JP2004182577A - Glass for flat panel display substrate and flat panel display substrate - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラットパネルディスプレイ(以下「FPD」と称する)基板用ガラス及びFPD基板に関し、プラズマディスプレイパネル(以下「PDP」と称する)や電界放射パネル(以下「FED」と称する)等の放電を利用したFPDにおいて、前面パネル及び背面パネルとして用いる基板用ガラス及び基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、大型平面テレビとして、PDP、FED、液晶ディスプレイ等のFPDの開発が急速に進められている。このうち、PDP及びFEDは、内部の電極間に電界を印加したときの放電を利用した表示装置である。
【0003】
PDPは、パネル内部に閉じ込めた低圧の希ガス中で放電することによって、希ガスから紫外線を発生させて所定の蛍光体を励起し、可視光に変換して文字や図形等の画像を表示する方式である。また、FEDはパネル内部が高真空に保たれており、この高真空中で電界を印加して発生させた電子線で蛍光体を励起し、可視光線を発生させる方式の表示装置である。
【0004】
以下に、一例としてPDPの製造方法について説明する。
【0005】
まず、背面基板用ガラス上にスクリーン印刷法等で銀(Ag)からなるアドレス電極を形成し、その上に誘電体ガラスからなる可視光反射層と、ガラス製の隔壁とを所定ピッチで形成する。これらの隔壁に挟まれた各空間内に、各色蛍光体ペーストを夫々配設することにより蛍光体層を形成し、約500℃で蛍光体層を焼成して、ペースト中の樹脂成分等を除去する。
【0006】
蛍光体層の焼成後、背面基板用ガラスの周囲に前面基板用ガラスとの封着用の低融点ガラスフリットを塗布し、ガラススリットの樹脂分を除去するために約300℃で仮焼成する。
【0007】
その後、表示電極、誘電体ガラス層及び保護層を形成した前面基板用ガラスと前記背面基板用ガラスとを、隔壁を介して表示電極とアドレス電極が直交するように対向配置して約600℃で焼成し、低融点ガラスフリットにより周囲を封着する。そして、約300℃に加熱した状態でパネル間隙の大気を減圧排気し、この後、放電ガスを充填することにより完成に至るものである。
【0008】
PDP基板用ガラスとしては、歪み点が高く、且つ、熱膨張係数の大きいガラスが広く用いられている。このようなPDP基板用ガラスは、主表面の平坦性、ガラス組成の均質性に優れ、且つ、生産性が高いフロート法により生産されるのが一般的である。フロートガラスは、生産過程で水素雰囲気に晒されるため、ガラス表面には厚さ数μmの還元層が生成し、この層には熔融錫由来の錫イオン(以下「Sn2+」と称する)の存在することが知られている。
【0009】
フロート法で形成されたPDP基板用ガラスの主表面に、透明電極を介してAgペーストが電極として塗布された後、熱処理工程が数回繰り返されると、銀イオン(以下「Ag+」と称する)が透明電極内に拡散してガラス表面に至り、ガラス中のアルカリイオン(特に、ナトリウムイオン(以下「Na+」と称する))との間でイオン交換を生じる。そして、ガラス中にAg+が侵入し、侵入したAg+は還元層に存在するSn2+によって還元されて金属Agのコロイドを生成する。その結果、金属Agのコロイドにより基板用ガラスが黄色に着色(以下「黄変」と称する)するという問題が生じていた。
【0010】
また、電極形成部のみならず、その周辺部にもAg+が拡散し、前記と同様にSn2+によって還元されて金属Agのコロイドを生成し、基板用ガラスが黄変する場合が多く、表示性能が損なわれるという不具合があった。
【0011】
そこで、アルカリ含有ガラスをPDP基板用ガラスとして用いる場合に、基板用ガラスの黄変を抑制する方法が、これまで種々提案されてきた。
【0012】
特開平10−255669号公報には、フロート法で製造された基板用ガラスの主表面を研磨することにより、その表面に生成されている還元性の異質層を除去したFPD基板用ガラスが開示されている。
【0013】
フロート法で形成された基板用ガラスは、前述のとおり成形過程で水素雰囲気に晒されるため、錫(Sn)浴に接した面(ボトム面)及び雰囲気側に接した面(トップ面)共に、基板用ガラスの主表面に厚さ数μmの還元層が生成し、この層にはSn2+の拡散層が形成されることは、従来より知られている。また、Sn2+の拡散層が還元性を有し、Sn2+の拡散層がガラス中の鉄を還元して、その結果、ボトム面が青色に着色してしまう現象(ブルーム)も同様によく知られている。従って、基板用ガラスの主表面に存在するSn2+拡散層を研磨して除去することは、当業者において容易になし得る技術である。しかしながら、基板用ガラスの全数を研磨するという対策は、非常に大きなコストアップ要因となるため現実的ではない。
【0014】
また、特開平10−334813号公報には、前面基板用ガラスに含まれるFe2O3量が2000ppm未満であり、金属電極がAgで形成されたプラズマディスプレイ装置が開示されている。
【0015】
通常、フロート法で成形された板ガラスにおいて、ガラス原料から混入する不純物レベルのFe2O3量は1500ppm程度であるため、そのガラスをPDP基板用ガラスとして用いた場合も、前記金属Agのコロイドによる黄変を抑制することはできず、現実的な解決策であるとは言えない。
【0016】
また、特開2001−213634号公報には、Li2O,Na2O及びK2Oの含有量の合計が7.5〜20モル%、Al2O3の含有量が1.5モル%以上、BaOの含有量が0〜3.5モル%である珪酸塩ガラスをフロート法によって板状に成形した板ガラスであって、F,Cl,Br及びIからなる群から選ばれた1種以上を含有するディスプレイ基板用フロートガラスが開示されている。
【0017】
通常、フロート法で成形される板ガラスにおいて、ガラス原料から混入する不純物レベルの塩素は0.01重量%程度であるが、F−やCl−等の硬い塩基は、軟らかい酸であるAg+との優先的結合力が弱く、着色の抑制効果はほとんど得られない。また、Br−やI−等の軟らかい塩基を用いれば、Ag+と優先的に結合するため着色の抑制効果を期待できるが、いずれも工業的に適当な原料が存在せず、またコストも高いため、現実的ではない。
