JP2004184347A - 電力計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リレーを電力計に内蔵して、このリレーの接点を操作できるようにすると共に、リレーの状態を表示するようにした。また、測定電圧、測定電流、測定電力が所定の閾値より低下したときに、リレーを開くようにした。リレーを配線する手間がなくなり、かつリレーの状態が表示されるので誤操作がなくなり、かつ作業効率があがる。また、インバータの電源を切るとリレーが開くので、人為的なミスで電力計を壊すことがなくなる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、交流の電力を測定する電力計に関し、特にインバータ点灯式のランプを測定するために用いて好適な電力計に関するものである。
【0001】
【従来の技術】
図2にインバータ点灯式ランプの消費電力を測定する測定回路の構成を示す。図2において、インバータ4はランプ5に電力を供給する。7は電力計であり、ランプ5両端の電圧およびランプ5に流れる電流を測定して、その消費電力を求める。ランプ5の両端電圧はリレー接点61,62を介して電力計7に入力される。また、ランプ5に流れる電流は、リレー接点63,64を介して同じく電力計7に入力される。
【0002】
電力計7に入力されたランプ5両端の電圧は電圧正規化回路71で正規化され、ADコンバータ73でデジタル値に変換される。同様に、電力計7に入力されたランプ5に流れる電流は電流正規化回路72で正規化され、ADコンバータ74でデジタル値に変換される。
【0003】
CPU75はADコンバータ73,74の出力値をサンプリング周期毎に読みとり、これらの値を乗算して瞬時電力を求める。そして、ADコンバータ73から読み込んだ瞬時電圧、ADコンバータ74から読み込んだ瞬時電流、および乗算して求めた瞬時電力を平均化処理して実効電圧値、実効電流値、有効電力値を求め、これらの値を表示部76に表示する。
このような電力計は従来より公知のものである(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
なお、41はインバータ4の電源プラグ、8は電力計7の電源プラグであり、これらの電源プラグから電力が供給される。また、9は電力計7の接地端子である。
【0005】
図3にランプ5を点灯したときの、インバータ4の出力電圧の波形を示す。図3では縮小して描いているが、ランプ5を点灯した瞬間はインバータ4の出力電圧は10kV以上になり、定格の数十倍に達する。そのため、電力計7を接続した状態でランプ5を点灯すると電力計7に過大な電圧がかかる。
【0006】
また、インバータ4の出力は接地ライン9から浮いているために、大きなコモンモード電圧Vcomが印加される可能性もあり、これによって電力計7が壊れる場合がある。そのため、ランプ5を点灯するときはリレー接点61〜64を開き、定常状態になってからこれらのリレー接点を閉じるようにして、電力計7に過大電圧や大きなコモンモード電圧が印加されないようにしていた。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−172859号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなランプ5の消費電力を測定する測定回路には、次のような課題があった。
【0009】
前述したように、ランプ5を点灯するときはリレー接点61〜64を開き、電力を測定するときは閉じなければならない。これらの操作は測定者が行わなければならず、操作が煩わしいという課題があった。また、リレー接点61〜64が閉じていることを失念してランプインバータ4の電源を投入してしまい、電力計7を壊してしまうことがあるという課題もあった。さらに、測定の毎にリレー部分を製作しなければならないことや配線をするのに手間がかかること、かつ場所を取るという課題もあった。
【0010】
従って本発明の目的は、リレー接点を内蔵して、簡単にランプの消費電力を測定することができる電力計を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、電圧入力端子と、電流入力端子と、入力された電圧と電流から有効電力を演算する電力演算部と、前記電圧入力端子および前記電流入力端子と前記電力演算部との間を接続し、また接続を切り離すリレーと、このリレーの開閉を設定する入力部とを有することを特徴としたものである。簡単にランプの電力測定ができる。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、表示部を有し、この表示部に前記リレーの開閉状態を表示するようにしたものである。リレーの状態が表示されるので、誤操作することがなくなる。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明において、前記電力演算部は、入力された電圧信号を正規化する電圧正規化回路と、この電圧正規化回路の出力をデジタル値に変換する第1のADコンバータと、入力された電流信号を正規化する電流正規化回路と、この電流正規化回路の出力をデジタル値に変換する第2のADコンバータと、前記第1のADコンバータおよび前記第2のADコンバータの出力を読みとり、これらの値から有効電力値を演算するCPUとから構成されるようにしたものである。既存の構成をそのまま用いることができる。