JP2004180216A - 無線通信システム及び無線通信設定方法及び無線通信設定サーバ及び基地局装置並びにプログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】管理用サーバ20を複数の無線基地局10に接続し、管理用サーバ20には、無線ネットワークの接続形態に対応させて決定された設定情報を各無線基地局10に送信する設定情報送信機能を設け、前記設定情報には、少なくとも各無線基地局のネットワークアドレスと、各無線基地局の管理システムにアクセスするために必要な管理者認証ワードと、各無線基地局の所属ネットワーク認証ワードと、無線パケット暗号化キーと、各無線基地局が他の無線基地局との接続に使用する無線チャネルと、各無線基地局が管轄エリア内の無線端末との接続に使用する無線チャネルとを含めた。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の無線基地局を用いて有線通信回線を介在することなくネットワークを構築するために用いられる無線通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明と関連のある従来技術は次の特許文献1に開示されている。
【特許文献1】
特表2001−503235号公報
従来の公衆網やLAN(Local Area Network)においては、主要な通信回線として有線通信回線を用いたバックボーンネットワークが用意され、その支線系もしくは補助的な通信媒体として無線通信システムが使用されている。
【0003】
現在では、特許文献1に開示された無線通信システムのように、配線設計からの開放やネットワークトポロジ(ネットワークの接続形態)の変更の柔軟性に対するニーズから、有線通信回線を用いることなく、一時的なネットワークの構築が可能な無線通信システムも提案されている。
このような無線通信システムは、例えばノートパソコンやPDAといった個人の所有する複数の無線端末が、お互いに有線通信回線を介在することなく無線通信媒体のみで直接的に通信できることや、同時に複数のノードとの間で通信できることを想定している。
【0004】
従って、メッセージをどのように運べばよいかというルーティングの問題や、複数の機器から送信された電波ができるだけ干渉しないようにするにはどのようにチャネルを割り当てればよいかという問題が生じる。
無線通信媒体のみを用いて一時的なネットワークを形成するシステムとしては、Bluetoothが普及している。Bluetoothのシステムでは、主に機器間の近距離の通信接続に用いることを想定している。
【0005】
そのため、Bluetoothのシステムにおいては、ルーティングとチャネル割り当てに関する課題を解決するために、通信を行う全ての無線端末を互いに同期させ、10m程度の限られたエリア内で、8端末以下の無線接続に使用するように制限を設けてある。
【0006】
しかしながら、Bluetoothのシステムは、移動性の高い無線端末の収容や大容量の通信には不向きであるといわれている。
実際には、移動性の高い無線端末の収容や大容量の通信を実現するためには、携帯電話やPHS(パーソナルハンディホンシステム)のように、無線端末のアクセス制御を行うために無線基地局が必要になると考えられる。
【0007】
また、無線端末の移動性や大容量通信を確保するためには、複数チャネルを使用する半固定無線基地局に、無線端末のアクセス制御機能や無線基地局間のルーティング機能を持たせる必要がある。
ところで、無線通信媒体のみで構成されるネットワークは、災害時にも有効な通信手段とされている。従って、回線が切れて使い物にならなかったり、停電でそもそも電源が入らないということがあってはならず、電源設備や有線通信網のようなインフラの使用が困難な状況においても、一時的に無線基地局を設置するだけでネットワークを利用できることが望ましい。
【0008】
このような無線通信システムは、災害時に必要な一斉同報通信や、災害現場の状況に関する画像伝送を行う場合に、有効なツールになると期待されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように無線通信媒体のみでネットワークを構築し、かつ無線端末の移動性や大容量通信を実現し、複数の無線端末への同報通信に対応した無線ネットワークを実現するためには、有限の周波数資源(通信チャネル)を効果的に割り当てる必要がある。
【0010】
また、ポータブルな無線基地局を用いてネットワークを構築する場合には、無線基地局を配置する位置の違いに応じてネットワークトポロジが変化する。しかし、効率的に通信チャネルを利用するためには、ネットワークトポロジが変化する度にチャネル割り当ての設計をやり直す必要がある。このようなチャネル割り当ての設計は手間のかかる作業であり、設計者には無線接続及びセキュリティに関する高度な知識が必要とされる。
【0011】
本発明は、上述のような無線通信システムにおいて、無線通信チャネルの望ましい割り当てなどを実現するための各無線基地局の動作パラメータの決定を容易にしたり、ネットワーク上の一部の無線基地局に不具合が発生した場合の復旧を迅速に行うことが可能な無線通信システム及び無線通信設定方法及び無線通信設定サーバ及び基地局装置並びにプログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1は、複数の無線基地局を備え、各々の無線基地局が複数の無線基地局との接続及び通信の中継を行う機能と、管轄する無線エリア内の無線端末のアクセス制御を行う機能とを具備し、有線通信回線を介在することなしに通信ネットワークの構築が可能な無線通信システムにおいて、管理用サーバを所定の有線通信回線もしくは無線通信回線を介して前記複数の無線基地局に接続し、前記管理用サーバには、前記複数の無線基地局によって構成される無線通信ネットワークの接続形態に対応させて決定された設定情報を各無線基地局に送信する設定情報送信機能を設け、前記設定情報には、少なくとも各無線基地局のネットワークアドレスと、各無線基地局の管理システムにアクセスするために必要な管理者認証ワードと、各無線基地局の所属ネットワーク認証ワードと、無線パケット暗号化キーと、各無線基地局が他の無線基地局との接続に使用する無線チャネルと、各無線基地局が管轄エリア内の無線端末との接続に使用する無線チャネルとを含めたことを特徴とする。
【0013】
請求項1においては、前記管理用サーバから各無線基地局に対して設定情報を送信して各無線基地局の動作を決定することができる。また、管理用サーバが送信する設定情報は無線通信ネットワークの接続形態(トポロジ)に対応付けて決定されるので、無線チャネルなどを接続形態に応じて適切に割り当てることができる。
【0014】
また、管理用サーバは設定情報として管理者認証ワード,所属ネットワーク認証ワード及び無線パケット暗号化キーを送信するのでセキュリティの問題を解決できる。
請求項2は、請求項1の無線通信システムにおいて、前記管理用サーバには、前記無線通信ネットワーク上の何れかの無線基地局で不具合が生じた場合に備えて、不具合の発生した無線基地局と交換される予定の予備無線基地局のネットワークアドレス及び機器アドレスを各無線基地局に送信して保持させる機能を設け、前記各無線基地局には、前記予備無線基地局に対して、ネットワークアドレス及び機器アドレスを除く他のパラメータとして不具合の生じた無線基地局と同一の内容の設定情報を送信し保持させる機能とを設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項2においては、予備無線基地局のネットワークアドレス及び機器アドレスが前記管理用サーバから各無線基地局に送信されるので、各無線基地局は予備無線基地局を検索したり予備無線基地局にアクセスすることが可能である。
また、無線通信ネットワーク上の何れかの無線基地局で不具合が生じた場合には、無線基地局から予備無線基地局に対して、ネットワークアドレス及び機器アドレスを除く他のパラメータとして不具合の生じた無線基地局と同一の内容の設定情報を送信するので、予備無線基地局を不具合が生じた無線基地局の代わりに利用できる。
【0016】
請求項3は、請求項1の無線通信システムにおいて、前記管理用サーバには、複数の無線基地局によって構成される前記無線通信ネットワークの接続形態として、予め定めた複数種類の接続形態の中からの選択を管理者に促すユーザインタフェースを設けたことを特徴とする。
請求項3においては、管理用サーバのユーザインタフェースの制御により、管理者は複数種類の接続形態(トポロジ)の中から1つの接続形態を選択することができる。従って、管理者の選択入力を反映した接続形態のネットワークを構築できる。
【0017】
