JP2004184946A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】カブリと呼ばれる画像不良、及び、現像ローラにトナーが融着・固着して、現像ローラ上に均一なトナー薄層の形成ができなくなることに由来する画像不良を防ぐ画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体1と、現像装置4と、を有し、像担持体1上に現像剤像を形成する画像形成装置において、更に、電圧を印加することで、第一の現像剤担持体23との電位差を設け、第一の現像剤担持体23上の現像剤を一時担持する第二の現像剤担持体26を備え、像担持体1と第一の現像剤担持体23が接触した状態で、第二の現像剤担持体26に印加する電圧を変化させることで、第一の現像剤担持体23との電位差を変化させると同時に、像担持体1を露光電位にする、現像剤除去制御を行う。
【選択図】 図2
【解決手段】像担持体1と、現像装置4と、を有し、像担持体1上に現像剤像を形成する画像形成装置において、更に、電圧を印加することで、第一の現像剤担持体23との電位差を設け、第一の現像剤担持体23上の現像剤を一時担持する第二の現像剤担持体26を備え、像担持体1と第一の現像剤担持体23が接触した状態で、第二の現像剤担持体26に印加する電圧を変化させることで、第一の現像剤担持体23との電位差を変化させると同時に、像担持体1を露光電位にする、現像剤除去制御を行う。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式又は静電記録方式を用いた、例えば複写機、プリンタ等の電子写真画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式又は静電記録方式の画像形成装置においては、現像装置が、像担持体上に形成された静電潜像に対し、現像剤により現像剤像(トナー像)として可視化する工程を行う。
【0003】
ここで、現像を行う現像装置として、例えば、乾式一成分接触現像装置が提案され実用化されている。
【0004】
この場合多くは、回転する像担持体(静電潜像担持体)に、現像装置に設置された回転する現像剤(トナー)担持体を、適当な相対周速差で押圧もしくは接触させることで、静電潜像を現像している。
【0005】
この方法は、現像剤として、磁性材料が不要であり、装置の簡略化および小型化が容易である、非磁性トナーを使用することで、フルカラー画像形成装置に応用が可能である等、多くの利点を有している。
【0006】
トナー担持体としては、弾性及び導電性を有する現像ローラを使用することができる。即ち、像担持体に押圧もしくは接触させて現像を行うため、特に像担持体が剛体である場合、これを傷つけることを避けるために、現像ローラを弾性体により構成させることが好適である。
【0007】
又、現像ローラ表面もしくは表面近傍に導電層を設け、現像バイアスとして直流DCバイアスを印加して使用することもできる。
【0008】
図4は、従来の現像装置100の概略断面図である。
【0009】
トナー担持体である現像ローラ101は、導電性を有する弾性ローラであり、矢印A方向に回転駆動する。現像ローラ101には、像担持体上の静電潜像を現像するため直流DCバイアスを印加する。
【0010】
現像ブレード102は、自由端側の先端近傍を現像ローラ101の外周面に面接触するように等接されている。この現像ローラ101と現像ブレード102の等接部を、現像ローラ101上に担持されたトナーが通過する際に、トナーへの電荷付与及びトナー薄層の形成が行われる。
【0011】
更に、弾性ローラ104が現像ローラ101に等接し、現像ローラ101と同方向の矢印B方向に回転駆動する。弾性ローラ104はスポンジローラであり、現像ローラ101へトナーの供給、且つ、現像されずに現像ローラ101上に残ったトナーの剥ぎ取りを目的とし、現像ローラ101の回転方向で現像ブレード102の上流側に配設されている。
【0012】
トナー103は、非磁性一成分現像剤である。トナーの帯電性および、転写性の向上を目的として、適当な量の疎水性シリカを外添している。
【0013】
そして、このような現像装置を複数用いた、電子写真方式の多色画像形成装置が実用化されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の画像形成装置を用いて数千枚の画像形成を繰り返したところ、カブリと呼ばれる画像不良、及び、現像ローラにトナーが融着・固着することで、現像ローラ上に均一なトナー薄層の形成ができなくなることに由来し、画像濃度ムラとなって出現する画像不良が発生するに至った。
【0015】
これら画像不良は、画像形成を繰り返すことで、現像ローラと現像ブレードとの間、及び、現像ローラと弾性ローラの間で、トナーが繰り返し摺擦され、劣化することに起因するものである。
【0016】
従って、本発明の目的は、カブリと呼ばれる画像不良、及び、現像ローラにトナーが融着・固着して、現像ローラ上に均一なトナー薄層の形成ができなくなることに由来する画像不良を防ぎ、特に、現像ローラ上に担持されるトナーの特性を選択することで、効果的に、画像不良の発生を防ぐ画像形成装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、下記の構成を特徴とする画像形成装置を提供する。
【0018】
(1)一様帯電された表面が露光されることによって静電潜像が形成される像担持体と、現像剤を収容し、前記像担持体に前記現像剤を搬送する第一の現像剤担持体を備え、前記静電潜像を現像する現像装置と、を有し、前記像担持体上に現像剤像を形成する画像形成装置において、
更に、電圧を印加することで、前記第一の現像剤担持体との電位差を設け、前記第一の現像剤担持体上の前記現像剤を一時担持する第二の現像剤担持体を備え、
前記像担持体と前記第一の現像剤担持体が接触した状態で、前記第二の現像剤担持体に印加する電圧を変化させることで、前記第一の現像剤担持体との電位差を変化させると同時に、前記像担持体を露光電位にする、現像剤除去制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
【0019】
(2)一様帯電された表面が露光されることによって静電潜像が形成される像担持体と、現像剤を収容し、前記像担持体に前記現像剤を搬送する第一の現像剤担持体を備え、前記静電潜像を現像する現像装置と、を有し、前記像担持体上に現像剤像を形成する画像形成装置において、
更に、電圧を印加することで、前記第一の現像剤担持体との電位差を設け、前記第一の現像剤担持体上の前記現像剤を一時担持する第二の現像剤担持体を備え、
前記像担持体と前記第一の現像剤担持体が接触した状態で、前記第一の現像剤担持体に印加される電圧を第一の電圧とし、前記第二の現像剤担持体に印加される電圧を第二の電圧とするとき、
第一の工程として、前記第一の電圧と前記第二の電圧との電位差の極性を、前記現像剤の帯電極性と逆極性にし、且つ、前記像担持体を露光電位にし、
第二の工程として、その後、前記第一の電圧と前記第二の電圧との電位差の極性を、前記現像剤の帯電極性と同極性にし、
第三の工程として、その後、前記第一の電圧と前記第二の電圧との電位差を無くし、且つ、前記像担持体を露光電位にする、
第一〜第三の工程を有する現像剤除去制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
【0020】
(3)一様帯電された表面が露光されることによって静電潜像が形成される像担持体と、現像剤を収容し、前記像担持体に前記現像剤を搬送する第一の現像剤担持体を備え、前記静電潜像を現像する現像装置と、を有し、前記像担持体上に現像剤像を形成する画像形成装置において、
更に、電圧を印加することで、前記第一の現像剤担持体との電位差を設け、前記第一の現像剤担持体上の前記現像剤を一時担持する第二の現像剤担持体を備え、
前記像担持体と前記第一の現像剤担持体が接触した状態で、前記第一の現像剤担持体に印加される電圧を第一の電圧とし、前記第二の現像剤担持体に印加される電圧を第二の電圧とするとき、
前記第一の電圧と前記第二の電圧との電位差の極性を、前記現像剤の帯電極性と逆極性にし、且つ、前記像担持体を露光電位にする、現像剤除去制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
【0021】
(4)一様帯電された表面が露光されることによって静電潜像が形成される像担持体と、現像剤を収容し、前記像担持体に前記現像剤を搬送する第一の現像剤担持体を備え、前記静電潜像を現像する現像装置と、を有し、前記像担持体上に現像剤像を形成する画像形成装置において、
