JP2004178974A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】実際の使用状態において、供給ガスの流量や給水流量を的確に制御して燃料電池の安定した発電を実現できる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させ、電力を発生させる燃料電池6を備えた燃料電池システムSにおいて、ガスの供給若しくは給水を行う供給手段と、この供給手段の運転を制御する制御手段とを備え、この制御手段は、燃料電池の出力電圧が不安定となる実ガス流量若しくは実給水流量を保有しており、供給手段を制御してガス流量若しくは給水流量を徐々に減少させ、出力電圧が不安定となる当該供給手段の制御量を特定すると共に、当該特定された制御量と実ガス流量若しくは実給水流量とを用い、供給手段の制御パラメータを補正するパラメータ補正制御を実行する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素を用いて電力を発生させる燃料電池を備えた燃料電池システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、電極反応によって燃料ガス(水素など)が有する化学エネルギーを直接電気エネルギーとして取り出すものである。特に、固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte FuelCell:「PEFC」)は、固体高分子電解質膜(Polymer Electrolyte Membrance)の両面にアノードとカソードとが配されたセルと、セルを挟持する一対のリブ付きセパレータなどから構成され、このセパレータのリブ間に構成されるガス通路(燃料ガス通路及び酸化剤ガス通路)を介して、アノードとカソードにそれぞれポンプにより水素ガス(燃料ガス)と空気(酸化剤ガス)を供給し、水素と空気中の酸素が酸化還元反応を生ずることで電力を発生させるものである(特許文献1参照)。
【0003】
この場合、固体高分子電解質膜は、アノード側で生成されたプロトン(H)がカソード側に伝導する際の通路となるため、陽イオン伝導性を有するパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーをはじめとする陽イオン交換樹脂が一般的に用いられる。しかしながら、係る陽イオン伝導は水和水とともに成されることから、固体高分子電解質膜は湿潤された状態(水分が含まれた状態)でなければならない。そのため、固体高分子電解質膜は燃料電池を運転する際、常時湿潤させておく必要がある。そこで、一般的には水素ガスと空気を加湿した後、アノードとカソードにそれぞれ供給する方式が採られていた。
【0004】
また、係る燃料電池を用いた燃料電池システムでは、天然ガス、都市ガス、メタノール、LPG、ブタンなどの原料ガスから水素ガス(燃料ガス)を改質生成する場合、原料ガスから水素、二酸化炭素及び一酸化炭素を含む改質ガスを生成する改質器と、この改質器からの改質ガスに含まれる一酸化炭素を二酸化炭素に変成するCO変成器と、このCO変成器からの未変性の一酸化炭素を除去するCO除去器とを備えた改質装置が使用される。
【0005】
上記改質器はバーナを有し、燃料ガスと内部の熱交換器で水蒸気化した水蒸気とを混合して予熱し、触媒で活性化することによって改質ガスを生成する。この水蒸気を作る水はポンプにより改質器に供給される。また、CO除去器にはCO変成器を経た改質ガスと空気が混合されて供給される。そして、この混合された改質ガスは熱交換器で冷却された後、触媒によって改質ガス中の一酸化炭素が選択酸化反応により二酸化炭素に転換され、改質ガス中の一酸化炭素濃度は10ppm程度に低減される。この場合に改質ガスに混合する空気もポンプによってCO除去器に供給される(特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−185170号公報
【特許文献2】
特開2001−180911号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述の如く固体高分子電解質膜を湿潤状態に保つために水素ガスや空気は加湿されてセルに供給されるため、ガス通路入口の露点温度が高くなるとガス通路表面に結露が生じて通路を詰まってしまう状態になる。一方、露点温度が低くなると、今度は固体高分子電解質膜が乾燥状態に陥り、何れにしても燃料電池の出力電圧が不安定となって、結果的として低下していくことになる。
【0008】
この露点温度はガス通路に流れるガス流量によって変化する。即ち、ガス流量が少なくなると、ガス通路に結露が生じ易くなる。また、ガス流量を増大させればガス通路は詰まりにくくなるが、今度は固体高分子電解質膜が乾燥するようになる。そこで、実際には適切なガス流量を予め決定しておき、水素ガスや空気を送り込むポンプの運転周波数(制御量)を所定の制御パラメータに則って制御するものであるが、水素ガスや空気の温度や圧力、湿度などの状態によって実際の使用状態におけるガス流量は一義的には決まらない。
【0009】
即ち、ポンプの同じ運転周波数でも実際にガス通路を流れる水素ガスや空気の流量は使用状況によって異なってくると云う問題があった。係るポンプと実際の流量に関しては、改質器に供給される水やCO除去器に供給される空気についても同様のことが云える。
