JP2004184790A - 光学フィルム及び液晶表示装置 - Google Patents

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亮児 木下
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俊彦 有吉
Seiji Umemoto
清司 梅本
Yuuki Nakano
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Abstract

【課題】液晶表示パネルの側面や角部より入射させた無色の光を効率よく視認方向に光路変換できて、その照明光が着色化し難く、明るくてその均一性に優れると共に、見易い表示の薄型軽量性に優れる液晶表示装置を形成しうる光学フィルムの開発。
【解決手段】透明フィルム(1B)の片面に屈折率差−0.02〜0.04、光弾性係数10×10−12/N以下の透明樹脂層(1A)を有してなり、その透明樹脂層がフィルム面に対して35〜48度の角度で傾斜する光路変換斜面(a)を具備する凹部からなる光出射手段(A)の複数を有する光学フィルム(1)及びその光学フィルムを液晶表示パネルにおける液晶セルの少なくとも片側に配置してなる液晶表示装置。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、液晶表示パネルの側面より入射させた光を効率よく視認方向に光路変換し、薄型軽量で明るく、像の乱れが少なくて見易い表示の液晶表示装置を形成しうる光学フィルムに関する。
【0002】
【発明の背景】
従来、サイドライト型導光板を液晶表示パネルの視認側に配置してなるフロントライト式の反射型液晶表示装置では厚さと重量の増大を招くことから、その薄型軽量化を目的に、液晶表示パネルの視認側液晶セル基板を介し側面方向からの入射光を反射させて照明光として利用しうるようにした反射型液晶表示装置が知られていた(特開平5−158033号公報)。
【0003】
しかしながら粗面を介した反射光を照明光とするため、明るい表示を得ることが困難な問題点があった。すなわち斯かる反射光は、光の伝送方向に対し正反射方向に強く反射されて光強度は角度に対し正規分布的に小さくなるため、液晶表示パネルの正面方向から大きく傾いた方向に強く出射され、正面方向の普通の視認方向では暗い表示となる問題点があった。
【0004】
一方、前記した難点に鑑みて、光出射手段を設けた光学フィルムを液晶表示パネル表面に設けたものも提案されている(特開2000−147499号公報)。しかしながらパネル側面から入射させた無色の伝送光を光路変換させてパネル照明光として利用した場合に、その照明光が着色化したり、液晶表示が暗くてコントラストに乏しくなる問題点があった。
【0005】
【発明の技術的課題】
本発明は、液晶表示パネルの側面や角部より入射させた無色の光を効率よく視認方向に光路変換できて、その照明光が着色化し難く、明るくてその均一性に優れると共に、見易い表示の薄型軽量性に優れる液晶表示装置を形成しうる光学フィルムの開発を課題とする。
【0006】
【課題の解決手段】
本発明は、透明フィルムの片面に、そのフィルムとの屈折率差が−0.02〜0.04であり、かつ光弾性係数の絶対値が10×10−12/N以下であるポリマーからなる透明樹脂層を有してなり、その透明樹脂層がフィルム面に対して35〜48度の角度で傾斜する光路変換斜面を具備する凹部からなる光出射手段の複数を有することを特徴とする光学フィルム、及びその光学フィルムを液晶表示パネルにおける液晶セルの少なくとも片側に配置してなることを特徴とする液晶表示装置を提供するものである。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、光学フィルムを液晶表示パネルに組み込むことで、液晶表示パネルの側面や角部より入射させた無色の光を光出射手段の光路変換斜面を介し効率的に、かつ指向性よく視認方向に光路変換でき、その照明光が着色化し難く、明るくてその均一性に優れると共に、見易い表示の薄型軽量性に優れる液晶表示装置を形成することができる。
【0008】
【発明の実施形態】
本発明による光学フィルムは、透明フィルムの片面に、そのフィルムとの屈折率差が−0.02〜0.04であり、かつ光弾性係数の絶対値が10×10−12/N以下であるポリマーからなる透明樹脂層を有してなり、その透明樹脂層がフィルム面に対して35〜48度の角度で傾斜する光路変換斜面を具備する凹部からなる光出射手段の複数を有するものである。その例を図1に示した。1が光学フィルムで、1Aが透明樹脂層、1Bが透明フィルムであり、またAが凹部からなる光出射手段で、aがその光路変換斜面である。さらに1Cは接着手段、1Dは剥離シートである。
【0009】
透明フィルムは、照明装置等を介して入射させる光の波長域に応じそれに透明性を示す適宜なポリマーの1種又は2種以上の混合物を用いて形成することができる。ちなみに可視光を入射させる場合の前記ポリマーの例としては、アセテート系樹脂やポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂やポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂やポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂やアクリル系樹脂、ポリエーテル系樹脂やポリ塩化ビニル、スチレン系樹脂やノルボルネン系樹脂があげられる。
【0010】
また特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマー、例えば(A)側鎖に置換又は/及び非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換又は/及び非置換のフェニル基並びにニトリル基を有する熱可塑性樹脂との前記A、Bを含有する樹脂組成物、あるいはアクリル系やウレタン系、アクリルウレタン系やエポキシ系、シリコーン系等の熱や紫外線、電子線等の放射線で重合処理しうる硬化型樹脂なども透明フィルムの形成に用いうる。
【0011】
なお前記A、Bを含有する樹脂組成物の具体例としては、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物などがあげられる。
【0012】