更に、電圧を印加することで、前記第一の現像剤担持体との電位差を設け、前記第一の現像剤担持体上の前記現像剤を一時担持する第二の現像剤担持体を備え、
前記像担持体と前記第一の現像剤担持体が接触した状態で、前記第一の現像剤担持体に印加される電圧を第一の電圧とし、前記第二の現像剤担持体に印加される電圧を第二の電圧とするとき、
第一の工程として、前記第一の電圧と前記第二の電圧との電位差の極性を、前記現像剤の帯電極性と同極性にし、
第二の工程として、その後、前記第一の電圧と前記第二の電圧との電位差を無くし、且つ、前記像担持体を露光電位にする、
第一、第二の工程を有する現像剤除去制御を行うことを特徴とする請求項1の画像形成装置。
【0022】
(5)前記第一の電圧と前記第二の電圧との電位差の極性を、前記現像剤の帯電極性と逆極性にする間に、前記第一の現像剤担持体は1周以上回転することを特徴とする(2)又は(3)の画像形成装置。
【0023】
(6)前記第一の電圧と前記第二の電圧との電位差の極性を、前記現像剤の帯電極性と同極性にする間に、前記第一の現像剤担持体は1周以上回転することを特徴とする(2)又は(4)の画像形成装置。
【0024】
(7)前記現像剤除去制御が、所定の間隔をもって実行され、且つ、非画像形成時に行われることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0025】
(8)前記像担持体と、少なくとも前記現像装置を含む前記像担持体に関わるプロセス手段と、を一体的に構成したプロセスカートリッジを着脱自在に備えることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る現像装置及び画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0027】
実施例1
図1は本実施例に係る画像形成装置の一態様である4色フルカラー画像形成装置を示すものである。
【0028】
図1に示すフルカラー画像形成装置Aは、垂直方向に並設された4個の像担持体としての感光ドラム1(1A、1B、1C、1D)を備える。この感光ドラム1は、矢印方向に不図示の駆動手段により回転駆動される。感光ドラム1の周囲には、その回転方向に従って順に、感光ドラム1の表面を均一に帯電するための、帯電手段2(2A、2B、2C、2D)、画像情報に基づきレーザーを照射し、感光ドラム上に静電潜像を形成するスキャナ3(3A、3B、3C、3D)、静電潜像を現像剤像(トナー像)として現像する現像装置4(4A、4B、4C、4D)、感光ドラム1上のトナー像を記録材であるメディア5に転写するための静電搬送転写装置6、転写後の感光ドラム1表面に残った転写残トナーを除去するクリーナ7(7A、7B、7C、7D)等が配設されている。
【0029】
本実施例においては、感光ドラム1、及び感光ドラム1に関わるプロセス手段として、帯電手段2、現像装置4、クリーナ7は一体的にカートリッジ化され、プロセスカートリッジ8(8A、8B、8C、8D)を形成し、フルカラー画像形成装置Aに着脱可能なものとなっている。又、本実施例においては、プロセスカートリッジ8A、8B、8C、8Dは全て同一形状を有しており、その中に内包されるトナーは、それぞれ、シアン、イエロー、マゼンタ、ブラックである。
【0030】
そして、全ての感光ドラム1A、1B、1C、1Dに対向し、接するように、循環移動する転写材搬送ベルトとしての静電搬送ベルト9が配設されている。静電搬送ベルト9の内側に等接し、4個の感光ドラム1A、1B、1C、1Dに対応して、転写部材としての転写ローラ10(10A、10B、10C、10D)が並接される。これら転写ローラ10は感光ドラム1と対向し、転写部を形成する。これら転写ローラ10から静電搬送ベルト9を介して正極性の電荷が転写材に印加され、この電荷による電界により、感光ドラム1に接触中の転写材に、感光ドラム1上の負極性トナーが転写される。
【0031】
定着装置11は、メディア5に転写された複数のトナー像を定着させるものである。感光ドラム1上のトナー像を転写したメディア5は、定着装置11を通過する際に、熱および圧力を印加される。これにより、複数色のトナー像がメディア5表面に永久定着される。
【0032】
次に、本発明が実施されるプロセスカートリッジ8について、図2を用い説明する。
【0033】
感光ドラム1は、直径30mmのアルミシリンダの外周面に感光層を塗布して構成される剛体であり、図中矢印Cの方向に回転駆動する。
【0034】
帯電手段2は、ローラ状に形成された導電性ローラであり、このローラを感光ドラムに等接させ、帯電バイアスを印加することで、感光ドラム1表面を、Vd=−700Vに帯電する。そして、スキャナ3により、各色の画像信号に対応したレーザー光が、均一帯電された感光ドラム1上に照射され、選択的に露光された部位は、Vl=−100Vとなり、静電潜像が形成される。
【0035】
現像装置4(4A、4B、4C、4D)について説明する。現像装置4は、現像剤として一成分現像剤である負帯電性の非磁性トナー22を収容する現像容器21から構成されており、現像容器21内の長手方向に延在する開口部に位置し、感光ドラム1と対向配置された第一の現像剤担持体としての現像ローラ23を備え、感光ドラム1上の静電潜像を現像、可視化するようになっている。
【0036】
本実施例において負帯電性の非磁性トナー22には、疎水性シリカを1.0wt%外添した、粒径約6μmの粒度分布に優れた略球形化トナーを用いている。そのトナー帯電電荷量を示すトリボは、−40μC/gである。
【0037】
第一の現像剤担持体である現像ローラ23は、弾性を有し、直径16mmであり、上記開口部にて、図に示す右略半周を現像容器21に突入し、左略半周面を現像容器21から露出して横設される。この現像容器21から露出した面は、現像装置4の左方に位置する感光ドラム1に所定の侵入量となるように押圧、接触するように対向している。本実施例においては、感光ドラム1に対して現像ローラ23が50μm侵入し、接触する。
【0038】
現像ローラ23は感光ドラム1と逆方向である矢印A方向に回転駆動される。その表面は、トナー22との摺擦確立を高め、且つ、トナー22の搬送を良好に行うため、適度な凹凸を有している。本実施例における現像ローラ23は、Rz=10μmの粗さと、104〜106Ωの抵抗を有している。
【0039】
この現像ローラ23には、現像バイアスとして、本実施例においては、Vdc=−400Vの直流電圧が印加される。
【0040】
現像ローラ23の下方には、弾性ローラ24が当接され、回転可能に支持されている。弾性ローラ24は、スポンジ構造や、芯金上にレーヨン、ナイロン等の繊維を植毛したファーブラシ構造のものが、現像ローラ23へのトナー供給および未現像トナーの剥ぎ取りの点から好ましい。本実施例においては、直径16mmのウレタンスポンジローラであり、現像ローラ23と同一方向であるB方向に回転駆動する。
【0041】
現像ローラ23の上方には、弾性を有する現像ブレード25が、支持板金に支持され、自由端側の先端近傍を現像ローラ23の外周面に面接触にて当接するように設けられている。等接方向としては、等接部に対して自由端側の先端が、現像ローラ23の回転方向上流側に位置するカウンター方向となっている。本実施例においては、厚さ100μmのリン青銅製の金属薄板を用いて、良好な画像を得るためのトナーコート量として0.4mg/cm2となるように設定している。
【0042】
弾性ローラ24との摺擦により現像ローラ23上に担持されたトナーは、現像ブレード25との当接部を通過する際に、摩擦帯電により電荷付与され、且つ薄層に規制される。
【0043】
クリーナ7は、現像装置4によって感光ドラム1上に現像されたトナーが、メディア5に転写された後、転写されないで感光ドラム1上に残った転写残トナーを除去するものである。
【0044】
上記のプロセスカートリッジ8において、カブリと呼ばれる画像不良は、感光ドラム1に形成された静電潜像のVd部に対してトナーが転移する現象である。本実施例において、非磁性トナーは負帯電性を示し、現像ローラ23には、現像バイアスとして、Vdc=−400Vの直流電圧が印加されるため、本来ならばVd=−700Vに対してトナーが転移することはない。
【0045】
しかしながら、画像形成を繰り返すことで、現像ローラ23と現像ブレード25との間、及び、現像ローラ23と弾性ローラ24との間で、トナーが繰り返し摺擦され、劣化した場合、本来ならばトナーの帯電電荷量を示すトリボが、−40μC/gであるのに対し、それよりも絶対量の小さい−10μC/g〜+10μC/g程度の、ほとんど電荷を有しないトナーに変化する。
