JP2004184318A - ホルムアルデヒドの検知装置 - Google Patents
ホルムアルデヒドの検知装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004184318A JP2004184318A JP2002353756A JP2002353756A JP2004184318A JP 2004184318 A JP2004184318 A JP 2004184318A JP 2002353756 A JP2002353756 A JP 2002353756A JP 2002353756 A JP2002353756 A JP 2002353756A JP 2004184318 A JP2004184318 A JP 2004184318A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gas
- formaldehyde
- hydrocarbons
- catalyst body
- amount
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】検知時間が短く、また、連続測定が可能で、しかも簡単な構造よりなるホルムアルデヒドの検知装置を提供する。
【解決手段】ホルムアルデヒドを含むサンプルガスのガス供給口1に対して第1及び第2ガス通路3及び4が互いに並列的に接続されている。第1ガス通路3には、ホルムアルデヒド及び酸化炭素を水素雰囲気下で還元して炭化水素にする第1触媒体6と、第1触媒体6を通過後のガス中の炭化水素量を検知する第1検知手段7とが配設されている。第2ガス通路4には、ホルムアルデヒドを冷却・凝縮させることにより捕集、除去しうる第2冷却トラップ8と、第2冷却トラップ8を通過後のガスに含まれる酸化炭素を水素雰囲気下で還元して炭化水素にする第2触媒体9と、第2触媒体9を通過後のガス中の炭化水素量を検知する第2検知手段10とが配設されている。
【選択図】 図1
【解決手段】ホルムアルデヒドを含むサンプルガスのガス供給口1に対して第1及び第2ガス通路3及び4が互いに並列的に接続されている。第1ガス通路3には、ホルムアルデヒド及び酸化炭素を水素雰囲気下で還元して炭化水素にする第1触媒体6と、第1触媒体6を通過後のガス中の炭化水素量を検知する第1検知手段7とが配設されている。第2ガス通路4には、ホルムアルデヒドを冷却・凝縮させることにより捕集、除去しうる第2冷却トラップ8と、第2冷却トラップ8を通過後のガスに含まれる酸化炭素を水素雰囲気下で還元して炭化水素にする第2触媒体9と、第2触媒体9を通過後のガス中の炭化水素量を検知する第2検知手段10とが配設されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はホルムアルデヒドの検知装置に関する。本発明のホロムアルデヒドの検知装置は、例えば、車室内や屋内の空気や特にアルコールを燃料とするエンジンの排気ガスについて、ホルムアルデヒド濃度を測定する際に好適に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】
ホルムアルデヒドは、近年のVOC(Volatile Organic Compounds、溶剤など揮発性有機化合物の割合)規制の対象として初めから取り上げられている成分の一つである。そして、住宅関連産業では室内のホルムアルデヒド濃度について規制指針が示されている他、自動車産業においても車室内のホルムアルデヒド濃度について自主的な規制が進行している。特に欧州では、車室内のホルムアルデヒド濃度を低減させるための対策が既に講じられている。
【0003】
車室内等の空気や排気ガスのホルムアルデヒド濃度を測定する装置として、図6に示されるように、サンプルガス入口80と、第1、第2キャリアガス入口81、82と、水素供給口83、84と、空気供給口85と、排気口86と、サンプルガスを該サンプルガス中に含まれる各成分ガス毎に分離すべく直列的に接続された複数の分離カラム(プレカットカラム87、メインカラム88と、)と、サンプルガスを貯留するサンプルループ89と、水素雰囲気下でホルムアルデヒドをメタンガスに還元するNi触媒体90と、メタンガス量を検知するFID91と、6方切換弁92と、8方切換弁93とを主に備えたホルムアルデヒドの検知装置(例えば、特許文献1参照。)が知られている。
【0004】
このホルムアルデヒドの検知装置では、6方切換弁92及び8方切換弁93を図6に示す状態にして、サンプルガス入口80からサンプルガスを供給し、このサンプルガスをいったんサンプルループ89内に溜める。そして、6方切換弁92を図6に示す状態から反時計回りに1ステップ回転させ、サンプルループ89内に溜まった一定量のサンプルガスを第1キャリアガス入口81からのキャリアガスにより8方切換弁93を経てプレカットカラム87に送る。このプレカットカラム87は、サンプルガスに含まれている大量のCO2 ガスを分離して、CO2 ガスのみを排気口86から系外に排出させる。そして、ホルムアルデヒドがプレカットカラム87内に滞留している間に8方切換弁93を図6に示す状態から反時計回りに1ステップ回転させ、プレカットカラム88内のホルムアルデヒド及び他の有機成分を第2キャリアガス入口82からのキャリアガスにより8方切換弁93を経てメインカラム88に送る。このメインカラム88は、ホルムアルデヒド以外の有機成分を分離、除去し、ホルムアルデヒドのみをNi触媒体90に送る。このNi触媒体90には水素供給口83から水素が導入されているため、ホルムアルデヒドは水素雰囲気下でNi触媒体90によりメタンガスに還元され、このメタンガスがFID91に送られてメタンガス量として検知される。そして、検知されたメタンガス量から一定量のサンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド量、すなわちホルムアルデヒド濃度を演算により求める。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−289002号公報(第3頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のホルムアルデヒドの検知装置は、複数の分離カラム(プレカットカラム87とメインカラム88)を直列的に接続し、それぞれの分離カラムで順次、特定のガス成分を分離、除去する構成であるため、ホルムアルデヒドの検知に要する総時間は、各分離カラムでガス成分を分離、除去するために要する時間の合計以上となり、検知に時間がかかる。
【0007】
また、この検知装置では、サンプルループ89内に貯留された一定量のサンプルガスについて、バッチ処理方式によりホルムアルデヒド濃度を測定するため、連続的に測定することができず、過度期の状態をモニターする際に効率が悪くなる。
【0008】
さらに、この検知装置は、サンプルループ89内に一定量のサンプルガスを貯留するための6方切換弁92や、プレカットカラム87でCO2 を分離、除去すべく、CO2 が通過した後にプレカットカラム87内に滞留しているホルムアルデヒド等をメインコラム88へ送るための8方切換弁93を構成要素として含むため、その構造や操作が複雑である。
【0009】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、検知時間が短く、また、連続測定が可能で、しかも簡単な構造よりなるホルムアルデヒドの検知装置を提供することを解決すべき技術課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1記載のホルムアルデヒドの検知装置は、ホルムアルデヒドを含むサンプルガスが供給されるガス供給口と、該ガス供給口に対して互いに並列的に接続された第1及び第2ガス通路と、前記第1ガス通路に配設され、前記ガス供給口より供給された前記サンプルガスに含まれるホルムアルデヒド及び酸化炭素を水素雰囲気下で還元して炭化水素にする第1触媒体と、前記第2ガス通路に配設され、前記ガス供給口より供給された前記サンプルガスからホルムアルデヒドを捕集、除去しうる捕集手段と、前記第2ガス通路に配設されて前記捕集手段を通過した後のガスが送られ、該ガスに含まれる酸化炭素を水素雰囲気下で還元して炭化水素にする第2触媒体と、前記第1触媒体を通過した後のガスが送られ、該ガス中の炭化水素量を検知して第1検知信号として出力するととともに、前記第2触媒体を通過した後のガスが送られ、該ガス中の炭化水素量を検知して第2検知信号として出力する検知手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0011】
このホルムアルデヒドの検知装置では、ガス供給口に対して第1及び第2ガス通路が互いに並列的に接続されていることから、ガス供給口から供給されたサンプルガスが第1ガス通路と第2ガス通路とにそれぞれ導かれる。
【0012】
第1ガス通路に導かれたサンプルガスはそのまま第1触媒体へ送られ、該サンプルガス中に含まれるホルムアルデヒド及び酸化炭素(CO2 やCO等)が水素雰囲気下で還元されて炭化水素(メタン等)とされる。そして、この第1触媒体を通過した後のガスが検知手段へ送られ、検知手段は該ガス中の炭化水素量を検知して第1検知信号として出力する。こうして第1検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(メタン、エタン、プロパンやブタン等)量と、サンプルガスに含まれていたホルムアルデヒド及び酸化炭素(CO2 やCO等)が第1触媒体で還元されて発生した炭化水素(メタン等)量との合計となる。このため、この第1検知信号により、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド、炭化水素及び酸化炭素の合計量が判明する。
【0013】
一方、第2ガス通路に導かれたサンプルガスは捕集手段でホルムアルデヒドが捕集、除去されてから第2触媒体へ送られ、該ガス中に含まれる酸化炭素(CO2 やCO等)が水素雰囲気下で還元されて炭化水素(メタン等)とされる。そして、この第2触媒体を通過した後のガスが検知手段へ送られ、検知手段は該ガス中の炭化水素量を検知して第2検知信号として出力する。こうして第2検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(メタン、エタン、プロパンやブタン等)量と、サンプルガスに含まれていた酸化炭素(CO2 やCO等)が第2触媒体で還元されて発生した炭化水素(メタン等)量との合計となる。このため、この第2検知信号により、サンプルガス中に含まれていた炭化水素及び酸化炭素の合計量が判明する。
【0014】
したがって、上記第1検知信号と上記第2検知信号との比較により、すなわち両者の差{(第1検知信号から得られたホルムアルデヒド、炭化水素及び酸化炭素の合計量)−(第2検知信号から得られた炭化水素及び酸化炭素の合計量)}を求めることにより、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド量を検知することができる。そして、供給口に供給されるサンプルガスの単位時間当たりの供給量と、単位時間当たりに検知されるホルムアルデヒド量とから、サンプルガスのホルムアルデヒド濃度を測定することが可能となる。
【0015】
このように本発明のホルムアルデヒドの検知装置では、ガス供給口に対して第1及び第2ガス通路が互いに並列的に接続されており、第1ガス通路でのホルムアルデヒド及び酸化炭素の還元と、第2ガス通路でのホルムアルデヒドの捕集、除去及び酸化炭素の還元とが、同時期に並列的に行われることから、検知にかかる時間の短縮化を図ることができる。
【0016】
また、この検知装置では、サンプルガスをいったん系内に貯留する必要がなく、ガス供給口にサンプルガスを連続的に供給しながら上記検知手段により検知することができる。したがって、過度期の状態をモニターする際に、バッチ処理方式よりも効率よく測定することが可能となる。また、連続的に供給されるサンプルガス中のホルムアルデヒド濃度を逐次測定することができることから、車室内等のホルムアルデヒド濃度が連続的に変化する様子を調べることが可能となる。
【0017】
さらに、この検知装置は、サンプルガスを系内に貯留する等のための切換弁等を必要としないことから、その構造や操作も簡単となる。
【0018】
(2)サンプルガスからホルムアルデヒドを捕集、除去しうる前記捕集手段としては、一般のガスクロマトグラフィに用いられる分離カラム(カラム中に充填された充填物に対する各ガス分子の吸着性や溶解性の差異によって、各ガス分子がカラム内を移動する速度に差が生じることを利用して、各ガス成分を分離する物)を利用することも可能であるが、ホルムアルデヒド及び該ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分を冷却・凝縮することにより捕集、除去しうる冷却トラップとすることが好ましい。
【0019】
前記捕集手段として上記冷却トラップを採用した場合は、冷却トラップでは冷却・凝縮されるガス成分(ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等))のみが捕集、除去され、その他のガス成分、すなわちホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分は通過速度を低下させることなく冷却トラップをそのまま通過する。このため、検知にかかる時間の短縮化をより図ることができる。
【0020】
ここに、この冷却トラップでは、ホルムアルデヒドが凝縮する温度以下でかつ該サンプルガス中に含まれているガス成分であってホルムアルデヒドの次に沸点の低い第1低沸成分が凝縮する温度よりも高い温度に冷却されることにより、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等)のみが凝縮して捕集、除去される。このため、この冷却トラップを通過した後のガスの成分はホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分のみとなる。そして、この低沸成分のみからなるガスは第2触媒体へ送られ、該ガス中に含まれる酸化炭素(CO2 やCO等)が水素雰囲気下で還元されて炭化水素(メタン等)とされる。そして、この第2触媒体を通過した後のガスが検知手段へ送られ、検知手段は該ガス中の炭化水素量を検知して第2検知信号として出力する。こうして第2検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(メタン、エタン、プロパンやブタン等)からホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素(ブタン等)を除いた炭化水素(メタン、エタンやプロパン等)の量と、サンプルガスに含まれていた酸化炭素(CO2 やCO)が第2触媒体で還元されて発生した炭化水素(メタン等)量との合計となる。このため、この第2検知信号により、サンプルガス中に含まれていた炭化水素(ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素を除く)及び酸化炭素の合計量が判明する。
【0021】
一方、第1ガス通路に導かれたサンプルガスはそのまま第1触媒体へ送られ、該サンプルガス中に含まれるホルムアルデヒド及び酸化炭素(CO2 やCO等)が水素雰囲気下で還元されて炭化水素(メタン等)とされる。そして、この第1触媒体を通過した後のガスが検知手段へ送られ、検知手段は該ガス中の炭化水素量を検知して第1検知信号として出力する。こうして第1検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(メタン、エタン、プロパンやブタン等)量と、サンプルガスに含まれていたホルムアルデヒド及び酸化炭素(CO2 やCO等)が第1触媒体で還元されて発生した炭化水素(メタン等)量との合計となる。このため、この第1検知信号により、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド、炭化水素及び酸化炭素の合計量が判明する。
