JP2004179480A - 薄膜熱電素子及び薄膜熱電素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、電極部が放/吸熱部を兼ねることに起因する薄膜熱電素子を電子部品に搭載する上での制約がない薄膜熱電素子、および工数が少なく簡便で、設計変更に対して自由度の高い薄膜熱電素子の製造方法を提供するものである。
【解決手段】本発明は、簾状に配された2以上のP型半導体薄膜と、簾状に配された2以上のN型半導体薄膜とが積層された薄膜熱電素子であって、
P型及びN型半導体薄膜は、簾の長手方向に離間した端子部においてジグザク状に直列接続されている薄膜熱電素子である。
また、もう一つの本発明は、P型半導体シートとN型半導体シートとを積層して薄膜熱電素子を構成する薄膜熱電素子の製造方法である。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、簾状に配された2以上のP型半導体薄膜と、簾状に配された2以上のN型半導体薄膜とが積層された薄膜熱電素子であって、
P型及びN型半導体薄膜は、簾の長手方向に離間した端子部においてジグザク状に直列接続されている薄膜熱電素子である。
また、もう一つの本発明は、P型半導体シートとN型半導体シートとを積層して薄膜熱電素子を構成する薄膜熱電素子の製造方法である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱電材料を薄膜に形成した薄膜熱電素子及び薄膜熱電素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、IC等の半導体ディバイスやレーザ光源等の電子部品の冷却には、装置の小型化に適する理由からP型とN型の半導体を連結させた熱電素子が用いられている。熱電素子には、バルク材を機械的に加工したブロック状の半導体を用いるバルク型熱電素子と、微細加工プロセスにより薄膜として形成した半導体薄膜を用いる薄膜熱電素子とがある。このうち特に薄膜熱電素子は、装置の小型化に適することから、実用化にむけた検討が種々行われている。
【0003】
例えば図5に示すように、基板上19にP型半導体薄膜1、N型半導体薄膜2、絶縁層20、放熱電極21、吸熱電極22等を微細加工プロセスにより積層して形成した薄膜熱電素子が提案されている(特許文献1参照。)。
図5に記載の薄膜熱電素子では、左端の放熱電極21のN型半導体薄膜2に接続されている部分から同左端の放熱電極21のP型半導体薄膜に接続されている部分方向へ電圧印加により電流を流すと、ペルチェ効果により吸熱電極22で冷却が生じ、放熱電極21では発熱が生じる。図5の薄膜熱電素子において実際に冷却が発生する部分は、P型半導体薄膜1、N型半導体薄膜2と吸熱電極22の接合部分である。すなわち、図5の薄膜熱電素子においてはこの接合部が4箇所あり、全てが基板中央に積層集中している。従って吸熱電極の冷却能力、すなわち、制御可能な熱量を大きくすることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−318736号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載の薄膜熱電素子は冷却部の吸熱能力が高い点において優れる。しかしながら、電極がそのまま放/吸熱部を兼ねる構成であることから、電子部品に搭載する場合には、電極部を放/吸熱に支障がない位置となるように薄膜熱電素子を配することが必要である。場合によっては、適用する電子部品の形状に合わせて薄膜熱電素子を設計することが必要となる。すなわち、電子部品等に搭載する上での制約が大きいという問題がある。
加えて、特許文献1に代表される、従来の薄膜熱電素子では、大部分の工程が微細加工プロセスにより行われる為、工数がかかり、さらに専用のマスク等が必要な為、設計上の自由度が低いことが問題である
【0006】
本発明は、電極部が放/吸熱部を兼ねることに起因する薄膜熱電素子を電子部品に搭載する上での制約がない薄膜熱電素子、および工数が少なく簡便で、設計変更に対して自由度の高い薄膜熱電素子の製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、簾状に形成したP型及びN型半導体薄膜を積層して、交互に直列接続することで上記の問題を解消できることを見出し、本発明を想到した。
即ち本発明は、簾状に配された2以上のP型半導体薄膜と、簾状に配された2以上のN型半導体薄膜とが積層された薄膜熱電素子であって、
P型及びN型半導体薄膜は、簾の長手方向に離間した端子部においてジグザク状に直列接続されている薄膜熱電素子である。
上記の薄膜熱電素子は絶縁フィルム/簾状に配された2以上のP型半導体薄膜/層間フィルム/簾状に配された2以上のN型半導体薄膜/絶縁フィルムの順に積層され、P型及びN型半導体薄膜は、端子部を除いて互いに層間フィルムで絶縁されていることが好ましい。