【0046】
このほとんど電荷を有しないトナーが、静電潜像のVd部に対して転移し、カブリと呼ばれる画像不良となる。
【0047】
画像濃度ムラとなって出現する画像不良は、現像ローラ23にトナーが融着・固着することで、現像ローラ23上に均一なトナー薄層の形成ができなくなることにより発生する。
【0048】
そこで、現像ローラ23と現像ブレード25との当接部から、現像ローラ23と感光ドラム1との接触部の間には、第二の現像剤担持体であるトナー保持ローラ26が配設されている。
【0049】
本実施例において、トナー保持ローラ26はゴムローラであり、不図示の押し圧部材により、現像ローラ23に100gfで荷重される。トナー保持ローラ26表面は適度な粗さを有する。トナー保持ローラ26の抵抗は107Ω程度である。
【0050】
このトナー保持ローラ26には、不図示の電源からバイアスが印加され、後述するように、現像ローラ23上のトナー薄層を、トナー保持ローラ26上に担持する。
【0051】
本実施例において、現像ローラ23上のトナー薄層量は0.4mg/cm2となるように設定されており、粒径約6μmの粒度分布に優れた略球形化トナーで、約3層のトナー層厚を有する。
【0052】
現像ローラ23にもっとも近い最下層には、本来ならばトナーの帯電電荷量を示すトリボが、−40μC/gであるのに対し、それよりもはるかに絶対量の大きい、−100μC/g程度の電荷を有すトナーが鏡映力により、現像ローラ23に強く吸着している。そのため、現像ローラ23へトナー供給および未現像トナーの剥ぎ取りを目的として当接された弾性ローラ24との摺擦によっても、現像ローラ23から剥ぎ取られることはない。
【0053】
この電荷の大きなトナーが、画像形成を繰り返すことで、現像ローラ23と現像ブレード25との間及び現像ローラ23と弾性ローラ24の間で、繰り返し摺擦され、現像ローラ23に融着・固着するのである。
【0054】
そこで本実施例においては、現像ローラ23と感光ドラム1とが接触した状態で、現像ローラ23上に配設されたトナー保持ローラ26に、不図示の電源からバイアスを印加し、それを変化させることで、トナー保持ローラ26と現像ローラ23との電位差を変化させ、カブリの原因となるほとんど電荷を有しないトナー、現像ローラ23上に融着・固着する電荷の大きなトナーを現像ローラ23から効果的に除去する現像剤除去制御である画像形成装置動作シーケンスを用いることを特徴とする。
【0055】
現像ローラ23、トナー保持ローラ26、及び、感光ドラム1上の静電潜像電位を図3に示し、T0からT5までのトナー除去シーケンスを説明する。
【0056】
1.T0からT1:現像剤除去制御前の状態であるT0からT1の間には、現像ローラ23には、現像バイアスと同じく、Vdc=−400Vの直流電圧を印加する。一方、感光ドラム1の表面は帯電手段2により、Vd=−700Vに均一帯電されている。
【0057】
2.T1からT2:トナー保持ローラ26に、現像ローラ23に印加した現像バイアスと適当なコントラストとなるように、本実施例においてはΔ400Vのコントラストを保つように0Vの直流電圧を印加することで、現像ローラ23に対して相対的にトナー保持ローラ26の電位をトナーの帯電極性と逆極性にし、負帯電性のトナーを、現像ローラ23からトナー保持ローラ26へ転移させる。
【0058】
しかしながら、現像ローラ23にもっとも近い最下層に堆積し、現像ローラ23上への融着・固着の原因となる電荷の大きなトナーは、鏡映力により容易にトナー保持ローラ26に転移できない。
【0059】
そこで、この時、Vd=−700Vに均一帯電された感光ドラム1表面に、スキャナ3からレーザー光を照射して全面露光することで、感光ドラム1表面をVl=−100Vとし、この露光電位に対して、現像ローラ23にもっとも近い最下層に堆積した電荷の大きなトナーを現像させる。これにより、現像ローラ23上に融着・固着する電荷の大きなトナーを現像ローラ23から除去する。
【0060】
トナー保持ローラ26に0Vの直流電圧を印加するT1からT2にかかる時間で、現像ローラ23が一周以上回転することが望ましい。
【0061】
3.T2からT3:感光ドラム1の電位を−700Vに戻し、トナー保持ローラ26に、現像ローラ23に印加した現像バイアスと同じ、本実施例においては−400Vの直流電圧を印加する。これにより、トナー保持ローラ26に保持された負帯電性のトナーは、現像ローラ23に再度、転移される。
【0062】
4.T3からT4:更に、トナー保持ローラ26には、現像ローラ23に印加した現像バイアスと適当なコントラストとなるように、本実施例においてはΔ400Vのコントラストを保つように−800Vの直流電圧を印加することで、現像ローラ23に対して相対的にトナー保持ローラ26の電位をトナーの帯電極性と同極性にし、カブリと呼ばれる画像不良の原因となる、電荷を有しないトナーを現像ローラ23からトナー保持ローラ26へ転移させる。
【0063】
尚、トナー保持ローラ26に−800Vの直流電圧を印加するT3からT4にかかる時間で、現像ローラ23が一周以上することが望ましい。
【0064】
5.T4からT5:トナー保持ローラ26に、現像ローラ23に印加した現像バイアスと同じ、本実施例においては−400Vの直流電圧を印加する。加えて、Vd=−700Vに均一帯電された感光ドラム1表面に、スキャナ3からレーザー光を照射して全面露光することで、感光ドラム1表面をVl=−100Vとし、T3からT4において、トナー保持ローラ26に保持され、その後、T4において、トナー保持ローラ26に、現像ローラ23に印加した現像バイアスと同じ、本実施例においては−400Vの直流電圧を印加することで、再度、現像ローラ23に転移した、電荷を有しないトナーを露光電位に対して現像させる。これにより、現像ローラ23上に電荷を有しないトナーを現像ローラ23から除去する。
【0065】
T4からT5にかかる時間は、トナー保持ローラ26が一周以上回転することが望ましい。
【0066】
つまり、感光ドラム1と現像ローラ23が接触した状態で、現像ローラ23に印加される電圧を第一の電圧とし、トナー保持ローラ26に印加される電圧を第二の電圧とするとき、第一の工程(T1からT2)にて、第一の電圧と第二の電圧との電位差の極性を、現像剤(トナー)の帯電極性と逆極性にし、且つ、感光ドラム1を露光電位にし、その後の第二の工程(T3からT4)で、第一の電圧と第二の電圧との電位差の極性を、トナーの帯電極性と同極性にし、第三の工程(T4からT5)で、第一の電圧と第二の電圧との電位差を無くし、且つ、感光ドラム1を露光電位にする。
【0067】
このようにして、画像不良の原因となるトナーを、現像ローラ23上から除去することができる。
【0068】
この第一、第二及び第三の工程を順に全て行うことが好適であるが、第一の工程にて行われた、トナー保持ローラ26に印加される電圧を第二の電圧とするとき、第一の工程にて、第一の電圧と第二の電圧との電位差の極性を、現像剤(トナー)の帯電極性と逆極性にし、且つ、感光ドラム1を露光電位にするだけでも、ある程度画像不良は回避できる。又、上記シーケンスでは、第二、第三の工程にて行われた、第一の電圧と第二の電圧との電位差の極性を、トナーの帯電極性と同極性にし、その後に、第一の電圧と第二の電圧との電位差を無くし、且つ、感光ドラム1を露光電位にするだけでも、ある程度の画像不良は回避できる。
【0069】
以上説明したトナー除去シーケンスにより、カブリの原因となるほとんど電荷を有しないトナー、現像ローラ上に融着・固着する電荷の大きなトナーを現像ローラから効果的に除去することができる。
【0070】
本実施例の構成におけるプロセスカートリッジならびに画像形成装置を用いた、画像形成動作について、図1を用いて説明する。
【0071】
画像形成装置Aは、パーソナルコンピュータ等のホスト14に接続され、ホスト14からのプリント要求信号を受け、画像データを受け取る。画像データは、不図示のコントローラ部によりシアン、イエロー、マゼンタ、ブラックの各色データに展開される。
【0072】
メディア5は給紙部15から分離給送され、レジストローラ16で一旦停止し、スキャナ3の立ち上がり、帯電手段2による感光ドラム1の電位安定化を待ち、メディア5の記録位置と、各4色のトナー像の画像形成タイミングを同期させ、静電搬送転写装置6により搬送される。
【0073】