【0022】
したがって、サンプルガス中にホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等)が含まれていない場合は、上記第1検知信号と上記第2検知信号との比較により、すなわち両者の差{(第1検知信号から得られたホルムアルデヒド、炭化水素及び酸化炭素の合計量)−(第2検知信号から得られた炭化水素及び酸化炭素の合計量)}を求めることにより、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド量を検知することができる。そして、供給口に供給されるサンプルガスの単位時間当たりの供給量と、単位時間当たりに検知されるホルムアルデヒド量とから、サンプルガスのホルムアルデヒド濃度を測定することが可能となる。
【0023】
ただし、サンプルガス中にホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等)が含まれている場合は、上記第1検知信号と上記第2検知信号との差[(第1検知信号から得られたホルムアルデヒド、炭化水素及び酸化炭素の合計量)−{第2検知信号から得られた炭化水素(ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素を除く)及び酸化炭素の合計量}]は、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒドとホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素との合計量となってしまい、ホルムアルデヒド量を直接的には検知することができない。
【0024】
(3)そこで、前記捕集手段として前記冷却トラップを採用する場合は、前記第1ガス通路にも捕集手段を配設するとともに、この捕集手段として、前記ガス供給口より供給された前記サンプルガスからホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分を冷却・凝縮することにより捕集、除去しうる冷却トラップを採用することが好ましい。
【0025】
すなわち、請求項3記載のホルムアルデヒドの検知装置は、ホルムアルデヒドを含むサンプルガスが供給されるガス供給口と、該ガス供給口に対して互いに並列的に接続された第1及び第2ガス通路と、前記第1ガス通路に配設され、前記ガス供給口より供給された前記サンプルガスからホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分を冷却・凝縮することにより捕集、除去しうる第1冷却トラップと、前記第1ガス通路に配設されて前記第1冷却トラップを通過した後のガスが送られ、該ガスに含まれるホルムアルデヒド及び酸化炭素を水素雰囲気下で還元して炭化水素にする第1触媒体と、前記第2ガス通路に配設され、前記ガス供給口より供給された前記サンプルガスからホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分を冷却・凝縮することにより捕集、除去しうる第2冷却トラップと、前記第2ガス通路に配設されて前記第2冷却トラップを通過した後のガスが送られ、該ガスに含まれる酸化炭素を水素雰囲気下で還元して炭化水素にする第2触媒体と、前記第1触媒体を通過した後のガスが送られ、該ガス中の炭化水素量を検知して第1検知信号として出力するととともに、前記第2触媒体を通過した後のガスが送られ、該ガス中の炭化水素量を検知して第2検知信号として出力する検知手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0026】
この検知装置では、第1ガス通路に導かれて第1冷却トラップに送られたサンプルガスは、ホルムアルデヒドが凝縮する温度よりも高くかつ当該高沸成分が凝縮する温度以下の温度に冷却されることにより、ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等)のみが凝縮して捕集、除去される。このため、この第1冷却トラップを通過した後のガスの成分はホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分のみとなる。そして、このホルムアルデヒド及び低沸成分のみからなるガスは第1触媒体へ送られ、該ガス中に含まれるホルムアルデヒド及び酸化炭素(CO2 やCO等)が水素雰囲気下で還元されて炭化水素(メタン等)とされる。そして、この第1触媒体を通過した後のガスが検知手段へ送られ、検知手段は該ガス中の炭化水素量を検知して第1検知信号として出力する。こうして第1検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(メタン、エタン、プロパンやブタン等)からホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素(ブタン等)を除いた炭化水素(メタン、エタンやプロパン等)の量と、サンプルガスに含まれていたホルムアルデヒド及び酸化炭素(CO2 やCO)が第1触媒体で還元されて発生した炭化水素(メタン等)量との合計となる。このため、この第1検知信号により、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド、炭化水素(ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素を除く)及び酸化炭素の合計量が判明する。
【0027】
一方、第2ガス通路に導かれて第2冷却トラップに送られたサンプルガスは、ホルムアルデヒドが凝縮する温度以下でかつ該サンプルガス中に含まれているガス成分であってホルムアルデヒドの次に沸点の低い第1低沸成分が凝縮する温度よりも高い温度に冷却されることにより、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等)のみが凝縮して捕集、除去される。このため、この第2冷却トラップを通過した後のガスの成分はホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分のみとなる。そして、この低沸成分のみからなるガスは第2触媒体へ送られ、該ガス中に含まれる酸化炭素(CO2 やCO等)が水素雰囲気下で還元されて炭化水素(メタン等)とされる。そして、この第2触媒体を通過した後のガスが検知手段へ送られ、検知手段は該ガス中の炭化水素量を検知して第2検知信号として出力する。こうして第2検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(メタン、エタン、プロパンやブタン等)からホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素(ブタン等)を除いた炭化水素(メタン、エタンやプロパン等)の量と、サンプルガスに含まれていた酸化炭素(CO2 やCO)が第2触媒体で還元されて発生した炭化水素(メタン等)量との合計となる。このため、この第2検知信号により、サンプルガス中に含まれていた炭化水素(ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素を除く)及び酸化炭素の合計量が判明する。
【0028】
したがって、上記第1検知信号と上記第2検知信号との比較により、すなわち両者の差[(第1検知信号から得られたホルムアルデヒド、炭化水素(ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素を除く)及び酸化炭素の合計量)−{第2検知信号から得られた炭化水素(ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素を除く)及び酸化炭素の合計量}]を求めることにより、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド量を検知することができる。そして、供給口に供給されるサンプルガスの単位時間当たりの供給量と、単位時間当たりに検知されるホルムアルデヒド量とから、サンプルガスのホルムアルデヒド濃度を測定することが可能となる。
【0029】
(4)また、前記捕集手段として前記冷却トラップを採用する場合は、以下の態様とすることがより好ましい。
【0030】
すなわち、請求項4記載のホルムアルデヒドの検知装置は、ホルムアルデヒドを含むサンプルガスが供給されるガス供給口と、該ガス供給口に一端が接続されたガス供給路と、該ガス供給路の他端から分岐して該ガス供給路に対して互いに並列的に接続された第1及び第2ガス通路と、前記ガス供給路に配設され、前記ガス供給口より供給された前記サンプルガスからホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分を冷却・凝縮することにより捕集、除去しうる第1冷却トラップと、前記第1ガス通路に配設されて前記第1冷却トラップを通過した後のガスが送られ、該ガスに含まれるホルムアルデヒド及び酸化炭素を水素雰囲気下で還元して炭化水素にする第1触媒体と、前記第2ガス通路に配設されて前記第1冷却トラップを通過した後のガスが送られ、該ガスからホルムアルデヒドを冷却・凝縮することにより捕集、除去しうる第2冷却トラップと、前記第2ガス通路に配設されて前記第2冷却トラップを通過した後のガスが送られ、該ガスに含まれる酸化炭素を水素雰囲気下で還元して炭化水素にする第2触媒体と、前記第1触媒体を通過した後のガスが送られ、該ガス中の炭化水素量を検知して第1検知信号として出力するととともに、前記第2触媒体を通過した後のガスが送られ、該ガス中の炭化水素量を検知して第2検知信号として出力する検知手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0031】
この検知装置では、ガス供給口に一端が接続されたガス供給通路に第1冷却トラップが配設されるとともに、このガス供給通路の他端が分岐して並列配置された第1及び第2ガス通路に接続されていることから、ガス供給口から供給されたサンプルガスがまずガス供給通路に配設された第1冷却トラップに送られ、この第1冷却トラップを通過した後のガスが第1及び第2ガス通路に導かれる。
【0032】
第1冷却トラップに送られたサンプルガスは、ホルムアルデヒドが凝縮する温度よりも高くかつ当該高沸成分が凝縮する温度以下の温度に冷却されることにより、ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等)のみが凝縮して捕集、除去される。このため、この第1冷却トラップを通過した後のガスの成分はホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分のみとなる。そして、このホルムアルデヒド及び低沸成分のみからなるガスは、ガス供給口(ガス供給通路)に対して互いに並列的に接続された第1ガス通路及び第2ガス通路へ導かれる。
【0033】
第1ガス通路に導かれたホルムアルデヒド及び低沸成分のみからなるガスは第1触媒体へ送られ、該ガス中に含まれるホルムアルデヒド及び酸化炭素(CO2 やCO等)が水素雰囲気下で還元されて炭化水素(メタン等)とされる。そして、この第1触媒体を通過した後のガスが検知手段へ送られ、検知手段は該ガス中の炭化水素量を検知して第1検知信号として出力する。こうして第1検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(メタン、エタン、プロパンやブタン等)からホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素(ブタン等)を除いた炭化水素(メタン、エタンやプロパン等)の量と、サンプルガスに含まれていたホルムアルデヒド及び酸化炭素(CO2 やCO)が第1触媒体で還元されて発生した炭化水素(メタン等)量との合計となる。このため、この第1検知信号により、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド、炭化水素(ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素を除く)及び酸化炭素の合計量が判明する。
【0034】
一方、第2ガス通路に導かれたホルムアルデヒド及び低沸成分のみからなるガスは第2冷却トラップに送られ、ホルムアルデヒドが凝縮する温度以下でかつ該サンプルガス中に含まれているガス成分であってホルムアルデヒドの次に沸点の低い第1低沸成分が凝縮する温度よりも高い温度に冷却されることにより、ホルムアルデヒドのみが凝縮して捕集、除去される。このため、この第2冷却トラップを通過した後のガスの成分はホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分のみとなる。そして、この低沸成分のみからなるガスは第2触媒体へ送られ、該ガス中に含まれる酸化炭素(CO2 やCO等)が水素雰囲気下で還元されて炭化水素(メタン等)とされる。そして、この第2触媒体を通過した後のガスが検知手段へ送られ、検知手段は該ガス中の炭化水素量を検知して第2検知信号として出力する。こうして第2検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(メタン、エタン、プロパンやブタン等)からホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素(ブタン等)を除いた炭化水素(メタン、エタンやプロパン等)の量と、サンプルガスに含まれていた酸化炭素(CO2 やCO)が第2触媒体で還元されて発生した炭化水素(メタン等)量との合計となる。このため、この第2検知信号により、サンプルガス中に含まれていた炭化水素(ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素を除く)及び酸化炭素の合計量が判明する。
【0035】
したがって、上記第1検知信号と上記第2検知信号との比較により、すなわち両者の差[(第1検知信号から得られたホルムアルデヒド、炭化水素(ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素を除く)及び酸化炭素の合計量)−{第2検知信号から得られた炭化水素(ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素を除く)及び酸化炭素の合計量}]を求めることにより、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド量を検知することができる。そして、供給口に供給されるサンプルガスの単位時間当たりの供給量と、単位時間当たりに検知されるホルムアルデヒド量とから、サンプルガスのホルムアルデヒド濃度を測定することが可能となる。
【0036】
また、この態様の装置では、第1冷却トラップを通過した後のガス、すなわち第1冷却トラップでホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等)が捕集、除去されてホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分のみからなるガスが、第2冷却トラップへ送られることから、前記(3)のように供給口から供給されたサンプルガスがそのまま第2冷却トラップへ送られる場合と比較して、第2冷却トラップにおけるトラップ効率が高く、他成分の干渉を低減させることができ、高精度な測定をする上で有利となる。
