JP2004180378A - 水力発電設備 - Google Patents

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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

【課題】流量と落差を有する水配管に設置する水力発電設備の水車を設置する水配管の流量と落差の変化があっても、水車の効率が最大となる最適回転速度に調整できる水力発電設備を構成する。
【解決手段】水車と発電機が直結された状態の回転速度を、水車が設置された水配管の流量の変化と、放水部の水位をから求めた落差の変化に応じて、水車の効率が最高効率となる最適回転数になるように、水車と直結された発電機は交流電圧励磁方式とし、発電機の励磁電圧の励磁周波数を流量の変化と水位計が検出した水位から求めた落差の変化に応じて水車の効率が最高効率となる最適回転速度になるように、発電機回転子の励磁電圧の励磁周波数を制御して励磁する構成とした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、火力発電所または原子力発電所の冷却水配管や上水道などの水設備の配管等において、流量と落差がある流水配管に設置される水力発電設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
火力または原子力等の汽力発電所の循環水設備、工場における給排配水設備、上下水道の給水設備等の自然流下している水設備の流量と落差がある配管部分に水力発電設備を設置して発電することにより、従来捨てられていたエネルギを有効に利用することができるようになる。このような水力発電設備は、まだ実用されている例は少ないが、例えば「非特許文献1」にマイクロ水車の水力発電設備の概要が紹介されている。
汽力発電所の循環水設備、上下水道の給水設備等の配管に設置する水力発電設備は、極力設置スペースを小さくし、機器のコストを低くすることが必要なために水車は調速装置を持たない構成であり、発電機は水車の上に取り付けられたいわゆるパッケージ型に構成されたものが多く使用される。
【0003】
これらの水力発電設備は、設置する場所が汽力発電所の循環水設備の放水管、水道設備の給排水管などの途中に設置されるものであり、この部分に設置された水力発電設備は点検・故障等により停止することがあり、この場合にも通水できる状態を確保するために水車を設置する部分にはバイパス管が並列に設けられている。
【0004】
また、水力発電設備はシンプルにするために水車には調速装置は設けられていないが、調速装置がないと回転速度の制御ができないので、非特許文献1の図5に示されたように周波数調整を電気的に行う方式が採られている。具体的には発電機は交流電圧で励磁し、励磁周波数を調整することにより回転速度を制御する構成が採用されている。水車は流量、落差が変化すると効率が低下し、常時高効率で運転することはできないが、従来は無駄に捨てられていたエネルギーを有効に利用できるようになるというものである。
【0005】
【非特許文献1】
電気学会雑誌 121巻 2号(2001年)P119〜P122、(3.マイクロ水車、図3、図5)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の通り、汽力発電所の循環水設備、上下水道の給排水設備等に設置する水力発電設備は、極力設置スペースを小さくし、機器のコストを低くするために水車は、流量調整機能や調速装置を持たない構成であり、回転速度は外部の発電機励磁回路の周波数を調整することにより行う方法が採られ、水車は流量と落差に任せた運転となり、流量・落差の変化がある場合には水車の効率も変化して、常時高効率での運転ができないという問題点があった。
【0007】