まず、本実施例において第1色目である、シアンの画像形成が行われる。帯電装置2Aにより均一帯電された感光ドラム1Aに、スキャナ3Aにより、シアン画像データに基づいたレーザー露光が行われ、静電潜像が形成される。シアントナーを内包した現像装置4Aの現像ローラ23A上には、弾性ローラ24Aとの摺擦によりシアントナーが担持される。現像ローラ23Aが回転駆動することにより、担持されたシアントナーは、現像ブレード25Aとの等接部を通過する。この際、摩擦帯電により電荷付与され、均一薄層に規制される。
【0074】
現像ローラ23Aには、現像バイアスとしてVdc=−400Vの直流電圧が印加される。このとき、トナー保持ローラ26Aには、現像バイアスと同じVdc=−400Vの直流電圧が印加される。よってトナーの転移は行われない。現像ローラ23A上のシアントナー層は、一様に感光ドラム1Aとの対抗部である現像部へ搬送される。この現像部において、シアントナー層は、現像バイアスにより感光ドラム1Aの静電潜像を現像し、シアントナー像として可視化する。
【0075】
可視化された感光ドラム1A上のシアントナー像は、感光ドラム1Aの回転駆動により、対抗する転写ローラ10Aとの転写部に搬送される。同時に静電搬送ベルト9によりメディア5が、転写部に搬送される。
【0076】
転写ローラ10Aには、Vtr=1000Vが印加される。これにより、感光ドラム1Aに接触中のメディア5に、感光ドラム1A上のシアントナー像が転写される。
【0077】
次に、本実施例において第2色目である、イエローの画像形成が行われる。
【0078】
上述したのと同様のプロセスを経て、現像ローラ23Bには、現像バイアスとして、同じく、Vdc=−400Vの直流電圧が印加される。トナー保持ローラ26Bには、現像バイアスと同じVdc=−400Vの直流電圧が印加される。よってトナーの転移は行われない。現像ローラ23B上のイエロートナー層は、現像バイアスにより感光ドラム1Bの静電潜像を現像し、イエロートナー像として可視化され、感光ドラム1Bの回転駆動により、対向する転写ローラ10Bとの転写部に搬送される。
【0079】
同時に静電搬送ベルト9により、シアントナー像を転写されたメディア5が、転写部に搬送され、転写ローラ10Bには、Vtr=1000Vが印加される。これにより、感光ドラム1Bに接触中のメディア5に、感光ドラム1B上のシアントナー像が転写される。
【0080】
このように、順次、第3色目である、マゼンタの画像形成、最後に、本実施例において第4色目である、ブラックの画像形成が行われる。
【0081】
メディア5は静電搬送ベルト9に搬送されながら、順次、シアントナー像、イエロートナー像、マゼンタトナー像およびブラックトナー像が転写される。
4色のトナー像を転写されたメディア5は、静電搬送ベルト9から分離され、定着装置11により、永久定着され、機外に排出される。
【0082】
トナー除去シーケンスは、画像形成動作を一時中断し、非画像形成時に実行する。本実施例においては、500枚画像形成を行う毎に、自動的にトナー除去シーケンスが実行されるようにした。
【0083】
又、現像ローラ23(23A、23B、23C、23D)及びトナー保持ローラ26(26A、26B、26C、26D)へのバイアス印加タイミング、スキャナ3(3A、3B、3C、3D)のレーザー露光タイミングは、シアン、イエロー、マゼンタ、ブラックの各プロセスカートリッジ8(8A、8B、8C、8D)において、すべて同時とした。
【0084】
トナー除去シーケンスにより、現像ローラ23(23A、23B、23C、23D)から、感光ドラム1(1A、1B、1C、1D)上の露光電位に対して現像され、除去されたトナーは、感光ドラム1Aの回転駆動により、対向する転写ローラ10(10A、10B、10C、10D)との転写部に搬送されるが、このとき転写ローラ10には、転写バイアスVtrは印加しない。よって、静電搬送ベルト9に転移するトナーはほとんどない。静電搬送ベルト9に転移した場合においても、静電搬送ベルト9に当接するよう設けられたクリーナ30によって除去される。
【0085】
更に転写部を通過したトナーは、クリーナ7により感光ドラムから除去される。よって、トナー除去シーケンスにおいて静電搬送ベルト9を汚すことなく、さらにはメディア5を汚すことは無い。
【0086】
上記画像形成装置において、100000枚の画像形成動作を繰り返したところ、カブリと呼ばれる画像不良、及び、現像ローラにトナーが融着・固着することなく、現像ローラ上に均一なトナー薄層の形成ができなくなることもなく、それに由来する画像濃度ムラとなって出現する画像不良が発生することなく、良好な画像品質を維持し得ることができた。
【0087】
以上、画像形成装置に用いられる現像装置に、トナー保持ローラを備えることで、画像不良の原因となるトナーを効果的に除去することができる。そしてトナー除去シーケンスを所定の間隔をおいて実行することにより、カブリと呼ばれる画像不良及び現像ローラにトナーが融着・固着することなく、現像ローラ上に均一なトナー薄層の形成ができなくなることもなく、それに由来する画像濃度ムラとなって出現する画像不良が発生することなく、良好な画像品質を維持することができる。
【0088】
尚、本実施例においては、感光ドラムからメディアへ、複数色のトナー像を直接転写する構成の画像形成装置において説明したが、例えば、感光ドラムに形成したトナー像を、ベルト状あるいはドラム状の中間転写体に転写し、複数色重ね合わせてから、メディアに一括転写する場合においても適用できることは言うまでもない。
【0089】
又、感光ドラムや現像装置等を含むプロセスカートリッジは本実施例に説明した以外の構成でもよく、これらの画像形成手段がプロセスカートリッジ化されない画像形成装置においても本発明は適用できることもいうまでもない。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置は、一様帯電された表面が露光されることによって静電潜像が形成される像担持体と、現像剤を収容し、像担持体に現像剤を搬送する第一の現像剤担持体を備え、静電潜像を現像する現像装置と、を有し、像担持体上に現像剤像を形成する画像形成装置において、更に、電圧を印加することで、第一の現像剤担持体との電位差を設け、第一の現像剤担持体上の現像剤を一時担持する第二の現像剤担持体を備え、像担持体と第一の現像剤担持体が接触した状態で、第二の現像剤担持体に印加する電圧を変化させることで、第一の現像剤担持体との電位差を変化させると同時に、像担持体を露光電位にする、現像剤除去制御を行うことにより、画像不良の原因となるトナーを、第一の現像剤担持体上から除去することができる。
【0091】
つまり、一様帯電された表面が露光されることによって静電潜像が形成される像担持体と、現像剤を収容し、前記像担持体に現像剤を搬送する第一の現像剤担持体を備え、静電潜像を現像する現像装置と、を有し、前記像担持体上に現像剤像を形成する画像形成装置において、更に、像担持体と第一の現像剤担持体が接触した状態で、第一の現像剤担持に印加される電圧を第一の電圧とし、第二の現像剤担持体に印加される電圧を第二の電圧とするとき、第一の工程として、第一の電圧と第二の電圧との電位差の極性を、現像剤の帯電極性と逆極性にし、且つ、像担持体を露光電位にし、第二の工程として、その後、第一の電圧と第二の電圧との電位差の極性を、現像剤の帯電極性と同極性にし、第三の工程として、その後、第一の電圧と第二の電圧との電位差を無くし、且つ、像担持体を露光電位にする、第一〜第三の工程を有する現像剤除去制御を行うことにより、カブリの原因となるほとんど電荷を有しない現像剤、現像剤担持体上に融着・固着する電荷の大きな現像剤を現像剤担持体から効果的に除去することで、良好な画像品質を維持し得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係るプロセスカートリッジの一例を示す断面図である。
【図3】本発明に係る現像剤除去制御の一例を示すタイミングチャートである。
【図4】従来の現像装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム(像担持体)
2 帯電手段
4 現像装置
7 クリーナ
8 プロセスカートリッジ
23 現像ローラ(第一の現像剤担持体)
24 弾性ローラ
25 現像ブレード
26 トナー保持ローラ(第二の現像剤担持体)
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式又は静電記録方式を用いた、例えば複写機、プリンタ等の電子写真画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式又は静電記録方式の画像形成装置においては、現像装置が、像担持体上に形成された静電潜像に対し、現像剤により現像剤像(トナー像)として可視化する工程を行う。
