JP2004183167A - Anti-pilling knit fabric - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、編地表面の一部が実質的に無撚である紡績糸で構成された、抗ピリング性に優れた編地に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、スポーツ衣料、介護衣、インナー、アウター、ユニフォームなどほとんどの衣料で、吸水・吸湿性が高く肌触りがよいなどの点から、綿などのセルロース系繊維、レーヨンなどの再生繊維、羊毛などの獣毛繊維を主に使用した種々紡績糸が使用されているのは周知のとおりである。しかし、これら天然繊維、再生繊維を主とした紡績糸を使用した衣料は、繊維の性質上、多量の汗を吸収する際に繊維内部まで汗を取り込むため、水分が蒸散しにくく乾燥に時間がかかり、発汗時のベタツキや汗冷えなどの不快感を生ずるものであった。これらの問題を緩和するために、天然繊維、再生繊維とポリエチレンテレフタレートなどの合成繊維短繊維を混紡することにより、繊維内部に取り込まれる水分を減少させ、発汗時のベタツキや汗冷えなどの不快感をさせる手法が用いられてきた。
【0003】
しかしながら、特に繊維の拘束力が比較的低い編物の場合、紡績糸を構成している短繊維が、摩擦、洗濯などの物理的外力により毛羽立ち、引き出され、お互いに絡み合い毛玉(ピル)となって衣料表面に残り外観品位を低下させる問題がある。天然繊維、再生繊維のみからなる紡績糸は、短繊維の強度が比較的低く、形成されたピルが摩擦により脱落し、大きな外観品位低下になることは少ないが、ポリエチレンテレフタレートなどの合成繊維短繊維を含む紡績糸は、天然繊維、再生性繊維に比べ、合成繊維短繊維の強度が高く、上述した毛玉が一度形成されると脱落することなく編地表面に残り、著しく外観品位が低下する問題がある。
【0004】
天然繊維、再生繊維とポリエチレンテレフタレートなどの合成繊維短繊維を混紡した紡績糸を使用した編物は、以上のように毛玉発生の問題が大きく、発汗時のベトツキ、汗冷え防止効果は高いものの、安物の衣料に使用されているのが現状である。
【0005】
これらの問題を解決するため、一般的には編地の密度を高くする方法や、合成繊維短繊維を含む紡績糸を中層もしくは裏側(肌側)に使用する方法が取られてきたが、これらの方法でピルの発生が大きく改善されることはなく、さらに、風合いが硬くなる、生地設計が制限されるといった問題があるため、根本的な解決には至っていない。
【0006】
一方、ピルの脱落を促進させるため、ポリエチレングリコールやスルホン酸金属塩を共重合させた改質ポリエステルや、あるいは極限粘度が0.45以下の低重合ポリエステルを用い、合成繊維短繊維の強度を低下させる方法が提案されている。しかしながら、ピルの発生を防止する効果、すなわち抗ピリング性は得られるものの繊維強度が低下するため、紡績工程での生産性低下、さらには最終製品の物性面、例えば破裂強力などで問題が生じることがある。
【0007】
また、ポリエステルにリン酸、ホスホン酸、およびこれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも一種のリン化合物を添加し、該素材で構成された織編物を染色加工時の高温熱処理工程において加水分解を生じさせ、繊維を脆くさせる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この技術についても、織編物の強度低下をきたし、用途的に制約を受けるものである。
【0008】
さらには、編物を構成する紡績糸中から短繊維が抜け出し、ピルの形成を助長することを防ぐ目的で、紡績糸のヨリ数を高めに設定する方法、編地の裏面にウレタンなどの樹脂をコーティングする方法が提案されているが、いずれも製品の風合いが低下する問題が残されている。
【0009】
一方、鞘側に低強力短繊維、芯側に高強力短繊維を配した空気紡績糸及びその織編物が提案されているが(例えば、特許文献2参照)、低強力短繊維を含むため、紡績糸および織編物としての強力が低下する上、芯側の高強力短繊維を鞘側の低強力短繊維で完全に被覆する必要があるために鞘側の巻き付き繊維が多くなり、紡績糸が非常に硬く締まった形状になり、織編物の風合いが非常に粗硬になるという大きな欠点がある。
【0010】
以上のように、いずれの方法においても、強力低下による高次加工工程通過性不良、製品物性、風合いの低下問題を含みながら抗ピル性の改善を追求したものであり、これらの問題を解決した抗ピリング性に優れた編物を提供することが長年の課題であった。
【0011】
【特許文献1】
特開昭63−135517号公報
【0012】
【特許文献2】
特開2001−192943号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる背景を鑑み、紡績糸、編地の強度低下がなく、風合いを損なうことなく優れた抗ピリング性が付与された編地を提供せんとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、
(1)実質的に無撚である紡績糸が編地表面の面積中の30%以上を占める編地であり、編地表面を構成している該紡績糸の長さ1mm以上の毛羽数が、糸長10cm当たり60個以下であることを特徴とする編地。
【0015】
(2)JIS L 1076 A法に定められているICI法による抗ピリング性が2.5級以上であることを特徴とする請求項1に記載の編地。
【0016】
(3)実質的に無撚である紡績糸が、合成繊維短繊維を20重量%以上含むことを特徴とする前記(1)または(2)に記載の編地。
【0017】
(4)実質的に無撚である紡績糸に含まれる合成繊維短繊維が、ポリエステル系、ポリアミド系、およびポリアクリルニトリル系繊維から選ばれる少なくとも一種からなることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の編地。
【0018】
(5)合成繊維フィラメント糸条が、該編地の少なくとも裏面の面積中の30%以上を占める編地であり、かつ、該編地表面層の裏面層に対する吸水表裏保水率比が2.0倍以上で、吸水表裏拡散面積比が2.0倍以上である吸水性を有することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の編地。
【0019】
(6)該編地が緯編地、または経編地からなることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の編地。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0021】
本発明でいう実質的に無撚である紡績糸とは、撚トルクの作用による撚り戻りの発生量が50個/m以下が好ましく、例えば、3.0回転/inch以下の実撚りがかかっているもの、または無撚状のものであることが好ましい。撚り数が3.0回転/inch以下の場合には、撚りトルクの作用による撚り戻りの発生量が50個/m以下であるので、実質的に無撚構造糸ということができる。ここでいう撚り戻りの発生量は、JIS L 1095(一般紡績糸試験方法)に定められているスナール指数の測定方法に基づき、つかみ間隔を50cmから0cmにした時の撚り戻り数を測定したものである。ただし、糊つけや熱セット等の方法により撚を固定した紡績糸は、撚を固定する前の状態で測定するものとする。
【0022】
実質的に無撚である紡績糸の製造方法として、ローラー方式のドラフト機構を有する空気精紡機が好ましく使用することができる。該空気精紡機は、紡速を変化させることで糸形態を変化させることができ、紡速を280m/分以上にすることにより実質的に無撚である紡績糸を得ることができる。また、紡速は300m/分以上が好ましく、さらには330m/分以上がより好ましい。
【0023】
紡速が370m/分より大きくすると弱糸の発生が多くなり、紡績糸としての強度を保つことが難しくなり好ましくなく、280m/分より小さくすると紡績糸全体が硬く締まった形状となり、衣類にした場合非常にガサついた風合いとなるため好ましくない。
【0024】
本発明の編地に形成する際、合成繊維短繊維を含む実質的に無撚である紡績糸が編地表面の面積中の30%以上、より好ましくは40%以上占めるよう編設計されることが重要である。合成繊維短繊維を含む実質的に無撚である紡績糸の編地表面の面積中の占める割合が30%未満の場合、紡績糸特有のソフトな風合いが得られない上、本発明の要件である吸水性が得にくくなり好ましくない。なお、この合成繊維短繊維を含む実質的に無撚である紡績糸は、一部の繊維により部分的に把持されている形状のため、把持されていない膨らみのある繊維束部分に水分が入り込むことにより高い吸水性能を有している。
【0025】
本発明では、編地表面を構成する紡績糸の糸長10cm当たりの長さ1mm以上の毛羽数が、60個以下であることが重要である。さらには、糸長10cm当たりの長さ1mm以上の毛羽数が40個以下であることがより好ましく、0個のものも含まれる。ここでいう紡績糸の糸長10cm当たりの長さ1mm以上の毛羽数の測定方法は実施例の中で説明する。
【0026】
この糸長10cm当たりの長さ1mm以上の毛羽数が60個よりも多い場合、編地表面の毛羽密度が高くなり、その結果毛羽がお互いに絡みやすくなり、図1に示すとおり抗ピル性を悪化させることになる。
【0027】
