JP2004184774A - 表示札等取付具 - Google Patents
表示札等取付具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004184774A JP2004184774A JP2002352935A JP2002352935A JP2004184774A JP 2004184774 A JP2004184774 A JP 2004184774A JP 2002352935 A JP2002352935 A JP 2002352935A JP 2002352935 A JP2002352935 A JP 2002352935A JP 2004184774 A JP2004184774 A JP 2004184774A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- soft magnetic
- fixed
- engaging
- core yarn
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G09—EDUCATION; CRYPTOGRAPHY; DISPLAY; ADVERTISING; SEALS
- G09F—DISPLAYING; ADVERTISING; SIGNS; LABELS OR NAME-PLATES; SEALS
- G09F3/00—Labels, tag tickets, or similar identification or indication means; Seals; Postage or like stamps
- G09F3/08—Fastening or securing by means not forming part of the material of the label itself
- G09F3/14—Fastening or securing by means not forming part of the material of the label itself by strings, straps, chains, or wires
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Theoretical Computer Science (AREA)
- Soft Magnetic Materials (AREA)
- Hard Magnetic Materials (AREA)
- Burglar Alarm Systems (AREA)
Abstract
【課題】磁気反応機能を持つ軟磁性体ファイバーに隠蔽性を持たせた被覆フアィバーを使用した取付具を提供する。
【解決手段】磁気に反応する軟磁性体ファイバーf、或いは前記軟磁性フアィバーfと、この軟磁性フアィバーfとは異なる性質を持つフアィバーとの複合糸を芯糸材1とし、この芯糸材1の周囲にプラスチック外皮pを形成した被覆フアィバーFと、この被覆フアィバーFの一端側に第1部材hを、他端側に第2部材bをそれぞれ固定した表示札等の取付具T。
【選択図】 図6
【解決手段】磁気に反応する軟磁性体ファイバーf、或いは前記軟磁性フアィバーfと、この軟磁性フアィバーfとは異なる性質を持つフアィバーとの複合糸を芯糸材1とし、この芯糸材1の周囲にプラスチック外皮pを形成した被覆フアィバーFと、この被覆フアィバーFの一端側に第1部材hを、他端側に第2部材bをそれぞれ固定した表示札等の取付具T。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、店頭の商品や公共施設の備品等が無断で持ち去られるのを防止するためのマーカー用磁性体を有する表示札等取付具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、軟磁性体の交番磁界に対する磁気反応特性を利用して商品等に貼着するバーコードや価格・品質表示用のタグ、あるいは帯板片等のマーカー用磁性体を具備させると共に、交番磁界を発生する感知ゲートを出口に配置して、店頭の商品や公共施設の備品等が無断で持ち去られるのを防止する遠隔感知の盗難防止システムが利用されてきている。
【0003】
この磁気を利用した感知システムでは、アモルファス金属材料等の高い透磁率を持ち、且つ、磁化や消磁が容易にできる軟磁性材料のマーカー用磁性体を使用し、感知ゲート側の磁界印加コイルで交番磁界を発生させ、この交番磁界内に入ったマーカー用磁性体の磁化を反転させる際に発生するバルクハウゼン効果により、感知ゲート側の検出コイル(ピックアップコイル)に電圧パルスを発生させ、この電圧パルスを検知することにより、このマーカー用磁性体の有無を非接触かつ、遠隔で検出している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、この感知システムにおいては、このマーカー用磁性体を取り付けた店でレジ等の正規のルートを通過しても、このマーカー用磁性体が感知可能のまま、他店の同様な感知システムを通過すると警報が作動してしまう。これでは不便な場合があるので、警報の作動を防止するために、このマーカー用磁性体を感知システムで感知できなくする「失活化あるいは非能動化」を行うために、この軟磁性材料のマーカー用磁性体に、半硬質磁性材料を添わせることが行われている。
【0005】
この半硬質磁性材料は、永久磁石材料ほどは保磁力が大きくないが適当な大きさの角型のヒステリシスループを持つ磁性材料であり、この半硬質磁性材料が磁化していない場合には、軟磁性材料のマーカー用磁性体は交番磁界により、バルクハウゼン効果を発揮し、感知システムに感知されるが、この半硬質磁性材料に強い磁界を加えて磁化した場合には、この半硬質磁性材料の磁力が感知システムの交番磁界を妨害して感知できなくなるので、レジ等の正規のルートを通過する際に、この半硬質磁性材料を磁化させて、マーカー用磁性体を失活化させることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平6─119565号公報
【0007】
この特許文献1に記載された発明は、軟質の磁性粉を結合剤とともに分散した磁性塗料を使用した乾燥塗膜を磁性検知マーカーとして使用するもので、盗難防止ラベルなどに印刷して使用するのには適している。しかし、フィラメント状に形成して使用することはできず、また、このフィラメント状材料を素材として使用する磁性検知マーカーには適用できない。また、フィラメントの表面に塗布した場合、加工が困難であり、到底、コスト的にも外観的にも商品とはならない。
【0008】
一方、マーカー用磁性体をフィラメント状に形成し、これをバーコード用紙やタグ等の裏面側に配置することが行なわれているが、この場合には、マーカー用磁性体が簡単に剥がれてしまい、短期にその機能を果たさなくなるという問題がある。 また、このマーカー用磁性体を裏面に設けた切手形の小型のシールは、外観的に発見され易いので、盗難監視具が設けられていることが簡単に認知することが可能であり、そのために隠蔽性が薄いので人に発見され易い。
【0009】
そして、このマーカー用磁性体が添付されていることが人に発見されると、これを剥がされたり、破損される場合があり、盗難防止機能を十分に果たすことが出来なくなるという問題がある。
【0010】
このような事情で、店頭の商品の盗難を防止するためには、マーカー用磁性体の存在がどこに配置されているか分からないような製品とすることが重要であり、一見してその存在を認知されないような隠蔽性を持ったマーカー用磁性体を有する器材の開発が望まれていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者等は、前記問題を解決するため、軟磁性体ファイバーを備えたセキュリティ糸とその製法を開発し、これを特願平11−195919号として提案している。
【0012】
本発明者等は、店頭に陳列する衣料品等に対して、値段や品質等を表示するための表示札を取り付けるために、プラスチック製延伸フィラメント等で形成された糸状連結部の一端に係合雄部を、他端に係合雌部を設けた環状連結具(商品名:ロックスとして販売されているものと同種の連結具)を製造した。
【0013】
これは、係合雄部を表示札等の貫通孔と衣類等の生地等に形成されたボタン孔等の取付孔を通した後に、係合雌部と係合して、糸状連結部のループを形成して表示札を商品等に取り付けるようにしたものである。
【0014】
また、本発明者等は、フィラメントの一端側に頭部を、他端側に横棒部を設けたラベル取り付具(タグピン)のフィラメントに、軟磁性体ファイバーを使用できないかどうかを検討し、ほぼ利用できることを確認した。
(軟磁性体ファイバーの構造)
前記、特願平11−195919号の明細書に記載された糸状体は、磁性ファイバーや芯糸からなる芯材の周囲を、幅の狭い布や糸等のカバー材を巻付けて覆い、外観上は撚糸のように形成したもので、軟磁性体ファイバーはこのカバー材によって被覆された柔軟な被覆糸である。
【0015】
従って、軟磁性体ファイバーはカバー材に保護されて指先や商品に直接接触することがなく、指先等に損傷を与えないという利点がある。
【0016】
しかしながら、このカバー材は撚糸機による撚糸工程によって形成されるものであるので、製造工程が煩雑となる上に、撚糸スピードが紡糸スピードほど早くないので、製造コストが高価になるという問題もあった。
【0017】
また、カバー材の材質にもよるが、吸湿性がある上に汚れ易い。その上、カバー材の一部が破損されると、これを発端としてカバー材がバラケルて見苦しいものとなる欠点があった。
【0018】
特に、前記発明による糸状体では、撚糸工程によって軟磁性体ファイバーをカバー材で被覆する必要があることから、コストを低下させるために、この軟磁性体ファイバーのみを使用としても、この軟磁性体ファイバーの強度は余り大きくないので、これは構造上、製造が困難である。
【0019】
本発明は、開発糸状体の持つ欠点、即ち、製造コストが高く、カバー材が露出していることによる欠点を解消したマーカー用磁性体を構成部材とする糸状体(フィラメント)を提供することを第1の目的とするものである。
【0020】
また、マーカー用磁性体を構成部材とする糸状体を主要材料として使用した表示札等の取付具を提供することを第2の目的とするものである。
【0021】
また、従来の取付具、即ち、糸状体の一端に係合雄部を、他端に係合雌部を設けた、環状に連結される連結具、更に、糸状体の一端に平板状の頭部を、他端に横棒部を設けた、所謂、タグピンを提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記したような張付け形の盗難防止具の持つ隠匿性が弱い点を問題点を解決するためになされたものであって、次のように構成されている。
【0023】
1)磁気に反応する軟磁性体ファイバー、或いは前記軟磁性ファイバーと、この軟磁性ファイバーとは異なる性質を持つファイバーとの複合糸を芯糸材とし、この芯糸材の周囲にプラスチック外皮を形成した被覆ファイバーと、この被覆ファイバーの一端側に第1部材を、他端側に第2部材をそれぞれ固定したことを特徴としている。
【0024】
2)磁気に反応する軟磁性体ファイバーと、磁気に対する反応を非能動化させる半硬質磁性体ファイバーと、更に補強材との複合糸を芯糸材とし、この芯糸材の周囲にプラスチック外皮を形成した被覆ファイバーと、この被覆ファイバーの一端側に固定された第1部材と、他端側に固定された第2部材をそれぞれ固定したことを特徴としている。
【0025】
3)磁気に反応する軟磁性体ファイバーと、前記軟磁性ファイバーと、この軟磁性ファイバーとは異なる性質を持つファイバーとの複合糸を芯糸材とし、この芯糸材の周囲にプラスチック外皮を形成した被覆ファイバーと、この被覆ファイバーの一端側に第1部材を、他端側に第2部材を固定し、前記第1部材は薄板状の頭部を、第2部材は短い横棒部であることを特徴としている。
【0026】
4)磁気に反応する軟磁性体ファイバー、或いは前記軟磁性ファイバーとは異なる性質を持つファイバーとの複合糸を芯糸材とし、この芯糸材の周囲にプラスチック外皮を形成した被覆ファイバーと、この被覆ファイバーの一端側に第1部材を、他端側に第2部材をそれぞれ固定し、前記第1部材は薄板状の頭部を、第2部材は短い横棒部であり、更にこの横棒部の内部に前記芯糸材が延長されていることを特徴としている。
【0027】