【0003】
ここで、現像を行う現像装置として、例えば、乾式一成分接触現像装置が提案され実用化されている。
【0004】
この場合多くは、回転する像担持体(静電潜像担持体)に、現像装置に設置された回転する現像剤(トナー)担持体を、適当な相対周速差で押圧もしくは接触させることで、静電潜像を現像している。
【0005】
この方法は、現像剤として、磁性材料が不要であり、装置の簡略化および小型化が容易である、非磁性トナーを使用することで、フルカラー画像形成装置に応用が可能である等、多くの利点を有している。
【0006】
トナー担持体としては、弾性及び導電性を有する現像ローラを使用することができる。即ち、像担持体に押圧もしくは接触させて現像を行うため、特に像担持体が剛体である場合、これを傷つけることを避けるために、現像ローラを弾性体により構成させることが好適である。
【0007】
又、現像ローラ表面もしくは表面近傍に導電層を設け、現像バイアスとして直流DCバイアスを印加して使用することもできる。
【0008】
図4は、従来の現像装置100の概略断面図である。
【0009】
トナー担持体である現像ローラ101は、導電性を有する弾性ローラであり、矢印A方向に回転駆動する。現像ローラ101には、像担持体上の静電潜像を現像するため直流DCバイアスを印加する。
【0010】
現像ブレード102は、自由端側の先端近傍を現像ローラ101の外周面に面接触するように等接されている。この現像ローラ101と現像ブレード102の等接部を、現像ローラ101上に担持されたトナーが通過する際に、トナーへの電荷付与及びトナー薄層の形成が行われる。
【0011】
更に、弾性ローラ104が現像ローラ101に等接し、現像ローラ101と同方向の矢印B方向に回転駆動する。弾性ローラ104はスポンジローラであり、現像ローラ101へトナーの供給、且つ、現像されずに現像ローラ101上に残ったトナーの剥ぎ取りを目的とし、現像ローラ101の回転方向で現像ブレード102の上流側に配設されている。
【0012】
トナー103は、非磁性一成分現像剤である。トナーの帯電性および、転写性の向上を目的として、適当な量の疎水性シリカを外添している。
【0013】
そして、このような現像装置を複数用いた、電子写真方式の多色画像形成装置が実用化されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の画像形成装置を用いて数千枚の画像形成を繰り返したところ、カブリと呼ばれる画像不良、及び、現像ローラにトナーが融着・固着することで、現像ローラ上に均一なトナー薄層の形成ができなくなることに由来し、画像濃度ムラとなって出現する画像不良が発生するに至った。
【0015】
これら画像不良は、画像形成を繰り返すことで、現像ローラと現像ブレードとの間、及び、現像ローラと弾性ローラの間で、トナーが繰り返し摺擦され、劣化することに起因するものである。
【0016】
従って、本発明の目的は、カブリと呼ばれる画像不良、及び、現像ローラにトナーが融着・固着して、現像ローラ上に均一なトナー薄層の形成ができなくなることに由来する画像不良を防ぎ、特に、現像ローラ上に担持されるトナーの特性を選択することで、効果的に、画像不良の発生を防ぐ画像形成装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、下記の構成を特徴とする画像形成装置を提供する。
【0018】
(1)一様帯電された表面が露光されることによって静電潜像が形成される像担持体と、現像剤を収容し、前記像担持体に前記現像剤を搬送する第一の現像剤担持体を備え、前記静電潜像を現像する現像装置と、を有し、前記像担持体上に現像剤像を形成する画像形成装置において、
更に、電圧を印加することで、前記第一の現像剤担持体との電位差を設け、前記第一の現像剤担持体上の前記現像剤を一時担持する第二の現像剤担持体を備え、
前記像担持体と前記第一の現像剤担持体が接触した状態で、前記第二の現像剤担持体に印加する電圧を変化させることで、前記第一の現像剤担持体との電位差を変化させると同時に、前記像担持体を露光電位にする、現像剤除去制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
【0019】
(2)一様帯電された表面が露光されることによって静電潜像が形成される像担持体と、現像剤を収容し、前記像担持体に前記現像剤を搬送する第一の現像剤担持体を備え、前記静電潜像を現像する現像装置と、を有し、前記像担持体上に現像剤像を形成する画像形成装置において、
更に、電圧を印加することで、前記第一の現像剤担持体との電位差を設け、前記第一の現像剤担持体上の前記現像剤を一時担持する第二の現像剤担持体を備え、
前記像担持体と前記第一の現像剤担持体が接触した状態で、前記第一の現像剤担持体に印加される電圧を第一の電圧とし、前記第二の現像剤担持体に印加される電圧を第二の電圧とするとき、
第一の工程として、前記第一の電圧と前記第二の電圧との電位差の極性を、前記現像剤の帯電極性と逆極性にし、且つ、前記像担持体を露光電位にし、
第二の工程として、その後、前記第一の電圧と前記第二の電圧との電位差の極性を、前記現像剤の帯電極性と同極性にし、
第三の工程として、その後、前記第一の電圧と前記第二の電圧との電位差を無くし、且つ、前記像担持体を露光電位にする、
第一〜第三の工程を有する現像剤除去制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
【0020】
(3)一様帯電された表面が露光されることによって静電潜像が形成される像担持体と、現像剤を収容し、前記像担持体に前記現像剤を搬送する第一の現像剤担持体を備え、前記静電潜像を現像する現像装置と、を有し、前記像担持体上に現像剤像を形成する画像形成装置において、
更に、電圧を印加することで、前記第一の現像剤担持体との電位差を設け、前記第一の現像剤担持体上の前記現像剤を一時担持する第二の現像剤担持体を備え、
前記像担持体と前記第一の現像剤担持体が接触した状態で、前記第一の現像剤担持体に印加される電圧を第一の電圧とし、前記第二の現像剤担持体に印加される電圧を第二の電圧とするとき、
前記第一の電圧と前記第二の電圧との電位差の極性を、前記現像剤の帯電極性と逆極性にし、且つ、前記像担持体を露光電位にする、現像剤除去制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
【0021】
(4)一様帯電された表面が露光されることによって静電潜像が形成される像担持体と、現像剤を収容し、前記像担持体に前記現像剤を搬送する第一の現像剤担持体を備え、前記静電潜像を現像する現像装置と、を有し、前記像担持体上に現像剤像を形成する画像形成装置において、
更に、電圧を印加することで、前記第一の現像剤担持体との電位差を設け、前記第一の現像剤担持体上の前記現像剤を一時担持する第二の現像剤担持体を備え、
前記像担持体と前記第一の現像剤担持体が接触した状態で、前記第一の現像剤担持体に印加される電圧を第一の電圧とし、前記第二の現像剤担持体に印加される電圧を第二の電圧とするとき、
第一の工程として、前記第一の電圧と前記第二の電圧との電位差の極性を、前記現像剤の帯電極性と同極性にし、
第二の工程として、その後、前記第一の電圧と前記第二の電圧との電位差を無くし、且つ、前記像担持体を露光電位にする、
第一、第二の工程を有する現像剤除去制御を行うことを特徴とする請求項1の画像形成装置。
【0022】
(5)前記第一の電圧と前記第二の電圧との電位差の極性を、前記現像剤の帯電極性と逆極性にする間に、前記第一の現像剤担持体は1周以上回転することを特徴とする(2)又は(3)の画像形成装置。
【0023】
(6)前記第一の電圧と前記第二の電圧との電位差の極性を、前記現像剤の帯電極性と同極性にする間に、前記第一の現像剤担持体は1周以上回転することを特徴とする(2)又は(4)の画像形成装置。
【0024】
(7)前記現像剤除去制御が、所定の間隔をもって実行され、且つ、非画像形成時に行われることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0025】
(8)前記像担持体と、少なくとも前記現像装置を含む前記像担持体に関わるプロセス手段と、を一体的に構成したプロセスカートリッジを着脱自在に備えることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る現像装置及び画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0027】
