JP2004184348A - 光部品付伝送線の機械的特性試験機 - Google Patents
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Abstract
【課題】光部品から延出している伝送線に引っ張り荷重を加えて、上記光部品付伝送線の機械的諸特性を試験可能な光部品付伝送線の機械的試験機において、上記伝送線を保持するキャプスタンとこのキャプスタンを保持自在なキャプスタン保持部との質量を軽減することなく、正確な試験をすることができる光部品付伝送線の機械的試験機を提供する。
【解決手段】基台3と、基台3の上部側に設けられ、光部品付伝送線CTを保持自在な光部品付伝送線保持手段5と、伝送線を保持自在なキャプスタンCPを光部品付伝送線保持手段5の下方で保持自在であり、基台3に対して上下方向に移動自在なキャプスタン保持手段7と、キャプスタン保持手段7に下向きの荷重を印加可能な荷重印加手段9と、キャプスタンCPと上記キャプスタン保持手段7との自重を減少させるためのカウンタウェイトを印加可能なカウンタウェイト印加手段11とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】基台3と、基台3の上部側に設けられ、光部品付伝送線CTを保持自在な光部品付伝送線保持手段5と、伝送線を保持自在なキャプスタンCPを光部品付伝送線保持手段5の下方で保持自在であり、基台3に対して上下方向に移動自在なキャプスタン保持手段7と、キャプスタン保持手段7に下向きの荷重を印加可能な荷重印加手段9と、キャプスタンCPと上記キャプスタン保持手段7との自重を減少させるためのカウンタウェイトを印加可能なカウンタウェイト印加手段11とを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光コネクタ、光スイッチ、アッテネータ(光減衰器)、ファンナウトボックス等の光部品が取り付けられた光部品付伝送線の機械的特性試験機に係り、特に、上記光部品から延出している伝送線(たとえば光ファイバ、光ファイバケーブル)に引っ張り力を加えることによって、上記光部品付伝送線の機械的諸特性を試験することができる光部品付伝送線の機械的特性試験機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光部品としてたとえば光コネクタが取り付けられた光コネクタ付伝送線の上記光コネクタを固定自在な固定部と、この固定部に保持された上記光コネクタから延出している伝送線(たとえば光ファイバ、光ファイバケーブル)をキャプスタンで保持し、錘を用いて上記キャプスタンに引っ張り荷重を印加可能な荷重印加手段とを備えた光コネクタ付伝送線の機械的特性試験機が知られている(たとえば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3223446号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、光コネクタから延出している伝送線に引っ張り力を印加して上記光コネクタの機械的特性を正確に試験するためには、上記伝送線に上記錘によって荷重を印加する前は、上記伝送線に引っ張り荷重が極力かからないようにすることが望ましい。このため、上記従来の試験装置では、上記伝送線に発生する引っ張り応力が極力小さくなるように、上記キャプスタンや荷重印加手段を構成している部材(錘以外の部材)の質量が小さくなるように構成されている。
【0005】
しかし、上記キャプスタンや荷重印加手段を構成している上記部材の質量を小さくするには限度があるため、印加する引っ張り応力が小さい場合には、上記部材の質量の影響が相対的に大きくなり、上記光コネクタの機械的特性を正確に試験することが困難であるという問題がある。
【0006】
上記問題は、光コネクタだけではなく、光スイッチ、アッテネータ(光減衰器)、ファンナウトボックス等の光部品が取り付けられた光部品付伝送線の機械的特性を試験する場合にも発生する問題である。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、光部品を固定し、この光部品から延出している伝送線に引っ張り荷重を加えて、上記光部品付伝送線の機械的諸特性を試験可能な光部品付伝送線の機械的特性試験機において、上記伝送伝送線を保持するキャプスタンとこのキャプスタンを保持自在なキャプスタン保持部との質量を軽減することなく、正確な試験をすることができる光部品付伝送線の機械的特性試験機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載されている発明は、基台と、上記基台の上部側に設けられ、伝送線が延出している光部品を保持自在な光部品保持手段と、上記光部品から離隔した位置で上記伝送線を保持自在なキャプスタンを、上記光部品保持手段の下方で保持自在であり、上記基台に対して上下方向に移動自在なキャプスタン保持手段と、上記キャプスタン保持手段に下向きの荷重を印加可能な荷重印加手段と、上記キャプスタンと上記キャプスタン保持手段との自重を消去するためのカウンタウェイトを印加可能なカウンタウェイト印加手段とを有する光部品付伝送線の機械的特性試験機である。
【0009】
請求項2に記載されている発明は、基台と、上記基台の上部側に設けられ、伝送線が延出している光部品を保持自在な光部品保持手段と、上記光部品から離隔した位置で上記伝送線を保持自在なキャプスタンを、上記光部品保持手段の下方で保持自在であり、上記基台に対して上下方向に移動自在なキャプスタン保持手段と、基台に対して上下方向に移動自在な移動部材と、上記キャプスタン保持手段と上記移動部材との間に設けられ、上記キャプスタン保持手段と上記移動部材との間にかかる荷重を計測自在なロードセルと、上記ロードセルの計測値に基づいて上記移動部材の移動量を制御し、上記キャプスタン保持手段と上記移動部材との間に印加される荷重が所定の値に達するまで、上記キャプスタン保持手段と上記移動部材との間に印加する荷重の印加速度が一定の速度となるように制御する荷重印加速度制御手段とを有する光部品付伝送線の機械的特性試験機である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の光部品付伝送線の機械的特性試験機において、上記キャプスタン保持手段は、上記基台に対して水平方向に旋回自在であると共に、上記荷重が印加されている上記キャプスタン保持手段を旋回自在な旋回手段を有する光部品付伝送線の機械的特性試験機である。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光部品付伝送線の機械的特性試験機において、上記光部品保持手段は、光部品の種類に応じて、この光部品の保持部を交換可能であると共に、上記キャプスタン保持手段のほぼ真上に位置する水平な回転軸を回転中心にして、保持している光部品を旋回自在である光部品付伝送線の機械的特性試験機である。
【0012】
【発明の実施の形態】
[第1の実施例]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタの機械的特性試験機の概略構成を示す正面図である。
【0013】
図2は、図1におけるIIA−IIB矢視を示す図であり、光コネクタの機械的特性試験機に設けられた光コネクタ保持手段の概略構成を示す側面図である。
【0014】
図3は、図1におけるIIIA−IIIB矢視を示す図であり、キャプスタンと、光コネクタの機械的特性試験機に設けられたキャプスタン保持手段の概略構成を示す側面図である。
【0015】
図4は、光コネクタの機械的特性試験機に設けられた光コネクタ保持手段の部分を拡大した正面図であり、さらに、上記光コネクタ保持手段が回動して、光コネクタを旋回した状態を示す図である。
【0016】
光コネクタの機械的特性試験機1は基台3を備え、この基台3の上部側には、光ファイバケーブルFBが延出している光コネクタCTを保持自在な光コネクタ保持手段5が設けられている。
【0017】
基台3には、上記光コネクタCTから離隔した位置で上記光ファイバケーブルFBを保持自在なキャプスタンCPを、上記光コネクタ保持手段5の下方で保持自在であり、上記基台3に対して上下方向に移動自在なキャプスタン保持手段7と、このキャプスタン保持手段7に下向きの荷重を印加可能な荷重印加手段9とが設けられている。
【0018】
また、基台3には、上記キャプスタンCPと上記キャプスタン保持手段7との自重を減少させるためのカウンタウェイトを印加可能なカウンタウェイト印加手段11が設けられている。
【0019】
キャプスタン保持手段7は、上記基台3に対して水平方向に(鉛直方向に延びた軸を回転中心にして)旋回自在であると共に、基台3には、上記荷重印加手段9によって荷重が印加されている上記キャプスタン保持手段7を旋回自在な旋回手段13が設けられている。
【0020】
また、上記光コネクタ保持手段5は、光コネクタの種類に応じて、この光コネクタを保持する部材を交換可能であると共に、上記キャプスタン保持手段7のほぼ真上に位置する水平な回転軸を回転中心にして回動自在に構成され、保持している光コネクタCTを旋回することができる。
【0021】
ここで、光コネクタの機械的特性試験機1の基台3は、所定の厚みを具備する板状のベース部材15を有し、このベース部材15の下面側には、ほぼ水平な設置面FLに対して、光コネクタの機械的特性試験機1をほぼ水平に設置するための、たとえばゴム等の弾性体で形成された脚17が適数個設けられている。
【0022】
また、上記ベース部材15の上部側には、適数の柱状の連結部材19を介して、所定の厚みを具備する板状の中間部材21が、上記ベース部材15に対してほぼ平行に設けられている。さらに、中間部材21の上部側には、適数の柱状の連結部材23を介して、所定の厚みを具備する板状の中間部材25が、上記中間部材21に対してほぼ平行に設けられている。ほぼ同様にして、連結部材27を介して中間部材29が、連結部材31を介して中間部材33が上方向に順に設けられている。
【0023】
さらにまた、上記中間部材33の上部側には、適数の柱状の連結部材35を介して、光コネクタ保持手段5の回転部材39(図2参照)を回動可能に支持している軸受け部材37が設けられている。
【0024】
光コネクタ保持手段5は、図2に示すように、軸受け部材37を備え、この軸受け部材37には、水平な回転軸Ax1を回転中心にして回転自在な回転部材39が係合している。
【0025】
軸受け部材37の水平方向の一端部側(光コネクタの機械的特性試験機1の前側)には、円盤状のインデックス位置決め用固定部材41が一体的に設けられている。なお、上記インデックス位置決め用固定部材41の中心部には、上記回転部材39が貫通するための貫通孔41Aが設けられている。また、上記インデックス位置決め用固定部材41には、光コネクタCTを旋回させてインデックス位置決めするためのインデックス位置決め用回動部材43を、インデックス位置決めするときに使用する適数の貫通孔41B〜41Dが設けられている。
【0026】
なお、上記貫通孔41Cは、上記回転軸Ax1に対してほぼ真下に設けられており、上記貫通孔41Bは、上記回転軸Ax1に対してほぼ水平方向に設けられており、上記貫通孔41Dは、上記回転軸Ax1に対してほぼ水平方向に設けられしかも、回転軸Ax1に対して貫通孔41Bとは対称な位置に設けられている。また、上記回転軸Ax1と上記貫通孔41Bとの間の距離、上記回転軸Ax1と上記貫通孔41Cとの間の距離、上記回転軸Ax1と上記貫通孔41Dとの間の距離のそれぞれは互いにほぼ等しい。