5)磁気に反応する軟磁性体ファイバー、或いは前記軟磁性ファイバーとは異なる性質を持つファイバーとの複合糸を芯糸材とし、この芯糸材の周囲にプラスチック外皮を形成した被覆ファイバーと、この被覆ファイバーの一端側に第1部材を、他端側に第2部材をそれぞれ固定し、前記第1部材は薄板状の頭部を、第2部材は短い横棒部であり、更にこの横棒部の中央より頭部に向かうフィラメントが延長され、このフィラメント部に膨出部が形成され、頭部側から延長された被覆ファイバーがこの膨出部内に埋め込まれていることを特徴としている。
【0028】
6)磁気に反応する軟磁性体ファイバー、或いは前記軟磁性ファイバーと、この軟磁性ファイバーとは異なる性質を持つファイバーとの複合糸を芯糸材とし、この芯糸材の周囲にプラスチック外皮を形成した被覆ファイバーと、この被覆ファイバーの一端側に第1部材を、他端側に第2部材をそれぞれ固定しており、前記第1部材として係合雄部を、前記第2部材として挿入孔を開口した係合雌部をそれぞれ設け、前記係合雄部を係合雌部の挿入孔内に挿入し、引抜き不能にリング状に係合できることを特徴としている。
【0029】
7)磁気に反応する軟磁性体ファイバー、或いは前記軟磁性ファイバーと、この軟磁性ファイバーとは異なる性質を持つファイバーとの複合糸を芯糸材とし、この芯糸材の周囲にプラスチック外皮を形成した被覆ファイバーと、この被覆ファイバーの一端側に第1部材を、他端側に第2部材をそれぞれ固定しており、前記第1部材として係合雄部を、前記第2部材として挿入孔を開口した係合雌部をそれぞれ設け、前記係合雄部を係合雌部の挿入孔内に挿入し、引抜き不能にリング状に係合できる表示札等取付具を複数本平行に配置し、前記係合雄部の近傍に配置された1本の連結棒に切断可能な連結部を介して連結し、更に前記係合雌部の近傍に配置された1本の連結棒に切断可能に連結し、全体を1枚の平板状に形成した表示札取付具の集合体であることを特徴としている。
【0030】
8)磁気に反応する軟磁性体ファイバー、或いは前記軟磁性ファイバーと、この軟磁性ファイバーとは異なる性質を持つファイバーとの複合糸を芯糸材とし、この芯糸材の周囲にプラスチック外皮を形成した被覆ファイバーと、この被覆ファイバーの一端側に第1部材を、他端側に第2部材をそれぞれ固定しており、前記第1部材として係合雄部を、前記第2部材として挿入孔を開口した係合雌部をそれぞれ設け、前記係合雄部を係合雌部の挿入孔内に挿入し、引抜き不能にリング状に係合できる表示札等取付具を複数本平行に配置し、更に、係合雄部と小間隙をあけ、この係合雄部を枕状に支えるように1本の連結棒に切断可能な連結部材で連結すると共に、係合雌部と小間隙をあけ、この係合雌部を支えるように1本の連結棒に切断可能な連結部材で連結し、全体を1枚の平板状に形成した表示札取付具の集合体であることを特徴としている。
【0031】
本発明に係る被覆ファイバーとは、下記のものを意味している。
【0032】
a)必須の構成要素として、軟磁性体ファイバーの単体あるいは、この軟磁性体ファイバーとガラスファイバーや強度の大きい合成繊維や補強テープ等の補強材を引揃えたファイバー集合体(糸束、複合糸)を素材として使用する。
【0033】
また、前記ファイバー集合体に、更に溶着糸を加えて引き揃えたファイバー集合体で素材となる芯糸材する。なお、溶着糸が加えられている場合は、この溶着糸を溶融する温度で熱処理して素材を一本に纏まった糸条体ないしブリッスル状の芯糸材とする。
【0034】
このファイバー集合体は、ストレート状のもの、また、軟磁性体ファイバーをストレート状に保った状態で他のファイバーを、この軟磁性体ファイバーの周囲に加撚カバーした糸などを意味する。そして、前記糸を芯糸材とし、これの外周にプラスチックの被覆を施したものである(基本的被覆ファイバー)。
【0035】
b)軟磁性体ファイバーと、消磁機能を持つ半硬質磁性ファイバーとを引揃えた金属ファイバーからなる金属双糸を必須の構成要素とし、この金属双糸の単体、あるいは、この金属双糸にガラスファイバーや強度の大きい合成繊維や、更に補強テープ等の補強材を付加して引揃えたファイバー集合体、更に、このファイバー集合体に溶着糸を付加して引揃えたファイバー集合体を素材とする。
【0036】
また、前記ファイバー集合体の表面にガラスファイバー等の補強糸を加撚によってカバーしたファイバーを素材となる芯糸材とすることもできる。
【0037】
そして、前記芯糸材の外周にプラスチックの被覆を施したものである(消磁機能被覆ファイバー)。
【0038】
c)軟磁性体ファイバー単体、あるいは軟磁性体ファイバーと、消磁機能を持つ半硬質磁性ファイバーとの金属双糸を使用し、更に、この金属双糸にガラスファイバー等の補強材や補強材と溶着糸を引揃えたストレート状のファイバー集合体(複合糸)を形成し、そして、このファイバー集合体の外周を補強ファイバーや補強テープ、あるいは金糸銀糸などのカバー材を、撚糸加工により表面を覆った状態の芯糸材を形成する。そして、その芯糸材の表面にプラスチックの被覆を施した被覆ファイバーである(カバー材を持つ被覆ファイバー)。
【0039】
d)被覆ファイバーを使用した製品について
前記被覆ファイバーを使用した製品は、この被覆ファイバーを重要な構成部材とするものであって、例えば、この被覆ファイバーの一方に頭部を、他方に横棒部を設けた「タグピン」と称するる係止具ないし取付具である。また、被覆ファイバーの一方に係合雄部を、他方に係合雌部を設けた取付具、所謂、「商品名:ロックス」等である。
【0040】
また、例えば被覆ファイバーの一端に安全ピンなどの止め具を設け、他端に表示札を2枚の係合部を持つ大形のホックのようなものを設けた止め具がある。また、一端に、係合雄部と係合雌部をV字形にしたものを、他端にホック状の挟持部を設けた取付具等、各種の取付具に適用できることは言うまでもない。
【0041】
この被覆ファイバーは、一見するとテグス状ないし硬めで太い糸状(ブリッスル状)のものであるので、これを直線状、コイル状、渦巻き状、スパイラル状として磁気検知手段にも応用できる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明による軟磁性体ファイバーを内蔵する被覆ファイバーの製造方法と、この被覆ファイバーを使用した表示具などの各種の取付具を説明する。
(軟磁性体ファイバーf)
本発明にかかる表示札等の取付部の主要部を構成しているテグス状あるいはブルッスル状の被覆ファイバーは、盗難防止装置などの検知器が発生する磁気に反応する軟磁性体ファイバーを内蔵しており、この軟磁性ファイバーは、磁化や消磁を容易にできる軟磁性の特性を示す磁性材料を原料としたものである。
【0043】
例えば、磁界の強さが0.4A/m(5mOe:ミリエルステッド),交番磁界の周波数が1kHzの励振磁界において、透磁率が1,000以上の高透磁率を有するものが好ましく、この高透磁率の特性を示す材料には、パーマロイ、Fe−Si系合金、アモルファス金属等がある。
【0044】
特に、Co−Fe−Si−Bを主成分とするアモルファス金属ファイバーは、磁界の強さが0.4A/m(5mOe),交番磁界の周波数が1kHzの励振磁界において、透磁率が10,000以上の高透磁率を示す。
【0045】
また、Fe−Co−Si−Bを主成分とするアモルファス金属ファイバーも、バルクハウゼン効果が大きいので、これらのアモルファス金属ファイバーを使用するのが好ましい。
【0046】
消磁、失活化ないし非能動化を行わせる半硬質磁性材料は、約800A/m〔10Oe(エルステッド)〕以上、約40,000A/m(500Oe)以下の保磁力が必要で、種々のFe合金やCo合金を使用できる。中でも、Fe−Co−V系合金やFe−Co−Cr系合金は約2,400A/m(30Oe)以上、約12,000A/m(150Oe)以下の優れた半硬質磁性特性を示すのでこの用途に適している。
【0047】
前記のような性質を持つ金属材料を使用し、細線の線引き工程により直径が0.1〜0.2mmφの極細の線材(軟磁性体ファイバー)を製造する。
【0048】
前記軟磁性体ファイバーや半硬質磁性ファイバーは、磁気検知器で検知できる長さに制限があり、あまり短いものは機能しない。具体的には、5〜6cm以上の長さのものが必要であり、実際に使用する際にはこの長さのものを採用する。(被覆ファイバーFの製造)
図1は、軟磁性体ファイバーの押出被覆工程を示すものであって、この軟磁性体ファイバーfを含む芯糸材(芯線)1をダイス2のガイド孔に所定の速度で送入しながら、このダイス2に形成されているファイバーの被覆層を形成するプラスチックととして、例えば、66ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンなど、衣料用の繊維とした場合に、十分な強度を持つ熱可塑性プラスチックを使用する。
【0049】
前記熱可塑性プラスッチックを押出機により溶融し、ダイス2の供給孔3より供給し、ガイド孔3aを通じてコート孔4に供給し、このコート孔4において移動している軟磁性体ファイバーfを構成素材あるいは中心素材とする芯糸材1の周囲にプラスチックの被覆層pを形成して被覆ファイバーFとする(図4参照)。
【0050】
この被覆ファイバーFを形成している芯糸材1の必須の構成要素である軟磁性体ファイバーfは、通常は直径が0.1mm程度の細い金属線を使用している。この金属線は極めて繊細かつ強度が弱いものが使用される場合が多く、従って、そのままでは使用が困難であるので、通常は、この金属線とガラスファイバーなどの補強材料を引揃えて使用する。また、少し、製造コストが高くなるが、軟磁性体ファイバーをストレート状に保持しながら、補強ファイバーやテープ等を加撚し、全体を糸状にして強度を与えて使用する。
(失活化、非能動化する糸状体)
磁化機能と消磁機能の両機能を与えるために、軟磁性体ファイバーfと半硬質磁性ファイバーを合わせて使用し、更に、ガラスファイバーやテープ等の補強材料を加えて強度を十部に与えて芯糸線1を形成するのが良い。
【0051】
そして被覆ファイバーFの外径は0.4〜0.5mmの範囲であるが、この外径は、通常販売されている取付具(タグピン、あるいは商品名:ロックス)に使用されてフィラメントと同等のものであり、前記取付具の取付けに使用されている取付装置(ガン等)を使用して普通の取付具と同様に衣類等の商品に表示札を固定したり、スリッパのような複数の商品をまとめたりできるようにしておくのが良い。
【0052】
この芯材表面へのプラスチックの被覆工程は、下記に例示するように、あたかも細いエナメル線を製造する工程のように、かなりの高速で、効率的に製造することができる。
【0053】
図2は、軟磁性体ファイバーfの浸漬コーティング工程を示すものであって、不活性雰囲気にある容器8の中で66ナイロン等のプラスッチック材料を所定温度で加熱溶融して溶融液9とし、この溶融液9の中にファイバーを含む芯糸材1をガイドロールR1,R2,R3,R4・・で所定の経路に案内して浸漬しながら、表面にコーティングを行なう。そして冷却装置10において被覆直後の被覆ファイバーFを空冷等で冷却した後、図示しない巻取工程において巻き取る。
【0054】
図3は、軟磁性体ファイバーを含む芯糸材1に加熱溶融したプラスチックを高圧で噴霧して被覆する工程を示すもので、多数のノズル12、12aを設置した処理室13の中に芯糸材1を送入してコーティング処理するようになっている。また、この処理室13の内部はダクト14、14aにより所定の温度の給気と排気が行なわれて雰囲気がコーティングに適した状態に調節されている。
【0055】
そしてこの処理室13の入口より軟磁性体ファイバーfを含む芯糸材1を送入し、移動させている間に溶融されたプラスチックを高圧で噴霧して、この芯糸材1の周囲をプラスチックで所定の厚さに被覆し、次に、図示しない冷却装置で冷却して被覆ファイバーFを製造するものてある。
【0056】
図4は、前記図1〜3のコーティング工程で製造された被覆ファイバーFの構造を示している。
【0057】
図4(A)は1本の太めの軟磁性体ファイバーfの周囲にプラスチック(例えば、66ナイロン)の被覆層pを形成した基本的な被覆ファイバーFを示している。また、図4(B)は、軟磁性体ファイバーfと、半硬質磁性材料ファイバーfhからなる芯糸材1をプラスッチックの被覆層pを形成した「失活化」機能をもつ被覆ファイバーFを示している。
【0058】
また、図4(C)は、前記軟磁性ファイバーfと半硬質磁性材ファイバーfhと更に補強用として加えられたガラスファイバーg等の補強材からなる糸状体の芯材1aの周囲にプラスチックの被覆層pを形成した被覆ファイバーFを示している。 更に、図4(D)は、軟磁性ファイバーfと半硬質磁性ファイバーfhと、熱溶着糸fmとの複合糸からなる芯糸材1aにプラスッチックの被覆層pを形成した被覆ファイバーFを示している。
【0059】