実施例1
図1は本実施例に係る画像形成装置の一態様である4色フルカラー画像形成装置を示すものである。
【0028】
図1に示すフルカラー画像形成装置Aは、垂直方向に並設された4個の像担持体としての感光ドラム1(1A、1B、1C、1D)を備える。この感光ドラム1は、矢印方向に不図示の駆動手段により回転駆動される。感光ドラム1の周囲には、その回転方向に従って順に、感光ドラム1の表面を均一に帯電するための、帯電手段2(2A、2B、2C、2D)、画像情報に基づきレーザーを照射し、感光ドラム上に静電潜像を形成するスキャナ3(3A、3B、3C、3D)、静電潜像を現像剤像(トナー像)として現像する現像装置4(4A、4B、4C、4D)、感光ドラム1上のトナー像を記録材であるメディア5に転写するための静電搬送転写装置6、転写後の感光ドラム1表面に残った転写残トナーを除去するクリーナ7(7A、7B、7C、7D)等が配設されている。
【0029】
本実施例においては、感光ドラム1、及び感光ドラム1に関わるプロセス手段として、帯電手段2、現像装置4、クリーナ7は一体的にカートリッジ化され、プロセスカートリッジ8(8A、8B、8C、8D)を形成し、フルカラー画像形成装置Aに着脱可能なものとなっている。又、本実施例においては、プロセスカートリッジ8A、8B、8C、8Dは全て同一形状を有しており、その中に内包されるトナーは、それぞれ、シアン、イエロー、マゼンタ、ブラックである。
【0030】
そして、全ての感光ドラム1A、1B、1C、1Dに対向し、接するように、循環移動する転写材搬送ベルトとしての静電搬送ベルト9が配設されている。静電搬送ベルト9の内側に等接し、4個の感光ドラム1A、1B、1C、1Dに対応して、転写部材としての転写ローラ10(10A、10B、10C、10D)が並接される。これら転写ローラ10は感光ドラム1と対向し、転写部を形成する。これら転写ローラ10から静電搬送ベルト9を介して正極性の電荷が転写材に印加され、この電荷による電界により、感光ドラム1に接触中の転写材に、感光ドラム1上の負極性トナーが転写される。
【0031】
定着装置11は、メディア5に転写された複数のトナー像を定着させるものである。感光ドラム1上のトナー像を転写したメディア5は、定着装置11を通過する際に、熱および圧力を印加される。これにより、複数色のトナー像がメディア5表面に永久定着される。
【0032】
次に、本発明が実施されるプロセスカートリッジ8について、図2を用い説明する。
【0033】
感光ドラム1は、直径30mmのアルミシリンダの外周面に感光層を塗布して構成される剛体であり、図中矢印Cの方向に回転駆動する。
【0034】
帯電手段2は、ローラ状に形成された導電性ローラであり、このローラを感光ドラムに等接させ、帯電バイアスを印加することで、感光ドラム1表面を、Vd=−700Vに帯電する。そして、スキャナ3により、各色の画像信号に対応したレーザー光が、均一帯電された感光ドラム1上に照射され、選択的に露光された部位は、Vl=−100Vとなり、静電潜像が形成される。
【0035】
現像装置4(4A、4B、4C、4D)について説明する。現像装置4は、現像剤として一成分現像剤である負帯電性の非磁性トナー22を収容する現像容器21から構成されており、現像容器21内の長手方向に延在する開口部に位置し、感光ドラム1と対向配置された第一の現像剤担持体としての現像ローラ23を備え、感光ドラム1上の静電潜像を現像、可視化するようになっている。
【0036】
本実施例において負帯電性の非磁性トナー22には、疎水性シリカを1.0wt%外添した、粒径約6μmの粒度分布に優れた略球形化トナーを用いている。そのトナー帯電電荷量を示すトリボは、−40μC/gである。
【0037】
第一の現像剤担持体である現像ローラ23は、弾性を有し、直径16mmであり、上記開口部にて、図に示す右略半周を現像容器21に突入し、左略半周面を現像容器21から露出して横設される。この現像容器21から露出した面は、現像装置4の左方に位置する感光ドラム1に所定の侵入量となるように押圧、接触するように対向している。本実施例においては、感光ドラム1に対して現像ローラ23が50μm侵入し、接触する。
【0038】
現像ローラ23は感光ドラム1と逆方向である矢印A方向に回転駆動される。その表面は、トナー22との摺擦確立を高め、且つ、トナー22の搬送を良好に行うため、適度な凹凸を有している。本実施例における現像ローラ23は、Rz=10μmの粗さと、104〜106Ωの抵抗を有している。
【0039】
この現像ローラ23には、現像バイアスとして、本実施例においては、Vdc=−400Vの直流電圧が印加される。
【0040】
現像ローラ23の下方には、弾性ローラ24が当接され、回転可能に支持されている。弾性ローラ24は、スポンジ構造や、芯金上にレーヨン、ナイロン等の繊維を植毛したファーブラシ構造のものが、現像ローラ23へのトナー供給および未現像トナーの剥ぎ取りの点から好ましい。本実施例においては、直径16mmのウレタンスポンジローラであり、現像ローラ23と同一方向であるB方向に回転駆動する。
【0041】
現像ローラ23の上方には、弾性を有する現像ブレード25が、支持板金に支持され、自由端側の先端近傍を現像ローラ23の外周面に面接触にて当接するように設けられている。等接方向としては、等接部に対して自由端側の先端が、現像ローラ23の回転方向上流側に位置するカウンター方向となっている。本実施例においては、厚さ100μmのリン青銅製の金属薄板を用いて、良好な画像を得るためのトナーコート量として0.4mg/cm2となるように設定している。
【0042】
弾性ローラ24との摺擦により現像ローラ23上に担持されたトナーは、現像ブレード25との当接部を通過する際に、摩擦帯電により電荷付与され、且つ薄層に規制される。
【0043】
クリーナ7は、現像装置4によって感光ドラム1上に現像されたトナーが、メディア5に転写された後、転写されないで感光ドラム1上に残った転写残トナーを除去するものである。
【0044】
上記のプロセスカートリッジ8において、カブリと呼ばれる画像不良は、感光ドラム1に形成された静電潜像のVd部に対してトナーが転移する現象である。本実施例において、非磁性トナーは負帯電性を示し、現像ローラ23には、現像バイアスとして、Vdc=−400Vの直流電圧が印加されるため、本来ならばVd=−700Vに対してトナーが転移することはない。
【0045】
しかしながら、画像形成を繰り返すことで、現像ローラ23と現像ブレード25との間、及び、現像ローラ23と弾性ローラ24との間で、トナーが繰り返し摺擦され、劣化した場合、本来ならばトナーの帯電電荷量を示すトリボが、−40μC/gであるのに対し、それよりも絶対量の小さい−10μC/g〜+10μC/g程度の、ほとんど電荷を有しないトナーに変化する。
【0046】
このほとんど電荷を有しないトナーが、静電潜像のVd部に対して転移し、カブリと呼ばれる画像不良となる。
【0047】
画像濃度ムラとなって出現する画像不良は、現像ローラ23にトナーが融着・固着することで、現像ローラ23上に均一なトナー薄層の形成ができなくなることにより発生する。
【0048】
そこで、現像ローラ23と現像ブレード25との当接部から、現像ローラ23と感光ドラム1との接触部の間には、第二の現像剤担持体であるトナー保持ローラ26が配設されている。
【0049】
本実施例において、トナー保持ローラ26はゴムローラであり、不図示の押し圧部材により、現像ローラ23に100gfで荷重される。トナー保持ローラ26表面は適度な粗さを有する。トナー保持ローラ26の抵抗は107Ω程度である。
【0050】
このトナー保持ローラ26には、不図示の電源からバイアスが印加され、後述するように、現像ローラ23上のトナー薄層を、トナー保持ローラ26上に担持する。
【0051】
本実施例において、現像ローラ23上のトナー薄層量は0.4mg/cm2となるように設定されており、粒径約6μmの粒度分布に優れた略球形化トナーで、約3層のトナー層厚を有する。
【0052】
現像ローラ23にもっとも近い最下層には、本来ならばトナーの帯電電荷量を示すトリボが、−40μC/gであるのに対し、それよりもはるかに絶対量の大きい、−100μC/g程度の電荷を有すトナーが鏡映力により、現像ローラ23に強く吸着している。そのため、現像ローラ23へトナー供給および未現像トナーの剥ぎ取りを目的として当接された弾性ローラ24との摺擦によっても、現像ローラ23から剥ぎ取られることはない。
【0053】