【0018】
また、特開2000−226233号公報には、Na2O,K2O及びLi2Oの含有量の合計が5重量%以上であり、20℃における比重が2.7以下であるフロートガラスであって、銀処理を行う前のフロートガラスの波長410nmにおける透過率Trefと、銀処理を行った後のフロートガラスの波長410nmにおける透過率Tとから、A=−log10(T/Tref)によって算出される吸光度Aが0.08以下であるフラットパネルディスプレイ基板用フロートガラスが開示されている。ここで、前記銀処理とは、フロートガラス表面のうち、フロートバス内で溶融錫と接触していない側(トップ面)の表面に、銀粒子と有機溶剤と樹脂とを含むAgペーストを塗布し、大気中において580℃で1時間焼成して、厚さが10μm以上であり、銀の含有量が95重量%以上である膜を該フロートガラスの表面に形成し、前記膜を硝酸により該フロートガラスの表面から除去することからなる処理である。
【0019】
しかし、前記特開2000−226233号公報においては「ガラス中への錫の浸透量が少ない方が、発色は少ないので、できるだけ錫の含有量が少ないガラスが望ましい」という公知事実と、金属Agのコロイドによる黄変を評価する方法とが述べられているに過ぎず、根本的な解決手段には至っていない。
【0020】
【特許文献1】
特開平10−255669号公報
【特許文献2】
特開平10−334813号公報
【特許文献3】
特開2001−213634号公報
【特許文献4】
特開2000−226233号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記した従来技術の問題点に鑑み、金属Agのコロイドによる黄変を抑制したFPD基板用ガラス及びFPD基板を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のFPD基板用ガラスは、重量%で表示して6%未満のNa2Oを含有し、560〜580℃未満の歪み点、50〜350℃の温度範囲で80〜95×10−7/℃の平均熱膨張係数、2.7×103Kg/m3以下の密度を有し、且つ、0.60以下の光学的塩基性度を有することを特徴とする。
【0023】
請求項2に記載のFPD基板用ガラスは、請求項1に記載のFPD基板用ガラスにおいて、K2O/Na2Oの値が2以上であることを特徴とする。
【0024】
請求項3に記載のFPD基板用ガラスは、請求項1又は2に記載のFPD基板用ガラスにおいて、重量%で表示して0.2%〜2.5%のZrO2に換算した酸化ジルコニウム、及び0.01%〜0.5%未満のFe2O3に換算した全酸化鉄(T−Fe2O3)を含むことを特徴とする。
【0025】
請求項4に記載のFPD基板用ガラスは、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板用ガラスにおいて、前記基礎ガラス組成が、重量%で表示して、
55〜70%のSiO2、
0.2〜5%のAl2O3、
0〜15%のMgO、
2〜15%のCaO、
0〜15%のSrO、
10〜30%のMgO+CaO+SrO+BaO、
0〜5%のLi2O、
0〜6%のNa2O、
0〜15%のK2O、
5〜25%のNa2O+K2O、
0.2%〜2.5%のZrO2に換算した酸化ジルコニウム、
0.1%〜0.5%未満のFe2O3に換算した全酸化鉄(T−Fe2O3)、
及び0〜5%のB2O3からなることを特徴とする。
【0026】
請求項5に記載のFPD基板用ガラスは、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のFPD基板用ガラスにおいて、基礎ガラス組成として、実質的にBaOを含まないことを特徴とする。
【0027】
請求項6に記載のFPD基板は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のFPD基板用ガラスを用いたことを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るFPD基板用ガラスについて、詳細に説明する。
【0029】
Na2Oは、ガラスの溶解性を向上させ、溶解負荷を低減し生産性を向上させる働きがある。また、Na2Oは熱膨張係数を大きくし、化学的耐久性、電気絶縁性を低下させる。さらに、金属Agのコロイドによる黄変に注目した場合、Na2Oは黄変に大きな影響を及ぼすものと推定される。
【0030】
ガラス中にAgイオンが侵入する場合を考えると、まず電子を奪われてAg+となり、ガラス中のアルカリイオンとイオン交換を生じる形でガラス中に侵入するものと推定される。とりわけ、ガラス中のNa+は拡散速度が速く、Ag+とのイオン交換において支配的役割を果たすと考えられている。このため、Ag+のガラスへの侵入を抑制するために、Na2Oは6%未満であることが必要である。
【0031】
ガラス中に侵入したAg+は、そのままでは発色には寄与せず、ガラス中で電子を供与されて金属Ag(Ag0)を形成した後、凝集してコロイドを形成することにより黄変することが分かっている。
【0032】
ガラス中でAg+に電子を供与する相手としては、Sn2+や鉄イオン(Fe2+)等の寄与もあるが、発明者等はガラス自体の電子供与性を低減することで、Ag+の発色抑制に効果があることを見い出した。
【0033】
ガラスの電子供与性を示す尺度の一つとして、ガラスの光学的塩基性度(Optical Basicity)が知られている。各元素の酸・塩基を示す係数には諸説あり、値も様々なものが提唱されているが、全ての元素について求められているわけではない。そこで、ポーリングの電気陰性度(electronegativity)との相関があり、係数の不明な元素でも比較的精度良く推定可能と考えられるダフィーとイングラムの塩基性度緩和係数(Basicity moderating parameter)γを用いて、次式▲1▼から各ガラス組成の光学的塩基性度を求めた。
光学的塩基性度 = Σ(mに配位する全酸素数)/(γm×ガラス中の全酸素数)…式▲1▼