図5(E、F)は、前記特開平11─195919号に記載された、撚糸形の軟磁性体ファイバーを芯糸材1bとして使用し、これに本発明のコーティング処理をして製造した被覆ファイバーFsの例を示している。
【0060】
図4(E)は、軟磁性体ファイバーfと熱溶着糸fmからなる糸fd(複合糸)を、布テープや平糸からなるカバー材Cで被覆した芯糸材1bを使用したもので、この芯糸材1bを図1〜図3に示したコーティング処理装置を使用し、この芯糸材1bの周囲にプラスチックで被覆層pを有する被覆ファイバーFsとしたものである。
【0061】
この構造の被覆ファイバーFsは、このカバー材Cによりマーカー用磁性体、即ち、軟磁性体ファイバーfの存在を隠蔽を、また、この軟磁性体ファィバーfが露出して指先や商品を損傷するのを防止する。
【0062】
図4(F)は、前記図4(E)とぼぼ同様な構造の被覆ファイバーFsを示しているが、これには軟磁性体ファイバーfと熱溶着糸fmと、更に、テープ状ないし糸状の補強材gを沿わせてたストレートなものに、カバー材Cで加撚して被覆し、その後、その周面に溶融したプラスチックで被覆層pを形成して被覆ファイバーFsとしたものである。
【0063】
前記図4(B〜F)に示す被覆ファイバーF、Fsを使用した取付具は、軟磁性体ファイバーfは半硬質磁性材料fhが含まれ、その外周面がプラスチックの被覆層pで覆われているため、レジ等の正規のルートを通る際に、この半硬質磁性材料fhを永久磁石等の磁界を通過させて磁化させて、軟磁性体ファイバーfのを失活化し、感知システムでは感知できなくなるようにすることができるようになる。
【0064】
前記軟磁性体ファイバーfに熱溶着糸fmを沿わせ、全体をカバー材Cで被覆処理した後に、乾熱処理することにより、この熱溶着糸fmを溶着させて軟磁性体ファイバーfと補強材g等をカバー材Cで被覆したものを一体化し、軟磁性体ファィバーfの抜け落ち防止と、露出防止を図った芯糸材1、1a、1bを使用し、更に、66ナイロン等のプラスチックの外周被覆層pにより強度を向上させ、全体として1本のプラスチックのフィラメント、あるいはブリッスルのように形成することができる。
【0065】
軟磁性体ファイバーfを補強する糸状の補強材は、軟磁性体ファイバーfより太いことが好ましい。そして、これには各種プラスチック繊維や天然繊維からなる集束フィラメント、あるいは撚線フィラメント、熱溶着糸、スフや低弾性率のレーヨン繊維等を用いることができる。また、熱溶着糸fmは、100〜200d(デニール)程度の太さで、溶着温度が100℃程度の低融点のプラスチック材料を使用する。
【0066】
また、カバー材Cは、軟磁性体ファイバーfや補強材gや半硬質磁性材料fhや熱溶着糸fm等の周囲を被覆するもので、機械的及び視覚的にこれらを保護する機能を有し、ナイロンやポリエステル等の合成繊維や天然繊維を使用した糸やテープ状のものを使用できる。
【0067】
また、このカバー材Cとしては、種々の材料で構成された金糸や銀糸も使用でき、この金糸や銀糸を例にした場合には、特にポリエステル等の高分子フィルムの片面にアルミニウムを真空蒸着したものが好ましく、また、青色、赤色、緑色等の任意の着色をしてメタリック調にしたものも使用できる。これらの色彩等は装飾効果のみならず、商品のサイズや種類や材質等の識別に利用することもできる。
【0068】
そして、軟磁性体ファイバーf等やコアとしての軟磁性体ファイバーfに沿わせたガラスファイバー等の補強材gを1種類のカバー材Cでシングルスパイラル状に巻いたり、2種類のカバー材Cを交互に隙間無くダブルスパイラル状に巻いたり、あるいは、金糸や銀糸等を3条以上使用して、これらの複数条の金糸等を一定の方式にしたがって、斜め、前後、上下に交差させて、打ち込みによって締めて、組紐構造にしたりして、カバー材で被覆しても良い。
(第1の実施の形態:タグピン)
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る表示札等の取付具としての「タグピンT」を示すもので、本発明に係る被覆ファイバーFの一端に平板状の頭部hを、他端に短い横棒部bを成形工程で固定しているが、これは、前記被覆ファイバーFを金型内に介在させたインサート成形工程において頭部hと横棒部bを成形と同時に一体的に固定したものである。
【0069】
このタグピンTを製造する場合は、金型内に多数の被覆ファイバーFを平行に並べ、頭部hと横棒部bとを所定の間隔をおいて前記被覆ファイバーFを中央に挟んだ状態で同時に成形する(図6参照)。そして、この被覆ファイバーFを所定の距離だけ間欠的に移動させて大量のタグピンTを連続的に製造するのである。
【0070】
タグピンTは、通常は100〜200本が集合体として製造され、これを取付装置に装填して1本づつ打ち込まれる。
【0071】
このようなタグピンTの集合体Aを製造する場合について説明すると、図6に示すように、被覆ファイバーFを中心部材として、これに所定間隔をおいて頭部hと横棒部bを配置したタグピンTを多数並列した状態でインサート成形することになるが、この場合、2枚の頭部hの間を細いフィラメント状の連結部cを介して切断可能に連結する。
【0072】
そして横棒部bの近傍に連結棒Bを、被覆ファイバーFを貫通させた状態で成形する。この連結棒Bと横棒部bとの間は、取付装置の切断刃により打ち込み時に切断できる連結部kで連結されている。
【0073】
この集合体Aは、周知のように取付装置の装填孔に前記連結棒Bを差し込んだ状態でタグピンTを1本づつ打ち出すことができる。
【0074】
一方、前記タグピンTを構成する被覆ファイバーFは、横棒部bに直交するように一体的に成形される(図5、A)。しかし、この横棒部bの直径は0.6〜1,0mmのものであるので、単にこの被覆ファイバーFが横棒部bに固定されただけでは結合力が弱いものである。
【0075】
そこで、図7のように被覆ファイバーFの先端部Fsを横棒部bを成形するキャビティの中の中途部まで引っ張り込んだ状態で切断しておき、その後の樹脂を注入する工程で横棒部bを成形するのである。この被覆ファイバーFが横棒部bに埋め込まれる先端部Fsの長さは、横棒部bの約半分程度で、直線部分に対してL形にするのが良い。なお、横棒部bの内部に被覆ファイバーFを埋め込んだ状態で成形する連続成形方法については、別途、特許出願してあるが、ここでは説明しない。 また、被覆ファイバーFを図7(A)のように横棒部bの中に埋め込む場合は、この横棒部bの直径が0.8mm程度の極めて細いものであるので、極めて精密な成形加工を必要とする。そこで、この被覆ファイバーFの埋め込みを簡略化するたに、図7(B)に示すように、横棒部bにフィラメント部dと拡大部kを一体的に成形することによって、この拡大部k内に被覆ファイバーFの先端部f1を埋め込むようにして固定する構造を採用すると良い。
【0076】
この拡大部kの長さを任意に選定できるので、フィラメント部dと被覆ファイバーFとの接着強度を調整することができる。
【0077】
このタグピンTは、図8に示すように、公知の取付装置(タグガン)を使用して横棒部bと被覆ファイバーFの一部を衣類などの商品Gを貫通させ、横棒部bを裏側に位置させることによって表示札Dsを取付けることができる。
(第2の実施の形態:環状連結体L)
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る表示札Dsの取付具として「環状連結体L(商品名:ロックス)」を示すもので、マーカー用磁性体、即ち、軟磁性体ファイバーfを含む糸状体を芯材1としてその表面にプラスチックの被覆層p(図4参照)を設けた被覆ファイバーFを使用したものを示している。
【0078】
この表示札等取付具である環状連結体Lは、被覆ファイバーFの一端側にナイロン等のプラスチックを成形した係合雄部20を、他端側に係合雌部21をそれぞれ設けており、この係合雄部20を係合雌部21の孔の中に挿入し、その孔の中に形成された環状突起(図10参照)に係合させて、被覆ファイバーFをリング状に連結するように構成している。
【0079】
なお、この環状連結体Lの構成材料として被覆ファイバーFを使用する場合は、前記のようにインサート成形によって、被覆ファイバーFと係合雄部20と係合雌部21とが、しっかりと固定できる連結構造とすることが必要である。
【0080】
この環状連結体Lの係合雄部20と係合雌部21は、図10(A)に示すように互いに嵌合してループを形成して表示札Dsを衣類等の商品Gに取り付けることができる。
【0081】
この係合雄部20と係合雌部21は、表示札Dsが衣類などの商品Gに、一旦取り付けられた後は、持ち運び時や梱包及び移送時において容易に外れないように、また、手操作では簡単に破断できないような引張強さを持つような構造(図10、B)、寸法に成形され、また、切断や破壊した場合にはその痕跡が残るように形成される。
【0082】
この実施の形態に使用する図4に示す被覆ファイバーFの一例を示すと、次の通りである。
【0083】
軟磁性体ファイバーfの材料として、5,000以上に高透磁率を示すCO−Fe−Si−B系の100μmφのアモルファス金属ファイバーで形成し、これを200dの熱溶着糸fmと、200dのナイロンの集束フィラメントからなる補強材gと、更に、Fe−Co−V系の保磁力約9,550A/m(120Oe)の80μmφの消磁状態にある半硬質磁性材料fhと共に、1,000dのポリエチレンテレフタレート糸の2本のカバー材Cとしてスパイラル状に被覆して芯材1の素材とし、その後に120℃で30分間の乾熱処理して、糸状の、マーカー用磁性体を内蔵した芯糸材1とする。
【0084】
次に、この糸状の芯糸材1を、図1〜3等の被覆装置を使用し、その表面に66ナイロンpの被覆層を形成して被覆ファイバーFを完成するのである。
【0085】
図10(B)は、環状形の表示札取付具Lの係合部等の一例を示すもので、被覆ファイバーFの一端に形成された係合雄部20と、他端に形成された係合雌部21は、係合雌部21の貫通孔内に形成されている環状突起部の内径を通過できる係合雄部20と、この係合雄部20の後方に延長された弾性的に拡縮可能な係合羽と、この係合羽の後方に設けられ、環状突起部より拡大したストッパー部sとを有して形成される。
【0086】
この係合雄部20においては、頭部tとストッパー部sと球状に拡大された連結部rを有し、また、係合雌部21側にも同様な連結部rが形成され、この連結部rで被覆ファイバーFを接合している。
【0087】
この係合雄部20と係合雌部21の係合強度は、表示札DP等が簡単に外されて入れ替えられないように、一度係合した後で無理やり引張って係合を外した時には、係合雄部20又は係合雌部21が破損して、再度の係合ができないように形成される。一般的にいえば、係合雌部21と係合雄部20とを係合させた強度は、6〜7Kg程度であり、簡単に手で引っ張って切断できないものである。
【0088】
なお、図10(B)に示すように、係合雄部20と被覆ファイバーFとの係合雌部21と被覆ファイバーFとの接続部には、鎖線で示すように断面を縮小して係合雄部20と係合雌部21の係合強度よりも弱くした破断部を設ける場合もある。この構成によれば、破断部を曲げたり、捩じったりして、係合雄部20又は係合雌部21を被覆ファイバーFから簡単に切り離し、商品Gから表示札5等を外すことができる。
【0089】
図11は前記被覆ファイバーFを使用した環状形の表示札取付具Lの変形例を示すもので、図11(A、B)は係合雌部21に角型の嵌合孔を、図11(C、D)は円形の嵌合孔を設けたものをそれぞれ示している。この例の表示札取付具Lの場合には被覆ファイバーFと係合雄部20とはT型に接合されている。また、前記図10(B)に示したものにおいては、係合雄部20と被覆ファイバーFとは直線状に接合されている。
【0090】
この係合雄部20と被覆ファイバーFとの接合状態の相違は、この表示札取付具Lを環状に係合させた時、被覆ファイバーFが描く円弧の形状に関係するものであるが、図10に示したものの方が係合雄部20と被覆ファイバーFとの接合強度が大である点において優れている。
(第3の実施の形態:表示札等取付具の集合体)
次に、マーカー用磁性体を内蔵した被覆ファイバーFを使用した表示札等取付具Lの集合体Aについて説明する。
【0091】
先ず、図12に示す表示札等取付具Lの集合体Aは、偏平な板状の第1連結棒30と第2連結棒31との間に多数の表示札等取付具Lを直交して平行に配置し、この第1の連結棒30と係合雌部21との間を、細い断面の切断部33を形成した連結部34を介して切断可能に連結する。そして係合雄部20側も切断部33を形成した連結部34で連結し、多数の取付具Lを2本の連結棒30、31の間に切断可能に、平行に支持して、全体として平板状な集合体Aを構成している。
