JP2004181378A - 攪拌装置 - Google Patents

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Makoto Housawa
眞 朋澤
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NAMUTETSUKU KK
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Abstract

【課題】この発明は、効率的に流体を均等に攪拌することができる攪拌装置の提供を目的とする。
【解決手段】互いに回転軸が平行な状態で設けられた二本のアーム部材4a、4bと、アーム部材4a、4bの他端部にそれぞれ同一方向に立設された二本のシャフト部材5a、5bと、シャフト部材5a、5b間に架設された攪拌翼6と、アーム部材4a、4bを回転させる駆動モータ2a、2bとを備える。アーム部材4a、4bが互いに逆方向に水平回転すると、攪拌翼6の一方側部はその表面で流体を前方に押し出す態様で大きな回転角度で前進すると同時に、攪拌翼6の他方側部は流体からの抵抗を避ける態様で小さな回転角度で後退することを攪拌翼6の両側部において交互に繰り返して、攪拌翼6が左右に揺動しながら流体を左右交互に前方に押し出す。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、各種流体を攪拌するのに使用される攪拌装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
例えば、水処理施設における原水の受け入れ槽や調整槽では、原水中の微粒子が槽底部に沈殿すると、槽容積が減少したり、微粒子が有機物であると腐敗して異臭を発生するため、槽中の原水を撹拌する必要がある。また、水処理施設における活性汚泥処理槽では、活性汚泥処理に必要な酸素を処理槽全体に均等に供給する必要がある。また、電子部品の製造や半導体の製造における微細加工を実現しようとする場合において、薬液処理やそれに続く洗浄水洗処理における工程能力の向上や省資源のためには、処理設備内の流体を均一に撹拌する必要がある。また、景観池、農業用溜池、防火水槽等、養殖池、水族館の水槽等では、水が停滞していると、特に底部の水の酸素が不足して腐敗するため、池内あるいは槽内の水を撹拌する必要がある。さらにまた、工業施設における反応処理槽、例えばメッキ槽では、被メッキ材を互いに衝突させ傷付かせることがあるので、槽内の流体を均等かつ緩やかに撹拌する必要がある。
【0003】
そこで、従来、このような閉鎖領域に貯留された流体の攪拌は、一ないし複数のプロペラを流体内で回転させることにより行ったり、あるいはポンプにより流体を勢いよく放出することにより行ったり、さらには邪魔板などを用いて流体の流れに乱れを生じさせることにより行うものであった。
【0004】
しかしながら、このような流体の攪拌では、流体が流れない死水域(デッドゾーン)が生じ易く、効率的に流体を均等に攪拌することが困難であるという問題があった。
【0005】
この発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、効率的に流体を均等に攪拌することができる攪拌装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上述の目的を達成するために、それぞれ一端部を中心にして回転し、かつそれら回転軸が平行な状態で設けられた二本のアーム部材4a、4bと、それらアーム部材4a、4bの他端部において同一方向に立設された二本のシャフト部材5a、5bと、それらシャフト部材5a、5b間に架設された攪拌翼6と、前記二本のアーム部材4a、4bを回転させる駆動装置2a、2bとを備え、