【0027】
上記貫通孔41B、41Dは、上記インデックス位置決め用回動部材43を90°ずつ回転させてインデックス位置決めする場合に使用するための貫通孔である。なお、インデックス位置決め用回動部材43を90°以外の角度だけ回転させてインデックス位置決めする必要があるときには、上記角度に対応する貫通孔を別途設ければよい。
【0028】
回転部材39の一端部側(光コネクタの機械的特性試験機の前側)は、インデックス位置決め用固定部材41よりも僅かに突出しており、回転部材39の上記一端部側の端面には、インデックス位置決め用回動部材43が一体的に設けられている。
【0029】
そして、図2に示すような初期状態では、上記インデックス位置決め用回動部材43は、上下方向に長く設けられており、上記インデックス位置決め用回動部材43の長手方向の中間部が、回転部材39の上記一端面に一体的に固定されている。
【0030】
インデックス位置決め用回動部材43の基端部側(図2に示す初期状態では下側)には、このインデックス位置決め用回動部材43をインデックス位置決めする場合に使用する位置決めピン45が係合しており、この係合ピン45は、上記インデックス位置決め用回動部材43に対して、上記回転軸Ax1の方向に移動自在になっている。また、図示しない付勢手段で、インデックス位置決め用固定部材41が設けられている方向に付勢されている。
【0031】
そして、位置決めピン45の先端部側が、上記インデックス位置決め用固定部材41の各貫通孔41B〜41Dのいずれかに挿入されていることによって、上記インデックス位置決め用回動部材43がインデックス位置決めされる。
【0032】
また、インデックス位置決め用回動部材43の先端部側(図2に示す初期状態では上側)には、オペレータが、インデックス位置決め用回動部材43を回動するときに使用するハンドル47が設けられている。
【0033】
そして、インデックス位置決め用回動部材43を回動してインデックス位置決めする場合には、オペレータが、たとえば、位置決めピン45を、各貫通孔41B〜41Dのうちで、上記位置決めピン45が係合している貫通孔から引き抜き、インデックス位置決め用回動部材43を回転させてインデックス位置決めし、上記位置決めピン45を別の貫通孔に係合させる。
【0034】
なお、図2では、インデックス位置決め用回動部材43が上下方向に長く位置するように、係合ピン45の先端部側が貫通孔41Cに係合し、図4では、インデックス位置決め用回動部材43が水平方向に長く位置するように、インデックス位置決め用固定部材41の貫通孔41Dに係合している。
【0035】
また、インデックス位置決め用回動部材43の先端部側には、アダプタADを保持し、所定の厚みを具備する「L」字状の保持部材49が設けられている。なお、上記アダプタADは、光コネクタCTと係合し、上記インデックス位置決め用回動部材43から光コネクタの機械的特性試験機1の前側方向に僅かに隔離した位置で、上記光コネクタCTの軸心方向(光ファイバケーブルFBが延出する方向)が、上記インデックス位置決め用回動部材43の基端部側と先端部側とを互いに結んだ方向になるように、上記光コネクタCTを保持している(図2参照)。
【0036】
また、上記アダプタADは、他の光コネクタCTaと係合し、上記光コネクタCTと上記他の光コネクタCTaとを互いに光接続するものである。なお、図2に示す初期状態では、光コネクタCTの軸方向は上下方向になっており、図4に示す状態では、光コネクタCTの軸方向は水平方向になっている。
【0037】
また、保持部材49は、ボルトBT1等の締結部材を用いて、インデックス位置決め用回動部材43に固定され、また、保持部材49を上記ボルトBT1を用いて上記インデックス位置決め用回動部材43に固定するための長円状の貫通孔49Aが、上記保持部材49に設けられている。なお、上記保持部材49は、ボルトBT1を緩めることによって、上記インデックス位置決め用回動部材43に対して、上記インデックス位置決め用回動部材43の基端部側と先端部側とを互いに結ぶ方向に移動できるようになっており、上記ボルトBT1を締め付けると、上記インデックス位置決め用回動部材43に固定される。
【0038】
たとえば、図4に示すように、インデックス位置決め用回動部材43がほぼ水平方向に長く位置するようにインデックス位置決め用回動部材43をインデックス位置決めした場合、キャプスタン保持手段7に保持されたキャプスタンCPに保持され、このキャプスタンCPから光コネクタCT(光コネクタ保持手段5)の方向に延出している光ファイバケーブルFBの軸心がほぼ鉛直方向を向くように、上記インデックス位置決め用回動部材43に対する保持部材49の位置をオペレータが調節できるようになっている。
【0039】
なお、光コネクタの種類を変えて、機械的特性を試験する場合には、保持部材49を、上記変えた光コネクタを保持可能な他の保持部材に交換すればよい。したがって、種々の光コネクタを試験することができ、また、種々の光コネクタを試験する場合の段取り変えが容易になり、種々の光コネクタを効率良く試験することができる。
【0040】
キャプスタン保持手段7は、図3に示すように、たとえば、ボルトを用いてキャプスタンCPを、上方側で保持自在なキャプスタン保持部材51を備え、この51の下端部側には、連結部材53を介して、上下方向に長く延びたスプライン軸55が固定されている。
【0041】
なお、上記キャプスタンCPは、リング状の部材であり、外周のほぼ中央部には、光ファイバケーブルFBを掛回して保持するための保持溝が全周にわたって設けられている。なお、この保持溝の直径は、光ファイバケーブルFBが曲げによって損傷を受けない範囲の所定の直径であると共に、上記保持溝の外周には、光ファイバケーブルFBを保護し、さらに掛回された光ファイバケーブルFBとキャプスタンCPの保持溝との間の摩擦係数を増大させるためのウレタンゴムが設けられている。
【0042】
さらに、上記キャプスタンCPには、上記掛回した光ファイバケーブルFBを保持するための保持部材CPaが設けられている。この保持部材CPaは、たとえば引っ張りバネCPbで、保持溝に掛回された光ファイバケーブルFBを挟み込んで保持するように、キャプスタンCPの中心方向に付勢されている。
【0043】
また、上記キャプスタン保持部材51で保持されたキャプスタンCPから、光コネクタ保持手段5で保持されている光コネクタCTの方向に延出している光ファイバケーブルFBの延出し初めている位置が、上記光コネクタ保持手段5の回転部材39の回転軸Ax1に対してほぼ真下になるように、キャプスタン保持手段7がキャプスタンCPを保持している。なお、光ファイバケーブルFBを保持する機能を上記キャプスタンCPと同様に発揮できるものであれば、キャプスタンCPに代えて、別の構成の部材を採用してもよい。
【0044】
旋回手段13は、図1に示すように、スプラインナット57に備え、スプライン軸55は、軸方向(上下方向)に移動可能なように中間部でスプラインナット57に係合し、このスプラインナット57は、中空円筒状のスプラインナット保持部材59の内部で、上記スプラインナット保持部材59に対して一体的に設けられている。なお、上端部側でキャプスタン保持部材51を一体的に固定されているスプライン軸55は、下端部側で荷重印加手段9に対して回転自在に係合している。
【0045】
スプラインナット保持部材59は、中間部材25に対して、ベアリングを介して水平方向に回転自在に設けられている。ただし、スプラインナット保持部材59は、中間部材25に対して、このスプラインナット保持部材59の軸方向には、移動できないようになっている。また、上記スプラインナット保持部材59の下端部側には、ギヤ61Aが一体的に設けられている。
【0046】
中間部材25の一端部側には、連結部材63を介して、水平方向に延びた軸を回転中心としてハンドル65が回転自在に設けられており、ハンドル65の一端部側には、ベベルギヤ61Bが一体的に固定されている。さらに、スプラインナット保持部材59のギヤ61Aと、ハンドル65のベベルギヤ61Bとは、ベベルギヤ61C、ギヤ61D、ギヤ61Eを介して、互いに連動連結されている。
【0047】
そして、ハンドル65をオペレータが1回転すると、スプライン保持部材59、スプライン軸55、キャプスタン保持部材51等を介して、キャプスタンCPに保持されて光コネクタ保持手段5の方向に延出している光ファイバケーブルFBが、たとえば2.5回転分の角度(900°)だけ捻られるようになっている。
【0048】
なお、ハンドル65の基端部側には、ハンドル65の回転位置をたとえば1回転毎に保持可能なボールプランジャ67が設けられており、オペレータがハンドル65を回転操作する場合、ハンドル65を1回転回転したことを上記オペレータは容易に認識することができる。また、このボールプランジャ67の保持作用によって、スプラインナット保持部材59やキャプスタン保持部材51等は、垂直な軸を回転中心にして、容易には回転できないようになっている。
【0049】
荷重印加手段9は、錘69を備え、この錘69は、所定の厚みを有する板状の支持部材73の下面側でこの支持部材73に一体的に設けられている錘連結部材71を介して、支持部材73に吊り下げ可能になっている。
【0050】
また、中間部材21の上面側からは、ほぼ垂直上方向に、円筒状の適数のガイド部材75が延出しており、この各ガイド部材75に上記支持部材73が係合し、支持部材73は、中間部材21に対して上下方向に移動自在になっている。
【0051】
このように構成することによって、錘69の横揺れを防止することができ、光ファイバケーブルFBに、正確な大きさのしかも変動のほとんど無い引っ張り荷重を印加することができる。
【0052】
また、上記支持部材73の上面側には、スプライン軸保持部材77が一体的に設けられ、このスプライン軸保持部材77にスプライン軸55の下端部側が支持されている。そして、スプライン軸55は、支持部材73に対しほぼ水平方向に回転自在になっていると共に、上記支持部材73に対して、上記スプライン軸55の軸方向へは移動できないようになっている。
【0053】
なお、上記錘69は、異なる大きさのものに容易に交換可能なようになっており、これによって、キャプスタン保持手段7に保持されているキャプスタンCPと、光コネクタ保持手段5に保持されている光コネクタCTとの間に存在している光ファイバケーブルFBにかける引っ張り荷重を容易に変更できるようになっている。
【0054】
カウンタウェイト印加手段11は、錘79を備え、この錘79の上端部側にはワイヤ81の一端部側が固定されている。また、上記ワイヤ81の中間部は、水平方向に延びた軸を回転中心にして、中間部材25の下端部側で中間部材25に回転自在に設けられている定滑車83A、83Bによってガイドされ、上記ワイヤ81の他端部側は、支持部材73の上面に一体的に固定されている。そして、錘79の重量(錘79の質量×重力加速度)によって、支持部材73やスプライン軸55等は上方向きの力を受けるようになっている。
【0055】
したがって、錘連結部材71に錘69を吊り下げた場合、キャプスタン保持手段7に保持されているキャプスタンCPと、光コネクタ保持手段5に保持されている光コネクタCTとの間に存在している光ファイバケーブルFBにかかる引っ張り力は、錘連結部材71の重量と支持部材73の重量とスプライン軸保持部材77の重量とスプライン軸55の重量と連結部材53の重量とキャプスタン保持部材51の重量とキャプスタンCPの重量とを互いに加えた重量(以下、「キャプスタン保持部材51等の重量」という。)に、さらに錘69の重量を加え、この重量から錘79の重量を減じた値になる。