【0092】
この取付具集合体Aを使用する際は、公知の取付装置(例えば、特開平11−49125号公報参照)によって取付具Lを打出して図10(A)に示すようにこの取付具Lを環状に連結して商品Gに表示札Dsを取付ける。この連結操作は前記取付装置のレバーの握り操作によってワンタッチでできるので、素早く表示札Dsを商品Gに取付けることができる。
【0093】
また、図13はマーカー用磁性体である軟磁性ファイバーfなどからなる糸状体を芯体使用した被覆ファイバーFを使用した表示札等取付具Lを平板状に連結した集合体Bを示すもので、多数の表示札等取付具Lを平行に配置し、係合雄部20と係合雌部21の側部の中間位置に、枕木状に連結棒32、33を渡し、切断部35を形成した連結部36で、前記連結棒32、33と取付具Lとの間に小間隔をおいて、切断可能に連結して集合体Bを構成している。
【0094】
図12に示した表示札等取付具Lの集合体Aと、この図13に示した集合体Bとを比較すると、前者においては、連結棒30、31が表示札等取付具Lの延長方向に配置されているが、後者においては、連結棒32、33が枕木状に配置されているという相違点がある。この相違点は、連結棒30、31,32、33より個々の表示札等取付具Lを取り外す手段が取付装置で若干異なっているが、この相違は本質的なものではない。
【0095】
図12に示すように取付具Lの集合体Aの構成にすると、ガンタイプの取付装置への装填は、シート状の連続体として並んだ表示札等取付具Lの被覆ファイバーFの部分をU字形状にして取付装置の外部に配置したまま、係合雄部20と係合雌部21を装填できる。また、先端側に送る時も、被覆ファイバーFをU字形状にしたまま送ることができるので、もつれることがない。
【0096】
また、図12に示す取付具Lの集合体Aでは、係合雄部20の後端に切断部33や連結部34が配置されない構成にすることができるので、取付装置における係合雄部20を送り出す機構として、レバー操作によって前進する突き出しロッドで係合雄部20の後端を押圧して中空針から送り出す機構を採用でき、この打出し機構を簡略化できる。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、マーカー用磁性体である軟磁性ファイバーfを有する被覆ファイバーFを糸状の連結部として使用し、その一端側に第1部材を、他方の端部に第2部材をそれぞれ設けている。
【0098】
第1部材を板状の頭部hとし、第2部材を横棒部bとすると、表示札等取付具Tを「タッグピンT」とすることができる。
【0099】
また、第1部材を係合雄部に、第2部材を係合雌部とすると、「環状連結具(商品名:ロックス)」とすることができる。
【0100】
そして、次の効果を奏することができる。
【0101】
1.軟磁性ファイバーfは、ガラスファイバーや他の繊維等の補強材g、更に軟磁性体ファイバーfと半硬質磁性ファイバーfhと共に引き揃えて糸状体からなる芯材1を形成し、その表面にプラスッチックの被覆層pを形成して被覆ファイバーFを構成しているので、その被覆ファイバーFの強度が増している。
【0102】
従って、軟磁性ファイバーfを使用しない通常の表示札等取付具に比較して、同様あるいはそれ以上の強度を有している。
【0103】
また、取付具がタッグピンの場合、横棒部bと被覆ファイバーFと、更に頭部hの接続部の強度が強くなる。このことは、取付装置を使用してタッグピンである表示札を商品に打込む際に、横棒部bと被覆ファイバーFとの角度が変化(90°〜30°程度)しても、元の直角の状態に弾性的に復元して、商品に素早く固定できることから、取付具が脱落することがない。しかも、従来から使用されている取付具と同様に取付装置で取付けることができる。
【0104】
2.取付具が被覆ファイバーFを中心部材として、その両端に第1部材と第2部材を設けているので、第1部材と第2部材との接合が強力になり、従来の装置を使用して取付ることができる。
【0105】
3.また、被覆する樹脂と同じ樹脂を第1部材と第2部材に使用すると、従来のタグピン等の取付具と全く同様な外観となり、マーカー用磁性体の有無を判別できなく、隠蔽性が著しく向上する(セキュリティ性が大)。
【0106】
4.被覆ファイバーFの色を、第1部材と第2部材とは変えることができるので商品の品質や用途などを表示することができる。
【0107】
5.そして、これらのマーカー用磁性体を有する被覆ファイバーFをタッグピン等の表示札等取付具の構成部材として使用することによって、感知ゲート内で検出されるのに、十分な長さを容易に確保でき、磁気式の盗難防止用ゲート内に発生した交番磁界中で容易に磁化して、ゲート内の検出コイルに検出信号を発生することができる。
【0108】
その上、糸状体、テグス状、あるいはブリッスル状の被覆ファイバーFは、外観的には通常の糸状体を同じであり、隠蔽性が高いので、このマーカー用磁性体を有する表示札等取付具で商品等に表示札を取り付けた時に違和感がなく、マーカー用磁性体の存在を消費者等に感じさせることがない。
【0109】
6.軟磁性ファイバーfを必須の構成部材とする糸状体は、プラスッチック層p(外皮)で保護されているので、汚れに強く、腰があり、見栄えも良く、優れた表示札等取付具を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】被覆ファイバーの製造工程の説明図である。
【図2】被覆ファイバーの製造工程の説明図である。
【図3】被覆ファイバーの製造工程の説明図である。
【図4】各種の被覆ファイバーの構造を示す図である。(A)は、軟磁性ファイバーを単糸で使用したもの、(B)は軟磁性ファイバーと半硬質磁性ファイバーとからなるもの、(C)は、軟磁性ファイバーと半硬質磁性ファイバーと、更に補強ファイバーなどを使用したもの、(D)は、軟磁性ファイバーと半硬質磁性ファイバーと溶着ファイバーなどを使用したものをそれぞれ示している。また、(E)と(F)とは、軟磁性ファイバーと半硬質磁性ファイバーと溶着ファイバーからなる複合糸を中心として各種のカバー材を巻き、更に、その表面をプラスッチックで被覆層を形成した被覆ファイバーを示している。
【図5】タッグピン型の表示札等の取付具であって、(A)は正面図を、(B)は同側面図を示している。
【図6】タッグピン型の表示札の取付具の集合体を示しており、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図7】タッグピン型の取付具の横棒部のファイバーの配置状態の説明図、(B)は横棒部の中間より延長されているフィラメント部に拡大部を形成し、これによって被覆ファイバーを接合した取付具の説明図である。
【図8】タッグピン型の取付具で商品に表示札を取付た状態を示す斜視図である。
【図9】環状連結型の取付具を示すもので、(A)は正面図、(B)は同側面図である。
【図10】(A)は、環状連結型の取付具で商品に表示札を取付た状態の説明図、(B)は係合部の構造を示す断面図である。
【図11】環状連結型の取付具を示すもので、(A)は、角形の嵌合孔を持つ取付具の正面図、(B)は、同平面図である。そして(C)は、丸形の嵌合孔を持つ取付具の平面図、(D)は一部を断面した正面図である。
【図12】(A)は環状連結具を2本の連結棒で連結した平板状の集合体の正面図、(B)は同X−X断面図である。
【図13】(A)は環状連結具を2本の連結棒で枕木状に連結した集合体の正面図、(B)は同側面図である。
【符号の説明】
1 芯糸材 2 ダイス 3 供給孔 3a ガイド孔
4 コート孔 9 溶融プラスッチック 10 冷却装置
12 ノズル 20 係合雄部 21 係合雌部
b 横棒部 c 連結部 f 軟磁性ファイバー
fh 半硬質磁性体ファイバー fm 熱溶着ファイバー
ft 補強材 p プラスッチックの被覆層
g ガラスファイバー h 頭部
B 連結棒 Ds 表示札 F 被覆ファイバー
G 商品 L 環状連結体 T タッグピン
【発明の属する技術分野】
本発明は、店頭の商品や公共施設の備品等が無断で持ち去られるのを防止するためのマーカー用磁性体を有する表示札等取付具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、軟磁性体の交番磁界に対する磁気反応特性を利用して商品等に貼着するバーコードや価格・品質表示用のタグ、あるいは帯板片等のマーカー用磁性体を具備させると共に、交番磁界を発生する感知ゲートを出口に配置して、店頭の商品や公共施設の備品等が無断で持ち去られるのを防止する遠隔感知の盗難防止システムが利用されてきている。
【0003】
この磁気を利用した感知システムでは、アモルファス金属材料等の高い透磁率を持ち、且つ、磁化や消磁が容易にできる軟磁性材料のマーカー用磁性体を使用し、感知ゲート側の磁界印加コイルで交番磁界を発生させ、この交番磁界内に入ったマーカー用磁性体の磁化を反転させる際に発生するバルクハウゼン効果により、感知ゲート側の検出コイル(ピックアップコイル)に電圧パルスを発生させ、この電圧パルスを検知することにより、このマーカー用磁性体の有無を非接触かつ、遠隔で検出している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、この感知システムにおいては、このマーカー用磁性体を取り付けた店でレジ等の正規のルートを通過しても、このマーカー用磁性体が感知可能のまま、他店の同様な感知システムを通過すると警報が作動してしまう。これでは不便な場合があるので、警報の作動を防止するために、このマーカー用磁性体を感知システムで感知できなくする「失活化あるいは非能動化」を行うために、この軟磁性材料のマーカー用磁性体に、半硬質磁性材料を添わせることが行われている。
【0005】
この半硬質磁性材料は、永久磁石材料ほどは保磁力が大きくないが適当な大きさの角型のヒステリシスループを持つ磁性材料であり、この半硬質磁性材料が磁化していない場合には、軟磁性材料のマーカー用磁性体は交番磁界により、バルクハウゼン効果を発揮し、感知システムに感知されるが、この半硬質磁性材料に強い磁界を加えて磁化した場合には、この半硬質磁性材料の磁力が感知システムの交番磁界を妨害して感知できなくなるので、レジ等の正規のルートを通過する際に、この半硬質磁性材料を磁化させて、マーカー用磁性体を失活化させることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平6─119565号公報
【0007】
この特許文献1に記載された発明は、軟質の磁性粉を結合剤とともに分散した磁性塗料を使用した乾燥塗膜を磁性検知マーカーとして使用するもので、盗難防止ラベルなどに印刷して使用するのには適している。しかし、フィラメント状に形成して使用することはできず、また、このフィラメント状材料を素材として使用する磁性検知マーカーには適用できない。また、フィラメントの表面に塗布した場合、加工が困難であり、到底、コスト的にも外観的にも商品とはならない。
【0008】
一方、マーカー用磁性体をフィラメント状に形成し、これをバーコード用紙やタグ等の裏面側に配置することが行なわれているが、この場合には、マーカー用磁性体が簡単に剥がれてしまい、短期にその機能を果たさなくなるという問題がある。 また、このマーカー用磁性体を裏面に設けた切手形の小型のシールは、外観的に発見され易いので、盗難監視具が設けられていることが簡単に認知することが可能であり、そのために隠蔽性が薄いので人に発見され易い。
【0009】
そして、このマーカー用磁性体が添付されていることが人に発見されると、これを剥がされたり、破損される場合があり、盗難防止機能を十分に果たすことが出来なくなるという問題がある。
【0010】
このような事情で、店頭の商品の盗難を防止するためには、マーカー用磁性体の存在がどこに配置されているか分からないような製品とすることが重要であり、一見してその存在を認知されないような隠蔽性を持ったマーカー用磁性体を有する器材の開発が望まれていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者等は、前記問題を解決するため、軟磁性体ファイバーを備えたセキュリティ糸とその製法を開発し、これを特願平11−195919号として提案している。
【0012】
本発明者等は、店頭に陳列する衣料品等に対して、値段や品質等を表示するための表示札を取り付けるために、プラスチック製延伸フィラメント等で形成された糸状連結部の一端に係合雄部を、他端に係合雌部を設けた環状連結具(商品名:ロックスとして販売されているものと同種の連結具)を製造した。
【0013】