【0037】
(5)好適な態様において、前記第1検知信号と前記第2検知信号との比較により、前記サンプルガス中のホルムアルデヒド量を演算する演算手段を備えている。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0039】
(第1実施形態)
本実施形態は、請求項1、2又は5に記載の発明を具現化したものである。なお、本実施形態では、ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等)が含まれていないサンプルガスを用いる。
【0040】
本実施形態に係るホルムアルデヒドの検知装置は、図1に示されるように、ガス供給口1と、このガス供給口1に一端が接続されたガス供給路2と、このガス供給路2の他端から分岐して該ガス供給路2に対して互いに並列的に接続された第1ガス通路3及び第2ガス通路4と、第1ガス通路3に配設された第1触媒体6と、この第1触媒体6の下流側の第1ガス通路3に配設された第1検知手段7と、第2ガス通路4に配設された第2冷却トラップ8と、この第2冷却トラップ8の下流側の第2ガス通路4に配設された第2触媒体9と、この第2触媒体9の下流側の第2ガス通路4に配設された第2検知手段10と、第1検知手段7が出力する第1検知信号及び第2検知手段10が出力する第2検知信号が入力される演算手段11とを主に備えている。
【0041】
上記ガス供給口1には、ホルムアルデヒドを含むサンプルガスが一定の供給量で供給される。本実施形態では、ホルムアルデヒド(沸点:−21℃)、メタン(沸点−164℃)、エタン(沸点−93℃)、プロパン(沸点−45℃)、CO2 (沸点:−56.5℃)、CO(沸点−191.5℃)及び残部炭素を含まないガスよりなるサンプルガスを用いた。
【0042】
上記第1触媒体6及び上記第2触媒体9はいずれもNi触媒体よりなる。そして、第1触媒体6及び第2触媒体9は、図示しない水素供給源からの水素が供給可能となっている。
【0043】
上記第2冷却トラップ8は、図5に模式的に示されるように、冷却媒体入口21a及び冷却媒体出口21bをもつ外側ケース21と、この外側ケース21内に収容され、両端開口部22a、22aがそれぞれ上記第2ガス通路4に接続された内側ケース22と、この内側ケース22内に収容されたハニカム体23と、冷却媒体入口21a及び冷却媒体出口21bを介して外側ケース21と内側ケース22との間の内部空間24に冷却媒体を所定の循環量で循環させうる冷却媒体循環手段(図示せず)とを備えている。なお、外側ケース21、内側ケース22及びハニカム体23は熱伝導性の高い金属(具体的にはアルミニウム又はアルミニウム合金)よりなる。
【0044】
この冷却トラップ8では、冷却媒体循環手段で冷却媒体の循環量を適宜調整しながら上記内部空間24内で冷却媒体を循環させることにより、所定の冷却温度に設定可能となされている。
【0045】
そして、本実施形態における第2冷却トラップ8では、冷却媒体として液体窒素を用いを用い、冷却温度は、ホルムアルデヒドが凝縮する温度以下でかつサンプルガス中に含まれているガス成分であってホルムアルデヒドの次に沸点の低い第1低沸成分としてのプロパンが凝縮する温度よりも高い温度、具体的には−30〜−50℃とされている。
【0046】
上記第1検知手段7及び上記第2検知手段10はいずれもFID(Flameionization detector、水素炎イオン化検出器)よりなる。そして、第1検知手段7及び第2検知手段10は、図示しない水素供給源及び酸素供給源からの水素及び酸素が供給可能となっている。なお、このFIDは、電気伝導度がガス中の荷電粒子の濃度に比例することを応用した検出器で、ガス中に水素を一定割合で混合し、それを酸素雰囲気中で燃焼させ、ガス中に含まれる炭化水素をイオン化させ、その量に応じて流れる電流を電圧として取り出すものである。
【0047】
上記演算手段11は、マイクロコンピュータ等のデータ処理機よりなる。
【0048】
このホルムアルデヒドの検知装置では、ガス供給口1から所定の供給量で供給されたサンプルガスはガス供給路2を介して第1ガス通路3と第2ガス通路4とにそれぞれ導かれる。
【0049】
第1ガス通路3に導かれたサンプルガスはそのまま第1触媒体6へ送られ、該サンプルガス中に含まれるホルムアルデヒド、CO2 及びCOが水素雰囲気下で還元されてメタンとされる。そして、この第1触媒体6を通過した後のガスが第1検知手段7へ送られる。第1検知手段7は、該ガス中の炭化水素量を検知して第1検知信号として演算手段11へ出力する。
【0050】
こうして第1検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(本実施形態では、メタン、エタン及びプロパン)量と、サンプルガスに含まれていたホルムアルデヒド及び酸化炭素(本実施形態では、CO2 及びCO)が第1触媒体6で還元されて発生した炭化水素(本実施形態では、メタン)量との合計となる。このため、この第1検知信号により、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド、メタン、エタン、プロパン、CO2 及びCOの合計量が判明する。
【0051】
一方、第2ガス通路4に導かれたサンプルガスは第2冷却トラップ8へ送られる。この第2冷却トラップ8では、サンプルガスが上記内側ケース22内のハニカム体23を通過する間に、ホルムアルデヒドが凝縮する温度以下でかつサンプルガス中に含まれているガス成分であってホルムアルデヒドの次に沸点の低い第1低沸成分たるプロパンが凝縮する温度よりも高い温度に冷却されることにより、サンプルガス中のホルムアルデヒドのみが凝縮して捕集、除去される。このため、この第2冷却トラップ8を通過した後のガスの成分はホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分(本実施形態では、メタン、エタン、プロパン、CO2 及びCO)のみとなる。そして、この低沸成分のみからなるガスは第2触媒体9へ送られ、該ガス中に含まれるCO2 及びCOが水素雰囲気下で還元されてメタンとされる。そして、この第2触媒体9を通過した後のガスが第2検知手段10へ送られる。第2検知手段10は、該ガス中の炭化水素量を検知して第2検知信号として演算手段11へ出力する。
【0052】
こうして第2検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(本実施形態では、メタン、エタン及びプロパン)量と、サンプルガスに含まれていた酸化炭素(本実施形態では、CO2 及びCO)が第2触媒体9で還元されて発生した炭化水素(本実施形態では、メタン)量との合計となる。このため、この第2検知信号により、サンプルガス中に含まれていたメタン、エタン、プロパン、CO2 及びCOの合計量が判明する。
【0053】
したがって、演算手段11において、上記第1検知信号と上記第2検知信号との比較により、すなわち両者の差{(第1検知信号から得られたホルムアルデヒド、メタン、エタン、プロパン、CO2 及びCOの合計量)−(第2検知信号から得られたメタン、エタン、プロパン、CO2 及びCOの合計量)}を求めることにより、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド量を検知することができる。そして、ガス供給口1に供給されるサンプルガスの単位時間当たりの供給量と、単位時間当たりに検知されるホルムアルデヒド量とから、サンプルガスのホルムアルデヒド濃度を測定することが可能となる。
【0054】
このように本実施形態のホルムアルデヒドの検知装置では、ガス供給口1に対して第1ガス通路3及び第2ガス通路4が互いに並列的に接続されており、第1ガス通路3でのホルムアルデヒド、CO2 及びCOの還元と、第2ガス通路4でのホルムアルデヒドの捕集、除去並びにCO2 及びCOの還元とが、同時期に並列的に行われることから、検知にかかる時間の短縮化を図ることができる。
【0055】
また、この検知装置では、サンプルガスをいったん系内に貯留する必要がなく、ガス供給口1にサンプルガスを連続的に供給しながら、サンプルガスのホルムアルデヒド濃度を測定することができる。したがって、過度期の状態をモニターする際に、バッチ処理方式よりも効率よく測定することが可能となる。また、連続的に供給されるサンプルガス中のホルムアルデヒド濃度を逐次測定することができることから、車室内等のホルムアルデヒド濃度が連続的に変化する様子を調べることが可能となる。
【0056】
さらに、この検知装置は、サンプルガスを系内に貯留する等のための切換弁等を必要としないことから、その構造や操作も簡単となる。
【0057】
また、サンプルガスからホルムアルデヒドを捕集、除去しうる捕集手段としては、第2冷却トラップ8を採用していることから、ガスの通過速度が第2冷却トラップ8で低下することがなく、検知にかかる時間の短縮化をより図ることができる。
【0058】
なお、本実施形態の検知装置によれば、ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等)が含まれていないサンプルガスについて、ホルムアルデヒドの濃度を測定することができることから、例えば、模擬的な反応ガス中の濃度を管理する際に好適に用いることができる。
【0059】
(実施形態2)
本実施形態は、請求項3又は5に記載の発明を具現化したものである。なお、本実施形態では、ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等)が含まれているサンプルガスを用いる。具体的には、ホルムアルデヒド、メタン、エタン、プロパン、ブタン(沸点0.6℃)、CO2 、CO及び残部炭素を含まないガスよりなるサンプルガスを用いた。
【0060】
本実施形態に係るホルムアルデヒドの検知装置は、図2に示されるように、第1ガス供給路3に第1冷却トラップ5が配設され、この第1冷却トラップ5の下流側の第1ガス通路3に前記第1触媒体6が配設されている。
【0061】
この第1冷却トラップ5は、前記第2冷却トラップ8と同様の構成を有するものである。そして、本実施形態における第1冷却トラップ5は、冷却媒体としてアルコール又はペルチェ素子を用い、冷却温度は、ホルムアルデヒドが凝縮する温度よりも高くかつホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としてのブタンが凝縮する温度以下の温度、具体的には−10〜−20℃とされている。
【0062】
その他の構成は前記実施形態1と同様である。
【0063】
この検知装置では、第1ガス通路3に導かれて第1冷却トラップ5に送られたサンプルガスは、ホルムアルデヒドが凝縮する温度よりも高くかつ当該高沸成分が凝縮する温度以下の温度に冷却されることにより、ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(本実施形態では、ブタン)のみが凝縮して捕集、除去される。このため、この第1冷却トラップ5を通過した後のガスの成分はホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分(本実施形態では、メタン、エタン、プロパン、CO2 及びCO)のみとなる。そして、このホルムアルデヒド及び低沸成分のみからなるガスは第1触媒体6へ送られ、該ガス中に含まれるホルムアルデヒド、CO2 及びCOが水素雰囲気下で還元されてメタンとされる。そして、この第1触媒体6を通過した後のガスが第1検知手段7へ送られる。第1検知手段7は、該ガス中の炭化水素量を検知して第1検知信号として演算手段11へ出力する。
【0064】
こうして第1検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(本実施形態では、メタン、エタン、プロパン及びブタン)からホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素(本実施形態では、ブタン)を除いた炭化水素(本実施形態では、メタン、エタン及びプロパン)の量と、サンプルガスに含まれていたホルムアルデヒド及び酸化炭素(本実施形態では、CO2 及びCO)が第1触媒体6で還元されて発生した炭化水素(本実施形態では、メタン)量との合計となる。このため、この第1検知信号により、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド、メタン、エタン、プロパン、CO2 及びCOの合計量が判明する。
【0065】
一方、第2ガス通路4に導かれたサンプルガスは第2冷却トラップ8に送られ、ホルムアルデヒドが凝縮する温度以下でかつ該サンプルガス中に含まれているガス成分であってホルムアルデヒドの次に沸点の低い第1低沸成分としてのプロパンが凝縮する温度よりも高い温度に冷却されることにより、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としてのブタンのみが凝縮して捕集、除去される。このため、この第2冷却トラップ8を通過した後のガスの成分はホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分(本実施形態では、メタン、エタン、プロパン、CO2 及びCO)のみとなる。そして、この低沸成分のみからなるガスは第2触媒体9へ送られ、該ガス中に含まれるCO2 及びCOが水素雰囲気下で還元されてメタンとされる。そして、この第2触媒体9を通過した後のガスが第2検知手段10へ送られ、第2検知手段10は該ガス中の炭化水素量を検知して第2検知信号として演算手段11出力する。
【0066】
こうして第2検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(本実施形態では、メタン、エタン、プロパン及びブタン)からホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素(本実施形態では、ブタン)を除いた炭化水素(本実施形態では、メタン、エタン及びプロパン)の量と、サンプルガスに含まれていた酸化炭素(本実施形態では、CO2 及びCO)が第2触媒体9で還元されて発生した炭化水素(本実施形態では、メタン)量との合計となる。このため、この第2検知信号により、サンプルガス中に含まれていたメタン、エタン、プロパン、CO2 及びCOの合計量が判明する。
【0067】
したがって、演算手段11において、上記第1検知信号と上記第2検知信号との比較により、すなわち両者の差{(第1検知信号から得られたホルムアルデヒド、メタン、エタン、プロパン、CO2 及びCOの合計量)−(第2検知信号から得られたメタン、エタン、プロパン、CO2 及びCOの合計量)}を求めることにより、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド量を検知することができる。そして、ガス供給口1に供給されるサンプルガスの単位時間当たりの供給量と、単位時間当たりに検知されるホルムアルデヒド量とから、サンプルガスのホルムアルデヒド濃度を測定することが可能となる。
【0068】
なお、本実施形態の検知装置によれば、ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等)が含まれているサンプルガスについて、ホルムアルデヒドの濃度を測定することができることから、例えば、車室内や室内のホルムアルデヒド濃度を測定したり、あるいは車室内に配置される個々の構成部品のホルムアルデヒド発生量を評価したりする際に好適に用いることができる。
