JP2004179701A - 電気音響変換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】組立てが容易で、しかも携帯用電話機に適用することによって、大幅なコストダウンが期待できる電気音響変換器を提供する。
【解決手段】両端に開口部を有する筒状のフレーム主体1内に、ヨーク11、マグネット12およびトッププレート14からなる磁気回路を配置し、この磁気回路に形成されたギャップ13内に保持されたボイスコイル15の先端部を、外周部をフレーム主体1に固着したダイヤフラム17の裏面部に連結固定させ、フレーム主体1の各開口部にそれぞれ放音孔を有するカバー部材7,8を装着して電気音響変換器10とし、ダイヤフラム17の前面側を着信用スピーカ部、背面側を受話用レシーバ部としてフレーム主体1を携帯電話機本体内に組込み、着信信号が印加されるとスピーカとして作動し、受話信号が印加されるとレシーバとして作動させる。
【選択図】 図1
【解決手段】両端に開口部を有する筒状のフレーム主体1内に、ヨーク11、マグネット12およびトッププレート14からなる磁気回路を配置し、この磁気回路に形成されたギャップ13内に保持されたボイスコイル15の先端部を、外周部をフレーム主体1に固着したダイヤフラム17の裏面部に連結固定させ、フレーム主体1の各開口部にそれぞれ放音孔を有するカバー部材7,8を装着して電気音響変換器10とし、ダイヤフラム17の前面側を着信用スピーカ部、背面側を受話用レシーバ部としてフレーム主体1を携帯電話機本体内に組込み、着信信号が印加されるとスピーカとして作動し、受話信号が印加されるとレシーバとして作動させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、レシーバとスピーカとが一体化された携帯電話機に適用する電気音響変換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機は、一般的には、着信音を発生させるスピーカと、音声信号を再生させるレシーバを有し、スピーカを電話機本体の外側に、レシーバを電話機本体の内側(表示面および操作部を有する面)に向けてそれぞれ独立して設けられている。
【0003】
この公知の携帯電話機は、着信音用スピーカと受話用レシーバが個々に設置されているため、当然それぞれ別個の磁気回路とフレームを必要とするものであるが、ますます小型化される携帯電話機においては、これら着信音用スピーカと受話用レシーバとを設置するためのスペースの確保が切実な問題となっている。
【0004】
そこで、特開2002−58094公報(特許文献1)においては、移動通信端末機の体積と重量を軽減し、磁気回路効率の増加による小型軽量化を図るために、一側から所定の大きさの呼出音を出力するスピーカ部と、他側から所定の大きさの音響を出力するレシーバ部と、前記スピーカ部とレシーバ部を対称的に収容するフレームと、フレームに連結され、電気的な信号が印加されるターミナルとを一体にしたレシーバが結合されたスピーカが提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−58094公報
(特許請求の範囲、0006〜0008段落、0012段落など)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図3で明らかなように、前記特許文献1に記載のスピーカは、フレームの中央部に配置されるダブルヨークの両面に上部ヨークと下部ヨークとを対称的に形成し、各ヨーク内にそれぞれ永久磁石からなるマグネット、ポールピースからなる磁気回路と、ボイスコイルおよびダイヤフラム(振動板)とを配置したものである。したがって、従来個々に必要としたフレームを一つにした点においては、多少の小型化、軽量化を図ることができるものの、実質的には2つの磁気回路と2つのダイヤフラムを必要とするもので、小型化乃至軽量化の観点からは必ずしも十分なものではない。
【0007】
この発明はかかる現状に鑑み、より小型化と軽量化のために、一つの磁気回路と、一つのダイヤフラムとでスピーカ機能とレシーバ機能を発揮し、組立てが容易で、しかも携帯用電話機に適用することによって、大幅なコストダウンが期待できる電気音響変換器を提供することを目的としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、この発明の請求項1に記載の発明は、
両端部に開口部を有する筒状のフレーム主体内に、ヨーク、マグネットおよびトッププレートからなる磁気回路を配置するとともに、
この磁気回路に形成されたギャップ内に保持されたボイスコイルの先端部を、外周部をフレームに固着したダイヤフラムの裏面部に連結固定させ、