前記二本のアーム部材が互いに逆方向に回転することにより前記二本のシャフト部材が立設状態を維持しながら互いに逆方向に回転するのに従って、前記攪拌翼の一方側部はその表面で流体を前方に押し出す態様で大きな回転角度で前進すると同時に、前記攪拌翼の他方側部は流体からの抵抗を避ける態様で小さな回転角度で後退することを前記攪拌翼6の両側部において交互に繰り返すことにより、前記攪拌翼が左右に揺動しながら流体を左右交互に前方に押し出すことを特徴とする。
【0007】
これによれば、攪拌装置の右側および左側の前方で非定常流が交互に発生し、それが互いに干渉し合って複雑で広範囲な非定常流が生成され、このような広範囲な非定常流が何層にも繰り返されながら流体中を伝わっていくので、効率的に流体を均等に攪拌することができる。
【0008】
また、前記一方のアーム部材の回転軸と一方のシャフト部材との距離Saと、前記他方のアーム部材の回転軸と他方のシャフト部材のとの距離Sbが等しく設定されるとともに、両シャフト部材間の距離Scが前記距離Sa、Sbの2倍の距離に設定され、
前記攪拌翼の一方側部はその表面で流体を前方に押し出す態様で約180度の回転角度で前進すると同時に、前記攪拌翼の他方側部は流体からの抵抗を避ける態様で約74度の回転角度で後退することを前記攪拌翼の両側部において交互に繰り返すものとなされているのが好ましい。これによれば、上述の非定常流が適度な広がりおよび距離で流体中を伝わっていくので、より一層効率的に流体を均等に攪拌することができる。
【0009】
また、前記攪拌翼は、その両側部が魚の尾鰭形状に形成されているが好ましい。これによれば、より効率的に流体を均等に攪拌することができる。なお、魚の尾鰭形状とは、内側が短辺かつ外側が長辺の略台形において外側の長辺に凹部が形成された形状をいう。
【0010】
また、前記攪拌翼は、上端中央部および/または下端中央部に凹部が形成されているのが好ましい。これによれば、攪拌装置の中央部前方付近においても非定常流を発生させることができる。
【0011】
また、前記攪拌翼は、その中央部に一ないし複数の孔が形成されているのが好ましい。これによれば、攪拌装置の中央部前方付近においても非定常流を発生させることができる。
【0012】
前記攪拌翼は、少なくとも周縁部が弾性材料からなるのが好ましい。これによれば、攪拌翼の一方側部が前進するに際して、流体を押し出すのに強力なスナップ効果が生じ、非定常流をより効率的に発生させることができる。
【0013】
また、前記駆動装置は、外部のコンピュータからの動作指令に基づいて制御されるものとなされているのが好ましい。これによれば、コンピュータによるプロセス制御や、外部からのフィードバック情報(センサー)により、この攪拌装置を制御することで、設置状況に応じた攪拌を効率的に行うことを可能とした。
【0014】
【発明の実施の形態】
次にこの発明の一実施形態に係る攪拌装置(A)について説明する。
【0015】
この攪拌装置(A)は、図1に示すように、ケーシング(1)と、該ケーシング(1)の内部に収容された左側および右側駆動モータ(2a)(2b)と、左側および右側駆動モータ(2a)(2b)に連動された左側および右側アーム部材(4a)(4b)と、左側および右側アーム部材(4a)(4b)に回動自在に接続された左側および右側シャフト部材(5a)(5b)と、左側および右側シャフト部材(5a)(5b)間に架設された攪拌翼(6)とを備えてなり、攪拌翼(6)がケーシング(1)の下方に位置するような向きで流体中に配置されている。
【0016】
なお、この実施形態では、左側および右側シャフト部材(5a)(5b)を結ぶ方向を左右とし、それに垂直な方向を前後とする。
【0017】
前記ケーシング(1)は、直方体の箱状に形成されており、その内部の底板上面には左側および右側駆動モータ(2a)(2b)が並列して設けられている。このケーシング(1)は、当該攪拌装置(A)が設置される槽に設けられた支持部材(7)に支持されている。なお、ケーシング(1)は、支持部材に対して水平方向に移動可能な態様、あるいは/および鉛直方向に移動可能な態様で支持されるものとしてもよい。このようにケーシング(1)を支持部材(7)に対して移動可能なものとすれば、流体内における攪拌翼(6)の位置を任意に設定することができ、槽形状や流体等に応じて種々の攪拌を行うことが可能となる。また、ケーシング(1)を雲台(ローテータ)で支えることにより、360°旋回の旋回をすることで、本体を中心とした全方位への攪拌効果が得られる。