m:ガラスに含まれる陽イオン種
γm:陽イオンmの塩基性度緩和係数
【0034】
発明者等は、幾つかのガラス組成の光学的塩基性度と金属Agのコロイドによる黄変との間に相関を見い出し、光学的塩基性度の値を0.60以下、とりわけ0.57〜0.60の範囲にすれば、金属Agのコロイドによる黄変を改善できることが分かった。
【0035】
以下に、各組成範囲の限定理由を述べる。
【0036】
K2Oは、前記Na2Oと同様にガラスの溶解性を向上させ、溶解負荷を低減し生産性を向上させる。また、Na2Oよりも効果は小さいが、熱膨張係数を大きくし、化学的耐久性、電気絶縁性を低下させる。しかし、金属Agのコロイドによる黄変に注目すれば、K2Oの挙動はNa2Oとは大きく異なると推定される。
【0037】
カリウムイオン(以下「K+」と称する)は、Na+と同様にAg+とのイオン交換に寄与するが、K+の拡散速度はNa+に比較して非常に小さいため、Ag+がガラス深部まで拡散層を形成するのを妨げる。且つ、一旦ガラス外に出たK+はNa+とAg+とのイオン交換を妨げるため、Ag+のガラス中への侵入速度を抑え、拡散を抑制することができる。従って、重量%でK2O/Na2O比は2以上であることが好ましく、とりわけ6〜14の範囲であることが望ましい。
【0038】
アルカリ土類金属酸化物であるRO(RはCa、Mg、Sr、Baから選択される1種以上)は、ガラスの歪み点を高くし、ガラスの耐久性を向上させるとともに、成形時の失透温度、粘度を調整するのに用いられる。また、粘度を下げる効果も大きいので、適量含有させることができる。しかし、MgOの含有量が15%を超えると、失透温度が上昇する。CaOの含有量が2%未満又は15%を超える場合や、SrOの含有量が15%を超える場合も、同様に失透温度が上昇する。
【0039】
Baイオン(Ba2+)は、他のアルカリ土類金属イオンに比べて係数γが小さいため、光学的塩基性度を大きくする働きがある。また、BaOを添加するとガラスの密度が上昇する。従って、ガラス密度を2.7以下にするためには、BaOを実質的に含まないことが好ましい。
【0040】
BaOは、工業的には他のアルカリ土類金属原料中の不純物として導入される。本発明において、「BaOを実質的に含まない」とは0.2%以下の含有量のことである。
【0041】
ZrO2は歪み点を大きくし、ガラスの耐久性を向上させる働きを有する。ZrO2の含有量は0.2%以上であることが好ましい。Zrイオン(Zr4+)は、他の網目形成イオンに比べて係数γが小さいため、光学的塩基性度を大きくする働きがある。さらに、ガラスの失透温度が高くなり成形温度を超えてしまうため、ZrO2の含有量は2.5%以下であることが好ましい。
【0042】
Fe2O3に換算した全酸化鉄(T−Fe2O3)の含有量が0.5%以上であると、基板が黄変するという観点から、Fe2+によるAg+の還元作用が無視できなくなることから好ましくない。
【0043】
SiO2(シリカ)はガラスの骨格を形成する主成分である。SiO2の含有量が55%未満ではガラスの耐久性が低下し、70%を超えるとガラスの溶解が困難になる。
【0044】
Al2O3はガラスの耐久性を向上させる成分であるが、含有量が5%を超えるとガラスの溶解が困難になる。Al2O3の好ましい範囲は0.2〜2%である。
【0045】
B2O3はガラスの耐久性向上のため、あるいは溶解助剤としても使用される成分である。B2O3の含有量が5%を超えると、揮発等による成形時の不都合が生じるので、5%を上限とする。
【0046】
本発明の組成範囲のガラスは、フロート法で製造されることが好ましいため、通常、清澄剤としてアルカリ金属又はアルカリ土類金属の硫酸塩が用いられる。この場合、ガラス中に残存するSO3量の範囲は0.1〜0.3%であることが好ましい。
【0047】
本発明の基板用ガラスの組成物は、50〜350℃の温度範囲での平均熱膨張係数が80〜95×10−7/℃の範囲であるため、熱応力に起因する基板用ガラスのクラックや割れの発生を抑えることができる。平均熱膨張係数が80×10−7/℃未満又は95×10−7/℃超では、周辺材料と整合させることが困難である。
【0048】
本発明による基板用ガラスの組成物は、目標組成になるように調合した原料を熔融炉に供給し、ガラス化し、フロート法等により所定厚さの透明な板ガラスに成形することにより製造することができる。
【0049】
【実施例】
以下に、本発明の実施形態を具体的な実施例を挙げて説明する。
【0050】
(実施例)
表1に示す組成からなるガラス原料を、標準的なガラス熔解窯に供給して熔解し、フロート法により板状に成形して本実施例のガラス試料を作製した。このガラス試料について、歪み点、平均熱膨張係数、密度、光学的塩基性度及び銀処理前後の吸光度変化量を測定した。歪み点、平均熱膨張係数及び密度の測定は、一般的に知られている方法を用いて行った。また、銀処理前後の吸光度変化量の測定は、先に述べた特開2000−226233号公報に記載されている方法に従った。
【0051】
【表1】
【0052】
表1に示すように、本実施例のガラス試料は、576℃の歪み点、84×10−7/℃の熱膨張係数、及び2.64×103Kg/m3の密度を有していた。従って、本実施例のガラス試料は、高い歪み点を有するため、FPD用基板として用いた場合に熱収縮が小さく、また、大きい熱膨張係数及び低密度という優れた特性を有するガラスである。さらに、光学的塩基性度を0.60以下に抑えているため、金属Agのコロイドによる黄変の抑制効果にも優れている。
【0053】
(比較例1,2)
比較例1は、典型的なソーダ石灰シリカガラスであり、本発明の範囲外のガラス組成である。この組成によるガラスは、熱膨張係数が86×10−7/℃で本発明の範囲内にあるが、歪み点は509℃、密度は2.49×103Kg/m3といずれも本発明の範囲よりかなり低かった。また、比較例2は現在市場に出回っている典型的なPDP基板用ガラスのガラス組成である。比較例2は、光学的塩基性度が0.60を超えており、金属Agのコロイドによる黄変の抑制効果に劣ることが分かった。また、密度も2.74と大きく、本発明の範囲外であった。
【0054】