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3いずれかに記載の発明において、前記電力演算部が演算した有効電力が所定の閾値よりも低下したときに、前記リレーを開くようにしたものである。誤操作がなくなる。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4いずれかに記載の発明において、前記電力演算部は入力された電圧信号から実効電圧を演算し、この実効電圧の値が所定の閾値より低下したときに、前記リレーを開くようにしたものである。誤操作がなくなる。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし請求項5いずれかに記載の発明において、前記電力演算部は入力された電流信号から実効電流を演算し、この実効電流の値が所定の閾値より低下したときに、前記リレーを開くようにしたものである。誤操作がなくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1に本発明に係る電力計の一実施例の構成を示す。なお、図2と同じ要素には同一符号を付し、説明を省略する。図1において、1は電力計であり、ランプ5の両端電圧とランプ5に流れる電流が入力される。
【0018】
11はリレーであり、リレー接点111〜114で構成される。リレー接点111と112の一端はランプ5両端に、リレー接点113、114の一端はランプ5と直列に接続される。このリレー11の開閉は後述するCPU125で制御される。
【0019】
12は電力演算部であり、電圧正規化回路121,電流正規化回路122、ADコンバータ123および124,CPU125で構成される。電圧正規化回路121の入力端子はリレー接点111および112の他端に接続される。この電圧正規化回路12は入力された電圧値を正規化してADコンバータ123に出力する。ADコンバータ123は入力された電圧正規化回路121の出力をデジタル値に変換する。このデジタル値は瞬時電圧に相当する。
【0020】
電流正規化回路122の入力端子はリレー接点113および114の他端に接続される。電流正規化回路122は入力された電流値を正規化してADコンバータ124に出力する。ADコンバータ124は入力された電流正規化回路122の出力をデジタル値に変換する。このデジタル値は瞬時電流に相当する。
【0021】
CPU125は所定のサンプリング周期毎にADコンバータ123および124の出力値、すなわち瞬時電圧値と瞬時電流値を読みとる。そして、この瞬時電圧値に瞬時電流値を乗算して瞬時電力値を演算する。また、これら瞬時電圧値、瞬時電流値、瞬時電力値を平均化処理して実効電圧値、実効電流値、有効電力値を求める。
【0022】
13は表示部であり、CPU125が演算した実効電圧値、実効電流値、有効電力値を表示する。14は入力部であり、リレー11の開閉状態を設定する。CPU125は入力部14の設定を読みとり、リレー11を制御すると共にその状態を表示部13に表示する。
【0023】
次に、この実施例の動作を説明する。最初入力部14によってリレー接点111〜114を開に設定し、その後インバータ4の電源を投入する。図3で説明したように、インバータ4の出力は電源投入時に高圧になるが、このときリレー接点111〜114は開いているので、この高圧は電力演算部12には印加されない。
【0024】
インバータ4の出力が定常状態になると、入力部14によってリレー11を閉に設定する。CPU125はリレー接点111〜114を閉じて、前述した手順で実効電圧値、実効電流値、有効電力値を演算して表示部13に表示する。このようにすることにより、インバータ4の電源を投入したときに発生する高圧が電力演算部12に印加されることがないので、電力演算部12を壊すことがなくなる。また、リレー11の開閉状態は表示部13に表示されるので、容易に確認することができる。
【0025】
なお、この実施例では手動でリレー11の開閉を設定するようにしたが、実効電圧値、実効電流値、有効電力値に閾値を設定しておき、これらの値のいずれか、あるいは全てが設定した閾値より小さくなるとリレー11を開くように制御してもよい。
【0026】
ランプ5が点灯状態から消灯状態になると、実効電圧値、実効電流値、有効電力値が小さくなるので、これらの値が閾値よりも小さくなるとランプ5が消灯したと判断して、リレー接点111〜114を開く。このようにすると、次にインバータ4の電源を投入したときにはリレー接点111〜114が開いているので、電力演算部12に高圧が印加されるのを防ぐことができる。インバータ4の電源を投入してその出力が定常状態になってから、入力部14を操作してリレー接点111〜114を閉じて電力測定を行う。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば、次の効果が期待できる。
請求項1記載の発明によれば、電圧入力端子と、電流入力端子と、入力された電圧と電流から有効電力を演算する電力演算部と、前記電圧入力端子および前記電流入力端子と前記電力演算部との間を接続し、また接続を切り離すリレーと、このリレーの開閉を設定する入力部とを有することを特徴とした。
【0028】
リレーを電力計に内蔵するようにしたので、測定の度にリレーを配線する手間がなくなり、簡単に電力測定ができ、作業効率が上がるという効果がある。また、配線のための場所が必要でなくなるので、狭い所でも測定ができるという効果もある。