請求項4は、請求項1の無線通信システムにおいて、前記管理用サーバには、1つの無線基地局が隣接する他の無線基地局に送信する際に使用する第1の無線チャネルと、隣接する他の無線基地局から受信する際に使用する第2の無線チャネルと、管轄エリア内の無線端末との通信接続に使用する第3の無線チャネルとが互いに異なる無線チャネルになるように、各無線基地局を制御する無線チャネル割り当て手段を設けたことを特徴とする。
【0018】
請求項4においては、各無線基地局において中継用の送信チャネル,受信チャネル及び無線端末との間の通信チャネルに互いに異なるチャネルを割り当てるので、電波の干渉の問題を解決できる。
請求項5は、請求項2の無線通信システムにおいて、前記各無線基地局には、無線通信回線を介して接続された他の無線基地局の不具合の有無を検出する不具合検出手段と、無線基地局の不具合を検出した場合に、不具合の発生した無線基地局に関する情報を無線端末に対して通知する不具合情報通知手段と、不具合の発生した無線基地局の代わりに利用可能な前記予備無線基地局を検出する予備無線基地局検出手段と、前記無線通信ネットワークに検出された前記予備無線基地局を加える予備無線基地局加入手段とを設けたことを特徴とする。
【0019】
請求項5においては、無線通信ネットワークに接続された何れかの無線基地局に不具合が発生すると、他の無線基地局によってその不具合が検出され、不具合の発生した無線基地局の情報が無線端末に通知される。また、利用可能な予備無線基地局が検出され、検出された予備無線基地局を加えるように無線通信ネットワークが再構築される。
【0020】
従って、不具合の発生した無線基地局を予備無線基地局で置き換え、無線通信ネットワークを不具合のない状態に維持できる。
請求項6は、複数の無線基地局を備え、各々の無線基地局が複数の無線基地局との接続及び通信の中継を行う機能と、管轄する無線エリア内の無線端末のアクセス制御を行う機能とを具備し、有線通信回線を介在することなしに通信ネットワークの構築が可能な無線通信システムを制御し、各無線基地局の動作を決定するための無線通信設定方法において、所定の管理用サーバから各無線基地局に対して、無線基地局に割り当てられているネットワークアドレス及び機器アドレスを含む設定情報を問い合わせ、前記問い合わせの結果を含む設定情報を前記管理用サーバ上で無線基地局毎に管理して前記管理用サーバ上で表示するとともに、管理者に対して設定情報の追加入力もしくは修正入力を促し、管理用サーバで管理されている各無線基地局の設定情報を管理用サーバから各無線基地局に送信して各無線基地局の機能を決定することを特徴とする。
【0021】
請求項6においては、管理用サーバは各無線基地局に設定情報を問い合わせて現在の設定状態を把握しその状態を管理用サーバ上で表示するので、管理者はネットワークの設定状態を把握できる。管理者が設定情報を追加入力又は修正入力すると、その結果が反映された設定情報が生成されて各無線基地局に送信される。従って、ネットワークの設定状態の変更が容易になる。
【0022】
請求項7は、請求項6の無線通信設定方法において、前記無線通信ネットワーク上の何れかの無線基地局で不具合が生じた場合に、予め用意された予備無線基地局のネットワークアドレス及び機器アドレスを前記管理用サーバから各無線基地局に送信し、何れかの無線基地局から前記予備無線基地局に対して、ネットワークアドレス及び機器アドレスを除く他のパラメータとして不具合の生じた無線基地局と同一の内容の設定情報を送信することを特徴とする。
【0023】
請求項7においては、無線基地局は管理用サーバから送信される情報によって予備無線基地局にアクセスできる。また、無線基地局から予備無線基地局に送信される情報によって、予備無線基地局は不具合の生じた無線基地局と同様の動作を行うことができる。
【0024】
請求項8は、請求項7の無線通信設定方法において、前記各無線基地局は、無線通信回線を介して接続された他の無線基地局の不具合の有無を監視し、他の無線基地局の不具合を検出した無線基地局は、不具合の発生した無線基地局に関する情報を無線端末に対して通知し、不具合の発生した無線基地局の代わりに利用可能な前記予備無線基地局の存在を検索し、検出された前記予備無線基地局を前記無線通信ネットワークに加えることを特徴とする。
【0025】
請求項8においては、無線基地局に不具合が発生すると、他の無線基地局によってその不具合が検出され、不具合の検出された無線基地局の情報が無線端末に通知される。また、利用可能な予備無線基地局が検出され、検出された予備無線基地局を加えるように無線通信ネットワークが再構築される。
請求項9は、複数の無線基地局を備え、各々の無線基地局が複数の無線基地局との接続及び通信の中継を行う機能と、管轄する無線エリア内の無線端末のアクセス制御を行う機能とを具備し、有線通信回線を介在することなしに通信ネットワークの構築が可能な無線通信システムを制御し、各無線基地局の動作を決定するための前記各無線基地局に接続可能な無線通信設定サーバであって、各無線基地局に対して、無線基地局に割り当てられているネットワークアドレス及び機器アドレスを含む設定情報を問い合わせる設定情報問い合わせ手段と、前記問い合わせの結果を含む設定情報を無線基地局毎に管理して表示するとともに、管理者に対して設定情報の追加入力もしくは修正入力を促す設定情報編集手段と、管理されている各無線基地局の設定情報を各無線基地局に送信して各無線基地局の機能を決定する設定情報更新手段とを設けたことを特徴とする。
【0026】
請求項9においては、無線通信設定サーバを用いることにより、各無線基地局の設定情報を把握し、管理者からの追加入力又は修正入力を受け付けて設定情報を更新し、その結果を各無線基地局の設定情報に反映できる。従って、ネットワークの設定状態の変更が容易になる。
【0027】
請求項10は、複数の無線基地局を備え、各々の無線基地局が複数の無線基地局との接続及び通信の中継を行う機能と、管轄する無線エリア内の無線端末のアクセス制御を行う機能とを具備し、有線通信回線を介在することなしに通信ネットワークの構築が可能な無線通信システムに前記各無線基地局として用いられる基地局装置において、無線通信回線を介して接続された他の無線基地局の不具合の有無を監視する不具合監視手段と、他の無線基地局の不具合を検出した場合に、不具合の発生した無線基地局に関する情報を無線端末に対して通知する不具合通知手段と、不具合の発生した無線基地局の代わりに利用可能な予備無線基地局を検索する検索手段と、検索によって検出された前記予備無線基地局を前記通信ネットワークに加えるネットワーク再構築手段とを設けたことを特徴とする。
【0028】
請求項10においては、通信ネットワークに接続された無線基地局に不具合が発生すると、その不具合が他の無線基地局によって検出され、不具合の発生した無線基地局の情報が無線端末に通知される。また、利用可能な予備無線基地局が検出され、検出された予備無線基地局を加えるように通信ネットワークが再構築される。
【0029】
請求項11は、複数の無線基地局を備え、各々の無線基地局が複数の無線基地局との接続及び通信の中継を行う機能と、管轄する無線エリア内の無線端末のアクセス制御を行う機能とを具備し、有線通信回線を介在することなしに通信ネットワークの構築が可能な無線通信システムの動作を決定するための前記各無線基地局に接続可能な無線通信設定サーバのコンピュータで実行可能なプログラムであって、前記無線通信設定サーバから各無線基地局に対して、無線基地局に割り当てられているネットワークアドレス及び機器アドレスを含む設定情報を問い合わせる設定情報問い合わせ手順と、前記問い合わせの結果を含む設定情報を無線基地局毎に管理して表示するとともに、管理者に対して設定情報の追加入力もしくは修正入力を促す設定情報編集手順と、前記無線通信設定サーバ上で管理されている各無線基地局の設定情報を各無線基地局に送信して各無線基地局の機能を決定する設定情報更新手順とを設けたことを特徴とする。
【0030】
請求項11のプログラムを無線通信設定サーバのコンピュータで実行することにより、請求項9と同様の動作が実現する。
請求項12は、複数の無線基地局を備え、各々の無線基地局が複数の無線基地局との接続及び通信の中継を行う機能と、管轄する無線エリア内の無線端末のアクセス制御を行う機能とを具備し、有線通信回線を介在することなしに通信ネットワークの構築が可能な無線通信システムにおいて、前記各無線基地局のコンピュータで実行可能なプログラムであって、各無線基地局が無線通信回線を介して接続された他の無線基地局の不具合の有無を監視する不具合監視手順と、各無線基地局が他の無線基地局の不具合を検出した場合に、不具合の発生した無線基地局に関する情報を無線端末に対して通知する不具合通知手順と、不具合の発生した無線基地局の代わりに利用可能な予備無線基地局を検索する検索手順と、検索によって検出された前記予備無線基地局を前記通信ネットワークに加えるネットワーク再構築手順とを設けたことを特徴とする。