さらに、銀処理後の銀の分布について、実施例と比較例1,2を比較した。その結果、実施例は比較例1及び2に比して、発色に寄与している銀の分布層の厚みが薄かった。このことから、実施例の基板用ガラスは金属Agのコロイドがガラス中へ拡散して黄変することが抑制されていることが分かった。
【0055】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明の請求項1に記載のFPD基板用ガラスによれば、重量%で表示して6%未満のNa2Oを含有し、560〜580℃未満の歪み点、50〜350℃の温度範囲で80〜95×10−7/℃の熱膨張係数、2.7×103Kg/m3以下の密度を有し、且つ、0.60以下の光学的塩基性度を有するので、基板用ガラス上にAgペーストを塗布し、焼成して電極を形成した場合に、金属Agのコロイドが基板用ガラス中に拡散して黄変することを効果的に抑制することができ、熱収縮が小さく、しかも化学的耐久性に優れたFPD基板用ガラスを得ることができる。
【0056】
請求項4に記載のFPD基板用ガラスによれば、前記基礎ガラス組成が、重量%で表示して、55〜70%のSiO2、0.2〜5%のAl2O3、0〜15%のMgO、2〜15%のCaO、0〜15%のSrO、10〜30%のMgO+CaO+SrO+BaO、0〜5%のLi2O、0〜6%のNa2O、0〜15%のK2O、5〜25%のNa2O+K2O、0.2%〜2.5%のZrO2に換算した酸化ジルコニウム、0.1%〜0.5%未満のFe2O3に換算した全酸化鉄(T−Fe2O3)、及び0〜5%のB2O3からなるので、耐熱衝撃性、耐クラック性及び成形性に優れ、さらに歪み点が高く、熱収縮性が小さいため、FPD基板として用いることができる。
【0057】
請求項5に記載のFPD基板用ガラスによれば、基礎ガラス組成として実質的にBaOを含まないので、ガラス密度を2.7以下に抑制することができる。
【0058】
請求項6に記載のFPD基板によれば、請求1乃至5に記載されるFPD基板用ガラスを用いているので、熱収縮が小さく、また化学的耐久性にも優れるため、PDPやFED等のFPD用途のガラス基板として好適である。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a glass for a flat panel display (hereinafter, referred to as “FPD”) substrate and an FPD substrate, and discharges of a plasma display panel (hereinafter, referred to as “PDP”) and a field emission panel (hereinafter, referred to as “FED”). The present invention relates to a substrate glass and a substrate used as a front panel and a rear panel in an FPD used.
[0002]
[Prior art]
In recent years, FPDs such as PDPs, FEDs, and liquid crystal displays have been rapidly developed as large flat-panel televisions. Among them, PDPs and FEDs are display devices utilizing discharge when an electric field is applied between internal electrodes.
[0003]
The PDP discharges ultraviolet light from a rare gas to excite a predetermined phosphor by being discharged in a low-pressure rare gas confined inside the panel, and converts it into visible light to display images such as characters and figures. It is a method. The FED is a display device in which the inside of the panel is maintained in a high vacuum, and a phosphor is excited by an electron beam generated by applying an electric field in the high vacuum to generate visible light.
[0004]
Hereinafter, a method of manufacturing a PDP will be described as an example.
[0005]
First, an address electrode made of silver (Ag) is formed on a glass for a back substrate by a screen printing method or the like, and a visible light reflecting layer made of a dielectric glass and a glass partition are formed thereon at a predetermined pitch. . A phosphor layer is formed by disposing a phosphor paste of each color in each space sandwiched between these partition walls, and the phosphor layer is baked at about 500 ° C. to remove resin components and the like in the paste. I do.