【0018】
前記左側および右側駆動モータ(2a)(2b)は、いずれもその下端面に左側および右側モータ軸(3a)(3b)を有しており、それら左側および右側モータ軸(3a)(3b)はケーシング(1)の底板を貫通して下方に突出している。
左側および右側のモータ回転速度を相互に加減速する必要がある為、モータ軸(3a)(3b)の位置情報の得られるものが好ましい。その位置情報に基づいてモータードライバによりモータ(2a)(2b)の回転数を加減速させる。モータードライバに対しては、加減速の信号をCPUから制御する構成にする。また、モータ(2a)(2b)の正転・逆転を内臓タイマーにて切り替えることで、槽内の攪拌領域を拡大可能にできる。また、モータ(2a)(2b)の正転・逆転を外部からの指令により、任意に切り替えることにより、目的に応じた攪拌効果が得られる。DCモータの使用について述べたが、ステッピングモータを使用してもよい。ここで、多種多様な回転モードをCPUのメモリ部位に予めプログラミングしておき、必要なプロセス条件に応じて単純な外部指令により複雑な作動を行わせることができる。以上の機能は、外部からのコンピュータでモータードライバに直接の指令を行うことも可能である。
【0019】
前記左側および右側アーム部材(4a)(4b)は、それぞれ一端部が前記左側および右側モータ軸(3a)(3b)に固着され、同一高さにおいて水平状態に設けられている。このため、左側および右側アーム部材(4a)(4b)は、左側および右側モータ軸(3a)(3b)を回転軸として、それらを中心に同一平面内で互いに逆方向に水平回転することができる。
【0020】
前記左側および右側シャフト部材(5a)(5b)は、それぞれ上端部が前記左側および右側アーム部材(4a)(4b)の他端部に軸受け(8)により回動自在に接続され、左側および右側アーム部材(4a)(4b)の他端部から同一方向の下方に延びる態様で立設されている。しかして、前記左側および右側アーム部材(4a)(4b)が左側および右側モータ軸(3a)(3b)を中心にして互いに逆方向に水平回転すると、その回転に伴って前記左側および右側シャフト部材(5a)(5b)が下方立設状態を維持しながら互いに逆方向に水平回転し得る。
【0021】
前記攪拌翼(6)は、正面視長円形状、かつ横断面楕円形状に形成された薄型平板である。この攪拌翼(6)には、その左側部(6a)に前記左側シャフト部材(5a)の下部が攪拌翼(6)を上下に挿通した状態で固着されるとともに、その右側部(6b)に前記右側シャフト部材(5b)の下部が攪拌翼(6)を上下に挿通した状態で固着されており、これにより左側および右側アーム部材(4a)(4b)間に攪拌翼(6)が架設されている。攪拌翼(6)の材料は、流体の種類等に応じて適宜選択され、一般的にはプラスチック材料、セラミック材料あるいは金属材料が用いられる。
【0022】
なお、この実施形態では、左側モータ軸(3a)と左側シャフト部材(5a)の距離(Sa)と、右側モータ軸(3b)と右側シャフト部材(5b)の距離(Sb)を等しくし、左側シャフト部材(5a)と右側シャフト部材(5b)の距離(Sc)を前記距離(Sa)または(Sb)の2倍の距離に設定している。
【0023】
従って、図3(a)に示すように攪拌翼(6)が(a1)の状態にある場合、左側および右側アーム部材(4a)(4b)が互いに逆方向に回転すると、攪拌翼(6)の左側部(6a)は、矢印(I)に示すように、その表面で流体を前方に押し出す態様で大きく回転しながら前進すると同時に、攪拌翼(6)の右側部(6b)は、矢印(II)に示すように、流体の抵抗を避ける態様で小さく回転しながら後退し、攪拌翼(6)は(a1)、(a2)、および(a3)の状態を順に辿りながら移動する。