【0031】
請求項12のプログラムを各無線基地局のコンピュータで実行することにより、請求項10と同様の動作が実現する。
請求項13は、請求項11のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体である。
請求項13の記録媒体に記録されたプログラムを無線通信設定サーバのコンピュータで実行することにより、請求項9と同様の動作が実現する。
【0032】
請求項14は、請求項12のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体である。
請求項14の記録媒体に記録されたプログラムを各無線基地局のコンピュータで実行することにより、請求項10と同様の動作が実現する。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明の無線通信システム及び無線通信設定方法及び無線通信設定サーバ及び基地局装置並びにプログラム及び記録媒体の実施の形態について、図1〜図21を参照して説明する。この形態は全ての請求項に対応する。
【0034】
図1は通信システムの構成例を示すブロック図である。図2は管理用サーバの動作を示すフローチャートである。図3は通信システムの設定動作例を示すシーケンス図である。図4は設定状態表示画面の表示例を示す正面図である。図5は詳細設定画面の表示例を示す正面図である。図6はトポロジ選択画面の表示例を示す正面図である。
【0035】
図7は管理用サーバのGUIの動作を示すフローチャートである。図8は通信チャネルの割り当て処理(1)を示すフローチャートである。図9は通信チャネルの割り当て処理(2)を示すフローチャートである。図10は通信チャネルの割り当て例(1)を示す模式図である。図11は通信チャネルの割り当て例(2)を示す模式図である。
【0036】
図12は決定されたトポロジの表示例を示す正面図である。図13は無線端末機器アドレス登録画面の表示例を示す正面図である。図14は通信システムの設定動作例を示すシーケンス図である。図15は無線基地局の動作(1)を示すフローチャートである。図16は無線基地局の動作(2)を示すフローチャートである。
【0037】
図17は予備基地局に関する情報の例を示す模式図である。図18及び図19は通信システムの動作例を示すブロック図である。図20及び図21は通信システムの動作例を示すシーケンス図である。
この形態では、請求項1の管理用サーバ,無線基地局及び設定情報送信機能は、それぞれ管理用サーバ20,無線基地局10及びステップS33に相当する。また、請求項4の無線チャネル割り当て手段はステップS18に相当する。
【0038】
また、請求項5の不具合検出手段,不具合情報通知手段,予備無線基地局検出手段及び予備無線基地局加入手段は、それぞれステップS72,S76,S81及びS86に対応する。請求項9の設定情報問い合わせ手段,設定情報編集手段及び設定情報更新手段は、それぞれステップS31,(S13,S16,S17)及びS33に対応する。請求項10の不具合監視手段,不具合通知手段,検索手段及びネットワーク再構築手段は、それぞれステップS72,S76,S81及びS86に対応する。
【0039】
この形態では、図1に示す通信システムのように複数の無線基地局10(1),10(2),10(3),・・・を用いて無線通信ネットワークを構成する場合を想定している。
図1の例では、管理用サーバ20がハブ21及び有線通信回線22を介して各無線基地局10と接続されているが、通常の通信動作においては管理用サーバ20,ハブ21及び有線通信回線22は不要である。
【0040】
すなわち、複数の無線基地局10が形成する無線通信回線だけを用いて通信ネットワークを構成することができる。予め登録された無線端末(図示せず)は、何れかの無線基地局10の無線回線を介して、この通信ネットワークにアクセスできる。
全ての無線基地局10には、図1に示すように制御部11,端末アクセス用無線送受信部12,中継用無線送受信部13及び14が備わっている。端末アクセス用無線送受信部12,中継用無線送受信部13及び14はそれぞれ無線回線を形成する。
【0041】
制御部11,端末アクセス用無線送受信部12,中継用無線送受信部13及び14にはそれぞれネットワークアドレスが割り当てられている。勿論、各無線基地局10に1つのネットワークアドレスだけを割り当て、制御部11,端末アクセス用無線送受信部12,中継用無線送受信部13及び14はそれぞれポート番号で区別するように通信を制御することもできる。
【0042】
端末アクセス用無線送受信部12が形成する無線回線は無線端末との間の無線通信に利用され、中継用無線送受信部13及び中継用無線送受信部14が形成する無線回線は隣接する他の無線基地局10との間の通信に利用される。
各無線基地局10には2つの中継用無線送受信部13,14が備わっているので、各無線基地局10は他の第1の無線基地局10が送出する信号を受信して中継し第2の無線基地局10に送出することもできる。従って、格別に有線通信回線を利用しなくても通信ネットワークを構成できる。
【0043】
しかしながら、例えば各無線基地局10を最初に設置したときや、各無線基地局10の位置を変更したような場合には、限られた無線通信チャネルを有効に利用し、かつ干渉を防止するために、ネットワークの環境の変化に適応して利用する無線通信チャネルなどの割り当てを変更する必要がある。
このような各無線基地局10の動作を決定するための設定情報を集中的に管理するために、図1の通信システムでは管理用サーバ20が接続してある。なお、管理用サーバ20と各無線基地局10との接続に有線通信回線22の代わりに無線回線を利用することもできる。但し、無線回線を利用する場合には所定の認証手順を用いて権限のない人の操作を防止する必要がある。
【0044】
各無線基地局10の制御部11は次のような機能を備えている。
(1)無線基地局間の通信におけるルーティング機能
(2)ネットワークを利用する無線端末の登録及び抹消の機能
(3)通信フレームの生成及び変換の機能
(4)管理用サーバ20との間の通信機能
(5)各種設定用データを記録したファイルの蓄積及び更新を行う機能
各無線基地局10の中継用無線送受信部13,14における無線チャネルの選択及び接続すべき無線基地局の決定については、制御部11の指示に従う。また、端末アクセス用無線送受信部12における無線チャネルの選択及びアクセスを許可する無線端末の決定については制御部11の指示に従う。
【0045】
管理用サーバ20は、ハブ21を介して複数の無線基地局10に同時に信号を送り、全ての無線基地局10の設定を同時に変更することができる。
管理用サーバ20の動作の概略について、図2を参照しながら説明する。
ステップS11では、無線基地局10に関する所定の検索処理を行い、ハブ21にどのような無線基地局10が接続されているかを調べる。また、管理用サーバ20はハブ21に接続された各々の無線基地局10に対して、ユニット情報の取得を要求する。
【0046】
各無線基地局10は、この要求に対して自局のユニット情報を管理用サーバ20宛に送信する。ユニット情報は、次のような情報で構成される。
(1)ネットワークアドレス(IPアドレスなど)
(2)機器固有のアドレス(MACアドレスなど)
(3)各無線送受信部(12〜14)の使用する無線チャネル
(4)伝送速度
(5)通信方式
ステップS12では、所定の管理者がネットワークの現在の設定状態を把握できるように、管理用サーバ20はそのディスプレー上に図4に示すような情報を表示する。すなわち、無線基地局10毎に区別して、ユニットID(無線基地局を区別するための番号)と、端末アクセス用無線送受信部12,中継用無線送受信部13及び14のそれぞれに関するネットワークアドレス,機器アドレス及び機器の使用する無線チャネルの情報とが表示される。
【0047】
また、図4に示す画面中の「詳細設定」の部分を操作(マウスによるクリックなど)することにより、図5に示すような無線基地局毎の詳細設定画面に移行することができる。
例えば、工場から出荷される時に決定された初期状態からネットワークアドレスなどを変更しようとする場合には、管理者は管理用サーバ20上に詳細設定画面(図5)が表示されている状態で、該当する項目に入力操作を行うことにより、その内容を変更することができる。
【0048】
管理用サーバ20は、詳細設定画面(図5)で管理者からのネットワークアドレスの変更及び管理者認証ワードの入力を受け付けると、ステップS13でその情報を記憶する。