【0010】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、実際の使用状態において、供給ガスの流量や給水流量を的確に制御して燃料電池の安定した発電を実現できる燃料電池システムを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させ、電力を発生させる燃料電池を備えた燃料電池システムにおいて、ガスの供給若しくは給水を行う供給手段と、この供給手段の運転を制御する制御手段とを備え、この制御手段は、燃料電池の出力電圧が不安定となる実ガス流量若しくは実給水流量を保有しており、供給手段を制御してガス流量若しくは給水流量を徐々に減少させ、出力電圧が不安定となる当該供給手段の制御量を特定すると共に、当該特定された制御量と実ガス流量若しくは実給水流量とを用い、供給手段の制御パラメータを補正するパラメータ補正制御を実行するものである。
【0012】
請求項2の発明は、固体高分子電解質膜の両面にアノード及びカソードを構成すると共に、燃料ガス通路を介してアノードに燃料ガスを加湿供給し、酸化剤ガス通路を介してカソードに酸化剤ガスを加湿供給して燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させ、電力を発生させる燃料電池を備えた燃料電池システムにおいて、酸化剤ガス通路に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、この酸化剤ガス供給手段の運転を制御する制御手段とを備え、この制御手段は、燃料電池の出力電圧が不安定となる実酸化剤ガス流量を保有しており、酸化剤ガス供給手段を制御してカソードへの酸化剤ガス流量を徐々に減少させ、出力電圧が不安定となる当該酸化剤ガス供給手段の制御量を特定すると共に、当該特定された制御量と実酸化剤ガス流量とを用い、酸化剤ガス供給手段の制御パラメータを補正するパラメータ補正制御を実行することを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、固体高分子電解質膜の両面にアノード及びカソードを構成すると共に、燃料ガス通路を介してアノードに燃料ガスを加湿供給し、酸化剤ガス通路を介してカソードに酸化剤ガスを加湿供給して燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させ、電力を発生させる燃料電池を備えた燃料電池システムにおいて、燃料ガス通路に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、この燃料ガス供給手段の運転を制御する制御手段とを備え、この制御手段は、燃料電池の出力電圧が不安定となる実燃料ガス流量を保有しており、燃料ガス供給手段を制御してアノードへの燃料ガス流量を徐々に減少させ、出力電圧が不安定となる当該燃料ガス供給手段の制御量を特定すると共に、当該特定された制御量と実燃料ガス流量とを用い、燃料ガス供給手段の制御パラメータを補正するパラメータ補正制御を実行することを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、天然ガス、都市ガス、メタノール、LPG、ブタンなどを改質する改質器と、この改質器にて改質された燃料ガスを用いて電力を発生させる燃料電池とを備えた燃料電池システムにおいて、改質器に給水する水供給手段と、この水供給手段の運転を制御する制御手段とを備え、この制御手段は、燃料電池の出力電圧が不安定となる実給水流量を保有しており、水供給手段を制御して改質器への給水流量を徐々に減少させ、出力電圧が不安定となる当該水供給手段の制御量を特定すると共に、当該特定された制御量と実給水流量とを用い、水供給手段の制御パラメータを補正するパラメータ補正制御を実行することを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明は、天然ガス、都市ガス、メタノール、LPG、ブタンなどを改質する改質器と、一酸化炭素を除去するCO除去器と、改質器にて改質され、CO除去器にて一酸化炭素を除去された燃料ガスを用いて電力を発生させる燃料電池とを備えた燃料電池システムにおいて、CO除去器に空気を供給する空気供給手段と、この空気供給手段の運転を制御する制御手段とを備え、この制御手段は、燃料電池の出力電圧が不安定となる実空気流量を保有しており、空気供給手段を制御してCO除去器への空気流量を徐々に減少させ、出力電圧が不安定となる当該空気供給手段の制御量を特定すると共に、当該特定された制御量と実空気流量とを用い、空気供給手段の制御パラメータを補正するパラメータ補正制御を実行することを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明は、上記各発明において制御手段は、燃料電池の出力電圧に異常が発生した場合、当該出力電圧のパターンから異常原因を推定すると共に、推定された原因に関する制御量を調整し、その場合の出力電圧から推定の正否を判定して、判定された原因に関する制御量についてパラメータ補正制御を実行することを特徴とする。
【0017】
請求項7の発明は上記において、天然ガス、都市ガス、メタノール、LPG、ブタンなどを改質する改質器が起動時に安定するまで燃料ガスを燃焼させるためのプロセスガスバーナを備え、制御手段は、判定された原因に関する制御量が、酸化剤ガス通路に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段若しくは燃料ガス供給手段のものであった場合、燃料ガスをプロセスガスバーナに供給して燃焼させると共に、その発熱により燃料電池を保温又は加熱することを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、燃料ガスや酸化剤ガスの流量や、給水流量、空気流量を徐々に減少させていって燃料電池の出力電圧を強制的に不安定とし、その場合のそれらガスや水の供給手段の制御量を特定し、特定された制御量と係る燃料電池の出力電圧が不安定となるそれらの実流量とに基づいて、供給手段の制御パラメータを補正するので、実際の使用状態におけるガス流量や給水流量、空気流量を供給手段の運転制御によって的確に制御することができるようになる。これにより、燃料電池を安定した運転制御を実現することが可能となるものである。