本発明の抗ピリング性編地は、JIS L 1076 A法に定められているICI法による抗ピリング性が2.5級以上であることが重要である。該方法による抗ピリング性が2級以下の場合、一般的な合成繊維短繊維を含む紡績糸を使用した編地と、同様に、長期に及ぶ着用によりピルが多く発生し、製品の外観を著しく悪化させるものである。
【0028】
本発明に使用される実質的に無撚である紡績糸には、合成繊維短繊維が20重量%以上、好ましくは30重量%以上含まれるものであり、100重量%のものも含まれる。該紡績糸に含まれる合成繊維短繊維の割合が20重量%未満の場合、本発明の編地の重要な特徴の一つである速乾性が得られなくなる上、多量の発汗時におけるベトツキ感が悪化することになり、本発明には適さない。
【0029】
本発明に使用される合成繊維短繊維は、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリルニトリル系繊維の少なくとも一種からなることが好ましい。例えば、ポリエステル系繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート繊維などを使用することができる。また、ポリアミド系繊維としては、ナイロン6やナイロン66繊維、さらに、アクリル系繊維としては、ポリアクリロニトリル繊維が好ましく用いられる。これらの合成繊維短繊維であれば特に限定されるものではないが、肌面のベトツキ感をより軽減させるためには、吸湿性を有する合成繊維短繊維より疎水性の合成繊維短繊維がより好ましい。その他、ポリビニールアルコール系繊維、ポリ塩化ビニール系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリフルオロエチレン系繊維、パラ系アラミド繊維、メタ系アラミド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維などを使用することができる。
【0030】
また、本発明で使用される合成繊維短繊維の繊維横断面形状は、一般的な丸断面形状、三角断面形状、扁平断面形状、多葉断面形状、中空断面形状以外に、繊維表面に長手方向に沿って複数の凹溝を形成している短繊維を使用することができ、横断面形状例として文字もしくは記号などでモデル的に示すとE、F、H、I、K、M、N、O,T、W、X、Y、Z、+などが挙げられ特に限定されるものではない。
【0031】
さらに、合成繊維短繊維の単繊維繊度としては、0.6〜4.4デシテックスの範囲が好ましい。単繊維繊度が0.6デシテックス未満では、前紡工程を含めた紡績工程通過性が悪化し、単繊維繊度が4.4デシテックスより大きくなると、肌触り感が劣る傾向となる上、紡績自体の構成繊維本数が少なくなるため、紡績糸としても強度が極端に低下することになり、好ましくない。
【0032】
一方、合成繊維短繊維以外の実質的に無撚である紡績糸を構成する繊維は、特に限定されるものではないが、植物質繊維である綿、麻、ケナフ、ラミーなど、動物質繊維である羊毛、カシミヤ、モヘア、絹など、再生繊維であるビスコースレーヨン、キュプラなど、半合性繊維であるアセテート、トリアセテート、さらには、合成繊維フィラメントなどが挙げられる。
【0033】
本発明に使用される実質的に無撚である紡績糸の番手は、特に限定されないが、その狙いとする用途と薄地編地類から厚地編地類まで含めると、15〜60綿番手程度までの範囲を好ましく使用することができる。
【0034】
本発明は、上記要件を満たすことにより、編地の風合いを損なうことなく、高い抗ピリング性と吸水・速乾性を併せ持った編地を得ることができる。しかし、競技シャツの様な激しい発汗を伴う用途にはさらなる汗処理性が要求される場合が多く、この要求を満たすために合成繊維フィラメント糸条が、該編地の少なくとも裏面の面積中の30%以上を占めることが重要である。編地裏面における合成繊維フィラメント糸条の占める割合が30%未満の場合、激しい発汗時のベトツキ感が満足されるものではなく、スポーツ競技シャツなどの用途には適さないものとなり、さらなる汗処理性を得るための重要な要件である、編地表面層の裏面層に対する吸水表裏保水率比が2.0倍以上で、吸水表裏拡散面積比が2.0倍以上であることを達成することが困難となる。
【0035】
本発明に使用される合成繊維フィラメント糸条は、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリルニトリル系、ポリプロピレン系などの従来から衣料用、資材用に使用されているものであればいずれも使用可能であり、特に限定されるものではないが、肌面のベトツキ感をより軽減させるためには、吸湿性の合成繊維より疎水性の合成繊維がより好ましい。
【0036】
例えば、ポリエステル系繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート繊維などを使用することができる。また、ポリアミド系繊維としては、ナイロン6やナイロン66繊維、さらに、ポリアクリロニトリル系繊維としては、アクリル繊維が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
また、合成繊維フィラメント糸条の繊維横断面形状は、一般的な丸断面形状、三角断面形状、扁平断面形状、多葉断面形状、中空断綿形状以外に、繊維表面に長手方向に沿って複数の凹溝を形成しているフィラメントを配置してもよく、横断面形状例として文字もしくは記号などでモデル的に示すとE、F、H、I、K、M、N、O,T、W、X、Y、Z、+などが挙げられ特に限定されるものではない。
【0038】
合成繊維フィラメント糸条の単繊維繊度としては、0.6〜5.5デシテックスの範囲が好ましい。単繊維繊度が0.6デシテックス未満では、肌触りなどは柔らかくなるものの、発汗時の肌面のベトツキ感が増し、さらには速乾性が悪化することになる。一方、単繊維繊度が5.5デシテックスより大きくなると、発汗時のベトツキ感、速乾性には優れるものの、肌触り感が劣る傾向となり好ましくない。
【0039】
これらの合成繊維フィラメント糸条は、延伸糸、捲縮加工糸、あるいは他のフィラメント糸条との混繊糸であっても良いが、好ましくは捲縮加工糸またはその混繊糸を使用するとよい。また、捲縮加工糸としては、特に仮撚加工糸が好ましい。
【0040】
フィラメント糸条の総繊度は、特に限定されないが、その狙いとする用途と薄地編地類から厚地編地類まで含めると、33〜330デシテックス程度までの範囲を好ましく使用することができる。
【0041】
本発明の抗ピリング性編地にさらなる高い吸水・速乾性を付与する場合、該編地表面層の裏面層に対する吸水表裏保水率比が2.0倍以上で、かつ吸水表裏拡散面積比が2.0倍以上である吸水性を有することが重要である。これらの各比率、つまり吸水表裏保水率比および吸水表裏拡散面積比は、好ましくは3.0倍以上、より好ましくは4.0倍以上であるのがよい。かかる比率が2.0倍未満の場合は、肌面で汗のベトツキ感を感じることがあり好ましくなく、20倍より大きい場合は、発汗時の生地表面の濡れ感が増大し、他者との接触時や生地表面を手で触ったとき等に不快感を与えるものであり、好ましいとはいえない。
【0042】
このことにより、激しい運動などで多量に発汗した場合、肌側と接する編地裏面層で吸収した汗を編地表面層へ移動させる吸水・透水性、編地表面層での拡散・蒸散・速乾性のいずれにも優れた性能を兼備することができ、激しい発汗に対してもベトツキ感を軽減し、快適な着用感を得ることができる。
【0043】
このように、編地表面層に実質的に無撚である紡績糸を、裏面層に合成繊維フィラメントを30%以上配置することにより、紡績糸と合成繊維フィラメントの繊維間空隙量の差、つまり編地表面の空隙が編地裏面の空隙より小さくなり、その密度差により毛細管現象を促進させることになる。このような形態にすることにより、激しい発汗にも適した汗処理性を付与することができ、激しい運動等での液体状発汗に対し、好適な衣類や資材等にすることができる。
【0044】
また、狙い用途により、ストレッチ性が要求される場合は、ポリウレタン系弾性繊維に代表される各種のストレッチ性弾性糸とか、ポリエステル系繊維の一種であるポリブチレンテレフタレート系繊維加工糸、あるいは、ポリトリメチレンテレフタレート系繊維加工糸またはポリエチレンテレフタレートポリマーとポリトリメチレンテレフタレートポリマーとのサイドバイサイド型複合糸を交編させることが好ましい。更に肌面のソフト風合化にも、このポリトメチレンテレフタレート系繊維を交編させることが好ましい。
【0045】
本発明の編地は、特に編組織等には限定されるものではない。例えば、丸編地であれば、シングルジャージ、ダブルジャージ。経編地であれば、シングルトリコット、ダブルトリコット、シングルラッセル、ダブルラッセルを使用することができ、横編地であれば、シングルベットニット、ダブルベットニットを使用することができ、また、タイツ、靴下編地などを使用することができる。
【0046】
また、高い吸水・速乾性が必要な場合は、表面層と裏面層との少なくとも二層からなる多層構造体が好ましく使用されるが、特に編組織などが限定されるものではない。
【0047】
本発明の編地裏面層は平坦面形状で問題ないが、多数の凸部が分散した凹凸面形状にしても構わない。このように裏面層を凹凸形状にすると、衣服にして着用した場合、その凸部が肌面と点接触になるため、液状の汗を発汗してもベトツキ感が無く、かつ編地表面層の密度が密となるのに対し、裏面層の密度が粗になるため、液状の汗が毛細管現象により編地裏面層から表面層へより効率的に移動し、吸水・透水性および表面層での拡散・乾燥性をより向上させることができる。