ステップS14では、ステップS13における変更入力に伴って、管理用サーバ20はアドレスの対応テーブルを作成しファイルとして保存する。この対応テーブルは、各無線基地局10におけるネットワークアドレスとMAC(Media Access Control)アドレスのように機器毎に与えられるユニークな機器アドレスとの対応関係を表すものである。
【0049】
この対応テーブルは、ルーティング経路の決定及び無線基地局10間のセキュリティの管理に用いられる。
管理用サーバ20は、詳細設定画面(図5)で管理者から入力されたゲートウェイアドレスやルーティングプロトコルもしくはそれらの規定値を用いて、ステップS15で、各無線基地局10におけるゲートウェイアドレスやルーティングプロトコルの設定を行う。
【0050】
なお、ゲートウェイアドレスは各無線基地局10の制御部11に内蔵されているルータのアドレスに相当する。
ステップS16では、詳細設定画面(図5)で管理者から入力されたネットワーク認証ワード及び暗号化キーもしくはそれらの規定値を用いて、各無線基地局10の設定を変更する。ネットワーク認証ワード及び無線通信における暗号化キーは、該当するネットワーク上の全ての無線基地局10に共通に割り当てられる情報である。
【0051】
ステップS17では、管理用サーバ20は管理者からの入力に従って、形成するネットワークのトポロジ、すなわち複数の無線基地局10の接続形態を決定する。
【0052】
ステップS18では、管理用サーバ20は前記ステップS13,S15,S16,S17で決定された各パラメータの内容を各無線基地局10に反映するように、各無線基地局10に対して設定要求を送信する。
ステップS18で管理用サーバ20が送信した要求に対して各無線基地局10が応答するので、その応答を受信すると管理用サーバ20は画面の表示に応答の内容(設定状況)を反映する。
【0053】
管理用サーバ20上の表示において正常に設定が完了していない項目がある場合には、失敗した項目に関する設定をやり直すことになる。全ての項目に関する設定が正常に完了した場合には次のステップS20に進む。
ステップS20では、管理用サーバ20は、各無線基地局10の端末アクセス用無線送受信部12を介して無線ネットワークに参加することができる無線端末について、機器アドレスやユーザ名を登録する。この各無線端末に固有に割り当てられている機器アドレスを用いることにより、不正な無線端末をネットワークから排除できる。
【0054】
無線端末の機器アドレスやユーザ名を登録する場合には、図13に示すような画面を用いて入力を行う。
このような管理用サーバ20の動作により、無線通信ネットワークを構成する各無線基地局10のパラメータの設定を簡単かつ短時間で行うことが可能になる。
管理用サーバ20の更に具体的な動作について以下に説明する。
【0055】
図2のステップS11で無線基地局10を検索する場合には、管理用サーバ20はハブ21を介して各無線基地局10にマルチキャストでユニット情報の取得要求を送信する(図のS31)。
この場合、各無線基地局10の制御部11が図3のステップS32で応答し、ユニット情報を管理用サーバ20に送信する。
【0056】
ところで、図2のステップS13,S15,S16におけるパラメータについては、図5に示すような詳細設定画面を用いて管理者が手動で入力することも可能であるが、以下に説明するような管理用サーバ20の自律的な動作によって自動的に決定することもできる。
ネットワークアドレスについては、例えば、公知のDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)を用いることで、管理用サーバ20は各無線基地局10にユニークなネットワークアドレスを割り当てることができる。
【0057】
管理者認証ワードについては、例えば0〜9の範囲の数字及びA〜Zの範囲のアルファベットの中から乱数で順次に数字又はアルファベットを選択することにより、任意の個数の認証ワードを自動的に生成できる。
この形態では、図2のステップS17で決定されたトポロジに従って、許可されたネットワークアドレス及び機器アドレスの無線基地局もしくは無線基地局同士でなければ接続を許可しないように制御する。この制御を行う場合に、ステップS14で作成された対応テーブルを利用する。
【0058】
すなわち、ネットワークアドレス及び機器アドレスの両方を用いて接続の可否を識別するので、セキュリティの機能が向上する。
ルーティングプロトコルやデフォルトゲートウェイとしては、規定値を割り当てればよい。例えば、ルーティングプロトコルとしては一般的に用いられるRIP(Routing Information Protocol)や無線通信に適した独自のプロトコル(例えばhttp://mitre.org/tech_transfer/mobilemesh/_Routing)を用いることができる。
【0059】
ステップS16で設定されるネットワーク認証ワードは、他の無線ネットワークと区別するために用いられ、同一のネットワーク認証ワードを使用しない無線基地局及び無線端末のネットワークへの参加を拒否するように制御される。
また、ステップS16で設定される暗号キーは、無線通信パケットを暗号化するために利用される。
【0060】
ネットワーク認証ワード及び暗号キーについては、同一のネットワークセグメントに属する全ての無線基地局10に共通の値が割り当てられる。これにより、同一の無線ネットワーク上の通信と他の無線ネットワーク上の通信とを区別でき、セキュリティレベルが向上する。
ネットワーク認証ワードや暗号キーについても、例えば0〜9の範囲の数字及びA〜Zの範囲のアルファベットの中から乱数で順次に数字又はアルファベットを選択することにより、任意の個数の文字で構成される認証ワードを自動的に生成できる。
【0061】
図2のステップS17の処理について具体的に説明する。
この処理を行う場合には、管理用サーバ20上のGUI(グラフィカルユーザインタフェース)の処理により、図6に示すようなトポロジ選択画面が表示され、この画面に対して管理者が入力操作を行うことにより、ネットワークのトポロジが決定される。
【0062】
図6の画面においては、上部にトポロジの種類(形状)を選択するための操作部があり、この例では予め用意された3種類のトポロジタイプの中から1つを選択できるようになっている。選択されたトポロジタイプは選択枠によって囲まれて表示される。
図6の画面の中央部には、同一のネットワークセグメントに属する複数の無線基地局10(ユニット)の各々がその番号とともに丸いアイコンとして表示されている。
【0063】
また、図6の画面の下方には「決定されたトポロジ」が大きく表示されている。この「決定されたトポロジ」は、上部の選択枠で選択されたトポロジタイプのパターンを反映しており、空白の丸いアイコン群で構成されている。
画面の中央部の各無線基地局10のアイコンは、管理者からの入力操作によって「決定されたトポロジ」の中の空白のアイコンの位置にそれぞれ移動することができる。
【0064】
図6の例では、「決定されたトポロジ」の中央部に1番目の無線基地局のアイコンが配置され、それと隣接する上側に2番目の無線基地局のアイコンが配置されている。
図6のようなトポロジ選択画面を制御するGUIの動作について、図7を参照して説明する。
【0065】
ステップS41では、前述のステップS11で検出された全ての無線基地局10のアイコンを画面中央部に表示する。各アイコンの番号は、ユニットIDと同じである。
ステップS42では、管理者からのトポロジパターン選択入力を受け付ける。
ステップS43では、管理者によるアイコン移動の入力を受け付ける。すなわち、管理者はマウスなどを操作して、画面中央部の各々のアイコンを下方の「決定されたトポロジ」の空白のアイコン位置に移動できる。
【0066】
また、ステップS43ではGUIはアイコンの移動が可能かどうかを自動的に識別する。例えば、管理者の入力操作によるアイコンの移動によって、「決定されたトポロジ」中のアイコン同士の間に空白ができた場合(トポロジの中心や初期位置は除く)には、移動不可能とみなして移動されたアイコンを元の位置に戻す。
【0067】
実際には、接続相手のない無線基地局10に対して設定コマンドを送信すると、接続相手に関するパラメータがヌルになり無線基地局10から管理用サーバ20にエラーが返るので移動の可否を識別できる。
移動不可能な場合には、ステップS44で入力エラーをメッセージなどで表示し、ステップS43の処理に戻る。
【0068】
ステップS45では、チャネル選択パターンの選択入力を受け付ける。この入力は、各無線基地局10が使用する無線チャネルの割り当てに反映される。この処理の詳細については後で説明する。