【0019】
更に、請求項6の発明で制御手段は、燃料電池の出力電圧に異常が発生した場合、当該出力電圧のパターンから異常原因を推定すると共に、推定された原因に関する制御量を調整し、その場合の出力電圧から推定の正否を判定して、判定された原因に関する制御量についてパラメータ補正制御を実行するようにしたので、突発的な機器特性の変化が生じた場合にも、異常原因を特定し、特定されたガスや水の供給手段の制御パラメータを補正して運転を継続することができるようになる。
【0020】
また、請求項7の発明では、天然ガス、都市ガス、メタノール、LPG、ブタンなどを改質する改質器が起動時に安定するまで燃料ガスを燃焼させるためのプロセスガスバーナを備え、制御手段は、判定された原因に関する制御量が、酸化剤ガス通路に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段若しくは燃料ガス供給手段のものであった場合、燃料ガスをプロセスガスバーナに供給して燃焼させると共に、その発熱により燃料電池を保温又は加熱するようにしたので、異常原因が酸化剤ガス通路や燃料ガス通路の水詰まりであり、回復に時間がかかるような場合に、燃料電池の発電を低減若しくは遮断し、プロセスガスバーナで燃料ガスを燃焼させ、燃料電池を加熱して水詰まりを迅速に解消することができるようになる。これにより、運転停止及び再開にかかる時間的ロスを解消することができるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。図1において、100は、建家を示しており、この建家100には低圧電灯線101、電力量計102及び分電盤103を経て、商用電源が供給されている。この商用電源は、第1のケーブル104を経て、エアコン105、テレビジョン106等に供給されている。
【0022】
一方、本実施形態では、家庭用小型電源システムを構成する本発明の固体高分子型の燃料電池システムSが、建家100の外に設置されている。
【0023】
この燃料電池システムSは、図2に示すようにPEFC装置と熱回収装置とから構成される。この熱回収装置は、貯湯タンク7と水処理装置8とを有し、この水処理装置8には水道管を通じて市水が供給される。この市水は水処理装置8で純水にされて、昇圧ポンプ44により各配管9、10を介して水タンク11、12に供給され、また、水タンク21を介して改質装置13に供給される。そして、PEFC装置Sは、改質装置(改質器、CO変成器、CO除去器)13を有している。
【0024】
この改質装置13には天然ガス、都市ガス、メタノール、LPG、ブタンなどの原料ガスが供給され、ここには更に前記水タンク21からの水が供給されて、水素が生成される。この水素は燃料電池6に供給されて、ここで水素と空気中の酸素とを化学反応させて発電が行われる。14は発電制御を司る制御手段としての制御装置である。
【0025】
そして、発電された電力はDC/DCコンバータ15を経て、100Vにまで昇圧され、系統連系インバータ16に送られ、ここから、図1に示した第2のケーブル107を通じて、パソコン108、照明109、冷蔵庫110等に供給されている。この燃料電池システムSは、系統連系インバータ16を介して商用電源に接続されている。
【0026】
この燃料電池システムSでは、発電の過程で熱が発生するので、この熱を利用して市水から温水を生成し、この温水を、図2に示すように、貯湯タンク7に蓄える。この温水は、図1に示すように、風呂113、キッチン114等に供給される。この貯湯タンク7は、建家100の外に設置される。
【0027】
次に、係る固定高分子型の燃料電池システムSについて、図3を参照して説明する。この燃料電池システムSでは、天然ガス、都市ガス、メタノール、LPG、ブタンなど(原料ガス)の燃料の供給源である燃料供給源1と、原料ガスから硫黄成分を除去する脱硫器2と、改質装置13と、固体高分子型の燃料電池(PEFC)6とを備える。改質装置13は、原料ガスから水素、二酸化炭素及び一酸化炭素を含む改質ガスを生成する改質器3と、この改質器3からの改質ガスに含まれる一酸化炭素を二酸化炭素に変成するCO変成器4と、このCO変成器4からの未変性の一酸化炭素を除去するCO除去器5とを備えている。
【0028】
燃料電池6は、改質装置13のCO除去器5からの一酸化炭素が除去された後の水素と空気中に含まれる酸素とを反応させて電力を発生させるものであり、この燃料電池6は、アノード(燃料極)6Aと、カソード(空気極)6Bと、冷却部6Cと、加熱部6Eを備えている。
【0029】
図4に係る燃料電池6のセル構造を示す。燃料電池6は、固体高分子電解質膜(Polymer Electrolyte Membrance)6Dの両面にアノード6Aとカソード6Bとが配されたセル81と、セル81を挟持する一対のリブ付きセパレータ82、83などから構成され、このセパレータ82、83のリブ間に構成される燃料ガス通路84及び酸化剤ガス通路86を介して、アノード6Aとカソード6Bにそれぞれ水素ガス(燃料ガス)と空気(酸化剤ガス)が供給され、水素と空気中の酸素が下記化学式▲1▼及び▲2▼の酸化還元反応を生ずることで電力を発生させるものである。
【0030】
→2H+2e ・・・・▲1▼
2H+1/2O+2e→HO ・・・・▲2▼
【0031】
この場合、固体高分子電解質膜6Dは、アノード6A側で生成されたプロトン(H)がカソード6B側に伝導する際の通路となるため、陽イオン伝導性を有するパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーをはじめとする陽イオン交換樹脂が用いられる。