【0069】
(実施形態3)
本実施形態は、請求項4又は5に記載の発明を具現化したものである。なお、本実施形態では、ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等)が含まれているサンプルガスを用いる。具体的には、実施形態2と同様、ホルムアルデヒド、メタン、エタン、プロパン、ブタン、CO2 、CO及び残部炭素を含まないガスよりなるサンプルガスを用いた。
【0070】
本実施形態に係るホルムアルデヒドの検知装置は、図3に示されるように、ガス供給路2に前記第1冷却トラップ5が配設されている。
【0071】
その他の構成は前記実施形態1と同様である。
【0072】
この検知装置では、ガス供給口1に一端が接続されたガス供給通路2に第1冷却トラップ5が配設されるとともに、このガス供給通路2の他端が分岐して並列配置された第1ガス通路3及び第2ガス通路4に接続されていることから、ガス供給口1から供給されたサンプルガスがまずガス供給通路2に配設された第1冷却トラップ5に送られ、この第1冷却トラップ5を通過した後のガスが第1ガス通路3及び第2ガス通路4に導かれる。
【0073】
第1冷却トラップ5に送られたサンプルガスは、ホルムアルデヒドが凝縮する温度よりも高くかつホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としてのブタンが凝縮する温度以下の温度に冷却されることにより、ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としてのブタンのみが凝縮して捕集、除去される。このため、この第1冷却トラップを通過した後のガスの成分はホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分(本実施形態では、メタン、エタン、プロパン、CO2 及びCO)のみとなる。
【0074】
第1ガス通路3に導かれたホルムアルデヒド及び低沸成分のみからなるガスは第1触媒体6へ送られ、該ガス中に含まれるホルムアルデヒド、CO2 及びCOが水素雰囲気下で還元されてメタンとされる。そして、この第1触媒体6を通過した後のガスが第1検知手段7へ送られ、第1検知手段7は該ガス中の炭化水素量を検知して第1検知信号として演算手段11へ出力する。
【0075】
こうして第1検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(本実施形態では、メタン、エタン、プロパン及びブタン)からホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素(本実施形態では、ブタン)を除いた炭化水素(本実施形態では、メタン、エタン及びプロパン)の量と、サンプルガスに含まれていたホルムアルデヒド、CO2 及びCOが第1触媒体6で還元されて発生したメタン量との合計となる。このため、この第1検知信号により、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド、メタン、エタン、プロパン、CO2 及びCOの合計量が判明する。
【0076】
一方、第2ガス通路4に導かれたホルムアルデヒド及び低沸成分のみからなるガスは第2冷却トラップ8に送られ、ホルムアルデヒドが凝縮する温度以下でかつ該サンプルガス中に含まれているガス成分であってホルムアルデヒドの次に沸点の低い第1低沸成分が凝縮する温度よりも高い温度に冷却されることにより、ホルムアルデヒドのみが凝縮して捕集、除去される。このため、この第2冷却トラップ8を通過した後のガスの成分はホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分のみとなる。そしてこの低沸成分のみからなるガスは第2触媒体9へ送られ、該ガス中に含まれるCO2 及びCOが水素雰囲気下で還元されてメタンとされる。そして、この第2触媒体9を通過した後のガスが第2検知手段10へ送られ、第2検知手段10は該ガス中の炭化水素量を検知して第2検知信号として演算手段11へ出力する。
【0077】
こうして第2検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(本実施形態では、メタン、エタン、プロパン及びブタン)からホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素(本実施形態では、ブタン)を除いた炭化水素(本実施形態では、メタン、エタン及びプロパン)の量と、サンプルガスに含まれていたCO2 及びCO)が第2触媒体9で還元されて発生したメタン量との合計となる。このため、この第2検知信号により、サンプルガス中に含まれていたメタン、エタン、プロパン、CO2 及びCOの合計量が判明する。
【0078】
したがって、演算手段11において、上記第1検知信号と上記第2検知信号との比較により、すなわち両者の差{(第1検知信号から得られたホルムアルデヒド、メタン、エタン、プロパン、CO2 及びCOの合計量)−{第2検知信号から得られたメタン、エタン、プロパン、CO2 及びCOの合計量)}を求めることにより、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド量を検知することができる。そして、ガス供給口1に供給されるサンプルガスの単位時間当たりの供給量と、単位時間当たりに検知されるホルムアルデヒド量とから、サンプルガスのホルムアルデヒド濃度を測定することが可能となる。
【0079】
また、この装置では、第1冷却トラップ5を通過した後のガス、すなわち第1冷却トラップ5でホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としてのブタンが捕集、除去されてホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分のみからなるガスが、第2冷却トラップ8へ送られることから、実施形態2のようにガス供給口1から供給されたサンプルガスがそのまま第2冷却トラップ8へ送られる場合と比較して、第2冷却トラップにおけるトラップ効率が向上し、他成分の干渉を低減させることができ、高精度な測定をする上で有利となる。
【0080】
(実施形態4)
本実施形態は、請求項3又は5に記載の発明を具現化したものである。なお、本実施形態では、ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等)が含まれているサンプルガスを用いる。具体的には、実施形態2と同様、ホルムアルデヒド、メタン、エタン、プロパン、ブタン、CO2 、CO及び残部炭素を含まないガスよりなるサンプルガスを用いた。
【0081】
本実施形態に係るホルムアルデヒドの検知装置は、図4に示されるように、実施形態2の検知装置に対して、第3ガス津路12、第3冷却トラップ13及び第3検知手段14を付加したものである。
【0082】
すなわち、この検知装置では、ガス供給口1に対して、前記第1ガス通路3、前記第2ガス通路4及び第3ガス通路12が互いに並列的に接続されている。そして、第3ガス通路12には第3冷却トラップ13が配設されるとともに、この第3冷却トラップ13の下流側の第3ガス通路12に第3検知手段14が配設され、この第3検知手段14が出力する第3検知信号が前記演算手段11に入力されるようになっている。
【0083】
この第3冷却トラップ13は、前記第2冷却トラップ8と同様の構成を有するものである。また、前記第1冷却トラップ5と同様、冷却媒体としてアルコール又はペルチェ素子を用い、冷却温度は、ホルムアルデヒドが凝縮する温度よりも高くかつホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としてのブタンが凝縮する温度以下の温度、具体的には−10〜−20℃とされている。
【0084】
なお、第3検知手段14は、前記第1検知手段7及び前記第2検知手段10と同様、FID(Flame ionization detector、水素炎イオン化検出器)よりなり、ガス中に含まれる炭化水素をイオン化させ、その量に応じて流れる電流を電圧として取り出すものである。
【0085】
その他の構成は前記実施形態2と同様である。
【0086】
ガス供給口1から第3ガス通路12に導かれたサンプルガスは第3冷却トラップ13に送られ、ホルムアルデヒドが凝縮する温度よりも高くかつホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としてのブタンが凝縮する温度以下の温度に冷却されることにより、ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としてのブタンのみが凝縮して捕集、除去される。このため、この第3冷却トラップ13を通過した後のガスの成分はホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分(本実施形態では、メタン、エタン、プロパン、CO2 及びCO)のみとなる。
【0087】
そして、この第3冷却トラップ13を通過した後のガスはそのまま第3検知手段14へ送られる。第3検知手段14は、該ガス中の炭化水素量を検知して第3検知信号として演算手段11へ出力する。
【0088】
こうして第3検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(本実施形態では、メタン、エタン、プロパン及びブタン)からホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素(本実施形態では、ブタン)を除いた炭化水素(本実施形態では、メタン、エタン及びプロパン)の量となる。このため、この第3検知信号により、サンプルガス中に含まれていたメタン、エタン及びプロパンの合計量が判明する。
【0089】
なお、本実施形態の検知装置によれば、サンプルガスのホルムアルデヒド濃度を測定すると同時に、そのサンプルガス中に含まれるメタン、エタン及びプロパンの合計量や濃度を測定することができるので、例えば、模擬的な反応ガス中の濃度を管理する際に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係るホルムアルデヒドの検知装置の全体構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】実施形態2に係るホルムアルデヒドの検知装置の全体構成を模式的に示すブロック図である。
【図3】実施形態3に係るホルムアルデヒドの検知装置の全体構成を模式的に示すブロック図である。
【図4】実施形態4に係るホルムアルデヒドの検知装置の全体構成を模式的に示すブロック図である。
【図5】本実施形態に係る冷却トラップの構成を模式的に示す模式図である。
【図6】従来のホルムアルデヒドの検知装置の全体構成を模式的に示すブロック図である。
【符号の説明】
1…ガス供給口 2…ガス供給路
3…第1ガス通路 4…第2ガス通路
5…第1冷却トラップ 6…第1触媒体
7…第1検知手段(FID) 8…第2冷却トラップ
9…第2触媒体 10…第2検知手段(FID)
11…演算手段
【発明の属する技術分野】
本発明はホルムアルデヒドの検知装置に関する。本発明のホロムアルデヒドの検知装置は、例えば、車室内や屋内の空気や特にアルコールを燃料とするエンジンの排気ガスについて、ホルムアルデヒド濃度を測定する際に好適に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】
ホルムアルデヒドは、近年のVOC(Volatile Organic Compounds、溶剤など揮発性有機化合物の割合)規制の対象として初めから取り上げられている成分の一つである。そして、住宅関連産業では室内のホルムアルデヒド濃度について規制指針が示されている他、自動車産業においても車室内のホルムアルデヒド濃度について自主的な規制が進行している。特に欧州では、車室内のホルムアルデヒド濃度を低減させるための対策が既に講じられている。
【0003】
車室内等の空気や排気ガスのホルムアルデヒド濃度を測定する装置として、図6に示されるように、サンプルガス入口80と、第1、第2キャリアガス入口81、82と、水素供給口83、84と、空気供給口85と、排気口86と、サンプルガスを該サンプルガス中に含まれる各成分ガス毎に分離すべく直列的に接続された複数の分離カラム(プレカットカラム87、メインカラム88と、)と、サンプルガスを貯留するサンプルループ89と、水素雰囲気下でホルムアルデヒドをメタンガスに還元するNi触媒体90と、メタンガス量を検知するFID91と、6方切換弁92と、8方切換弁93とを主に備えたホルムアルデヒドの検知装置(例えば、特許文献1参照。)が知られている。
【0004】
このホルムアルデヒドの検知装置では、6方切換弁92及び8方切換弁93を図6に示す状態にして、サンプルガス入口80からサンプルガスを供給し、このサンプルガスをいったんサンプルループ89内に溜める。そして、6方切換弁92を図6に示す状態から反時計回りに1ステップ回転させ、サンプルループ89内に溜まった一定量のサンプルガスを第1キャリアガス入口81からのキャリアガスにより8方切換弁93を経てプレカットカラム87に送る。このプレカットカラム87は、サンプルガスに含まれている大量のCO2 ガスを分離して、CO2 ガスのみを排気口86から系外に排出させる。そして、ホルムアルデヒドがプレカットカラム87内に滞留している間に8方切換弁93を図6に示す状態から反時計回りに1ステップ回転させ、プレカットカラム88内のホルムアルデヒド及び他の有機成分を第2キャリアガス入口82からのキャリアガスにより8方切換弁93を経てメインカラム88に送る。このメインカラム88は、ホルムアルデヒド以外の有機成分を分離、除去し、ホルムアルデヒドのみをNi触媒体90に送る。このNi触媒体90には水素供給口83から水素が導入されているため、ホルムアルデヒドは水素雰囲気下でNi触媒体90によりメタンガスに還元され、このメタンガスがFID91に送られてメタンガス量として検知される。そして、検知されたメタンガス量から一定量のサンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド量、すなわちホルムアルデヒド濃度を演算により求める。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−289002号公報(第3頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のホルムアルデヒドの検知装置は、複数の分離カラム(プレカットカラム87とメインカラム88)を直列的に接続し、それぞれの分離カラムで順次、特定のガス成分を分離、除去する構成であるため、ホルムアルデヒドの検知に要する総時間は、各分離カラムでガス成分を分離、除去するために要する時間の合計以上となり、検知に時間がかかる。
【0007】
また、この検知装置では、サンプルループ89内に貯留された一定量のサンプルガスについて、バッチ処理方式によりホルムアルデヒド濃度を測定するため、連続的に測定することができず、過度期の状態をモニターする際に効率が悪くなる。
【0008】
さらに、この検知装置は、サンプルループ89内に一定量のサンプルガスを貯留するための6方切換弁92や、プレカットカラム87でCO2 を分離、除去すべく、CO2 が通過した後にプレカットカラム87内に滞留しているホルムアルデヒド等をメインコラム88へ送るための8方切換弁93を構成要素として含むため、その構造や操作が複雑である。