[0006]
After the phosphor layer is fired, a low melting glass frit for sealing with the front substrate glass is applied around the rear substrate glass, and temporarily fired at about 300 ° C. in order to remove the resin in the glass slit.
[0007]
Thereafter, the display substrate, the glass for the front substrate on which the dielectric glass layer and the protective layer are formed, and the glass for the rear substrate are disposed so as to face each other with the display electrode and the address electrode interposed at right angles through a partition at about 600 ° C. It is baked and the surroundings are sealed with a low melting glass frit. Then, while heating to about 300 ° C., the air in the gap between the panels is evacuated and evacuated, and thereafter, a discharge gas is filled to complete the process.
[0008]
Glass having a high strain point and a large thermal expansion coefficient is widely used as glass for PDP substrates. Such a glass for a PDP substrate is generally produced by a float method which has excellent flatness of the main surface and homogeneity of the glass composition and has high productivity. Since the float glass is exposed to a hydrogen atmosphere during the production process, a reduced layer having a thickness of several μm is formed on the surface of the glass, and tin ions derived from molten tin (hereinafter referred to as “Sn 2+ ”) are present in this layer. It is known to
[0009]
After the Ag paste is applied as an electrode to the main surface of the glass for a PDP substrate formed by the float method via a transparent electrode, if the heat treatment process is repeated several times, silver ions (hereinafter referred to as “Ag + ”) are obtained. Diffuses into the transparent electrode to reach the glass surface, and causes ion exchange with alkali ions (especially, sodium ions (hereinafter, referred to as “Na + ”)) in the glass. Then, Ag + penetrates into the glass, and the penetrated Ag + is reduced by Sn 2+ present in the reduction layer to generate a metal Ag colloid. As a result, there has been a problem that the glass for a substrate is colored yellow (hereinafter, referred to as “yellowing”) by the colloid of the metal Ag.
[0010]
In addition, Ag + diffuses not only in the electrode forming portion but also in the peripheral portion thereof, and is reduced by Sn 2+ to generate a metal Ag colloid as described above, and the glass for the substrate often turns yellow. There was a problem that performance was impaired.
[0011]
Therefore, various methods have been proposed so far for suppressing yellowing of glass for a substrate when alkali-containing glass is used as glass for a PDP substrate.
[0012]
JP-A-10-255669 discloses an FPD substrate glass in which a main surface of a substrate glass manufactured by a float method is polished to remove a reducing foreign layer generated on the surface. ing.
[0013]
Since the glass for a substrate formed by the float method is exposed to the hydrogen atmosphere during the forming process as described above, both the surface (bottom surface) in contact with the tin (Sn) bath and the surface (top surface) in contact with the atmosphere side are formed. It is conventionally known that a reduced layer having a thickness of several μm is formed on the main surface of glass for a substrate, and a Sn 2+ diffusion layer is formed in this layer. It is also well known that the Sn 2+ diffusion layer has a reducing property, and the Sn 2+ diffusion layer reduces iron in the glass, and as a result, the bottom surface is colored blue (bloom). Have been. Therefore, polishing and removing the Sn 2+ diffusion layer present on the main surface of the substrate glass is a technique that can be easily performed by those skilled in the art. However, the measure of polishing all the glass for a substrate is not realistic because it causes a very large cost increase.
[0014]
Further, Japanese Patent Application Laid-Open No. H10-334813 discloses a plasma display device in which the amount of Fe 2 O 3 contained in the glass for a front substrate is less than 2000 ppm and a metal electrode is formed of Ag.
[0015]
Usually, in a glass sheet formed by the float method, the amount of Fe 2 O 3 at the impurity level mixed from the glass raw material is about 1500 ppm. It cannot control yellowing and is not a viable solution.
[0016]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-213634 discloses that the total content of Li 2 O, Na 2 O, and K 2 O is 7.5 to 20 mol%, and the content of Al 2 O 3 is 1.5 mol%. As described above, a sheet glass obtained by forming a silicate glass having a BaO content of 0 to 3.5 mol% into a sheet shape by a float method, and one or more kinds selected from the group consisting of F, Cl, Br and I Float glass for a display substrate, comprising:
[0017]
Usually, in a sheet glass formed by a float method, chlorine at an impurity level mixed from a glass raw material is about 0.01% by weight, but a hard base such as F − or Cl − is mixed with Ag + which is a soft acid. The preferential bonding force is weak, and the effect of suppressing coloring is hardly obtained. When a soft base such as Br − or I − is used, it is preferentially bound to Ag + , so that the effect of suppressing coloring can be expected. However, there is no industrially suitable raw material, and the cost is high. It is not realistic.
[0018]
JP-A-2000-226233 discloses a float glass having a total content of Na 2 O, K 2 O and Li 2 O of 5% by weight or more and a specific gravity at 20 ° C. of 2.7 or less. A = −log10 (T / Tref) calculated from the transmittance Tref of the float glass before the silver treatment at a wavelength of 410 nm and the transmittance T of the float glass after the silver treatment at a wavelength of 410 nm. Disclosed is a float glass for a flat panel display substrate having an absorbance A of 0.08 or less. Here, the silver treatment means that an Ag paste containing silver particles, an organic solvent, and a resin is applied to a surface of a float glass surface that is not in contact with molten tin (top surface) in a float bath. Baking in air at 580 ° C. for 1 hour to form a film having a thickness of 10 μm or more and a silver content of 95% by weight or more on the surface of the float glass, and the floatation of the film with nitric acid. This is a process consisting of removal from the surface of the glass.