【0029】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、表示部を有し、この表示部に前記リレーの開閉状態を表示するようにした。常にリレーの状態が表示されるので開閉の状態を容易に認識でき、誤操作することがなくなるという効果がある。
【0030】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の発明において、前記電力演算部は、入力された電圧信号を正規化する電圧正規化回路と、この電圧正規化回路の出力をデジタル値に変換する第1のADコンバータと、入力された電流信号を正規化する電流正規化回路と、この電流正規化回路の出力をデジタル値に変換する第2のADコンバータと、前記第1のADコンバータおよび前記第2のADコンバータの出力を読みとり、これらの値から有効電力値を演算するCPUとから構成されるようにした。既存の電力計の構成をそのまま用いることができるという効果がある。
【0031】
請求項4記載の発明によれば、請求項1ないし請求項3いずれかに記載の発明において、前記電力演算部が演算した有効電力が所定の閾値よりも低下したときに、前記リレーを開くようにした。次にインバータの電源を入れるときには常にリレーが開いているので、人為的なミスで高圧が印加されて電力計を壊すことがなくなるという効果がある。
【0032】
請求項5記載の発明によれば、請求項1ないし請求項4いずれかに記載の発明において、前記電力演算部は入力された電圧信号から実効電圧を演算し、この実効電圧の値が所定の閾値より低下したときに、前記リレーを開くようにした。次にインバータの電源を入れるときには常にリレーが開いているので、人為的なミスで高圧が印加されて電力計を壊すことがなくなるという効果がある。
【0033】
請求項6記載の発明によれば、請求項1ないし請求項5いずれかに記載の発明において、前記電力演算部は入力された電流信号から実効電流を演算し、この実効電流の値が所定の閾値より低下したときに、前記リレーを開くようにした。次にインバータの電源を入れるときには常にリレーが開いているので、人為的なミスで高圧が印加されて電力計を壊すことがなくなるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】従来のランプの電力測定回路の構成図である。
【図3】インバータの出力電圧の変化を示す特性図である。
【符号の説明】
1 電力計
11 リレー
111〜114 リレー接点
12 電力演算部
121 電圧正規化回路
122 電流正規化回路
123,124 ADコンバータ
125 CPU
13 表示部
14 入力部
Claims (6)
- 電圧入力端子と、電流入力端子と、入力された電圧と電流から有効電力を演算する電力演算部と、前記電圧入力端子および前記電流入力端子と前記電力演算部との間を接続し、また接続を切り離すリレーと、このリレーの開閉を設定する入力部とを有することを特徴とする電力計。
- 表示部を有し、この表示部に前記リレーの開閉状態を表示するようにしたことを特徴とする請求項1記載の電力計。
- 前記電力演算部は、入力された電圧信号を正規化する電圧正規化回路と、この電圧正規化回路の出力をデジタル値に変換する第1のADコンバータと、入力された電流信号を正規化する電流正規化回路と、この電流正規化回路の出力をデジタル値に変換する第2のADコンバータと、前記第1のADコンバータおよび前記第2のADコンバータの出力を読みとり、これらの値から有効電力値を演算するCPUとから構成されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電力計。
- 前記電力演算部が演算した有効電力が所定の閾値よりも低下したときに、前記リレーを開くようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれかに記載の電力計。
- 前記電力演算部は入力された電圧信号から実効電圧を演算し、この実効電圧の値が所定の閾値より低下したときに、前記リレーを開くようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項4いずれかに記載の電力計。
- 前記電力演算部は入力された電流信号から実効電流を演算し、この実効電流の値が所定の閾値より低下したときに、前記リレーを開くようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項5いずれかに記載の電力計。
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Cited By (2)
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CN104360264A (zh) * | 2014-10-31 | 2015-02-18 | 江苏兆伏爱索新能源有限公司 | 一种基于并网逆变系统的继电器电路的自检方法 |
JP2020173166A (ja) * | 2019-04-10 | 2020-10-22 | 古河電池株式会社 | バッテリ電流検出回路 |
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2002
- 2002-12-06 JP JP2002354506A patent/JP2004184347A/ja active Pending
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