は売却希望登録画面m2211もしくは購入希望登録画面m2231を操作者端末9の表示部に表示する。
【0148】
CPU 61は、当該取引市場の運営に際して、メインプログラムファイル64に収納する取引市場運営管理プログラムを使用して、まず、二酸化炭素ガス排出量(削減量)の売却希望を受け付ける。売却希望受付中は、操作者が購入希望登録画面m2231を選択した場合、当該画面に「ただいま、売却希望の受付中です。しばらくお待ちください」の表示をし、購入希望を受け付けない措置を講じる。操作者が選択した売却希望登録画面には、売却希望量、売却希望単価の文字と投入枠を設け、表示画面下部の左または右隅にはタイマー表示を行い、売却希望受付制限時間までの残時間を表示する。
【0149】
タイマー表示はアナログ時計の形でも良いし、ディジタル表示でも良い。当該画面m2211の該当箇所に操作者が数値を投入すると、CPU 61が演算してその合計金額と適用される消費税、および消費税を含めた総額を算定し、演算が終了すると自動的に端末9の表示部に売却希望受理画面m2212を表示し、操作者の投入した売却希望量、売却希望価格(単価)と、その表示画面下部にこれらの算定結果を表示する。
【0150】
さらにその下部には、「売却希望案件リスト」の文字を表示し、操作者がクリックして選択できるようにする。これを操作者がクリックすることにより、CPU 61は、端末9の表示部に売却希望案件リスト画面m2221を表示する。かかる案件リスト画面m2221には、売却希望者名を除いた売却希望量、売却希望価格(単価)、売却希望総額を一覧にして表示する。
【0151】
CPU 61は、あらかじめ設定する制限時間に達したら、希望受付を締め切り、売却希望案件リスト画面m2221に表示する一覧を作成する。また、売却希望登録画面m2211には、一定制限時間を経過した後は、操作者が当該画面m2211を選択し表示すると、「ご売却の希望受付を終了いたしました。次回取引への参加をお待ちしております」の表示を当該画面m2211の適当な場所に表示し、売却希望の受付を受理しないようにする。
【0152】
一方、操作者が二酸化炭素ガス排出量購入希望者で、購入希望登録画面m2231を選択した場合、上記二酸化炭素ガス排出量(削減量)の売却希望受付時間が終了した後、当該画面m2231には、購入希望案件、購入希望量と購入希望価格(単位当たりの価格)を投入できるようにする。この際、当該画面m2231の下部には売却希望案件リスト画面の表示を行い、操作者がこれをクリックして随時売却希望案件リスト画面m2221を表示し、購入希望先を売却希望案件リストから選択し、かつ購入希望量および価格を検討できるようにする。
【0153】
かかる購入希望の受付も、売却希望受付と同様、制限時間を設定しておき、購入を希望する操作者が開く購入希望登録画面m2231の左あるいは右隅にタイマー表示を行い、購入希望受付制限時間までの残時間を表示する。当該画面m2231の該当箇所に操作者が案件番号および数値を投入すると、CPU 61が演算してその合計金額と適用される消費税、および消費税を含めた総額を算定し、演算が終了すると自動的に端末9の表示部に購入希望受理画面m2232を表示し、操作者の投入した購入希望量、購入希望価格(単価)と、その表示画面下部にこれらの算定結果を表示する。
【0154】
以上の売却希望と購入希望の受付受理作業が終了したら、取引作業に移行する。上述した二酸化炭素ガス排出量(削減量)売却希望の操作者は、売却希望を受理された後で、上記の購入希望受付制限時間が経過した後、取引市場画面m21を表示し、お客さま登録番号、お客さまIDおよびお客さまパスワードを投入し、取引選択画面m22を選択すると、CPU 61は当該操作者を記憶しておき、当該取引選択画面m22には、選択肢として「購入希望案件リスト画面」を加えて表示しておく。
【0155】
当該操作者がこれを選択すると端末9の表示部に購入希望案件リスト画面m2241が表示され、購入希望案件が周知される。かかる案件リスト画面m2241には、購入希望者名を除いた購入希望量、購入希望価格(単価)、購入希望総額を一覧にして表示する。さらに当該画面m2241の表示下部には、売却希望者が売却先として、購入希望案件番号、売却量を投入できる枠と、「追加」および「取引状況通知画面」の選択を設定表示する。売却希望の操作者は、購入希望案件で売却を希望する場合、この枠に番号と売却量数値を投入する。
【0156】
複数件に売却を希望する場合、売却希望登録枠に達するまで売却希望先番号とその売却量を投入する。この場合、当該画面で操作者が最初に売却希望量を投入すると、CPU 61は購入希望者の希望量から操作者の投入した売却量を差し引いてその演算結果を画面の該当箇所に修正表示する。その後に投入する売却希望者は、表示された残量から売却を判断することになる。完了した場合には「取引状況通知画面」をクリックして売却作業を終了する。
【0157】
売却をしない場合には、案件番号は空欄のままにし、かつ売却希望量にゼロを入力し、「取引状況通知画面」をクリックして売却作業を終了する。売却作業を終了した当該操作者がこの表示をクリックすると、CPU 61は端末9の表示部に取引状況通知画面m2251を表示する。
【0158】
取引状況通知画面m2251には、購入希望案件リストに表示する一覧をベースにして、案件番号ごとに示す購入希望量、購入希望単価に続けて、上記の購入希望案件リスト画面m2241において入力した売却希望者の希望量と、されにそれに続けて、購入希望者の了解、売却希望者の了解のクリック枠が示される。1つの購入希望案件に複数の売却希望案件が存在する場合は、売却希望者ごとに行を変えて売却希望者の希望量と、購入希望者の了解、売却希望者の了解のクリック枠を表示する。購入希望者、売却希望者の双方が当該了解枠をクリックして「レ」点を表示すると取引成立となる。
【0159】
当該画面m2251の表示下部には、「取引成立リスト」の表示を示し、操作者がこの表示をクリックすると、取引成立リスト画面m2252が端末9の表示部に表示されるようにする。当該取引成立リスト画面m2252には、上述の手順に従って行った取引の成立案件が、成立順に一覧で表示される。当該画面m2252の下部には、「取引市場概況」と「メインメニュー」の表示を設け、これを操作者がクリックすると図14に示す取引市場概況画面m12もしくはメインメニュー画面m01が表示されるようにする。
【0160】
図16は、輸送業界の削減二酸化炭素ガス量を証券化して配合業界外部に売却する取引市場画面m21の構成概念の一例を示す図である。
【0161】
すなわち、図16は、図14に示す二酸化炭素ガス排出量取引市場ホームページを構成するメインメニュー画面m01の下部層に配置する取引市場の運営のためのメニュー構成の一例であり、図15の説明で記載する内容と同じ画面構成でよい。
【0162】
図16の構成画面で、取引市場画面m21の下部には、図15の場合と同様に取引選択画面m22を配する。当該画面m22には、「画面を選択してください。」の文字を上部に表示し、その下部に図14に示す取引市場概況画面m12へアクセスする「取引市場概況」のほか、「売却」および「購入」の2種を表示して、このうちのいずれかを操作者がクリックすることにより選択できるようにする。
【0163】
当該取引市場に参加する操作者は、二酸化炭素ガス排出量(削減量)の証券売却希望あるいは購入希望のいずれかにより、2種の表示のいずれかを選択し、それによってCPU 61は売却希望登録画面m2261もしくは購入希望登録画面m2281を操作者端末の表示部に表示する。売却希望者は、輸送業界団体でも良いし、輸送業界が証券化・取引のために委託した団体でもよい。
【0164】
また、輸送業者の個々にかかる証券化とその売却を可能なようにして運営しても構わない。
【0165】
CPU 61は、図15に示す場合と同様に、当該取引市場の運営に際して、メインプログラムファイル64に収納する取引市場運営管理プログラムを使用して、まず、証券売却希望を受け付ける。売却希望受付中は、操作者が購入希望登録画面m2231を選択した場合、当該画面に「ただいま、売却希望の受付中です。しばらくお待ちください」の表示をし、購入希望を受け付けない措置を講じる。操作者が選択した売却希望登録画面には、売却希望量、売却希望単価の文字と投入枠を設け、表示画面下部の左または右隅にはタイマー表示を行い、売却希望受付制限時間までの残時間を表示する。
【0166】
タイマー表示はアナログ時計の形でも良いし、ディジタル表示でも良い。当該画面m2261の該当箇所に操作者が数値を投入すると、CPU 61が演算してその合計金額と適用される消費税、および消費税を含めた総額を算定し、演算が終了すると自動的に端末9の表示部に売却希望受理画面m2262を表示し、操作者の投入した売却希望量、売却希望価格(単価)と、その表示画面下部にこれらの算定結果を表示する。
【0167】
さらにその下部には、「売却希望リスト」の文字を表示し、操作者がクリックして選択できるようにする。これを操作者がクリックすることにより、CPU 61は、端末の表示部に売却証券概況画面m2271を表示する。かかる売却証券概況画面m2271には、売却希望者名を除いた売却希望量、売却希望価格(単価)、売却希望総額を一覧にして表示する。
【0168】
CPU 61は、あらかじめ設定する制限時間に達したら、希望受付を締め切り、売却証券概況画面m2271に表示する一覧を作成する。また、売却希望登録画面m2261には、一定制限時間を経過した後は、操作者が当該画面m2261を選択し表示すると、「ご売却の希望受付を終了いたしました。次回取引への参加をお待ちしております」の表示を当該画面m2261の適当な場所に表示し、売却希望の受付を受理しないようにする。
【0169】
一方、操作者が当該証券購入希望者で、購入希望登録画面m2281を選択した場合、上記証券の売却希望受付時間が終了した後、当該画面m2281には、購入希望量と購入希望単位を投入できるようにする。この際、当該画面m2281の下部には売却希望リスト画面の表示を行い、操作者がこれをクリックして随時売却希望証券概況画面m2271を表示し、購入希望先を売却希望リストから選択し、かつ購入希望量および価格を検討できるようにする。
【0170】