前記フレーム主体の各開口部にそれぞれ放音孔を有するカバー部材を装着し、
前記ダイヤフラムの前面側を着信用スピーカ部とし、背面側を受話用レシーバ部として前記フレーム主体を携帯電話機本体内に組込み、
着信信号が印加されるとスピーカとして作動し、受話信号が印加されるとレシーバとして作動するよう構成したこと
を特徴とする電気音響変換器である。
【0009】
また、この発明の請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の電気音響変換器において、
前記フレーム主体は、
内周壁に、中心部にヨークを固着するための透孔を有するリング状の取付板を一体的に設けるとともに、この取付板の所要部位に、上下方向に貫通する複数の放音孔を形成したこと
を特徴とするものである。
【0010】
また、この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項2に記載の電気音響変換器において、
前記取付板は、
内周壁の中央部に配置し、受話用レシーバ部の容積を変化させることによって受話用レシーバ部の高域再生周波数を変化させること
を特徴とするものである。
【0011】
また、この発明の請求項4に記載の発明は、
請求項1に記載の電気音響変換器において、
前記フレーム主体は、
外周部の所要部位に、外部入力信号を入力するための端子部が一体的に設けられていること
を特徴とするものである。
【0012】
また、この発明の請求項5に記載の発明は、
請求項1に記載の電気音響変換器において、
前記フレーム主体は、
受話用レシーバ部が位置する開口部に形成する放音孔の数を、変化させることによって、受話用レシーバ部の高域再生周波数を変化させること
を特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る電気音響変換器の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて具体的に説明する。
【0014】
この発明は、携帯電話機本体内に、着信音用スピーカ機能と受話用レシーバ機能とを具備した一つの電気音響変換器を、受話用レシーバ部が液晶画面や操作ボタンなどが設けられた正面側に、着信音用スピーカ部が反対の背面側になるよう配置したものである。
【0015】
図1は、この発明に係る電気音響変換器の要部の断面図であって、1は両端に開口部を有するプラスチックからなる筒状のフレーム主体で、その内周壁1aの中央部よりやや上方に、中心部に透孔からなるヨーク装着部2を設けたリング状の取付板3を一体的に形成するとともに、前記ヨーク装着部2と内周壁1aとの間の取付板3に複数の放音孔4が、所要間隔で均等に、かつ上下方向に貫通させて形成されている。
【0016】
また、このフレーム主体1の外周壁の所要部位には、接続端子5を有するターミナル6が水平方向に突出するよう一体的に形成され、前記接続端子5に外部信号を入力することによって、後述する電気音響変換器10を駆動させる。
【0017】
なお、図1において、7および8は、それぞれ放音孔7a,8aを有するカバー部材であって、フレーム主体1の開口部にそれぞれ装着されるものである。
【0018】
また、着信音用スピーカ機能と受話用レシーバ機能とを具備した電気音響変換器10は、前記取付板3のヨーク装着部2に上縁外周部が固着される壺型のヨーク11と、このヨーク11の内底部上に配置される永久磁石からなる円柱状のマグネット12と、このマグネット12の上面部に配置され、前記ヨーク11の上部内周部との間に磁気ギャップ13を形成する円盤状のトッププレート14からなる磁気回路と、前記取付板3の所要の部位にエッジ16を介して固定されるダイヤフラム17と、先端部が前記ダイヤフラム17の裏面部に連結固着されるとともに、巻線部が前記磁気ギャップ13内に保持されるボイスコイル15とから構成されるものである。
【0019】
かかる電気音響変換器10は、壺型のヨーク11の内底面上にマグネット12を固着したのち、このマグネット12の上面にトッププレート14を固着して磁気回路を形成し、磁気回路を構成する前記ヨーク11の上縁外周部をフレーム主体1の取付板3に形成されたヨーク装着部2に固着し、あらかじめ裏面部にボイスコイル15の先端部を固着したダイヤフラム17を、冶具を使用してボイスコイル15が磁気ギャップ13内に正確に保持されるように維持しながら、外周縁に貼着されたエッジ16の外周部を取付板3の所要部位に接着固定する。
【0020】
しかるのち、フレーム主体1の上下の開口部に、それぞれ放音孔7a,8aを有するカバー部材7,8を装着して電気音響変換器10としたのち、この電気音響変換器10を図2に示すように、携帯電話機本体20の所要部位に取付ける。