【0024】
一方、図3(b)に示すように、攪拌翼(6)が(b1)の状態にある場合、左側および右側アーム部材(4a)(4b)が互いに逆方向に回転すると、攪拌翼(6)の右側部(6b)は、矢印(III)に示すように、その表面で流体を前方に押し出す態様で大きく回転しながら前進すると同時に、攪拌翼(6)の左側部(6a)は、矢印(IV)に示すように、流体の抵抗を避ける態様で小さく回転しながら後退し、攪拌翼(6)は(b1)、(b2)、および(b3)の状態を順に辿りながら移動する。
【0025】
こうして攪拌翼(6)は、図4に示すように、上記動作を交互に繰り返すことにより、その中心位置を変えつつ左右に揺動しながら流体を左右交互に前方に押し出すので、攪拌翼の背面が負圧となって上下左右から流体が流れ込み、攪拌装置(A)の右側および左側の前方には非定常流が効率的に交互に発生する。そして、それら非定常流が互いに干渉し合って複雑で広範囲な非定常流が生成され、このような広範囲な非定常流が何層にも繰り返されながら流体中を伝わっていくので、効率的に流体を均等に攪拌することができる。なお、攪拌装置(A)を側方から観察した場合、図10(a)に示すように、攪拌翼により生成される流れは流体の液面に平行なものとなる。
【0026】
上述の非定常流については、各種態様のものが考えられる。例えば、図5に示すように、前進する攪拌翼(6)の周囲に小さな渦流が発生し、その渦流が集合して渦塊となり、その渦塊がそのまま攪拌翼(6)により押し出され、そのまま流体中を方向性を持って伝わっていくことが考えられる。
【0027】
特に、攪拌翼(6)の翼形状が理想的な態様にある場合には、図6に示すように、前進する攪拌翼(6)の周囲に生じた小さな渦流から渦輪が生成され、その渦輪がそのまま攪拌翼(6)に押し出され、渦輪自体が流体中を方向性を持って自立的に遠方まで移動することが考えられる。
【0028】
これら渦塊や渦輪は、その渦流による速度場によって流体粒子が運動することにより流体を効率的に撹拌することができ、しかもその伝播過程において障害物が存在していても、障害物の裏の滞留物も撹拌することができる。
【0029】
次に前記攪拌装置(A)の動作について説明する。
【0030】
まず、図3(a)に示すように、攪拌翼(6)が(a1)の状態にある場合において、左側駆動モータ(2a)の左側駆動軸(3a)が下方から見て時計方向に約180度回転すると、左側アーム部材(4a)が下方から見て時計方向に約180度水平回転し、それに伴って左側シャフト部材(5a)も立設状態を維持しながら下方から見て時計方向に約180度回転するので、攪拌翼(6)の左側部(6a)は左側シャフト部材(5a)の約180度回転軌道に沿って前進する。
【0031】
また、右側駆動モータ(2b)の右側駆動軸(3b)も、左側駆動モータ(2b)の約180度回転に応じて逆方向に回転する際に、左側および右側シャフト部材(5a)(5b)に架設された攪拌翼(6)により機構的に回転動作が制限されることにより約74度しか逆方向に回転しない。このため、右側アーム部材(4b)も下方から見て反時計方向に約74度しか水平回転せず、それに伴って右側シャフト部材(5b)も立設状態を維持しながら下方から見て反時計方向に約74度しか回転しないので、攪拌翼(6)の右側部(6b)は右側シャフト部材(5b)の約74度逆回転軌道に沿って後退する。
【0032】
しかして、攪拌翼(6)の左側部(6a)は、矢印(I)に示すように、その表面で流体を前方に押し出す態様で大きく回転しながら前進すると同時に、攪拌翼(6)の右側部(6b)は、矢印(II)に示すように、流体の抵抗を避ける態様で小さく回転しながら後退し、前記攪拌翼(6)は(a1)、(a2)、および(a3)の状態を順に辿りながら移動する。
【0033】