【0032】
前記燃料供給源1からはガス管17が延出され、このガス管17には電磁開閉弁18及び燃料ガス供給手段を構成する昇圧ポンプ19が設けられ、ガス管17は脱硫器2に接続される。脱硫器2はガス管22を介して改質装置13の改質器3に接続される。ガス管22からは電磁開閉弁51が設けられたガス管52が分岐し、このガス管52は改質器3のバーナ53に接続されている。そして、この改質器3は、図示しないガス管により、CO変性器4、CO除去器5と順次接続されている。この改質装置13には、水供給手段を構成する昇圧ポンプ40が設けられた配管41を介して水タンク21が接続される。
【0033】
そして、CO除去器5は、ガス管23を介して前記水タンク11に接続され、この水タンク11は、電磁開閉弁56が設けられた配管24を介して燃料電池6のアノード6A側の前記燃料ガス通路84に接続される。このアノード6A側の燃料ガス通路84は、電磁開閉弁57が設けられたガス管37を介して改質器3のバーナ53に接続されている。そして、水タンク11は、配管25を介して燃料電池6の冷却部6Cに接続され、冷却部6Cは、熱回収用熱交換器27が介設された配管26を介して再び水タンク11に接続されている。
【0034】
他方、上記水タンク12は、配管31を介して酸化剤ガス供給手段としての空気ポンプ30と接続され、配管32を介して燃料電池6のカソード6B側の前記酸化剤ガス通路86に接続される。このカソード6B側の酸化剤ガス通路86は、配管34を介して熱回収用熱交換器33に接続される。この熱回収用熱交換器33には、排気ダクト35及びドレンパイプ36が接続される。
【0035】
また、上記貯湯タンク7は、昇圧ポンプ45により電磁開閉弁58が設けられた配管42を介して上述した熱回収用熱交換器27と接続されていると共に、昇圧ポンプ46により配管43を介して上述した熱回収用熱交換器33と接続されている。前記CO除去器5は、配管59を介して空気供給手段としての空気ポンプ61と接続されている。
【0036】
図3において62はプロセスガス(PG)バーナである。このプロセスガスバーナ62は、起動時に改質装置13が安定するまで改質ガスを燃焼させるものであり、ガス管24から分岐し、電磁開閉弁63が設けられたガス管64と、ガス管57から分岐し、電磁開閉弁66が設けられたガス管67が接続されている。68はこのプロセスガスバーナ62の燃焼で加熱される熱回収用熱交換器であり、この熱回収用熱交換器68はそれぞれ電磁開閉弁69、71が設けられた配管72、73によって電磁開閉弁58の前後の配管42に接続されている。また、配管73からは電磁開閉弁74が設けられた配管76が分岐し、この配管76は加熱部6Eに接続されている。更に、配管72からは電磁開閉弁77、昇圧ポンプ78が設けられた配管79が分岐し、この配管79は加熱部6Eに接続されている。
【0037】
制御装置14により燃料電池システムSの定常運転において、燃料供給源1からの原料ガスは、電磁開閉弁18を介して昇圧ポンプ19に入り、当該昇圧ポンプ19にて昇圧されて、脱硫器2に供給される。ここで原料ガスから硫黄成分が除去される。この脱硫器2に、例えば酸化亜鉛や活性炭等の吸着反応を利用した触媒を使用した場合、常温で、硫黄成分を除去することができる。この脱硫器2を経た原料ガスは、ガス管22を介して改質装置13の改質器3に供給される。
【0038】
この改質器3ではバーナ53によって脱硫器2からの燃料ガスと昇圧ポンプ40から供給される水を内部の熱交換器で水蒸気化した水蒸気とを混合して予熱し、触媒で活性化することによって水素(燃料ガス)、二酸化炭素及び一酸化炭素を含む改質ガスを生成する。この改質器3を経たガスは、CO変成器4に供給され、ここでは改質ガスに含まれる一酸化炭素が二酸化炭素に変性される。
【0039】
このCO変成器4を経たガスは、CO除去器5に供給される。この場合、CO除去器5にはCO変成器4を経た改質ガスと空気ポンプ61によって供給される空気が混合されて供給される。そして、この混合された改質ガスは内部の熱交換器で冷却された後、触媒によって改質ガス中の未変性の一酸化炭素が選択酸化反応により二酸化炭素に転換され、改質ガス中の一酸化炭素濃度は10ppm程度に低減され、実質的にガス中の未変性の一酸化炭素が除去される。
【0040】
このCO除去器5を経て一酸化炭素が除去された後の水素がガス管23を経て水タンク11に入り、そこで加湿された後、ガス管24及び電磁開閉弁56(開)を介して燃料ガス通路84から燃料電池6のアノード6Aに燃料ガスとして供給される。他方、空気ポンプ30から水タンク12に空気が供給され、そこで加湿された空気が酸化剤ガス通路86から燃料電池6のカソード6Bに供給される。これにより、アノード6Aに供給された水素と、カソード6Bに供給された空気中に含まれる酸素とが反応し、電力が発生すると共に、固体高分子電解質膜6Dを湿潤状態とする。
【0041】
尚、上記改質器3のバーナ53にはガス管37及び電磁開閉弁57(開)を介して、アノード6A側の燃料ガス通路84を経た未反応水素がオフガスとして供給される。このとき、化学反応により生じ、アノード6A及び燃料ガス通路84に一部残存、若しくは、移動した水及び改質装置13において生じたドレン水は、図示しないドレンパイプにより外部に排出される。
【0042】