【0021】
その際、電気音響変換器10のダイヤフラム17の前面側を着信用スピーカ部とし、背面側を受話用レシーバ部として前記フレーム主体1を携帯電話機本体20内に組込み、外部入力信号が印加されると、ボイスコイル15に電流が流れ、ダイヤフラム17がスピーカとして作動し、着信音がカバー部材7の放音孔7aを介して外部に流れる。
【0022】
この着信音を、カバー部材7の放音孔7aを介して聞いた携帯電話機の所有者が、携帯電話機本体20の操作部に配置された所定のボタンを操作すると、着信音として、0.3W程度の入力で作動するボイスコイルが、10mmW程度の入力で作動し、ダイヤフラム17からの音は、取付板3の形成された放音孔4からカバー部材8の放音孔8aからカバー部材8に耳部を接していた使用者に流れてレシーバとして作動し、受話音を再生するものである。
【0023】
かかる構成からなるこの発明の電気音響変換器10は、ダイヤフラム17のエネルギーを、その前面部に配置したカバー部材7から直接放射させることによって着信音用スピーカとし、ダイヤフラム17のエネルギーを、取付板3に形成された放音孔4を介して、背面部に配置したカバー部材8から放射させることによって受話用レシーバとするもので、図1において、取付板3の下方の容積、取付板3に形成される放音孔4の大きさとその数、カバー部材8に形成される放音孔8aの大きさと数を変化させることによって放射音を変えることができる。
【0024】
すなわち、着信用スピーカ部側に設けられるカバー部材7は、比較的聴取し易いように放音孔は全面に設けられ、カバー部材8は、中心部に集中して設けられるものであるが、この放音孔の数が少ないと、高域ピーク(一般的には4〜6KHz)が低い周波数に、多いと高い周波数に移動することが判明した。
【0025】
また、受話用レシーバ側の容積を大きく設定すると、高域ピークが低い周波数に、小さくすると高い周波数に移動することが判明したので、これらの比率を求められる性能に応じて変化させることによって、電気音響変換器の性能を変えることができる。
【0026】
【発明の効果】
この発明の電気音響変換器は、一つの磁気回路と、一つのダイヤフラムとでスピーカ機能とレシーバ機能を発揮するように構成し、この電気音響変換器を携帯電話機本体の所要の部位に配置したので、携帯用電話機の小型化をより推進させることができ、しかも構造が簡単で、組立ても容易であるので、大幅なコストダウンを図ることができる。
【0027】
特に、この発明においては、両端に開口部を有する筒状のフレーム主体内に、磁気回路を装着するための取付部を設け、この取付部に放音孔を形成し、ダイヤフラムからの音響を、ダイヤフラムの背面側からも放射されるよう形成することによって、一つの磁気回路と、一つのダイヤフラムとでスピーカ機能とレシーバ機能を発揮するので、装置本体を大幅に小型化することができる。
【0028】
さらに、スピーカ機能とレシーバ機能を奏する部位の容積や、カバー部材に設ける放音孔を変えることによって、簡単かつ容易に電気音響変換器の性能を変化させることができるなど実用上有用な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る電気音響変換器の要部の断面図である。
【図2】この発明に係る電気音響変換器を搭載した携帯用電話機の側面図である。
【符号の説明】
1 フレーム主体
2 ヨーク装着部
3 取付板
4 放音孔
5 接続端子
7,8 カバー部材
10 電気音響変換器
11 ヨーク
12 マグネット
13 磁気ギャップ
14 トッププレート
15 ボイスコイル
17 ダイヤフラム
【発明の属する技術分野】
この発明は、レシーバとスピーカとが一体化された携帯電話機に適用する電気音響変換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機は、一般的には、着信音を発生させるスピーカと、音声信号を再生させるレシーバを有し、スピーカを電話機本体の外側に、レシーバを電話機本体の内側(表示面および操作部を有する面)に向けてそれぞれ独立して設けられている。
【0003】
この公知の携帯電話機は、着信音用スピーカと受話用レシーバが個々に設置されているため、当然それぞれ別個の磁気回路とフレームを必要とするものであるが、ますます小型化される携帯電話機においては、これら着信音用スピーカと受話用レシーバとを設置するためのスペースの確保が切実な問題となっている。
【0004】