一方、図3(b)に示すように、攪拌翼(6)が(b1)の状態にある場合において、右側駆動モータ(2b)の右側駆動軸(3b)が下方から見て反時計方向に約180度回転すると、右側アーム部材(4b)が下方から見て反時計方向に約180度水平回転し、それに伴って右側シャフト部材(5b)も立設状態を維持しながら下方から見て反時計方向に約180度回転するので、攪拌翼(6)の右側部(6b)は右側シャフト部材(5b)の約180度回転軌道に沿って前進する。
【0034】
また、左側駆動モータ(2a)の左側駆動軸(3a)も、左側駆動モータ(2a)の約180度回転に応じて逆方向に回転する際に、左側および右側シャフト部材(5a)(5b)に架設された攪拌翼(6)により機構的に回転動作が制限されることにより約74度しか逆方向に回転しない。このため、左側アーム部材(4a)も下方から見て時計方向に約74度しか水平回転せず、それに伴って左側シャフト部材(5a)も立設状態を維持しながら下方から見て時計方向に約74度しか回転しないので、攪拌翼(6)の左側部(6a)は左側シャフト部材(5a)の約74度逆回転軌道に沿って後退する。
【0035】
しかして、攪拌翼(6)の右側部(6b)は、矢印(III)に示すように、その表面で流体を前方に押し出す態様で大きく回転しながら前進すると同時に、攪拌翼(6)の左側部(6a)は、矢印(IV)に示すように、流体の抵抗を避ける態様で小さく回転しながら後退し、攪拌翼(6)は(b1)、(b2)、および(b3)の状態を順に辿りながら移動する。
【0036】
こうして、攪拌翼(6)は、図4に示すように、その中心位置を変えつつ左右に揺動しながら流体を左右交互に押し出すので、攪拌翼(6)の背面が負圧となって上下左右から流体が流れ込み、攪拌装置(A)の右側および左側の前方には非定常流が効率的に交互に発生する。そして、それら非定常流が互いに干渉し合って複雑で広範囲な非定常流が生成され、このような広範囲な非定常流が何層にも繰り返されながら流体中を伝わっていくので、効率的に流体を均等に攪拌することができる。
【0037】
なお、この実施形態では、攪拌翼(6)は、正面視長円形状に形成したが、この形状に限定されるものでなく、その他の形状に形成してもよい。例えば、図7(a)(b)に示すように、攪拌翼の両側部を魚(例えばイルカ)の尾鰭形状に形成すれば、より効率的に流体を均等に攪拌することができる。なお、魚の尾鰭形状とは、内側が短辺かつ外側が長辺の略台形において外側の長辺に凹部が形成された形状をいう。
【0038】
また、前記攪拌翼(6)は、少なくとも周縁部が弾性材料からなるものとしてもよい。これによれば、攪拌翼の一方側部が前進するに際して、流体を押し出すのに強力なスナップ効果が生じ、非定常流をより効率的に発生させることができる。
【0039】
また、攪拌翼(6)が平面視長円形状の場合、攪拌装置(A)の中央部前方付近において流体の流れが生じにくい領域が出来ることがある。そこで、図8に示すように、上端中央部および/または下端中央部に凹部(61)を形成した攪拌翼(図8(a))、中央部にせん孔(62)またはスリット孔(62)を形成した攪拌翼(図8(b))、あるいはいずれをも形成した攪拌翼(図8(c))とすれば、攪拌装置(A)の中央部前方付近においても非定常流を発生させることができる。
【0040】
また、図8(d)に示すように、攪拌翼(6)の両側部を円形または楕円形にして、その中央を接続したような形状の場合、攪拌翼(6)の上記動作による渦輪を形成し易くなる。
【0041】
また、例えば当該攪拌装置(A)を食品プロセスに使用する場合、攪拌翼(6)と左側および右側シャフト部材(5a)(5b)を一体化させて、左側および右側シャフト部材(5a)(5b)と左側および右側アーム部材(4a)(4b)との接続部にドリル等のチャック機構を採用して容易に着脱可能なものとすれば、攪拌翼(6)を簡単に取り外すことができ、洗浄等のメンテナンスを容易に行うことが可能となる。
【0042】