また、カソード6Bの酸化剤ガス通路86から配管34に導出された空気は、燃料電池6の発熱反応によって温度上昇しており、この温度上昇した排気空気は、上記貯湯タンク7の水が配管43を介して循環する熱回収用熱交換器33で熱回収された後、排気ダクト35を通じて外部に放出される。このとき、熱回収用熱交換器33での熱交換によって、貯湯タンク7の水が温度上昇する。他方、燃料電池6の化学反応において生じた水は、温度上昇した排気空気中に水蒸気として存在しているため、熱回収用熱交換器33にて貯湯タンク7の水と熱交換した際に凝縮され、ドレン水としてドレンパイプ36より外部に排出される。
【0043】
上述した改質器3、CO変成器4、CO除去器5、燃料電池6では、所定の反応温度を有する化学反応が行われる。改質器3における化学反応は吸熱反応であるので、改質装置13に設けられた前記バーナ53によって常時加熱しながら化学反応を行う。
【0044】
また、CO変成器4、CO除去器5で行われる化学反応は発熱反応であるので、システム起動時のみ図示しないバーナを燃焼させて、燃焼ガスを発生させ、このとき発生した燃焼ガスの熱でCO除去器5の温度を反応温度まで昇温し、この反応温度まで昇温した後には、発熱反応の熱により反応温度以上に昇温しないように冷却が行われる。
【0045】
燃料電池6では、電気化学反応が行われ、この電気化学反応時の活性化過電圧、濃度過電圧、抵抗過電圧により熱が発生する。このとき、燃料電池6の冷却部6Cには、図示しないポンプにより、水タンク11の水が供給され、当該冷却部6Cを経た水は、配管26を介して熱回収用熱交換器27を通過し、再び水タンク11に帰還する。尚、熱回収用熱交換器27には、上記貯湯タンク7の水が配管42及び電磁開閉弁58(開)を介して循環するため、貯湯タンク7の水が温度上昇し、水タンク11の水の温度が低下する。これにより、水タンク11の水が冷却部6Cを循環することにより、燃料電池6が冷却される。
【0046】
上記改質器3の排気系には、前述した熱交換器が接続され、水タンク21の水が前述の如く昇圧ポンプ40を介して供給されると、当該熱交換器で水蒸気化し、この水蒸気が、原料ガスと混合して改質器3に供給される。
【0047】
燃料電池システムSの起動時には、改質器3、CO変成器4、CO除去器5を経た改質ガスが安定していないので、それが安定するまではこのガスを燃料電池6に供給することができない。そこで、各反応器が安定するまで、制御装置14は電磁開閉弁56を閉じ、電磁開閉弁63を開くことにより、係る不安定な状態にある改質ガスをプロセスガスバーナ62に導いて燃焼させる。プロセスガスバーナ62が燃焼している間、制御装置14は電磁開閉弁58を閉じ、電磁開閉弁69、71を開くことにより、貯湯タンク7の水を熱回収用熱交換器68に流し、プロセスガスバーナ62の燃焼による熱を回収する。
【0048】
そして、各反応器が安定した後、電磁開閉弁63を閉じ、電磁開閉弁56を開いて燃料電池6に改質ガス(水素ガス)を導入して発電を行う。また、制御装置14は当初電磁開閉弁57を閉じ、電磁開閉弁66を開くことにより、燃料電池6での発電に使用できなかった未反応ガスをプロセスガスバーナ62に導いて燃焼させ、システムの系が安定した後、電磁開閉弁66を閉じ、電磁開閉弁57を開いて改質器3のバーナ53に導入して燃焼させる。プロセスガスバーナ62に未反応ガスを導入している間、制御装置14は電磁開閉弁51を開いてバーナ53に原料ガスを導入し、燃焼させる。
【0049】
以上の如き構成により、燃料電池発電システムSが、コージェネレーションシステムの形態をとるので、エネルギーの有効活用が図られる。したがって、高い総合熱効率が得られるので、原燃料の消費量が減少し、二酸化炭素の排出量が低減されるものである。
【0050】
ここで、制御装置14は燃料電池6の出力電圧V、電流I、燃料ガス通路84(入口)の露点温度DH(水タンク11の温度で決まる)、酸化剤ガス通路86(入口)の露点温度DA(水タンク12の温度で決まる)、燃料電池6の温度TMを図示しないセンサ出力で把握している。
【0051】
また、要求電力に応じ、昇圧ポンプ19、空気ポンプ30、昇圧ポンプ40及び空気ポンプ61の運転を予め設定された制御パラメータに基づいて制御し、燃料ガス通路84からアノード6Aに供給される水素ガス(燃料ガス)流量WH、酸化剤ガス通路86からカソード6Bに供給される空気(酸化剤ガス)流量WA、改質器3に供給される給水流量Ww及び、CO除去器5に供給される空気流量Wpaを調節するものであるが、使用状態における空気や水素ガス、水の温度などにより、各ポンプの同じ運転周波数においても、実際の流量は異なってくる。即ち、システムが構成された時点で予め規定された各ポンプの制御パラメータでは、実際の使用状態にそぐわなくなり、予め規定された制御パラメータに基づく運転周波数と、それにより期待される流量とが食い違ってくることになる。
【0052】
そこで、制御装置14は例えば定期的に以下に説明するパラメータ補正制御を実行する。
【0053】
(1)空気ポンプ30の制御パラメータ補正
先ず、燃料電池6のカソード6Bに供給される空気流量WAを減少させた場合、前述した如く酸化剤ガス通路86に結露が生じてくることから空気が詰まる状態に至り、それにより酸化還元反応が阻害され、準静的な電池電圧特性から出力電圧Vが不安定となり低下してくる。燃料電池6において出力電圧Vが不安定となる実際の空気流量(実空気流量WA1)は予め測定され、制御装置14に格納されている。
【0054】
そして、制御装置14は例えば一定期間ごとに空気ポンプ30の運転周波数を徐々に低下させていき、カソード6Bへの空気流量WAを徐々に減少させる。そして、燃料電池6の出力電圧Vが不安定となる空気ポンプ30の運転周波数(制御量)HzA1を特定する。これにより、空気ポンプ30を運転周波数HzA1で運転した場合の実際の空気流量はWA1であることが判明する。
【0055】