[0019]
However, in JP-A-2000-226233, a known fact that "a smaller amount of tin penetrates into the glass and a lower coloration is desirable because a smaller amount of tin penetrates into the glass is desirable," It merely describes a method for evaluating yellowing due to colloids, and has not reached a fundamental solution.
[0020]
[Patent Document 1]
JP-A-10-255669 [Patent Document 2]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-334813 [Patent Document 3]
JP 2001-213634 A [Patent Document 4]
JP 2000-226233 A
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a glass for an FPD substrate and an FPD substrate in which yellowing due to a metal Ag colloid is suppressed in view of the above-mentioned problems of the related art.
[0022]
[Means for Solving the Problems]
To achieve the above object, the glass for an FPD substrate according to claim 1 contains less than 6% by weight of Na 2 O, a strain point of less than 560 to 580 ° C, and 50 to 350 ° C. Has an average thermal expansion coefficient of 80 to 95 × 10 −7 / ° C. in the temperature range of 2.7 × 10 3 Kg / m 3 or less, and has an optical basicity of 0.60 or less. It is characterized by the following.
[0023]
The glass for an FPD substrate according to a second aspect is the glass for an FPD substrate according to the first aspect, wherein the value of K 2 O / Na 2 O is 2 or more.
[0024]
The glass for an FPD substrate according to claim 3 is the glass for an FPD substrate according to claim 1 or 2, wherein zirconium oxide expressed as 0.2% to 2.5% in terms of ZrO 2 , expressed in terms of% by weight, and characterized in that it comprises a total iron oxide in terms of Fe 2 O 3 of less than 0.01% ~0.5% (T-Fe 2 O 3).
[0025]
The glass for an FPD substrate according to claim 4 is the glass for a substrate according to any one of claims 1 to 3, wherein the base glass composition is represented by weight%,
55-70% SiO 2 ,
0.2-5% Al 2 O 3 ,
0-15% MgO,
2-15% CaO,
0-15% SrO,
10-30% MgO + CaO + SrO + BaO,
0-5% Li 2 O,
0-6% Na 2 O,
0-15% of K 2 O,
5-25% Na 2 O + K 2 O,
Zirconium oxide in terms of 0.2% to 2.5% ZrO 2 ,
Total iron oxide in terms of Fe 2 O 3 less than 0.1% ~0.5% (T-Fe 2 O 3),
And characterized by comprising the 0-5% B 2 O 3.
[0026]
The glass for an FPD substrate according to a fifth aspect is the glass for an FPD substrate according to any one of the first to fourth aspects, wherein substantially no BaO is contained as a base glass composition.
[0027]
An FPD substrate according to a sixth aspect uses the glass for an FPD substrate according to any one of the first to fifth aspects.
[0028]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the glass for an FPD substrate according to the embodiment of the present invention will be described in detail.
[0029]
Na 2 O has the function of improving the solubility of glass, reducing the melting load, and improving productivity. Further, Na 2 O increases the coefficient of thermal expansion and lowers chemical durability and electrical insulation. Further, when attention is paid to the yellowing due to the metal Ag colloid, it is estimated that Na 2 O has a great effect on the yellowing.
[0030]
Considering the case where Ag ions enter the glass, it is presumed that electrons are first deprived to become Ag + and enter the glass in a form that causes ion exchange with alkali ions in the glass. In particular, Na + in glass has a high diffusion rate and is considered to play a dominant role in ion exchange with Ag + . Therefore, Na 2 O needs to be less than 6% in order to suppress the penetration of Ag + into the glass.
[0031]
Ag + is penetrated into the glass, not contribute to color development as it, after being donates electrons in a glass to form a metal Ag (Ag 0), to yellowing by coagulate and form a colloid I know.
[0032]
The counterpart to donate electrons to Ag + in the glass, there is a contribution of such Sn 2+ or iron ions (Fe 2+), inventors have to reduce the electron donating glass itself, Ag + color development of It has been found that it is effective for suppression.
[0033]
As one of the measures indicating the electron donating property of glass, the optical basicity (optical basicity) of glass is known. There are various theories for the coefficients indicating the acid and base of each element, and various values have been proposed, but not all elements are required. Therefore, there is a correlation with the electronegativity of Pauling, and it is considered that even an element whose coefficient is unknown can be estimated with relatively high accuracy by using the basicity relaxation parameter γ of Duffy and Ingram. The optical basicity of each glass composition was determined from the following equation (1).
Optical basicity = Σ (total number of oxygens coordinated to m) / (γ m × total number of oxygens in glass) Formula (1)
m: cation species contained in glass γ m : basicity relaxation coefficient of cation m
The inventors have found a correlation between the optical basicity of some glass compositions and the yellowing by colloids of metallic Ag, and have optical basicity values of 0.60 or less, especially 0.57 to less. It was found that when the content was in the range of 0.60, yellowing due to metal Ag colloid could be improved.
[0035]
The reasons for limiting each composition range are described below.