【0048】
かかる凹凸部の形状はメッシュ状、タテストライプ状、ヨコボーダー状、格子状、ツイル状、杉綾状、ドット状、鹿の子状等幅広く適用でき限定されるものではない。この凹凸状高低差を形成させるには、編組織による方法、太い糸と細い糸の組合せや、あるいは、この両者の組合せなどがあり、特に限定されるものではない。
【0049】
製編における編成条件は、通常糸使いの編成条件に準じればよく、特に特殊条件を取るものではない。
【0050】
製編された生機編地の熱処理、精練や染色などの加工は、通常の編地の加工法に準じて行えばよく、特に特別な設備などは必要ではない。この染色段階での付帯加工として、撥水加工、防汚加工、抗菌加工、消臭加工、防臭加工、難燃加工、吸汗加工、吸湿加工、防カビ加工、紫外線吸収加工、減量加工等。さらに、後加工としてカレンダー加工、エンボス加工、シワ加工、起毛加工、プリント加工、オパール加工など、最終用途の要求特性に応じて適宜付与することが望ましい。
【0051】
特に、吸汗加工を行うことにより、目的とする汗処理性は一層向上することになり好ましい。また、該編地の裏面層を起毛加工することにより、より良い肌触り感と保温性、さらにはより優れた吸水・透水・拡散性を得ることができる。
【0052】
本発明の抗ピリング性編地は、適宜選択することにより、次のように幅広く展開可能である。例えば、衣料用でピリングの発生が問題になることが多い運動着類、肌着類、ホームウエア類、ユニフォームウエア類、アウターウエア類に、資材用ではサポーター類、靴下類などに好ましく使用することができる。また、その他、裏地類、靴材類、手袋類などにも問題なく使用できる。
【0053】
運動着類ならば、ランニングシャツ・パンツ、競技シャツ・パンツ、ゴルフシャツ、テニスシャツ、サイクルシャツ、アウトドアシャツ、ポロシャツ、Tシャツ、野球用アンダーシャツ、トレーニングウエア、スエットシャツ・パンツなど。肌着類ならば、一般婦人用肌着であるスリップ、キャミソール、ペチコート、ショーツ、アンダーパンツ、タイツ、Tシャツ、丸首シャツ、U首シャツ、ボディスーツ、ガードルなどや、一般紳士用肌着であるTシャツ、丸首シャツ、U首シャツ、ランニングシャツ、アンダーパンツ、タイツ、ブリーフ、トランクス等、さらに、また、これらの肌着の転用を含めたアスレチック、アウトドア、スキーなどのスポーツ用肌着、さらには、屋外作業、屋内作業などの作業用肌着など。ホームウエア類ならば、室内着、パジャマ、ネグリジェ、ガウンなど。アウターウエア類ならば、婦人服、紳士服、子供服、作業服など。裏地類ならば、スポーツウエア用、婦人服用、紳士服用、子供服用、礼服用、学生服用、作業服用裏地などに好ましく使用することができる。
【0054】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0055】
実施例、比較例中での品質評価は次の方法によるものである。
(1)紡績糸、または合成繊維フィラメントの編地表面(裏面)占有率
本発明の編地の表面(裏面)を、株式会社キーエンス製「CV−500」画像センサー(0.1画素単位)により2値化し、面積比を計測した。
(2)紡績糸表面における長さ1mm以上の毛羽数
(1)編地表面を構成している紡績糸を、ランダムに5箇所から採取する。
【0056】
(2)リーダープリンター用の枠(5×5cm)に、編地形成ループの捲縮がとれる程度の張力(約0.1g/dtex)をかけ、採取した紡績糸を5本等間隔でセットする。
【0057】
(3)その試料をリーダープリンター「MicroSP 3000」(ミノルタ株式会社製)で倍率10倍にて撮影し、採取した各紡績糸2cmあたりの長さ1mm以上の毛羽数を計測する。
【0058】
(4)各紡績糸(5本)の毛羽数を合計した値を、糸長10cm当たりの長さ1mm以上の毛羽数とする。
(3)抗ピル性試験法(ICI法5時間)
JIS−1076A法に基づいて評価を行った。
【0059】
評価結果は、以下の通り5段階で級判定を行った。また、各級の中間レベルの場合は、3.5(3級と4級の中間レベル)のように表示した。
【0060】
5級:ピリングの発生がほとんどないもの
4級:ピリングの発生が少々あるもの
3級:ピリングの発生がかなりあるもの
2級:ピリングの発生が多いもの
1級:ピリングの発生が著しく多いもの
(4)吸水表裏保水率比
(1)ガラス板上に蒸留水1.0ccを滴下し、その上にサンプルサイズ10cm×10cmの編地の裏面を下に、すなわち蒸留水に接する側にしてのせる。
【0061】
(2)その後、60秒間放置し、別のガラス板上に移動し同一サイズにカットしたろ紙2枚にて、この編地をサンドイッチ状に挟み、5g/cm2 の荷重下で60秒間放置する。
【0062】
(3)その後、もとの編地重量と吸水後の編地重量との差から編地の保水重量および表面と裏面に接した各々のろ紙の含水重量から、編地の表面、裏面の保水率を算出する。
【0063】
(4)上記試験を編地3枚について同様に行い、この値より保水率比(表面の保水率/裏面の保水率)を算出する。
【0064】
保水率比の大小は、汗に見立てた蒸留水の吸収状態を示すものであり、表面の保水率が大きく、かつ、前記保水率比が大きいものは滴下された蒸留水を効率よく表面側に移動するいわゆる透水能力に優れていることを示すものであり、着用時にベタツキ感がより少ないものである。
(5)吸水表裏拡散面積比
(1)ガラス板上に市販のインクを2倍に水で希釈したインク液を0.1cc滴下し、その上に編地の裏面を下に、すなわちインク液に接する側にのせる。
【0065】
(2)その後、60秒間放置し、インク液を吸収させた後、今度は別のガラス板上に移動し、ここでも裏面を下にして3分間放置する。
【0066】
(3)上記試験を編地3枚について同様に行い、このようにして得たサンプル編地の表面、裏面のインク液の拡散面積を測定し、その測定値により面積比(表面の拡散面積/裏面の拡散)を算出する。
【0067】
拡散面積の大小はインク液の吸収状態を示すものであり、表面の拡散面積が大きく、かつ、前記面積比が大きいものは滴下されたインク液を効率よく表面側に移動するいわゆる吸水、透水、拡散能力に優れていることを表すものである。
また、表面側の拡散面積が大きいことは、大気との接触効率が良くなるので乾燥性にも優れていることを示す。
【0068】
本発明において、吸水表裏保水率比と吸水表裏拡散面積比との両値は、それぞれ2.0倍以上であることが好ましいが、必ずしも同一比率である必要は無く、肌側のベタツキ感の軽減には、吸水表裏保水率比の大小がより影響する。一方、速乾性には、吸水表裏拡散面積比の大小がより影響する。
(6)実着用評価および総合評価
Tシャツに縫製したサンプルを被験者10名に与え、3ヶ月間着用と洗濯を繰り返し、着用時の肌触り、汗処理性、ピリングの発生をそれぞれ4段階(非常に優れている:5点、優れている:4点、どちらとも言えない:3点、悪い:1点)で官能評価を行った。その10人の合計点が40点以上を◎、30〜39点を○、20〜29点を△、19点以下を×とした。
また、総合評価は、実着用評価の各項目の合計点により判定し、121点以上を◎、101〜120点を○、81〜100点を△、80点以下を×とした。
【0069】
実施例1
東レ(株)製ポリエステル原綿(1.45dtex×38mm)を通常の前紡工程を通過させることにより、混率がポリエステル100%、太さが4.0g/mのスライバーを作成した。このスライバーをローラー方式のドラフト機構を有する空気精紡機に仕掛け、ドラフト率を225倍、紡速を350m/minに設定して綿番手30’Sの無撚紡績糸を得た。なお、用いた空気精紡機の糸形成部は中空のエアーノズルを有し、エアーノズル内の空気流により短繊維が結束し、無撚の紡績糸を形成する機構となっている。
【0070】
この無撚紡績糸を用いて、28Gシングル丸編機で天竺編地を編成した。この編地を通常のT(ポリエステル)100%の編地の染色加工方法に準じ、リラックス・精練、染色、乾燥、仕上げセットを行った結果、目付が145g/m2の編地を得た。
【0071】
この編地の無撚紡績糸が表面を占める割合は100%、使用されている無撚紡績糸の糸長10cm当たりの長さ1mm以上の毛羽数は14個、抗ピリング性は4.5級、吸水表裏保水率比が0.9、吸水表裏拡散面積比が1.8であった。
【0072】
この編地を使用してジョギングシャツを縫製し、ジョギングを行い実着用評価を行った結果、肌触り、汗処理性に優れ、着用試験を繰り返してもピルが発生しなかった。結果を表1に示す。
【0073】
実施例2
東レ(株)製ポリエステル原綿(1.45dtex×38mm)とインド綿を通常の前紡工程を通過させることにより、混率がポリエステル20%、綿80%、太さが4.0g/mのスライバーを作成した。このスライバーを実施例1で使用した空気精紡機に仕掛け、ドラフト率を225倍、紡速350m/minに設定して綿番手30’Sの無撚紡績糸を得た。
【0074】
この無撚紡績糸を用いて、22Gダブル丸編機でスムース編地を編成した。この編地を通常のT(ポリエステル)/C(綿)編地の染色加工方法に準じ、リラックス・精練、染色、乾燥、仕上げセットを行った結果、目付が221g/m2の編地を得た。
【0075】
この編地の無撚紡績糸が表面を占める割合は100%、使用されている無撚紡績糸の糸長10cm当たりの長さ1mm以上の毛羽数は37個、抗ピリング性は3級、吸水表裏保水率比が1.3、吸水表裏拡散面積比が2.1であった。
【0076】