また、左側および右側シャフト部材(5a)(5b)と左側および右側アーム部材(4a)(4b)を回動自在に接続するものとしたが、左側および右側シャフト部材(5a)(5b)と左側および右側アーム部材(4a)(4b)を固着し、左側および右側シャフト部材(5a)(5b)と攪拌翼(6)とを軸受け等により回動自在に接続するものとしてもよい。
【0043】
また、左側および右側アーム部材(4a)(4b)を同一高さの位置に設けるものとしたが、それぞれ異なる高さの位置に設けてもよい。また、左側および右側アーム部材(4a)(4b)を水平状態に設けるものとしたが、回転軸(モータ軸(3a)(3b))に対して鋭角的な角度をなす状態で設けるものとしてもよい。要は、左側および右側アーム部材(4a)(4b)は、互いに回転軸が平行な状態で設けられていればよい。
【0044】
また、左側および右側アーム部材(4a)(4b)は、それぞれ左側および右側モータ軸(3a)(3b)が一端部に固着されるものとしたが、一端部以外に固着されてもよい。
【0045】
また、左側および右側アーム部材(4a)(4b)の回転を2個の駆動モータ(2a)(2b)により行うものとしたが、歯車やベルト等を用いて1個の駆動モータにより行うものとしてもよい。
【0046】
また、左側および右側シャフト部材(5a)(5b)は、それぞれ左側および右側アーム部材(4a)(4b)の他端部に接続されるものとしたが、回転軸(モータ軸(3a)(3b))と所定距離を隔てた位置であれば、左側および右側アーム部材(4a)(4b)の他端部以外に接続されてもよい。
【0047】
また、従来の回転駆動の攪拌翼の場合、槽の形状は円筒状が多いのだが、本発明に係る攪拌装置(A)の場合、槽の隅々まで攪拌することができるので、槽の形状を問わない。
【0048】
また、ケーシング(1)を支持部材(7)により支持するものとしたが、ケーシング(1)を槽の側面に取り付けたり、あるいはケーシングを槽の底面に載置するものとしてもよい。これによれば、攪拌装置(A)の翼部から吐出された液流を底部に沈降している堆積物に直接作用させて、その堆積物を巻き上げることができる。
【0049】
また、攪拌翼(6)がケーシング(1)の下方に位置するような向きで攪拌装置(A)を流体中に配置したが、攪拌装置(A)の向きは特に限定されるものではなく、例えば攪拌翼(6)がケーシング(1)の上方あるいは側方に位置するような向きで攪拌装置(A)を流体中に配置してもよい。
【0050】
また、攪拌翼(6)が流体の液面近傍に位置するように攪拌装置(A)を設置してもよい。これによれば、渦流により空気を巻き込んで気泡を発生せしめ、その気泡を流体の流れに乗せて送り出すことができる。
【0051】
また、左側モータ軸(3a)と左側シャフト部材(5a)の距離(Sa)と、右側モータ軸(3b)と右側シャフト部材(5b)の距離(Sb)を等しくし、左側シャフト部材(5a)と右側シャフト部材(5b)の距離(Sc)を前記距離(Sa)または(Sb)の2倍の距離に設定したが、距離(Sa)(Sb)(Sc)をその他の距離に設定してもよい。例えば、図9(a)に示すように、左側モータ軸(3a)と右側モータ軸(3b)を接近させて、左側シャフト部材(5a)と右側シャフト部材(5b)の距離(Sc)を前記距離(Sa)または(Sb)の2倍の距離よりも小さくしてもよい。また、図9(b)に示すように、左側モータ軸(3a)と右側モータ軸(3b)を遠ざけて、左側シャフト部材(5a)と右側シャフト部材(5b)の距離(Sc)を前記距離(Sa)または(Sb)の2倍の距離よりも大きくしてもよい。
【0052】
また、一の攪拌翼(6)により流体の攪拌を行うものとしたが、複数の攪拌翼(6)により流体の攪拌を行うものとしてもよい。例えば、図10(b)に示すように、シャフト部材において上下2段に2つの攪拌翼(6)(6)を設けることが考えられる。攪拌翼(6)の回転数を上げれば流体の吐出量を増加させることができるが、このように攪拌翼(6)を複数設けることによって、攪拌翼(6)の回転数を上げることなく、流体の吐出量を増加させることができるとともに、流体の攪拌範囲を広げることができる。