かかる購入希望の受付も、売却希望受付と同様、制限時間を設定しておき、購入を希望する操作者が開く購入希望登録画面m2281の左あるいは右隅にタイマー表示を行い、購入希望受付制限時間までの残時間を表示する。当該画面m2281の該当箇所に操作者が案件番号および数値を投入すると、CPU 61が演算してその合計金額と適用される消費税、および消費税を含めた総額を算定し、演算が終了すると自動的に端末の表示部に購入希望受理画面m2282を表示し、操作者の投入した購入希望量、購入希望価格(単価)と、その表示画面下部にこれらの算定結果を表示する。
【0171】
以上の売却希望と購入希望の受付受理作業が終了したら、取引作業に移行する。上述した証券売却希望の操作者は、売却希望を受理された後で、上記の購入希望受付制限時間が経過した後、取引市場画面m21を表示し、お客さま登録番号、お客さまIDおよびお客さまパスワードを投入し、取引選択画面m22を選択すると、CPU 61は当該操作者を記憶しておき、当該取引選択画面m22には、選択肢として「購入希望リスト画面」を加えて表示しておく。
【0172】
当該操作者がこれを選択すると端末の表示部に購入希望リスト画面m2291が表示され、購入希望案件が周知される。かかるリスト画面m2291には、購入希望者名を除いた購入希望量、購入希望価格(単価)、購入希望総額を一覧にして表示する。さらに当該画面m2291の表示下部には、売却希望者が売却先として、購入希望案件番号、売却量を投入できる枠と、「追加」および「取引状況通知画面」の選択を設定表示する。
【0173】
売却希望の操作者は、購入希望案件で売却を希望する場合、この枠に番号と売却量数値を投入する。複数件に売却を希望する場合、売却希望登録枠に達するまで売却希望先番号とその売却量を投入する。この場合、当該画面で操作者が最初に売却希望量を投入すると、CPU 61は購入希望者の希望量から操作者の投入した売却量を差し引いてその演算結果を画面の該当箇所に修正表示する。その後に投入する売却希望者は、表示された残量から売却を判断することになる。
【0174】
完了した場合には「取引状況通知画面」をクリックして売却作業を終了する。売却をしない場合には、案件番号は空欄のままにし、かつ売却希望量にゼロを入力し、「取引状況通知画面」をクリックして売却作業を終了する。売却作業を終了した当該操作者がこの表示をクリックすると、CPU 61は端末9の表示部に取引状況通知画面m2201を表示する。
【0175】
取引状況通知画面m2201には、購入希望リストに表示する一覧をベースにして、案件番号ごとに示す購入希望量、購入希望単価に続けて、上記の購入希望リスト画面m2291において入力した売却希望者の希望量と、されにそれに続けて、購入希望者の了解、売却希望者の了解のクリック枠が示される。1つの購入希望案件に複数の売却希望案件が存在する場合は、売却希望者ごとに行を変えて売却希望者の希望量と、購入希望者の了解、売却希望者の了解のクリック枠を表示する。
【0176】
購入希望者、売却希望者の双方が当該了解枠をクリックして「レ」点を表示すると取引成立となる。当該画面m2201の表示下部には、「取引成立リスト」の表示を示し、操作者がこの表示をクリックすると、取引成立リスト画面m2202が端末の表示部に表示されるようにする。当該取引成立リスト画面m2202には、上述の手順に従って行った取引の成立案件が、成立順に一覧で表示される。
【0177】
当該画面m2202の下部には、「取引市場概況」と「メインメニュー」の表示を設け、これを操作者がクリックすると図14に示す取引市場概況画面m12もしくはメインメニュー画面m01が表示されるようにする。
【0178】
以上図14、図15および図16に示したように、取引仲介業者1が、かかる取引市場ホームページをインターネット上に開設して運営することにより、より効率的で公平な取引市場の運営を実行することができる。
【0179】
これとともに、本発明における輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムは、二酸化炭素ガス排出量低減の方策と排出量削減可能量を輸送業者5のコンピュータ端末9に送信しアドバイスできるシステムを付加する。
【0180】
すなわち、車輌10のコンピュータ端末12や道路周辺の建物などに設置するセンサ類18、19、監視カメラ17や外部機関21のコンピュータ端末22から通信ネットワーク8を介して収集し、データファイル65、データベースファイル66に計測データファイル、走行車輌数データファイル、交通情報ファイル、天候情報ファイルとして収納したこれらの排出量、走行位置変化、交通状態(天候状態を含む)に関するデータを比較演算して年度、月間、季間など一定期間ごとに平均値を算出して、それぞれの相当するファイルに平常状態の数値として入力する。
【0181】
それとともに、上記の演算プログラムに加えて新たにメインプログラムファイル64に排出量削減コンサルタントプログラムを収納し、排気ガス取引仲介サーバ7のCPU 61がこれを用いて、新たに計測した道路の交通状態と二酸化炭素ガス排出量などと当該平均値(平常状態の数値)とを比較演算してその相関性(一致性)を求める。
【0182】
併せて、データベースファイル66には、上記の平常状態の平均値から求めた、道路ごと、あるいは地域ごとの道路走行に関わる位置変化モード、排出ガス量変化モードを環境走行条件ファイルとして新たに追加してあらかじめデータベースファイル66に収納しておき、計測した当該輸送業者の車輌10の走行状態を分析し、その結果である二酸化炭素ガス排出量低減の方策と排出量削減可能量を事業主5のコンピュータ端末9に送信しアドバイスできるシステムを付加する。
【0183】
これにより、希望事業主の二酸化炭素ガス排出量の削減効果が大きくなり、取引市場の規模の拡大や活性化に貢献することになる。
【0184】
本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムでは、さらに別の取引サービスを付与することを提案する。
【0185】
すなわち、取引仲介業者1と取引市場に参加する輸送業者5とが、あらかじめ設定した期間における当該事業者5の売却可能な二酸化炭素ガス排出量を定め、二酸化炭素ガス排出の削減実績量と当該ガス排出量削減目標値との差と当該売却可能設定量との差に応じて、事業者5もしくは取引仲介業者1が精算金を支払う制度を当該取引仲介システムに付与するものである。
【0186】
図17は、二酸化炭素ガス排出削減量清算取引運営の手順の一概念例を示す図である。
【0187】
すなわち、図17において、ステップS71で取引仲介業者1の排気ガス取引仲介サーバ7上にインターネット二酸化炭素ガス排出量生産取引市場のホームページを開設し、参加事業者5を募集する。本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムの参加事業者5は、ステップS72において該当期間における各自のガス排出量(削減量)を予想し、かかる推定削減量が課されたガス削減目標値を超え、売却可能となるかどうかを判断し、可能ならば応募する。取引仲介業者1は、ステップS73で一定期間の募集に応募した事業者5を決定する。
【0188】
取引仲介業者1と、当該取引市場に応募した事業者5とは、ステップS74で取引仲介業者1の排気ガス取引仲介サーバ7に収納してある前期の二酸化炭素ガス排出量実績データ、前期の二酸化炭素ガス排出量取引データ、および今期の二酸化炭素ガス排出量目標データなどの基礎データを比較演算して、清算取引の二酸化炭素ガス排出推定量と売却推定価格(単価)を決定する。
【0189】
こうして決定した二酸化炭素ガス排出量と売却単価に対して、二酸化炭素ガス取引市場のステップS07で実施する二酸化炭素ガス排出量の計測と、ステップS09でこれをもとに算定したガス排出量とから、生産取引市場に関わる二酸化炭素ガス排出削減目標値と当該ガス削減量の実績値との差を求める。ステップS75では、この差、すなわち当該生産取引市場の実績値とステップS74で決定した推定量とを比較して、推定量が多かった場合にはステップS76で事業者5が取引仲介業者1に精算金を支払う。
【0190】
かかる精算金は以下の算式で算定される。
【0191】
精算金=|二酸化炭素ガス取引市場で売却した単価×(実績量−推定量)|
もし、二酸化炭素ガス排出量の実績値が前期より大きくなり増加した場合、実績量はマイナス値で上記算定式に適用される。
【0192】
ステップS75において推定量が多くなかった場合は、ステップS77においてさらに推定量と実績量との比較を行い、推定量と実績量が等しい場合はステップS78で、取引仲介業者1と事業者5との間に精算金の支払いは発生しない。ステップS77で、推定量を実績量が上回る場合は、ステップS79で取引仲介業者1が上記算式に従って精算金を事業者5に支払う。
【0193】
ただし、図17の二酸化炭素ガス排出量清算取引市場の手順はあくまでも本発明の具体的な一概念例を示したものであり、本発明の内容を実現すればよく、何らこれに限定されない。
【0194】
本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムにおいては、さらに、参加事業主に対して、地方自治体などで課す温暖化対策計画の策定と計画書の作成およびその実施の報告書作成を代行するシステムを付与する。
【0195】
すなわち、取引仲介業者1の排気ガス取引仲介サーバ7に収集した売買取引市場に参加する輸送業者5の二酸化炭素ガス排出量の年間総量を算出し、輸送業者5が地方自治体等に申請する環境対策実施計画の策定と計画書の作成を行うとともに、二酸化炭素ガス排出量の計測と排出量算定の実施データからかかる計画の実行結果を比較演算し、実施報告書の作成を実施するシステムを付与するものである。かかるシステムの実現は、複雑な作業から輸送業者5を解放しあわせて、当該地方自治体など、管理団体にとってはより具体的な取り組みを実現できるとともに精度の高い活動報告を得られるメリットが生じる。
【0196】
本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムを運営する取引仲介業者としては、個々の事業主に対してより公平な機関が望ましい。具体的には、当該輸送業団体、または輸送業と事業的に無関係であるか、もしくは直接にかかわりのない第三者が取引仲介業者として、取引仲介業務を実施する。