以上の処理が終了した後、ステップS46で所定の送信ボタンの押下を検出すると次のステップS47に進む。ステップS47,S48では、「決定されたトポロジ」の内容に問題がないかどうかを確認する。
【0069】
すなわち、ステップS47では初期位置(トポロジの中心や開始点=ルートノード)にアイコンが割り当てられているか否かを識別する。また、ステップS48ではルートノード以外に、アイコンが配置されたGUI上の座標を全て検索し、初期位置から近い順に初期位置までの経路が確立されているかどうかを調べる。
「決定されたトポロジ」の内容に問題がなければ、ステップS49に進み、各無線基地局10が使用する無線チャネルの割り当てを実施する。これにより、例えば図10又は図11に示すような割り当てが実施される。
【0070】
ステップS50では、管理用サーバ20は各無線基地局10に対して設定コマンドを送信する(図3のS33)。
管理用サーバ20が送信した設定コマンドは、各無線基地局10内の制御部11で受信される。この場合、制御部11は端末アクセス用無線送受信部12,中継用無線送受信部13及び14に対して設定コマンドを送信する(図3のS34)。
【0071】
次に、ネットワークを構成する各無線基地局10に通信チャネル(無線チャネル)を割り当てる場合の具体例について説明する。この例では、各無線基地局10が図1に示すように端末アクセス用無線送受信部12,中継用無線送受信部13及び14を備えているので、中継用に2チャネル以上、無線端末のアクセス用に1チャネル以上を基地局毎に使用する場合を想定している。
【0072】
また、利用可能な無線チャネルの数は通常は限られている。ここでは、図12に示すトポロジのネットワークを普及率の高い2.4GHz帯の無線LANで構成する場合を想定し、チャネル間干渉の生じない4つのチャネル(cA,cB,cC,cD)を図10に示すように各無線基地局10に割り当てる。
【0073】
図10におけるユニット番号は、図12に示す各アイコンの番号と対応している。
図10に示すように無線チャネルを割り当てる場合には、全ての無線基地局10が中継用に同一の2つの無線チャネル(cA,cB)を使用するので、各無線基地局10は2つの無線チャネル(cA,cB)の何れか一方を用いて隣接する無線基地局と接続することになる。
【0074】
また、例えばユニット番号が1の無線基地局10(1)が、ユニット番号が2の無線基地局10(2)から送信された通信パケットをユニット番号が3の無線基地局10(3)に中継する場合には、無線基地局10(1)は無線チャネル(cA)を用いて無線基地局10(2)からの通信パケットを受信しながら、同時に無線チャネル(cB)を用いて無線基地局10(3)に送信できるので、効率の良い中継を行うことができる。
【0075】
更に、無線基地局10(1)が無線端末に提供するサービスのエリアと、無線基地局10(2)〜10(4)のエリアとが空間的に重複していたとしても、無線基地局10(1)がアクセス用に使用する無線チャネル(cC)と無線基地局10(2)〜10(4)がアクセス用に使用する無線チャネル(cD)とが異なるので、それらの間に電波干渉が発生せず、効率の良い通信が実現する。
【0076】
このように、互いに隣接する複数の無線基地局10が2チャネル以上の同一の無線チャネルを使用し、かつ隣接する複数の無線基地局10の間で異なるアクセス用の無線チャネルを使用するように無線チャネルを割り当てることにより、効率の良い通信が実現する。
このようなチャネル割り当てを自動的に行うことにより、ネットワークの管理者は煩わしいチャネル設計を行う必要が無くなる。トポロジが変化した場合にも、チャネル割り当てをやり直すことにより、通信の効率を改善できる。
【0077】
実際のチャネル割り当ては、次に示す手順によって自動的に行うことができる。ここでは、全体で4つの無線チャネル(cA,cB,cC,cD)を用いるものとし、初期位置の無線基地局(ルートノード)においては中継系に無線チャネル(cA,cB)が割り当てられ、アクセス系に無線チャネル(cC)が割り当てられている場合を想定している。
【0078】
(中継系)
(1)全ての無線基地局10の中継系に無線チャネル(cA,cB)を割り当てる。
(2)初期位置の無線基地局(ルートノード)からのホップ数が1の基地局について割り当てる場合、既にルートノードへの接続設定がなされているユニット数(基地局数)が偶数個(0を含む)の場合にルートノードと無線チャネル(cA)で接続し、ホップ数が1で設定済みのユニット数が奇数個の場合には無線チャネル(cB)で接続するように割り当てる。
【0079】
(3)ルートノードからのホップ数が2の基地局について割り当てる場合、ホップ数が1の基地局との接続のためのチャネル設定が済んでいるユニット数が偶数個の場合にはホップ数が1の基地局と無線チャネル(cB)で接続するように割り当て、ホップ数が1の基地局との接続のためのチャネル設定が済んでいるユニット数が奇数個の場合にはホップ数が1の基地局と無線チャネル(cA)で接続するように割り当てる。
【0080】
(4)以降、ホップ数が偶数個の基地局について割り当てる場合には、ホップ数が2の場合と同様な方法で割り当て、ホップ数が奇数個の基地局について割り当てる場合には、ホップ数が1の場合と同様な方法で割り当てる。
(アクセス系)
(1)ルートノードからのホップ数が奇数個の場合には、ルートノードとは異なる無線チャネル(cD)をアクセス系に割り当てる。
【0081】
(2)ルートノードからのホップ数が偶数個の場合には、ルートノードと同じ無線チャネル(cC)をアクセス系に割り当てる。
無線チャネルの割り当てに関するもう1つの具体例について以下に説明する。
ここでは、無線基地局10同士の通信に3チャネル以上の無線チャネルを割り当てる場合を想定する。また、図12に示すトポロジのネットワークを普及率の高い2.4GHz帯の無線LANで構成する場合を想定し、チャネル間干渉の生じない4つのチャネル(cA,cB,cC,cD)を図11に示すように各無線基地局10に割り当てる。
【0082】
すなわち、4つのチャネル(cA,cB,cC,cD)のうち、1つのチャネル(cD)を無線端末アクセス用に固定的に割り当て、残りの3チャネル(cA,cB,cC)を中継用の基地局間の通信に割り当てる。
図11に示すようなチャネル割り当てをする場合には、無線端末のアクセス用チャネルが1つのチャネル(cD)に固定されているので、無線端末は複数のサービスエリアの間を移動する度に無線チャネルを切り替える必要がなく、ローミングの制御が容易になる。
【0083】
この例では、各無線基地局10に2つの中継用無線送受信部13,14が備わっているので、各無線基地局10には2つの中継用無線チャネルがそれぞれ割り当てられる。実際には、次の手順により無線チャネルを割り当てる。
(01)ルートノードからのホップ数が1の場合には、ルートノードへの接続設定が済んでいる基地局数が偶数個(0を含む)であれば無線チャネル(cA)を用いてルートノードと接続し、ルートノードへの接続設定が済んでいる基地局数が奇数個であれば無線チャネル(cB)を用いてルートノードと接続する。
【0084】
(02)ルートノードからのホップ数が2でかつルートノードとの接続チャネルが(cA)の場合には、ホップ数が1の基地局と接続設定済みの基地局数が偶数個であれば無線チャネル(cC)を割り当て、ホップ数が1の基地局と接続設定済みの基地局数が偶数個であれば無線チャネル(cB)を割り当てる。
【0085】
(03)ルートノードからのホップ数が2でかつルートノードとの接続チャネルが(cB)の場合には、ホップ数が1の基地局と接続設定済みの基地局数が偶数個であれば無線チャネル(cC)を割り当て、ホップ数が1の基地局と接続設定済みの基地局数が偶数個であれば無線チャネル(cA)を割り当てる。
(04)これ以降、各ホップ数の基地局について、次のようにして割り当てを行う。
【0086】
(1)該当する基地局のホップ数が3N(N:実数)の場合:
(1−1)ホップ数が(3N−1)の基地局に接続設定済みの基地局数が偶数個の場合には、ホップ数が(3N−1)の基地局とホップ数が(3N−2)の基地局との接続チャネル及びホップ数が(3N−2)の基地局とホップ数が(3N−3)の基地局との接続チャネルを除く他の無線チャネルで、ホップ数が(3N−2)の基地局と接続するように割り当てる。
【0087】
(1−2)ホップ数が(3N−1)の基地局に接続設定済みの基地局数が奇数個の場合には、ホップ数が(3N−2)の基地局とホップ数が(3N−3)の基地局との接続チャネルを用いてホップ数が(3N−2)の基地局と接続するように割り当てる。
(2)該当する基地局のホップ数が3N+1(N:実数)の場合:
(2−1)ホップ数が(3N)の基地局に接続設定済みの基地局数が偶数個の場合には、ホップ数が(3N−1)の基地局とホップ数が(3N−2)の基地局との接続チャネル及びホップ数が(3N)の基地局とホップ数が(3N−1)の基地局との接続チャネルを除く他の無線チャネルで、ホップ数が(3N)の基地局と接続するように割り当てる。
【0088】
(2−2)ホップ数が(3N)の基地局に接続設定済みの基地局数が奇数個の場合には、ホップ数が(3N−1)の基地局とホップ数が(3N−2)の基地局との接続チャネルを用いてホップ数が(3N)の基地局と接続するように割り当てる。
(3)該当する基地局のホップ数が3N+1(N:実数)の場合:
(3−1)ホップ数が(3N+1)の基地局に接続設定済みの基地局数が偶数個の場合には、ホップ数が(3N)の基地局とホップ数が(3N−1)の基地局との接続チャネル及びホップ数が(3N)の基地局とホップ数が(3N+1)の基地局との接続チャネルを除く他の無線チャネルで、ホップ数が(3N+1)の基地局と接続するように割り当てる。
【0089】
(3−2)ホップ数が(3N+1)の基地局に接続設定済みの基地局数が奇数個の場合には、ホップ数が(3N)の基地局とホップ数が(3N−1)の基地局との接続チャネルを用いてホップ数が(3N+1)の基地局と接続するように割り当てる。
図11に示すような無線チャネルの割り当ては、無線基地局10の1エリアあたいの無線端末数が少なく、無線基地局間の中継系のトラヒックが大きい場合に好ましい結果が得られる。
【0090】
また、無線基地局10の1エリアあたりの無線端末数が多い場合や、無線基地局間の中継系のトラヒックが小さい場合には前述の図10に示すような無線チャネルの割り当てが望ましい。
そこで、この形態では管理用サーバ20は図8又は図9に示す処理を行い、2種類の割り当て方法の中から、望ましい無線チャネルの割り当てを選択する。
【0091】
この形態では、割り当て方法の選択を自動的に行うか管理者の手動入力によって行うかを選択することができる。すなわち、図8のステップS61では、自動か手動かを識別する。
自動の場合には、図8のステップS62で(Nt/Nb)と閾値N1とを比較する。登録端末数Ntとしては、図2のステップS18の処理によって登録された無線端末の総数を用いればよい。また、無線基地局数NbとしてはステップS17で決定されたトポロジに割り当てられた無線基地局10の数を用いればよい。 ((Nt/Nb)>N1)の条件を満たす場合には、端末数が多いとみなしステップS63に進む。ステップS63では、図10に示すような無線チャネルの割り当てを実施する。
【0092】
一方、((Nt/Nb)>N1)の条件を満たさない場合には、端末数が少ないとみなしステップS64に進む。ステップS64では、図11に示すような無線チャネルの割り当てを実施する。
また、手動で割り当て方法を選択する場合には、ステップS66で管理者からの入力を受け付け、無線端末数の大小を入力に従って識別する。無線端末数が大の場合にはステップS63に進み、小の場合にはステップS64に進む。
【0093】
図9に示す処理は、図8の変形例でありステップS62B以外は図8と同一である。
図9のステップS62Bにおいては、アクセス系のトラヒックTaと中継系のトラヒックTrとを比較する。これらの情報Ta,Trについては、例えば実際のネットワークにおいてトラヒックを監視することにより取得することができる。
【0094】
(Ta>Tr)の条件を満たす場合にはステップS62BからS63に進み、図10に示すような無線チャネルの割り当てを実施する。また、(Ta>Tr)の条件を満たさない場合にはステップS62BからS64に進み、図11に示すような無線チャネルの割り当てを実施する。
以上説明したような処理によって、各無線基地局10に無線チャネルを適切に割り当てることができる。
【0095】
一方、無線基地局10の設定が終了すると、図2のステップS20に進む。ここでは、図13に示すような画面が管理用サーバ20上に表示される。この画面上で、管理者は無線ネットワークに参加可能な無線端末の登録を行うことができる。
【0096】
すなわち、管理者が画面上で新たに登録する無線端末名及び機器アドレスを入力して新規登録ボタンを押すと、画面下方の無線端末登録リストに無線端末が追加される。リスト中の削除ボタンを押せば、該当する無線端末の登録を抹消することもできる。
この画面で登録された各無線端末の情報を用いて、登録済みの無線端末と未登録の無線端末とを区別できるので、未登録の無線端末のアクセスを拒否することができる。
【0097】
ところで、無線ネットワークを稼働させた後で、その無線ネットワークを構成する一部の無線基地局10に不具合が発生する場合も考えられる。無線基地局10の不具合が発生すると無線ネットワークが正常に動作しなくなる。
従って、不具合の発生に備えて、交換のための予備となる無線基地局10、すなわち予備無線基地局を予め用意しておくのが望ましい。また、予備無線基地局を用意できる場合には、不具合が発生した場合に、無線基地局10の自律的な制御だけでネットワークの状態を回復できるのが望ましい。
【0098】
そこで、図14に示すような設定動作が考えられる。図14の例では、管理用サーバ20が各無線基地局10の設定を行う際に、設定コマンドとともに予備無線基地局に関する情報を送信する(S91)。予備無線基地局に関する情報としては、予備無線基地局のネットワークアドレス及び機器アドレスを含める必要がある。
【0099】
すなわち、無線ネットワークのセキュリティを確保するために、ネットワークに参加できる無線基地局を特定する必要があるので、ネットワークアドレス及び機器アドレスを用いて予備無線基地局の特定を可能にする。
各無線基地局10の制御部11は、管理用サーバ20から予備無線基地局の情報を受信すると、その情報を保存し、予備無線基地局の登録が完了したことを管理用サーバ20に通知する(S94)。
【0100】
実際には、管理用サーバ20からの指示により、例えば図17に示すような情報が各無線基地局10に登録される。
このような動作により、無線基地局10は、ネットワーク上の何れかの無線基地局が予備無線基地局と入れ替わった場合でも、登録されている予備無線基地局の情報から、ネットワークアドレス,機器アドレス,認証ワード,暗号化キーなどのいくつかを用いて予備無線基地局の認証を行うことができる。
【0101】
無線ネットワークを構成する何れかの無線基地局10に不具合が発生した場合に備えて、この形態では各無線基地局10は図15及び図16に示す処理を実施する。
すなわち、無線基地局10は他の無線基地局の不具合発生を検出する機能と、不具合の生じたことを指定端末に対して通知する機能と、不具合の発生した無線基地局の代わりに利用可能な予備無線基地局を検出する機能と、予備無線基地局を加えて無線ネットワークを再構築する機能とを備えている。
【0102】
まず、図15に示す動作について説明する。
無線ネットワークに接続された全ての無線基地局10は、自身が正常に動作していることや隣接する無線基地局とのリンクが保持されていることを隣接する無線基地局に知らせるために、KeepAlive情報と呼ばれる信号を定期的にブロードキャストで他の無線基地局に対して送信する(S71)。
【0103】
KeepAlive情報を受け取った無線基地局は、KeepAlive情報の送信元に対して確認の応答メッセージを送信し、送信元の無線基地局は応答を確認する(S72)。
応答の確認が完了した場合には、予め定められた時間の待機状態に入る(S73)。
【0104】
応答の確認が得られない場合には、送信回数を確認する(S74)。再送回数が予め定められた回数未満であれば、異常ではないとみなしてステップS71に戻り、再びKeepAlive情報を送信する。
再送回数が所定回数になるとステップS74からS75に進み、隣接する無線基地局に不具合が発生したものとみなす。
【0105】
次のステップS76では、指定エリア内に存在する無線端末(指定端末)に対して、隣接する無線基地局に不具合が発生したことを通知する。
次のステップS77では、自局と隣接する他の無線基地局が存在するか否かを識別する。隣接する他の無線基地局が存在する場合には、次のステップS78に進み、検出された隣接無線基地局に対して、不具合の発生した他の無線基地局に関する不具合の情報を通知する。
【0106】
この後で、所定時間の待機状態に入り(S79)、予備無線基地局の検出処理に移る。すなわち、図16の処理に移行する。
図18に示す無線ネットワークを想定して図15の動作を説明する。図18の例では、無線基地局10として基地局(A,B,C,D)が存在し、6個の無線端末(a1,a2,a3,c1,d1,d2)が存在する場合に、基地局(B)で不具合が発生した場合を想定している。
【0107】