[0036]
K 2 O is, the Na 2 O and likewise improve the solubility of the glass, to reduce the dissolved load increase productivity. Further, although the effect is smaller than that of Na 2 O, the thermal expansion coefficient is increased, and the chemical durability and the electric insulation are reduced. However, if attention is paid to yellowing due to the metal Ag colloid, the behavior of K 2 O is presumed to be significantly different from that of Na 2 O.
[0037]
Potassium ions (hereinafter referred to as “K + ”) contribute to ion exchange with Ag + like Na + , but since the diffusion rate of K + is much smaller than that of Na + , Ag + Prevents formation of a diffusion layer to a deep part. In addition, since K + once out of the glass prevents ion exchange between Na + and Ag + , the rate of entry of Ag + into the glass can be suppressed and diffusion can be suppressed. Therefore, the K 2 O / Na 2 O ratio by weight% is preferably 2 or more, and more preferably in the range of 6 to 14.
[0038]
RO (R is at least one selected from Ca, Mg, Sr, and Ba), which is an alkaline earth metal oxide, increases the strain point of the glass, improves the durability of the glass, and reduces loss during molding. It is used to adjust the transmission temperature and viscosity. Also, since the effect of lowering the viscosity is large, it can be contained in an appropriate amount. However, when the content of MgO exceeds 15%, the devitrification temperature increases. When the content of CaO is less than 2% or more than 15%, or when the content of SrO exceeds 15%, the devitrification temperature similarly increases.
[0039]
Since Ba ion (Ba 2+ ) has a smaller coefficient γ than other alkaline earth metal ions, it has a function of increasing optical basicity. Further, when BaO is added, the density of the glass increases. Therefore, in order to reduce the glass density to 2.7 or less, it is preferable that BaO is not substantially contained.
[0040]
BaO is industrially introduced as an impurity in other alkaline earth metal raw materials. In the present invention, "substantially free of BaO" refers to a content of 0.2% or less.
[0041]
ZrO 2 has the function of increasing the strain point and improving the durability of the glass. The content of ZrO 2 is preferably 0.2% or more. Zr ions (Zr 4+ ) have a smaller coefficient γ than other network forming ions, and thus have a function of increasing the optical basicity. Furthermore, since the devitrification temperature of the glass increases and exceeds the forming temperature, the content of ZrO 2 is preferably 2.5% or less.
[0042]
When the content of total iron oxide in terms of Fe 2 O 3 (T-Fe 2 O 3) is 0.5% or more, from the viewpoint of the substrate it is yellowed, ignoring the reduction action of Ag + by Fe 2+ It is not preferable because it becomes impossible.
[0043]
SiO 2 (silica) is a main component that forms the skeleton of glass. If the content of SiO 2 is less than 55%, the durability of the glass decreases, and if it exceeds 70%, melting of the glass becomes difficult.
[0044]
Al 2 O 3 is a component that improves the durability of the glass, but if the content exceeds 5%, it becomes difficult to melt the glass. The preferred range of Al 2 O 3 is 0.2 to 2%.
[0045]
B 2 O 3 is a component used for improving the durability of glass or as a melting aid. If the content of B 2 O 3 exceeds 5%, inconvenience during molding due to volatilization or the like occurs, so the upper limit is 5%.
[0046]
Since the glass in the composition range of the present invention is preferably produced by a float method, usually, a sulfate of an alkali metal or an alkaline earth metal is used as a fining agent. In this case, the range of the amount of SO 3 remaining in the glass is preferably 0.1 to 0.3%.
[0047]
Since the composition of the glass for a substrate of the present invention has an average coefficient of thermal expansion in a temperature range of 50 to 350 ° C. of 80 to 95 × 10 −7 / ° C., cracks in the glass for a substrate caused by thermal stress. And generation of cracks can be suppressed. When the average coefficient of thermal expansion is less than 80 × 10 −7 / ° C. or more than 95 × 10 −7 / ° C., it is difficult to match with the surrounding material.
[0048]
The composition of the glass for a substrate according to the present invention can be produced by supplying a raw material prepared so as to have a target composition to a melting furnace, vitrifying the glass, and forming a transparent plate glass having a predetermined thickness by a float method or the like. it can.
[0049]
【Example】
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to specific examples.
[0050]
(Example)
A glass raw material having the composition shown in Table 1 was supplied to a standard glass melting furnace, melted, and formed into a plate by a float method, thereby producing a glass sample of this example. For this glass sample, the strain point, average thermal expansion coefficient, density, optical basicity, and change in absorbance before and after silver treatment were measured. The measurement of the strain point, the average coefficient of thermal expansion, and the density was performed using a generally known method. The change in absorbance before and after the silver treatment was measured according to the method described in JP-A-2000-226233 described above.
[0051]
[Table 1]
[0052]
As shown in Table 1, the glass sample of this example has a strain point of 576 ° C., a coefficient of thermal expansion of 84 × 10 −7 / ° C., and a density of 2.64 × 10 3 Kg / m 3. Was. Therefore, since the glass sample of this example has a high strain point, when used as a substrate for an FPD, the glass sample has excellent characteristics such as a small thermal contraction, a large thermal expansion coefficient, and a low density. Furthermore, since the optical basicity is suppressed to 0.60 or less, the effect of suppressing yellowing by the metal Ag colloid is excellent.