透明フィルムは、押出成形品の如く適宜な方法で形成したものであってよいが、例えばキャスティング方法によるものの如く、複屈折による位相差の小さいことが好ましい。透明フィルムの低位相差化は、例えばフィルムを焼鈍処理する方式等にて内部の光学歪みを除去する方法などにても行うことができる。従って透明フィルムの形成には、複屈折を示さないか、複屈折の小さいポリマーが好ましく用いうる。
【0013】
透明フィルムの厚さは、薄型軽量化等の点より5〜300μm、就中10〜200μm、特に20〜100μmが好ましい。また透明フィルムに内在する複屈折による位相差は、接着処理等で発生する位相差と同様に照明光の着色化や輝度ムラ等の原因となることよりその防止を目的に、50nm以下、就中25μm以下、特に10μm以下の面内位相差及び厚さ方向位相差であることが好ましい。また斯かる位相差は、可視域の光、就中、波長450〜650nmの光、特に波長550nmの光に基づくものであることが好ましい。
【0014】
なお前記の面内位相差は、式:(nx−ny)×dにて算出され、厚さ方向位相差は、式:{(nx+ny)/2−nz}×dにて算出される。式中、nxは面内の最大屈折率、nyはnxの方向に直交する方向の屈折率、nzは厚さ方向の屈折率、dはフィルム厚を意味する。
【0015】
光学フィルム1は、図4に例示した如く、側面や角部に照明装置51を有する液晶表示パネル100等の装置平面に沿う方向に配置し、前記照明装置による側面や角部方向からの入射光ないしその伝送光を矢印αの如く、光出射手段Aの光路変換斜面aを介し反射させて透明フィルムの光出射手段を有しない面側に、従って液晶表示パネル等の視認方向に光路変換し、必要に応じ反射層31を介し反射反転させて視認側より出射させ、その出射光を液晶表示パネル等の照明光(表示光)として利用できるようにすることを目的とする。
【0016】
光学フィルムは、前記の目的を達成するため図1に例示した如く、透明フィルム1Bの片面に前記した光出射手段Aの複数を有する透明樹脂層1Aを設けたものとして形成される。またその透明樹脂層は、内部応力で発生する複屈折による位相差の抑制を目的に、光弾性係数の絶対値が10×10−12/N以下のポリマーにて形成される。
【0017】
光学フィルムではその製造時の張力や接着処理、透明樹脂層付設時の硬化収縮や外部環境の温度変化に起因する内部応カで、透明樹脂層等の光弾性係数が大きいと複屈折による位相差が発生しやすい。特に光弾性係数が大きいポリマーは、一般に透明樹脂層形成時等の初期状態で位相差を内在しやすく、それに加熱や冷却などの外部環境の変化による内部応力が加わると大きな位相差となりやすい。
【0018】
透明樹脂層等の光学フィルムに複屈折による大きな位相差が発生すると、液晶表示パネルの側面や角部から入射させた伝送光がその位相差の影響を受けて、パネルを照明する光が着色化する。また偏光板を通過した直線偏光からなる伝送光が複屈折による位相差の影響で楕円偏光化や円偏光化し、再び偏光板に入射した際にその一部が吸収されて透過光の輝度が低下する。そのためパネル側面等に配置された光源から遠離るほど輝度低下が大きくなって、明るさがバラツクこととなり、後方での液晶表示が暗くなってコントラストに乏しくなる。
【0019】
内部応力で発生する複屈折による位相差を抑制する点から、より好ましい透明樹脂層は、光弾性係数の絶対値が8×10−12/N以下、就中5×10−12/N以下のポリマーからなるものである。光弾性係数は、2種以上のポリマーを混合して調節することもでき、従って透明樹脂層は、2種以上のポリマーの混合物にて形成することもできる。光弾性係数は、波長633nmの光に基づく。なお光学フィルムを形成する透明フィルムも、透明樹脂層の場合と同様の理由から上記に準じた光弾性係数のポリマーからなることが好ましい。
【0020】
また透明樹脂層は、それを付設する透明フィルムとの屈折率差が−0.02〜0.04となるポリマーにて形成される。屈折率差が当該範囲外では、液晶表示パネルの側面等より入射させた光ないしそのパネル内伝送光が透明樹脂層と透明フィルムの界面で全反射して光出射手段に到達する光が減少し、液晶表示の輝度を低下させる。また当該界面での反射損も大きくなり液晶表示の輝度やコントラストを低下させる。好ましい当該屈折率差は、−0.01〜0.03、就中0〜0.02である。
【0021】
透明樹脂層に設ける光出射手段は、図1の例の如くフィルム面に対する傾斜角θ1が35〜48度の光路変換斜面aを具備する凹部Aにて形成される。前記の如く光路変換斜面は、側面方向等からの入射光ないしその伝送光を所定方向に反射して光路変換する斜面であり、その場合に前記の傾斜角とすることにより光路変換を介して正面方向への指向性に優れる照明光とすることができる。
【0022】
光路変換斜面の当該傾斜角が35度未満では、液晶セルの背面側に反射板を配置して当該光路変換光を反射させた場合などに、その反射光に基づく表示光の液晶表示パネル等より出射する角度が30度を越えることとなり、視認に不利となる。一方、光路変換斜面の当該傾斜角が48度を超えると、全反射されずにその斜面から光洩れが生じやすくなり、光利用効率が低下する。
【0023】
前記において光路変換斜面による反射方式に代えて、表面を粗面化した光出射手段による散乱反射方式とした場合には、垂直方向に反射しにくくて液晶表示パネル等から、その正面方向より大きく傾いた方向に出射され、液晶表示が暗くてコントラストに乏しくなる。
【0024】
光路変換斜面を介し、側面等からの入射光ないしその伝送光を効率よく全反射させて、光学フィルムより、そのフィルム面の法線方向に指向性よく出射させ、液晶セル等を効率よく照明して明るくて見やすい液晶表示等を達成する点より、光路変換斜面の好ましい当該傾斜角θ1は38〜45度、就中40〜43度である。
【0025】
光出射手段は、前記した光路変換斜面を一面又は二面以上有する適宜な形態、例えば光路変換斜面に対する横断面に基づいて、三角形〜五角形等の形態を有する凹部にて形成することができる。ちなみに図1の例では、光路変換斜面aと当該傾斜角θ2が大きい立面bを具備する横断面三角形の光出射手段を示したが、二面の光路変換斜面aを有する横断面二等辺三角形の光出射手段などであってもよい。なお前記断面の多角形は、厳密な意味ではなく、辺の角度変化や辺の交点からなる角の円化等の変形は許容される。
【0026】