この発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、流量および落差が変化した場合にも水車の効率が低下しない水力発電設備を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る水力発電設備は、水設備の落差と流量が得られる水配管に設置した水車とこの水車に直結された発電機と、水配管の流量を検出する流量計と、放水側水位を検出する水位計と、流量計が検出した流量と水位計が検出した水位から求めた落差に応じて水車の効率が最高効率となる最適回転速度に制御する回転速度制御手段とからなり、発電機は、回転子が交流電圧で励磁され、商用周波交流電圧で出力する構成とし、回転速度制御手段は、流量と落差に対応した水車が最高効率となる最適回転速度を演算し、最適回転速度における発電機の回転子磁界の回転速度が、出力される商用周波交流電圧に対応する同期速度となる発電機回転子の励磁周波数を演算する可変速制御装置と、励磁電源を発電機回転子励磁電圧の励磁周波数の交流電圧に変換して発電機回転子を励磁する可変速変換器とで構成したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は実施の形態1の水力発電設備のブロック図である。この図1は、火力発電所または原子力発電所等の汽力発電所で継続的でかつ安定流量が確保できる循環水設備の水配管に水力発電設備を適用した場合の構成を示すものである。
【0010】
この構成は、取水口3から取水するポンプ2、吸水管4、復水器1、水配管5を経由して、水車11の部分とバイパスバルブ7を備えたバイパス管6は並列配置として放水管8に接続し、放水口9から海中に放水する配管ルートで構成されている。バイパス管6は水力発電設備の点検時や故障時に通水できるように設けられているものである。
【0011】
汽力発電所における復水器1の循環水は、流量Qが安定的に確保でき、ほぼ一定の落差Hを有しているものであり、この部分に水力発電設備を設置すると次式に示す電力Pが発電できる。
P=9.8×Q×H×η(η:発電効率)
【0012】
水車11は小形軽量で設置スペースを小さくし、発電機12は水車11と直結され、水車11と一体輸送が可能なように構成されている。水配管5に流量計13を設けて流量Qを検出し、放水管8の放水口9側の水位を水位計14で検出し、この検出した水位と復水器1の出口側の位置との差が発電に寄与する落差Hとなる。
【0013】
水車11に調速装置がないので、発電機12は交流励磁方式とし、励磁電圧の周波数を調整することにより、回転速度が水車11と発電機12とが一体で制御できる。回転速度は、流量計13により検出した流量Qと、水位計14が検出した水位と復水器1の出口側の位置との差の落差Hの条件において、回転速度制御手段15により、水車11の効率が最高効率となる最適回転速度に制御される。回転速度制御手段15は、流量Qと落差Hにおける水車11の最適回転速度と、その回転速度となる発電機12の回転子の励磁電圧の励磁周波数を演算する可変速制御装置16と、可変速制御装置16が演算した励磁周波数に基づいて、電源電圧を励磁周波数の交流電圧に変換し、発電機12の回転子を励磁する可変速変換器17とで構成されている。
【0014】
起動・停止等の運転制御は制御装置18で制御され、発電機の出力は回路設備19を介して負荷に接続される。
【0015】
水車11は設置される部分の流量Qと落差Hにおいて効率が最高効率となる最適回転速度で運転されるように製作されており、回転速度が一定であって、流量Q、落差Hに変化があると水車11の効率は低下する。流量Qと落差Hに対応して最高効率となる最適回転速度がある。実際の汽力発電所の復水器1に循環する水配管の放出口8の海面は、潮の干満により変化して水車11の回転力に寄与する落差Hが変化する。流量Q、落差Hの変化がある場合には、変化に対応した最適回転速度に制御すれば最高効率を維持した運転が可能となる。
【0016】
水車11の回転速度の具体的な制御方法は、可変速制御装置16に予め水車11の流量Qと落差Hの変化に対応する水車11が最高効率となる最適回転速度の関係を記憶しておき、検出された流量Qおよび落差Hに対応して最適回転速度を求め、求めた最適回転速度になる発電機12の回転子を励磁する励磁電圧の励磁周波数を演算し、励磁電源を励磁周波数の交流電圧に可変速変換器17において変換し、発電機12の回転子を励磁することにより、水車11が流量Qと落差Hの変化に対応して最高効率になる最適回転速度に制御することができる。
【0017】
このように制御することにより、汽力発電所における、復水器1の循環水の出口と放出口9の間に保有するエネルギを効率よく回収することができる。
【0018】
上記の構成は、汽力発電所における復水器1に循環した循環水の海中への放水部分に水力発電設備を設置した場合について説明したが、同様の構成を安定した流量Qと落差Hが得られる場合の例えば水処理設備の給排水管などにも適用できることはいうまでもない。
【0019】
実施の形態2.