この場合、基地局(B)の不具合発生により、図20に示すように基地局(B)は隣接する基地局(A,C)に対して応答することができない。
また、基地局(A,C)はそれぞれ所定回数だけKeepAlive情報の送信を繰り返すが応答は得られない。
そこで、基地局(A,C)はそれぞれ基地局(B)に不具合が発生したとみなし、基地局(B)に不具合が発生したことを表す情報を予め指定したエリア内の無線端末に対して送信する(S102,S104)。
【0108】
図18の例では、基地局(A)に隣接するのは基地局(B)だけなので、不具合発生の通知は終了する。一方、基地局(C)には基地局(B)以外に基地局(D)が隣接しているので、基地局(C)は基地局(D)に対して基地局(B)で不具合が発生したことを通知する(S105)。
この通知により、基地局(D)はエリア内の指定端末(例えばd1)に対して基地局(B)で不具合が発生したことを通知する(S106)。また、基地局(D)に隣接するのは基地局(C)だけなので、基地局(D)における不具合発生の通知は終了する。
【0109】
このような制御により、何れかの無線基地局10に不具合が発生するとエリア内の無線端末や他の無線基地局10は特定の基地局に不具合が発生したことを把握できる。
次に、図16を参照しながら無線基地局10の動作を説明する。
図15の処理によって何れかの無線基地局10における不具合の発生を検出した場合には、図16のステップS81で予備無線基地局の検出を行う。すなわち、予め管理用サーバ20から通知され無線基地局10上に保持されている予備無線基地局の情報(図17に示すような予備無線基地局リスト)を検索し、最初はリストの最初に登録されている予備無線基地局のネットワークアドレスに対して、ネットワークアドレス及び機器アドレスに関する情報を含む、自身の無線基地局情報を定期的に送信する(S32)。
【0110】
この無線基地局情報の送信に対して相手の無線基地局(予備無線基地局)からの応答がない場合には、予備無線基地局リストを再び検索し、リストの2番目に登録されている予備無線基地局のネットワークアドレスに対して無線基地局情報を送信する。
以後、リストに登録されている全ての予備無線基地局に対してそれぞれ送信を行い、それでも全く応答が得られない場合には1番目に登録されている予備無線基地局から順番に繰り返し送信する。
【0111】
利用可能な予備無線基地局が実際に存在する場合には、ステップS82における送信に対して、予備無線基地局は応答する。この応答には、予備無線基地局におけるネットワークアドレス,機器アドレス,ネットワーク認証ワード及び暗号化キーが含まれている。
無線基地局10は、ステップS82での送信に対する予備無線基地局からの応答を受信した場合には、その応答に含まれる予備無線基地局におけるネットワークアドレス,機器アドレス,ネットワーク認証ワード及び暗号化キーの全てを予備無線基地局リストの内容と対比して認証を行う。
【0112】
この認証に成功した場合には、無線基地局10は、不具合の生じた他の無線基地局を予備無線基地局で置き換えるように、ネットワークの状態を表すトポロジ情報に予備無線基地局を登録する(S86)。
次のステップS87では、無線基地局10は無線ネットワークに含まれている他の全ての無線基地局10に対して、応答要求をブロードキャストで送信し、他の無線基地局10からの応答を待つ。
【0113】
ステップS88で無線基地局10が他の全ての無線基地局からの応答を確認した場合には、無線ネットワークが復旧したとみなし、不具合が生じる前の動作を再開する。
具体的な動作例について図21を参照しながら説明する。ここでは、図18及び図19に示すような通信システムを想定している。また、図17に示すような情報が予め管理用サーバ20から送信され各無線基地局10上に予備無線基地局リストとして保持されている場合を想定している。
【0114】
この例では、図18に示す基地局(B)に不具合が発生し、予備無線基地局(F)が基地局(B)の代わりに配置された結果、図19に示すような通信システムが構成される場合を想定している。
図21において、不具合の発生した基地局(B)と隣接する基地局(A,C)は、それぞれ予備無線基地局リストを参照して予備無線基地局の検索を行う(S111,S117)。
【0115】
図17の例では、予備無線基地局リストの先頭に基地局(E)が登録されているので、基地局(A,C)は基地局(E)に対して自身の無線基地局情報を送信し、基地局(E)からの応答を待つ。
しかし、この例では基地局(E)は実在せず、予備無線基地局として基地局(F)が設置されている。
【0116】
そのため、基地局(E)からの応答は得られない。そこで、基地局(A,C)は再び予備無線基地局リストを参照し、リストの2番目に登録されている基地局(F)を見つけ、基地局(F)に対して自身の無線基地局情報を送信し、基地局(F)からの応答を待つ(S112,S118)。
ここで、実在する予備無線基地局である基地局(F)は、それのネットワークアドレス,機器アドレス,認証ワード,暗号化キーを含む応答情報を返信する(S115)。
【0117】
この場合、基地局(A,C)は基地局(F)からの応答情報を確認(認証)し、確認が終了した後で、基地局(F)を不具合の発生した基地局(B)の代わりとしてネットワークのトポロジ情報に登録する。
この場合、基地局(B)の代わりに基地局(F)を配置するので、基地局(F)に関するパラメータとしては、ネットワークアドレス及び機器アドレスを除いて、不具合の発生した基地局(B)と同じ値が割り当てられる。
【0118】
基地局(F)の登録が完了すると、基地局(A,C)は全ての無線基地局に対して、応答の要求と正常動作の開始命令をブロードキャストで送信する(S113,S119)。
これに対して全ての無線基地局が応答すると、基地局(A,C)は通常の動作を再開する。これにより、不具合の発生した状態から無線ネットワーク全体が正常に復旧する。
【0119】
なお、以上に説明した動作については、専用のハードウェアで実現することも可能であるし、管理用サーバ20又は無線基地局10のコンピュータ上で動作するプログラムを用いて実現することもできる。プログラムは、例えばCD−ROMのような記録媒体に記録して移動することもできる。
【0120】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、通信回線として無線媒体だけを用いてネットワークを構築する場合に、各無線基地局のパラメータの割り当てを容易に実施することができる。また、形成されるネットワークのトポロジや使用する無線端末数などに応じて無線チャネルを適切に割り当てることも可能である。更に、認証ワードや暗号化キーのようなセキュリティに関する設定の簡略化ができる。また、ネットワーク上の一部の無線基地局に不具合が発生した場合に、ネットワークの復旧をより迅速に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】通信システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】管理用サーバの動作を示すフローチャートである。
【図3】通信システムの設定動作例を示すシーケンス図である。
【図4】設定状態表示画面の表示例を示す正面図である。
【図5】詳細設定画面の表示例を示す正面図である。
【図6】トポロジ選択画面の表示例を示す正面図である。
【図7】管理用サーバのGUIの動作を示すフローチャートである。
【図8】通信チャネルの割り当て処理(1)を示すフローチャートである。
【図9】通信チャネルの割り当て処理(2)を示すフローチャートである。
【図10】通信チャネルの割り当て例(1)を示す模式図である。
【図11】通信チャネルの割り当て例(2)を示す模式図である。
【図12】決定されたトポロジの表示例を示す正面図である。
【図13】無線端末機器アドレス登録画面の表示例を示す正面図である。
【図14】通信システムの設定動作例を示すシーケンス図である。
【図15】無線基地局の動作(1)を示すフローチャートである。
【図16】無線基地局の動作(2)を示すフローチャートである。
【図17】予備基地局に関する情報の例を示す模式図である。
【図18】通信システムの動作例を示すブロック図である。
【図19】通信システムの動作例を示すブロック図である。
【図20】通信システムの動作例を示すシーケンス図である。
【図21】通信システムの動作例を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
10 無線基地局
11 制御部
12 端末アクセス用無線送受信部
13,14 中継用無線送受信部
20 管理用サーバ
21 ハブ
22 有線通信回線
Claims (14)