【0056】
そして、たとえば、上記キャプスタン保持部材51等の重量(質量)と上記錘79の重量(質量)とを互いにほぼ等しくすれば、キャプスタン保持手段7に保持されているキャプスタンCPと、光コネクタ保持手段5に保持されている光コネクタCTとの間に存在している光ファイバケーブルFBにかかる引っ張り力は、ほぼ錘69の重量のみによる引っ張り力になる。
【0057】
次に、光コネクタの機械的特性試験機1を用いて、光コネクタの機械的諸特性を試験する場合について説明する。
【0058】
光コネクタの機械的諸特性の試験としては種々の試験があるので、ここでは、代表的なものを例に掲げ説明する。
【0059】
なお、以下の各テストをする前に、光コネクタCTとこの光コネクタCTから延出している光ファイバケーブルFBとが光コネクタの機械的特性試験機1に予め設定された初期設定がされているものとする。
【0060】
すなわち、光コネクタCTから光ファイバケーブルFBが所定の長さだけ延出するように、上記光ファイバケーブルFBをキャプスタンCPで保持し、上記光コネクタCTを光コネクタ保持手段5に固定し、上記キャプスタンCPをキャプスタン保持手段7に固定してあるものとする。なおこの状態で、光コネクタ保持手段5は、図1に示すような初期状態(光コネクタCTの軸心が垂直方向に延伸している状態)になっており、また、荷重印加手段9には、錘69が印加されて(吊り下げられて)いないものとする。
【0061】
まず、フレックステスト(Flex Test)について説明する。
【0062】
上記初期設定がされた状態で、まず、光コネクタCTと、アダプタADを介して上記光コネクタCTに光接続している光コネクタCTaとの間の接続状態(光接続損失等)を調べる。続いて、光コネクタCTとキャプスタンCPとの間の光ファイバケーブルFBに、たとえば8.8N(0.9kgf)の荷重がかかるような錘69を、オペレータが錘連結部材71に取り付ける(吊り下げる)。
【0063】
錘69を取り付けた状態で、オペレータが、光コネクタ保持手段5の位置決めピン45やハンドル47を操作して、インデックス位置決め用回動部材43や保持部材49を回動させて、光コネクタCTを旋回させる。なお、上記旋回では、図1に示す状態(光コネクタCTの軸心がほぼ垂直方向に延びている状態)から、上記光コネクタCTを、軸Ax1を回転中心にして約90°回転して図4に示す状態にし、続いて、図1に示す状態に戻し、さらに、上記光コネクタCTを図4とは反対方向に90°旋回し、図1に示す状態に戻す動作を、たとえば、100サイクル繰り返す。
【0064】
続いて、錘69を取り除き、すなわち、光ファイバケーブルFBにかかっていた引っ張り荷重を取り除き、光コネクタCTと光コネクタCTaとの間の接続状態を調べる。
【0065】
次に、ツイストテスト(Twist Test)について説明する。
【0066】
上記初期設定がされた状態で、まず、光コネクタCTと、アダプタADを介して上記光コネクタCTに光接続している光コネクタCTaとの間の接続状態(光接続損失等)を調べる。続いて、光コネクタCTとキャプスタンCPとの間の光ファイバケーブルFBに、たとえば13.2N(1.35kgf)の荷重がかかるような錘を、オペレータが、錘連結部材71に取り付ける。
【0067】
上記錘を取り付けた状態で、オペレータが、旋回手段13のハンドル65を回転して、スプライン55やキャプスタン保持部材51等を旋回させて、光ファイバケーブルFBを捻る。
【0068】
なお、上記捻りでは、光コネクタCTとキャプスタンCPとの間の光ファイバケーブルFBに捻りが加わっていない状態から、所定の回転方向にたとえば、2.5回転だけ光ファイバケーブルFBを捻り、続いて、光ファイバケーブルFBに捻りが加わっていない状態に戻し、さらに、上記光ファイバケーブルFBを上記所定の回転方向とは逆の回転方向にたとえば、2.5回転だけ捻り、続いて、光ファイバケーブルFBに捻りが加わっていない状態にする動作を、たとえば、9サイクル繰り返す。
【0069】
続いて、上記錘を取り除き、すなわち、光ファイバケーブルFBにかかっていた引っ張り荷重を取り除き、光コネクタCTと光コネクタCTaとの間の接続状態を調べる。
【0070】
光コネクタの機械的特性試験機1によれば、光コネクタCTを光コネクタ保持手段5に取り付け、上記光コネクタCTから延出している光ファイバケーブルFBを保持しているキャプスタンCPをキャプスタン保持手段7で保持し、上記光ファイバケーブルFBに、荷重印加手段9を用いて引っ張り荷重を印加して、上記光コネクタ保持手段5を回動することができ、また、上記引っ張り荷重を加えた状態で、上記光ファイバケーブルFBを捻ることができるので、上記光コネクタCTや上記キャプスタンCPを、上記光コネクタの機械的特性試験機1に一度取り付けてセットすれば、上記光コネクタCTに対する種々の機械的諸特性の試験(たとえば、上記フレックステストや上記ツイストテスト)をすることができ、したがって、次の試験に移るときの段取り変えをすることなく、次の試験を続行することができ、上記光コネクタCTの機械的諸特性を効率良く試験することができる。
【0071】
また、光コネクタの機械的特性試験機1によれば、カウンタウェイト印加手段11によって、上記キャプスタン保持部材51等の重量を軽減しているので、光コネクタ保持手段5に取り付けられた光コネクタCTと、キャプスタン保持手段7に取り付けられたキャプスタンCPとの間に延伸している光ファイバケーブルFBに、試験のための引っ張り荷重を印加する前の状態(荷重印加手段9の錘連結部材71に錘69が吊るされていない状態)において、上記キャプスタン保持部材51等の重量によって上記光ファイバケーブルFBに発生する引っ張り応力を、上記キャプスタン保持部材51等の重量(質量)を軽減することなく、軽減することができ、上記光ファイバケーブルFBに引っ張り力を印加して行う上記光コネクタCTの機械的特性の試験を正確に実行できる。
【0072】
さらに、上記キャプスタン保持部材51等の質量と、カウンタウェイト印加手段11の錘79の質量とを、互いにほぼ等しくすれば、上記光ファイバケーブルFBに、試験のための引っ張り荷重を印加する前の状態において、上記光ファイバケーブルFBでの引っ張り応力をほぼ消去することができ、上記光ファイバケーブルFBに引っ張り力を印加して行う上記光コネクタCTの機械的特性の試験を一層正確に行うことができる。
【0073】
また、試験のための引っ張り荷重を印加する前の状態において、上記光ファイバケーブルFBでの引っ張り応力をほぼ消去することができるので、上記光ファイバケーブルFB印加する引っ張り応力が小さい場合でも、上記キャプスタン保持部材51等の質量の影響が無くなり、上記光コネクタの機械的特性を正確に試験することができる。
【0074】
なお、カウンタウェイト印加手段11では、錘79を用いているが、錘の代わりに、流体圧シリンダ等のアクチュエータや、バネ等の弾性部材を用いて、カウンタウェイト印加手段を形成してもよい。
【0075】
[第2の実施の形態]
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る光コネクタの機械的特性試験機100の概略構成を示す図である。
【0076】
光コネクタの機械的特性試験機100では、光コネクタの機械的特性試験機1に設けられている荷重印加手段9やカウンタウェイト印加手段11を削除し、代わりに、錘を使用しないで、光ファイバケーブルFBに引っ張り荷重を印加するための荷重印加手段102を備えている点が、光コネクタの機械的特性試験機1とは異なり、その他の点は、光コネクタの機械的特性試験機1とほぼ同様に構成されている。
【0077】
すなわち、光コネクタの機械的特性試験機100は、基台104と、この基台104の上部側に設けられ、光ファイバケーブルFBが延出している光コネクタCTを保持自在な光コネクタ保持手段106と、上記光コネクタCTから離隔した位置で上記光ファイバケーブルFBを保持自在なキャプスタンCPを、上記光コネクタ保持手段106の下方で保持自在であり、上記基台104に対して上下方向に移動自在なキャプスタン保持手段108と、基台104に対して上下方向に移動自在な移動部材110と、上記キャプスタン保持手段108と上記移動部材110との間にかかる荷重を計測自在なロードセル112と、このロードセル112の計測値に基づいて上記移動部材110の移動量を制御し、上記キャプスタン保持手段108と上記移動部材110との間に印加される荷重が所定の値に達するまで、上記キャプスタン保持手段108と上記移動部材110との間に印加する荷重の印加速度が一定の速度となるように制御自在な荷重印加手段102とを備える。
【0078】
また、光コネクタの機械的特性試験機100は、光コネクタの機械的特性試験機1とほぼ同様に、上記荷重印加手段102によって荷重が印加されている上記キャプスタン保持手段108を旋回自在な旋回手段114を備える。ただし、本体部が基台104に一体的に固定されている制御モータ116(たとえば、サーボモータ、ステッピングモータ)によって、旋回手段114は動作するようになっている。
【0079】
つまり、旋回手段114のスプラインナット57を内側で一体的に保持している円筒状のスプラインナット保持部材59aの外周に一体的に設けられたプーリ118と、上記制御モータ116の出力軸に一体的に設けられているプーリ120とが、ベルト(たとえばタイミングベルト)122を掛け回すことによって連動連結されており、上記制御モータ116の出力軸の回転に応じて、上記スプラインナット57やキャプスタンCP等が回転し、旋回手段114が回転動作をするようになっている。
【0080】
さらに、光コネクタの機械的特性試験機100は、光コネクタの機械的特性試験機1とほぼ同様に、上記光コネクタ保持手段106の保持部は、光コネクタの種類に応じて交換可能であると共に、上記キャプスタン保持手段108のほぼ真上に位置する水平な回転軸を回転中心にして回動自在になっている。ただし、本体部が基台104に一体的に固定されている制御モータ124(たとえば、サーボモータ、ステッピングモータ)によって、上記光コネクタ保持手段106は回動動作をするようになっている。
【0081】
つまり、光コネクタ保持手段106の回転部材39aの一端部側(インデックス位置決め用回動部材43aが設けられている側とは反対側)が、カップリング126を介して、制御モータ124の出力軸に連動連結されており、上記制御モータ124の出力軸の回転駆動によって、インデックス位置決め用回動部材43aが回動し、保持部材49aに取り付けられている光コネクタCTが旋回できるようになっている。
【0082】
なお、光コネクタの機械的特性試験機1においても、光コネクタ保持手段5が保持している光コネクタCTの旋回動作や旋回手段13の旋回動作を、制御モータを用いて行ってもよい。
【0083】
次に、荷重印加手段102についてさらに詳しく説明する。
【0084】
荷重印加手段102は、ロードセル112を備え、このロードセル112の上端部側には、連結部材128とベアリングとを介して、スプライン軸55aの下端部側が回転自在に設けられている。また上記ロードセル112の下端部側は移動部材110に一体的に固定されている。
【0085】