そこで、制御装置14は空気ポンプ30を運転周波数HzA1で運転した場合に空気流量がWA1となるように前述した空気ポンプ30の制御パラメータの偏差を補正する。以後は、補正された制御パラメータを用い、酸化剤ガス通路86に結露が生じず、且つ、固体高分子電解質膜6Dの湿潤状態が維持できる範囲内で空気ポンプ30の運転を制御する。これにより、実際の使用状態におけるカソード6Bへの空気流量を的確に制御し、燃料電池6を安定して運転制御できるようになる。また、空気ポンプ30の必要最小限の運転を実現できるようになるので、ランニングコストの低減も図れるようになる。
【0056】
(2)昇圧ポンプ19の制御パラメータ補正
次に、燃料電池6のアノード6Aに供給される水素ガス流量WHを減少させた場合、前述した如く燃料ガス通路84に結露が生じてくることから水素ガスが詰まる状態に至り、それにより酸化還元反応が阻害されて準静的な電池電圧特性から出力電圧Vが不安定となり低下してくる。燃料電池6において出力電圧Vが不安定となる実際の水素ガス流量(実水素ガス流量WH1)は予め測定され、制御装置14に格納されている。
【0057】
そして、制御装置14は同様に一定期間ごとに昇圧ポンプ19の運転周波数を徐々に低下させていき、アノード6Aへの水素ガス流量WHを徐々に減少させる。そして、燃料電池6の出力電圧Vが不安定となる昇圧ポンプ19の運転周波数(制御量)HzH1を特定する。これにより、昇圧ポンプ19を運転周波数HzH1で運転した場合の実際の水素ガス流量はWH1であることが判明する。
【0058】
そこで、制御装置14は昇圧ポンプ19を運転周波数HzH1で運転した場合に水素ガス流量がWH1となるように前述した昇圧ポンプ19の制御パラメータの偏差を補正する。以後は、補正された制御パラメータを用い、水素ガス通路84に結露が生じず、且つ、固体高分子電解質膜6Dの湿潤状態が維持できる範囲内で昇圧ポンプ19の運転を制御する。これにより、実際の使用状態におけるアノード6Aへの水素ガス流量を的確に制御し、燃料電池6を安定して運転制御できるようになる。また、昇圧ポンプ19の必要最小限の運転を実現できるようになるので、ランニングコストの低減も図れるようになる。
【0059】
(3)昇圧ポンプ40の制御パラメータ補正
次に、改質器3への給水流量Wwを減少させた場合、改質器3における原料ガスの改質反応が悪化してくることから水素ガス量が低下し、準静的な電池電圧特性から出力電圧Vが不安定となり低下してくる。燃料電池6において出力電圧Vが不安定となる実際の給水流量(実給水流量Ww1)は予め測定され、制御装置14に格納されている。
【0060】
そして、制御装置14は同様に一定期間ごとに昇圧ポンプ40の運転周波数を徐々に低下させていき、改質器3への給水流量Wwを徐々に減少させる。そして、燃料電池6の出力電圧Vが不安定となる昇圧ポンプ40の運転周波数(制御量)HzW1を特定する。これにより、昇圧ポンプ40を運転周波数HzW1で運転した場合の実際の給水流量はWw1であることが判明する。
【0061】
そこで、制御装置14は昇圧ポンプ40を運転周波数HzW1で運転した場合に給水流量がWw1となるように前述した昇圧ポンプ40の制御パラメータの偏差を補正する。以後は、補正された制御パラメータを用い、改質器3における原料ガスの改質反応が効率的に行われる範囲内で昇圧ポンプ40の運転を制御する。これにより、実際の使用状態における改質器3への給水流量を的確に制御し、燃料電池6を安定して運転制御できるようになる。また、昇圧ポンプ40の必要最小限の運転を実現できるようになるので、ランニングコストの低減も図れるようになる。
【0062】
(4)空気ポンプ61の制御パラメータ補正
次に、CO除去器5への空気流量Wpaを減少させた場合、CO除去器5における一酸化炭素の選択酸化反応が悪化してくることから燃料電池6のアノード6Aに供給される改質ガス中の一酸化炭素濃度が上昇し、発電が阻害されて準静的な電池電圧特性から出力電圧Vが不安定となり低下してくる。燃料電池6において出力電圧Vが不安定となる実際の空気流量(実空気流量Wpa1)は予め測定され、制御装置14に格納されている。
【0063】
そして、制御装置14は同様に一定期間ごとに空気ポンプ61の運転周波数を徐々に低下させていき、CO除去器5への空気流量Wpaを徐々に減少させる。そして、燃料電池6の出力電圧Vが不安定となる空気ポンプ61の運転周波数(制御量)HzA2を特定する。これにより、空気ポンプ61を運転周波数HzA2で運転した場合の実際の空気流量はWpa1であることが判明する。
【0064】
そこで、制御装置14は空気ポンプ61を運転周波数HzA2で運転した場合に空気流量がWpa1となるように前述した空気ポンプ61の制御パラメータの偏差を補正する。以後は、補正された制御パラメータを用い、CO除去器5における一酸化炭素の除去反応が効率的に行われる範囲内で空気ポンプ61の運転を制御する。これにより、実際の使用状態におけるCO除去器5への空気流量を的確に制御し、燃料電池6を安定して運転制御できるようになる。また、空気ポンプ61の必要最小限の運転を実現できるようになるので、ランニングコストの低減も図れるようになる。
【0065】
(5)異常状態に対する対処
ここで、燃料電池システムSの定常運転時に異常が発生した場合、この異常は燃料電池6の出力電圧Vの変化として現れる。この場合の出力電圧Vの変化のパターンは、前述した水素ガス流量WH、空気流量WA、給水流量Ww及び、空気流量Wpaの何れに起因するかによって異なってくる。そして、各原因による出力電圧Vの変化のパターンは予め測定され、制御装置14に格納されている。
【0066】