- 複数の無線基地局を備え、各々の無線基地局が複数の無線基地局との接続及び通信の中継を行う機能と、管轄する無線エリア内の無線端末のアクセス制御を行う機能とを具備し、有線通信回線を介在することなしに通信ネットワークの構築が可能な無線通信システムにおいて、
管理用サーバを所定の有線通信回線もしくは無線通信回線を介して前記複数の無線基地局に接続し、
前記管理用サーバには、前記複数の無線基地局によって構成される無線通信ネットワークの接続形態に対応させて決定された設定情報を各無線基地局に送信する設定情報送信機能を設け、
前記設定情報には、少なくとも各無線基地局のネットワークアドレスと、各無線基地局の管理システムにアクセスするために必要な管理者認証ワードと、各無線基地局の所属ネットワーク認証ワードと、無線パケット暗号化キーと、各無線基地局が他の無線基地局との接続に使用する無線チャネルと、各無線基地局が管轄エリア内の無線端末との接続に使用する無線チャネルとを含めた
ことを特徴とする無線通信システム。 - 請求項1の無線通信システムにおいて、
前記管理用サーバには、前記無線通信ネットワーク上の何れかの無線基地局で不具合が生じた場合に備えて、不具合の発生した無線基地局と交換される予定の予備無線基地局のネットワークアドレス及び機器アドレスを各無線基地局に送信して保持させる機能を設け、
前記各無線基地局には、前記予備無線基地局に対して、ネットワークアドレス及び機器アドレスを除く他のパラメータとして不具合の生じた無線基地局と同一の内容の設定情報を送信し保持させる機能と
を設けたことを特徴とする無線通信システム。 - 請求項1の無線通信システムにおいて、前記管理用サーバには、
複数の無線基地局によって構成される前記無線通信ネットワークの接続形態として、予め定めた複数種類の接続形態の中からの選択を管理者に促すユーザインタフェース
を設けたことを特徴とする無線通信システム。 - 請求項1の無線通信システムにおいて、前記管理用サーバには、
1つの無線基地局が隣接する他の無線基地局に送信する際に使用する第1の無線チャネルと、隣接する他の無線基地局から受信する際に使用する第2の無線チャネルと、管轄エリア内の無線端末との通信接続に使用する第3の無線チャネルとが互いに異なる無線チャネルになるように、各無線基地局を制御する無線チャネル割り当て手段
を設けたことを特徴とする無線通信システム。 - 請求項2の無線通信システムにおいて、前記各無線基地局には、
無線通信回線を介して接続された他の無線基地局の不具合の有無を検出する不具合検出手段と、
無線基地局の不具合を検出した場合に、不具合の発生した無線基地局に関する情報を無線端末に対して通知する不具合情報通知手段と、
不具合の発生した無線基地局の代わりに利用可能な前記予備無線基地局を検出する予備無線基地局検出手段と、
前記無線通信ネットワークに検出された前記予備無線基地局を加える予備無線基地局加入手段と
を設けたことを特徴とする無線通信システム。 - 複数の無線基地局を備え、各々の無線基地局が複数の無線基地局との接続及び通信の中継を行う機能と、管轄する無線エリア内の無線端末のアクセス制御を行う機能とを具備し、有線通信回線を介在することなしに通信ネットワークの構築が可能な無線通信システムを制御し、各無線基地局の動作を決定するための無線通信設定方法において、
所定の管理用サーバから各無線基地局に対して、無線基地局に割り当てられているネットワークアドレス及び機器アドレスを含む設定情報を問い合わせ、
前記問い合わせの結果を含む設定情報を前記管理用サーバ上で無線基地局毎に管理して前記管理用サーバ上で表示するとともに、管理者に対して設定情報の追加入力もしくは修正入力を促し、
管理用サーバで管理されている各無線基地局の設定情報を管理用サーバから各無線基地局に送信して各無線基地局の機能を決定する
ことを特徴とする無線通信設定方法。 - 請求項6の無線通信設定方法において、前記無線通信ネットワーク上の何れかの無線基地局で不具合が生じた場合に、
予め用意された予備無線基地局のネットワークアドレス及び機器アドレスを前記管理用サーバから各無線基地局に送信し、
何れかの無線基地局から前記予備無線基地局に対して、ネットワークアドレス及び機器アドレスを除く他のパラメータとして不具合の生じた無線基地局と同一の内容の設定情報を送信する
ことを特徴とする無線通信設定方法。 - 請求項7の無線通信設定方法において、
前記各無線基地局は、無線通信回線を介して接続された他の無線基地局の不具合の有無を監視し、
他の無線基地局の不具合を検出した無線基地局は、不具合の発生した無線基地局に関する情報を無線端末に対して通知し、
不具合の発生した無線基地局の代わりに利用可能な前記予備無線基地局の存在を検索し、
検出された前記予備無線基地局を前記無線通信ネットワークに加える
ことを特徴とする無線通信設定方法。 - 複数の無線基地局を備え、各々の無線基地局が複数の無線基地局との接続及び通信の中継を行う機能と、管轄する無線エリア内の無線端末のアクセス制御を行う機能とを具備し、有線通信回線を介在することなしに通信ネットワークの構築が可能な無線通信システムを制御し、各無線基地局の動作を決定するための前記各無線基地局に接続可能な無線通信設定サーバであって、
各無線基地局に対して、無線基地局に割り当てられているネットワークアドレス及び機器アドレスを含む設定情報を問い合わせる設定情報問い合わせ手段と、
前記問い合わせの結果を含む設定情報を無線基地局毎に管理して表示するとともに、管理者に対して設定情報の追加入力もしくは修正入力を促す設定情報編集手段と、
管理されている各無線基地局の設定情報を各無線基地局に送信して各無線基地局の機能を決定する設定情報更新手段と
を設けたことを特徴とする無線通信設定サーバ。 - 複数の無線基地局を備え、各々の無線基地局が複数の無線基地局との接続及び通信の中継を行う機能と、管轄する無線エリア内の無線端末のアクセス制御を行う機能とを具備し、有線通信回線を介在することなしに通信ネットワークの構築が可能な無線通信システムに前記各無線基地局として用いられる基地局装置において、
無線通信回線を介して接続された他の無線基地局の不具合の有無を監視する不具合監視手段と、
他の無線基地局の不具合を検出した場合に、不具合の発生した無線基地局に関する情報を無線端末に対して通知する不具合通知手段と、
不具合の発生した無線基地局の代わりに利用可能な予備無線基地局を検索する検索手段と、
検索によって検出された前記予備無線基地局を前記通信ネットワークに加えるネットワーク再構築手段と
を設けたことを特徴とする基地局装置。 - 複数の無線基地局を備え、各々の無線基地局が複数の無線基地局との接続及び通信の中継を行う機能と、管轄する無線エリア内の無線端末のアクセス制御を行う機能とを具備し、有線通信回線を介在することなしに通信ネットワークの構築が可能な無線通信システムの動作を決定するための前記各無線基地局に接続可能な無線通信設定サーバのコンピュータで実行可能なプログラムであって、
前記無線通信設定サーバから各無線基地局に対して、無線基地局に割り当てられているネットワークアドレス及び機器アドレスを含む設定情報を問い合わせる設定情報問い合わせ手順と、
前記問い合わせの結果を含む設定情報を無線基地局毎に管理して表示するとともに、管理者に対して設定情報の追加入力もしくは修正入力を促す設定情報編集手順と、
前記無線通信設定サーバ上で管理されている各無線基地局の設定情報を各無線基地局に送信して各無線基地局の機能を決定する設定情報更新手順と
を設けたことを特徴とするプログラム。 - 複数の無線基地局を備え、各々の無線基地局が複数の無線基地局との接続及び通信の中継を行う機能と、管轄する無線エリア内の無線端末のアクセス制御を行う機能とを具備し、有線通信回線を介在することなしに通信ネットワークの構築が可能な無線通信システムにおいて、前記各無線基地局のコンピュータで実行可能なプログラムであって、
各無線基地局が無線通信回線を介して接続された他の無線基地局の不具合の有無を監視する不具合監視手順と、
各無線基地局が他の無線基地局の不具合を検出した場合に、不具合の発生した無線基地局に関する情報を無線端末に対して通知する不具合通知手順と、
不具合の発生した無線基地局の代わりに利用可能な予備無線基地局を検索する検索手順と、
検索によって検出された前記予備無線基地局を前記通信ネットワークに加えるネットワーク再構築手順と
を設けたことを特徴とするプログラム。 - 請求項11のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
- 請求項12のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
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