光出射手段は、前記の如く光の利用効率や傷付き難さ等の点より、図例の如く凹部にて形成される。就中、サイズの小型化による視覚性の低減や製造効率などの点より、横断面三角形の凹部からなる光出射手段が好ましい。なお凹部は、光学フィルム内に凹んでいること(溝)を意味する。
【0027】
また光出射手段は、その小型化、ひいては光学フィルムの薄層化を目的に複数形成される。その場合、一辺から他辺にわたり連続した光出射手段をストライプ状に配列させたものや、図2、3に平面図として例示した如く、不連続に断続する状態で複数の光出射手段を分布させたものとして形成することができる。
【0028】
光出射手段は、前記した連続又は不連続の状態にてその光路変換斜面に基づき平行に分布していてもよいし、図2の例の如く不規則に分布していてもよい。さらに図3の例の如く、仮想中心に対してピット状(同心円状)に配置された分布状態にあってもよい。その場合、ピット状配置にて光出射手段の光路変換斜面が対面するように向くこととなる仮想中心は、透明樹脂層ないし透明フィルムにおける辺の角部や角部間、あるいは辺ないし矩形領域の外側にあってよく、またその仮想中心は、異なる位置に2個以上あってもよい。
【0029】
複数の光出射手段の配置状態は、その形態やパネルの照明状態などに応じて適宜に決定することができる。上記したように光出射手段における光路変換斜面aは、照明モードにおいて照明装置による側面や角部方向からの入射光を所定方向に反射して光路変換し、パネル照明光を形成するものである。
【0030】
従って照明装置を介した側面方向等からの光を光路変換して液晶セルを効率よく照明する面発光機構を得て、明るくてコントラストに優れる液晶表示等を達成する点より、斯かる光路変換斜面を具備する光出射手段を全光線透過率が50%以上、就中70〜95%で、ヘイズが40%以下、就中4〜20%となるように透明フィルムの片面に分布させることが好ましい。
【0031】
前記の全光線透過率とヘイズの特性は、光出射手段のサイズや分布密度等の制御にて達成でき、例えば透明樹脂層における光出射手段の投影面積に基づく占有面積を1〜50%、就中2〜30%、特に3〜20%とすることにより達成することができる。なお反射型液晶表示装置用の場合には、外光モードでの外光透過率とのバランスや、光出射手段による表示画像の乱れ防止などの点より20%以下の前記占有面積とすることが好ましい。
【0032】
すなわち、より具体的には光路変換斜面のサイズが大きいと、観察者にその斜面の存在が認識されやすくなって表示品位を低下させやすくなり、液晶セル等に対する照明の均一性も低下しやすくなることなども考慮して、長さ方向に連続する光出射手段を平行に分布させる場合には、その繰返しピッチを2mm以下、就中20μm〜1mm、特に50〜500μmとし、フィルム面に対する光路変換斜面の投影幅を40μm以下、就中3〜20μm、特に5〜15μmとすることが好ましい。
【0033】
なお連続する光出射手段の平行分布は、光学フィルムの一辺に対して平行であってもよいし、30度以内の交差状態で配列していてもよい。後者は、液晶セル等の画素との干渉によるモアレの防止等に有効である。またモアレ防止は、平行配列のピッチの調節にても行うことができる。従って当該ピッチは、一定ピッチであってもよいし、変化していてもよい。
【0034】
一方、図2、3の例の如く、凹部からなる不連続な光出射手段を平行に又は不規則に分布させる場合や、仮想中心に対してピット状に分布させる場合には、前記した特性の達成に加え、光路変換斜面による反射効率も考慮して、光路変換斜面の長さを光出射手段の深さの5倍以上、就中8〜200倍、特に10〜100倍の光出射手段とすることが好ましい。
【0035】
また光路変換斜面の長さは10〜500μm、就中200μm以下、特に20〜100μm、光出射手段の深さ又は幅は、2〜100μm、就中5〜40μm、特に10〜20μmとすることが好ましい。前記の長さは光路変換斜面の長辺長に基づき、深さは透明樹脂層の外表面を基準とする。また幅は、光路変換斜面の長辺方向と、光出射手段の深さ方向とに直交する方向の長さに基づく。
【0036】
なお光出射手段を形成する面であって、光路変換斜面としての所定の傾斜角を満足しない面、例えば図1の横断面三角形の凹部における光路変換斜面aに対向する立面b等は、側面方向等からの入射光を有効な照明光として出射することに寄与するものではなく、表示品位や光伝送ないし光出射に可及的に影響しないことが好ましい。
【0037】
ちなみにフィルム面に対する立面の傾斜角θ2が小さいと、フィルム面に対する立面の投影面積が大きくなり、図4に例示した如く光学フィルム1を視認側に配置するフロントライト方式による外光モードでは、その立面による表面反射光が観察方向に戻って表示品位を阻害しやすくなる。
【0038】
従って立面等の当該傾斜角θ2は大きいほど有利であり、それによりフィルム面に対する投影面積を小さくできて、全光線透過率の低下等を抑制することができる。また光路変換斜面と立面による頂角も小さくできて表面反射光を低減でき、その反射光を光学フィルムの平面方向に傾けることができて、液晶表示等への影響を抑制することができる。斯かる点より立面等の好ましい傾斜角θ2は、60度以上、就中70度以上、特に75〜90度である。
【0039】
光出射手段を形成する斜面は、直線面や屈折面や湾曲面等の適宜な面形態に形成されていてよい。また光出射手段の断面形状は、その傾斜角等が透明樹脂層片面の全面で一定な形状であってもよいし、吸収ロスや先の光路変換による伝送光の減衰に対処して光学フィルム上での発光の均一化を図ることを目的に、光が入射する側の側面や角部から遠離るほど光出射手段を大きくしてもよい。
【0040】
また一定ピッチで配置した光出射手段とすることもできるし、図2、3の例の如く光が入射する側(矢印)の側面又は角部から遠離るほど徐々に配置ピッチを狭くして、光出射手段の分布密度を多くしたものとすることもできる。さらにランダムな配置ピッチにて光学フィルム上での発光の均一化を図ることもできる。ランダムな配置ピッチは、画素との干渉によるモアレの防止の点よりも有利である。よって光出射手段は、配置ピッチに加えて形状等も異なるものの組合せからなっていてもよい。
【0041】
光出射手段における光路変換斜面は、図1の例の如く液晶セル等の側面又は角部の方向より入射させる光の方向(矢印)に対面していることが、出射効率の向上の点より好ましい。従って線状の照明装置を用いる場合には図2に例示の如く光路変換斜面は、光学フィルムの一辺に対する方向又は一定の方向を向いていることが好ましい。また発光ダイオード等の点状の照明装置を用いる場合には、図3の例の如く光路変換斜面は、その点状の照明装置の発光中心の方向を向いていることが好ましい。