【0197】
本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムを運営する取引仲介業者として上記とは別に、当該取引事業団体または取引事業主の1者もしくは複数者が、あるいは他の第三者が中心となって特別目的会社(Special Purpose Company、以下、SPCと称す)を設立してこれを充当する。
【0198】
当該SPCが当該取引仲介システムの運営に必要な排気ガス取引仲介サーバ、輸送車輌に搭載する二酸化炭素ガスセンサ、コンピュータ端末、無線送受信機、道路周辺に設置するセンサ類、監視カメラ、無線送受信機を購入し保有し、当該取引仲介システムの運用に参加する事業主、事業団体にこれらを貸与して運用を実施する。
【0199】
図18に、本発明の輸送業二酸化炭素ガス取引仲介システムの取引仲介業者としてSPCを充当する場合の一概念例を示す図である。
【0200】
図18において、SPCは輸送業団体と輸送業者の一輸送業者Aと地方自治体が設立する。これら3団体は、SPC設立のために出資を行い、SPCはこれに対して出資者に利益の一定割合を配当金として支払う。図18では、地方自治体が交通状態の計測システムを購入し、これらの所有権をSPCに譲渡し、その代金をSPCから受領する。
【0201】
SPCは、本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムを運用し、当該システムの運用に際して開設する取引市場に参加する輸送業者から手数料を徴収する。SPCは、また当該参加輸送業者の所有する輸送車輌に搭載するセンサ、コンピュータ端末、無線送受信機を購入し、これらを輸送業者に貸与する。SPCは貸与した輸送業者から貸与料を受領する。このようにして、より各団体の運用負担を軽減し、かつ公平な機関を設定してより効率的かつ信頼性の高い運用を実現することができる。
【0202】
ただし、図8に示すSPCの概念はあくまでも本発明の一具体例に過ぎず、本発明の内容が実現されれば良く何らこの構成概念に限定されることはない。
【0203】
付記 本発明は、次の特徴を有する。
【0204】
(付記1) 顧客から物品または人の輸送を受託して輸送する輸送業の事業主の保有する車輌のすべて、または、かかる排気ガスの排出量の計測を代表できる事業地域ごと、あるいは車輌の車種ごとに選定した車輌に搭載された事業主のコンピュータ端末と、この事業主のコンピュータ端末に通信ネットワークを介して接続される排気ガス取引仲介サーバと、を有する輸送業排気ガス排出量取引仲介システムであって、
前記事業主のコンピュータ端末は、
道路を走行する個々の輸送車輌から排出される排気ガス排出量の削減量が、あらかじめ設定された排気ガス排出量削減目標値を上回る場合には、過剰削減量の全部または一部の外部の第三者への売却の仲介を、前記排気ガス取引仲介サーバに依頼し、
他方、道路を走行する個々の輸送車輌から排出される排気ガス排出量の削減量が、前記あらかじめ設定された排気ガス排出量削減目標値を下回る場合には、不足削減量の全部または一部の外部の第三者からの購入の仲介を、前記排気ガス取引仲介サーバに依頼し、
前記排気ガス取引仲介サーバは、前記依頼された売却と前記依頼された購入とを仲介する、
ことを特徴とする輸送業排気ガス排出量取引仲介システム。
【0205】
(付記2) 付記1に記載の輸送業排気ガス排出量取引仲介システムにおいて、さらに、
前記排気ガス取引仲介サーバは、前記通信ネットワークを介して接続される輸送業の各事業主に対して、輸送業に対して設定された排気ガス排出量削減目標値の一定期間における総量を配分し、
前記事業主のコンピュータ端末は、道路を走行する個々の輸送車輌から排出される排気ガス排出量の削減量が、前記配分された排気ガス排出量削減目標値を上回る場合に、過剰削減量の全部または一部について売却価格を設定し、かつ、この売却価格の設定された過剰削減量の全部または一部の外部の第三者への売却の仲介を、前記排気ガス取引仲介サーバに依頼する、
ことを特徴とする輸送業排気ガス排出量取引仲介システム。
【0206】
(付記3) 付記2に記載の輸送業排気ガス排出量取引仲介システムにおいて、さらに、
前記排気ガス取引仲介サーバは、
前記仲介を希望する事業主を通信ネットワーク上で一定期間募集し、
前記事業主のコンピュータ端末から前記仲介を希望する旨の応募があった場合に、この応募があった事業主のコンピュータ端末に係る事業主に関する企業名または個人名、資本金、従業員数、経常利益などの事業内容をID化するとともに、この応募があった事業主のコンピュータ端末に係る事業主に関する所有輸送車の車種、台数、年間取引高、営業地域、輸送車量の年間総計走行距離をデータベース化し、
前記応募のあった事業主のコンピュータ端末に対して前記仲介を依頼する権利として個別のパスワードを送信し、
前記応募のあった事業主のコンピュータ端末の事業主に対して、輸送業の排気ガス排出量削減目標値の一定期間における総量を、その輸送車種、台数、年間走行距離に対応して配分する、
ことを特徴とする輸送業排気ガス排出量取引仲介システム。
【0207】
(付記4) 付記1または付記2に記載の輸送業排気ガス排出量取引仲介システムにおいて、さらに、
前記排気ガス取引仲介サーバは、
前記事業主のコンピュータ端末に対して、この事業主のコンピュータ端末に接続された排気ガス排出量を計測できるセンサを用いて、一定期間における事業主の排気ガス排出量の計測を通信ネットワークを介して指示し、
前記事業主のコンピュータ端末が前記指示に従って前記センサを用いて計測したデータを通信ネットワークを介して収集し、
前記収集したデータから前記事業主の排気ガス排出量を算定し、この算定した排気ガス排出量を前記事業主のコンピュータ端末に送信し、
前記事業主のコンピュータ端末は、前記排気ガス取引仲介サーバから送信された排気ガス排出量を認定できる、
ことを特徴とする輸送業排気ガス排出量取引仲介システム。
【0208】
(付記5) 付記1または付記2または付記4に記載の輸送業排気ガス排出量取引仲介システムにおいて、さらに、
前記排気ガス取引仲介サーバは、
前記事業主のコンピュータ端末が売却または購入を依頼できる排気ガス排出量の単位を二酸化炭素相当トンとし、
前記事業主のコンピュータ端末が売却または購入の依頼を開始できる日である開催日およびこの開催日における前記売却依頼の開始時間を設け、
前記売却依頼の開始時間から一定時間の売却依頼制限時間を設けて、この売却依頼制限時間内に前記排気ガス排出量の売却希望量および価格を提示して前記売却の依頼ができる旨を通信ネットワークを介して前記事業主のコンピュータ端末に報知し、
前記売却依頼制限時間を経過した時点で前記売却依頼のエントリーを締め切って、これら売却依頼のエントリーを通信ネットワークを介して前記事業主のコンピュータ端末に報知するとともに、購入依頼の開始時間を設け、
前記購入依頼の開始時間から一定時間の購入依頼制限時間を設けて、この購入依頼制限時間内に前記排気ガス排出量の購入量と購入希望価格とを提示して前記購入の依頼ができる旨を通信ネットワークを介して前記事業主のコンピュータ端末に報知し、
前記購入制限時間に到達した時点で前記購入依頼のエントリーを締め切るとともに、これら購入依頼のエントリーを通信ネットワークを介して前記事業主のコンピュータ端末に報知し、
前記購入依頼制限時間から一定時間を経過した後に、前記売却依頼のエントリーをした前記事業主のコンピュータ端末から売却可能量と売却価格とを通信ネットワークを介して取得して、前記売却の依頼と前記購入の依頼とを仲介し、
前記仲介の結果、前記売却または購入できた前記事業主のコンピュータ端末に、それぞれ、売却または購入できた旨の情報を送信するとともに、前記売却または購入の依頼のエントリーをした前記事業主のコンピュータ端末に、前記購入できた事業主の名前を除外した取引結果、および取引高、平均取引価格(売却平均希望額および購入平均希望額)の取引市場情報を報知し、
前記売却または購入の依頼のエントリーをした前記事業主のコンピュータ端末の事業主からは一定金額を、前記売却または購入できた売却または購入額の一定割合の金額を通信ネットワークを介して徴収する、
ことを特徴とする輸送業排気ガス排出量取引仲介システム。
【0209】
(付記6) 記付記1に記載の輸送業排気ガス排出量取引仲介システムにおいて、さらに、
前記排気ガス取引仲介サーバは、
蓄積した排気ガス排出量データを演算して一定期間における輸送業界全体の排気ガス排出量の削減量を予測し、
前記予測された排気ガス排出量の削減量の一部について削減量に応じた価格を設定し、
前記設定され価格を通信ネットワーク上で公開し、輸送業界以外の第三者のコンピュータ端末から前記価格で前記排気ガス排出量の削減量の一部を購入する旨の申し込みがあった場合に、前記排気ガス排出量の削減量の一部を前記価格で売却し、その売却額の一定割合を手数料として通信ネットワークを介して徴収し、前記事業主のコンピュータ端末から、前記一定期間における前記事業主の排気ガス排出量削減目標値を通信ネットワークを介して収集し、
前記前記事業主の排気ガス排出量削減目標値と前記事業主が削減できた排気ガス排出量を比較演算して、前記第三者への排気ガス削減量の売却額から前記手数料を差し引いた残額の分配額を算定する、
ことを特徴とする輸送業排気ガス排出量取引仲介システム。
【0210】
(付記7) 付記1または付記2に記載の輸送業排気ガス排出量取引仲介システムにおいて、さらに、
前記排気ガス取引仲介サーバは、
前記事業主のコンピュータ端末があらかじめ設定した期間内に前記排気ガス取引仲介サーバに売却できる排気ガス排出量の売却量を定め、
道路を走行する個々の輸送車輌から排出される排気ガス排出量の削減量が、前記輸送業に対して設定された排気ガス排出量削減目標値を上回る場合に、前記売却量を限度として、過剰削減量の全部または一部について精算金を支払う、
ことを特徴とする輸送業排気ガス排出量取引仲介システム。
【0211】
(付記8) 付記1または付記2または付記4〜付記7のいずれか1項に記載の輸送業排気ガス排出量取引仲介システムにおいて、さらに、
前記排気ガス取引仲介サーバは、