この電荷の大きなトナーが、画像形成を繰り返すことで、現像ローラ23と現像ブレード25との間及び現像ローラ23と弾性ローラ24の間で、繰り返し摺擦され、現像ローラ23に融着・固着するのである。
【0054】
そこで本実施例においては、現像ローラ23と感光ドラム1とが接触した状態で、現像ローラ23上に配設されたトナー保持ローラ26に、不図示の電源からバイアスを印加し、それを変化させることで、トナー保持ローラ26と現像ローラ23との電位差を変化させ、カブリの原因となるほとんど電荷を有しないトナー、現像ローラ23上に融着・固着する電荷の大きなトナーを現像ローラ23から効果的に除去する現像剤除去制御である画像形成装置動作シーケンスを用いることを特徴とする。
【0055】
現像ローラ23、トナー保持ローラ26、及び、感光ドラム1上の静電潜像電位を図3に示し、T0からT5までのトナー除去シーケンスを説明する。
【0056】
1.T0からT1:現像剤除去制御前の状態であるT0からT1の間には、現像ローラ23には、現像バイアスと同じく、Vdc=−400Vの直流電圧を印加する。一方、感光ドラム1の表面は帯電手段2により、Vd=−700Vに均一帯電されている。
【0057】
2.T1からT2:トナー保持ローラ26に、現像ローラ23に印加した現像バイアスと適当なコントラストとなるように、本実施例においてはΔ400Vのコントラストを保つように0Vの直流電圧を印加することで、現像ローラ23に対して相対的にトナー保持ローラ26の電位をトナーの帯電極性と逆極性にし、負帯電性のトナーを、現像ローラ23からトナー保持ローラ26へ転移させる。
【0058】
しかしながら、現像ローラ23にもっとも近い最下層に堆積し、現像ローラ23上への融着・固着の原因となる電荷の大きなトナーは、鏡映力により容易にトナー保持ローラ26に転移できない。
【0059】
そこで、この時、Vd=−700Vに均一帯電された感光ドラム1表面に、スキャナ3からレーザー光を照射して全面露光することで、感光ドラム1表面をVl=−100Vとし、この露光電位に対して、現像ローラ23にもっとも近い最下層に堆積した電荷の大きなトナーを現像させる。これにより、現像ローラ23上に融着・固着する電荷の大きなトナーを現像ローラ23から除去する。
【0060】
トナー保持ローラ26に0Vの直流電圧を印加するT1からT2にかかる時間で、現像ローラ23が一周以上回転することが望ましい。
【0061】
3.T2からT3:感光ドラム1の電位を−700Vに戻し、トナー保持ローラ26に、現像ローラ23に印加した現像バイアスと同じ、本実施例においては−400Vの直流電圧を印加する。これにより、トナー保持ローラ26に保持された負帯電性のトナーは、現像ローラ23に再度、転移される。
【0062】
4.T3からT4:更に、トナー保持ローラ26には、現像ローラ23に印加した現像バイアスと適当なコントラストとなるように、本実施例においてはΔ400Vのコントラストを保つように−800Vの直流電圧を印加することで、現像ローラ23に対して相対的にトナー保持ローラ26の電位をトナーの帯電極性と同極性にし、カブリと呼ばれる画像不良の原因となる、電荷を有しないトナーを現像ローラ23からトナー保持ローラ26へ転移させる。
【0063】
尚、トナー保持ローラ26に−800Vの直流電圧を印加するT3からT4にかかる時間で、現像ローラ23が一周以上することが望ましい。
【0064】
5.T4からT5:トナー保持ローラ26に、現像ローラ23に印加した現像バイアスと同じ、本実施例においては−400Vの直流電圧を印加する。加えて、Vd=−700Vに均一帯電された感光ドラム1表面に、スキャナ3からレーザー光を照射して全面露光することで、感光ドラム1表面をVl=−100Vとし、T3からT4において、トナー保持ローラ26に保持され、その後、T4において、トナー保持ローラ26に、現像ローラ23に印加した現像バイアスと同じ、本実施例においては−400Vの直流電圧を印加することで、再度、現像ローラ23に転移した、電荷を有しないトナーを露光電位に対して現像させる。これにより、現像ローラ23上に電荷を有しないトナーを現像ローラ23から除去する。
【0065】
T4からT5にかかる時間は、トナー保持ローラ26が一周以上回転することが望ましい。
【0066】
つまり、感光ドラム1と現像ローラ23が接触した状態で、現像ローラ23に印加される電圧を第一の電圧とし、トナー保持ローラ26に印加される電圧を第二の電圧とするとき、第一の工程(T1からT2)にて、第一の電圧と第二の電圧との電位差の極性を、現像剤(トナー)の帯電極性と逆極性にし、且つ、感光ドラム1を露光電位にし、その後の第二の工程(T3からT4)で、第一の電圧と第二の電圧との電位差の極性を、トナーの帯電極性と同極性にし、第三の工程(T4からT5)で、第一の電圧と第二の電圧との電位差を無くし、且つ、感光ドラム1を露光電位にする。
【0067】
このようにして、画像不良の原因となるトナーを、現像ローラ23上から除去することができる。
【0068】
この第一、第二及び第三の工程を順に全て行うことが好適であるが、第一の工程にて行われた、トナー保持ローラ26に印加される電圧を第二の電圧とするとき、第一の工程にて、第一の電圧と第二の電圧との電位差の極性を、現像剤(トナー)の帯電極性と逆極性にし、且つ、感光ドラム1を露光電位にするだけでも、ある程度画像不良は回避できる。又、上記シーケンスでは、第二、第三の工程にて行われた、第一の電圧と第二の電圧との電位差の極性を、トナーの帯電極性と同極性にし、その後に、第一の電圧と第二の電圧との電位差を無くし、且つ、感光ドラム1を露光電位にするだけでも、ある程度の画像不良は回避できる。
【0069】
以上説明したトナー除去シーケンスにより、カブリの原因となるほとんど電荷を有しないトナー、現像ローラ上に融着・固着する電荷の大きなトナーを現像ローラから効果的に除去することができる。
【0070】
本実施例の構成におけるプロセスカートリッジならびに画像形成装置を用いた、画像形成動作について、図1を用いて説明する。
【0071】
画像形成装置Aは、パーソナルコンピュータ等のホスト14に接続され、ホスト14からのプリント要求信号を受け、画像データを受け取る。画像データは、不図示のコントローラ部によりシアン、イエロー、マゼンタ、ブラックの各色データに展開される。
【0072】
メディア5は給紙部15から分離給送され、レジストローラ16で一旦停止し、スキャナ3の立ち上がり、帯電手段2による感光ドラム1の電位安定化を待ち、メディア5の記録位置と、各4色のトナー像の画像形成タイミングを同期させ、静電搬送転写装置6により搬送される。
【0073】
まず、本実施例において第1色目である、シアンの画像形成が行われる。帯電装置2Aにより均一帯電された感光ドラム1Aに、スキャナ3Aにより、シアン画像データに基づいたレーザー露光が行われ、静電潜像が形成される。シアントナーを内包した現像装置4Aの現像ローラ23A上には、弾性ローラ24Aとの摺擦によりシアントナーが担持される。現像ローラ23Aが回転駆動することにより、担持されたシアントナーは、現像ブレード25Aとの等接部を通過する。この際、摩擦帯電により電荷付与され、均一薄層に規制される。
【0074】
現像ローラ23Aには、現像バイアスとしてVdc=−400Vの直流電圧が印加される。このとき、トナー保持ローラ26Aには、現像バイアスと同じVdc=−400Vの直流電圧が印加される。よってトナーの転移は行われない。現像ローラ23A上のシアントナー層は、一様に感光ドラム1Aとの対抗部である現像部へ搬送される。この現像部において、シアントナー層は、現像バイアスにより感光ドラム1Aの静電潜像を現像し、シアントナー像として可視化する。
【0075】
可視化された感光ドラム1A上のシアントナー像は、感光ドラム1Aの回転駆動により、対抗する転写ローラ10Aとの転写部に搬送される。同時に静電搬送ベルト9によりメディア5が、転写部に搬送される。
【0076】
転写ローラ10Aには、Vtr=1000Vが印加される。これにより、感光ドラム1Aに接触中のメディア5に、感光ドラム1A上のシアントナー像が転写される。
【0077】
次に、本実施例において第2色目である、イエローの画像形成が行われる。
【0078】
上述したのと同様のプロセスを経て、現像ローラ23Bには、現像バイアスとして、同じく、Vdc=−400Vの直流電圧が印加される。トナー保持ローラ26Bには、現像バイアスと同じVdc=−400Vの直流電圧が印加される。よってトナーの転移は行われない。現像ローラ23B上のイエロートナー層は、現像バイアスにより感光ドラム1Bの静電潜像を現像し、イエロートナー像として可視化され、感光ドラム1Bの回転駆動により、対向する転写ローラ10Bとの転写部に搬送される。