【0042】
光出射手段の断続端の形状等については特に限定はないが、その部分への入射光を低減して液晶表示等に影響することを抑制する点より、フィルム面に対する傾斜角が30度以上、就中45度以上、特に60〜90度の面とすることが好ましい。
【0043】
また透明樹脂層の外表面、さらに透明フィルムや光学フィルムの表裏面は、光出射手段の部分を除き可及的に平滑な平坦面であること、就中±2度以下の角度変化、特に0度の平坦面であることが好ましい。またその角度変化が長さ5mmあたり1度以内であることが好ましい。
【0044】
斯かる平坦面とすることにより、透明フィルムないし光学フィルムの大部分を角度変化が2度以下の平滑面とすることでき、液晶セル等の内部を伝送する光を効率よく利用できて、画像を乱さない均一な光出射を達成することができる。また光学フィルムを液晶セル基板や偏光板等の他部材と接着処理する際の作業のしやすさなどの点よりも好ましい。
【0045】
上記したように、図3に例示した如き光出射手段Aのピット状配置は、点状の照明装置を液晶表示パネルの側面や角部等に配置し、その点状の照明装置による側面等の方向からの放射状の入射光、ないしその伝送光を光路変換斜面aを介し光路変換して、光学フィルムを可及的に均一に発光させ、液晶セル等に対し法線方向の指向性に優れる光を照明装置光の利用効率よく、光学フィルムから出射させることを目的とする。
【0046】
従ってそのピット状配置は、点状の照明装置の配置が容易となるように、上記した如く透明樹脂層ないし光学フィルムの端面又はその外側や、角部ないし切欠き(テーパー状)角部又はその外側に、仮想中心が形成されるように行うことが好ましい。また仮想中心は、上記したように光学フィルムの同じ又は異なる端面や角部に対して一箇所又は二箇所以上を形成することができる。
【0047】
光学フィルムの形成は、適宜な方法で行うことができる。ちなみにその例としては、熱や紫外線、あるいは電子線等の放射線で重合処理しうる液状樹脂やモノマーやオリゴマー等を透明フィルムに塗工し、その塗工層を所定の光出射手段を形成しうる型に押しつけて成形したのち重合処理して、複数の光出射手段を有する透明樹脂層を透明フィルムに密着させる方法、前記の液状樹脂等を所定の光出射手段を形成しうる型に充填し、その充填層の上に透明フィルムを密着配置して紫外線や放射線等の照射で重合処理して、複数の光出射手段を有する透明樹脂層を透明フィルムに密着させる方法があげられる。
【0048】
また熱可塑性樹脂からなる透明樹脂層形成用のフィルムを所定の光出射手段を形成しうる型に加熱下に押付て形状を転写する方法、加熱溶融させた熱可塑性樹脂、あるいは熱や溶媒を介して流動化させた樹脂を所定の光出射手段を形成しうる型に充填する方法、熱や紫外線、あるいは電子線等の放射線で重合処理しうる液状樹脂やモノマーやオリゴマー等を所定の光出射手段を形成しうる型に充填ないし流延して重合処理する方法などにて、複数の光出射手段を有する透明樹脂層を形成し、それを必要に応じ接着剤等を介して透明フィルムと接着する方法等にても光学フィルムを形成することができる。
【0049】
前記において透明樹脂層の形成には、照明装置等を介して入射させる光の波長域に応じそれに透明性を示して、上記した光弾性係数と屈折率差を満足する適宜な透明樹脂を用いうる。ちなみにその例としては、上記の透明フィルムで例示のポリマーなどがあげられる。
【0050】
光学フィルムにおける光出射手段形成面には、必要に応じて外光の表面反射による視認阻害の防止を目的としたノングレア処理や反射防止処理、傷付き防止を目的としたハードコート処理などを施すことができる。斯かる処理を施した光学フィルムは、特にフロントライト方式に好ましく用いうる。
【0051】
前記したノングレア処理は、サンドブラスト方式やエンボス加工方式等の粗面化方式、シリカ等の前記した透明粒子を配合した樹脂の塗工方式などの種々の方式で、表面を微細凹凸構造化することにより施すことができる。また反射防止処理は、干渉性の蒸着膜を形成する方式などにて施すことができる。更にハードコート処理は、硬化型樹脂等の硬質樹脂を塗工する方式などにて施すことができる。ノングレア処理や反射防止処理やハードコート処理は、その1種又は2種以上の処理を施したフィルムの接着方式などにても施すことができる。
【0052】
光学フィルムは、透明フィルムの透明樹脂層を有しない側に接着手段を有するものとすることができる。光学フィルムは、上記したように側面や角部からの入射光を伝送する基板に対して配置されるものである。その場合に、光学フィルムを接着手段を介して基板に密着させることにより、光出射手段の光路変換斜面を介した反射効率、ひいては側面等の方向よりの入射光の有効利用による輝度を向上させることができる。
【0053】
接着界面での全反射を抑制して、液晶セル等の基板を介した伝送光の透明フィルムへの入射効率を高め、明るくてその均一性に優れる液晶表示等を得る点より好ましい接着手段は、透明フィルムよりも0.07低い屈折率以上の屈折率を有して、基板よりも高いかそれに近い屈折率を有するものである。
【0054】
ちなみに液晶セルのセル基板等からなる基板よりも低い屈折率の接着手段では側面等からの入射光がその伝送の際に全反射を受けやすい。基板には通例、樹脂板や光学ガラス板が用いられ、エボキシ樹脂基板や無アルカリガラス板の場合、その屈折率は1.50〜1.52程度が一般的であるから、理想的にはそれ以上の屈折率を有する接着手段を介し接着処理することで、基板から透明フィルムに入射しうる角度を有する伝送光の殆どを接着界面で全反射させずに透明フィルムに入射させることができる。
【0055】
全反射に基づく閉込め作用で出射できない損失光量の抑制による、表示輝度や面内での明るさの均一性の向上などの点より、接着手段や基板や光学フィルム等の光透過型光学層の間の各界面における好ましい屈折率差は、0.15以内、就中0.10以内、特に0.05以内である。従って接着手段の好ましい屈折率は、1.49以上、就中1.50以上、特に1.51以上である。よって光学フィルムを偏光板等と接着する場合にも、その接着手段は前記の屈折率条件を満足することが好ましい。
【0056】