【0009】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、検知時間が短く、また、連続測定が可能で、しかも簡単な構造よりなるホルムアルデヒドの検知装置を提供することを解決すべき技術課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1記載のホルムアルデヒドの検知装置は、ホルムアルデヒドを含むサンプルガスが供給されるガス供給口と、該ガス供給口に対して互いに並列的に接続された第1及び第2ガス通路と、前記第1ガス通路に配設され、前記ガス供給口より供給された前記サンプルガスに含まれるホルムアルデヒド及び酸化炭素を水素雰囲気下で還元して炭化水素にする第1触媒体と、前記第2ガス通路に配設され、前記ガス供給口より供給された前記サンプルガスからホルムアルデヒドを捕集、除去しうる捕集手段と、前記第2ガス通路に配設されて前記捕集手段を通過した後のガスが送られ、該ガスに含まれる酸化炭素を水素雰囲気下で還元して炭化水素にする第2触媒体と、前記第1触媒体を通過した後のガスが送られ、該ガス中の炭化水素量を検知して第1検知信号として出力するととともに、前記第2触媒体を通過した後のガスが送られ、該ガス中の炭化水素量を検知して第2検知信号として出力する検知手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0011】
このホルムアルデヒドの検知装置では、ガス供給口に対して第1及び第2ガス通路が互いに並列的に接続されていることから、ガス供給口から供給されたサンプルガスが第1ガス通路と第2ガス通路とにそれぞれ導かれる。
【0012】
第1ガス通路に導かれたサンプルガスはそのまま第1触媒体へ送られ、該サンプルガス中に含まれるホルムアルデヒド及び酸化炭素(CO2 やCO等)が水素雰囲気下で還元されて炭化水素(メタン等)とされる。そして、この第1触媒体を通過した後のガスが検知手段へ送られ、検知手段は該ガス中の炭化水素量を検知して第1検知信号として出力する。こうして第1検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(メタン、エタン、プロパンやブタン等)量と、サンプルガスに含まれていたホルムアルデヒド及び酸化炭素(CO2 やCO等)が第1触媒体で還元されて発生した炭化水素(メタン等)量との合計となる。このため、この第1検知信号により、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド、炭化水素及び酸化炭素の合計量が判明する。
【0013】
一方、第2ガス通路に導かれたサンプルガスは捕集手段でホルムアルデヒドが捕集、除去されてから第2触媒体へ送られ、該ガス中に含まれる酸化炭素(CO2 やCO等)が水素雰囲気下で還元されて炭化水素(メタン等)とされる。そして、この第2触媒体を通過した後のガスが検知手段へ送られ、検知手段は該ガス中の炭化水素量を検知して第2検知信号として出力する。こうして第2検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(メタン、エタン、プロパンやブタン等)量と、サンプルガスに含まれていた酸化炭素(CO2 やCO等)が第2触媒体で還元されて発生した炭化水素(メタン等)量との合計となる。このため、この第2検知信号により、サンプルガス中に含まれていた炭化水素及び酸化炭素の合計量が判明する。
【0014】
したがって、上記第1検知信号と上記第2検知信号との比較により、すなわち両者の差{(第1検知信号から得られたホルムアルデヒド、炭化水素及び酸化炭素の合計量)−(第2検知信号から得られた炭化水素及び酸化炭素の合計量)}を求めることにより、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド量を検知することができる。そして、供給口に供給されるサンプルガスの単位時間当たりの供給量と、単位時間当たりに検知されるホルムアルデヒド量とから、サンプルガスのホルムアルデヒド濃度を測定することが可能となる。
【0015】
このように本発明のホルムアルデヒドの検知装置では、ガス供給口に対して第1及び第2ガス通路が互いに並列的に接続されており、第1ガス通路でのホルムアルデヒド及び酸化炭素の還元と、第2ガス通路でのホルムアルデヒドの捕集、除去及び酸化炭素の還元とが、同時期に並列的に行われることから、検知にかかる時間の短縮化を図ることができる。
【0016】
また、この検知装置では、サンプルガスをいったん系内に貯留する必要がなく、ガス供給口にサンプルガスを連続的に供給しながら上記検知手段により検知することができる。したがって、過度期の状態をモニターする際に、バッチ処理方式よりも効率よく測定することが可能となる。また、連続的に供給されるサンプルガス中のホルムアルデヒド濃度を逐次測定することができることから、車室内等のホルムアルデヒド濃度が連続的に変化する様子を調べることが可能となる。
【0017】
さらに、この検知装置は、サンプルガスを系内に貯留する等のための切換弁等を必要としないことから、その構造や操作も簡単となる。
【0018】
(2)サンプルガスからホルムアルデヒドを捕集、除去しうる前記捕集手段としては、一般のガスクロマトグラフィに用いられる分離カラム(カラム中に充填された充填物に対する各ガス分子の吸着性や溶解性の差異によって、各ガス分子がカラム内を移動する速度に差が生じることを利用して、各ガス成分を分離する物)を利用することも可能であるが、ホルムアルデヒド及び該ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分を冷却・凝縮することにより捕集、除去しうる冷却トラップとすることが好ましい。
【0019】
前記捕集手段として上記冷却トラップを採用した場合は、冷却トラップでは冷却・凝縮されるガス成分(ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等))のみが捕集、除去され、その他のガス成分、すなわちホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分は通過速度を低下させることなく冷却トラップをそのまま通過する。このため、検知にかかる時間の短縮化をより図ることができる。
【0020】
ここに、この冷却トラップでは、ホルムアルデヒドが凝縮する温度以下でかつ該サンプルガス中に含まれているガス成分であってホルムアルデヒドの次に沸点の低い第1低沸成分が凝縮する温度よりも高い温度に冷却されることにより、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等)のみが凝縮して捕集、除去される。このため、この冷却トラップを通過した後のガスの成分はホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分のみとなる。そして、この低沸成分のみからなるガスは第2触媒体へ送られ、該ガス中に含まれる酸化炭素(CO2 やCO等)が水素雰囲気下で還元されて炭化水素(メタン等)とされる。そして、この第2触媒体を通過した後のガスが検知手段へ送られ、検知手段は該ガス中の炭化水素量を検知して第2検知信号として出力する。こうして第2検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(メタン、エタン、プロパンやブタン等)からホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素(ブタン等)を除いた炭化水素(メタン、エタンやプロパン等)の量と、サンプルガスに含まれていた酸化炭素(CO2 やCO)が第2触媒体で還元されて発生した炭化水素(メタン等)量との合計となる。このため、この第2検知信号により、サンプルガス中に含まれていた炭化水素(ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素を除く)及び酸化炭素の合計量が判明する。
【0021】
一方、第1ガス通路に導かれたサンプルガスはそのまま第1触媒体へ送られ、該サンプルガス中に含まれるホルムアルデヒド及び酸化炭素(CO2 やCO等)が水素雰囲気下で還元されて炭化水素(メタン等)とされる。そして、この第1触媒体を通過した後のガスが検知手段へ送られ、検知手段は該ガス中の炭化水素量を検知して第1検知信号として出力する。こうして第1検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(メタン、エタン、プロパンやブタン等)量と、サンプルガスに含まれていたホルムアルデヒド及び酸化炭素(CO2 やCO等)が第1触媒体で還元されて発生した炭化水素(メタン等)量との合計となる。このため、この第1検知信号により、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド、炭化水素及び酸化炭素の合計量が判明する。
【0022】
したがって、サンプルガス中にホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等)が含まれていない場合は、上記第1検知信号と上記第2検知信号との比較により、すなわち両者の差{(第1検知信号から得られたホルムアルデヒド、炭化水素及び酸化炭素の合計量)−(第2検知信号から得られた炭化水素及び酸化炭素の合計量)}を求めることにより、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド量を検知することができる。そして、供給口に供給されるサンプルガスの単位時間当たりの供給量と、単位時間当たりに検知されるホルムアルデヒド量とから、サンプルガスのホルムアルデヒド濃度を測定することが可能となる。
【0023】
ただし、サンプルガス中にホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等)が含まれている場合は、上記第1検知信号と上記第2検知信号との差[(第1検知信号から得られたホルムアルデヒド、炭化水素及び酸化炭素の合計量)−{第2検知信号から得られた炭化水素(ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素を除く)及び酸化炭素の合計量}]は、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒドとホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素との合計量となってしまい、ホルムアルデヒド量を直接的には検知することができない。
【0024】
(3)そこで、前記捕集手段として前記冷却トラップを採用する場合は、前記第1ガス通路にも捕集手段を配設するとともに、この捕集手段として、前記ガス供給口より供給された前記サンプルガスからホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分を冷却・凝縮することにより捕集、除去しうる冷却トラップを採用することが好ましい。
【0025】
すなわち、請求項3記載のホルムアルデヒドの検知装置は、ホルムアルデヒドを含むサンプルガスが供給されるガス供給口と、該ガス供給口に対して互いに並列的に接続された第1及び第2ガス通路と、前記第1ガス通路に配設され、前記ガス供給口より供給された前記サンプルガスからホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分を冷却・凝縮することにより捕集、除去しうる第1冷却トラップと、前記第1ガス通路に配設されて前記第1冷却トラップを通過した後のガスが送られ、該ガスに含まれるホルムアルデヒド及び酸化炭素を水素雰囲気下で還元して炭化水素にする第1触媒体と、前記第2ガス通路に配設され、前記ガス供給口より供給された前記サンプルガスからホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分を冷却・凝縮することにより捕集、除去しうる第2冷却トラップと、前記第2ガス通路に配設されて前記第2冷却トラップを通過した後のガスが送られ、該ガスに含まれる酸化炭素を水素雰囲気下で還元して炭化水素にする第2触媒体と、前記第1触媒体を通過した後のガスが送られ、該ガス中の炭化水素量を検知して第1検知信号として出力するととともに、前記第2触媒体を通過した後のガスが送られ、該ガス中の炭化水素量を検知して第2検知信号として出力する検知手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0026】
この検知装置では、第1ガス通路に導かれて第1冷却トラップに送られたサンプルガスは、ホルムアルデヒドが凝縮する温度よりも高くかつ当該高沸成分が凝縮する温度以下の温度に冷却されることにより、ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等)のみが凝縮して捕集、除去される。このため、この第1冷却トラップを通過した後のガスの成分はホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分のみとなる。そして、このホルムアルデヒド及び低沸成分のみからなるガスは第1触媒体へ送られ、該ガス中に含まれるホルムアルデヒド及び酸化炭素(CO2 やCO等)が水素雰囲気下で還元されて炭化水素(メタン等)とされる。そして、この第1触媒体を通過した後のガスが検知手段へ送られ、検知手段は該ガス中の炭化水素量を検知して第1検知信号として出力する。こうして第1検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(メタン、エタン、プロパンやブタン等)からホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素(ブタン等)を除いた炭化水素(メタン、エタンやプロパン等)の量と、サンプルガスに含まれていたホルムアルデヒド及び酸化炭素(CO2 やCO)が第1触媒体で還元されて発生した炭化水素(メタン等)量との合計となる。このため、この第1検知信号により、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド、炭化水素(ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素を除く)及び酸化炭素の合計量が判明する。
【0027】
一方、第2ガス通路に導かれて第2冷却トラップに送られたサンプルガスは、ホルムアルデヒドが凝縮する温度以下でかつ該サンプルガス中に含まれているガス成分であってホルムアルデヒドの次に沸点の低い第1低沸成分が凝縮する温度よりも高い温度に冷却されることにより、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等)のみが凝縮して捕集、除去される。このため、この第2冷却トラップを通過した後のガスの成分はホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分のみとなる。そして、この低沸成分のみからなるガスは第2触媒体へ送られ、該ガス中に含まれる酸化炭素(CO2 やCO等)が水素雰囲気下で還元されて炭化水素(メタン等)とされる。そして、この第2触媒体を通過した後のガスが検知手段へ送られ、検知手段は該ガス中の炭化水素量を検知して第2検知信号として出力する。こうして第2検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(メタン、エタン、プロパンやブタン等)からホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素(ブタン等)を除いた炭化水素(メタン、エタンやプロパン等)の量と、サンプルガスに含まれていた酸化炭素(CO2 やCO)が第2触媒体で還元されて発生した炭化水素(メタン等)量との合計となる。このため、この第2検知信号により、サンプルガス中に含まれていた炭化水素(ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素を除く)及び酸化炭素の合計量が判明する。