この編地を使用してジョギングシャツを縫製し、ジョギングを行い実着用評価を行った結果、肌触り、汗処理性に優れ、着用試験を繰り返してもピルがほとんど発生しなかった。結果を表1に示す。
【0077】
実施例3
実施例1で使用した無撚紡績糸を図2における給糸No.F2,F8に、167デシテックス48フィラメントの東レ(株)製異形断面ポリエステルフィラメント加工糸(“セオ”α(登録商標))を図2における給糸No.F4,F6、F10,F12に、84デシテックス72フィラメントの東レ(株)製ポリエステルフィラメント加工糸(“テトロン”(登録商標))を図2における給糸No.F1,F3、F5,F7、F,9F11に給糸し、22Gダブル丸編機で表面に無撚紡績糸と異形断面ポリエステルフィラメント加工糸(“セオ”α(登録商標))を1:2に、裏面にポリエステルフィラメント加工糸(“テトロン”(登録商標))を配したリバーシブル(裏メッシュ)編地を編成した。この編地を通常のT(ポリエステル)100%の編地の染色加工方法に準じ、リラックス・精練、染色、乾燥、仕上げセットを行った結果、目付が199g/m2の編地を得た。
【0078】
この編地の無撚紡績糸が表面を占める割合は34%、ポリエステルフィラメントが裏面を占める割合は94%、使用されている無撚紡績糸の糸長10cm当たりの長さ1mm以上の毛羽数は16個、抗ピリング性は4級、吸水表裏保水率比が3.7、吸水表裏拡散面積比が4.9であった。
【0079】
この編地を使用してジョギングシャツを縫製し、ジョギングを行い実着用評価を行った結果、肌触り、汗処理性に優れ、着用試験を繰り返してもピルが発生しなかった。結果を表1に示す。
【0080】
比較例1
東レ(株)製ポリエステル原綿(1.45dtex×38mm)を用い、通常の前紡工程を通過させることにより、混率がポリエステル100%、太さが0.6g/mの粗糸を作成し、リング精紡機に仕掛け、ドラフト率を33.4倍、撚係数を3.5に設定し、綿番手30’Sの撚の入った一般的なリング紡績糸を得た。
【0081】
このリング紡績糸を用いて、実施例1と同様に天竺編地作成した結果、目付が142g/m2の編地を得た。
【0082】
使用されている紡績糸の糸長10cm当たりの長さ1mm以上の毛羽数は68個、抗ピリング性は1.5級、吸水表裏保水率比が0.7、吸水表裏拡散面積比が1.4であった。
【0083】
この編地を使用してジョギングシャツを縫製し、ジョギングを行い実着用評価を行った結果、肌触りは優れるものの、発汗時の汗処理性がやや劣り、着用試験を繰り返すとピルが多く発生し、ジョギングシャツとして適していないものであった。結果を表1に示す。
【0084】
比較例2
東レ(株)製ポリエステル原綿(1.45dtex×38mm)とインド綿を通常の前紡工程を通過させることにより、混率がポリエステル20%、綿80%、太さが0.6g/mの粗糸を作成し、リング精紡機に仕掛け、ドラフト率を33.4倍、撚係数を3.5に設定し、綿番手30’Sの撚の入った一般的なリング紡績糸を得た。
【0085】
このリング紡績糸を用いて、22Gダブル丸編機でスムース編地を編成し、通常のT(ポリエステル)/C(綿)編地の染色加工方法に準じ、リラックス・精練、染色、乾燥、仕上げセットを行った結果、目付が228g/m2の編地を得た。
【0086】
使用されている紡績糸の糸長10cm当たりの長さ1mm以上の毛羽数は89個、抗ピリング性は1級、吸水表裏保水率比が0.8、吸水表裏拡散面積比が1.7であった。
【0087】
この編地を使用してジョギングシャツを縫製し、ジョギングを行い実着用評価を行った結果、肌触りは優れるものの、発汗時の汗処理性がやや劣り、着用試験を繰り返すとピルが多く発生し、ジョギングシャツとして適していないものであった。結果を表1に示す。
【0088】
比較例3
実施例1と同様の混率がポリエステル100%、太さが4.0g/mのスライバーを作成し、このスライバーをローラー方式のドラフト機構を有する空気精紡機に仕掛け、ドラフト率を225倍、紡速を250m/minに設定して綿番手30’Sの紡績糸を得た。この紡績糸の撚り戻りの発生量は58個/mで、実質的に無撚であるといえるものでなかった。
【0089】
この紡績糸を用いて実施例1と同様に天竺編地を編成した結果、目付が149g/m2の編地を得た。
【0090】
この編地は、使用されている紡績糸が硬く締まった形状をしているため、糸長10cm当たりの長さ1mm以上の毛羽数は7個、抗ピリング性は4.5級と抗ピリング性については非常に優れるものの、非常に風合いが硬く、また、吸水表裏保水率比が0.6、吸水表裏拡散面積比が0.8と吸水性も劣るものであった。
【0091】
この編地を使用してジョギングシャツを縫製し、ジョギングを行い実着用評価を行った結果、肌触りは非常に硬く、発汗時の汗処理性が劣り、ジョギングシャツに限らず衣料品として適していないものであった。結果を表1に示す。
【0092】
比較例4
実施例3で使用した167デシテックス48フィラメントの異形断面ポリエステルフィラメント加工糸を図2における偶数No.の給糸口に、実施例1で使用したポリエステル100%無撚紡績糸を図2における奇数No.の給糸口に給糸し 、22Gダブル丸編機で、表面に異形断面ポリエステルフィラメント加工糸、裏面に無撚紡績糸を配したリバーシブル(裏メッシュ)編地を編成した。この編地を通常のT(ポリエステル)100%の編地の染色加工方法に準じ、リラックス・精練、染色、乾燥、仕上げセットを行った結果、目付が219g/m2の編地を得た。
【0093】
この編地の無撚紡績糸が表面を占める割合は11%、ポリエステルフィラメントが裏面を占める割合は5%、抗ピリング性は4.5級、吸水表裏保水率比が1.5、吸水表裏拡散面積比が1.3であった。
【0094】
この編地を使用してジョギングシャツを縫製し、ジョギングを行い実着用評価を行った結果、肌触りはよいものの、発汗時の汗処理性がやや劣り、ジョギングシャツに限らず衣料品として適していないものであった。結果を表1に示す。
【0095】
【表1】
【0096】
【発明の効果】
本発明の、実質的に無撚である紡績糸が編地表面の面積中の30%以上を占め、編地表面を構成している該紡績糸の長さ1mm以上の毛羽数が、糸長10cm当たり60個以下であることを特徴とする抗ピリング性編地は、優れた抗ピリング性のみでなく、柔らかな風合いと吸水・速乾性を併せ持ち、各種の衣料、衣料資材などの用途に好ましく用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】毛羽数と抗ピル性の関係を示したグラフである(ポリエステル100%、30’S天竺編地で測定)。
【図2】実施例1、比較例1の編地の編方図である。
【符号の説明】
F1〜F12:編機の給糸口NO
D1〜D5:ダイヤル側編針
C1〜C6:シリンダー側編針
イ:編地裏面側構成糸
ロ:編地表面側構成糸[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a knitted fabric excellent in anti-pilling property, in which a part of the surface of the knitted fabric is formed of a spun yarn having substantially no twist.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, most clothing such as sports clothing, nursing care clothing, innerwear, outerwear, and uniforms have high water absorption and moisture absorption properties, and have a good touch.For example, cellulosic fibers such as cotton, regenerated fibers such as rayon, and wool It is well known that various spun yarns mainly using animal hair fibers are used. However, clothing that uses spun yarn mainly composed of these natural fibers and regenerated fibers, because of the nature of the fiber, takes in sweat inside the fiber when absorbing a large amount of sweat. This caused discomfort such as stickiness during sweating and cold sweat. In order to alleviate these problems, natural fibers, regenerated fibers and synthetic short fibers such as polyethylene terephthalate are blended to reduce the amount of water taken in the fibers, causing discomfort such as stickiness and cold sweat during sweating. Have been used.