【0008】
また、本発明者はそれぞれ別個に構成されるP型半導体シートとN型半導体シートとを積層して薄膜熱電素子を構成することで従来の薄膜熱電素子の製造方法における問題を解消できることを見出した。
すなわち、もう一つの本発明は、P型半導体シートとN型半導体シートとを重ねる薄膜熱電素子の製造方法であって、
P型及びN型半導体シートはそれぞれ、絶縁フィルム/簾状に配された2以上の半導体薄膜/絶縁フィルムの順で積層され、前記半導体薄膜の一方の面は全面、他方の面は半導体薄膜毎に簾の長手方向に離間した端子部を露出する如く一部が絶縁フィルムに覆われてなり、
前記P型半導体シートとN型半導体シートとを、一部が絶縁フィルムに覆われた面を対向させて重ね、
P型半導体薄膜とN型半導体薄膜とがジグザグ状に直列接続するようP型半導体薄膜の端子部と、N型半導体薄膜の端子部とを電気的に接続する薄膜熱電素子の製造方法である。
【0009】
本発明の薄膜熱電素子の製造方法では、一方若しくは両方に簾状に半導体薄膜を形成した2つの絶縁フィルムを、前記半導体薄膜を形成した面を対向させてロールにより圧着接合してP型半導体シートまたはN型半導体シートとすることが好ましい。
また、半導体薄膜の形成は、真空槽内で乾式成膜装置により、二つの絶縁フィルムの一方または両方の被接合面に乾式成膜層を付着して形成することが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
上述したように、本発明の重要な特徴は、簾状に形成されたP型及びN型半導体薄膜を積層して、交互に直列接続させることである。以下に具体例を用いながら本発明を説明する。
本発明において半導体薄膜とは、例えば、物理蒸着や化学蒸着法など、気相やプラズマを利用した乾式の成膜方法(以下乾式成膜法と記す)により形成された半導体の薄膜である。本発明ではこの半導体薄膜を2以上、簾状に配するが、簾状に配するとは図1(a)に一例を示すように、2以上のP型半導体薄膜1またはN型半導体薄膜2が、それぞれ平面上において、隣在するP型またはN型半導体薄膜と接触することなく、相互に電気的に絶縁した状態で配することである。簾状に配された半導体薄膜は、簾の長手方向に離間した端子部3において、P型半導体薄膜1とN型半導体薄膜2とがジグザク状に直列接続するよう電気的に接続する。
【0011】
このようにP型及びN型半導体薄膜をジグザク状に直列接続することで、薄膜熱電素子ではP型及びN型半導体薄膜の接続部が放/吸熱部4となり、直列接続した半導体薄膜の端部が電極部5となる。本発明では放/吸熱部4と電極部5とを別個に構成することで、電子部品に適用した際に放/吸熱部と他の部品との接触による漏電等を考慮することなく、必要な位置に放/吸熱部を配することが可能となり電子部品等に搭載する上での配置の自由度を高くすることができる。
【0012】
また、本発明の薄膜熱電素子ではP型半導体薄膜1とN型半導体薄膜2とは積層して構成されるので、P型半導体薄膜とN型半導体薄膜とを平面方向に交互に配する構成(例えば図5)と比べて、幅方向の装置寸法を半減することが出来る。一方、半導体薄膜の厚さは非常に薄いので、高さ方向の寸法は殆ど増加しない。
なお、本発明ではP型及びN型半導体薄膜として、従来、薄膜熱電素子に適用されている何れの半導体材料でも適用することが可能である。一例を挙げれば、熱電交換率の良好なBi2SbxTe3−x、BixSb2−xTe3等の半導体材料を適用することが好ましい。
【0013】
本発明は、絶縁フィルム/簾状に配された2以上のP型半導体薄膜/層間フィルム/簾状に配された2以上のN型半導体薄膜/絶縁フィルムの順に積層され、P型及びN型半導体薄膜は、端子部を除いて互いに層間フィルムで絶縁されていることが好ましい。
この場合、簾の長手方向に離間した端子部を除いてP型半導体薄膜とN型半導体薄膜とを層間フィルムにより絶縁することで、放/吸熱部をそれぞれ離間させる。これにより、電圧印加時におけるP型からN型半導体薄膜、またはN型からP型半導体薄膜の電流の方向が同じとなる端子部同士、換言すると、吸熱部同士または発熱部同士が近接するように層間フィルム6を配することが可能であり、熱交換の効率を向上することができる。また、図1(b)に示すように、放/吸熱部に熱伝導性に優れるCu等の材質からなる放/吸熱部材7を設けることで、より熱交換の効率を向上することができる。
さらに、図2(d)に示すように直列に接続する半導体薄膜の本数を増加することで、熱交換の効率を向上することができる。
【0014】
なお、層間フィルムは半導体薄膜同士の絶縁を達成できる比抵抗を有する材料であれば如何なる材料を適用することも出来るが、一例を挙げれば、適度な可撓性を有し、入手が容易であるPETフィルムや、ポリイミドフィルム等を適用することが好ましい。