道路周辺の建物、交通施設、設置物に設定された監視カメラ、排気ガスセンサ、通行車輌台数計測センサが計測した、道路の交通量、走行車輌の構成比率、排気ガス濃度を、前記監視カメラ、排気ガスセンサ、通行車輌台数計測センサに接続された無線アンテナおよび通信ネットワークを介して収集し、
前記事業主のコンピュータ端末がGPSを利用して取得した前記車輌の走行位置を、通信ネットワークを介して収集し、
前記収集した道路の交通量、走行車輌の構成比率、排気ガス濃度および前記車輌の走行位置に基づいて前記車輌の走行地域環境レベルを算定し、
前記算定した走行地域環境レベルに応じて前記事業主の排気ガス排出量の取引金額の調整、上限価格設定などの措置を時限的に実施する、
ことを特徴とする輸送業排気ガス取引仲介システム。
【0212】
(付記9) 付記1または付記2または付記4または付記8に記載の輸送業排気ガス排出量取引仲介システムにおいて、さらに、前記排気ガス取引仲介サーバは、前記収集した排出量、交通状態に関するデータを比較演算して前記事業主の輸送車の運転状態または道路の交通状態と排気ガス排出量との相関を算出し、排気ガス排出量低減の方策と排出量削減可能量を前記事業主のコンピュータ端末に対してアドバイスすることを特徴とする輸送業排気ガス排出量取引仲介システム。
【0213】
(付記10) 付記1に記載の輸送業排気ガス排出量取引仲介システムにおいて、さらに、前記排気ガス取引仲介サーバは、前記収集した事業主の排気ガス排出量の年間総量を算出し、事業主によって地方自治体等に申請される環境対策実施結果および環境対策実施計画書の作成することを特徴とする輸送業排気ガス排出量取引仲介システム。
【0214】
(付記11) 前記排気ガス取引仲介サーバは、輸送業団体、または輸送業と事業的に無関係であるか、もしくは直接にかかわりのない第三者から選定された者によって管理されることを特徴とする付記1に記載の輸送業排気ガス排出量取引仲介システム。
【0215】
(付記12) 前記排気ガス取引仲介サーバ、輸送車輌に搭載する排気ガスセンサ、前記事業主のコンピュータ端末、無線送受信機、道路周辺に設置するセンサ類、監視カメラ、無線送受信機は、輸送業団体またはこの団体の構成員の1者もしくは複数者または他の第三者が中心となって設立された特別目的会社(Special Purpose Company、以下、SPCと称す)によって購入および保有され、前記輸送業団体および前記事業主に貸与される、ことを特徴とする付記1または付記2または付記4または付記8または付記11に記載の輸送業排気ガス排出量取引仲介システム。
【0216】
(付記13) 顧客から物品または人の輸送を受託して輸送する輸送業の事業主の保有する車輌のすべて、または、かかる排気ガスの排出量の計測を代表できる事業地域ごと、あるいは車輌の車種ごとに選定した車輌に搭載された事業主のコンピュータ端末に、通信ネットワークを介して接続される排気ガス取引仲介サーバであって、
前記事業主のコンピュータ端末から、道路を走行する個々の輸送車輌から排出される排気ガス排出量の削減量が、あらかじめ設定された排気ガス排出量削減目標値を上回る場合に依頼される、過剰削減量の全部または一部の外部の第三者への売却と、
前記事業主のコンピュータ端末から、道路を走行する個々の輸送車輌から排出される排気ガス排出量の削減量が、前記あらかじめ設定された排気ガス排出量削減目標値を下回る場合に依頼される、不足削減量の全部または一部の外部の第三者からの購入と、
を仲介する手段を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバ。
【0217】
(付記14) 付記1に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、
前記通信ネットワークを介して接続される輸送業の各事業主に対して、輸送業に対して設定された排気ガス排出量削減目標値の一定期間における総量を配分する手段と、
前記事業主のコンピュータ端末から、道路を走行する個々の輸送車輌から排出される排気ガス排出量の削減量が、前記配分された排気ガス排出量削減目標値を上回る場合に依頼される、売却価格の設定された過剰削減量の全部または一部の外部の第三者への売却を、この外部の第三者との間で仲介する手段と、
を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバ。
【0218】
(付記15) 付記14に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、
前記仲介を希望する事業主を通信ネットワーク上で一定期間募集する手段と、
前記事業主のコンピュータ端末から前記仲介を希望する旨の応募があった場合に、この応募があった事業主のコンピュータ端末に係る事業主に関する企業名または個人名、資本金、従業員数、経常利益などの事業内容をID化するとともに、この応募があった事業主のコンピュータ端末に係る事業主に関する所有輸送車の車種、台数、年間取引高、営業地域、輸送車量の年間総計走行距離をデータベース化する手段と、
前記応募のあった事業主のコンピュータ端末に対して前記仲介を依頼する権利として個別のパスワードを送信する手段と、
前記応募のあった事業主のコンピュータ端末の事業主に対して、輸送業の排気ガス排出量削減目標値の一定期間における総量を、その輸送車種、台数、年間走行距離に対応して配分する手段と、
を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバ。
【0219】
(付記16) 付記13または付記14に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、
前記事業主のコンピュータ端末に対して、この事業主のコンピュータ端末に接続された排気ガス排出量を計測できるセンサを用いて、一定期間における事業主の排気ガス排出量の計測を通信ネットワークを介して指示する手段と、
前記事業主のコンピュータ端末が前記指示に従って前記センサを用いて計測したデータを通信ネットワークを介して収集する手段と、
前記収集したデータから前記事業主の排気ガス排出量を算定し、この算定した排気ガス排出量を前記事業主のコンピュータ端末に送信する手段と、
を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバ。
【0220】
(付記17) 付記13または付記14または付記16に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、
前記事業主のコンピュータ端末が売却または購入を依頼できる排気ガス排出量の単位を二酸化炭素相当トンとする手段と、
前記事業主のコンピュータ端末が売却または購入の依頼を開始できる日である開催日およびこの開催日における前記売却依頼の開始時間を設ける手段と、
前記売却依頼の開始時間から一定時間の売却依頼制限時間を設けて、この売却依頼制限時間内に前記排気ガス排出量の売却希望量および価格を提示して前記売却の依頼ができる旨を通信ネットワークを介して前記事業主のコンピュータ端末に報知する手段と、
前記売却依頼制限時間を経過した時点で前記売却依頼のエントリーを締め切って、これら売却依頼のエントリーを通信ネットワークを介して前記事業主のコンピュータ端末に報知するとともに、購入依頼の開始時間を設ける手段と、
前記購入依頼の開始時間から一定時間の購入依頼制限時間を設けて、この購入依頼制限時間内に前記排気ガス排出量の購入量と購入希望価格とを提示して前記購入の依頼ができる旨を通信ネットワークを介して前記事業主のコンピュータ端末に報知する手段と、
前記購入制限時間に到達した時点で前記購入依頼のエントリーを締め切るとともに、これら購入依頼のエントリーを通信ネットワークを介して前記事業主のコンピュータ端末に報知する手段と、
前記購入依頼制限時間から一定時間を経過した後に、前記売却依頼のエントリーをした前記事業主のコンピュータ端末から売却可能量と売却価格とを通信ネットワークを介して取得して、前記売却の依頼と前記購入の依頼とを仲介する手段と、
前記仲介の結果、前記売却または購入できた前記事業主のコンピュータ端末に、それぞれ、売却または購入できた旨の情報を送信するとともに、前記売却または購入の依頼のエントリーをした前記事業主のコンピュータ端末に、前記購入できた事業主の名前を除外した取引結果、および取引高、平均取引価格(売却平均希望額および購入平均希望額)の取引市場情報を報知する手段と、
前記売却または購入の依頼のエントリーをした前記事業主のコンピュータ端末の事業主からは一定金額を、前記売却または購入できた売却または購入額の一定割合の金額を通信ネットワークを介して徴収する手段と、
を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバ。
【0221】
(付記18) 付記13に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、
蓄積した排気ガス排出量データを演算して一定期間における輸送業界全体の排気ガス排出量の削減量を予測する手段と、
前記予測された排気ガス排出量の削減量の一部について削減量に応じた価格を設定する手段と、
前記設定され価格を通信ネットワーク上で公開し、輸送業界以外の第三者のコンピュータ端末から前記価格で前記排気ガス排出量の削減量の一部を購入する旨の申し込みがあった場合に、前記排気ガス排出量の削減量の一部を前記価格で売却し、その売却額の一定割合を手数料として通信ネットワークを介して徴収する手段と、
前記事業主のコンピュータ端末から、前記一定期間における前記事業主の排気ガス排出量削減目標値を通信ネットワークを介して収集する手段と、
前記前記事業主の排気ガス排出量削減目標値と前記事業主が削減できた排気ガス排出量を比較演算して、前記第三者への排気ガス削減量の売却額から前記手数料を差し引いた残額の分配額を算定する手段と、
を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバ。
【0222】
(付記19) 付記13または付記14に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、
前記事業主のコンピュータ端末があらかじめ設定した期間内に前記排気ガス取引仲介サーバに売却できる排気ガス排出量の売却量を定める手段と、