これは、係合雄部を表示札等の貫通孔と衣類等の生地等に形成されたボタン孔等の取付孔を通した後に、係合雌部と係合して、糸状連結部のループを形成して表示札を商品等に取り付けるようにしたものである。
【0014】
また、本発明者等は、フィラメントの一端側に頭部を、他端側に横棒部を設けたラベル取り付具(タグピン)のフィラメントに、軟磁性体ファイバーを使用できないかどうかを検討し、ほぼ利用できることを確認した。
(軟磁性体ファイバーの構造)
前記、特願平11−195919号の明細書に記載された糸状体は、磁性ファイバーや芯糸からなる芯材の周囲を、幅の狭い布や糸等のカバー材を巻付けて覆い、外観上は撚糸のように形成したもので、軟磁性体ファイバーはこのカバー材によって被覆された柔軟な被覆糸である。
【0015】
従って、軟磁性体ファイバーはカバー材に保護されて指先や商品に直接接触することがなく、指先等に損傷を与えないという利点がある。
【0016】
しかしながら、このカバー材は撚糸機による撚糸工程によって形成されるものであるので、製造工程が煩雑となる上に、撚糸スピードが紡糸スピードほど早くないので、製造コストが高価になるという問題もあった。
【0017】
また、カバー材の材質にもよるが、吸湿性がある上に汚れ易い。その上、カバー材の一部が破損されると、これを発端としてカバー材がバラケルて見苦しいものとなる欠点があった。
【0018】
特に、前記発明による糸状体では、撚糸工程によって軟磁性体ファイバーをカバー材で被覆する必要があることから、コストを低下させるために、この軟磁性体ファイバーのみを使用としても、この軟磁性体ファイバーの強度は余り大きくないので、これは構造上、製造が困難である。
【0019】
本発明は、開発糸状体の持つ欠点、即ち、製造コストが高く、カバー材が露出していることによる欠点を解消したマーカー用磁性体を構成部材とする糸状体(フィラメント)を提供することを第1の目的とするものである。
【0020】
また、マーカー用磁性体を構成部材とする糸状体を主要材料として使用した表示札等の取付具を提供することを第2の目的とするものである。
【0021】
また、従来の取付具、即ち、糸状体の一端に係合雄部を、他端に係合雌部を設けた、環状に連結される連結具、更に、糸状体の一端に平板状の頭部を、他端に横棒部を設けた、所謂、タグピンを提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記したような張付け形の盗難防止具の持つ隠匿性が弱い点を問題点を解決するためになされたものであって、次のように構成されている。
【0023】
1)磁気に反応する軟磁性体ファイバー、或いは前記軟磁性ファイバーと、この軟磁性ファイバーとは異なる性質を持つファイバーとの複合糸を芯糸材とし、この芯糸材の周囲にプラスチック外皮を形成した被覆ファイバーと、この被覆ファイバーの一端側に第1部材を、他端側に第2部材をそれぞれ固定したことを特徴としている。
【0024】
2)磁気に反応する軟磁性体ファイバーと、磁気に対する反応を非能動化させる半硬質磁性体ファイバーと、更に補強材との複合糸を芯糸材とし、この芯糸材の周囲にプラスチック外皮を形成した被覆ファイバーと、この被覆ファイバーの一端側に固定された第1部材と、他端側に固定された第2部材をそれぞれ固定したことを特徴としている。
【0025】
3)磁気に反応する軟磁性体ファイバーと、前記軟磁性ファイバーと、この軟磁性ファイバーとは異なる性質を持つファイバーとの複合糸を芯糸材とし、この芯糸材の周囲にプラスチック外皮を形成した被覆ファイバーと、この被覆ファイバーの一端側に第1部材を、他端側に第2部材を固定し、前記第1部材は薄板状の頭部を、第2部材は短い横棒部であることを特徴としている。
【0026】
4)磁気に反応する軟磁性体ファイバー、或いは前記軟磁性ファイバーとは異なる性質を持つファイバーとの複合糸を芯糸材とし、この芯糸材の周囲にプラスチック外皮を形成した被覆ファイバーと、この被覆ファイバーの一端側に第1部材を、他端側に第2部材をそれぞれ固定し、前記第1部材は薄板状の頭部を、第2部材は短い横棒部であり、更にこの横棒部の内部に前記芯糸材が延長されていることを特徴としている。
【0027】
5)磁気に反応する軟磁性体ファイバー、或いは前記軟磁性ファイバーとは異なる性質を持つファイバーとの複合糸を芯糸材とし、この芯糸材の周囲にプラスチック外皮を形成した被覆ファイバーと、この被覆ファイバーの一端側に第1部材を、他端側に第2部材をそれぞれ固定し、前記第1部材は薄板状の頭部を、第2部材は短い横棒部であり、更にこの横棒部の中央より頭部に向かうフィラメントが延長され、このフィラメント部に膨出部が形成され、頭部側から延長された被覆ファイバーがこの膨出部内に埋め込まれていることを特徴としている。
【0028】
6)磁気に反応する軟磁性体ファイバー、或いは前記軟磁性ファイバーと、この軟磁性ファイバーとは異なる性質を持つファイバーとの複合糸を芯糸材とし、この芯糸材の周囲にプラスチック外皮を形成した被覆ファイバーと、この被覆ファイバーの一端側に第1部材を、他端側に第2部材をそれぞれ固定しており、前記第1部材として係合雄部を、前記第2部材として挿入孔を開口した係合雌部をそれぞれ設け、前記係合雄部を係合雌部の挿入孔内に挿入し、引抜き不能にリング状に係合できることを特徴としている。
【0029】
7)磁気に反応する軟磁性体ファイバー、或いは前記軟磁性ファイバーと、この軟磁性ファイバーとは異なる性質を持つファイバーとの複合糸を芯糸材とし、この芯糸材の周囲にプラスチック外皮を形成した被覆ファイバーと、この被覆ファイバーの一端側に第1部材を、他端側に第2部材をそれぞれ固定しており、前記第1部材として係合雄部を、前記第2部材として挿入孔を開口した係合雌部をそれぞれ設け、前記係合雄部を係合雌部の挿入孔内に挿入し、引抜き不能にリング状に係合できる表示札等取付具を複数本平行に配置し、前記係合雄部の近傍に配置された1本の連結棒に切断可能な連結部を介して連結し、更に前記係合雌部の近傍に配置された1本の連結棒に切断可能に連結し、全体を1枚の平板状に形成した表示札取付具の集合体であることを特徴としている。
【0030】
8)磁気に反応する軟磁性体ファイバー、或いは前記軟磁性ファイバーと、この軟磁性ファイバーとは異なる性質を持つファイバーとの複合糸を芯糸材とし、この芯糸材の周囲にプラスチック外皮を形成した被覆ファイバーと、この被覆ファイバーの一端側に第1部材を、他端側に第2部材をそれぞれ固定しており、前記第1部材として係合雄部を、前記第2部材として挿入孔を開口した係合雌部をそれぞれ設け、前記係合雄部を係合雌部の挿入孔内に挿入し、引抜き不能にリング状に係合できる表示札等取付具を複数本平行に配置し、更に、係合雄部と小間隙をあけ、この係合雄部を枕状に支えるように1本の連結棒に切断可能な連結部材で連結すると共に、係合雌部と小間隙をあけ、この係合雌部を支えるように1本の連結棒に切断可能な連結部材で連結し、全体を1枚の平板状に形成した表示札取付具の集合体であることを特徴としている。
【0031】
本発明に係る被覆ファイバーとは、下記のものを意味している。
【0032】
a)必須の構成要素として、軟磁性体ファイバーの単体あるいは、この軟磁性体ファイバーとガラスファイバーや強度の大きい合成繊維や補強テープ等の補強材を引揃えたファイバー集合体(糸束、複合糸)を素材として使用する。
【0033】
また、前記ファイバー集合体に、更に溶着糸を加えて引き揃えたファイバー集合体で素材となる芯糸材する。なお、溶着糸が加えられている場合は、この溶着糸を溶融する温度で熱処理して素材を一本に纏まった糸条体ないしブリッスル状の芯糸材とする。
【0034】
このファイバー集合体は、ストレート状のもの、また、軟磁性体ファイバーをストレート状に保った状態で他のファイバーを、この軟磁性体ファイバーの周囲に加撚カバーした糸などを意味する。そして、前記糸を芯糸材とし、これの外周にプラスチックの被覆を施したものである(基本的被覆ファイバー)。
【0035】
b)軟磁性体ファイバーと、消磁機能を持つ半硬質磁性ファイバーとを引揃えた金属ファイバーからなる金属双糸を必須の構成要素とし、この金属双糸の単体、あるいは、この金属双糸にガラスファイバーや強度の大きい合成繊維や、更に補強テープ等の補強材を付加して引揃えたファイバー集合体、更に、このファイバー集合体に溶着糸を付加して引揃えたファイバー集合体を素材とする。
【0036】
また、前記ファイバー集合体の表面にガラスファイバー等の補強糸を加撚によってカバーしたファイバーを素材となる芯糸材とすることもできる。
【0037】
そして、前記芯糸材の外周にプラスチックの被覆を施したものである(消磁機能被覆ファイバー)。
【0038】
c)軟磁性体ファイバー単体、あるいは軟磁性体ファイバーと、消磁機能を持つ半硬質磁性ファイバーとの金属双糸を使用し、更に、この金属双糸にガラスファイバー等の補強材や補強材と溶着糸を引揃えたストレート状のファイバー集合体(複合糸)を形成し、そして、このファイバー集合体の外周を補強ファイバーや補強テープ、あるいは金糸銀糸などのカバー材を、撚糸加工により表面を覆った状態の芯糸材を形成する。そして、その芯糸材の表面にプラスチックの被覆を施した被覆ファイバーである(カバー材を持つ被覆ファイバー)。
【0039】
d)被覆ファイバーを使用した製品について
前記被覆ファイバーを使用した製品は、この被覆ファイバーを重要な構成部材とするものであって、例えば、この被覆ファイバーの一方に頭部を、他方に横棒部を設けた「タグピン」と称するる係止具ないし取付具である。また、被覆ファイバーの一方に係合雄部を、他方に係合雌部を設けた取付具、所謂、「商品名:ロックス」等である。
【0040】
また、例えば被覆ファイバーの一端に安全ピンなどの止め具を設け、他端に表示札を2枚の係合部を持つ大形のホックのようなものを設けた止め具がある。また、一端に、係合雄部と係合雌部をV字形にしたものを、他端にホック状の挟持部を設けた取付具等、各種の取付具に適用できることは言うまでもない。
【0041】
この被覆ファイバーは、一見するとテグス状ないし硬めで太い糸状(ブリッスル状)のものであるので、これを直線状、コイル状、渦巻き状、スパイラル状として磁気検知手段にも応用できる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明による軟磁性体ファイバーを内蔵する被覆ファイバーの製造方法と、この被覆ファイバーを使用した表示具などの各種の取付具を説明する。
(軟磁性体ファイバーf)
本発明にかかる表示札等の取付部の主要部を構成しているテグス状あるいはブルッスル状の被覆ファイバーは、盗難防止装置などの検知器が発生する磁気に反応する軟磁性体ファイバーを内蔵しており、この軟磁性ファイバーは、磁化や消磁を容易にできる軟磁性の特性を示す磁性材料を原料としたものである。
【0043】
例えば、磁界の強さが0.4A/m(5mOe:ミリエルステッド),交番磁界の周波数が1kHzの励振磁界において、透磁率が1,000以上の高透磁率を有するものが好ましく、この高透磁率の特性を示す材料には、パーマロイ、Fe−Si系合金、アモルファス金属等がある。
【0044】
特に、Co−Fe−Si−Bを主成分とするアモルファス金属ファイバーは、磁界の強さが0.4A/m(5mOe),交番磁界の周波数が1kHzの励振磁界において、透磁率が10,000以上の高透磁率を示す。
【0045】
また、Fe−Co−Si−Bを主成分とするアモルファス金属ファイバーも、バルクハウゼン効果が大きいので、これらのアモルファス金属ファイバーを使用するのが好ましい。
【0046】
消磁、失活化ないし非能動化を行わせる半硬質磁性材料は、約800A/m〔10Oe(エルステッド)〕以上、約40,000A/m(500Oe)以下の保磁力が必要で、種々のFe合金やCo合金を使用できる。中でも、Fe−Co−V系合金やFe−Co−Cr系合金は約2,400A/m(30Oe)以上、約12,000A/m(150Oe)以下の優れた半硬質磁性特性を示すのでこの用途に適している。
【0047】
前記のような性質を持つ金属材料を使用し、細線の線引き工程により直径が0.1〜0.2mmφの極細の線材(軟磁性体ファイバー)を製造する。
【0048】
前記軟磁性体ファイバーや半硬質磁性ファイバーは、磁気検知器で検知できる長さに制限があり、あまり短いものは機能しない。具体的には、5〜6cm以上の長さのものが必要であり、実際に使用する際にはこの長さのものを採用する。(被覆ファイバーFの製造)