本発明では薄膜熱電素子の外面を絶縁フィルム8で構成することが好ましいが、これは機械的強度に劣る半導体薄膜を保護すると共に、半導体薄膜を外部から絶縁するためのものである。絶縁フィルムには、上記の層間フィルムと同様に半導体薄膜の絶縁を達成できる比抵抗を有し、半導体薄膜の形状を保持できる強度を有する材料であれば如何なる材料も適用してもよく、層間フィルムと同様にPETフィルムや、ポリイミドフィルム等を適用することが好ましい。
【0015】
以上に述べたように、本発明の薄膜熱電素子では放/吸熱部と電極部が別であり、寸法が小さく、加えて互いに離間した一端が吸熱部、他端が放熱部であるという特徴を有する。これらの特徴を有する本発明の好適な適用方法として、例えば図4に示す適用方法が挙げられる。図4に示すように一方の放/吸熱部4を冷却する電子部品9に接触させて電子装置の筐体10の内部に配し、他方の放/吸熱部4を筐体10の外部に配して放熱特性を向上することも可能である。
【0016】
次に、本発明の薄膜熱電素子の製造方法について説明する。上述した本発明の薄膜熱電素子も、以下に示す本発明の薄膜熱電素子の製造方法により製造することができる。
本発明の薄膜熱電素子の製造方法における特徴は、従来の製造方法における大部分の工程が微細加工プロセスにより行われるのに対し、それぞれP型半導体シートとN型半導体シートとを別個に作製し、これらを重ねて薄膜熱電素子を構成することである。
【0017】
本発明では図2(c)に示すような半導体シート12を用いる。この半導体シート12は二枚の絶縁フィルム8の間に2以上のP型またはN型半導体薄膜(1、2)を簾状に配したものである。半導体シートは、機械的強度の低い半導体薄膜を絶縁フィルムで補強したものである。従来、バルク型熱電素子に用いられるブロック状の半導体と異なり、薄膜熱電素子に用いる半導体薄膜は強度が低いため一つの部材として単独で取り扱うことが出来ず、薄膜熱電素子の製造工程の殆どは微細加工プロセスにより行われていた。これに対し、本発明では半導体薄膜を絶縁フィルムと複合して半導体シートとし、機械的強度の低い半導体薄膜を一つの部材として単独で取り扱うことで、製造工程の簡素化を達成したものである。
【0018】
本発明で用いる半導体シート12は、図2(c)に一例を示すように半導体薄膜の一方の面は全面、他方の面は半導体薄膜毎に簾の長手方向に離間した端子部3を残す如く一部が絶縁フィルム8に覆われてなることを要件とする。このような端子部を具備する半導体シートは、両面の全てが絶縁フィルムの覆われた半導体シート(例えば図2(b))から、一方の面の絶縁フィルムを部分的に剥がして端子部とする方法や、予め端子部とする部分が切り抜かれた形態の絶縁フィルムを用いて半導体シートとする方法等で形成することが出来る。
【0019】
以上に述べた半導体シートを用いることで、微細加工プロセスを必要とせず、簡素な工程で薄膜熱電素子を製造することができる。
本発明では、P型半導体シートとN型半導体シートとを、一部が絶縁フィルムに覆われた面を対向させて積層し、P型半導体薄膜とN型半導体薄膜とが交互に直列接続するようP型半導体薄膜の端子部と、N型半導体薄膜の端子部とを電気的に接続する。
【0020】
具体的には、図2(d)の下図にあるように、例えば一つのP型半導体薄膜に着目した場合に、対向して配されたN型半導体シート上の隣り合う二つのN型半導体薄膜にまたがるように位置し、前記P型半導体薄膜の両端にある端子部は、前述の隣り合う二つのN型半導体薄膜の両端にある端子部の一方と、一箇所ずつ接続する。このように接続することで、全てのP型半導体薄膜とN型半導体薄膜とを交互に直列接続することが可能となる。
【0021】
端子部の電気的な接続はSn−Pbはんだ等、一般に流通しているろう材により行うことができる。この際、重ねる前の一方の半導体シートの端子部、例えばP型半導体シートの端子部のみに予めろう材を付着させておき、P型及びN型半導体シートの端子部を上記の位置関係に配した後(図2(d)下図)、加熱されたコテを用いて両面から絶縁フィルムを挟みこむことで、全ての端子部を同時にろう付けすることが出来る。この方法により端子部をろう付けする場合には、絶縁フィルムとして加熱時に変質、変形しない程度の耐熱性を有する材質を選択する。
以上に述べたように、半導体シートを用いることで、微細加工プロセスを必要とせず、簡素な工程で薄膜熱電素子を製造することができる。
【0022】
なお、本発明の方法で製造する薄膜熱電素子は、直列接続されたP型/N型半導体薄膜の両端を、外部の電源と接続して用いられる。外部の電源と接続する端子部は、互いに重ねる前のP型/N型半導体シートに形成することが、簡便であり好ましい。具体的には、図2(c)に示すように、直列接続した後に両端となるP型/N型半導体薄膜に、導電性の箔等を予め電極部材11として接合しておくことが好ましい。