道路を走行する個々の輸送車輌から排出される排気ガス排出量の削減量が、前記輸送業に対して設定された排気ガス排出量削減目標値を上回る場合に、前記売却量を限度として、過剰削減量の全部または一部について精算金を支払う手段と、
を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバ。
【0223】
(付記20) 付記13または付記14または付記16〜付記19のいずれか1項に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、
道路周辺の建物、交通施設、設置物に設定された監視カメラ、排気ガスセンサ、通行車輌台数計測センサが計測した、道路の交通量、走行車輌の構成比率、排気ガス濃度を、前記監視カメラ、排気ガスセンサ、通行車輌台数計測センサに接続された無線アンテナおよび通信ネットワークを介して収集する手段と、
前記事業主のコンピュータ端末がGPSを利用して取得した前記車輌の走行位置を、通信ネットワークを介して収集する手段と、
前記収集した道路の交通量、走行車輌の構成比率、排気ガス濃度および前記車輌の走行位置に基づいて前記車輌の走行地域環境レベルを算定する手段と、
前記算定した走行地域環境レベルに応じて前記事業主の排気ガス排出量の取引金額の調整、上限価格設定などの措置を時限的に実施する手段と、
を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバ。
【0224】
(付記21) 付記13または付記14または付記16または付記20に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、前記収集した排出量、交通状態に関するデータを比較演算して前記事業主の輸送車の運転状態または道路の交通状態と排気ガス排出量との相関を算出し、排気ガス排出量低減の方策と排出量削減可能量を前記事業主のコンピュータ端末に対してアドバイスする手段を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバ。
【0225】
(付記22) 付記13に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、前記収集した事業主の排気ガス排出量の年間総量を算出し、事業主によって地方自治体等に申請される環境対策実施結果および環境対策実施計画書の作成する手段を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバ。
【0226】
(付記23) 付記13に記載の排気ガス取引仲介サーバであって、輸送業団体、または輸送業と事業的に無関係であるか、もしくは直接にかかわりのない第三者から選定された者によって管理されることを特徴とする排気ガス取引仲介サーバ。
【0227】
(付記24) 付記13または付記14または付記16または付記20または付記23に記載の排気ガス取引仲介サーバであって、輸送車輌に搭載する排気ガスセンサ、前記事業主のコンピュータ端末、無線送受信機、道路周辺に設置するセンサ類、監視カメラ、無線送受信機は、輸送業団体またはこの団体の構成員の1者もしくは複数者または他の第三者が中心となって設立された特別目的会社(Special Purpose Company、以下、SPCと称す)によって購入および保有され、前記輸送業団体および前記事業主に貸与される、ことを特徴とする排気ガス取引仲介サーバ。
【0228】
(付記25) 顧客から物品または人の輸送を受託して輸送する輸送業の事業主の保有する車輌のすべて、または、かかる排気ガスの排出量の計測を代表できる事業地域ごと、あるいは車輌の車種ごとに選定した車輌に搭載された事業主のコンピュータ端末に、通信ネットワークを介して接続される排気ガス取引仲介サーバにおいて、
前記事業主のコンピュータ端末から、道路を走行する個々の輸送車輌から排出される排気ガス排出量の削減量が、あらかじめ設定された排気ガス排出量削減目標値を上回る場合に依頼される、過剰削減量の全部または一部の外部の第三者への売却と、
前記事業主のコンピュータ端末から、道路を走行する個々の輸送車輌から排出される排気ガス排出量の削減量が、前記あらかじめ設定された排気ガス排出量削減目標値を下回る場合に依頼される、不足削減量の全部または一部の外部の第三者からの購入と、
を仲介するステップを有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバの処理方法。
【0229】
(付記26) 付記25に記載の排気ガス取引仲介サーバの処理方法において、さらに、
前記通信ネットワークを介して接続される輸送業の各事業主に対して、輸送業に対して設定された排気ガス排出量削減目標値の一定期間における総量を配分するステップと、
前記事業主のコンピュータ端末から、道路を走行する個々の輸送車輌から排出される排気ガス排出量の削減量が、前記配分された排気ガス排出量削減目標値を上回る場合に依頼される、売却価格の設定された過剰削減量の全部または一部の外部の第三者への売却を、この外部の第三者との間で仲介するステップと、
を前記排気ガス取引仲介サーバにおいて有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバの処理方法。
【0230】
(付記27) 付記26に記載の排気ガス取引仲介サーバの処理方法において、さらに、
前記仲介を希望する事業主を通信ネットワーク上で一定期間募集するステップと、
前記事業主のコンピュータ端末から前記仲介を希望する旨の応募があった場合に、この応募があった事業主のコンピュータ端末に係る事業主に関する企業名または個人名、資本金、従業員数、経常利益などの事業内容をID化するとともに、この応募があった事業主のコンピュータ端末に係る事業主に関する所有輸送車の車種、台数、年間取引高、営業地域、輸送車量の年間総計走行距離をデータベース化するステップと、
前記応募のあった事業主のコンピュータ端末に対して前記仲介を依頼する権利として個別のパスワードを送信するステップと、
前記応募のあった事業主のコンピュータ端末の事業主に対して、輸送業の排気ガス排出量削減目標値の一定期間における総量を、その輸送車種、台数、年間走行距離に対応して配分するステップと、
を前記排気ガス取引仲介サーバにおいて有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバの処理方法。
【0231】
(付記28) 付記25または付記26に記載の排気ガス取引仲介サーバの処理方法において、さらに、
前記事業主のコンピュータ端末に対して、この事業主のコンピュータ端末に接続された排気ガス排出量を計測できるセンサを用いて、一定期間における事業主の排気ガス排出量の計測を通信ネットワークを介して指示するステップと、
前記事業主のコンピュータ端末が前記指示に従って前記センサを用いて計測したデータを通信ネットワークを介して収集するステップと、
前記収集したデータから前記事業主の排気ガス排出量を算定し、この算定した排気ガス排出量を前記事業主のコンピュータ端末に送信するステップと、
を前記排気ガス取引仲介サーバにおいて有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバの処理方法。
【0232】
(付記29) 付記25または付記26または付記28に記載の排気ガス取引仲介サーバの処理方法において、さらに、
前記事業主のコンピュータ端末が売却または購入を依頼できる排気ガス排出量の単位を二酸化炭素相当トンとするステップと、
前記事業主のコンピュータ端末が売却または購入の依頼を開始できる日である開催日およびこの開催日における前記売却依頼の開始時間を設けるステップと、
前記売却依頼の開始時間から一定時間の売却依頼制限時間を設けて、この売却依頼制限時間内に前記排気ガス排出量の売却希望量および価格を提示して前記売却の依頼ができる旨を通信ネットワークを介して前記事業主のコンピュータ端末に報知するステップと、
前記売却依頼制限時間を経過した時点で前記売却依頼のエントリーを締め切って、これら売却依頼のエントリーを通信ネットワークを介して前記事業主のコンピュータ端末に報知するとともに、購入依頼の開始時間を設けるステップと、
前記購入依頼の開始時間から一定時間の購入依頼制限時間を設けて、この購入依頼制限時間内に前記排気ガス排出量の購入量と購入希望価格とを提示して前記購入の依頼ができる旨を通信ネットワークを介して前記事業主のコンピュータ端末に報知するステップと、
前記購入制限時間に到達した時点で前記購入依頼のエントリーを締め切るとともに、これら購入依頼のエントリーを通信ネットワークを介して前記事業主のコンピュータ端末に報知するステップと、
前記購入依頼制限時間から一定時間を経過した後に、前記売却依頼のエントリーをした前記事業主のコンピュータ端末から売却可能量と売却価格とを通信ネットワークを介して取得して、前記売却の依頼と前記購入の依頼とを仲介するステップと、
前記仲介の結果、前記売却または購入できた前記事業主のコンピュータ端末に、それぞれ、売却または購入できた旨の情報を送信するとともに、前記売却または購入の依頼のエントリーをした前記事業主のコンピュータ端末に、前記購入できた事業主の名前を除外した取引結果、および取引高、平均取引価格(売却平均希望額および購入平均希望額)の取引市場情報を報知するステップと、
前記売却または購入の依頼のエントリーをした前記事業主のコンピュータ端末の事業主からは一定金額を、前記売却または購入できた売却または購入額の一定割合の金額を通信ネットワークを介して徴収するステップと、
を前記排気ガス取引仲介サーバにおいて有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバの処理方法。
【0233】
(付記30) 付記25に記載の排気ガス取引仲介サーバの処理方法において、さらに、
蓄積した排気ガス排出量データを演算して一定期間における輸送業界全体の排気ガス排出量の削減量を予測するステップと、
前記予測された排気ガス排出量の削減量の一部について削減量に応じた価格を設定するステップと、
前記設定され価格を通信ネットワーク上で公開し、輸送業界以外の第三者のコンピュータ端末から前記価格で前記排気ガス排出量の削減量の一部を購入する旨の申し込みがあった場合に、前記排気ガス排出量の削減量の一部を前記価格で売却し、その売却額の一定割合を手数料として通信ネットワークを介して徴収するステップと、