図1は、軟磁性体ファイバーの押出被覆工程を示すものであって、この軟磁性体ファイバーfを含む芯糸材(芯線)1をダイス2のガイド孔に所定の速度で送入しながら、このダイス2に形成されているファイバーの被覆層を形成するプラスチックととして、例えば、66ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンなど、衣料用の繊維とした場合に、十分な強度を持つ熱可塑性プラスチックを使用する。
【0049】
前記熱可塑性プラスッチックを押出機により溶融し、ダイス2の供給孔3より供給し、ガイド孔3aを通じてコート孔4に供給し、このコート孔4において移動している軟磁性体ファイバーfを構成素材あるいは中心素材とする芯糸材1の周囲にプラスチックの被覆層pを形成して被覆ファイバーFとする(図4参照)。
【0050】
この被覆ファイバーFを形成している芯糸材1の必須の構成要素である軟磁性体ファイバーfは、通常は直径が0.1mm程度の細い金属線を使用している。この金属線は極めて繊細かつ強度が弱いものが使用される場合が多く、従って、そのままでは使用が困難であるので、通常は、この金属線とガラスファイバーなどの補強材料を引揃えて使用する。また、少し、製造コストが高くなるが、軟磁性体ファイバーをストレート状に保持しながら、補強ファイバーやテープ等を加撚し、全体を糸状にして強度を与えて使用する。
(失活化、非能動化する糸状体)
磁化機能と消磁機能の両機能を与えるために、軟磁性体ファイバーfと半硬質磁性ファイバーを合わせて使用し、更に、ガラスファイバーやテープ等の補強材料を加えて強度を十部に与えて芯糸線1を形成するのが良い。
【0051】
そして被覆ファイバーFの外径は0.4〜0.5mmの範囲であるが、この外径は、通常販売されている取付具(タグピン、あるいは商品名:ロックス)に使用されてフィラメントと同等のものであり、前記取付具の取付けに使用されている取付装置(ガン等)を使用して普通の取付具と同様に衣類等の商品に表示札を固定したり、スリッパのような複数の商品をまとめたりできるようにしておくのが良い。
【0052】
この芯材表面へのプラスチックの被覆工程は、下記に例示するように、あたかも細いエナメル線を製造する工程のように、かなりの高速で、効率的に製造することができる。
【0053】
図2は、軟磁性体ファイバーfの浸漬コーティング工程を示すものであって、不活性雰囲気にある容器8の中で66ナイロン等のプラスッチック材料を所定温度で加熱溶融して溶融液9とし、この溶融液9の中にファイバーを含む芯糸材1をガイドロールR1,R2,R3,R4・・で所定の経路に案内して浸漬しながら、表面にコーティングを行なう。そして冷却装置10において被覆直後の被覆ファイバーFを空冷等で冷却した後、図示しない巻取工程において巻き取る。
【0054】
図3は、軟磁性体ファイバーを含む芯糸材1に加熱溶融したプラスチックを高圧で噴霧して被覆する工程を示すもので、多数のノズル12、12aを設置した処理室13の中に芯糸材1を送入してコーティング処理するようになっている。また、この処理室13の内部はダクト14、14aにより所定の温度の給気と排気が行なわれて雰囲気がコーティングに適した状態に調節されている。
【0055】
そしてこの処理室13の入口より軟磁性体ファイバーfを含む芯糸材1を送入し、移動させている間に溶融されたプラスチックを高圧で噴霧して、この芯糸材1の周囲をプラスチックで所定の厚さに被覆し、次に、図示しない冷却装置で冷却して被覆ファイバーFを製造するものてある。
【0056】
図4は、前記図1〜3のコーティング工程で製造された被覆ファイバーFの構造を示している。
【0057】
図4(A)は1本の太めの軟磁性体ファイバーfの周囲にプラスチック(例えば、66ナイロン)の被覆層pを形成した基本的な被覆ファイバーFを示している。また、図4(B)は、軟磁性体ファイバーfと、半硬質磁性材料ファイバーfhからなる芯糸材1をプラスッチックの被覆層pを形成した「失活化」機能をもつ被覆ファイバーFを示している。
【0058】
また、図4(C)は、前記軟磁性ファイバーfと半硬質磁性材ファイバーfhと更に補強用として加えられたガラスファイバーg等の補強材からなる糸状体の芯材1aの周囲にプラスチックの被覆層pを形成した被覆ファイバーFを示している。 更に、図4(D)は、軟磁性ファイバーfと半硬質磁性ファイバーfhと、熱溶着糸fmとの複合糸からなる芯糸材1aにプラスッチックの被覆層pを形成した被覆ファイバーFを示している。
【0059】
図5(E、F)は、前記特開平11─195919号に記載された、撚糸形の軟磁性体ファイバーを芯糸材1bとして使用し、これに本発明のコーティング処理をして製造した被覆ファイバーFsの例を示している。
【0060】
図4(E)は、軟磁性体ファイバーfと熱溶着糸fmからなる糸fd(複合糸)を、布テープや平糸からなるカバー材Cで被覆した芯糸材1bを使用したもので、この芯糸材1bを図1〜図3に示したコーティング処理装置を使用し、この芯糸材1bの周囲にプラスチックで被覆層pを有する被覆ファイバーFsとしたものである。
【0061】
この構造の被覆ファイバーFsは、このカバー材Cによりマーカー用磁性体、即ち、軟磁性体ファイバーfの存在を隠蔽を、また、この軟磁性体ファィバーfが露出して指先や商品を損傷するのを防止する。
【0062】
図4(F)は、前記図4(E)とぼぼ同様な構造の被覆ファイバーFsを示しているが、これには軟磁性体ファイバーfと熱溶着糸fmと、更に、テープ状ないし糸状の補強材gを沿わせてたストレートなものに、カバー材Cで加撚して被覆し、その後、その周面に溶融したプラスチックで被覆層pを形成して被覆ファイバーFsとしたものである。
【0063】
前記図4(B〜F)に示す被覆ファイバーF、Fsを使用した取付具は、軟磁性体ファイバーfは半硬質磁性材料fhが含まれ、その外周面がプラスチックの被覆層pで覆われているため、レジ等の正規のルートを通る際に、この半硬質磁性材料fhを永久磁石等の磁界を通過させて磁化させて、軟磁性体ファイバーfのを失活化し、感知システムでは感知できなくなるようにすることができるようになる。
【0064】
前記軟磁性体ファイバーfに熱溶着糸fmを沿わせ、全体をカバー材Cで被覆処理した後に、乾熱処理することにより、この熱溶着糸fmを溶着させて軟磁性体ファイバーfと補強材g等をカバー材Cで被覆したものを一体化し、軟磁性体ファィバーfの抜け落ち防止と、露出防止を図った芯糸材1、1a、1bを使用し、更に、66ナイロン等のプラスチックの外周被覆層pにより強度を向上させ、全体として1本のプラスチックのフィラメント、あるいはブリッスルのように形成することができる。
【0065】
軟磁性体ファイバーfを補強する糸状の補強材は、軟磁性体ファイバーfより太いことが好ましい。そして、これには各種プラスチック繊維や天然繊維からなる集束フィラメント、あるいは撚線フィラメント、熱溶着糸、スフや低弾性率のレーヨン繊維等を用いることができる。また、熱溶着糸fmは、100〜200d(デニール)程度の太さで、溶着温度が100℃程度の低融点のプラスチック材料を使用する。
【0066】
また、カバー材Cは、軟磁性体ファイバーfや補強材gや半硬質磁性材料fhや熱溶着糸fm等の周囲を被覆するもので、機械的及び視覚的にこれらを保護する機能を有し、ナイロンやポリエステル等の合成繊維や天然繊維を使用した糸やテープ状のものを使用できる。
【0067】
また、このカバー材Cとしては、種々の材料で構成された金糸や銀糸も使用でき、この金糸や銀糸を例にした場合には、特にポリエステル等の高分子フィルムの片面にアルミニウムを真空蒸着したものが好ましく、また、青色、赤色、緑色等の任意の着色をしてメタリック調にしたものも使用できる。これらの色彩等は装飾効果のみならず、商品のサイズや種類や材質等の識別に利用することもできる。
【0068】
そして、軟磁性体ファイバーf等やコアとしての軟磁性体ファイバーfに沿わせたガラスファイバー等の補強材gを1種類のカバー材Cでシングルスパイラル状に巻いたり、2種類のカバー材Cを交互に隙間無くダブルスパイラル状に巻いたり、あるいは、金糸や銀糸等を3条以上使用して、これらの複数条の金糸等を一定の方式にしたがって、斜め、前後、上下に交差させて、打ち込みによって締めて、組紐構造にしたりして、カバー材で被覆しても良い。
(第1の実施の形態:タグピン)
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る表示札等の取付具としての「タグピンT」を示すもので、本発明に係る被覆ファイバーFの一端に平板状の頭部hを、他端に短い横棒部bを成形工程で固定しているが、これは、前記被覆ファイバーFを金型内に介在させたインサート成形工程において頭部hと横棒部bを成形と同時に一体的に固定したものである。
【0069】
このタグピンTを製造する場合は、金型内に多数の被覆ファイバーFを平行に並べ、頭部hと横棒部bとを所定の間隔をおいて前記被覆ファイバーFを中央に挟んだ状態で同時に成形する(図6参照)。そして、この被覆ファイバーFを所定の距離だけ間欠的に移動させて大量のタグピンTを連続的に製造するのである。
【0070】
タグピンTは、通常は100〜200本が集合体として製造され、これを取付装置に装填して1本づつ打ち込まれる。
【0071】
このようなタグピンTの集合体Aを製造する場合について説明すると、図6に示すように、被覆ファイバーFを中心部材として、これに所定間隔をおいて頭部hと横棒部bを配置したタグピンTを多数並列した状態でインサート成形することになるが、この場合、2枚の頭部hの間を細いフィラメント状の連結部cを介して切断可能に連結する。
【0072】
そして横棒部bの近傍に連結棒Bを、被覆ファイバーFを貫通させた状態で成形する。この連結棒Bと横棒部bとの間は、取付装置の切断刃により打ち込み時に切断できる連結部kで連結されている。
【0073】
この集合体Aは、周知のように取付装置の装填孔に前記連結棒Bを差し込んだ状態でタグピンTを1本づつ打ち出すことができる。
【0074】
一方、前記タグピンTを構成する被覆ファイバーFは、横棒部bに直交するように一体的に成形される(図5、A)。しかし、この横棒部bの直径は0.6〜1,0mmのものであるので、単にこの被覆ファイバーFが横棒部bに固定されただけでは結合力が弱いものである。
【0075】
そこで、図7のように被覆ファイバーFの先端部Fsを横棒部bを成形するキャビティの中の中途部まで引っ張り込んだ状態で切断しておき、その後の樹脂を注入する工程で横棒部bを成形するのである。この被覆ファイバーFが横棒部bに埋め込まれる先端部Fsの長さは、横棒部bの約半分程度で、直線部分に対してL形にするのが良い。なお、横棒部bの内部に被覆ファイバーFを埋め込んだ状態で成形する連続成形方法については、別途、特許出願してあるが、ここでは説明しない。 また、被覆ファイバーFを図7(A)のように横棒部bの中に埋め込む場合は、この横棒部bの直径が0.8mm程度の極めて細いものであるので、極めて精密な成形加工を必要とする。そこで、この被覆ファイバーFの埋め込みを簡略化するたに、図7(B)に示すように、横棒部bにフィラメント部dと拡大部kを一体的に成形することによって、この拡大部k内に被覆ファイバーFの先端部f1を埋め込むようにして固定する構造を採用すると良い。
【0076】
この拡大部kの長さを任意に選定できるので、フィラメント部dと被覆ファイバーFとの接着強度を調整することができる。
【0077】
このタグピンTは、図8に示すように、公知の取付装置(タグガン)を使用して横棒部bと被覆ファイバーFの一部を衣類などの商品Gを貫通させ、横棒部bを裏側に位置させることによって表示札Dsを取付けることができる。
(第2の実施の形態:環状連結体L)
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る表示札Dsの取付具として「環状連結体L(商品名:ロックス)」を示すもので、マーカー用磁性体、即ち、軟磁性体ファイバーfを含む糸状体を芯材1としてその表面にプラスチックの被覆層p(図4参照)を設けた被覆ファイバーFを使用したものを示している。
【0078】
この表示札等取付具である環状連結体Lは、被覆ファイバーFの一端側にナイロン等のプラスチックを成形した係合雄部20を、他端側に係合雌部21をそれぞれ設けており、この係合雄部20を係合雌部21の孔の中に挿入し、その孔の中に形成された環状突起(図10参照)に係合させて、被覆ファイバーFをリング状に連結するように構成している。
【0079】
なお、この環状連結体Lの構成材料として被覆ファイバーFを使用する場合は、前記のようにインサート成形によって、被覆ファイバーFと係合雄部20と係合雌部21とが、しっかりと固定できる連結構造とすることが必要である。
【0080】
この環状連結体Lの係合雄部20と係合雌部21は、図10(A)に示すように互いに嵌合してループを形成して表示札Dsを衣類等の商品Gに取り付けることができる。