図2は実施の形態2の水力発電設備のブロック図である。実施の形態2は、水車の回転速度を一定とし、水車の効率を最大効率に維持するために、水流をバイパス管に分流させて水車設置部分の流量が最適流量になるように制御する実施の形態である。
【0020】
実施の形態2の水力発電設備は、図1の構成とほぼ同一であるが、回転速度は設定された流量および落差に対応して水車が最高効率になる最適回転速度に固定した制御となり、水配管の水車を設置する部分に並列にバイパス管を設け、流量Q、落差Hの変化に対して水車に流す流量Qを最適流量Qaに制御するものである。図2の構成は、取水口3、循環ポンプ2、給水管4、復水器1、水配管5の復水器1の出口部分、放水管8、放水口9、水車11、発電機12、流量計13、水位計14、水車11および発電機12を制御する制御装置18、発電機12の出力を負荷に供給する回路設備19は実施の形態1の図1の構成と同一である。
【0021】
配管ルートは、復水器1の循環水の出口の水配管5から水車11を設置する水配管21とバイパス管22に分岐して並列に配管し、バイパス管22にはバイパス流量調整バルブ23を設け、放水管8でまとめて放水するように構成している。流量計13は水配管5の部分に設置している。
【0022】
発電機12は水車11に直結して設置し、その回転速度を制御する回転速度制御手段25は、回転制御装置26と励磁電圧変換器27とで構成し、回転制御装置26は水車11に対して安定的に得られる流量Qaと落差Haの条件で最高効率が得られる最適回転速度に制御するものであり、発電機12の励磁電圧の励磁周波数を出力する機能と、流量計13が検出した流量Qの変化と、水位計14が検出した水位から求めた落差Hの変化に対応し、水車11が上記の最適回転速度とした一定の状態で最高効率が得られる最適流量Qoを演算し、流量計13が検出した流量Qから最適流量Qoを差し引いた流量差をバイパス流量Qbの制御信号として流量制御装置28に出力する機能を備えた構成であり、励磁電圧変換器27は、回転制御装置26から励磁電圧の励磁周波数に対応し、励磁電源を励磁周波数の交流電圧に変換し、発電機12の回転子を励磁する構成である。
【0023】
流量制御装置28は、回転制御装置26からのバイパス流量Qbの制御信号に基づいてバイパス流量調節バルブ23の開度を制御して水配管21の流量が最適流量Qoになるように制御する。
【0024】
このように水車11と発電機12の回転速度を一定にし、水車11の部分の流量を最適流量Qoに制御する構成にすると、回転速度制御手段25の回転制御装置26および励磁電圧変換器27の構成が単純化されて、コストメリットが得られ、流量Qおよび落差Hの変化が大きな場合にも高効率で安定的にエネルギの回収ができる。
【0025】
【発明の効果】
この発明に係る水力発電設備は、水車と発電機が直結された状態の回転速度を水車が設置された水配管の流量変化と、放水部の水位から求めた落差の変化に応じて、水車の効率が最高効率となる最適回転速度になるように制御する構成としたことにより、水力発電設備として常時最高効率で運転され、流量と落差が得られる水配管部分が保有するエネルギを効率よく回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の水力発電設備の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態2の水力発電設備の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 復水器、2 循環水ポンプ、3 取水口、4 給水管、5 水配管、
6 バイパス管、7 バイパスバルブ、8 放水管、9 放水口、11 水車、
12 発電機、13 流量計、14 水位計、15 回転速度制御手段、
16 可変速制御装置、17 可変速変換器、18 制御装置、
19 回路設備、21 水配管、22 バイパス管、
23 バイパス流量調節バルブ、25 回転速度制御手段、
26 回路制御装置、27 励磁電圧変換器、28 流量制御手段。

Claims (2)

  1. 水設備の落差と流量が得られる水配管に設置された水車と、該水車に直結された発電機と、上記水配管の流量を検出する流量計と、放水側水位を検出する水位計と、上記流量計が検出した流量と上記水位計が検出した水位から求めた落差に応じて、上記水車を最適回転速度に制御する回転速度制御手段とからなり、上記発電機は、回転子が交流電圧で励磁され、商用周波交流電圧で出力する構成であり、上記回転速度制御手段は、上記流量と落差に対応して上記水車が最高効率となる最適回転速度を演算し、該最適回転速度における上記発電機回転子の磁界の回転速度が、出力される商用周波交流電圧に対応する同期速度となるように発電機回転子励磁電圧の励磁周波数を演算する可変速制御装置と、励磁電源を上記発電機回転子励磁電圧の励磁周波数の交流電圧に変換して上記発電機回転子を励磁する可変速変換器とで構成されていることを特徴とする水力発電設備。
  2. 水設備の落差と流量が得られる水配管に設置された水車と、該水車に直結された発電機と、上記水車が設置された水配管と並列に配管され、上記水車が設置された水配管の流量を調整するバイパス流量調整バルブを有するバイパス管と、上記水配管の流量を検出する流量計と、放水側水位を検出する水位計と、設定された流量及び落差に対応して水車が最高効率となる最適回転速度に制御する回転速度制御手段と、上記水車が設置された水配管の流量を最適流量に制御する流量制御装置とからなり、上記発電機は、回転子が交流電圧で励磁され、商用周波交流電圧で出力する構成であり、上記回転速度制御手段は、上記最適回転速度で回転する発電機回転子励磁電圧の励磁周波数を演算する機能と、上記水配管の流量と落差の変化に対応して、水車が上記最適回転速度において最高効率となる水車設置部分の最適流量を演算する機能とを備えた回転制御装置と、励磁電源を水車及び発電機が上記最適回転速度で回転する励磁周波数に変換して上記発電機回転子を励磁する励磁電圧変換器とで構成され、上記流量制御装置は、水車設置部分の流量が上記最適流量になるように、上記バイパス流量調整バルブの開度を調整して上記バイパス管に分流させる制御を行う構成としたことを特徴とする水力発電設備。
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