前記事業主のコンピュータ端末から、前記一定期間における前記事業主の排気ガス排出量削減目標値を通信ネットワークを介して収集するステップと、
前記前記事業主の排気ガス排出量削減目標値と前記事業主が削減できた排気ガス排出量を比較演算して、前記第三者への排気ガス削減量の売却額から前記手数料を差し引いた残額の分配額を算定するステップと、
を前記排気ガス取引仲介サーバにおいて有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバの処理方法。
【0234】
(付記31) 付記25または付記26に記載の排気ガス取引仲介サーバの処理方法において、さらに、
前記事業主のコンピュータ端末があらかじめ設定した期間内に前記排気ガス取引仲介サーバに売却できる排気ガス排出量の売却量を定めるステップと、
道路を走行する個々の輸送車輌から排出される排気ガス排出量の削減量が、前記輸送業に対して設定された排気ガス排出量削減目標値を上回る場合に、前記売却量を限度として、過剰削減量の全部または一部について精算金を支払うステップと、
を前記排気ガス取引仲介サーバにおいて有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバの処理方法。
【0235】
(付記32) 付記25または付記26または付記28〜付記31のいずれか1項に記載の排気ガス取引仲介サーバの処理方法において、さらに、
道路周辺の建物、交通施設、設置物に設定された監視カメラ、排気ガスセンサ、通行車輌台数計測センサが計測した、道路の交通量、走行車輌の構成比率、排気ガス濃度を、前記監視カメラ、排気ガスセンサ、通行車輌台数計測センサに接続された無線アンテナおよび通信ネットワークを介して収集するステップと、
前記事業主のコンピュータ端末がGPSを利用して取得した前記車輌の走行位置を、通信ネットワークを介して収集するステップと、
前記収集した道路の交通量、走行車輌の構成比率、排気ガス濃度および前記車輌の走行位置に基づいて前記車輌の走行地域環境レベルを算定するステップと、
前記算定した走行地域環境レベルに応じて前記事業主の排気ガス排出量の取引金額の調整、上限価格設定などの措置を時限的に実施するステップと、
を前記排気ガス取引仲介サーバにおいて有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバの処理方法。
【0236】
(付記33) 付記25または付記26または付記28または付記32に記載の排気ガス取引仲介サーバの処理方法において、さらに、
前記収集した排出量、交通状態に関するデータを比較演算して前記事業主の輸送車の運転状態または道路の交通状態と排気ガス排出量との相関を算出し、排気ガス排出量低減の方策と排出量削減可能量を前記事業主のコンピュータ端末に対してアドバイスするステップを前記排気ガス取引仲介サーバにおいて有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバの処理方法。
【0237】
(付記34) 付記25に記載の排気ガス取引仲介サーバの処理方法において、さらに、前記収集した事業主の排気ガス排出量の年間総量を算出し、事業主によって地方自治体等に申請される環境対策実施結果および環境対策実施計画書の作成するステップを前記排気ガス取引仲介サーバにおいて有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバの処理方法。
【0238】
(付記35) 顧客から物品または人の輸送を受託して輸送する輸送業の事業主の保有する車輌のすべて、または、かかる排気ガスの排出量の計測を代表できる事業地域ごと、あるいは車輌の車種ごとに選定した車輌に搭載された事業主のコンピュータ端末に、通信ネットワークを介して接続される排気ガス取引仲介サーバに、
前記事業主のコンピュータ端末から、道路を走行する個々の輸送車輌から排出される排気ガス排出量の削減量が、あらかじめ設定された排気ガス排出量削減目標値を上回る場合に依頼される、過剰削減量の全部または一部の外部の第三者への売却と、
前記事業主のコンピュータ端末から、道路を走行する個々の輸送車輌から排出される排気ガス排出量の削減量が、前記あらかじめ設定された排気ガス排出量削減目標値を下回る場合に依頼される、不足削減量の全部または一部の外部の第三者からの購入と、
を仲介するステップを実行させることを特徴とするプログラム。
【0239】
(付記36) 付記35に記載のプログラムにおいて、さらに、
前記通信ネットワークを介して接続される輸送業の各事業主に対して、輸送業に対して設定された排気ガス排出量削減目標値の一定期間における総量を配分するステップと、
前記事業主のコンピュータ端末から、道路を走行する個々の輸送車輌から排出される排気ガス排出量の削減量が、前記配分された排気ガス排出量削減目標値を上回る場合に依頼される、売却価格の設定された過剰削減量の全部または一部の外部の第三者への売却を、この外部の第三者との間で仲介するステップと、
を前記排気ガス取引仲介サーバに実行させることを特徴とするプログラム。
【0240】
(付記37) 付記36に記載のプログラムにおいて、さらに、
前記仲介を希望する事業主を通信ネットワーク上で一定期間募集するステップと、
前記事業主のコンピュータ端末から前記仲介を希望する旨の応募があった場合に、この応募があった事業主のコンピュータ端末に係る事業主に関する企業名または個人名、資本金、従業員数、経常利益などの事業内容をID化するとともに、この応募があった事業主のコンピュータ端末に係る事業主に関する所有輸送車の車種、台数、年間取引高、営業地域、輸送車量の年間総計走行距離をデータベース化するステップと、
前記応募のあった事業主のコンピュータ端末に対して前記仲介を依頼する権利として個別のパスワードを送信するステップと、
前記応募のあった事業主のコンピュータ端末の事業主に対して、輸送業の排気ガス排出量削減目標値の一定期間における総量を、その輸送車種、台数、年間走行距離に対応して配分するステップと、
を前記排気ガス取引仲介サーバに実行させることを特徴とするプログラム。
【0241】
(付記38) 付記35または付記36に記載のプログラムにおいて、さらに、
前記事業主のコンピュータ端末に対して、この事業主のコンピュータ端末に接続された排気ガス排出量を計測できるセンサを用いて、一定期間における事業主の排気ガス排出量の計測を通信ネットワークを介して指示するステップと、
前記事業主のコンピュータ端末が前記指示に従って前記センサを用いて計測したデータを通信ネットワークを介して収集するステップと、
前記収集したデータから前記事業主の排気ガス排出量を算定し、この算定した排気ガス排出量を前記事業主のコンピュータ端末に送信するステップと、
を前記排気ガス取引仲介サーバに実行させることを特徴とするプログラム。
【0242】
(付記39) 付記35または付記36または付記38に記載のプログラムにおいて、さらに、
前記事業主のコンピュータ端末が売却または購入を依頼できる排気ガス排出量の単位を二酸化炭素相当トンとするステップと、
前記事業主のコンピュータ端末が売却または購入の依頼を開始できる日である開催日およびこの開催日における前記売却依頼の開始時間を設けるステップと、
前記売却依頼の開始時間から一定時間の売却依頼制限時間を設けて、この売却依頼制限時間内に前記排気ガス排出量の売却希望量および価格を提示して前記売却の依頼ができる旨を通信ネットワークを介して前記事業主のコンピュータ端末に報知するステップと、
前記売却依頼制限時間を経過した時点で前記売却依頼のエントリーを締め切って、これら売却依頼のエントリーを通信ネットワークを介して前記事業主のコンピュータ端末に報知するとともに、購入依頼の開始時間を設けるステップと、
前記購入依頼の開始時間から一定時間の購入依頼制限時間を設けて、この購入依頼制限時間内に前記排気ガス排出量の購入量と購入希望価格とを提示して前記購入の依頼ができる旨を通信ネットワークを介して前記事業主のコンピュータ端末に報知するステップと、
前記購入制限時間に到達した時点で前記購入依頼のエントリーを締め切るとともに、これら購入依頼のエントリーを通信ネットワークを介して前記事業主のコンピュータ端末に報知するステップと、
前記購入依頼制限時間から一定時間を経過した後に、前記売却依頼のエントリーをした前記事業主のコンピュータ端末から売却可能量と売却価格とを通信ネットワークを介して取得して、前記売却の依頼と前記購入の依頼とを仲介するステップと、
前記仲介の結果、前記売却または購入できた前記事業主のコンピュータ端末に、それぞれ、売却または購入できた旨の情報を送信するとともに、前記売却または購入の依頼のエントリーをした前記事業主のコンピュータ端末に、前記購入できた事業主の名前を除外した取引結果、および取引高、平均取引価格(売却平均希望額および購入平均希望額)の取引市場情報を報知するステップと、
前記売却または購入の依頼のエントリーをした前記事業主のコンピュータ端末の事業主からは一定金額を、前記売却または購入できた売却または購入額の一定割合の金額を通信ネットワークを介して徴収するステップと、
を前記排気ガス取引仲介サーバに実行させることを特徴とするプログラム。
【0243】
(付記40) 付記35に記載のプログラムにおいて、さらに、
蓄積した排気ガス排出量データを演算して一定期間における輸送業界全体の排気ガス排出量の削減量を予測するステップと、
前記予測された排気ガス排出量の削減量の一部について削減量に応じた価格を設定するステップと、
前記設定され価格を通信ネットワーク上で公開し、輸送業界以外の第三者のコンピュータ端末から前記価格で前記排気ガス排出量の削減量の一部を購入する旨の申し込みがあった場合に、前記排気ガス排出量の削減量の一部を前記価格で売却し、その売却額の一定割合を手数料として通信ネットワークを介して徴収するステップと、
前記事業主のコンピュータ端末から、前記一定期間における前記事業主の排気ガス排出量削減目標値を通信ネットワークを介して収集するステップと、