移動部材110は、支持部材130に上下方向に長く設けられているリニアガイドレール132と係合しているナット134に一体的に支持され、基台104に対して上下直線方向に移動自在になっている。なお、上記支持部材130は基台104の下端部側でこの基台104に一体的に設けられている。
【0086】
なお、上記リニアガイドレール132やナット134に代えて、上下方向に長く延びた円柱状のシャフトと、このシャフトに係合したリニアブッシュとを用いて、移動部材110が、上記基台104に対して上下直線方向に移動自在になるように構成してもよい。
【0087】
また、上記支持部材130には、ボールネジ軸136が上下方向に長くしかも上記支持部材130に対して回転自在に支持されており、中間部で上記ボールネジ軸136に螺合しているナット138が、移動部材110に一体的に設けられている。さらに、ボールネジ軸136の一端部側(たとえば、上端部側)は、カップリング140を介して、上記支持部材130に本体部が一体的に固定されている制御モータ142(たとえば、サーボモータ、ステッピングモータ)の出力軸と連動連結されている。
【0088】
したがって、制御モータ142の出力軸の回転によって、上記ボールネジ軸136が回転し、移動部材110が上下方向に直線的に移動するようになっている。
【0089】
光コネクタCTを光コネクタ保持手段106にセットし、上記光コネクタCTから延出している光ファイバケーブルFBを保持したキャプスタンCPをキャプスタン保持手段108にセットした状態で、移動部材110をたとえば下側に移動すると、連結部材128、スプライン軸55a、キャプスタンCP等を介して、上記光ファイバケーブルFBが下側に引っ張られ、上記光ファイバケーブルFBに引っ張り応力が発生し、上記ロードセル112は、上記光ファイバケーブルFBに発生した引っ張り応力を計測することができるようになっている。
【0090】
そして、上記ロードセル112の計測値に基づいて上記移動部材110の移動量を制御して、上記キャプスタン保持手段108に印加する荷重(上記セットされた光コネクタCTとキャプスタンCPとの間に延伸している光ファイバケーブルFBに印加する引っ張り荷重)を制御できるようになっている。たとえば上述したように、上記キャプスタン保持手段108と上記移動部材110との間に印加される荷重が所定の値に達するまで、上記キャプスタン保持手段108と上記移動部材110との間に印加する荷重の印加速度が一定の速度となるように制御できる。
【0091】
なお、上記ロードセル112の計測値と、上記制御モータの出力軸の回転量とに基づいて行う、上記光ファイバケーブルFBに印加する引っ張り荷重の値の制御は、図示しない制御手段によって行われる。
【0092】
また上記光コネクタ保持手段106に取り付けられた光コネクタCTの旋回量の制御や、旋回手段114による光ファイバケーブルFBの捻り量の制御も、上記制御手段が上記制御モータ116や制御モータ124を制御することによって行う。
【0093】
したがって、たとえば、上記フレックステストや上記ツイストテスト等の種々のテストを行う場合、光コネクタの機械的特性試験機100のオペレータは、光コネクタCTを光コネクタ保持手段106にセットし、上記光コネクタCTから延出している光ファイバケーブルFBを保持しているキャプスタンCPを、キャプスタン保持手段108にセットし、その後、たとえば、テスト項目(実行するテストの種類)を選択し、その選択したテストを開始するスタートスイッチ(図示せず)を押すだけでよく、オペレータがたとえば手動で光コネクタ保持手段5に保持されている光コネクタCTを旋回し、旋回手段13で、光ファイバケーブルFBを捻る必要がある光コネクタの機械的特性試験機1よりもさらに効率良く、しかも、正確に、上記各試験を実施することができる。
【0094】
なお、光コネクタの機械的特性試験機100では、光コネクタ保持手段106に取り付けられた光コネクタCTと、キャプスタン保持手段108に取り付けられたキャプスタンCPとの間に延伸している光ファイバケーブルFBに、試験のための引っ張り荷重を印加する前の状態において、ロードセル112と制御モータ142とを用いて上記光ファイバケーブルFBに発生する引っ張り応力を減少させまたは無くすことができるので、光コネクタの機械的特性試験機1のように、カウンタウェイト印加手段11を設けてはいない。
【0095】
しかし、光コネクタの機械的特性試験機100にもカウンタウェイト印加手段11とほぼ同様なカウンタウェイト印加手段を設け、ロードセル112と制御モータ142を動作させることなく、上記光ファイバケーブルFBに試験のための引っ張り荷重を印加する前の状態における、上記光ファイバケーブルFBの引っ張り応力を減少しまたは無くすようにしてもよい。このようにすることによって、上記制御手段による上記制御モータ142の制御が簡素化される。
【0096】
光コネクタの機械的特性試験機100によれば、光コネクタの機械的特性試験機1とほぼ同様の効果に加えて、上記制御手段によって制御される制御モータ142によって移動部材110を移動させて、上記光ファイバケーブル(光コネクタ保持手段106に取り付けられた光コネクタCTと、キャプスタン保持手段108に取り付けられたキャプスタンCPとの間に延伸している光ファイバケーブル)FBに引っ張り荷重を印加するようにしているので、上記光ファイバケーブルFBに印加する引っ張り荷重を変更したい場合、その都度、オペレータが錘を交換する必要がなくなり、容易にしかも迅速に上記引っ張り荷重の値を変更することができる。
【0097】
また、光コネクタの機械的特性試験機100によれば、錘を用いないで上記光ファイバケーブルFBに荷重を印加するので、錘の急激な懸架によって、テストするときに印加すべき荷重よりも大きい荷重が上記光ファイバケーブルFBに加えられるおそれがなくなり、上記光ファイバケーブルFBに引っ張り力を印加して上記光コネクタCTの機械的特性を正確に試験することが容易になる。
【0098】
換言すれば、光コネクタの機械的特性試験機100によれば、上記キャプスタン保持手段108と上記移動部材110との間に印加される荷重が所定の値に達するまで、上記キャプスタン保持手段108と上記移動部材110との間に印加する荷重の印加速度が一定の速度となるように制御できるので、大きな荷重が上記光ファイバケーブルFBに瞬間的にかかるおそれがなくなり、上記光ファイバケーブルFBに引っ張り力を印加して上記光コネクタCTの機械的特性を正確に試験することができ、試験毎に測定条件がばらつくという事態を回避することができる。
【0099】
また、光コネクタの機械的特性試験機で、光コネクタ保持手段106を回動して試験(フレックステスト)を行う場合において、上記光コネクタ保持手段106がたとえば+90°〜−90°の間を高速で往復して回動したときに、上記高速回動によって生じる、上記光ファイバケーブルFBに印加される引張り荷重の急激な変動を、上記荷重印加手段102で補正するようにすれば、大きな荷重が上記光ファイバケーブルFBに瞬間的にかかるおそれがなくなり、上記光コネクタCTの機械的特性を正確に試験することができる。
【0100】
なお、光コネクタの機械的特性試験機100では、光コネクタ保持手段106、キャプスタン保持手段108や旋回手段114、荷重印加手段102を上方から下方に順に上下方向に配置し、垂直方向に延伸している光ファイバケーブルFBに垂直方向の引っ張り荷重を加えているが、上記光コネクタ保持手段106、キャプスタン保持手段108や旋回手段114、荷重印加手段102を必ずしも、上下方向に配置する必要はなく、水平方向や斜め方向に配置し、光ファイバケーブルFBを、水平方向や斜め方向に延伸させて、テストを行ってもよい。
【0101】
また、光コネクタの機械的特性試験機100では、ボールネジ軸136とナット138とで構成されたボールネジを用いて、移動部材110を移動しているが、ボールネジの代わりに、自己保持可能な(ナットに対してネジ軸の方向に荷重を加えても、上記ネジ軸が回転しないような)送りネジ(たとえば台形ネジ)によって、移動部材110を移動するようにすれば、制御モータ142の電源をOFFした場合、上記ネジ軸の回転おさえるためのブレーキを別途設けなくても、移動部材110の位置を保持できる。
【0102】
また、上記各実施例では、光ファイバケーブルFBが光コネクタCTから延伸しているが、光コネクタの種類によっては、光ファイバ(たとえば裸光ファイバ)等の伝送線が延伸している場合もあり、この場合においても上記各実施例を適用することができる。
【0103】
さらに、上記各実施例では、光コネクタCTの機械的特性試験機を例に掲げ説明しているが、光スイッチ、アッテネータ(光減衰器)、ファンナウトボックス等の光部品が取り付けられた光部品付伝送線の機械的特性を試験する場合にも、光コネクタ保持手段5や光コネクタ保持手段106の構成を変更すること等によって、上記各実施例に記載されている試験機を採用することができる。
【0104】
【発明の効果】
本発明によれば、光部品を固定し、この光部品から延出している伝送線に引っ張り荷重を加えて、上記光部品付伝送線の機械的諸特性を試験可能な光部品付伝送線の機械的特性試験機において、上記伝送伝送線を保持するキャプスタンとこのキャプスタンを保持自在なキャプスタン保持部との質量を軽減することなく、正確な試験をすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタの機械的特性試験機の概略構成を示す正面図である。
【図2】図1におけるIIA−IIB矢視を示す図であり、光コネクタの機械的特性試験機に設けられた光コネクタ保持手段の概略構成を示す側面図である。
【図3】図1におけるIIIA−IIIB矢視を示す図であり、キャプスタンと、光コネクタの機械的特性試験機に設けられたキャプスタン保持手段の概略構成を示す側面図である。
【図4】光コネクタの機械的特性試験機に設けられた光コネクタ保持手段の部分を拡大した正面図であり、さらに、上記光コネクタ保持手段を回動して、光コネクタを旋回した状態を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る光コネクタの機械的特性試験機の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1、100 光コネクタの機械的特性試験機
3 基台
5、106 光コネクタ保持手段
7、108 キャプスタン保持手段
9、102 荷重印加手段
11 カウンタウェイト印加手段
13、114 旋回手段
110 移動部材
112 ロードセル
CT 光コネクタ
CP キャプスタン
FB 光ファイバケーブル
【発明の属する技術分野】