[0003]
However, especially in the case of a knitted fabric having a relatively low binding force of fibers, the short fibers constituting the spun yarn are fluffed and pulled out by physical external forces such as friction and washing, and entangled with each other to form pills. There is a problem that it remains on the surface of clothing and deteriorates appearance quality. Spun yarn consisting of only natural fibers and recycled fibers has relatively low short fiber strength, and the formed pills are less likely to fall off due to friction, resulting in a large reduction in appearance quality, but synthetic fiber short fibers such as polyethylene terephthalate The spun yarn containing is higher in the strength of the synthetic fiber staple fiber than the natural fiber and the regenerated fiber, and remains once on the knitted fabric surface without falling off once the pill is formed, and the appearance quality is significantly reduced. There's a problem.
[0004]
Knitted fabrics using spun yarns that are a blend of natural fibers, regenerated fibers and synthetic short fibers such as polyethylene terephthalate have a large problem of pilling as described above. It is currently used for cheap clothing.
[0005]
In order to solve these problems, generally, a method of increasing the density of a knitted fabric and a method of using a spun yarn containing synthetic short fibers in the middle layer or the back side (skin side) have been taken. However, this method does not significantly improve the occurrence of pills, and furthermore, has a problem that the texture becomes hard and the design of the fabric is limited.
[0006]
On the other hand, in order to promote the dropping of the pill, a modified polyester obtained by copolymerizing polyethylene glycol or a metal sulfonate or a low-polymerized polyester having an intrinsic viscosity of 0.45 or less reduces the strength of synthetic short fibers. A method has been proposed. However, the effect of preventing the occurrence of pills, that is, anti-pilling property is obtained, but the fiber strength is reduced, so that the productivity is reduced in the spinning process, and furthermore, problems occur in the physical properties of the final product, such as bursting strength. There is.
[0007]
Further, phosphoric acid, phosphonic acid, and at least one phosphorus compound selected from the group consisting of these derivatives are added to polyester, and hydrolysis is performed in a high-temperature heat treatment step during dyeing of a woven or knitted fabric composed of the material. A method has been proposed in which the fibers are formed to make the fibers brittle (for example, see Patent Document 1). However, also with this technique, the strength of the woven or knitted fabric is reduced, and the application is restricted.
[0008]
Furthermore, in order to prevent short fibers from coming out of the spun yarn constituting the knitted fabric and promoting the formation of pills, a method of setting the number of twists of the spun yarn to a higher value, a resin such as urethane on the back surface of the knitted fabric is used. Coating methods have been proposed, but all have the problem that the texture of the product is reduced.
[0009]
On the other hand, pneumatic spun yarns in which low-strength short fibers are arranged on the sheath side and high-strength short fibers are arranged on the core side and woven or knitted fabrics thereof have been proposed (for example, see Patent Document 2). The strength as spun yarn and woven or knitted fabric decreases, and the core-side high-strength staple fiber must be completely covered with the sheath-side low-strength staple fiber. There is a great disadvantage that the shape becomes very hard and tight, and the texture of the woven or knitted fabric becomes very coarse.
[0010]
As described above, in any of the methods, the improvement of the anti-pill property was pursued while including the problem of poor passability in the high-order processing step due to the decrease in the strength, the product physical properties, and the problem of a decrease in texture, and solved these problems. It has been a long-standing problem to provide a knitted fabric having excellent pilling resistance.
[0011]
[Patent Document 1]
JP-A-63-135517
[0012]
[Patent Document 2]
JP 2001-192943 A
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above background, and has as its object to provide a knitted fabric to which spun yarn and knitted fabric are not reduced in strength and have excellent anti-pilling properties without impairing the feeling.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
The present invention employs the following means in order to solve such a problem. That is,
(1) A knitted fabric in which a substantially non-twisted spun yarn occupies 30% or more of the area of the surface of the knitted fabric, and the number of fluffs having a length of 1 mm or more constituting the knitted fabric surface is , A knitted fabric having a length of 60 or less per 10 cm of yarn length.
[0015]
(2) The knitted fabric according to claim 1, wherein the knitted fabric has an anti-pilling property of 2.5 class or more according to the ICI method specified in JIS L1076A method.
[0016]
(3) The knitted fabric according to (1) or (2), wherein the substantially twisted spun yarn contains at least 20% by weight of synthetic short fibers.
[0017]
(4) The synthetic fiber short fibers contained in the spun yarn that is substantially non-twisted are made of at least one selected from polyester-based, polyamide-based, and polyacrylonitrile-based fibers. The knitted fabric according to any one of (3).
[0018]
(5) The synthetic fiber filament yarn is a knitted fabric occupying at least 30% of the area of the back surface of the knitted fabric, and the ratio of the water absorption front and back water retention ratio of the surface layer of the knitted fabric to the back surface layer is 2.0. The knitted fabric according to any one of the above (1) to (4), which has a water absorbency of not less than 2 times and a water absorption front and back diffusion area ratio of not less than 2.0 times.
[0019]
(6) The knitted fabric according to any one of (1) to (5), wherein the knitted fabric is a weft knitted fabric or a warp knitted fabric.
[0020]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
[0021]
The substantially untwisted spun yarn referred to in the present invention preferably has an amount of untwisting of 50 yarns / m or less due to the action of the twisting torque, and for example, has an actual twist of 3.0 rotations / inch or less. It is preferable that it is a non-twisted or non-twisted one. When the number of twists is 3.0 rotations / inch or less, the amount of untwisting caused by the action of the twisting torque is 50 yarns / m or less. The amount of untwisting referred to here is obtained by measuring the number of untwisting when the gripping interval is changed from 50 cm to 0 cm based on the measurement method of the Snar index specified in JIS L 1095 (General Spun Yarn Testing Method). It is. However, the spun yarn having the twist fixed by a method such as gluing or heat setting is measured in a state before the twist is fixed.
[0022]
As a method for producing a spun yarn having substantially no twist, an air spinning machine having a draft mechanism of a roller system can be preferably used. The air spinning machine can change the yarn form by changing the spinning speed, and can obtain a substantially twisted spun yarn by setting the spinning speed to 280 m / min or more. Further, the spinning speed is preferably 300 m / min or more, and more preferably 330 m / min or more.
[0023]
When the spinning speed is higher than 370 m / min, the generation of weak yarns increases, and it is difficult to maintain the strength as a spun yarn. When the spinning speed is lower than 280 m / min, the whole spun yarn has a hard and tight shape, and is made into clothing. In such a case, the texture becomes very rough, which is not preferable.
[0024]
In forming the knitted fabric of the present invention, the knitting design is such that a substantially non-twisted spun yarn containing synthetic short fibers occupies at least 30%, more preferably at least 40%, of the surface area of the knitted fabric. is important. When the proportion of the area of the surface of the knitted fabric of the substantially non-twisted spun yarn including the synthetic fiber short fibers is less than 30%, a soft texture unique to the spun yarn cannot be obtained, and the requirements of the present invention are not satisfied. It is difficult to obtain a certain water absorption, which is not preferable. The substantially untwisted spun yarn containing the synthetic short fiber has a shape that is partially gripped by some of the fibers, so that moisture enters a bulged fiber bundle portion that is not gripped. As a result, it has high water absorption performance.
[0025]
In the present invention, it is important that the number of fluffs having a length of 1 mm or more per 10 cm of the spun yarn constituting the knitted fabric surface is 60 or less. Furthermore, it is more preferable that the number of fluffs having a length of 1 mm or more per 10 cm of the yarn length is 40 or less, and that the number of fluffs is 0. The method for measuring the number of fluffs having a length of 1 mm or more per 10 cm of the spun yarn here will be described in Examples.
[0026]
When the number of fluffs having a length of 1 mm or more per 10 cm of the yarn length is more than 60, the fluff density on the surface of the knitted fabric increases, and as a result, the fluffs easily become entangled with each other, and as shown in FIG. It will make it worse.
[0027]
It is important that the anti-pilling knitted fabric of the present invention has an anti-pilling resistance of at least 2.5 class according to the ICI method specified in JIS L1076A method. In the case where the anti-pilling property by the method is 2 or less, similarly to a knitted fabric using a spun yarn containing a synthetic synthetic short fiber, a lot of pills are generated by wearing over a long period, and the appearance of the product is remarkably increased. It makes things worse.