前記前記事業主の排気ガス排出量削減目標値と前記事業主が削減できた排気ガス排出量を比較演算して、前記第三者への排気ガス削減量の売却額から前記手数料を差し引いた残額の分配額を算定するステップと、
を前記排気ガス取引仲介サーバに実行させることを特徴とするプログラム。
【0244】
(付記41) 付記35または付記36に記載のプログラムにおいて、さらに、
前記事業主のコンピュータ端末があらかじめ設定した期間内に前記排気ガス取引仲介サーバに売却できる排気ガス排出量の売却量を定めるステップと、
道路を走行する個々の輸送車輌から排出される排気ガス排出量の削減量が、前記輸送業に対して設定された排気ガス排出量削減目標値を上回る場合に、前記売却量を限度として、過剰削減量の全部または一部について精算金を支払うステップと、
を前記排気ガス取引仲介サーバに実行させることを特徴とするプログラム。
【0245】
(付記42) 付記35または付記36または付記38〜付記41のいずれか1項に記載のプログラムにおいて、さらに、
道路周辺の建物、交通施設、設置物に設定された監視カメラ、排気ガスセンサ、通行車輌台数計測センサが計測した、道路の交通量、走行車輌の構成比率、排気ガス濃度を、前記監視カメラ、排気ガスセンサ、通行車輌台数計測センサに接続された無線アンテナおよび通信ネットワークを介して収集するステップと、
前記事業主のコンピュータ端末がGPSを利用して取得した前記車輌の走行位置を、通信ネットワークを介して収集するステップと、
前記収集した道路の交通量、走行車輌の構成比率、排気ガス濃度および前記車輌の走行位置に基づいて前記車輌の走行地域環境レベルを算定するステップと、
前記算定した走行地域環境レベルに応じて前記事業主の排気ガス排出量の取引金額の調整、上限価格設定などの措置を時限的に実施するステップと、
を前記排気ガス取引仲介サーバに実行させることを特徴とするプログラム。
【0246】
(付記43) 付記35または付記36または付記38または付記42に記載のプログラムにおいて、さらに、前記収集した排出量、交通状態に関するデータを比較演算して前記事業主の輸送車の運転状態または道路の交通状態と排気ガス排出量との相関を算出し、排気ガス排出量低減の方策と排出量削減可能量を前記事業主のコンピュータ端末に対してアドバイスするステップを前記排気ガス取引仲介サーバに実行させることを特徴とするプログラム。
【0247】
(付記44) 付記35に記載のプログラムにおいて、さらに、前記収集した事業主の排気ガス排出量の年間総量を算出し、事業主によって地方自治体等に申請される環境対策実施結果および環境対策実施計画書の作成するステップを前記排気ガス取引仲介サーバに実行させることを特徴とするプログラム。
【0248】
(付記45) 付記35〜付記44のいずれか1項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0249】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の輸送業排気ガス排出量取引仲介システムを実現する排気ガス取引仲介サーバは、輸送業界の排気ガス排出量低減を経済的保障を与えつつ実現する点で、環境保全にきわめて大きな貢献を果たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引市場仲介システムの取引仲介業者がインターネット上に開設する取引市場の一構成概念例を示す図である。
【図2】本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引市場仲介システムの構成概念の一例を示した図である。
【図3】本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムに関して、事業主の二酸化炭素ガス排出量の取引金額の調整、上限価格設定などの措置を時限的に実施するため交通状態の計測システムの構成概念の一概念例を示した図である。
【図4】本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムに関わる車輌に搭載するセンサ、コンピュータ端末の構成概念の一例を示す図である。
【図5】本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムに関わる道路周辺に設置するセンサ類、監視カメラの構成概念の一例を示す図、および、本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムにおける輸送業二酸化炭素ガス排出削減量証券取引市場の開設・運営手順の一概念例を示す図である。
【図6】本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムにおけるデータセンタの排気ガス取引仲介サーバの構成概念の一例を示す図である。
【図7】本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムにおける排気ガス取引仲介サーバを構成するメインプログラムファイルに収納する演算処理プログラムの構成概念の一例を示す図、および、本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムにおける二酸化炭素ガス排出削減量清算取引運営の手順の一概念例を示す図である。
【図8】本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムにおけるデータファイルおよびデータベースファイルに収納する演算プログラムの構成概念の一例を示す図である。
【図9】本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムにおける事業者ファイルおよび顧客ファイルに収納する演算プログラムの構成概念の一例を示す図である。
【図10】本発明の二酸化炭素ガス排出量取引市場仲介システムにおける二酸化炭素ガス排出量取引市場の手順フローの一部の一概念例を示した、当該取引市場の準備の手順の概念の一例を示す図である。
【図11】本発明の二酸化炭素ガス排出量取引市場仲介システムにおける二酸化炭素ガス排出量取引市場の手順フローの一部の一概念例を示した、排出量取引の運営手順の一概念例を示す図である。
【図12】本発明の二酸化炭素ガス排出量取引市場仲介システムにおける証券取引市場運営の手順フローの一概念例を示した図である。
【図13】本発明の二酸化炭素ガス排出量取引市場仲介システムを運営するために用いる表示地図の一概念例を示す図である。
【図14】本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムにおける取引仲介業者がインターネット上に開設する二酸化炭素ガス排出量取引市場ホームページの表示構成の概念の一例を示す図である。
【図15】本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムにおける取引仲介業者がインターネット上に開設する二酸化炭素ガス排出量取引市場ホームページの表示構成の概念の一例を示す、図14に示す取引市場画面の部分を構成する輸送業者の二酸化炭素ガス排出量取引市場に関わる部分の表示概念の一例を示す図である。
【図16】本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムにおける取引仲介業者がインターネット上に開設する二酸化炭素ガス排出量取引市場ホームページの表示構成の概念の一例を示す、図14に示す取引市場画面の部分を構成する二酸化炭素ガス排出量証券の取引市場に関わる部分の表示概念の一例を示す図である。
【図17】本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムにおける二酸化炭素ガス排出量清算取引市場の運営手順フローの概念の一例を示す図である。
【図18】本発明の輸送業二酸化炭素ガス排出量取引仲介システムの運用を行う取引仲介業者として特別目的会社(SPC)を設立し、これを充足する場合の一構成概念例を示す図である。
【符号の説明】
1 取引仲介業者
2 輸送業界
3 取引仲介業者がインターネット上に開設する輸送業内二酸化炭素ガス排出量取引市場
4 取引仲介業者がインターネット上に開設する二酸化炭素ガス排出量証券取引市場
5a 二酸化炭素ガス排出削減量を売却する輸送業主
5b 二酸化炭素ガス排出削減量を購入する輸送業主
6 二酸化炭素ガス排出削減量証券の購入希望者
7 排気ガス取引仲介サーバ
8 通信ネットワーク
5 輸送業主
9 コンピュータ端末
10 輸送車輌
11 二酸化炭素ガスセンサ
12 コンピュータ端末
13 無線送受信アンテナ
14 建物
15 信号機
16 柵
17 監視カメラ
18 二酸化炭素ガスセンサ
19 交通量計測センサ
20 GPS(Global Positioning System)システム
21 外部情報センタ
22 コンピュータ端末
23 車輌搭載電源
24 センサ部/監視カメラ部
25 演算処理部
26 電源部
27 商用電源
61 CPU
62 入力制御部
63 出力制御部
64 メインプログラムファイル
65 データファイル
66 データベースファイル
67 事業者ファイル
68 顧客ファイル

Claims (12)

  1. 顧客から物品または人の輸送を受託して輸送する輸送業の事業主の保有する車輌のすべて、または、かかる排気ガスの排出量の計測を代表できる事業地域ごと、あるいは車輌の車種ごとに選定した車輌に搭載された事業主のコンピュータ端末に、通信ネットワークを介して接続される排気ガス取引仲介サーバであって、
    前記事業主のコンピュータ端末から、道路を走行する個々の輸送車輌から排出される排気ガス排出量の削減量が、あらかじめ設定された排気ガス排出量削減目標値を上回る場合に依頼される、過剰削減量の全部または一部の外部の第三者への売却と、
    前記事業主のコンピュータ端末から、道路を走行する個々の輸送車輌から排出される排気ガス排出量の削減量が、前記あらかじめ設定された排気ガス排出量削減目標値を下回る場合に依頼される、不足削減量の全部または一部の外部の第三者からの購入と、
    を仲介する手段を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバ。