そこで、特開2002−58094公報(特許文献1)においては、移動通信端末機の体積と重量を軽減し、磁気回路効率の増加による小型軽量化を図るために、一側から所定の大きさの呼出音を出力するスピーカ部と、他側から所定の大きさの音響を出力するレシーバ部と、前記スピーカ部とレシーバ部を対称的に収容するフレームと、フレームに連結され、電気的な信号が印加されるターミナルとを一体にしたレシーバが結合されたスピーカが提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−58094公報
(特許請求の範囲、0006〜0008段落、0012段落など)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図3で明らかなように、前記特許文献1に記載のスピーカは、フレームの中央部に配置されるダブルヨークの両面に上部ヨークと下部ヨークとを対称的に形成し、各ヨーク内にそれぞれ永久磁石からなるマグネット、ポールピースからなる磁気回路と、ボイスコイルおよびダイヤフラム(振動板)とを配置したものである。したがって、従来個々に必要としたフレームを一つにした点においては、多少の小型化、軽量化を図ることができるものの、実質的には2つの磁気回路と2つのダイヤフラムを必要とするもので、小型化乃至軽量化の観点からは必ずしも十分なものではない。
【0007】
この発明はかかる現状に鑑み、より小型化と軽量化のために、一つの磁気回路と、一つのダイヤフラムとでスピーカ機能とレシーバ機能を発揮し、組立てが容易で、しかも携帯用電話機に適用することによって、大幅なコストダウンが期待できる電気音響変換器を提供することを目的としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、この発明の請求項1に記載の発明は、
両端部に開口部を有する筒状のフレーム主体内に、ヨーク、マグネットおよびトッププレートからなる磁気回路を配置するとともに、
この磁気回路に形成されたギャップ内に保持されたボイスコイルの先端部を、外周部をフレームに固着したダイヤフラムの裏面部に連結固定させ、
前記フレーム主体の各開口部にそれぞれ放音孔を有するカバー部材を装着し、
前記ダイヤフラムの前面側を着信用スピーカ部とし、背面側を受話用レシーバ部として前記フレーム主体を携帯電話機本体内に組込み、
着信信号が印加されるとスピーカとして作動し、受話信号が印加されるとレシーバとして作動するよう構成したこと
を特徴とする電気音響変換器である。
【0009】
また、この発明の請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の電気音響変換器において、
前記フレーム主体は、
内周壁に、中心部にヨークを固着するための透孔を有するリング状の取付板を一体的に設けるとともに、この取付板の所要部位に、上下方向に貫通する複数の放音孔を形成したこと
を特徴とするものである。
【0010】
また、この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項2に記載の電気音響変換器において、
前記取付板は、
内周壁の中央部に配置し、受話用レシーバ部の容積を変化させることによって受話用レシーバ部の高域再生周波数を変化させること
を特徴とするものである。
【0011】
また、この発明の請求項4に記載の発明は、
請求項1に記載の電気音響変換器において、
前記フレーム主体は、
外周部の所要部位に、外部入力信号を入力するための端子部が一体的に設けられていること
を特徴とするものである。
【0012】
また、この発明の請求項5に記載の発明は、
請求項1に記載の電気音響変換器において、
前記フレーム主体は、
受話用レシーバ部が位置する開口部に形成する放音孔の数を、変化させることによって、受話用レシーバ部の高域再生周波数を変化させること
を特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る電気音響変換器の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて具体的に説明する。
【0014】
この発明は、携帯電話機本体内に、着信音用スピーカ機能と受話用レシーバ機能とを具備した一つの電気音響変換器を、受話用レシーバ部が液晶画面や操作ボタンなどが設けられた正面側に、着信音用スピーカ部が反対の背面側になるよう配置したものである。
【0015】
図1は、この発明に係る電気音響変換器の要部の断面図であって、1は両端に開口部を有するプラスチックからなる筒状のフレーム主体で、その内周壁1aの中央部よりやや上方に、中心部に透孔からなるヨーク装着部2を設けたリング状の取付板3を一体的に形成するとともに、前記ヨーク装着部2と内周壁1aとの間の取付板3に複数の放音孔4が、所要間隔で均等に、かつ上下方向に貫通させて形成されている。