【0023】
さらに、本発明の製造方法では、工程を殆ど変更することなく、縦、横寸法の異なる薄膜熱電素子の製造が可能であり、設計上の自由度が高い。
図2(a)中の点線Xは図2(b)に記載の半導体シートの切取り線を示すものである。図2(d)とは放/吸熱部の距離の異なる薄膜熱電素子が必要な場合には、点線Yに示すように半導体シートを重ねた際にP型半導体薄膜とN型半導体薄膜とがなす角度を、適宜調整して半導体シートを切断する。例えば、距離D(半導体薄膜の中心−中心の距離)の等間隔で半導体薄膜が配されている半導体シートを用いて、放/吸熱部の距離がLの薄膜熱電素子を製造する場合には、P型半導体薄膜とN型半導体薄膜とがなす角度が2sin−1(D/2L)になるよう半導体シートを切断する。換言すると、距離Lの方向に対してsin−1(D/2L)の角度だけ半導体薄膜が斜傾するよう切断する。以降は同様の工程で寸法の異なる薄膜熱電素子を製造することができる。
よって、本発明の製造方法では、工程を殆ど変更することなく、縦、横寸法の異なる薄膜熱電素子の製造が可能であり、設計上の自由度が高い。
【0024】
本発明で用いる半導体シートは、図2(c)に示す形態の半導体シート12を個々に製造することも可能であるが、図3に一例を示す方法により連続して製造することが好ましい。図3に示す方法では、二つの巻出しロール13から、同時に絶縁フィルム8を巻出しながら圧着ロール14により絶縁フィルムを連続的に圧着接合する。この際、圧着接合前の一方若しくは両方の絶縁フィルムの圧着接合面側に、簾状に半導体薄膜を形成しておく。圧着接合した半導体シート12は巻取りロール15で巻取る。
この方法によれば、半導体シートを高い生産効率で連続して製造することが可能である。
【0025】
上記の方法で半導体シートを製造する場合、簾状の半導体薄膜は真空槽内に配した乾式成膜装置により付着形成することが好ましい。乾式製膜装置とは、既述の乾式成膜法を実施する装置を意味するものである。
具体的には図3に示すように、巻出しロール13、圧着ロール14などを全て真空槽16内に配し、さらに既述の乾式成膜法を実施する為の乾式成膜装置17を巻出しロール13と圧着ロール14の間に配し、この乾式成膜装置17により簾状のスリット18を介して巻出される樹脂フィルム上に連続的に成膜を行う。図3では、一方の樹脂フィルムにのみ半導体薄膜を形成する例を示すが、真空槽内に2台の乾式製膜装置を配して両方の樹脂フィルムに半導体薄膜を形成しても良い。
【0026】
この方法によれば、半導体シートを製造する全ての工程を連続して行うことが可能となる。なお、本発明において真空槽とは、槽内部を減圧することができる密閉可能な容器である。真空槽を用いることで、半導体シートを製造する全ての工程を真空雰囲気や、不活性雰囲気などで行うことが可能となり、酸化などの汚染の少ない半導体シートの製造が可能となる。
連続的に製造されたに長尺の半導体シート(図2(a))から図2(b)に示すように、薄膜熱電素子に必要な形状に半導体シートを切り出して薄膜熱電素子とすることができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、電極部が放/吸熱部を兼ねることに起因する薄膜熱電素子を電子部品に搭載する上での制約がない薄膜熱電素子、および工数が少なく簡便で、設計変更に対して自由度の高い薄膜熱電素子の製造方法を提供が可能であり、工業上重要な技術である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜熱電素子の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の薄膜熱電素子の製造方法における工程の流れの一例を示す模式図である。
【図3】半導体シートの製造装置の一例を示す模式図である。
【図4】本発明の薄膜熱電素子の使用形態の一例を示す模式図である。
【図5】従来の薄膜熱電素子の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1.P型半導体薄膜、2.N型半導体薄膜、3.端子部、4.放/吸熱部、5.電極部、6.層間フィルム、7.放/吸熱部材、8.絶縁フィルム、9.電子部品、10.筐体、11.電極部材、12.半導体シート、13.巻出しロール、14.圧着ロール、15.巻取りロール、16.真空槽、17.乾式成膜装置、18.スリット、19.基板、20.絶縁層、21.放熱電極、22.吸熱電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱電材料を薄膜に形成した薄膜熱電素子及び薄膜熱電素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、IC等の半導体ディバイスやレーザ光源等の電子部品の冷却には、装置の小型化に適する理由からP型とN型の半導体を連結させた熱電素子が用いられている。熱電素子には、バルク材を機械的に加工したブロック状の半導体を用いるバルク型熱電素子と、微細加工プロセスにより薄膜として形成した半導体薄膜を用いる薄膜熱電素子とがある。このうち特に薄膜熱電素子は、装置の小型化に適することから、実用化にむけた検討が種々行われている。