本発明は、光コネクタ、光スイッチ、アッテネータ(光減衰器)、ファンナウトボックス等の光部品が取り付けられた光部品付伝送線の機械的特性試験機に係り、特に、上記光部品から延出している伝送線(たとえば光ファイバ、光ファイバケーブル)に引っ張り力を加えることによって、上記光部品付伝送線の機械的諸特性を試験することができる光部品付伝送線の機械的特性試験機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光部品としてたとえば光コネクタが取り付けられた光コネクタ付伝送線の上記光コネクタを固定自在な固定部と、この固定部に保持された上記光コネクタから延出している伝送線(たとえば光ファイバ、光ファイバケーブル)をキャプスタンで保持し、錘を用いて上記キャプスタンに引っ張り荷重を印加可能な荷重印加手段とを備えた光コネクタ付伝送線の機械的特性試験機が知られている(たとえば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3223446号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、光コネクタから延出している伝送線に引っ張り力を印加して上記光コネクタの機械的特性を正確に試験するためには、上記伝送線に上記錘によって荷重を印加する前は、上記伝送線に引っ張り荷重が極力かからないようにすることが望ましい。このため、上記従来の試験装置では、上記伝送線に発生する引っ張り応力が極力小さくなるように、上記キャプスタンや荷重印加手段を構成している部材(錘以外の部材)の質量が小さくなるように構成されている。
【0005】
しかし、上記キャプスタンや荷重印加手段を構成している上記部材の質量を小さくするには限度があるため、印加する引っ張り応力が小さい場合には、上記部材の質量の影響が相対的に大きくなり、上記光コネクタの機械的特性を正確に試験することが困難であるという問題がある。
【0006】
上記問題は、光コネクタだけではなく、光スイッチ、アッテネータ(光減衰器)、ファンナウトボックス等の光部品が取り付けられた光部品付伝送線の機械的特性を試験する場合にも発生する問題である。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、光部品を固定し、この光部品から延出している伝送線に引っ張り荷重を加えて、上記光部品付伝送線の機械的諸特性を試験可能な光部品付伝送線の機械的特性試験機において、上記伝送伝送線を保持するキャプスタンとこのキャプスタンを保持自在なキャプスタン保持部との質量を軽減することなく、正確な試験をすることができる光部品付伝送線の機械的特性試験機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載されている発明は、基台と、上記基台の上部側に設けられ、伝送線が延出している光部品を保持自在な光部品保持手段と、上記光部品から離隔した位置で上記伝送線を保持自在なキャプスタンを、上記光部品保持手段の下方で保持自在であり、上記基台に対して上下方向に移動自在なキャプスタン保持手段と、上記キャプスタン保持手段に下向きの荷重を印加可能な荷重印加手段と、上記キャプスタンと上記キャプスタン保持手段との自重を消去するためのカウンタウェイトを印加可能なカウンタウェイト印加手段とを有する光部品付伝送線の機械的特性試験機である。
【0009】
請求項2に記載されている発明は、基台と、上記基台の上部側に設けられ、伝送線が延出している光部品を保持自在な光部品保持手段と、上記光部品から離隔した位置で上記伝送線を保持自在なキャプスタンを、上記光部品保持手段の下方で保持自在であり、上記基台に対して上下方向に移動自在なキャプスタン保持手段と、基台に対して上下方向に移動自在な移動部材と、上記キャプスタン保持手段と上記移動部材との間に設けられ、上記キャプスタン保持手段と上記移動部材との間にかかる荷重を計測自在なロードセルと、上記ロードセルの計測値に基づいて上記移動部材の移動量を制御し、上記キャプスタン保持手段と上記移動部材との間に印加される荷重が所定の値に達するまで、上記キャプスタン保持手段と上記移動部材との間に印加する荷重の印加速度が一定の速度となるように制御する荷重印加速度制御手段とを有する光部品付伝送線の機械的特性試験機である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の光部品付伝送線の機械的特性試験機において、上記キャプスタン保持手段は、上記基台に対して水平方向に旋回自在であると共に、上記荷重が印加されている上記キャプスタン保持手段を旋回自在な旋回手段を有する光部品付伝送線の機械的特性試験機である。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光部品付伝送線の機械的特性試験機において、上記光部品保持手段は、光部品の種類に応じて、この光部品の保持部を交換可能であると共に、上記キャプスタン保持手段のほぼ真上に位置する水平な回転軸を回転中心にして、保持している光部品を旋回自在である光部品付伝送線の機械的特性試験機である。
【0012】
【発明の実施の形態】
[第1の実施例]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタの機械的特性試験機の概略構成を示す正面図である。
【0013】
図2は、図1におけるIIA−IIB矢視を示す図であり、光コネクタの機械的特性試験機に設けられた光コネクタ保持手段の概略構成を示す側面図である。
【0014】
図3は、図1におけるIIIA−IIIB矢視を示す図であり、キャプスタンと、光コネクタの機械的特性試験機に設けられたキャプスタン保持手段の概略構成を示す側面図である。
【0015】
図4は、光コネクタの機械的特性試験機に設けられた光コネクタ保持手段の部分を拡大した正面図であり、さらに、上記光コネクタ保持手段が回動して、光コネクタを旋回した状態を示す図である。
【0016】
光コネクタの機械的特性試験機1は基台3を備え、この基台3の上部側には、光ファイバケーブルFBが延出している光コネクタCTを保持自在な光コネクタ保持手段5が設けられている。
【0017】
基台3には、上記光コネクタCTから離隔した位置で上記光ファイバケーブルFBを保持自在なキャプスタンCPを、上記光コネクタ保持手段5の下方で保持自在であり、上記基台3に対して上下方向に移動自在なキャプスタン保持手段7と、このキャプスタン保持手段7に下向きの荷重を印加可能な荷重印加手段9とが設けられている。
【0018】
また、基台3には、上記キャプスタンCPと上記キャプスタン保持手段7との自重を減少させるためのカウンタウェイトを印加可能なカウンタウェイト印加手段11が設けられている。
【0019】
キャプスタン保持手段7は、上記基台3に対して水平方向に(鉛直方向に延びた軸を回転中心にして)旋回自在であると共に、基台3には、上記荷重印加手段9によって荷重が印加されている上記キャプスタン保持手段7を旋回自在な旋回手段13が設けられている。
【0020】
また、上記光コネクタ保持手段5は、光コネクタの種類に応じて、この光コネクタを保持する部材を交換可能であると共に、上記キャプスタン保持手段7のほぼ真上に位置する水平な回転軸を回転中心にして回動自在に構成され、保持している光コネクタCTを旋回することができる。
【0021】
ここで、光コネクタの機械的特性試験機1の基台3は、所定の厚みを具備する板状のベース部材15を有し、このベース部材15の下面側には、ほぼ水平な設置面FLに対して、光コネクタの機械的特性試験機1をほぼ水平に設置するための、たとえばゴム等の弾性体で形成された脚17が適数個設けられている。
【0022】
また、上記ベース部材15の上部側には、適数の柱状の連結部材19を介して、所定の厚みを具備する板状の中間部材21が、上記ベース部材15に対してほぼ平行に設けられている。さらに、中間部材21の上部側には、適数の柱状の連結部材23を介して、所定の厚みを具備する板状の中間部材25が、上記中間部材21に対してほぼ平行に設けられている。ほぼ同様にして、連結部材27を介して中間部材29が、連結部材31を介して中間部材33が上方向に順に設けられている。
【0023】
さらにまた、上記中間部材33の上部側には、適数の柱状の連結部材35を介して、光コネクタ保持手段5の回転部材39(図2参照)を回動可能に支持している軸受け部材37が設けられている。
【0024】
光コネクタ保持手段5は、図2に示すように、軸受け部材37を備え、この軸受け部材37には、水平な回転軸Ax1を回転中心にして回転自在な回転部材39が係合している。
【0025】
軸受け部材37の水平方向の一端部側(光コネクタの機械的特性試験機1の前側)には、円盤状のインデックス位置決め用固定部材41が一体的に設けられている。なお、上記インデックス位置決め用固定部材41の中心部には、上記回転部材39が貫通するための貫通孔41Aが設けられている。また、上記インデックス位置決め用固定部材41には、光コネクタCTを旋回させてインデックス位置決めするためのインデックス位置決め用回動部材43を、インデックス位置決めするときに使用する適数の貫通孔41B〜41Dが設けられている。
【0026】
なお、上記貫通孔41Cは、上記回転軸Ax1に対してほぼ真下に設けられており、上記貫通孔41Bは、上記回転軸Ax1に対してほぼ水平方向に設けられており、上記貫通孔41Dは、上記回転軸Ax1に対してほぼ水平方向に設けられしかも、回転軸Ax1に対して貫通孔41Bとは対称な位置に設けられている。また、上記回転軸Ax1と上記貫通孔41Bとの間の距離、上記回転軸Ax1と上記貫通孔41Cとの間の距離、上記回転軸Ax1と上記貫通孔41Dとの間の距離のそれぞれは互いにほぼ等しい。
【0027】
上記貫通孔41B、41Dは、上記インデックス位置決め用回動部材43を90°ずつ回転させてインデックス位置決めする場合に使用するための貫通孔である。なお、インデックス位置決め用回動部材43を90°以外の角度だけ回転させてインデックス位置決めする必要があるときには、上記角度に対応する貫通孔を別途設ければよい。
【0028】
回転部材39の一端部側(光コネクタの機械的特性試験機の前側)は、インデックス位置決め用固定部材41よりも僅かに突出しており、回転部材39の上記一端部側の端面には、インデックス位置決め用回動部材43が一体的に設けられている。
【0029】
そして、図2に示すような初期状態では、上記インデックス位置決め用回動部材43は、上下方向に長く設けられており、上記インデックス位置決め用回動部材43の長手方向の中間部が、回転部材39の上記一端面に一体的に固定されている。
【0030】
インデックス位置決め用回動部材43の基端部側(図2に示す初期状態では下側)には、このインデックス位置決め用回動部材43をインデックス位置決めする場合に使用する位置決めピン45が係合しており、この係合ピン45は、上記インデックス位置決め用回動部材43に対して、上記回転軸Ax1の方向に移動自在になっている。また、図示しない付勢手段で、インデックス位置決め用固定部材41が設けられている方向に付勢されている。
【0031】
そして、位置決めピン45の先端部側が、上記インデックス位置決め用固定部材41の各貫通孔41B〜41Dのいずれかに挿入されていることによって、上記インデックス位置決め用回動部材43がインデックス位置決めされる。
【0032】
また、インデックス位置決め用回動部材43の先端部側(図2に示す初期状態では上側)には、オペレータが、インデックス位置決め用回動部材43を回動するときに使用するハンドル47が設けられている。
【0033】
そして、インデックス位置決め用回動部材43を回動してインデックス位置決めする場合には、オペレータが、たとえば、位置決めピン45を、各貫通孔41B〜41Dのうちで、上記位置決めピン45が係合している貫通孔から引き抜き、インデックス位置決め用回動部材43を回転させてインデックス位置決めし、上記位置決めピン45を別の貫通孔に係合させる。
【0034】
なお、図2では、インデックス位置決め用回動部材43が上下方向に長く位置するように、係合ピン45の先端部側が貫通孔41Cに係合し、図4では、インデックス位置決め用回動部材43が水平方向に長く位置するように、インデックス位置決め用固定部材41の貫通孔41Dに係合している。