【0028】
したがって、上記第1検知信号と上記第2検知信号との比較により、すなわち両者の差[(第1検知信号から得られたホルムアルデヒド、炭化水素(ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素を除く)及び酸化炭素の合計量)−{第2検知信号から得られた炭化水素(ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素を除く)及び酸化炭素の合計量}]を求めることにより、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド量を検知することができる。そして、供給口に供給されるサンプルガスの単位時間当たりの供給量と、単位時間当たりに検知されるホルムアルデヒド量とから、サンプルガスのホルムアルデヒド濃度を測定することが可能となる。
【0029】
(4)また、前記捕集手段として前記冷却トラップを採用する場合は、以下の態様とすることがより好ましい。
【0030】
すなわち、請求項4記載のホルムアルデヒドの検知装置は、ホルムアルデヒドを含むサンプルガスが供給されるガス供給口と、該ガス供給口に一端が接続されたガス供給路と、該ガス供給路の他端から分岐して該ガス供給路に対して互いに並列的に接続された第1及び第2ガス通路と、前記ガス供給路に配設され、前記ガス供給口より供給された前記サンプルガスからホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分を冷却・凝縮することにより捕集、除去しうる第1冷却トラップと、前記第1ガス通路に配設されて前記第1冷却トラップを通過した後のガスが送られ、該ガスに含まれるホルムアルデヒド及び酸化炭素を水素雰囲気下で還元して炭化水素にする第1触媒体と、前記第2ガス通路に配設されて前記第1冷却トラップを通過した後のガスが送られ、該ガスからホルムアルデヒドを冷却・凝縮することにより捕集、除去しうる第2冷却トラップと、前記第2ガス通路に配設されて前記第2冷却トラップを通過した後のガスが送られ、該ガスに含まれる酸化炭素を水素雰囲気下で還元して炭化水素にする第2触媒体と、前記第1触媒体を通過した後のガスが送られ、該ガス中の炭化水素量を検知して第1検知信号として出力するととともに、前記第2触媒体を通過した後のガスが送られ、該ガス中の炭化水素量を検知して第2検知信号として出力する検知手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0031】
この検知装置では、ガス供給口に一端が接続されたガス供給通路に第1冷却トラップが配設されるとともに、このガス供給通路の他端が分岐して並列配置された第1及び第2ガス通路に接続されていることから、ガス供給口から供給されたサンプルガスがまずガス供給通路に配設された第1冷却トラップに送られ、この第1冷却トラップを通過した後のガスが第1及び第2ガス通路に導かれる。
【0032】
第1冷却トラップに送られたサンプルガスは、ホルムアルデヒドが凝縮する温度よりも高くかつ当該高沸成分が凝縮する温度以下の温度に冷却されることにより、ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等)のみが凝縮して捕集、除去される。このため、この第1冷却トラップを通過した後のガスの成分はホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分のみとなる。そして、このホルムアルデヒド及び低沸成分のみからなるガスは、ガス供給口(ガス供給通路)に対して互いに並列的に接続された第1ガス通路及び第2ガス通路へ導かれる。
【0033】
第1ガス通路に導かれたホルムアルデヒド及び低沸成分のみからなるガスは第1触媒体へ送られ、該ガス中に含まれるホルムアルデヒド及び酸化炭素(CO2 やCO等)が水素雰囲気下で還元されて炭化水素(メタン等)とされる。そして、この第1触媒体を通過した後のガスが検知手段へ送られ、検知手段は該ガス中の炭化水素量を検知して第1検知信号として出力する。こうして第1検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(メタン、エタン、プロパンやブタン等)からホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素(ブタン等)を除いた炭化水素(メタン、エタンやプロパン等)の量と、サンプルガスに含まれていたホルムアルデヒド及び酸化炭素(CO2 やCO)が第1触媒体で還元されて発生した炭化水素(メタン等)量との合計となる。このため、この第1検知信号により、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド、炭化水素(ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素を除く)及び酸化炭素の合計量が判明する。
【0034】
一方、第2ガス通路に導かれたホルムアルデヒド及び低沸成分のみからなるガスは第2冷却トラップに送られ、ホルムアルデヒドが凝縮する温度以下でかつ該サンプルガス中に含まれているガス成分であってホルムアルデヒドの次に沸点の低い第1低沸成分が凝縮する温度よりも高い温度に冷却されることにより、ホルムアルデヒドのみが凝縮して捕集、除去される。このため、この第2冷却トラップを通過した後のガスの成分はホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分のみとなる。そして、この低沸成分のみからなるガスは第2触媒体へ送られ、該ガス中に含まれる酸化炭素(CO2 やCO等)が水素雰囲気下で還元されて炭化水素(メタン等)とされる。そして、この第2触媒体を通過した後のガスが検知手段へ送られ、検知手段は該ガス中の炭化水素量を検知して第2検知信号として出力する。こうして第2検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(メタン、エタン、プロパンやブタン等)からホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素(ブタン等)を除いた炭化水素(メタン、エタンやプロパン等)の量と、サンプルガスに含まれていた酸化炭素(CO2 やCO)が第2触媒体で還元されて発生した炭化水素(メタン等)量との合計となる。このため、この第2検知信号により、サンプルガス中に含まれていた炭化水素(ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素を除く)及び酸化炭素の合計量が判明する。
【0035】
したがって、上記第1検知信号と上記第2検知信号との比較により、すなわち両者の差[(第1検知信号から得られたホルムアルデヒド、炭化水素(ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素を除く)及び酸化炭素の合計量)−{第2検知信号から得られた炭化水素(ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素を除く)及び酸化炭素の合計量}]を求めることにより、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド量を検知することができる。そして、供給口に供給されるサンプルガスの単位時間当たりの供給量と、単位時間当たりに検知されるホルムアルデヒド量とから、サンプルガスのホルムアルデヒド濃度を測定することが可能となる。
【0036】
また、この態様の装置では、第1冷却トラップを通過した後のガス、すなわち第1冷却トラップでホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等)が捕集、除去されてホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分のみからなるガスが、第2冷却トラップへ送られることから、前記(3)のように供給口から供給されたサンプルガスがそのまま第2冷却トラップへ送られる場合と比較して、第2冷却トラップにおけるトラップ効率が高く、他成分の干渉を低減させることができ、高精度な測定をする上で有利となる。
【0037】
(5)好適な態様において、前記第1検知信号と前記第2検知信号との比較により、前記サンプルガス中のホルムアルデヒド量を演算する演算手段を備えている。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0039】
(第1実施形態)
本実施形態は、請求項1、2又は5に記載の発明を具現化したものである。なお、本実施形態では、ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等)が含まれていないサンプルガスを用いる。
【0040】
本実施形態に係るホルムアルデヒドの検知装置は、図1に示されるように、ガス供給口1と、このガス供給口1に一端が接続されたガス供給路2と、このガス供給路2の他端から分岐して該ガス供給路2に対して互いに並列的に接続された第1ガス通路3及び第2ガス通路4と、第1ガス通路3に配設された第1触媒体6と、この第1触媒体6の下流側の第1ガス通路3に配設された第1検知手段7と、第2ガス通路4に配設された第2冷却トラップ8と、この第2冷却トラップ8の下流側の第2ガス通路4に配設された第2触媒体9と、この第2触媒体9の下流側の第2ガス通路4に配設された第2検知手段10と、第1検知手段7が出力する第1検知信号及び第2検知手段10が出力する第2検知信号が入力される演算手段11とを主に備えている。
【0041】
上記ガス供給口1には、ホルムアルデヒドを含むサンプルガスが一定の供給量で供給される。本実施形態では、ホルムアルデヒド(沸点:−21℃)、メタン(沸点−164℃)、エタン(沸点−93℃)、プロパン(沸点−45℃)、CO2 (沸点:−56.5℃)、CO(沸点−191.5℃)及び残部炭素を含まないガスよりなるサンプルガスを用いた。
【0042】
上記第1触媒体6及び上記第2触媒体9はいずれもNi触媒体よりなる。そして、第1触媒体6及び第2触媒体9は、図示しない水素供給源からの水素が供給可能となっている。
【0043】
上記第2冷却トラップ8は、図5に模式的に示されるように、冷却媒体入口21a及び冷却媒体出口21bをもつ外側ケース21と、この外側ケース21内に収容され、両端開口部22a、22aがそれぞれ上記第2ガス通路4に接続された内側ケース22と、この内側ケース22内に収容されたハニカム体23と、冷却媒体入口21a及び冷却媒体出口21bを介して外側ケース21と内側ケース22との間の内部空間24に冷却媒体を所定の循環量で循環させうる冷却媒体循環手段(図示せず)とを備えている。なお、外側ケース21、内側ケース22及びハニカム体23は熱伝導性の高い金属(具体的にはアルミニウム又はアルミニウム合金)よりなる。
【0044】
この冷却トラップ8では、冷却媒体循環手段で冷却媒体の循環量を適宜調整しながら上記内部空間24内で冷却媒体を循環させることにより、所定の冷却温度に設定可能となされている。
【0045】
そして、本実施形態における第2冷却トラップ8では、冷却媒体として液体窒素を用いを用い、冷却温度は、ホルムアルデヒドが凝縮する温度以下でかつサンプルガス中に含まれているガス成分であってホルムアルデヒドの次に沸点の低い第1低沸成分としてのプロパンが凝縮する温度よりも高い温度、具体的には−30〜−50℃とされている。
【0046】
上記第1検知手段7及び上記第2検知手段10はいずれもFID(Flameionization detector、水素炎イオン化検出器)よりなる。そして、第1検知手段7及び第2検知手段10は、図示しない水素供給源及び酸素供給源からの水素及び酸素が供給可能となっている。なお、このFIDは、電気伝導度がガス中の荷電粒子の濃度に比例することを応用した検出器で、ガス中に水素を一定割合で混合し、それを酸素雰囲気中で燃焼させ、ガス中に含まれる炭化水素をイオン化させ、その量に応じて流れる電流を電圧として取り出すものである。
【0047】
上記演算手段11は、マイクロコンピュータ等のデータ処理機よりなる。
【0048】
このホルムアルデヒドの検知装置では、ガス供給口1から所定の供給量で供給されたサンプルガスはガス供給路2を介して第1ガス通路3と第2ガス通路4とにそれぞれ導かれる。
【0049】
第1ガス通路3に導かれたサンプルガスはそのまま第1触媒体6へ送られ、該サンプルガス中に含まれるホルムアルデヒド、CO2 及びCOが水素雰囲気下で還元されてメタンとされる。そして、この第1触媒体6を通過した後のガスが第1検知手段7へ送られる。第1検知手段7は、該ガス中の炭化水素量を検知して第1検知信号として演算手段11へ出力する。
【0050】
こうして第1検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(本実施形態では、メタン、エタン及びプロパン)量と、サンプルガスに含まれていたホルムアルデヒド及び酸化炭素(本実施形態では、CO2 及びCO)が第1触媒体6で還元されて発生した炭化水素(本実施形態では、メタン)量との合計となる。このため、この第1検知信号により、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド、メタン、エタン、プロパン、CO2 及びCOの合計量が判明する。
【0051】
一方、第2ガス通路4に導かれたサンプルガスは第2冷却トラップ8へ送られる。この第2冷却トラップ8では、サンプルガスが上記内側ケース22内のハニカム体23を通過する間に、ホルムアルデヒドが凝縮する温度以下でかつサンプルガス中に含まれているガス成分であってホルムアルデヒドの次に沸点の低い第1低沸成分たるプロパンが凝縮する温度よりも高い温度に冷却されることにより、サンプルガス中のホルムアルデヒドのみが凝縮して捕集、除去される。このため、この第2冷却トラップ8を通過した後のガスの成分はホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分(本実施形態では、メタン、エタン、プロパン、CO2 及びCO)のみとなる。そして、この低沸成分のみからなるガスは第2触媒体9へ送られ、該ガス中に含まれるCO2 及びCOが水素雰囲気下で還元されてメタンとされる。そして、この第2触媒体9を通過した後のガスが第2検知手段10へ送られる。第2検知手段10は、該ガス中の炭化水素量を検知して第2検知信号として演算手段11へ出力する。
【0052】
こうして第2検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(本実施形態では、メタン、エタン及びプロパン)量と、サンプルガスに含まれていた酸化炭素(本実施形態では、CO2 及びCO)が第2触媒体9で還元されて発生した炭化水素(本実施形態では、メタン)量との合計となる。このため、この第2検知信号により、サンプルガス中に含まれていたメタン、エタン、プロパン、CO2 及びCOの合計量が判明する。
【0053】