【0003】
例えば図5に示すように、基板上19にP型半導体薄膜1、N型半導体薄膜2、絶縁層20、放熱電極21、吸熱電極22等を微細加工プロセスにより積層して形成した薄膜熱電素子が提案されている(特許文献1参照。)。
図5に記載の薄膜熱電素子では、左端の放熱電極21のN型半導体薄膜2に接続されている部分から同左端の放熱電極21のP型半導体薄膜に接続されている部分方向へ電圧印加により電流を流すと、ペルチェ効果により吸熱電極22で冷却が生じ、放熱電極21では発熱が生じる。図5の薄膜熱電素子において実際に冷却が発生する部分は、P型半導体薄膜1、N型半導体薄膜2と吸熱電極22の接合部分である。すなわち、図5の薄膜熱電素子においてはこの接合部が4箇所あり、全てが基板中央に積層集中している。従って吸熱電極の冷却能力、すなわち、制御可能な熱量を大きくすることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−318736号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載の薄膜熱電素子は冷却部の吸熱能力が高い点において優れる。しかしながら、電極がそのまま放/吸熱部を兼ねる構成であることから、電子部品に搭載する場合には、電極部を放/吸熱に支障がない位置となるように薄膜熱電素子を配することが必要である。場合によっては、適用する電子部品の形状に合わせて薄膜熱電素子を設計することが必要となる。すなわち、電子部品等に搭載する上での制約が大きいという問題がある。
加えて、特許文献1に代表される、従来の薄膜熱電素子では、大部分の工程が微細加工プロセスにより行われる為、工数がかかり、さらに専用のマスク等が必要な為、設計上の自由度が低いことが問題である
【0006】
本発明は、電極部が放/吸熱部を兼ねることに起因する薄膜熱電素子を電子部品に搭載する上での制約がない薄膜熱電素子、および工数が少なく簡便で、設計変更に対して自由度の高い薄膜熱電素子の製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、簾状に形成したP型及びN型半導体薄膜を積層して、交互に直列接続することで上記の問題を解消できることを見出し、本発明を想到した。
即ち本発明は、簾状に配された2以上のP型半導体薄膜と、簾状に配された2以上のN型半導体薄膜とが積層された薄膜熱電素子であって、
P型及びN型半導体薄膜は、簾の長手方向に離間した端子部においてジグザク状に直列接続されている薄膜熱電素子である。
上記の薄膜熱電素子は絶縁フィルム/簾状に配された2以上のP型半導体薄膜/層間フィルム/簾状に配された2以上のN型半導体薄膜/絶縁フィルムの順に積層され、P型及びN型半導体薄膜は、端子部を除いて互いに層間フィルムで絶縁されていることが好ましい。
【0008】
また、本発明者はそれぞれ別個に構成されるP型半導体シートとN型半導体シートとを積層して薄膜熱電素子を構成することで従来の薄膜熱電素子の製造方法における問題を解消できることを見出した。
すなわち、もう一つの本発明は、P型半導体シートとN型半導体シートとを重ねる薄膜熱電素子の製造方法であって、
P型及びN型半導体シートはそれぞれ、絶縁フィルム/簾状に配された2以上の半導体薄膜/絶縁フィルムの順で積層され、前記半導体薄膜の一方の面は全面、他方の面は半導体薄膜毎に簾の長手方向に離間した端子部を露出する如く一部が絶縁フィルムに覆われてなり、
前記P型半導体シートとN型半導体シートとを、一部が絶縁フィルムに覆われた面を対向させて重ね、
P型半導体薄膜とN型半導体薄膜とがジグザグ状に直列接続するようP型半導体薄膜の端子部と、N型半導体薄膜の端子部とを電気的に接続する薄膜熱電素子の製造方法である。
【0009】
本発明の薄膜熱電素子の製造方法では、一方若しくは両方に簾状に半導体薄膜を形成した2つの絶縁フィルムを、前記半導体薄膜を形成した面を対向させてロールにより圧着接合してP型半導体シートまたはN型半導体シートとすることが好ましい。
また、半導体薄膜の形成は、真空槽内で乾式成膜装置により、二つの絶縁フィルムの一方または両方の被接合面に乾式成膜層を付着して形成することが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