【0035】
また、インデックス位置決め用回動部材43の先端部側には、アダプタADを保持し、所定の厚みを具備する「L」字状の保持部材49が設けられている。なお、上記アダプタADは、光コネクタCTと係合し、上記インデックス位置決め用回動部材43から光コネクタの機械的特性試験機1の前側方向に僅かに隔離した位置で、上記光コネクタCTの軸心方向(光ファイバケーブルFBが延出する方向)が、上記インデックス位置決め用回動部材43の基端部側と先端部側とを互いに結んだ方向になるように、上記光コネクタCTを保持している(図2参照)。
【0036】
また、上記アダプタADは、他の光コネクタCTaと係合し、上記光コネクタCTと上記他の光コネクタCTaとを互いに光接続するものである。なお、図2に示す初期状態では、光コネクタCTの軸方向は上下方向になっており、図4に示す状態では、光コネクタCTの軸方向は水平方向になっている。
【0037】
また、保持部材49は、ボルトBT1等の締結部材を用いて、インデックス位置決め用回動部材43に固定され、また、保持部材49を上記ボルトBT1を用いて上記インデックス位置決め用回動部材43に固定するための長円状の貫通孔49Aが、上記保持部材49に設けられている。なお、上記保持部材49は、ボルトBT1を緩めることによって、上記インデックス位置決め用回動部材43に対して、上記インデックス位置決め用回動部材43の基端部側と先端部側とを互いに結ぶ方向に移動できるようになっており、上記ボルトBT1を締め付けると、上記インデックス位置決め用回動部材43に固定される。
【0038】
たとえば、図4に示すように、インデックス位置決め用回動部材43がほぼ水平方向に長く位置するようにインデックス位置決め用回動部材43をインデックス位置決めした場合、キャプスタン保持手段7に保持されたキャプスタンCPに保持され、このキャプスタンCPから光コネクタCT(光コネクタ保持手段5)の方向に延出している光ファイバケーブルFBの軸心がほぼ鉛直方向を向くように、上記インデックス位置決め用回動部材43に対する保持部材49の位置をオペレータが調節できるようになっている。
【0039】
なお、光コネクタの種類を変えて、機械的特性を試験する場合には、保持部材49を、上記変えた光コネクタを保持可能な他の保持部材に交換すればよい。したがって、種々の光コネクタを試験することができ、また、種々の光コネクタを試験する場合の段取り変えが容易になり、種々の光コネクタを効率良く試験することができる。
【0040】
キャプスタン保持手段7は、図3に示すように、たとえば、ボルトを用いてキャプスタンCPを、上方側で保持自在なキャプスタン保持部材51を備え、この51の下端部側には、連結部材53を介して、上下方向に長く延びたスプライン軸55が固定されている。
【0041】
なお、上記キャプスタンCPは、リング状の部材であり、外周のほぼ中央部には、光ファイバケーブルFBを掛回して保持するための保持溝が全周にわたって設けられている。なお、この保持溝の直径は、光ファイバケーブルFBが曲げによって損傷を受けない範囲の所定の直径であると共に、上記保持溝の外周には、光ファイバケーブルFBを保護し、さらに掛回された光ファイバケーブルFBとキャプスタンCPの保持溝との間の摩擦係数を増大させるためのウレタンゴムが設けられている。
【0042】
さらに、上記キャプスタンCPには、上記掛回した光ファイバケーブルFBを保持するための保持部材CPaが設けられている。この保持部材CPaは、たとえば引っ張りバネCPbで、保持溝に掛回された光ファイバケーブルFBを挟み込んで保持するように、キャプスタンCPの中心方向に付勢されている。
【0043】
また、上記キャプスタン保持部材51で保持されたキャプスタンCPから、光コネクタ保持手段5で保持されている光コネクタCTの方向に延出している光ファイバケーブルFBの延出し初めている位置が、上記光コネクタ保持手段5の回転部材39の回転軸Ax1に対してほぼ真下になるように、キャプスタン保持手段7がキャプスタンCPを保持している。なお、光ファイバケーブルFBを保持する機能を上記キャプスタンCPと同様に発揮できるものであれば、キャプスタンCPに代えて、別の構成の部材を採用してもよい。
【0044】
旋回手段13は、図1に示すように、スプラインナット57に備え、スプライン軸55は、軸方向(上下方向)に移動可能なように中間部でスプラインナット57に係合し、このスプラインナット57は、中空円筒状のスプラインナット保持部材59の内部で、上記スプラインナット保持部材59に対して一体的に設けられている。なお、上端部側でキャプスタン保持部材51を一体的に固定されているスプライン軸55は、下端部側で荷重印加手段9に対して回転自在に係合している。
【0045】
スプラインナット保持部材59は、中間部材25に対して、ベアリングを介して水平方向に回転自在に設けられている。ただし、スプラインナット保持部材59は、中間部材25に対して、このスプラインナット保持部材59の軸方向には、移動できないようになっている。また、上記スプラインナット保持部材59の下端部側には、ギヤ61Aが一体的に設けられている。
【0046】
中間部材25の一端部側には、連結部材63を介して、水平方向に延びた軸を回転中心としてハンドル65が回転自在に設けられており、ハンドル65の一端部側には、ベベルギヤ61Bが一体的に固定されている。さらに、スプラインナット保持部材59のギヤ61Aと、ハンドル65のベベルギヤ61Bとは、ベベルギヤ61C、ギヤ61D、ギヤ61Eを介して、互いに連動連結されている。
【0047】
そして、ハンドル65をオペレータが1回転すると、スプライン保持部材59、スプライン軸55、キャプスタン保持部材51等を介して、キャプスタンCPに保持されて光コネクタ保持手段5の方向に延出している光ファイバケーブルFBが、たとえば2.5回転分の角度(900°)だけ捻られるようになっている。
【0048】
なお、ハンドル65の基端部側には、ハンドル65の回転位置をたとえば1回転毎に保持可能なボールプランジャ67が設けられており、オペレータがハンドル65を回転操作する場合、ハンドル65を1回転回転したことを上記オペレータは容易に認識することができる。また、このボールプランジャ67の保持作用によって、スプラインナット保持部材59やキャプスタン保持部材51等は、垂直な軸を回転中心にして、容易には回転できないようになっている。
【0049】
荷重印加手段9は、錘69を備え、この錘69は、所定の厚みを有する板状の支持部材73の下面側でこの支持部材73に一体的に設けられている錘連結部材71を介して、支持部材73に吊り下げ可能になっている。
【0050】
また、中間部材21の上面側からは、ほぼ垂直上方向に、円筒状の適数のガイド部材75が延出しており、この各ガイド部材75に上記支持部材73が係合し、支持部材73は、中間部材21に対して上下方向に移動自在になっている。
【0051】
このように構成することによって、錘69の横揺れを防止することができ、光ファイバケーブルFBに、正確な大きさのしかも変動のほとんど無い引っ張り荷重を印加することができる。
【0052】
また、上記支持部材73の上面側には、スプライン軸保持部材77が一体的に設けられ、このスプライン軸保持部材77にスプライン軸55の下端部側が支持されている。そして、スプライン軸55は、支持部材73に対しほぼ水平方向に回転自在になっていると共に、上記支持部材73に対して、上記スプライン軸55の軸方向へは移動できないようになっている。
【0053】
なお、上記錘69は、異なる大きさのものに容易に交換可能なようになっており、これによって、キャプスタン保持手段7に保持されているキャプスタンCPと、光コネクタ保持手段5に保持されている光コネクタCTとの間に存在している光ファイバケーブルFBにかける引っ張り荷重を容易に変更できるようになっている。
【0054】
カウンタウェイト印加手段11は、錘79を備え、この錘79の上端部側にはワイヤ81の一端部側が固定されている。また、上記ワイヤ81の中間部は、水平方向に延びた軸を回転中心にして、中間部材25の下端部側で中間部材25に回転自在に設けられている定滑車83A、83Bによってガイドされ、上記ワイヤ81の他端部側は、支持部材73の上面に一体的に固定されている。そして、錘79の重量(錘79の質量×重力加速度)によって、支持部材73やスプライン軸55等は上方向きの力を受けるようになっている。
【0055】
したがって、錘連結部材71に錘69を吊り下げた場合、キャプスタン保持手段7に保持されているキャプスタンCPと、光コネクタ保持手段5に保持されている光コネクタCTとの間に存在している光ファイバケーブルFBにかかる引っ張り力は、錘連結部材71の重量と支持部材73の重量とスプライン軸保持部材77の重量とスプライン軸55の重量と連結部材53の重量とキャプスタン保持部材51の重量とキャプスタンCPの重量とを互いに加えた重量(以下、「キャプスタン保持部材51等の重量」という。)に、さらに錘69の重量を加え、この重量から錘79の重量を減じた値になる。
【0056】
そして、たとえば、上記キャプスタン保持部材51等の重量(質量)と上記錘79の重量(質量)とを互いにほぼ等しくすれば、キャプスタン保持手段7に保持されているキャプスタンCPと、光コネクタ保持手段5に保持されている光コネクタCTとの間に存在している光ファイバケーブルFBにかかる引っ張り力は、ほぼ錘69の重量のみによる引っ張り力になる。
【0057】
次に、光コネクタの機械的特性試験機1を用いて、光コネクタの機械的諸特性を試験する場合について説明する。
【0058】
光コネクタの機械的諸特性の試験としては種々の試験があるので、ここでは、代表的なものを例に掲げ説明する。
【0059】
なお、以下の各テストをする前に、光コネクタCTとこの光コネクタCTから延出している光ファイバケーブルFBとが光コネクタの機械的特性試験機1に予め設定された初期設定がされているものとする。
【0060】
すなわち、光コネクタCTから光ファイバケーブルFBが所定の長さだけ延出するように、上記光ファイバケーブルFBをキャプスタンCPで保持し、上記光コネクタCTを光コネクタ保持手段5に固定し、上記キャプスタンCPをキャプスタン保持手段7に固定してあるものとする。なおこの状態で、光コネクタ保持手段5は、図1に示すような初期状態(光コネクタCTの軸心が垂直方向に延伸している状態)になっており、また、荷重印加手段9には、錘69が印加されて(吊り下げられて)いないものとする。
【0061】
まず、フレックステスト(Flex Test)について説明する。
【0062】
上記初期設定がされた状態で、まず、光コネクタCTと、アダプタADを介して上記光コネクタCTに光接続している光コネクタCTaとの間の接続状態(光接続損失等)を調べる。続いて、光コネクタCTとキャプスタンCPとの間の光ファイバケーブルFBに、たとえば8.8N(0.9kgf)の荷重がかかるような錘69を、オペレータが錘連結部材71に取り付ける(吊り下げる)。
【0063】
錘69を取り付けた状態で、オペレータが、光コネクタ保持手段5の位置決めピン45やハンドル47を操作して、インデックス位置決め用回動部材43や保持部材49を回動させて、光コネクタCTを旋回させる。なお、上記旋回では、図1に示す状態(光コネクタCTの軸心がほぼ垂直方向に延びている状態)から、上記光コネクタCTを、軸Ax1を回転中心にして約90°回転して図4に示す状態にし、続いて、図1に示す状態に戻し、さらに、上記光コネクタCTを図4とは反対方向に90°旋回し、図1に示す状態に戻す動作を、たとえば、100サイクル繰り返す。