  2. 請求項1に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、
    前記通信ネットワークを介して接続される輸送業の各事業主に対して、輸送業に対して設定された排気ガス排出量削減目標値の一定期間における総量を配分する手段と、
    前記事業主のコンピュータ端末から、道路を走行する個々の輸送車輌から排出される排気ガス排出量の削減量が、前記配分された排気ガス排出量削減目標値を上回る場合に依頼される、売却価格の設定された過剰削減量の全部または一部の外部の第三者への売却を、この外部の第三者との間で仲介する手段と、
    を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバ。
  3. 請求項2に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、
    前記仲介を希望する事業主を通信ネットワーク上で一定期間募集する手段と、
    前記事業主のコンピュータ端末から前記仲介を希望する旨の応募があった場合に、この応募があった事業主のコンピュータ端末に係る事業主に関する企業名または個人名、資本金、従業員数、経常利益などの事業内容をID化するとともに、この応募があった事業主のコンピュータ端末に係る事業主に関する所有輸送車の車種、台数、年間取引高、営業地域、輸送車量の年間総計走行距離をデータベース化する手段と、
    前記応募のあった事業主のコンピュータ端末に対して前記仲介を依頼する権利として個別のパスワードを送信する手段と、
    前記応募のあった事業主のコンピュータ端末の事業主に対して、輸送業の排気ガス排出量削減目標値の一定期間における総量を、その輸送車種、台数、年間走行距離に対応して配分する手段と、
    を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバ。
  4. 請求項1または請求項2に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、
    前記事業主のコンピュータ端末に対して、この事業主のコンピュータ端末に接続された排気ガス排出量を計測できるセンサを用いて、一定期間における事業主の排気ガス排出量の計測を通信ネットワークを介して指示する手段と、
    前記事業主のコンピュータ端末が前記指示に従って前記センサを用いて計測したデータを通信ネットワークを介して収集する手段と、
    前記収集したデータから前記事業主の排気ガス排出量を算定し、この算定した排気ガス排出量を前記事業主のコンピュータ端末に送信する手段と、
    を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバ。
  5. 請求項1または請求項2または請求項4に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、
    前記事業主のコンピュータ端末が売却または購入を依頼できる排気ガス排出量の単位を二酸化炭素相当トンとする手段と、
    前記事業主のコンピュータ端末が売却または購入の依頼を開始できる日である開催日およびこの開催日における前記売却依頼の開始時間を設ける手段と、
    前記売却依頼の開始時間から一定時間の売却依頼制限時間を設けて、この売却依頼制限時間内に前記排気ガス排出量の売却希望量および価格を提示して前記売却の依頼ができる旨を通信ネットワークを介して前記事業主のコンピュータ端末に報知する手段と、
    前記売却依頼制限時間を経過した時点で前記売却依頼のエントリーを締め切って、これら売却依頼のエントリーを通信ネットワークを介して前記事業主のコンピュータ端末に報知するとともに、購入依頼の開始時間を設ける手段と、
    前記購入依頼の開始時間から一定時間の購入依頼制限時間を設けて、この購入依頼制限時間内に前記排気ガス排出量の購入量と購入希望価格とを提示して前記購入の依頼ができる旨を通信ネットワークを介して前記事業主のコンピュータ端末に報知する手段と、
    前記購入制限時間に到達した時点で前記購入依頼のエントリーを締め切るとともに、これら購入依頼のエントリーを通信ネットワークを介して前記事業主のコンピュータ端末に報知する手段と、
    前記購入依頼制限時間から一定時間を経過した後に、前記売却依頼のエントリーをした前記事業主のコンピュータ端末から売却可能量と売却価格とを通信ネットワークを介して取得して、前記売却の依頼と前記購入の依頼とを仲介する手段と、
    前記仲介の結果、前記売却または購入できた前記事業主のコンピュータ端末に、それぞれ、売却または購入できた旨の情報を送信するとともに、前記売却または購入の依頼のエントリーをした前記事業主のコンピュータ端末に、前記購入できた事業主の名前を除外した取引結果、および取引高、平均取引価格(売却平均希望額および購入平均希望額)の取引市場情報を報知する手段と、
    前記売却または購入の依頼のエントリーをした前記事業主のコンピュータ端末の事業主からは一定金額を、前記売却または購入できた売却または購入額の一定割合の金額を通信ネットワークを介して徴収する手段と、
    を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバ。
  6. 請求項1に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、
    蓄積した排気ガス排出量データを演算して一定期間における輸送業界全体の排気ガス排出量の削減量を予測する手段と、
    前記予測された排気ガス排出量の削減量の一部について削減量に応じた価格を設定する手段と、
    前記設定され価格を通信ネットワーク上で公開し、輸送業界以外の第三者のコンピュータ端末から前記価格で前記排気ガス排出量の削減量の一部を購入する旨の申し込みがあった場合に、前記排気ガス排出量の削減量の一部を前記価格で売却し、その売却額の一定割合を手数料として通信ネットワークを介して徴収する手段と、
    前記事業主のコンピュータ端末から、前記一定期間における前記事業主の排気ガス排出量削減目標値を通信ネットワークを介して収集する手段と、
    前記前記事業主の排気ガス排出量削減目標値と前記事業主が削減できた排気ガス排出量を比較演算して、前記第三者への排気ガス削減量の売却額から前記手数料を差し引いた残額の分配額を算定する手段と、
    を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバ。
  7. 請求項1または請求項2に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、
    前記事業主のコンピュータ端末があらかじめ設定した期間内に前記排気ガス取引仲介サーバに売却できる排気ガス排出量の売却量を定める手段と、
    道路を走行する個々の輸送車輌から排出される排気ガス排出量の削減量が、前記輸送業に対して設定された排気ガス排出量削減目標値を上回る場合に、前記売却量を限度として、過剰削減量の全部または一部について精算金を支払う手段と、
    を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバ。
  8. 請求項1または請求項2または請求項4〜請求項7のいずれか1項に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、
    道路周辺の建物、交通施設、設置物に設定された監視カメラ、排気ガスセンサ、通行車輌台数計測センサが計測した、道路の交通量、走行車輌の構成比率、排気ガス濃度を、前記監視カメラ、排気ガスセンサ、通行車輌台数計測センサに接続された無線アンテナおよび通信ネットワークを介して収集する手段と、
    前記事業主のコンピュータ端末がGPSを利用して取得した前記車輌の走行位置を、通信ネットワークを介して収集する手段と、
    前記収集した道路の交通量、走行車輌の構成比率、排気ガス濃度および前記車輌の走行位置に基づいて前記車輌の走行地域環境レベルを算定する手段と、
    前記算定した走行地域環境レベルに応じて前記事業主の排気ガス排出量の取引金額の調整、上限価格設定などの措置を時限的に実施する手段と、
    を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバ。
  9. 請求項1または請求項2または請求項4または請求項8に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、前記収集した排出量、交通状態に関するデータを比較演算して前記事業主の輸送車の運転状態または道路の交通状態と排気ガス排出量との相関を算出し、排気ガス排出量低減の方策と排出量削減可能量を前記事業主のコンピュータ端末に対してアドバイスする手段を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバ。
  10. 請求項1に記載の排気ガス取引仲介サーバにおいて、さらに、前記収集した事業主の排気ガス排出量の年間総量を算出し、事業主によって地方自治体等に申請される環境対策実施結果および環境対策実施計画書の作成する手段を有することを特徴とする排気ガス取引仲介サーバ。
  11. 請求項1に記載の排気ガス取引仲介サーバであって、輸送業団体、または輸送業と事業的に無関係であるか、もしくは直接にかかわりのない第三者から選定された者によって管理されることを特徴とする排気ガス取引仲介サーバ。
  12. 請求項1または請求項2または請求項4または請求項8または請求項11に記載の排気ガス取引仲介サーバであって、輸送車輌に搭載する排気ガスセンサ、前記事業主のコンピュータ端末、無線送受信機、道路周辺に設置するセンサ類、監視カメラ、無線送受信機は、輸送業団体またはこの団体の構成員の1者もしくは複数者または他の第三者が中心となって設立された特別目的会社(Special Purpose Company、以下、SPCと称す)によって購入および保有され、前記輸送業団体および前記事業主に貸与される、ことを特徴とする排気ガス取引仲介サーバ。
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