【0079】
同時に静電搬送ベルト9により、シアントナー像を転写されたメディア5が、転写部に搬送され、転写ローラ10Bには、Vtr=1000Vが印加される。これにより、感光ドラム1Bに接触中のメディア5に、感光ドラム1B上のシアントナー像が転写される。
【0080】
このように、順次、第3色目である、マゼンタの画像形成、最後に、本実施例において第4色目である、ブラックの画像形成が行われる。
【0081】
メディア5は静電搬送ベルト9に搬送されながら、順次、シアントナー像、イエロートナー像、マゼンタトナー像およびブラックトナー像が転写される。
4色のトナー像を転写されたメディア5は、静電搬送ベルト9から分離され、定着装置11により、永久定着され、機外に排出される。
【0082】
トナー除去シーケンスは、画像形成動作を一時中断し、非画像形成時に実行する。本実施例においては、500枚画像形成を行う毎に、自動的にトナー除去シーケンスが実行されるようにした。
【0083】
又、現像ローラ23(23A、23B、23C、23D)及びトナー保持ローラ26(26A、26B、26C、26D)へのバイアス印加タイミング、スキャナ3(3A、3B、3C、3D)のレーザー露光タイミングは、シアン、イエロー、マゼンタ、ブラックの各プロセスカートリッジ8(8A、8B、8C、8D)において、すべて同時とした。
【0084】
トナー除去シーケンスにより、現像ローラ23(23A、23B、23C、23D)から、感光ドラム1(1A、1B、1C、1D)上の露光電位に対して現像され、除去されたトナーは、感光ドラム1Aの回転駆動により、対向する転写ローラ10(10A、10B、10C、10D)との転写部に搬送されるが、このとき転写ローラ10には、転写バイアスVtrは印加しない。よって、静電搬送ベルト9に転移するトナーはほとんどない。静電搬送ベルト9に転移した場合においても、静電搬送ベルト9に当接するよう設けられたクリーナ30によって除去される。
【0085】
更に転写部を通過したトナーは、クリーナ7により感光ドラムから除去される。よって、トナー除去シーケンスにおいて静電搬送ベルト9を汚すことなく、さらにはメディア5を汚すことは無い。
【0086】
上記画像形成装置において、100000枚の画像形成動作を繰り返したところ、カブリと呼ばれる画像不良、及び、現像ローラにトナーが融着・固着することなく、現像ローラ上に均一なトナー薄層の形成ができなくなることもなく、それに由来する画像濃度ムラとなって出現する画像不良が発生することなく、良好な画像品質を維持し得ることができた。
【0087】
以上、画像形成装置に用いられる現像装置に、トナー保持ローラを備えることで、画像不良の原因となるトナーを効果的に除去することができる。そしてトナー除去シーケンスを所定の間隔をおいて実行することにより、カブリと呼ばれる画像不良及び現像ローラにトナーが融着・固着することなく、現像ローラ上に均一なトナー薄層の形成ができなくなることもなく、それに由来する画像濃度ムラとなって出現する画像不良が発生することなく、良好な画像品質を維持することができる。
【0088】
尚、本実施例においては、感光ドラムからメディアへ、複数色のトナー像を直接転写する構成の画像形成装置において説明したが、例えば、感光ドラムに形成したトナー像を、ベルト状あるいはドラム状の中間転写体に転写し、複数色重ね合わせてから、メディアに一括転写する場合においても適用できることは言うまでもない。
【0089】
又、感光ドラムや現像装置等を含むプロセスカートリッジは本実施例に説明した以外の構成でもよく、これらの画像形成手段がプロセスカートリッジ化されない画像形成装置においても本発明は適用できることもいうまでもない。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置は、一様帯電された表面が露光されることによって静電潜像が形成される像担持体と、現像剤を収容し、像担持体に現像剤を搬送する第一の現像剤担持体を備え、静電潜像を現像する現像装置と、を有し、像担持体上に現像剤像を形成する画像形成装置において、更に、電圧を印加することで、第一の現像剤担持体との電位差を設け、第一の現像剤担持体上の現像剤を一時担持する第二の現像剤担持体を備え、像担持体と第一の現像剤担持体が接触した状態で、第二の現像剤担持体に印加する電圧を変化させることで、第一の現像剤担持体との電位差を変化させると同時に、像担持体を露光電位にする、現像剤除去制御を行うことにより、画像不良の原因となるトナーを、第一の現像剤担持体上から除去することができる。
【0091】
つまり、一様帯電された表面が露光されることによって静電潜像が形成される像担持体と、現像剤を収容し、前記像担持体に現像剤を搬送する第一の現像剤担持体を備え、静電潜像を現像する現像装置と、を有し、前記像担持体上に現像剤像を形成する画像形成装置において、更に、像担持体と第一の現像剤担持体が接触した状態で、第一の現像剤担持に印加される電圧を第一の電圧とし、第二の現像剤担持体に印加される電圧を第二の電圧とするとき、第一の工程として、第一の電圧と第二の電圧との電位差の極性を、現像剤の帯電極性と逆極性にし、且つ、像担持体を露光電位にし、第二の工程として、その後、第一の電圧と第二の電圧との電位差の極性を、現像剤の帯電極性と同極性にし、第三の工程として、その後、第一の電圧と第二の電圧との電位差を無くし、且つ、像担持体を露光電位にする、第一〜第三の工程を有する現像剤除去制御を行うことにより、カブリの原因となるほとんど電荷を有しない現像剤、現像剤担持体上に融着・固着する電荷の大きな現像剤を現像剤担持体から効果的に除去することで、良好な画像品質を維持し得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係るプロセスカートリッジの一例を示す断面図である。
【図3】本発明に係る現像剤除去制御の一例を示すタイミングチャートである。
【図4】従来の現像装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム(像担持体)
2 帯電手段
4 現像装置
7 クリーナ
8 プロセスカートリッジ
23 現像ローラ(第一の現像剤担持体)
24 弾性ローラ
25 現像ブレード
26 トナー保持ローラ(第二の現像剤担持体)
Claims (1)
- 一様帯電された表面が露光されることによって静電潜像が形成される像担持体と、現像剤を収容し、前記像担持体に前記現像剤を搬送する第一の現像剤担持体を備え、前記静電潜像を現像する現像装置と、を有し、前記像担持体上に現像剤像を形成する画像形成装置において、
更に、電圧を印加することで、前記第一の現像剤担持体との電位差を設け、前記第一の現像剤担持体上の前記現像剤を一時担持する第二の現像剤担持体を備え、
前記像担持体と前記第一の現像剤担持体が接触した状態で、前記第二の現像剤担持体に印加する電圧を変化させることで、前記第一の現像剤担持体との電位差を変化させると同時に、前記像担持体を露光電位にする、現像剤除去制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002355199A JP2004184946A (ja) | 2002-12-06 | 2002-12-06 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2002355199A JP2004184946A (ja) | 2002-12-06 | 2002-12-06 | 画像形成装置 |
Publications (1)
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JP2004184946A true JP2004184946A (ja) | 2004-07-02 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002355199A Pending JP2004184946A (ja) | 2002-12-06 | 2002-12-06 | 画像形成装置 |
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-
2002
- 2002-12-06 JP JP2002355199A patent/JP2004184946A/ja active Pending
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