制御装置14は、実際の出力電圧Vの変化のパターンと予め記憶されているパターンとを比較し、その原因を推定する。次に、推定された原因に関する前述した制御量を調整し、推定された原因の正否を判定する。例えば、改質器3への給水流量Wwに原因があると推定した場合、制御装置14は昇圧ポンプ40の運転周波数を増大させる。これにより、出力電圧Vが正常に戻れば推定された原因は正しかったものと判断する。その後、制御装置14は前述した昇圧ポンプ40の制御のパラメータ補正制御を実行して運転を継続する。
【0067】
尚、係る制御は異常原因が水素ガス流量WH、空気流量WA、Wpaであると推定された場合についても同様である。これにより、突発的な機器特性の変化が生じた場合にも、異常原因を特定し、特定された昇圧ポンプや空気ポンプの制御パラメータを補正して運転を継続することができるようになる。
【0068】
ここで、上述した異常原因が燃料ガス通路84や酸化剤ガス通路86の水詰まりであると判断し、且つ、回復に時間がかかり、或いは、出力電圧の低下によりユニットが停止する危険性がある場合、制御装置14は以下の異常復旧制御を実行する。
【0069】
(6)異常復旧制御
この場合、制御装置14はプロセスガスバーナ62の着火運転を開始すると共に、電磁開閉弁52を開いて原料ガスを改質器3のバーナ53に供給し、電磁開閉弁57を閉じ、電磁開閉弁66を開いてアノード6Aからの未反応ガス(水素ガス)をプロセスガスバーナ62に供給して燃焼させる。また、電磁開閉弁56を閉じて燃料電池6の発電を遮断し、電磁開閉弁63を開いて改質ガスをプロセスガスバーナ62に導入し、燃焼させる。尚、このとき、電磁開閉弁56を開いたままとし、改質ガスの一部をプロセスガスバーナ62に導いて燃料電池6の発電を低減するようにしてもよい。
【0070】
更に、電磁開閉弁69、71を閉じ(電磁開閉弁58は開)、電磁開閉弁74、77を開き、昇圧ポンプ78を運転する。これにより、プロセスガスバーナ62の燃焼により熱回収用熱交換器68で加熱された水を電磁開閉弁6の加熱部6Eに循環させ、燃料電池6を保温し、又は、加熱して各通路84及び86の水詰まりの解消を待つ。
【0071】
これにより、燃料電池6内の水詰まりを迅速に解消することができるようになり、運転停止及び再開にかかる時間的ロスを解消することができるようになる。尚、水詰まりが解消したら制御装置14は運転状態を定常運転に復帰させるものである。
【0072】
以上、一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものでは無く、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは云うまでもない。
【0073】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、燃料ガスや酸化剤ガスの流量や、給水流量、空気流量を徐々に減少させていって燃料電池の出力電圧を強制的に不安定とし、その場合のそれらガスや水の供給手段の制御量を特定し、特定された制御量と係る燃料電池の出力電圧が不安定となるそれらの実流量とに基づいて、供給手段の制御パラメータを補正するので、実際の使用状態におけるガス流量や給水流量、空気流量を供給手段の運転制御によって的確に制御することができるようになる。これにより、燃料電池を安定した運転制御を実現することが可能となるものである。
【0074】
更に、請求項6の発明で制御手段は、燃料電池の出力電圧に異常が発生した場合、当該出力電圧のパターンから異常原因を推定すると共に、推定された原因に関する制御量を調整し、その場合の出力電圧から推定の正否を判定して、判定された原因に関する制御量についてパラメータ補正制御を実行するようにしたので、突発的な機器特性の変化が生じた場合にも、異常原因を特定し、特定されたガスや水の供給手段の制御パラメータを補正して運転を継続することができるようになる。
【0075】
また、請求項7の発明では、天然ガス、都市ガス、メタノール、LPG、ブタンなどを改質する改質器が起動時に安定するまで燃料ガスを燃焼させるためのプロセスガスバーナを備え、制御手段は、判定された原因に関する制御量が、酸化剤ガス通路に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段若しくは燃料ガス供給手段のものであった場合、燃料ガスをプロセスガスバーナに供給して燃焼させると共に、その発熱により燃料電池を保温又は加熱するようにしたので、異常原因が酸化剤ガス通路や燃料ガス通路の水詰まりであり、回復に時間がかかるような場合に、燃料電池の発電を低減若しくは遮断し、プロセスガスバーナで燃料ガスを燃焼させ、燃料電池を加熱して水詰まりを迅速に解消することができるようになる。これにより、運転停止及び再開にかかる時間的ロスを解消することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池システムを家庭に設置した場合の系統図である。
【図2】図1の屋外部分の系統図である。
【図3】本発明の実施例の燃料電池システムの回路図である。
【図4】本発明の実施例の燃料電池システムの燃料電池のセルの断面図である。
【符号の説明】
S 燃料電池システム
3 改質器
5 CO除去器
6 燃料電池
6A アノード
6B カソード
6E 加熱部
11、12、21 水タンク
14 制御装置(制御手段)
19 昇圧ポンプ(燃料ガス供給手段)
30 空気ポンプ(酸化剤ガス供給手段)
40 昇圧ポンプ(水供給手段)
61 空気ポンプ(空気供給手段)
62 プロセスガスバーナ

Claims (7)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させ、電力を発生させる燃料電池を備えた燃料電池システムにおいて、
    ガスの供給若しくは給水を行う供給手段と、
    該供給手段の運転を制御する制御手段とを備え、