[0028]
The substantially non-twisted spun yarn used in the present invention contains 20% by weight or more, preferably 30% by weight or more of synthetic fiber short fibers, and includes 100% by weight. When the proportion of the synthetic short fibers contained in the spun yarn is less than 20% by weight, quick drying which is one of the important features of the knitted fabric of the present invention cannot be obtained, and the stickiness at the time of sweating a large amount is not obtained. It will worsen and is not suitable for the present invention.
[0029]
The synthetic short fiber used in the present invention is preferably made of at least one of polyester, polyamide and polyacrylonitrile fibers. For example, as the polyester fibers, polyethylene terephthalate, polybutylene terephthalate, polytrimethylene terephthalate fibers, and the like can be used.
[0030]
In addition, the fiber cross-sectional shape of the synthetic short fiber used in the present invention may be a general round cross-sectional shape, a triangular cross-sectional shape, a flat cross-sectional shape, a multi-leaf cross-sectional shape, a hollow cross-sectional shape, or a longitudinal direction on the fiber surface. Short fibers having a plurality of concave grooves along can be used, and E, F, H, I, K, M, N, Examples include O, T, W, X, Y, Z, +, and the like, and are not particularly limited.
[0031]
Furthermore, the single fiber fineness of the synthetic short fibers is preferably in the range of 0.6 to 4.4 dtex. If the single fiber fineness is less than 0.6 decitex, the spinning process including the pre-spinning process deteriorates, and if the single fiber fineness is greater than 4.4 decitex, the feel to the touch tends to be inferior and the composition of the spinning itself. Since the number of fibers is reduced, the strength of the spun yarn is extremely reduced, which is not preferable.
[0032]
On the other hand, the fibers constituting the substantially non-twisted spun yarn other than the synthetic short fibers are not particularly limited, but are animal fiber such as vegetable fiber such as cotton, hemp, kenaf, and ramie. Examples thereof include regenerated fibers such as viscose rayon and cupra, such as certain wool, cashmere, mohair, and silk; acetate and triacetate, which are semi-compatible fibers; and synthetic fiber filaments.
[0033]
The count of the spun yarn that is substantially non-twisted used in the present invention is not particularly limited, but when including the intended use and thin knitted fabrics to thick knitted fabrics, it is up to about 15 to 60 cotton count. Can be preferably used.
[0034]
According to the present invention, by satisfying the above requirements, a knitted fabric having both high anti-pilling properties and water absorption / quick drying properties can be obtained without impairing the texture of the knitted fabric. However, applications involving intense sweating, such as competition shirts, often require a further sweat-treating property, and in order to satisfy this requirement, the synthetic fiber filament yarn must be at least 30% of the area of the back surface of the knitted fabric. It is important to account for more than%. When the ratio of the synthetic fiber filament yarn on the back surface of the knitted fabric is less than 30%, the stickiness at the time of intense sweating is not satisfied, which is not suitable for use in sports shirts and the like, and further sweat treatment properties It is an important requirement to obtain a water absorption front and back water retention ratio of the knitted fabric surface layer to the backside layer of 2.0 times or more and a water absorption front and back diffusion area ratio of 2.0 times or more. It will be difficult.
[0035]
The synthetic fiber filament yarn used in the present invention may be any of polyester-based, polyamide-based, polyacrylonitrile-based, and polypropylene-based materials that are conventionally used for clothing and materials. Although not particularly limited, hydrophobic synthetic fibers are more preferable than hygroscopic synthetic fibers in order to further reduce the stickiness of the skin surface.
[0036]
For example, as the polyester fibers, polyethylene terephthalate, polybutylene terephthalate, polytrimethylene terephthalate fibers, and the like can be used.
[0037]
In addition, the fiber cross-sectional shape of the synthetic fiber filament yarn may be a general round cross-sectional shape, a triangular cross-sectional shape, a flat cross-sectional shape, a multi-leaf cross-sectional shape, a hollow cotton cutting shape, or a plurality of fibers along the longitudinal direction on the fiber surface. May be arranged. When the cross-sectional shape is modeled by letters or symbols, for example, E, F, H, I, K, M, N, O, T, W , X, Y, Z, + and the like, and are not particularly limited.
[0038]
The single fiber fineness of the synthetic fiber filament yarn is preferably in the range of 0.6 to 5.5 dtex. When the single fiber fineness is less than 0.6 decitex, the skin feels soft and the like, but the stickiness of the skin surface at the time of perspiration increases, and the quick drying property deteriorates. On the other hand, if the single fiber fineness is larger than 5.5 decitex, the stickiness at the time of perspiration and the quick-drying property are excellent, but the feel to the touch tends to be inferior, which is not preferable.
[0039]
These synthetic fiber filament yarns may be drawn yarns, crimped yarns, or mixed yarns with other filament yarns, but it is preferable to use crimped yarns or mixed yarns thereof. . Further, as the crimped yarn, a false twisted yarn is particularly preferable.
[0040]
Although the total fineness of the filament yarn is not particularly limited, a range of about 33 to 330 decitex can be preferably used when including the intended use and thin to knitted fabrics.
[0041]
When imparting a further high water absorption and quick drying property to the anti-pilling knitted fabric of the present invention, the ratio of the water absorption front and back water retention ratio of the surface layer of the knitted fabric to the back layer is 2.0 times or more, and the water absorption front and back diffusion area ratio is 2 or more. It is important to have a water absorption of at least 0.0 times. Each of these ratios, that is, the water absorption front-back water retention ratio and the water absorption front-back diffusion area ratio is preferably 3.0 times or more, more preferably 4.0 times or more. When the ratio is less than 2.0 times, the stickiness of sweat may be felt on the skin surface, which is not preferable. When the ratio is more than 20 times, the feeling of wetness on the fabric surface at the time of sweating increases, and the It is unpleasant because it gives discomfort when touching or touching the surface of the fabric with hands.
[0042]
As a result, when sweating intensely due to intense exercise, etc., the water absorption and water permeability that allows the sweat absorbed by the back layer of the knitted fabric in contact with the skin side to move to the surface layer of the knitted fabric, and diffusion, transpiration, and speed at the knitted fabric surface layer It can have both excellent performance in both dryness and can reduce the sticky feeling against severe sweating, and can provide a comfortable wearing feeling.
[0043]
Thus, by arranging the spun yarn that is substantially non-twisted on the surface layer of the knitted fabric and the synthetic fiber filaments in the back surface layer by 30% or more, the difference in the inter-fiber void amount between the spun yarn and the synthetic fiber filament, that is, The voids on the surface of the knitted fabric are smaller than the voids on the back surface of the knitted fabric, and the density difference promotes the capillary phenomenon. By adopting such a configuration, it is possible to impart sweat treatment suitable for intense sweating, and it is possible to make clothes and materials suitable for liquid sweating due to intense exercise and the like.
[0044]
When stretchability is required depending on the intended use, various types of stretchable elastic yarns represented by polyurethane-based elastic fibers, polybutylene terephthalate-based fiber-processed yarns, which are a kind of polyester-based fibers, or polytriene-based yarns may be used. It is preferable to cross-knit a methylene terephthalate fiber processed yarn or a side-by-side composite yarn of a polyethylene terephthalate polymer and a polytrimethylene terephthalate polymer. Further, it is preferable to cross-knit the polytomethylene terephthalate-based fibers also for softening the skin surface.
[0045]
The knitted fabric of the present invention is not particularly limited to a knit structure or the like. For example, for circular knitted fabric, single jersey and double jersey. For warp knitting, single tricot, double tricot, single raschel, double raschel can be used, for flat knitting, single bed knit, double bed knit can be used, and tights, A sock knit fabric or the like can be used.
[0046]
When high water absorption and quick drying properties are required, a multilayer structure composed of at least two layers, a surface layer and a back layer, is preferably used, but the knit structure is not particularly limited.
[0047]
Although the back surface layer of the knitted fabric of the present invention has no problem with a flat surface shape, it may have an uneven surface shape in which a number of convex portions are dispersed. When the back layer is made uneven in this manner, when worn as clothing, the convex portions come into point contact with the skin surface, so that there is no sticky feeling even when sweating liquid sweat, and the knitted fabric surface layer While the density becomes dense, the density of the back layer becomes coarse, so liquid sweat moves more efficiently from the back layer of the knitted fabric to the surface layer by capillary action, and water absorption / water permeability and the surface layer Diffusion and drying properties can be further improved.
[0048]
The shape of such an uneven portion can be widely applied, such as a mesh shape, a vertical stripe shape, a horizontal border shape, a lattice shape, a twill shape, a cedar shape, a dot shape, a fawn shape, and is not limited. The method of forming the uneven height difference includes a method using a knitting structure, a combination of a thick yarn and a thin yarn, or a combination of both, and is not particularly limited.
[0049]
The knitting conditions in knitting may be in accordance with the knitting conditions for normal thread use, and do not take any special conditions.