上述したように、本発明の重要な特徴は、簾状に形成されたP型及びN型半導体薄膜を積層して、交互に直列接続させることである。以下に具体例を用いながら本発明を説明する。
本発明において半導体薄膜とは、例えば、物理蒸着や化学蒸着法など、気相やプラズマを利用した乾式の成膜方法(以下乾式成膜法と記す)により形成された半導体の薄膜である。本発明ではこの半導体薄膜を2以上、簾状に配するが、簾状に配するとは図1(a)に一例を示すように、2以上のP型半導体薄膜1またはN型半導体薄膜2が、それぞれ平面上において、隣在するP型またはN型半導体薄膜と接触することなく、相互に電気的に絶縁した状態で配することである。簾状に配された半導体薄膜は、簾の長手方向に離間した端子部3において、P型半導体薄膜1とN型半導体薄膜2とがジグザク状に直列接続するよう電気的に接続する。
【0011】
このようにP型及びN型半導体薄膜をジグザク状に直列接続することで、薄膜熱電素子ではP型及びN型半導体薄膜の接続部が放/吸熱部4となり、直列接続した半導体薄膜の端部が電極部5となる。本発明では放/吸熱部4と電極部5とを別個に構成することで、電子部品に適用した際に放/吸熱部と他の部品との接触による漏電等を考慮することなく、必要な位置に放/吸熱部を配することが可能となり電子部品等に搭載する上での配置の自由度を高くすることができる。
【0012】
また、本発明の薄膜熱電素子ではP型半導体薄膜1とN型半導体薄膜2とは積層して構成されるので、P型半導体薄膜とN型半導体薄膜とを平面方向に交互に配する構成(例えば図5)と比べて、幅方向の装置寸法を半減することが出来る。一方、半導体薄膜の厚さは非常に薄いので、高さ方向の寸法は殆ど増加しない。
なお、本発明ではP型及びN型半導体薄膜として、従来、薄膜熱電素子に適用されている何れの半導体材料でも適用することが可能である。一例を挙げれば、熱電交換率の良好なBi2SbxTe3−x、BixSb2−xTe3等の半導体材料を適用することが好ましい。
【0013】
本発明は、絶縁フィルム/簾状に配された2以上のP型半導体薄膜/層間フィルム/簾状に配された2以上のN型半導体薄膜/絶縁フィルムの順に積層され、P型及びN型半導体薄膜は、端子部を除いて互いに層間フィルムで絶縁されていることが好ましい。
この場合、簾の長手方向に離間した端子部を除いてP型半導体薄膜とN型半導体薄膜とを層間フィルムにより絶縁することで、放/吸熱部をそれぞれ離間させる。これにより、電圧印加時におけるP型からN型半導体薄膜、またはN型からP型半導体薄膜の電流の方向が同じとなる端子部同士、換言すると、吸熱部同士または発熱部同士が近接するように層間フィルム6を配することが可能であり、熱交換の効率を向上することができる。また、図1(b)に示すように、放/吸熱部に熱伝導性に優れるCu等の材質からなる放/吸熱部材7を設けることで、より熱交換の効率を向上することができる。
さらに、図2(d)に示すように直列に接続する半導体薄膜の本数を増加することで、熱交換の効率を向上することができる。
【0014】
なお、層間フィルムは半導体薄膜同士の絶縁を達成できる比抵抗を有する材料であれば如何なる材料を適用することも出来るが、一例を挙げれば、適度な可撓性を有し、入手が容易であるPETフィルムや、ポリイミドフィルム等を適用することが好ましい。
本発明では薄膜熱電素子の外面を絶縁フィルム8で構成することが好ましいが、これは機械的強度に劣る半導体薄膜を保護すると共に、半導体薄膜を外部から絶縁するためのものである。絶縁フィルムには、上記の層間フィルムと同様に半導体薄膜の絶縁を達成できる比抵抗を有し、半導体薄膜の形状を保持できる強度を有する材料であれば如何なる材料も適用してもよく、層間フィルムと同様にPETフィルムや、ポリイミドフィルム等を適用することが好ましい。
【0015】
以上に述べたように、本発明の薄膜熱電素子では放/吸熱部と電極部が別であり、寸法が小さく、加えて互いに離間した一端が吸熱部、他端が放熱部であるという特徴を有する。これらの特徴を有する本発明の好適な適用方法として、例えば図4に示す適用方法が挙げられる。図4に示すように一方の放/吸熱部4を冷却する電子部品9に接触させて電子装置の筐体10の内部に配し、他方の放/吸熱部4を筐体10の外部に配して放熱特性を向上することも可能である。
【0016】
次に、本発明の薄膜熱電素子の製造方法について説明する。上述した本発明の薄膜熱電素子も、以下に示す本発明の薄膜熱電素子の製造方法により製造することができる。
本発明の薄膜熱電素子の製造方法における特徴は、従来の製造方法における大部分の工程が微細加工プロセスにより行われるのに対し、それぞれP型半導体シートとN型半導体シートとを別個に作製し、これらを重ねて薄膜熱電素子を構成することである。
【0017】