【0064】
続いて、錘69を取り除き、すなわち、光ファイバケーブルFBにかかっていた引っ張り荷重を取り除き、光コネクタCTと光コネクタCTaとの間の接続状態を調べる。
【0065】
次に、ツイストテスト(Twist Test)について説明する。
【0066】
上記初期設定がされた状態で、まず、光コネクタCTと、アダプタADを介して上記光コネクタCTに光接続している光コネクタCTaとの間の接続状態(光接続損失等)を調べる。続いて、光コネクタCTとキャプスタンCPとの間の光ファイバケーブルFBに、たとえば13.2N(1.35kgf)の荷重がかかるような錘を、オペレータが、錘連結部材71に取り付ける。
【0067】
上記錘を取り付けた状態で、オペレータが、旋回手段13のハンドル65を回転して、スプライン55やキャプスタン保持部材51等を旋回させて、光ファイバケーブルFBを捻る。
【0068】
なお、上記捻りでは、光コネクタCTとキャプスタンCPとの間の光ファイバケーブルFBに捻りが加わっていない状態から、所定の回転方向にたとえば、2.5回転だけ光ファイバケーブルFBを捻り、続いて、光ファイバケーブルFBに捻りが加わっていない状態に戻し、さらに、上記光ファイバケーブルFBを上記所定の回転方向とは逆の回転方向にたとえば、2.5回転だけ捻り、続いて、光ファイバケーブルFBに捻りが加わっていない状態にする動作を、たとえば、9サイクル繰り返す。
【0069】
続いて、上記錘を取り除き、すなわち、光ファイバケーブルFBにかかっていた引っ張り荷重を取り除き、光コネクタCTと光コネクタCTaとの間の接続状態を調べる。
【0070】
光コネクタの機械的特性試験機1によれば、光コネクタCTを光コネクタ保持手段5に取り付け、上記光コネクタCTから延出している光ファイバケーブルFBを保持しているキャプスタンCPをキャプスタン保持手段7で保持し、上記光ファイバケーブルFBに、荷重印加手段9を用いて引っ張り荷重を印加して、上記光コネクタ保持手段5を回動することができ、また、上記引っ張り荷重を加えた状態で、上記光ファイバケーブルFBを捻ることができるので、上記光コネクタCTや上記キャプスタンCPを、上記光コネクタの機械的特性試験機1に一度取り付けてセットすれば、上記光コネクタCTに対する種々の機械的諸特性の試験(たとえば、上記フレックステストや上記ツイストテスト)をすることができ、したがって、次の試験に移るときの段取り変えをすることなく、次の試験を続行することができ、上記光コネクタCTの機械的諸特性を効率良く試験することができる。
【0071】
また、光コネクタの機械的特性試験機1によれば、カウンタウェイト印加手段11によって、上記キャプスタン保持部材51等の重量を軽減しているので、光コネクタ保持手段5に取り付けられた光コネクタCTと、キャプスタン保持手段7に取り付けられたキャプスタンCPとの間に延伸している光ファイバケーブルFBに、試験のための引っ張り荷重を印加する前の状態(荷重印加手段9の錘連結部材71に錘69が吊るされていない状態)において、上記キャプスタン保持部材51等の重量によって上記光ファイバケーブルFBに発生する引っ張り応力を、上記キャプスタン保持部材51等の重量(質量)を軽減することなく、軽減することができ、上記光ファイバケーブルFBに引っ張り力を印加して行う上記光コネクタCTの機械的特性の試験を正確に実行できる。
【0072】
さらに、上記キャプスタン保持部材51等の質量と、カウンタウェイト印加手段11の錘79の質量とを、互いにほぼ等しくすれば、上記光ファイバケーブルFBに、試験のための引っ張り荷重を印加する前の状態において、上記光ファイバケーブルFBでの引っ張り応力をほぼ消去することができ、上記光ファイバケーブルFBに引っ張り力を印加して行う上記光コネクタCTの機械的特性の試験を一層正確に行うことができる。
【0073】
また、試験のための引っ張り荷重を印加する前の状態において、上記光ファイバケーブルFBでの引っ張り応力をほぼ消去することができるので、上記光ファイバケーブルFB印加する引っ張り応力が小さい場合でも、上記キャプスタン保持部材51等の質量の影響が無くなり、上記光コネクタの機械的特性を正確に試験することができる。
【0074】
なお、カウンタウェイト印加手段11では、錘79を用いているが、錘の代わりに、流体圧シリンダ等のアクチュエータや、バネ等の弾性部材を用いて、カウンタウェイト印加手段を形成してもよい。
【0075】
[第2の実施の形態]
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る光コネクタの機械的特性試験機100の概略構成を示す図である。
【0076】
光コネクタの機械的特性試験機100では、光コネクタの機械的特性試験機1に設けられている荷重印加手段9やカウンタウェイト印加手段11を削除し、代わりに、錘を使用しないで、光ファイバケーブルFBに引っ張り荷重を印加するための荷重印加手段102を備えている点が、光コネクタの機械的特性試験機1とは異なり、その他の点は、光コネクタの機械的特性試験機1とほぼ同様に構成されている。
【0077】
すなわち、光コネクタの機械的特性試験機100は、基台104と、この基台104の上部側に設けられ、光ファイバケーブルFBが延出している光コネクタCTを保持自在な光コネクタ保持手段106と、上記光コネクタCTから離隔した位置で上記光ファイバケーブルFBを保持自在なキャプスタンCPを、上記光コネクタ保持手段106の下方で保持自在であり、上記基台104に対して上下方向に移動自在なキャプスタン保持手段108と、基台104に対して上下方向に移動自在な移動部材110と、上記キャプスタン保持手段108と上記移動部材110との間にかかる荷重を計測自在なロードセル112と、このロードセル112の計測値に基づいて上記移動部材110の移動量を制御し、上記キャプスタン保持手段108と上記移動部材110との間に印加される荷重が所定の値に達するまで、上記キャプスタン保持手段108と上記移動部材110との間に印加する荷重の印加速度が一定の速度となるように制御自在な荷重印加手段102とを備える。
【0078】
また、光コネクタの機械的特性試験機100は、光コネクタの機械的特性試験機1とほぼ同様に、上記荷重印加手段102によって荷重が印加されている上記キャプスタン保持手段108を旋回自在な旋回手段114を備える。ただし、本体部が基台104に一体的に固定されている制御モータ116(たとえば、サーボモータ、ステッピングモータ)によって、旋回手段114は動作するようになっている。
【0079】
つまり、旋回手段114のスプラインナット57を内側で一体的に保持している円筒状のスプラインナット保持部材59aの外周に一体的に設けられたプーリ118と、上記制御モータ116の出力軸に一体的に設けられているプーリ120とが、ベルト(たとえばタイミングベルト)122を掛け回すことによって連動連結されており、上記制御モータ116の出力軸の回転に応じて、上記スプラインナット57やキャプスタンCP等が回転し、旋回手段114が回転動作をするようになっている。
【0080】
さらに、光コネクタの機械的特性試験機100は、光コネクタの機械的特性試験機1とほぼ同様に、上記光コネクタ保持手段106の保持部は、光コネクタの種類に応じて交換可能であると共に、上記キャプスタン保持手段108のほぼ真上に位置する水平な回転軸を回転中心にして回動自在になっている。ただし、本体部が基台104に一体的に固定されている制御モータ124(たとえば、サーボモータ、ステッピングモータ)によって、上記光コネクタ保持手段106は回動動作をするようになっている。
【0081】
つまり、光コネクタ保持手段106の回転部材39aの一端部側(インデックス位置決め用回動部材43aが設けられている側とは反対側)が、カップリング126を介して、制御モータ124の出力軸に連動連結されており、上記制御モータ124の出力軸の回転駆動によって、インデックス位置決め用回動部材43aが回動し、保持部材49aに取り付けられている光コネクタCTが旋回できるようになっている。
【0082】
なお、光コネクタの機械的特性試験機1においても、光コネクタ保持手段5が保持している光コネクタCTの旋回動作や旋回手段13の旋回動作を、制御モータを用いて行ってもよい。
【0083】
次に、荷重印加手段102についてさらに詳しく説明する。
【0084】
荷重印加手段102は、ロードセル112を備え、このロードセル112の上端部側には、連結部材128とベアリングとを介して、スプライン軸55aの下端部側が回転自在に設けられている。また上記ロードセル112の下端部側は移動部材110に一体的に固定されている。
【0085】
移動部材110は、支持部材130に上下方向に長く設けられているリニアガイドレール132と係合しているナット134に一体的に支持され、基台104に対して上下直線方向に移動自在になっている。なお、上記支持部材130は基台104の下端部側でこの基台104に一体的に設けられている。
【0086】
なお、上記リニアガイドレール132やナット134に代えて、上下方向に長く延びた円柱状のシャフトと、このシャフトに係合したリニアブッシュとを用いて、移動部材110が、上記基台104に対して上下直線方向に移動自在になるように構成してもよい。
【0087】
また、上記支持部材130には、ボールネジ軸136が上下方向に長くしかも上記支持部材130に対して回転自在に支持されており、中間部で上記ボールネジ軸136に螺合しているナット138が、移動部材110に一体的に設けられている。さらに、ボールネジ軸136の一端部側(たとえば、上端部側)は、カップリング140を介して、上記支持部材130に本体部が一体的に固定されている制御モータ142(たとえば、サーボモータ、ステッピングモータ)の出力軸と連動連結されている。
【0088】
したがって、制御モータ142の出力軸の回転によって、上記ボールネジ軸136が回転し、移動部材110が上下方向に直線的に移動するようになっている。
【0089】
光コネクタCTを光コネクタ保持手段106にセットし、上記光コネクタCTから延出している光ファイバケーブルFBを保持したキャプスタンCPをキャプスタン保持手段108にセットした状態で、移動部材110をたとえば下側に移動すると、連結部材128、スプライン軸55a、キャプスタンCP等を介して、上記光ファイバケーブルFBが下側に引っ張られ、上記光ファイバケーブルFBに引っ張り応力が発生し、上記ロードセル112は、上記光ファイバケーブルFBに発生した引っ張り応力を計測することができるようになっている。
【0090】
そして、上記ロードセル112の計測値に基づいて上記移動部材110の移動量を制御して、上記キャプスタン保持手段108に印加する荷重(上記セットされた光コネクタCTとキャプスタンCPとの間に延伸している光ファイバケーブルFBに印加する引っ張り荷重)を制御できるようになっている。たとえば上述したように、上記キャプスタン保持手段108と上記移動部材110との間に印加される荷重が所定の値に達するまで、上記キャプスタン保持手段108と上記移動部材110との間に印加する荷重の印加速度が一定の速度となるように制御できる。
【0091】
なお、上記ロードセル112の計測値と、上記制御モータの出力軸の回転量とに基づいて行う、上記光ファイバケーブルFBに印加する引っ張り荷重の値の制御は、図示しない制御手段によって行われる。