【0081】
この係合雄部20と係合雌部21は、表示札Dsが衣類などの商品Gに、一旦取り付けられた後は、持ち運び時や梱包及び移送時において容易に外れないように、また、手操作では簡単に破断できないような引張強さを持つような構造(図10、B)、寸法に成形され、また、切断や破壊した場合にはその痕跡が残るように形成される。
【0082】
この実施の形態に使用する図4に示す被覆ファイバーFの一例を示すと、次の通りである。
【0083】
軟磁性体ファイバーfの材料として、5,000以上に高透磁率を示すCO−Fe−Si−B系の100μmφのアモルファス金属ファイバーで形成し、これを200dの熱溶着糸fmと、200dのナイロンの集束フィラメントからなる補強材gと、更に、Fe−Co−V系の保磁力約9,550A/m(120Oe)の80μmφの消磁状態にある半硬質磁性材料fhと共に、1,000dのポリエチレンテレフタレート糸の2本のカバー材Cとしてスパイラル状に被覆して芯材1の素材とし、その後に120℃で30分間の乾熱処理して、糸状の、マーカー用磁性体を内蔵した芯糸材1とする。
【0084】
次に、この糸状の芯糸材1を、図1〜3等の被覆装置を使用し、その表面に66ナイロンpの被覆層を形成して被覆ファイバーFを完成するのである。
【0085】
図10(B)は、環状形の表示札取付具Lの係合部等の一例を示すもので、被覆ファイバーFの一端に形成された係合雄部20と、他端に形成された係合雌部21は、係合雌部21の貫通孔内に形成されている環状突起部の内径を通過できる係合雄部20と、この係合雄部20の後方に延長された弾性的に拡縮可能な係合羽と、この係合羽の後方に設けられ、環状突起部より拡大したストッパー部sとを有して形成される。
【0086】
この係合雄部20においては、頭部tとストッパー部sと球状に拡大された連結部rを有し、また、係合雌部21側にも同様な連結部rが形成され、この連結部rで被覆ファイバーFを接合している。
【0087】
この係合雄部20と係合雌部21の係合強度は、表示札DP等が簡単に外されて入れ替えられないように、一度係合した後で無理やり引張って係合を外した時には、係合雄部20又は係合雌部21が破損して、再度の係合ができないように形成される。一般的にいえば、係合雌部21と係合雄部20とを係合させた強度は、6〜7Kg程度であり、簡単に手で引っ張って切断できないものである。
【0088】
なお、図10(B)に示すように、係合雄部20と被覆ファイバーFとの係合雌部21と被覆ファイバーFとの接続部には、鎖線で示すように断面を縮小して係合雄部20と係合雌部21の係合強度よりも弱くした破断部を設ける場合もある。この構成によれば、破断部を曲げたり、捩じったりして、係合雄部20又は係合雌部21を被覆ファイバーFから簡単に切り離し、商品Gから表示札5等を外すことができる。
【0089】
図11は前記被覆ファイバーFを使用した環状形の表示札取付具Lの変形例を示すもので、図11(A、B)は係合雌部21に角型の嵌合孔を、図11(C、D)は円形の嵌合孔を設けたものをそれぞれ示している。この例の表示札取付具Lの場合には被覆ファイバーFと係合雄部20とはT型に接合されている。また、前記図10(B)に示したものにおいては、係合雄部20と被覆ファイバーFとは直線状に接合されている。
【0090】
この係合雄部20と被覆ファイバーFとの接合状態の相違は、この表示札取付具Lを環状に係合させた時、被覆ファイバーFが描く円弧の形状に関係するものであるが、図10に示したものの方が係合雄部20と被覆ファイバーFとの接合強度が大である点において優れている。
(第3の実施の形態:表示札等取付具の集合体)
次に、マーカー用磁性体を内蔵した被覆ファイバーFを使用した表示札等取付具Lの集合体Aについて説明する。
【0091】
先ず、図12に示す表示札等取付具Lの集合体Aは、偏平な板状の第1連結棒30と第2連結棒31との間に多数の表示札等取付具Lを直交して平行に配置し、この第1の連結棒30と係合雌部21との間を、細い断面の切断部33を形成した連結部34を介して切断可能に連結する。そして係合雄部20側も切断部33を形成した連結部34で連結し、多数の取付具Lを2本の連結棒30、31の間に切断可能に、平行に支持して、全体として平板状な集合体Aを構成している。
【0092】
この取付具集合体Aを使用する際は、公知の取付装置(例えば、特開平11−49125号公報参照)によって取付具Lを打出して図10(A)に示すようにこの取付具Lを環状に連結して商品Gに表示札Dsを取付ける。この連結操作は前記取付装置のレバーの握り操作によってワンタッチでできるので、素早く表示札Dsを商品Gに取付けることができる。
【0093】
また、図13はマーカー用磁性体である軟磁性ファイバーfなどからなる糸状体を芯体使用した被覆ファイバーFを使用した表示札等取付具Lを平板状に連結した集合体Bを示すもので、多数の表示札等取付具Lを平行に配置し、係合雄部20と係合雌部21の側部の中間位置に、枕木状に連結棒32、33を渡し、切断部35を形成した連結部36で、前記連結棒32、33と取付具Lとの間に小間隔をおいて、切断可能に連結して集合体Bを構成している。
【0094】
図12に示した表示札等取付具Lの集合体Aと、この図13に示した集合体Bとを比較すると、前者においては、連結棒30、31が表示札等取付具Lの延長方向に配置されているが、後者においては、連結棒32、33が枕木状に配置されているという相違点がある。この相違点は、連結棒30、31,32、33より個々の表示札等取付具Lを取り外す手段が取付装置で若干異なっているが、この相違は本質的なものではない。
【0095】
図12に示すように取付具Lの集合体Aの構成にすると、ガンタイプの取付装置への装填は、シート状の連続体として並んだ表示札等取付具Lの被覆ファイバーFの部分をU字形状にして取付装置の外部に配置したまま、係合雄部20と係合雌部21を装填できる。また、先端側に送る時も、被覆ファイバーFをU字形状にしたまま送ることができるので、もつれることがない。
【0096】
また、図12に示す取付具Lの集合体Aでは、係合雄部20の後端に切断部33や連結部34が配置されない構成にすることができるので、取付装置における係合雄部20を送り出す機構として、レバー操作によって前進する突き出しロッドで係合雄部20の後端を押圧して中空針から送り出す機構を採用でき、この打出し機構を簡略化できる。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、マーカー用磁性体である軟磁性ファイバーfを有する被覆ファイバーFを糸状の連結部として使用し、その一端側に第1部材を、他方の端部に第2部材をそれぞれ設けている。
【0098】
第1部材を板状の頭部hとし、第2部材を横棒部bとすると、表示札等取付具Tを「タッグピンT」とすることができる。
【0099】
また、第1部材を係合雄部に、第2部材を係合雌部とすると、「環状連結具(商品名:ロックス)」とすることができる。
【0100】
そして、次の効果を奏することができる。
【0101】
1.軟磁性ファイバーfは、ガラスファイバーや他の繊維等の補強材g、更に軟磁性体ファイバーfと半硬質磁性ファイバーfhと共に引き揃えて糸状体からなる芯材1を形成し、その表面にプラスッチックの被覆層pを形成して被覆ファイバーFを構成しているので、その被覆ファイバーFの強度が増している。
【0102】
従って、軟磁性ファイバーfを使用しない通常の表示札等取付具に比較して、同様あるいはそれ以上の強度を有している。
【0103】
また、取付具がタッグピンの場合、横棒部bと被覆ファイバーFと、更に頭部hの接続部の強度が強くなる。このことは、取付装置を使用してタッグピンである表示札を商品に打込む際に、横棒部bと被覆ファイバーFとの角度が変化(90°〜30°程度)しても、元の直角の状態に弾性的に復元して、商品に素早く固定できることから、取付具が脱落することがない。しかも、従来から使用されている取付具と同様に取付装置で取付けることができる。
【0104】
2.取付具が被覆ファイバーFを中心部材として、その両端に第1部材と第2部材を設けているので、第1部材と第2部材との接合が強力になり、従来の装置を使用して取付ることができる。
【0105】
3.また、被覆する樹脂と同じ樹脂を第1部材と第2部材に使用すると、従来のタグピン等の取付具と全く同様な外観となり、マーカー用磁性体の有無を判別できなく、隠蔽性が著しく向上する(セキュリティ性が大)。
【0106】
4.被覆ファイバーFの色を、第1部材と第2部材とは変えることができるので商品の品質や用途などを表示することができる。
【0107】
5.そして、これらのマーカー用磁性体を有する被覆ファイバーFをタッグピン等の表示札等取付具の構成部材として使用することによって、感知ゲート内で検出されるのに、十分な長さを容易に確保でき、磁気式の盗難防止用ゲート内に発生した交番磁界中で容易に磁化して、ゲート内の検出コイルに検出信号を発生することができる。
【0108】
その上、糸状体、テグス状、あるいはブリッスル状の被覆ファイバーFは、外観的には通常の糸状体を同じであり、隠蔽性が高いので、このマーカー用磁性体を有する表示札等取付具で商品等に表示札を取り付けた時に違和感がなく、マーカー用磁性体の存在を消費者等に感じさせることがない。
【0109】
6.軟磁性ファイバーfを必須の構成部材とする糸状体は、プラスッチック層p(外皮)で保護されているので、汚れに強く、腰があり、見栄えも良く、優れた表示札等取付具を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】被覆ファイバーの製造工程の説明図である。
【図2】被覆ファイバーの製造工程の説明図である。
【図3】被覆ファイバーの製造工程の説明図である。
【図4】各種の被覆ファイバーの構造を示す図である。(A)は、軟磁性ファイバーを単糸で使用したもの、(B)は軟磁性ファイバーと半硬質磁性ファイバーとからなるもの、(C)は、軟磁性ファイバーと半硬質磁性ファイバーと、更に補強ファイバーなどを使用したもの、(D)は、軟磁性ファイバーと半硬質磁性ファイバーと溶着ファイバーなどを使用したものをそれぞれ示している。また、(E)と(F)とは、軟磁性ファイバーと半硬質磁性ファイバーと溶着ファイバーからなる複合糸を中心として各種のカバー材を巻き、更に、その表面をプラスッチックで被覆層を形成した被覆ファイバーを示している。
【図5】タッグピン型の表示札等の取付具であって、(A)は正面図を、(B)は同側面図を示している。
【図6】タッグピン型の表示札の取付具の集合体を示しており、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図7】タッグピン型の取付具の横棒部のファイバーの配置状態の説明図、(B)は横棒部の中間より延長されているフィラメント部に拡大部を形成し、これによって被覆ファイバーを接合した取付具の説明図である。
【図8】タッグピン型の取付具で商品に表示札を取付た状態を示す斜視図である。
【図9】環状連結型の取付具を示すもので、(A)は正面図、(B)は同側面図である。
【図10】(A)は、環状連結型の取付具で商品に表示札を取付た状態の説明図、(B)は係合部の構造を示す断面図である。
【図11】環状連結型の取付具を示すもので、(A)は、角形の嵌合孔を持つ取付具の正面図、(B)は、同平面図である。そして(C)は、丸形の嵌合孔を持つ取付具の平面図、(D)は一部を断面した正面図である。
【図12】(A)は環状連結具を2本の連結棒で連結した平板状の集合体の正面図、(B)は同X−X断面図である。
【図13】(A)は環状連結具を2本の連結棒で枕木状に連結した集合体の正面図、(B)は同側面図である。
【符号の説明】
1 芯糸材 2 ダイス 3 供給孔 3a ガイド孔
4 コート孔 9 溶融プラスッチック 10 冷却装置
12 ノズル 20 係合雄部 21 係合雌部
b 横棒部 c 連結部 f 軟磁性ファイバー
fh 半硬質磁性体ファイバー fm 熱溶着ファイバー
ft 補強材 p プラスッチックの被覆層
g ガラスファイバー h 頭部
B 連結棒 Ds 表示札 F 被覆ファイバー
G 商品 L 環状連結体 T タッグピン
Claims (8)
- 磁気に反応する軟磁性体ファイバー、或いは前記軟磁性ファイバーと、この軟磁性ファイバーとは異なる性質を持つファイバーとの複合糸を芯糸材とし、この芯糸材の周囲にプラスチック外皮を形成した被覆ファイバーと、この被覆ファイバーの一端側に第1部材を、他端側に第2部材をそれぞれ固定した表示札等の取付具。