本発明では図2(c)に示すような半導体シート12を用いる。この半導体シート12は二枚の絶縁フィルム8の間に2以上のP型またはN型半導体薄膜(1、2)を簾状に配したものである。半導体シートは、機械的強度の低い半導体薄膜を絶縁フィルムで補強したものである。従来、バルク型熱電素子に用いられるブロック状の半導体と異なり、薄膜熱電素子に用いる半導体薄膜は強度が低いため一つの部材として単独で取り扱うことが出来ず、薄膜熱電素子の製造工程の殆どは微細加工プロセスにより行われていた。これに対し、本発明では半導体薄膜を絶縁フィルムと複合して半導体シートとし、機械的強度の低い半導体薄膜を一つの部材として単独で取り扱うことで、製造工程の簡素化を達成したものである。
【0018】
本発明で用いる半導体シート12は、図2(c)に一例を示すように半導体薄膜の一方の面は全面、他方の面は半導体薄膜毎に簾の長手方向に離間した端子部3を残す如く一部が絶縁フィルム8に覆われてなることを要件とする。このような端子部を具備する半導体シートは、両面の全てが絶縁フィルムの覆われた半導体シート(例えば図2(b))から、一方の面の絶縁フィルムを部分的に剥がして端子部とする方法や、予め端子部とする部分が切り抜かれた形態の絶縁フィルムを用いて半導体シートとする方法等で形成することが出来る。
【0019】
以上に述べた半導体シートを用いることで、微細加工プロセスを必要とせず、簡素な工程で薄膜熱電素子を製造することができる。
本発明では、P型半導体シートとN型半導体シートとを、一部が絶縁フィルムに覆われた面を対向させて積層し、P型半導体薄膜とN型半導体薄膜とが交互に直列接続するようP型半導体薄膜の端子部と、N型半導体薄膜の端子部とを電気的に接続する。
【0020】
具体的には、図2(d)の下図にあるように、例えば一つのP型半導体薄膜に着目した場合に、対向して配されたN型半導体シート上の隣り合う二つのN型半導体薄膜にまたがるように位置し、前記P型半導体薄膜の両端にある端子部は、前述の隣り合う二つのN型半導体薄膜の両端にある端子部の一方と、一箇所ずつ接続する。このように接続することで、全てのP型半導体薄膜とN型半導体薄膜とを交互に直列接続することが可能となる。
【0021】
端子部の電気的な接続はSn−Pbはんだ等、一般に流通しているろう材により行うことができる。この際、重ねる前の一方の半導体シートの端子部、例えばP型半導体シートの端子部のみに予めろう材を付着させておき、P型及びN型半導体シートの端子部を上記の位置関係に配した後(図2(d)下図)、加熱されたコテを用いて両面から絶縁フィルムを挟みこむことで、全ての端子部を同時にろう付けすることが出来る。この方法により端子部をろう付けする場合には、絶縁フィルムとして加熱時に変質、変形しない程度の耐熱性を有する材質を選択する。
以上に述べたように、半導体シートを用いることで、微細加工プロセスを必要とせず、簡素な工程で薄膜熱電素子を製造することができる。
【0022】
なお、本発明の方法で製造する薄膜熱電素子は、直列接続されたP型/N型半導体薄膜の両端を、外部の電源と接続して用いられる。外部の電源と接続する端子部は、互いに重ねる前のP型/N型半導体シートに形成することが、簡便であり好ましい。具体的には、図2(c)に示すように、直列接続した後に両端となるP型/N型半導体薄膜に、導電性の箔等を予め電極部材11として接合しておくことが好ましい。
【0023】
さらに、本発明の製造方法では、工程を殆ど変更することなく、縦、横寸法の異なる薄膜熱電素子の製造が可能であり、設計上の自由度が高い。
図2(a)中の点線Xは図2(b)に記載の半導体シートの切取り線を示すものである。図2(d)とは放/吸熱部の距離の異なる薄膜熱電素子が必要な場合には、点線Yに示すように半導体シートを重ねた際にP型半導体薄膜とN型半導体薄膜とがなす角度を、適宜調整して半導体シートを切断する。例えば、距離D(半導体薄膜の中心−中心の距離)の等間隔で半導体薄膜が配されている半導体シートを用いて、放/吸熱部の距離がLの薄膜熱電素子を製造する場合には、P型半導体薄膜とN型半導体薄膜とがなす角度が2sin−1(D/2L)になるよう半導体シートを切断する。換言すると、距離Lの方向に対してsin−1(D/2L)の角度だけ半導体薄膜が斜傾するよう切断する。以降は同様の工程で寸法の異なる薄膜熱電素子を製造することができる。
よって、本発明の製造方法では、工程を殆ど変更することなく、縦、横寸法の異なる薄膜熱電素子の製造が可能であり、設計上の自由度が高い。
【0024】
本発明で用いる半導体シートは、図2(c)に示す形態の半導体シート12を個々に製造することも可能であるが、図3に一例を示す方法により連続して製造することが好ましい。図3に示す方法では、二つの巻出しロール13から、同時に絶縁フィルム8を巻出しながら圧着ロール14により絶縁フィルムを連続的に圧着接合する。この際、圧着接合前の一方若しくは両方の絶縁フィルムの圧着接合面側に、簾状に半導体薄膜を形成しておく。圧着接合した半導体シート12は巻取りロール15で巻取る。