【0016】
また、このフレーム主体1の外周壁の所要部位には、接続端子5を有するターミナル6が水平方向に突出するよう一体的に形成され、前記接続端子5に外部信号を入力することによって、後述する電気音響変換器10を駆動させる。
【0017】
なお、図1において、7および8は、それぞれ放音孔7a,8aを有するカバー部材であって、フレーム主体1の開口部にそれぞれ装着されるものである。
【0018】
また、着信音用スピーカ機能と受話用レシーバ機能とを具備した電気音響変換器10は、前記取付板3のヨーク装着部2に上縁外周部が固着される壺型のヨーク11と、このヨーク11の内底部上に配置される永久磁石からなる円柱状のマグネット12と、このマグネット12の上面部に配置され、前記ヨーク11の上部内周部との間に磁気ギャップ13を形成する円盤状のトッププレート14からなる磁気回路と、前記取付板3の所要の部位にエッジ16を介して固定されるダイヤフラム17と、先端部が前記ダイヤフラム17の裏面部に連結固着されるとともに、巻線部が前記磁気ギャップ13内に保持されるボイスコイル15とから構成されるものである。
【0019】
かかる電気音響変換器10は、壺型のヨーク11の内底面上にマグネット12を固着したのち、このマグネット12の上面にトッププレート14を固着して磁気回路を形成し、磁気回路を構成する前記ヨーク11の上縁外周部をフレーム主体1の取付板3に形成されたヨーク装着部2に固着し、あらかじめ裏面部にボイスコイル15の先端部を固着したダイヤフラム17を、冶具を使用してボイスコイル15が磁気ギャップ13内に正確に保持されるように維持しながら、外周縁に貼着されたエッジ16の外周部を取付板3の所要部位に接着固定する。
【0020】
しかるのち、フレーム主体1の上下の開口部に、それぞれ放音孔7a,8aを有するカバー部材7,8を装着して電気音響変換器10としたのち、この電気音響変換器10を図2に示すように、携帯電話機本体20の所要部位に取付ける。
【0021】
その際、電気音響変換器10のダイヤフラム17の前面側を着信用スピーカ部とし、背面側を受話用レシーバ部として前記フレーム主体1を携帯電話機本体20内に組込み、外部入力信号が印加されると、ボイスコイル15に電流が流れ、ダイヤフラム17がスピーカとして作動し、着信音がカバー部材7の放音孔7aを介して外部に流れる。
【0022】
この着信音を、カバー部材7の放音孔7aを介して聞いた携帯電話機の所有者が、携帯電話機本体20の操作部に配置された所定のボタンを操作すると、着信音として、0.3W程度の入力で作動するボイスコイルが、10mmW程度の入力で作動し、ダイヤフラム17からの音は、取付板3の形成された放音孔4からカバー部材8の放音孔8aからカバー部材8に耳部を接していた使用者に流れてレシーバとして作動し、受話音を再生するものである。
【0023】
かかる構成からなるこの発明の電気音響変換器10は、ダイヤフラム17のエネルギーを、その前面部に配置したカバー部材7から直接放射させることによって着信音用スピーカとし、ダイヤフラム17のエネルギーを、取付板3に形成された放音孔4を介して、背面部に配置したカバー部材8から放射させることによって受話用レシーバとするもので、図1において、取付板3の下方の容積、取付板3に形成される放音孔4の大きさとその数、カバー部材8に形成される放音孔8aの大きさと数を変化させることによって放射音を変えることができる。
【0024】
すなわち、着信用スピーカ部側に設けられるカバー部材7は、比較的聴取し易いように放音孔は全面に設けられ、カバー部材8は、中心部に集中して設けられるものであるが、この放音孔の数が少ないと、高域ピーク(一般的には4〜6KHz)が低い周波数に、多いと高い周波数に移動することが判明した。
【0025】
また、受話用レシーバ側の容積を大きく設定すると、高域ピークが低い周波数に、小さくすると高い周波数に移動することが判明したので、これらの比率を求められる性能に応じて変化させることによって、電気音響変換器の性能を変えることができる。
【0026】
【発明の効果】
この発明の電気音響変換器は、一つの磁気回路と、一つのダイヤフラムとでスピーカ機能とレシーバ機能を発揮するように構成し、この電気音響変換器を携帯電話機本体の所要の部位に配置したので、携帯用電話機の小型化をより推進させることができ、しかも構造が簡単で、組立ても容易であるので、大幅なコストダウンを図ることができる。
【0027】
特に、この発明においては、両端に開口部を有する筒状のフレーム主体内に、磁気回路を装着するための取付部を設け、この取付部に放音孔を形成し、ダイヤフラムからの音響を、ダイヤフラムの背面側からも放射されるよう形成することによって、一つの磁気回路と、一つのダイヤフラムとでスピーカ機能とレシーバ機能を発揮するので、装置本体を大幅に小型化することができる。