[0053]
(Comparative Examples 1 and 2)
Comparative Example 1 is a typical soda-lime-silica glass having a glass composition outside the scope of the present invention. The glass of this composition has a coefficient of thermal expansion of 86 × 10 −7 / ° C. within the range of the present invention, but has a strain point of 509 ° C. and a density of 2.49 × 10 3 Kg / m 3. Was much lower than the range. Comparative Example 2 is a glass composition of a typical PDP substrate glass currently on the market. In Comparative Example 2, the optical basicity exceeded 0.60, and it was found that the effect of suppressing the yellowing due to the metal Ag colloid was inferior. Further, the density was as large as 2.74, which was out of the range of the present invention.
[0054]
Further, the distribution of silver after silver treatment was compared between the example and comparative examples 1 and 2. As a result, in the example, the thickness of the silver distribution layer contributing to color development was smaller than in the comparative examples 1 and 2. From this, it was found that in the glass for a substrate of the example, the colloid of metal Ag was suppressed from diffusing into the glass and yellowing.
[0055]
【The invention's effect】
As described in detail above, the glass for an FPD substrate according to claim 1 of the present invention contains less than 6% by weight of Na 2 O, a strain point of less than 560 to 580 ° C., and 50% by weight. A coefficient of thermal expansion of 80 to 95 × 10 −7 / ° C. in a temperature range of −350 ° C., a density of 2.7 × 10 3 Kg / m 3 or less, and an optical basicity of 0.60 or less When an electrode is formed by applying an Ag paste on a substrate glass and baking it, it is possible to effectively suppress the colloid of metal Ag from diffusing into the substrate glass and yellowing. Thus, it is possible to obtain a glass for an FPD substrate which has small heat shrinkage and excellent chemical durability.
[0056]
According to FPD glass substrate according to claim 4, wherein the base glass composition, in% by weight, 55-70% of SiO 2, 0.2 to 5% of Al 2 O 3, 0 to 15 % of MgO, 2 to 15% of CaO, 0 to 15% of SrO, 10 to 30% of MgO + CaO + SrO + BaO, 0~5% of Li 2 O, 0~6% of Na 2 O, 0 to 15% of K 2 O, 5 to 25% of Na 2 O + K 2 O, zirconium oxide in terms of ZrO 2 0.2% to 2.5%, the total in terms of Fe 2 O 3 less than 0.1% to 0.5% Since it is composed of iron oxide (T-Fe 2 O 3 ) and 0 to 5% of B 2 O 3 , it has excellent thermal shock resistance, crack resistance, and moldability, and further has a high strain point and a small heat shrinkage. And an FPD substrate.
[0057]
According to the glass for an FPD substrate according to the fifth aspect, BaO is not substantially contained as a base glass composition, so that the glass density can be suppressed to 2.7 or less.
[0058]
According to the FPD substrate according to the sixth aspect, since the glass for an FPD substrate according to the first to fifth aspects is used, heat shrinkage is small and chemical durability is excellent. It is suitable as a glass substrate for FPD use.
Claims (6)
6%未満のNa2Oを含有し、
560〜580℃未満の歪み点、
50〜350℃の温度範囲で80〜95×10−7/℃の平均熱膨張係数、
2.7×103Kg/m3以下の密度を有し、
且つ、0.60以下の光学的塩基性度、
を有することを特徴とするフラットパネルディスプレイ基板用ガラス。Expressed in weight percent,
Containing less than 6% Na 2 O;
A strain point below 560-580 ° C.
An average coefficient of thermal expansion of 80 to 95 × 10 −7 / ° C. in a temperature range of 50 to 350 ° C.,
Having a density of 2.7 × 10 3 Kg / m 3 or less;
And an optical basicity of 0.60 or less,
A glass for a flat panel display substrate, comprising:
0.2%〜2.5%のZrO2に換算した酸化ジルコニウム、
及び0.01%〜0.5%未満のFe2O3に換算した全酸化鉄(T−Fe2O3)を含む請求項1又は2に記載のフラットパネルディスプレイ基板用ガラス。Expressed in weight percent,
Zirconium oxide in terms of 0.2% to 2.5% ZrO 2 ,
The glass for a flat panel display substrate according to claim 1, further comprising: total iron oxide (T-Fe 2 O 3 ) converted to Fe 2 O 3 of 0.01% to less than 0.5%.
55〜70%のSiO2、
0.2〜5%のAl2O3、
0〜15%のMgO、
2〜15%のCaO、
0〜15%のSrO、
10〜30%のMgO+CaO+SrO+BaO、
0〜5%のLi2O、
0〜6%のNa2O、
0〜15%のK2O、
5〜25%のNa2O+K2O、
0.2%〜2.5%のZrO2に換算した酸化ジルコニウム、
0.1%〜0.5%未満のFe2O3に換算した全酸化鉄(T−Fe2O3)、
及び0〜5%のB2O3からなる請求項1乃至3のいずれか1項に記載のフラットパネルディスプレイ基板用ガラス。The base glass composition is expressed in weight%,
55-70% SiO 2 ,
0.2-5% Al 2 O 3 ,
0-15% MgO,
2-15% CaO,
0-15% SrO,
10-30% MgO + CaO + SrO + BaO,
0-5% Li 2 O,
0-6% Na 2 O,
0-15% of K 2 O,
5-25% Na 2 O + K 2 O,
Zirconium oxide in terms of 0.2% to 2.5% ZrO 2 ,
Total iron oxide in terms of Fe 2 O 3 less than 0.1% ~0.5% (T-Fe 2 O 3),
And 0-5% B 2 O 3 consisting of claims 1 to 3 flat panel display glass substrate according to any one of.
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