この方法によれば、半導体シートを高い生産効率で連続して製造することが可能である。
【0025】
上記の方法で半導体シートを製造する場合、簾状の半導体薄膜は真空槽内に配した乾式成膜装置により付着形成することが好ましい。乾式製膜装置とは、既述の乾式成膜法を実施する装置を意味するものである。
具体的には図3に示すように、巻出しロール13、圧着ロール14などを全て真空槽16内に配し、さらに既述の乾式成膜法を実施する為の乾式成膜装置17を巻出しロール13と圧着ロール14の間に配し、この乾式成膜装置17により簾状のスリット18を介して巻出される樹脂フィルム上に連続的に成膜を行う。図3では、一方の樹脂フィルムにのみ半導体薄膜を形成する例を示すが、真空槽内に2台の乾式製膜装置を配して両方の樹脂フィルムに半導体薄膜を形成しても良い。
【0026】
この方法によれば、半導体シートを製造する全ての工程を連続して行うことが可能となる。なお、本発明において真空槽とは、槽内部を減圧することができる密閉可能な容器である。真空槽を用いることで、半導体シートを製造する全ての工程を真空雰囲気や、不活性雰囲気などで行うことが可能となり、酸化などの汚染の少ない半導体シートの製造が可能となる。
連続的に製造されたに長尺の半導体シート(図2(a))から図2(b)に示すように、薄膜熱電素子に必要な形状に半導体シートを切り出して薄膜熱電素子とすることができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、電極部が放/吸熱部を兼ねることに起因する薄膜熱電素子を電子部品に搭載する上での制約がない薄膜熱電素子、および工数が少なく簡便で、設計変更に対して自由度の高い薄膜熱電素子の製造方法を提供が可能であり、工業上重要な技術である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜熱電素子の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の薄膜熱電素子の製造方法における工程の流れの一例を示す模式図である。
【図3】半導体シートの製造装置の一例を示す模式図である。
【図4】本発明の薄膜熱電素子の使用形態の一例を示す模式図である。
【図5】従来の薄膜熱電素子の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1.P型半導体薄膜、2.N型半導体薄膜、3.端子部、4.放/吸熱部、5.電極部、6.層間フィルム、7.放/吸熱部材、8.絶縁フィルム、9.電子部品、10.筐体、11.電極部材、12.半導体シート、13.巻出しロール、14.圧着ロール、15.巻取りロール、16.真空槽、17.乾式成膜装置、18.スリット、19.基板、20.絶縁層、21.放熱電極、22.吸熱電極
Claims (5)
- 簾状に配された2以上のP型半導体薄膜と、簾状に配された2以上のN型半導体薄膜とが積層された薄膜熱電素子であって、
P型及びN型半導体薄膜は、簾の長手方向に離間した端子部においてジグザク状に直列接続されていることを特徴とする薄膜熱電素子。 - 絶縁フィルム/簾状に配された2以上のP型半導体薄膜/層間フィルム/簾状に配された2以上のN型半導体薄膜/絶縁フィルムの順に積層され、P型及びN型半導体薄膜は、端子部を除いて互いに層間フィルムで絶縁されていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜熱電素子。
- P型半導体シートとN型半導体シートとを重ねる薄膜熱電素子の製造方法であって、
P型及びN型半導体シートはそれぞれ、絶縁フィルム/簾状に配された2以上の半導体薄膜/絶縁フィルムの順で積層され、前記半導体薄膜の一方の面は全面、他方の面は半導体薄膜毎に簾の長手方向に離間した端子部を露出する如く一部が絶縁フィルムに覆われてなり、
前記P型半導体シートとN型半導体シートとを、一部が絶縁フィルムに覆われた面を対向させて重ね、
P型半導体薄膜とN型半導体薄膜とがジグザグ状に直列接続するようP型半導体薄膜の端子部と、N型半導体薄膜の端子部とを電気的に接続することを特徴とする薄膜熱電素子の製造方法。 - 一方若しくは両方に簾状に半導体薄膜を形成した2つの絶縁フィルムを、前記半導体薄膜を形成した面を対向させてロールにより圧着接合してP型半導体シートまたはN型半導体シートとすることを特徴とする請求項2に記載の薄膜熱電素子の製造方法。
- 半導体薄膜の形成は、真空槽内で乾式成膜装置により、二つの絶縁フィルムの一方または両方の被接合面に乾式成膜層を付着して形成することを特徴とする請求項4に記載の薄膜熱電素子の製造方法。
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