したがって、演算手段11において、上記第1検知信号と上記第2検知信号との比較により、すなわち両者の差{(第1検知信号から得られたホルムアルデヒド、メタン、エタン、プロパン、CO2 及びCOの合計量)−(第2検知信号から得られたメタン、エタン、プロパン、CO2 及びCOの合計量)}を求めることにより、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド量を検知することができる。そして、ガス供給口1に供給されるサンプルガスの単位時間当たりの供給量と、単位時間当たりに検知されるホルムアルデヒド量とから、サンプルガスのホルムアルデヒド濃度を測定することが可能となる。
【0054】
このように本実施形態のホルムアルデヒドの検知装置では、ガス供給口1に対して第1ガス通路3及び第2ガス通路4が互いに並列的に接続されており、第1ガス通路3でのホルムアルデヒド、CO2 及びCOの還元と、第2ガス通路4でのホルムアルデヒドの捕集、除去並びにCO2 及びCOの還元とが、同時期に並列的に行われることから、検知にかかる時間の短縮化を図ることができる。
【0055】
また、この検知装置では、サンプルガスをいったん系内に貯留する必要がなく、ガス供給口1にサンプルガスを連続的に供給しながら、サンプルガスのホルムアルデヒド濃度を測定することができる。したがって、過度期の状態をモニターする際に、バッチ処理方式よりも効率よく測定することが可能となる。また、連続的に供給されるサンプルガス中のホルムアルデヒド濃度を逐次測定することができることから、車室内等のホルムアルデヒド濃度が連続的に変化する様子を調べることが可能となる。
【0056】
さらに、この検知装置は、サンプルガスを系内に貯留する等のための切換弁等を必要としないことから、その構造や操作も簡単となる。
【0057】
また、サンプルガスからホルムアルデヒドを捕集、除去しうる捕集手段としては、第2冷却トラップ8を採用していることから、ガスの通過速度が第2冷却トラップ8で低下することがなく、検知にかかる時間の短縮化をより図ることができる。
【0058】
なお、本実施形態の検知装置によれば、ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等)が含まれていないサンプルガスについて、ホルムアルデヒドの濃度を測定することができることから、例えば、模擬的な反応ガス中の濃度を管理する際に好適に用いることができる。
【0059】
(実施形態2)
本実施形態は、請求項3又は5に記載の発明を具現化したものである。なお、本実施形態では、ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等)が含まれているサンプルガスを用いる。具体的には、ホルムアルデヒド、メタン、エタン、プロパン、ブタン(沸点0.6℃)、CO2 、CO及び残部炭素を含まないガスよりなるサンプルガスを用いた。
【0060】
本実施形態に係るホルムアルデヒドの検知装置は、図2に示されるように、第1ガス供給路3に第1冷却トラップ5が配設され、この第1冷却トラップ5の下流側の第1ガス通路3に前記第1触媒体6が配設されている。
【0061】
この第1冷却トラップ5は、前記第2冷却トラップ8と同様の構成を有するものである。そして、本実施形態における第1冷却トラップ5は、冷却媒体としてアルコール又はペルチェ素子を用い、冷却温度は、ホルムアルデヒドが凝縮する温度よりも高くかつホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としてのブタンが凝縮する温度以下の温度、具体的には−10〜−20℃とされている。
【0062】
その他の構成は前記実施形態1と同様である。
【0063】
この検知装置では、第1ガス通路3に導かれて第1冷却トラップ5に送られたサンプルガスは、ホルムアルデヒドが凝縮する温度よりも高くかつ当該高沸成分が凝縮する温度以下の温度に冷却されることにより、ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(本実施形態では、ブタン)のみが凝縮して捕集、除去される。このため、この第1冷却トラップ5を通過した後のガスの成分はホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分(本実施形態では、メタン、エタン、プロパン、CO2 及びCO)のみとなる。そして、このホルムアルデヒド及び低沸成分のみからなるガスは第1触媒体6へ送られ、該ガス中に含まれるホルムアルデヒド、CO2 及びCOが水素雰囲気下で還元されてメタンとされる。そして、この第1触媒体6を通過した後のガスが第1検知手段7へ送られる。第1検知手段7は、該ガス中の炭化水素量を検知して第1検知信号として演算手段11へ出力する。
【0064】
こうして第1検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(本実施形態では、メタン、エタン、プロパン及びブタン)からホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素(本実施形態では、ブタン)を除いた炭化水素(本実施形態では、メタン、エタン及びプロパン)の量と、サンプルガスに含まれていたホルムアルデヒド及び酸化炭素(本実施形態では、CO2 及びCO)が第1触媒体6で還元されて発生した炭化水素(本実施形態では、メタン)量との合計となる。このため、この第1検知信号により、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド、メタン、エタン、プロパン、CO2 及びCOの合計量が判明する。
【0065】
一方、第2ガス通路4に導かれたサンプルガスは第2冷却トラップ8に送られ、ホルムアルデヒドが凝縮する温度以下でかつ該サンプルガス中に含まれているガス成分であってホルムアルデヒドの次に沸点の低い第1低沸成分としてのプロパンが凝縮する温度よりも高い温度に冷却されることにより、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としてのブタンのみが凝縮して捕集、除去される。このため、この第2冷却トラップ8を通過した後のガスの成分はホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分(本実施形態では、メタン、エタン、プロパン、CO2 及びCO)のみとなる。そして、この低沸成分のみからなるガスは第2触媒体9へ送られ、該ガス中に含まれるCO2 及びCOが水素雰囲気下で還元されてメタンとされる。そして、この第2触媒体9を通過した後のガスが第2検知手段10へ送られ、第2検知手段10は該ガス中の炭化水素量を検知して第2検知信号として演算手段11出力する。
【0066】
こうして第2検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(本実施形態では、メタン、エタン、プロパン及びブタン)からホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素(本実施形態では、ブタン)を除いた炭化水素(本実施形態では、メタン、エタン及びプロパン)の量と、サンプルガスに含まれていた酸化炭素(本実施形態では、CO2 及びCO)が第2触媒体9で還元されて発生した炭化水素(本実施形態では、メタン)量との合計となる。このため、この第2検知信号により、サンプルガス中に含まれていたメタン、エタン、プロパン、CO2 及びCOの合計量が判明する。
【0067】
したがって、演算手段11において、上記第1検知信号と上記第2検知信号との比較により、すなわち両者の差{(第1検知信号から得られたホルムアルデヒド、メタン、エタン、プロパン、CO2 及びCOの合計量)−(第2検知信号から得られたメタン、エタン、プロパン、CO2 及びCOの合計量)}を求めることにより、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド量を検知することができる。そして、ガス供給口1に供給されるサンプルガスの単位時間当たりの供給量と、単位時間当たりに検知されるホルムアルデヒド量とから、サンプルガスのホルムアルデヒド濃度を測定することが可能となる。
【0068】
なお、本実施形態の検知装置によれば、ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等)が含まれているサンプルガスについて、ホルムアルデヒドの濃度を測定することができることから、例えば、車室内や室内のホルムアルデヒド濃度を測定したり、あるいは車室内に配置される個々の構成部品のホルムアルデヒド発生量を評価したりする際に好適に用いることができる。
【0069】
(実施形態3)
本実施形態は、請求項4又は5に記載の発明を具現化したものである。なお、本実施形態では、ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等)が含まれているサンプルガスを用いる。具体的には、実施形態2と同様、ホルムアルデヒド、メタン、エタン、プロパン、ブタン、CO2 、CO及び残部炭素を含まないガスよりなるサンプルガスを用いた。
【0070】
本実施形態に係るホルムアルデヒドの検知装置は、図3に示されるように、ガス供給路2に前記第1冷却トラップ5が配設されている。
【0071】
その他の構成は前記実施形態1と同様である。
【0072】
この検知装置では、ガス供給口1に一端が接続されたガス供給通路2に第1冷却トラップ5が配設されるとともに、このガス供給通路2の他端が分岐して並列配置された第1ガス通路3及び第2ガス通路4に接続されていることから、ガス供給口1から供給されたサンプルガスがまずガス供給通路2に配設された第1冷却トラップ5に送られ、この第1冷却トラップ5を通過した後のガスが第1ガス通路3及び第2ガス通路4に導かれる。
【0073】
第1冷却トラップ5に送られたサンプルガスは、ホルムアルデヒドが凝縮する温度よりも高くかつホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としてのブタンが凝縮する温度以下の温度に冷却されることにより、ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としてのブタンのみが凝縮して捕集、除去される。このため、この第1冷却トラップを通過した後のガスの成分はホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分(本実施形態では、メタン、エタン、プロパン、CO2 及びCO)のみとなる。
【0074】
第1ガス通路3に導かれたホルムアルデヒド及び低沸成分のみからなるガスは第1触媒体6へ送られ、該ガス中に含まれるホルムアルデヒド、CO2 及びCOが水素雰囲気下で還元されてメタンとされる。そして、この第1触媒体6を通過した後のガスが第1検知手段7へ送られ、第1検知手段7は該ガス中の炭化水素量を検知して第1検知信号として演算手段11へ出力する。
【0075】
こうして第1検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(本実施形態では、メタン、エタン、プロパン及びブタン)からホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素(本実施形態では、ブタン)を除いた炭化水素(本実施形態では、メタン、エタン及びプロパン)の量と、サンプルガスに含まれていたホルムアルデヒド、CO2 及びCOが第1触媒体6で還元されて発生したメタン量との合計となる。このため、この第1検知信号により、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド、メタン、エタン、プロパン、CO2 及びCOの合計量が判明する。
【0076】
一方、第2ガス通路4に導かれたホルムアルデヒド及び低沸成分のみからなるガスは第2冷却トラップ8に送られ、ホルムアルデヒドが凝縮する温度以下でかつ該サンプルガス中に含まれているガス成分であってホルムアルデヒドの次に沸点の低い第1低沸成分が凝縮する温度よりも高い温度に冷却されることにより、ホルムアルデヒドのみが凝縮して捕集、除去される。このため、この第2冷却トラップ8を通過した後のガスの成分はホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分のみとなる。そしてこの低沸成分のみからなるガスは第2触媒体9へ送られ、該ガス中に含まれるCO2 及びCOが水素雰囲気下で還元されてメタンとされる。そして、この第2触媒体9を通過した後のガスが第2検知手段10へ送られ、第2検知手段10は該ガス中の炭化水素量を検知して第2検知信号として演算手段11へ出力する。
【0077】
こうして第2検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(本実施形態では、メタン、エタン、プロパン及びブタン)からホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素(本実施形態では、ブタン)を除いた炭化水素(本実施形態では、メタン、エタン及びプロパン)の量と、サンプルガスに含まれていたCO2 及びCO)が第2触媒体9で還元されて発生したメタン量との合計となる。このため、この第2検知信号により、サンプルガス中に含まれていたメタン、エタン、プロパン、CO2 及びCOの合計量が判明する。
【0078】
したがって、演算手段11において、上記第1検知信号と上記第2検知信号との比較により、すなわち両者の差{(第1検知信号から得られたホルムアルデヒド、メタン、エタン、プロパン、CO2 及びCOの合計量)−{第2検知信号から得られたメタン、エタン、プロパン、CO2 及びCOの合計量)}を求めることにより、サンプルガス中に含まれていたホルムアルデヒド量を検知することができる。そして、ガス供給口1に供給されるサンプルガスの単位時間当たりの供給量と、単位時間当たりに検知されるホルムアルデヒド量とから、サンプルガスのホルムアルデヒド濃度を測定することが可能となる。
【0079】
また、この装置では、第1冷却トラップ5を通過した後のガス、すなわち第1冷却トラップ5でホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としてのブタンが捕集、除去されてホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分のみからなるガスが、第2冷却トラップ8へ送られることから、実施形態2のようにガス供給口1から供給されたサンプルガスがそのまま第2冷却トラップ8へ送られる場合と比較して、第2冷却トラップにおけるトラップ効率が向上し、他成分の干渉を低減させることができ、高精度な測定をする上で有利となる。
【0080】
(実施形態4)
本実施形態は、請求項3又は5に記載の発明を具現化したものである。なお、本実施形態では、ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分(ブタン等)が含まれているサンプルガスを用いる。具体的には、実施形態2と同様、ホルムアルデヒド、メタン、エタン、プロパン、ブタン、CO2 、CO及び残部炭素を含まないガスよりなるサンプルガスを用いた。
【0081】
本実施形態に係るホルムアルデヒドの検知装置は、図4に示されるように、実施形態2の検知装置に対して、第3ガス津路12、第3冷却トラップ13及び第3検知手段14を付加したものである。
【0082】
すなわち、この検知装置では、ガス供給口1に対して、前記第1ガス通路3、前記第2ガス通路4及び第3ガス通路12が互いに並列的に接続されている。そして、第3ガス通路12には第3冷却トラップ13が配設されるとともに、この第3冷却トラップ13の下流側の第3ガス通路12に第3検知手段14が配設され、この第3検知手段14が出力する第3検知信号が前記演算手段11に入力されるようになっている。