[0050]
Processing such as heat treatment, scouring and dyeing of the knitted greige knitted fabric may be performed in accordance with a normal knitted fabric processing method, and no special equipment is required. As ancillary processing at this dyeing stage, water repellent processing, antifouling processing, antibacterial processing, deodorizing processing, deodorizing processing, flame retarding processing, sweat absorption processing, moisture absorption processing, mold prevention processing, ultraviolet absorption processing, weight reduction processing, etc. Furthermore, it is desirable to appropriately provide post-processing such as calendering, embossing, wrinkling, raising, printing, opal, or the like according to the required characteristics of the final use.
[0051]
In particular, it is preferable to perform the sweat absorption process because the intended sweat treatment property is further improved. Further, by raising the back surface layer of the knitted fabric, a better feel and heat retention, and more excellent water absorption, water permeability and diffusion can be obtained.
[0052]
The anti-pilling knitted fabric of the present invention can be widely developed as follows by appropriately selecting. For example, it is preferably used for athletic clothes, underwear, home wear, uniform wear, outerwear, and supporters, socks for materials that often cause pilling for clothing. it can. In addition, it can be used without problems for linings, shoe materials, gloves and the like.
[0053]
For sportswear, running shirts and pants, competition shirts and pants, golf shirts, tennis shirts, cycle shirts, outdoor shirts, polo shirts, T-shirts, baseball undershirts, training wear, sweatshirts and pants, etc. For underwear, slips, camisole, petticoat, shorts, underpants, tights, T-shirts, round neck shirts, U-neck shirts, body suits, girdles, etc. which are general women's underwear, and T-shirts which are general men's underwear. Round neck shirts, U neck shirts, running shirts, under pants, tights, briefs, trunks, etc. In addition, athletic, including diversion of these underwears, outdoor, skiing, etc. sports underwear, furthermore, outdoor work, indoor Underwear for work such as work. For home wear, indoor wear, pajamas, negligee, gowns, etc. For outerwear, women's clothing, men's clothing, children's clothing, work clothes, etc. If it is a lining, it can be preferably used for lining for sportswear, women's clothing, men's clothing, children's clothing, formal clothing, student clothing, work clothing, and the like.
[0054]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to Examples, but the present invention is not limited to these Examples.
[0055]
The quality evaluation in the examples and comparative examples is based on the following method.
(1) Occupation rate of knitted fabric surface (back surface) of spun yarn or synthetic fiber filament
The surface (back surface) of the knitted fabric of the present invention was binarized using a keyence “CV-500” image sensor (0.1 pixel unit), and the area ratio was measured.
(2) The number of fluffs with a length of 1 mm or more on the spun yarn surface
(1) Spun yarn constituting the surface of a knitted fabric is randomly sampled from five places.
[0056]
(2) A tension (approximately 0.1 g / dtex) is applied to a frame (5 × 5 cm) for a leader printer so that the knitted fabric forming loop can be crimped, and five spun yarns are set at regular intervals. .
[0057]
(3) The sample is photographed with a leader printer “MicroSP 3000” (manufactured by Minolta Co., Ltd.) at a magnification of 10 times, and the number of fluffs having a length of 1 mm or more per 2 cm of each spun yarn is measured.
[0058]
(4) The sum of the number of fluffs of each spun yarn (five) is defined as the number of fluffs having a length of 1 mm or more per 10 cm of the yarn length.
(3) Anti-pill test (
The evaluation was performed based on the JIS-1076A method.
[0059]
The evaluation results were evaluated in five stages as follows. In the case of the intermediate level of each class, it is indicated as 3.5 (intermediate level between the third and fourth grades).
[0060]
Grade 5: Those with almost no pilling
Grade 4: Some occurrence of pilling
Grade 3: Those with considerable pilling
Level 2: Frequent pilling
Grade 1: Those with extremely large occurrence of pilling
(4) Water absorption front and back water retention ratio
(1) 1.0 cc of distilled water is dropped on a glass plate, and the back surface of a knitted fabric having a sample size of 10 cm × 10 cm is placed downward, that is, on the side in contact with distilled water.
[0061]
(2) Thereafter, the knitted fabric was sandwiched between two pieces of filter paper cut to the same size after being left on another glass plate for 60 seconds. 2 Under a load of 60 seconds.
[0062]
(3) Then, from the difference between the original weight of the knitted fabric and the weight of the knitted fabric after water absorption, the water holding weight of the knitted fabric and the water holding weight of each filter paper in contact with the front and back surfaces are used to determine the water holding of the front and back surfaces of the knitted fabric. Calculate the rate.
[0063]
(4) The above test is similarly performed for three knitted fabrics, and a water retention ratio (water retention on the front surface / water retention ratio on the back surface) is calculated from this value.
[0064]
The magnitude of the water retention ratio indicates the state of absorption of distilled water as if it were sweat, and the water retention on the surface is large, and the water retention ratio is high when the distilled water dropped is efficiently placed on the surface side. It indicates that the so-called water-permeable ability to move is excellent, and it is less sticky when worn.
(5) Water absorption front and back diffusion area ratio
(1) On a glass plate, 0.1 cc of an ink solution obtained by diluting a commercially available ink twice with water is dropped, and the back surface of the knitted fabric is placed thereon, that is, on the side in contact with the ink solution.
[0065]
(2) After that, it is left for 60 seconds to absorb the ink liquid, and then moved to another glass plate, and again for 3 minutes with its back face down.
[0066]
(3) The above test was similarly performed on three knitted fabrics, and the diffusion areas of the ink liquid on the front and back surfaces of the sample knitted fabric thus obtained were measured, and the area ratio (surface diffusion area / surface diffusion area) was determined based on the measured values. Backside diffusion) is calculated.
[0067]
The size of the diffusion area indicates the state of absorption of the ink liquid, the diffusion area of the surface is large, and the area ratio is large, so-called water absorption, which efficiently moves the dropped ink liquid to the surface side, water permeability, It indicates that it has excellent diffusion ability.
Also, a large diffusion area on the front side indicates that the contact efficiency with the atmosphere is improved and the drying property is also excellent.
[0068]
In the present invention, both values of the water absorption front and back water retention ratio and the water absorption front and back diffusion area ratio are preferably 2.0 times or more, respectively, but they do not necessarily have to be the same ratio and reduce the stickiness on the skin side. The influence of the ratio of the water absorption ratio on the front and back is more affected. On the other hand, the quick-drying property is more influenced by the ratio of the front and back diffusion area of the water absorption.
(6) Actual wear evaluation and overall evaluation
A sample sewn on a T-shirt was given to 10 subjects, and wearing and washing were repeated for 3 months, and the feeling of wearing, sweat treatment, and occurrence of pilling were each evaluated in four stages (very excellent: 5 points, excellent Yes: 4 points, Neither of them: 3 points, Bad: 1 point). A total of 40 points or more was evaluated as ◎, 30 to 39 points as ○, 20 to 29 points as Δ, and 19 or less as ×.
The overall evaluation was determined based on the total score of each item of the actual wear evaluation, and 121 indicates 121 points or more, ○ indicates 101 to 120 points, Δ indicates 81 to 100 points, and × indicates 80 points or less.
[0069]
Example 1
By passing a polyester raw cotton (1.45 dtex × 38 mm) manufactured by Toray Industries, Inc. through a normal pre-spinning step, a sliver having a mixing ratio of 100% polyester and a thickness of 4.0 g / m was prepared. The sliver was set on an air spinning machine having a roller type draft mechanism, and a draft rate was set to 225 times and a spinning speed was set to 350 m / min to obtain a 30'S cotton-twisted spun yarn. The yarn forming section of the air spinning machine used has a hollow air nozzle, and has a mechanism in which short fibers are bound by an air flow in the air nozzle to form a non-twisted spun yarn.
[0070]
Using this untwisted spun yarn, a knitted fabric was knitted with a 28G single circular knitting machine. The knitted fabric was subjected to relaxation / scrutiny, dyeing, drying and finishing set in accordance with the usual method of dyeing a T (polyester) 100% knitted fabric, and as a result, the basis weight was 145 g / m. 2 Knitted fabric.
[0071]
The untwisted spun yarn of this knitted fabric occupies 100% of the surface, the used untwisted spun yarn has 14 fluffs with a length of 1 mm or more per 10 cm of yarn length, and has an anti-pilling property of 4.5 class. The ratio of the water absorption ratio between the front and back sides was 0.9, and the ratio of the diffusion area on the front and back sides was 1.8.
[0072]
Using this knitted fabric, a jogging shirt was sewn, jogged, and evaluated for actual wearing. As a result, it was excellent in touch and sweat treatment, and no pill was generated even when the wearing test was repeated. Table 1 shows the results.
[0073]
Example 2
By passing Toray's polyester raw cotton (1.45 dtex x 38 mm) and Indian cotton through the usual pre-spinning process, a sliver of 20% polyester, 80% cotton and 4.0 g / m thick is obtained. Created. This sliver was set on the air spinning machine used in Example 1, and the draft rate was set to 225 times and the spinning speed was set to 350 m / min to obtain a 30'S cotton-twisted spun yarn.