【0053】
また、深さ方向に角度を付けた流れを生成するには、取付架台などの補助具を用いて、攪拌装置(A)本体の設置を水平位置から傾斜させればよい。
【0054】
また、前記補助具を用いずに深さ方向に角度を付けたまま流れを生成するには、図10(c)(d)(e)に示すように、シャフト部材が特定の位置で折れ曲がる構造体にして、その折れ曲がり部を固定すればよい。これによれば、水平方向の流れだけでなく、斜め上方や斜め下方へと、自在に流れ方向を設定することができ、その目的とする深さ方向への流れを生成することが可能となる。なお、初めから任意の角度を持ってシャフト部材が折れ曲がった構造としてもよいが、実用に際しては、槽の形状によって流れ方向を変えたい場合があるので、流れ方向を簡単に設定可能な上記のシャフト部材の構造が好ましい。
【0055】
しかして、上述のようにより多くの流れと、より複雑な非定常流を形成することで、攪拌効果が増大する。また、深さのある水域などの攪拌において、この攪拌装置(A)の特徴の一つである渦流が間接的に作用するが、そこに沈降している堆積物などには、攪拌翼で生成した流れを直接に作用させることで、より積極的に堆積物などを巻き上げることができる。一度、巻き上がった粒子は、本攪拌装置(A)によって水域内全体に発生した渦流の作用で液中に長時間浮遊することになる。この作用は、堆積物の生ずる反応槽においては特に効果を発揮する。巻き上げられた堆積物に対しては、渦流が効率良く反応を促進して、その工程を短時間処理することが可能となるなどの効果を生み出す。
【0056】
また、攪拌装置(A)を流体中に1台だけ配置するものとしたが、複数台配置するものとしてもよい。例えば、より広範囲なエリアでの攪拌に用いる場合を図11にて説明する。図11(a)は、攪拌装置(A)を複数台(4台)配置した状態を示す上方視図で、図11(b)は、その側方視図である。
【0057】
図11に示すように、攪拌翼(6)の背面に負圧が生じる。その負圧を囲むように攪拌装置(A)を配備することにより、図中斜線部のように大きな負圧域となる。その負圧を補うために流体は下方から上昇する流れを生じさせ、その上昇流により渦巻き流を形成する。大気の高気圧の渦巻きと同様のものである。一度生じた渦巻きは、徐々に下方へと伸びていく。一定時間経過すると底部からの湧昇流を生成することとなり、湖などの底部周辺に停滞していた流体を寄せ集めて巻き上げる流れを形成する。
【0058】
流体の移動に着目すると底部の停滞水域から湖面まで上昇し、さらに湖面を漂った後、その流体は自然沈降していく。この攪拌装置(A)により閉鎖水域であるにもかかわらず、自然循環を補助することで、ゆっくりとであるが、水の自然浄化が促進されるなどの効果がある。
【0059】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、攪拌装置の右側および左側の前方で非定常流が交互に発生し、それが互いに干渉し合って複雑で広範囲な非定常流が生成され、このような広範囲な非定常流が何層にも繰り返されながら流体中を伝わっていくので、効率的に流体を均等に攪拌することができる。
【0060】
請求項2に係る発明によれば、上述の非定常流が適度な広がりおよび距離で流体中を伝わっていくので、より一層効率的に流体を均等に攪拌することができる。
【0061】
請求項3に係る発明によれば、より効率的に流体を均等に攪拌することができる。
【0062】
請求項4に係る発明によれば、攪拌装置の中央部前方付近においても非定常流を発生させることができる。
【0063】
請求項5に係る発明によれば、攪拌装置の中央部前方付近においても非定常流を発生させることができる。
【0064】
請求項6に係る発明によれば、攪拌翼の一方側部が前進するに際して、流体を押し出すのに強力なスナップ効果が生じ、非定常流をより効率的に発生させることができる。