接着手段としての接着層の形成には、例えば紫外線や放射線等の照射又は加熱で硬化する接着剤などの適宜なものを用いることができ、特に限定はない。就中、透明性に優れるものが好ましい。また簡便接着性等の取扱性や内部応力の発生を抑制する応力緩和性などの点よりは、粘着層が好ましく用いうる。
【0057】
粘着層の形成には、例えばゴム系やアクリル系、ビニルアルキルエーテル系やシリコーン系、ポリエステル系やポリウレタン系、ポリエーテル系やポリアミド系、スチレン系などの適宜なポリマーをベースポリマーとする粘着剤などを用いうる。就中、アクリル酸ないしメタクリル酸のアルキルエステルを主体とするポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤の如く透明性や耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いられる。
【0058】
また接着層は、それに例えばシリカやアルミナ、チタニアやジルコニア、酸化錫や酸化インジウム、酸化カドミウムや酸化ノンモン等の導電性のこともある無機系粒子や、架橋又は未架橋ポリマー等の有機系粒子などの適宜な透明粒子を1種又は2種以上含有させて光拡散型のものとすることもできる。
【0059】
光学フィルムは、偏光板の透明保護層として用いることもできる。すなわち図4の例の如く、光学フィルムを光出射手段Aを有しない側を介し偏光板25に積層したものとすることもできる。その場合、光学フィルムと偏光板は、上記に準じた接着手段を介して接着積層されていることが、光出射手段Aの光路変換斜面aを介した反射効率、ひいては側面や角部の方向からの入射光の有効利用による輝度向上の点より好ましい。
【0060】
前記した偏光板一体型の光学フィルムは、そのまま液晶表示パネル等に適用することができる。その場合、光出射手段が外側に位置するように光学フィルムを配置する方式が、通例である。複屈折による位相差が発生しにくい光学フィルムの使用にて、図4の矢印γの如く、偏光板25を介した直線偏光が入射した場合にその偏光状態を良好に維持できて、偏光板に再入射した際の吸収や、表示品位の低下を有効に防止することができる。
【0061】
偏光板としては、適宜なものを用いることができ特に限定はない。高度な直線偏光の入射による良好なコントラスト比の表示を得る点などよりは、例えばポリビニルアルコール系フィルムや部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムの如き親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて延伸したものからなる吸収型偏光フィルムなどの如く、偏光度の高い偏光板が好ましく用いうる。
【0062】
偏光板は、前記偏光フィルムの片側又は両側に透明保護層を有するものであってもよい。透明保護層は、フィルムの接着方式やポリマー液等の塗布方式などにて付与でき、その形成には上記の透明フィルムで例示したポリマー、就中トリアセチルセルロースの如く透明性や機械的強度、熱安定性や水分遮蔽性などに優れるポリマーが好ましく用いられる。
【0063】
透明保護層は、単層物として形成されていてもよいし、同種又は異種の材料からなる積層体などとして形成されていてもよい。透明保護層の厚さは、薄型軽量化等の点より、5〜500μm、就中10〜300μm、特に20〜100μmが好ましい。上記した偏光板一体型の光学フィルムは、透明樹脂層を有する透明フィルムが薄型化を目的に、当該透明保護層を兼ねるものとして積層されていてもよいし、透明保護層の外側に付加する状態で積層されていてもよい。
【0064】
偏光板一体型の光学フィルムにも、液晶セル等の他部材と接着するための透明な接着層等の接着手段を、必要に応じて設けることができる。その接着層は、上記に準じることができる。なお光学フィルムに設けた接着層に対しては、図1の例の如くそれを実用に供するまでの間、異物の混入等の防止を目的に剥離シート1Dを仮着して、カバーしておくことが好ましい。
【0065】
本発明による光学フィルムは、その光出射手段(光路変換斜面)を介して、照明装置による側面や角部の方向からの入射光ないしその伝送光を、視認に有利な垂直性に優れる方向(法線方向)に光路変換して光の利用効率よく出射し、また外光に対しても良好な透過性を示すものとすることができる。
【0066】
従って例えば、従来の透過型や、反射層ないし半透過型反射層を具備する反射型ないし半透過型等の各種の液晶表示パネル等に適用して、明るくて見やすい薄型軽量の透過型、又は外光・照明両用型の液晶表示装置などの種々の装置を形成することができる。
【0067】
前記した液晶表示装置の例を図4に示した。図4は、光学フィルム1を反射層具備の従来の反射型液晶表示パネルの視認側に適用して、フロントライト方式の外光・照明両用型液晶表示装置とした例を示したものである。20、30が液晶セルにおけるセル基板、40が液晶層、31が反射層である。
【0068】
図例の如く液晶表示装置は、光学フィルム1を液晶表示パネルにおける液晶セルの少なくとも片側に配置することにより形成することができる。その場合、光学フィルムは、その光出射手段を有する側が外側となるように、液晶表示パネルの視認側又は背面側の少なくとも一方に配置することが一般的である。また光学フィルムは、接着層を介し液晶セル等に接着することが明るい表示を達成する点より好ましい。
【0069】
さらに明るくてコントラストに優れる液晶表示を達成する点より、最寄りの液晶セル基板との屈折率差が−0.02〜0.04の透明フィルムを用いた光学フィルムの使用が好ましい。これにより照明装置を介した入射光ないしその伝送光が全反射で液晶セル基板内に閉じ込められてパネル照明の光量が低下し、液晶表示が暗くなることを抑制できる。また屈折率差にて大きな反射損が発生して液晶表示が暗くなりコントラストが低下することを抑制できる。
【0070】
光学フィルムを利用した照明機構は、図4の例の如く液晶表示パネルの1又は2以上の側面又は/及び角部、特に光学フィルム1を配置した側の液晶セル基板20の1又は2以上の側面又は/及び角部に、1個又は2個以上の照明装置51を配置することにより形成することができる。
【0071】
前記において図3の例の如きピット状配置の光出射手段を有する光学フィルムの場合には、点状の照明装置による放射状入射光を効率よく利用して明るい表示を達成する点より、ピット状配置の光出射手段の仮想中心を含む垂直線上における液晶セルの側面又は/及び角部に点状の照明装置を配置することが好ましい。