[0074]
Using this non-twisted spun yarn, a smooth knitted fabric was knitted with a 22G double circular knitting machine. The knitted fabric was subjected to relaxing / scouring, dyeing, drying and finishing setting in accordance with a usual T (polyester) / C (cotton) knitting method, and as a result, the basis weight was 221 g / m. 2 Knitted fabric.
[0075]
The untwisted spun yarn of this knitted fabric occupies 100% of the surface, the number of fuzz having a length of 1 mm or more per 10 cm of the used untwisted spun yarn is 37, the anti-pilling property is
[0076]
Using this knitted fabric, a jogging shirt was sewn, and jogging was performed to evaluate actual wearing. As a result, it was excellent in feel and sweat treatment, and almost no pill was generated even when the wearing test was repeated. Table 1 shows the results.
[0077]
Example 3
The untwisted spun yarn used in Example 1 was supplied as yarn No. 1 in FIG. F2 and F8 were each provided with a 167 decitex 48 filament modified polyester filament processed yarn (“Seo” α (registered trademark) manufactured by Toray Industries, Inc.) having a yarn feeding number of FIG. In FIG. 2, a polyester filament processed yarn (“Tetron” (registered trademark)) of 84 decitex 72 filaments manufactured by Toray Industries, Inc. (“Tetron” (registered trademark)) was supplied to each of F4, F6, F10, and F12. F1, F3, F5, F7, F, 9F11 are fed, and a non-twisted spun yarn and a modified cross-section polyester filament processed yarn (“Theo” α (registered trademark)) are 1: 2 on the surface with a 22G double circular knitting machine. Then, a reversible (back mesh) knitted fabric having a polyester filament processed yarn ("Tetron" (registered trademark)) disposed on the back surface was knitted. The knitted fabric was subjected to relaxation / scrutiny, dyeing, drying, and finishing according to the usual dyeing method of 100% T (polyester) knitted fabric. As a result, the basis weight was 199 g / m. 2 Knitted fabric.
[0078]
The ratio of the untwisted spun yarn occupying the front surface of the knitted fabric is 34%, the ratio of the polyester filament occupying the back surface is 94%, and the number of fluffs having a length of 1 mm or more per 10 cm of the used untwisted spun yarn is: Sixteen, the anti-pilling property was quaternary, the ratio of the water absorption front and back water retention ratio was 3.7, and the ratio of the water absorption front and back diffusion area was 4.9.
[0079]
Using this knitted fabric, a jogging shirt was sewn, jogged, and evaluated for actual wearing. As a result, it was excellent in touch and sweat treatment, and no pill was generated even when the wearing test was repeated. Table 1 shows the results.
[0080]
Comparative Example 1
Using a raw cotton (1.45 dtex x 38 mm) manufactured by Toray Industries, Inc., a normal pre-spinning process is performed to create a roving having a polyester content of 100% and a thickness of 0.6 g / m. It was set on a spinning machine, the draft rate was set to 33.4 times, the twist coefficient was set to 3.5, and a general ring spun yarn having a cotton count of 30 ′S was obtained.
[0081]
Using this ring spun yarn, a knitted fabric was prepared in the same manner as in Example 1, and as a result, the basis weight was 142 g / m2. 2 Knitted fabric.
[0082]
The number of fluffs having a length of 1 mm or more per 10 cm of the used spun yarn is 68, the anti-pilling property is 1.5 class, the ratio of the water absorption front and back water retention ratio is 0.7, and the water absorption front and back diffusion area ratio is 1. It was 4.
[0083]
As a result of sewing a jogging shirt using this knitted fabric, performing jogging and evaluating actual wearing, although the feel is excellent, the sweat treatment property at the time of sweating is slightly inferior, and many pills occur when the wearing test is repeated, It was not suitable as a jogging shirt. Table 1 shows the results.
[0084]
Comparative Example 2
By passing a polyester raw cotton (1.45 dtex x 38 mm) manufactured by Toray Industries, Inc. and Indian cotton through a usual pre-spinning process, a roving yarn having a mixing ratio of 20% polyester, 80% cotton, and a thickness of 0.6 g / m. Was set on a ring spinning machine, the draft rate was set to 33.4 times, the twist coefficient was set to 3.5, and a general ring spun yarn having a cotton count of 30 ′S was obtained.
[0085]
Using this ring spun yarn, a smooth knitted fabric is knitted with a 22G double circular knitting machine, and relaxed / scouring, dyeing, drying and finishing are performed in accordance with a normal T (polyester) / C (cotton) knitting method. As a result of setting, the basis weight is 228 g / m. 2 Knitted fabric.
[0086]
The number of fluffs having a length of 1 mm or more per 10 cm of the used spun yarn is 89, the anti-pilling property is class 1, the water absorption front-to-back water retention ratio is 0.8, and the water absorption front-to-back diffusion area ratio is 1.7. there were.
[0087]
As a result of sewing a jogging shirt using this knitted fabric, performing jogging and evaluating actual wearing, although the feel is excellent, the sweat treatment property at the time of sweating is slightly inferior, and many pills occur when the wearing test is repeated, It was not suitable as a jogging shirt. Table 1 shows the results.
[0088]
Comparative Example 3
A sliver having a mixing ratio of 100% polyester and a thickness of 4.0 g / m was prepared in the same manner as in Example 1, and the sliver was set on an air spinning machine having a roller-type draft mechanism. Was set to 250 m / min to obtain a spun yarn having a cotton count of 30 ′S. The amount of untwisting of the spun yarn was 58 pieces / m, and it could not be said that the spun yarn was substantially untwisted.
[0089]
As a result of knitting a knitted fabric using this spun yarn in the same manner as in Example 1, the basis weight was 149 g / m. 2 Knitted fabric.
[0090]
This knitted fabric has a shape in which the spun yarn used is firmly tightened. Therefore, the number of fluffs having a length of 1 mm or more per 10 cm of yarn length is 7, and the anti-pilling property is 4.5 class. Was very excellent, but the texture was very hard, and the ratio of the water absorption front and back water retention ratio was 0.6, and the ratio of the water absorption front and back diffusion area was 0.8.
[0091]
Using this knitted fabric, a jogging shirt was sewn, and jogging was performed to evaluate actual wearing. As a result, the feel was very hard, and the sweat treatment property at the time of sweating was inferior, and it was not suitable for clothing not only for jogging shirts Was something. Table 1 shows the results.
[0092]
Comparative Example 4
The modified polyester filament processed yarn of 167 decitex 48 filament used in Example 3 was obtained by using even-numbered No. 1 in FIG. The 100% polyester non-twisted spun yarn used in Example 1 was supplied to the yarn feeder of the odd number No. in FIG. The knitted fabric was knitted with a 22G double circular knitting machine to knit a reversible (back mesh) knitted fabric having a polyester filament processed yarn of irregular cross section on the surface and a non-twist spun yarn on the back. The knitted fabric was subjected to relaxation / scrutiny, dyeing, drying and finishing setting in accordance with the usual method of dyeing a knitted fabric of 100% T (polyester). As a result, the basis weight was 219 g / m. 2 Knitted fabric.
[0093]
The untwisted spun yarn of this knitted fabric occupies 11% of the surface, 5% of the polyester filament occupies the back surface, has an anti-pilling property of 4.5 class, has a water absorption front-to-back water retention ratio of 1.5, and has a water absorption front-back diffusion The area ratio was 1.3.
[0094]
Using this knitted fabric, a jogging shirt was sewn, and as a result of performing jogging and performing actual wearing evaluation, although the feel was good, the sweat treatment property when sweating was slightly inferior, and it was not suitable for clothing as well as the jogging shirt Was something. Table 1 shows the results.
[0095]
[Table 1]
[0096]
【The invention's effect】
According to the present invention, the spun yarn having substantially no twist occupies 30% or more of the area of the surface of the knitted fabric, and the number of fluffs having a length of 1 mm or more constituting the surface of the knitted fabric is determined by the yarn length. The anti-pilling knitted fabric characterized by being 60 pieces or less per 10 cm has not only excellent anti-pilling properties but also a soft texture and water absorption / quick drying properties, and is preferably used for various kinds of clothing and clothing materials. Can be used.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing the relationship between the number of fluffs and the anti-pill property (measured on a 100% polyester, 30 ′S knitted fabric).
FIG. 2 is a knitting diagram of a knitted fabric of Example 1 and Comparative Example 1.
[Explanation of symbols]
F1-F12: yarn feeder NO of knitting machine
D1 to D5: Knitting needle on dial side
C1 to C6: Knitting needle on cylinder side
A: Yarn constituting the back side of the knitted fabric
B: Knitted fabric surface side component yarn
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