【0065】
請求項7に係る発明によれば、コンピュータにより駆動モータの回転速度を調整し得るので、攪拌翼による非定常流の広がりや到達距離を簡単かつ確実に変更することができ、種々の攪拌が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る攪拌装置の正面図である。
【図2】図1の攪拌装置の平面図である。
【図3】攪拌翼の状態の変化を示す模式図である。
【図4】攪拌翼の状態の変化を全回転に亘って示す模式図である。
【図5】図1の攪拌装置により生じる非定常流の一例を示す模式図である。
【図6】図1の攪拌装置により生じる非定常流の他の例を示す模式図である。
【図7】攪拌翼の他の例を示す正面図である。
【図8】攪拌翼のさらに他の例を示す正面図である。
【図9】アーム部材、シャフト部材、および攪拌翼の距離関係の他の例を示す平面図である。
【図10】攪拌装置の攪拌翼及びシャフト部材の各種態様を示す側面図である。
【図11】攪拌装置を複数台設置した場合の状態を示す概略図である。
【符号の説明】
1・・・ケーシング
2a、2b・・・駆動モータ
3a、3b・・・駆動モータ軸
4a、4b・・・アーム部材
5a、5b・・・シャフト部材
6・・・攪拌翼
7・・・支持部材

Claims (7)

  1. それぞれ一端部を中心にして回転し、かつそれら回転軸が平行な状態で設けられた二本のアーム部材4a、4bと、それらアーム部材4a、4bの他端部において同一方向に立設された二本のシャフト部材5a、5bと、それらシャフト部材5a、5b間に架設された攪拌翼6と、前記二本のアーム部材4a、4bを回転させる駆動装置2a、2bとを備え、
    前記二本のアーム部材4a、4bが互いに逆方向に回転することにより前記二本のシャフト部材5a、5bが立設状態を維持しながら互いに逆方向に回転するのに従って、前記攪拌翼6の一方側部はその表面で流体を前方に押し出す態様で大きな回転角度で前進すると同時に、前記攪拌翼6の他方側部は流体からの抵抗を避ける態様で小さな回転角度で後退することを前記攪拌翼6の両側部において交互に繰り返すことにより、前記攪拌翼6が左右に揺動しながら流体を左右交互に前方に押し出すことを特徴とする攪拌装置。
  2. 前記一方のアーム部材4aの回転軸と一方のシャフト部材5aとの距離Saと、前記他方のアーム部材4bの回転軸と他方のシャフト部材5bのとの距離Sbが等しく設定されるとともに、両シャフト部材5a、5b間の距離Scが前記距離Sa、Sbの2倍の距離に設定され、
    前記攪拌翼6の一方側部はその表面で流体を前方に押し出す態様で約180度の回転角度で前進すると同時に、前記攪拌翼6の他方側部は流体からの抵抗を避ける態様で約74度の回転角度で後退することを前記攪拌翼6の両側部において交互に繰り返すものとなされている請求項1に記載の攪拌装置。
  3. 前記攪拌翼6は、その両側部が魚の尾鰭形状に形成されている請求項1または請求項2に記載の攪拌装置。
  4. 前記攪拌翼6は、上端中央部および/または下端中央部に凹部61が形成されている請求項1ないし請求項3に記載の攪拌装置。
  5. 前記攪拌翼6は、その中央部に一ないし複数の孔62、63が形成されている請求項1ないし請求項4に記載の攪拌装置。
  6. 前記攪拌翼6は、少なくとも周縁部が弾性材料からなる請求項1ないし請求項5に記載の攪拌装置。
  7. 前記駆動装置2a、2bは、外部のコンピュータからの動作指令に基づいて制御されるものとなされている請求項1ないし請求項6に記載の攪拌装置。
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CN110354541A (zh) * 2019-07-16 2019-10-22 宁夏伊品生物科技股份有限公司 一种消泡装置
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