- 磁気に反応する軟磁性体ファイバーと、磁気に対する反応を非能動化させる半硬質磁性体ファイバーと、更に補強材との複合糸を芯糸材とし、この芯糸材の周囲にプラスチック外皮を形成した被覆ファイバーと、この被覆ファイバーの一端側に固定された第1部材と、他端側に固定された第2部材をそれぞれ固定した請求項1記載の表示札等の取付具。
- 磁気に反応する軟磁性体ファイバーと、前記軟磁性ファイバーと、この軟磁性ファイバーとは異なる性質を持つファイバーとの複合糸を芯糸材とし、この芯糸材の周囲にプラスチック外皮を形成した被覆ファイバーと、この被覆ファイバーの一端側に第1部材を、他端側に第2部材を固定し、前記第1部材は薄板状の頭部を、第2部材は短い横棒部である請求項1あるいは2項に記載の表示札等の取付具。
- 磁気に反応する軟磁性体ファイバー、或いは前記軟磁性ファイバーとは異なる性質を持つファイバーとの複合糸を芯糸材とし、この芯糸材の周囲にプラスチック外皮を形成した被覆ファイバーと、この被覆ファイバーの一端側に第1部材を、他端側に第2部材をそれぞれ固定し、前記第1部材は薄板状の頭部を、第2部材は短い横棒部であり、更にこの横棒部の内部に前記芯糸材が延長されている請求項3記載の表示札等取付具。
- 磁気に反応する軟磁性体ファイバー、或いは前記軟磁性ファイバーとは異なる性質を持つファイバーとの複合糸を芯糸材とし、この芯糸材の周囲にプラスチック外皮を形成した被覆ファイバーと、この被覆ファイバーの一端側に第1部材を、他端側に第2部材をそれぞれ固定し、前記第1部材は薄板状の頭部を、第2部材は短い横棒部であり、更にこの横棒部の中央より頭部に向かうフィラメントが延長され、このフィラメント部に膨出部が形成され、頭部側から延長された被覆ファイバーがこの膨出部内に埋め込まれている請求項3記載の表示札等取付具。
- 磁気に反応する軟磁性体ファイバー、或いは前記軟磁性ファイバーと、この軟磁性ファイバーとは異なる性質を持つファイバーとの複合糸を芯糸材とし、この芯糸材の周囲にプラスチック外皮を形成した被覆ファイバーと、この被覆ファイバーの一端側に第1部材を、他端側に第2部材をそれぞれ固定しており、前記第1部材として係合雄部を、前記第2部材として挿入孔を開口した係合雌部をそれぞれ設け、前記係合雄部を係合雌部の挿入孔内に挿入し、引抜き不能にリング状に係合できる請求項1記載の表示札等取付具。
- 磁気に反応する軟磁性体ファイバー、或いは前記軟磁性ファイバーと、この軟磁性ファイバーとは異なる性質を持つファイバーとの複合糸を芯糸材とし、この芯糸材の周囲にプラスチック外皮を形成した被覆ファイバーと、この被覆ファイバーの一端側に第1部材を、他端側に第2部材をそれぞれ固定しており、前記第1部材として係合雄部を、前記第2部材として挿入孔を開口した係合雌部をそれぞれ設け、前記係合雄部を係合雌部の挿入孔内に挿入し、引抜き不能にリング状に係合できる表示札等取付具を複数本平行に配置し、
前記係合雄部の近傍に配置された1本の連結棒に切断可能な連結部を介して連結し、更に前記係合雌部の近傍に配置された1本の連結棒に切断可能に連結し、全体を1枚の平板状に形成した表示札取付具の集合体。 - 磁気に反応する軟磁性体ファイバー、或いは前記軟磁性ファイバーと、この軟磁性ファイバーとは異なる性質を持つファイバーとの複合糸を芯糸材とし、この芯糸材の周囲にプラスチック外皮を形成した被覆ファイバーと、この被覆ファイバーの一端側に第1部材を、他端側に第2部材をそれぞれ固定しており、前記第1部材として係合雄部を、前記第2部材として挿入孔を開口した係合雌部をそれぞれ設け、前記係合雄部を係合雌部の挿入孔内に挿入し、引抜き不能にリング状に係合できる表示札等取付具を複数本平行に配置し、
更に係合雄部と小間隙をあけ、この係合雄部を枕状に支えるように1本の連結棒に切断可能な連結部材で連結すると共に、係合雌部と小間隙をあけ、この係合雌部を支えるように1本の連結棒に切断可能な連結部材で連結し、全体を1枚の平板状に形成した表示札取付具の集合体。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002352935A JP2004184774A (ja) | 2002-12-04 | 2002-12-04 | 表示札等取付具 |
US10/534,490 US20060185208A1 (en) | 2002-12-04 | 2003-12-04 | Attaching tool of display tag or the like |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002352935A JP2004184774A (ja) | 2002-12-04 | 2002-12-04 | 表示札等取付具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004184774A true JP2004184774A (ja) | 2004-07-02 |
JP2004184774A5 JP2004184774A5 (ja) | 2007-04-05 |
Family
ID=32754393
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002352935A Pending JP2004184774A (ja) | 2002-12-04 | 2002-12-04 | 表示札等取付具 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20060185208A1 (ja) |
JP (1) | JP2004184774A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007187947A (ja) * | 2006-01-16 | 2007-07-26 | Masanori Fujimoto | 偽造防止のタグクリップ |
CN103531089A (zh) * | 2013-10-29 | 2014-01-22 | 王众 | 多针头胶针排及使用方法 |
JP2015143753A (ja) * | 2014-01-31 | 2015-08-06 | 株式会社トスカバノック | 係止ピン材及びその成形方法と成形された係止ピン材の使用方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10984682B2 (en) | 2019-02-26 | 2021-04-20 | Bedford Industries, Inc. | Product piercing tag |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US1600756A (en) * | 1925-10-17 | 1926-09-21 | Norman D Fairbanks | Snare |
US4730615A (en) * | 1986-03-03 | 1988-03-15 | Pfizer Hospital Products Group, Inc. | Sternum closure device |
US6735895B2 (en) * | 2000-08-11 | 2004-05-18 | Toska Co., Ltd. | Fixture of indication tag or the like having a magnetic body for marker |
-
2002
- 2002-12-04 JP JP2002352935A patent/JP2004184774A/ja active Pending
-
2003
- 2003-12-04 US US10/534,490 patent/US20060185208A1/en not_active Abandoned
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007187947A (ja) * | 2006-01-16 | 2007-07-26 | Masanori Fujimoto | 偽造防止のタグクリップ |
CN103531089A (zh) * | 2013-10-29 | 2014-01-22 | 王众 | 多针头胶针排及使用方法 |
JP2015143753A (ja) * | 2014-01-31 | 2015-08-06 | 株式会社トスカバノック | 係止ピン材及びその成形方法と成形された係止ピン材の使用方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20060185208A1 (en) | 2006-08-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6735895B2 (en) | Fixture of indication tag or the like having a magnetic body for marker | |
EP0170854B1 (en) | Theft detection apparatus and target and method of making same | |
US6556139B2 (en) | System for authentication of products and a magnetic tag utilized therein | |
US5717382A (en) | Device for use in detecting the unauthorized removal of an article of commerce from a store or other business establishment | |
US9466233B2 (en) | Antifraud device for garments and other consumer products and devices and system and method related thereto | |
US8938997B2 (en) | Security surround device with cord lock | |
CA2279901C (en) | Device for detecting unauthorized article removal | |
JP4683803B2 (ja) | セキュリティ糸及びその製法 | |
JP2004184774A (ja) | 表示札等取付具 | |
EP2545535B1 (en) | System and method for security tag deployment using reversible adhesives | |
JP3630652B2 (ja) | マーカー用磁性体を有する表示札等取付具 | |
JPH1130954A (ja) | 盗難防止用の布製ラベルとその製造法 | |
JP2006519428A (ja) | 防犯用タグ | |
US8967574B2 (en) | Reinforcement of hang tags | |
US20020066585A1 (en) | Encapsulating sensor and method of making same | |
CN103996351B (zh) | 粘合剂结合的物品保护标签 | |
WO2001053575A1 (en) | Textile yarn containing magnetic fibers for use as magnetic marker | |
JP2001098424A (ja) | カバリング糸条体 | |
JP4187537B2 (ja) | セキュリティタグ | |
JP2003524272A (ja) | 磁気マーカ用の非活性化素子および同一物の作製方法 | |
JP3294747B2 (ja) | 物品監視用素子とその製造装置および製造方法 | |
JPH09306734A (ja) | 盗難防止用ラベル | |
JP2002049974A (ja) | 磁性マーカー | |
JPH09198579A (ja) | 物品監視用素子とその製造方法 | |
JPH09190917A (ja) | マーカ連続体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070215 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070327 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070724 |