【0072】
仮想中心に対応した点状の照明装置の斯かる配置に際しては、光出射手段の仮想中心が光学フィルムの端面にあるか、その外側にあるかなどに応じて図4の例の如く、液晶セル基板20の点状の照明装置を配置する側を突出させる方式などの適宜な対応策を採ることができる。線状の照明装置等の他の照明装置を配置する場合も同様である。
【0073】
液晶セルの側面等に配置する照明装置としては、適宜なものを用いることができる。例えば前記した発光ダイオード等の点状照明装置のほか、(冷,熱)陰極管等の線状照明装置、点状照明装置を線状や面状等に配列したアレイ体、あるいは点状照明装置と線状導光板を組合せて点状照明装置からの入射光を線状導光板を介し線状照明装置に変換するようにしたものなどが好ましく用いうる。
【0074】
また照明装置は、光学フィルムの光路変換斜面が対面することとなる液晶表示パネル側面等に配置することが、出射効率の点より好ましい。上記したピット状配置の場合も含めて、光路変換斜面が照明装置に対して可及的に垂直に対面するように配置することにより、照明装置を介した側面や角部からの入射光を効率よく面状に変換して高効率に面発光させることができる。
【0075】
従って横断面が二等辺三角形で二面の光路変換斜面を具備するものなどの如く複数の光路変換斜面を具備する光出射手段を有する光学フィルムの場合には、液晶セル基板の対向する側面や角部の両方などの、複数の光路変換斜面に対応した数の照明装置を配置することもできる。またピット状配置の場合には、光学フィルムにおける光出射手段の仮想中心に対応した1個所又は2個所以上に点状の照明装置を配置することもできる。
【0076】
照明装置は、その点灯による照明モードでの視認を可能とするものであり、外光・照明両用型の液晶表示装置の場合に、外光による外光モードにて視認するときには点灯の必要がないので、その点灯・消灯を切り替えうるものとされる。その切り替え方式には任意な方式を採ることができ、従来方式のいずれも採ることができる。なお照明装置は、発光色を切り替えうる異色発光式のものであってもよく、また異種の照明装置を介して異色発光させうるものとすることもできる。
【0077】
図4の例の如く照明装置51に対しては、必要に応じ発散光を液晶セルの側面に導くためにそれを包囲するリフレクタ52などの適宜な補助手段を配置した組合せ体とすることもできる。リフレクタとしては、高反射率の金属薄膜を付設した樹脂シートや白色シートや金属箔などの適宜な反射シートを用いうる。リフレクタは、その端部を液晶セル基板等の端部に接着する方式などにて、照明装置の包囲を兼ねる固定手段として利用することもできる。
【0078】
液晶表示装置は一般に、液晶シャッタとして機能する液晶セルとそれに付随の駆動装置、フロントライト又はバックライト(光学フィルム)及び必要に応じての反射層や補償用位相差板等の構成部品を適宜に組立てることなどにより形成される。本発明においては上記した光学フィルムと照明装置を用いて照明機構を形成する点を除いて特に限定はなく、従来のフロントライト型やバックライト型のものに準じて形成することができる。
【0079】
従って用いる液晶セルについては特に限定はなく、図例の如く液晶セル基板20、30の間に封止材41を介し液晶40を封入し、その液晶等による光制御を介して表示光を得るようにした、適宜な透過型や反射型、ないしハーフミラーの如く光を透過し、かつ反射する半透過型反射層を用いた半透過型のものを用いることができる。
【0080】
ちなみに前記液晶セルの具体例としては、TN型やSTN型、IPS型やHAN型、OCB型やVA型の如きツイスト系や非ツイスト系、ゲストホスト系や強誘電性液晶系の液晶セル、あるいは内部拡散式等の光拡散型の液晶セルなどがあげられる。また液晶の駆動方式も、例えばアクティブマトリクス方式やパッシブマトリクス方式などの適宜なものであってよい。液晶の駆動は通例、図4の例の如く、液晶セル基板の内側に設けた電極21、31を介して行われる。
【0081】
反射型ないし半透過型の液晶表示装置では反射層ないし半透過型反射層の配置が必須であるが、その配置位置については図4に例示の如く液晶セルの内側に設けることもできるし、液晶セルの外側に設けることもできる。従って図4の例で電極31は、反射層も兼ねている。
【0082】
反射層についは、例えばアルミニウムや銀、金や銅やクロム等の高反射率金属の粉末をバインダ樹脂中に含有する塗工層や蒸着方式等による金属薄膜の付設層、その塗工層や付設層を基材で支持した反射シート、金属箔や透明導電膜、誘電体多層膜などの、従来に準じた適宜な反射層として形成することができる。また半透過型反射層についても、例えばハーフミラーや反射材含有シート、前記反射層に多数の孔を設けたなどの、従来に準じた適宜な半透過型反射層として形成することができる。
【0083】
一方、透過型の液晶表示装置は、液晶表示パネルの背面側に光学フィルムを配置してバックライト機構を形成することにより製造しうる。その場合に、光出射手段の背面側(外側)に反射層を設けることにより、光路変換斜面等から洩れる光を反射させて液晶セルの方向に戻すことでパネル照明に利用でき、輝度の向上を図ることができる。またその反射層を拡散反射面とすることで、反射光を拡散させて正面方向に向けることができ、視認により有効な方向に向けることができる。
【0084】
さらに前記した反射層の配置により、透過型で、かつ外光・照明両用型の液晶表示装置を形成することも可能である。透過型液晶表示装置に配置する反射層は、上記した反射型液晶表示装置で例示した反射層に準じることができる。なお電界により光を変調する液晶層を有する反射型液晶表示装置では、図4の例の如く液晶セルの視認側に光学フィルムを配置するフロントライト式が一般的である。
【0085】
他方、半透過型反射層を用いた半透過型液晶表示装置の場合には、前記したフロントライト方式及びバックライト方式のいずれにても照明機構を形成することができる。従って液晶表示パネルの視認側と背面側の両方に光学フィルムを配置して、フロントライトとバックライトの両方の照明機構を設けた、外光・照明両用型の半透過型液晶表示装置を形成することもできる。
【0086】
なお前記の透過型において、反射層を液晶セルの外側に配置する場合、その液晶セル基板や電極は、液晶表示を可能とするために透明基板や透明電極として形成することが必要である。一方、図4の例の如く、液晶セルの内部に反射層を兼ねる電極31を設ける場合には、液晶表示を可能とするためにその視認側の液晶セル基板20や電極21は透明基板や透明電極として形成する必要があるが、背面側の液晶セル基板30はその反射層31と同様に透明である必要はなく、不透明体にて形成されていてもよい。半透過型の場合には、前記の透過型や反射型に準じうる。