【0028】
さらに、スピーカ機能とレシーバ機能を奏する部位の容積や、カバー部材に設ける放音孔を変えることによって、簡単かつ容易に電気音響変換器の性能を変化させることができるなど実用上有用な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る電気音響変換器の要部の断面図である。
【図2】この発明に係る電気音響変換器を搭載した携帯用電話機の側面図である。
【符号の説明】
1 フレーム主体
2 ヨーク装着部
3 取付板
4 放音孔
5 接続端子
7,8 カバー部材
10 電気音響変換器
11 ヨーク
12 マグネット
13 磁気ギャップ
14 トッププレート
15 ボイスコイル
17 ダイヤフラム
Claims (5)
- 両端部に開口部を有する筒状のフレーム主体内に、ヨーク、マグネットおよびトッププレートからなる磁気回路を配置するとともに、
この磁気回路に形成されたギャップ内に保持されたボイスコイルの先端部を、外周部をフレームに固着したダイヤフラムの裏面部に連結固定させ、
前記フレーム主体の各開口部にそれぞれ放音孔を有するカバー部材を装着し、
前記ダイヤフラムの前面側を着信用スピーカ部とし、背面側を受話用レシーバ部として前記フレーム主体を携帯電話機本体内に組込み、
着信信号が印加されるとスピーカとして作動し、受話信号が印加されるとレシーバとして作動するよう構成したこと
を特徴とする電気音響変換器。 - 前記フレーム主体は、
内周壁に、中心部にヨークを固着するための透孔を有するリング状の取付板を一体的に設けるとともに、この取付板の所要部位に、上下方向に貫通する複数の放音孔を形成したこと
を特徴とする請求項1に記載の電気音響変換器。 - 前記取付板は、
内周壁の中央部に配置し、受話用レシーバ部の容積を変化させることによって受話用レシーバ部の高域再生周波数を変化させること
を特徴とする請求項2に記載の電気音響変換器。 - 前記フレーム主体は、
外周部の所要部位に、外部入力信号を入力するための端子部が一体的に設けられていること
を特徴とする請求項1に記載の電気音響変換器。 - 前記フレーム主体は、
受話用レシーバ部が位置する開口部に形成する放音孔の数を、変化させることによって受話用レシーバ部の高域再生周波数を変化させること
を特徴とする請求項1に記載の電気音響変換器。
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JP2002340204A JP2004179701A (ja) | 2002-11-25 | 2002-11-25 | 電気音響変換器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002340204A JP2004179701A (ja) | 2002-11-25 | 2002-11-25 | 電気音響変換器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004179701A true JP2004179701A (ja) | 2004-06-24 |
Family
ID=32702891
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002340204A Pending JP2004179701A (ja) | 2002-11-25 | 2002-11-25 | 電気音響変換器 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2004179701A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8036699B2 (en) | 2005-03-01 | 2011-10-11 | Nec Corporation | Audio output device, its alarm output control method, and its control program |
CN101521842B (zh) * | 2008-02-29 | 2013-02-13 | 唐华西 | 扬声器磁路结构 |
-
2002
- 2002-11-25 JP JP2002340204A patent/JP2004179701A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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