    該制御手段は、前記燃料電池の出力電圧が不安定となる実ガス流量若しくは実給水流量を保有しており、前記供給手段を制御して前記ガス流量若しくは給水流量を徐々に減少させ、前記出力電圧が不安定となる当該供給手段の制御量を特定すると共に、当該特定された制御量と前記実ガス流量若しくは実給水流量とを用い、前記供給手段の制御パラメータを補正するパラメータ補正制御を実行することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 固体高分子電解質膜の両面にアノード及びカソードを構成すると共に、燃料ガス通路を介して前記アノードに燃料ガスを加湿供給し、酸化剤ガス通路を介して前記カソードに酸化剤ガスを加湿供給して前記燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させ、電力を発生させる燃料電池を備えた燃料電池システムにおいて、
    前記酸化剤ガス通路に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、
    該酸化剤ガス供給手段の運転を制御する制御手段とを備え、
    該制御手段は、前記燃料電池の出力電圧が不安定となる実酸化剤ガス流量を保有しており、前記酸化剤ガス供給手段を制御して前記カソードへの酸化剤ガス流量を徐々に減少させ、前記出力電圧が不安定となる当該酸化剤ガス供給手段の制御量を特定すると共に、当該特定された制御量と前記実酸化剤ガス流量とを用い、前記酸化剤ガス供給手段の制御パラメータを補正するパラメータ補正制御を実行することを特徴とする燃料電池システム。
  3. 固体高分子電解質膜の両面にアノード及びカソードを構成すると共に、燃料ガス通路を介して前記アノードに燃料ガスを加湿供給し、酸化剤ガス通路を介して前記カソードに酸化剤ガスを加湿供給して前記燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させ、電力を発生させる燃料電池を備えた燃料電池システムにおいて、
    前記燃料ガス通路に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、
    該燃料ガス供給手段の運転を制御する制御手段とを備え、
    該制御手段は、前記燃料電池の出力電圧が不安定となる実燃料ガス流量を保有しており、前記燃料ガス供給手段を制御して前記アノードへの燃料ガス流量を徐々に減少させ、前記出力電圧が不安定となる当該燃料ガス供給手段の制御量を特定すると共に、当該特定された制御量と前記実燃料ガス流量とを用い、前記燃料ガス供給手段の制御パラメータを補正するパラメータ補正制御を実行することを特徴とする燃料電池システム。
  4. 天然ガス、都市ガス、メタノール、LPG、ブタンなどを改質する改質器と、該改質器にて改質された燃料ガスを用いて電力を発生させる燃料電池とを備えた燃料電池システムにおいて、
    前記改質器に給水する水供給手段と、
    該水供給手段の運転を制御する制御手段とを備え、
    該制御手段は、前記燃料電池の出力電圧が不安定となる実給水流量を保有しており、前記水供給手段を制御して前記改質器への給水流量を徐々に減少させ、前記出力電圧が不安定となる当該水供給手段の制御量を特定すると共に、当該特定された制御量と前記実給水流量とを用い、前記水供給手段の制御パラメータを補正するパラメータ補正制御を実行することを特徴とする燃料電池システム。
  5. 天然ガス、都市ガス、メタノール、LPG、ブタンなどを改質する改質器と、一酸化炭素を除去するCO除去器と、前記改質器にて改質され、CO除去器にて一酸化炭素を除去された燃料ガスを用いて電力を発生させる燃料電池とを備えた燃料電池システムにおいて、
    前記CO除去器に空気を供給する空気供給手段と、
    該空気供給手段の運転を制御する制御手段とを備え、
    該制御手段は、前記燃料電池の出力電圧が不安定となる実空気流量を保有しており、前記空気供給手段を制御して前記CO除去器への空気流量を徐々に減少させ、前記出力電圧が不安定となる当該空気供給手段の制御量を特定すると共に、当該特定された制御量と前記実空気流量とを用い、前記空気供給手段の制御パラメータを補正するパラメータ補正制御を実行することを特徴とする燃料電池システム。
  6. 前記制御手段は、前記燃料電池の出力電圧に異常が発生した場合、当該出力電圧のパターンから異常原因を推定すると共に、推定された原因に関する前記制御量を調整し、その場合の前記出力電圧から推定の正否を判定して、判定された原因に関する前記制御量について前記パラメータ補正制御を実行することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5の燃料電池システム。
  7. 天然ガス、都市ガス、メタノール、LPG、ブタンなどを改質する改質器が起動時に安定するまで燃料ガスを燃焼させるためのプロセスガスバーナを備え、
    前記制御手段は、前記判定された原因に関する前記制御量が、前記酸化剤ガス通路に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段若しくは前記燃料ガス供給手段のものであった場合、前記燃料ガスを前記プロセスガスバーナに供給して燃焼させると共に、その発熱により前記燃料電池を保温又は加熱することを特徴とする請求項6の燃料電池システム。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006032236A (ja) * 2004-07-20 2006-02-02 Fuji Electric Holdings Co Ltd 燃料電池発電装置

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