【0092】
また上記光コネクタ保持手段106に取り付けられた光コネクタCTの旋回量の制御や、旋回手段114による光ファイバケーブルFBの捻り量の制御も、上記制御手段が上記制御モータ116や制御モータ124を制御することによって行う。
【0093】
したがって、たとえば、上記フレックステストや上記ツイストテスト等の種々のテストを行う場合、光コネクタの機械的特性試験機100のオペレータは、光コネクタCTを光コネクタ保持手段106にセットし、上記光コネクタCTから延出している光ファイバケーブルFBを保持しているキャプスタンCPを、キャプスタン保持手段108にセットし、その後、たとえば、テスト項目(実行するテストの種類)を選択し、その選択したテストを開始するスタートスイッチ(図示せず)を押すだけでよく、オペレータがたとえば手動で光コネクタ保持手段5に保持されている光コネクタCTを旋回し、旋回手段13で、光ファイバケーブルFBを捻る必要がある光コネクタの機械的特性試験機1よりもさらに効率良く、しかも、正確に、上記各試験を実施することができる。
【0094】
なお、光コネクタの機械的特性試験機100では、光コネクタ保持手段106に取り付けられた光コネクタCTと、キャプスタン保持手段108に取り付けられたキャプスタンCPとの間に延伸している光ファイバケーブルFBに、試験のための引っ張り荷重を印加する前の状態において、ロードセル112と制御モータ142とを用いて上記光ファイバケーブルFBに発生する引っ張り応力を減少させまたは無くすことができるので、光コネクタの機械的特性試験機1のように、カウンタウェイト印加手段11を設けてはいない。
【0095】
しかし、光コネクタの機械的特性試験機100にもカウンタウェイト印加手段11とほぼ同様なカウンタウェイト印加手段を設け、ロードセル112と制御モータ142を動作させることなく、上記光ファイバケーブルFBに試験のための引っ張り荷重を印加する前の状態における、上記光ファイバケーブルFBの引っ張り応力を減少しまたは無くすようにしてもよい。このようにすることによって、上記制御手段による上記制御モータ142の制御が簡素化される。
【0096】
光コネクタの機械的特性試験機100によれば、光コネクタの機械的特性試験機1とほぼ同様の効果に加えて、上記制御手段によって制御される制御モータ142によって移動部材110を移動させて、上記光ファイバケーブル(光コネクタ保持手段106に取り付けられた光コネクタCTと、キャプスタン保持手段108に取り付けられたキャプスタンCPとの間に延伸している光ファイバケーブル)FBに引っ張り荷重を印加するようにしているので、上記光ファイバケーブルFBに印加する引っ張り荷重を変更したい場合、その都度、オペレータが錘を交換する必要がなくなり、容易にしかも迅速に上記引っ張り荷重の値を変更することができる。
【0097】
また、光コネクタの機械的特性試験機100によれば、錘を用いないで上記光ファイバケーブルFBに荷重を印加するので、錘の急激な懸架によって、テストするときに印加すべき荷重よりも大きい荷重が上記光ファイバケーブルFBに加えられるおそれがなくなり、上記光ファイバケーブルFBに引っ張り力を印加して上記光コネクタCTの機械的特性を正確に試験することが容易になる。
【0098】
換言すれば、光コネクタの機械的特性試験機100によれば、上記キャプスタン保持手段108と上記移動部材110との間に印加される荷重が所定の値に達するまで、上記キャプスタン保持手段108と上記移動部材110との間に印加する荷重の印加速度が一定の速度となるように制御できるので、大きな荷重が上記光ファイバケーブルFBに瞬間的にかかるおそれがなくなり、上記光ファイバケーブルFBに引っ張り力を印加して上記光コネクタCTの機械的特性を正確に試験することができ、試験毎に測定条件がばらつくという事態を回避することができる。
【0099】
また、光コネクタの機械的特性試験機で、光コネクタ保持手段106を回動して試験(フレックステスト)を行う場合において、上記光コネクタ保持手段106がたとえば+90°〜−90°の間を高速で往復して回動したときに、上記高速回動によって生じる、上記光ファイバケーブルFBに印加される引張り荷重の急激な変動を、上記荷重印加手段102で補正するようにすれば、大きな荷重が上記光ファイバケーブルFBに瞬間的にかかるおそれがなくなり、上記光コネクタCTの機械的特性を正確に試験することができる。
【0100】
なお、光コネクタの機械的特性試験機100では、光コネクタ保持手段106、キャプスタン保持手段108や旋回手段114、荷重印加手段102を上方から下方に順に上下方向に配置し、垂直方向に延伸している光ファイバケーブルFBに垂直方向の引っ張り荷重を加えているが、上記光コネクタ保持手段106、キャプスタン保持手段108や旋回手段114、荷重印加手段102を必ずしも、上下方向に配置する必要はなく、水平方向や斜め方向に配置し、光ファイバケーブルFBを、水平方向や斜め方向に延伸させて、テストを行ってもよい。
【0101】
また、光コネクタの機械的特性試験機100では、ボールネジ軸136とナット138とで構成されたボールネジを用いて、移動部材110を移動しているが、ボールネジの代わりに、自己保持可能な(ナットに対してネジ軸の方向に荷重を加えても、上記ネジ軸が回転しないような)送りネジ(たとえば台形ネジ)によって、移動部材110を移動するようにすれば、制御モータ142の電源をOFFした場合、上記ネジ軸の回転おさえるためのブレーキを別途設けなくても、移動部材110の位置を保持できる。
【0102】
また、上記各実施例では、光ファイバケーブルFBが光コネクタCTから延伸しているが、光コネクタの種類によっては、光ファイバ(たとえば裸光ファイバ)等の伝送線が延伸している場合もあり、この場合においても上記各実施例を適用することができる。
【0103】
さらに、上記各実施例では、光コネクタCTの機械的特性試験機を例に掲げ説明しているが、光スイッチ、アッテネータ(光減衰器)、ファンナウトボックス等の光部品が取り付けられた光部品付伝送線の機械的特性を試験する場合にも、光コネクタ保持手段5や光コネクタ保持手段106の構成を変更すること等によって、上記各実施例に記載されている試験機を採用することができる。
【0104】
【発明の効果】
本発明によれば、光部品を固定し、この光部品から延出している伝送線に引っ張り荷重を加えて、上記光部品付伝送線の機械的諸特性を試験可能な光部品付伝送線の機械的特性試験機において、上記伝送伝送線を保持するキャプスタンとこのキャプスタンを保持自在なキャプスタン保持部との質量を軽減することなく、正確な試験をすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光コネクタの機械的特性試験機の概略構成を示す正面図である。
【図2】図1におけるIIA−IIB矢視を示す図であり、光コネクタの機械的特性試験機に設けられた光コネクタ保持手段の概略構成を示す側面図である。
【図3】図1におけるIIIA−IIIB矢視を示す図であり、キャプスタンと、光コネクタの機械的特性試験機に設けられたキャプスタン保持手段の概略構成を示す側面図である。
【図4】光コネクタの機械的特性試験機に設けられた光コネクタ保持手段の部分を拡大した正面図であり、さらに、上記光コネクタ保持手段を回動して、光コネクタを旋回した状態を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る光コネクタの機械的特性試験機の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1、100 光コネクタの機械的特性試験機
3 基台
5、106 光コネクタ保持手段
7、108 キャプスタン保持手段
9、102 荷重印加手段
11 カウンタウェイト印加手段
13、114 旋回手段
110 移動部材
112 ロードセル
CT 光コネクタ
CP キャプスタン
FB 光ファイバケーブル
Claims (4)
- 基台と、
上記基台の上部側に設けられ、伝送線が延出している光部品を保持自在な光部品保持手段と;
上記光部品から離隔した位置で上記伝送線を保持自在なキャプスタンを、上記光部品保持手段の下方で保持自在であり、上記基台に対して上下方向に移動自在なキャプスタン保持手段と;
上記キャプスタン保持手段に下向きの荷重を印加可能な荷重印加手段と;
上記キャプスタンと上記キャプスタン保持手段との自重を消去するためのカウンタウェイトを印加可能なカウンタウェイト印加手段と;
を有することを特徴とする光部品付伝送線の機械的特性試験機。 - 基台と、
上記基台の上部側に設けられ、伝送線が延出している光部品を保持自在な光部品保持手段と;
上記光部品から離隔した位置で上記伝送線を保持自在なキャプスタンを、上記光部品保持手段の下方で保持自在であり、上記基台に対して上下方向に移動自在なキャプスタン保持手段と;
基台に対して上下方向に移動自在な移動部材と、上記キャプスタン保持手段と上記移動部材との間に設けられ、上記キャプスタン保持手段と上記移動部材との間にかかる荷重を計測自在なロードセルと;
上記ロードセルの計測値に基づいて上記移動部材の移動量を制御し、上記キャプスタン保持手段と上記移動部材との間に印加される荷重が所定の値に達するまで、上記キャプスタン保持手段と上記移動部材との間に印加する荷重の印加速度が一定の速度となるように制御する荷重印加速度制御手段と;
を有することを特徴とする光部品付伝送線の機械的特性試験機。 - 請求項1または請求項2に記載の光部品付伝送線の機械的特性試験機において、
上記キャプスタン保持手段は、上記基台に対して水平方向に旋回自在であると共に、上記荷重が印加されている上記キャプスタン保持手段を旋回自在な旋回手段を有することを特徴とする光部品付伝送線の機械的特性試験機。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光部品付伝送線の機械的特性試験機において、
上記光部品保持手段は、光部品の種類に応じて、この光部品の保持部を交換可能であると共に、上記キャプスタン保持手段のほぼ真上に位置する水平な回転軸を回転中心にして、保持している光部品を旋回自在であることを特徴とする光部品付伝送線の機械的特性試験機。
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JP2010237121A (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Shimadzu Corp | コネクタ固定治具および材料試験機 |
KR101945820B1 (ko) * | 2018-07-26 | 2019-02-08 | 신동군 | 케이블 내구성 시험기 |
CN109655741A (zh) * | 2018-11-21 | 2019-04-19 | 国网新疆电力有限公司检修公司 | 基于机械特性测试的快速接线及线路选择装置 |
CN114088525A (zh) * | 2021-11-18 | 2022-02-25 | 中国铁道科学研究院集团有限公司 | 一种电连接器机械寿命试验机 |
-
2002
- 2002-12-06 JP JP2002354518A patent/JP2004184348A/ja active Pending
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