【0087】
液晶セル基板の厚さについては、特に限定はなく液晶の封入強度や、配置する照明装置の大きさなどに応じて適宜に決定しうる。一般には光伝送効率と薄型軽量性のバランスなどの点より10μm〜5mm、就中50μm〜2mm、特に100μm〜1mmの厚さとされる。また液晶セル基板の厚さは、照明装置を配置する側と配置しない側とで相違していてもよいし、同厚であってもよい。輝度向上の点よりは照明装置を配置する側の液晶セル基板を厚くすることが有利である。
【0088】
液晶表示パネルの形成に際しては、必要に応じ図4の例の如く、液晶を配向させるためのラビング膜等の配向膜22、32や、カラー表示を実現するためのカラーフィルタ23、低屈折率層24、偏光板25、位相差板26などを設けることができる。配向膜は液晶層に隣接するように配置し、カラーフィルタは液晶セル基板と電極の間に配置する方式が一般的である。なお直線偏光を介した表示光の制御を目的とした偏光板は、液晶セルの視認側及び背面側の一方又は両方の適宜な位置に配置することができる。
【0089】
前記した低屈折率層は、図4の矢印βの如く、照明装置51を介した側面や角部の方向からの入射光を界面反射させて、照明装置より遠離る方向の後方に効率よく伝送し、後方にある光路変換斜面にも光が効率よく入射して、パネル表示面の全面での明るさの均一性の向上を目的とする。低屈折率層は、その配置位置に応じてフッ素化合物等の無機物や有機物からなる適宜な低屈折率材料による透明層や接着層として形成することができる。
【0090】
低屈折率層の配置位置は、図4の例の如く照明装置51を配置した液晶セル基板20の内側、すなわち基板の光学フィルム付設側とは反対の面が液晶表示の明るさの向上の点より好ましい。また液晶セル基板よりも屈折率が0.01以上、就中0.02〜0.15、特に0.05〜0.10低い低屈折率層が液晶表示の明るさの向上の点より好ましい。
【0091】
液晶表示装置の形成に際しては必要に応じ、上記したノングレア層等のほかに光拡散層や位相差板などの適宜な光学層の1層又は2層以上を付加した液晶表示パネルとすることもできる。光拡散層は、表示光の拡散による表示範囲の拡大や発光の平準化による輝度の均一化、液晶セル内の伝送光の拡散による光学フィルムへの入射光量の増大などを目的とする。なお前記の付加する光学層は、必要に応じ接着層等を介し光学フィルムと積層一体化して液晶セルに適用することもできる。
【0092】
光拡散層は、上記のノングレア層に準じた表面微細凹凸構造を有する塗工層や拡散シートなどによる適宜な方式にて設けることができる。光拡散層は、接着層に透明粒子を配合して接着層を兼ねる層として配置することもでき、これにより液晶表示装置の薄型化を図かることができる。光拡散層は、光学フィルムと視認側の液晶セル基板の間などの適宜な位置に、1層又は2層以上を配置することができる。
【0093】
また前記した位相差板は、光学補償による視野角の拡大や着色防止等を目的とし通例、図4の如く視認側又は/及び背面側の偏光板と液晶セル基板の間に配置される。補償用の位相差板には、波長域などに応じて適宜なものを用いることができ1層又は2層以上の位相差層の重畳層として形成されていてもよい。
【0094】
位相差板は、適宜な透明ポリマーからなるフィルムを一軸や二軸等の適宜な方式で延伸処理してなる複屈折性フィルム、ネマチック系やディスコティック系等の適宜な液晶ポリマーの配向フィルムやその配向層を透明基材で支持したものなどとして得ることができ、熱収縮性フィルムの加熱収縮力の作用下に厚さ方向の屈折率を制御したものなどであってもよい。
【0095】
なお上記した図4の反射型液晶表示装置において、外光・照明両用による視認は、照明装置51の点灯による照明モードにおいて図例の矢印αの如く、光学フィルム1の裏面より出射した光が、液晶セルを経由してその反射層31で反射された後、液晶セル内を逆経由して光学フィルムに至り、光出射手段A以外の部分より透過した表示光が視認される。
【0096】
一方、照明装置の消灯による外光モードにおいては、光学フィルム1の光出射手段形成面における光出射手段以外の部分より入射した光が反射層31を介し、前記に準じ液晶セル内を逆経由して光学フィルムに至り、光出射手段以外の部分より透過した表示光が視認される。
【0097】
他方、透過型液晶表示装置において外光・照明両用による視認は、照明装置の点灯による照明モードにおいて、背面側に配置した光学フィルムより出射した光が液晶セル内に入射し、偏光板等を透過した表示光が視認される。また照明装置の消灯による外光モードでは、視認側表面より入射した外光が液晶セルを透過して光学フィルムに至り、その光出射手段形成面の光出射手段以外の部分より入射した光が背面に設けた反射層を介し反転し、液晶セル内を逆経由して透過した表示光が視認される。なお半透過型液晶表示装置では、前記の反射型と透過型に準じて外光・照明両用による視認が行われる。
【0098】
本発明において、上記した液晶表示装置を形成する各部品は、全体的又は部分的に積層一体化されて固着されていてもよいし、分離容易な状態に配置されていてもよい。界面反射の抑制によるコントラストの低下防止などの点よりは、固着状態にあることが好ましく、少なくとも光学フィルムと偏光板ないし液晶セルが固着密着状態にあることが好ましい。前記の固着処理には、粘着剤等の適宜な透明接着剤を用いることができ、その透明接着層に透明粒子等を含有させて拡散機能を示す接着層などとすることもできる。
【0099】
また前記の形成部品、特に視認側のそれには、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などにより紫外線吸収能をもたせることもできる。
【0100】
【実施例】
参考例
屈折率1.52の無アルカリガラス板の上に酸化インジウム・スズ(ITO)透明導電層をスパッタリング方式にて形成し、その上にポリビニルアルコール溶液をスピンコートしてその乾燥膜をラビング処理し視認側と背面側の液晶セル基板を得た。なお視認側液晶セル基板では、ガラス板上にフッ化マグネシウムを蒸着して低屈折率層を形成しアルゴン雰囲気中でプラズマ処理を施した後、その上にITO透明導電層を形成した。