【0083】
この第3冷却トラップ13は、前記第2冷却トラップ8と同様の構成を有するものである。また、前記第1冷却トラップ5と同様、冷却媒体としてアルコール又はペルチェ素子を用い、冷却温度は、ホルムアルデヒドが凝縮する温度よりも高くかつホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としてのブタンが凝縮する温度以下の温度、具体的には−10〜−20℃とされている。
【0084】
なお、第3検知手段14は、前記第1検知手段7及び前記第2検知手段10と同様、FID(Flame ionization detector、水素炎イオン化検出器)よりなり、ガス中に含まれる炭化水素をイオン化させ、その量に応じて流れる電流を電圧として取り出すものである。
【0085】
その他の構成は前記実施形態2と同様である。
【0086】
ガス供給口1から第3ガス通路12に導かれたサンプルガスは第3冷却トラップ13に送られ、ホルムアルデヒドが凝縮する温度よりも高くかつホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としてのブタンが凝縮する温度以下の温度に冷却されることにより、ホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としてのブタンのみが凝縮して捕集、除去される。このため、この第3冷却トラップ13を通過した後のガスの成分はホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドよりも沸点の低い低沸成分(本実施形態では、メタン、エタン、プロパン、CO2 及びCO)のみとなる。
【0087】
そして、この第3冷却トラップ13を通過した後のガスはそのまま第3検知手段14へ送られる。第3検知手段14は、該ガス中の炭化水素量を検知して第3検知信号として演算手段11へ出力する。
【0088】
こうして第3検知信号として出力された炭化水素量は、サンプルガス中に元々含まれていた炭化水素(本実施形態では、メタン、エタン、プロパン及びブタン)からホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分としての炭化水素(本実施形態では、ブタン)を除いた炭化水素(本実施形態では、メタン、エタン及びプロパン)の量となる。このため、この第3検知信号により、サンプルガス中に含まれていたメタン、エタン及びプロパンの合計量が判明する。
【0089】
なお、本実施形態の検知装置によれば、サンプルガスのホルムアルデヒド濃度を測定すると同時に、そのサンプルガス中に含まれるメタン、エタン及びプロパンの合計量や濃度を測定することができるので、例えば、模擬的な反応ガス中の濃度を管理する際に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係るホルムアルデヒドの検知装置の全体構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】実施形態2に係るホルムアルデヒドの検知装置の全体構成を模式的に示すブロック図である。
【図3】実施形態3に係るホルムアルデヒドの検知装置の全体構成を模式的に示すブロック図である。
【図4】実施形態4に係るホルムアルデヒドの検知装置の全体構成を模式的に示すブロック図である。
【図5】本実施形態に係る冷却トラップの構成を模式的に示す模式図である。
【図6】従来のホルムアルデヒドの検知装置の全体構成を模式的に示すブロック図である。
【符号の説明】
1…ガス供給口 2…ガス供給路
3…第1ガス通路 4…第2ガス通路
5…第1冷却トラップ 6…第1触媒体
7…第1検知手段(FID) 8…第2冷却トラップ
9…第2触媒体 10…第2検知手段(FID)
11…演算手段
Claims (5)
- ホルムアルデヒドを含むサンプルガスが供給されるガス供給口と、
該ガス供給口に対して互いに並列的に接続された第1及び第2ガス通路と、
前記第1ガス通路に配設され、前記ガス供給口より供給された前記サンプルガスに含まれるホルムアルデヒド及び酸化炭素を水素雰囲気下で還元して炭化水素にする第1触媒体と、
前記第2ガス通路に配設され、前記ガス供給口より供給された前記サンプルガスからホルムアルデヒドを捕集、除去しうる捕集手段と、
前記第2ガス通路に配設されて前記捕集手段を通過した後のガスが送られ、該ガスに含まれる酸化炭素を水素雰囲気下で還元して炭化水素にする第2触媒体と、
前記第1触媒体を通過した後のガスが送られ、該ガス中の炭化水素量を検知して第1検知信号として出力するととともに、前記第2触媒体を通過した後のガスが送られ、該ガス中の炭化水素量を検知して第2検知信号として出力する検知手段とを備えていることを特徴とするホルムアルデヒドの検知装置。 - 前記捕集手段は、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分を冷却・凝縮することにより捕集、除去しうる冷却トラップであることを特徴とする請求項1記載のホルムアルデヒドの検知装置。
- ホルムアルデヒドを含むサンプルガスが供給されるガス供給口と、
該ガス供給口に対して互いに並列的に接続された第1及び第2ガス通路と、
前記第1ガス通路に配設され、前記ガス供給口より供給された前記サンプルガスからホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分を冷却・凝縮することにより捕集、除去しうる第1冷却トラップと、
前記第1ガス通路に配設されて前記第1冷却トラップを通過した後のガスが送られ、該ガスに含まれるホルムアルデヒド及び酸化炭素を水素雰囲気下で還元して炭化水素にする第1触媒体と、
前記第2ガス通路に配設され、前記ガス供給口より供給された前記サンプルガスからホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分を冷却・凝縮することにより捕集、除去しうる第2冷却トラップと、
前記第2ガス通路に配設されて前記第2冷却トラップを通過した後のガスが送られ、該ガスに含まれる酸化炭素を水素雰囲気下で還元して炭化水素にする第2触媒体と、
前記第1触媒体を通過した後のガスが送られ、該ガス中の炭化水素量を検知して第1検知信号として出力するととともに、前記第2触媒体を通過した後のガスが送られ、該ガス中の炭化水素量を検知して第2検知信号として出力する検知手段とを備えていることを特徴とするホルムアルデヒドの検知装置。 - ホルムアルデヒドを含むサンプルガスが供給されるガス供給口と、
該ガス供給口に一端が接続されたガス供給路と、
該ガス供給路の他端から分岐して該ガス供給路に対して互いに並列的に接続された第1及び第2ガス通路と、
前記ガス供給路に配設され、前記ガス供給口より供給された前記サンプルガスからホルムアルデヒドよりも沸点の高い高沸成分を冷却・凝縮することにより捕集、除去しうる第1冷却トラップと、
前記第1ガス通路に配設されて前記第1冷却トラップを通過した後のガスが送られ、該ガスに含まれるホルムアルデヒド及び酸化炭素を水素雰囲気下で還元して炭化水素にする第1触媒体と、
前記第2ガス通路に配設されて前記第1冷却トラップを通過した後のガスが送られ、該ガスからホルムアルデヒドを冷却・凝縮することにより捕集、除去しうる第2冷却トラップと、
前記第2ガス通路に配設されて前記第2冷却トラップを通過した後のガスが送られ、該ガスに含まれる酸化炭素を水素雰囲気下で還元して炭化水素にする第2触媒体と、
前記第1触媒体を通過した後のガスが送られ、該ガス中の炭化水素量を検知して第1検知信号として出力するととともに、前記第2触媒体を通過した後のガスが送られ、該ガス中の炭化水素量を検知して第2検知信号として出力する検知手段とを備えていることを特徴とするホルムアルデヒドの検知装置。 - 前記第1検知信号と前記第2検知信号との比較により、前記サンプルガスのホルムアルデヒド濃度を求める演算手段を備えていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のホルムアルデヒドの検知装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002353756A JP2004184318A (ja) | 2002-12-05 | 2002-12-05 | ホルムアルデヒドの検知装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002353756A JP2004184318A (ja) | 2002-12-05 | 2002-12-05 | ホルムアルデヒドの検知装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004184318A true JP2004184318A (ja) | 2004-07-02 |
Family
ID=32754965
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002353756A Pending JP2004184318A (ja) | 2002-12-05 | 2002-12-05 | ホルムアルデヒドの検知装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004184318A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007263678A (ja) * | 2006-03-28 | 2007-10-11 | Taiyo Nippon Sanso Corp | 水素化物ガス中の微量不純物分析方法及び装置 |
JP2009115627A (ja) * | 2007-11-07 | 2009-05-28 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | 希薄物質検出装置 |
JP2013145228A (ja) * | 2011-12-13 | 2013-07-25 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | ガス中のホルムアルデヒド濃度の決定方法 |
WO2022163607A1 (ja) * | 2021-01-26 | 2022-08-04 | ウシオ電機株式会社 | ガス処理装置及びガス検知装置 |
-
2002
- 2002-12-05 JP JP2002353756A patent/JP2004184318A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007263678A (ja) * | 2006-03-28 | 2007-10-11 | Taiyo Nippon Sanso Corp | 水素化物ガス中の微量不純物分析方法及び装置 |
JP2009115627A (ja) * | 2007-11-07 | 2009-05-28 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | 希薄物質検出装置 |
JP2013145228A (ja) * | 2011-12-13 | 2013-07-25 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | ガス中のホルムアルデヒド濃度の決定方法 |
WO2022163607A1 (ja) * | 2021-01-26 | 2022-08-04 | ウシオ電機株式会社 | ガス処理装置及びガス検知装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8584505B2 (en) | Measuring instrument and method for detecting the content of oil, hydrocarbons and oxidizable gases in air or compressed air | |
McClenny et al. | Automated cryogenic preconcentration and gas chromatographic determination of volatile organic compounds in air | |
KR100493624B1 (ko) | 기체 안의 아민 및 다른 염기 분자 오염물을 검출하기 위한 시스템 | |
CN107782819A (zh) | 一种挥发性有机物连续在线监测系统及其监测方法 | |
Odaka et al. | Influence of catalyst deactivation on N2O emissions from automobiles | |
CN206431099U (zh) | 一种挥发性有机物连续在线监测系统 | |
JP7001616B2 (ja) | ガス分析装置及びガス分析方法 | |
CN104280489A (zh) | 一种色谱分析仪 | |
Groves et al. | Analysis of solvent vapors in breath and ambient air with a surface acoustic wave sensor array | |
US7328606B2 (en) | Exhaust gas measuring device and method for measuring exhaust gas | |
JP2004184318A (ja) | ホルムアルデヒドの検知装置 | |
JP3725441B2 (ja) | 気体流れ中の不純物を分析するための方法 | |
US20070055438A1 (en) | Method and apparatus for analysing particulates | |
KR19990023535A (ko) | 대기압 이온화 질량 분광법을 사용하는 초고순도 가스 분석방법 및 장치 | |
EP1710569A1 (en) | Gas analyzer and method for controlling hydrogen flame ionization detector | |
Wu et al. | Clean-air catalyst system for on-road applications: II. Mechanistic studies of pollutant removal | |
Bhuyan et al. | Performance of the prototype gas recirculation system with built-in RGA for INO RPC system | |
JP4874946B2 (ja) | ガス濃縮セルおよびガス濃縮方法 | |
JP2002062288A (ja) | 車載形分析計 | |
US20030162305A1 (en) | Gas contaminant detection and quantification method | |
JP2013057579A (ja) | ガス中の成分の分離捕集方法 | |
JP2722999B2 (ja) | サンプルガス濃縮装置、並びにこれを用いたサンプルガス自動分析装置 | |
JPH06258306A (ja) | ガスクロマトグラフ | |
JP2008145271A (ja) | におい識別装置 | |
Singh et al. | Emission control research to enable fuel efficiency: department of energy heavy vehicle technologies |