【0101】
ついで、前記の視認側と背面側の液晶セル基板をそのラビング面をラビング方向が直交するように対向させて球形のガラスビーズよりなるギャップ調節材を配した後、周囲をエポキシ樹脂でシールしたのち液晶(BDH社製、E−7:200重量部に、カイラル剤(メルク社製、MC−32)1重量部の混合物)を注入して液晶セルを形成した。
【0102】
実施例1
光弾性係数3×10−12/N、屈折率1.54、厚さ60μmのポリオレフィン系フィルムに紫外線硬化性のアクリル系樹脂を約100μmの厚さで塗工し、その塗工層を予め所定形状に加工した金型にゴムローラにて密着させると共に余分な樹脂と気泡を押し出した後、メタルハライドランプにて紫外線を照射し硬化させて光弾性係数5×10−12/N、屈折率1.54の透明樹脂層を形成して金型から剥離し、所定サイズに切りだして光出射手段を具備する面内位相差5nm、厚さ方向位相差8nmの光学フィルムを得た。なお前記位相差は、王子計測機器社製、KOBRA−21ADHにて測定した(以下同じ)。
【0103】
前記の光学フィルムは、サイズが30mm角であり、多数の光出射手段を、その光路変換斜面に基づいて光学フィルムの一辺に対して平行に配列した状態で有するものである。また各光出射手段は、長さが約100μmで、幅と深さが約10μmの横断面三角形の凹部からなり、フィルム面に対する光路変換斜面の傾斜角は41度で、対向する立面の傾斜角は78度である。
【0104】
次に前記の光学フィルムを光出射手段を有しない側を介してポリビニルアルコール系偏光板と、屈折率1.523のアクリル系粘着層にて接着した後、それを光出射手段を外側にして参考例で得た液晶セルの視認側に屈折率1.523のアクリル系粘着層を介して接着し、セルの背面側に反射層具備の偏光板を同様に接着して反射型液晶表示装置を得た。
【0105】
比較例
光弾性係数が22×10−12/Nのアクリル樹脂にて透明樹脂層を形成したほかは実施例1に準じて屈折率1.54、面内位相差7nm、厚さ方向位相差10nmの光学フィルムを得ると共に、それを用いて反射型液晶表示装置を得た。
【0106】
評価試験
実施例、比較例で得た反射型液晶表示装置をエージングしないで、又は80℃で24時間エージング処理を行った後、その視認側液晶セル基板の側面に冷陰極管を配置し、銀蒸着のポリエステルフィルムで包囲してフィルム端部を液晶セル基板の上下面に両面粘着テープで接着し冷陰極管を保持固定したものについて、暗室にて液晶セルに電圧を印加しない状態で冷陰極管を点灯させて、照明光の着色化の有無と、入射側面より10mmと20mmの位置での最大輝度を示す方向の輝度(トプコン社製、BM7)を調べた。なお前記のエージング処理で光学フィルムの面内位相差と厚さ方向位相差は、実施例1で6nmと10nm、比較例で15nmと45nmに変化した。
【0107】
前記の結果を次表に示した。
Figure 2004184790
【0108】
表より比較例では実施例と比べてエージングによる性能低下が大きく、エージング後においては実施例が比較例に対して明るさに大きく優れており、かつ光源から遠離る位置での輝度の維持に優れて面発光の均一性にも優れていることが判る。また目視による着色化の評価において、実施例では色変化が殆どなかったが、比較例では大きく着色して色変化し、実用できる範囲を超えるものであった。また実施例では外光モードにおいても明るくてその均一性に優れる表示であった。なおエージング前は、実施例と比較例で殆ど着色は認められなかった。
【0109】
以上より複屈折による位相差の発生を抑制した本発明にて、従来のサイドライト型導光板の使用による嵩高化、高重量化を回避しつつ、光学フィルムを配置した液晶表示パネルの側面等に照明装置を設けるだけで面発光が可能であり、輝度ムラや色ムラ等の表示ムラが少なく、明るくて良好な表示品位の外光・照明両用型等の薄型軽量性に優れる液晶表示装置を形成できることが判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】光学フィルムの説明側面図
【図2】光出射手段の説明平面図
【図3】他の光出射手段の説明平面図
【図4】液晶表示装置の説明側面図
【符号の説明】
1:光学フィルム
1A:透明樹脂層
A:光出射手段
a:光路変換斜面
b:立面
1B:透明フィルム
1D:接着手段
20、30:液晶セル基板
40:液晶層
51:照明装置

Claims (11)

  1. 透明フィルムの片面に、そのフィルムとの屈折率差が−0.02〜0.04であり、かつ光弾性係数の絶対値が10×10−12/N以下であるポリマーからなる透明樹脂層を有してなり、その透明樹脂層がフィルム面に対して35〜48度の角度で傾斜する光路変換斜面を具備する凹部からなる光出射手段の複数を有することを特徴とする光学フィルム。
  2. 請求項1において、透明フィルムの透明樹脂層を有しない側に接着手段を有する光学フィルム。
  3. 請求項2において、接着手段が粘着層である光学フィルム。
  4. 請求項1〜3において、光出射手段を形成する凹部の形状が光路変換斜面に対する横断面に基づいて三角形である光学フィルム。
  5. 請求項1〜4において、光出射手段を形成する凹部の深さと幅が2〜100μmであり、かつ長さが10〜500μmで、前記深さの5倍以上である光学フィルム。
  6. 請求項4又は5において、光出射手段を形成する横断面三角形の凹部における光路変換斜面に対向する面が、フィルム面に対する傾斜角60〜90度の立面からなる光学フィルム。
  7. 請求項1〜6において、光出射手段を形成する凹部がその光路変換斜面に基づいて平行、又は1若しくは2以上の仮想中心に対してピット状に分布する光学フィルム。
  8. 請求項1〜7において、透明フィルムの透明樹脂層を有しない側に偏光板が積層されてなる光学フィルム。
  9. 請求項1〜8に記載の光学フィルムを液晶表示パネルにおける液晶セルの少なくとも片側に配置してなることを特徴とする液晶表示装置。
  10. 請求項9において、光学フィルムがその光出射手段を外側にして接着層を介し液晶表示パネルの視認側又は背面側の少なくとも一方に接着されてなる液晶表示装置。
  11. 請求項9又は10において、液晶表示パネルが透過型、又は反射層若しくは半透過型反射層を具備する外光・照明両用型のものである液晶表示装置。
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